JP2020175533A - 積層体、包装体及び包装物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】水の含有量が少ない内容物を収容する場合など、包装体内部に含まれる水分が極力少ない場合であっても、酸素吸収性を得ることが可能な積層体、包装体及びこれを用いた包装物品を提供すること。【解決手段】少なくとも第1の最外層、酸素吸収層、第2の最外層をこの順に備える積層体であって、前記第1の最外層は、水蒸気透過度が30〜200g/m2・24hr、且つ酸素透過度が0.1〜100cm3/m2・24hr・atmであり、前記第2の最外層は、酸素透過度が100〜13000cm3/m2・24hr・atmであることを特徴とする積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、酸素吸収性を有する積層体、包装体及び包装物品に関する。
食品の包装において包装体内に酸素が存在することにより、内容物である食品等が酸化して、劣化したり変色したりすることがある。包装された内容物の酸化劣化を防ぐには、包装体内の酸素を除去すること、及び外部の酸素が包装体内部に侵入しないよう遮断することで無酸素状態を作ることが有効である。
ところが、一般的には包装作業は大気中で行うため、包装時は包装体内に酸素が残存した状態になる。この問題を解決するために、酸素が包装体内に残らないように包装する手段として、脱気包装、真空包装、ガス置換包装などの手段を用いることがある。
しかし、このような特別な包装手段を用いると、特別な充填包装設備を別途用意する必要があり、高額な設備費用がかかったり、充填包装速度が上がらず生産効率が低下したり等、製造コスト上の不利益が発生する。また、上記のような手段で包装時に酸素が残らないように包装したとしても、包装後に包装材を通して外部の酸素が経時的に侵入してくるため、包装体内を無酸素状態に維持することは難しい。
そこで、包装体内の残存酸素及び包装後に経時で外部から浸入してくる酸素を除去する手段として、酸素吸収物質を充填した小袋からなる脱酸素剤を、内容物が収容された包装体内に充填する方法が用いられている。この方法では、一定期間、すなわち酸素吸収薬剤の酸素吸収能力が維持している期間は、酸素吸収薬剤が酸素を吸収することで酸素を除去することができる。そのため、包装時に包装体内に残った酸素や外部から経時で進入した酸素も除去することが可能であり、包装体内を無酸素状態に維持するのに非常に有効である。
しかし、脱酸素剤は、酸素吸収性薬剤を充填する際の手間やコストが発生する。また、消費者の誤飲やゴミの発生等の問題がある。
このような欠点を解消し、一定期間包装体内の酸素を除去及び遮断する手段として、包装材を構成するフィルムなどの一部に酸素吸収機能を設けた酸素吸収フィルムや、それを用いた酸素吸収包装材が考案され、一部実用化されている。
上記のような酸素吸収包装材は、現状では食品包装分野で用いられるケースが多く、特にレトルト食品(高温高圧殺菌食品)などの長期保存食品や、カビが発生しやすい高水分食品の包装に用いられる。
特に、長期保存食品の包装については、近年、輸送コストや容器の廃棄処理の観点から、缶や瓶の使用は減少し、一方で、包装材の一部に酸素吸収フィルムを設けたレトルトパウチ包装材の形態が主流となっている。
容器が缶や瓶の場合は、外部からの酸素の侵入がなく、包装時に残存した酸素のみ除去すれば良いため、真空包装や窒素ガス置換包装などの方法が用いられてきた。缶や瓶に替えて酸素吸収包装材を用いた場合、上述したような真空包装や窒素ガス置換包装などの特別な包装手段を用いることによる設備費用や生産効率の問題はない。しかしながら、従来の酸素吸収フィルムは、瓶・缶に比べると酸素を透過し易いため、缶・瓶と同等の消費期
限をレトルトパウチ包装材に付与することは困難であった。
そのため、レトルトパウチ包装材としても好適に使用することができる様々な酸素吸収フィルムやそれを用いた酸素吸収包装材が開発されている。
現在実用化されている酸素吸収包装材には、酸素吸収物質として鉄や酸素欠損酸化物を樹脂に添加したものや、樹脂組成物の構造の一部に不飽和結合を設けたものがある。
しかし、鉄系の酸素吸収物質を用いると金属探知機の使用に制限が生じる、また、酸素欠損酸化物や不飽和結合の構造を持つ樹脂組成物は材料そのものの価格が高いという問題がある。
一方で、アスコルビン酸類、グルコース等の還元糖類、グリセリン等の多価アルコール類、カテコールなどのフェノール類、ヒドロキシ安息香酸などのフェノールカルボン酸類などの有機系の物質は、脱酸素剤の酸素吸収物質として長い間検討されてきた物質であり、コストも安価で安全である。
その中でフェノールカルボン酸類の没食子酸は、塩基性の水溶液中で酸素と反応し酸化することが知られている。従って、没食子酸を酸素吸収物質として利用する場合は、水分と塩基性材料が必要となり、水分については包装材中に何かしらの手段で含有させる、もしくは包装体に収容される内容物中の水分を利用することも考えられる。
