JP2022025573A - 閾値マトリクスの生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録動作時に機械的誤差などが発生しても、高画質な画像を記録することが可能な閾値マトリクスの生成方法を提供する。【解決手段】第1閾値マトリクスを用いて多値の階調値を量子化した結果に従って記録される第1ドットパターンと、第2閾値マトリクスを用いて多値の階調値を量子化した結果に従って記録される第2ドットパターンとを、記録媒体に重ねて記録する。閾値マトリクスを生成するために、第1、第2閾値マトリクスに対応する画素領域について、第1階調値に対応するドットパターンである第1初期パターンと、前記第1階調値よりも低い第2階調値に対応するドットパターンである第2初期パターンとを生成する。その上で、第1階調値と第2階調値の間の階調値において、第1初期パターン及び第2初期パターンとの間で連続性を有するドットパターンが得られるように、第1閾値マトリクスと第2閾値マトリクスの閾値を設定する。【選択図】図18

Description

本発明は、量子化処理で使用するための閾値マトリクスの生成方法に関する。
多階調の画像を疑似階調表現するための量子化法としては誤差拡散法やディザ法が知られている。特に、予め記憶されている閾値と画像データの画素値とを比較してドットの記録または非記録を決定するディザ法は、誤差拡散法に比べて処理負荷が軽く、高速な画像処理が必要とされるプリンタや色数が多いプリンタなどに有用されている。
一方、ディザ法では、閾値マトリクスに設定された閾値の配列によって記録媒体でのドットの配置が決まるため、記録媒体においては、閾値マトリクス特有の粒状性やテクスチャが課題となる場合がある。
特許文献1には、視覚的に好ましいとされるブルーノイズ特性を有する閾値マトリクスを用いた量子化方法が開示されている。
特許文献2では、粒状性が目立ち易い低階調領域では周期的な閾値マトリクスを用いて量子化処理を行い、色再現性が重視される中階調、高階調領域では非周期的な閾値マトリクスを用いて量子化処理を行う方法が開示されている。
特許文献3には、連続しない複数の階調レベルをピックアップし、夫々について好ましいドットパターンを決定し、これらの補間によって他の階調レベルのドットパターンを決定するという手順で閾値を設定するディザパターンの生成方法が開示されている。互いに所定の間隔を空けた複数の階調レベルをピックアップし、夫々にたいして独立して最適化を行ってドットパターンを決定し、その後、補間によって残りの階調レベルのドットパターンを決定する。
特開平7-177351号公報 特開2002-16802号公報 特開2003-46777号公報
しかしながら、量子化処理を行ったデータ上のドット配置が好適な分散性を有していたとしても、記録媒体に記録されるドットの配置においては、記録動作時の機械的誤差などの影響を受けて、ドットの分布が変化し粒状感や濃度ムラが発生する場合がある。
例えば、シリアル型のインクジェット記録装置で双方向のマルチパス記録を行う場合は、往路走査と復路走査の間で記録位置ずれが発生すると、ずれ量に応じて画像のドットの分布が変化し、粒状性や濃度ムラが目立ってしまう場合がある。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものである。よってその目的とするところは、記録動作時に機械的誤差などが発生しても、高画質な画像を記録することが可能な閾値マトリクスの生成方法を提供することである。
そのために本発明は、第1閾値マトリクスを用いて多値の階調値を量子化した結果に従って記録される第1ドットパターンと、第2閾値マトリクスを用いて多値の階調値を量子化した結果に従って記録される第2ドットパターンとを、記録媒体に重ねて記録することにより前記記録媒体に画像を記録するための画像処理装置で使用される、前記第1閾値マトリクスと前記第2閾値マトリクスの生成方法であって、前記第1閾値マトリクスに対応する画素領域及び前記第2閾値マトリクスに対応する画素領域のそれぞれについて、第1階調値に対応するドットパターンである第1初期パターンと、前記第1階調値よりも低い第2階調値に対応するドットパターンである第2初期パターンとを生成するドットパターン生成工程と、前記第1階調値と前記第2階調値の間の階調値において、前記第1初期パターン及び前記第2初期パターンとの間で連続性を有するドットパターンが得られるように、前記第1初期パターンと前記第2初期パターンに基づいて、前記第1閾値マトリクスと前記第2閾値マトリクスの前記画素領域に閾値を設定する閾値設定工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、記録動作時に機械的誤差などが発生しても、高画質な画像を記録することが可能となる。
インクジェット記録装置における記録部の概要を示す斜視図。 記録ヘッドをノズル面から観察した概略図。 インクジェット記録システムの制御の構成を説明するためのブロック図。 主制御部が実行する処理を説明するためフローチャート。 量子化処理を実現するための機能ブロック図。 ドット配置パターンとインデックスパターンを示す図。 双方向の2パスマルチパス記録を説明するための模式図。 従来のマルチパス記録と本発明のマルチパス記録を比較する図。 記録ヘッドの駆動方法を説明するための図。 インデックス展開処理と時分割駆動に基づくドットの記録位置を示す図。 インデックス展開処理と時分割駆動を行った場合と行わない場合の比較図。 ブルーノイズ特性および人間の視覚特性(VTF)を示す図。 ロバストパターンの一例を示す図。 ロバストパターンの一例を示す図。 並進対称再現周期未満のズレの影響を説明するための図。 ロバストパターンの別例を示す図。 閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャート。 第1実施形態の閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャート。 変形例の閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャート。 階調値Iと画像の粒状性の関係を示す図。 第3実施形態の閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャート。 第4実施形態の閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャート。 第4実施形態の閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャート。
(第1の実施形態)
<記録システムの概要>
図1は、本実施形態で適用可能なシリアル型のインクジェット記録装置2(以下、単に記録装置とも言う)における記録部の概要を示す斜視図である。記録部に給送された記録媒体Pは、搬送経路上に配置された搬送ローラ101とこれに従動するピンチローラ102とのニップ部によって、搬送ローラ101の回転に伴い、-Y方向(副走査方向)に搬送される。
プラテン103は、インクジェット形態の記録ヘッドHのノズルが形成された面(ノズル面)と対向する記録位置に設けられ、記録媒体Pの裏面を下方から支持することで、記録媒体Pの表面と記録ヘッドHのノズル面との距離を一定に維持する。
プラテン103上で記録が行われた領域の記録媒体Pは、排出ローラ105とこれに従動する拍車106とにニップされながら、排出ローラ105の回転に伴って-Y方向に搬送され、排紙トレイ107に排出される。
記録ヘッドHは、そのノズル面をプラテン103ないし記録媒体Pに対向させた姿勢で、キャリッジ108に着脱可能に搭載されている。キャリッジ108は、キャリッジモータ(不図示)の駆動力により2本のガイドレール109及び110に沿ってX方向に往復移動され、その移動の過程で記録ヘッドHは吐出信号に応じた吐出動作を実行する。
キャリッジ108が移動する±X方向は、記録媒体Pが搬送される-Y方向と交差する方向であり、主走査方向と呼ぶ。これに対し、記録媒体搬送の-Y方向は副走査方向と呼ぶ。キャリッジ108及び記録ヘッドHの主走査(吐出を伴う移動)と、記録媒体Pの搬送(副走査)とを交互に繰り返すことにより、記録媒体Pに、段階的に画像が形成される。
図2は、記録ヘッドHをノズル面から観察した場合の概略図である。本実施形態において、ノズル面には、シアンインクを吐出するノズル列201、マゼンタインクを吐出するノズル列202、イエローインクを吐出するノズル列203、ブラックインクを吐出するノズル列204が、X方向に並列している。夫々のノズル列においては、同色のインクを吐出するノズルが、1200dpi(ドット/インチ)のピッチでY方向に128個ずつ配置されている。
個々のノズルには、エネルギ発生素子となるヒータ(不図示)が配されている。記録データに従って、これらヒータに電圧パルスが印加されることにより、個々のノズルからインクが滴として吐出される。
図3は、本実施形態に適用可能なインクジェット記録システムの制御の構成を説明するためのブロック図である。本実施形態におけるインクジェット記録システムは、図1で説明したインクジェット記録装置2と、画像処理装置1とを含む。画像処理装置1は、例えばPCとすることができる。
画像処理装置1は、記録装置2で記録可能な画像データを生成する。画像処理装置1において、主制御部308は、CPU、ROM、RAM、ASIC等から構成され、画像処理装置1における画像の作成や、作成した画像を記録装置2で記録する場合の画像処理等を行う。画像処理装置I/F309は、記録装置2との間でデータ信号の授受を行う。表示部310は、ユーザに対し様々な情報を表示し、例えばLCDなどを適用することができる。操作部314は、ユーザが操作を行うための操作部であり、例えばキーボードやマウスを適用することができる。システムバス312は、主制御部308と各機能とを結ぶ。I/F信号線313は、画像処理装置1と記録装置2を接続する。I/F信号線313の種類としては、例えばセントロニクス社の仕様のものを適用することができる
記録装置2において、コントローラ301は、CPU、ROM、RAMなどによって構成され、記録装置2全体を制御する。記録バッファ302は、記録ヘッドHに転送する前の画像データを、ラスタデータとして格納する。インクジェット方式の記録ヘッドHは、記録バッファ302に格納された画像データに従って、各ノズルからインクを吐出する。
