JP2022024444A - 木質化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】木材の表面が有する自然な風合いを損なうことなく、長期間に亘り化粧材表面の変色を抑制すると共に、高い意匠性を有する木質化粧材を提供する。【解決手段】木質化粧材1は、表面からの塗料の浸透を防止する浸透防止部70を有する化粧材60と、変色防止塗膜層40と、表面保護塗膜層50とを備える。変色防止塗膜層40には、紫外線吸収機能を有する官能基とラジカル捕捉機能を有する官能基とを有する変色防止樹脂、および該変色防止樹脂を架橋する架橋剤が含まれる。【選択図】図1

Description

本発明は、表面の変色防止性に優れた木質化粧材に関する。
木材が有する色調や木目模様は、美しさや温もりを感じさせるため、木材が有する自然な風合いを活かした木質化粧材が建物の外装や内装の建材として広く用いられている。このような木質化粧材の木質基材表面には、傷付き防止のために樹脂塗膜が設けられている。
ところで、木材は長期間日光に晒されると、一般的には、日焼けにより濃色化していき、より深みのある自然な風合いとなる一方、周辺に配置した様々な他の建材との色の差異が生じる場合がある。このような木質化粧材の表面に設けられる樹脂塗膜は、例えば、紫外線による変色を抑える添加剤を含む。また、インクジェットやグラビア印刷等で着色剤により木目模様を再現し、この表面に透明保護層を設けた化粧シートを使用する場合もある。この化粧シートにおいても、日光により印刷が劣化し木目模様が変色することがあるため、突板が使用される場合と同様、紫外線による変色を抑える添加剤が含まれる場合がある。
例えば、特許文献1には、突板基材の表面に透明性熱可塑性樹脂層と透明性表面保護塗膜層とが順に積層される外装用積層突板化粧板が開示されている。上記樹脂層のそれぞれの樹脂には、紫外線吸収剤と光安定剤とが添加されている。このことにより、紫外線による突板表面の変色を抑制している。また、特許文献2に開示される木材ベニヤでは、木材ベニヤ基材上に設けられる層のうち中間層は、樹脂に紫外線吸収剤が添加されることにより形成されている。
特開2006-110929号公報 特表2018-528880号公報
特許文献1および特許文献2で使用されるような変色防止効果を有する紫外線吸収剤等は、塗膜層への添加量を増やすほど突板の変色や化粧シートの劣化を防ぐ効果が高くなる。しかし、これらの薬剤は一般的に高価であるだけでなく、特にUV硬化特性を有する表面塗膜層を設ける場合、該表面塗膜層への紫外線吸収剤の添加量を増やすと、添加した塗膜層自体に硬化阻害が生じ、表面塗膜層に期待される防汚性や耐水性といった、完全にUV硬化されたときに得られる表面保護効果を得ることができなくなるおそれがある。同様に、紫外線吸収剤等の添加量を増やした塗膜層に隣接してUV硬化塗膜層を設けた場合、層表面に浮き出た(ブリードアウトした)紫外線吸収剤等がUV硬化塗膜層に影響し、該UV硬化塗膜層に対し硬化阻害を起こすおそれがある。
さらに、特許文献1の外装用積層突板化粧板、および特許文献2の木材ベニヤのように、添加された紫外線吸収剤や光安定剤が最外層の塗膜層に配合されていると、ブリードアウトにより木質化粧材の基材表面が有する木本来の自然な風合いを保持することができなくなる。
また、突板等を木質基材の表面に使った製品を、長期に亘って使用する場合、製品表面が変色することで使用者が不具合を感じることがある。そのため、突板等の表面に、変色しても目立たなくなる着色層を予め設けておくことで、木本来の自然な風合いを活かしつつ、変色が目立たない工夫をすることがおこなわれる。
着色層自体の変色を抑えるために、このような着色層には、顔料系の着色剤が使用されることが多い。このような顔料系の着色剤を使用する場合、木質基材表面の変色が目立たなくなる程度に着色層を設けると、自然な風合いとして、木材由来の濃淡(木目)は活かせるが、木材本来が持つ透明感は失われる。その結果、木質基材表面の変色を防止するために着色層を設けても、木材本来が持つ様々な変化が抑制されてしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、木質化粧材表面の層に改良を加えることにより、比較的長期間に亘り木質基材表面の変色を抑制すると共に、意匠性の高い木質化粧材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、木質化粧材の基材表面に変色防止塗膜層を有する塗膜層を設けた。
具体的には、第1の発明は、
表面からの塗料の浸透を防止する浸透防止部を有する化粧材と、
前記化粧材の表面に形成される変色防止塗膜層と、
該変色防止塗膜層の表面に形成される表面保護塗膜層とを備え、
