JP2022032594A - 冷蔵庫の製造方法および冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易な冷蔵庫の製造方法および冷蔵庫を提供する。【解決手段】本発明に係る冷蔵庫1の製造方法は、外箱6の背面となる後板5の周縁部5aの一部または全部に、接着剤を発泡させた接着剤発泡体を塗布する塗布工程S1と、塗布された前記接着剤発泡体を硬化させて接着剤発泡体硬化物14とする硬化工程S4と、前記接着剤発泡体硬化物14が、前記外箱6の上面となる天板2の後方の端部2aと、前記外箱6の左右側面となる脇板3の後方の端部3aと、前記外箱6の下面となる底板4の後方の壁部4cの上縁部4aと、で形成される本体後方周縁部6aに重なるように前記後板5を配置する配置工程S5と、配置した前記後板5と前記本体後方周縁部6aとを固定する固定工程S6と、を含む。【選択図】図6

Description

本発明は、冷蔵庫の製造方法および冷蔵庫に関する。
例えば、特許文献1に冷蔵庫の製造方法が記載されている。この冷蔵庫の製造方法は、下部に外底板を取着した外箱の背面開口縁に背板の周縁のうち下部を除く部位を接合し、その外箱に内箱、冷凍室用冷却器などの冷凍サイクル構成部品等を組込み、その後前記背板の下部を開いて前記外底板を通す排水管、冷媒管の配管およびリード線の配線を行った上で該背板の下部を外箱の背面開口縁下部に接合し、この外箱と冷凍室用冷却器および内箱との間に断熱材を発泡充填したことを特徴としている。
特開昭59-21968号公報(第5図)
前記したように、特許文献1に記載の冷蔵庫の製造方法は、最初の工程で、外箱の背面開口縁に背板の周縁のうち下部を除く部位を接合する。特許文献1には、この接合は、スポット溶接で行う旨記載されている。
そして、次の工程で、背板の下部を開いて排水管や冷媒管、内箱から導出したリード線を所定の孔から貫通させ、配管・配線を行う。
そして、さらに次の工程で、背板の下部を外箱の周縁部に接着等にて接合する。特許文献1には、この接合は、外箱における背板との接合部に内方よりホットメルト等のシール部材が塗布されており、接着等にて行う旨記載されている。より具体的には、特許文献1に記載の冷蔵庫の製造方法は、外箱と背板を組付けた後に(接合した後に)、特許文献1の図5に図示されているように、背板の下部を引き上げて接着剤(シール剤、ホットメルト)を塗布し、接着する。
このように、特許文献1に記載の冷蔵庫の製造方法は、前記各工程の内容が煩雑であり、製造が困難であった。なお、そのような状況であるので、特許文献1に記載の冷蔵庫の製造方法は、自動化も困難である。
本発明に係る冷蔵庫の製造方法は、外箱の背面となる後板の周縁部の一部または全部に、接着剤を発泡させた接着剤発泡体を塗布する塗布工程と、塗布された前記接着剤発泡体を硬化させて接着剤発泡体硬化物とする硬化工程と、前記接着剤発泡体硬化物が、前記外箱の上面となる天板の後方の端部と、前記外箱の左右側面となる脇板の後方の端部と、前記外箱の下面となる底板の後方の壁部の上縁部と、で形成される本体後方周縁部に重なるように前記後板を配置する配置工程と、配置した前記後板と前記本体後方周縁部とを固定する固定工程と、を含む。
また、本発明に係る冷蔵庫は、外箱の上面となる天板、前記外箱の左右側面となる脇板、前記外箱の下面となる底板および前記外箱の背面となる後板を備え、前記後板の周縁部の一部または全部に、接着剤発泡体を硬化させた接着剤発泡体硬化物が形成されており、前記天板の後方の端部と、前記脇板の後方の端部と、前記底板の後方の壁部の上縁部と、で形成される本体後方周縁部に、前記接着剤発泡体硬化物が重なるようにして前記後板が配置され、かつ固定されている。
前述した以外の課題および構成ならびにその効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
第1実施形態に係る冷蔵庫の天板、脇板、底板、後板、内箱の構成を示す取付図である。 接着剤発泡体硬化物が形成された後板を本体後方周縁部に配置する様子を示す取付図である。 冷蔵庫の一例を示す正面図である。 第1実施形態に係る冷蔵庫を斜め後方から見た斜視図であり、後板における接着剤発泡体硬化物の形成位置とねじ止め位置とを示している。 後板における接着剤発泡体硬化物の形成位置の一例を示す平面図である。 第1実施形態に係る冷蔵庫の製造方法の内容を説明するフローチャートである。 接着剤発泡体の発泡倍率と接着剤発泡体硬化物の圧縮弾性率との関係を示すグラフである。 従来技術に関する断面図である。 本実施形態に係る冷蔵庫の製造方法により、後板と本体後方周縁部とを固定する直前の様子を示す断面図である。 第2実施形態に係る冷蔵庫の製造方法の内容を説明するフローチャートである。 第2実施形態に係る冷蔵庫の天板、脇板、底板、真空断熱材、後板、内箱の構成を示す取付図である。 真空断熱材を貼り付けた後板を本体後方周縁部に配置する様子を示す取付図である。 真空断熱材を貼り付けた後板を本体後方周縁部に配置する様子を斜め後方から見た斜視図である。 図12のxiii-xiii矢視断面要部拡大図である。 第3実施形態に係る冷蔵庫の製造方法の内容を説明するフローチャートである。 第3実施形態における組付け工程で部品等を組み付けた内箱の背面図である。 図15の概ねxvi-xvi矢視位置の断面図である。 図16のxvii部拡大図である。 図15の概ねxviii-xviii矢視位置の断面図である。 図18のxix部拡大図である。 図15の概ねxx-xx矢視位置の断面図である。 図20のxxi部拡大図である。 第4実施形態に係る冷蔵庫に用いられる断熱扉の構成を示す分解斜視図である。 扉用内板および発泡断熱材を除いた断熱扉の構成を示す斜視図である。 図23のxxiv部拡大図である。 第5実施形態に係る冷蔵庫の垂直概略断面図である。 第5実施形態における内箱および仕切壁を正面側右斜め前方から見た取付図である。 第5実施形態における内箱および仕切壁を背面側左斜め後方から見た取付図である。
