JP6688167B2 - 保持装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置の製造方法に関する。
例えば半導体製造装置において、ウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、例えば、板状のセラミックス板と板状のベース板とが接合層により接合された構成を有する。静電チャックは、内部電極を有しており、内部電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、セラミックス板の表面(以下、「吸着面」という)にウェハを吸着して保持する。
このような静電チャックの中には、上記板状のセラミックス板が、円板状のセラミックス板と、当該円板のセラミックス板の周囲を囲むように配置された円環状のセラミックス板とを備えて構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。円板状のセラミックス板と円環状のセラミックス板とは、接合層を介してベース板に接合されている。
特開2014−150104号公報
上記静電チャックのように、円板状のセラミックス板と円環状のセラミックス板とが接合層を介してベース板に接合された保持装置の製造方法としては、次の方法が考えられる。すなわち、円板状のセラミックス板の成形体と円環状のセラミックス板の成形体とを個別に作製し、それぞれの成形体を、個別に接合層を介してベース板に接合する方法である。この製造方法では、2つのセラミックス板の成形体を個別に接合するため、接合工程が煩雑になるおそれがあり、また、円板状のセラミックス板と円環状のセラミックス板とが軸ズレした状態でベース板に接合される可能性が高くなる。
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、板状の第1のセラミックス板と、その第1のセラミックス板の外周に沿って配置された第2のセラミックス板とが接合層を介してベース板に接合されており、第1のセラミックス板の表面上に対象物を保持する保持装置に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置の製造方法は、第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状の第1のセラミックス板と、前記第1のセラミックス板から離間した位置において前記第1のセラミックス板の外周に沿って配置された第2のセラミックス板と、第3の表面を有する板状であり、前記第3の表面が前記第1のセラミックス板の前記第2の表面と前記第2のセラミックス板とに対向するように配置されたベース板と、前記第1のセラミックス板の前記第2の表面および前記第2のセラミックス板と前記ベース板の前記第3の表面との間に配置され、前記第1のセラミックス板および前記第2のセラミックス板と前記ベース板とを接合する接合層と、を備え、前記第1のセラミックス板の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法において、セラミックスにより形成された板状のセラミックス成形体と、前記ベース板とを準備する工程と、前記セラミックス成形体と前記ベース板との間に前記接合層を形成することによって、前記セラミックス成形体と前記ベース板とを接合する工程と、前記セラミックス成形体と前記ベース板とを接合した後に、前記セラミックス成形体に加工を施すことによって、前記第1のセラミックス板と前記第2のセラミックス板とを形成する工程と、を備える。本保持装置の製造方法によれば、セラミックス板とベース板とが接合された後に、セラミックス板に加工が施されることによって第1のセラミックス板と第2のセラミックス板とが形成される。これにより、予め形成された第1のセラミックス板の成形体と第2のセラミックス板の成形体とのそれぞれを、個別にベース板に接合する場合に比べて、接合工程が簡略になるとともに、ベース板に接合された第1のセラミックス板と第2のセラミックス板との間に軸ズレが生じることを抑制することができる。
(2)上記保持装置の製造方法において、前記セラミックス成形体には、前記第1のセラミックス板となる部分と前記第2のセラミックス板となる部分との間に凹部が形成されている構成としてもよい。本保持装置の製造方法によれば、セラミックス成形体には、第1のセラミックス板に対応する部分と第2のセラミックス板に対応する部分との間に凹部が予め形成されている。このため、ベース板に接合されたセラミックス成形体から、第1のセラミックス板と第2のセラミックス板とを容易に形成することができる。
(3)上記保持装置の製造方法において、さらに、前記ベース板に接合された前記セラミックス成形体の表面に表面加工を施す工程を備え、前記表面加工を施す工程の後に、前記第1のセラミックス板と前記第2のセラミックス板とを形成する工程を行うことを特徴とする構成としてもよい。本保持装置の製造方法によれば、表面加工によって発生する異物が接合層に混入することを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば静電チャック、ヒータや真空チャック等の保持装置、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。 加工前後のセラミックス積層体90P,90のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 ベース板20と、分割前の内側セラミックス部材10および外側セラミックス部材60とのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。なお、静電チャック100は、特許請求の範囲における保持装置に相当する。