前記変色防止塗膜層は、紫外線吸収機能を有する官能基とラジカル捕捉機能を有する官能基とを有する変色防止樹脂、および該変色防止樹脂を架橋する架橋剤を含む。
第1の発明では、変色防止樹脂は紫外線吸収機能を有するため、化粧材表面の変色を抑制できる。また、変色防止樹脂はラジカル捕捉機能を有するため、変色防止塗膜層内で発生するラジカルを捕捉できる。このことにより、比較的長期間に亘り紫外線吸収機能を担保できる。
加えて、紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が添加された樹脂を用いるのではなく、紫外線吸収機能およびラジカル捕捉機能を有する官能基がそれぞれ樹脂骨格に組み込まれた変色防止樹脂を用いているため、ブリードアウトを抑制できる。
加えて、化粧材は浸透防止部を有するため、変色防止塗膜層の樹脂塗料が化粧材に浸透することが抑制される。このことにより、該樹脂塗料の使用量が抑えられ、木質化粧材の製造コストを抑えることができる。
加えて、変色防止塗膜層を含む塗膜層は、塗膜により化粧材表面上に形成される。そのため、樹脂シートを基材表面に貼着させる場合よりも該化粧材表面から剥がれにくくなる。
加えて、架橋剤により、変色防止塗膜層の硬度を増大できる。そのため、木質化粧材の表面に傷がついても、化粧材が外部に露出されることを抑制できる。
加えて、架橋剤により、変色防止塗膜層と浸透防止部、および変色防止塗膜層と表面保護塗膜層との密着性が向上する。
加えて、変色防止塗膜層の表面に表面保護塗膜層が形成されるので、例えば木質化粧材の表面に傷がついても変色防止塗膜層の一部が外部に露出することを抑制できる。
以上により、木材化粧基材の表面が有する木本来の自然な風合いを損なうことなく、比較的長期間に亘って木質化粧材の表面の変色を抑えることができる。また、着色層を設けなくても化粧材表面の変色を抑制できる。その結果、木材由来の透明感が損なわれることを抑制でき、ひいては木質化粧材の意匠性を向上できる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記ラジカル捕捉機能を有する官能基は、ヒンダードアミン基である。
第2の発明では、ラジカル捕捉機能を有する官能基を、ヒンダードアミン基とすることができる。
第3の発明は、第1または2の発明において、
前記浸透防止部は、前記化粧材に樹脂を含浸させて硬化させた表層部、および前記化粧材の表面に形成される下塗部の少なくとも一方である。
第3の発明では、化粧材の表層部の空隙に樹脂が充填することによって、木質基材表面からの変色防止塗膜層の樹脂塗料の浸透を防止できる。また、化粧材表面に下塗部が形成されることによって、化粧材表面に充填された樹脂により透明感が付与されるとともに、化粧材表面から変色防止塗膜層の樹脂塗料の浸透を防止できる。
加えて、変色防止塗膜層の樹脂塗料の被塗布面を均一にできるため、変色防止塗膜層の厚さを均一かつ比較的薄く形成できる。
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれか1つにおいて、
前記表面保護塗膜層には、紫外線硬化作用を有する樹脂を含む。
ところで、従来のように紫外線吸収剤が添加された変色防止塗膜層では、該変色防止塗膜層の表面に紫外線硬化剤を含む層を積層させると、樹脂に添加された紫外線吸収剤によって紫外線硬化剤を含む層の硬化が阻害されるおそれがある。
第4の発明では、上述のように、変色防止塗膜層には、紫外線吸収機能を有する官能基を有する樹脂が用いられているため、変色防止塗膜層の表面に、紫外線硬化作用を有する樹脂を含む層を積層させても、紫外線照射時に紫外線吸収剤によって硬化が阻害されるおそれがない。よって、第4の発明によれば、紫外線を照射することによって比較的容易に表面保護塗膜層を硬化させることができる。
第5の発明は、第1~第4の発明のいずれか1つにおいて
前記変色防止塗膜層は、紫外線吸収剤を含む。
第5の発明では、変色防止樹脂の紫外線の吸収量を増大できたり、変色防止樹脂と異なる波長域の紫外線を吸収する紫外線吸収剤を選択することによって、広範囲の波長域の紫外線を吸収できたりする。このことにより、変色防止塗膜層の変色防止効果を増大できる。
第6の発明は、第1~第5の発明のいずれか1つにおいて、
前記変色防止塗膜層は、前記変色防止樹脂100重量部に対して10重量部以上50重量部以下の前記架橋剤を含む。
第6の発明では、変色防止樹脂に対する架橋材の配合比率が比較的高いため、変色防止塗膜層の物理的な強度を増大できると共に、変色防止塗膜層の剥離を抑制できる。このことにより、木質化粧材を長期間に亘って木質化粧材の表面の変色を抑えることができる。また、高い強度により変色防止塗膜層を薄くすることができる。その結果、変色防止樹脂の使用量を抑えることができるため、木質化粧材の製造コストを抑えることができる。
