JP2022022971A - イットリウムインゴット及びそれを用いたスパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

【課題】耐プラズマ性の高いイットリウム系膜を高速で製膜可能とするイットリウムインゴット及びそれを用いたスパッタリングターゲットを提供する。【解決手段】フッ素原子としての含有量が0.05wt%以上10wt%以下であり、相対密度が96%以上であることを特徴とするイットリウムインゴット。好ましくは、オキシフッ化イットリウムを含有するイットリウムインゴットである。【選択図】なし

Description

本発明は、膜形成用イットリウムインゴット及びそれを用いたスパッタリングターゲットに関するものである。
半導体デバイス製造において、フッ素系や塩素系などの腐食性の高いハロゲン系ガスやこれらのプラズマを用いたドライエッチングによる微細加工が重要な工程の一つである。これら腐食性のガスやプラズマは半導体製造装置の構成部材を腐食、損傷させ、その結果発生するパーティクルによってデバイスの品質低下を引き起こすことが知られている。半導体製造装置の構成部材の多くが消耗品であり、上記損傷による歩留まり低下や品質低下を防ぐために定期的な交換が行われる。部材交換、装置メンテナンスに伴う停止時間のため装置稼働率が低下し、生産性が悪化することも問題となっており、半導体製造工程においては耐プラズマ性および耐ガス腐食性に優れた構成部材の開発が求められている。
半導体素子の微細化に伴い、ドライエッチング工程において使用されるプラズマは高密度化されており、このような高密度なプラズマに耐えうる材料として酸化イットリウムが注目されている。酸化イットリウムを含む部材の製造方法としては、製造コストや大型化の観点から特許文献1のように基材に溶射法により酸化イットリウム膜を形成する方法が工業プロセスとして主流である。しかしながら、溶射法はセラミックス粉末を溶融し急冷凝固させて膜形成を行うため、膜表面に表面欠陥やボイドが存在する。このような欠陥が存在するとプラズマ耐性が悪化するほか、パーティクルの発生原因となるため、緻密な酸化イットリウム膜を高効率で形成する方法が求められている。
ここで、溶射法以外の膜形成方法の一つとしてスパッタ法が挙げられる。スパッタ法はカソードに設置したターゲットにArイオンなどの陽イオンを物理的に衝突させ、その
衝突エネルギーでターゲットを構成する材料を放出させ、対面する位置に設置した基板上に膜を堆積する方法であり、直流スパッタリング法(DCスパッタリング法)と高周波スパッタリング法(RFスパッタリング法)と交流型スパッタリング法(ACスパッタリング法)などがある。一般に、スパッタ法による膜形成は溶射法での膜形成と比較して低温度のプロセスでの成膜が可能であり、ボイドなどの欠陥生成を抑制し、より緻密な膜を形成可能であると考えられる。またスパッタ法での成膜においては、酸素や窒素などのガスをスパッタチャンバーに導入する反応性スパッタリングで成膜を行うことにより、酸化物や窒化物を成膜することも可能である。例えば非特許文献1のように、イットリウムターゲットをDC放電し、スパッタ中に酸素を導入する反応性DCスパッタにより酸化イットリウム膜を基板上に成膜することが可能であるが、スパッタ条件により形成される膜の品質が大きく異なる。ところで、非特許文献1においては純度99.5%のイットリウムターゲットを用いて成膜を行っているが、密度や純度などのスパッタリングターゲットの物性とスパッタ特性との相関およびスパッタにより形成された膜の品質との関係については十分な検討がなされていない。そのため、イットリウムターゲットの物性とスパッタ特性および形成される膜の特徴に関して更なる検討が必要であった。
イットリウムの製造方法は通常特許文献2に挙げられるような塩化物を溶融塩電解により析出する手法があげられるが、高純度にのみ注目したものであり、添加物、組織に関する記載はない。そして、高純度化においては塩化物を利用するのが通常であり、フッ化物を原料として利用しうることは高純度化において困難とされてきた。更に希土類の分離は困難であり、それを両立することもできなかった。また高純度の点からフッ素、酸素が内在したスパッタリングターゲットが用いられることはなかった。また、オキシフッ化イットリウムに関しても、抵抗が高くDC放電ができず、特許文献3のように溶射法でしか作製することができなかった。
