JP2022024328A - 保持装置 - Google Patents

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JP2022024328A
JP2022024328A JP2020121985A JP2020121985A JP2022024328A JP 2022024328 A JP2022024328 A JP 2022024328A JP 2020121985 A JP2020121985 A JP 2020121985A JP 2020121985 A JP2020121985 A JP 2020121985A JP 2022024328 A JP2022024328 A JP 2022024328A
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考史 山本
Takashi Yamamoto
慶吾 杉山
Keigo Sugiyama
絢子 平中
Ayako Hiranaka
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

【課題】接合層を保護するシール部材へのリフトピンの接触を防止することができる保持装置を提供すること。【解決手段】静電チャック1において、セラミックス部材10には、半導体ウエハWを吸着面11から押し上げるリフトピン60が挿通される第1貫通孔15が形成され、ベース部材20には、第1貫通孔15と連通し、リフトピン60が挿通される第2貫通孔25が形成されており、セラミックス部材10とベース部材20とに挟み込まれ、平面視で第1貫通孔15及び第2貫通孔25を囲むように配置される環状のシール部材50を少なくとも1つ有し、接合層40は、シール部材50の外側に配置されており、シール部材50のうち、第1貫通孔15と第2貫通孔25との最も近くに配置されるものは、その内周縁51が、第1貫通孔15及び第2貫通孔25のそれぞれの周面15b,25bより外側に位置するように配置されている。【選択図】図2

Description

本開示は、対象物を保持する保持装置に関する。
保持装置として、例えば、特許文献1に、第1面と、第1面とは反対側に設けられる第2面とを備える第1部材(静電チャック)と、第3面と第3面とは反対側に設けられる第4面とを備える第2部材(基台)とを有し、第1部材の第1面上に対象物を保持するものが開示されている。第1部材と第2部材とは、第2面と第3面とが対向するようにして上下方向に積み重ねられている。そして、第1部材には、第1面と第2面との間を貫通し、対象物を第1面上から押し上げるリフトピンが挿通される第1貫通孔が形成されている。また、第2部材には、第3面と第4面との間を貫通し、前記リフトピンが挿通される第2貫通孔が形成されている。
さらに、この保持装置は、第5面と第5面とは反対側に設けられる第6面とを備える第3部材(基台)を備えている。この第3部材は、第5面が第2部材の第4面と対向するようにして、第1部材及び第2部材と共に上下方向に積み重ねられている。そして、第2部材の第4面と第3部材の第5面との間には、ガス流路が設けられている。また、第3部材には、リフトピンが挿通される第3貫通孔が形成されている。なお、第1貫通孔と第2貫通孔と第3貫通孔とは、リフトピンが移動する第1方向(上下方向)に連なって配置されている。
そして、ガス流路と第3貫通孔との間には、ガスが第3貫通孔に漏出するのを防止するために、環状のOリングが、径方向に2つ並んで(2重に)配置されている。2つのOリングのうち、第3貫通孔の近くに(内側に)配置されるOリングは、その内周縁が、第3貫通孔の周面より内側に位置するように(第3貫通孔に露出するように)配置されている。
特開2019-135737号公報
ここで、第1部材と第2部材とは、例えば、第1部材の第2面と第2部材の第3面との間に配置された接合層によって接合されている。この接合層には、第1貫通孔と第2貫通孔との間に位置し、リフトピンが挿通される中間貫通孔が形成されている。そのため、上記の保持装置では、第1貫通孔を通じて保持装置内にプラズマ等が流入し、このプラズマ等が接合層に接触した場合に、接合層が腐食するおそれがある。このような接合層の腐食を防止するため、環状のシール部材(Oリング等)が、貫通孔を囲むようにして第1部材の第2面と第2部材の第3面との間に挟まれて配置されている。
しかしながら、上記のOリングと同様に、少なくとも1つ(1または複数)のシール部材のうち、第1貫通孔及び第2貫通孔の最も近くに配置されるシール部材(最内シール部材とする)について、その内周縁が、第1貫通孔及び第2貫通孔のそれぞれの周面より内側に位置するように配置されると、上下動するリフトピンが、最内シール部材に接触するおそれがあった。そして、最内シール部材が損傷してしまうと、接合層の腐食を適切に防止することができなくなる。
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、接合層を保護するシール部材へのリフトピンの接触を防止することができる保持装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、
第1の面と、前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面とを備える第1部材と、
第3の面と、前記第3の面とは反対側に設けられる第4の面とを備える第2部材と、
、前記第1部材の前記第2の面と前記第2部材の前記第3の面との間に配置され、前記第1部材と前記第2部材とを接合する接合層と備え、
前記第1部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持装置において、
前記第1部材には、前記対象物を前記第1の面上から押し上げるリフトピンが挿通される第1の貫通孔が形成され、
前記第2部材には、前記第1の貫通孔と連通し、前記リフトピンが挿通される第2の貫通孔が形成されており、
前記第1部材と前記第2部材とに挟み込まれ、平面視で前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔を囲むように配置される環状のシール部材を少なくとも1つ有し、
前記接合層は、前記シール部材の外側に配置されており、
