JP2022028977A - 車両用電動機の冷却構造および車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトの製造方法 - Google Patents

車両用電動機の冷却構造および車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却ダクトにより車両用電動機を効率良く冷却して、車両用電動機の電力消費率の更なる向上を図ることができる車両用電動機の冷却構造および該冷却ダクトを効率良く製造する製造方法を供する。【解決手段】冷媒を案内して車両用電動機(30)に噴射して冷却する冷却ダクト(70)は、同冷却ダクト(70)の円弧状分配管部(72)が、車両用電動機(30)のステータコイル(33c)に隣接し、ステータコイル(33c)の側面に噴射口(72j)を向けて配設される車両用電動機の冷却構造である。また、金属製の直線状円筒パイプ(70A)を、一端部を除き円弧状に曲げ加工し、プレス成形し、圧接して取付ステー部を形成し、円弧状部に噴射口を複数穿孔し、直線状端部に導入口を穿孔する冷却ダクト(70)の製造方法である。【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載され車両の駆動輪を回転させる車両用電動機の冷却構造に関する。
車両用電動機に使用されているコイルには大電流が流れるので、発生する熱量が大きい。
発熱量が大きいと、電動機の電力消費率が大きくなるとともに、電動機に悪影響を与えるので、車両用電動機は冷却することが要求される。
そこで、強制ファンを設けて冷却風を電動機に送風して冷却する例(例えば、特許文献1参照)や電動機を収納するケースからの放熱を利用して冷却する例(例えば、特許文献2参照)がある。
特開2006-50809号公報 特開2013-129338号公報
特許文献1では、駆動モータおよび動力伝達機構を収容する伝動ケースに、強制ファンにより外気を冷却気として導入する吸気口と排出する排気口とを備え、吸気口と排気口とが駆動モータのステータとロータとの間隙を介して連通するように構成して、このステータとロータとの間隙を外気が流れることにより駆動モータを冷却する。
また、特許文献2では、ケース本体とカバーを接合して電動モータおよびコントローラを収容する収容室を形成し、後輪に近いケース本体の接合部から後輪から離れたカバーの接合部への熱の伝達を促進する伝熱特性に優れたシール部材などの伝熱促進部を備えており、伝熱促進部およびカバーからの放熱により収容室内の温度を下げて電動モータを冷却するものである。
特許文献1に開示されたモータ冷却構造は、導入された外気が駆動モータのステータとロータとの間隙を通過してモータを冷却するものであり、発熱源であるステータに直接外気を吹き付けてはいないことにより、モータの冷却効率は必ずしも良くない。
特許文献2は、伝熱促進部およびカバーからの放熱を利用しているので、電動モータを冷却風等により積極的に冷却するものに比べ、電動モータの冷却効率は劣る。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、車両用電動機のアウタステータに冷媒を噴射する冷却ダクトにより車両用電動機を効率良く冷却して、車両用電動機の電力消費率の更なる向上を図ることができる車両用電動機の冷却構造を供する点にある。
また、車両用電動機を冷却する冷却ダクトを効率良く製造する車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトの製造方法を供する点にある。
上記目的を達成するために、本発明は、
車両の駆動輪を回転させる車両用電動機の冷却構造において、
前記車両用電動機は、ステータコイルとロータとが径方向に配置されたラジアルギャップ型の電動機であり、
冷媒を案内して前記車両用電動機に噴射して冷却する冷却ダクトを備え、
前記冷却ダクトは、下流側に円弧状に湾曲した円弧状分配管部を有し、
前記円弧状分配管部は、同円弧状分配管部の湾曲する円弧の中心軸の一方の軸方向に向け開口した噴射口を複数有し、
前記円弧状分配管部は、前記車両用電動機の前記ステータコイルに隣接し、同ステータコイルの側面に前記噴射口を向けて配設されることを特徴とする車両用電動機の冷却構造を提供する。
この構成によれば、冷却ダクトの円弧状に湾曲した円弧状分配管部は、同円弧状分配管部の湾曲する円弧の中心軸の一方の軸方向に向け開口した噴射口を複数有しており、その円弧状分配管部は、車両用電動機のステータコイルに隣接し、ステータコイルの側面に前記噴射口を向けて配設されるので、車両用電動機のアウタステータに隣接する円弧状分配管部の複数の噴射口から隣接する車両用電動機のアウタステータに直接冷媒が噴射されて、発熱して熱源となるステータコイルが効率良く冷却され、車両用電動機の電力消費率の更なる向上を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記冷却ダクトは、前記円弧状分配管部の前記中心軸を前記車両用電動機の電動機出力軸に一致させて配設される。
この構成によれば、円弧状分配管部の中心軸を車両用電動機の電動機出力軸に一致させて冷却ダクトが配設されるので、車両用電動機に対して冷却ダクトをスペース効率良くコンパクトに組付けることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記冷却ダクトは、金属製パイプであり、