特開2006-307311号公報 WO2013-005349号公報 特開2018-185657号公報
P.Lei et al. Surface & Coatings Technology 276(2015)39-46
本発明の目的は、プラズマ耐性が高く、高い成膜速度を実現可能な低抵抗イットリウムスパッタリングターゲット用のイットリウムインゴット及びそれを用いたスパッタリングターゲットを提供することである。
本発明者らは、イットリウムスパッタリングターゲットに望ましいイットリウムインゴットについて鋭意検討を行った結果、プラズマ耐性の高い酸化イットリウム系膜を作製可能なイットリウムスパッタリングターゲット用のイットリウムインゴットを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様は以下の通りである。
(1)フッ素原子としての含有量が0.05wt%以上10wt%以下であり、相対密度が96%以上であることを特徴とするイットリウムインゴット。
(2)オキシフッ化イットリウムを含有する(1)に記載のイットリウムインゴット。
(3)希土類元素の含有量をREwt%としたとき、98≦100-RE<99.999である(1)又は(2)に記載のイットリウムインゴット。
(4)平均粒子径(D50)が100μm以下である(1)~(3)のいずれかに記載のイットリウムインゴット。
(5)体積抵抗率が1Ω・cm以下である(1)~(4)のいずれかに記載のイットリウムインゴット。
(6)(1)~(5)のいずれかに記載のイットリウムインゴットからなることを特徴とするイットリウムスパッタリングターゲット。
(7)パッキングプレートとイットリウムインゴットからなる(6)に記載のスパッタリングターゲット。
(8)バッキングプレートとイットリウムインゴットの接着率が90%以上である(7)に記載のイットリウムスパッタリングターゲット。
(9)(6)~(8)のいずれかに記載のイットリウムスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることを特徴とする酸化イットリウム膜の製造方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のイットリウムインゴットは、フッ素原子としての含有量が0.05wt%以上10wt%以下であることを特徴とする。フッ素原子を含有させることで、耐プラズマ性の高いイットリウム系膜を製膜することが可能となる。さらに好ましくは0.05wt%以上8wt%以下、0.05wt%以上5wt%以下、0.1wt%以上4wt%以下であり、さらに好ましくは0.2wt%以上3wt%以下である。10wt%を超えると、インゴットの抵抗率が増加、生産性の高いDC放電ができなくなる。また、0.05wt%より少ないとフッ素の添加効果による耐プラズマ性が向上しない。
ここで、フッ素原子としての含有量とはイットリウムインゴット全体におけるフッ素原子の占める重量比を指した量であり、GDMS(グロー放電質量分析法)やICP(発光分光分析装置)を用いて測定することが可能である。
また、相対密度が96%以上であり、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.8%以上である。96%未満では特に大型のインゴットでは割れ易く、歩留りよくインゴットを製造することができない。また、このようなインゴットを用いて、スパッタリングで高パワーを投入した場合、放電中に割れが発生し易く、成膜工程の生産性を低下させる原因となるため、好ましくない。
本発明のイットリウムインゴットはオキシフッ化イットリウムを含有することが好ましい。オキシフッ化イットリウムを含有させることでスパッタ時に組成ずれによるオキシフッ化イットリウムが生成できないことを抑制することができる。オキシフッ化イットリウム(YOF)として多くの化合物が存在するが、主に三方晶のYOFとして存在することが好ましい。三方晶YOFは安定性が高いため、最終的な機械特性が高い。またその存在比は、面積比にて0.1%以上35%以下が好ましく、より好ましくは0.1%以上20%以下、さらに好ましくは0.1%以上10%以下である。この範囲とすることで安定的に放電可能となり、かつオキシフッ化イットリウムを含有する膜を作製することが可能となる。