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。なお、真空チャンバー内において静電チャック100の上方には、シャワーヘッド(図示せず)が配置されており、シャワーヘッドは、静電チャック100に保持されたウェハWに向けてプラズマガスを噴出する。
静電チャック100は、全体として、円柱状の形状に形成されており、以下、静電チャック100の中心軸を「チャック中心軸C」といい、静電チャック100の径方向を、単に「チャック径方向」ということがある。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置された内側セラミックス部材10およびベース板20を備える。内側セラミックス部材10とベース板20とは、内側セラミックス部材10の下面(以下、「内側セラミックス接合面S2」という)とベース板20の上面(以下、「ベース側接合面S3」という)の内側部分(以下、「ベース内側接合面S3A」という)とが上記配列方向に対向するように配置されている。
静電チャック100は、さらに、内側セラミックス部材10の周囲を囲むように配置される外側セラミックス部材60およびフォーカスリング70を備える。外側セラミックス部材60とベース板20とは、外側セラミックス部材60の下面(以下、「外側セラミックス接合面S6」という)とベース板20のベース側接合面S3の外側部分(以下、「ベース外側接合面S3B」という)とが上記配列方向に対向するように配置されている。フォーカスリング70は、外側セラミックス部材60の上面S5に配置される。
静電チャック100は、さらに、内側セラミックス部材10および外側セラミックス部材60とベース板20との間に配置されている接合層(接着層)30を備える。接合層30は、内側セラミックス部材10の内側セラミックス接合面S2とベース板20のベース内側接合面S3Aとの間に配置されている円形状の内側接合層30Aと、外側セラミックス部材60の外側セラミックス接合面S6とベース板20のベース外側接合面S3Bとの間に配置されている環状の外側接合層30Bとを備える。内側セラミックス部材10は、特許請求の範囲における第1のセラミックス板に相当し、内側セラミックス接合面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当する。外側セラミックス部材60は、特許請求の範囲における第2のセラミックス板に相当し、ベース板20のベース側接合面S3は、特許請求の範囲における第3の表面に相当する。
内側セラミックス部材10は、例えば円形平面の板状部材であり、セラミックスにより形成されている。内側セラミックス部材10の外周面の下側部分には、チャック径方向外側に張り出したフランジ部12が全周にわたって形成されている。換言すれば、内側セラミックス部材10の下側部分(フランジ部12が形成されている部分)の直径は、内側セラミックス部材10の上側部分の直径より大きい。内側セラミックス部材10の上側部分の直径は、図2に示すように、ウェハWの直径より若干小さい。このため、内側セラミックス部材10の吸着面S1に配置されたウェハWは、当該ウェハWの周縁部が、全周にわたって内側セラミックス部材10の吸着面S1からチャック径方向外側にはみ出した状態になる。このため、シャワーヘッドからのプラズマガスが接合層30に侵入することが抑制される。内側セラミックス部材10の上側部分の直径は、例えば50mm〜500mm程度であり、内側セラミックス部材10の厚さは、例えば2mm〜10mm程度である。
内側セラミックス部材10の形成材料としては、種々のセラミックスが用いられ得るが、強度や耐摩耗性、耐プラズマ性、後述するベース板20の形成材料との関係等の観点から、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)または窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスが用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。
内側セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成された一対の内部電極40が設けられている。一対の内部電極40に電源(図示せず)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWが内側セラミックス部材10の上面(以下、「吸着面S1」という)に吸着固定される。内側セラミックス部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当する。
また、内側セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成された抵抗発熱体で構成された内側ヒータ50が設けられている。内側ヒータ50に電源(図示せず)から電圧が印加されると、内側ヒータ50が発熱することによって内側セラミックス部材10が温められ、内側セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが温められる。これにより、ウェハWの温度制御が実現される。なお、内側ヒータ50は、内側セラミックス部材10の吸着面S1をできるだけ満遍なく温めるため、例えばZ方向視で略同心円状に配置されている。
