JP2022030538A - 加工材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼材をせん断して加工材を製造する場合に、加工材の破断面の引張残留応力を低減する。【解決手段】鋼材をせん断して加工材を製造する方法であって、第1刃と第2刃との間に前記鋼材を配置すること、ここで前記鋼材は第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1刃は第1底面と第1側面と第1先端部とを有し、前記第2刃は第2底面と第2側面と第2先端部とを有する、及び、前記第1刃と前記第2刃とを相対的に移動させて前記鋼材をせん断すること、を含み、前記鋼材のせん断の際、前記第1面に前記第1刃が接触し、且つ、前記第2面に前記第2刃が接触した時点において、前記鋼材の前記第1面及び前記第2面のうちの少なくとも一方の凹凸を利用して、前記第1面のうち前記第1先端部と接触する部分の応力集中を、前記第2面のうち前記第2先端部と接触する部分の応力集中よりも大きくする、加工材の製造方法。【選択図】図4

Description

本願は、加工材の製造方法を開示する。
特許文献1にはパンチとダイとを用いて鋼材をせん断して加工材を得る技術が開示されている。特許文献1においては、パンチで打ち抜かれた抜き材の破断面を、加工材の破断面に押し付けることにより、加工材の破断面の引張残留応力を低減している。
特許文献2にはせん断加工を行う被加工材に対して、脱炭処理、メッキ処理又は潤滑処理といった表面処理を施すことが開示されている。特許文献2においては、被加工材に対して表面処理を施すことで、せん断時に生じるバリの高さを半減している。
特許文献3には打ち抜きせん断面への給油手段を有するプレス型が開示されている。特許文献3においては、パンチと摺動接触する打ち抜きせん断面に直接給油を行うことで、摩擦熱によって打ち抜きせん断面がパンチに焼きつくこと等を防止している。
国際公開第2016/136909号 国際公開第2015/170707号 特開平10-109125号公報
特許文献1に開示されているように、鋼材をせん断して得られる加工材においては、破断面の引張残留応力が大きくなる場合がある。鋼材をせん断して加工材を得る場合に、加工材の破断面の引張残留応力を低減可能な新たな技術が必要である。
本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
鋼材をせん断して加工材を製造する方法であって、
第1刃と第2刃との間に前記鋼材を配置すること、ここで前記鋼材は第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1刃は第1底面と第1側面と第1先端部とを有し、前記第2刃は第2底面と第2側面と第2先端部とを有する、及び、
前記第1刃と前記第2刃とを相対的に移動させて前記鋼材をせん断すること、
を含み、
前記鋼材のせん断の際、前記第1面に前記第1刃が接触し、且つ、前記第2面に前記第2刃が接触した時点において、前記鋼材の前記第1面及び前記第2面のうちの少なくとも一方の凹凸を利用して、前記第1面のうち前記第1先端部と接触する部分の応力集中を、前記第2面のうち前記第2先端部と接触する部分の応力集中よりも大きくする、
加工材の製造方法
を開示する。
本開示の製造方法において、
前記鋼材のせん断の際、前記第1面及び前記第2面の各々に潤滑剤が供給されてもよく、
前記第1面に供給される潤滑剤の種類と、前記第2面に供給される潤滑剤の種類とが異なってもよい。
本開示の製造方法において、
前記鋼材のせん断の際、前記第1面及び前記第2面の各々に潤滑剤が供給されてもよく、
前記第2面に供給される潤滑剤の量が、前記第1面に供給される潤滑剤の量の2倍以上であってもよい。
本開示の製造方法において、前記鋼材のせん断の際、前記第2面に潤滑剤が供給される一方、前記第1面には潤滑剤が供給されなくてもよい。
本開示の製造方法において、
前記鋼材のせん断の前に、前記第1面の一部及び前記第2面の一部のうちの少なくとも一方の表面粗さを変化させる表面処理を施してもよく、
前記鋼材のせん断の際、前記表面処理が施された部分をせん断してもよい。
本開示の製造方法において、前記第1面の前記一部の前記表面粗さが、前記第2面の前記一部の前記表面粗さの5倍以上であってもよい。
本開示の製造方法において、前記鋼材が板状であってもよい。
本開示の製造方法において、前記鋼材の引張強さが980MPa以上であってもよい。
本開示の製造方法において、前記鋼材の引張強さが1470MPa以上であってもよい。
本開示の製造方法によれば、破断面の引張残留応力が低減された加工材を製造可能である。
せん断加工の流れの一例について説明するための概略図である。(A)が第1刃と第2刃との間に鋼材を配置した状態を示し、(B)が第1刃と第2刃とを相対的に移動させて互いに近付けることで、第1刃の底面を鋼材の第1面に接触させ、且つ、第2刃の底面を鋼材の第2面に接触させた状態を示し、(C)が第1刃によって被加工材の一部を打ち抜いた状態を示し、(D)が第1刃と第2刃とを離隔させて(A)の位置に戻した状態を示している。 鋼材をせん断した場合におけるせん断端面の形成メカニズムの一例について説明するための概略図である。第1刃及び第2刃の相対的な移動方向に沿った断面であって、第1刃、第2刃及び鋼材を含む断面の形態を示している。(A)が鋼材に第1刃及び第2刃を押し付けることで、鋼材にダレが形成された状態を示し、(B)がダレ形成後、鋼材に第1刃及び第2刃をさらに押し付けることで、鋼材にき裂を生じさせた状態を示し、(C)がき裂形成後、鋼材に第1刃及び第2刃をさらに押し付けることで、鋼材の一部を打ち抜いた状態を示している。 本発明者による新たな知見について説明するための概略図である。(A)が第1刃からき裂を進展させた場合、(B)が第1刃及び第2刃の双方からき裂を進展させた場合、(C)が第2刃からき裂を進展させた場合である。「○」は引張残留応力が小さいことを意味し、「△」は引張残留応力が中程度であることを意味し、「×」は引張残留応力が大きいことを意味する。 第1刃と第2刃と鋼材との配置について説明するための概略図である。第1刃と第2刃と鋼材との断面形状を概略的に示している。(A)がせん断前の状態を示し、(B)がせん断後の状態を示している。 刃の「先端部」について説明するための概略図である。(A)が刃の先端部にRを付与する加工や面取りがなされていない場合の断面を示し、(B)が刃の先端部にRを付与する加工がなされている場合の断面を示している。 シャー角について説明するための概略図である。 