以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る部品搭載装置を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
図1は、実施の形態1に係る部品搭載装置11の概略構成例を示す分解側面図である。なお、方向を示す矢印が記された図において、X軸は部品搭載装置11の左右方向、Y軸は部品搭載装置11の前後方向、Z軸は部品搭載装置11の上下方向を示す。X軸およびY軸は直交して水平面に含まれる。Z軸は鉛直面に含まれる。
実施の形態1に係る部品搭載装置11は、ストッカ13と、パレット移動部(例えばトレイフィーダ15)と、マガジン移動部(例えば引出し機構17)と、マガジン入替部(例えば回転機構19)とを主要な構成として有する。なお、部品搭載装置11は、トレイフィーダ15を、部品搭載装置11の構成要素として、部品搭載装置11の一部分として構成してよい。また、トレイフィーダ15は部品搭載装置11とは別体として構成されてもよく、この場合にはトレイフィーダ15は部品搭載装置11と一体的に連結して構成することもできる。
部品搭載装置11は、トレイ21(図7参照)に格納された部品を取り出して基板(図示略)に搭載するヘッドユニット(図示略)を備える。基板は、基板搬送機構(図示略)により搬送される。基板搬送機構は、トレイフィーダ15のY方向側の側部に配置される。部品搭載装置11は、リニアモータ駆動のY軸移動テーブル(図示略)がY方向に沿って配設される。Y軸移動テーブルは、X軸移動テーブル(図示略)をY方向に移動自在に結合している。X軸移動テーブルにはヘッドユニットが、リニア駆動機構によってX方向に移動自在に取り付けられている。ヘッドユニットは、複数の単位移載ヘッドを備えた多連型ヘッドであり、それぞれの単位移載ヘッドの下端部には吸着ノズルが交換自在に装着される。X軸移動テーブル、Y軸移動テーブル、ヘッドユニットは、部品搭載装置11の部品搭載機構23(図9参照)を構成する。
部品搭載装置11は、Y軸移動テーブルおよびX軸移動テーブルのそれぞれを駆動することにより、トレイフィーダ15と基板搬送機構(図示略)に保持された基板との間でヘッドユニットを水平移動させ、トレイ21に格納された部品を吸着ノズルによって吸着保持して基板に実装する。
ストッカ13は、トレイ21を載置するパレット25(図7参照)を格納可能なマガジン27を複数収納する。ストッカ13は、マガジン27を収納するストッカ本体部29を有する。ストッカ本体部29は、複数(図1の例では4個)のマガジン27のそれぞれを、前後上下方向(すなわちYZ方向)に離間して多段状に収納する。ストッカ本体部29は、複数のマガジン27のそれぞれを多段状に支持するための複数(例えば2つ)の支持板31(具体的には、上段の支持板31および下段の支持板31)を有する。
ストッカ本体部29は、基台33を有する。基台33の下面には、部品搭載装置11の設置面35を転動する複数の車輪37が設けられる。ストッカ本体部29(言い換えると、ストッカ13)は、この車輪37により、例えば作業者の押し引きで設置面上の任意の方向へ走行して移動可能となる。基台33の上面には、上下に離間した平行な2つの支持板31がフレーム枠等により固定される。それぞれの支持板31(つまり、上段の支持板31および下段の支持板31)の上面には、2つのマガジン27を部品搭載装置11の前後方向に配置する回転テーブル39がそれぞれ設けられる。これにより、ストッカ13は、例えば4個のマガジン27を、部品搭載装置11の前後上下方向に離間して多段状に収納している。それぞれの回転テーブル39は、後述するようにZ軸まわりに回転駆動される。
一方、トレイフィーダ15は、フレーム枠あるいは外板等によりフィーダ本体部41の外殻が形成される。この外殻は、側面視で図1に示す例えば逆L字形状に形成される。すなわち、側面視で四角形の左上角部を含む四角形状部が切り欠かれている。トレイフィーダ15は、この切り欠き部が、縦長の空間となったストッカ装着部43となる。このストッカ装着部43には、フィーダ本体部41に固定される保持部45(後述参照)が配置される。保持部45は、ストッカ装着部43に装着されるそれぞれのマガジン27を、トレイフィーダ15を基準に位置合わせ(アライメント)する。トレイフィーダ15は、アジャスタ等を介して水平に位置決めされた後、設置面35に対して既に位置決めされている部品搭載装置11の装置本体に連結される。
複数のマガジン27を多段状に収納したストッカ13は、トレイフィーダ15のストッカ装着部43に、Y方向に移動されて装着される。
トレイフィーダ15は、パレット25をストッカ13から引き出してヘッドユニットによって部品を取り出すことが可能な取り出し位置47(図5参照)に移動させる。また、トレイフィーダ15は、取り出し位置47にあるパレット25を、ストッカ13のパレット25が差し込まれていない差し込み位置49(図5参照)に差し込む。
図2は、ストッカ13からトレイフィーダ15に向かってストッカ13を見た正面図である。ストッカ本体部29の基台33には回転駆動部51が固定される。回転駆動部51には、例えばエアシリンダを用いることができる。この他、回転駆動部51は、モータであってもよい。回転駆動部51は、Z方向の回転軸53を回転駆動する。回転軸53は、例えばパイプシャフトの中にロッドシャフトを相対回転自在に挿通した二重シャフト構造とすることができる。この回転軸53は、上段および下段のそれぞれの支持板31と上段および下段のそれぞれの回転テーブル39とを貫通して設けられる。回転軸53は、外周側のパイプシャフトが下段の回転テーブル39に固定され、内側のロッドシャフトが上段の回転テーブル39に回転伝達部55を介して固定される。回転軸53、回転駆動部51、回転伝達部55は、ストッカ13の回転機構19(図9参照)を構成する。
