JP2020022090A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の色材のドットを記録媒体上で混在させて記録する構成において、ドット分散性が高く粒状感の目立たない画像を記録する。【解決手段】第1の閾値マトリクスから第1の閾値を取得し、第1の閾値マトリクスと閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係にある第2の閾値マトリクスから第2の閾値を取得する。第1の階調データと第2の階調データの和が閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、第2の階調データを第2の閾値と比較した結果に基づいて第2の量子化データを生成する。前記和が前記最大値よりも大きい場合は、前記和から前記最大値を減算することによって第3の階調データを生成する。そして、第3の階調データを第1の閾値と比較した結果、又は、第2の階調データと第3の階調データとの差分を第2の閾値と比較した結果、に基づいて第2の量子化データを生成する。【選択図】図11

Description

本発明は、量子化処理を行って記録媒体に画像を形成するための画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
擬似階調法を用いて画像を記録する場合、多値の画像データを量子化する必要があるが、この際に利用される量子化法としては誤差拡散法やディザ法が知られている。特に、予め記憶されている閾値と多値データの階調値とを比較して量子化レベルを決定するディザ法は、誤差拡散法に比べて処理負荷が小さく、多くの画像処理装置で有用されている。このようなディザ法では、特に低階調領域におけるドットの分散性が課題となるが、ブルーノイズ特性を有する閾値マトリクスを利用することにより、好適なドット分散性を得ることが知られている。
図25(a)〜(c)は、ブルーノイズ特性を有する閾値マトリクスを用いたディザ処理を説明するための図である。図25(a)は、16画素×16画素領域に入力される画像データ例を示している。ここでは全ての画素に階調値「36」が入力された状態を示している。図25(b)は、上記16画素×16画素領域に対応して用意された閾値マトリクスを示している。個々の画素には0〜255のいずれかの閾値が対応づけられている。ディザ法の場合、多値の画像データが示す階調値が閾値よりも大きい場合、当該画素はドットの記録「1」と指定される。一方、多値の画像データが示す階調値が閾値以下の場合、当該画素はドットの非記録「0」と指定される。
図25(c)は、上記ディザ法による量子化の結果を示している。記録「1」を示す画素を黒で、非記録「0」となる画素を白で示している。図25(c)に見るような記録「1」画素の分布は、閾値マトリクスにおける閾値の配置に依存する。ブルーノイズ特性を有する図25(b)のような閾値マトリクスを用いれば、図25(a)のように所定の領域に等しい多値データが入力された場合にも図25(c)のように記録「1」画素が分散性の高い状態で配置される。
図26(a)および(b)は、ブルーノイズ特性および明視距離300mmにおける人間の視覚特性(VTF)を示す図である。両図において、横軸は周波数(cycles/mm)であり、グラフの左に行くほど低周波、右に行くほど高周波であることを示している。一方、縦軸はそれぞれの周波数に対応する強度(パワー)を示している。
図26(a)を参照するに、ブルーノイズ特性には、低周波成分が抑えられていること、急激な立ち上がりを持っていること、高周波成分が平らであること、などの特徴がある。急激な立ち上がりを伴うピークに相当する周波数fgをプリンシパル周波数と称す。一方、図26(b)に示す人間の視覚特性(VTF)については、一例として、(式1)に示すDooleyの近似式が用いられる。(式1)に置いて、lは観察距離、fは周波数を示す。
VTF =5.05×exp(―0.138×πlf/180)
×(1−exp(0.1×πlf/180)) ・・・・(式1)
図26(b)を見ると分かるように、人間の視覚特性は、低周波領域に高い感度を持ち、高周波領域の感度は低くなっている。すなわち、低周波成分は目につきやすいが、高周波成分は目につきにくい。ブルーノイズ特性は、このような視覚特性を踏まえたものであり、視覚特性において、感度の高い(目に見えやすい)低周波領域はほとんどパワーを持たず、感度の低い(目に見えにくい)高周波領域にパワーを持つようになっている。このため、ブルーノイズ特性を有する閾値マトリクスを用いて量子化処理を行った画像を人間が目視した場合、ドットの偏りや周期性が感知され難く、快適な画像として認識される。
一方、特許文献1には、個々の色材(すなわち単色)では好ましい分散性が得られても、複数の色材(すなわち混色)で画像を記録する場合に分散性が損なわれ粒状感が目立ってしまう状況を解消するためのディザ法が開示されている。具体的には、図25(b)のような好適な分散性を有する共通ディザマトリクスを用意し、複数の色間で互いの閾値をシフトさせながら量子化処理を行う方法が開示されている。このような量子化処理によれば、低階調部において異なる色のドット同士は互いに排他かつ分散性の高い状態で記録されるので、混色画像においても粒状感が目立ち難い滑らかな画像を得ることが出来る。
但し、上述の処理においては、閾値や入力値のシフトを伴わない第1色に比べ、閾値や入力値のシフトを伴う第2色以降の色の分散性がどうしても劣ってしまう傾向がある。このため、明度が低くドットパワーが強い色材から順番に第1色、第2色と処理の順番を設定することが好ましい。しかしながら、シアンドットとマゼンタドットのように、ほぼ同等のドットパワーを有する色材が含まれる場合は、シアンを第1色にするとマゼンタの粒状感が目立ち、マゼンタを第1色にするシアンの粒状感が目立ってしまうという状況が発生する。
このような状況に鑑み、特許文献1では、ドットパワーの強い2つの色については互いに異なる閾値マトリクスを用いながら処理を行う方法が開示されている。具体的には、シアンと同じ閾値マトリクスを用いシアンを第1色としながら閾値をシフトさせていく色のグループと、マゼンタと同じ閾値マトリクスを用いマゼンタを第1色としながら閾値をシフトさせていく色のグループで、個別に量子化処理を行う。このようにすれば、シアン単独のドットの分散性とマゼンタ単独のドットの分散性を高い状態に維持しながら、複数色のドットが混在する状態においても、粒状感が目立ち難い画像を出力することが出来る。
特開2017−38127号公報
しかしながら、シアン用の閾値マトリクスとマゼンタ用の閾値マトリクスのそれぞれがブルーノイズ特性を有していたとしても、これら閾値マトリクスに基づいてプリントされるシアンとマゼンタの重複ドットの配置はブルーノイズ特性を有している訳ではない。更にこのような重複ドットは、単独のシアンドットや単独のマゼンタドットに比べてドットパワーが強いため、分散性の高いシアンドットとマゼンタドットの中で、むしろ粒状感が目立ってしまう傾向がある。すなわち、特許文献1を採用した場合であっても、ドットパワーの強い重複ドットが混在する画像においては、粒状感が目立ってしまう場合があった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものである。よってその目的とするところは、複数の色材のドットを記録媒体上で混在させて記録する構成において、粒状感の目立たない画像を記録することが可能な画像処理装置を提供することである。
そのために本発明は、処理対象画素について、第1色の階調値に対応する第1の階調データと、第2色の階調値に対応する第2の階調データを取得する階調データ取得手段と、各画素に対応する複数の閾値が配列されて構成される第1の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第1の閾値を取得し、各画素に対応する閾値が、前記第1の閾値マトリクスにおける閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係となるように配列された第2の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第2の閾値を取得する閾値取得手段と、前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データに基づいて、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調数よりも少ない階調数を有する第1の量子化データと第2の量子化データを生成する生成手段とを備え、前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録するための画像処理を行う画像処理装置であって、前記生成手段は、前記第1の階調データを前記第1の閾値と比較した結果に基づいて前記第1の量子化データを生成し、前記第1の階調データと前記第2の階調データの和が前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、前記第2の階調データを前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、前記和が前記最大値よりも大きい場合は、前記和から前記最大値を減算することによって第3の階調データを生成し、前記第3の階調データを前記第1の閾値と比較した結果、又は、前記第2の階調データと前記第3の階調データとの差分を前記第2の閾値と比較した結果、に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする。
本発明によれば、複数の色材のドットを記録媒体上で混在させて記録する構成において、粒状感の目立たない画像を記録することが可能となる。
インクジェット記録システムの制御の構成を示すブロック図である。 記録装置の概観斜視図である。 第1の実施形態の画像処理を説明するためフローチャートである。 第1の実施形態の量子化処理のブロック図である。 「順次追加型色間処理」を行った場合のドットの記録状態を示す図である。 (a)および(b)は、ドット配置状態と空間周波数特性を示す図である。 第1色用の閾値マトリクスと第2色用の閾値マトリクスを示す図である。 (a)および(b)は、閾値とドットの記録状態を示す図である。 (a)及び(b)は、異なる閾値マトリクスを用いた場合の比較図である。 (a)及び(b)は、異なる閾値マトリクスを用いた場合の比較図である。 (a)〜(c)は、第1の実施形態の量子化処理のフローチャートである。 (a)および(b)は、「低階調処理」のドット配置状態を示す図である。 (a)および(b)は、「高階調処理」のドット配置状態を示す図である。 (a)〜(d)は、空間周波数に対する応答値を示す図である。 応答値を積分した値を比較する図である。 第2の実施形態の画像処理を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態の量子化処理のブロック図である。 第2の実施形態の量子化処理の概念を説明するための模式図である。 (a)〜(c)は、比較値の設定例を説明するための図である。 第2の実施形態における量子化基準値と比較値の対応を示す図である。 第2の実施形態の量子化処理のフローチャートである。 第3の実施形態における量子化基準値と比較値の対応を示す図である。 第4の実施形態の量子化処理のブロック図である。 第4の実施形態の量子化処理のフローチャートである。 (a)〜(c)は、ブルーノイズ特性の閾値マトリクスを示す図である。 (a)および(b)は、ブルーノイズ特性と人間の視覚特性を示す図である。
