JP2022026796A - 成形体、成形体の製造方法及び水廻り機器 - Google Patents

成形体、成形体の製造方法及び水廻り機器 Download PDF

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Abstract

【課題】撥液性に関してより高品質な成形体などを提供する。【解決手段】成形体(樹脂成形体1は、複数の凹部32と複数の凸部31とのそれぞれが所定の方向に沿って交互に繰り返し配置され、かつ、平面状に配置されることで撥液性を発揮する凹凸構造面30を有している。凹凸構造面30において、少なくとも1つの凸部31の先端面には、少なくとも1つの穴311が形成されている。穴311の周囲には、凸部31を構成する材料とは種類の異なる塗布材料39が塗布されている。【選択図】図3

Description

本発明は、成形体、成形体の製造方法及び水廻り機器に関する。
例えば、成形体の一つである樹脂成形体においては、基材の一面に微細な凹凸が形成されているとともに、その凹凸を覆うようにフッ素系の潤滑剤が基材の一面上に積層されることで撥液性が発揮される樹脂成形体が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許第6357855号公報
ところで、上記の樹脂成形体においては、潤滑剤の化学的性質にのみ依存して撥液性が発揮されているが、撥液性に関してより高品質化が求められている。
そこで、本発明は、撥液性に関してより高品質な成形体などを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る成形体によれば、複数の凹部と複数の凸部とのそれぞれが所定の方向に沿って交互に繰り返し配置され、かつ、平面状に配置されることで撥液性を発揮する凹凸構造面を有し、凹凸構造面において、少なくとも1つの凸部の先端面には、少なくとも1つの穴が形成されており、穴の周囲には、凸部を構成する材料とは種類の異なる塗布材料が塗布されている。
また、本発明の一態様に係る成形体の製造方法によれば、上記成形体を製造するための成形体の製造方法であって、基材の表面に対してレーザ加工を施すことで凹凸構造面を形成する。
また、本発明の一態様に係る水廻り機器によれば、上記成形体を備える。
本発明によれば、撥液性に関してより高品質な成形体などを提供することができる。
図1は、実施の形態1に係る樹脂成形体が用いられたシステムキッチンを示す斜視図である。 図2は、実施の形態1に係るシステムキッチンにおいて、樹脂成形体が適用された箇所の表面構造を示す平面図である。 図3は、図2におけるIII-III線を含む切断面を見た断面図である。 図4は、実施の形態1に係る、隣り合う一対の凸部間に液滴が進入した状態を示す断面図である。 図5は、実施の形態2に係る凹凸構造面を示す平面図である。 図6は、実施の形態3に係る凸部の外周面を拡大して示す断面図である。 図7は、実施の形態5に係る凸部の外周面を拡大して示す断面図である。 図8は、実施の形態5において、穴内に塗布材料が充填されていない場合の凸部及び凹部を示す模式図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る樹脂成形体について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、工程、工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行又は直交などの要素間の関係性を示す用語及び正方形又は長方形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
(実施の形態1)
[樹脂成形体]
まず、実施の形態1に係る成形体である樹脂成形体1の適用例について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る樹脂成形体1が用いられたシステムキッチン100を示す斜視図である。
図1に示すように、システムキッチン100は、水廻り機器の一例であり、ガスレンジ110と、シンク120、蛇口130とを有している。
図2は、実施の形態1に係るシステムキッチン100において、樹脂成形体1が適用された箇所の表面構造を示す平面図である。図3は、図2におけるIII-III線を含む切断面を見た断面図である。樹脂成形体1は、システムキッチン100の外表面の少なくとも一部に対して適用されている。
図2及び図3に示すように、樹脂成形体1の表面は、いわゆるリエントラント構造を有した凹凸構造面30となっている。凹凸構造面30は、複数の凸部31と複数の凹部32とのそれぞれが所定の方向に沿って交互に繰り返し配置され、これらが平面状に配置されることで撥液性を発揮する面である。