前記シール部材のうち、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔との最も近くに配置されるものは、その内周縁が、前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔のそれぞれの周面より外側に位置するように配置されていることを特徴とする。
この保持装置では、第1部材と第2部材とに挟まれて、平面視で(つまり保持装置を平面視したときに)第1貫通孔及び第2貫通孔を囲むように環状のシール部材(例えば、Oリング)が少なくとも1つ配置されている。そして、1つの貫通孔に対して配置されるシール部材のうち、第1の貫通孔及び第2の貫通孔の最も近くに配置されるシール部材(以下、「最内シール部材」ともいう)は、その内周縁が、第1の貫通孔及び第2の貫通孔のそれぞれの周面よりも外側に位置するように配置されている。すなわち、平面視で、最内シール部材の内周縁が、第1の貫通孔及び第2の貫通孔の内側に位置することなく、第1の貫通孔及び第2の貫通孔の外側(中心から見て遠い側)に配置されている。そのため、シール部材にリフトピンが接触することを防止することができる。
そして、最内シール部材の全体を、第1部材の第2の面と第2部材の第3の面との間に配置して挟み込むことにより、シール部材と第2の面及び第3の面との接触面(シール面)を大きく確保することができる。これにより、シール部材によるシール性を高めることができる。
ここで、最内シール部材の内周縁が第1の貫通孔及び第2の貫通孔のそれぞれの内周縁よりも内側に位置する場合は、最内シール部材の一部が、第1部材のうち第1の貫通孔の周面と第2面との角部、又は第2部材のうち第2の貫通孔の周面と第3面との角部に押さえつけられることによって、最内シール部材の当該部位に応力が集中して亀裂などが発生するおそれがある。
これに対し、この保持装置では、最内シール部材は、その内周縁が、第1の貫通孔及び第2の貫通孔のそれぞれの周面よりも内側に位置することなく、第1の貫通孔及び第2の貫通孔のそれぞれの内周縁よりも外側に位置するように配置されている。そのため、最内シール部材が、第1部材のうち第1の貫通孔の周面と第2の面との角部、又は第2部材のうち第2貫通孔の周面と第3の面との角部に接触して変形することを防止できる。これにより、最内シール部材を均一に弾性変形させることができ、最内シール部材に亀裂等が発生することを防止することができるため、最内シール部材の耐久性も向上させることができる。従って、この保持装置によれば、シール部材によって、接合層を腐食させるガスやプラズマの貫通孔から接合層へのリークを確実に防止することができる。
上記した保持装置において、
前記第2部材は、
前記第2の貫通孔が形成された内側部材と、
前記内側部材の外側に配置されて前記接合層により前記第1部材に接合された外側部材とを備え、
前記内側部材と前記第1部材との間に前記シール部材が配置されていることが好ましい。
このようにすることにより、第1部材と第2部材の外側部材とを接合層により接合した後に、第1部材と第2部材の内側部材とでシール部材を挟み込んで、第1部材と第2部材との間にシール部材を配置することができる。そのため、第1部材と第2部材の内側部材とで、位置ズレすることなくシール部材を挟み込んで、シール部材をしっかりと弾性変形させることができる。このようにシール部材の位置ズレが抑制されるため、シール部材によるシール性が良好となり、貫通孔から接合層へのガスやプラズマのリークを確実に防止することができる。
上記した保持装置において、
前記第1部材と前記第2部材は、ともにセラミックス部材であることが好ましい。
このようにセラミックス部材同士を接合層により接合する場合にも、1つの貫通孔内に対して配置されたシール部材のうち、第1貫通孔及び第2貫通孔の最も近くに配置されるシール部材(最内シール部材)は、その内周縁が、第1貫通孔及び第2貫通孔のそれぞれの周面より外側に位置するように配置されている。そのため、シール部材にリフトピンが接触することを防止することができる。
また、セラミックス部材である第1部材とセラミックス部材である第2部材とでシール部材をしっかりと挟んで固定するため、セラミックス部材である第1部材とセラミックス部材である第2部材との間のシール性を高めることができる。従って、接合層を腐食させるガスやプラズマの貫通孔から接合層へのリークを確実に防止することができる。
この場合には、第2部材の第3の面に発熱抵抗体が配置されていることが好ましい。例えば、第1部材として、複数のグリーンシートを圧着して焼成することで、発熱抵抗体を内部に有するセラミックス部材を製造する場合、1枚のグリーンシートの表面に、予め所定パターンの発熱抵抗体を形成しておき、他のグリーンシートとともに圧着して焼成する。このため、発熱抵抗体の発熱による第1部材の第1の面(対象物を保持する保持面)の温度分布が所望の温度分布になっていない場合に、発熱抵抗体はセラミックス部材の内部に埋設されているため、発熱抵抗体自体を加工(トリミング)して温度分布を調整することができない。
これに対し、上記のようにすることにより、第1の面(対象物を保持する保持面)が所望の温度分布となるように、発熱抵抗体自体を簡単に加工(トリミング)することができる。具体的には、まず、第2部材の第3の面に、所定のパターンの発熱抵抗体を設ける(例えば、発熱抵抗体を印刷する)。その後、発熱抵抗体を発熱させたときの第2部材の第3の面における温度分布を確認しながら、第3の面が所望の温度分布(例えば、第3面全体にわたって均一な温度分布)となるように、発熱抵抗体自体をトリミングする(削る)。このようにして、発熱抵抗体を発熱させたときの第2部材の第3の面を、所望の温度分布に調整した後、第1部材と第2部材とを接合層によって接合して、保持装置を製造すればよい。このように製造した保持装置によれば、発熱抵抗体への通電によって、第1面(対象物を保持する保持面)を精度良く所望の温度分布にすることができる。
ここで、シール部材が配置されている箇所では、第1部材と第2部材との間には、シール部材が介在するため、接合層が介在しないことになる。そして、シール部材は、接合層よりも熱伝導率が低いため、1つの貫通孔に対して配置するシール部材の個数を多くするほど、第1部材と第2部材との間の熱伝導が悪化して、第1の面において貫通孔周辺の温度が他と比べて高くなってしまう。
そこで、上記した保持装置において、