塩基性材料は包装材中に含有させ、上記の水分により溶解し没食子酸と接触させることで、没食子酸の酸化反応を可能にすることが考えられる。
例えば、酸素吸収物質として没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)を使用した酸素吸収包装材として、特許文献1には、熱可塑性樹脂中に没食子酸、アルカリ物質、酸化反応触媒を添加してなる樹脂組成物から形成された酸素吸収フィルムが開示されている。また、特許文献2には、基材、没食子酸含有層、アルカリ物質含有層及びシーラント層がこの順で積層されてなる酸素吸収フィルムが開示されている。
特開2011−92921号公報 特開平10−138410号公報
本発明者らは、没食子酸等の酸素吸収物質を含有する酸素吸収層を備え、助剤としてアルカリ物質を含有してなる酸素吸収フィルムについて鋭意研究を重ねた。
その結果、大気と接触する側のフィルムの最外層が酸素バリア性及び水蒸気バリア性がともに優れる材料とした場合、前述の通り没食子酸が酸素吸収性を得るためには水分を必要とするため、フィルムの反対側(内容物側)から水分を供給しなければならない。すなわち、水分を含む内容物に限定されてしまうため、利用用途が大きく制限されることが判明した。
そこで、本発明の目的は、水の含有量が少ない内容物を収容する場合など、包装体内部に含まれる水分が極力少ない場合であっても、酸素吸収性を得ることが可能な積層体、包装体及びこれを用いた包装物品を提供することである。
本発明の第1側面によると、
少なくとも第1の最外層、酸素吸収層、第2の最外層をこの順に備える積層体であって、
前記第1の最外層は、水蒸気透過度が30〜200g/m・24hr、且つ酸素透過度が0.1〜100cm/m・24hr・atmであり、
前記第2の最外層は、酸素透過度が100〜13000cm/m・24hr・atmであることを特徴とする積層体が提供される。
他の形態において、前記酸素吸収層は、酸素吸収物質とアルカリ物質を含有してよい。
他の形態において、前記酸素吸収層は、酸素吸収物質を含む酸素吸収物質含有層と、アルカリ物質を含むアルカリ物質含有層とを備えていてもよい。
他の形態において、前記酸素吸収物質としてフェノール化合物を少なくとも含有してもよい。
他の形態において、前記酸素吸収物質としてピロガロール基を有するフェノール化合物を少なくとも含有してもよい。
他の形態において、前記酸素吸収物質として、没食子酸及び没食子酸エステルから選択される少なくとも一種を含有してもよい。
他の形態において、前記第1の最外層は、熱可塑性樹脂を主成分としてもよい。
他の形態において、前記第2の最外層は、熱可塑性樹脂を主成分としてもよい。
他の形態において、前記第1の最外層の厚みは10μm以上100μm以下であり、且つ前記第2の最外層の厚みが10μm以上100μm以下であってもよい。
他の形態において、前記第2の最外層はシーラント層を含んでいてもよい。
本発明の第2側面によると、前記いずれかの積層体を含む包装体が提供される。
本発明の第3側面によると、前記いずれかの包装体と、これに収容された内容物とを含んだ包装物品が提供される。
本発明によれば、水分含有量が少ない内容物を充填した場合にも、内容物と共に混入する酸素の吸収性に優れた積層体、これを含む包装体及び包装物品が提供される。
本発明の一実施形態に係る積層体の層構成を概略的に示す断面図。 本発明の他の実施形態に係る積層体の層構成を概略的に示す断面図。
本実施形態に係る積層体は、酸素吸収フィルムとしてシート状で使用してもよいし、包装材として例えば袋状体にして使用してもよく、例えば、食品、薬剤、医薬品、化粧品、電子部品等に好適に用いられる。
<積層体>
以下に、本実施形態に係る積層体について、図面を参照しながら説明する。なお、同様又は類似した機能を有する要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る積層体について、代表的な構成例を図1及び図2に示す。
図1は、第一の実施形態に係る積層体1を概略的に示す断面図である。
この積層体1は、第1の最外層10と、酸素吸収層11と、第2の最外層12とをこの順に備えている。酸素吸収層11は、酸素吸収物質含有層11aと、アルカリ物質含有層11bの2層を有する。
図2は、第二の実施形態に係る積層体2を概略的に示す断面図である。
図2に示す積層体2は、第1の最外層10と、酸素吸収層11と、第2の最外層12とをこの順に備えている。酸素吸収層11は、アルカリ物質含有層11bと、酸素吸収物質含有層11aの2層を有するが、図1の積層体1とはこれら2層の位置が逆になっている。
図1及び図2に示す積層体1、2では、何れの層間においても接着層(図示せず)が設けられていてもよい。