鋼材の第1面及び第2面のうちの少なくとも一方の凹凸を利用して、第1面のうち第1先端部と接触する部分の応力集中を、第2面のうち第2先端部と接触する部分の応力集中よりも大きくする方法の一例について説明するための概略図である。(A)が第1面に供給される潤滑剤の種類と第2面に供給される潤滑剤の種類とが異なる場合、(B)が第1面に供給される潤滑剤の量と第2面に供給される潤滑剤の量とが異なる場合、(C)が第2面にのみ潤滑剤を供給する場合を示している。 鋼材の第1面の一部の表面粗さを変化させる表面処理の一例について説明するための平面概略図である。(A)が表面処理前の鋼材の第1面を示し、(B)が表面処理後の鋼材の第1面を示し、(C)が表面処理後、第1刃と第2刃との間に鋼材が配置された状態を示し、(D)が第1刃と第2刃とを相対的に移動させて鋼材をせん断した状態を示し、(E)がせん断端面を有する加工材の状態を示している。 本開示のせん断加工装置によって製造される加工材の構成の一例を説明するための概略図である。加工材の断面形状を示している。 本開示の加工材のせん断端面の構成の一例を説明するための概略図である。せん断端面を正面から見た状態を示している。 破断面における第1部分と第2部分とを判別する方法について説明するための概略図である。(A)が破断面に生じる水素脆化割れの向きを模式的に示しており、(B)が破断面におけるバリ側からダレ側の間の任意の位置Xと、水素脆化割れの向き(角度θ)との関係を模式的に示している。
1.課題及び新たな知見
せん断端面を有する加工材は、例えば、以下のようにして得ることができる。まず、図1(A)に示されるように、鋼材5を第1刃21と第2刃22との間に配置する。ここで、鋼材5は第1面10aと第1面10aとは反対側の第2面10bとを有し、第1刃21は第1底面21aと第1側面21bと第1先端部21x(図2及び4参照)とを有し、第2刃22は第2底面22aと第2側面22bと第2先端部22x(図2及び4参照)とを有する。図1(B)に示されるように、第1底面21aは鋼材5の第1面10aと接触し、第2底面22aは鋼材5の第2面10bと接触する。第1刃21はパンチであってもよく、第2刃22はダイであってもよい。続いて、図1(B)及び(C)に示されるように、第1刃21及び第2刃22を相対的に移動させることで鋼材5をせん断する。これにより、図1(C)及び(D)に示されるように、鋼材5の一部が第1刃21によってスクラップ15として打ち抜かれ、鋼材5の残りの部分がせん断端面1を有する加工材10となり得る。尚、スクラップ15を何らかの製品に利用してもよい。
図1(A)~(D)には、第1刃21と第2刃22との間にシャー角が設けられない形態を示したが、第1刃21と第2刃22との間にシャー角が設けられてもよい。また、図1(A)~(D)には、第1刃21の第1底面21aと第1側面21bとの交線(第1刃21の先端)が、第1刃21の長手方向に向かって直線状に伸びる形態を示したが、第1刃21の先端は長手方向に向かって曲線状に伸びていてもよい。すなわち、平面視におけるせん断端面1の形状が直線状となるようにせん断してもよいし、曲線状となるようにせん断してもよいし、直線状と曲線状との組み合わせとなるようにせん断してもよい。また、図1(A)~(D)には、第1刃21と第2刃22とで鋼材5の端部をせん断して除去する形態を示したが、第1刃21と第2刃22とで鋼材5をせん断することで、鋼材5の一部に抜き穴やスリット等を形成してもよい。この場合も、せん断端面1を有する加工材10となり得る。
せん断端面1の形成メカニズムの一例について説明する。図2(A)~(C)に示されるように、第1刃21と第2刃22とで鋼材5をせん断することで、せん断端面1を有する加工材10を得る場合について考える。図2(A)に示されるように、鋼材5の第1面10aに第1刃21の第1底面21aが押し付けられることで、鋼材5の第1面10a側にダレ1aが形成される。ダレ1aは鋼材5に第1刃21の第1先端部21xが食い込むまでの過程で形成される。ダレ1aが形成された後、第1先端部21xが鋼材5に食い込む過程でせん断面1e(図9参照)が形成される場合もある。図2(B)に示されるように、ダレ1a及びせん断面1eが形成された後、第1刃21側から第2刃22側に向かって、第1き裂1dxが発生する。一方で、第2刃22側においても同様に、鋼材5の第2面10bに第2先端部22xが食い込んだ後、第2刃22側から第1刃21側に向かって、第2き裂1dyが発生する。図2(C)に示されるように、第1き裂1dx及び第2き裂1dyの各々が進展して互いに合わさることで、破断面1bが形成される。また、第1刃21と第2刃22とをさらに移動させることで、鋼材5が、スクラップ15と、目的物である加工材10とに分離される。この時、図2(C)に示されるように、加工材10のせん断端面1のうち、第2刃22側の角部に、バリ1cが形成され得る。第1刃21と第2刃22との間のシャー角の有無や、平面視におけるせん断端面1の形状(直線状、曲線状又はこれらの組み合わせ、抜き穴、スリット等)によらず、図2(A)~(C)のようなメカニズムで、せん断端面1が形成され得る。
上記のようにして形成されたせん断端面1においては、せん断による損傷や歪等によって圧縮残留応力や引張残留応力が生じ得る。せん断端面1において大きな引張残留応力が存在すると、例えば、せん断端面1の耐水素脆化性又は疲労強度等が低下し易い。この点、性能の高い加工材10を得るためには、せん断端面1において如何にして引張残留応力を低減するかが一つの課題となり得る。特に、特許文献1に開示されているように、せん断端面1のうち破断面1bにおける引張残留応力を低減できるとよい。
本発明者は、鋼材5に対するせん断の条件と、当該せん断によって生じたせん断端面1の性状との関係について数々の実験・分析を繰り返した結果、以下の新たな知見を得た。
図3(A)~(C)に示されるように、第1刃21によって鋼材5の一部11を打ち抜くとともに、第2刃22によって鋼材5の他部12を打ち抜く場合について説明する。この場合において、図3(A)に示されるように、第1刃21側から優先的にき裂が進展した場合、一部11のせん断端面における引張残留応力が大きくなる一方で、他部12のせん断端面における引張残留応力が小さくなる。すなわち、一部11をスクラップ15とする一方、他部12を製品(加工材10)として好適に採用し得る。また、図3(B)に示されるように、第1刃21側及び第2刃22側の双方から同等にき裂が進展した場合、一部11及び他部12の双方のせん断端面に同等の引張残留応力が生じ得る。すなわち、一部11と他部12との特性のバラつきが抑えられる。この点、一部11及び他部12の双方を製品として採用する場合に好適といえる。さらに、図3(C)に示されるように、第2刃22側から優先的にき裂が進展した場合、他部12のせん断端面における引張残留応力が大きくなる一方で、一部11のせん断端面における引張残留応力が小さくなる。すなわち、他部12をスクラップ15とする一方、一部11を製品(加工材10)として好適に採用し得る。