1つの前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔に対して、前記シール部材が1つ配置されていることが好ましい。
このようにすることにより、1つの貫通孔に対して、シール部材を複数配置する場合に比べて、第1部材と第2部材との間に介在するシール部材の数が少なくなるとともに、接合層を貫通孔周辺まで配置することができるため、貫通孔周辺において第1部材と第2部材との間における熱伝導を高めることができる。これにより、第1部材の第1の面における均熱性を向上させることができる。
本開示によれば、接合層を保護するシール部材へのリフトピンの接触を防止することができる保持装置を提供することができる。
第1実施形態、第2実施形態及び第4実施形態の静電チャックを示す斜視図である。 第1実施形態の静電チャックを示す断面図である。 第1実施形態の静電チャックを第1方向に平面視したときの部分拡大図である。 第2実施形態の静電チャックを示す断面図である。 第2実施形態の静電チャックを第1方向に平面視したときの部分拡大図である。 第3実施形態の静電チャックを示す斜視図である。 第3実施形態の静電チャックを示す断面図である。 図7の部分拡大図である。 第3実施形態の静電チャックを第1方向に平面視したときの部分拡大図である。 第4実施形態の静電チャックを示す断面図である。 第4実施形態の静電チャックを第1方向に平面視したときの拡大図である。
[第1実施形態]
本開示に係る実施形態である保持装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、対象物である半導体ウエハWを保持する静電チャック1を例示して説明する。本実施形態の静電チャック1について、図1~図3を参照しながら説明する。
本実施形態の静電チャック1は、半導体ウエハW(対象物)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば、半導体製造装置の真空チャンバー内で半導体ウエハWを固定するために使用される。図1に示すように、静電チャック1は、セラミックス部材10と、ベース部材20と、セラミックス部材10とベース部材20とを接合する接合層40とを有する。なお、セラミックス部材10は本開示の「第1部材」の一例であり、ベース部材は本開示の「第2部材」の一例である。
セラミックス部材10は、図1に示すように、円盤状の部材であり、セラミックスにより形成されている。セラミックスとしては、様々なセラミックスが用いられるが、強度や耐摩耗性、耐プラズマ性等の観点から、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)または窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスが用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、含有割合の最も多い成分(例えば、体積含有率が90vol%以上の成分)を意味する。
このセラミックス部材10は、図1、図2に示すように、半導体ウエハWを吸着して保持する吸着面11(上面)と、セラミックス部材10の厚み方向(第1方向D1に一致する方向、図中上下方向)について吸着面11とは反対側に設けられる下面12とを備えている。そして、セラミックス部材10には、吸着面11と下面12との間を第1方向D1(図2において上下方向、静電チャック1の厚み方向に一致する方向)に貫通する円筒形状の第1貫通孔15が形成されている。なお、吸着面11は本開示の「第1の面」の一例であり、下面12は本開示の「第2の面」の一例である。また、第1方向とは、後述するリフトピン60が移動する方向である。
そして、セラミックス部材10の熱伝導率は、例えば20W/mKである。また、セラミックス部材10の直径は、例えば150~300mm程度であり、セラミックス部材10の厚さは、例えば2~6mm程度である。なお、セラミックス部材10の熱伝導率は、10~50W/mK(より好ましくは、18~30W/mK)の範囲内が望ましい。
ベース部材20は、図1に示すように、円柱状の部材である。具体的には、ベース部材20は、直径の異なる2つの円柱が中心軸を共通にして重なる(詳細には、大きな直径を有する円柱状の下段部の上に、小さな直径を有する円柱状の上段部が重なる形態の)段付きの円柱状をなしている。このベース部材20は、金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されていることが好ましいが、金属以外であってもよい。
このベース部材20は、図1、図2に示すように、上面21と、ベース部材20の厚み方向(第1方向D1に一致する方向、図中上下方向)について上面21とは反対側に設けられる下面22とを備えている。そして、ベース部材20には、上面21と下面22との間を第1方向D1に貫通する円筒形状の第2貫通孔25が形成されている。この第2貫通孔25は、第1貫通孔15と同軸で同等の内径を有している。なお、上面21は本開示の「第3の面」の一例であり、下面22は本開示の「第4の面」の一例である。
そして、ベース部材20の直径は、上段部が例えば150~300mm程度であり、下段部が例えば180~350mm程度である。また、ベース部材20の厚さ(第1方向D1の寸法)は、例えば20~50mm程度である。なお、ベース部材20(アルミニウムを想定)の熱伝導率は、180~250W/mK(好ましくは、230W/mK程度)の範囲内が望ましい。
なお、ベース部材20には、冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)を流すための冷媒流路(不図示)が形成されている。冷媒流路は、ベース部材20の下面22に設けられた不図示の供給口と排出口とに接続しており、供給口からベース部材20に供給された冷媒が、冷媒流路内を流れて排出口からベース部材20外へ排出される。このようにして、ベース部材20の冷媒流路に冷媒を流すことにより、ベース部材20が冷却され、これにより、接合層40を介してセラミックス部材10が冷却される。