給排紙モータ制御部304は、不図示の搬送モータを駆動し、記録媒体Pの搬送や給排紙を制御する。キャリッジモータ制御部300は、不図示のキャリッジモータを駆動し、キャリッジ108(図1参照)の往復走査を制御する。データバッファ306は、画像処理装置1から受信した画像データを一時的に格納する。システムバス307は、記録装置2の各機能を接続する。
<画像処理について>
図4は、任意の画像を記録装置2で記録する際に、画像処理装置1の主制御部308が実行する処理を説明するためフローチャートである。本処理は、任意の画像の記録コマンドを、ユーザが入力することによって開始される。
本処理が開始されると、主制御部308は、まずステップS401において色補正処理を行う。本実施形態において、アプリケーション等で生成された画像データは、600dpiで配列する各画素が、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)それぞれについて8bit256階調の輝度値を有するものとする。色補正処理において、主制御部308は、このような各画素のRGBデータを、記録装置2に固有な色空間で表現されるR´B´G´データに変換する。具体的な変換方法としては、例えば、予めメモリに格納されたルックアップテーブルを参照することによって行うことができる。
ステップS402において、主制御部308は、R´G´B´データに対して色分解処理を行う。具体的には、予めメモリに格納されているルックアップテーブルを参照し、各画素の輝度値R´G´B´を、記録装置2が使用するインク色に対応する、8bit256階調の濃度値CMYKに変換する。
ステップS403において、主制御部308は、8bit256階調のCMYKデータに対して分割処理を行い、往路走査用の濃度データC1、M1、Y1、K1と、復路走査用の濃度データC2、M2、Y2、K2を生成する。この際、主制御部308は、CMYKデータが示す各色の濃度値を、ほぼ均等に2分割すればよい。
ステップS404-1及びステップS404-2以降の処理は、各インク色について同じ処理が並行して行われる。ここでは簡単のためシアンデータ(C1,C2)についてのみ説明する。
ステップS404-1、S404-2において、主制御部308は、濃度値C1,C2のそれぞれに対し階調補正処理を行う。階調補正処理とは、入力された濃度値と記録媒体Pで表現される光学濃度が線形関係を有するようにするための補正である。通常は予め用意された1次元のルックアップテーブルを参照することにより行う。ステップS404-1、S404-2の階調補正処理により、8ビット256階調の濃度値C1,C2は、同じく8ビット256階調のC1´C2´に変換される。
ステップS405-1、S405-2において、主制御部308は、多値データC1´,C2´のそれぞれに対し所定の量子化処理を行い、往路走査の量子化データC1″及び復路走査用の量子化データC2″を生成する。量子化データC1″は、往路走査について各画素の記録(1)又は非記録(0)を示す1ビット2値データである。量子化データC2″は、復路走査について各画素の記録(1)又は非記録(0)を示す1ビット2値データである。
図5は、ステップS405-1、S405-2で実行される量子化処理を実現するための機能ブロック図である。図5に示す各ブロックは、図3で説明した画像処理装置1の主制御部308によって実現される。
画像入力部501は、階調補正処理が行われた後の256階調の階調データ、C1´C2´M1´M2´Y1´Y2´K1´K2´のそれぞれを、個別に用意されたディザコア502に送信する。図5では、C1´のためのディザコア502の構成を示しているが、他の階調データについても同様のディザコア502が用意されている。
メモリ503には、階調データ、C1´C2´M1´M2´Y1´Y2´K1´K2´のそれぞれに対応する複数の閾値マトリクス504が予め記憶されている。閾値マトリクス504は、個々の画素の画素位置に対応付けて閾値を記憶するものであり、以下では閾値マトリクス504とも称する。これら閾値マトリクス504は、コンピュータを使って生成し予めメモリ503に格納しておくことができる。閾値マトリクス504の生成方法については後に詳しく説明する。
閾値取得部505は、C1´に対応する閾値マトリクス504を参照し、ディザコア502が受信したC1´の画素位置に対応する閾値Thを閾値マトリクス504から取得して、量子化処理部506に提供する。量子化処理部506は、画像入力部501から入力された処理対象画素の階調値C1´と閾値取得部505から提供された閾値Thとを比較して、処理対象画素についてドットの記録(1)又は非記録(0)を決定する。量子化結果出力部507は、量子化処理部506が決定した記録(1)又は非記録(0)の情報を、処理対象画素の量子化データC1″として出力する。
図4の説明に戻る。ステップS406-1、S406-2において、主制御部308は、インデックス展開処理を行う。本実施形態のインデックス展開処理では、予め用意したインデックスパターンを用い、600×600dpiの2値データC1″及びC2″を、1200×1200dpiの2値データC1p、C2pに変換する。即ち、1×1画素の領域が、2×2画素の領域に分割され、分割後の画素のそれぞれについてドットの記録(1)又は非記録(0)が設定される。
図6(a)及び(b)は、ステップS406-1、S406-2のインデックス展開処理で使用されるドット配置パターンとインデックスパターンを示す図である。図6(a)は、ドット配置パターンを示す図である。600×600dpiの1画素領域は、1200×1200dpiの4画素に対応付けられる。600×600dpiの1画素の量子化データC1″、C2″が「0」即ちドットの非記録を示す場合、1200×1200dpiのいずれの画素にもドットは配置されない。600×600dpiの量子化データC1″、C2″が「1」である場合、本実施形態では、ドットが配置される画素が互いに異なる、パターンA、パターンB、パターンC、及びパターンDを用意する。
図6(b)は、インデックスパターンの一例を示す図である。インデックスパターンにおいて、各四角は、600×600dpiの1画素領域に対応する。各画素には、パターンA~Dのいずれのパターンでドットを配置するかが定められている。本実施形態では、ステップS406―1のインデックス展開処理と、ステップS406―2のインデックス展開処理とで異なるインデックスパターンを用いる。即ち、本実施形態では、ステップS406―1のインデックス展開処理で用いる第1インデックスパターンと、ステップS406―2のインデックス展開処理で用いる第2インデックスパターンとが用意される。
図4の説明に戻る。ステップS406-1、S406-2のインデックス展開処理で生成された、1200×1200dpiの往路走査用の2値データC1p、M1p、Y1p、K1p及び、復路走査用の2値データC2p、M2p、Y2p、K2pは、記録装置2に送信される。記録装置2のコントローラ301は、受信した2値データに従って、所定のマルチパス記録を行う。
なお、図4のフローチャートでは、色分解処理と階調補正処理の間で、往路走査用と復路走査用にデータを分割するための分割処理を行ったが、分割処理は階調補正処理の後に行ってもよい。この場合、階調補正処理において、往路走査用の1次元のルックアップテーブルと復路走査用の1次元ルックアップテーブルを予め用意し、階調補正処理と分割処理とを同時に行ってもよい。
図7は、記録装置2において、コントローラ301の制御の下で実行される、双方向の2パスマルチパス記録を説明するための模式図である。ここでは、説明を簡単にするため、記録ヘッドHに配列する複数のノズル列のうち、シアンノズル列201(図2参照)のみを示している。
2パスのマルチパス記録を行う場合、シアンノズル列201に含まれる128個のノズルは、第1分割領域と第2分割領域に分割される。
第1記録走査において、コントローラ301は、記録ヘッドHを往路方向である+X方向に移動させながら、第1分割領域を用いて2値データC1″に従った吐出動作を行う。その後、コントローラ301は、記録媒体を64画素分だけ-Y方向に搬送する。図7では便宜上、ノズル列201を+Y方向に移動させることで、各分割領域と記録媒体の相対的な位置関係を示している。
第2記録走査において、コントローラ301は、記録ヘッドHを第1記録走査とは反対の復路方向に移動させながら、第1分割領域と第2分割領域を用いて2値データC2″に従った吐出動作を行う。その後、コントローラ301は、記録媒体を64画素分だけ-Y方向に搬送する。
第3記録走査において、コントローラ301は、記録ヘッドHを往路方向に移動させながら、第1分割領域と第2分割領域を用いて2値データC1pに従った吐出動作を行う。その後、コントローラ301は、記録媒体を64画素分だけ-Y方向に搬送する。
以後、第2記録走査のような復路走査と、第3記録走査のような往路走査とを、64画素分の搬送動作を介在させながら繰り返し行う。これにより、記録媒体の各単位領域には、往路走査によって記録された2値データC1pに従うドットパターンと、復路走査によって記録された2値データC2pに従うドットパターンとが重ねて記録されることになる。本実施形態では、往路走査によって記録された2値データC1pに従うドットパターンを第1ドットパターン、復路走査によって記録された2値データC2pに従うドットパターンを第2ドットパターンと呼ぶ。
図8(a)および(b)は、従来の一般的なマルチパス記録によって記録される画像と、本実施形態のマルチパス記録によって記録される画像を比較する図である。ここでは、説明を簡単にするため、600dpiの6画素×6画素で構成される画像領域の各画素に、一様に階調値C´=16が入力された場合を示している。また、図4で説明した画像処理のうち、階調補正処理とインデックス展開処理は省略し示している。
図8(a)は、従来の一般的なマルチパス記録によって記録される画像を示す。従来の画像処理の場合、1つの閾値マトリクス71が用意され、各画素において階調値C=16と閾値Thが比較される。そして、Th≦16となる閾値Thが設定されている画素はドットの記録(C″=1)が設定され、Th>16となる閾値Thが設定されている画素はドットの非記録(C″=0)が設定される。量子化パターン72は、このような量子化の結果を示している。量子化パターン72において、ドットの記録が設定された画素は斜線で示している。