具体的には、凹凸構造面30は、平面視においてマトリクス状に配置された複数の凸部31を有している。凸部31は平面視において略正方形状である。各凸部31は、略同一の形状を有している。凸部31は、基部よりも先端部が拡大された形状を有している。具体的には、凸部31の軸方向視における大きさが、凸部31の基部よりも先端部の方が大きい。例えば、凸部31は、逆正四角錐台状に形成されている。凸部31の先端面には、複数の穴311が設けられており、各穴311は、当該凸部31の軸方向に沿って延設されていて、先端部側が開放され基端部側が閉塞されている。各穴311の平面視形状は、同一であっても異なっていてもよい。穴311の平面視形状としては、例えば円形状、長円状、楕円状、多角形状などが挙げられる。
また、凸部31の先端面には、凸部31を構成する材料とは種類の異なる塗布材料39が直接的に積層されている。塗布材料39は、それ単体の化学的性質によって撥液性(撥水性)を発揮できる發液性材料である。發液性材料としては、例えば、潤滑剤、界面活性剤、撥液剤、ゲル剤、自己修復材料などが挙げられる。塗布材料39は、各穴311内に充填されている。これにより、凸部31と塗布材料39との一体性が高められており、塗布材料39が凸部31に安定して保持され剥離しにくくなっている。塗布材料39は、穴311の先端部側のみに充填されていてもよいが、より高い保持性を発揮するには穴311の全体に充填されているとよい。さらに、複数の穴311は、一つの凸部31の先端面に対して、例えばマトリクス状などのように均等に分散配置されていれば、塗布材料39をより安定して保持することが可能である。また、凸部31に対して1つの穴311のみが設けられている場合であっても、当該穴311に塗布材料39が充填されていれば保持性を高めることが可能である。
所定方向において複数の凸部31の間の部分が凹部32をなす。凹部32は、全体的に見ると格子状であり連続しているために一つの凹部32と言えるが、所定方向のみで見ると各凸部31に分断されるために複数の凹部32と言える。つまり、縦方向においても、横方向においても、複数の凹部32と複数の凸部31とが所定のピッチで交互に配列されている。
図3に示すように、所定方向における凸部31の幅f1と、凹部32の幅f2との合計が所定のピッチ(τ=f1+f2)である。幅f1は凸部31の先端の幅である。このため、凸部31の先端面に形成された穴311の幅は、幅f1よりも小さくなる。幅f2は、凹部32の先端の幅、つまり隣り合う一対の凸部31の先端間の幅である。幅f1及び幅f2は、ナノメートルオーダまたはマイクロメートルオーダである。所定のピッチτと、幅f1、f2とを一定の関係を満たすように設定しておくことで、凹凸構造面30を撥水面とすることができる。例えば、式(1)でθ’が撥水性領域の値となるような関係を満たしておくことで凹凸構造面30を撥水面とすることができる。
cosθ’=-1+1/D{(π-θ)cosθ+sinθ}・・・(1)
式(1)においてD=τ/f1である。θは、凹凸構造面30をなす基材そのものの純水静的接触角である。また、θ’は、凹凸構造面30自体の純水静的接触角である。本実施の形態では、式(1)を用いてシミュレーションすることで、θ’が120°を超えるように凸部31の幅f1と、凹部32の幅f2とを決定している。この関係性を満たすのであれば、凹凸構造面30内において凹凸構造が不均一であってもよい。例えば、凹凸構造面30内には、所定のピッチτが互いに異なる第一領域30a及び一対の第二領域30bが設けられている。一対の第二領域30bは、第一領域30aを横方向で挟むように配置されている。第一領域30aと第二領域30bとは、それぞれ純水静的接触角が5°以上異なる領域である。本実施の形態では、第一領域30aの純水静的接触角が121°となるように、式(1)に基づき凸部31の幅f1と、凹部32の幅f2とが決定されている。一方、第二領域30bの純水静的接触角が150°となるように、式(1)に基づき凸部31の幅f1と、凹部32の幅f2とが決定されている。このように、第一領域30aと第二領域30bとで純水静的接触角が異なっているので、純水静的接触角が比較的低い第一領域30aに向けて第二領域30bから液滴を集めることができる。複数の液滴が集まって一体化すれば、自重も増加して液滴が滑落しやすくなるので、凹凸構造面30上での撥液性を高めることができる。
ここで、第一領域30aと第二領域30bとで純水静的接触角が5°以上異なっていれば、純水静的接触角が高い第二領域30bから低い第一領域30aにスムーズに液滴を集めることが可能である。特に、本実施の形態では、第一領域30aと第二領域30bとで純水静的接触角の差が30°あるので、第一領域30aに向けてよりスムーズに液滴を集めることが可能である。
