JP2022098008A - トナー用結着樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性及び耐ホットオフセット性に優れたトナー用結着樹脂組成物、及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関すること。【解決手段】ポリエステル系樹脂が炭化水素系ワックスを含有するトナー用結着樹脂組成物であって、条件1:130℃における損失弾性率〔G’’(130)〕が10,000Pa以下、条件2:190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕が1,200Pa以上、及び条件3:150℃における貯蔵弾性率〔G’(150)〕と190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕の比(G’(150)/G’(190))が4.0以下を充足する、トナー用結着樹脂組成物、並びに結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂が前記トナー用結着樹脂組成物を含有する、静電荷像現像用トナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられるトナー用結着樹脂組成物、及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関する。
近年、電子写真印刷の高速化及び省エネ化に伴い、低温定着性と分離性に優れたトナーがより一層必要とされている。この要求を満たすために、優れた粘弾性を有するトナーや、シャープメルト性と分離性を兼ね備える結晶性材料を多く含むトナーが開発されている。
特許文献1には、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を構成単位として有し、(x)が、芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれるジカルボン酸(x1)を80モル%以上含有し、かつ3価以上のポリカルボン酸(x2)をも含有し、(y)が、1,2-プロピレングリコール(y1)を70モル%以上含有する、150℃における貯蔵弾性率〔G’(150)〕が1500Pa以上であり、〔G’(150)〕および180℃における貯蔵弾性率〔G’(180)〕が特定の式を満たすポリエステル樹脂(A)と、特定の結晶性樹脂(B)、並びに必要により非結晶性線形ポリエステル樹脂(C)を含有するトナーバインダーが記載されており、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立(定着温度幅)に優れ、且つ保存安定性にも優れるトナーバインダーであることが記載されている。
特許文献2には、水性媒体中で、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分と多価カルボン酸成分とを重縮合して得られるポリエステル樹脂(a)からなるセグメント、及びスチレン系化合物由来の構成単位を含有するビニル系樹脂セグメント、を含む複合樹脂を含有する樹脂粒子(X)を凝集させて、凝集粒子(1)を得る工程(1)、得られた凝集粒子(1)に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分と多価カルボン酸成分とを重縮合して得られるポリエステル樹脂(b)を含有する樹脂粒子(Y)を凝集させて、凝集粒子(2)を得る工程(2)、及び得られた凝集粒子(2)を融着させる工程(3)を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法が記載されている。当該製造方法により、低温定着性及び耐熱保存性に優れるトナーを得ることが可能と記載されている。
特開2013-228724号公報 特開2016-14872号公報
従来、トナーの耐ホットオフセット性を向上させる目的で、高温でのトナーの貯蔵弾性率を高くしたり、加熱時の貯蔵弾性率の変化率を小さくするといった粘弾性の制御が行われている。このように高弾性化することで耐ホットオフセット性は向上するが、トナー製造時において、低粘度のワックスとの粘度差が大きくなることで混練性が悪化し、ワックスの分散性が低下するため、低温定着性が悪化するという課題がある。
例えば、特許文献1に開示されているトナーは、耐ホットオフセット性を向上させるために高弾性の結着樹脂を用いるため、ワックスの分散性の面で課題があり、未だ低温定着性が十分とは言えない。
また、特許文献2では、ワックスが多く配合されているが、ワックスを多く含有したトナーは、低温定着性の面では有利であるが、一方で高温時に弾性を維持することができず耐ホットオフセット性が悪化するという課題を有している。
本発明は、低温定着性及び耐ホットオフセット性に優れたトナー用結着樹脂組成物、及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関する。
本発明は、
〔1〕 ポリエステル系樹脂が炭化水素系ワックスを含有するトナー用結着樹脂組成物であって、
条件1:130℃における損失弾性率〔G’’(130)〕が10,000Pa以下、
条件2:190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕が1,200Pa以上、及び
条件3:150℃における貯蔵弾性率〔G’(150)〕と190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕の比(G’(150)/G’(190))が4.0以下
を充足する、トナー用結着樹脂組成物、並びに
〔2〕 結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂が前記〔1〕記載のトナー用結着樹脂組成物を含有する、静電荷像現像用トナー
に関する。
本発明の結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーは、低温定着性及び耐ホットオフセット性のいずれもが良好であるという優れた効果を奏するものである。
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、炭化水素系ワックスを含有するポリエステル系樹脂であり、後述の条件1~条件3を充足している、即ち130℃での損失弾性率G’’と190℃での貯蔵弾性率G’、さらに、150℃から190℃までの貯蔵弾性率の変化率が所定の範囲に制御されている点に大きな特徴を有している。本発明の効果が奏される理由は定かではないが、以下のように推察される。