前記円弧状分配管部の円弧の中心軸の軸方向に扁平に成形されて断面が扁平矩形をなす。
この構成によれば、円弧状分配管部は、金属製パイプであり、円弧状分配管部の円弧の中心軸の軸方向に扁平に成形されて断面が扁平矩形をなすので、円弧状分配管部を車両用電動機に隣接して電動機出力軸の軸方向に幅を抑えてコンパクトに配設することができる。
また、円弧状分配管部は、金属製パイプであり、プレス加工により軸方向に扁平に成形することが容易であり、生産性向上によるコスト低減を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記冷却ダクトは、端部に薄板状に成形された取付ステー部を有する。
この構成によれば、冷却ダクトは、端部に薄板状に成形された取付ステー部を有するので、冷却ダクトの端部をプレス加工により圧接する簡単な加工成形により、冷却ダクトの端部を閉塞すると同時に、円弧状分配管部を取り付けるための取付ステー部を形成することができ、生産性向上によるコスト低減を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記冷却ダクトは、前記円弧状分配管部の上流側に同円弧状分配管部の湾曲する円弧の接線方向に延長した冷媒導入管部を有し、
前記冷媒導入管部の側面に冷媒供給パイプが接続される。
この構成によれば、冷却ダクトは、円弧状分配管部の上流側に同円弧状分配管部の湾曲する円弧の接線方向に延長した冷媒導入管部を有し、冷媒導入管部の側面に冷媒供給パイプが接続されるので、冷却ダクトの複数の噴射口を有する円弧状分配管部は、車両用電動機のアウタステータに隣接して対向し、アウタステータに対向しない冷媒導入管部に冷媒供給パイプがアウタステータに干渉せずに接続でき、冷却ダクトをアウタステータに近づけてコンパクトに配置することができる。
また、冷媒を導入するのに、円弧の外周に接線方向の折り曲げ箇所の少ない冷却ダクトとすることができ、生産性をより高めることができる。
本発明の好適な実施形態では、
圧縮空気を暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブを有し、
前記ボルテックスチューブの分離した冷気が前記冷却ダクトに供給される。
この構成によれば、圧縮空気を暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブを有し、ボルテックスチューブの分離した冷気が冷却ダクトに供給されるので、ボルテックスチューブから排出される冷気が、冷却ダクトに供給され、冷却ダクトの円弧状分配管部の噴射口から車両用電動機のアウタステータに直接噴射され、車両用電動機を効率良く冷却して車両用電動機の電力消費率の向上を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記車両用電動機の動力を回転数に応じて前記駆動輪に伝達する発進クラッチが前記車両用電動機の電動機出力軸と同軸に設けられ、
前記冷却ダクトの前記円弧状分配管部は、前記アウタステータと前記発進クラッチとの間に配置される。
この構成によれば、車両用電動機の電動機出力軸と同軸に設けられた発進クラッチと車両用電動機のアウタステータとの間に、冷却ダクトの扁平に成形された円弧状分配管部が配置されるので、車両用電動機と冷却ダクトと発進クラッチが軸方向幅を抑えてコンパクトに配置され、動力伝達系の大型化を防止することができる。
別の本発明は、
冷媒を案内して車両用電動機のアウタステータに噴射して冷却する車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトの製造方法において、
金属製の直線状円筒パイプを、一端部を除き円弧状に曲げ加工して直線状端部と円弧状部とからなる円弧状円筒パイプとし、
前記円弧状円筒パイプを円弧状円筒パイプの円弧の中心軸の軸方向に圧縮して扁平にプレス成形して扁平矩形の断面形状を有する直線状端部と円弧状部とからなる円弧状扁平筒パイプとし、
前記円弧状扁平筒パイプの両端部を圧接して閉塞して薄板状の取付ステー部を形成して閉塞円弧状扁平筒パイプとし、
前記閉塞円弧状扁平筒パイプの円弧状部に、円弧の中心軸の一方の軸方向に向けて開口した噴射口を複数穿孔して円弧状分配管部とし、
前記円弧状扁平筒パイプの直線状端部に導入口を穿孔して冷媒導入管部とすることと、
から冷却ダクトを製造することを特徴とする車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトの製造方法を提供する。
この構成によれば、1本の金属製の直線状円筒パイプに、曲げ加工、プレス加工、穿孔加工を順次行うことにより、車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトが製造されるので、冷却ダクトが効率良く製造され、生産性向上によるコスト低減を図ることができる。
本発明は、冷却ダクトの円弧状に湾曲した円弧状分配管部は、同円弧状分配管部の湾曲する円弧の中心軸の一方の軸方向に向け開口した噴射口を複数有しており、その円弧状分配管部は、車両用電動機のステータコイルに隣接し、ステータコイルの側面に前記噴射口を向けて配設されるので、車両用電動機のステータコイルに隣接する円弧状分配管部の複数の噴射口から隣接する車両用電動機のステータコイルに直接冷媒が噴射されて、発熱して熱源となるステータコイルが効率良く冷却され、車両用電動機の電力消費率の更なる向上を図ることができる。