以上のことから、以下の(1)~(3)のことがいえる。
(1)せん断端面1のうち破断面1bに生じる引張残留応力は、破断面1bを形成するき裂1dx、1dyの進展方向や長さに依存して変化する。
(2)破断面1bにおいて、ダレ1a側(第1刃側)から進展したき裂1dxが長くなるほど、加工材10の破断面1bの引張残留応力が小さくなり、スクラップ15の破断面の引張残留応力が大きくなる。
(3)すなわち、加工材10の破断面1bにおいて、ダレ1a側から進展した第1き裂1dxに由来する部分の面積率が、バリ1c側から進展した第2き裂1dyに由来する部分の面積率よりも大きい場合、ダレ1a側から進展した第1き裂1dxに由来する部分の面積率が、バリ1c側から進展した第2き裂1dyに由来する部分の面積率よりも小さい場合よりも、破断面1bの引張残留応力を相対的に低減することができる。
本発明者は、鋼材5のせん断時に、き裂1dx、1dyの進展方向や長さを制御することについて、数々の実験・分析を繰り返した結果、さらに、以下の新たな知見を得た。
(4)鋼材5のせん断時、第1刃21側から優先的にき裂を進展させるためには、鋼材5の第1面10aのうち、少なくとも、第1刃21が食い込む部分(第1刃21の第1先端部21xと接触する部分)において、鋼材5の第2面10bのうち、第2刃22が食い込む部分(第2刃22の第2先端部22xと接触する部分)よりも、大きな応力集中を生じさせるとよい。
本開示の加工材の製造方法は、以上の知見に基づき完成されたものである。
2.加工材の製造方法
図4(A)に示されるように、本開示の加工材10の製造方法においては、まず、第1刃21と第2刃22との間に鋼材5を配置する。ここで鋼材5は第1面10aと第1面10aとは反対側の第2面10bとを有し、第1刃21は第1底面21aと第1側面21bと第1先端部21xとを有し、第2刃22は第2底面22aと第2側面22bと第2先端部22xとを有する。次に、図4(B)に示されるように、第1刃21と第2刃22とを相対的に移動させて鋼材5をせん断する。本開示の製造方法においては、鋼材5のせん断の際、第1面10aに第1刃21が接触し、且つ、第2面10bに第2刃22が接触した時点において、鋼材5の第1面10a及び第2面10bのうちの少なくとも一方の凹凸を利用して、第1面10aのうち第1先端部21xと接触する部分10axの応力集中を、第2面10bのうち第2先端部22xと接触する部分10bxの応力集中よりも大きくする。
2.1 第1刃
第1刃21は、第1底面21a、第1側面21b及び第1先端部21xを有する。第1底面21aは、第1刃21の相対的な移動方向に対して交差する面を有していてもよく、当該移動方向に対して直交する面を有していてもよい。また、第1側面21bは、第1刃21の相対的な移動方向に沿った面を有していてもよく、当該移動方向に対して傾いた面を有していてもよい。また、第1先端部21xは、第1底面21aと第1側面21bとの交線付近の部分をいい、具体的には、図5(A)に示されるように、第1底面21aと第1側面21bとの交線から第1底面21a側及び第1側面21b側の双方に向かって2mmの範囲にある部分をいう。第1刃21の先端がRを有するように加工されている場合や先端が面取りされている場合は、第1底面21aに沿って延長した面と、第1側面21bに沿って延長した面との交線を仮定し、当該交線から第1底面21a側及び第1側面21b側の双方に向かってR+2mmの範囲内に含まれる部分を第1先端部21xとみなす(図5(B)参照)。第1刃21の先端が面取りされている場合等も同様にして第1先端部21xを特定し得る。
尚、図5(B)においては、説明の便宜上、Rを意図的に大きく記載しているが、通常のRは図5(B)に示されるものより小さい。第1刃21の先端のRは、例えば、0.02mm以上であってもよい。
第1底面21aの形状は、目的とする加工材10のせん断端面1の形状に応じて決定され得る。第1底面21aは平坦面や曲面を有していてもよく、当該平坦面や曲面は鋼材5のせん断時、第1面10aと対面し得る。
第1側面21bの形状は、目的とする加工材10のせん断端面1の形状に応じて決定され得る。第1側面21bは平坦面であっても、曲面であっても、平坦面と曲面との組み合わせであってもよい。
第1先端部21xは、第1刃21の長手方向(図4の紙面奥手前方向)に向かって直線状に伸びていてもよいし、曲線状に伸びていてもよく、目的とする加工材10のせん断端面1の形状に応じて決定され得る。鋼材5に抜き穴を設ける場合は、第1先端部21xの形状は、当該抜き穴の縁に沿った環状となり得る。
せん断動作前の待機状態において、第1刃21は、第2刃22よりも上方に配置されていてもよい。この場合、第1刃21は、第2刃22の第2底面22aの上に載置された鋼材5の一部を、上から下へと打ち抜くパンチであってもよい。
第1刃21は、せん断加工に用いられる刃として一般的な材質からなる。例えば、第1刃21は、SKD11からなっていてもよい。また、第1刃21はその表面に第1コーティングを有してもよい。
2.2 第2刃
第2刃22は、第2底面22a、第2側面22b及び第2先端部22xを有する。第2底面22aは、第2刃22の相対的な移動方向に対して交差する面を有していてもよく、当該移動方向に対して直交する面を有していてもよい。また、第2側面22bは、第2刃22の相対的な移動方向に沿った面を有していてもよく、当該移動方向に対して傾いた面を有していてもよい。また、第2先端部22xは、第2底面22aと第2側面22bとの交線付近の部分をいい、第1先端部21xと同様に特定される。すなわち、第2底面22aと第2側面22bとの交線から第2底面22a側及び第2側面22b側の双方に向かって2mmの範囲にある部分をいう(図5(A))。第2刃22の先端がRを有するように加工されている場合や先端が面取りされている場合は、第2底面22aに沿って延長した面と、第2側面22bに沿って延長した面との交線を仮定し、当該交線から第2底面22a側及び第2側面22b側の双方に向かってR+2mmの範囲内に含まれる部分を第2先端部22xとみなす(図5(B))。尚、第2刃22の先端のRは、例えば、0.05mm以上であってもよい。また、第2刃22の先端のRは、上記第1刃21の先端のRよりも大きくてもよい。