回転駆動部51は、回転切替機構57を介して回転力を回転軸53に伝える。回転切替機構57は、下テーブル切替部59と、上テーブル切替部61とを有する。下テーブル切替部59は、回転駆動部51の回転力を下段の回転テーブル39に伝える。上テーブル切替部61は、回転駆動部51の回転力を上段の回転テーブル39に伝える。つまり、回転駆動部51は、下テーブル切替部59または上テーブル切替部61により下段の回転テーブル39または上段の回転テーブル39のいずれか一方に、回転力を選択的に伝える。従って、2つの回転テーブル39は、回転機構19の回転軸53により、それぞれが独立して回転自在となる。つまり、回転機構19は、上下の回転テーブル39を同時には回転させない。
図3は、図2に示すストッカ13の平面図である。ここで、回転テーブル39の前後方向に配置される2つのマガジン27を、仮に図3の前側(Y方向側)を第1のマガジン27、後側(Y方向と反対側)を第2のマガジン27と称する。回転機構19は、回転軸53を中心に回転テーブル39を180°矢印R方向に回転することにより、第1のマガジン27と第2のマガジン27との配置を回転運動によって入れ替えることができる。すなわち、回転機構19は、ストッカ13に格納された複数のマガジン27のうちパレット退避位置63(図5参照)にある第1のマガジン27と、第1のマガジン以外のストッカ13に格納された第2のマガジン27とを入れ替える。
図4は、図1に示す回転テーブル39に載置された1つのマガジン近傍の要部拡大側面図である。引出し機構17は、パレット25がトレイフィーダ15に供給可能な位置であるパレット供給位置65(図5参照)と、パレット供給位置65から所定の位置に退避したパレット退避位置63との間でストッカ13に格納されたマガジン27を移動させる。引出し機構17は、支持板31の下面に設けられるスライド駆動部67と、回転テーブル39の上面に設けられるスライド部69とを有する。スライド駆動部67は、例えばエアシリンダを用いることができる。この他、スライド駆動部67は、ラックと、ラックに噛合するピニオンを駆動軸に固定したモータとにより構成してもよい。
スライド駆動部67は、駆動部に、マガジン係合部71が固定される。マガジン係合部71は、スライド部69に支持されているマガジン27に、上下方向(つまりZ方向)に相対移動可能に、前後方向(つまりY方向)に相対移動不能に係合される。この係合は、スライド部69に対するマガジン27のセットと同時に行われる。
スライド部69では、回転テーブル39に、固定レール73(図8参照)が固定される。固定レール73は、Y方向に伸縮自在な伸縮レール部75(図8参照)の基端を固定する。伸縮レール部75の先端は、可動台77が固定される。可動台77には、マガジン27を支持する可動レール79が固定される。可動レール79に支持されるマガジン27は、上述のマガジン係合部71に係合することにより、可動レール79とのY方向の相対移動が規制される。
それぞれのマガジン27は、スライド部69を介して回転テーブル39に載置されることにより、Y方向に円滑な移動(つまり出し入れ)が可能となる。つまり、スライド部69に支持されたマガジン27は、回転テーブル39からY方向に沿う方向でせり出し、もしくは、後退が可能となる。また、マガジン27は、スライド部69のマガジン係合部71に係合することにより、マガジン底面(図4では最下段パレット底面81として示す)が、若干の距離だけ回転テーブル39から浮上方向へ移動可能となる。この浮上可能な距離C(図8参照)は、後述するマガジン27の位置決め時に必要なクリアランスとなる。
引出し機構17は、切り離し部83を有する。引出し機構17は、切り離し部83によりスライド駆動部67とスライド部69との切り離しが可能となっている。この切り離し部83は、例えばロック機構103(図9参照)により操作される。
マガジン27は、扁平な直方体形状の筐体を有する。マガジン27は、直方体形状の筐体において一対の平行な面がパレット出入開口部となって開口する。マガジン27は、パレット出入開口部を挟む一対の側板部のうち、いずれか一方に、Z軸まわりで回転するシャッター87が揺動自在に設けられる。シャッター87は、揺動方向の一端側に回転配置されることにより、パレット25の出し入れ経路に突出し、パレット25の出し入れを規制する。シャッター87は、出し入れ経路に突出することにより、保持されたパレット25のマガジン27からの飛び出しを規制できる。シャッター87は、揺動方向の他端側に回転配置されることにより、パレット25の出し入れ経路から退避し、パレット25の出し入れを可能とする。
トレイフィーダ15は、ストッカ13に収納されたマガジン27を、個別に位置決めする保持部45を有する。保持部45は、マガジン27とトレイフィーダ15とにわたって設けられる。保持部45は、マガジン27に設けられる複数のカムフォロワと、フィーダ本体部41に設けられる複数のガイドとにより構成される。カムフォロワは、マガジン27の両側の側部に設けられる。ガイドは、フィーダ本体部41からY方向と反対方向に突出して設けられる。マガジン27に設けられるカムフォロワは、それぞれ一対一で、フィーダ本体部41に設けられるガイドに対応して配置される。ストッカ13がストッカ装着部43に装着されると、マガジン27は、ガイドにカムフォロワが載置される。マガジン27は、マガジン係合部71に係合して可動レール79に支持されるとこにより、回転テーブル39から浮上可能となる。マガジン27は、この浮上可能な距離の範囲内で、カムフォロワが上方へ距離C(図8参照)だけ変位してガイドに乗り上げ可能となる(図8参照)。これにより、ストッカ13は、各マガジン27が位置決めされるとともに、マガジン27に収容(格納)した各パレット25がトレイフィーダ15に対して位置決めされる。