従来の一般的な2パスのマルチパス記録を行う場合、このような量子化データは互いに補完の関係にある不図示のマスクパターンを用いて、第1パターン73と第2パターン74に分配される。そしてこのように生成された第1パターン73と第2パターン74は、記録媒体の同じ領域に異なる記録走査によって記録される。2パスのマルチパス記録が双方向記録で行われる場合、第1パターン73と第2パターン74は、異なる方向の記録走査で記録されることになる。2つの記録走査で記録されるドット配置は互いに排他の関係にあり、記録媒体の同じ位置に記録されることはない。
一方、図8(b)は、本実施形態のマルチパス記録によって記録される画像を示す。本実施形態において、階調値C´=16は、ステップS403の分割処理によって2つの階調値C1´=8、C2´=8に分割され、C1´が第1閾値マトリクス75の閾値と比較され、C2´が第2閾値マトリクスの閾値と比較される(図4参照)。
第1閾値マトリクス75及び第2閾値マトリクス76において、Th≦8となる閾値Thが設定されている画素はドットの記録(C1″=1、C2″=1)が設定される。また、Th>16となる閾値Thが設定されている画素はドットの非記録(C1″=0、C2″=0)が設定される。量子化パターン77、78は、このような第1閾値マトリクス75及び第2閾値マトリクス76を用いた量子化の結果をそれぞれ示している。
合成パターン79は、量子化パターン77と量子化パターン78をデータ上で合成したパターンである。量子化パターン77と量子化パターン78は、合成パターン79のように、記録媒体の同じ領域に異なる記録走査によって重ねて記録される。ここで、量子化パターン77と量子化パターン78において、ドット配置は互いに排他の関係にない。このため、合成パターン79において、C1″=C2″=1となる画素、即ち記録媒体において、2つのドットが重ねて記録される画素が発生している。
図9は、記録ヘッドHの駆動方法を説明するための図である。本実施形態では、同一のノズル列に配列する128個のノズルを4個のブロックに分け、ヒータに電圧パルスを印加するタイミングを各ブロックでシフトさせる時分割駆動を行う。以下、詳しく説明する。
ノズル列201において、全128ノズルは、連続する4ノズルを1つのセクションとする32のセクションに分割される。各セクションに含まれるノズルは、-Y方向1番目のノズルから、ブロック1、ブロック2、ブロック3、ブロック4と4つのブロックに振り分けられる。
タイミングチャート901は、各ノズルの駆動タイミングを示す。図中、横軸は時間を示し、縦軸は個々のノズルに配されたヒータに印加される電圧を示す。各セクションにおいては、1200dpiの1画素に対応する期間を4分割した中で、1ブロック、2ブロック、3ブロック、4ブロック・・の順序でノズルが駆動される。即ち、同一のブロックに含まれる32個のノズルは、同時に駆動される。各ノズルの駆動タイミングが吐出タイミングに反映されるため、記録媒体に向けて進行中のインク滴は、吐出状態902のようになる。
このような駆動制御の下、キャリッジ108(図1参照)を+X方向に移動させると、記録媒体にはドットパターン903が形成される。キャリッジ108をX方向に移動しながらの吐出であるため、ドットは駆動順に応じてX方向にずれて配置され、記録媒体には、X方向に対し傾きを有する斜め線が、Y方向に繰り返し配置される。言い換えると、記録媒体においては、1200dpiの1画素を更に4分割した4800dpiの記録解像度でドットが記録されることになる。
一方、上記駆動制御の下、キャリッジ108を-X方向に移動させると、記録媒体にはドットパターン904が形成される。往路走査のドットパターン903と比較すると、斜め線の傾き方向が左右に反転している。
以上説明した時分割駆動を行うことにより、同時に駆動するノズルの数を減らし電源容量を抑えることができる。その一方で、ドットパターン903、904のように、1200dpiの1画素領域内において、ドットの記録位置にわずかなばらつきが生じる。
<入力解像度と記録解像度の関係>
図10(a)~(c)は、インデックス展開処理および時分割駆動に基づくドットの記録位置を説明するための図である。図10(a)は、図4のステップS405-1で量子化処理を行った結果の画像データを示す図である。ここでは、600dpiの4×4画素領域に含まれる全ての画素について、量子化処理後の量子化値(C1″)が一様に1(記録)である場合を示している。
図10(b)は、図10(a)の画像データに対し、図4のステップS406-1でインデックス展開処理を行った結果の画像データを示す。図10(a)に示す画像データは、図6(a)および(b)に示すドット配置パターン及びインデックスパターンに従って、1200dpiの個々の画素について記録(1)または非記録(0)が定められた画像データに変換される。
図10(c)は、図10(b)の画像データに基づいて、本実施形態の時分割駆動を往路走査で行った場合の、記録媒体におけるドット記録位置を示す。時分割駆動されることにより、1200dpiの1画素領域はX方向において、4800dpi相当の幅を持つ4つの領域に分割され、これら4つの領域のうちのいずれか1つの領域でドットが記録される。図中、斜線で示した領域は、時分割駆動に従ってドットを記録する領域、白で示した領域はドットを記録しない領域をそれぞれ示している。
図11(a)および(b)は、本実施形態のインデックス展開処理および時分割駆動を行った場合のドット配置を、上記処理を行わなかった場合のドット配置と比較する図である。図11(a)において、ドット配置1は、本実施形態のインデックス展開処理および時分割駆動を行わなかった場合、すなわちステップS405-1で量子化処理を行った結果に基づいて、そのまま600dpiで記録した場合のドット配置を示している。量子化処理によって記録(1)と定められた600dpiの1画素領域のそれぞれにおいて、その中央にドットが配置されている。一方、ドット配置2は、本実施形態のインデックス展開処理および時分割駆動を行った場合のドット配置を示している。図10(c)で斜線が付された領域に対してドットが配置されている。これら2つの図を比較すると、本実施形態のインデックス展開処理および時分割駆動を行ったドット配置2は、行わなかったドット配置1に比べて、ドットの分散状態が崩れているのがわかる。
図11(b)は、本実施形態のインデックス展開処理および時分割駆動を行った場合と、行わなかった場合の、それぞれで得られるドット配置の周波数特性を示す。図中、実線は、インデックス展開処理および時分割駆動を行った場合の周波数特性を示し、破線は行わなかった場合の周波数特性を示している。
ここで、ドットの周波数特性と人間の視覚特性の関係について簡単に説明する。人間にとって、視覚的に好ましい状態でドットが配置する空間周波数の特性として、ブルーノイズ特性が知られている。図12(a)および(b)は、ブルーノイズ特性および明視距離250mmにおける人間の視覚特性(VTF)を示す図である。両図において、横軸は周波数(cycles/mm)であり、グラフの左に行くほど低周波、右に行くほど高周波であることを示している。一方、縦軸はそれぞれの周波数に対応する強度(パワー)を示している。
図12(a)を参照すると、ブルーノイズ特性には、低周波成分が抑えられていること、急激な立ち上がりを持っていること、高周波成分が平らであること、などの特徴がある。一方、図12(b)に示す人間の視覚特性(VTF)では、低周波領域に高い感度を持ち、高周波領域の感度は低い。すなわち、低周波成分は目につきやすいが、高周波成分は目につきにくい。ブルーノイズ特性は、このような視覚特性を踏まえたものであり、視覚特性において、感度の高い(目に見えやすい)低周波領域のパワーを抑え、感度の低い(目に見えにくい)高周波領域にパワーを持つようになっている。
再度図11(b)を参照する。インデックス展開処理および時分割駆動を行わなかった場合のドット分布を示す色変動を抑制することができる。破線は、低周波成分が抑えられている、急激な立ち上がりを持っている、高周波成分が平らである、という上記ブルーノイズの特徴を有していると言える。これに対しインデックス展開処理および時分割駆動を行った場合のドット分布を示す実線は、上記特徴が若干崩れている。具体的には、破線に比べ、低周波成分のパワーが増加し、立ち上がりが緩やかになっている。その結果、図12(b)に示す人間の視覚特性(VTF)において、感度の高い低周波領域の粒状性が目立つようになり、画像の一様性が損なわれる印象となる。
すなわち、従来の様に分散性に優れた閾値マトリクスを用いて量子化処理を行ったとしても、インデックス展開処理及び時分割駆動を行った場合には、閾値マトリクスが有するドットの分散性が損なわれ、画像の粒状性を目立たせてしまう場合がある。
加えて、図11(a)では、往路走査で記録されるドットパターンを示したが、復路走査においても、往路走査とは異なるドットパターンが往路走査のドットパターンに重ねて記録される。そして、往路走査と復路走査との間でドットの記録位置ずれが発生すると、これらの重ね合わせにおいては、ドットの分散性が更に損なわれたり、ドット被覆面積の変動に伴って濃度が変化してしまったりする。
以上のことに鑑み、本実施形態では、インデックス展開処理及び時分割駆動を行い、更に往路走査と復路走査との間でドットの記録位置ずれが発生した場合であっても、ドット被覆面積やドット分散性の変動が抑えられたドットパターンが記録されるようにする。以下、記録走査間でドットの記録位置ずれが発生した場合であっても、ドット被覆面積やドット分散性が変動し難いという特徴を、本明細書ではロバスト性と呼ぶ。またこのようなロバスト性を有するドットパターンを、ロバストパターンと呼ぶ。
<ロバストパターンの一例>
図13は、本実施形態で採用するロバストパターンの一例を示す。第1ドットパターン1301は、図4に示す画像処理の下、2値データC1pに従って往路走査で記録されるドットパターンである。第2ドットパターン1302は、図4に示す画像処理の下、2値データC2pに従って復路走査で記録されるドットパターンである。合成ドットパターン1303は、第1ドットパターン1301と第2ドットパターン1302とを合成したドットパターンである。各パターンにおいて、破線は、1200dpiの直交格子を示し、各ドットは直径25μmである。