また、本別の発明は、金属製の直線状円筒パイプを、一端部を除き円弧状に曲げ加工して直線状端部と円弧状部とからなる円弧状円筒パイプとし、同円弧状円筒パイプを円弧状円筒パイプの円弧の中心軸の軸方向に圧縮して扁平にプレス成形して扁平矩形の断面形状を有する直線状端部と円弧状部とからなる円弧状扁平筒パイプとし、同円弧状扁平筒パイプの両端部を圧接して閉塞して薄板状の取付ステー部を形成して閉塞円弧状扁平筒パイプ(70D)とし、閉塞円弧状扁平筒パイプの円弧状部に、円弧の中心軸の一方の軸方向に向けて開口した噴射口を複数穿孔して円弧状分配管部とし、閉塞円弧状扁平筒パイプの直線状端部に導入口を穿孔して冷媒導入管部とすることで、1本の金属製の直線状円筒パイプに、曲げ加工、プレス加工、穿孔加工を順次行うことにより、車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトが製造されるので、冷却ダクトが効率良く製造され、生産性向上によるコスト低減を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る電動二輪車の全体側面図である。 同電動二輪車の要部側面図である。 同要部縦断面である。 同要部斜視図である。 断面で示した電動圧縮機とボルテックスチューブを示す平面図である。 ボルテックスチューブの縦断面図である。 冷却ダクトの斜視図である。 車両用電動機に対する冷却ダクトの分解斜視図である。 冷却ダクトの製造工程を示す説明図である。
以下、本発明に係る一実施形態について図1ないし図8に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した第1の実施形態に係る鞍乗型車両である電動二輪車1の側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る電動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
図1に示されるように、電動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から下方に延びるダウンフレーム4と、ダウンフレーム4の下端部から左右車幅方向に分岐しながら若干下方に下がってから車両後方に延びる左右一対のロアフレーム5,5と、ロアフレーム5,5の後端部から斜め後ろ上がりに延びるシートレール6,6とからなる。
ヘッドパイプ3に回転可能に軸支されるステアリング軸7の上端にハンドル8が設けられ、ステアリング軸7の下端部に連結される左右一対のフロントフォーク9,9が前下がりに延び、フロントフォーク9,9の下端部に前輪10が回転自在に軸支される。
一方、ロアフレーム5,5の後部における屈曲して斜め上方に延びる傾斜部にピボットプレート11,11が固着され、左右のピボットプレート11,11間に架設されたピボット軸12に、スイングケース20が前端を軸支されて上下に揺動自在に設けられている。
スイングケース20は、前後方向に長尺のケースであり、スイングケース20の後部に後輪15が後車軸16を軸支されて回転可能に設けられている。
スイングケース20の後端のブラケット20bとスイングケース20の上方の後部フレームであるシートレール6の後部のブラケット6bとの間にリヤクッション13が介装されている。
左右のロアフレーム5,5に支持されてバッテリ14が搭載される。
車体フレーム2は、車体カバー18で覆われる。
車体カバー18のシートレール6を覆うセンタカバー部18cの上にはシート19が設けられる。
また、左右のロアフレーム5,5の上にステップ部18s,18sが設けられ、ステップ部18s,18sの間に搭載されたバッテリ14を上方からバッテリカバー部18bが覆う。
ピボット軸12に軸支された前部から車幅方向の左側を後方に延びるスイングケース20は、前後に長尺の鉛直面をなす側壁20Aと同側壁20Aの周縁で屈曲して左方に延びる外周壁20Bとで概形が形成されており、外周壁20Bの左端開口面が同一鉛直面をなす合せ面20Bfであり、外周壁20Bの内側の左方に開放した空間を左側からケースカバー21が覆う。
図3を参照して、スイングケース20の外周壁20Bの合せ面20Bにケースカバー21の合せ面を合わせて、スイングケース20の左側をケースカバー21が覆うことで内部に形成される内空間の後部に車両を走行させる車両用電動機30が配設される。
車両用電動機30は、ステータコイルとロータとが径方向に配置されたラジアルギャップ型の交流電動機であり、電動機出力軸31にインナロータ32が一体に設けられ、インナロータ32の外周に環状のアウタステータ33が覆っている。
電動機出力軸31は左右車幅方向に指向しており、インナロータ32を囲うアウタステータ33は、スイングケース20に固定されている。
アウタステータ33のステータ鉄心にステータコイル33cが巻回されている。
インナロータ32およびアウタステータ33は電動機ケース34内に収容されている。
電動機出力軸31は、円筒状をなし、内部を貫通するクラッチ出力軸40にベアリングを介して相対回転自在に軸支されている。
クラッチ出力軸40は、スイングケース20にベアリング40aを介して軸支されるとともに、左端がケースカバー21にベアリング40bを介して軸支されている。
クラッチ出力軸40の左端部と電動機出力軸31の左端部との間に発進クラッチ35が設けられている。