以下、適宜図面を参照して一実施形態に係る冷蔵庫の製造方法および冷蔵庫について詳細に説明する。以下の説明では、はじめに、冷蔵庫について説明し、次いで冷蔵庫の製造方法について説明する。
[第1実施形態]
[冷蔵庫1]
図1は、第1実施形態に係る冷蔵庫1の天板2、脇板3、底板4、後板5、内箱7の構成を示す取付図である。図2は、接着剤発泡体硬化物14が形成された後板5を本体後方周縁部6aに配置する様子を示す取付図である。図3は、冷蔵庫1の一例を示す正面図である。図4は、第1実施形態に係る冷蔵庫1を斜め後方から見た斜視図であり、後板5における接着剤発泡体硬化物14の形成位置とねじ止め位置とを示している。図5は、後板5における接着剤発泡体硬化物14の形成位置の一例を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る冷蔵庫1(図3)は、冷蔵庫1の使用状態において、上面となる天板2、左右側面となる脇板3、下面となる底板4および背面となる後板5を備えている。これらの天板2、脇板3、底板4および後板5で構成される箱状の構造体は外箱6と呼ばれている。つまり、外箱6は、冷蔵庫1の戸外から目視できる外表面を形成する筐体であり、内側に内箱7を備える。冷蔵庫1の使用状態において、外箱6の前面は、図1において図示しない断熱扉D(図3)が設置されるため開口しており、貯蔵室9に繋がっている。
外箱6の天板2および脇板3は、長方形の金属板を、当該金属板の長辺に対して直角な方向にかつ同じ方向にL字状に2か所曲げ加工することで形成できる。特に限定はされないが、一般的に、外箱6の左右側面の両方の脇板3はともに同じ長さ寸法で形成されている。すなわち、外箱6の天板2と脇板3とは、正面視で門型(コ字状)を呈している。なお、外箱6は長方形の金属板を曲げ加工したものに限定されない。例えば、天板2を構成する矩形の板材の対辺に、左右の側面を構成する2枚の板材を組み合わせて溶接やスポット溶接、ねじ止めなどにより固定して脇板3としたものであってもよい。これらの固定を行うにあたって、必要に応じて用いる天板2および/または脇板3の一部をL字状に曲げ加工などしてもよい。天板2の後方には門型に切除された切り欠き部2bが設けられており、ここに冷蔵庫1の各種制御を行う制御基板19(図25)を設けるための基板ケース20(図25)が取り付けられる。
図1および図2に示すように、内箱7は、外箱6の内側に備えられ、冷蔵庫1の内装となる。一般のユーザが冷蔵庫1の断熱扉Dを開けて目にするのは、内箱7の内側(内装)である。内箱7は外箱6よりも一回り小さく、内箱7と外箱6の内側との間には図1および図2において図示しない断熱材(真空断熱材11、発泡断熱材12(いずれも例えば図16参照))が設けられている。内箱7の内側には、図1において図示しない仕切壁16(図25参照)が設けられ、貯蔵室9である冷蔵室91や冷凍室92が任意に形成されている。冷蔵室91および冷凍室92にはそれぞれ冷蔵品や冷凍品が収納される。また、内箱7の下方かつ後方側には、前方(正面側)に一部が張り出した張り出し部7aが設けられている。
前記した断熱扉Dおよび仕切壁16はそれぞれ任意の設置数で内箱7に設置できる。図3に示すように、断熱扉Dには、観音開き式断熱扉D1、片開き式断熱扉(図3において図示せず)、引き出し式断熱扉D2などがあり、任意に選択できる。なお、図3に示す例では、上から1段目の観音開き式断熱扉D1の設けられている貯蔵室9が冷蔵室91である。上から2段目と3段目の引き出し式断熱扉D2の設けられている貯蔵室9が冷凍室92である。上から4段目の引き出し式断熱扉D2の設けられている貯蔵室9が冷蔵室91である野菜室93となっている。
これらの断熱扉Dは、金属製または/およびプラスチック製の箱状体の内部に前記した断熱材が設けられている。また、冷蔵庫1は、断熱扉Dに替えてガラス製またはプラスチック製の引き戸式の開閉扉(不図示)を採用することができる。
仕切壁16も断熱扉Dと同様、金属製または/およびプラスチック製の箱状体の内部に断熱材が設けられている。
図1に示すように、底板4は、外箱6の下面となる金属製または/およびプラスチック製の板状部材である。底板4は、冷蔵庫1の底面に配置される底部4bと、底部4bの後方で任意の角度で高さ方向に立ち上がる壁部4cとで構成されている。つまり、底板4は、垂直断面で略L字状を成している。底板4の底部4bおよび壁部4cと、内箱7の下方かつ後方側の張り出し部7aとで形成された空間は機械室17(図25)と呼ばれている。機械室17には、圧縮機18(図25)などの冷凍サイクル装置が設置される。
後板5は、外箱6の背面となる金属製または/およびプラスチック製の板状部材である。図1および図4に示すように、後板5は、天板2の後方の端部2aと、脇板3の後方の端部3aと、底板4の後方の壁部4cの上縁部4aと、で形成される本体後方周縁部6aに固定される。
本実施形態では、このような構成の冷蔵庫1において、図5に示すように、後板5の周縁部5aの一部または全部に、接着剤発泡体を塗布して硬化させた接着剤発泡体硬化物14が形成されている。この接着剤発泡体硬化物14は、本体後方周縁部6aと当接する箇所に形成されている。接着剤発泡体硬化物14の形成は、後板5の周縁部5aに自動機で接着剤発泡体を塗布した後に所定時間おいて硬化させるだけで行うことができるので、製造が容易である。接着剤発泡体は、任意の接着剤を加熱しつつ窒素ガスなどの不活性ガスを混合させてフォーム状にしたものである。接着剤発泡体は、例えば、フォームメルト(登録商標)を用いることができるが、これに限定されない。