ベース板20は、例えば内側セラミックス部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、セラミックスとアルミニウム合金とから構成された複合材料により形成されている。ベース板20の直径は、例えば220mm〜550mm程度であり、ベース板20の厚さは、例えば20mm〜40mm程度である。
ベース板20の形成材料としては、種々の複合材料が用いられ得るが、炭化ケイ素(SiC)を主成分とする多孔質セラミックスに、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金を溶融して加圧浸透させた複合材料が用いられることが好ましい。複合材料に含まれるアルミニウム合金は、Si(ケイ素)やMg(マグネシウム)を含んでいてもよいし、性質等に影響の無い範囲でその他の元素を含んでいてもよい。
また、上述したベース板20のベース内側接合面S3Aは、ベース板20の下面S4に略平行な円形の平面であり、該ベース内側接合面S3Aの直径は、内側セラミックス部材10の内側セラミックス接合面S2(フランジ部12)の直径より小さい。また、上述したベース板20のベース外側接合面S3Bは、ベース板20のベース内側接合面S3Aに略平行であり、Z軸方向視で、ベース内側接合面S3Aの周囲を囲む環状の平面である。ベース外側接合面S3Bの内径は、ベース内側接合面S3Aの直径より大きく、内側セラミックス部材10の内側セラミックス接合面S2(フランジ部12)の直径に略一致する。
ベース外側接合面S3Bは、ベース内側接合面S3Aよりベース板20の下面S4に近い位置(ベース内側接合面S3Aより下方の位置)に形成されている。
また、ベース内側接合面S3Aとベース外側接合面S3Bとの間には、ベース内側接合面S3Aより1段低く、かつ、ベース外側接合面S3Bより1段高い位置に環状の第1の段差部22が形成されている。また、ベース外側接合面S3Bの周縁部には、ベース外側接合面S3Bより1段低い位置に環状の第2の段差部24が形成されている。
ベース板20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース板20が冷却される。これにより、内側接合層30Aを介したベース板20と内側セラミックス部材10との間の伝熱により内側セラミックス部材10が冷却され、内側セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。また、外側接合層30Bを介したベース板20と外側セラミックス部材60との間の伝熱により外側セラミックス部材60が冷却され、外側セラミックス部材60の上面S5に支持されたフォーカスリング70が冷却される。これにより、ウェハWの温度制御が実現される。
外側セラミックス部材60は、例えば円環平面の板状部材であり、内側セラミックス部材10と同一のセラミックスにより形成されている。図2に示すように、外側セラミックス部材60の外径は、ベース板20の外径と略一致し、外側セラミックス部材60の内径は、内側セラミックス部材10の下側部分の直径、および、ベース板20の第1の段差部22の直径より若干大きい。このため、外側セラミックス部材60と、内側セラミックス部材10の下側部分、および、ベース板20の第1の段差部22との間に隙間が生じる。外側セラミックス部材60の円環状の上面S5(以下、「支持面S5」という)は、内側セラミックス部材10の吸着面S1に略平行である。
また、外側セラミックス部材60の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成された抵抗発熱体で構成された外側ヒータ65が設けられている。外側ヒータ65に電源(図示せず)から電圧が印加されると、外側ヒータ65が発熱することによって外側セラミックス部材60が温められ、外側セラミックス部材60の支持面S5に支持されたフォーカスリング70が温められる。これにより、ウェハWの内、内側セラミックス部材10の吸着面S1からはみ出した周縁部の温度制御が実現される。なお、外側ヒータ65は、外側セラミックス部材60の支持面S5をできるだけ満遍なく温めるため、例えばZ方向視で略同心円状に配置されている。
フォーカスリング70は、例えば円環平面の板状部材であり、例えば石英等の耐熱性の高い材質により形成されている。フォーカスリング70の内周面には、チャック径方向内側に突出した凸部72が全周にわたって形成されている。凸部72は、内側セラミックス部材10の吸着面S1より下方に位置し、内側セラミックス部材10の上側部分の周囲を囲むように配置されている。フォーカスリング70の凸部72が形成されている部分の内径は、内側セラミックス部材10の上側部分の直径より大きく、内側セラミックス部材10の下側部分の直径より小さい。フォーカスリング70の凸部72が形成されていない上下の部分の内径は、内側セラミックス部材10の下側部分の直径、および、ウェハWの直径より大きい。フォーカスリング70の凸部72が形成されていない上側部分は、内側セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWの周囲を囲むように位置している。このように、Z軸方向視で、凸部72と内側セラミックス部材10のフランジ部12とは全周にわたって重なっている。このため、シャワーヘッドからのプラズマガスが接合層30に侵入することが抑制されている。
接合層30は、例えば、有機系接着剤を含んでいる。接合層30に含まれる有機系接着剤として、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の種々の有機系接着剤が用いられ得るが、比較的耐熱性が高く、かつ、柔らかいシリコーン系樹脂を主成分とする有機系接着剤が用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、接合層30に含まれる接着成分(有機系接着剤)における含有割合(重量割合)の最も多い成分である。接合層30には、接着成分の他に、粉末成分(例えばアルミナやシリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等)や添加剤(カップリング剤等)が含まれていてもよい。接合層30の厚さは、例えば0.03mm〜1mm程度である。