発進クラッチ35は、遠心クラッチであり、電動機出力軸31の左端部にクラッチインナ36が取り付けられ、クラッチ出力軸40の左端部にクラッチアウタ37が取り付けられ、電動機出力軸31が所定回転数を超えると、クラッチインナ36のクラッチシュー36aがばね36sに抗して揺動してクラッチアウタ37の内周面に接してクラッチアウタ37を一体に回転させ、クラッチ出力軸40に動力を伝達する。
スイングケース20の側壁20Aの後部右側面には、減速機カバー22により覆われ、内部に減速歯車機構41が収納される減速機室41cが形成される。
クラッチ出力軸40は、ベアリング40aを右方に貫通して減速機室41c内に突出している。
減速歯車機構41は、クラッチ出力軸40と後部の後輪15を支持する後車軸16との間に、中間軸42を介した2段減速機構として構成されている。
中間軸42に嵌着された中間大径ギヤ42bがクラッチ出力軸40に形成された小径ギヤ40sと噛合している。
中間軸42に形成された中間小径ギヤ42sは、後車軸16の減速機室41c内の後車軸大径ギヤ16bと噛合している。
後車軸16は、スイングケース20と減速機カバー22にベアリング16a,16cを介して軸支され、同後車軸16の減速機カバー22より右方に突出した部分に後輪15のホイール15wが嵌着される。
したがって、クラッチ出力軸40の回転は、減速歯車機構41の小径ギヤ40sと中間大径ギヤ42bの噛合および中間小径ギヤ42sと後車軸大径ギヤ16bの噛合を介して2段減速されて後車軸16に伝達されて後輪15が回転される。
本電動二輪車1は、図2および図3を参照して、スイングケース20の左右のハンガブラケット20h,20hが前方に突出する左右に幅広の前部に、車両用電動機30等を制御するPCU(Power Control Unit)17が搭載されている。
そして、本電動二輪車1は、車両用電動機30を冷却する冷却構造を備えている。
本冷却構造は、空気を圧縮する圧縮機50と、圧縮機50から供給された圧縮空気を暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出する直筒状をなすボルテックスチューブ60と、ボルテックスチューブ60から排出された冷気を車両用電動機30の電動機ケース34内に導入する冷却ダクト70とから構成されている。
図2ないし図4に示されるように、冷却構造をなす圧縮機50とボルテックスチューブ60と冷却ダクト70は、車両用電動機30の周辺に配設される。
図5を参照して、圧縮機50は、インペラ51を回転させて遠心力により圧縮空気を送り出すターボ形遠心式の圧縮機であり、インペラ51の回転軸52が圧縮機用電動機55の駆動回転軸となっている電動圧縮機50である。
電動圧縮機50の圧縮機ケース53は、円筒状を内側に形成された仕切り壁53sによりインペラ51を収容する圧縮機側空間と圧縮機用電動機55を収容する電動機側空間に仕切られ、回転軸52が仕切り壁53sにベアリング52aを介して軸支されて貫通している。
圧縮機ケース53の圧縮機側空間は、圧縮機ケースカバー54により覆われる。
圧縮機ケースカバー54は、回転軸52の端部が臨む円筒状の吸入筒部54iを有する。
圧縮機ケース53の下方に膨出した渦巻き状の排出筒部53eを有する。
圧縮機ケース53の電動機側空間は、電動機カバー56により塞がれ、同電動機カバー56に回転軸52の端部がベアリング52bを介して軸支されている。
圧縮機用電動機55の駆動により回転軸52を介して圧縮機50のインペラ51が回転されると、吸入筒部54iより外気が圧縮機側空間の中央に吸入され、回転するインペラ51により遠心方向に押しやられて圧縮された空気が排出筒部53eより排出される。
図2および図4に示されるように、電動圧縮機50は、回転軸52を左右車幅方向に指向させてスイングケース20の上の前後方向の中央に搭載される。
電動圧縮機50の圧縮機ケース53の下方に膨出した渦巻き状の排出筒部53eは、後方に向けて開口している。
電動圧縮機50の排出筒部53eに、ボルテックスチューブ60の圧縮空気の導入接続管64が接続されて、ボルテックスチューブ60に圧縮空気が導入される。
図6を参照して、ボルテックスチューブ60は、直筒状をしたチューブ本体61を有している。
チューブ本体61は、チューブ中心軸Lcを同軸とする長尺に延びる暖気側チューブ部61aと拡径した短尺の冷気側チューブ部61bとからなる。
冷気側チューブ部61bは側壁にチューブ中心軸Lcに垂直な方向に導入筒部61bjが突出形成されている。
冷気側チューブ部61bの導入筒部61bjには、導入接続管64が接続される。
したがって、圧縮機50の排出筒部53eとボルテックスチューブ60の導入筒部61bjが、導入接続管64により接続されて連通することで、圧縮機50により圧縮された空気がボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61b内に導入される。
ボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61b内には、ノズル62が嵌装されて、ノズル62の外周に旋回室61cが形成され、ノズル62の内周面の内側は排出筒部53eの開口端面に向けて冷気排出口62hを開口している。
圧縮機50から導入される圧縮空気は、旋回室61cに入り、ノズル62により旋回室61cの周壁に向け、接線方向に噴出し、渦流が形成されている。
噴出した圧縮空気は、渦流となって旋回室61cに連通する暖気側チューブ部61a内に入る。
暖気側チューブ部61aの端部には制御バルブ63が嵌装されている。
また、暖気側チューブ部61aの端部には暖気排気管65が外嵌されており、暖気排気管65の開口端が暖気排出口65hとなっている。