(第1の実施形態)
図1は本発明に適用可能なインクジェット記録システムの制御の構成を示すブロック図である。本実施形態におけるインクジェット記録システムは、画像供給デバイス3、画像処理装置2およびインクジェット記録装置1(以下、単に記録装置とも言う)から構成されている。画像供給デバイス3より供給された画像データは、画像処理装置2にて所定の画像処理が施された後、記録装置1に送られ、色材としてのインクを用いて記録される。
記録装置1において、記録装置主制御部101は記録装置1全体を制御するためのものであり、CPU、ROM、RAMなどによって構成されている。記録バッファ102は、記録ヘッド103に転送する前の画像データを、ラスタデータとして格納することができる。記録ヘッド103は、インクを滴として吐出可能な複数の記録素子を有するインクジェット方式の記録ヘッドであり、記録バッファ102に格納された画像データに従って、各記録素子からインクを吐出する。本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエローの3色分の記録素子列が、記録ヘッド103上に配列するものとする。
給排紙モータ制御部104は記録媒体の搬送や給排紙の制御を行う。記録装置インタフェイス(I/F)105は、画像処理装置2との間でデータ信号の授受を行う。I/F信号線114は両者を接続する。I/F信号線114の種類としては、例えばセントロニクス社の仕様のものを適用することができる。データバッファ106は、画像処理装置2から受信した画像データを一時的に格納する。システムバス107は記録装置1の各機能を接続する。
一方、画像処理装置2において、画像処理装置主制御部108は、画像供給デバイス3から供給された画像に対し様々な処理を行って記録装置1が記録可能な画像データを生成するためのものであり、CPU、ROM、RAM等を備えている。後述する図4、図17、図23に示した本発明の特徴的な構成も画像処理装置主制御部108に備えられており、図3、図11(a)〜(c)、図16、図21、図26で説明するフローチャートは画像処理装置主制御部108のCPUが実行するものである。画像処理装置インタフェイス(I/F)109は、記録装置1との間でデータ信号の授受を行う。外部接続インタフェイス(I/F)113は、外部に接続された画像供給装置3との間で、画像データなどの授受を行う。表示部110は、ユーザに対し様々な情報を表示し、例えばLCDなどを適用することが出来る。操作部111は、ユーザがコマンド操作を行うための機構であり、例えばキーボードやマウスを適用することが出来る。システムバス112は、画像処理装置主制御部108と各機能とを結ぶ。
なお、記録装置1については、画像処理装置2から供給された画像データのほか、メモリカードなどの記憶媒体に記憶されている画像データやデジタルカメラからの画像データを直接受信して記録してもよい。
図2は、本実施形態で使用する記録装置1の概観斜視図である。記録装置1は、画像処理装置2からデータを受信してプリントする通常のPCプリンタとしての機能と、メモリカードなどの記憶媒体に記録されている画像データやデジタルカメラから受信した画像データを印刷する機能を備えている。
記録装置1の外殻をなす本体は、下ケース1001、上ケース1002、アクセスカバー1003、給紙トレイ1007、及び排出トレイ1004の外装部材を有している。下ケース1001は装置1の略下半部を、上ケース1002は本体の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に各機構を収納する収納空間が形成されている。
給紙トレイ1007は、複数枚の記録媒体を積載保持することが可能で、記録コマンドが入力されると最上位にある1枚が装置内部に自動的に給送されるようになっている。一方、排出トレイ1004は、その一端部が下ケース1001に回動自在に保持され、その回動によって下ケース1001の前面部に形成される開口部を開閉させ得るようになっている。記録動作を実行させる際には、排出トレイ1004を前面側へと回動させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に、排出された記録シートを順次積載し得るようになっている。排紙トレイ1004には、2枚の補助トレイ1004a、1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、記録媒体の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
装置内部の空間には記録媒体に画像を記録するための記録ヘッド103と、当該記録ヘッド103およびインクタンクを搭載して図のX方向に移動可能なキャリッジと、記録媒体を所定量ずつY方向に搬送する搬送機構などが配備されている。
記録コマンドが入力された際、給紙トレイ1007から装置内部に搬入された記録媒体は、記録ヘッド103によって記録可能な領域まで搬送される。そして、記録ヘッド103による1回分の記録走査が行われると、搬送機構は記録媒体を記録幅Dに相当する距離だけY方向に搬送する。以上のような記録ヘッド103による記録走査と、記録媒体の搬送動作を繰り返すことにより、記録媒体には段階的に画像が形成されていく。記録が完了した記録媒体は排紙トレイ1004に排出される。なお、ここではシリアル型のインクジェット記録装置を例に説明しているが、記録装置はフルライン型のインクジェット記録装置としてもよい。
アクセスカバー1003は、その一端部が上ケース1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっている。アクセスカバー1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッド103やインクタンク等の交換が可能となる。なお、ここでは図示しないが、アクセスカバー1003の裏面には、アクセスカバー1003が閉じられたときに、本体に設置されているマイクロスイッチによって検出されるための突起が配備されている。すなわち、マイクロスイッチによる当該突起の検出結果によって、アクセスカバー1003の開閉状態を検出することが出来る。
上ケース1002の上面には、電源キー1005が押下可能に設けられている。また、上ケース1002の上面には、液晶表示部110や各種キースイッチ等を備える操作パネル1010が設けられている。
紙間選択レバー1008は、記録ヘッド103のインク吐出面と記録媒体表面との間隔を調整するためのレバーである。カードスロット1009は、メモリカードを装着可能なアダプタを受容するための開口部である。メモリカードに記憶されている画像データは、カードスロット1009に挿入されたアダプタを介して記録装置の制御部3000に送られ、所定の処理を施した後に記録媒体に記録される。このメモリカード(PC)としては、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ、スマートメディア、メモリスティック等が挙げられる。ビューワ(液晶表示部)1011は、メモリカードに記憶されている画像の中から印刷したい画像を検索する場合などに、1コマ毎の画像やインデックス画像などを表示する。本実施形態において、ビューワ1011は記録装置1本体に着脱可能になっている。端子1012はデジタルカメラを接続するための端子であり、端子1013はパーソナルコンピュータ(PC)を接続するためのUSBバスコネクタである。
図3は、本実施形態の 画像処理装置主制御部108が行う画像処理を説明するためフローチャートである。 本処理は、画像処理装置主制御部108に備えられたCPUが、ROMに記憶されたプログラムに従って実行する。
図3において、画像供給デバイス3より処理対象画素の画像データが入力されると(ステップS200)、画像処理装置主制御部108は、まずステップS201において色補正を実行する。画像処理装置2が画像供給装置3より受信する画像データは、sRGB等の規格化された色空間を表現するための、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の8bit輝度データである。ステップS201では、これら輝度データを記録装置固有の色空間に対応するRGB12bitの輝度データに変換する。信号値を変換する方法は、予めROMなどに格納されたルックアップテーブル(LUT)を参照する等の公知の方法を採用することが出来る。
ステップS202において、 画像処理装置主制御部108は、変換後のRGBデータを、記録装置のインク色である、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)それぞれの12bit階調データ(濃度データ)に分解する。この段階で、12bitのグレー画像が3チャンネル分(3色分)生成される。インク色分解処理においても、色補正処理と同様、予めROMなどに格納されたルックアップテーブル(LUT)を参照することが出来る。
ステップS203において、 画像処理装置主制御部108は、インク色のそれぞれに対応する12bit階調データに対し所定の量子化処理を行い、1ビットの2値データに変換する。当該量子化処理については、後に詳しく説明する。
量子化処理が終了すると、画像処理装置主制御部108は、生成した2値データを記録装置に出力する(ステップS205)。以上で本処理が終了する。
なお、図3の各ステップで示したそれぞれの工程は、本実施形態のインクジェット記録システムにおいて処理されるわけであるが、どの工程までを画像処理装置2が行い、どの工程以降を記録装置1が行うか、という明確な切り分けは特に定められるものではない。たとえば、量子化までを画像処理装置2が行う場合は、量子化済みのデータを記録装置1に転送し、記録装置主制御部101がデータバッファ106に格納されたインデックスパターンを用いてステップS204のインデックス展開を行い、記録動作を制御すればよい。また、記録装置1の性能によっては、多値のRGB画像データを直接受け取って、S201〜S203のすべての工程を行うことも可能である。
図4は、図3のステップS203で実行される量子化処理を行うためのブロック図である。本実施形態の量子化処理においては、まず入力値に関する処理が施され、次に閾値に関する処理が施され、最後にディザ法による量子化処理が施される。これら一連の処理は色ごと(チャンネルごと)に並列処理される。以下、図4を参照しながら個々の処理を詳しく説明する。
階調データ取得部301は、個々の画素の濃度を示す12bitの階調データを取得する。本実施形態の階調データ取得部301は、最大12bitの信号を8色分受信することが出来るものとする。図では、第1色〜第3色それぞれの12bitデータが入力される状態を示している。
ノイズ付加処理部302は、12bitの階調データに所定のノイズを付加する。ノイズを付加することにより、同レベルの階調データが連続して入力された場合も、同一パターンが連続配置される状態を回避し、スジやテクスチャ等を緩和することが出来る。ノイズ付加処理部302では、所定のランダムテーブルと、固定強度と、入力値に応じた変動強度を掛け合わせることにより、個々の画素ごとにノイズが生成され入力値に付加される。ここで、ランダムテーブルはノイズの正負を設定するテーブルであり、画素位置ごとに正、ゼロまたは負を設定している。本実施形態のランダムテーブルは最大8面有することが出来、それぞれのテーブルサイズは任意に設定可能としている。固定強度はノイズ量の強さを示し、その大きさによってノイズの大小が決まる。本実施形態では、画像の粒状度とスジやテクスチャの度合い等に応じ、印刷モードごとに最適なランダムテーブルや固定強度を設定することによって、ノイズ量を適切に調整することが可能になっている。