本例において、第1ドットパターン1301と第2ドットパターン1302は、任意のドットの位置から他のドットの位置を2つの基底ベクトルで指定できる格子パターンである。この際、第1ドットパターン1301で定義される基底ベクトルと、第2ドットパターン1302で定義される基底ベクトルは互いに異なっている。本例において、第2ドットパターン1302は、第1ドットパターン1301を時計回り方向に90度回転させた配列となっている。
合成ドットパターン1303においては、第1ドットパターン1301に含まれる第1ドットと、第2ドットパターンに含まれる第2ドットとが、重畳して構成される重畳ドット1305が出現している。また、第1ドットと第2ドットが部分的に重畳して構成される近接ドット1306も出現し、更にこのような近接ドットには、近接ドットを構成する第1ドットと第2ドットの近接方向が異なるものが存在している。例えば、近接ドット1306は第1ドットと第2ドットとがX方向に近接しているが、近接ドット1307は第1ドットと第2ドットとがY方向に近接している。その上で、近接ドットを構成する第1ドットと第2ドットとは、基底ベクトルで定義される格子間距離よりも小さな距離をおいて配置されている。
Xずれドットパターン1304は、合成ドットパターン1303に対し、第2ドットパターン1302を1200dpiの1画素分(21μm)だけ+X方向にずらしたパターンである。合成ドットパターン1303における重畳ドット1305は、左右に分離して近接ドット1309に変化している。一方、合成ドットパターン1303における近接ドット1306は、互いに結合して重畳ドット1310となっている。
図14は、図13の合成ドットパターン1303と、Xずれドットパターン1304において、それぞれの重畳ドット1305、1310の中心を通る直線を基準線として示した図である。合成ドットパターン1303においても、Xずれドットパターン1304においても、基準線で囲まれた領域のドットパターンは等しく、この繰り返しパターン1401が縦横に敷き詰められて構成されていることがわかる。
すなわち、合成ドットパターン1303とXずれドットパターン1304は、繰り返しパターン1401の現れる位置は異なるものの、同一の繰り返しパターン1401が縦横に敷き詰められた、実質的に同じドットパターンと言える。そしてこの場合、Xずれドットパターン1304において、第2ドットパターン1302を更に1画素分+X方向にずらしても、上記と同様、繰り返しパターン1401が現れる位置が異なる、実質的に同じドットパターンが再現される。
ここで、合成ドットパターン1303において、任意の重畳ドット1305に着目すると、その周囲における、第1ドットと第2ドットの配置は、その重畳ドット1305に対し点対称な関係にあることがわかる。例えば、図中、左側の第1ドットと右側の第2ドットで構成される近接ドット1306の、重畳ドット1305に対し点対称な位置には、左側の第2ドットと右側の第1ドットで構成される近接ドット1308が配されている。また、上側の第1ドットと下側の第2ドットで構成される近接ドット1307の、重畳ドット1305に対し点対称な位置には、上側の第2ドットと下側の第1ドットで構成される近接ドット1309が配されている。
即ち、第1ドットパターン1301と第2ドットパターン1302とが、いずれの方向に1画素ずれたとしても、分離した重畳ドットの周りでは新たな重畳ドットが生成され、その重畳ドットを基準とした繰り返しパターン1401が形成される。
以下、このように、第1ドットパターン1301と第2ドットパターン1302とがXY方向に相対的にずれたとしても、同一の繰り返しパターン1401が異なる位相で配置したパターンが得られるような特性を「並進対称性」と呼ぶ。そして、「並進対称性」が再現される最小のずれ量を「並進対称再現周期」と呼ぶ。つまり、図10及び図11で説明したロバストパターンは、「並進対称性」を有するロバストパターンであり、1200dpiの1画素(21μm)が「並進対称再現周期」となる。
図15は、第1ドットパターン1301と第2ドットパターン1302における並進対称再現周期(21μm)未満のズレの影響を説明するための図である。横方向は、合成ドットパターン1303における、第2ドットパターン1302の+X方向のずれ量を示し、縦方向は、合成ドットパターン1303における、第2ドットパターン1302の+Y方向のずれ量を示す。各欄には、それぞれのずれ量の組み合わせにおける記録媒体に対するドットの被覆面積の割合を示す。以下、このような割合をドット被覆率と呼ぶ。
例えば、+X方向にも+Y方向にもずれの無い状態、即ち合成ドットパターン1303の状態のドット被覆率は28.7%である。そして、その位置から+X方向に追って行くと、ドット被覆率は徐々に増大し、ずれ量が+10.6μmで最高値29.3%となり、ずれ量が21.2μmで、元の値28.7%に戻っている。ずれ量が21.2μmで元の値に戻るのは、ずれ量21.2μmが並進対称再現周期に一致し、並進対称性が再現されるためである。+Y方向へのずれについても同様である。
その上で、表に示される全領域を見ると、ドット被覆率の最大値は29.3%、最小値は28.7%となっている。即ち、図13、14に示す合成ドットパターン1303において、第1ドットパターン1301と第2ドットパターン1302が、どちらの方向にどの程度ずれても、ドット被覆率の変動は0.6%以下に抑えられる。そしてこの程度の変動は、視覚的には感知され難いと言える。
<ロバストパターンの別例>
図16は、本実施形態で使用可能なロバストパターンの別例を示す図である。第1ドットパターン1601は、図4に示す画像処理の下、2値データC1pに従って往路走査で記録されるドットパターンである。第2ドットパターン1602は、図4に示す画像処理の下、2値データC2pに従って復路走査で記録されるドットパターンである。図13と同様、破線は1200dpiの直交格子を示し、各ドットは直径25μmである。以下、説明のため、Y方向の画素位置が等しい画素の群をラスタと呼ぶ。
第1ドットパターン1601の第1ラスタを+X方向に見ていくと、ドットが2つ並び、間隔をおいてまた2つ並ぶという配置が4回繰り返されている。また、第2ラスタを+X方向に見ていくと、同じくドットが2つ並び、間隔をおいてまた2つ並ぶという配置が4回繰り返されている。そして、並んだ2つのドット(以下、ペアドットと言う)の間隔と、ペアドットが配置されるX方向の周期は、第1ラスタと第2ラスタとで等しく、第3ラスタ以降についても同様である。その上で、ペアドットのX方向の位置は、ラスタ番号が進むほど+X方向に一定量ずつシフトしている。
一方、第2ドットパターン1602は、第1ドットパターンとX方向に対称な関係を有している。第2ドットパターン1602の第1ラスタを+X方向に見ていくと、各ラスタにおいて第1ドットパターン1601と同様のペアドットが同様の周期で配置した状態で、ペアドットの位置は、ラスタ番号が進むほど-X方向に上記一定量ずつシフトしている。
以上のような第1ドットパターン1601と第2ドットパターン1602とを合成した合成ドットパターンにおいても、±X方向のズレによらず被覆率を一定に保つことができる。
以下、合成ドットパターン(不図示)において被覆率をほぼ一定に保つことができる仕組みを説明する。
まず、第1ドットパターン1601及び第2ドットパターン1602において、ペアドットを構成する2つのドットのX方向の中心間距離をA1、ペアドットが配置されるX方向の周期をB1とする。また、合成ドットパターンの第1ラスタにおいて、第1ドットパターンのペアドットと、第2ドットパターンのペアドットのX方向の距離をDとする。図13の例ではA1=2、B1=8、D=5(いずれも1200dpiでの画素数)とする。更に、第1ドットパターン1601において、第2ラスタのペアドットの、第1ラスタのペアドットに対するX方向のシフト量をC1=3とする。また、第2ドットパターン1402において、第2ラスタのペアドットの、第1ラスタのペアドットに対するX方向のシフト量をC2=-C1=-3とする。
この場合、合成ドットパターンの第2ラスタにおいて、第1ドットパターン1501のペアドットと第2ドットパターン1602のペアドットの中心間距離(以下、ペアドット距離と呼ぶ)は、(D-2C1)となる。そしてこのようなペアドットによって定義される重複領域は、X方向に周期B1で現れることになる。また、第3ラスタにおいて上記ペアドット距離は(D-4C1)となり、Nラスタにおいて、上記ペアドット距離は(D-2C1×(N-1))と表すことができる。
このように、合成ドットパターンにおいて、上記ペアドット距離、即ちラスタ内のドット配列は、ラスタごとに異なることになる。本例の場合は、N=129において、ラスタ内のドット配列が第1ラスタと等しい配列に戻る。即ち、第1~128ラスタによって表現されるドット配列が、Y方向に繰り返されることになる。
ここで、第1ドットパターン1601に対し第2ドットパターン1602が+X方向に1200dpiの1画素分(21μm)ずれた状態を考える。この場合、2C1×(N-1)の値が21μmに最も近くなるNラスタ目において、合成ドットパターンの1ラスタ目のドット配列が再現されることになる。その結果、そのNラスタ目を起点として、128ラスタを1周期とした合成ドットパターン1603と同じ内容のドットパターンが形成されることになる。言い換えると、X方向にどの程度のずれが発生しても、2C1×(N-1)の値がずれ量に最も近くなるNラスタは存在するため、位相が変わるだけの同様のパターンが形成されることになる。以上が、合成ドットパターン(不図示)において被覆率をほぼ一定に保つことができる仕組みである。
即ち、往路走査で第1ドットパターン1601を記録し、復路走査で第2ドットパターン1602を記録すれば、往路走査と復路走査で1画素単位のずれが発生しても、ドット被覆率を一定に維持し、濃度ムラの無い一様な画像を記録することができる。
なお、本実施形態では、第1ドットパターン1601と第2ドットパターン1602において、ドット群を構成するドットの数(2個)と距離A1、及びドット群が配置される周期Bが等しい場合を説明した。更に、Y方向に隣接するラスタ間のオフセットにおいて、オフセット量が等しくオフセット方向が逆の向きとなる場合について説明した。しかしながら、本例のロバストパターンの効果は、このような条件に限定されて得られるものではない。第1ドットパターン1601と第2ドットパターン1602において、Y方向に隣接するラスタ間のシフト量とシフト方向の少なくとも一方が異なっていれば、記録媒体上でのドット被覆率を一定範囲に抑えるというロバストパターンの効果を得ることはできる。