本発明では、耐ホットオフセット性の指標となる貯蔵弾性率G’に着目し、ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂組成物の190℃での貯蔵弾性率G’(190)を1200Pa以上に、さらに150℃から190℃までの貯蔵弾性率の変化率(G’(150)/G’(190))を4.0以下に制御したことで、結着樹脂組成物の耐ホットオフセット性が向上した。一般的には、ポリエステル系樹脂の貯蔵弾性率が高くなると、トナー製造時において、低粘度であるワックスとの粘度差が大きくなるため混練性が悪化し、ワックスが分散できず低温定着性が悪化するが、本発明では、炭化水素系ワックスをポリエステル系樹脂中に含有させることで、ワックスをポリエステル樹脂と混合した場合に比べて、炭化水素系ワックスを高分散させることができ、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立できたものと推察される。
また、本発明では、ポリエステル系樹脂の130℃における損失弾性率G’’を10000Pa以下に制御することで、さらに低温定着性が向上した。損失弾性率は粘性の指標として有効であり、トナーの定着温度付近である130℃におけるG’’の値は低温定着性能と相関があると考えている。さらに、130℃はトナー原料の溶融混練時の温度にも近いため、130℃におけるG’’の値は溶融工程での物性に相当する。130℃におけるG’’を10000Pa以下に制御することでトナー製造時におけるワックスとの粘度差が縮まり、ワックス分散性がさらに良化したことも本発明の低温定着性の向上に寄与するものと考えられる。
<条件1:130℃における損失弾性率〔G’’(130)〕が10,000Pa以下>
130℃における損失弾性率〔G’’(130)〕は、好ましくは9,000Pa以下、より好ましくは8,000Pa以下であり、そして、好ましくは1,000Pa以上、より好ましくは2,000Pa以上、さらに好ましくは3,000Pa以上である。
樹脂組成物の損失弾性率は、炭化水素成分の割合等により調整することができる。例えば、樹脂組成物に炭化水素系ワックス等の炭化水素系添加剤を含有させたり、樹脂の原料モノマーに脂肪族ジオール等を用いて、炭化水素鎖を導入したりして、樹脂組成物中の炭化水素成分を多くすることで、樹脂組成物の損失弾性率を低くすることできる。
<条件2:190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕が1200Pa以上>
190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕は、好ましくは1,500Pa以上、より好ましくは1,800Pa以上、さらに好ましくは2,000Pa以上であり、そして、好ましくは10,000Pa以下、より好ましくは8,000Pa以下、さらに好ましくは7,500Pa以下、さらに好ましくは5,000Pa以下である。
190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕は、樹脂組成物を製造する際に、架橋反応の進行を調整する方法等により、調整することができる。例えば、樹脂の原料モノマーとして架橋剤として作用する無水トリメリット酸を使用し、さらに、スチレンアクリル部位があることで、架橋剤部位が増加するため、樹脂組成物の貯蔵弾性率を高くすることができる。樹脂の組成以外では、架橋反応時の反応温度・時間等の条件により、架橋反応を促進して、貯蔵弾性率を高くすることもできる。
<条件3:150℃における貯蔵弾性率〔G’(150)〕と190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕の比(G’(150)/G’(190))が4.0以下>
G’(150)/G’(190)は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.0以下であり、そして、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.5以上である。
G’(150)/G’(190)は、樹脂中の架橋密度等により調整することができる。例えば、ポリエステル樹脂とスチレン系樹脂とを複合化することで、架橋前の分子量分布を広げることができ、その分子量分布の広い複合樹脂を架橋することで、ゲル分の架橋密度が低くなる。架橋密度が低くなることで、低温(150℃)ではある程度軟らかくなり、高温(190℃)でも硬さを維持することができ、G’(150)/G’(190)を小さくすることができる。樹脂の組成以外では、スチレン系樹脂の共重合条件(ラジカル発生量、スチレン系樹脂の原料モノマーの滴下速度等)、複合化に際しての温度や重縮合反応と付加重合反応の順序等により、架橋密度を低くすることができる。
本発明の結着樹脂組成物において、超高分子量成分であるゲル分は、高温でも高弾性を有するため、ゲル分が多いほど、条件2(G’(190))が大きくなるとともに、条件3(G’(150)/G’(190))が小さくなる。一方で、条件1(G’’(130))は大きくなるため、ゲル分量のバランスをとることが好ましい。これらの観点から、本発明の結着樹脂組成物において、メチルエチルケトンに溶解させた際のメチルエチルケトン不溶分(質量%)から、炭化水素系ワックスの含有量(質量%)を差し引いた値は、耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、そして、低温定着性の観点から、40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
ポリエステル系樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分とからなる原料モノマーを重縮合して得られるポリエステル樹脂を含むことが好ましい。
アルコール成分としては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、グリセリン等の3価以上のアルコール等が挙げられ、これらの中では、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物がより好ましい。
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物は、式(I):
Figure 2022098008000001
(式中、x及びyはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、5以下、好ましくは4以下である)
で表される化合物が好ましい。
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、低温定着性の観点から、好ましくは60モル%以上であり、そして、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。