以上説明した階調データ取得部301とノイズ付加部302の処理は、各色の階調データについて並列に行われる。すなわち、本実施形態の場合は、シアン、マゼンタおよびイエローについての12bitデータが生成され、ディザ処理部311に入力される。
ディザ処理部311において、各色の12bitデータは、色間処理部304に入力される。色間処理部304は、入力され処理対象色の階調データに対し、処理対象色および処理対象色以外の階調データに基づいて所定の処理を施して比較対象データを求め、これを量子化処理部306に送信する。量子化処理部306は、受信した比較対象データを、閾値取得部305より取得した閾値と比較することにより、処理対象色の記録(1)または非記録(0)(高レベルまたは低レベル)を決定する。
閾値取得部305は、ROMなどのメモリに記憶されている複数のディザパタン310より対応する1つの閾値マトリクスを選択し、処理対象データの画素位置に対応した閾値を取得する。本実施形態において、ディザパタン310は、0〜4095の閾値がブルーノイズ特性を有するように配列して形成された閾値マトリクスであり、512×512画素、256×256画素、512×256画素、など様々なサイズや形状を呈することが出来る。すなわち、メモリには、このようなサイズや形状の異なる複数の閾値マトリクスが予め格納されており、閾値取得部305は、この中から印刷モードとインク色に対応した閾値マトリクスを選択する。そして、選択された閾値マトリクスに配列する複数の閾値の中から、処理対象データの画素位置(i)に対応する閾値を色間処理部304に提供する。
ここで、本実施形態における以下の「順次追加型色間処理」を採用する場合、色間処理部304は、受信した対象色の階調データに、予め参照色として設定されている他の色の階調データが示す濃度値を加算する。そして、得られた値を比較対象データとして量子化処理部306に送信する。加算した値が閾値マトリクスの最大値(12bitの場合は4096)を超えてしまった場合は、その最大値を更に減算した値を量子化処理部306に送信する。
ここで、「順次追加型色間処理」において第1色と設定された色については、参照色は「なし」と設定される。このため、第1色については、量子化部306において、ディザパタン310に格納されている閾値マトリクスに従った量子化処理が行われる。一方、「順次追加型色間処理」において第2色と設定された色については、参照色が「第1色」と設定される。そして、第2色については、第2色の入力階調値In2と、第1色の入力階調値In1と、閾値マトリクスに保存された閾値Dthとに基づいて、量子化処理が行われる。
具体的には、まず第2色の入力階調値In2に第1色の入力階調値In1を加算した値In´2を算出する。
In´2=In1+In2
そして、この加算値In´2が閾値の最大値Dthmaxを超えた場合には、この最大値Dthmaxを減算する。
In´2=In´2−Dthmax
その上で、In´2>Dth 且つ In1<Dth の場合は、処理対象画素において第2色を記録(1)とする。
一方、In´2>Dth 且つ In1>Dth の場合、或は
In´2≦Dth の場合は、処理対象画素において第2色を非記録(0)とする。以下、上述の処理を引き続き「順次追加型色間処理」と呼ぶ。
図5は、「順次追加型色間処理」を用いて量子化した場合の、閾値マトリクスに記憶されている閾値に対するドットの記録状態を示す図である。横軸は濃度値を示し、0%は閾値マトリクスに配置されている閾値のうちの最小値「0」に相当し、100%は最大値(12bitの場合は4095)に相当する。ここでは、第1色、第2色共に20%程度の濃度データ(820)が入力された場合を示している。
「順次追加型色間処理」の場合、参照色を「なし」とする第1色については、0〜20%(0〜820)の閾値が配された位置にドットが記録される。一方、参照色を「第1色」とする第2色については、20〜40%(821〜1639)の閾値が配された位置にドットが記録される。そして、第1色と第2色の混在ドットとしては、0〜40%(0〜1639)の閾値が配された位置にドットが記録される。第1色のドットと第2色のドットは、閾値マトリクスの異なる画素位置に対応づけて記録されるので、互いに重なり合うことは無い。
図6(a)および(b)は、ブルーノイズ特性を有する閾値マトリクスを用いて図5で説明した「順次追加型色間処理」を行った場合の、ドットの配置状態と空間周波数のパワー分布を示す図である。図6(a)に示すように、第1色の単独ドットにおいても、第2色の単独ドットにおいても、更にこれらの混在においても、ドットは高い分散性のもとで配置されている。また、図6(b)に示すように、これらいずれのドット配置においても、低周波成分が抑えられ、急激な立ち上がりを持ち、高周波成分が平らである、というブルーノイズ特性を有している。
但し、閾値マトリクスの途中の閾値(0からでは無く、821〜1640の閾値)にトッドが配置される第2色の単独ドットについては、第1色の単独ドットや混在ドットに比較すると、ブルーノイズ特性が若干崩れている。すなわち、パワースペクトルの立ち上がりが早く低周波成分のパワーが強く、ドットの分散性が低下している。
本発明者らの検討によれば、このような2つの閾値マトリクスとしては、互いの閾値の値の順に従う画素の位置の序列を逆転させたものが、有効であることを確認した。具体的には、閾値の最大値をDthmaxとし、ブルーノイズ特性を有する閾値マトリクスにおける任意の画素位置の閾値をDthとしたとき、任意の画素位置における第1色の閾値Dth1と第2色の閾値Dth2は以下の様に定めればよい。
Dth1=Dth Dth2=Dthmax−Dth (式2)
図7は、上記方法で作成した第1色用の閾値マトリクスと第2色用の閾値マトリクスを
説明するための図である。ここでは、簡単のため、4×4画素領域を有する閾値マトリクスとし、個々の画素領域に0〜15の閾値が配されている。即ち、Dthmax=15となる。第1の閾値マトリクスで最小値0が配されている画素は第2の閾値マトリクスでは最大値15が配され、第1の閾値マトリクスで最大値15が配されている画素は第2の閾値マトリクスでは最小値0が配されている。
図7の座標は、図7の第1の閾値マトリクス、第2の閾値マトリクスにおける各画素の位置に対応する座標をアルファベットの符号で示している。第1のマトリクスの各閾値に対応する座標の符号を、対応する閾値の昇順に並べた場合、座標の序列はAHJOGPBIDKMFNCELである。一方、第2のマトリクスの各閾値に対応する座標の符号を、対応する閾値の昇順に並べた場合、座標の序列はLECNFMKDIBPGOJHAである。つまり、第1の閾値マトリクスと第2の閾値マトリクスとでは、対応する閾値の座標の符号を閾値の昇順、つまり0から1レベルずつ数が増える順に並べた場合、符号の並びが逆転する関係にある。当然であるが、閾値の降順に並べた場合でも同じ逆転の関係になる。
以下、このように互いの閾値の値の順に従う画素の位置の序列が逆転した関係にある2つの閾値マトリクスを、「逆転の関係にある閾値マトリクス」と称す。また、1つの閾値マトリクスをもとに(式2)に従って逆転関係にある閾値を利用しながら、2つの色について行う量子化処理を、「式(2)の量子化処理」と称す。
図8(a)および(b)は、第1色と第2色の量子化処理を、逆転の関係にある第1の閾値マトリクスと第2の閾値マトリクスを用いてそれぞれ行った場合の、閾値とドットの記録状態を示す図である。ここでは、第1色、第2色共に25%程度の濃度データ(1024)が入力された場合を示している。
図8(a)は、第1の閾値マトリクスにおける閾値に対する第1色のドットの記録状態と、第2の閾値マトリクスにおける閾値に対する第2色のドットの記録状態をそれぞれ示している。図8(b)は、第1の閾値マトリクスにおける閾値に対する第1色のドットおよび第2色のドットの記録状態を示している。
本発明者らの検討によれば、ドットパワーが共に高い第1色と第2色の量子化処理については、このように逆転の関係にある閾値マトリクスを用いた方が、「順次追加型色間処理」を行う場合よりも、第2色および画像全体の粒状感が目立ち難いことが確認された。言い換えると、閾値の最小値も最大値も含まない連続領域(図5の第2色)に記録されるドットの分散性よりも、最小値を含む連続閾値領域(図8(b)の第1色)や最大値を含む連続閾値領域(図8(b)の第2色)の方が、高い分散性を得ることが出来る。
また、逆転の関係にある閾値マトリクスを用いると、第1色と第2色の重複ドットの出現を極力抑えることができるという効果も得られる。図9(a)および(b)は、第1色と第2色の量子化処理を、相関の無い2つの閾値マトリクスを用いて行った場合と、逆転の関係にある2つの閾値マトリクスを用いて行った場合とで比較する図である。相関の無い2つの閾値マトリクスを用いた場合、図9(a)に示すように、それぞれの色では高い分散性が得られるものの、これらの重ね合わせにおいては、たとえ低階調領域であっても第1色と第2色の重複ドットが確率的に出現する。
これに対し、逆転の関係にある2つの閾値マトリクスを用いた場合は、図9(b)に示すように、それぞれの色でも重ね合わせにおいても高い分散性が得られつつ、低階調領域において第1色と第2色の重複ドットが出現することは無い。これは、第1色と第2色のドットが記録される位置が、図8(b)に示すように、同じ閾値マトリクスの互いに排他な閾値領域に配されるためである。
但し、逆転の関係にある2つの閾値マトリクスを用いた場合でも、第1色の階調値と第2色の階調値が増加しその和が閾値の最大値を超えるような階調領域では、第1色と第2色の重複ドットは出現する。そして、そのような階調領域では、逆転の関係にある2つの閾値マトリクスを用いた場合の方が、1つの閾値マトリクスを用いて「順次追加型色間処理」を行った場合よりも、粒状感がむしろ目立ってしまう場合があった。
図10(a)および(b)は、1つの閾値マトリクスを用いて、「順次追加型色間処理」を行った場合と、「式(2)の量子化処理」を行った場合の、閾値に対するドットの記録状態を比較する図である。どちらの図も、第1色、第2色共に75%程度の濃度データ(3072)が入力された場合を示している。
ここで、第1色については、どちらの場合においても0〜75%(0〜3071)の閾値が配された位置にドットが記録される。
一方、第2色については、「順次追加型色間処理」を行った場合、図10(a)に示すように75〜100%(3072〜4095)の領域と、0〜50%(0〜2047)にドットが記録される。そして、「式(2)の量子化処理」を行った場合は、図10(b)に示すように、25%〜100%(1024〜4095)にドットが記録される。
ここで、第1色と第2色が共に記録される閾値(即ち、重複ドットが記録される閾値)に着目すると、図10(a)では0〜50%(0〜2047)となり、図10(b)では25〜75%(1024〜3071)となる。以後、このような第1色と第2色が共に記録される閾値領域を重複階調領域と称す。すなわち「順次追加型色間処理」を行った場合、重複階調領域は閾値の最小値を含んだ連続領域となるが、「式(2)の量子化処理」を行った場合、重複階調領域は閾値の最小値も最大値も含まない連続領域となる。このため、「式(2)の量子化処理」で発生する重複ドットの分散性は、「順次追加型色間処理」を行った場合に発生する重複ドットの分散性よりも低く、粒状感が目立ってしまう結果となる。
