JP2022030008A - 仮設足場用足場板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 組み立て作業性が容易であり、取り扱い作業性に優れた仮設足場用の足場板を提供する。【解決手段】 所定間隔ごとに取り付け部が設けられた支柱101と、前記支柱101の取り付け部103に固定された水平材102とを備える仮設足場100の前記水平材間102に掛け渡され、足場板本体2の両端から突出するように設けられ前記水平材102に係合可能な係止フック3と、前記係止フック3の間に前記足場板本体2の両端から突出するように設けられた前記足場板本体2と前記水平材102間に形成される隙間を塞ぐ隙間閉塞部材4とを備えた足場板であって、前記係止フック4は、基端側垂直部21に平行な先端側垂直部22を有するフック部材20を有し、前記先端側垂直部22は、前記水平材を挟んでかけ渡される他の足場板の前記隙間閉塞部材との干渉を防止する隙間閉塞部材用逃げ部28を有する。【選択図】 図6

Description

本発明は、建設作業現場などで用いられる仮設足場において、一定間隔ごとに設けられた互いに対向する足場用建枠の水平材の間に架け渡される仮設足場用足場板に関する。
建設作業現場などで用いられる仮設足場は、鋼管からなる複数本の支柱を桁行き方向(建築物の壁面に沿った方向)及びはり間方向(建築物の壁面に垂直な方向)に所定間隔をおいて配置し、桁行き方向に隣接する支柱に鋼管からなる水平材を取り付けた仮設足場用建枠を形成し、さらに、はり間方向に隣接する水平材の間に足場板を掛け渡して構成される。支柱には、一定間隔ごとに、水平材等を固定するための取り付け部が設けられており、当該取り付け部に水平材を固定することによって仮設足場用建枠が組み上げられる。
このようにしてくみ上げられた仮設足場用建枠には、水平材の間に足場板が架け渡される。この仮設足場の足場板は、細長い平面長方形状の布枠に床板を取り付けた足場板本体と、足場板本体の両端に足場板本体から突出するように取り付けられるフック部材とを有している。この構成の足場板は、両端のフック部材を仮設足場の水平材に上から引っ掛けることで、隣接する水平材間に掛け渡されて固定される。
ところで、上記構成の足場板を足場枠組みに取り付けた場合、フック部材が足場板本体の端部から伸び出すようにして取り付けられているため、水平材と足場板本体との間に隙間が形成される。当該隙間から作業時に工具や建築部材等が落下する危険性がある。
このため、例えば、特許文献1(特開2008-45398号公報)などにおいて、隣接する足場板間に隙間が発生しないように、足場板固定後から取り付けて当該隙間を塞ぐ専用の部材が開示されている。しかし、足場板とは別の部材であり、コスト高になることや後から取り付けることから作業性が悪い等の不具合があった。
また、この隙間閉塞部材の上記問題を解消するために、足場板本体に隙間埋めプレートを設けた足場板が種々知られている。例えば、特許文献2(特開2001-182315号公報)や特許文献3(特開2001-214608号公報)には、足場板本体の両端から突出した状態に配置されたフック部材の間に隙間埋めプレートを備え、当該隙間埋めプレートは平面視で水平材の略半分の位置まで伸びるように構成された足場板が記載されている。
また、特許文献4(特開2005-9127号公報)には、足場板本体の両端から突出した状態に配置されたフック部材の間に、足場板本体の一端側にのみ隙間埋めプレートを備え、当該隙間埋めプレートは、平面視で水平材を完全に被覆するような長さに構成された足場板が記載されている。
さらに、特許文献5(特開2008-231804号公報)や特許文献6(意匠登録第1383188号公報)には、特許文献2及び特許文献3と同様に、平面視で水平材の略半分の位置まで伸びるように構成された隙間埋めプレートを備えた足場板が記載されており、当該隙間埋めプレートの形状として、側面視により平板状、三角形状などの種々の形状のものが記載されている。
特開2008-45398号公報 特開2001-214608号公報 特開2001-182315号公報 特開2005-9127号公報 特開2008-231804号公報 意匠登録第1383188号公報