接合層40は、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間に配置され、セラミックス部材10とベース部材20とを接合する。この接合層40を介して、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21とが熱的に接続されている。この接合層40は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。この接合層40には、第1貫通孔15と第2貫通孔25との間に位置する円筒形状の中間貫通孔45が形成されている。なお、中間貫通孔45は、第1貫通孔15及び第2貫通孔25と同軸であり、第1貫通孔15及び第2貫通孔25よりも大きな内径を有している。
そして、接合層40の厚さ(第1方向D1の寸法)は、例えば0.1~1.0mm程度である。また、接合層40の熱伝導率は、例えば1.0W/mKである。なお、接合層40(シリコーン系樹脂を想定)の熱伝導率は、0.1~2.0W/mK(好ましくは、0.5~1.5W/mK)の範囲内が望ましい。
ここで、上記の第1貫通孔15と中間貫通孔45と第2貫通孔25とは、第1方向D1に連なって配置されて、静電チャック1を第1方向D1(厚み方向)に貫通するリフトピン挿入孔35を形成している。このリフトピン挿入孔35(第1貫通孔15と中間貫通孔45と第2貫通孔25)には、半導体ウエハWを吸着面11上から押し上げるリフトピン60が、ベース部材20の下面22側から挿入されている。このリフトピン60は、円柱形状(丸棒形状)をなしており、リフトピン挿入孔35内を第1方向D1に移動する。リフトピン60が第1方向D1の一方側(図2では上側)に移動して、リフトピン60の先端部(上端部)がセラミックス部材10の吸着面11から外部に突出することで、吸着面11上に載置されている半導体ウエハWを吸着面11から離間させる(リフトピン60によって半導体ウエハWを持ち上げる)ようになっている。
本実施形態の静電チャック1では、リフトピン挿入孔35が3個(すなわち、第1貫通孔15と中間貫通孔45と第2貫通孔25が3個ずつ)形成されており、各々のリフトピン挿入孔35内にリフトピン60が挿入されている。なお、3個のリフトピン挿入孔35は、静電チャック1の周方向に等間隔で形成されている(図1参照)。
そして、このような静電チャック1には、各中間貫通孔45(接合層40の貫通孔)内に、セラミックス部材10とベース部材20とに挟まれる態様(より詳細には、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間に挟まれる態様)で、第1方向D1の平面視で第1貫通孔15及び第2貫通孔25を囲むようにして、円環状のシール部材50(例えば、Oリング)が配置されている(図2、図3参照)。このシール部材50は、接合層40を保護し、接合層40の腐食を防止するためのものである。
すなわち、静電チャック1を半導体製造装置の真空チャンバー内で半導体ウエハWを固定するために使用する場合、半導体ウエハWに回路パターンを形成する際に使用する処理ガスやプラズマ等が、第1貫通孔15を通じて静電チャック1内に流入する。そして、そのプラズマ等が接合層40に侵入して接触すると、接合層40が腐食してしまうため、シール部材50を設けている。シール部材50を設けることにより、中間貫通孔45内に露出するセラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間が気密に封止され、第1貫通孔15を通じて静電チャック1内に流入したプラズマ等が、中間貫通孔45を通じて接合層40へ侵入して接合層40に接触することを防止できる。
本実施形態では、1つの中間貫通孔45内に、1つのシール部材50が配置されている。なお、「第1方向D1の平面視で」とは、「第1方向D1に静電チャック1を平面視したときに」という意味であり、具体的には、「セラミックス部材10の吸着面11側から第1方向D1に沿って静電チャック1を平面視したときに」という意味である。
ここで、シール部材50について、その内周縁51が、第1貫通孔15の周面15b及び第2貫通孔25の周面25bよりも内側(中心線CL側)に位置するように配置されると、第1方向D1に移動(上下動)するリフトピン60が、シール部材50に接触するおそれがある。特に、本実施形態の静電チャック1では、第1貫通孔15の周面15b及び第2貫通孔25の周面25bが、それぞれ、リフトピン60の外周面に近接しているため、シール部材50の内周縁51が第1貫通孔15の周面15b及び第2貫通孔25の周面25bよりも内側に位置する場合には、第1方向D1に移動するリフトピン60がシール部材50に接触する可能性が極めて高くなる。リフトピン60がシール部材50に接触して、シール部材50が損傷した場合には、接合層40の腐食を適切に防止できなくなるとともにパーティクルが発生するおそれがある。
そのため、本実施形態では、各々のシール部材50を、その内周縁51が、第1貫通孔15の周面15b及び第2貫通孔25の周面25bよりも外側(径方向外側)に位置するように配置している(図2、図3参照)。すなわち、図3に示すように、第1方向D1の平面視で、シール部材50の内周縁51が、第1貫通孔15及び第2貫通孔25の内側に位置することなく、第1貫通孔15及び第2貫通孔25よりも外側(中心線CLから見て遠い側)に配置している。これにより、接合層40の中間貫通孔45内に配置されたシール部材50に、リフトピン60が接触することを確実に防止することができる。
そして、このように配置された各々のシール部材50は、その全体が、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間に配置されることになる。これにより、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21とによって、シール部材50をしっかりと挟んで均等に弾性変形させて固定できるととともに、下面12及び上面21に対するシール部材50の接触面(シール面)を大きく確保することができる。従って、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間のシール性(気密性)を高めることができ、接合層40を腐食させるプラズマ等の接合層へのリークを確実に防止することができる。
