JP2022033473A - 線材の矯正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化を抑制し得ると共に生産能力を向上することができる線材の矯正装置を提供する。【解決手段】コイル状に巻かれた線材10のコイル11を支持するコイルスタンド12と、コイルスタンド12のコイル11から引き出した線材10を矯正する矯正機16とを備える。コイルスタンド12に支持したコイル11を加熱する加熱炉20が設けられる。コイルスタンド12と矯正機16との間に、矯正機16に向けて送られる線材10を誘導加熱する誘導加熱装置21が設けられる。線材10は、誘導加熱装置21によって再加熱された後に矯正機16に供給される。【選択図】図1

Description

本発明は、コイルから引き出した鋼の線材を矯正する線材の矯正装置に関するものである。
鋼の線材をコイルから引き出し、引き出した線材の曲がりを矯正する矯正装置を備え、矯正後の線材を所定の長さで切断して直棒を製造する矯正切断装置では、線材がチタン合金、SUH35、ハイス鋼、Ni耐熱鋼のような難加工材料の場合は、冷間での矯正が難しい。そこで、難加工材料からなる線材から直棒を製造する場合に、矯正前の線材を温間加工域まで加熱し、該線材を温間で矯正するよう構成した矯正切断装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9-108762号公報
特許文献1の矯正切断装置は、矯正機の直前で、常温の線材を誘導加熱装置によって温間加工域まで加熱するよう構成されている。誘導加熱装置を通過する線材には、誘導電流が表面近傍に集中して流れるため、主に表面が加熱されて、線材内部は表面からの熱伝達で加熱される。このことから、線材の中心を温間加工域まで加熱するには、線材の搬送速度を下げてゆっくり加熱するか、あるいは誘導加熱装置として大きな加熱能力のものが必要となり、生産能力が低下したり、装置が大型化したりする難点が指摘される。
すなわち本発明は、前述した従来技術に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、装置の大型化を抑制し得ると共に生産能力を向上することができる線材の矯正装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る線材の矯正装置は、
コイル状に巻かれた線材(10)のコイル(11)を支持するコイルスタンド(12)と、該コイルスタンド(12)のコイル(11)から引き出した線材(10)を矯正する矯正機(16)とを備えた線材の矯正装置において、
前記コイルスタンド(12)に支持したコイル(11)を加熱する加熱装置(20)と、
前記コイルスタンド(12)と矯正機(16)との間に配置され、該矯正機(16)に向けて送られる線材(10)を誘導加熱する誘導加熱装置(21)とを備えることを要旨とする。
請求項1の発明では、加熱装置によりコイルを加熱すると共に、矯正機に通す前に再び線材を誘導加熱装置によって加熱するので、誘導加熱装置として加熱能力の小さなものを用いることができ、装置の大型化を抑制することができる。また、加熱装置で加熱された線材が誘導加熱装置に至るまでには中心部より表層域の温度が低下するので、該誘導加熱装置では線材の表層域を主に加熱すればよく、誘導加熱装置を通る際の線材の速度を高めても線材を温間加工域まで加熱することができ、生産能力を向上し得る。
請求項2の発明は、前記誘導加熱装置(21)は、
線材(10)が内側を通過する誘導加熱コイル(25)と、
該誘導加熱コイル(25)と線材(10)との間に位置し、線材(10)が誘導加熱コイル(25)に接触するのを防止する保護部(24b)とを備えることを要旨とする。
請求項2の発明では、線材が誘導加熱コイルに接触して該誘導加熱コイルが損傷等するのを保護部で防止することができる。
請求項3の発明は、前記誘導加熱コイル(25)は耐火セメントに埋設されて、該誘導加熱コイル(25)の内側に耐火セメントからなる所定厚みの前記保護部(24b)が位置して、該保護部(24b)の内側を前記線材(10)が通過するよう構成されていることを要旨とする。
請求項3の発明では、誘導加熱コイルを耐火セメントに埋設することで両者が一体化して、耐火セメントからなる保護部による保護強度を高めることができ、太径の線材の接触による損傷等を抑制することができる。
請求項4の発明は、前記誘導加熱装置(21)と矯正機(16)との間に、線材(10)が通過する孔(29a)が形成されたガイド部材(29)を設けたことを要旨とする。
請求項4の発明では、誘導加熱装置を通過した線材をガイド部材で下流側に案内するので、誘導加熱装置を通っている線材が装置内で蛇行等して誘導加熱装置を損傷させるのを抑制することができる。