つまり、「順次追加型色間処理」と「式(2)の量子化処理」を比較すると、重複ドットが発生しない階調領域においては「式(2)の量子化処理」の方が分散性に優れている。しかしながら、ドットパワーの強い重複ドットが発生する階調領域においては「順次追加型色間処理」の方が分散性に優れている。
以上を踏まえ、本発明者らは、全階調領域において好ましい分散性を得るためには、第1色の階調値と第2色の階調値の和が閾値の最大値以下である低階調領域と、当該和が最大値を超える高階調領域で量子化の方法を異ならせることが有効であることを見出した。本実施形態では、ブルーノイズ特性を有するようなドットパターンにおける粒状感が抑えられた1つの閾値マトリクスを用いて第1色と第2色の量子化処理を行う場合、第1色は「順次追加型色間処理」の第1色として上記閾値マトリクスを用いた量子化処理を行う。そして、第2色については、第1色と第2色の和が低階調の場合は「式(2)の量子化処理」を行い、第1色と第2色の和が高階調の場合は本実施形態の特徴的な以下の処理に従って量子化処理を行う。
図11(a)〜(c)は、本実施形態のディザ処理部311が第2色の量子化のために実行する処理を説明するフローチャートである。処理対象画素について第1色の階調データIn1と第2色の階調データIn2が入力されると、ディザ処理部311は、まず図11(a)のS01において、第1色の階調データIn1と第2色の階調データIn2の和が100%より大きいか否かを判定する。例えば、階調データが12bitである場合は、In1とIn2の和が4096以上であるか否かを判定する。100%以下(4095以下)の場合は「低階調処理」S02に進み、100%より大きい(4095以上)と判定した場合は「高階調処理」S03に進む。
図11(b)は、S02で実行する「低階調処理」の工程を示す図である。In1とIn2の和が100%以下の場合に進む「低階調処理」S02では、「式(2)の量子化処理」を行っても重複階調領域は存在しない。よって、第1色、第2色それぞれの単ドットの分散性を重視して「式(2)の量子化処理」を行う。
本処理が開始されると、ディザ処理部311は、まず、S10において、処理対象画素の第2色のための閾値Dth2を取得する。閾値Dth2は、第1の閾値マトリクスと逆転の関係にある閾値マトリクスとして予め記憶されている第2の閾値マトリクスから読み出しても良いし、処理対象画素に対応する第1の閾値マトリクスに記憶された閾値Dth1から、(式2)を用いて算出しても良い。
次に、S11において、ディザ処理部311は、第2色の階調データIn2をS10で取得した閾値Dth2と比較する。そして、In2>Dth2の場合はS12に進み、第2色についての出力値(量子化値)を「1」(記録)に設定し、In2≦Dth2の場合はS13に進み、第2色についての出力値(量子化値)を「0」(非記録)に設定する。
図11(c)は、図11(a)のS03で実行する「高階調処理」の工程を示す図である。In1とIn2の和が100%を超える場合に進む「高階調処理」S03では、「式(2)の量子化処理」を行った場合に重複階調領域が存在することになる。よって、第1色、第2色それぞれの単ドットの分散性に加え、第1色と第2色の重複ドットの分散性も重視するための処理を行う。
本処理が開始されると、ディザ処理部311は、まず、S20において、処理対象画素の第1色のための閾値Dth1と第2色のための閾値Dth2を取得する。閾値Dth2については、「低階調処理」の場合と同様、予め記憶されている第2の閾値マトリクスから読み出しても良いし、処理対象画素に対応する第1の閾値マトリクスに記憶された閾値Dth1から、(式2)を用いて算出しても良い。
S21において、ディザ処理部311は重複階調領域幅In3を取得する。重複階調領域幅In3とは、第1色と第2色が共に記録される閾値領域の幅を示し、(式3)で表すことが出来る。
In3=In1+In2−Dthmax (式3)
S22において、ディザ処理部311は、重複階調領域幅In3が、In3>Dth1(条件1)又は In2―In3>Dth2(条件2)を満たすか否かを判定する。そして、条件1と条件2のいずれか一方を満たす場合はS23に進み、第2色についての出力値(量子化値)を「1」(記録)に設定する。ここで、条件1が満たされる画素とは第1色も第2色も記録される画素であり、条件2が満たされる画素とは第2色のみが記録される画素となる。一方、S22において、条件1および条件2のいずれも満たさない場合はS24に進み、第2色についての出力値(量子化値)を「0」(非記録)に設定する。
図12(a)および(b)は、「低階調処理」が行われた場合の、閾値に対する第1色と第2色のドット配置状態を示す図である。ここでは、図7に示す逆転の関係にある2つの閾値マトリクスを第1及び第2の閾値マトリクスとして用い、入力階調値がIn1=6、In2=4(即ちIn1+In2=10<15)であった場合を示している。
第1色のドットは第1の閾値マトリクスにおける0〜5に記録され、第2色のドットは第2の閾値マトリクスにおける0〜3(第1の閾値マトリクスにおける12〜15)に記録される。すなわち、第1色の単独ドットは第1の閾値マトリクスの最小値を含んだ連続領域に記録され、第2色の単独ドットは第1の閾値マトリクスの最大値を含んだ連続領域に記録され、重複階調領域は存在しない。結果、第1色の単独ドットも第2色の単独ドットも分散性の高い状態で記録され、粒状感の目立たない一様が画像を出力することができる。
一方、図13(a)および(b)は、「高階調処理」が行われた場合の、閾値に対する第1色と第2色のドット配置状態を示す図である。ここでは、図7に示す逆転の関係にある2つの閾値マトリクスを、第1および第2の閾値マトリクスとして用い、In1=9、In2=12(即ちIn1+In2=21>15)であった場合を示している。
第1色のドットは第1の閾値マトリクスにおける0〜8に記録されている。第2色のドットは、第2の閾値マトリクスにおける0〜6(第1の閾値マトリクスにおける9〜15)と、11〜15(第1の閾値マトリクスにおける0〜4)に別れて記録されている。In1とIn2の和が100%より大きいために重複ドットが発生し、第1の閾値マトリクスにおける0〜4に記録されている。
つまり、第1色の単独ドットは、最小値も最大値も含まない連続領域(5〜8)に記録されるものの、第2色の単独ドットは最大値を含んだ連続領域(9〜15)に記録され、最もドットパワーが強い重複ドットは、最小値を含んだ連続領域(0〜4)に記録される。結果、各ドットが高い分散性で配置され、粒状感の目立たない一様が画像を出力することができる。
図14(a)〜(d)は、第1色をシアン、第2色をマゼンタとして実際に記録媒体にドットを記録した場合の空間周波数に対する応答値を示す図である。いずれの図においても、横軸は空間周波数を示し縦軸は応答値を示している。応答値とは視覚的な粒状感に相応する値であり、ここでは空間周波数に対応するパワーに人間の視覚特性(VTF)と、ドットパワー係数を乗じた値としている。
視覚特性(VTF)については、既に(式1)で示したDooleyの近似式を用いている。ドットパワー係数は、ドットパワーの強度に準ずる値であり、明度が低いほど大きくなる。ここでは、CIEL***色空間におけるシアンの明度L*=65、マゼンタの明度L*=65、シアンとマゼンタの重複ドットの明度L*=45として、各色のドットパワー係数を設定している。
In1とIn2の和が100%以下である階調領域、すなわちS02の低階調処理に進む場合については、両者のドット配置は同等となるためここでは示していない。ここでは、第1色(シアン)の階調値In1、第2色(マゼンタ)の階調値In2がともに75%である場合について、本実施形態の量子化処理を採用した場合と、全ての階調について「式(2)の量子化処理」を行った場合とを比較して示している。図14(a)はシアンドットとマゼンタドットの混在、同図(b)はシアンドット(単独も重複も含む)、同図(c)はマゼンタドット(単独も重複も含む)、同図(d)はシアンとマゼンタの重複ドット、の応答値をそれぞれ示している。
図によれば、図14(b)に示すシアンドットの応答値は、本実施形態の量子化処理を行った場合も「式(2)の量子化処理」を行った場合も、同じ特性を示している。これは、シアン(第1色)については、どちらの量子化処理においても、同じ閾値マトリクスを用いるためである。図14(c)に示すマゼンタドットの応答値については、「式(2)の量子化処理」の方が低周波成分の応答値が低く、粒状感が抑えられている。これは、マゼンタドットが、閾値マトリクスにおける最小値を含んだ連続領域と最大値を含んだ連続領域に分断して記録されるためである。図14(a)に示すシアンとマゼンタの混在ドットと、図14(d)に示す重複ドットの応答値については、どちらも本実施形態の量子化処理の方が低周波成分の応答値が低く、粒状感が抑えられている。
図15は、図14(a)〜(d)で示した、それぞれの応答値を積分した値を比較する図である。このような積分値は、分散性の評価値として扱うことが出来、絶対値が小さいほど、視覚的に粒状感が目立ち難いと言える。
本実施形態の量子化処理と「式(2)の量子化処理」を比較すると、シアンドットについては同等であり、マゼンタドットについては本実施形態の量子化処理の応答値の方が高くなっている。一方、シアンとマゼンタの混在、およびシアンとマゼンタの重複ドットについては、本実施形態の量子化処理の方が低く抑えられている。そして、マゼンタドットにおける応答値の差は、ドットパワーの強い重複ドットにおける応答値の差に比べると僅かであり、画像全体としては本実施形態の量子化処理の方が、粒状感が目立ち難くなる。
以上説明したように本実施形態によれば、第1色は分散性に優れた第1の閾値マトリクスに従って量子化を行う。そして、第2色は、重複ドットが発生しない階調領域については 第1の閾値マトリクスと逆転の関係を有する第2の閾値マトリクスに従って量子化を行う。更に、第2色は、重複ドットが発生する階調領域について、重複ドットに関しては第1の閾値マトリクスに従って、単独ドットに関しては第2の閾値マトリクスに従ってそれぞれ量子化処理を行う。これにより、特にドットパワーの強い重複ドットの分散性を高めることができ、画像全体の粒状感を抑えることが可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態においても図1および図2に示したインクジェット記録システムを用いる。
図16は、本実施形態の画像処理装置主制御部108が実行する画像処理を説明するためのフローチャートである。図3に示した第1の実施形態のフローチャートと異なる点は、S204のインデックス展開処理が追加されていることである。以下、第1の実施形態と異なる工程について説明する。
ステップS202において、 本実施形態の画像処理装置主制御部108は、変換後のRGBデータを、記録装置のインク色である、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)それぞれの16bit階調データ(濃度データ)に分解する。この段階で、16bitのグレー画像が3チャンネル分(3色分)生成される。