第7の発明は、第1~第6の発明のいずれか1つにおいて、
前記変色防止塗膜層は、硬化後の該変色防止塗膜層に対して50重量%以上80重量%以下の前記変色防止樹脂を含む。
第7の発明では、変色防止塗膜層における変色防止樹脂の配合比率が比較的高いため、木質化粧材の変色防止効果を増大できる。
第8の発明は、第1~第7の発明のいずれか1つにおいて、
前記変色防止塗膜層は、固化後の該変色防止塗膜層に対して20重量部%以上50重量%以下の前記架橋剤を含む。
第8の発明では、変色防止塗膜層における架橋剤の配合比率が比較的高いため、変色防止塗膜層の強度を増大できる。
第9の発明は、第1~第8の発明のいずれか1つにおいて、
前記変色防止塗膜層は、0.3μm以上10μm以下である。
第9の発明では、変色防止塗膜層は比較的薄いため、変色防止塗膜層を構成する組成物の使用量を抑えられる。このため、製造コストを抑えることができる。
第10の発明は、第1~第9の発明のいずれか1つの化粧材は、突板である。
第10の発明では、浸透防止部が設けられた突板に変色防止塗膜層と表面保護塗膜層とを設けることができる。このことにより、変色しやすい突板であっても、日光による変色を長期に亘って抑制することができる。浸透防止部が表面に設けられていることにより、塗料等が染みこみやすい突板の場合も、変色防止樹脂が染みこむことなく、突板表面の浸透防止層と接するように、薄い均一な層で効率的に変色防止塗膜層を設けることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、比較的長期間に亘り木質基材表面の変色を抑制できると共に、意匠性の高い木質化粧材を提供できる。
図1は、本発明の実施形態に係る木質化粧材の構成を示す縦断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態》
木質化粧材1は、例えば建物の室内で使用される建材である。具体的に、木質化粧材1は、フローリング等の床材や壁材等である。図1に示すように、木質化粧材1は、化粧材60と変色防止塗膜層40と表面保護塗膜層50とを備える。
-化粧材-
化粧材60は、基材層10と突板20とを有する。基材層10は、例えばMDF、合板、LVL、LVS、パーティクルボード、その他の木質材料等から構成されている。ここでは、基材層10の材料はMDFである。
突板20は、基材層10の表面10aに設けられる。突板20は、天然木質材の積層物をスライスした板材である。天然木質材は、例えばオーク、バーチ、ビーチやチェリー等の硬さの硬い樹種や、スギ、ツガ、ヒノキ、サワグルミ等の硬さの軟らかい樹種等が用いられる。天然木質材は、針葉樹、広葉樹、早生樹等、どのようなものでも使用することができる。ここでは、突板20の材料はオークである。突板20の厚さは、好適には0.2~2.0mm程度である。突板20は基材層10の表面10a上に接着剤により貼り合わされている。接着剤は、例えば、尿素メラミン系樹脂が含まれるものが使用される。
化粧材60は、浸透防止部70を有する。浸透防止部70は、突板20の表層部20b、および突板20の表面20aに形成される下塗部30で構成される。図1の拡大図に示すように、表層部20bには、突板20の空隙を埋めるように突板20の表面全体に亘って樹脂が含浸されている。樹脂は、例えばアクリル系樹脂である。アクリル系樹脂は、例えば、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオリゴマーやモノマーを単独、又はこれらを複数混合させたものが例示される。
下塗部30は、突板20の表面20a全体に亘って形成される。下塗部30は、樹脂が含浸された表層部(20b)の上から樹脂塗料を塗布することによって形成される。下塗部30は、無色透明な樹脂層である。下塗部30の表面は面一に形成される。下塗部30を構成する樹脂は、例えばアクリル系樹脂である。アクリル系樹脂は、例えば、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオリゴマーやモノマーを単独、又はこれらを複数混合させたものが例示される。下塗部30の樹脂は、表層部20bの樹脂と同じであってもよい。下塗部30は、同種又は異種の上記アクリル系樹脂を塗り重ねることによって、複数の層により形成されてもよい。下塗部30の厚さは、好ましくは、5~270μm程度であり、より好ましくは、20~180μm程度である。化粧材60の表面20aに充填された樹脂により透明感が付与され、木質化粧材1の意匠性を向上させることができる。
-変色防止塗膜層-