本発明のイットリウムインゴットではフッ素を特定量含有し、フッ素以外の不純物含有量に関して、希土類元素の含有量をREwt%としたとき、98≦100-RE<99.999であることが好ましく、より好ましくは99≦100-RE<99.999であり、さらに好ましくは、99.9≦100-RE<99.999である。希土類不純物量を少なくし、よりイットリウムターゲットの純度を高純度化することで異常放電やパーティクル発生を抑制することが可能である。より高純度にする場合、純化におけるプロセスが複雑となり作製コストが高くなり好ましくない。本発明者らは上記範囲内において不純物量と放電特性との相関を検討し、スパッタ成膜にて好適に用いることができる純度を決定した。ここでの希土類とはCe,Pr,Nd,Sn,Eu,Gd,Tb,Py,Ho,Erである。
イットリウムインゴットの平均粒子径(D50)は、100μm以下が好ましく、好ましくは0.1μm以上100μm以下であり、好ましくは0.1μm以上75μm以下、特に好ましくは0.1μm以上20μm以下である。イットリウムインゴット中に均一にイットリウムのフッ素化合物を分散させることで平均粒子径を微細化し、オキシフッ化イットリウムが含有されていても高強度を維持したイットリウムインゴットとなる。そのようなインゴットを利用したスパッタリングターゲットは高パワーによる高速成膜が可能となる。また、フッ素が均一に分散しているため膜中の組成ばらつきを低減することも可能となる。
次に本発明におけるイットリウムインゴットは、体積抵抗率が、1Ω・cm以下であることが好ましく、0.00001Ω・cm以上1Ω・cm以下であることがさらに好ましく、より好ましくは0.00001Ω・cm以上0.001Ω・cm以下である。イットリウムは非常に酸化しやすく、大気中で自然に酸化が進行する。酸化により形成する酸化イットリウムは絶縁体であるため、特にDC放電により成膜をする場合などスパッタ放電時において異常放電の原因となる。体積抵抗率を上記範囲内とすることでDCスパッタ、RFスパッタ、ACスパッタいずれにおいても安定した放電特性を得ることが可能である。
本発明のイットリウムインゴットは、100μm以上の直径のポア数が0.1個/cm以下であることが好ましく、好ましくは0.01個/cm以下であり、さらに好ましくは0.005個/cm以下である。100μm以上の直径のポアが0.1個/cmより多い場合、スパッタ時に異常放電やパーティクルの原因となりうる。
本発明のイットリウムインゴットの表面粗さは、スパッタリングターゲットとした際のスパッタ面の表面粗さが重要であり、スパッタリングターゲットとした際のスパッタ面の表面粗さは10nm以上2μm以下であることが好ましく、更に好ましくは10nm以上1μm以下であり、更に好ましくは10nm以上0.3μm以下である。スパッタ面とは実際にスパッタ粒子が放出される(エロージョン部)箇所を指す。
本発明のイットリウムインゴットは、平面研削盤、円筒研削盤、旋盤、切断機、マシニングセンター等の機械加工機を用いて、板状形状に研削加工することできる。
本発明のイットリウムインゴットの製造方法は特に限定はなく、フッ素を一定量混入させるため、フッ化イットリウムを利用した還元処理した後、真空溶解やEB溶解のような溶解固化による製造方法を用いることが好ましい。
フッ化イットリウムは比較的安定な物質であり、さらに還元によりオキシフッ化イットリウムを生成させることが可能であり、その際の還元状態を制御することで必要なフッ素量を残留させることでフッ素が均一に分散した特定量のフッ素を含有するイットリウムインゴットを合成することが可能となる。塩化物を出発原料とした場合はフッ素を均一に含有することはできないため好ましくない。
真空溶解やEB溶解のような溶解固化では溶解時の気化により100μm以上の粗大な気孔が発生しやすいため、そのままではポアの少ないインゴットを得ることは難しい。そこで、溶解法により作製したインゴットを熱間等方圧加圧法(HIP法)により圧縮し、ポアをつぶすことが好ましい。ただし、イットリウムは酸化されやすい材料であるため、外周を金属で封止することが好ましい。HIP温度は1000℃以下であることが好ましい。また、イットリウムは比較的脆いため圧力は100MPa以下であることが好ましい。そうすることで100μm以上のポアが少ないイットリウムインゴットを得ることが可能となる。