以上説明したような、「往路走査と復路走査でずれが発生しても、ドット被覆率を一定に維持できる」という特徴は、図13のロバストパターンも、図16のロバストパターンも有する特徴である。但し、図13のロバストパターンは、XY方向のどちらのズレにも耐性を有するのに対し、図16のロバストパターンは特にX方向のズレに耐性を有するパターンと言える。図1で説明したようなシリアル型のインクジェット記録装置で往復走査を行う場合、図13、図16のいずれのロバストパターンも好適に使用することができる。
本実施形態では、所定の階調値C´を有する階調データが一様に入力された場合に、図13や図16で説明したようなロバストパターンが、紙面上で記録されるようにする。すなわち、所定の階調値C´を有する階調データが一様に入力された場合に、往路走査において第1ドットパターン1301又は1601が記録され、復路走査において第2ドットパターン1302又は1602が記録されるようにする。そして、そのために、図6で説明したインデックス展開処理、図7で説明した2パスのマルチパス記録、及び図9で説明した時分割駆動によるドット配置に基づいて、量子化処理で用いる第1閾値マトリクス及び第2閾値マトリクスを予め作成するものとする。
<閾値マトリクスの作成方法>
図17は、本実施形態の閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャートである。既に説明したように、本実施形態では、16×16画素の256画素領域を有する第1閾値マトリクスと第2閾値マトリクスを使用する。図17の閾値マトリクス生成手順では、これら閾値マトリクスを構成する256個の画素のそれぞれに、0~255のいずれかの閾値を設定する。
本実施形態では、0~255の閾値を、所定の閾値Kを境界とした2つのステップで設定する。まずステップS1において、中高レベルの閾値(K~255)を設定する。そして、ステップS2では、残りの低レベルの閾値(0~K-1)を設定する。ここで、Kは、入力階調値IがI=Kであった場合に、図13や図16で説明したようなロバストパターンが得られる値であり、例えば、K=128とすることができる。
図18は、ステップS1において、中高レベル閾値(K~255)を設定する工程を説明するためのフローチャートである。本処理が開始されると、まずステップS1800において、最高階調値I=255に対応する初期パターン1と、階調値I=Kに対応する初期パターン2を生成する。このような初期パターンは、第1閾値マトリクス用と、第2閾値マトリクス用に生成する。
具体的には、まず、16×16画素を有する閾値マトリクスの画素領域を、X方向4800dpi×Y方向1200dpiの画素領域に分割(データ上で拡張)した拡張パターンを用意する。このような分割は、600×600dpiを1200×1200dpiに変換するインデックス展開処理と、1200dpiの1画素を更に4800dpiの記録解像度に変換する時分割駆動に基づくものである。これにより、600×600dpiの1画素は8×2=16個の分割画素に分割され、X方向に128個、Y方向に32個の画素を有する擬似的な画素領域が生成される。
次に、分割前の1画素のそれぞれについて、16個の分割画素の中から、インデックス展開処理及び時分割駆動の下でドットを配置することが可能な分割画素を、ドット配置可能画素として設定する。これにより、4800×1200dpiの拡張パターンにおいて、256個のドット配置可能画素が選出される。ドット配置可能画素の分布は、例えば図10(c)において斜線で示したようになる。この際、第1閾値マトリクス用の拡張パターンでは、第1インデックスパターンと往路走査の時分割駆動に基づいてドット配置可能画素を設定する。第2閾値マトリクス用の拡張パターンでは、第2インデックスパターンと復路走査の時分割駆動に基づいてドット配置可能画素を設定する。
そして、256個のドット配置可能画素の全てにドットを配置して得られたドットパターンを初期パターン1とする。また、256個のドット配置可能画素のうち、K個の画素にドットを配置したドットパターンを初期パターン2とする。但し、初期パターン2は、所定のロバストパターンが得られるドットパターンとする。例えば、第1閾値マトリクス用の初期パターン2を図13の第1ドットパターン1301に準じたパターンとし、第2閾値マトリクス用の初期パターン2を図13の第2ドットパターン1302に準じたパターンとすることができる。また、第1閾値マトリクス用の初期パターン2を図16の第1ドットパターン1601に準じたパターンとし、第2閾値マトリクス用の初期パターン2を図16の第2ドットパターン1602に準じたパターンとすることができる。
ステップS1801では、設定対象閾値Thを初期値255に設定する。
ステップS1802では、第1閾値マトリクス用、第2閾値マトリクス用のそれぞれについて、初期パターン1に含まれるドットのうち、初期パターン2に含まれないドットを抽出ドットとして抽出する。
ステップS1803では、抽出ドットのそれぞれについて、初期パターン1における評価値を算出する。この評価値は、初期パターン1の座標(x、y)におけるドット密度から求めることができる。ドット密度の算出方法は特に限定されるものではないが、例えば、初期パターン1においてドットが配置された各画素に一定の画素値を与え、所定の大きさのガウスフィルタをかけて得られる各画素の画素値をドット密度とすることができる。また、ローパスフィルタ(LPF)やドット間距離などを用いてドット密度を算出してもよい。ドット密度が高い場合、その画素(x、y)の近傍においてドットの分散性は低く、ドット密度が低い場合、その画素の近傍においてドットの分散性は高いことになる。
ここで、座標(x、y)について、第1閾値マトリクス用の初期パターン1におけるドット密度をD1(x、y)、第2閾値マトリクス用の初期パターン1におけるドット密度をD2(x、y)とする。また、第1閾値マトリクス用の初期パターン1と第2閾値マトリクス用の初期パターン1を合成した参照ドットパターンにおけるドット密度をR(x、y)とする。この場合、第1閾値マトリクス用の初期パターン1において、座標(x、y)に配された抽出ドットの評価値V1(x、y)は、以下の式で表すことができる。
V1(x、y)=α1×D1(x、y)+β1×R(x、y)
また、第2閾値マトリクス用の初期パターン1において、座標(x、y)に配された抽
出ドットの評価値V2(x、y)は、以下の式で表すことが出来る。
V2(x、y)=α2×D1(x、y)+β2×D2(x、y)
ここで、α1、β1、α2、β2は重みづけ係数である。例えば、第1閾値マトリクス用の評価値V1において、α1を大きくすれば往路走査で記録される第1ドットパターンの分散性を重視することになり、β1を大きくすれば往復走査で記録される合成ドットパターンの分散性を重視することになる。α1に比べてβ1をあまり大きくしてしまうと、合成ドットパターンでは好ましい分散性は得られるものの、往復走査でずれが発生した場合に分散性が損なわれるおそれが生じる。復路走査用の評価値V2についても同様である。このため、α1とβ1及びα2とβ2については、互いのバランスを加味しながら適切に調整することが好ましい。
ステップS1804では、第1閾値マトリクス用、第2閾値マトリクス用のそれぞれについて、最も評価値が高い抽出ドットを選出し、その抽出ドットの座標(x、y)が含まれる600×600dpiの画素に設定対象閾値Thを設定する。
ステップS1805では、第1閾値マトリクス用、第2閾値マトリクス用のそれぞれについて、初期パターン1からS1804で選出したドットを削除し、初期パターン1を更新する。
ステップS1806では、Th=Kであるか否かを判定する。Th<Kである場合は、ステップS1807にて閾値Thより1を減算して、設定対象閾値を変更する。そして、次の設定対象閾値を設定するためにステップS1802戻る。以後、ステップS1802~ステップS1807工程を、ステップS1806でTh=Kと判定されるまで繰り返す。
ステップS1806において、Th=Kと判定した場合、本処理を終了する。
以上説明した一連の処理により、第1閾値マトリクスおよび第2閾値マトリクスのそれぞれについて、K~255の閾値が設定される。
なお、図18では、第1閾値マトリクスに対する閾値の設定と、第2閾値マトリクスに対する同じ閾値の設定を、並行して行う形態で説明した。しかし、第1閾値マトリクスに対し複数の閾値を設定した後に、第2閾値マトリクスに対し同じ複数の閾値を設定するようにしてもよい。
再び、図17を参照する。ステップS1によって16×16のディザパターンにおけるK~255の閾値が設定されると、ステップS2では、残りの閾値0~K-1の設定を行う。この際、ステップS2においても、図18で説明したフローチャートに従って、閾値Thを設定することができる。以下、図18を参照しながら、ステップS1の場合と異なるステップについて説明する。
ステップS1800では、ステップS1において初期パターン2として利用したドットパターンを、初期パターン1として設定する。また、当該初期パターン1と同じ画素領域を有し、ドットが全く配置されていないパターンを初期パターン2として設定する。但しこの場合、ステップS1802で抽出される抽出ドットは、初期パターン1を構成するドットと一致することになる。よって、ステップS1800における、初期パターン2の生成工程及びステップS1802の抽出ドット設定工程は、省略することもできる。
ステップS1801では、設定対象閾値Thを初期値K-1に設定する。
ステップS1806では、Th=0であるか否かを判定する。
他のステップについては、ステップS1の場合と同様である。以上説明した図18の処理により、第1閾値マトリクスおよび第2閾値マトリクスのそれぞれについて、0~K-1の閾値が設定される。即ち、ステップS1及びステップS2により、第1閾値マトリクスおよび第2閾値マトリクスのそれぞれについて、0~255の閾値が設定される。