変色防止塗膜層40は、化粧材60の表面に形成される。具体的に、変色防止塗膜層40は、下塗部30の表面30aに形成される。変色防止塗膜層40は、無色透明な樹脂層である。変色防止塗膜層40は、均一な厚さに形成される。変色防止塗膜層40の厚さは、0.5~10μm程度であり、好ましくは、1.0~6.0μm程度である。変色防止塗膜層40は、変色防止樹脂、架橋剤、および紫外線吸収剤とを含む。
変色防止樹脂は、紫外線吸収機能を有する官能基とラジカル捕捉機能を有する官能基とを有する。変色防止樹脂は、これらの官能基がアクリル樹脂の骨格に組み込まれた樹脂である。変色防止樹脂には、例えば、「ハルスハイブリッドUV-G」シリーズ(日本触媒株式会社の登録商標)が用いられる。変色防止樹脂は、波長360nmまでの波長の紫外線を特に吸収する。変色防止樹脂は、硬化後の変色防止塗膜層40に対して50重量%以上80重量%以下、好ましくは60重量%以上75重量%以下含まれる。また、変色防止樹脂は、太陽から地表に届く紫外線(波長280~400nm)を吸収する。ラジカル捕捉機能を有する官能基には、ヒンダードフェノール系などが例示され、好適には、ヒンダードアミン基が選択される。紫外線吸収機能を有する官能基は、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、およびトリアジン系などが例示され、好適には、ヒドロキシフェニルトリアジン系が選択される。
架橋剤は、変色防止樹脂を硬化させるものであればよい。例えば、イソシアネート系の架橋材が使用される。イソシアネート系の架橋剤として、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メタジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)が例示される。耐候性の高い架橋剤として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の使用が好ましい。
架橋剤は、変色防止樹脂100重量部に対して、10重量部以上50重量部以下、好ましくは、15重量部以上45重量部以下の割合で配合される。また、架橋剤は、硬化後の変色防止塗膜層40に対して20重量部%以上50重量%以下、好ましくは30重量%以上45重量%以下含まれる。
紫外線吸収剤は、太陽から地表に届く紫外線(波長280~400nm)を吸収するものであればよい。好適には、高波長(350nm以上)を吸収する紫外線吸収剤が使用される。例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などが例示される。紫外線吸収剤は、変色防止樹脂が吸収可能な紫外線の波長域と異なる波長域の紫外線を吸収する。紫外線吸収剤は、変色防止樹脂の紫外線吸収効果が高い波長域と異なる波長域の紫外線を特に吸収すればよく、紫外線吸収剤が吸収する紫外線の波長域は、変色防止樹脂が吸収する紫外線の波長域と重複していてもよい。また、紫外線吸収剤は2種類以上組み合わせて使用されてもよい。この場合、紫外線の波長域によって吸収効果が互いに異なる複数の紫外線吸収剤が使用されてもよい。ここでは、例えば、BASFジャパン株式会社の商品「Tinuvin477」および「Tinuvin479」(Tinuvinは登録商標)が用いられる。「Tinuvin477」および「Tinuvin479」は350nm以上波長の紫外線を特に吸収する。硬化後の変色防止塗膜層40の厚さは、3μm~10μmである。紫外線吸収剤は、変色防止樹脂100重量部に対して、5重量部以上20重量部以下、好ましくは5重量部以上15重量部以下含まれる。これらの含有量により、紫外線吸収剤は架橋剤と一部結合し、ブリードアウトを抑制できるとともに、吸収できる波長領域をカバーしあい、最も好適に紫外線を吸収できる。
-表面保護塗膜層-
表面保護塗膜層50は化粧材60の表面を保護する層である。表面保護塗膜層50は、変色防止塗膜層40の表面に形成される。表面保護塗膜層50は、無色透明である。表面保護塗膜層50は、均一な厚さに形成されている。表面保護塗膜層50の厚さは、30μm以上150μm以下であり、好ましくは40μm以上70μm以下である。
表面保護塗膜層50は、紫外線硬化作用を有する樹脂を含む。具体的に、表面保護塗膜層50は、アクリル系樹脂と紫外線光重合開始材を有する。アクリル系樹脂は、例えば、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオリゴマーやポリマーを単独、又はこれらを複数混合させたものが例示される。紫外線光重合開始剤は、例えば、300~400nmの波長を有する紫外線が照射されると、紫外線光重合開始剤は開裂を開始して塗膜を硬化させる。なお、表面保護塗膜層50には、硬化が阻害されない程度の量の紫外線吸収剤が含まれていてもよい。
《木質化粧材の製造方法》
次に、木質化粧材1の製造方法について説明する。
〈化粧材の形成〉