また、耐ホットオフセット性の観点から、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
アルコール成分は、低温定着性を向上させる観点から、さらに、1,4-ブタンジオールを含有していることが好ましい。
1,4-ブタンジオールの含有量は、定着性と保存性を両立させる観点から、アルコール成分中、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは15モル%以上であり、そして、好ましくは40モル%以下、より好ましくは35モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。
カルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸系化合物、脂肪族ジカルボン酸系化合物、3価以上のカルボン酸系化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、保存性の観点から、芳香族ジカルボン酸系化合物を含有していることがより好ましい。
芳香族ジカルボン酸系化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらの酸の無水物及びアルキル基の炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸又はイソフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸系化合物の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下、さらに好ましくは85モル%以下である。
脂肪族ジカルボン酸系化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、炭素数1~20の炭化水素基で置換されていてもよいコハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、これらの酸の無水物及びアルキル基の炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸系化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、これらの酸の無水物及びアルキル基の炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられ、これらの中では、トリメリット酸系化合物が好ましい。
3価以上のカルボン酸系化合物の含有量は、耐久性の観点から、カルボン酸成分中、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上であり、そして、低温定着性の観点から、カルボン酸成分中、好ましくは60モル%以下、より好ましくは40モル%以下である。
アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸系化合物が、適宜含有されていてもよい。
ポリエステル樹脂におけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステル樹脂の軟化点を調整する観点から、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.75以上であり、そして、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.15以下である。
ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中、好ましくはエステル化触媒の存在下、さらに必要に応じて、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、好ましくは130℃以上、より好ましくは170℃以上、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下の温度で重縮合させて得られる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、錫化合物が好ましい。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。重合禁止剤としては、tert-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
本発明におけるポリエステル系樹脂は、前記ポリエステル樹脂とスチレン系樹脂が結合した複合樹脂であることが好ましい。
スチレン系樹脂は、スチレン化合物を含む原料モノマーを付加重合させて得られる。
スチレン系樹脂は、少なくとも、スチレン、又はα-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体(以下、スチレンとスチレン誘導体をまとめて「スチレン化合物」という)を含む原料モノマーの付加重合物である。
スチレン化合物、好ましくはスチレンの含有量は、スチレン系樹脂の原料モノマー中、低温定着性及び保存性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、そして、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは93質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
また、スチレン系樹脂は、原料モノマーとしてアルキル基の炭素数が7以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含んでもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸(イソ)オクチル、(メタ)アクリル酸(イソ)デシル、(メタ)アクリル酸(イソ)ステアリル等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。なお、本明細書において、「(イソ)」は、この基が存在している場合とそうでない場合の双方を含むことを意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸、メタクリル酸、又はその両者を示す。