本発明のイットリウムインゴットは、イットリウムインゴットからなるスパッタリングターゲットとすることができる。スパッタリングターゲットの製造方法としては、必要に応じて無酸素銅やチタン等からなるバッキングプレート、バッキングチューブにインジウム半田等を用いて接合(ボンディング)することにより、スパッタリングターゲットを得ることができ、その中でもパッキングプレートとイットリウムインゴットからなるスパッタリングターゲットとすることが好ましい。
イットリウムインゴットとバッキングプレート接着面のイットリウムインゴット側の表面粗さ(接着部表面粗さ)は10nm以上2μm以下であることが好ましく、更に好ましくは10nm以上1μm以下であり、更に好ましくは10nm以上0.3μm以下である。2μm以下とすることで表層の比表面積を低減し、酸化しやすいイットリウムの表面酸素を軽減することで接着時の酸化部分での剥離を防止することができる。また、酸化状態での接着表面の処理では酸化層の剥離により処理ができず、最終的に接着率が低下する。10nm以上とすることで表面と下地処理面の噛み込みを良好にし、より接着力を向上させ高いパワーの放電が可能となる。ただし、表層酸化が進むため、ターゲット化した後に表面を研磨することが好ましい。
バッキングプレートはスパッタリングターゲットの膜材料部分であるインゴットを効率的にスパッタ装置へ取り付けるためのものであり、また、スパッタリング時にインゴット部分が過熱されるのを防ぐためバッキングプレート部分を水冷などで冷却している。その接着する材料は熱伝導率が高くハンダとして利用しやすいインジウムやインジウム合金用いられる。
またバッキングプレートの材質は特に制限はなく、銅やステンレス、チタンなどを使用することができる。
パッキングプレートとイットリウムインゴットからなるスパッタリングターゲットでは、イットリウムインゴットとバッキングプレートとの接着率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。接着率を上記とすることにより、スパッタ中に発生するターゲットの熱を速やかに拡散し、スパッタリングターゲットが過度に加熱されハンダ材料が溶け出すことを防止することが可能となる。
イットリウムインゴットとバッキングプレートの接着率は、例えば、超音波探傷測定により求めることができる。超音波探傷測定により接合率を求める場合、所定サイズの板材中央に疑似ボイド穴を設けた疑似欠陥サンプルを用いて、測定条件の調整を行うことが好ましい。検出された欠陥の面積が、所定のボイド穴の面積と一致するように、測定感度を調整する。疑似欠陥サンプルの素材は、スパッタリングターゲット素材と同じであることが好ましい。疑似欠陥サンプルにおける超音波入射面とボイド穴の底面までの距離が、スパッタリングターゲットの超音波入射面と接合層までの距離と同じであることが好ましい。
ボンディングする際において、イットリウムインゴットの接着面を研磨し、速やかに表面処理を実施することが好ましい。イットリウムインゴットは時間とともに表面が酸化するため、その酸化膜によりハンダ材との接着が困難となる。そこで、ボンディング前にイットリウム表面の酸化層を除去し、速やかに表面処理を行う。処理方法は特に限定しないが、ハンダ材料と密着の良い金属を蒸着、めっき処理、超音波ハンダこてによる処理等を施すことが好ましい。そうすることでハンダとイットリウムが剥離することなく接着が可能となる。酸化物処理からの表面処理までは好ましくは3時間以内が望ましい。
また、得られたイットリウムスパッタリングターゲットを用いスパッタリングすることにより酸化イットリウム膜を製造することもできる。
本発明のイットリウムインゴットを用いたイットリウムスパッタリングターゲットは耐プラズマ性の高いイットリウム系膜を高い生産性で作製することが可能である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例における各測定は以下のように行った。