化粧材60は、基材層10の表面10aに突板20を貼り合わせることにより形成される。
〈浸透防止部の形成〉
浸透防止部70は、突板20の表層部20bをWPC(Wood PlasticCombination)処理した後、さらに突板20の表面20aに下塗部30を設けることにより形成される。具体的に、WPC処理により、突板20の表層部20b全体にわたって樹脂が含浸され硬化する。この処理により、突板20の表面20aに塗布される下塗部30の樹脂塗料が突板20に浸透することを抑制できる。このWPC処理により、突板20の表面に透明感を付与し、優れた意匠性が実現される。
次に、突板20の表面20aに下塗部30が形成される。下塗部30の材料であるアクリル樹脂系塗料を突板20の表面20aにロールコーターで塗り付けることによって、下塗部30を形成させる。ロールコーターの代わりにスポンジコーター、スプレーや刷毛等を用いてもよい。
〈変色防止塗膜層の形成〉
硬化した下塗部30の表面30aに変色防止塗膜層40を形成する。変色防止塗膜層40には、変色防止樹脂、架橋剤、および2種類の紫外線吸収剤を用いる。これらの材料を所定の比率で配合し、シンナーに溶解させる。その後、この溶解液を下塗部30の表面30aに塗布し、乾燥させる。このことによって、変色防止塗膜層40が形成される。溶解液の塗布には、例えば、ロールコーター、スポンジコーター、スプレーや刷毛等を用いることができる。塗布後、変色防止塗膜層40は、乾燥によって硬化する。
〈表面保護塗膜層の形成〉
硬化した変色防止塗膜層40の表面40aに表面保護塗膜層50を形成する。表面保護塗膜層50として、所定量の紫外線硬化開始剤を含むアクリル系樹脂の樹脂塗料を用いる。この樹脂塗料を変色防止塗膜層40の表面40aに塗布した後、高圧水銀ランプを照射することによって硬化させる。この塗布には、例えば、ロールコーター、スポンジコーター、スプレーや刷毛等を用いることができる。この工程を複数回(例えば4回)繰り返し、複数の層(例えば4層)の表面保護塗膜層50を形成させる。
-実施形態の効果-
以上のように構成される本実施形態に係る木質化粧材1は、表面からの塗料の浸透を防止する浸透防止部70を有する化粧材60と、該化粧材60の表面に形成される変色防止塗膜層40と、該変色防止塗膜層40の表面に形成される表面保護塗膜層50とを備える。変色防止塗膜層40には、紫外線吸収機能を有する官能基とラジカル捕捉機能を有する官能基とを有する変色防止樹脂、および該変色防止樹脂を架橋する架橋剤を含む変色防止塗膜層40が含まれる。
変色防止塗膜層40の変色防止樹脂は、紫外線吸収機能を有するため、化粧材60表面である突板20の表面20aの変色を抑制できる。また、変色防止樹脂は、ラジカル捕捉機能を有するため、変色防止塗膜層40内で発生するラジカルを捕捉する。このことにより、比較的長期間に亘り紫外線吸収機能の低下を抑制できると共に、変色防止塗膜層40の変色も抑制できる。その結果、突板20の有する自然な風合いを損なうことなく、比較長期間に亘って突板20表面20aの変色を抑制できる。
加えて、変色防止塗膜層40の変色防止樹脂は、紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を樹脂に添加されたものではなく、紫外線吸収機能およびラジカル捕捉機能を有する官能基がそれぞれ樹脂骨格に組み込まれたものであるため、経年使用によるブリードアウトを抑制できる。
加えて、浸透防止部70は、化粧材60表面から樹脂塗料の浸透を防止するため、変色防止塗膜層40の樹脂塗料が突板20の内部に浸透することを抑制できる。このことにより、変色防止塗膜層40の樹脂塗料の使用量が抑えられ、木質化粧材1の製造コストを抑えることができる。さらに変色防止塗膜層40の表面を均一にすることで、変色防止塗膜層の厚さを均一に形成できる。
加えて、硬化後の変色防止塗膜層40に対する変色防止樹脂の配合比率は比較的高い。このことにより、変色防止塗膜層40の紫外線吸収効果を増大でき、突板20の表面20aの変色を確実に抑制できる。
加えて、硬化後の変色防止塗膜層40に対する架橋剤(HDI)の配合比率は比較的高い。架橋剤の配合比率が比較的高いほど、下塗部30と変色防止塗膜層40、および変色防止塗膜層40と表面保護塗膜層50との密着性を増大できる。また、架橋剤の配合比率が高いほど、変色防止塗膜層40の強度を増大できる。このため、木質化粧材1表面に傷がついても、突板20の表面20aが外部に露出することを抑制できる。
また、変色防止塗膜層40の強度が高いと、変色防止塗膜層40を薄くすることができる。通常、変色防止樹脂に対して架橋剤の添加量が増大すると、変色防止樹脂の有する紫外線吸収機能およびラジカル捕捉機能が阻害されることが考えられる。しかし、本実施形態の架橋剤の添加量では、変色防止樹脂の機能を維持したまま、変色防止塗膜層40を比較的薄くできる。さらに、変色防止塗膜層40が薄いと、変色防止樹脂の使用量を抑えることができるため、木質化粧材1の製造コストを抑えることができる。