スチレン系樹脂の原料モノマーとしての(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の炭素数は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは7以上、より好ましくは8以上であり、そして、好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。なお、該アルキルエステルの炭素数は、エステルを構成するアルコール成分由来の炭素数をいう。
スチレン系樹脂の原料モノマーには、スチレン化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の原料モノマー、例えば、エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸エステル;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N-ビニルピロリドン等のN-ビニル化合物類等が含まれていてもよい。
スチレン系樹脂の原料モノマーの付加重合反応は、例えば、ジクミルパーオキサイド等の重合開始剤、重合禁止剤、架橋剤等の存在下、有機溶媒存在下又は無溶媒下で、常法により行うことができるが、温度条件としては、好ましくは110℃以上、より好ましくは140℃以上であり、そして、好ましくは200℃以下、より好ましくは170℃以下である。
付加重合反応の際に有機溶媒を使用する場合、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等を用いることができる。有機溶媒の使用量は、スチレン系樹脂の原料モノマー100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下が好ましい。
複合樹脂におけるポリエステル樹脂とスチレン系樹脂の質量比(ポリエステル樹脂/スチレン系樹脂)は、低温定着性の観点から、好ましくは60/40以上、より好ましくは70/30以上、さらに好ましくは80/20以上であり、そして、粉砕性の観点から、好ましくは98/2以下、より好ましくは95/5以下、さらに好ましくは90/10以下である。なお、上記の計算において、ポリエステル樹脂の質量は、用いられるポリエステル樹脂の原料モノマーの質量から、重縮合反応により脱水される反応水の量(計算値)を除いた量であり、両反応性モノマーの量は、ポリエステル樹脂の原料モノマー量に含める。また、スチレン系樹脂の量は、スチレン系樹脂の原料モノマーと重合開始剤の合計量である。
複合樹脂は、ポリエステル樹脂の原料モノマーとスチレン系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性モノマーを介して共有結合により化学的に結合した樹脂であることがより好ましい。
両反応性モノマーは、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基及び/又はカルボキシ基、より好ましくはカルボキシ基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種がより好ましく、重縮合反応及び付加重合反応の反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種がさらに好ましい。但し、重合禁止剤と共に用いた場合は、フマル酸等のエチレン性不飽和結合を有する多価カルボン酸系化合物は、ポリエステル樹脂の原料モノマーとして機能する。この場合、フマル酸等は両反応性モノマーではなく、ポリエステル樹脂の原料モノマーである。
両反応性モノマーの使用量は、低温定着性の観点から、ポリエステル樹脂のアルコール成分の合計100モルに対して、好ましくは1モル以上、より好ましくは2モル以上であり、そして、スチレン系樹脂とポリエステル樹脂との分散性を高め、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは30モル以下、より好ましくは20モル以下、さらに好ましくは10モル以下である。
また、両反応性モノマーの使用量は、低温定着性の観点から、スチレン系樹脂の原料モノマーの合計100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、そして、スチレン系樹脂とポリエステル樹脂との分散性を高め、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。ここで、スチレン系樹脂の原料モノマーの合計に重合開始剤は含める。
本発明の結着樹脂組成物は、炭化水素系ワックスが、ポリエステル系樹脂に内添された樹脂であることが好ましい。従って、結着樹脂組成物は、ポリエステル樹脂の原料モノマーの重縮合反応を炭化水素系ワックスの存在下で行って得られるポリエステル樹脂、又はポリエステル樹脂の原料モノマーの重縮合反応及び/又はスチレン系樹脂の原料モノマーの付加重合反応を炭化水素系ワックスの存在下で行って得られる複合樹脂であることが好ましい。
炭化水素系ワックスとしては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられ、これらの中では、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックスが好ましく、フィッシャートロプシュワックスがより好ましい。
炭化水素系ワックスは、ポリエステル樹脂の原料モノマーと反応する官能基を有していないことが好ましい。
炭化水素系ワックスの融点は、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上、さらに好ましくは90℃以上、さらに好ましくは95℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下、さらに好ましくは115℃以下である。
炭化水素系ワックスの含有量は、結着樹脂組成物中、耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7.5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、そして、低温定着性及び耐久性の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは14質量%以下である。
ポリエステル系樹脂が複合樹脂である場合、具体的には、以下の方法により製造することが好ましく、ポリエステル樹脂の原料モノマーの重縮合反応を炭化水素系ワックスの存在下で行うことが好ましい。両反応性モノマーを用いる場合、両反応性モノマーは、トナーの耐久性を向上させる観点、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、スチレン系樹脂の原料モノマーとともに付加重合反応に用いることが好ましい。