そして、本実施形態では、本体後方周縁部6aに、後板5の周縁部5aの一部または全部に形成されている接着剤発泡体硬化物14が重なるようにして後板5が配置され、固定されている。後板5と本体後方周縁部6aとの固定は、これらの間で接着剤発泡体硬化物14が後板5の自重や押圧力によって潰れた状態が維持されるようにして行われる。このようにすると、後板5と本体後方周縁部6aとの密着性が高くなるので、シール性が高くなり、発泡ウレタンなどの発泡断熱材12の形成時に漏れ難くなる。このような観点から、後板5と本体後方周縁部6aとの固定は、図4に示すように、後板5の四隅5bをねじ止めすることが好適である。なお、ねじ止め箇所は任意に増減できる。また、後板5と本体後方周縁部6aとの固定は、前記した押圧力を加えて後板5と本体後方周縁部6aとの間で接着剤発泡体硬化物14が潰れた状態を維持できればよく、ねじ止めに限定されない。これらの固定は、例えば、溶接、スポット溶接、接着剤による接着、後板5および本体後方周縁部6aの任意の箇所に設けた係合部(不図示)による係合などでも行える。前記したいずれの固定方法も自動機で行うことができるので、製造が容易である。また、本実施形態では、後板5の周縁部5aの接着剤発泡体硬化物14の形成と、後板5と本体後方周縁部6aとの固定とをそれぞれ自動機で行うことができる。そのため、本実施形態は、製造が容易であるだけでなく、作業を迅速に行うことができる。
本実施形態に係る冷蔵庫1は、冷蔵庫1の使用状態における後板5の高さ方向の下半分となる周縁部5aに、接着剤発泡体硬化物14が形成されていることが好ましい。本発明者らが検討したところ、発泡ウレタンなどの発泡断熱材12の形成時における樹脂剤(発泡断熱材形成剤)や発泡断熱材12の漏れは、後板5の高さ方向の下半分から生じることが多かった。そのため、後板5の高さ方向の下半分に接着剤発泡体硬化物14を形成すると、高いシール性が得られつつ、接着剤発泡体硬化物14を後板5の周縁部5aの全部(全周)に形成する場合と比較して接着剤発泡体の使用量を少なくできるのでコストを低減できる。また、接着剤発泡体の塗布時間を短くできるので、この点でもコストを低減できる。なお、接着剤発泡体硬化物14を後板5の周縁部5aの全部に形成した場合は、高いシール性をより確実に得ることができる。
接着剤発泡体硬化物14の空隙率は、例えば、3倍以上、発泡体を形成できる限界以下とすることが好ましいが、これに限定されない。このようにすると、空隙率が十分高いので、後板5と本体後方周縁部6aとを固定した際にこれらの間で接着剤発泡体硬化物14を好適に潰れた状態に維持でき、高い密着性(高い気密性)が得られる。接着剤発泡体硬化物14の空隙率は、例えば、3.1倍以上、3.2倍以上、3.3倍以上などとすることができる。これらのうちで空隙率を高くするほど接着剤発泡体硬化物14の潰れ量が多くなり、高い密着性が得られる。なお、接着剤発泡体硬化物14の空隙率の上限については特に限定はなく、前記したように発泡体を形成できる限界以下であればどのような倍率でもよい。発泡体を形成できる限界は、使用する接着剤によって異なるため、事前に試験等を行って空隙率の上限を確認することが好ましい。接着剤発泡体硬化物14の空隙率の上限としては、例えば、3.8倍未満とすることが挙げられるが、3.7倍以下、3.6倍以下などとすることもできる。これらのうちで空隙率を低くするほど接着剤発泡体硬化物14の強度が高くなるが、潰れ量は小さくなり(圧縮弾性率が高くなり)密着性(気密性)が低くなるので、発泡断熱材12形成時に漏れが生じ易くなる。
接着剤発泡体硬化物14の空隙率は、光学的方法、計算機トモグラフィー法、液浸法、水蒸発法などの一般的な手法で測定できる。
接着剤発泡体硬化物14の空隙率は、後述する接着剤発泡体の発泡倍率の影響を受ける。接着剤発泡体の発泡倍率がほぼそのまま接着剤発泡体硬化物14の空隙率となる。そのため、接着剤発泡体の発泡倍率を3倍以上、発泡体を形成できる限界以下とすることによって、接着剤発泡体硬化物14の空隙率を3倍以上、発泡体を形成できる限界以下に調節することができる。
接着剤発泡体の発泡倍率は、接着剤に混合する窒素ガスなどの不活性ガスの混合比率を調節することで制御できる。
接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率は、0.31MPa以下および/または0.18MPa以上であることが好ましい。接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率が0.31MPa以下であると、後板5を本体後方周縁部6aに配置した自重や押圧力によって接着剤発泡体硬化物14を潰す作業が行い易い。また、接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率が0.18MPa以上であると、発泡断熱材12の形成時(発泡工程)において発泡断熱材12が接着剤発泡体硬化物14を破壊し難い。これらの観点から、接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率は0.30MPa以下とすることが好ましく、0.19MPa以上とすることが好ましい。接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率も後述する接着剤発泡体の発泡倍率の影響を受ける。
[冷蔵庫の製造方法]
次に、図6を参照して、第1実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法について説明する。なお、以下の説明において既に説明した要素については同一の符号を付し、詳細な説明は省略することがある。
図6は、第1実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法の内容を説明するフローチャートである。図6に示すように、本実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法は、塗布工程S1と、硬化工程S4と、配置工程S5と、固定工程S6とを含む。
塗布工程S1は、外箱6の背面となる後板5の周縁部5aの一部または全部に、接着剤を発泡させた接着剤発泡体を塗布する工程である。接着剤発泡体の塗布は、前記したように、自動機を用いて行うことができる。
ここで、塗布工程S1は、接着剤発泡体の塗布が後板5の周縁部5aの一部である場合、冷蔵庫1の使用状態における後板5の高さ方向の下半分となる周縁部5aに、接着剤発泡体を塗布することが好ましい。前述したように、このようにすると、高いシール性が得られつつ、接着剤発泡体硬化物14を後板5の周縁部5aの全部(全周)に形成する場合と比較して接着剤発泡体の使用量を少なくできるのでコストを低減できる。また、接着剤発泡体の塗布時間が短くなるので、この点でもコストを低減できる。