より具体的に、カムフォロワは、マガジン27の両側に設けられる一対の下段側カムフォロワ91と、一対の下段側カムフォロワ91よりも高い位置でマガジン27の両側に設けられる一対の上段側カムフォロワ93とからなる。
また、ガイドは、一対の下段側カムフォロワ91を載置する一対の下段側ガイド95と、一対の上段側カムフォロワ93を載置する一対の上段側ガイド97とからなる。下段側ガイド95および上段側ガイド97は、マガジン27に向かって突出する突出先端に、Y方向に向かって上り勾配となる傾斜面99を有する。それぞれの傾斜面99は、カムフォロワがガイドの載置面(すなわち、基準面)に乗り上げる際の案内面となる。
一対の上段側カムフォロワ93は、一対の下段側カムフォロワ91よりもストッカ装着方向の奥側(Y方向側)に配置される。下段側カムフォロワ91と上段側カムフォロワ93とは、同時に、下段側ガイド95と上段側ガイド97とに乗り上げる。従って、上段側ガイド97は、下段側ガイド95よりもストッカ装着方向の奥側に傾斜面99が配置される。これにより、マガジン27は、Y方向の2箇所で保持部45に支持され、水平に位置決めされる。
さらに、上段側ガイド97と下段側ガイド95との間には、一対の左右方向ガイド101が設けられる。これにより、マガジン27は、左右方向(X方向)にも移動が規制されて位置決めされる。
なお、ストッカ13は、マガジン27の挿入方向前後の位置が、連結機構(図示略)により位置決め可能とされる。その結果、パレット25は、ストッカ13がフィーダ本体部41に装着されると、トレイフィーダ15に対して上下左右前後方向(ZXY方向)が位置決めされる。これら下段側カムフォロワ91および上段側カムフォロワ93、下段側ガイド95および上段側ガイド97、並びに左右方向ガイド101は、それぞれのマガジン27に応じて設けられている。
図5は、マガジン27の各移動位置を示すストッカ13の側面図である。実施の形態1に係る部品搭載装置11では、ストッカ13は、上段に2つ、下段に2つのマガジン27をそれぞれ収納する。引出し機構17は、マガジン27をそれぞれ独立に移動する。また、ストッカ13は、上下段の回転テーブル39を独立で回転させる。
ストッカ13の回転動作の概略を説明する。
1)先ず、マガジン27を回転動作可能な位置(例えばパレット退避位置63)へ移動する。回転軸53からパレット退避位置63までの距離は、回転軸53からパレット供給位置65までの距離よりも小さい。
2)次に、回転切替機構57を回転させたい上段または下段の回転テーブル39に接続する。ストッカ13は、回転切替機構57の動作と同時に、引出し機構17をロックし、回転機構19のロック機構103(図9参照)をロック解除する。
3)次に、スライド駆動部67の切り離し部83を切り離す。ストッカ13は、回転駆動部51を駆動して回転機構19により回転テーブル39を回転する。これにより、マガジン27の前後を入れ替えることが可能となる。
4)次に、スライド駆動部67の切り離し部83を接続する。ストッカ13は、回転切替機構57により回転駆動部51を切り離す。
5)最後に、マガジン27をトレイフィーダ15のパレット供給位置65へ移動する。引出し機構17によりパレット供給位置65に配置されたマガジン27は、トレイフィーダ15によりパレット25が引き出された後、取り出し位置47に移動される。これにより、部品搭載機構23による基板への部品の搭載が開始可能な状態となる。
一方、パレット供給位置65と反対側のテーブル後方に配置されたマガジン27は、引出し機構17によりさらに後方(Y方向と反対方向)に移動されてマガジン交換位置105(図5参照)に配置が可能となる。なお、実施の形態1では、後述のマガジン入れ替え動作パターンで示すように、前側のマガジン27がパレット供給位置65に配置されている段の回転テーブル39においては、後側のマガジン27がマガジン交換されることはない。
すなわち、実施の形態1においては、ヘッドユニットが部品を基板に搭載中、部品が取り出されているマガジン27と異なる段のマガジン27が交換可能となる。例えば、上段のマガジン27がパレット供給位置65に位置している場合には、下段のマガジン27が交換可能となる。同様に、下段のマガジン27がパレット供給位置65に位置している場合には、上段のマガジン27が交換可能となる。
図6は、図1に示す部品搭載装置11のストッカ装着状態の側面図である。ストッカ装着部43(図1参照)に装着されるストッカ13は、上下段におけるY方向側(つまり前側)の2つのマガジン27が、トレイフィーダ15の保持部45により位置決めされる。マガジン27は、この保持部45により位置決めされた位置が、パレット供給位置65となる。ストッカ装着部43に装着されたストッカ13は、ロック部(図示略)を有した連結機構(図示略)によりフィーダ本体部41から離脱が規制されてフィーダ本体部41に連結される。
図7は、図4のマガジン近傍の構造をトレイフィーダ15と反対側から見た正面図である。フィーダ本体部41にストッカ13が連結されると、下段側カムフォロワ91および上段側カムフォロワ93が、下段側ガイド95および上段側ガイド97に乗り上げる。また、左右方向ガイド101は、マガジン27を左右方向から挟む。