(i) 炭化水素系ワックスの存在下でのポリエステル樹脂の原料モノマーによる重縮合反応の工程(A)の後に、スチレン系樹脂の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)を行う方法
この方法では、ポリエステル樹脂の原料モノマーとともに炭化水素系ワックスを投入し、重縮合反応に適した反応温度条件下で工程(A)を行い、反応温度を低下させ、付加重合反応に適した温度条件下で工程(B)を行う。スチレン系樹脂の原料モノマー及び両反応性モノマーは、付加重合反応に適した温度で反応系内に添加することが好ましい。両反応性モノマーは付加重合反応をすると共にポリエステル樹脂とも反応する。
工程(B)の後に、再度反応温度を上昇させ、必要に応じて架橋剤となる3価以上のポリエステル樹脂の原料モノマー等を重合系に添加し、工程(A)の重縮合反応や両反応性モノマーとの反応をさらに進めることができる。
(ii) スチレン系樹脂の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)の後に、炭化水素系ワックスの存在下でポリエステル樹脂の原料モノマーによる重縮合反応の工程(A)を行う方法
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(B)を行い、反応温度を上昇させ、重縮合反応に適した温度条件下で、炭化水素系ワックスを添加し、工程(A)の重縮合反応を行う。両反応性モノマーは付加重合反応と共に重縮合反応にも関与する。
ポリエステル樹脂の原料モノマー及び炭化水素系ワックスは、付加重合反応時に反応系内に存在してもよく、重縮合反応に適した温度条件下で反応系内に添加してもよい。前者の場合は、重縮合反応に適した温度でエステル化触媒を添加することで重縮合反応の進行を調節できる。
(iii) ポリエステル樹脂の原料モノマーによる重縮合反応の工程(A)とスチレン系樹脂の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)とを、炭化水素系ワックスの存在下で並行して進行する条件で反応を行う方法
この方法では、ポリエステル樹脂の原料モノマーとスチレン系樹脂の原料モノマーとともに炭化水素系ワックスを投入し、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(A)と工程(B)とを並行して行い、反応温度を上昇させ、重縮合反応に適した温度条件下で、必要に応じて架橋剤となる3価以上のポリエステル樹脂の原料モノマーを重合系に添加し、工程(A)の重縮合反応をさらに行うことが好ましい。その際、重縮合反応に適した温度条件下では、重合禁止剤を添加して重縮合反応だけを進めることもできる。両反応性モノマーは付加重合反応と共に重縮合反応にも関与する。
上記(iii)の方法において、工程(A)と工程(B)を並行して進行する条件で反応を行う際には、ポリエステル樹脂の原料モノマーを含有した混合物中に、スチレン系樹脂の原料モノマーを含有した混合物を滴下して反応させることもできる。
上記(i)~(iii)の方法は、同一容器内で行うことが好ましい。
上記(i)~(iii)の方法のなかでは、複合樹脂中の架橋密度を低くする観点から、(ii)の方法が好ましい。
本発明の結着樹脂組成物の軟化点は、耐久性及び耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは110℃以上、さらに好ましくは115℃以上であり、そして、粉砕製造性及び低温定着性の観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下である。
本発明の結着樹脂組成物のガラス転移温度は、保存性の観点から、好ましくは45℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは55℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは70℃以下、より好ましくは65℃以下である。
さらに、結着樹脂及び着色剤を含有し、結着樹脂が本発明の結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)を提供する。
本発明の結着樹脂組成物の含有量は、結着樹脂中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
結着樹脂は、本発明の結着樹脂組成物以外の樹脂を含有していてもよく、他の樹脂としては、例えば、低温定着性の観点から、本発明の結着樹脂組成物よりも軟化点が低いポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂P)等が挙げられる。
本発明の結着樹脂組成物とポリエステル樹脂Pの軟化点の差は、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは15℃以上であり、そして、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは35℃以下、さらに好ましくは30℃以下である。
また、ポリエステル樹脂Pの軟化点は、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上、さらに好ましくは90℃以上、さらに好ましくは95℃以上であり、そして、好ましくは120℃以下、より好ましくは115℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。
ポリエステル樹脂Pのアルコール成分としては、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、グリセリン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
ポリエステル樹脂Pのカルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、炭素数1~20の炭化水素基で置換されていてもよいコハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸、これらの酸の無水物及び炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。
ポリエステル樹脂Pは、アルコール成分とカルボン酸成分を、エステル触媒等の存在下で、常法により重縮合させて得られる。
ポリエステル樹脂Pのガラス転移温度は、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、さらに好ましくは50℃以上であり、そして、好ましくは70℃以下、より好ましくは65℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。