以上、図17及び図18で説明した手順に従って作成した第1閾値マトリクス及び第2閾値マトリクスを用いた場合、所定の階調値Kが一様に入力された際は、図13や図16に従った第1ドットパターンと第2ドットパターンが記録媒体上に記録される。即ち、当該階調値I=Kにおいて、機械的な記録位置ずれに耐性のあるロバストパターンが記録される。また、階調値I=Kと異なる階調値においても、上記ロバストパターンと連続性を有し、上記ロバストパターンと同等のロバスト性を備えた分散性の高いドットパターンを記録することができる。即ち、本実施形態の方法で作成した閾値マトリクスを用いて画像処理を行えば、記録動作時に機械的な記録位置ずれが発生しても、全階調領域において、粒状性や濃度ムラが抑えられた画像を出力することが可能となる。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態では、図17のステップS1において、全画素にドットが配置された初期パターン1から、ロバストパターンである初期パターン2に向けて、なるべく高い分散性を維持しながらドットを1つずつ削除する手順で、各階調の閾値を設定した。これに対し、本変形例では、初期パターン2から初期パターン1に向けて、ドットを1つずつ追加する手順で、各階調の閾値を設定する。
図19は、本変形例のステップS1において、中高レベルの閾値(K~255)を設定する工程を説明するためのフローチャートである。
ステップS1900において、初期パターン1及び初期パターン2を生成する。初期パターン1及び初期パターン2の生成方法は図17のS1800で説明したドットパターン生成工程と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
ステップS1901では、設定対象閾値Thを初期値Kに設定する。
ステップS1902における抽出ドットの抽出工程は、図17のS1802と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
ステップS1903では、抽出ドットのそれぞれについて、初期パターン2における評価値を算出する。図18のS1803では、初期パターン1における評価値を算出したが、本変形例では初期パターン2における評価値を算出する。本変形例の評価値も、初期パターン2の座標(x、y)におけるドット密度から求めることができる。
ここで、座標(x、y)について、第1閾値マトリクス用の初期パターン2におけるドット密度をD1´(x、y)、第2閾値マトリクス用の初期パターン2におけるドット密度をD2´(x、y)とする。また、第1閾値マトリクス用の初期パターン2と第2閾値マトリクス用の初期パターン2を合成した参照ドットパターンにおけるドット密度をR´(x、y)とする。この場合、第1閾値マトリクス用の初期パターン2において、座標(x、y)に配された抽出ドットの評価値V1´(x、y)は、以下の式で表すことが出来
る。
V1´(x、y)=α3×D1´(x、y)+β3×R´(x、y)
また、第2閾値マトリクス用の初期パターン2において、座標(x、y)に配された抽出ドットの評価値V2´(x、y)は、以下の式で表すことが出来る。
V2´(x、y)=α4×D1´(x、y)+β4×D2´(x、y)
ここで、ここで、α3、β3、α4、β4は重みづけ係数である。これら重みづけ係数については、第1の実施形態と同様、適切に調整することが好ましい。
ステップS1904では、第1閾値マトリクス用、第2閾値マトリクス用のそれぞれについて、最も評価値が低い抽出ドットを選出し、その抽出ドットの座標(x、y)が含まれる600×600dpiの画素に設定対象閾値Thを設定する。
ステップS1905では、第1閾値マトリクス用、第2閾値マトリクス用のそれぞれについて、初期パターン2にステップS1904で選出したドットを追加する。
ステップS1906では、Th=255であるか否かを判定する。Th<255である場合は、ステップS1907にて閾値Thに1を加算し、設定対象閾値を変更する。そして、次の設定対象閾値を設定するためにS1902戻る。以後、S1902~S1907工程を、S1906でTh=255と判定されるまで繰り返す。
S1906において、Th=255と判定した場合、本処理を終了する。
以上説明した一連の処理により、第1閾値マトリクスおよび第2閾値マトリクスのそれぞれについて、K~255の閾値が設定される。
図17のステップS2については、第1の実施形態と同様の手順で0~K-1の閾値を設定すればよい。本変形例のように作成した第1、第2の閾値マトリクスであっても、全階調領域において、粒状性や濃度ムラが抑えられた画像を出力することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、最大値(255)と最小値(0)の他に、ロバストパターンとなる中間階調値(K)のパターンを初期パターンとして用意し、これらの間を繋ぐように各階調の閾値を設定した。これに対し、本実施形態では、ロバストパターンとなるパターンを複数用意し、これらの間を繋ぐように各階調の閾値を設定する。
図20は、本実施形態の閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャートである。本実施形態では、0~255の閾値を、異なる閾値K1、K2、K3(255>K1>K2>K3>0)を境界とした4つのステップで設定する。まずステップS21において、閾値(K1~255)を設定する。次のステップS22において、閾値(K2~K1-1)を設定する。次のステップS23において、閾値(K3~K2-1)を設定する。次のステップS24において、残りの閾値(0~K3-1)を設定する。ここで、K1、K2,K3は、入力階調値IがI=K1、I=K2、I=K3であった場合に、図13や図16で説明したようなロバストパターンが予め用意される階調値である。K1、K2、K3は、例えば、K1=192、K2=128、K3=64とすることができる。
図20の各工程における、閾値Thの設定は、図18又は図19のフローチャートに従って行うことができる。ステップS21~S24のそれぞれにおいて、初期パターン1と初期パターン2の内容を設定し、対応する範囲の閾値を設定すればよい。
本実施形態の方法で作成した閾値マトリクスを用いた場合、第1の実施形態よりも、更に多くの階調(K1,K2,K3)で好適なロバストパターンを再現することができる。また、K1,K2,K3以外の階調においても、上記ロバストパターンと連続性を有し、上記ロバストパターンと同等のロバスト性を備えた分散性の高いドットパターンを記録することができる。即ち、本実施形態の方法で作成した閾値マトリクスを用いて画像処理を行えば、記録動作時に機械的な記録位置ずれが発生しても、全階調領域において、粒状性や濃度ムラが抑えられた画像を出力することが可能となる。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態では、所定の階調値に対応するロバストパターンを、初期パターン2として用意し、このロバストパターンが上記所定の階調値で再現されるような閾値マトリクスを作成した。しかしながら、ロバストパターンにおいては、そのパターン自体のドット分散性が十分でなく、粒状性が感知されてしまう場合がある。
図21は、階調値Iと画像の粒状性の関係を示す図である。階調値Iがゼロの場合(I=0)、記録媒体にドットが記録されないので、画像の粒状性は低い。また、階調値Iが最高値の場合(I=255)、記録媒体がドットで埋め尽くされるので画像の粒状性は低い。これに対し、部分的に重なったドットや孤立するドットが含まれる中間の階調値では、粒状性は目立ち易い傾向にある。
以上の状況を踏まえ、本実施形態では、第1の実施形態と同様のロバストパターンを初期パターン2として用いながら、所定の階調値Kを含む中間の階調領域においては、ロバスト性よりもドット分散性を優先させて閾値マトリクスを作成する。
以下、本実施形態における閾値マトリクスの作成方法を説明する。本実施形態においても、図17のステップS1、S2の手順に従って、第1、第2の閾値マトリクスを生成する。
図22は、本実施形態のステップS1において、中高レベル閾値(K~255)を設定する工程を説明するためのフローチャートである。ステップS2200~S2205の処理は、第1の実施形態で説明した図18のステップS1800~S1805の処理と同様であるため、ここでの説明は割愛する。
ステップS2206では、Th=K´であるか否かを判定する。ここで、K´は、初期パターン1に対応する階調値(255)よりも小さく、初期パターン2に対応する階調値Kよりも大きな値であり、例えば、Kと最高階調値との中間値とすることができる。即ち、初期パターン2に対応する階調値KがK=128であるとき、K´=(255+128)/2≒192とすることができる。
ステップS2206において、Th<Kである場合は、S2207にて閾値Thより1を減算し設定対象閾値を変更する。そして、次の設定対象閾値Thを設定するためにS2202戻る。以後、S2202~S2207の工程を、S2206でTh=K´と判定されるまで繰り返す。そして、S2206においてTh=K´と判定した場合、S2208に進む。この段階において、初期パターン1には、K´-1個のドットが残存していることになる。
ステップS2208では、初期パターン1に残存するK´-1個のドットのそれぞれについて、初期パターン1における評価値を算出する。即ち、ステップS2203では、初期パターン1と初期パターン2の差分である抽出ドットについてのみ評価値を算出したが、本ステップでは初期パターン1に残存する全てのドットについて、評価値を算出する。評価値の算出方法については、第1の実施形態と同様である。
ステップS2209では、第1閾値マトリクス用、第2閾値マトリクス用のそれぞれについて、初期パターン1の中で最も評価値が高いドットを選出し、そのドットの座標(x、y)が含まれる600×600dpiの画素に設定対象閾値Thを設定する。
ステップS2210では、第1閾値マトリクス用、第2閾値マトリクス用のそれぞれについて、初期パターン1からS2209で選出したドットを削除する。
ステップS2211では、Th=Kであるか否かを判定する。Th<Kである場合は、ステップS2212にて閾値Thより1を減算し、設定対象閾値を変更する。そして、次の設定対象閾値を設定するためにステップS2208戻る。以後、ステップS2208~S2212の工程を、S2211でTh=Kと判定されるまで繰り返す。
ステップS2211において、Th=Kと判定した場合、本処理を終了する。
これにより、第1閾値マトリクスおよび第2閾値マトリクスのそれぞれについて、K~255の閾値が設定される。
