JP2022026101A - トナー用結着樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下での保存性、定着直後の耐擦過性、及び高温高湿下での耐久性の向上に有効なトナー用結着樹脂組成物及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関すること。【解決手段】非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー用結着樹脂組成物であって、前記非晶質ポリエステル樹脂が、1,4-ブタンジオールを含むアルコール成分と芳香族ジカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物であり、前記結晶性ポリエステル樹脂が1,4-ブタンジオール及び芳香族ジオールを含み、該1,4-ブタンジオールの含有量が60モル%以上95モル%以下であるアルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点が、150℃以上220℃以下である、トナー用結着樹脂組成物、並びにトナー用結着樹脂組成物を含有する、静電荷像現像用トナー。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー用結着樹脂組成物及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関する。
トナーの結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂がトナーの低温定着性向上に有効であることが知られており、非晶質ポリエステル樹脂との併用が検討されている。
特許文献1には、非晶質ポリエステルAと結晶性ポリエステルCを含有するトナー用結着樹脂組成物であって、前記非晶質ポリエステルAが、芳香族ジオール及び炭素数3以上6以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステルであり、前記結晶性ポリエステルCが、炭素数2以上9以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる結晶性ポリエステルである、トナー用結着樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、30モル%以上80モル%以下のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及び20モル%以上70モル%以下の1,4-ブタンジオールを含むアルコール成分と芳香族ジカルボン酸を含むカルボン酸成分との重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂(A)と結晶性ポリエステル樹脂(C)を含有するトナーにより、印刷媒体上に未定着トナー像を形成する工程と、前記未定着トナー像に熱を与えて定着させる定着工程と、を有する画像形成方法が開示されている。
特許文献3には、少なくとも結着樹脂及びワックスを含有するトナーにおいて、前記結着樹脂は、少なくとも、芳香族ジオールを主成分としたアルコール成分からなるポリエステルユニットを有する樹脂A、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸を主成分とした酸成分を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂B及び脂肪族共役ジエン系樹脂Cを含有し、結着樹脂中の前記樹脂Aの含有率a(質量%)が50質量%以上98質量%以下であり、結着樹脂中の前記樹脂Bの含有率と前記樹脂Cの含有率が所定の関係になることを特徴とするトナーが開示されている。
特開2016-90628号公報 特開2019-204062号公報 特開2010-210997公報
非晶質ポリエステル樹脂を結晶性ポリエステル樹脂と併用することで、低温定着性は向上するが、トナーのガラス転移温度の低下により、高温下での保存性、定着直後の耐擦過性、及び高温高湿下での耐久性が低下するため、改善が求められる。
本発明は、高温下での保存性、定着直後の耐擦過性、及び高温高湿下での耐久性の向上に有効なトナー用結着樹脂組成物及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関する。
本発明は、
〔1〕 非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー用結着樹脂組成物であって、
前記非晶質ポリエステル樹脂が、1,4-ブタンジオールを含むアルコール成分と芳香族ジカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂が1,4-ブタンジオール及び芳香族ジオールを含み、該1,4-ブタンジオールの含有量が60モル%以上95モル%以下であるアルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂の融点が、150℃以上220℃以下である、
トナー用結着樹脂組成物、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載のトナー用結着樹脂組成物を含有する、静電荷像現像用トナー
に関する。
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、高温下での保存性、定着直後の耐擦過性、及び高温高湿下での耐久性の向上において優れた効果を奏するものである。
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、1,4-ブタンジオールを用いて非晶質ポリエステル樹脂と融点の高い結晶性ポリエステル樹脂とが併用されている点に大きな特徴を有し、詳細は不明なるも、以下のメカニズムにより本発明の効果が奏されるものと推察される。
本発明においては、前記のように、非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂は、ともに1,4-ブタンジオールが用いられているため、組成が近く、両者の相溶性が高い。また、結晶性ポリエステル樹脂の融点が高いため、溶融時に非晶質ポリエステル樹脂と相溶しても、結晶性構造の一部を維持することができる。そのため、結晶性ポリエステル樹脂の一部が非晶質ポリエステル樹脂と相溶し、非晶部の結晶性が高い状態になる。これにより、熱がかかると結晶化が進むため特に高温下での保存性が向上する。また、ソフトモノマーである1,4-ブタンジオールが用いられているためいずれの樹脂も靭性があって割れにくく、高温下での結晶化が進むことで吸湿性が低減されるため、高温高湿下での耐久性にも優れる。さらに、結晶性ポリエステル樹脂は加熱定着時に非晶質ポリエステル樹脂と相溶するも、速やかに結晶が析出するため、定着直後の耐擦過性に優れる。
なお、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最大ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最大ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。結晶性樹脂は、結晶性指数が0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上であり、そして、1.4以下、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下の樹脂である一方、非晶質樹脂は、結晶性指数が1.4を超える、好ましくは1.5を超える、より好ましくは1.6以上の樹脂であるか、または、0.6未満、好ましくは0.5以下の樹脂である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最大ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を指す。結晶性樹脂においては、吸熱の最大ピーク温度を融点とする。
非晶質ポリエステル樹脂は、1,4-ブタンジオールを含むアルコール成分と芳香族ジカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物である。
1,4-ブタンジオールの含有量は、非晶質ポリエステル樹脂のアルコール成分中、高温高湿下での耐久性の観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは35モル%以上であり、そして、高温下での保存性の観点から、好ましくは60モル%以下、より好ましくは55モル%以下である。
非晶質ポリエステル樹脂のアルコール成分は、さらに、高温下での保存性の観点から、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物又は1,2-プロパンジオールを含有することが好ましい。
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物におけるエチレンオキサイドの平均付加モル数は、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上であり、そして、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物もしくは1,2-プロパンジオールの含有量、又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物と1,2-プロパンジオールが併用されている場合、両者の合計含有量は、1,4-ブタンジオール以外のアルコール成分中、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