ここで、シール部材50の内周縁51が第1貫通孔15の周面15b及び第2貫通孔25の周面25bよりも内側(径方向内側)に位置してしまうと、シール部材50の一部が、セラミックス部材10のうち第1貫通孔15の周面15b(第1貫通孔15を構成する孔構成面15c)と下面12との角部17、または、ベース部材20のうち第2貫通孔25の周面25b(第2貫通孔25を構成する孔構成面25c)と上面21との角部27に押さえつけられることによって、シール部材50の当該部位に応力が集中して亀裂などが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態の静電チャック1では、前述のように、シール部材50を、その内周縁51が、第1貫通孔15及び第2貫通孔25のそれぞれの周面15b,25bよりも内側(径方向内側)に位置することなく、第1貫通孔15及び第2貫通孔25のそれぞれの周面15b,25bよりも外側に位置するように配置している。これにより、シール部材50が、セラミックス部材10のうち第1貫通孔15の周面15b(第1貫通孔15を構成する孔構成面15c)と下面12との角部17、又はベース部材20のうち第2貫通孔25の周面25b(第2貫通孔25を構成する孔構成面25c)と上面21との角部27に接触することを防止できる。従って、シール部材50に、上記のような亀裂等が発生することを防止することができる。なお、本実施形態の静電チャック1では、1つの中間貫通孔45内にシール部材50が1つだけ配置されているので、各々のシール部材50が「最内シール部材」となる。そして、この最内シール部材の耐久性を向上させることができる。
ところで、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間のうち、シール部材50が配置される箇所では、接合層40が存在しないことになる。また、本実施形態の静電チャック1では、シール部材50(これを構成する材料)は、接合層40(これを構成する材料)よりも熱伝導率が低い。このため、1つの中間貫通孔45内に配置するシール部材50の数を多くするほど、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間の熱伝導性が低下することになる。
そのため、本実施形態の静電チャック1では、1つの中間貫通孔45内にシール部材50が1つだけ配置している。これにより、1つの中間貫通孔45内にシール部材50を複数配置する場合に比べて、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間に介在するシール部材50の数が少なくなるとともに、接合層40を貫通孔周辺まで配置することができるため、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21に接触する接合層40の面積を大きくすることができる。従って、リフトピン挿入孔35周辺において、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間における熱伝導を高めることができ、吸着面11における均熱性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態の静電チャック1によれば、1つの第1貫通孔15及び第2貫通孔25を囲むように環状のシール部材50が1つ配置され、平面視で、そのシール部材50の内周縁51が、第1貫通孔15及び第2貫通孔25の内側に位置することなく、第1貫通孔15及び第2貫通孔25の外側(中心から見て遠い側)に配置されている。これにより、シール部材50にリフトピン60が接触することを確実に防止することができるとともに、リフトピン挿入孔35周辺における熱伝導を高めることができるため、吸着面11における均熱性を向上させることができる。
また、シール部材50を均一に弾性変形させることができ、シール部材50に亀裂等が発生することを防止することができるため、シール部材50の耐久性を向上させることができる。従って、シール部材50によって、接合層40を腐食させるプラズマ等の接合層40へのリークを確実に防止することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、図4、図5を参照しながら説明する。第2実施形態は、第1実施形態と基本的な構成は同じであるが、ベース部材の構成が第1実施形態とは異なる。そこで、第1実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を適宜省略し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態の静電チャック101は、図4に示すように、第1実施形態と同様のセラミックス部材10と、第1実施形態と同様の接合層40と、第1実施形態とは異なるベース部材120とを有する。ベース部材120は、第2貫通孔125が形成された円筒状の内側部材120Aと、この内側部材120Aの外側(径方向外側)に配置された外側部材120Bとを備えている。
また、接合層40は、外側部材120Bとセラミックス部材10との間に配置されている。すなわち、接合層40は、セラミックス部材10と内側部材120Aとの間には配置されることなく、セラミックス部材10と外側部材120Bとの間に配置されている。従って、ベース部材120のうち外側部材120Bが、接合層40によってセラミックス部材10に接合されている。
ここで、内側部材120Aは、外側部材120Bに固定されている。本実施形態では、例えば、外側部材120Bに、第1方向D1に貫通する雌ねじ孔123が形成されている。この雌ねじ孔123は、本実施形態では、セラミックス部材10の第1貫通孔15と同軸となるように、外側部材120Bに3個形成されている。一方、内側部材120Aの外周面には、雌ねじ孔123の雌ねじに螺合する雄ねじ126が形成されている。従って、内側部材120Aの雄ねじ126を、外側部材120Bの雌ねじ孔123の雌ねじに螺合させつつ、内側部材120Aを外側部材120Bの雌ねじ孔123内に挿入することで、内側部材120Aが外側部材120Bに固定される。本実施形態では、3個の雌ねじ孔123のそれぞれに、内側部材120Aが配置されている。従って、本実施形態のベース部材120は、1個の外側部材120Bと3個の内側部材120Aとによって構成されている。
このようなベース部材120では、内側部材120Aの第2貫通孔125が、ベース部材120の上面121と下面122との間を第1方向D1に貫通している。第2貫通孔125は、セラミックス部材10の第1貫通孔15と同軸で同等の内径を有している。セラミックス部材10の第1貫通孔15と接合層40の中間貫通孔45とベース部材120の第2貫通孔125とは、第1方向D1に連なって配置され、静電チャック101を第1方向D1に貫通するリフトピン挿入孔135を形成している。