内側セラミックス部材10の内側セラミックス接合面S2とベース板20の第1の段差部22との間に形成される環状の空間には、環状の第1の保護材82が配置されている。また、ベース板20の第1の段差部22と外側セラミックス部材60の内周面との間に形成される環状の空間には、環状の第2の保護材84が配置されている。さらに、ベース板20の第2の段差部24と外側セラミックス部材60の外側セラミックス接合面S6との間に形成される環状の空間には、環状の第3の保護材86が配置されている。各保護材82,84,86は、耐ガス腐食性の材料により形成されており、各接合層30へのプラズマガスの侵入を抑制する。
A−2.静電チャック100の製造方法:
次に、本実施形態における静電チャック100の製造方法を説明する。図3は、本実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。また、図4は、加工前後のセラミックス積層体90P,90のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図5は、ベース板20と、分割前の内側セラミックス部材10および外側セラミックス部材60とのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
まず、加工前のセラミックス積層体90Pを準備する(S110)。加工前のセラミックス積層体90Pは、図4に示すように、内側セラミックス部材10になる部分と外側セラミックス部材60になる部分とを包含するサイズの平板状の部材である。具体的には、例えばアルミナを主成分とするセラミックスグリーンシートを複数準備し、各セラミックスグリーンシートに対して、スルーホールの形成やビア用インクの充填、内部電極40の形成のための電極用インクの塗布等の必要な加工を行う。なお、ビア用インクや電極用インクとしては、例えばアルミナを主成分とするセラミックスグリーンシート用の原料粉末にタングステン粉末を混合してスラリー状としたメタライズインクが用いられる。次に、1つのセラミックスグリーンシート上に、上述の内側ヒータ50用および外側ヒータ65用のメタライズインクを、例えばスクリーン印刷によって塗布する。次に、複数のセラミックスグリーンシートを積層して熱圧着することにより、加工前のセラミックス積層体90Pが作製される。
次に、加工前のセラミックス積層体90Pに、切削等の加工処理を施すことによって、加工後のセラミックス積層体90を形成する(S120)。この加工後のセラミックス積層体90では、図4に示すように、内側セラミックス部材10になる部分の下側部分の外周側と外側セラミックス部材60になる部分の内周側とが分離されておらず、連結部分92を介して繋がっている。連結部分92は、Z軸方向視で環状であり、全周にわたって、内側セラミックス部材10になる部分と外側セラミックス部材60になる部分とを繋いでいる。連結部分92の下面側には、凹部94が全周にわたって形成されている。なお、セラミックス積層体90P,90は、特許請求の範囲におけるセラミックス成形体に相当する。
次に、加工後のセラミックス積層体90を還元雰囲気中で焼成する(例えば、1400〜1800℃で5時間の焼成を行う)(S130)。この焼成処理により、複数のセラミックスグリーンシートがセラミックス体となり、各メタライズインクの層が、内部電極40、内側ヒータ50および外側ヒータ65となる。その後、焼成後のセラミックス積層体90の表面を研磨する(S140)。これにより、セラミックス積層体90の表面粗さが所定レベルになる。
次に、セラミックス積層体90に端子(例えば給電端子)を接合する(S150)。具体的には、セラミックス積層体90のベース側接合面S3側に、例えばNi(ニッケル)めっきを施すことにより、端子(例えば給電端子)を接合するためのメタライズ層を形成し(S150)、該メタライズ層に、例えばロウ付けにより端子を接合する。次に、ベース板20を準備し、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着剤を用いて、セラミックス積層体90とベース板20とを接合する(S160)。このとき、内側セラミックス部材10になる部分と外側セラミックス部材60になる部分とは、まだ分離されておらず、連結部分92によって繋がっている。なお、ベース板20は、公知の製造方法によって製造可能であるため、ここでは製造方法の説明を省略する。
次に、接合層30を介して接合されたセラミックス積層体90とベース板20との複合体の表面を研磨する(S170)。これにより、内側セラミックス部材10になる部分の吸着面S1等の平坦度が向上するとともに、該吸着面S1のベース板20の下面S4に対する平行度が向上する。次に、複合体の吸着面S1にブラスト加工を施す(S180)。これにより、複合体の吸着面S1は、複数の突起T(図1参照)が形成された表面形状に加工される。なお、S170の研磨加工やS180のブラスト加工は、粉塵等の異物が発生し得る加工処理であり、特許請求の範囲における表面加工に相当する。