第2底面22aの形状は、目的とする加工材10のせん断端面1の形状に応じて決定され得る。第2底面22aは平坦面や曲面を有していてもよく、当該平坦面や曲面は鋼材5のせん断時、第2面10bと対面し得る。
第2側面22bの形状は、目的とする加工材10のせん断端面1の形状に応じて決定され得る。第2側面22bは平坦面であっても、曲面であっても、平坦面と曲面との組み合わせであってもよい。
第2先端部22xは、第2刃22の長手方向(図4の紙面奥手前方向)に向かって直線状に伸びていてもよいし、曲線状に伸びていてもよく、目的とする加工材10のせん断端面1の形状に応じて決定され得る。鋼材5に抜き穴を設ける場合は、第2先端部22xの形状は、当該抜き穴の縁に沿った環状となり得る。
せん断動作前の待機状態において、第2刃22は、第1刃21よりも下方に配置されていてもよい。この場合、第2刃22は、鋼材5が載置されるダイであってもよい。
第2刃22は、せん断加工に用いられる刃として一般的な材質からなる。例えば、第2刃22は、SKD11からなっていてもよい。第2刃22の材質は、第1刃21の材質と同じであっても異なっていてもよい。また、第2刃22はその表面に第2コーティングを有してもよい。
2.3 鋼材
鋼材5の形状は、せん断加工が可能である限り、特に限定されるものではない。鋼材5は、例えば、板状であってもよいし、棒状であってもよい。鋼材5が板状である場合、その板厚は、例えば、0.8mm以上であってもよく、3.0mm以下であってもよい。また、鋼材5が棒状である場合、その断面形状は特に限定されず、例えば円状であっても多角形状であってもよく、その断面の円相当直径は5mm以上であってもよく、100mm以下であってもよい。さらに、鋼材5は、折り曲げ等によって何らかの形状に成形されたものであってもよい。
図4(A)及び(B)に示されるように、鋼材5は、第1面10aと第1面10aとは反対側の第2面10bとを備えていてもよい。第1面10aと第2面10bとは互いに平行であってもよい。尚、本願にいう「平行」とは、完全な平行に限定されるものではなく、実質的に平行であればよい。すなわち、第1面10aと第2面10bとが完全な平行ではない場合においても、工業生産上許容される誤差の範囲内であれば平行とみなす。具体的には、第1面10aと第2面10bとのなす角が0°±1°の場合、当該第1面10aと第2面10bとは平行であるものとみなす。
鋼材5は表面処理層を有していてもよい。表面処理層としては、めっき層や塗膜等が挙げられる。また、鋼材5は鋼種の異なる複数の層を含むものであってもよい。例えば、鋼材5としてクラッド鋼を採用することも可能である。
鋼材5の機械特性は特に限定されるものではなく、加工材10の用途に応じて適宜決定され得る。ただし、引張残留応力による耐水素脆化性の低下の問題は、特に、高強度の鋼材において生じ易い。この点、鋼材5は、例えば、引張強さが980MPa以上であってもよく、1180MPa以上であってもよく、1470MPa以上であってもよい。鋼材5の引張強さの上限は特に限定されるものではないが、例えば、2500MPa以下であってもよく、2200MPa以下であってもよく、2000MPa以下であってもよい。尚、本願にいう鋼材の「引張強さ」とは、ISO 6892-1:2009にしたがうものである。
鋼材5の化学組成や金属組織は特に限定されるものではなく、加工材10の用途に応じて適宜決定され得る。本開示の技術によれば、鋼材5の化学組成や金属組織によらず、破断面1bにおける引張残留応力を低減することができる。化学組成の一例として、鋼材5は、質量%で、C:0.050~0.800%、Si:0.01~3.00%、Mn:0.01~10.00%、Al:0.001~0.500%、P:0.100%以下、S:0.050%以下、N:0.010%以下、Cr:0~3.000%、Mo:0~1.000%、B:0~0.0100%、Ti:0~0.500%、Nb:0~0.500%、V:0~0.500%、Cu:0~0.50%、Ni:0~0.50%、O:0~0.020%、W:0~0.100%、Ta:0~0.10%、Co:0~0.50%、Sn:0~0.050%、Sb:0~0.050%、As:0~0.050%、Mg:0~0.050%、Ca:0~0.050%、Y:0~0.050%、Zr:0~0.050%、La:0~0.050%、Ce:0~0.050%、及び、残部:Fe及び不純物からなる化学組成を有していてもよい。また、鋼材5の上記化学組成において、任意に添加される元素であるCr、Mo、B、Ti、Nb、V、Cu、Ni、O、W、Ta、Co、Sn、Sb、As、Mg、Ca、Y、Zr、La、及びCeの含有量の下限は0.0001%又は0.001%であってもよい。
2.4 鋼材の配置
本開示の製造方法においては、上記のような第1刃21と第2刃22との間に鋼材5を配置する。第1刃21と第2刃22との間における鋼材5の配置について特に制限はなく、鋼材5を適切にせん断加工が可能なように配置されればよい。例えば、図4(A)に示されるように、鋼材5の上方に第1刃21が配置されるようにしつつ、第2刃22の第2底面22aの上に鋼材5を載置してもよい。また、本開示の製造方法においては、鋼材5のせん断をより容易とするため、第1刃21と第2刃22との間に鋼材5を配置する際、不図示の押さえ部材(ホルダー)によって鋼材5を第1底面21aや第2底面22aへと押さえつけてもよい。押さえ部材の形態は特に限定されるものではなく、一般的な押さえ部材を採用すればよい。
2.5 せん断の際の第1刃と第2刃の動作及び関係
本開示の製造方法においては、第1刃21と第2刃22との間に鋼材5を配置した後、第1刃21と第2刃22とを相対的に移動させることで、鋼材5をせん断する。第1刃21及び第2刃22の相対的な移動は、公知の移動装置(不図示)によって行われればよい。或いは、第1刃21及び第2刃22の少なくとも一方を手動で移動させてもよい。
2.5.1 クリアランス
図4(A)及び(B)に示されるように、せん断の際、第1刃21と第2刃22との間に、クリアランスCが設けられてもよい。クリアランスCは、鋼材5の材質や形状等に応じて適宜決定され得る。例えば、鋼材5が板状である場合、クリアランスCは、板厚の5%以上であってもよく、板厚の25%以下であってもよい。尚、本願にいう「クリアランス」とは、ISO 16630:2009にしたがうものである。
2.5.2 シャー角