また、図示しないが、酸素吸収層11が酸素吸収物質とアルカリ物質とを含有する単層からなるものであってもよい。
なお、積層体1、2を包装体として用いる場合、第1の最外層10が包装体の表面側になり、第2の最外層12は包装体の内側として用いることになり、第2の最外層12が最も内容物に近い層となる。
積層体1及び2において、第1の最外層10は、水蒸気透過性を有し、且つ酸素バリア性を有する。また第2の最外層12は、酸素透過性を有する。そして第1の最外層10と第2の最外層12の間に、酸素吸収物質含有層11aと、アルカリ物質含有層11bを有する。
このような構成により、この積層体を用いて包装体とした場合に、内側の内容物に含まれる酸素が第2の最外層を透過して酸素吸収物質含有層に達する一方、外側の第1の最外層側からは外気中の水蒸気が透過して水分が取り込まれ、この水分とアルカリ物質含有層のアルカリ物質の作用により、酸素吸収物質含有層の酸素吸収物質が働き、内容物に含まれる酸素と反応することで、酸素を吸収する。
そしてこのような反応機構は内容物が水分を含まなくとも可能であるため、本発明は内容物の制限が大きく緩和されるという利点を有する。
以下に、各層の材料や機能等について説明する。
(第1の最外層)
第1の最外層は、水蒸気の透過性を有し且つ酸素バリア性を有する基材である。第1の最外層は、材料の層構成としては単層からなる基材であってもよいし、多層構造からなる基材であってもよい。
第1の最外層の水蒸気の透過性としては、第1の最外層の水蒸気透過度が30〜200g/m・24hrであることが好ましい。水蒸気透過度が30g/m・24hr未満では、酸素吸収物質の酸素吸収性が鈍くなり内容物の酸素劣化を抑制することが困難となる。水蒸気透過度が200g/m・24hrを超える場合は、汎用性のある材料の利用が困難であること、及び基材として利用できる程度の強度を有した厚みを得ることが困難となる。
第1の最外層の酸素バリア性としては、酸素透過度が0.1〜100cm/m・24hr・atmであることが好ましい。0.1cm/m・24hr未満では、汎用性のある材料の入手が困難となる。100cm/m・24hr・atmを超える場合、第1の最外層から侵入する酸素と酸素吸収物質の反応によって、内容物とともに混入する包装体内の残存酸素を吸収することが困難となる。
第1の最外層10の材料としては、例えばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン(登録商標))、ポリエチレンナフタレートなどの熱可塑性樹脂、あるいはこれら高分子の共重合体など、通常包装材料として用いられるものが使用できる。
また、樹脂フィルムの中で比較的酸素バリア性が高くかつ水蒸気の透過性を有する材料、例えばポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどのフィルムを好適に使用でき、それらの塗液を前述のプラスチック基材上にコーティングしたものを用いることもできる。
第1の最外層10は、積層体の用途や第1の最外層の層構造等に応じて、上記材料から適宜選択される。
また第1の最外層10は、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、充填材、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤などの公知の添加剤を含有してもよい。
第1の最外層10の膜厚は適宜設定することができ、10μm以上100μm以下が好適に使用できる。良好な加工性、取り扱い性の観点からは、10μm以上50μm以下の膜厚とすることが好ましい。
以下において、第1の最外層10を「基材層」又は「基材フィルム」ということがある。
(酸素吸収物質含有層)
酸素吸収物質含有層11aは、少なくとも酸素吸収物質とバインダーを含有する。
酸素吸収物質含有層11aに含有される酸素吸収物質は、酸素吸収性を有する物質であればよく、前述の用途を勘案しながら適宜選択できるが、例えば、フェノール化合物、グルコース等の還元糖類、グリセリン等の多価アルコールであってよく、第一の実施形態においてはフェノール化合物が好ましい。
フェノール化合物としては、没食子酸、アスコルビン酸、カテコール、ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。
その中でも、特にピロガロール基を有するフェノール化合物は、酸素吸収に使われる水酸基の数を多く持つ点で好ましい。ピロガロール基を有するフェノール化合物は、例えば、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、及び没食子酸エステル(例えば、没食子酸プロピル、没食子酸エチル、没食子酸オクチル等)であってよい。