また、塗布工程S1における接着剤発泡体の発泡倍率は、例えば、3倍以上、発泡体を形成できる限界以下であることが好ましい。前述したように、接着剤発泡体の発泡倍率は、接着剤発泡体硬化物14の空隙率および圧縮弾性率に影響を与える。つまり、接着剤発泡体の発泡倍率を調節することで、接着剤発泡体硬化物14の空隙率および圧縮弾性率を調節できる。接着剤発泡体の発泡倍率が前記範囲であると、接着剤発泡体硬化物14の空隙率および圧縮弾性率を十分高くできる。従って、後板5と本体後方周縁部6aとを固定した際にこれらの間で接着剤発泡体硬化物14を好適に潰れた状態に維持でき、高い密着性が得られる。接着剤発泡体の発泡倍率の調節は、接着剤発泡体塗布時の不活性ガスの混合比率を調節することにより行うことができる。接着剤発泡体の発泡倍率は、例えば、3.1倍以上、3.2倍以上、3.3倍以上などとすることができる。また、接着剤発泡体の発泡倍率は、例えば、3.8倍未満、3.7倍以下、3.6倍以下などとすることができる。
ここで、図7は、接着剤発泡体の発泡倍率と接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率との関係を示すグラフである。同図中、横軸が接着剤発泡体の発泡倍率(倍)を示し、縦軸が接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率(MPa)を示す。接着剤発泡体は基材として積水フーラー(株)社製JM-6185-Fを用い、ミキシングガスは窒素ガスNを用いた。
なお、図7に示すグラフにおける接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率は、島津製作所製オートグラフAG-X(卓上型)で測定した。圧縮速度は2mm/minを選択した。測定試験片のサイズは、各冷蔵庫において実使用される大きさの接着剤発泡体硬化物14を作製または切り出すなどし、試験片となるべき部分が圧縮されている方向について測定した。すなわち、実使用寸法の接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率が上記の数値範囲に属するように接着剤発泡体の発泡倍率を試行錯誤して調整した。
図7に係る試験の結果、圧縮弾性率が高すぎると後板5を載置した自重や押圧力による接着剤発泡体硬化物14の潰し作業が行い難く、一方で圧縮弾性率が低すぎると発泡断熱材12の形成時(発泡工程)において発泡断熱材12が接着剤発泡体を破壊してしまうことが判明した。このため、圧縮弾性率の上限としては0.31MPa、0.30MPa以下とすることが好ましく、下限としては0.18MPa、0.19MPaとすることが好ましいことが判明した。
また、この試験の結果、図7に示すように、接着剤発泡体の発泡倍率が3倍以上3.7倍以下であれば、圧縮弾性率が上記数値範囲に属することとなり、接着剤発泡体硬化物14の圧縮弾性率が好適な範囲にあるので、後板5と本体後方周縁部6aとの間で好適に潰れた状態に維持できることが確認された。図7には示していないが、この好適な状態は、接着剤発泡体の発泡倍率が3.8倍未満までは維持することができた。また、この実験では、接着剤発泡体の発泡倍率が3倍未満であると圧縮弾性率が高くなりすぎるため、接着剤発泡体硬化物14が潰れ難くなった。そのため、発泡断熱材12形成時に使用する雇(やとい)(不図示)の蓋が閉まらないことが確認された。なお、雇とは、外箱6の形状と内箱7の形状に沿った形状を有している金属製の箱をいう。発泡断熱材12の形成は、内箱7を備えた外箱6を雇に入れた状態で行い、発泡断熱材12の発泡によって生じる圧力で外箱6や内箱7が変形するのを防止する。一方、接着剤発泡体の発泡倍率が3.8倍以上になると圧縮弾性率が低すぎることとなって発泡体の強度が弱すぎるため、接着剤発泡体が発泡体の状態を形成できないことが確認された。
硬化工程S4は、塗布された接着剤発泡体を硬化させて接着剤発泡体硬化物14とする工程である。接着剤発泡体の硬化時間、硬化温度、硬化方法(例えば、加熱や紫外線の照射など)などは、使用する接着剤発泡体に応じて任意に設定できる。接着剤発泡体の硬化は、本実施形態のように、空気に晒される等によって、塗布後、いわば自動的に接着剤発泡体が硬化し始めるものを選択した場合は、塗布工程S1における塗布後から開始しているため、塗布工程S1と硬化工程S4とはその意味で同時に開始していると解することもできる。例えば、接着剤発泡体として紫外線等の照射によって硬化をし始めるものを選択した場合は、紫外線の照射の開始を以て硬化工程S4が開始したと解することができる。
配置工程S5は、接着剤発泡体硬化物14が、外箱6の上面となる天板2の後方の端部2aと、左右側面となる脇板3の後方の端部3aと、外箱6の下面となる底板4の後方の壁部4cの上縁部4aと、で形成される本体後方周縁部6aに重なるように後板5を配置する工程である。本実施形態においては、製造途中の外箱6の位置を定めておけば本体後方周縁部6aの位置も定まるため、これに後板5を配置することは容易であり、自動機による自動化が可能である。
固定工程S6は、配置した後板5と本体後方周縁部6aとを固定する工程である。この固定工程S6による後板5と本体後方周縁部6aとの固定は、前述したように、これらの間で接着剤発泡体硬化物14が後板5の自重や押圧力によって潰れた状態が維持されるようにして行われる。このようにすると、後板5と本体後方周縁部6aとの密着性が高くなるので、シール性が高くなり、発泡ウレタンなどの発泡断熱材12の形成時に漏れ難くなる。また、図4を参照して説明したように、後板5と本体後方周縁部6aとの固定は、後板5の四隅5bなどをねじ止めすることにより好適に行うことができるが、押圧力を加えつつ行う溶接、スポット溶接、接着剤による接着、後板5および本体後方周縁部6aの任意の箇所に設けた係合部による係合などでもよい。この固定工程S6も、自動機による自動化が可能である。