(1)相対密度
イットリウムインゴット部分の相対密度は、JIS R 1634に準拠して、アルキメデス法によりかさ密度を測定し、金属イットリウムの真密度(4.47g/cm)で割ることで相対密度を求めた。
(2)ポア率測定
X線透過像にて全体像を測定、その中で100μm以上のポアの箇所を抽出しその数と大きさを測定、測定面積から個/cmに換算した。
(3)体積抵抗率
4探針法により3か所以上を測定し、平均することで得た。
(4)平均粒子径
鏡面研磨し、走査型電子顕微鏡-電子線後方散乱回折(SEM-EBSD)(SEM:日本電子社製、EBSD:オックスフォード社製)で観察し、得られた画像から算術平均粒子径を測定した。少なくとも任意の3点以上を観察した。ここでの粒子は結晶方位が5°以上傾いた粒子を1粒子としてカウントし、球形近似した上で直径を算出した。ここでの平均値とは50%粒子径を指す。
(5)含有結晶相、存在比
鏡面研磨し、走査型電子顕微鏡-電子線後方散乱回折(SEM-EBSD)で観察し、同定される結晶相から、含有される結晶相を同定し、その存在比を面積比で計算した。
(6)接着率の測定方法
超音波探傷装置にて測定し、接着率を算出した。
(7)表面粗さ(Ra)の測定
ミツトヨ製表面粗さ測定装置を利用し、表面粗さRaを測定した。
(8)金属含有量の分析
焼成後のイットリウムインゴット表面より1mm以上研削した後の任意の部分より切り出したサンプルの分析値を測定データとした。
測定手法:グロー放電質量分析(GDMS)
(実施例1)
フッ化イットリウムをLi-Mgを利用した還元処理によりオキシフッ化イットリウムを含有するイットリウムインゴットを得た。それをさらにポア低減処理を行ったイットリウムインゴットを用意し、測定を行ったところ良好な結果を得た。イットリウムインゴット特性を表1に示す。また、含有する金属不純物の結果を表2に示す。
相対密度:100.3%
フッ素原子としての含有量:0.6wt%
ボンディング前にボンディング面を表面研磨し所定の粗さとした上で、速やかに超音波はんだごてを利用しインジウムはんだを塗布、表面処理を行ったのちインジウムはんだを利用しバッキングプレートと接着した。イットリウムターゲット特性を表1に示す。
(実施例2~3)
実施例1において、フッ化イットリウムの添加量を変えること以外は、実施例1と同様にしてオキシフッ化イットリウムを含有する実施例2及び実施例3のイットリウムインゴット、及びスパッタリングターゲットを作製した。イットリウムインゴット特性及びターゲット特性を表1に示す。
(実施例4)
イットリウム粉末(日本イットリウム社製、3N 塊状品)及びオキシフッ化イットリウム粉末(日本イットリウム社製、グレード:5LW230)を重量比にて90:10の割合にてCu製の坩堝に投入した。アーク式溶解炉にて加熱溶解後、冷却させて、オキシフッ化イットリウムを含有するイットリウムインゴットを得た。得られたイットリウムインゴットは、所定の形状に加工後、実施例1と同様にしてバッキングプレートに装着して、スパッタリングターゲットを作製した。イットリウムインゴット特性およびターゲット特性を表1に示す。
(実施例5)
実施例4にて作製したオキシフッ化イットリウムを含有するイットリウムインゴットに対し、最終的なイットリウム:オキシフッ化イットリウム比が50:50となるようにオキシフッ化イットリウムを添加し、Cu製の坩堝に投入した。アーク式溶解炉にて加熱溶解後、冷却させて、オキシフッ化イットリウムを含有するイットリウムインゴットを得た。実施例1と同様にしてバッキングプレートに装着して、スパッタリングターゲットを作製した。イットリウムインゴット特性およびターゲット特性を表1に示す。
(実施例6)
実施例4にて作製したオキシフッ化イットリウムを含有するイットリウムインゴットに対し、最終的なイットリウム:オキシフッ化イットリウム比が40:60となるようにオキシフッ化イットリウムを添加し、Cu製の坩堝に投入した。アーク式溶解炉にて加熱溶解後、冷却させて、オキシフッ化イットリウムを含有するイットリウムインゴットを得た。実施例1と同様にしてバッキングプレートに装着して、スパッタリングターゲットを作製した。イットリウムインゴット特性およびターゲット特性を表1に示す。