しかし、上記特許文献の足場板はいずれも、隙間埋めプレートが足場板本体の端部から突出する一対のフック部材の間に設けられる。そして、隙間埋めプレートは、できる限り水平材との隙間を小さくするため、平面視で水平材の上方に張り出すように配置され、幅方向寸法は、一対のフック部材の間をほぼ埋めることができようにできる限り大きく構成されている。このため、連続して配置される複数の足場板の間で、一方の足場板の隙間埋めプレートと他方の足場板とのフック部材との干渉が生じる場合があった。
具体的には、幅寸法が異なる足場板を組み合わせて用いる場合に干渉が生じる。一方の足場板に対して、他方の足場板は略半分の幅寸法であるが、この場合、他方の足場板のフック部材が、一方の足場板の隙間埋めプレートと干渉し、取り付けることができないという問題があった。したがって、上記各特許文献に記載されている足場板は、実質的に同じ幅寸法のものを組み合わせて使用する場合に限られていた。
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、異なる幅寸法のものを組み合わせて使用することができる、取り扱い作業性に優れた仮設足場用の足場板を提供することである。
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の仮設足場用の足場板を提供する。
本発明の第1態様によれば、所定間隔ごとに取り付け部が設けられた支柱と前記支柱の取り付け部に固定された水平材とを備える仮設足場用建枠の前記水平材間に掛け渡され、
足場板本体の両端から突出するように設けられ前記水平材に係合可能な係止フックと、前記係止フックの間に前記足場板本体の両端から突出するように設けられた前記足場板本体と前記水平材間に形成される隙間を塞ぐ隙間閉塞部材とを備えた足場板であって、
前記係止フックは、
前記足場板本体に接続する基端側垂直部と、前記基端側垂直部に平行な先端側垂直部と、前記先端側垂直部と基端側垂直部の間に位置し、上側に湾曲する上側水平部とを有するフック部材を有し、
前記先端側垂直部は、前記水平材を挟んでかけ渡される他の足場板の前記隙間閉塞部材との干渉を防止する隙間閉塞部材用逃げ部を有することを特徴とする、仮設足場用足場板を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記先端側垂直部は、前記隙間閉塞部材用逃げ部の周囲の厚み寸法が大きく構成されていることを特徴とする、第1態様の仮設足場用足場板を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記隙間閉塞部材用逃げ部は、止溝24の上端24aと係止溝24の上端から連続する円弧状の部分との間の位置に形成されることを特徴とする、第1又は2態様の仮設足場用足場板を提供する。
本発明によれば、同じ水平材に掛け渡す1の足場板の隙間閉塞部材と他の足場板のフック部材との干渉を防止することができる。これにより、隙間閉塞部材形とフック部材とが干渉しないので、幅が異なる2つの足場板を同じ水平材に掛け渡すことが可能である。したがって、仮設足場の組み立てを効率よく行うことができる。
本発明の実施形態にかかる仮設足場用足場板と共に用いる仮設足場の構造を示す斜視図である。 図1の仮設足場に足場板を取り付けた状態を示す足場板端部の部分拡大斜視図である。 本発明の実施形態にかかる足場板の構成を示す斜視図である。 図3の足場板端部の構造を示す拡大斜視図である。 上方向から見た図3の足場板端部の部分拡大図である。 図3の足場板の係止フック及び隙間閉塞部材の構成を示す断面図である。 本実施形態にかかる足場板の変形例を示す足場板端部の構造を示す拡大斜視図である。 図7のVIII-VIII線における断面図である。 ロック部材が解放位置に有る係止フックの外観構成を示す正面図である。 隙間閉塞部材用逃げ部が設けられていないフック部材と隙間閉塞部材との干渉の状態を説明する概念図である。 隙間閉塞部材用逃げ部が設けられているフック部材と隙間閉塞部材との干渉の状態を説明する概念図である。 ロック部材が固定位置に有る状態の係止フックの構成を示す側面図である。 複数枚を積層した状態の足場板の左側面図である。