また、上述したように各凸部31は、基部よりも先端部が拡大された逆正四角錐台状である。このため、各凸部31の外周面は、先端部に向けて広がる形状となっている。つまり、凸部31の外周面は、当該凸部31の中心軸から端縁までの距離が、基部から先端部に向けて漸増する形状を有している。
図4は、実施の形態1に係る、隣り合う一対の凸部31間に液滴Lが進入した状態を示す断面図である。図4に示すように、隣り合う一対の凸部31間に液滴Lが進入すると、凹部32内においては液滴Lが表面張力によって凹部32の底面にむけて突出した形状となる。この状態での液滴Lには、凸部31の外周面上において液滴Lの表面の接線に沿う力Fが発生する。この力Fは、凸部31の先端部に向かう力であるので、この力Fによって凹部32内の液滴Lが凸部31の先端部に向けて移動しようとする。つまり、液滴Lは凹部32からそれ以上落ち込まないようにするために、外圧や振動などの外的要因に耐え、高い撥液性が維持・発揮されることになる。
特に、本実施の形態では、凸部31の先端面には、全体的に塗布材料39が被覆されている。つまり、複数の凸部31と複数の凹部32とがなす微細構造を由来とした撥液性に加えて、塗布材料39の化学的性質を由来とした撥液性が発揮される。これにより、液滴Lが凸部31の先端部で横滑りするように移動しやすくなるので、液除去性が向上する。
[樹脂成形体の製造方法]
次に、樹脂成形体1の製造方法について説明する。
まず、平板状の基材を準備する。この基材は、レーザ加工が可能であれば、如何なる樹脂から形成されていてもよい。レーザ加工可能な樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エラストマー系(スチレン系、オレフィン系、ポリ塩化ビニル(PVC)系、ウレタン系、エステル系、アミド系)樹脂、ポリエステル系樹脂、エンジニアリングプラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、アクリル樹脂、エチレンアクリレート樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂、ポリアミドエラストマー樹脂、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アセチルセルロース、ポリ酢酸ビニル等も挙げられる。これらのうちの一種単独であってもよく、これらの樹脂が主成分とされる複数の樹脂の混合体であってもよい。
また、基材には、熱硬化性樹脂が含有されていてもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、マレイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、アルキド樹脂、付加硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂は、これらのうちの一種単独が含有されていてもよく、これらの樹脂が主成分とされる複数の樹脂の混合体が含有されていてもよい。これにより、樹脂成形体1の耐熱性を高めることができる。
このように、成形体が樹脂成形体1であるので、レーザ加工に対して好適である。特に、樹脂成形体1が熱硬化性樹脂を含むので、樹脂成形体1の耐熱性を高めることができる。
次いで、基材の表面に対して、レーザ加工を施すことで凹凸構造面30を形成する。具体的には、基材の表面に対して、所定方向に沿って複数の凹部32と複数の凸部31とがそれぞれ交互に所定のピッチで平面状に配置されるようにレーザ加工を施すことで凹凸構造面30を形成する。レーザを照射するレーザ照射装置からは、短パルスレーザが基材の表面に照射される。短パルスレーザのパルス幅はナノ秒以下が好ましい。このとき、レーザの出力、スポット径、光軸の方向、走査速度、走査方向、パルス幅などのパラメータを調整することで、各凸部31が逆正四角錐台状となるようにレーザ加工が施されている。また、レーザ加工はアブレーション加工であることがよりよい。アブレーション加工であれば、加工対象に対する熱ダメージを抑制することができる。また、凸部31及び凹部32の断面形状をシャープにすることが可能である。
その後、各凸部31の先端面に対して、更に小さいスポット径にてレーザ加工を施すことで、当該先端面に対して穴311を形成する。この際のレーザ加工においても、適切な大きさ及び深さの穴311が形成されるように各パラメータが調整されている。穴311を形成する際のレーザ加工もアブレーション加工であることがよりよい。
各凸部31に対して穴311を形成した後には、塗布材料39を凹凸構造面30上に塗布する。この際、各穴311内には、毛細管現象により塗布材料39が進入し充填される。塗布材料39は、凸部31の高さに比べたら非常に小さい厚みで塗布されるので、塗布材料39が凹部32内に垂れたとしても凹部32を埋め尽くすことにはならない。つまり、凸部31の外周面は露出した状態を維持する。なお、マスクなどを用いて各凹部32を塞いだ状態で塗布材料39を塗布し、その後マスクを取り外せば、凹部32内に進入する塗布材料39を低減することが可能である。