酸素吸収物質含有層11aは、酸素吸収物質として、没食子酸及び没食子酸エステル(以下において、「没食子酸類」ともいう。)から選択される少なくとも一種を含有してよく、没食子酸及び没食子酸プロピルの少なくとも一方を含有してよい。
これらは食品添加物で、比較的コストも安いため、安全かつ安価で、優れた酸素吸収性能を持つ包装材料を提供することができる。
酸素吸収物質含有層11aに含有されるバインダーとしては、特に限定されるものではなく、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。
バインダーは、特に酸素透過性と水蒸気透過性があるものの方が、酸素吸収物質と酸素が反応し易くなる点で好ましい。これらのバインダーの中から1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して用いることもできる。また、共重合体樹脂として使用してもよい。必要に応じて、架橋材や分散剤を含有していてもよい。
酸素吸収物質含有層11aは、更にアルカリ物質を含有してもよい。図1に示される第一の実施形態に係る積層体1、及び図2に示される積層体2は、いずれも後述するアルカリ物質含有層11bを積層体の中に備えるが、他の実施形態(図示せず)として、アルカリ物質含有層11bを備えず、酸素吸収物質含有層11a内に酸素吸収物質とアルカリ物質とが混在する形態でアルカリ物質を積層体中に含有していてもよい。
積層体1、2において、アルカリ物質は、酸素吸収物質による酸素吸収を促進する助剤として機能する。例えば、没食子酸類は、アルカリ物質と水が存在する環境下で酸素と反応することで、優れた酸素吸収機能を発現することが知られている。没食子酸類の反応は、pH8以上で十分に進行する。
酸素吸収物質含有層11aがアルカリ物質を含有する場合、アルカリ物質は、酸素吸収層11a中に含有される酸素吸収物質100質量部に対し、40質量部〜100質量部であってよく、50質量部〜100質量部であってよい。
さらに酸素吸収物質含有層11aは、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、充填材、紫外線吸収剤などの任意の添加剤を含有してもよい。
酸素吸収物質含有層11aにおける酸素吸収性物質の含有率は、酸素吸収性能の観点から適宜設定することができ、例えば、酸素吸収層11aの全質量に対して20質量%〜70質量%であってよく、30質量%〜60質量%であってよい。
酸素吸収物質含有層11aの塗工の際に用いられるコーター及び印刷機の種類、並びにそれらの塗工方式としては特に限定されない。代表的なものとしては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式等のグラビアコーター、リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、チャンバードクター併用コーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を挙げることができる。
(アルカリ物質含有層)
図1及び図2に示す第一の実施形態に係る積層体1は、酸素吸収物質含有層11aと第2の最外層12との間もしくは第1の最外層と酸吸収物質含有層11aの間にアルカリ物質含有層11bを備える。上述したように、酸素吸収物質含有層11aがアルカリ物質を含有する場合には、積層体1はアルカリ物質含有層12bを備えなくてもよい。
ただし、酸素吸収物質含有層中に酸素吸収物質とアルカリ物質とが混在する場合、酸素吸収性能は発揮されるが、塗液の作製段階で酸素吸収物質による酸素吸収が始まる。この
ため、第一の実施形態に係る積層体1のように、酸素吸収物質含有層11aとアルカリ物質含有層11bが別の層として存在する場合と比較して、積層体の作製後における酸素吸収性能が低下するという問題がある。このため、積層体は、図1及び図2に示すように酸素吸収物質含有層11aとアルカリ物質含有層11bとを別の層として備えることが好ましい。
アルカリ物質含有層11bは、少なくともアルカリ物質とバインダーを含有する。バインダーは特に限定されるものではなく、酸素吸収物質含有層11a、及び接着剤層(図示せず)もしくは第2の最外層12との密着性が出るものであれば使用することができ、酸素吸収物質含有層11a又は接着剤層もしくは第2の層12に使用されるものと同一又は類似の材料でもよいし、異なる材料でもよい。
アルカリ物質含有層11bに含有されるアルカリ物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ルビジウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウムカリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。安全面の観点からは、食品添加物であることが好ましく、更に熱可塑性樹脂に練りこめる程度の耐熱性があるものが好ましい。