結着樹脂がポリエステル樹脂Pを含有する場合、ポリエステル樹脂Pと本発明の結着樹脂組成物との質量比(ポリエステル樹脂P/結着樹脂組成物)は、好ましくは20/80以上、より好ましくは30/70以上であり、そして、好ましくは80/20以下、より好ましくは70/30以下、さらに好ましくは60/40以下である。
また、結着樹脂の含有量は、トナー中、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%未満、より好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。
なお、結着樹脂が2種以上の樹脂を含有する場合、それらの樹脂の混合物を結着樹脂として用いてもよく、トナーを製造する際に、それらの樹脂を直接原料の混合に供してもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン-Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、トナーの画像濃度及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは40質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂及び着色剤以外に、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を含有していてもよい。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス又はそれらの酸化物;カルナウバワックス、モンタンワックス又はそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス;脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を用いることができる。
離型剤は、すでに結着樹脂組成物にワックスが含まれているため、含有していないか、含有する場合は、本発明の効果を損なわない程度に少量であることが好ましい。離型剤を含有する場合、その含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」、「ボントロンN-79」(以上、オリヱント化学工業(株)製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリヱント化学工業(株)製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリヱント化学工業(株)製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成工業(株)製)等;スチレン-アクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」(藤倉化成(株)製)等が挙げられる。
また、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリヱント化学工業(株)製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業(株)製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット(株)製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「ボントロンE-304」(以上、オリヱント化学工業(株)製)、「TN-105」(保土谷化学工業(株)製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
トナーの製造方法としては、溶融混練法、乳化転相法、重合法、乳化凝集法等の方法が知られているが、本発明のトナーは、結着樹脂の粘弾性を制御しているため、溶融混練法により製造することで、本発明の効果が顕著に発揮される。従って、本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤を含む原料の溶融混練物を粉砕する工程を含む方法により得られた粉砕トナーであることが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーは、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、外添剤を用いることが好ましい。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の樹脂粒子等の有機微粒子が挙げられ、2種以上が併用されていてもよい。これらの中では、シリカが好ましく、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであることがより好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
外添剤の平均粒子径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上であり、そして、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下、さらに好ましくは90nm以下である。
外添剤の含有量は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、外添剤で処理する前のトナー100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、そして、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定することができる。
〔樹脂の損失弾性率(G’’)及び貯蔵弾性率(G’)〕
粘弾性測定装置(レオメーター)「MCR-302」(Anton Paar社製)を用いて、せん断歪:0.05%、周波数:1Hzにて測定する。
直径25mmのパラレルプレートを100℃に加熱/放置し、試料2.0gを30MPaで加圧することで得た直径20mm、厚さ5mmのペレットを100℃でパラレルプレートにのせ、8mmのパラレルプレートで上から挟んだ後、40℃まで降温し、その後190℃まで5℃/minで昇温し、130℃における損失弾性率(G’’)、150℃及び190℃における貯蔵弾性率(G’)を求める。
〔樹脂のメチルエチルケトン(MEK)不溶分〕
(1) 試料の調製
JIS Z8801の篩を用いて、22メッシュの篩を通過し、30メッシュの篩は通過しない粉末状の試料を採取する。試料が塊等の場合は、市販のハンマー、コーヒーミルを用いて、粉砕し、粉末状として篩いにかける。
(2) 試料の溶解