以下、本発明の実施形態に係る足場板について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる仮設足場用足場板1(以下、足場板1と記載する。)と共に用いる仮設足場の構造を示す斜視図である。図2は、図1の仮設足場に足場板を取り付けた状態を示す足場板端部の部分拡大斜視図である。
実施形態にかかる足場板1は、図2に示すように、仮設足場100の水平材102間に架け渡される。仮設足場100は、図1に示すように、図示しない建築物の周囲に沿って組み立てられる。仮設足場100は、建築物の外周に沿って、所定間隔ごとに複数列に立設された複数の支柱101と、支柱の間に架設された水平材102,102aとで枠組みされる。
仮設足場100は、図1に示すように、複数のフランジ103が設けられた支柱101を直交する2軸方向(はり間方向及び桁行き方向)に所定の間隔をおいて格子状に配置し、隣り合う支柱101のフランジ103に水平材102,102aを固定することで組み上げられる。図1においては、足場板1が固定される水平材102は、はり間方向に隣接する支柱同士をつなぐように配置される。なお、仮設足場100には、一般的には、仮設足場用建枠の補強のために桁行き方向にも水平材102aを架設する。
支柱101は、例えば、直径45mm程度の金属パイプによって構成されており、支柱101の軸方向に複数本を連結して用いることができる。また、取り付け部の一例としてのフランジ103は、支柱101の一定間隔ごと例えば、本実施形態では45cmごとに設けられている。フランジ103は、複数の連結孔が設けられた板状の部材であり、水平材102の端部が当該フランジを挟んだ状態で配置され、フランジ103の連結孔にくさびを挿入することで、水平材102と支柱101とが固定される。
図3は、本実施形態にかかる足場板1の構成を示す斜視図である、足場板1は、図3に示すように、同じ高さ位置に配置された桁行き方向の2つの水平材102の間に掛け渡される。
なお、以下の説明では、同じ高さ位置に配置された2つの水平材102の間に架け渡された場合における足場板1の上下の方向を「上下方向」とする。また、上下方向に直行し、足場板1の面に沿った方向を「横方向」とする。同じ高さ位置に配置された2つの水平材102の間に架け渡された場合は、上下方向は鉛直方向と一致し、横方向は水平方向と一致する。また、「横方向」のうち、足場板1の係止フック3が設けられている足場板本体2の辺に沿った方向を「幅方向」、幅方向に直行し、係止フック3が設けられていない足場板本体2の辺に沿った方向を「長さ方向」という。なお、異なる高さ位置に配置された2つの水平材に足場板1が架け渡された場合は、上下方向及び横方向は、それぞれ鉛直及び水平方向から傾斜した状態となる。
本実施形態にかかる足場板1は、図3に示すように、矩形に構成された足場板本体2と、足場板本体2の長さ方向両端側に設けられた係止フック3と、係止フック3の間に配置された隙間閉塞部材4とを有する。
また、本実施形態にかかる足場板1では、上方向から見た平面視において、足場板本体2は、長さ方向に沿った辺が長辺となる長方形である。なお、長さ方向と幅方向の相対的な大きさは、これに限定されるものではなく、足場板本体2が平面視で正方形であってもよいし、係止フック3が設けられている長さ方向が幅方向より短い長方形であってもよい。
足場板本体2は、天板部5と天板部5の端部に位置するフレーム部6とを有する。
本実施形態では、天板部5は、複数の凸部5aが設けられたパンチングメタルで構成された踏板7が幅方向に2枚並べられて構成されている。ただし、天板部5の構成は特に限定されるものではなく、踏板7を1枚で構成し足場板本体2の幅寸法を狭く構成してもよい。また、踏板7は、パンチングメタル以外にも、網状に構成されたエキスパンドメタルを用いることもできる。