図8は、保持部45に位置決めされたマガジン27を示す要部拡大側面図である。この状態でマガジン27は、回転テーブル39から若干距離浮上する。すなわち、マガジン27は、位置決めの前後で、最下段パレット底面81が距離Cだけ変位する。マガジン27は、この位置決めにより浮上した状態においても、マガジン係合部71との係合が維持される。これにより、マガジン27は、引出し機構17のスライド駆動部67により、可動レール79および可動台77とともに前後方向の移動が可能となっている。
次に、部品搭載装置11の制御系の構成を説明する。
図9は、部品搭載装置11の制御系の構成を示すブロック図である。ストッカ13は、シリンダセンサ107と、引出し機構17と、回転機構19と、ロック機構103と、マガジンドア開閉ボタン109と、マガジンドア開閉センサ111と、ロックシリンダ89と、マガジンロック解除レバー85と、制御部113とを含む構成である。
シリンダセンサ107は、回転テーブル39上の引出し機構17(すなわち、マガジン27)が回転位置(つまりパレット退避位置63)あるいは回転規制位置(つまりパレット供給位置65)のいずれに位置しているかを検出し、その検出結果を制御部113に送る。
引出し機構17は、制御部113の下で、マガジン27を回転位置(つまりパレット退避位置63)あるいは回転規制位置(つまりパレット供給位置65)のいずれかに移動させる。
回転機構19は、制御部113の下で、引出し機構17(すなわち、マガジン27)が回転位置(つまりパレット退避位置63)に位置する時に回転を許可する。これにより、実入りマガジン(つまり、ヘッドユニットによる搭載に使用されるべき部品を保持している多層のパレット25が格納されたマガジン27)との交換が可能となる。
ロック機構103は、制御部113の下で、引出し機構17(すなわち、マガジン27)が回転位置(つまりパレット退避位置63)に位置していない場合に、回転駆動部51をロックして回転機構19の回転を禁止する。例えばロック機構103は、マガジン27がパレット供給位置65に位置している場合には、回転駆動部51をロックして回転機構19の回転を禁止する。
また、マガジン27は、パレット25の出し入れを可能とするシャッター87を備える。マガジン27は、例えば図2あるいは図5に示すように、ストッカ13の外装カバー26により覆われ、外装カバー26を構成するマガジンドア28を介してストッカ13から出し入れが可能となる。マガジンドア28は、外装カバー26上に構成され、作業者の安全を確保するために部品搭載装置11の稼動中はロックシリンダ89により開閉が不可となるようにロックされる。制御部113は、マガジンドア28の開閉(図3参照)に基づき、回転機構19の回転運動を制御する。
マガジンドア開閉ボタン109は、マガジンドア28のロック解除のために設けられ、作業員により押下されると、その押下を示す信号を制御部113に送る。例えば作業員によりマガジンドア開閉ボタン109が押されると、ロックシリンダ89が解除され、マガジンドア28のロックが解除される。この際、ストッカ13からマガジン27を取り出すことが可能となる。なお、ストッカ13のマガジン27からパレット25を個別に取り出すことも可能である。また、実入りマガジン(上述参照)をストッカ13に押し込んだ後、作業員がこのマガジンドア開閉ボタン109を押すことで、ストッカ13に実入りマガジン(上述参照)が入ったことが確認される。これにより、マガジンドア開閉ボタン109の押下は、実入りマガジン(上述参照)がストッカ13に配置されていることのフラグを付与する役割を有する。
マガジンドア開閉センサ111は、マガジンドア28の開閉状態(つまり、マガジンドア28が開状態あるいは閉状態のいずれであるか)を検出し、その検出結果を制御部113に送る。マガジンドア開閉センサ111は、例えば非接触式もしくはヒンジ(接触式)のもので開閉が確認される。
ロックシリンダ89は、制御部113の下で、マガジンドア28をロックする(つまりマガジンドア28を開閉できなくする)ためのロック機構103を構成する。ロックシリンダ89は、上述したように作業員によりマガジンドア開閉ボタン109が押されることでロックを解除する。
マガジンロック解除レバー85は、マガジンドア28が開いた後、作業員により引かれることで、ストッカ13に固定されたマガジン27のロックを解除し、ストッカ13からマガジン27の引き出しを可能にする。マガジンロック解除レバー85は、例えば手動によるメカニカルロックで構成される。なお、作業員によりマガジンロック解除レバー85が引かれると、その引かれたことを示す信号が制御部113に入力される。
制御部113は、引出し機構搬送制御部115と、引出し機構位置監視部117と、ロック機構制御部119と、回転機構制御部121と、マガジンドア開閉監視部123と、マガジンドアロック制御部125と、マガジンロック制御部127とを有する。
引出し機構搬送制御部115は、引出し機構17(すなわち、マガジン27)を制御することにより、マガジン27を回転位置(つまりパレット退避位置63)あるいは回転規制位置(つまりパレット供給位置65)のいずれかに位置させる。
引出し機構位置監視部117は、シリンダセンサ107からの検出結果に基づいて引出し機構17(すなわち、マガジン27)が回転位置(つまりパレット退避位置63)あるいは回転規制位置(つまりパレット供給位置65)のいずれに位置するかによって、回転機構19によるマガジン27の回転が可能か否かを監視する。
ロック機構制御部119は、引出し機構位置監視部117の監視結果に基づいて引出し機構17(すなわち、マガジン27)が回転位置(つまりパレット退避位置63)に位置し、かつ、マガジン27のロックが解除されていることを判定した場合に、回転機構19の回転を許可する。ロック機構制御部119は、マガジン27が回転規制位置(つまりパレット供給位置65)に位置している場合には、回転機構19が動作(つまりマガジン27を回転)させないように制御する。また、マガジンドア28が開いている場合も同様に、マガジンドア開閉監視部123は、ロック機構制御部119に回転機構19を回転させない。