2-1. 試料2.000gを、ガラス瓶(柏洋硝子(株)製、M-140)に秤量した後、MEK 95gを加え、内蓋及び外蓋を取り付ける。
2-2. ボールミルにて5時間攪拌する(周速:200mm/sec)。
2-3. 10時間静置する。
(3) 濾過
3-1. 予め計量済み(1000分の1g単位)のナスフラスコ(質量A(g))に取り付けたガラスフィルタ(目開き規格11G-3)を準備する。ガラスフィルタのシールには、減圧が可能なゴム栓を用いる。
3-2. 2-3において10時間静置した溶解液の上澄みから20mLをメスピペッドで吸い取り、3-1で準備したガラスフィルタを用いて、減圧濾過する。なお、液面から下2cmまでを上澄みとする。溶解液を濾過する前のナスフラスコ内の減圧度を40kPaに調整する。
3-3. 未使用のメチルエチルケトン(MEK)20mLをメスピペッドで吸い取り、ガラスフィルタに付着している可溶分を減圧濾過する。
(4) 乾燥
4-1. エバポレータにてナスフラスコ内のMEKを除去する。
ウォーターバス温度:70℃
ナスフラスコ回転数:200r/min
MEK除去中のナスフラスコ内の減圧度:40~20kPaに調整
時間:10分
4-2. 50℃・1torrにて12時間乾燥した後、ナスフラスコの質量B(g)を計量する。
(5) ゲル分の算出
5-1. MEK 20mLに溶解したMEK可溶分X(g)を算出する。
X=B-A
5-2. MEK 95gに溶解したMEK可溶分Y(g)を、MEKの比重を0.805として算出する。
Y=X×95/(20×0.805)
5-3. 試料1gあたりの可溶分Z(質量%)を算出する。
Z=Y/2×100
5-4. MEK不溶分(質量%)=100-Z
なお、MEK不溶分(質量%)は、3回の測定値の平均値とする。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔ワックスの融点〕
示差走査熱量計「DSC Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最大ピーク温度をワックスの融点とする。
〔外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの数平均値とする。
〔トナーの体積中位粒径〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター(株)製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマン・コールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマン・コールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1
表1、2に示す、無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及び炭化水素系ワックスを、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、160℃まで昇温を行い、表1、2に示すスチレン系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー及び重合開始剤の混合溶液を1時間かけて滴下した。その後、30分間160℃に保持して付加重合させた後、200℃まで1時間かけて昇温し、さらに8kPaの減圧下で1時間反応させた。その後、235℃まで30分かけて昇温を行い、235℃にて5時間重縮合後、8kPaの減圧下で1時間反応させた。その後、220℃に冷却し、表1、2に示す無水トリメリット酸を加えて1時間反応させた後、8kPaで架橋反応を所定の軟化点に達するまで行い、炭化水素系ワックス含有複合樹脂(樹脂A~F)を得た。
樹脂製造例2
製造例1において、炭化水素系ワックスを添加しなかったこと以外は、樹脂組成物の製造例1と同様にして、複合樹脂(樹脂G)を得た。
樹脂製造例3
表2に示す、無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及び炭化水素系ワックスを、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで2時間かけて昇温を行い、235℃にて5時間重縮合後、8kPaの減圧下で1時間反応させた。その後、220℃に冷却し、表2に示す無水トリメリット酸を加えて1時間反応させた後、8kPaで架橋反応を所定の軟化点に達するまで行い、炭化水素系ワックス含有ポリエステル樹脂(樹脂H)を得た
樹脂製造例4
表2に示す、無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで2時間かけて昇温を行い、235℃にて5時間重縮合後、8kPaの減圧下で1時間反応させた。その後、220℃に冷却し、表2に示す無水トリメリット酸を加えて1時間反応させた後、8kPaで架橋反応を所定の軟化点に達するまで行い、ポリエステル樹脂(樹脂I)を得た。
樹脂製造例5
表3に示す、ポリエステル樹脂の原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで2時間かけて昇温を行った。その後、235℃にて6時間重縮合後、8kPaの減圧下で所定の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステル樹脂(樹脂J)を得た。
樹脂製造例6
表3に示す、フマル酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで2時間かけて昇温を行った。その後、235℃にて3時間重縮合後、8kPaの減圧下で1時間反応させた。その後、190℃に冷却し、フマル酸及び重合禁止剤を入れ、190℃で所定の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステル樹脂(樹脂K)を得た。
Figure 2022098008000002
Figure 2022098008000003
Figure 2022098008000004
使用した炭化水素系ワックスの詳細は以下の通り。
FNP-0090:日本精蝋社製、フィッシャートロプシュワックス、融点(mp) 90℃
H-105:サゾール社製、フィッシャートロプシュワックス、融点(mp) 105℃
実施例1~7及び比較例2