フレーム部6は枠状に構成され、本実施形態では、天板部5の周囲に取り付けられたフレーム材8で構成される。本実施形態では、フレーム部6は、1枚の踏板7を固定するが、複数枚の踏板7を幅方向に並べられた状態で固定してもよい。なお、フレーム部6は、図3に示す天板部5の周縁に配置される4本のフレーム材を用いた矩形構成に限定されるものではなく、例えば、長さ方向及び幅方向に中間梁を設けてもよい。
図4は図3の足場板端部の構造を示す拡大斜視図である。図5は上方向から見た足場板端部の部分拡大図である。図6は図3の足場板の係止フック及び隙間閉塞部材の構成を示す断面図である。
図3から図6に示すように、係止フック3は、足場板本体2の長さ方向側両端にそれぞれ1対ずつ設けられている。具体的には、係止フック3は、基端側端部9を、足場板本体2の長さ方向両端に位置するフレーム材8の端面にリベットや溶接などで取り付ける。係止フック3は、水平材102に係止して足場板1を連結する。
隙間閉塞部材4は、図3から図6に示すように、フレーム部6のフレーム材8の係止フック3の間の位置に溶接などの手段により固定される。本実施形態では、隙間閉塞部材4は、1枚の金属板を略三角形状に折り曲げて構成され、足場板本体2の上面と略同じ高さで上面に沿って伸びるように設けられた上面部11と、上面部11に連続して設けられ、斜め方向に伸びる下面部12とを備える。
また、隙間閉塞部材4は断面形状が略三角形状となっている。このため、隙間閉塞部材4の引っかかりなどが生じにくく、取り扱い作業性に優れている。
隙間閉塞部材4の先端部4aは、図4及び図5に示すように、上下方向から見て水平材102に横方向に重ならないように構成されている。
このように隙間閉塞部材4を構成することにより、支柱を間に挟んで足場板1を水平材102に係止するいわゆるまた掛けが可能となり、仮設足場への組み立て作業の幅を広げて作業性を容易にすることができる。
なお、隙間閉塞部材4の構成は図3から図6に示すものに限定されない。例えば、フレーム材8の係止フック3の間から足場板1の長手方向に突出した板状部材で構成することもできる。
本実施形態にかかる足場板1は、上下方向に複数枚を積み重ねた時に、荷崩れを起こしにくく、係止フック3が干渉することなく積層できるように構成されている。また、長手方向に連続して配置される隣り合う複数枚の足場板1において、係止フック3と隙間閉塞部材4とが干渉しないように構成されている。以下、足場板本体及び係止フックの具体的な構成について詳細に説明する。
(足場板本体)
足場板本体2は、上記のように、天板部5と天板部5の周囲に位置するフレーム部6とを有する。図4に示すように、天板部5は、幅方向に1枚のみが並べられた踏板7で構成されているが、図7及び図8に示すように、2枚の踏板7を用いその間に隙間10を設けた状態で並べることが好ましい。
図8に示すように、踏板7は、上板7aと、上板7aの幅方向両端に連続し、下側に延びる側板7b,7cとを有する、断面コの字状に成型された金属板で構成されている。上板7aは、長さ方向に延びる補強溝14を3本ずつ有しており、踏板7のたわみを防止する。
天板部5の幅方向外側に位置する側板7bは露出し、足場板の側面を構成する。
隙間10を挟んで隣り合う側板7c同士は、幅方向に延びる係止部材13で連結されている。本実施形態では、係止部材11は、天板部端部のフレーム材8の近くに設けられている。
隙間10には、例えば、足場板1を吊り下げて高所に持ち上げる際に使用されるクレーンの吊り下げ部材を通すことができる。具体的にはワイヤーやフックなどの吊り下げ部材を、隙間10の係止部材11よりも中央側に通して、足場板1の吊り下げ時に係止部材11に吊り下げ部材が引っかかるようにすることができる。
本実施形態にかかる足場板1は、フレーム部6が足場板本体2の長さ方向にのみ溶接されているため、隙間10に吊り下げ部材を通すと、足場板1の荷重がフレーム部6にかかることとなる。これにより、フレーム部6と天板部5との間の溶接が外れ、足場板1の損傷の原因となる。本実施形態によれば、係止部材13は、天板部5に取り付けられているため、隙間10に吊り下げ部材を通してもフレーム部6に荷重がかからない。これにより、足場板1の損傷を防止することができる。