本実施形態において、0~K-1の閾値を設定するためのステップS2は、ステップS1が終了した段階の初期パターン1をそのまま用いることができる。ステップS1が終了した段階の初期パターン1には、255-K個のドットが残存している。この初期パターン1に対し、図22で説明したS2208~S2212の工程を、K=0となるまで繰り返し行えばよい。
以上説明した本実施形態によれば、初期パターン1と初期パターン2の中間の階調値K´までは、初期パターン1と初期パターン2の差分である抽出ドットのみの評価値を算出し、抽出ドットが配置された位置に閾値を設定する。一方、上記中間の階調値K´よりも低い階調値では、そのタイミングの初期パターン1に残存する全てのドットの中から評価値が高い順番に閾値を設定する。このような本実施形態の場合、初期パターン2の階調値Kにおいて、第1の実施形態で説明したような完全なロバストパターンは再現されないことになる。
しかしながら、ロバスト性が重視される高階調領域(K´~255)においては、ロバストパターンである初期パターン2と連続性を有し、上記ロバストパターンと同等のロバスト性を備えたドットパターンを記録することができる。また、分散性が重視される低中階調領域(0~K´)においては、ロバストパターンである初期パターン2と連続性を有しながら、粒状性を抑えたドットパターンを記録することができる。その結果、全階調領域においてロバスト性と分散性とが好適なバランスで保たれた画像を記録することが可能となる。
(第4の実施形態)
図23は、本実施形態の閾値マトリクスの生成手順を説明するためのフローチャートである。本実施形態では、0~255の閾値を、2つの閾値K1、K2(K1>K2)を境界とした3つのステップで設定する。まずステップS31において、閾値(K1~255)を設定する。ステップS32において、閾値(K2~K1-1)を設定する。ステップS33では、残りの閾値(0~K2-1)を設定する。K1、K2は、例えば、K1=128、K2=64とすることができる。
図24は、本実施形態のステップS31において、中高レベルの閾値(K1~255)を設定する工程を説明するためのフローチャートである。
ステップS2400では、最高階調値I=255に対応する初期パターン1と、階調値I=K1に対応する初期パターン2と、階調値I=K2に対応する初期パターン3とを生成する。ここで、初期パターン2は、階調値I=K1に対応するロバストパターンであり、初期パターン3は、階調値I=K2に対応するロバストパターンである。
ステップS2401~S2407の処理は、第3の実施形態で説明した図22のステップS2201~S2207の処理と同様であるため、ここでの説明は割愛する。第3の実施形態と同様、ステップS2408に進んだ段階において、初期パターン1には、K´個のドットが残存していることになる。
ステップS2408では、現段階の初期パターン1に含まれるドットのうち、ステップS2400で用意した初期パターン3に含まれないドットを抽出し、新たな抽出ドットとして更新する。初期パターン1にK´個のドットが残存している場合、(K´-64)個のドットが抽出されることになる。
ステップS2409では、新たな抽出ドットのそれぞれについて、現段階の初期パターン1における評価値を算出する。評価値の算出方法については、第1の実施形態と同様である。
ステップS2410では、抽出ドットの中で最も評価値が高いドットを選出し、その抽出ドットの座標(x、y)が含まれる600×600dpiの画素に設定対象閾値Thを設定する。
ステップS2411では、初期パターン1からS2409で選出したドットを削除する。
ステップS2412では、Th=K1であるか否かを判定する。Th<K1である場合は、S2413にて閾値Thより1を減算し、設定対象閾値を変更する。そして、次の閾値設定処理を行うためにS2408戻る。以後、S2408~S2413の工程を、S2412でTh=K1と判定されるまで繰り返す。S2412において、Th=K1と判定した場合、本処理を終了する。
以上説明した一連の処理により、第1閾値マトリクスおよび第2閾値マトリクスのそれぞれについて、K1~255の閾値が設定される。
図23のステップS32では、図22で説明したフローチャートの前半部分の工程であるS2400~S2407に従って、閾値Thを設定することができる。以下、ステップS31の場合と異なる点について説明する。
ステップS2400では、ステップS31が終了した時点の初期パターン1をそのまま初期パターン1として設定する。また、初期パターン1と同じ画素領域を有し、ドットが全く配置されていないパターンを初期パターン2とする。
ステップS2401では、設定対象閾値Thを初期値K1-1に設定する。
ステップS2406では、Th=K2であるか否かを判定する。
他の工程については、ステップS31の場合と同様である。これにより、第1閾値マトリクスおよび第2閾値マトリクスのそれぞれについて、K2~K1-1の閾値が設定される。
図23のステップS33では、初期パターン1に残存する全てのドットについて、評価値を算出し、評価値の高いドットから順に閾値を設定していく。具体的には、図22で説明したフローチャートの後半部分の工程であるS2208~S2211に従って、閾値Thを設定することができる。以上説明した、ステップS31~S33の工程により、第1閾値マトリクスおよび第2閾値マトリクスのそれぞれについて、0~255の閾値が設定される。
以上説明した本実施形態においても、第3の実施形態と同様、階調値K1、K2において完全なロバストパターンは再現されない。しかし、本実施形態の方法に従って生成した第1、第2の閾値マトリクスを用いて画像を記録した場合、これらロバストパターンと連続性を有し、同等のロバスト性を備えたドットパターンを記録することが可能となる。その結果、全階調領域においてロバスト性と分散性とが好適なバランスで保たれた画像を記録することができる。
(その他の実施形態)
以上説明した第1~第4の実施形態において、初期パターンとして用意するロバストパターンの階調値Kは、様々に変更することができる。ロバストパターンの階調値や初期パターンとして用意するロバストパターンの数を、インク色やノズル列間で異ならせることにより、ロバストパターン間の同期に伴う画像の劣化を抑制することができる。例えば、シアン用の初期パターンとしては、階調値I=64、128、192に対応する3つのロバストパターンを用意し、マゼンタ用の初期パターン2としては、階調値I=128、192に対応する2つのロバストパターンを用意してもよい。初期パターンの階調値をインク色間で調整することにより、画像全体において、ロバスト性と粒状性のバランスを好適に保つことができる。
また、以上では、第1ドットパターンを記録ヘッドの往路走査で記録し、第2ドットパターンを復路走査で記録する内容で説明したが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、第1ドットパターンと第2ドットパターンは、異なる2回の往路走査で記録されてもよい。また、第1ドットパターンと第2ドットパターンは、同じ種類のインクを吐出する異なるノズル列で記録されてもよい。更に、この場合、同じ種類のインクを吐出する異なるノズル列を備えた、フルライン型の記録装置であってもよい。いずれにしても、第1ドットパターンと第2ドットパターンとが、記録媒体上で重複するように異なるタイミングで記録される形態であれば本発明は有効に機能する。
以上では、図4で説明した各工程を画像処理装置1が行う内容で説明したが、一部の工程は記録装置2のコントローラ301が行ってもよい。上記フローチャートに示した工程においては、どの工程までを画像処理装置1が行い、どの工程以降を記録装置2が行うか、という明確な切り分けは特に定められるものではない。例えば、量子化処理までの工程を画像処理装置1が行い、インデックス展開処理以降の処理を記録装置2が行うようにしてもよい。
また、各ステップの入出力データの解像度に関しては、上述した値に制限されるものではない。例えば、上記実施形態では600×600dpiの入力解像度を1200×1200dpiの記録解像度に変換するために2×2のドット配置パターンを用意した。しかし、ドット配置パターンを構成するXY方向の画素数は、入力解像度と記録解像度の関係に基づいて設定されればよい。例えば、入力解像度も記録解像度も同値であるような場合はインデックス展開処理自体が不要となる。
時分割駆動についても同様である。上記実施形態では、1200dpiの1画素を4つのブロックに分割し、実質的な4800dpiの記録解像度に基づいて初期パターンを生成したが、このような初期パターンにおける解像度は、時分割駆動の分割数に応じて変更すればよい。また、時分割駆動における駆動順も図9に示したような斜め線を記録するような順番でなくてもよい。各ノズルがより分散した順序で駆動する形態であっても、その順序を反映した状態で初期パターンが生成されればよい。
更に、以上では、ステップS405-1、S405-2の量子化処理において、ドットの記録(1)又は非記録(0)を設定する2値化処理を前提に説明したが、量子化処理は3値以上の多値量子化処理であってもよい。この場合、ステップS406-1、S406-2のインデックス展開処理においては、各量子化値に応じて予め用意されたドット配置パターンに従って、1200×1200dpiの2値データを生成することになる。
いずれにしても、インデックス展開処理や時分割駆動のような所定の記録制御に伴う記録位置の特徴が反映された初期パターンを用意し、これに基づいて閾値が設定されれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、記録装置の色数もCMYKの4色を例に説明したが、ライトシアンやライトマゼンタ、グレーなどの同系色で濃度の違うもの、レッド、グリーン、ブルーなどの特色を使用する記録装置であってもよい。この場合、色分解処理においては、その色数に対応した種類の階調データを生成すればよく、以降の処理では上述した画像処理を色ごとに行えばよい。
また、上記実施形態では、ヒータに電圧パルスを印加することによりインクを吐出させるサーマルジェット型の記録ヘッドを用いたが、上記実施形態のいずれにおいても、吐出形式は特に限定されるものではない。例えば、圧電素子を利用してインクの吐出を行ういわゆるピエゾ型のインクジェット記録装置等、様々な記録装置に対して有効に適用できる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 画像処理装置