(比較例1)
塩化物の溶融塩電解法を用いて合成したフッ素を含有しないイットリウムインゴットを用意し、実施例1と同様にしてバッキングプレートに装着して、スパッタリングターゲットを作製した。イットリウムインゴット特性及びターゲット特性を表1に示す。
(比較例2)
実施例4において、イットリウム粉末とオキシフッ化イットリウム粉末の混合比率を30:70とした以外は、実施例4と同様にしてオキシフッ化イットリウムを含有する比較例2のイットリウムインゴット、及びスパッタリングターゲットを得た。イットリウムインゴット特性及びターゲット特性を表1に示す。
実施例1~6及び比較例1、2のスパッタリングターゲットの接着率を測定した。接着率の測定は、超音波映像検査装置(形式:AT LINE、日立建機ファインテック株式会社製)を使用し、超音波探傷子(形式:I3-0508-T)を装着して測定した。測定に先立ち、スパッタリングターゲットと同じ材質の疑似サンプルを使用し、検出された欠陥の面積が、疑似サンプルの疑似穴の面積に一致するように感度調整を行った。測定条件は以下の通りである。
ゲイン(音波の強さ):15dB
測定ピッチ:0.61mm
エコーレベル:≧3.1V
超音波入射:ターゲット側
装置付属の解析プログラムを使用して、スパッタリングターゲットの接着率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例1~4のスパッタリングターゲットを、DCスパッタリング装置に装着して石英基板上に成膜した。その後、酸素雰囲気中でアニール処理を実施して、酸化イットリウム膜を得た。スパッタ条件は以下の通りである。
ターゲットサイズ:Φ101.6×6mmt
パワー:200W
スパッタガス:Ar
ガス圧:0.5Pa
膜厚:5μm
比較例1のスパッタリングターゲットをスパッタした場合、イットリウムターゲットのスパッタ面の酸化が進行し、接着率が低いため、DC放電ができなかった。
比較例2のスパッタリングターゲットをスパッタした場合、ターゲットのバルク抵抗率が高いため、DC放電ができなかった。
実施例1~4において得られたサンプルを、プラズマ耐性評価が可能なエッチングチャンバーにセットし、プラズマ照射前後の膜厚変化から、エッチング速度を算出した。プラズマ耐性評価条件は以下の通りである。
サンプルサイズ:20mm×20mm
パワー:300W
エッチングガス:Ar+CF+O
処理時間:4時間
プラズマ耐性評価結果を表3に示す。
実施例1~4のイットリウム膜では、エッチング速度が石英基板に対して極端に小さく、良好な耐プラズマ特性が得られた。
Figure 2022022971000001
Figure 2022022971000002
Figure 2022022971000003

Claims (9)

  1. フッ素原子としての含有量が0.05wt%以上10wt%以下であり、相対密度が96%以上であることを特徴とするイットリウムインゴット。
  2. オキシフッ化イットリウムを含有する請求項1に記載のイットリウムインゴット。
  3. 希土類元素の含有量をREwt%としたとき、98≦100-RE<99.999である請求項1又は2に記載のイットリウムインゴット。
  4. 平均粒子径(D50)が100μm以下である請求項1~3のいずれかに記載のイットリウムインゴット。
  5. 体積抵抗率が1Ω・cmである請求項1~4のいずれかに記載のイットリウムインゴット。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のイットリウムインゴットからなることを特徴とするイットリウムスパッタリングターゲット。
  7. バッキングプレートとイットリウムインゴットからなる請求項6に記載のスパッタリングターゲット。
  8. バッキングプレートとイットリウムインゴットの接着率が90%以上である請求項7に記載のイットリウムスパッタリングターゲット。
  9. 請求項6~8のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることを特徴とする酸化イットリウム膜の製造方法。
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