旋回室61cから噴出した圧縮空気は、暖気側チューブ部61a内を筒内面に沿って渦流となって制御バルブ63に向けて移動する。
この空気の渦流が制御バルブ63に達すると、その流れの一部は制御バルブ63と暖気側チューブ部61aの内周面との間を通って、暖気排気管65の暖気排出口65hから外部に暖気として排出される。
一方、制御バルブ63により流れを阻止された残りの空気は、暖気側チューブ部61aのチューブ中心軸Lcに押し戻されてチューブ中心軸Lcに沿って旋回し渦流となってノズル62に向かいノズル62の内側を通過して冷気排出口62hから吐出される。
したがって、暖気側チューブ部61a内に、筒内面に沿って制御バルブ63に向かって移動する渦流と、チューブ中心軸Lcに沿って逆方向にノズル62に向かって移動する渦流とが形成される。
暖気側チューブ部61a内におけるチューブ中心軸Lcに沿う内側の渦流と暖気側チューブ部61aの筒内面に沿う外側の渦流の内外2つの空気の渦流は、同じ方向に同じ角速度で回転して、互いに反対方向に移動するので、2つの渦流の間の境界では、激しい乱流が生じ、内側の渦流から外側の渦流に熱が移り、外側を流れる渦流の空気が暖気(図6において一点鎖線矢印で示す)となって暖気排出口65hから排出され、内側を流れる渦流の空気が冷気(図6において破線矢印で示す)となって冷気排出口62hから吐出される。
このように、ボルテックスチューブ60は、冷気側チューブ部61bの導入筒部61bjに導入された圧縮空気が、旋回室61cと制御バルブ63との間の暖気側チューブ部61a内における上記作用により、暖気と冷気に分離して互いに反対方向に排出されるように構成されている。
このボルテックスチューブ60は、暖気排出口65hを上方に、冷気排出口62hを下方に向けて鉛直方向に指向させて、前記電動圧縮機50の後方に隣接して配置され、前方に向いた導入接続管64が電動圧縮機50の後方に向いた排出筒部53eとが導入接続管64により互いに接続される。
ボルテックスチューブ60の下方に向いた冷気排出口62hには、冷却ダクト70に取り付けられた冷気供給パイプ75が接続されて、ボルテックスチューブ60の冷気排出口62hから吐出される冷気が冷気供給パイプ75を介して冷却ダクト70に供給される。
図7を参照して、冷却ダクト70は、上流側の直線状をした冷気導入管部(冷媒導入管部)71とその下流側の円弧状をした円弧状分配管部72とからなり、同円弧状分配管部72の湾曲する円弧の接線方向に延長して直線状の冷気導入管部71が形成されていて、冷気導入管部71の側面に冷気供給パイプ75が接続される。
図7を参照して、冷却ダクト70は、金属製パイプであり、円弧状分配管部72の円弧の中心軸Cの軸方向に圧縮して扁平にプレス成形して断面が扁平矩形をなす。
扁平に成形された円弧状分配管部72の一方の側面には、湾曲する円弧の中心軸Cの一方の軸方向に向け開口した噴射口72jを同一円弧上に複数有する。
図3を参照して、冷却ダクト70の円弧状分配管部72は、円弧の中心軸Cを車両用の前記車両用電動機30の電動機出力軸31の中心軸に一致させて、車両用電動機30のアウタステータ33と発進クラッチ35との間にあってアウタステータ33に隣接して対向し、アウタステータ33の側面に前記噴射口72jを向けて配設される。
図7および図8に示されるように、扁平矩形の断面形状を有する冷却ダクト70は、冷気導入管部71の端部に平板上に圧接された取付ステー部71xが形成され、円弧状分配管部72には、湾曲する円弧の外周中央部に平板状の取付ステー部72yが突設されるとともに、端部に平板状に圧接された取付ステー部72zが形成されている。
冷却ダクト70の取付ステー部71x,72y,72zには、それぞれ取付孔71xh,72yh,72zhが設けられている。
かかる冷却ダクト70の噴射口72jが形成される側面と同じ冷気導入管部71の側面に導入口71hが穿孔され、図7に示されるように、導入口70hに冷気供給パイプ75が接続される。
図7を参照して、冷気供給パイプ75は、冷却ダクト70との接続部から中心軸Cの軸方向に突出した後に、ほぼ直角に屈曲して上方に延びている。
図8に示されるように、スイングケース20の側壁20Aの後部内面から車両用電動機30のアウタステータ33の外周面に沿って3本の取付支柱20x,20y,20zが左方に突出形成されている。
各取付支柱20x,20y,20zにはボルト雌ねじ孔20xh,20yh,20zhが形成されている。
取付支柱20x,20y,20zに、それぞれ冷却ダクト70の取付ステー部71x,72y,72zの取付孔71xh,72yh,72zhを対応させて、ボルト73を各取付孔71xh,72yh,72zhに貫通させ、各ボルト雌ねじ孔20xh,20yh,20zhに螺合して締結することで、スイングケース20の側壁20Aに冷却ダクト70が取り付けられる。
こうして取り付けられた冷却ダクト70は、図8を参照して、円弧状分配管部72が車両用電動機30のアウタステータ33に対向し、円弧状分配管部72の右側面に開口した噴射口72jがアウタステータ33の側面に向けて配設される。
冷却ダクト70の冷気導入管部71は、円弧状分配管部72から前方斜め上向きに延設されており、同冷気導入管部71の右側面に冷気供給パイプ75が接続されて上方に延びている。
冷気供給パイプ75の上端がボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61bに接続され、冷気排出口62hから吐出する冷気を冷気供給パイプ75が冷却ダクト70に供給する。