ステップS203において、 画像処理装置主制御部108は、インク色のそれぞれに対応する16bit階調データに対し所定のN値化量子化処理を行い、N階調の量子化データを生成する。本実施形態では3値に量子化するものとし、16bit階調データよりレベル0〜レベル2(Lv0、Lv1、Lv2)の2bitデータを生成する。
続くステップS204において、画像処理装置主制御部108はインデックス展開処理を行う。具体的には、個々の画素に記録するドットの数と位置を予め定めた複数のドット配置パターンの中から、1つのドット配置パターンを、ステップS203で得られたレベルに対応づけて選出し、ドットデータとして生成する。この際、ドット配置パターンとは、個々の画素に相当する領域に記録するドットの数をレベル値によって異ならせる形態であっても良いし、ドットの大きさをレベル値に応じて異ならせる形態であっても良い。
ステップS205において、画像処理装置主制御部108はS204で作成したドットデータを出力する。以上で本処理が終了する。
図17は、本実施形態において、図16のステップS203で実行される量子化処理の詳細を説明するためのブロック図である。第1の実施形態で説明した図4と異なる点は、正規化処理部303が追加されていることである。以下、主に正規化処理部303に係る処理について説明する。
本実施形態において、階調データ取得部301は、個々の画素の濃度を示す16bitの階調データを取得し、ノイズ付加処理部302は、16bitの階調データに所定のノイズを付加する。
正規化処理部303は、16bitで表される個々の画素の階調値を、ステップS204でインデックス展開が可能な階調数(レベル数)に対応づけた後、個々のレベルのレンジを12ビットに正規化する。以下、具体的に説明する。ステップS204におけるインデックス展開処理がLv0〜Lv(N−1)のN階調(Nは3以上の整数)に対応する処理の場合、正規化処理部303は、16bitで表される65536階調を(N−1)個のレンジに等分する。更に、それぞれのレンジを、12bit(4096階調)に正規化する。これにより、個々の画素について、Lv0〜Lv(N−1)のいずれかに対応づけられた状態の12bitデータが得られる。そして、入力値が(N−1)個のレンジのうち、階調の低い順からM番目のレンジに含まれる場合は、後段の量子化処理によって、レベル値(M−1)(Lv(M−1))またはレベル値M(LvM)のいずれかに量子化される。
本実施形態では、インデックス展開処理がLv0、Lv1、Lv2の3値に対応しているので、正規化処理部303は、16bitで表される65536階調を2等分する。そして、それぞれのレンジである、階調値0〜32767と、階調値32768〜65535を12bit(0〜4095階調)に正規化する。第1レンジである入力階調値0〜32767の画素は、後段の量子化処理によりLv0またはLv1に量子化され、第2レンジである入力階調値32768〜65535の画素は、後段の量子化処理によりLv1またはLv2に量子化される。
以上説明した階調データ取得部301〜正規化部303の処理は、各色の階調データについて並列に行われ、シアン、マゼンタおよびイエローについての12bitデータはディザ処理部311に入力される。
図18は、正規化処理部303に入力される16bitの入力値と、正規化処理部303とディザ処理部311が行う処理の概念を説明するための模式図である。16bit(0〜65535)を3値に正規化する場合、第1レンジは0〜32767、第2レンジは32768〜65535となる。第1レンジに含まれる入力階調値Inは、Lv0またはLv1の何れかに量子化される。第2レンジに含まれる入力階調値Inは、Lv1またはLv2の何れかに量子化される。以下の説明では、各レンジにおいて小さい方のレベル値を量子化基準値BaseLvと称し、入力階調値Inが量子化基準値BaseLvを超えた分の値をレンジ内階調値In´と称す。
図では、各レンジの大きさを100%、入力階調値Inが取りうるレンジを0〜200%としている。そして、In=125%が入力された場合を示している。本例の場合、入力階調値Inは第2レンジに含まれ、量子化基準値BaseLvは100%に相当する。レンジ内階調値In´は、In´=In−100%=25%となり、入力階調値InはLv1またはLv2のどちらかに量子化される。ここで言うレンジ内階調値In´は、正規化部303によって正規化された後のデータに相当することになる。
本実施形態では、第1色の量子化基準値BaseLv1と第2色の量子化基準値BaseLv2の大小関係によって、第2色の量子化レベルの決定方法を異ならせる。具体的には、第2色の量子化で使用するための2つの比較値CompAとCompBを、第1色の量子化基準値BaseLv1と第2色の量子化基準値BaseLv2の大小関係に基づいて設定する。
図19(a)〜(c)は、比較値CompAとCompBの設定例を説明するための図である。図19(a)はBaseLv1=BaseLv2の場合、同図(b)はBaseLv1<BaseLv2の場合、同図(c)はBaseLv1>BaseLv2の場合をそれぞれ示している。以下順番に説明する。
図19(a)は、第1色の入力階調値がIn1=125%、第2色の入力階調値がIn2=150%の場合を示している。この場合、各色の量子化基準値とレンジ内階調値は、BaseLv1=BaseLv2=1、In´1=25%、In´2=50%となる。本実施形態において、CompBについては、いずれの条件においてもCompB=In´2とする。一方、CompAについては、第2色の入力階調値In2が含まれるレンジにおける第1色の入力階調値In1(In´1)とする。すなわち、図19(a)のようにBaseLv1とBaseLv2が同値の場合、CompA=In´1とする。
図19(b)は、第1色の入力階調値がIn1=25%、第2色の入力階調値がIn2=150%の場合を示している。この場合、各色の量子化基準値とレンジ内階調値は、BaseLv1=0、BaseLv2=1、In´1=25%、In´2=50%となる。このようにBaseLv1<BaseLv2である場合、第2色の入力階調値In2が含まれる第2レンジにおける第1色のレンジ内階調値In´1は0%であるため、2つの比較値はCompA=0%、CompB=In´2となる。
図19(c)は、第1色の入力階調値がIn1=125%、第2色の入力階調値がIn2=50%の場合を示している。この場合、各色の量子化基準値とレンジ内階調値は、BaseLv1=1、BaseLv2=0、In´1=25%、In´2=50%となる。このようにBaseLv1>BaseLv2である場合、第2色の入力階調値In2が含まれる第2レンジにおける第1の階調値In1は100%であるため、2つの比較値はCompA=100%、CompB=In´2となる。
図20は、以上説明した量子化基準値の大小関係と、2つの比較値CompA及びCompBの対応を示している。
図21は、本実施形態のディザ処理部311が、第2色の量子化のために実行する処理を説明するフローチャートである。本処理が開始されると、ディザ処理部311は、まずS30において、第1閾値マトリクスの閾値Dth1、第2閾値マトリクスの閾値Dth2、および2つの比較値CompA、CompBを取得する。Dth1およびDth2は、第1の閾値マトリクス及び第2の閾値マトリクスのそれぞれに配列される閾値の中から、処理対象画素に対応する閾値を読み出せばよい。2つの比較値CompA、CompBについては、正規化処理部303から入力された入力階調値In1、In2を用い、図20に示す表に従って設定すれば良い。なお、第1の閾値マトリクスと第2の閾値マトリクスは、第1の実施形態と同様、互いに逆転の関係を有しているものとする。
S31において、ディザ処理部311は、下記不等式が成立するか否かを判定する。
CompA+CompB>100%
上記不等式が成立しないと判定した場合はS32に進み、上記不等式が成立すると判定した場合はS35に進む。
S32以降の処理は、第1の実施形態の図11(b)に相応し、第2色に対し第2の閾値マトリクスを用いて量子化を行うための処理である。すなわち、第2色のレンジ内階調値In´2と第2の閾値マトリクスの閾値Dth2を比較し、In´2>Dth2の場合はS33に進み第2色の量子化レベルをBaseLv2+1に設定する。一方、In´2≦Dth2の場合はS34に進み第2色の量子化レベルをBaseLv2に設定する。
一方、S35以降の処理は、第1の実施形態の図11(c)に相当し、第2色に対し本発明の特徴的な量子化を行うための処理である。S35において、ディザ処理部311は、重複補正階調領域幅In´3を取得する。重複補正階調領域幅In´3は、第1色と第2色が共に記録される閾値領域の幅に相応し、(式4)で表すことが出来る。
In´3=CompA+CompB−100% (式4)
S36において、ディザ処理部311は、重複補正階調領域幅In´3が、In´3>Dth1(条件3)又は CompB−In´3>Dth2(条件4)を満たすか否かを判定する。そして、条件3と条件4のいずれか一方を満たす場合はS37に進み、処理対象画素の量子化レベルをBaseLv2+1に設定する。ここで、条件3が満たされる画素とは第1色も第2色も等しい量子化レベルで記録される画素であり、条件4が満たされる画素とは第2色の量子化レベルが第1色の量子化レベルよりも高いレベル値で記録される画素となる。一方、S36において、条件3および条件4のいずれも満たさない場合はS38に進み、処理対象画素の量子化レベルをBaseLv2に設定する。
以下、再度図21を参照しながら、図19(a)〜(c)の各々のケースを、ある程度の広さを有する画像領域に同値の階調データが一様に入力された場合について説明する。BaseLv1=BaseLv2の場合は、同じレンジの中で第1色が記録される画素と第2色が記録される画素が、第1の実施形態と同様に配置されることになる。例えば、図19(a)に示すように、BaseLv1=BaseLv2=1の場合を考える。この場合、画素領域全体に第1色と第2色がLv1の量子化レベルで一様に記録されている中に、Lv2の第1色と第2色が比較的低階調では排他的に記録され、比較的高階調では重複画素が第1の閾値マトリクスに従って記録される。また、BaseLv1=BaseLv2=0の場合は、白紙領域の中に、Lv1の第1色と第2色が比較的低階調では排他的に記録され、比較的高階調では重複画素が第1の閾値マトリクスに従って分散性の高い状態で記録される。
図19(b)に示す、BaseLv1<BaseLv2の場合は、画素領域全体において第2色がLv1またはLv2の量子化レベルで一様に記録されている中に、Lv1の第1色が記録されることになる。第2色については、図20を参照してCompAが0%に設定されるため、図21のS31では必ずNoになりS32に進む。そして、第2色は第1閾値マトリクスと逆転の関係にある第2の閾値マトリクスに従って記録される。一方、Lv1で記録される第1色についてはその全てが第2色との重複画素となるが、これら重複画素は第1の閾値マトリクスに従って量子化されるため、分散性の高い状態で配置される。
図19(c)に示す、BaseLv1>BaseLv2の場合は、画素領域全体において第1色がLv1またはLv2の量子化レベルで一様に記録されている中に、Lv1の第2色が記録されることになる。すなわち、第2色が記録される位置は全て第1色と第2色が重複される画素となる。この場合は、図20を参照してCompAが100%に設定されるため、図21のS31では必ずYesになりS35に進み、In´3=CompB=In´2となり、第1の閾値マトリクス(条件3)に従って分散性の高い状態で記録される。このように、図19(a)〜(c)のいずれの場合においても、第1色と第2色の重複画素は第1の閾値マトリクスに従って分散性の高い状態で記録される。