加えて、表面保護塗膜層50により、例えば木質化粧材1の表面に傷がついて、変色防止塗膜層40が外部に露出することを抑制できる。比較的長期間、変色防止塗膜層40の紫外線吸収機能を担保できる。
例えば、化粧材にシートを貼着することにより製造される木質化粧材では、貼着前の該シートは巻き取られた状態で保管される場合がある。この場合、該シートに対する架橋剤の配合比率を高くすると、該シートの強度が増大して巻き取る際に割れが生じるおそれがある。一方、本実施形態の変色防止塗膜層40は、化粧材60に塗膜により形成されるため、そのような問題は生じにくい。そのため、変色防止塗膜層40の強度を増大して、該変色防止塗膜層40を薄くすることができる。
加えて、変色防止塗膜層40および表面保護塗膜層50は、化粧材60の表面である突板20に塗膜により形成される。このことにより、シートを基材表面に貼り合わせる場合と比べ、変色防止塗膜層40および表面保護塗膜層50は、突板20表面20aから剥がれにくくなる。また、シートのように突板20の大きさに合わせてカットして貼り合わせる必要がないため、簡便かつ比較的短期間で木質化粧材1を製造できる。
加えて、本実施形態の木質化粧材1は、変色抑制機能を有する変色防止塗膜層40を備えるため、別途設けられる着色層の色を薄くできるか、または着色層自体を設けなくてもよい。着色層は、木質化粧材1の変色を目立たなくする目的で設けられるものであるが、着色層を薄い色にするか、または着色層自体を設けないことによって、浸透防止部70において樹脂が含浸した化粧材60の表面(突板20)が有する透明感の特徴が活かされ、ひいては木質化粧材1の意匠性を向上させることができる。
本実施形態に係る木質化粧材1の変色防止樹脂のラジカル捕捉機能を有する官能基は、ヒンダードアミン基である。ヒンダードアミン基は、紫外線により発生したラジカルと反応し無害化できる。
本実施形態に係る浸透防止部70は、化粧材60に樹脂を含浸させて硬化させた表層部20b、および化粧材60の表面を形成する下塗部30である。
樹脂を含浸させた硬化させた表層部20bと下塗部30とが、突板20の表面20aからの樹脂塗料の浸透を抑制する。そのため、化粧材60の表面に形成される変色防止塗膜層40の樹脂塗料が、該化粧材60に浸透することを確実に抑制できる。
加えて、浸透防止部70により化粧材60の表面を均一にすることによって、均一な厚さの変色防止塗膜層40を容易に形成できる。また、変色防止塗膜層40の厚さが均一であると、木質化粧材1の経時使用により、木質化粧材1表面に変色むらが生じることを抑制できる。
加えて、下塗部30はバインダー樹脂として機能し、突板20の表面20aと変色防止塗膜層40との密着性を向上できる。このことにより、変色防止塗膜層40を化粧材60から剥離しにくくすることができる。
本実施形態に係る表面保護塗膜層50は、紫外線硬化作用を有する樹脂を含む。
ここで、従来のように紫外線吸収剤が添加された変色防止塗膜層では、該変色防止塗膜層の表面に紫外線硬化剤を含む層を積層させると、樹脂に添加された紫外線吸収剤によって紫外線硬化剤を含む層の硬化が阻害されるおそれがある。
本実施形態では、上述のように変色防止塗膜層40には、紫外線吸収機能を有する官能基を有する樹脂が用いられているため、変色防止塗膜層の表面に、紫外線硬化作用を有する樹脂を含む層を積層させても、紫外線照射時に紫外線吸収剤によって硬化が阻害されるおそれがない。このことにより、紫外線を照射することによって比較的容易に表面保護塗膜層を硬化させることができる。また、表面保護塗膜層50の硬化阻害を避けるために、変色防止塗膜層40と表面保護塗膜層50との間に所定の層を設けることを不要とできる。
加えて、表面保護塗膜層50は、塗布後に紫外線が照射されることにより硬化する。乾燥により硬化させる必要がないため、簡便かつ比較的短期間で均一な上記表面保護塗膜層50を形成することができる。
加えて、表面保護塗膜層50を複数の層にすることによって、表面保護塗膜層の強度を増大できる。このことにより、表面保護塗膜層50に傷がついても変色防止塗膜層40が外部に露出することを抑えることができる。
加えて、表面保護塗膜層50は、有機溶剤系の塗膜ではないため、VOC(Volatile Organic Compounds)の観点から人体への影響を抑えることができる。
本実施形態に係る木質化粧材1の変色防止塗膜層40には、2種類の紫外線吸収剤を含む。紫外線吸収剤を添加することにより、変色防止塗膜層40は、変色防止樹脂が特に紫外線の吸収効果を発揮する波長域と異なる波長域の紫外線も吸収できる。さらに、紫外線の波長域によって吸収効果が互いに異なる2種類の紫外線吸収剤を組み合わせることにより、比較的幅広い波長域の紫外線を吸収できる。このことにより、木質化粧材1の突板20の変色を確実に抑制できる。