図2および図4を参照して、スイングケース20の上側周壁20Buuの上に搭載される電動圧縮機50の圧縮機ケース53の下方に膨出した渦巻き状の排出筒部53eに、鉛直方向に指向したボルテックスチューブ60の下側の冷気側チューブ部61bが導入接続管64を介して接続されるので、下側の冷気側チューブ部61bがスイングケース20の上側周壁20Buuの高さ位置にあって、ケースカバー21の上壁を貫通している。
したがって、図2および図4に示されるように、ボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61bより上側の暖気側チューブ部61aは、スイングケース20およびケースカバー21よりも上方に突出して外部に露出している。
図2および図3に示されるように、ボルテックスチューブ60の情報に突出する暖気側チューブ部61aは、スイングケース20の後端のブラケット20bと車体フレーム2のシートレール6の後部のブラケット6bとの間に介装されるリヤクッション13の前方に位置している。
また、図2に示されるように、スイングケース20に搭載される電動圧縮機50は、スイングケース20の上側周壁20Buの上に搭載され、後輪15の後車軸16とスイングケース20の前端を軸支するピボット軸12とスイングケース20の後部の後輪15の後車軸16とを含む平面Pよりも上側に配置される。
スイングケースを備えた内燃機関により走行する自動二輪車では、スイングケース20の上側周壁20Buの上にはエアクリーナが搭載されていたが、電動二輪車では、エアクリーナは不要となり、エアクリーナのあったスイングケース20の上側周壁20Buの上の空きスペースを利用して電動圧縮機50を配置することができる。
そして、電動圧縮機50は、スイングケース20の上側周壁20Buの上に搭載されるので、泥はねや雨などの水の浸入を避けることができる。
以上の本発明に係る車両用電動機の冷却構造の第1の実施形態では、以下に記す効果を奏する。
図4を参照して、電動圧縮機50において圧縮機用電動機55の駆動でインペラ51が回転することにより圧縮された空気が、排出筒部53eから導入接続管64を介してボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61bの導入筒部61bjに導入されると、暖気と冷気に分離して、冷気が下方に向いた冷気排出口62hから冷気供給パイプ75を介して冷却ダクト70に供給され、一方、暖気は、上方に延びた暖気側チューブ部61aの暖気排出口65hから外部に排出される。
図3および図4に示されるように、冷却ダクト70に供給された冷気は、円弧状分配管部72に充填されて、円弧状分配管部72の噴射口72jから車両用電動機30のアウタステータ33の側面に向けて噴射されるので、最も発熱の大きいステータコイル33cに向かって直接冷気が噴射されることになり、車両用電動機30を効率良く効果的に冷却して、車両用電動機30の電力消費率を益々向上させることができる。
図2ないし図4に示されるように、車両用電動機30の周辺に、電動圧縮機50と直筒状をしたボルテックスチューブ60と冷却ダクト70とが車両用電動機30の周辺に配設されて、車両用電動機30の周辺に集約してコンパクトに冷却構造を構成でき、小型化を図るとともに、組立性も良好である。
図3に示されるように、車両用電動機30の動力を減速して駆動輪である後輪15に伝達する減速歯車機構41を有するので、車両用電動機に必要な動力を抑えて小型化を図ることができる。
図2,図3および図7に示されるように、冷却ダクト70の下流側に形成された円弧状分配管部72は、円弧状分配管部72の円弧の中心軸Cの一方の軸方向に向けて開口した噴射口72jを複数有し、該円弧状分配管部72が、中心軸Cを車両用電動機30の電動機出力軸31に一致させて、車両用電動機30のアウタステータ33に隣接し、アウタステータ33の側面に噴射口72jを向けて配設されるので、環状に配置されたアウタステータ33のステータコイル33cに向けて複数の噴射口72jから冷気が噴射されるため、最も発熱の大きいステータコイル33cに向かって直接冷気が噴射されることになり、車両用電動機30を効率良く効果的に冷却して、車両用電動機30の電力消費率を益々向上させることができる。
以上、詳細に説明した本発明に係る車両用電動機の冷却構造の一実施の形態では、以下に記す効果を奏する。
図3,図7および図8に示されるように、冷却ダクト70の円弧状に湾曲した円弧状分配管部72は、同円弧状分配管部72の湾曲する円弧の中心軸の一方の軸方向に向け開口した噴射口72jを複数有しており、その円弧状分配管部72は、車両用電動機30のアウタステータ33のステータコイル33cに隣接し、ステータコイル33cの側面に噴射口72jを向けて配設されるので、車両用電動機30のアウタステータ33に隣接する円弧状分配管部72の複数の噴射口72jから隣接する車両用電動機30のアウタステータ33に直接冷気が噴射されて、発熱して熱源となるアウタステータ33のステータコイル33cが効率良く冷却され、車両用電動機の電力消費率の更なる向上を図ることができる。
図7および図8に示されるように、冷却ダクト70は、円弧状分配管部72の湾曲した円弧の中心軸Cを車両用電動機30の電動機出力軸31に一致させて配設されるので、車両用電動機30に対して冷却ダクト70をスペース効率良くコンパクトに組付けることができる。