そして、本実施形態の静電チャック101では、各々の中間貫通孔45内に、セラミックス部材10の下面12とベース部材120の上面121(詳細には、内側部材120Aの上面127)との間に挟まれる態様で、第1方向D1の平面視で第1貫通孔15及び第2貫通孔125を囲むようにして、円環状のシール部材50が配置されている(図4、図5参照)。これにより、シール部材50によって、中間貫通孔45内に露出するセラミックス部材10の下面12とベース部材120の上面121との間が気密に封止されている。従って、第1貫通孔15を通じて静電チャック101内に流入したプラズマ等が、接合層40へ侵入して接合層40に接触することを防止できる。
また、本実施形態の静電チャック101でも、各々のシール部材50は、その内周縁51が、第1貫通孔15の周面15b及び第2貫通孔125の周面125bよりも外側(径方向外側)に位置するように配置されている(図4、図5参照)。すなわち、図5に示すように、第1方向D1の平面視で、シール部材50の内周縁51が、第1貫通孔15及び第2貫通孔125の内側に位置することなく、第1貫通孔15及び第2貫通孔125よりも外側(中心線CLから見て遠い側)に配置されている。これにより、シール部材50に、リフトピン60が接触することを確実に防止することができる。
ここで、このような静電チャック101は、次のようにして製造される。すなわち、まず、セラミックス部材10とベース部材120の外側部材120Bとを接合層40によって接合して、セラミックス部材10に対する外側部材120Bの位置を固定する。その後、セラミックス部材10とベース部材120の内側部材120Aとの間にシール部材50を挟むようにして、外側部材120Bに対して内側部材120Aを固定する。具体的には、内側部材120Aの雄ねじ126を、外側部材120Bの雌ねじ孔123の雌ねじに螺合させつつ、内側部材120Aを外側部材120Bの雌ねじ孔123内に挿入する。そして、外側部材120Bに内側部材120Aを固定することによって、ベース部材120が形成されるとともに、セラミックス部材10とベース部材120(内側部材120A)との間にシール部材50を配置することができる。
そのため、シール部材50を、所定の位置に配置し易くなるので、シール部材50の位置ズレを抑制することができる。このようにシール部材50の位置ズレが抑制されるため、シール部材50をしっかりと弾性変形させることができ、セラミックス部材10の下面12とベース部材120の上面121との間のシール性が良好になり、接合層40へのプラズマ等のリークをより確実に防止することができる。
以上のように、本実施形態の静電チャック101によれば、シール部材50に、リフトピン60が接触することを確実に防止することができるとともに、シール部材50によるシール性が良好となり、接合層40へのプラズマ等のリークをより確実に防止することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について、図6~図9を参照しながら説明する。第3実施形態は、第2実施形態と基本的な構成は同じであるが、セラミックス部材の構成が第2実施形態とは異なる。そこで、第2実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を適宜省略し、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態の静電チャック201は、図6、図7に示すように、第1セラミックス部材210と、第2セラミックス部材220と、第1セラミックス部材210と第2セラミックス部材220とを接合する接合層240とを備えている。なお、第1セラミックス部材210は本開示の「第1部材」の一例であり、第2セラミックス部材220は本開示の「第2部材」の一例である。
また、静電チャック201は、第2実施形態と同様のベース部材120と、ベース部材120と第2セラミックス部材220とを接合する接合層40とを備えている。さらに、静電チャック201は、第2実施形態と同様に、各々の中間貫通孔45内に、第2セラミックス部材220の下面222とベース部材120の上面121(詳細には、内側部材120Aの上面127)との間に挟まれる態様で、円環状のシール部材50が配置されている。
第1セラミックス部材210には、吸着面211と下面212との間を第1方向D1に貫通する円筒形状の第1貫通孔215が形成されている(図7、図8参照)。吸着面211は本開示の「第1の面」の一例であり、下面212は本開示の「第2の面」の一例である。また、第2セラミックス部材220には、上面221と下面222との間を第1方向D1に貫通する円筒形状の第2貫通孔225が形成されている。上面221は本開示の「第3の面」の一例であり、下面222は本開示の「第4の面」の一例である。なお、第2貫通孔225は、第1貫通孔215と同軸で同等の内径を有している。
接合層240には、第1貫通孔215と第2貫通孔225との間に位置する円筒形状の中間貫通孔245が形成されている。なお、中間貫通孔245は、第1貫通孔215及び第2貫通孔225と同軸であり、第1貫通孔215及び第2貫通孔225よりも大きな内径を有している。
これら第1貫通孔215と中間貫通孔245と第2貫通孔225とは、第1方向D1に連なって配置されて、静電チャック201を第1方向D1(厚み方向)に貫通するリフトピン挿入孔235の一部を形成している。リフトピン挿入孔235には、半導体ウエハWを吸着面211上から押し上げるリフトピン60が、ベース部材120の下面122側から挿入されている。
そして、各々の中間貫通孔245内に、第1セラミックス部材210の下面212と第2セラミックス部材220の上面221との間に挟まれる態様で、第1方向D1の平面視で第1貫通孔215及び第2貫通孔225を囲むようにして、円環状のシール部材250(例えば、Oリング)が配置されている(図7、図8参照)。これにより、シール部材250によって、中間貫通孔245内に露出する第1セラミックス部材210の下面212と第2セラミックス部材220の上面221との間が気密に封止され、第1貫通孔215を通じて静電チャック201内に流入したプラズマ等が、接合層240へ侵入して接合層に240に接触することを防止できる。