請求項5の発明は、前記ガイド部材(29)における孔(29a)の上流部は、該孔(29a)の入口に向かうにつれて径が広がる形状に形成されていることを要旨とする。
請求項5の発明では、誘導加熱装置を通過した線材の端部を、ガイド部材の内部に好適に導くことができる。
請求項6の発明は、前記ガイド部材(29)と矯正機(16)との間に、線材(10)が露出する空所(30)を設けたことを要旨とする。
請求項6の発明では、ガイド部材と矯正機との間に空所を設けたので、矯正機でのトラブルによって線材の詰まり等が発生した場合に、誘導加熱装置が損傷するのを防止すると共に、後処理が容易となる。
請求項7の発明は、前記誘導加熱装置(21)の上流側に、線材(10)を誘導加熱装置(21)に案内するガイド部材(28)を設けたことを要旨とする。
請求項7の発明では、コイルから引き出される線材を誘導加熱装置に好適に案内することができ、誘導加熱装置を通っている線材が装置内で蛇行等して誘導加熱装置を損傷させるのを抑制することができる。
本発明に係る線材の矯正装置によれば、装置の大型化を抑制し得ると共に生産能力を向上することができる。
実施例に係る線材の矯正切断装置を示す概略図である。 実施例に係る矯正切断装置の要部概略平面図である。 実施例に係る矯正切断装置を一部切欠いて示す要部概略側面図である。 実施例に係る誘導加熱装置の縦断面図である。
次に、本発明に係る線材の矯正装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、矯正装置を備える矯正切断装置の場合で説明する。
図1に示すように、実施例に係る線材の矯正切断装置は、コイル状に巻かれた線材10のコイル11を支持するコイルスタンド12と、コイルスタンド12に支持されているコイル11から線材10を引き出して下流側に送る複数の送り装置13,14,15と、送り装置13,14,15により送られる線材10を矯正する矯正機16と、矯正した線材10を所定の長さに切断する切断機17と、を備える。送り装置13,14,15は、ピンチローラ18,18によって線材10を挟み込んで下流側に送るよう構成される。矯正切断装置は、3つの送り装置13,14,15を備え、最上流に位置する第1送り装置13とコイルスタンド12との間に、コイルスタンド12から引き出される線材10のコイルぐせを予備的に矯正する予備矯正機19が配置される。また、矯正切断装置は、コイルスタンド12に支持したコイル11を加熱する加熱装置20と、コイルスタンド12と矯正機16との間に配置され、該矯正機16に向けて送られる線材10を誘導加熱する誘導加熱装置21とを備える。
前記加熱装置20は、前記コイルスタンド12を収容する加熱炉であって、該加熱炉20によって、前記コイル11を温間加工域の温度まで加熱し得るよう構成される。なお、加熱炉20は、必要に応じて移動されてコイルスタンド12を露出するよう構成される。図1に示す如く、前記第1送り装置13の下流側に離間して第2送り装置14が配置され、両送り装置13,14の間に、前記誘導加熱装置21が配置される。また、前記第2送り装置14の下流側に、前記矯正機16と、第3送り装置15と、前記切断機17とが、この順で配置される。実施例の矯正機16は、線材10の送り方向(線材送り方向)に沿う軸回りに回転する本体22に、線材10に曲げを与える曲げ部材23を線材送り方向に離間して複数備え、各曲げ部材23により線材10に与える曲げ量を可変可能な回転式の矯正機が用いられる。この矯正機16では、第2送り装置14と第3送り装置15との間を送られる線材10を、曲げ部材23によって曲げを与えつつ本体22を回転することによって矯正する。
前記誘導加熱装置21は、図4に示す如く、耐火セメントを材料として所定の肉厚に形成した保護部材24と、該保護部材24に埋設された誘導加熱コイル25とを備え、保護部材24には、誘導加熱コイル25の内側に、線材10が通過する通過孔24aが貫通形成されて、該通過孔24aを通っている線材10と誘導加熱コイル25との間には、耐火セメントからなる所定厚みの保護部24bが存在するよう構成される。なお、誘導加熱コイル25は、銅を材料とする中空鋼管から構成されて、内部に水を通して冷却可能に構成される。そして、誘導加熱装置21は、誘導加熱コイル25に図示しない加熱電源から電流を供給し、通過孔24aを通過する線材10を誘導加熱する。誘導加熱装置21での線材10の加熱温度は、加熱対象となる線材10の材質に応じた温間加工域となるよう電流の周波数が設定される。なお、温間加工域は、矯正機16による矯正が可能な下限温度と、矯正によって塑性変形してしまわない上限温度との間に設定された温度域であって、該温間加工域は、線材10の材質に応じて設定される。温間加工域は、例えば、線材10の抗張力が、25kgf/mm2以上となる温度域に設定される。