図3および図8に示されるように、円弧状分配管部72は、金属製パイプであり、円弧状分配管部72の円弧の中心軸Cの軸方向に扁平に成形されて断面が扁平矩形をなすので、円弧状分配管部72を車両用電動機30に隣接して電動機出力軸31の軸方向に幅を抑えてコンパクトに配設することができる。
また、円弧状分配管部72は、金属製パイプであり、プレス加工により軸方向に扁平に成形することが容易であり、生産性向上によるコスト低減を図ることができる。
図7に示されるように、冷却ダクト70は、端部に薄板状に成形された取付ステー部71x,71zを有するので、冷却ダクト70の端部をプレス加工により圧接する簡単な加工成形により、冷却ダクト70の端部を閉塞すると同時に、円弧状分配管部72を取り付けるための取付ステー部71x,71zを形成することができ、生産性向上によるコスト低減を図ることができる。
図3に示さるように、冷却ダクト70は、円弧状分配管部72の上流側に同円弧状分配管部72の湾曲する円弧の接線方向に延長した冷気導入管部71を有し、冷気導入管部71の側面に冷気供給パイプ(冷媒供給パイプ)75が接続されるので、冷却ダクト70の複数の噴射口72jを有する円弧状分配管部72は、車両用電動機30のアウタステータ33に隣接して対向し、アウタステータ33に対向しない冷気導入管部71に冷気供給パイプ75がアウタステータ33に干渉せずに接続でき、冷却ダクト70をアウタステータ33に近づけてコンパクトに配置することができる。
また、冷気を導入するのに、円弧の外周に接線方向の折り曲げ箇所の少ない冷却ダクト70とすることができ、生産性をより高めることができる。
図3に示さるように、圧縮空気を暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブ60を有し、ボルテックスチューブ60の分離した冷気が冷却ダクト70に供給されるので、ボルテックスチューブ60から排出される冷気が、冷却ダクト70に供給され、冷却ダクト70の円弧状分配管部72の噴射口72jから車両用電動機30のアウタステータ33に直接噴射され、車両用電動機30を効率良く冷却して車両用電動機30の電力消費率の向上を図ることができる。
図3に示さるように、車両用電動機30の電動機出力軸31と同軸に設けられた発進クラッチ35と車両用電動機30のアウタステータ33との間に、冷却ダクト70の扁平に成形された円弧状分配管部72が配置されるので、車両用電動機30と冷却ダクト70と発進クラッチ35が軸方向幅を抑えてコンパクトに配置され、動力伝達系の大型化を防止することができる。
次に、車両用電動機30のアウタステータ33に対向し、アウタステータ33に冷気を噴射して冷却する冷却ダクト70の製造方法を、図9に基づいて説明する。
所定の長さ、所定の内外径の金属製の直線状円筒パイプ70Aを加工成形して冷却ダクト70を製造する(図9(1)参照)。
該直線状円筒パイプ70Aを、一端部を除き円弧状に曲げ加工して直線状端部70Baと円弧状部70Bbとからなる円弧状円筒パイプ70Bを成形する(図9(2)参照)。
次に、該円弧状円筒パイプ70Bを円弧状円筒パイプ70Bの円弧の中心軸Cの軸方向に圧縮して扁平にプレス成形して扁平矩形の断面形状を有する直線状端部70Caと円弧状部70Cbとからなる円弧状扁平筒パイプ70Cを成形する(図9(3)参照)。
次に、該円弧状扁平筒パイプ70Cの両端部を圧接して閉塞して薄板状の取付ステー部70Dx,70Dzを形成した閉塞円弧状扁平筒パイプ70Dを製造する(図9(4)参照)。
また、該閉塞円弧状扁平筒パイプ70Dの円弧状部70Dbの外周縁にブラケットを溶接して取付ステー部70Eyを形成した閉塞円弧状扁平筒パイプ70Eを製造する(図9(5)参照)。
次に、該円弧状扁平筒パイプ70Eの円弧状部70Ebに、円弧の中心軸の一方の軸方向に向けて開口した噴射口72jをドリルで複数穿孔して円弧状分配管部72とする(図9(6)参照)。
この穿孔工程で、円弧状扁平筒パイプ70Eの噴射口72jが形成される側面と同じ直線状端部70Eaの側面に導入口70hを穿孔して冷気導入管部71とする(図9(6)参照)。
また、取付ステー部70x,70Ey,70Dzに取付孔71xh,72yh,72zhを穿孔して取付ステー部71x,72y,72zとする(図9(6)参照)。
こうして冷却ダクト70が製造される。
なお、冷却ダクト70の冷気導入管部71の導入口70hに、図7に示される冷気供給パイプ75が接続される。
以上のように、1本の金属製の直線状円筒パイプに、曲げ加工、プレス加工、穿孔加工を順次行うことにより、車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトが製造されるので、冷却ダクトが効率良く製造され、生産性向上によるコスト低減を図ることができる。
以上、本発明に係る一実施の形態に係る車両用電動機の冷却構造および冷却ダクトの製造方法について説明したが、本発明の態様は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
1…電動二輪車、2…車体フレーム、3…ヘッドパイプ、4…ダウンフレーム、5…ロアフレーム、6…シートレール、7…ステアリング軸、8…ハンドル、9…フロントフォーク、
10…前輪、11…ピボットプレート、12…ピボット軸、13…リヤクッション、14…バッテリ、15…後輪、16…後車軸、17…PCU(Power Control Unit)、18…車体カバー、19…シート、
20…スイングケース、21…ケースカバー、22…減速機カバー、