マガジンドア開閉監視部123は、マガジンドア開閉センサ111からの検出結果に基づいて、マガジンドア28の開閉の状態を判定する。マガジンドア開閉監視部123は、マガジンドア28が開いていると判定した場合には、ロック機構制御部119に回転機構19を駆動させない。
マガジンドアロック制御部125は、作業員によりマガジンドア開閉ボタン109が押されたことをマガジンドア開閉ボタン109からの信号により検出すると、ロックシリンダ89を解除してマガジンドア28を開く。
マガジンロック制御部127は、作業員によりマガジンロック解除レバー85が引かれたことをマガジンロック解除レバー85からの信号により検出すると、ストッカ13に固定されているマガジン27の固定を解除する。実施の形態1では、上述したように、マガジンロック解除レバー85は、例えば手動によるメカニカルロックで構成される。ストッカ13は、マガジンドア28が開いている場合、作業者の手が届く範囲では、安全上、いかなる動作も行うことができないようにしている。
部品搭載装置11は、部品搭載機構23と、トレイフィーダ15と、制御装置129とを備える。
部品搭載機構23は、例えば部品搭載装置11のX軸移動テーブル、Y軸移動テーブルおよびヘッドユニットにより構成される。部品搭載機構23は、ストッカ13からトレイフィーダ15の取り出し位置47に供給されたパレット25から部品をヘッドユニットにより吸着して基板に搭載する。
トレイフィーダ15は、ストッカ装着部43に装着されたストッカ13のマガジン27からパレット25を引き出して取り出し位置47に移動させ、もしくは、取り出し位置47にあるパレット25をストッカ13の差し込み位置49に差し込む。
制御装置129は、制御部131と、記憶部133とを有する。制御部131は、マガジン検出判定部135と、部品装着制御部137と、トレイ部品供給制御部139とを有する。記憶部133は、部品装着数記憶部141と、部品装着情報記憶部143とを有する。
マガジン検出判定部135は、引出し機構17(すなわち、マガジン27)が回転規制位置(つまりパレット供給位置65)に位置しているか否かを判定する。
部品装着制御部137は、部品装着情報記憶部143の装着情報に基づき、基板搬送機構(図示略)および部品搭載機構23を制御して、ヘッドユニットによる基板への部品の搭載を制御する。
トレイ部品供給制御部139は、例えばマガジン検出判定部135によってマガジン27が回転規制位置(つまりパレット供給位置65)に位置していることが判定された場合に、マガジン27が保持するパレット25をマガジン27から引き出して所定の供給位置(つまり取り出し位置47)に位置させる。
部品装着数記憶部141は、部品装着制御部137による基板への部品の装着数(搭載数あるいは実装数)を示す部品装着数の情報を記憶する。この部品装着数は、1枚のパレット25において予め指定されている数の部品の装着が終わったことが部品装着制御部137により判定された場合に、引出し機構17(すなわち、マガジン27)を回転位置(つまりパレット退避位置63)へ移動させるためのフラグになる。
部品装着情報記憶部143は、部品の種類、数、部品に対応する基板の種類、基板への部品搭載位置、部品が格納されるトレイ21、トレイ21が載置されるパレット25、パレット25が収容(格納)されるマガジン27の情報(収納アドレス等)を記憶する。
次に、部品搭載装置11で行われる無停止部品供給の運用時におけるマガジン入れ替え動作パターンの一例を、図10および図11を参照して説明する。
図10は、ストッカ13におけるマガジン27の入れ替え動作パターンの一例を示す前半工程の説明図である。図11は、ストッカ13におけるマガジン27の入れ替え動作パターンの一例を示す後半工程の説明図である。図中の四角枠はマガジン27を示す。間隔が密な横線を付した四角枠は、実入りマガジン(上述参照)を示す。間隔が疎な横線を付した四角枠は、空マガジン(つまり、ヘッドユニットによる搭載に使用されるべき部品がそのパレット25にも格納されていないマガジン27)を示す。斜線を付した四角枠は、使用中マガジン(つまり、ヘッドユニットによる搭載に現在使用されている部品を格納したパレット25が格納されたマガジン27)を示す。
生産スタート状態において、下段前側マガジンはD1、下段後側マガジンはD2、上段前側マガジンはU1、上段後側マガジンはU2を付す。また、図10中の矢印の指すAは、図11中のAの位置につながる。図10中のBは、図11中の矢印が指すBの位置につながる。
図10において、無停止部品供給の運用時におけるマガジン入れ替え動作では、生産(つまり部品搭載装置11による基板への部品搭載)がスタートすると、下段前側マガジンD1と上段前側マガジンU1とが回転規制位置(つまりパレット供給位置65)に配置される。このうち上段前側マガジンU1が、使用中マガジンとなる。
使用中マガジンであった上段前側マガジンU1が空マガジンになると、トレイフィーダ15は、部品搭載用のパレットを上段前側マガジンU1から下段前側マガジンD1に切り替え、下段前側マガジンD1からパレットを引き出す。これにより、下段前側マガジンD1が使用中マガジンとなる。
上段前側マガジンU1は、ストッカ13により、回転位置(つまりパレット退避位置63)に移動させられる。この後、ストッカ13により、上段の回転テーブル39が回転させられ、上段前側マガジンU1と上段後側マガジンU2とが入れ替えられる。この後、ストッカ13により、上段後側マガジンU2が回転規制位置(パレット供給位置65)へ移動させられる。