[効果など]
以上のように、凹凸構造面30において、凸部31の先端面には、少なくとも1つの穴311が形成されていて、その穴311の周囲に塗布材料39が塗布されている。このため、複数の凸部31と複数の凹部32とがなす微細構造を由来とした撥液性に加えて、塗布材料39の化学的性質を由来とした撥液性が発揮される。このように、凹凸構造面30上では微細構造由来の撥液性と、化学的性質由来の撥液性とが複合的に発揮されるので、凹凸構造面30上での撥液性を高めることができる。
また、塗布材料39は穴311内に充填されているので剥離しにくい。このため、複合的な撥液性を長期的に安定して発揮することができる。これらのことにより、撥液性に関して高品質な樹脂成形体1を提供することが可能である。
さらに、このような樹脂成形体1が水廻り機器(システムキッチン100)に適用されているので、水廻り機器の撥液性を高品質化することも可能である。
また、凸部31の先端部は基部よりも拡大されているので、凹部32内に液体を進入させにくくすることができる。したがって、微細構造由来の撥液性を高めることができる。
また、凸部31の外周面は、当該凸部31の中心軸から端縁までの距離が、基部から先端部に向けて漸増する形状を有している。このため、凹部32内に進入した液滴Lに対して、凸部31の先端部に向かう力Fを作用させることができる。この力Fによって凹部32内の液滴Lが凸部31の先端部に向けて移動しようとする。つまり、液滴Lは凹部32から抜け出ようとするために、高い撥液性が維持されることになる。
ここで、純水静的接触角が120°を超えるには、化学的性質由来では実現できないのが実状である。例えば、純水接触角が最も高いトリフルオロメチル基を有するフッ素樹脂表面においても純水静的接触角120°を超えることはできない。しかしながら、微細構造由来では実現可能である。つまり、凹凸構造面30の微細構造により、第一領域30a及び第二領域30bでの純水静的接触角を120°を超えることができる。純水静的接触角が120°を超えるのであれば水をはじきやすい。したがって、化学的性質由来のみでは発揮できない高い撥水性(撥液性)を実現することが可能である。
また、凹凸構造面30内には、所定のピッチが互いに異なる第一領域30a及び第二領域30bが設けられているので、第一領域30aと第二領域30bとの純水静的接触角を異ならせることができる。これにより、純水静的接触角が比較的低い第一領域30aに向けて第二領域30bから液滴を集めることができる。複数の液滴が集まって一体化すれば、自重も増加して液滴が滑落しやすくなるので、凹凸構造面30上での撥液性を高めることができる。
また、第一領域30aと第二領域30bとの純水静的接触角が5°以上異なるので、その差分により、純水静的接触角が比較的低い第一領域30aに向けて第二領域30bから液滴をよりスムーズに集めることができる。
また、樹脂成形体1の凹凸構造面30がレーザ加工によって形成されているので、環境に影響を及ぼしやすい有機材料等を用いなくとも凹凸構造面30を形成できる。
また、凸部31の先端面にレーザ加工を施すことで穴311が形成されているので、凹凸構造面30と穴311とを同じ加工方法で形成することができる。したがって、製造効率を高めることが可能である。
また、レーザ加工がアブレーション加工であるので、凸部31及び凹部32の断面形状をシャープにすることが可能である。つまり、凸部31の外周面を滑らかな形状とすることができ、隣り合う一対の凸部31間に進入した液滴Lに対して、凸部31の先端部に向かう力Fをより確実に作用させることができる。この力Fによって液滴Lを凹部32からより確実に抜け出させることができ、高い撥液性が発揮されることになる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、複数の凸部31がマトリクス状に配列された凹凸構造面30を例示した。この実施の形態2では、複数の凸部31が縞状に配列された凹凸構造面30Aを例示する。なお、以降の説明において、上記実施の形態1と同等の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図5は、実施の形態2に係る凹凸構造面30Aを示す平面図である。具体的には、図5は、図2に対応する図である。図5に示すように、各凸部31aと、各凹部32aとは、それぞれ直線状に形成されている。各凸部31aは、長手方向視において、基部よりも先端部が拡大された台形状に形成されている。複数の凸部31aと、複数の凹部32aとは、所定のピッチで繰り返し交互に配列されている。この場合においても、上記の条件を満たせば、凹凸構造面30Aを撥液面とすることが可能である。なお、凹部32aと凸部31aとは、所定のピッチで交互に繰り返し配列されているのであれば、その平面視形状は如何様でもよい。