以上説明したように本実施形態によれば、複数の量子化レベルを有する記録画素において、より高い量子化レベルを有する画素(即ちより強いドットパワーを有する画素)に対し、優先的に第1の閾値マトリクスに従った量子化処理を行うことができる。結果、複数の量子化レベルによって表現される幅広い階調領域において、粒状感の目立たない一様な画像を黄得することが可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態においても、第2の実施形態と同様のインクジェット記録システムも用い、第2の実施形態と同様の図16および図21のフローチャートに従って画像処理を行う。本実施形態において、第2の実施形態と異なる点は、2つの比較値CompAおよびCompBの設定方法である。
図22は、本実施形態における量子化基準値の大小関係と、2つの比較値CompA、CompBの対応を示す。本実施形態において、BaseLv1=BaseLv2の場合はCompA=In´1およびCompB=In´2とし、BaseLv1≠BaseLv2の場合は、CompA=0%およびCompB=In´2としている。
このような本実施形態によれば、図19(c)に示すBaseLv1>BaseLv2の場合においても、図21のS32に進み、第2色について第2の閾値マトリクスを用いて量子化することになる。このため、BaseLv1>BaseLv2の場合は、第2色が記録される位置が全て重複画素となるが、この重複画素が第1の閾値マトリクスではなく第2の閾値マトリクスを用いて配置されることになる。但し、第2の閾値マトリクスは第1の閾値マトリクスと逆転の関係にあるので、このような重複画素は、第1の閾値マトリクスの「最小値」ではなく「最大値」を含む連続閾値領域に配されることになる。
すなわち、このような本実施形態においても、重複画素が第1の閾値マトリクスに配された閾値の「最小値」も「最大値」も含まない連続閾値領域に記録される従来の構成に比べれば、粒状感は十分に低減することができる。そしてその上で、本実施形態によれば、図21におけるS35以降の演算回数を抑えることができ、第2の実施形態よりも量子化処理を高速に行うことが可能となる。
(第4の実施形態)
上記実施形態では、第1色と第2色の重複画素を第1の閾値マトリクスの序列に従って配するために、第2色の階調値を所定の方法で補正(シフト)して、固定された閾値と比較した。これに対し本実施形態では、上記と同じ効果を得るために、閾値の側を補正(シフト)する。
図23は、本実施形態で採用するディザ処理部311の制御構成を説明するためのブロック図である。本実施形態においても、ディザパタン310および閾値取得部305の構成については上記実施形態と同じである。すなわち、ディザパタン310にはブルーノイズ特性を有する第1の閾値マトリクスと、この第1の閾値マトリクスと逆転の関係にある第2の閾値マトリクスが保存されている。そして閾値取得部305は、第1の閾値マトリクスおよび第2の閾値マトリクスに配列される閾値の中から、処理対象画素に対応する閾値Dth1およびDth2を取得し、閾値オフセット量加算部309に送信する。
本実施形態の色間処理部304は、閾値オフセット算出部308と閾値オフセット加算部309を備える。閾値オフセット算出部308は、第1色および第2色の入力階調値In1、In2に基づいて閾値オフセット量ThOftを算出し、閾値オフセット量加算部309に送信する。閾値オフセット量加算部309は、閾値取得部305より受信した閾値に対し閾値オフセット量加算部308から受信した閾値オフセット量ThOftを加算して第2色用の補正閾値Dth2´を取得し、これを量子化処理部306に送信する。量子化処理部306は、第2色の入力階調値In2を第2色用の補正閾値Dth2´または第1の閾値Dth2´と比較することによって量子化レベルを決定し、出力する。
図24は、本実施形態のディザ処理部311が、処理対象画素の第1色の入力階調値In1と第2色の階調値In2を量子化するために実行する処理を説明するためのフローチャートである。本処理開始されると、ディザ処理部311は、まずS400において、第1閾値マトリクスの閾値Dth1、第2閾値マトリクスの閾値Dth2、および第1色と第2色の量子化基準値BaseLv1、BaseLv2を取得する。Dth1およびDth2は、第1の閾値マトリクス及び第2の閾値マトリクスのそれぞれに配列される閾値の中から、処理対象画素に対応する閾値を読み出せばよい。量子化基準値BaseLv1、BaseLv2は、第2の実施形態と同様、第1色および第2色の入力階調値In1、In2に基づいて取得される。
S401〜S405は、BaseLv1とBaseLv2の大小関係に基づいて、以下の式に従って入力加算値InSumを算出する。具体的には、
BaseLv1=BaseLv2の場合、InSum=In´1+In´2(S402)
BaseLv1≦BaseLv2の場合、InSum=0+In´2(S404)
BaseLv1>BaseLv2の場合、InSum=Dthmax+In´2(S405)
ここで、Dthmaxとは閾値マトリクスに配される閾値の最大値であり、本実施形態の場合はDthmax=4095である。
S406において、ディザ処理部311は、InSum>Dthmax が成立するか否かを判定する。InSum>Dthmax が成立する場合、S407に進み閾値オフセット量ThOftを、InSumとDthmaxの差分に設定する。
ThOft=InSum−Dthmax
一方、InSum>Dthmax が成立しない場合は、S408に進み閾値オフセット量ThOftを0に設定する。
S409において、ディザ処理部311は、S400で取得した第2色の閾値Dth2に閾値オフセット量ThOftを加算し、補正閾値Dth´2を取得する。
Dth´2=Dth2+ThOft
S410において、ディザ処理部311は、第1色および第2色それぞれについて量子化処理を行う。すなわち、第1色についてはIn´1とDth1を比較して量子化レベルを設定する。第2色については、In´2とDth´2を比較して量子化レベルを設定する。この際、第2色については、S409において算出したDth´2がDthmax以下である場合は、そのままIn´2とDth´2を比較して量子化レベルを設定する。一方、Dth´2がDthmaxを超える場合は、Dth´2よりDthmax+1を減算した値を新たなDth´2とし、この新たなDth´2をIn´2と比較して量子化レベルを設定する。新たなDth´2が算出される画素は、第1色と第2色の重複画素となるが、新たなDth´2は第1の閾値マトリクスの最小値を含む連続閾値領域に相当するため、重複画素を分散性の高い状態で配置することが出来る。以上で本処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、入力階調値ではなく閾値を補正(シフト)することにより、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、ここでは第2の実施形態と同等の量子化処理を実現可能な方法について説明したが、このような「閾値の側を補正する手法」は、第1の実施形態や第3の実施形態にも応用することができ、これら実施形態と同様の効果を得ることが出来る。その上で、図23にも示すような制御構成を有する本実施形態を実現するための回路は、第1〜第3の実施形態のように入力階調値の側を補正するための回路に比べて小規模にすることができ、装置の低コスト化を図ることができる。
(その他の実施形態)
以上では、第1色をシアン、第2色をマゼンタとした場合を例に説明したが、無論本発明はこのような組み合わせに限定されるものではない。上述した本実施形態の量子化処理では、第1色と第2色とのドットパワーが同等である場合についての説明を行った。閾値マトリクスに従った量子化処理を優先的に行うことができる第1色を、明度が低くドットパワーが強い色に設定することが好ましく、マゼンタのドットパワーの方がシアンよりも強い場合は、第1色をマゼンタ、第2色をシアンとしても良い。また、第1色または第2色の一方をシアンまたはマゼンタとしておきながら、他方をイエローなど別の色に交換してもよく、レッド、ブルー、グリーン、ブラック等、他の色相のインクを用いる場合に応用することもできる。
以上では、インクジェット記録装置を用いる場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ドットを記録することにより擬似階調表現を行うことが可能なカラーの記録装置であれば、他の方式の記録装置であっても本発明の効果を発揮することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
2 画像処理装置
108 画像処理装置主制御部
301 階調データ取得部
304 色間処理部
305 閾値取得部
306 量子化処理部
311 ディザ処理部

Claims (21)

  1. 処理対象画素について、第1色の階調値に対応する第1の階調データと、第2色の階調値に対応する第2の階調データを取得する階調データ取得手段と、
    各画素に対応する複数の閾値が配列されて構成される第1の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第1の閾値を取得し、各画素に対応する閾値が、前記第1の閾値マトリクスにおける閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係となるように配列された第2の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第2の閾値を取得する閾値取得手段と、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データに基づいて、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調数よりも少ない階調数を有する第1の量子化データと第2の量子化データを生成する生成手段と
    を備え、
    前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録するための画像処理を行う画像処理装置であって、
    前記生成手段は、
    前記第1の階調データを前記第1の閾値と比較した結果に基づいて前記第1の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データと前記第2の階調データの和が前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、前記第2の階調データを前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記和が前記最大値よりも大きい場合は、前記和から前記最大値を減算することによって第3の階調データを生成し、前記第3の階調データを前記第1の閾値と比較した結果、又は、前記第2の階調データと前記第3の階調データとの差分を前記第2の閾値と比較した結果、に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする画像処理装置。