ここで、誘導加熱では、加熱対象となる素材内に発生する誘導電流からのジュール熱によって素材が加熱される。また、使用する電流の周波数帯によって、渦電流の浸透深さ(熱入り深さ)が異なり、実施例では、線材10の表層域を加熱することができる周波数帯、例えば40kHzの周波数の電流が使用される。40kHzの周波数の電流を誘導加熱コイル25に供給した場合、直径が12~19mmの線材10では、浸透深さは2~3mmとなる。
実施例の矯正切断装置は、線材10を冷間で矯正-切断処理する場合に、前記誘導加熱装置21を、前記第1送り装置13と第2送り装置14との間の線材パスラインPLから退避し得るよう構成される。具体的に、図2、図3に示す如く、誘導加熱装置21は、線材10の線材送り方向と交差する横方向に移動可能な台車26に配設されており、該台車26を横移動することで誘導加熱装置21を、前記線材パスラインPLに前記通過孔24aが整列する加熱位置と、該線材パスラインPLから離間する退避位置とに位置決め可能に構成される。台車26に対して誘導加熱装置21の前記保護部材24は、位置決め手段27によって位置決め固定されて、通過孔24aを通っている線材10が蛇行して保護部材24に接触しても位置ズレしないよう構成される。
図2、図3に示す如く、前記台車26には、前記誘導加熱装置21の上流側に、前記第1送り装置13から送り出される線材10を誘導加熱装置21の前記通過孔24aに向けて案内する案内孔(孔)28aを有する第1のガイド部材28に設けられる。第1のガイド部材28は、直線パイプ状の直線部28bと、該直線部28bの上流部に設けられた導入部28cとから構成され、該導入部28cおよび直線部28bに亘って案内孔28aが貫通形成されている。第1のガイド部材28の案内孔28aにおける上流部である導入部28cに臨む部分は、案内孔28aの入口に向かうにつれて径が広がる漏斗状に形成される。また、前記台車26には、前記誘導加熱装置21の下流側に、該誘導加熱装置21を通過した線材10を前記第2送り装置14のピンチローラ18,18に間に向けて案内する案内孔(孔)29aを有する第2のガイド部材29が設けられる。第2のガイド部材29は、直線パイプ状の直線部29bと、該直線部29bの上流部に設けられた導入部29cとから構成され、該導入部29cおよび直線部29bに亘って案内孔29aが貫通形成されている。第2のガイド部材29の案内孔29aにおける上流部である導入部29cに臨む部分は、案内孔29aの入口に向かうにつれて径が広がる漏斗状に形成される。第1および第2のガイド部材28,29は、その直線部28b,29bに臨む案内孔28a,29aが、前記保護部材24の通過孔24aと、前記線材パスラインPLに沿って整列するように配置される。
前記台車26には、前記誘導加熱装置21を退避位置に位置決めした状態で、前記線材パスラインPLに整列する位置に、線材10を案内する冷間用ガイド部材31が配設されている。図2に示す如く、冷間用ガイド部材31は、直線パイプ状の直線部31bと、該直線部31bの上流部に設けられた導入部31cとから構成され、該導入部31cおよび直線部31bに亘って線材10を案内する案内孔31aが貫通形成されている。冷間用ガイド部材31の案内孔31aにおける上流部である導入部31cに臨む部分は、案内孔31aの入口に向かうにつれて径が広がる漏斗状に形成される。
図2に示す如く、前記冷間用ガイド部材31の直線部31bは、前記台車26から線材送り方向の下流側に所定長さで延出し、該冷間用ガイド部材31の下流端は、前記退避位置において前記第2送り装置14の上流端に近接するよう構成される。これに対し、前記第2のガイド部材29の下流端は、冷間用ガイド部材31の下流端より線材送り方向の上流側、具体的には台車26から延出しないように位置し、前記加熱位置において第2のガイド部材29の下流端は、第2送り装置14の上流端から所定長さだけ上流側に離間位置するよう構成される。すなわち、第2のガイド部材29と第2送り装置14との間に、冷間用ガイド部材31と第2送り装置14との間の隙間より長く線材10が露出する空所30が設けられている。この空所30の線材送り方向の長さは、矯正機16での矯正トラブル等によって線材10が第2送り装置14や矯正機16に送れなくなってしまった場合に、第1送り装置13から送られる線材10の変形を可能とすると共に、トラブル後の作業者による後処理を容易に行い得る長さに設定される。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例の矯正切断装置の作用につき説明する。