フレーム部6のフレーム材8は、天板部5の長さ方向端面に沿う中板8bと、中板8bの上下にそれぞれ位置する上板8a及び下板8cを有する、断面がコの字状の棒状部材である。上板8aは、踏板7の上板7aに当接し、下板8cは、踏板7の側板7b,7cの下端に当接する。
フレーム材8の上板8a及び下板8cには、足場板1の積層時に互いに嵌り合う凸部15及び凹部16が設けられている。凸部15及び凹部16が足場板1の積層時に互いに嵌り合うことによって、足場板1の横方向(幅方向及び長さ方向)への位置ずれが防止される。
(係止フック)
図9は、係止フックを図6の反対側面から見た場合の外観構成を示す側面図である。係止フック3は、図6,図9に示すように、幅方向に薄い金属板で構成されており、足場板本体2の長さ方向両端に1対ずつ設けられている。
図5に示すように、足場板本体2の長さ方向両端に配置されている係止フック3の幅方向位置は、足場板本体2の長さ方向一端側と他端側でずれており、複数の足場板1が長さ方向に連続して架け渡す場合に、隣り合う足場板1の係止フック3が互いに干渉しないようになっている。
係止フック3は、水平材102に上から係合可能な板状の部材であるフック部材20と当該ロック部材30にスライド可能に設けられたロック部材30とを備えている。
フック部材20は、略U字状の部材である。フック部材20は、足場板本体2に接続する基端側垂直部21と、基端側垂直部21に平行な先端側垂直部22と、先端側垂直部22と基端側垂直部21の間に位置し上側に湾曲する上側水平部23を有する。なお、先端側垂直部22と基端側垂直部21と上側水平部23は、フック部材20として一体的に形成されているため、それぞれの境界は明確ではないものの、本実施形態では、係止溝24の上端24aよりも上方に位置する部分を上側水平部23とする。
先端側垂直部22と基端側垂直部21と上側水平部23により囲まれた領域には、水平材102がはまり込む係止溝24が形成される。すなわち、係止溝24は、下方が開口する。水平材102を下方の係止溝24の開口から係止溝24内に嵌めることにより、フック部材20と水平材102とが連結する。係止溝24は、上縁が水平材102の周面の曲率と略等しい円弧状に形成されており、水平材102と係止フック3が、がたつきなく係止される。
なお、本実施形態において、係止フック3は、足場板本体2の長さ方向側端面2aから係合溝24までの距離が、フランジ103の支柱からの突出幅よりも長く構成されている。
先端側垂直部22と基端側垂直部21の下端は、足場板本体2の下面2lよりも上方に位置する。また、係止溝24の上端24aは、足場板本体2の上面2uと略同じ高さである。これにより、水平材102と係止フックとが連結した場合、足場板本体2は、水平材102の上端とほぼ同じ高さに位置する。これにより、足場板1の設置高さを低くすることができ、手摺などとの高さ基準幅を大きく取ることができる。
先端側垂直部22は、その外側縁円に隙間閉塞部材用逃げ部28を有している。隙間閉塞部材用逃げ部28は、後述するように、連続して配置される隣り合う足場板1において、係止フック3と隙間閉塞部材4との干渉を防止する機能を有する。
具体的には、図2に示すように、同じ水平材102に隣り合って足場板1を掛け渡す場合において、異なる幅の足場板を組み合わせて使用する場合がある。この場合、図2及び図10に示すように、幅広の足場板1aの隙間閉塞部材4の先端部分4aが他方の足場板1の係止フック3とが干渉する場合がある。このため、幅寸法が異なる足場板を組み合わせて使用できない場合があり、仮設足場の組み立てに影響を及ぼしていた。
すなわち、隙間閉塞部材4は、足場板本体2と水平材102との隙間110を小さくするために先端部分4aが水平材102に近接するように構成されることが好ましい。しかし、この場合、水平材102に掛け渡されるフック部材20の先端側垂直部22は、水平材102の先端側に位置するため、隙間閉塞部材4の先端との干渉を引き起こす。このため、先端部4aとの干渉を防止するために、隙間閉塞部材4の突出量を少なくすればよいが、この場合、衰期間閉塞部材と水平材102との隙間が大きくなる。