また、本実施形態の静電チャック201でも、各々のシール部材250は、その内周縁251が、第1貫通孔215の外周面215b及び第2貫通孔225の外周面225bよりも外側(径方向外側)に位置するように配置されている(図8参照)。すなわち、図9に示すように、第1方向D1の平面視で、シール部材250の内周縁251が、第1貫通孔215及び第2貫通孔225の内側に位置することなく、第1貫通孔215及び第2貫通孔225よりも外側(中心線CLから見て遠い側)に配置されている。これにより、接合層240の中間貫通孔245内に配置されたシール部材250に、リフトピン60が接触することを確実に防止することができる。
さらに、第1セラミックス部材210の下面212と第2セラミックス部材220の上面221とでシール部材250をしっかりと挟んで固定できるとともに、第1セラミックス部材210の下面212及び第2セラミックス部材220の上面221に対するシール部材250の接触面(シール面)を大きく確保することができる。そのため、第1セラミックス部材210の下面212と第2セラミックス部材220の上面221との間のシール性を高めることができる。従って、中間貫通孔245内に配置されたシール部材250によって、プラズマ等が接合層240へ侵入して接合層240に接触することを確実に防止できる。
ここで、本実施形態の静電チャック201には、図8に示すように、第2セラミックス部材220の上面221に、発熱抵抗体270が設けられている。発熱抵抗体270は、第2セラミックス部材220の上面221の全体にわたって渦巻き状に配置されている。この発熱抵抗体270に電源(不図示)から電圧が印加されて、発熱抵抗体270が発熱することによって、第1セラミックス部材210の吸着面211が温められ、吸着面211に保持される半導体ウエハWが温められる。
ところで、例えば、複数のグリーンシートを圧着して焼成することで、発熱抵抗体を内部に有するセラミックス部材を製造する場合、グリーンシート圧着体の表面に予め所定パターンの発熱抵抗体を形成して、他のグリーンシート圧着体を重ね合わせて圧着した後に焼成する。このため、発熱抵抗体の発熱によるセラミックス部材の吸着面(第1の面)の温度分布が所望の温度分布になっていない場合、発熱抵抗体はセラミックス部材の内部に埋設されているため、発熱抵抗体自体を加工(トリミング)することができない。
これに対し、本実施形態の静電チャック201では、製造時に、吸着面211が所望の温度分布となるように、発熱抵抗体270を加工しつつ温度分布を調整することができる。すなわち、第2セラミックス部材220の上面221に、所定のパターンで設けられた発熱抵抗体270を発熱させて、第2セラミックス部材220の上面221の温度分布を確認し、上面221が所望の温度分布(例えば、上面221の全体にわたって略均一な温度分布)となるように、発熱抵抗体270をトリミングする(削る)ことができる。
そして、発熱抵抗体270をトリミングして調整した後、第1セラミックス部材210と第2セラミックス部材220とを接合層240によって接合することにより、第2セラミックス部材220の上面221を精度良く所望の温度分布にすることができる。これにより、接合層240を介して第2セラミックス部材220に接合する第1セラミックス部材210の吸着面211も、精度良く所望の温度分布にすることができる。従って、本実施形態の静電チャック201によれば、吸着面211における温度制御性を向上させることができる。なお、シール部材250は、第1セラミックス部材210と第2セラミックス部材220との接合時に、第1セラミックス部材210の下面212と第2セラミックス部材220の上面221との間に挟み込まれて、各々の中間貫通孔245内に配置される。
以上のように、本実施形態の静電チャック201によれば、シール部材250に、リフトピン60が接触することを確実に防止することができるとともに、シール部材250により、接合層40へのプラズマ等のリークを確実に防止することができる。また、製造時に、吸着面211が所望の温度分布となるように発熱抵抗体270をトリミングする(削る)ことができるため、吸着面211における温度制御性を向上させることができる。
[第4実施形態]
最後に、第4実施形態について、図10、図11を参照しながら説明する。第4実施形態は、第1実施形態と基本的な構成は同じであるが、1つの貫通孔に対して複数のシール部材を備える点が第1実施形態とは異なる。すなわち、本開示は、1つの貫通孔に対して1つのシール部材が配置される静電チャックへの適用に限定されることなく、1つの貫通孔に対して少なくとも1つのシール部材(すなわち、1または複数のシール部材)が配置される静電チャックにも適用することができる。そこで、第1実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を適宜省略し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態の静電チャック301では、図10、図11に示すように、1つの中間貫通孔245内に、2つのシール部材(シール部材50とシール部材350)が配置されている。具体的には、静電チャック301は、図10に示すように、第1実施形態と同様のセラミックス部材10と、第1実施形態とは異なる接合層240と、第1実施形態と同様のベース部材20とを有する。なお、本実施形態における接合層240は、第1実施形態の接合層40と比較して、中間貫通孔の直径のみが異なっている。具体的には、本実施形態における接合層240の中間貫通孔245は、2つのシール部材を配置するため、第1実施形態における接合層40の中間貫通孔45よりも直径が大きくされている。
これらのシール部材50と円環状のシール部材350とは、各々の中間貫通孔245内に、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間に挟まれる態様で、第1方向D1の平面視で第1貫通孔15及び第2貫通孔25を囲むようにして、径方向に隣接して配置されている(図11参照)。なお、シール部材350は、シール部材50に比べて内径及び外径が大きく、シール部材50を囲むように配置されている。