  2. 処理対象画素について、第1色の階調値に対応する第1の階調データと、第2色の階調値に対応する第2の階調データを取得する階調データ取得手段と、
    各画素に対応する複数の閾値が配列されて構成される第1の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第1の閾値を取得し、各画素に対応する閾値が、前記第1の閾値マトリクスにおける閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係となるように配列された第2の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第2の閾値を取得する閾値取得手段と、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データに基づいて、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調数よりも少ない階調数を有する第1の量子化データと第2の量子化データを生成する生成手段と
    を備え、
    前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録するための画像処理を行う画像処理装置であって、
    前記生成手段は、
    前記第1の階調データを前記第1の閾値と比較した結果に基づいて前記第1の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データと前記第2の階調データの和が前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、前記第2の階調データを前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記和が前記最大値よりも大きい場合は、前記第2の階調データを、前記和と前記最大値の差分を前記第2の閾値に加算した補正閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする画像処理装置。
  3. 第1の量子化データは前記第1色の色材の記録または非記録を定める2値データであり、第2の量子化データは前記第2色の色材の記録または非記録を定める2値データであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 処理対象画素について、第1色の階調値に対応する第1の階調データと、第2色の階調値に対応する第2の階調データを取得する階調データ取得手段と、
    各画素に対応する複数の閾値が配列されて構成される第1の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第1の閾値を取得し、各画素に対応する閾値が、前記第1の閾値マトリクスにおける閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係となるように配列された第2の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第2の閾値を取得する閾値取得手段と、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データに基づいて、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調数よりも少ないN階調(Nは3以上の整数)を有する第1の量子化データと第2の量子化データを生成する生成手段と
    を備え、
    前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録するための画像処理を行う画像処理装置であって、
    前記生成手段は、
    前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調領域を(N−1)個のレンジに等分し、前記第1の階調データが含まれるレンジ内における前記第1の階調データの階調値である第1のレンジ内階調値と、前記第2の階調データが含まれるレンジ内における前記第2の階調データの階調値である第2のレンジ内階調値を算出し、
    前記第1のレンジ内階調値を前記第1の閾値と比較した結果に基づいて前記第1の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データが含まれるレンジと前記第2の階調データが含まれるレンジが等しい場合であって、
    前記第1のレンジ内階調値と前記第2のレンジ内階調値の和が前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、前記第2のレンジ内階調値を前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記和が前記最大値より大きい場合は、前記和から前記最大値を減算することによって第3のレンジ内階調値を生成し、前記第3のレンジ内階調値を前記第1の閾値と比較した結果、又は、前記第2のレンジ内階調値と前記第3のレンジ内階調値との差分を前記第2の閾値と比較した結果、に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記生成手段は、前記第1の階調データが含まれるレンジが前記第2の階調データが含まれるレンジよりも低い階調にある場合は、前記第2のレンジ内階調値を前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データが含まれるレンジが前記第2の階調データが含まれるレンジよりも高い階調にある場合は、前記第3のレンジ内階調値を前記第1の閾値と比較した結果、又は、前記第2のレンジ内階調値と前記第3のレンジ内階調値との差分を前記第2の閾値と比較した結果、に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、前記第1の階調データが含まれるレンジが前記第2の階調データが含まれるレンジと異なる場合は、前記第2のレンジ内階調値を前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 処理対象画素について、第1色の階調値に対応する第1の階調データと、第2色の階調値に対応する第2の階調データを取得する階調データ取得手段と、
    各画素に対応する複数の閾値が配列されて構成される第1の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第1の閾値を取得し、各画素に対応する閾値が、前記第1の閾値マトリクスにおける閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係となるように配列された第2の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第2の閾値を取得する閾値取得手段と、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データに基づいて、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調数よりも少ないN階調(Nは3以上の整数)を有する第1の量子化データと第2の量子化データを生成する生成手段と
    を備え、
    前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録するための画像処理を行う画像処理装置であって、
    前記生成手段は、
    前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調領域を(N−1)個のレンジに等分し、前記第1の階調データが含まれるレンジ内における前記第1の階調データの階調値である第1のレンジ内階調値と、前記第2の階調データが含まれるレンジ内における前記第2の階調データの階調値である第2のレンジ内階調値を算出し、
    前記第1のレンジ内階調値を前記第1の閾値と比較した結果に基づいて前記第1の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データが含まれるレンジと前記第2の階調データが含まれるレンジが等しい場合であって、
    前記第1のレンジ内階調値と前記第2のレンジ内階調値の和が前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、前記第2のレンジ内階調値を前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記和が前記最大値より大きい場合は、前記和から前記最大値を減算することによって閾値オフセット量を生成し、前記第2のレンジ内階調値を、前記第2の閾値に前記閾値オフセット量を加算した値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする画像処理装置。
  8. 前記生成手段は、
    前記第1の階調データが含まれるレンジが前記第2の階調データが含まれるレンジよりも低い階調にある場合は、前記第2のレンジ内階調値を前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データが含まれるレンジが前記第2の階調データが含まれるレンジよりも高い階調にある場合は、前記第2のレンジ内階調値を、前記第2のレンジ内階調値と前記第2の閾値との和と、比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記生成手段は、前記第1の階調データが含まれるレンジが前記第2の階調データが含まれるレンジと異なる階調にある場合は、前記第2のレンジ内階調値を前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  10. 前記生成手段は、前記第1の階調データが、前記(N−1)個のレンジのうちの階調の低い順からM番目のレンジに含まれるとき、レベル値(M−1)またはレベル値Mを前記第1の量子化データとして生成し、前記第2の階調データが、前記(N−1)個のレンジのうちの階調の低い順からL番目のレンジに含まれるとき、レベル値(L−1)またはレベル値Lを前記第2の量子化データとして生成することを特徴とする請求項4から9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記第1色の明度は前記第2色の明度よりも低いことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記第1色と前記第2色は、一方がシアン、他方がマゼンタであることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記第1の閾値マトリクスはブルーノイズ特性を有していることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  14. 前記処理対象画素に対応する前記第2の閾値は、前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値から前記処理対象画素に対応する前記第1の閾値を減算することにより取得されることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  15. 前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録する記録手段を更に備えることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  16. 処理対象画素について、第1色の階調値に対応する第1の階調データと、第2色の階調値に対応する第2の階調データを取得する階調データ取得工程と、