特に、単体でpH8以上を示す炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、炭酸水素カリウム、ピロリン酸カリウム、焼成カルシウム、リン酸カリウム、酒石酸ナトリウムを用いると、含有させるアルカリ物質を少なくしてコストを下げられる点で、より好ましい。
アルカリ物質含有層11bに含有されるアルカリ物質の添加量は、酸素吸収物質層11aに含有される酸素吸収物質100質量部に対し、40質量部〜100質量部であってよく、特には50質量部〜100質量部であってもよい。アルカリ物質の添加量が40質量部未満では、没食子酸等の酸素吸収物質における酸素吸収反応を進行させるにはpHが必ずしも十分でなく、酸素吸収量が少なくなる場合がある。一方で、アルカリ物質の添加量が100質量部を超えpHが増加しても、酸素吸収量の増加は期待できない。
アルカリ物質含有層11bは、必要に応じて、接着促進剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、充填材、紫外線吸収剤などの当該技術において知られている任意の添加剤を含有してもよい。
(第2の最外層)
図1及び図2に示す第一の実施形態に係る積層体1は、第2の最外層12を備える。第2の最外層12は、積層体1において、基材としての第1の最外層10とは反対側の表面を構成する層である。第2の最外層は酸素透過性が高い材料として、酸素透過度が100〜13000cm/m・24hr・atmであることが好ましい。酸素透過度が100cm/m・24hr未満である場合、酸素吸収性が鈍くなる。13000cm/m・24hrを超える場合、酸素吸収性の観点では限定される訳ではないが、材料の汎用性が乏しくなる。
積層体1の用途が包装材であり、袋状体等にして使用される場合には、第2の最外層12はシーラント層を含むことが好ましい。シーラント層は積層体1にヒートシール性を付与する。この場合、例えば積層体1を、第2の最外層12であるシートランと層を内側にして重ね合わせ、周縁部等をヒートシールすることによって容易に袋状に加工することができる。
シーラント層としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態は、図1に示すように、酸素バリア性を有し且つ水蒸気透過性を有する第1の最外層10上に、酸素吸収物質含有層11a、アルカリ物質含有層11b、及び第2の最外層12をこの順で積層してなる積層体である。この積層体により、第1の最外層から水蒸気が積層体中に供給され、酸素吸収物質含有層11aとアルカリ物質含有層11b中に拡散する。この結果、第2の最外層から酸素吸収物質含有層11aとアルカリ物質含有層11bに拡散した酸素を吸収することが可能となり、包装体内部の水分量によらず酸素吸収することが可能となる。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態は、図2に示す通りであり、第一の実施形態に対し、積層体2において第1の最外層10上にアルカリ物質含有層11b、酸素吸収物質含有層11a、及び第2の最外層12がこの順で積層された構成になっている。
<包装体>
本実施形態に係る包装体は、上記の積層体を含む。具体的には、包装体の少なくとも一部が、上記の積層体で形成される。なお本実施形態に係る包装体には、印刷層、バリア層、表面保護層などの機能層を更に設けてもよい。
本実施形態の包装体の応用例は、たとえば袋、MA包材、蓋材(トップ材)、シート、チャック付き袋、カバーフィルムを含む。また、袋状体の包装体は、2枚の上述した積層体を、第2の最外層12としてのシーラント層が内側となるよう配置した状態で周縁部を加熱して貼り合わせることによって形成してもよい。さらに、貼り合わせを行う周縁部に第3のフィルムを介在させて、いわゆる「マチ」付きの袋を形成してもよい。
袋状体の包装体は、矩形、円形、三角形を含む任意の形状を有してもよい。またチャック付き袋として、機械加工によって、袋状体の包装体の開口部に開閉自在の嵌合部を設けたものでもよい。
<包装物品>
本実施形態に係る包装物品は、上記の包装体と、これに収容された内容物とを含む。上記の包装体に収容される内容物の例は、特に限定しないが、例えば食品、飲料、化粧品、医薬品、産業資材、医療器具、電子機器、文化財を含む。
以下、本発明の具体例を以下の実施例によって具体的に述べるが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<実施例1>
以下の方法により、基材層と酸素吸収物質含有層とアルカリ物質含有層とシーラント層とを備えた積層体を製造した。
まず、第1の最外層として、厚さ12μm、水蒸気透過度150g/m・day、酸素透過度1.2cm/m・24hr・atm 24hrの2軸延伸ポリビニルアルコールフィルム上に、ウレタン系のアンカーコート材をダイレクトグラビア方式で塗工して得られる基材層を準備した。