以上に説明したように、本実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法は、後板5の周縁部5aに接着剤発泡体を塗布して硬化させた後、後板5と本体後方周縁部6aとをねじ止めなどで固定するだけであるので、製造が容易である。また、本実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法は、これらの作業を自動機で行うことができるので、作業を迅速に終えることができ、生産性が向上するため低コスト化を図ることができる。
なお、これに対し、従来技術(特許文献1に記載の技術)は、前述したように、外箱と背板の固定について言えば、外箱と背板の上部を接合した後、背板の下部を引き上げて外箱の周縁部に接着剤(シール剤、ホットメルト)を塗布して接着するという煩雑な作業を行っており、製造が困難である。ここで、図8Aは、従来技術に関する断面図である。図8Aは、背板81の下部を引き上げて外箱82の周縁部82aに接着剤83を塗布した後であって、接着直前の様子を示している。図8Aに示すように、従来技術では、外箱82の周縁部82aに接着剤83(具体的にはホットメルト)を塗布しているがこの作業が困難であるため製造が難しい。また、この作業が困難であるため自動化が困難であり、生産性に劣る。さらに、従来技術において自動化が難しいこの作業は手作業となるため、作業員の技量等により接着不足が生じる可能性もある。そのため、従来技術では発泡断熱材形成時のシール性不足が懸念される。
この点、本実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法は、図8Bに示すように、後板5を本体後方周縁部6aに固定する前に、当該後板5の周縁部5aに接着剤発泡体硬化物14を形成する。その後は、後板5と本体後方周縁部6aとの固定を行うだけである。なお、図8Bは、本実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法により、後板5と本体後方周縁部6aとを固定する直前の様子を示す断面図である。図8Bに示すように、本実施形態では、後板5に接着剤発泡体硬化物14が形成されているので、従来技術のような煩雑な作業がなく、製造が容易である。また、本実施形態に係る冷蔵庫1は、後板5と本体後方周縁部6aとの密着性が高く、シール性が高いので、発泡断熱材12形成時に発泡断熱材12が漏れ難い。
[第2実施形態]
次に、図9~図13を参照して、第2実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法および冷蔵庫1について説明する。なお、図9は、第2実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法の内容を説明するフローチャートである。図10は、第2実施形態に係る冷蔵庫1の天板2、脇板3、底板4、真空断熱材11、後板5、内箱7の構成を示す取付図である。図11は、真空断熱材11を貼り付けた後板5を本体後方周縁部6aに配置する様子を示す取付図である。図12は、真空断熱材11を貼り付けた後板5を本体後方周縁部6aに配置する様子を斜め後方から見た斜視図である。図13は、図12のxiii-xiii矢視断面要部拡大図である。
図9に示すように、第2実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法は、塗布工程S1と、貼付工程S2と、硬化工程S4と、配置工程S5と、固定工程S6とを含む。第2実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法は、塗布工程S1と硬化工程S4との間に、貼付工程S2を含んでいる点で第1実施形態と相違しているが、その他の工程は同じである。そのため、第2実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法に関して、第1実施形態と相違する貼付工程S2について説明する。
貼付工程S2は、接着剤発泡体を塗布した後板5に真空断熱材11を貼り付ける工程である。本実施形態では、貼付工程S2を行うことで接着剤発泡体が硬化する待ち時間を活用して、図10および図11に示すように、真空断熱材11を後板5の平板部分に貼り付けることができる。真空断熱材11の貼り付けは、接着剤やホットメルトなどを使用した一般的な手法で行うこともできるし、塗布工程S1で後板5の周縁部5aに接着剤発泡体を塗布した後、そのまま後板5の平板部分に接着剤発泡体を塗布して行うこともできる。真空断熱材11は、冷蔵庫1に用いられている従来公知のものを用いることができる。
なお、真空断熱材11は、外箱6の天板2の内側、脇板3の内側、底板4の内側などにも設けることができる(図25参照)。これらに設けられる真空断熱材11は、通常の接着剤などを使用した一般的な手法で貼り付けることができる。これらへの真空断熱材11の貼り付けは、貼付工程S2とは別の工程、例えば、天板2および脇板3の形成直後(曲げ加工直後)に行うとよい。
貼付工程S2および硬化工程S4を行った後に配置工程S5を行う。第2実施形態における配置工程S5では、図11に示すように、真空断熱材11を貼り付けた後板5の周縁部5aが本体後方周縁部6aに重なるように後板5を配置する。図12および図13は、配置工程S5において後板5の周縁部5aの接着剤発泡体硬化物14(図12に図示せず)が本体後方周縁部6a(図12に図示せず)に当接する直前の様子を示している。図13に示すように、脇板3に設けられた位置決め用の凹部3bに後板5の壁部5cを嵌め合わせて後板5の位置決めを行いつつ、後板5を配置する。図13に示す例では、後板5は、接着剤発泡体硬化物14が形成されている位置から漸次後方に膨らんで形成された膨出部5dを備えており、この膨出部5dに真空断熱材11が貼り付けられている。
[第3実施形態]