前記コイルスタンド12に支持されているコイル11は、前記加熱炉20によって温間加工域まで加熱される。そして、加熱されたコイル11から前記送り装置13,14,15により引き出される線材10が、前記予備矯正機19によって予備矯正される。このときの線材10は、温間加工域まで加熱されているので、予備矯正を好適に行うことができる。予備矯正後の線材10は、前記加熱位置に位置決めされている前記誘導加熱装置21を通り、再加熱された後に前記矯正機16に送られる。予備矯正機19を経た線材10を誘導加熱装置21によって再加熱するので、温間加工域まで加熱された線材10を矯正機16によって好適に矯正できる。そして、矯正後の線材10は、前記切断機17によって所定長さで切断される。
前記誘導加熱装置21は、図4に示す如く、前記誘導加熱コイル25が耐火セメントからなる保護部材24に埋設されて、誘導加熱コイル25と、前記通過孔24aを通る線材10との間には所定厚みの保護部24bが存在しているので、線材10が蛇行したとしても、該保護部24bによって線材10が誘導加熱コイル25に直接接触するのは防止され、誘導加熱コイル25に線材10が接触して損傷等するのを防ぐことができる。また、誘導加熱装置21は、誘導加熱コイル25を保護部材24に埋設する構造としたので、誘導加熱コイル25と保護部材24とが一体化して該保護部材24による保護強度は高くなり、太径の線材10の接触による損傷等を効果的に抑えることができる。また、誘導加熱装置21の上流側に第1のガイド部材28を配置すると共に、下流側に第2のガイド部材29を配置して線材10を案内するよう構成したので、誘導加熱装置21の通過孔24aを通っている線材10が大きく蛇行するのを抑制することができ、該線材10が保護部材24に接触して該保護部材24や誘導加熱コイル25が損傷等するのを抑制することができる。
前記第1のガイド部材28の案内孔28aは、入口から下流側に向かうにつれて径が小さくなる漏斗状に形成されているので、前記第1送り装置13から送り出される線材10の端部を、案内孔内に好適に導くことができる。また、前記第2のガイド部材29の案内孔29aは、入口から下流側に向かうにつれて径が小さくなる漏斗状に形成されているので、前記誘導加熱装置21を通過した線材10の端部を、案内孔内に好適に導くことができる。すなわち、各ガイド28,29に最初に線材10を通す作業が容易となる。また、第2のガイド部材29の長い直線部29bを線材10が通ることで、該線材10を前記第2送り装置14におけるピンチローラ18,18の間に好適に案内することができる。
実施例の矯正切断装置は、前記コイルスタンド12で支持されている前記コイル11を、予め温間加工域まで加熱しているので、前記予備矯正機19および第1送り装置13を経て前記誘導加熱装置21に供給される際の線材10の温度は、温間加工域より低いものの、常温よりは高く、該線材10を速い速度で誘導加熱装置21に通過させても充分に温間加工域まで再加熱することができる。すなわち、線材10が誘導加熱装置21を通過する速度を高く設定することができ、生産能力を向上し得る。また、誘導加熱装置21として加熱能力の小さなものを用いることができ、装置の大型化を抑制することができる。
ここで、前記コイルスタンド12のコイル11から引き出されて前記誘導加熱装置21に至るまでの線材10の温度低下は、中心部より表層域が大きくなる。また、矯正機16による線材10の矯正時には、線材10の表層域に大きな応力が加わることから、矯正時には線材10の表層域の温度が高いことが望ましい。そこで、実施例の誘導加熱装置21は、線材10に対して渦電流の浸透深さが浅い周波数帯の電流を誘導加熱コイル25に供給して、線材10の表層域を効果的に加熱するよう構成してある。これにより、誘導加熱装置21によって線材10の表層域の温度を、温間加工域内で高い温度にして線材10を矯正機16の送り込むことができ、矯正機16での矯正が容易となる。また、誘導加熱装置21では線材10の表層域を主に加熱するので、加熱時間の短縮にも寄与することができる。
矯正切断装置では、前記矯正機16での矯正トラブルによって、矯正機内で線材10が破断して詰まってしまうことがあり、該トラブルの発生時には送り装置13,14,15の送りを停止するものの、トラブル発生から送り装置13,14,15を停止するまでの間には、所定長さの線材10の送りは行われる。このような場合は、第2送り装置14や矯正機16の内部で線材10が詰まっている状態で、前記第1送り装置13により強制的に線材10が送られることで、該線材10が誘導加熱装置21の内部で変形して前記保護部材24や誘導加熱コイル25を損傷させてしまうおそれがある。実施例の矯正切断装置では、前記第2のガイド部材29と第2送り装置14との間に空所30を設けているので、前記トラブルの発生時に第2送り装置14や矯正機16で線材10が詰まってしまった場合に、上流側から送られる線材10は抵抗のない空所30において変形し、誘導加熱装置21の内部での線材10の変形を防ぐことができる。すなわち、トラブルに起因する線材10の変形によって保護部材24や誘導加熱コイル25が損傷するのを防止することができる。また、空所30があることによって、詰まってしまった線材10を空所30のところで切断して除去することができ、トラブル後の処理が容易となる。