30…車両用電動機、31…電動機出力軸、32…インナロータ、33…アウタステータ、33c…ステータコイル、34…電動機ケース、35…発進クラッチ、36…クラッチインナ、37…クラッチアウタ、38…、39…、
40…クラッチ出力軸、41…減速歯車機構、42…中間軸、
50…圧縮機(電動圧縮機)、51…インペラ、52…回転軸、53…圧縮機ケース、53e…排出筒部、54…圧縮機ケースカバー、54i…吸入筒部、55…圧縮機用電動機、56…電動機カバー、
60…ボルテックスチューブ、61…チューブ本体、61a…暖気側チューブ部、61b…冷気側チューブ部、61bj…導入筒部、62…ノズル、62h…冷気排出口、63…制御バルブ、64…導入接続管、65…暖気排気管、65h…暖気排出口、
70…冷却ダクト、71…冷気導入管部(冷媒導入管部)、71x…取付ステー部、72…円弧状分配管部、72j…噴射口、72y,72z…取付ステー部、73…ボルト、75…冷気供給パイプ(冷媒供給パイプ)、
70A…直線状円筒パイプ、70B…円弧状円筒パイプ、70C…円弧状扁平筒パイプ、70D…閉塞円弧状扁平筒パイプ。

Claims (8)

  1. 車両の駆動輪(15)を回転させる車両用電動機(30)の冷却構造において、
    前記車両用電動機(30)は、ステータコイルとロータとが径方向に配置されたラジアルギャップ型の電動機であり、
    冷媒を案内して前記車両用電動機(30)に噴射して冷却する冷却ダクト(70)を備え、
    前記冷却ダクト(70)は、下流側に円弧状に湾曲した円弧状分配管部(72)を有し、
    前記円弧状分配管部(72)は、同円弧状分配管部(72)の湾曲する円弧の中心軸(C)の一方の軸方向に向け開口した噴射口(72j)を複数有し、
    前記円弧状分配管部(72)は、前記車両用電動機(30)の前記ステータコイル(33c)に隣接し、同ステータコイル(33c)の側面に前記噴射口(72j)を向けて配設されることを特徴とする車両用電動機の冷却構造。
  2. 前記冷却ダクト(70)は、前記円弧状分配管部(72)の前記中心軸(C)を前記車両用電動機(30)の電動機出力軸(31)に一致させて配設されることを特徴とする請求項1記載の車両用電動機の冷却構造。
  3. 前記冷却ダクト(70)は、金属製パイプであり、
    前記円弧状分配管部(72)の円弧の中心軸(C)の軸方向に扁平に成形されて断面が扁平矩形をなすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用電動機の冷却構造。
  4. 前記冷却ダクト(70)は、端部に薄板状に成形された取付ステー部(71x,72y,72z)を有することを特徴とする請求項3に記載の車両用電動機の冷却構造。
  5. 前記冷却ダクト(70)は、前記円弧状分配管部(72)の上流側に同円弧状分配管部(72)の湾曲する円弧の接線方向に延長した冷媒導入管部(71)を有し、
    前記冷媒導入管部(71)の側面に冷媒供給パイプ(75)が接続されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用電動機の冷却構造。
  6. 圧縮空気を暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブ(60)を有し、
    前記ボルテックスチューブ(60)の分離した冷気が前記冷却ダクト(70)に供給されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用電動機の冷却構造。
  7. 前記車両用電動機(30)の動力を回転数に応じて前記駆動輪(15)に伝達する発進クラッチ(35)が前記車両用電動機(30)の電動機出力軸(31)と同軸に設けられ、
    前記冷却ダクト(70)の前記円弧状分配管部(72)は、前記アウタステータ(33)と前記発進クラッチ(35)との間に配置されることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用電動機の冷却構造。
  8. 冷媒を案内して車両用電動機(30)のアウタステータ(33)に噴射して冷却する車両用電動機の冷却構造の冷却ダクト(70)の製造方法において、
    金属製の直線状円筒パイプ(70A)を、一端部を除き円弧状に曲げ加工して直線状端部(70Ba)と円弧状部(70Bb)とからなる円弧状円筒パイプ(70B)とし、
    前記円弧状円筒パイプ(70B)を円弧状円筒パイプ(70B)の円弧の中心軸(C)の軸方向に圧縮して扁平にプレス成形して扁平矩形の断面形状を有する直線状端部(70Ca)と円弧状部(70Cb)とからなる円弧状扁平筒パイプ(70C)とし、
    前記円弧状扁平筒パイプ(70C)の両端部を圧接して閉塞して薄板状の取付ステー部(70Dx,70Dz)を形成して閉塞円弧状扁平筒パイプ(70D)とし、
    前記閉塞円弧状扁平筒パイプ(70D)の円弧状部に、同円弧状部の円弧の中心軸の一方の軸方向に向けて開口した噴射口を複数穿孔して円弧状分配管部(72)とし、
    前記閉塞円弧状扁平筒パイプ(70D)の直線状端部に導入口を穿孔して冷媒導入管部(71)とすること、
    により冷却ダクト(70)を製造することを特徴とする車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトの製造方法。
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