次に、図14~図21を参照して、第3実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法および冷蔵庫1について説明する。なお、図14は、第3実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法の内容を説明するフローチャートである。
図14に示すように、第3実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法は、塗布工程S1と、組付け工程S3と、硬化工程S4と、配置工程S5と、固定工程S6とを含む。第3実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法は、塗布工程S1と硬化工程S4との間(本実施形態では、硬化工程S4の進行中)に、組付け工程S3を含んでいる点で第1実施形態と相違しているが、その他の工程は同じである。そのため、第3実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法に関して、第1実施形態と相違する組付け工程S3について説明する。
なお、図14には示していないが、第3実施形態に係る冷蔵庫1の製造方法は、第2実施形態で説明したように、塗布工程S1と硬化工程S4との間(本実施形態では、硬化工程S4の進行中)に、貼付工程S2を含んでいてもよい。塗布工程S1と硬化工程S4との間に貼付工程S2および組付け工程S3を含む場合、これらの工程はいずれを先に行ってもよく、同時に行ってもよい。
組付け工程S3は、硬化工程S4の進行中に、内箱7の背面7bに各種の部品(部品151~155(図15))、配線Lおよび配管Pなどのうちの少なくとも一つを組み付ける工程である。このように、本実施形態では、硬化工程S4の進行中に組付け工程S3を行う。そのため、本実施形態では、塗布工程S1で後板5の周縁部5aに接着剤発泡体を塗布した後、これが硬化して接着剤発泡体硬化物14になる待ち時間を活用して内箱7の背面7bへの部品151などの組み付けと、接着剤発泡体の塗布および硬化とを行うことができる。
また、組付け工程S3では、前記した部品151~155、配線Lおよび配管Pのうちの少なくとも一部と背面7bとを、接着剤発泡体を塗布して硬化させることにより接着剤発泡体硬化物14で固定することができる。また、組付け工程S3では、内箱7の内側から背面7b側を貫通する貫通孔7cに配線Lおよび配管Pのうちの少なくとも一つを挿通して組み付けた後、これらと貫通孔7cとの隙間を、接着剤発泡体を塗布して硬化させることにより接着剤発泡体硬化物14で封止して固定することができる。これらのようにすると、接着剤発泡体硬化物14は、硬化前は若干ではあるが流動性を有しており、部品151等や配線Lや配管Pの表面への追従性があるので、作業員の技量等によらず、より確実な固定や封止が可能である。また、配線L等が込み入らない箇所であれば自動化も可能であるので、製造が容易であり、作業も迅速に終えることができる。なお、本実施形態における組付け工程S3では、図15に示すように、固定テープTを併用することもできる。
これに対し、従来の組付け工程では、内箱の背面への各種の部品、配線、配管などの組み付けに固定テープを使用していた。また、従来の組付け工程では、貫通孔と配管との隙間も固定テープで封止していた。しかし、これらを固定テープで行うことは作業が煩雑であるため、製造が困難であり、生産コストが嵩む要因ともなっていた。また、従来の組付け工程では、作業が煩雑なため自動化が困難であり、作業員の手作業でそれらを行う場合には技量等により固定忘れや封止忘れが発生し得ることから、発泡断熱材形成時に漏れが生じることもあった。
組付け工程S3を終えた後、図14に示すように、固定工程S6までを行う。その後、内箱7と必要により真空断熱材11とを備え、かつ後板5が固定された外箱6を雇に入れて蓋をする。そして、雇に設けられた注入路(不図示)、および内箱7または/および外箱6に設けられた注入路(不図示)を通じて、内箱7と、外箱6および真空断熱材11との間に発泡断熱材形成剤を注入してこれを発泡させ、発泡断熱材12を形成する。
図15は、第3実施形態における組付け工程S3で部品151等を組み付けた内箱7の背面図である。図16~図21は、発泡断熱材12形成後の内箱7および外箱6の断面図である。詳しくは、図16は、図15の概ねxvi-xvi矢視位置の断面図である。図17は、図16のxvii部拡大図である。図18は、図15の概ねxviii-xviii矢視位置の断面図である。図19は、図18のxix部拡大図である。図20は、図15の概ねxx-xx矢視位置の断面図である。図21は、図20のxxi部拡大図である。
なお、図15は、内箱7の背面図であるので、同図の右方が、冷蔵庫1の正面から見た内箱7の左側になり、同図の左方が、冷蔵庫1の正面から見た内箱7の右側になる。図16、図18、図20は、同図中の下方が内箱7の正面側、上方が内箱7の背面側、右方が内箱7の右側、左方が内箱7の左側になる。
図15に示すように、内箱7の背面7bに組み付けられた各種の部品151、配線Lおよび配管Pのうちの少なくとも一つが接着剤発泡体硬化物14で固定されている。また、内箱7の内側から背面7b側を貫通する貫通孔7cに挿通して組み付けられた配線Lおよび配管Pのうちの少なくとも一つが貫通孔7cとの隙間を接着剤発泡体硬化物14で封止され、固定されている。図15に示すように、内箱7の背面7bには、例えば、最上段に矩形の2つの部品151が組み付けられている。冷蔵庫1の正面から見て左側(同図の右方)の中段に部品151よりも大きい部品152が組み付けられている。中段から下段にかけて4つの円形の部品153が組み付けられている。冷蔵庫1の正面から見て左側(同図の右方)の最下段に矩形の部品154が組み付けられている。
また、図15に示すように、太い実線で示す配線Lは、配線L中の数か所が接着剤発泡体硬化物14で固定されている。なお、配線Lは、固定テープTを併用して数か所固定されている。