2 インクジェット記録装置
1301 第1ドットパターン
1302 第2ドットパターン

Claims (16)

  1. 第1閾値マトリクスを用いて多値の階調値を量子化した結果に従って記録される第1ドットパターンと、第2閾値マトリクスを用いて多値の階調値を量子化した結果に従って記録される第2ドットパターンとを、記録媒体に重ねて記録することにより前記記録媒体に画像を記録するための画像処理装置で使用される、前記第1閾値マトリクスと前記第2閾値マトリクスの生成方法であって、
    前記第1閾値マトリクスに対応する画素領域及び前記第2閾値マトリクスに対応する画素領域のそれぞれについて、
    第1階調値に対応するドットパターンである第1初期パターンと、前記第1階調値よりも低い第2階調値に対応するドットパターンである第2初期パターンとを生成するドットパターン生成工程と、
    前記第1階調値と前記第2階調値の間の階調値において、前記第1初期パターン及び前記第2初期パターンとの間で連続性を有するドットパターンが得られるように、前記第1初期パターンと前記第2初期パターンに基づいて、前記第1閾値マトリクスと前記第2閾値マトリクスの前記画素領域に閾値を設定する閾値設定工程と
    を有することを特徴とする閾値マトリクスの生成方法。
  2. 前記第1初期パターンは、前記第1階調値が最高階調値である場合のドットパターンであり、
    前記第2初期パターンは、前記第2階調値に対応する前記第1ドットパターンと前記第2ドットパターンとを合成して得られる合成ドットパターンにおいて、前記第1ドットパターンと前記第2ドットパターンとの位置ずれに対し並進対称性を有するドットパターンであることを特徴とする請求項1に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  3. 前記閾値設定工程は、前記第1階調値と前記第2階調値の間の任意の階調値について、前記第1ドットパターンと前記第2ドットパターンとを合成して得られる合成ドットパターンにおけるドットの分散性が高くなるように、前記任意の階調値に対応する閾値を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  4. 前記ドットパターン生成工程における前記第1初期パターン及び前記第2初期パターンの生成と、前記閾値設定工程における前記分散性の判定は、前記第1ドットパターン及び前記第2ドットパターンを所定の記録制御に従って記録する際の、前記量子化における解像度よりも高い記録解像度の下で行うことを特徴とする請求項3に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  5. 前記所定の記録制御は、前記量子化の結果を、あらかじめ用意されたドット配置パターンに基づいて、前記量子化における解像度よりも高い解像度に対応する複数の画素のそれぞれについてドットの記録または非記録を定める制御と、
    記録媒体にドットを記録することが可能な複数のノズルを分割して得られる複数のブロックのそれぞれを、前記量子化における解像度よりも高い解像度に対応する異なるタイミングで駆動する制御と、の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  6. 前記第1ドットパターンと前記第2ドットパターンは、記録ヘッドの異なる記録走査によって記録媒体に重ねて記録されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  7. 前記第1ドットパターンは前記記録ヘッドの往路走査によって記録され、前記第2ドットパターンは前記記録ヘッドの復路走査によって記録されることを特徴とする請求項6に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  8. 前記第1ドットパターンと前記第2ドットパターンは、同じ種類のインクを吐出する記録ヘッドの2つのノズル列によって記録媒体に重ねて記録されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  9. 前記第1閾値マトリクスと前記第2閾値マトリクスは、第1色と第2色についてそれぞれ生成され、前記第1階調値及び前記第2階調値の少なくとも一方は、前記第1色と前記第2色で異なることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  10. 前記ドットパターン生成工程において、前記第1閾値マトリクス用に生成される前記第2初期パターンと前記第2閾値マトリクス用に生成される前記第2初期パターンのそれぞれは、任意のドットの位置から他のドットの位置を2つの基底ベクトルで指定でき、且つ前記2つの基底ベクトルの組み合わせが互いに異なる格子パターンであり、
    前記第1閾値マトリクス用の前記第2初期パターンに含まれる任意のドットと前記第2閾値マトリクス用の前記第2初期パターンに含まれる任意のドットを重畳することによって形成される合成ドットパターンには、前記第1閾値マトリクス用の前記第2初期パターンに含まれるドットと前記第2閾値マトリクス用の前記第2初期パターンに含まれるドットが重畳して構成される重畳ドットと、前記第1閾値マトリクス用の前記第2初期パターンに含まれるドットと前記第2閾値マトリクス用の前記第2初期パターンに含まれるドットが前記2つの基底ベクトルで定義される格子間距離よりも小さな距離を置いて配置される近接ドットと、が存在し、
    前記近接ドットには、該近接ドットを構成する前記第1閾値マトリクス用の前記第2初期パターンのドットの中心と前記第2閾値マトリクス用の前記第2初期パターンのドットの中心とを結ぶ直線の傾きが、互いに異なる複数の前記近接ドットが含まれることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  11. 前記ドットパターン生成工程において、前記第1閾値マトリクス用に生成される前記第2初期パターンと前記第2閾値マトリクス用に生成される前記第2初期パターンは、対称な関係を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  12. 前記閾値設定工程は、
    前記第1初期パターンのドットのうち前記第2初期パターンに含まれないドットを抽出ドットとして抽出する抽出工程と、
    前記抽出ドットのそれぞれについて、前記第1初期パターンにおけるドット密度を算出する算出工程と、
    前記ドット密度が最も高い前記抽出ドットを選出し、当該選出された抽出ドットに対応する前記閾値マトリクスの画素に、設定対象閾値Thを設定する閾値設定工程と、
    前記第1初期パターンから前記選出したドットを削除して前記第1初期パターンを更新する更新工程と、
    前記設定対象閾値Thから1を減算し前記設定対象閾値を変更する変更工程と、
    を有し、
    前記抽出工程、前記算出工程、前記閾値設定工程、前記更新工程及び前記変更工程を、順に繰り返すことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  13. 前記閾値設定工程では、前記抽出工程、前記算出工程、前記閾値設定工程、前記更新工程及び前記変更工程が、前記設定対象閾値Thが前記第1階調値に対応する値から開始され、前記設定対象閾値Thが前記第2階調値に対応する値と判定されるまで繰り返されることを特徴とする請求項12に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  14. 前記閾値設定工程では、前記抽出工程、前記算出工程、前記閾値設定工程、前記更新工程及び前記変更工程が、前記設定対象閾値Thが前記第1階調値に対応する値から開始され、前記設定対象閾値Thが前記第1階調値と前記第2階調値の間の所定の階調値に対応する値と判定されるまで繰り返され、
    前記第2階調値よりも低い前記設定対象閾値Thについては、前記更新工程によって更新された前記第1初期パターンに含まれる全てのドットについてドット密度を算出し、前記ドット密度が最も高いドットに対応する前記閾値マトリクスの画素に、前記設定対象閾値Thが設定されることを特徴とする請求項12に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  15. 前記ドットパターン生成工程では、前記第2階調値よりも低い第3階調値に対応するドットパターンである第3初期パターンが更に生成され、
    前記閾値設定工程では、前記抽出工程、前記算出工程、前記閾値設定工程、前記更新工程及び前記変更工程が、前記設定対象閾値Thが前記第1階調値に対応する値から開始され、前記設定対象閾値Thが前記第1階調値と前記第2階調値の間の所定の階調値に対応する値と判定されるまで繰り返され、
    前記第2階調値よりも低い前記設定対象閾値Thについては、
    前記更新工程によって更新された前記第1初期パターンを新たな第1初期パターンとし、前記第3初期パターンを新たな前記第2初期パターンとして、前記抽出工程、前記算出工程、前記閾値設定工程、前記更新工程及び前記変更工程が繰り返されることを特徴とする請求項12に記載の閾値マトリクスの生成方法。
  16. 前記閾値設定工程は、
    前記第1初期パターンのドットのうち前記第2初期パターンに含まれないドットを抽出ドットとして抽出する抽出工程と、
    前記抽出ドットのそれぞれについて、前記第2初期パターンにおけるドット密度を算出する算出工程と、
    前記ドット密度が最も低い前記抽出ドットを選出し、当該選出された抽出ドットに対応する前記閾値マトリクスの画素に、設定対象閾値Thを設定する閾値設定工程と、
    前記第2初期パターンに前記選出したドットを追加して前記第2初期パターンを更新する更新工程と、
    前記設定対象閾値Thから1を加算し前記設定対象閾値を変更する変更工程と、
    を有し、
    前記抽出工程、前記算出工程、前記閾値設定工程、前記更新工程及び前記変更工程を、順に繰り返すことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の閾値マトリクスの生成方法。
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