(実施の形態3)
実施の形態1では凸部31が正四角錐台状である場合を例示した。しかしながら、凸部の外周面は、当該凸部の中心軸から端縁までの距離が、基部から先端部に向けて漸増する形状を有していればよい。実施の形態3では、その一例として、凸部の外周面が凸曲面形状を有する場合を例示する。
図6は、実施の形態3に係る凸部31bの外周面を拡大して示す断面図である。具体的には、図6は図4に対応する図である。図6に示すように、凸部31bの外周面は、外方に向けて突出した凸曲面形状を有している。この場合、図6に示すように、隣り合う一対の凸部31b間に液滴Lが進入すると、凹部32b内においては液滴Lが表面張力によって凹部32bの底面にむけて突出した形状となる。液滴Lには、凸部31bの外周面上において液滴Lの表面の接線に沿う力Fが発生する。
ここで、図6では、凹部32b内への進行度合い毎の液滴Lの表面位置を複数図示している。凹部32b内に最も進行していない表面位置が液滴Lであり、進行度合いが進むにつれて液滴L1、液滴L2としている。図6に示すように凸部31bの外周面が凸曲面形状であるため液滴L、L1、L2が凹部32b内に進めば進むほど、力Fは凸部31bの先端部に向けて傾くように変動する。つまり、液滴L、L1、L2が凹部32bに進入しようとすればするほど、凸部31bの先端部に向けて傾いた力Fが液滴L、L1、L2に作用するので、より凸部31bの先端部に向けて移動しようとする。これにより、液滴L、L1、L2は凹部32bから抜け出やすくなるために、高い撥液性が発揮されることになる。
なお、凸部31bの外周面が球面形状であれば、上述した力Fの変動をより顕著なものとすることができ、好適である。
(実施の形態4)
実施の形態1では、純水静的接触角が120°を超える領域(第一領域30a、第二領域30b)を凹凸構造面30が有している場合を例示した。しかしながら、オレイン酸静的接触角が90°以上となる領域を凹凸構造面30内に設けてもよい。この場合、上記の式(1)において、θを、凹凸構造面30をなす基材そのもののオレイン酸静的接触角とすれば、θ’が、凹凸構造面30自体のオレイン酸静的接触角となる。この式(1)を用いてシミュレーションすることで、オレイン酸静的接触角が90°以上となる凸部31の幅f1と、凹部32の幅f2とが決定される。これにより、凹凸構造面30の微細構造で撥油性(撥液性)が発揮される。この場合においては、塗布材料39を撥油性材料とすれば、凹凸構造面30上では微細構造由来の撥油性と、化学的性質由来の撥油性とが複合的に発揮されるので、凹凸構造面30上での撥油性を高めることができる。
なお、凸部31の幅f1と凹部32の幅f2とのそれぞれの決定値によっては、一つの領域内で、オレイン酸静的接触角が90°以上となるとともに、純水静的接触角が120°以上となる領域を形成することも可能である。この場合、当該一つの領域内で撥水性及び撥油性の両者を発揮することができる。そして、塗布材料39としては、単一で撥水性及び撥油性を有する材料を採用するか、撥水性材料及び撥油性材料を分散させて各穴311に充填すればよい。
(実施の形態5)
また、上記実施の形態では、凸部31の先端面が塗布材料39により全体的に被覆されている場合を例示した。しかしながら、凸部31の先端面の一部のみが、塗布材料39により被覆されていてもよい。図7は、実施の形態5に係る凸部31cの外周面を拡大して示す断面図である。具体的には、図7は図3に対応する図である。図7に示すように、凸部31cの先端面には、穴311を回避して塗布材料39が被覆されている。つまり、塗布材料39は、穴311の周囲に連続的に塗布されている。このように、凸部31cの先端面の一部のみが塗布材料39に被覆されていれば、複数の凸部31と複数の凹部32とがなす微細構造を由来とした撥液性に加えて、塗布材料39の化学的性質を由来とした撥液性をある程度発揮させることができる。
なお、図7に示した形態とは逆に、穴311内に充填された塗布材料39のみが凸部31の先端面を被覆しているものについても、塗布材料39が穴311の周囲に被覆されたものに含んでもよい。
図8は、実施の形態5において穴311内に塗布材料39が充填されていない場合の凸部31及び凹部32を示す模式図である。このとき、凸部31は、円柱状または多角柱状である場合を例示している。穴311内に塗布材料39が充填されていない場合においては、上記の式(1)に変えて、以下の式(2)が適用される。
cosθ’=-1+fSL(Rcosθ+1)・・・(2)