次いで、ウレタン系バインダーに酸素吸収物質である没食子酸を添加してなる組成物を、上記水蒸気バリア層上にダイレクトグラビア方式で塗工し、厚さ10μmの酸素吸収物質含有層を形成した。酸素吸収物質含有層の全質量に対する没食子酸の含有率は30質量%とした。
さらに、ウレタン系バインダーにアルカリ物質である炭酸ナトリウムを没食子酸と同量添加してなる組成物を、上記酸素吸収物質含有層上にダイレクトグラビア方式で塗工し、厚さ6μmのアルカリ物質含有層を形成した。
次いで、上記アルカリ物質含有層上に、ダイレクトグラビア方式で厚さ3μmのウレタン系接着剤を塗工し、これにシーラント層として酸素透過度が9000cm/m・24hr・atmのポリエチレンフィルム(膜厚30μm)を貼り合せることにより第2の最外層を形成し、酸素吸収積層体1を作製した。
<実施例2>
第1の最外層を厚さ12μm、水蒸気透過度36g/m・day、酸素透過度0.4cm/m・24hr・atmの2軸延伸のエチレン−ビニルアルコールフィルムに変更した以外は実施例1と同様にして酸素吸収積層体2を作製した。
<比較例1>
第1の最外層を、12μmPETフィルム上に無機蒸着層とバリアコート層を形成したバリアフィルムとした以外は、実施例1と同様にして酸素吸収積層体3を作製した。バリアフィルムの水蒸気透過度は0.6g/m・24hr、酸素透過度は0.2cm/m・24hr・atmである。
<評価方法>
(酸素吸収性能)
上記で作製した積層体1〜3の各々について、全体寸法が横10cm×縦10cmとして、25℃20%Rhの環境下でそれぞれ包装袋を作製し、乾燥剤としてシリカゲルを同封した。次にこれらの包装袋内に100ccの空気を注入した。40℃20%Rhの恒温槽で一定期間保管後、酸素濃度を測定し、初期酸素濃度との差から、それぞれの酸素吸収量を確認した。残存酸素量が50%以下の場合に「○」、50%超の場合に「×」と評価した。各積層体の評価結果を表1に示す。
Figure 2020175533
表1に示すように、実施例1〜2においては、十分な酸素吸収性能を保持したが、比較例1では酸素吸収性能が得られなかった。
これらの結果から、第1の最外層の水蒸気透過性を高くし、且つ酸素吸収性を低くする
ことで、内容物の水分量が少ない場合でも十分な酸素吸収性が得られた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1、2 積層体
10 第1の最外層
11 酸素吸収層
11a 酸素吸収物質含有層
11b アルカリ物質含有層
12 第2の最外層

Claims (12)

  1. 少なくとも第1の最外層、酸素吸収層、第2の最外層をこの順に備える積層体であって、
    前記第1の最外層は、水蒸気透過度が30〜200g/m・24hr、且つ酸素透過度が0.1〜100cm/m・24hr・atmであり、
    前記第2の最外層は、酸素透過度が100〜13000cm/m・24hr・atmであることを特徴とする積層体。
  2. 前記酸素吸収層は、酸素吸収物質とアルカリ物質を含有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記酸素吸収層は、酸素吸収物質を含む酸素吸収物質含有層と、アルカリ物質を含むアルカリ物質含有層とを備える、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記酸素吸収物質としてフェノール化合物を少なくとも含有する、請求項3に記載の積層体。
  5. 前記酸素吸収物質としてピロガロール基を有するフェノール化合物を少なくとも含有する、請求項3に記載の積層体。
  6. 前記酸素吸収物質として、没食子酸及び没食子酸エステルから選択される少なくとも一種を含有する、請求項3に記載の積層体。
  7. 前記第1の最外層は、熱可塑性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 前記第2の最外層は、熱可塑性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
  9. 前記第1の最外層の厚みは10μm以上100μm以下であり、且つ前記第2の最外層の厚みが10μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
  10. 前記第2の最外層はシーラント層を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層体を含む包装体。
  12. 請求項1〜11に記載の包装体と、これに収容された内容物とを含んだ包装物品。
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