そして、複合体に表面加工を施した後に、セラミックス積層体90を分割して内側セラミックス部材10とセラミックス積層体90とを形成する(S190)。具体的には、セラミックス積層体90の内側セラミックス部材10になる部分と外側セラミックス部材60になる部分とが、接合層30を介してベース板20に接合された状態で、セラミックス積層体90の連結部分92を切削する(図5の白抜き矢印参照)。次に、図2に示すように、上述の保護材82,84,86とフォーカスリング70とを配置する(S200)。これにより、上述した構成の静電チャック100の製造が完了する。
A−3.本実施形態の効果:
仮に、静電チャック100の製造方法において、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とを、別々のセラミックス成形体によって個別に形成しようとすると、次の問題が生じる。すなわち、セラミックス成形体の準備からセラミックス積層体への端子の接合までの工程(図3のS110〜S150に相当する工程)を、内側セラミックス部材10の作製と外側セラミックス部材60の作製とのそれぞれのために、個別に行う必要があり、製造負担や製造コストが増大するおそれがある。
また、仮に、図3に示すセラミックス成形体90Pの準備(S110)からセラミックス積層体90の研磨(S140)まで行った後、セラミックス積層体90とベース板20との接合(S160)の前に、セラミックス積層体90を分割して内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とを形成すると、次の問題が生じる。すなわち、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とは、ベース板20への接合の際、既に分離されて別体になっている。このため、内側セラミックス部材10の中心軸と外側セラミックス部材60の中心軸との両方をチャック中心軸Cに一致させるように、内側セラミックス部材10および外側セラミックス部材60をベース板20に接合することが困難になる。そして、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間に軸ズレが生じると、例えば、内側ヒータ50と外側ヒータ65との間の軸ズレによってウェハWの温度を均一にすることが困難になったり、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間の隙間が不均一になることによって、該隙間に第2の保護材84を配置することが困難になったりするおそれがある。
これに対して、本実施形態の製造方法によれば、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とを、共通のセラミックス成形体によって形成する(図3参照)。これにより、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とのそれぞれに対する加工、ヒータ50,65の形成や端子の接合等(S120〜S150)を一括で行うことによって製造効率を向上させることができる。また、セラミックス積層体90とベース板20とが接合された後(S160)に、セラミックス積層体90に加工が施されることによって内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とが形成される(S190)。これにより、予め形成された内側セラミックス部材10の成形体と外側セラミックス部材60の成形体とのそれぞれを、個別にベース板20に接合する場合に比べて、接合工程が簡略になるとともに、ベース板20に接合された内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間に軸ズレが生じることを抑制することができる。
また、セラミックス積層体90には、内側セラミックス部材10に対応する部分と外側セラミックス部材60に対応する部分との間に凹部94が予め形成されている。このため、連結部分92の切断が容易になることによって、ベース板20に接合されたセラミックス積層体90から、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とを容易に形成することができる。
また、複合体の吸着面S1への表面加工(S180)の後に、セラミックス積層体90を分割して内側セラミックス部材10とセラミックス積層体90とを形成する(S190)。これにより、表面加工によって発生する異物が接合層30に混入することを抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態において、内側セラミックス部材10は、円形平面の板状部材に限定されず、例えば多角形(矩形など)平面の板状部材でもよい。また、外側セラミックス部材60は、円環平面の板状部材に限定されず、例えば矩形環平面の板状部材でもよく、さらには、環状の板状部材でなくてもよく、例えば、内側セラミックス部材10の外周形状に応じた円弧状部材でもよい。要するに、外側セラミックス部材60は、内側セラミックス部材10から離間した位置において内側セラミックス部材10の外周に沿って配置されたものであればよい。また、静電チャック100において、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とは、互いに離間して配置されていればよく、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とが接合層等によって接合されていてもよい。