このため、先端側垂直部22にその外側縁円に隙間閉塞部材用逃げ部28を形成することにより、図11に示すように、隙間閉塞部材4と水平材102との間の隙間110を小さくしながら、隙間閉塞部材4とフック部材20との干渉を防止することができる。
先端側垂直部22に形成される隙間閉塞部材用逃げ部28は、隙間閉塞部材4との干渉を防止するために、その形成位置と大きさを調整すればよい。また、隙間閉塞部材用逃げ部28が形成される先端側垂直部22の強度が低下するために、先端側垂直部22の周囲の必要個所の厚み寸法を大きくするなど補強をしてもよい。
また、隙間閉塞部材用逃げ部28は、係止溝24の上端24aと係止溝24の上端から連続する円弧状の部分との間の位置に設けられることが好ましい。すなわち、本実施形態では、隙間閉塞部材4は足場板本体の上面とほぼ同じ高さで構成されているため、図6に示すように係止溝24の上端24aは隙間閉塞部材4の上面と略同じ高さとなる。このため、隙間閉塞部材用逃げ部28を上記位置に配置することで、隙間閉塞部材4との干渉を防止することができる。
フック部材20の上側水平部23は、上方向に凸の湾曲した形状を有する。すなわち、フック部材20の上側水平部23は、足場板本体2の上面2uよりも上方に突出する。
フック部材20の上側水平部23の上縁は、足場板本体2側の根本部分に位置し、基端側垂直部21の下端21lに沿った方向に延びる段差部25と、段差部25に連続し、上方に湾曲した湾曲部25とを有する。
段差部25は、足場板本体2の上面2uよりも上方に位置し、両者の高さレベルの差Aは、基端側垂直部21の下端21lと足場板本体2の下面2lとの高さの差Bと略一致する。また、段差部25の長さ方向の位置は、係止溝24の足場板本体2に対する最近位位置24pよりも足場板本体2側に位置する。すなわち、後述する足場板1の積層時に、基端側垂直部21の下端21lが段差部25に当接する(図8,図12参照)。
上記のように、足場板1の積層時に、基端側垂直部21の下端21lが段差部25に当接するため、下側に位置するフック部材の湾曲部26が、上方に位置する係止フック3の係止溝24内に配置される。足場板1の上下方向への積層については、詳細は後述する。
ロック部材30は、全体として、略円弧状に構成された金属片である。ロック部材30は、下端に下側突出部32を有し、下側突出部32から円弧状に形成された内側周縁33の上端に、上側突出部34を備える。内側周縁は、係止溝24と略同じ曲率に構成されている。また、ロック部材30の下側縁には、下側突出部32に連続し、上方に窪んだフック用逃げ部35が形成されている。フック用逃げ部35の長さ方向寸法は、ロック部材30の上側縁36と略同じに構成されており、後述する積層時に、上側縁36がフック用逃げ部35に収納可能である。
ロック部材30は、フック部材20の幅方向一端側に上下方向にスライド可能に設けられている。本実施形態では、ロック部材30は、長手方向に足場板1を連続して掛け渡したときに、ロック部材30が、2つの足場板1のフック部材20の外側に位置するように、係止フックの取り付け位置の幅方向にずらした側の面に取り付けられている。
ロック部材30は、図8に示すように、2つの長孔31を有しており、フック部材20に設けられた固定ピン27によってフック部材20に対して上下にスライド可能に取り付けられる。
ロック部材30は、図8及び図12に示すように、フック部材20に対して、固定位置と解放位置との間で上下方向にスライドする。なお、図8は解放位置にあるときのロック部材30とフック部材20の位置関係を示し、図12は、固定位置にあるときのロック部材30とフック部材20の位置関係を示している。
図8に示す解放位置では、ロック部材30の上側突出部34が係止溝24側に突出する。また、下側突出部32は、足場板本体2の下面よりも上方かつ係止溝24の足場板本体2に対する最近位位置24pよりも足場板本体2側に位置する。これにより、係止溝24の開口から水平部102を係止溝内に収容することができるとともに、係止溝24内において、上側突出部34が水平部102の外周面に当接して、ロック部材30のスライドを補助する。