1,4-ブタンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、及び1,2-プロパンジオール以外のアルコール成分としては、1,4-ブタンジオール及び1,2-プロパンジオール以外の脂肪族ジオール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物以外の芳香族ジオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸系化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらの酸の無水物及びアルキル基の炭素数が1以上3以下であるアルキルエステル等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸系化合物の含有量は、非晶質ポリエステル樹脂のカルボン酸成分中、高温下の保存性の観点から、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
芳香族ジカルボン酸系化合物以外のカルボン酸成分としては、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸、これらの酸の無水物及び炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸系化合物が、ポリエステル樹脂の分子量及び軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
非晶質ポリエステル樹脂におけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステル樹脂の軟化点を調整する観点から、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.75以上であり、そして、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.15以下である。
非晶質ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中、好ましくはエステル化触媒の存在下、さらに必要に応じて、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、好ましくは130℃以上、より好ましくは170℃以上、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下の温度で重縮合させて製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、錫化合物が好ましい。エステル化触媒の使用量は、原料モノマー100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、原料モノマー100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。重合禁止剤としては、tert-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、原料モノマー100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
なお、本発明において、非晶質ポリエステル樹脂は、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステル樹脂であってもよい。変性されたポリエステル樹脂としては、例えば、特開平11-133668号公報、特開平10-239903号公報、特開平8-20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステル樹脂が挙げられるが、変性されたポリエステル樹脂のなかでは、ポリエステル樹脂をポリイソシアネート化合物でウレタン伸長したウレタン変性ポリエステル樹脂が好ましい。
非晶質ポリエステル樹脂の軟化点は、耐擦過性の観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは95℃以上であり、そして、結晶化を制御する観点から、好ましくは120℃以下、より好ましくは112℃以下、さらに好ましくは108℃以下、さらに好ましくは103℃以下である。
非晶質ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、耐擦過性の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、さらに好ましくは50℃以上であり、そして、結晶化を制御する観点から、好ましくは70℃以下、より好ましくは65℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。
非晶質ポリエステル樹脂の酸価は、結晶化を制御する観点から、好ましくは30mgKOH/g以下、より好ましくは15mgKOH/g以下であり、そして、好ましくは1mgKOH/g以上である。
非晶質ポリエステル樹脂の水酸基価は、結晶性ポリエステル樹脂との相溶性を制御する観点から、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下であり、そして、好ましくは5mgKOH/g以上である。
非晶質ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂組成物中、好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
結晶性ポリエステル樹脂は、1,4-ブタンジオール及び芳香族ジオールを含むアルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物である。
1,4-ブタンジオールの含有量は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分中、高温高湿下の耐久性の観点から、60モル%以上であり、好ましくは70モル%以上、より好ましくは72モル%以上であり、そして、95モル%以下であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは88モル%以下である。
芳香族ジオールとしては、式(I):
Figure 2022026101000001
(式中、OR及びROはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン基及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、そして、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、式(I)中、Rがエチレン基であるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物がより好ましい。
芳香族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分中、定着直後の耐擦過性の観点から、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは12モル%以上であり、そして、好ましくは40モル%以下、より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは28モル%以下である。
1,4-ブタンジオール及び芳香族ジオール以外のアルコール成分としては、1,4-ブタンジオール以外の脂肪族ジオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂のカルボン酸成分は、定着直後の耐擦過性の観点から、芳香族ジカルボン酸系化合物を含有することが好ましい。
芳香族ジカルボン酸系化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらの酸の無水物及びアルキル基の炭素数が1以上3以下であるアルキルエステル等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸系化合物の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂のカルボン酸成分中、高温下での保存性の観点から、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
芳香族ジカルボン酸系化合物以外のカルボン酸成分としては、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸、これらの酸の無水物及び炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸系化合物が、ポリエステル樹脂の分子量及び軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂のカルボン酸成分とアルコール成分の当量比(COOH基/OH基)は、保存性の観点から、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合は、前記非晶質ポリエステル樹脂のアルコール成分とカルボン酸成分の重縮合と同様にして行うことができる。