ここで、Rは、凸部31の先端面の表面粗さの程度を示す関数と同義であり、1以上の値である。fSLは、凸部31を構成する固体の表面積の比率である。f1=RSLである。θは、凸部31を構成する固体の純水静的接触角である。
(その他)
以上、本発明に係る樹脂成形体について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態1では、複数の凸部31の全てが穴311及び塗布材料39を有する場合を例示したが、少なくとも1つの凸部31が穴311及び塗布材料39を有していればよい。ただし、一定の撥液性の向上を求めるのであれば、複数の凸部31のうち、半数以上の凸部31が穴311及び塗布材料39を有していることがよい。
また、上記実施の形態1では、各凸部31が逆円錐台状である場合を例示したが、凸部の形状は先端面が平坦状であれば如何様でもよい。凸部のその他の形状としては、逆楕円錐台、逆多角錐台状、円柱状、多角柱状などが挙げられる。
また、上記実施の形態1では、水廻り機器としてシステムキッチン100を例示した。しかしながら、水廻り機器は、液体に濡れうる機器であれば如何様でもよい。その他の水廻り機器としては、例えば、台所、洗面所、トイレ、風呂にて配設される機器が挙げられる。台所に配設される機器としては、例えばキッチンカウンター、レンジフード等が挙げられる。洗面所に配設される機器としては、例えば洗面台、水栓等が挙げられる。トイレに配設される機器としては、例えば便座、便器等が挙げられる。風呂に配設される機器としては、浴室壁、浴室床、浴室天井、浴槽、浴室ドア等が挙げられる。また、水廻り部材は、屋外に設置された状態で液体に濡れうる機器であってもよい。
また、上記各実施の形態では、成形体として樹脂成形体1を例示したが、レーザ加工が可能な素材であれば如何なる素材で成形体を形成してもよい。その他の素材としては、金属、セラミックなどが挙げられる。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 樹脂成形体(成形体)
30、30A 凹凸構造面
30a 第一領域
30b 第二領域
31、31a、31b、31c 凸部
32、32a、32b 凹部
39 塗布材料
100 システムキッチン(水廻り機器)
311 穴
τ ピッチ(所定のピッチ)

Claims (14)

  1. 複数の凹部と複数の凸部とのそれぞれが所定の方向に沿って交互に繰り返し配置され、かつ、平面状に配置されることで撥液性を発揮する凹凸構造面を有し、
    前記凹凸構造面において、少なくとも1つの前記凸部の先端面には、少なくとも1つの穴が形成されており、
    前記穴の周囲には、前記凸部を構成する材料とは種類の異なる塗布材料が塗布されている
    成形体。
  2. 前記穴には、前記塗布材料が充填されている
    請求項1に記載の成形体。
  3. 前記凸部は、基部よりも先端部が拡大された形状を有する
    請求項1または2に記載の成形体。
  4. 前記凸部の外周面は、当該凸部の中心軸から端縁までの距離が、前記基部から前記先端部に向けて漸増する形状を有する
    請求項3に記載の成形体。
  5. 前記凸部の外周面は、凸曲面形状を有する
    請求項4に記載の成形体。
  6. 前記凸部の外周面は、球面形状を有する
    請求項5に記載の成形体。
  7. 前記凹凸構造面は、純水静的接触角が120°を超える
    請求項1~6のいずれか一項に記載の成形体。
  8. 前記凹凸構造面は、オレイン酸静的接触角が90°以上となる
    請求項1~7のいずれか一項に記載の成形体。
  9. 複数の前記凹部と複数の前記凸部とのそれぞれは、前記所定の方向に沿って所定のピッチで交互に繰り返し配列されており、
    前記凹凸構造面内において、前記所定のピッチが互いに異なる領域が複数設けられている
    請求項7または8に記載の成形体。
  10. 前記凹凸構造面内において、前記所定のピッチが互いに異なる領域は、それぞれ純水静的接触角が、5°以上異なる
    請求項9に記載の成形体。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の成形体を製造するための成形体の製造方法であって、
    基材の表面に対してレーザ加工を施すことで前記凹凸構造面を形成する
    成形体の製造方法。
  12. 前記凹凸構造面を形成した後に、前記凸部の先端面にレーザ加工を施すことで前記穴を形成する
    請求項11に記載の成形体の製造方法。
  13. 前記レーザ加工は、パルスレーザによるアブレーション加工である
    請求項11または12に記載の成形体の製造方法。
  14. 請求項1~10のいずれか一項に記載の成形体を備える
    水廻り機器。
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