また、図12に示す固定位置では、ロック部材30は、固定位置において、足場板本体2の上面よりも下側に位置決めされている。一方、ロック部材30の下側突出部32が係止溝24側に突出し、係止溝24内の水平部102の下側に回り込む。これにより、水平部102の脱落を防止することができる。したがって、吹き上げなどによる足場板1の落下を防止することができる。
また、フック用逃げ部35は、足場板本体2の下面2lよりもわずかに上方に位置する(図12参照)。内側周縁33は、係止溝24の周面に沿って配置され、上側突出部34が係止溝24から退避した状態となる。上側突出部34は、足場板本体2の上面2uとほぼ同じ高さである。
係止フック3を水平材102に係合させるときは、ロック部材30を上側に移動させることにより、係止フック3の係合溝8aの下側を開放させて、水平材102を上側から係止フック3の係止溝24に嵌入させる。水平材102が係止溝24に入り込むと、上側突出部34が押されて、ロック部材30を下方向に移動し、下側突出部32が、水平材102の下側に突出する。
さらに、本実施形態にかかる足場板1は、上記の係止フック3の構造及び足場板本体2との位置関係により、がたつきなく複数枚を上下に積み重ねることができる。図13は、複数枚を積層した状態の足場板の左側面図である。
本実施形態にかかる足場板1は、ロック部材30をスライドさせて固定位置に配置した状態で積層する。この状態において、上記のように係止フック3は、湾曲部25を除く大部分が、足場板本体2の厚み寸法内に収まるため、足場板本体2を隙間なく上下に積み上げることができる。
すなわち、上下方向への積み重ね時において、足場板本体2の上下方向寸法が上下に連続する足場板1間の積層ピッチとなる。なお、本実施形態では、足場板本体2の上下方向寸法は42mmであり、水平材の外径寸法(45mm)よりも小さく構成されている。
また、フレーム材8の上板8a及び下板8cに設けられている凸部15及び凹部16が足場板1の積層時に互いに嵌り合う。これにより、足場板1の位置ずれを防止することができる。
係止フック3は、足場板本体2の幅方向位置において、いずれも同じ位置に設けられている。しかし、本実施形態では、足場板本体2の上面と水平材102が同じ高さとなるように、フック部材3を構成するため、足場板本体2の上方に湾曲部26が突出する。すなわち、フック部材3の上下方向寸法は、足場板本体2の積層ピッチよりも大きい。本実施形態にかかる足場板1の係止フック3は、フック部材20及びロック部材30の構成を工夫することにより、足場板本体2の上面を水平材102と同じ高さとし、且つ積層における干渉をフック部材20及びロック部材30の構成により回避することができる。
フック部材20は、上側水平部23の上縁は、段差部25と、段差部25に連続した湾曲部25とを有する。上記のように、段差部25は、足場板本体2の上面2uよりも上方に位置し、両者の高さレベルの差Aは、基端側垂直部21の下端21lと足場板本体2の下面2lとの高さの差Bと略一致する。また、段差部25の長さ方向の位置は、係止溝24の足場板本体2に対する最近位置24pよりも足場板本体2側に位置する。
これにより、足場板1の積層時に、基端側垂直部21の下端21lが段差部25に当接する。
基端側垂直部21の下端21lが段差部25に当接するため、下側に位置するフック部材の湾曲部26は、係止溝24内に配置される。また、積層時に先端側垂直部22の下端22aの下側に位置する部分は、湾曲部26の上端に比べて下がっているので、当該先端側垂直部22の先端22aが、湾曲部26と干渉することがない。さらに、湾曲部26が部分的に係止溝24内に位置することにより、足場板1の長さ方向への位置ずれを防止することもできる。
上記の構成により、フック部材20の干渉を防止することができ、足場板1を隙間が少なく上下方向に積み重ねることができる。また、ロック部材30は、フック部材20の幅方向の片面に配置されているため、ロック部材30とフック部材20とが干渉することはない。