図6に示されるように、せん断の際、第1刃21と第2刃22との間にシャー角αが設けられてもよい。シャー角αは、鋼材5の材質や形状等に応じて適宜決定され得る。例えば、シャー角αは、0°以上であってもよく、10°以下であってもよい。また、本発明者の新たな知見によれば、シャー角が0°以上1°以下である場合に、鋼材5に対して第2き裂1dyよりも先に第1き裂1dxを進展させ易い。
2.6 せん断の際の鋼材の応力集中
本開示の製造方法においては、鋼材5のせん断の際、第1面10aに第1刃21が接触し、且つ、第2面10bに第2刃22が接触した時点において、鋼材5の第1面10a及び第2面10bのうちの少なくとも一方の凹凸を利用して、第1面10aのうち第1先端部21xと接触する部分10axの応力集中を、第2面10bのうち第2先端部22xと接触する部分10bxの応力集中よりも大きくすることが重要である。「鋼材5の第1面10a及び第2面10bのうちの少なくとも一方の凹凸を利用して」とは、鋼材5の表面に自ずと存在する微細な凹凸を利用する形態、機械研磨等によって鋼材5の表面に意図的に設けられた凹凸を利用する形態のいずれをも含む概念である。詳しくは後述する。「第1面10aのうち第1先端部21xと接触する部分10axの応力集中を、第2面10bのうち第2先端部22xと接触する部分10bxの応力集中よりも大きくする」とは、第1面10aの第1先端部21xと接触する部分10axの少なくとも一部に生じている応力を、第2面10bの第2先端部22xと接触する部分10bxに生じている応力よりも、局所的とすることを意味する。これにより、鋼材5の第1面10aのほうが、第1面10aよりもき裂が発生し易く、すなわち、第2き裂1dyよりも先に第1き裂1dxを進展させ易い。尚、本願において上記「接触した時点」とは、鋼材5に刃21、22の各々が接触して、鋼材5にき裂1dx、1dyが生じる直前の時点をいう。本開示の製造方法においては、少なくとも上記「接触した時点」において、部分10axの応力集中が部分10bxの応力集中よりも大きければよく、当該「接触した時点」以外の時点における応力集中の大小については特に限定されない。
鋼材5のせん断の際、鋼材5の第1面10a及び第2面10bのうちの少なくとも一方の凹凸を利用して、第1面10aのうち第1先端部21xと接触する部分10axの応力集中を、第2面10bのうち第2先端部22xと接触する部分10bxの応力集中よりも大きくする方法としては、種々の方法が考えられる。例えば、以下の通りである。
2.6.1 潤滑剤
図7(A)に示されるように、本開示の製造方法においては、鋼材5のせん断の際、第1面10a及び第2面10bの各々に潤滑剤51、52が供給されてもよく、第1面10aに供給される潤滑剤51の種類と、第2面10bに供給される潤滑剤52の種類とが異なってもよい。このように、第1面10a側と第2面10b側とで異なる潤滑剤を供給することで、第1面10aにおいて、第2面10bよりも応力集中を生じさせ易くなる。より具体的には、鋼材5の表面の凹部(鋼材5の表面の微小な凹凸)に潤滑剤を入り込ませ、せん断加工中に圧力を生じさせることで、当該凹部に生じる引張応力が低減され得るところ、当該引張応力の低減の度合いが潤滑剤の種類によって異なることを利用して、第1面10a側よりも第2面10b側においてより引張応力が低減され易いように、すなわち、第2面10b側よりも第1面10a側においてより大きな応力集中が生じ易いように、潤滑剤の種類を選定する。言い換えれば、潤滑剤51、52の種類を選定することで、鋼材5の第1面10aの凹部に入り込む潤滑剤51の量を、鋼材5の第2面10bの凹部に入り込む潤滑剤52の量よりも少なくして、鋼材5のせん断の際、第1面10aにおいて第1刃21を齧り易くすることで、第1面10a側に大きな応力集中を生じさせる。第1面10a側や第2面10b側に供給される潤滑剤51、52の具体例としては、例えば、油脂潤滑剤、水溶性潤滑油及び乾性潤滑被膜のうちの少なくとも1種が挙げられる。潤滑剤の供給は、せん断加工前に行われてもよいし、せん断加工と同時に行われてもよい。潤滑剤の供給は、せん断加工中に行ってもよいが、刃先により多くの潤滑剤を侵入させ、潤滑剤による一層高い効果を確保する観点からは、せん断加工前に行うことが好ましい。尚、潤滑剤はスプレーノズル等の公知の供給装置を用いて供給されればよい。
図7(B)に示されるように、本開示の製造方法においては、鋼材5のせん断の際、第1面10a及び第2面10bの各々に潤滑剤が供給されてもよく、第2面10bに供給される潤滑剤52の量を、第1面10aに供給される潤滑剤の量の2倍以上としてもよい。すなわち、潤滑剤51、52の供給量を調整することで、鋼材5の第1面10aの凹部に入り込む潤滑剤51の量を、鋼材5の第2面10bの凹部に入り込む潤滑剤52の量よりも少なくする。このように、第1面10a側よりも第2面10b側において多量の潤滑剤を供給することによっても、第1面10a側において、第2面10b側よりも大きな応力集中を生じさせ易くなる。この場合、第1面側に供給される潤滑剤51の種類と、第2面側に供給される潤滑剤52の種類とは、同じであっても異なっていてもよい。
図7(C)に示されるように、本開示の製造方法においては、鋼材5のせん断の際、第2面10bに潤滑剤52が供給される一方、第1面10aには潤滑剤が供給されなくてもよい。このように、第2面10b側のみに潤滑剤を供給した場合においても、第1面10a側において、第2面10b側よりも大きな応力集中を生じさせ易くなる。
また、上述の通り、鋼材5の第1面10aの凹凸よりも、第2面10bの凹凸により多くの潤滑剤を入り込ませる観点からは、第1面10a及び第2面10bの各々に供給される潤滑剤51、52の温度を調節するなどして、潤滑剤51、52の粘度を調整してもよい。例えば、第2面10bに供給される潤滑剤52の温度を高めて粘度を低くすることで、第2面10bの凹凸に潤滑剤52を入り込ませ易くしてもよい。
以上の通り、第1面10a及び第2面10bの各々に供給される潤滑剤の種類や量を調整することによって、鋼材5の第1面10a及び第2面10bのうちの少なくとも一方の凹凸を利用して、第1先端部21xと接触する部分10axの応力集中を、第2先端部22xと接触する部分10bxの応力集中よりも大きくすることができる。
2.6.2 鋼材の表面粗さ