図16、図18、図20に示すように、外箱6の内側(より詳しくは、後板5、右側の脇板3Rおよび左側の脇板3Lのそれぞれの内側)にはそれぞれ真空断熱材11が設けられている。そして、内箱7と、外箱6の内側および真空断熱材11との間に発泡断熱材12が設けられている。
さらに、図15に示すように、内箱7の背面7bの中段には、内箱7の内側から背面7b側を貫通する貫通孔7cが2つ設けられている。これらの貫通孔7cは、図16および図17に示すように、内箱7の内側から背面7b側に向けて漸次的に膨らんで形成された膨出部7dに設けられている。配管Pは、貫通孔7cを挿通して設けられ、当該貫通孔7cと配管Pとの隙間は接着剤発泡体硬化物14で封止されている。また、図15に示す例では、同じく貫通孔7cを挿通する配線Lも貫通孔7cとの隙間が接着剤発泡体硬化物14で封止され、固定されている。従って、当該隙間から発泡断熱材12が漏れ出すことがない。
図15に示すように、内箱7の背面7bの中央と両方の角部に配線Lが固定されている。これらの配線Lは、図18および図19に示すように、それぞれ接着剤発泡体硬化物14で固定されている。そのため、発泡断熱材12形成時に配線Lがずれてしまうのを防止できる。
図15に示す内箱7の背面7bの最上段の2つの部品151は、図20および図21に示すように、これらの部品151はいずれも内箱7の背面7bとの継目が表出しないよう、当該継目を接着剤発泡体硬化物14で被覆し、固定されている。そのため、発泡断熱材12形成時に発泡断熱材形成剤が部品151と内箱7の背面7bとの継目に入り込まないようになっている。従って、当該継目に入り込んだ発泡断熱材形成剤の発泡により部品151が浮き上がったり、外れたりすることを防止できる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る冷蔵庫1について説明する。図22は、第4実施形態に係る冷蔵庫1に用いられる断熱扉Dの構成を示す分解斜視図である。なお、同図において、断熱扉Dに内包される発泡断熱材12は図示していない。図23は、扉用内板D5および発泡断熱材12を除いた断熱扉Dの構成を示す斜視図である。図24は、図23のxxiv部拡大図である。
図22に示すように、第4実施形態に係る冷蔵庫1に用いられる断熱扉Dは、断熱扉Dの上下に配置される長尺の扉枠D3と、断熱扉Dの左右に配置される短尺の扉枠D4と、内箱7側に配置される扉用内板D5と、冷蔵庫1の表側に配置される扉用外板D6と、を備えて構成されている。前記したように、断熱扉Dはこれらの部材で構成される筐体の中に図示しない発泡断熱材12を充填する。断熱扉Dを構成するこれらの部材は一般的な手法で適宜固定できる。
ここで、図23に示すように、扉枠D3と扉枠D4とは、扉枠嵌合部D7で互いに嵌り合っている。本実施形態では、図24に示すように、扉枠嵌合部D7のうち、断熱扉Dの内側D8の隙間を埋めるように接着剤発泡体硬化物14で被覆して固定している。このようにすると、扉枠嵌合部D7を強固に固定できるだけでなく、発泡断熱材12形成時に扉枠嵌合部D7の隙間から発泡断熱材12が漏れるのを防止できる。扉枠嵌合部D7の接着剤発泡体の塗布と硬化は、第1実施形態などで説明した一連の工程とは別の工程、例えば、断熱扉Dの扉枠嵌合部D7を形成した直後に行うとよい。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る冷蔵庫1について説明する。図25は、第5実施形態に係る冷蔵庫1の垂直概略断面図である。図26は、第5実施形態における内箱7および仕切壁16を正面側右斜め前方から見た取付図である。図27は、第5実施形態における内箱7および仕切壁16を背面側左斜め後方から見た取付図である。
図25に示すように、冷蔵庫1の外箱6と内箱7との間には、真空断熱材11および発泡断熱材12が設けられている。内箱7は中段と下段の2か所に仕切壁16を有しており、大きく3つの貯蔵室9に分けられる。図25~図27に示す例では、一番上の貯蔵室9が冷蔵室91であり、中央の貯蔵室9が冷凍室92であり、一番下の貯蔵室9が野菜室93である冷蔵室91となっている。
一番上の冷蔵室91の奥側の壁部91aと内箱7との間には冷蔵冷却器室91bが設けられている。そして、冷蔵冷却器室91b内の下方に冷蔵冷却器91cが配置され、その上方に冷蔵室ファン91dおよび冷蔵室ダクト91eが設けられている。冷蔵冷却器室91bの下方から取り込まれた冷気は冷蔵冷却器91cでさらに冷やされ、冷蔵冷却器91cの上方に設けられた冷蔵室ファン91dで送り出されて冷蔵室ダクト91e内を上り、内箱7の上方から冷蔵室91に送出される。
また、中央の冷凍室92の奥側の壁部92aと内箱7との間には冷凍冷却器室92bが設けられている。そして、冷凍冷却器室92b内の下方に冷凍冷却器92cが配置され、その上方に冷凍室ファン92dが設けられている。冷凍室ファン92dは、冷気を正面方向に送出するように設けられており、その送出方向に冷凍室ダクト92eが設けられている。図25に示す例では、冷凍室ダクト92eは上、中、下3つの送出口92fを有しており、各送出口92fから冷凍室92内に冷気を送出する。また、図25に示す例では、冷凍冷却器92cの下方は野菜室93に通じており、冷凍室92内の冷気が野菜室93に供給されるようになっている。なお、冷凍室92と野菜室93との間の仕切壁16には冷気供給路16aが設けられている。冷気供給路16aは、前方に設けられた開口部から野菜室93内で温度が上昇した冷気を取り込み、冷凍冷却器92cの下方に供給する。
冷蔵庫1の下方かつ後方に位置する機械室17には圧縮機18が配置されている。圧縮機18は配管Pを通じてその上に設けられている冷凍冷却器92cおよび冷蔵冷却器91cと接続されている。そして、圧縮機18は前記配管Pを通じて冷凍冷却器92cおよび冷蔵冷却器91cとの間で冷媒を循環させている。