加えて、突板20の樹種によって、吸収する紫外線の波長域は異なるため、用いる突板20の樹種に応じて紫外線吸収剤を選択することができる。このことにより、様々な樹種の突板20を選択できるため、木質化粧材1のバリエーションを増やすことができる。
加えて、本実施形態の変色防止塗膜層40は比較的薄いため、紫外線吸収剤の添加量が比較的少なくても、変色防止塗膜層40における紫外線吸収剤の密度を比較的高くすることができる。このことにより、変色防止塗膜層40の紫外線吸収効果を増大できると共に、木質化粧材1の製造コストを抑えることができる。
本実施形態では、変色防止塗膜層40は、変色防止樹脂100重量部に対して10重量部以上50重量部以下の架橋剤を含む。変色防止樹脂に対する架橋材の配合比率が比較的高いため、変色防止塗膜層40の物理的な強度を増大できると共に、変色防止塗膜層40の化粧材60からの剥離を抑制できる。
加えて、高い強度により変色防止塗膜層40を薄くすることができる結果、変色防止樹脂の使用量を抑えることができるため、木質化粧材の製造コストを抑えることができる。
本実施形態では、変色防止塗膜層40は、硬化後の該変色防止塗膜層40に対して50重量%以上80重量%以下の変色防止樹脂を含む。変色防止塗膜層40における変色防止樹脂の配合比率が比較的高いため、木質化粧材の変色防止効果を増大できる。
本実施形態では、変色防止塗膜層40は、0.3μm以上10μm以下である。変色防止塗膜層40は比較的薄いため、変色防止塗膜層40を構成する組成物の使用量を抑えることができる
<その他の実施形態>
化粧材60は、基材層10に突板20を貼り合わせたものでなくてもよい。化粧材60は、板状の木材であればよい。化粧材60は、突板20のみであってもよい。変色しやすい突板であっても、日光による変色を長期に亘って抑制することができる。浸透防止部70が表面に設けられていることにより、塗料等が染みこみやすい突板を使用しても、高価な変色防止樹脂が染みこむことなく、突板表面に浸透防止部70と接するように、薄い均一な層で効率的に変色防止塗膜層40を設けることができ、コストダウンにも寄与することができる。また、突板20表面の浸透防止部70は、着色層を介して、薄い均一な層で効率的に変色防止層を設けてもよい。
化粧材60は、無垢材、無垢集成材、集成材、乾燥単板や生単板(濡れ単板)であってもよい。
突板20の樹種は限定されない。突板20の材料は、オーク、メープル、パーチなどであってもよい。突板20は、複数の樹種を組み合わせて形成されてもよい。
変色防止樹脂は、ラジカル捕捉機能を維持する官能基であればよい。具体的に、変色防止塗膜層40に接する下塗部30及び変色防止塗膜層40に含まれる変色防止樹脂が紫外線により劣化し、また、変色防止塗膜層の紫外線吸収機能を有する官能基(ヒンダードアミン基)が紫外線により酸化されラジカルが発生すると、このラジカルは、酸化を繰り返すとともに空気中の酸素と反応し、過酸化物ラジカルを生じる。このとき、ヒンダードアミン基は、紫外線により酸化され、ニトロキシラジカルを発生するが、ニトロキシラジカルは、上記過酸化物ラジカルと反応し、過酸化ラジカルを無害な安定物に変化させるとともに、自身は、ニトロキシラジカルに戻る。こうして、ヒンダードアミン基は、樹脂の劣化により発生したラジカルを効率的に捕捉し、連鎖的な酸化による劣化進行を防止するとともに、サイクル的に長期に亘り、このラジカル捕捉機能を維持できる。このように、ラジカル捕捉機能を有する官能基は、ヒンダードアミン基のようにサイクル的にラジカルを捕捉する機能を有する官能基であればよく、同様の機能を有するヒンダードアミン基以外の光安定化基を含む。
浸透防止部70は、化粧材60に樹脂を含浸させて硬化させた表層部20b、または化粧材1の表面に形成される下塗部30のいずれかであってもよい。このことにより、変色防止塗膜層40の樹脂塗料が突板20に浸透することを抑制できる。
表面保護塗膜層50は、紫外線硬化開始材を含まなくてもよい。この場合、表面保護塗膜層50を構成する樹脂は、例えばウレタン樹脂が例示される。
変色防止塗膜層40は、紫外線吸収剤を含まなくてもよい。すなわち、変色防止塗膜層40は、変色防止樹脂および架橋剤のみであってもよい。例えば、突板20の材料がメープルやパーチなどである場合、突板20が吸収する紫外線の波長領域は、変色防止樹脂が吸収可能な紫外線の波長域の範囲内であるため、紫外線吸収剤を新たに添加する必要がない。このように、突板20に用いる樹種によって、紫外線吸収剤を添加しなくてもよい。紫外線吸収剤を含まない場合、変色防止樹脂および架橋剤の少なくとも一方の変色防止塗膜層40に対する含有量を高めることができる。