上記の潤滑剤の有無に関わらず、鋼材の表面粗さを調整することによって、刃の先端部と接触する部分の応力集中を調整することも可能である。すなわち、図8(A)~(E)に示されるように、本開示の製造方法においては、鋼材5のせん断の前に、第1面10aの一部の表面粗さを変化させる表面処理を施してもよく(図8(A)及び(B))、鋼材5のせん断の際、表面処理が施された部分10ayをせん断してもよい(図8(C)~(E))。図8(A)~(E)には、第1面10aの一部に表面処理を施す形態を示したが、第2面10bの一部に表面処理を施してもよい。すなわち、第1面10aの一部及び第2面10bの一部のうちの少なくとも一方に表面処理を施すことがあり得る。例えば、鋼材5のせん断の前に、第1面10aの一部の表面粗さを増大させる表面処理や、第2面10bの一部の表面粗さを低減させる表面処理を施すことがあり得る。鋼材5の表面粗さを変化させる表面処理の具体例としては、機械研磨、薬剤を用いた粗化処理や平滑化処理、凹凸のついたロールによる転写、ショットピーニング等、種々の方法が挙げられる。本発明者の知見では、第1面10aの一部10axの表面粗さが、第2面10bの一部10bxの表面粗さよりも大きい場合に、第1面10a側において、第2面10b側よりも大きな応力集中を生じさせ易くなり、当該一部10axにおけるき裂が当該一部10bxにおけるき裂よりも生じ易くなる。第1面10aの一部10axの表面粗さは、第2面10bの一部10bxの表面粗さの1.5倍以上であってもよいし、2倍以上であってもよいし、3倍以上であってもよいし、4倍以上であってもよいし、5倍以上であってもよい。
尚、鋼材5において、第1面10aのうち第1先端部21xと接触する部分10axや、第2面10bのうち第2先端部22xと接触する部分10bxの「表面粗さ」とは以下のようにして測定される算術平均粗さRaをいう。すなわち、部分10ax、10bxにおいて、触針探査計でRaを算出する。同様の測定を3か所で実施し、平均をとる。ダイヤモンド材質先端半径2μmの触針を用い、測定力は0.75mN、測定速度は0.15mm/sとする。粗さの計算では、カットオフ値0.8mm、評価長さ0.8mmとする。
3.加工材
本開示の製造方法によれば、せん断端面1のうち特に破断面1bにおける引張残留応力が低減された加工材10が得られる。以下、せん断端面1を有する加工材10の一例について説明するが、加工材10の形態は以下のものに限定されない。図9及び10に示されるように、加工材10のせん断端面1は、ダレ1aと破断面1bとバリ1cとを備える。破断面1bは、第1部分1bxと第2部分1byとを含む。第1部分1bxは、ダレ1a側からバリ1c側へと進展した第1き裂1dxによって形成され、第2部分1byは、バリ1c側からダレ1a側へと進展した第2き裂1dyによって形成される。破断面1bに占める第1部分1bxの面積率は、破断面1bに占める第2部分1byの面積率よりも大きい。
3.1 せん断端面
図9及び10に示されるように、せん断端面1は、ダレ1aと破断面1bとバリ1cとを備える。また、せん断端面1は、せん断面1eを備えていてもよい。せん断端面1のうち、ダレ1a、バリ1c、及び、せん断面1eについては、加工材10の形態に応じて任意の形態を採り得る。ダレ1a、バリ1c、及び、せん断面1eについては、従来と同様の形態であってもよい。
加工材10は、せん断端面1のうち破断面1bの構成に一つの特徴がある。図9及び10に示されるように、破断面1bは、第1部分1bxと第2部分1byとを含む。第1部分1bxは、ダレ1a側からバリ1c側へと進展した第1き裂1dxによって形成され、第2部分1byは、バリ1c側からダレ1a側へと進展した第2き裂1dyによって形成される。
第1き裂1dxの進展方向は、ダレ1a側からバリ1c側へと向かう方向であればよい。加工材10が板状である場合、第1き裂1dxの進展方向は、加工材10の板厚方向に沿った方向(第1面10a及び第2面10bに対して直交する方向)であってもよいし、板厚方向に対して傾いた方向であってもよい。また、第2き裂1dyの進展方向は、バリ1c側からダレ1a側へと向かう方向であればよい。加工材10が板状である場合、第2き裂1dyの進展方向は、加工材10の板厚方向に沿った方向(第1面10a及び第2面10bに対して直交する方向)であってもよいし、板厚方向に対して傾いた方向であってもよい。例えば、鋼材5のせん断の際、第1刃21と第2刃22との間にクリアランスC(図4参照)が設けられた場合、第1き裂1dx及び第2き裂1dyの進展方向が板厚方向に対して傾いた方向となり得、クリアランスが大きいほど、傾きが大きくなり得る。
第1き裂1dxは、ダレ1a側を起点としてバリ1c側へと進展し、バリ1c側にて第2き裂1dyと合わさるものであればよく、必ずしも、ダレ1a側からバリ1c側の第2き裂1dyに向かって最短経路で進展する必要はない。例えば、第1き裂1dxは、ダレ1a側からバリ1c側に進展する途中において、図2(B)の紙面奥手前方向(加工材10が板状である場合、例えば、板幅方向)に向かって進展してもよい。第2き裂1dyについても同様である。
せん断端面1において、破断面1bに占める第1部分1bxの面積率は、破断面1bに占める第2部分1byの面積率よりも大きい。言い換えれば、せん断端面1において、ダレ1a側からバリ1c側に向かって進展した第1き裂1dxの平均長さが、バリ1c側からダレ1a側に向かって進展した第2き裂1dyの平均長さよりも長い。上記の通り、破断面1bのうち、ダレ1a側から進展したき裂1dxに由来する部分の面積率が、バリ1c側から進展したき裂1dxに由来する部分の面積率よりも大きい場合、破断面1bの引張残留応力を相対的に低減することができる。
尚、破断面1bにおける第1部分1bx及び第2部分1byの各々の面積率や第1き裂1dx及び第2き裂1dyの各々の長さを特定するにあたって、破断面1bの表面の凹凸は考慮しないものとする。例えば、図9に示されるように、せん断端面1を正面から見た場合において、第1き裂1dxの起点となる位置をP1、第2き裂1dyの起点となる位置をP2、第1き裂1dxと第2き裂1dyとが合わさる位置をP3とした場合、P1とP3との間隔が、P2とP3との間隔よりも大きい場合に、破断面1bに占める第1部分1bxの面積率が、破断面1bに占める第2部分1byの面積率よりも大きいものと判断することができる。
本発明者の知見によれば、破断面1bに占める第1部分1bxの面積率が大きいほど、破断面1bの引張残留応力が低減される。例えば、加工材10において、破断面1bに占める第1部分1bxの面積率は、破断面1bに占める第2部分1byの面積率の1.2倍以上であってもよく、1.5倍以上であってもよく、1.7倍以上であってもよく、2.0倍以上であってもよく、2.2倍以上であってもよく、2.5倍以上であってもよい。
尚、バリ1cは目視では確認できない大きさであってもよい。加工材10の第1面10a及び第2面10bのうち、どちらがダレ1a側の面で、どちらがバリ1c側の面であるかについては、仮にバリ1cが確認できずとも、加工材10の形状を観察することによって容易に判別可能である。