表4に示す結着樹脂100質量部、正帯電性荷電制御剤「ボントロン N-79」(オリヱント化学工業(株)製)2.0質量部、及び着色剤「Regal 330R」(キャボット社製、カーボンブラック)6.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで十分に予備混合した後、同方向回転二軸押出し機を用い、ロール回転速度200r/min(周速度0.3m/min)、ロール内の加熱温度100℃で溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却、粗粉砕した後、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。スクリューの回転速度は200r/min(周速度0.3m/min)、ロール内の加熱設定温度は100℃であり、混練物の温度は140℃、混練物の供給速度は10kg/h、平均滞留時間は約18秒であった。
混練物を冷却後、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)を用いて1mm程度に粗粉砕した。得られた粗粉砕物を衝突板式ジェットミル粉砕機IDS-2型(日本ニューマチック社製)にて、供給量を4.0kg/hで微粉砕を行い、目的の体積中位粒径(D50)を6.5μmに設定して、粉砕圧を調整してトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ「NAX-50」(日本アエロジル(株)製、疎水化処理剤:HMDS、平均粒子径:30nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
比較例1及び3
実施例1において、予備混合時に炭化水素系ワックスとして「H-105」(サゾールワックス社製)7.0質量部を添加した以外は、実施例1と同様に行い、トナーを得た。
試験例1〔低温定着性〕
未定着画像を取れるように改造したプリンター「HL-2040」(ブラザー工業(株)製)にトナーを充填し、2cm角のベタ画像の未定着画像を印刷した。「OKI MICROLINE 3010」(沖データ(株)製)を改造した外部定着装置を使用して、定着ロールの回転速度100mm/secにて、定着ロールの温度を100℃から190℃まで5℃ずつ上昇させながら、各温度でこの未定着画像の定着処理を行い、定着画像を得た。各定着温度で得られた画像にメンディングテープ(住友スリーエム(株)製)を付着させた後、500gの円筒上の重石を載せることにより、十分にテープを定着画像に付着させた。その後、ゆっくりとメンディングテープを定着画像より剥がした。剥がす前後の画像濃度を画像濃度測定器「GRETAG SPM50」(GRETAG社製)を用いて測定し、擦り前後の画像濃度比率([擦り後の画像濃度/擦り前の画像濃度]×100)が最初に90%を超える温度を最低定着温度とし、低温定着性の指標とした。値が小さいほど低温定着性に優れる。結果を表4に示す。
試験例2〔耐ホットオフセット性〕
未定着画像を取れるように改造したプリンター「HL-2040」(ブラザー工業(株)製)にトナーを充填し、2cm角のベタ画像の未定着画像を印刷した。「OKI MICROLINE 3010」(沖データ(株)製)を改造した外部定着装置を使用して、定着ロールの回転速度100mm/secにて、定着ロールの温度を100℃から190℃まで5℃ずつ上昇させながら、各温度でこの未定着画像の定着処理を行い、定着画像を得た。各温度でベタ画像出しを行った後、続けて定着ロールに白紙を通過させ、該白紙にトナー汚れが生じた温度を高温オフセット発生温度とし、汚れが生じる前の温度を耐ホットオフセット性とした。値が大きいほど耐ホットオフセット性に優れる。結果を表4に示す。
Figure 2022098008000005
以上の結果より、実施例1~7のトナーは、低温定着性及び耐ホットオフセット性のいずれもが良好であることが分かる。
これに対して、複合樹脂が炭化水素系ワックスを含有していない比較例1では、複合樹脂の130℃における損失弾性率が高く、低温定着性と耐ホットオフセットのいずれもが不十分である。複合樹脂ではなく、炭化水素系ワックスを含有したポリエステル樹脂を含有した比較例2では、ポリエステル樹脂の190℃における貯蔵弾性率が低く、150℃から190℃までの貯蔵弾性率の変化率が高く、耐ホットオフセット性に欠けている。また、炭化水素系ワックスを含有していないポリエステル樹脂を含有した比較例3では、複合樹脂の130℃における損失弾性率が高く、150℃から190℃までの貯蔵弾性率の変化率が高く、低温定着性に欠けている。
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、静電荷像現像法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられる静電荷像現像用トナーに好適に用いられるものである。

Claims (7)

  1. ポリエステル系樹脂が炭化水素系ワックスを含有するトナー用結着樹脂組成物であって、
    条件1:130℃における損失弾性率〔G’’(130)〕が10,000Pa以下、
    条件2:190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕が1,200Pa以上、及び
    条件3:150℃における貯蔵弾性率〔G’(150)〕と190℃における貯蔵弾性率〔G’(190)〕の比(G’(150)/G’(190))が4.0以下
    を充足する、トナー用結着樹脂組成物。
  2. ポリエステル系樹脂のアルコール成分が、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を60モル%以上含む、請求項1記載のトナー用結着樹脂組成物。
  3. ポリエステル系樹脂が、ポリエステル樹脂とスチレン系樹脂が結合した複合樹脂である、請求項1又は2記載のトナー用結着樹脂組成物。
  4. 炭化水素系ワックスがポリエステル系樹脂に内添された樹脂である、請求項1~3いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
  5. 軟化点が90℃以上150℃以下である、請求項1~4いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
  6. メチルエチルケトンに溶解させた際のメチルエチルケトン不溶分(質量%)から、炭化水素系ワックスの含有量(質量%)を差し引いた値が15質量%以上40質量%以下である、請求項1~5いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
  7. 結着樹脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂が請求項1~6いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物を含有する、静電荷像現像用トナー。
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