使用中マガジンであった下段前側マガジンD1が空マガジンになると、トレイフィーダ15は、部品搭載用のパレットを下段前側マガジンD1から上段後側マガジンU2に切り替え、上段後側マガジンU2からパレットを引き出す。これにより、上段後側マガジンU2が使用中マガジンとなる。
下段前側マガジンD1は、ストッカ13により、回転位置(つまりパレット退避位置63)に移動させられる。この後、ストッカにより、下段の回転テーブル39が回転され、下段前側マガジンD1と下段後側マガジンD2とが入れ替えられる。この後、ストッカ13により、下段後側マガジンD2が回転規制位置(パレット供給位置65)へ移動させられる。
使用中マガジンであった上段後側マガジンU2が空マガジンになると、トレイフィーダ15は、部品搭載用のパレットを上段後側マガジンU2から下段後側マガジンD2に切り替え、下段後側マガジンD2からパレットを引き出す。これにより、下段後側マガジンD2が使用中マガジンとなる。
図11において、上段後側マガジンU2は、ストッカ13により、回転位置(つまりパレット退避位置63)に移動させられる。
この後、作業員(オペレータとも称する)作業により、上段前側マガジンU1が実入りマガジン(上述参照)に手動で交換される。
ストッカ13により、上段の回転テーブル39が回転され、上段前側マガジンU1と上段後側マガジンU2とが入れ替えられる。
さらに、作業員(オペレータ)作業により、上段後側マガジンU2が実入りマガジン(上述参照)に手動で交換される。
ストッカ13により、上段前側マガジンU1が回転規制位置(つまりパレット供給位置65)へ移動させられる。
一方、使用中マガジンであった下段後側マガジンD2が空マガジンになると、トレイフィーダ15は、部品搭載用のパレットを下段後側マガジンD2から上段前側マガジンU1に切り替え、上段前側マガジンU1からパレットを引き出す。これにより、上段前側マガジンU1が使用中マガジンとなる。
空マガジンとなった下段後側マガジンD2は、ストッカ13により、回転位置(つまりパレット退避位置63)に移動させられる。
この後、作業員(オペレータ)作業により、下段前側マガジンD1が実入りマガジン(上述参照)に手動で交換される。
ストッカ13により、下段の回転テーブル39で回転され、下段後側マガジンD2と下段前側マガジンD1とが入れ替えられる。
さらに、作業員(オペレータ)作業により、下段後側マガジンD2が実入りマガジン(上述参照)に手動で交換される。
ストッカ13により、下段前側マガジンD1が回転規制位置(つまりパレット供給位置65)に移動させられる。
この後、図10のBに戻り、上述と同様の動作が繰り返される。
これにより、部品搭載装置11は、実入りマガジン(上述参照)の無停止部品供給の実現が可能となる。なお、上述のマガジン入れ替え動作パターンは一例である。例えば、安全性が確保されれば、使用中マガジンと反対側にあるマガジン27をマガジン交換位置105に移動して交換し、連続して3個のマガジン27を実入りマガジン27に交換することも可能となる。
次に、実施の形態1に係る部品搭載装置11の作用を説明する。
実施の形態1に係る部品搭載装置11は、トレイ21に格納された部品を取り出して基板に搭載するヘッドユニットを備える。部品搭載装置11は、設置面35を移動可能であってトレイ21を載置するパレット25を格納可能なマガジン27を複数格納するストッカ13を有する。部品搭載装置11は、パレット25をストッカ13から引き出してヘッドユニットによって部品を取り出すことが可能な取り出し位置47に移動させ、もしくは、取り出し位置47にあるパレット25をストッカ13のパレット25が差し込まれていない差し込み位置49に差し込むパレット移動部(例えばトレイフィーダ15)を有する。部品搭載装置11は、パレット25がパレット移動部に供給可能な位置であるパレット供給位置65とパレット供給位置65から所定の位置に退避したパレット退避位置63との間で、ストッカ13に格納されたマガジン27を移動させるマガジン移動部(例えば引出し機構17)を有する。部品搭載装置11は、ストッカ13に格納された複数のマガジン27のうちパレット退避位置63にある第1のマガジン27と、第1のマガジン以外のストッカ13に格納された第2のマガジン27を入れ替えるマガジン入替部(例えば回転機構19)を有する。
実施の形態1に係る部品搭載装置11では、トレイ21に格納された部品を、ヘッドユニットが取り出して基板に搭載する。部品を格納したトレイ21は、パレット25に載置される。部品搭載装置11は、このパレット25を、パレット移動部(例えばトレイフィーダ15)により、ストッカ13から引き出して、部品を取り出すことが可能な取り出し位置47に移動する。
ストッカ13は、部品搭載装置11が設置されている設置面35を移動することのできる車輪37を有する(図1参照)。ストッカ13は、設置面35を移動することにより、部品搭載装置11の保持部45に、走行による押し込み引き出しによって着脱自在に連結される。保持部45に保持されたストッカ13は、パレット25が差し込まれていない差し込み位置49が存在する場合には、トレイフィーダ15によりパレット25が差し込み可能となる。
トレイフィーダ15は、部品を格納したトレイ21を搭載したパレット25を、順次取り出し位置へ移動して入れ替える。パレット25を取り出し位置47へ移動したトレイフィーダ15は、パレット25に載置したトレイ21の部品が全てヘッドユニットの搭載動作により消費されると、今度は空となったそのパレット25をパレット25が差し込まれていないストッカ13の差し込み位置49に差し込む。