実施例の矯正切断装置は、線材10を冷間で矯正-切断処理する場合、前記台車26を移動して誘導加熱装置21を退避位置に位置決めすることで、前記冷間用ガイド部材31が、前記第1送り装置13と第2送り装置14との間において、前記線材パスラインPLに整列するように位置決めされる。従って、前記コイルスタンド12で支持されたコイル11から引き出された線材10は、冷間用ガイド部材31によって第2送り装置14のピンチローラ18,18の間に好適に案内される。なお、冷間で線材10を処理する場合は、前記加熱炉20でのコイル11の加熱は行わない。
〔変更例〕
本願は、前述した実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1. 実施例では、矯正機の下流側に切断機を配設した矯正切断装置の場合で説明したが、矯正機によって矯正された線材を、別工程に供給する矯正装置であってもよい。
2. 実施例では、誘導加熱コイルの全体を耐火セメントに埋設したが、内側を通過する線材が誘導加熱コイルに接触することのない隙間だけ離間して、誘導加熱コイルを部分的に埋設した複数の耐火セメントからなる保護部材を線材送り方向に不連続で配置する構成を採用することができる。
3. 実施例では、誘導加熱コイルを耐火セメントからなる保護部材に埋設したが、誘導コイルの内側に保護部としてのシリコンパイプを配置すると共に、耐火レンガ等の耐火物で誘導加熱コイルを径方向から挟んで位置決め固定する構成を採用することができる。
4.誘導加熱コイルの内側に配置される耐火セメントやシリコンパイプなどの保護部は、周方向に連続する筒状である必要はなく、該保護部の内側を通過する線材が誘導加熱コイルに接触することのない隙間だけ離間するブロック状のものであってもよい。
5.コイルを加熱する加熱装置は、加熱炉に限らず、その他各種の加熱装置を採用することができる。
6.実施例では、誘導加熱装置と矯正機との間に第2送り装置を配置したが、該第2送り装置を省略し、誘導加熱装置と矯正機との間に第2のガイド部材を配置し、該第2のガイド部材と矯正機との間に線材が露出する空所を設ける構成を採用することができる。
7. 矯正機としては、回転式に限らず、公知の各種方式の矯正機を採用することができる。
10 線材,11 コイル,12 コイルスタンド,16 矯正機
20 加熱炉(加熱装置),21 誘導加熱装置,24b 保護部,25 誘導加熱コイル
28 第1のガイド部材,29 第2のガイド部材,29a 案内孔(孔),30 空所

Claims (7)

  1. コイル状に巻かれた線材のコイルを支持するコイルスタンドと、該コイルスタンドのコイルから引き出した線材を矯正する矯正機とを備えた線材の矯正装置において、
    前記コイルスタンドに支持したコイルを加熱する加熱装置と、
    前記コイルスタンドと矯正機との間に配置され、該矯正機に向けて送られる線材を誘導加熱する誘導加熱装置とを備える
    ことを特徴とする線材の矯正装置。
  2. 前記誘導加熱装置は、
    線材が内側を通過する誘導加熱コイルと、
    該誘導加熱コイルと線材との間に位置し、線材が誘導加熱コイルに接触するのを防止する保護部とを備える請求項1記載の線材の矯正装置。
  3. 前記誘導加熱コイルは耐火セメントに埋設されて、該誘導加熱コイルの内側に耐火セメントからなる所定厚みの前記保護部が位置して、該保護部の内側を前記線材が通過するよう構成されている請求項2記載の線材の矯正装置。
  4. 前記誘導加熱装置と矯正機との間に、線材が通過する孔が形成されたガイド部材を設けた請求項1~3の何れか一項に記載の線材の矯正装置。
  5. 前記ガイド部材における孔の上流部は、該孔の入口に向かうにつれて径が広がる形状に形成されている請求項4記載の線材の矯正装置。
  6. 前記ガイド部材と矯正機との間に、線材が露出する空所を設けた請求項4または5記載の線材の矯正装置。
  7. 前記誘導加熱装置の上流側に、線材を誘導加熱装置に案内するガイド部材を設けた請求項1~6の何れか一項に記載の線材の矯正装置。
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