せん断端面1において、せん断面1eと破断面1bとは、その性状が異なる。例えば、せん断面1eと破断面1bとは粗さ(光沢度)が異なる。この点、外観を観察するだけでも、せん断面1eと破断面1bとを容易に判別可能である。
破断面1bにおいて、第1部分1bxと第2部分1byとの境界(第1き裂1dxと第2き裂1dyとが合わさる位置)は、例えば、せん断端面1に多量の水素を導入することで判別可能である。上述した通り、き裂の進展中に生じる応力は、き裂の進展方向に依存する。すなわち、図10(A)及び(B)に示されるように、第1き裂1dxと第2き裂1dyとが合わさる位置で、残留応力が急変するものといえる。このため、水素の侵入によって生じる水素脆化割れの方向についても、第1き裂1dxと第2き裂1dyとが合わさる位置で急変する。これを考慮すると、水素脆化割れの向きが急変する位置を、第1き裂1dxと第2き裂1dyとが合わさる位置とみなすことができる。
3.2 せん断端面以外の構成
加工材10はせん断端面1を有するものであればよく、せん断端面以外の構成は特に限定されるものではない。加工材10の形状は、上記した鋼材5の形状と対応する。すなわち、加工材10は、上記したような板状であっても、棒状であってもよい。また、加工材10は、せん断端面1以外の面として、第1面10aと第1面10aとは反対側の第2面10bとを備えていてもよく、当該第1面10aと当該第2面10bとが、せん断端面1を介して連結されていてもよい。第1面10aと第2面10bとは互いに平行であってもよい。また、加工材10は上記したような表面処理層を有していてもよい。また、加工材10は鋼種の異なる複数の層を含むものであってもよい。加工材10の機械特性や化学組成についても上述した通りである。
4.作用・効果
以上の通り、本開示の製造方法によれば、せん断端面1のうち特に破断面1bにおける引張残留応力が低減された加工材10を製造することができる。破断面1bの引張残留応力が低減されることで、例えば、せん断端面1における耐水素脆化性が向上し得る。
1.鋼材
被加工材である鋼材として、引張強さ1470MPa級の鋼板A(板厚:1.6mm)、引張強さ1180MPa級の鋼板B(板厚:1.6mm)、引張強さ980MPa級の鋼板C(板厚:1.6mm)を用意した。
2.潤滑剤の有無の検討
鋼板A~Cの各々をパンチとダイとの間に配置し、パンチとダイとを相対的に移動させることで、鋼板A~Cの各々の一部をパンチで打ち抜き、ダイ上にせん断端面を有する加工材を得た。この時、鋼板A~Cのパンチ側表面とダイ側表面とで潤滑剤の有無を制御することで、パンチ側表面の凹部に入り込む潤滑剤の量と、ダイ側表面の凹部に入り込む潤滑剤の量とを制御した。
2.1 実施例1
鋼板のパンチ側表面には潤滑剤を供給せず、ダイ側表面にのみ潤滑剤を供給しながら、鋼板のせん断を行った。潤滑剤としては油研工業株式会社製DS-71を用い、ダイ側表面に供給される潤滑剤の量を2g/mとした。
2.2 比較例1
鋼板のパンチ側表面及びダイ側表面の双方に、同じ潤滑剤(DS-71)を同量(2g/m)供給しながら、鋼板のせん断を行った。
2.3 比較例2
鋼板のパンチ側表面及びダイ側表面のいずれにも潤滑剤を供給せずに、鋼板のせん断を行った。
2.4 比較例3
鋼板のダイ側表面には潤滑剤を供給せず、パンチ側表面にのみ潤滑剤を供給しながら、鋼板のせん断を行った。潤滑剤としては油研工業株式会社製DS-71を用い、パンチ側表面に供給される潤滑剤の量を2g/mとした。
3.潤滑剤種類の検討
鋼板A~Cの各々をパンチとダイとの間に配置し、パンチとダイとを相対的に移動させることで、鋼板A~Cの各々の一部をパンチで打ち抜き、ダイ上にせん断端面を有する加工材を得た。この時、鋼板A~Cのパンチ側表面とダイ側表面とで潤滑剤の種類を変更することで、パンチ側表面の凹部に入り込む潤滑剤の量と、ダイ側表面の凹部に入り込む潤滑剤の量とを制御した。
3.1 実施例2
鋼板のパンチ側表面に潤滑剤(油研工業株式会社製DS-71)を供給し、ダイ側表面に潤滑剤(油研工業株式会社製DS-71)及び硫黄系極圧添加剤(DIC社製DAILUBE)を供給しながら、鋼板Bのせん断を行った。パンチ側表面及びダイ側表面ともに、供給される潤滑剤の量を2g/mとした。
3.2 比較例4
鋼板のパンチ側表面及びダイ側表面の双方に潤滑剤(油研工業株式会社製DS-71)及び硫黄系極圧添加剤(DIC社製DAILUBE)を供給しながら、鋼板のせん断を行った。パンチ側表面及びダイ側表面ともに、供給される潤滑剤の量を2g/mとした。
3.3 比較例5
鋼板のパンチ側表面に潤滑剤(油研工業株式会社製DS-71)及び硫黄系極圧添加剤(DIC社製DAILUBE)を供給し、ダイ側表面に潤滑剤(油研工業株式会社製DS-71)を供給しながら、鋼板のせん断を行った。パンチ側表面及びダイ側表面ともに、供給される潤滑剤の量を2g/mとした。
4.潤滑剤供給量の検討
鋼板A~Cの各々をパンチとダイとの間に配置し、パンチとダイとを相対的に移動させることで、鋼板A~Cの各々の一部をパンチで打ち抜き、ダイ上にせん断端面を有する加工材を得た。この時、鋼板A~Cのパンチ側表面とダイ側表面とで潤滑剤の供給量を変更することで、パンチ側表面の凹部に入り込む潤滑剤の量と、ダイ側表面の凹部に入り込む潤滑剤の量とを制御した。
4.1 実施例3
鋼板のパンチ側表面及びダイ側表面の双方に潤滑剤(油研工業株式会社製DS-71)を供給しながら、鋼板のせん断を行った。パンチ側表面に供給される潤滑剤の量を0.5g/mとし、ダイ側表面に供給される潤滑剤の量を2g/mとした。
4.2 実施例4
鋼板のパンチ側表面及びダイ側表面の双方に潤滑剤(油研工業株式会社製DS-71)を供給しながら、鋼板のせん断を行った。パンチ側表面に供給される潤滑剤の量を1g/mとし、ダイ側表面に供給される潤滑剤の量を2g/mとした。
4.3 比較例6
鋼板のパンチ側表面及びダイ側表面の双方に潤滑剤(油研工業株式会社製DS-71)を供給しながら、鋼板のせん断を行った。パンチ側表面に供給される潤滑剤の量を2g/mとし、ダイ側表面に供給される潤滑剤の量を0.5g/mとした。
4.4 比較例7
鋼板のパンチ側表面及びダイ側表面の双方に潤滑剤(油研工業株式会社製DS-71)を供給しながら、鋼板のせん断を行った。パンチ側表面に供給される潤滑剤の量を2g/mとし、ダイ側表面に供給される潤滑剤の量を1g/mとした。
5.表面粗さの検討
鋼板A~Cの各々をパンチとダイとの間に配置する前に、鋼板A~Cの各々について、表裏で異なる研磨加工を施し、表面粗さを変化させた。その後、鋼板A~Cの各々をパンチとダイとの間に配置したうえで、パンチとダイとを相対的に移動させることで、鋼板A~Cの各々の一部をパンチで打ち抜き、ダイ上にせん断端面を有する加工材を得た。