結晶性ポリエステル樹脂の軟化点は、保存性の観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは160℃以上、さらに好ましくは170℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、さらに好ましくは188℃以下である。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、150℃以上であり、好ましくは160℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは175℃以上であり、そして、220℃以下であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは195℃以下である。結晶性ポリエステル樹脂の融点は、例えば、アルコール成分中の1,4-ブタンジオールの比率により高くすることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂組成物中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは65質量%以下、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の質量比(非晶質ポリエステル樹脂/結晶性ポリエステル樹脂)は、高温下での保存性の観点から、好ましくは35/65以上、より好ましくは45/55以上、さらに好ましくは50/50以上、さらに好ましくは55/45以上、さらに好ましくは60/40以上であり、そして、定着直後の耐擦過性の観点から、好ましくは95/5以下、より好ましくは85/15以下、さらに好ましくは80/20以下である。
結着樹脂組成物には、前記の結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂以外の樹脂が本発明の効果を損なわない範囲で含有されていてもよく、他の樹脂としては、前記の結晶性ポリエステル樹脂及び非晶質ポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、これらの樹脂を2種以上含む複合樹脂等が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂の合計含有量は、結着樹脂組成物中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
さらに、本発明においては、結着樹脂として本発明のトナー用結着樹脂組成物を含むトナー、具体的には、本発明のトナー用結着樹脂組成物及び着色剤を含有する静電荷像現像用トナーを提供する。
本発明の結着樹脂組成物の含有量は、トナー中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%未満、より好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料、磁性体等を使用することができる。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントレッド122、ピグメントグリーンB、ローダミン-Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が挙げられる。なお、本発明において、トナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、トナーの画像濃度及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは40質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
本発明の静電荷像現像用トナーには、結着樹脂組成物及び着色剤以外に、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が含有されていてもよく、離型剤及び荷電制御剤が含有されることが好ましい。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等の炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物;カルナウバワックス、モンタンワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス;脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を用いることができる。
離型剤の融点は、トナーの転写性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは120℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。
離型剤の含有量は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点及び結着樹脂組成物中への分散性の観点から、結着樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは1質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリヱント化学工業(株)製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料;4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリヱント化学工業(株)製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリヱント化学工業(株)製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成工業(株)製)等;スチレン-アクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」、「FCA-201-PS」(藤倉化成(株)製)等が挙げられる。
また、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリヱント化学工業(株)製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業(株)製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット(株)製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「ボントロンE-304」(以上、オリヱント化学工業(株)製)、「TN-105」(保土谷化学工業(株)製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂(結着樹脂組成物)及び着色剤、必要に応じて、離型剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。
なお、トナーの製造においては、非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを予め混合した結着樹脂組成物を用いても、トナーを製造する際にそれらの樹脂を直接原料の混合に供してもよい。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、外添剤を用いることが好ましい。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の樹脂粒子等の有機微粒子が挙げられ、2種以上が併用されていてもよい。これらの中では、シリカが好ましく、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであることがより好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
外添剤の平均粒子径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上であり、そして、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは90nm以下である。
外添剤の含有量は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、外添剤で処理する前のトナー100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、そして、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して用いられる二成分現像用トナーとして、それぞれ一成分現像方式又は二成分現像方式の画像形成装置に用いることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定することができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最大ピーク温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、室温(20℃)から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した試料をそのままの温度で1分間維持する。その後、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温しながら吸熱ピークを測定する。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、室温(20℃)から昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に、試料を昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価及び水酸基価〕