ここで、ストッカ13は、トレイ21の載置されたパレット25を積層状に保持するマガジン27を、複数個収納(格納)する。
また、ストッカ13は、マガジン移動部(例えば引出し機構17)を有する。この引出し機構17は、パレット25がトレイフィーダ15に供給可能な位置であるパレット供給位置65と、パレット供給位置65から所定の位置に退避したパレット退避位置63との間で、ストッカ13に収納されたそれぞれのマガジン27を個別に移動させる。
さらに、ストッカ13は、マガジン入替部(例えば回転機構19)を有する。この回転機構19は、ストッカ13に収納された複数のマガジン27のうち、パレット退避位置63にある第1のマガジン27と、第1のマガジン以外のストッカ13に収納された同じくパレット退避位置63にある第2のマガジン27とを入れ替えることができる。
トレイフィーダ15に連結されたストッカ13では、パレット25に載置されたトレイ21の部品が次々に消費され、第1のマガジン27に積層状に保持された全てのパレット25から部品が無くなると、第1のマガジン27が、パレット供給位置65から引出し機構17によりパレット退避位置63へ移動される。そして、ストッカ13では、このパレット退避位置63に移動された第1のマガジン27が、ストッカ13に収納されている第1のマガジン以外の第2のマガジン27と、回転機構19により入れ替えられる。つまり、空のマガジン27である第1のマガジン27が、最大数の部品を格納した実入りマガジン27である第2のマガジン27と入れ替えられる。
パレット退避位置63において、新たな実入りマガジン(上述参照)として入れ替えられた第2のマガジン27は、引出し機構17によりパレット退避位置63からパレット供給位置65へ移動される。パレット供給位置65へ移動された第2のマガジン27は、上述と同様に、トレイフィーダ15により、パレット25が取り出し位置47に移動された後、そのパレット25に載置されるトレイ21の部品が順次、ヘッドユニットの搭載動作により消費されて行く。
ストッカ13は、パレット供給位置65からパレット退避位置63へと移動された空のマガジン27である第1のマガジン27が、新たな実入りマガジン(上述参照)と作業者により交換が可能となる。つまり、第2のマガジン27の部品が消費されている間に、空のマガジン27を実入りマガジン(上述参照)に交換できる。これにより、部品搭載装置11は、稼働中の設備を停止することなく、部品を供給する無停止部品供給が実現可能となっている。
ストッカ13では、第1のマガジン27と第2のマガジン27とを一組として、これら第1のマガジン27および第2のマガジン27を複数の組で収納することが可能となる。これにより、ストッカ13は、多くの部品をストックすることができる。ストッカ13は、多くの部品を収納できることにより、作業者による部品供給の頻度を低くできる。すなわち、作業者の手が廻らず、部品供給待ちの状態で設備が停止することを回避できる。そのため、稼働率の低下を防止できる。
また、ストッカ13は、第1のマガジン27および第2のマガジン27を複数の組で収納する場合、複数の組みを多段に設けることができる。すなわち、ストッカ13は、下段に一組の第1のマガジン27および第2のマガジン27を収納し、上段に他の一組の第1のマガジン27および第2のマガジン27を収納できる。第1のマガジン27および第2のマガジン27を多段に配置すれば、面積生産性を確保しながら、部品搭載数を拡大させることができる。その結果、部品搭載装置11では、部品搭載部のスペースをコンパクトに抑えつつ、部品ストック数を拡大させることで、作業者による部品供給の作業頻度を低減することができる。
また、部品搭載装置11において、マガジン入替部(例えば回転機構19)は、回転軸53を中心に第1のマガジン27と第2のマガジン27を回転運動によって入れ替える(つまり交換する)。
この部品搭載装置11では、ストッカ13に設けられたマガジン入替部(例えば回転機構19)が、Z方向の回転軸53を有する。回転軸53は、回転機構19の回転駆動部51により回転される。回転軸53は、Z方向に直交するマガジン載置面(すなわち、XY平面)を有した四角形の回転テーブル39を支持する。回転テーブル39は、一対の対角線の交点が回転軸53と同軸で支持される。従って、回転軸53を挟んで回転テーブル39の一方のマガジン載置面に載置された第1のマガジン27と、他方のマガジン載置面に載置された第2のマガジン27とは、回転軸53が180°回転されることにより、パレット供給位置65とその反対側の位置(マガジン27が交換可能となるマガジン交換位置105)とに入れ替えが可能となる。
回転テーブル39には、それぞれのマガジン27に応じ引出し機構17のスライド部69が設けられる。スライド部69は、回転テーブル39と共に回転した各マガジン27を、前後方向で独立して移動可能とする。これにより、第1のマガジン27および第2のマガジン27のいずれもが、回転機構19と引出し機構17とによりパレット供給位置65またはマガジン交換位置105へ入れ替えが可能となる。
その結果、部品搭載装置11では、ストッカ13のスペースをコンパクトに抑えつつ、部品ストック数を拡大させることができる。
また、部品搭載装置11は、マガジン27がパレット供給位置65にある場合は、マガジン入替部(例えば回転機構19)が動作しないように制御される制御部113をさらに有する。
この部品搭載装置11では、ストッカ13が、制御部113を有する。制御部113は、マガジン27がパレット供給位置65にある場合、マガジン入替部(例えば回転機構19)が動作しないように、回転駆動部51を制御する。