    各画素に対応する複数の閾値が配列されて構成される第1の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第1の閾値を取得し、各画素に対応する閾値が、前記第1の閾値マトリクスにおける閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係となるように配列された第2の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第2の閾値を取得する閾値取得工程と、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データに基づいて、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調数よりも少ない階調数を有する第1の量子化データと第2の量子化データを生成する生成工程と
    を有し、
    前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録するための画像処理を行う画像処理方法であって、
    前記生成工程は、
    前記第1の階調データを前記第1の閾値と比較した結果に基づいて前記第1の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データと前記第2の階調データの和が前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、前記第2の階調データを前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記和が前記最大値よりも大きい場合は、前記和から前記最大値を減算することによって第3の階調データを生成し、前記第3の階調データを前記第1の閾値と比較した結果、又は、前記第2の階調データと前記第3の階調データとの差分を前記第2の閾値と比較した結果、に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする画像処理方法。
  17. 処理対象画素について、第1色の階調値に対応する第1の階調データと、第2色の階調値に対応する第2の階調データを取得する階調データ取得工程と、
    各画素に対応する複数の閾値が配列されて構成される第1の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第1の閾値を取得し、各画素に対応する閾値が、前記第1の閾値マトリクスにおける閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係となるように配列された第2の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第2の閾値を取得する閾値取得工程と、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データに基づいて、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調数よりも少ない階調数を有する第1の量子化データと第2の量子化データを生成する生成工程と
    を有し、
    前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録するための画像処理を行う画像処理方法であって、
    前記生成工程は、
    前記第1の階調データを前記第1の閾値と比較した結果に基づいて前記第1の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データと前記第2の階調データの和が前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、前記第2の階調データを前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記和が前記最大値よりも大きい場合は、前記第2の階調データを、前記和と前記最大値の差分を前記第2の閾値に加算した補正閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする画像処理方法。
  18. 処理対象画素について、第1色の階調値に対応する第1の階調データと、第2色の階調値に対応する第2の階調データを取得する階調データ取得工程と、
    各画素に対応する複数の閾値が配列されて構成される第1の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第1の閾値を取得し、各画素に対応する閾値が、前記第1の閾値マトリクスにおける閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係となるように配列された第2の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第2の閾値を取得する閾値取得工程と、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データに基づいて、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調数よりも少ないN階調(Nは3以上の整数)を有する第1の量子化データと第2の量子化データを生成する生成工程と
    を有し、
    前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録するための画像処理を行う画像処理方法であって、
    前記生成工程は、
    前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調領域を(N−1)個のレンジに等分し、前記第1の階調データが含まれるレンジ内における前記第1の階調データの階調値である第1のレンジ内階調値と、前記第2の階調データが含まれるレンジ内における前記第2の階調データの階調値である第2のレンジ内階調値を算出し、
    前記第1のレンジ内階調値を前記第1の閾値と比較した結果に基づいて前記第1の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データが含まれるレンジと前記第2の階調データが含まれるレンジが等しい場合であって、
    前記第1のレンジ内階調値と前記第2のレンジ内階調値の和が前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、前記第2のレンジ内階調値を前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記和が前記最大値より大きい場合は、前記和から前記最大値を減算することによって第3のレンジ内階調値を生成し、前記第3のレンジ内階調値を前記第1の閾値と比較した結果、又は、前記第2のレンジ内階調値と前記第3のレンジ内階調値との差分を前記第2の閾値と比較した結果、に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする画像処理方法。
  19. 処理対象画素について、第1色の階調値に対応する第1の階調データと、第2色の階調値に対応する第2の階調データを取得する階調データ取得工程と、
    各画素に対応する複数の閾値が配列されて構成される第1の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第1の閾値を取得し、各画素に対応する閾値が、前記第1の閾値マトリクスにおける閾値の値の昇順にしたがう画素の位置の序列が逆転の関係となるように配列された第2の閾値マトリクスから前記処理対象画素に対応する第2の閾値を取得する閾値取得工程と、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データに基づいて、前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調数よりも少ないN階調(Nは3以上の整数)を有する第1の量子化データと第2の量子化データを生成する生成工程と
    を有し、
    前記第1の量子化データに従って前記第1色の色材を記録し、前記第2の量子化データに従って前記第2色の色材を記録するための画像処理を行う画像処理方法であって、
    前記生成工程は、
    前記第1の階調データおよび前記第2の階調データの階調領域を(N−1)個のレンジに等分し、前記第1の階調データが含まれるレンジ内における前記第1の階調データの階調値である第1のレンジ内階調値と、前記第2の階調データが含まれるレンジ内における前記第2の階調データの階調値である第2のレンジ内階調値を算出し、
    前記第1のレンジ内階調値を前記第1の閾値と比較した結果に基づいて前記第1の量子化データを生成し、
    前記第1の階調データが含まれるレンジと前記第2の階調データが含まれるレンジが等しい場合であって、
    前記第1のレンジ内階調値と前記第2のレンジ内階調値の和が前記第1の閾値マトリクスに配される閾値の最大値以下の場合は、前記第2のレンジ内階調値を前記第2の閾値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成し、
    前記和が前記最大値より大きい場合は、前記和から前記最大値を減算することによって閾値オフセット量を生成し、前記第2のレンジ内階調値を、前記第2の閾値に前記閾値オフセット量を加算した値と比較した結果に基づいて前記第2の量子化データを生成することを特徴とする画像処理方法。
  20. 請求項1から15のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  21. 複数の閾値が個々の画素位置に対応づけて配列されて構成される閾値マトリクスを用い、第1色に対応する第1の階調値と第2色に対応する第2の階調値に基づいて、個々の画素位置における前記第1色および前記第2色のドットの記録または非記録を示す量子化データを生成するための画像処理方法であって、
    前記第1の階調値と前記第2の階調値が、所定の画素領域に含まれる全ての画素に対し等しい値で入力される場合において、
    前記所定の画素領域において、前記第1色のドットのみが記録される際に前記第1の階調値の増加に伴って前記第1色のドットが配置される画素の順番と、前記第2色のドットのみが記録される際に前記第2の階調値の増加に伴って前記第2色のドットが配置される画素の順番は逆転の関係にあり、
    前記第1の階調値の増加または前記第2の階調値の増加に伴って、前記第1色のドットと前記第2色のドットの重複ドットが配置される画素の順番は、前記第1色のドットのみが記録される際に前記第1の階調値の増加に伴って前記第1色のドットが配置される画素の順番と等しくなるように、前記量子化データを生成することを特徴とする画像処理方法。
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