JIS K0070:1992の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070:1992に規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計「DSC Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最大ピーク温度をワックスの融点とする。
〔外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの数平均値とする。
〔トナーの体積中位粒径〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター(株)製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマン・コールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマン・コールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1
表1、2に示すアルコール成分、カルボン酸成分、及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃から230℃まで8時間かけて昇温を行った。その後230℃で、20kPaにて表1、2に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル樹脂(樹脂A1)又は結晶性ポリエステル樹脂(樹脂C1~C3)を得た。
樹脂製造例2
表1に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃から230℃まで8時間かけて昇温を行った。その後、無水トリメリット酸を添加し、220℃、20kPaにて表1に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル樹脂(樹脂A2~A4)を得た。
Figure 2022026101000002
Figure 2022026101000003
実施例1~7及び比較例1、2
表3に示す結着樹脂(結着樹脂組成物)100質量部、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー)5質量部、荷電制御剤「LR-147」(日本カーリット社製)1質量部、及び離型剤「HNP-9」(日本精蝋(株)製、パラフィンワックス、融点:75℃)2質量部を、ヘンシェルミキサーでよく攪拌した後、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。ロールの回転速度は200r/min、ロール内の加熱設定温度は90℃であり、混練物の温度は140℃、混練物の供給速度は10kg/h、平均滞留時間は約18秒であった。得られた混練物を140℃から50℃まで1.5時間で冷却し、50℃で、冷却ローラーで圧延冷却した後、45℃で4時間静置後、ジェットミルで体積中位粒径(D50)5.5μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対し、外添剤として、「アエロジル R-972」(疎水性シリカ、日本アエロジル社製、平均粒子径:16nm)1.5質量部及び「RY-50」(疎水性シリカ、日本アエロジル社製、平均粒子径:40nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで3600r/min、5分間混合することにより、外添剤処理を行い、トナーを得た。
試験例1〔高温下での保存性〕
トナー4gを、温度60℃、相対湿度45%の環境下で72時間放置した。放置後、トナー凝集の発生程度を目視にて観察し、以下の評価基準に従って、保存性を評価した。結果を表3に示す。
〔評価基準〕
A:48時間後及び72時間後も凝集は全く認められない。
B:48時間後で凝集は認められないが72時間後ではわずかに凝集が認められる。
C:48時間後で凝集は認められないが72時間後では明らかに凝集が認められる。
試験例2〔高温高湿下での耐久性〕
レーザプリンタ「ページプレスト N-4」(カシオ計算機(株)製、定着:接触定着方式、現像:非磁性一成分現像方式、現像ロール径:2.3cm)にトナーを実装し、温度55℃、相対湿度80%の条件下にて黒化率5.5%の斜めストライプのパターンを連続して印刷した。途中、500枚ごとに黒ベタ画像を印字し、画像上のスジを確認した。画像上にスジが目視にて観察された時点の印刷枚数を、現像ロールにトナーが融着・固着したことによりスジが発生した枚数として、耐久性を評価した。結果を表3に示す。印刷枚数が多いほど、トナーの耐久性に優れており、その枚数は、3,000枚以上が好ましく、5,000枚以上がより好ましく、6,000枚以上がさらに好ましい。
試験例3〔耐擦過性〕
評価紙として「Business4200」(秤量105g/m2、ゼロックス社製)を用い、トナーの載り量を0.50mg/cm2としたベタ画像を140℃に温調した定着器に通して定着させた。得られた定着画像を速やかにカナキン3号で2kg荷重(接触面積900mm2)をかけて100往復擦った。
擦過前後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、下記式から、画像濃度の低下率(%)を算出し、定着画像の耐擦過性を評価した。結果を表3に示す。画像濃度の低下率が低いほど耐擦過性に優れており、低下率は、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。
画像濃度の低下率(%)=(1-(擦り後の反射濃度/擦り前の反射濃度))×100
Figure 2022026101000004
以上の結果より、結晶性ポリエステル樹脂を用いていない比較例1及び結晶性ポリエステル樹脂が1,4-ブタンジオールを用いていない比較例2と対比して、実施例1~7のトナーは、高温下での保存性、耐擦過性、及び高温高湿下での耐久性のいずれも良好であることが分かる。
なかでも、実施例1と実施例5の対比から、結晶性ポリエステル樹脂の融点を高くすることが好ましいこと、実施例1と実施例6、7の対比から、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分において、1,4-ブタンジオールと併用するアルコールとしてはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が好ましいことが、それぞれ分かる。
本発明のトナー用結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーは、静電荷像現像法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (6)

  1. 非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー用結着樹脂組成物であって、
    前記非晶質ポリエステル樹脂が、1,4-ブタンジオールを含むアルコール成分と芳香族ジカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物であり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂が1,4-ブタンジオール及び芳香族ジオールを含み、該1,4-ブタンジオールの含有量が60モル%以上95モル%以下であるアルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂の融点が、150℃以上220℃以下である、
    トナー用結着樹脂組成物。
  2. 非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の質量比(非晶質ポリエステル樹脂/結晶性ポリエステル樹脂)が、35/65以上95/5以下である、請求項1記載のトナー用結着樹脂組成物。
  3. 非晶質ポリエステル樹脂のアルコール成分中の1,4-ブタンジオールの含有量が10モル%以上60モル%以下である、請求項1又は2記載のトナー用結着樹脂組成物。
  4. 結晶性ポリエステル樹脂の融点が、170℃以上200℃以下である、請求項1~3いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
  5. 非晶質ポリエステル樹脂のアルコール成分が、さらに、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物又は1,2-プロパンジオールを、1,4-ブタンジオール以外のアルコール成分中80モル%以上含む、請求項1~4いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
  6. 請求項1~5いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物を含有する、静電荷像現像用トナー。
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