このような冷蔵庫1において、第5実施形態では、内箱7に仕切壁16を設けるのに先立って、図26および図27に示すように、仕切壁16における内箱7と接触する3つの周壁部16b(左右の周壁部16bおよび奥側の周壁部16b)に接着剤発泡体硬化物14を形成しておく。ここで、図26および図27に示すように、仕切壁16の周壁部16bには、発泡断熱材形成剤注入用の第1注入路16cが設けられている。この第1注入路16cは、内箱7において対応する位置に設けられた発泡断熱材形成剤注入用の第2注入路7eと接続する。そして、内箱7の第2注入路7eおよび仕切壁16の周壁部16bの第1注入路16cを介して、仕切壁16内に発泡断熱材形成剤が注入され、発泡断熱材12が形成される。本実施形態では、第1注入路16cの周囲を囲むように接着剤発泡体硬化物14を形成する。
このようにして3つの周壁部16bおよび第1注入路16cの周囲に接着剤発泡体硬化物14が形成された仕切壁16は、内箱7に取り付けられて固定された際に、接着剤発泡体硬化物14が適度に潰れた状態を維持できる。従って、仕切壁16と内箱7との密着性が向上し、冷気が漏れ難いので、冷凍室92、冷蔵室91および野菜室93の温度管理を従来よりも適切に行うことができる。そして、仕切壁16は、周壁部16bの第1注入路16cの周囲を囲むように接着剤発泡体硬化物14が形成されているので、内箱7の第2注入路7eおよび仕切壁16の周壁部16bの第1注入路16cを介して仕切壁16内に発泡断熱材形成剤を注入し、発泡させても、発泡断熱材12が第1注入路16cを囲む接着剤発泡体硬化物14を超えて漏れ難くなっている。
以上、本発明に係る冷蔵庫1の製造方法および冷蔵庫1について実施形態により詳細に説明したが、本発明の主旨はこれに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
S1 塗布工程
S2 貼付工程
S3 組付け工程
S4 硬化工程
S5 配置工程
S6 固定工程
1 冷蔵庫
2 天板
2a 天板の後方の端部
3 脇板
3a 脇板の後方の端部
4 底板
4a 底板の後方の壁部の上縁部
5 後板
5a 後板の周縁部
5b 四隅
6 外箱
6a 本体後方周縁部
7 内箱
11 真空断熱材
12 発泡断熱材
14 接着剤発泡体硬化物

Claims (10)

  1. 外箱の背面となる後板の周縁部の一部または全部に、接着剤を発泡させた接着剤発泡体を塗布する塗布工程と、
    塗布された前記接着剤発泡体を硬化させて接着剤発泡体硬化物とする硬化工程と、
    前記接着剤発泡体硬化物が、前記外箱の上面となる天板の後方の端部と、前記外箱の左右側面となる脇板の後方の端部と、前記外箱の下面となる底板の後方の壁部の上縁部と、で形成される本体後方周縁部に重なるように前記後板を配置する配置工程と、
    配置した前記後板と前記本体後方周縁部とを固定する固定工程と、
    を含むことを特徴とする冷蔵庫の製造方法。
  2. 前記塗布工程において、前記接着剤発泡体の塗布が前記後板の周縁部の一部である場合、冷蔵庫の使用状態における前記後板の高さ方向の下半分となる周縁部に、前記接着剤発泡体を塗布することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫の製造方法。
  3. 前記硬化工程で硬化させた前記接着剤発泡体硬化物の圧縮弾性率が0.31MPa以下または0.18MPa以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫の製造方法。
  4. 前記硬化工程で硬化させた前記接着剤発泡体硬化物の圧縮弾性率が0.31MPa以下および0.18MPa以上であることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫の製造方法。
  5. 前記硬化工程の進行中に、前記外箱の内側に備えられる内箱の背面に各種の部品、配線および配管のうちの少なくとも一つを組み付ける組付け工程を含んでいることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷蔵庫の製造方法。
  6. 前記組付け工程では、
    前記部品、前記配線および前記配管のうちの少なくとも一つと前記背面とを、接着剤発泡体を塗布して硬化させることにより接着剤発泡体硬化物で固定し、または、
    前記内箱の内側から背面側を貫通する貫通孔に前記配線および前記配管のうちの少なくとも一つを挿通して組み付けた後、これらと前記貫通孔との隙間を、接着剤発泡体を塗布して硬化させることにより接着剤発泡体硬化物で封止して固定することを特徴とする請求項5に記載の冷蔵庫の製造方法。
  7. 外箱の上面となる天板、前記外箱の左右側面となる脇板、前記外箱の下面となる底板および前記外箱の背面となる後板を備え、
    前記後板の周縁部の一部または全部に、接着剤発泡体を硬化させた接着剤発泡体硬化物が形成されており、
    前記天板の後方の端部と、前記脇板の後方の端部と、前記底板の後方の壁部の上縁部と、で形成される本体後方周縁部に、前記接着剤発泡体硬化物が重なるようにして前記後板が配置され、かつ固定されていることを特徴とする冷蔵庫。
  8. 冷蔵庫の使用状態における前記後板の高さ方向の下半分となる周縁部に、前記接着剤発泡体硬化物が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の冷蔵庫。
  9. 前記接着剤発泡体硬化物の圧縮弾性率が0.31MPa以下および/または0.18MPa以上であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の冷蔵庫。
  10. 前記外箱の内側に内箱を備え、
    前記内箱の背面に組み付けられた各種の部品、配線および配管のうちの少なくとも一つが前記接着剤発泡体硬化物で固定され、または、前記内箱の内側から背面側を貫通する貫通孔に挿通して組み付けられた配線および配管のうちの少なくとも一つが前記貫通孔との隙間を前記接着剤発泡体硬化物で封止され、固定されていることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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