このように、1つの中間貫通孔245内に2つのシール部材(シール部材50とシール部材350)が配置されているため、他の実施形態の静電チャックと比べて、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間の気密性を高めることができる。これにより、第1貫通孔15を通じて静電チャック301内に流入したプラズマ等が、中間貫通孔245に侵入して接合層240に接触することをより確実に防止できる。
そして、1つの中間貫通孔245内に配置されたシール部材50,350のうち、第1貫通孔15及び第2貫通孔25の最も近くに配置されるシール部材50(最内シール部材)は、その内周縁51が、第1貫通孔15及び第2貫通孔25のそれぞれの周面15b,25bよりも外側に位置するように配置されている(図10参照)。すなわち、図11に示すように、第1方向D1の平面視で、最内シール部材であるシール部材50の内周縁51が、第1貫通孔15及び第2貫通孔25の内側に位置することなく、第1貫通孔15及び第2貫通孔25の外側(中心線CLから見て遠い側)に配置されている。従って、シール部材50に、リフトピン60が接触することを確実に防止できる。
以上のように、本実施形態の静電チャック301によれば、最内シール部材であるシール部材50に、リフトピン60が接触することを確実に防止することができるとともに、二重に配置したシール部材50,350により、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間の気密性を高めることができ、接合層40へのプラズマ等のリークをより確実に防止することができる。
なお、上記の実施形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記の実施形態では、本開示を静電チャックに適用した場合を例示したが、本開示は、静電チャックに限られることなく、表面に対象物を保持する保持装置全般について適用することができる。
また、上記の実施形態では、接合層40の中間貫通孔45にシール部材50を配置する静電チャックを例示したが、セラミックス部材10の下面にザグリ穴を設けてそこにシール部材50を配置する静電チャックに対しても本開示を適用することができる。
また、上記の第2実施形態では、外側部材120Bに雌ねじ孔123、内側部材120Aに雄ねじ126をそれぞれ形成して、雄ねじ126を雌ねじ孔123の雌ねじに螺合させることにより、内側部材120Aを外側部材120Bに固定している場合を例示している。しかしながら、内側部材120Aの外側部材120Bに対する固定方法はこれに限られることはなく、例えば、内側部材120Aの下端に貫通孔を設けたフランジを形成するとともに、外側部材120Bの下面にボルト孔(ねじ孔)を形成して、ボルトにより内側部材120Aを外側部材120Bに固定してもよい。あるいは、接着剤を用いて、内側部材120Aを外側部材120Bに固定することもできる。
また、上記の第3実施形態では、ベース部材として、内側部材120Aと外側部材120Bを備えるベース部材120を例示したが、第1実施形態と同様のベース部材20を使用することもできる。
1 静電チャック
10 セラミックス部材
11 吸着面
12 下面
15 第1貫通孔
15b 周面
17 角部
20 ベース部材
21 上面
22 下面
25 第2貫通孔
25b 周面
27 角部
40 接合層
50 シール部材
51 内周縁
60 リフトピン
101 静電チャック
120 ベース部材
120A 内側部材
120B 外側部材
125 第2貫通孔
125b 周面
201 静電チャック
210 第1セラミックス部材
215 第1貫通孔
215b 周面
220 第2セラミックス部材
225 第2貫通孔
225b 周面
240 接合層
250 シール部材
251 内周縁
301 静電チャック
350 シール部材
W 半導体ウエハ

Claims (4)

  1. 第1の面と、前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面とを備える第1部材と、
    第3の面と、前記第3の面とは反対側に設けられる第4の面とを備える第2部材と、
    、前記第1部材の前記第2の面と前記第2部材の前記第3の面との間に配置され、前記第1部材と前記第2部材とを接合する接合層と備え、
    前記第1部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記第1部材には、前記対象物を前記第1の面上から押し上げるリフトピンが挿通される第1の貫通孔が形成され、
    前記第2部材には、前記第1の貫通孔と連通し、前記リフトピンが挿通される第2の貫通孔が形成されており、
    前記第1部材と前記第2部材とに挟み込まれ、平面視で前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔を囲むように配置される環状のシール部材を少なくとも1つ有し、
    前記接合層は、前記シール部材の外側に配置されており、
    前記シール部材のうち、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔との最も近くに配置されるものは、その内周縁が、前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔のそれぞれの周面より外側に位置するように配置されている
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載する保持装置において、
    前記第2部材は、
    前記第2の貫通孔が形成された内側部材と、
    前記内側部材の外側に配置されて前記接合層により前記第1部材に接合された外側部材とを備え、
    前記内側部材と前記第1部材との間に前記シール部材が配置されている
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項1に記載する保持装置において、
    前記第1部材と前記第2部材は、ともにセラミックス部材である
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つの保持装置において、
    1つの前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔に対して、前記シール部材が1つ配置されている
    ことを特徴とする保持装置。
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