ロック部材30は、上下方向寸法が、足場板本体2の上下方向寸法よりもわずかに長く構成されている。また、図12に示すように、ロック部材30は、固定位置において、足場板本体2の上面よりも下側に位置決めされている。これにより、ロック部材30の下端に位置する下側突出部32は、足場板本体2の下面よりも下側に位置することとなる。このため、本実施形態にかかる足場板1は、ロック部材30の下縁にフック用逃げ部35を設けることで、ロック部材30同士の上下方向の干渉を防止する。
具体的には、ロック部材30の下側縁に位置するフック用逃げ部35は、足場板本体2の下面2lよりもわずかに上方に位置する。すなわち、ロック部材のフック用逃げ部35における上下方向寸法は、足場板本体2の上下方向寸法よりもわずかに短い。
また、フック用逃げ部35は、ロック部材30の上側縁36と略同じ長さ方向寸法に構成されており、また、フック用逃げ部35の上辺とロック部材30の上側縁36とは、互いに平行となるように、構成されている。これにより、積層時に、上側縁36がフック用逃げ部35に収納可能である。したがって、ロック部材30同士の上下方向の干渉が防止される。
本実施形態にかかる足場板によれば、隙間閉塞部材用逃げ部28により、同じ水平材102に掛け渡す1の足場板の隙間閉塞部材4と他の足場板のフック部材20との干渉を防止することができる。隙間閉塞部材形とフック部材とが干渉しないので、幅が異なる2つの足場板を同じ水平材に掛け渡すことが可能である。したがって、仮設足場の組み立てを効率よく行うことができる。
また、隙間閉塞部材用逃げ部28を形成することによりフック部材が細くなり強度が低下するおそれがある。これを防止するために、隙間閉塞部材用逃げ部の周囲の厚み寸法を大きく構成することで先端側垂直部の強度を確保することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
1 足場板
2 足場板本体
3 係止フック
4 隙間閉塞部材
5 天板部
6 フレーム部
7 踏板
8 フレーム材
8a フレーム材上板
8b フレーム材中板
8c フレーム材下板
9 基端側端部
10 隙間
11 上面部
12 下面部
13 係止部材
14 補強溝
15 凸部
16 凹部
20 フック部材
21 基端側垂直部
22 先端側垂直部
23 上側水平部
24 係止溝
25 段差部
26 湾曲部
27 固定ピン
28 隙間閉塞部材用逃げ部
30 ロック部材
31 長孔
32 下側突出部
33 内側周縁
34 上側突出部
35 フック用逃げ部
36 上側縁
100 仮設足場
101 支柱
102,102a 水平材
103 フランジ
110 隙間





Claims (3)

  1. 所定間隔ごとに取り付け部が設けられた支柱と前記支柱の取り付け部に固定された水平材とを備える仮設足場用建枠の前記水平材間に掛け渡され、
    足場板本体の両端から突出するように設けられ前記水平材に係合可能な係止フックと、前記係止フックの間に前記足場板本体の両端から突出するように設けられた前記足場板本体と前記水平材間に形成される隙間を塞ぐ隙間閉塞部材とを備えた足場板であって、
    前記係止フックは、
    前記足場板本体に接続する基端側垂直部と、前記基端側垂直部に平行な先端側垂直部と、前記先端側垂直部と基端側垂直部の間に位置し、上側に湾曲する上側水平部とを有するフック部材を有し、
    前記先端側垂直部は、前記水平材を挟んでかけ渡される他の足場板の前記隙間閉塞部材との干渉を防止する隙間閉塞部材用逃げ部を有することを特徴とする、仮設足場用足場板。
  2. 前記先端側垂直部は、前記隙間閉塞部材用逃げ部の周囲の厚み寸法が大きく構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の仮設足場用足場板。
  3. 前記隙間閉塞部材用逃げ部は、止溝24の上端24aと係止溝24の上端から連続する円弧状の部分との間の位置に形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の仮設足場用足場板。





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