変色防止塗膜層40に添加する紫外線吸収剤は、変色防止樹脂の紫外線吸収効果が高い波長域と同じ波長域の紫外線を特に吸収するものであってもよい。この場合、紫外線吸収剤を含まない変色防止塗膜層40よりも、変色防止塗膜層40の紫外線吸収量を増大できる。
変色防止塗膜層40に添加する紫外線吸収剤は、1種類、または3種類以上であってもよい。突板20に用いる木材が吸収する紫外線の波長領域に応じて、用いる紫外線吸収剤の種類を選択すればよい。
変色防止塗膜層40と浸透防止部70との間に着色層を設けてもよい。着色層の色は、化粧材60の表面(突板20)の色に基づいて選択される。着色層に用いられる着色剤には、染料または顔料が使用され、好適には顔料が使用される。本発明の木質化粧材1では、変色抑制機能を有する変色防止塗膜層40を備えるため、比較的薄い色の着色剤を使用したり、着色層の厚さを比較的薄くできる。このことにより、浸透防止部70において樹脂に含浸された化粧材60の表面(突板20)が有する透明感の特徴を活かしつつ、木材由来の自然な風合いを際立たせ、木質化粧材1の意匠性を向上させることができる。
表面保護塗膜層50が複数層から形成される場合、最下層のみ紫外線硬化開始剤を含んでいればよい。また、表面保護塗膜層50は、紫外線硬化開始剤を含む層の一層のみで構成されてもよい。
変色防止塗膜層40は、ラジカル捕捉剤を含んでもよい。ここで、ラジカル捕捉材は、紫外線により変色防止塗膜層40内で発生するラジカルを捕捉するものであればよく、例えばヒンダードアミン系光安定剤や酸化防止剤が例示される。ヒンダードアミン系光安定剤には、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ポペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル等やこれらの混合物、変性物、重合物、その誘導体等が使用される。酸化防止剤には、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、二酸化チタンなどが使用される。好適にはヒンダードフェノール系酸化防止剤、及び二酸化チタンが使用される。
本発明は、比較的長期間に亘り木質化粧材1の表面の変色を抑制できるため、産業上の利用可能性が高い。
1 木質化粧材
10 基材層
20 突板
20b 表層部
30 下塗部
40 変色防止塗膜層
50 表面保護塗膜層
60 化粧材
70 浸透防止部

Claims (10)

  1. 表面からの塗料の浸透を防止する浸透防止部を有する化粧材と、
    前記化粧材の表面に形成される変色防止塗膜層と、
    該変色防止塗膜層の表面に形成される表面保護塗膜層とを備え、
    前記変色防止塗膜層は、紫外線吸収機能を有する官能基とラジカル捕捉機能を有する官能基とを有する変色防止樹脂、および該変色防止樹脂を架橋する架橋剤を含むことを特徴とする木質化粧材。
  2. 請求項1において、
    前記ラジカル捕捉機能を有する官能基は、ヒンダードアミン基であることを特徴とする木質化粧材。
  3. 請求項1または2において、
    前記浸透防止部は、前記化粧材に樹脂を含浸させて硬化させた表層部、および前記化粧材の表面を形成する下塗部の少なくとも一方であることを特徴とする木質化粧材。
  4. 請求項1~3のいずれか1つにおいて、
    前記表面保護塗膜層には、紫外線硬化作用を有する樹脂を含むことを特徴とする木質化粧材。
  5. 請求項1~4のいずれか1つにおいて、
    前記変色防止塗膜層は、前記変色防止樹脂が吸収可能な紫外線の波長域と異なる波長域の紫外線を吸収する紫外線吸収剤を含むことを特徴とする木質化粧材。
  6. 請求項1~5のいずれか1つにおいて、
    前記変色防止塗膜層は、前記変色防止樹脂100重量部に対して10重量部以上50重量部以下の前記架橋剤を含むことを特徴とする木質化粧材。
  7. 請求項1~6のいずれか1つにおいて、
    前記変色防止塗膜層は、硬化後の該変色防止塗膜層に対して50重量%以上80重量%以下の前記変色防止樹脂を含むことを特徴とする木質化粧材。
  8. 請求項1~7のいずれか1つにおいて、
    前記変色防止塗膜層は、硬化後の該変色防止塗膜層に対して20重量部%以上50重量%以下の前記架橋剤を含むことを特徴とする木質化粧材。
  9. 請求項1~8のいずれか1つにおいて、
    前記変色防止塗膜層は、0.3μm以上10μm以下の厚さに形成されることを特徴とする木質化粧材。
  10. 請求項1~9のいずれか1つの化粧材は、突板であることを特徴とする木質化粧材。
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