マガジン27は、引出し機構17により進退が可能となっている。マガジン27は、進退のうち、Y方向の前進でパレット供給位置65に配置される。また、マガジン27は、進退のうち、Y方向と逆の後退でパレット退避位置63となって回転可能なマガジン位置となる。マガジン27が、パレット供給位置65にあるか、またはパレット退避位置63にあるかは、引出し機構17のスライド駆動部67に設けられるシリンダセンサ107により検出される。
ストッカ13は、このシリンダセンサ107の検出値により、空のマガジン27がパレット退避位置63にあると判断された時、その空のマガジン27が新たな実入りマガジン27と作業者によって交換が可能となる。一方、マガジン27がパレット退避位置63に無いと判断された時には、回転機構19は、ロック機構103によりロックされて回転が規制される。その結果、部品搭載装置11は、無停止部品供給を行う上での安全性が確保されている。
また、実施の形態1に係る部品搭載装置11は、ストッカ13が上段に2つのマガジン27、下段に2つのマガジン27を収納可能であり、マガジン移動部(例えば引出し機構17)がそれぞれのマガジン27を独立に移動させる。
実施の形態1に係る部品搭載装置11では、ストッカ13が上段に2つのマガジン27、下段に2つのマガジン27を収納(格納)可能としている。上段の2つのマガジン27と、下段の2つのマガジン27とは、回転機構19により回転される各段の回転テーブル39によって、上下段別々に回転が可能となる。また、上下段で合計4つのマガジン27は、それぞれが引出し機構17により独立して進退が可能となる。
これにより、例えば下段の第2のマガジン27がパレット供給位置65にある時、下段の回転機構19は回転が規制されるが、上段の回転テーブル39は回転が可能となって、上段の2つのマガジン27の交換が可能となる。その結果、部品搭載装置11では、回転機構19により独立して回転される回転テーブル39を多段に備えることにより、ストッカ13のスペースをコンパクトに抑えつつ、部品ストック数を拡大させて、無停止部品供給を実現させることができる。
また、実施の形態1に係る部品搭載装置11において、回転軸53からパレット退避位置63までの距離は、回転軸53からパレット供給位置65までの距離よりも小さい。
実施の形態1に係る部品搭載装置11では、パレット退避位置63が、パレット供給位置65よりも回転軸53に近い位置に設定される。パレット供給位置65とは、パレット25がトレイフィーダ15に供給可能なマガジン27の位置である。パレット退避位置63とは、パレット供給位置65から所定の位置に退避したマガジン27の位置である。部品搭載装置11は、パレット退避位置63をパレット供給位置65よりも回転軸53に接近する位置とすることにより、マガジン27の回転時におけるマガジン27とトレイフィーダ15との干渉回避を、コンパクトかつ簡素な構造で実現している。
また、部品搭載装置11は、ストッカ13からマガジン27の出し入れを可能とするマガジンドア28を備え、制御部113がマガジンドアの開閉に基づきマガジン入替部(回転機構19)の回転運動を制御する。
この部品搭載装置11では、ストッカ13に、マガジンドア28が設けられる。マガジンドア28は、開閉により、ストッカ13に対するマガジン27の出し入れを可能または規制とする。マガジンドア28は、制御部113に設けられたマガジンドア開閉監視部123により、開閉状態が検出される。回転機構19は、制御部113に設けられた回転機構制御部121により、回転が制御される。回転機構19は、マガジンドア28が開いていることを、マガジンドア開閉監視部123が検出すると、回転機構制御部121により、駆動しないように制御される。
これにより、作業者の作業中の安全確保のため回転機構19の駆動が禁止される。
また、部品搭載装置11において、ストッカ13のマガジン入替部(例えば回転機構19)は、ヘッドユニットが部品を基板に搭載中、部品がヘッドユニットによって取り出されているマガジン27と異なる段に配置されたマガジン27(第1のマガジンの一例)を、その同じ段に配置された第2のマガジンと入れ替える。
この部品搭載装置11では、上述したように、ストッカ13が上段に2つのマガジン27、下段に2つのマガジン27を格納可能としている。上段の2つのマガジン27と、下段の2つのマガジン27とは、回転機構19により回転される各段の回転テーブル39によって、上下段別々に回転が可能となる。また、上下段で合計4つのマガジン27は、それぞれが引出し機構17により独立して進退が可能となっている。
ストッカ13は、部品を取り出し中のマガジン27と異なる段の回転テーブル39に載置されたマガジン27が交換可能となる。例えば下段の回転テーブル39に載置された第2のマガジン27がパレット供給位置65にある場合、下段の回転テーブル39は回転がロックされるが、上段の回転テーブル39は、回転機構19により回転が可能となる。これにより、上段の回転テーブル39に載置される空の第1のマガジン27と空の第2のマガジン27とは、パレット退避位置63に配置された状態で回転され、順次、マガジン交換位置105に引き出されて、実入りマガジン27との交換が可能となる。
つまり、下段のマガジン27の部品が消費されている間に、上段の全てのマガジン27を実入りマガジン27に交換できる。これにより、部品搭載装置11は、無停止部品供給中に、安全性を確保しながら、部品を効率よく補給することができる。
従って、実施の形態1に係る部品搭載装置11によれば、部品搭載部のスペースをコンパクトに抑えつつ、部品ストック数を拡大させることで、作業者による部品供給の作業頻度を低減できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。