上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで一例であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、上記実施形態では、冷媒流路21がベース板20の内部に形成されるとしているが、冷媒流路21が、ベース板20の内部ではなく、ベース板20の表面(例えばベース板20と接合層30との間)に形成されるとしてもよい。また、上記実施形態では、内側セラミックス部材10の内部に一対の内部電極40が設けられた双極方式が採用されているが、内側セラミックス部材10の内部に1つの内部電極40が設けられた単極方式が採用されてもよい。
また、上記実施形態における静電チャック100の製造方法はあくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、図3のS110において、シート積層法の代わりに、プレス加工法により、加工前のセラミックス積層体90Pを作製してもよい。なお、加工前のセラミックス積層体90Pを、作製せずに外部から購入することによって準備してもよい。また、S120において、連結部分92に凹部94が形成されていなくてもよいし、連結部分92の一部だけに凹部94が形成されていてもよい。また、連結部分92は、内側セラミックス部材10になる部分と外側セラミックス部材60になる部分との間の全周にわたって形成されていなくてもよい。要するに、セラミックス積層体90において、内側セラミックス部材10になる部分と外側セラミックス部材60になる部分とは少なくとも一部が繋がっていれば、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との軸ズレを抑制することができる。但し、上記実施形態のように連結部分92が全周にわたって形成されていれば、S170やS180の表面加工により発生する異物が接合層30側に侵入することを、より確実に抑制することができる。また、セラミックス積層体90の分割(S190)の後に、複合体の吸着面S1への表面加工(S180)を行ってもよい。
また、上記実施形態では、第1のセラミックス板および第2のセラミックス板として、内部電極40やヒータ50,65を備える内側セラミックス部材10および外側セラミックス部材60を例示したが、これに限定されず、第1のセラミックス板および第2のセラミックス板は、電極およびヒータの少なくとも1つを備えないセラミックス板でもよい。
また、本発明は、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、第1のセラミックス板と、該第1のセラミックス板の外周に沿って配置された第2のセラミックス板と、ベース板とを備え、第1のセラミックス板の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、真空チャックやヒータ等)にも適用可能である。
10:内側セラミックス部材 12:フランジ部 20:ベース板 21:冷媒流路 22:第1の段差部 24:第2の段差部 30:接合層 30A:内側接合層 30B:外側接合層 40:内部電極 50:内側ヒータ 60:外側セラミックス部材 65:外側ヒータ 70:フォーカスリング 72:凸部 82,84,86:保護材 90P,90:セラミックス積層体 92:連結部分 94:凹部 100:静電チャック C:チャック中心軸 S1:吸着面 S2:内側セラミックス接合面 S3:ベース側接合面 S3A:ベース内側接合面 S3B:ベース外側接合面 S4:下面 S5:支持面 S6:外側セラミックス接合面 T:突起 W:ウェハ

Claims (3)

  1. 第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状の第1のセラミックス板と、
    前記第1のセラミックス板から離間した位置において前記第1のセラミックス板の外周に沿って配置された第2のセラミックス板と、
    第3の表面を有する板状であり、前記第3の表面が前記第1のセラミックス板の前記第2の表面と前記第2のセラミックス板とに対向するように配置されたベース板と、
    前記第1のセラミックス板の前記第2の表面および前記第2のセラミックス板と前記ベース板の前記第3の表面との間に配置され、前記第1のセラミックス板および前記第2のセラミックス板と前記ベース板とを接合する接合層と、を備え、前記第1のセラミックス板の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法において、
    セラミックスにより形成された板状のセラミックス成形体と、前記ベース板とを準備する工程と、
    前記セラミックス成形体と前記ベース板との間に前記接合層を形成することによって、前記セラミックス成形体と前記ベース板とを接合する工程と、
    前記セラミックス成形体と前記ベース板とを接合した後に、前記セラミックス成形体に加工を施すことによって、前記第1のセラミックス板と前記第2のセラミックス板とを形成する工程と、を備えることを特徴とする、保持装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の保持装置の製造方法において、
    前記セラミックス成形体には、前記第1のセラミックス板となる部分と前記第2のセラミックス板となる部分との間に凹部が形成されていることを特徴とする、保持装置の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持装置の製造方法において、さらに、
    前記ベース板に接合された前記セラミックス成形体の表面に表面加工を施す工程を備え、
    前記表面加工を施す工程の後に、前記第1のセラミックス板と前記第2のセラミックス板とを形成する工程を行うことを特徴とする、保持装置の製造方法。
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