5.1 実施例5
上記の研磨加工により、鋼板のパンチ側表面の表面粗さRaを5μmとし、ダイ側表面の表面粗さを0.2μmとしたうえで、せん断加工を行った。
5.2 実施例6
上記の研磨加工により、鋼板のパンチ側表面の表面粗さRaを1μmとし、ダイ側表面の表面粗さを0.2μmとしたうえで、せん断加工を行った。
5.3 比較例8
上記の研磨加工により、鋼板のパンチ側表面の表面粗さRaを0.2μmとし、ダイ側表面の表面粗さを5μmとしたうえで、せん断加工を行った。
5.4 比較例9
上記の研磨加工により、鋼板のパンチ側表面の表面粗さRaを0.2μmとし、ダイ側表面の表面粗さを1μmとしたうえで、せん断加工を行った。
6.評価条件
実施例1~6及び比較例1~9に係る加工材の各々について、以下の通り、せん断端面の残留応力を測定した。すなわち、板厚方向の中心位置において、スポット径φ500μmでX線による残留応力測定を実施した(板幅方向に異なる3箇所)。残留応力の測定方向は、板厚方向、板幅方向、板厚方向から45度方向の3方向とし、残留応力の算出にはsinψ法を用いた。端面法線方向の残留応力をゼロと仮定し、算出した3方向の残留応力から、最大主応力を算出した。3箇所で算出した最大主応力の値を平均した。
7.評価結果
評価結果を下記表1~4に示す。
Figure 2022030538000002
Figure 2022030538000003
Figure 2022030538000004
Figure 2022030538000005
上記の実施例1~6では、潤滑剤の有無、供給量、種類、或いは鋼板の表裏の表面粗さを調整することで、鋼板の表裏の凹凸に対するパンチ又はダイの齧り易さが変わり、鋼板のせん断時、鋼板のパンチ側表面において応力集中が生じ易くなったものと考えられる。一方で、比較例1~9は、これとは異なり、鋼板のせん断時、鋼板のダイ側表面において応力集中が生じ易くなったものと考えられる。
表1~4に示されるように、鋼板の表面の凹凸を利用して、鋼板のパンチ側表面の応力集中を、ダイ側表面の応力集中よりも大きくしながら鋼板のせん断を行った場合、せん断後に得られる加工材のせん断端面において、破断面の引張残留応力を顕著に低減できることが分かる。加工材の破断面において、パンチ側から進展した第1き裂に由来する第1部分の面積率を高めることができたためと考えられる。このような効果は鋼板の強度によらず同様に認められることが分かる。
尚、上記実施例では、鋼材として鋼板を用いる形態を例示したが、本開示の技術はこの形態に限定されるものではない。本開示の技術は、上記したように、鋼材の表面の凹凸を利用して、せん断時における鋼材の表裏の応力集中を調整した点に特徴があり、鋼材の形状によらず、同様の効果を発揮し得る。
本開示の製造方法により製造される加工材は、例えば、自動車、家電製品、建築構造物、船舶、橋梁、建設機械、各種プラント、ペンストック等の構成材料として利用可能である。
1 せん断端面
1a ダレ
1b 破断面
1bx 第1部分
1by 第2部分
1c バリ
1dx 第1き裂
1dy 第2き裂
1e せん断面
10 加工材
5 鋼材
10a 第1面
10ax 第1刃の第1先端部と接触する部分
10ay 表面処理が施された部分
10b 第2面
10bx 第2刃の第2先端部と接触する部分
11 鋼材の一部
12 鋼材の他部
15 スクラップ
21 第1刃
21a 第1底面
21b 第1側面
21x 第1先端部
22 第2刃
22a 第2底面
22b 第2側面
22x 第2先端部
51、52 潤滑剤

Claims (9)

  1. 鋼材をせん断して加工材を製造する方法であって、
    第1刃と第2刃との間に前記鋼材を配置すること、ここで前記鋼材は第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1刃は第1底面と第1側面と第1先端部とを有し、前記第2刃は第2底面と第2側面と第2先端部とを有する、及び、
    前記第1刃と前記第2刃とを相対的に移動させて前記鋼材をせん断すること、
    を含み、
    前記鋼材のせん断の際、前記第1面に前記第1刃が接触し、且つ、前記第2面に前記第2刃が接触した時点において、前記鋼材の前記第1面及び前記第2面のうちの少なくとも一方の凹凸を利用して、前記第1面のうち前記第1先端部と接触する部分の応力集中を、前記第2面のうち前記第2先端部と接触する部分の応力集中よりも大きくする、
    加工材の製造方法。
  2. 前記鋼材のせん断の際、前記第1面及び前記第2面の各々に潤滑剤が供給され、
    前記第1面に供給される潤滑剤の種類と、前記第2面に供給される潤滑剤の種類とが異なる、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記鋼材のせん断の際、前記第1面及び前記第2面の各々に潤滑剤が供給され、
    前記第2面に供給される潤滑剤の量が、前記第1面に供給される潤滑剤の量の2倍以上である、
    請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記鋼材のせん断の際、前記第2面に潤滑剤が供給される一方、前記第1面には潤滑剤が供給されない、
    請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記鋼材のせん断の前に、前記第1面の一部及び前記第2面の一部のうちの少なくとも一方の表面粗さを変化させる表面処理を施し、
    前記鋼材のせん断の際、前記表面処理が施された部分をせん断する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記第1面の前記一部の前記表面粗さが、前記第2面の前記一部の前記表面粗さの5倍以上である、
    請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記鋼材が板状である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記鋼材の引張強さが980MPa以上である、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記鋼材の引張強さが1470MPa以上である、
    請求項8に記載の製造方法。
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