JP2022022846A - 放射線撮影システム、制御装置、放射線撮影システムの制御方法、及びプログラム - Google Patents

放射線撮影システム、制御装置、放射線撮影システムの制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】一般撮影用の放射線撮影システムで、露出制御された放射線に基づいて取得された複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を取得すること。【解決手段】放射線撮影システムは、撮影条件に応じて異なるエネルギーの放射線を発生する放射線発生部と、異なるエネルギーの放射線を検出し、放射線に基づいた複数の放射線画像を取得する放射線撮影部とを有する。ここで、放射線撮影システムは、放射線の照射量と、撮影条件に応じて算出した放射線の露出目標値との比較に基づいて、放射線発生部による放射線の発生を制御する露出制御部と、露出制御部により制御された放射線発生部からの放射線に基づいて取得された複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を演算する演算部とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、放射線撮影システム、制御装置、放射線撮影システムの制御方法、及びプログラムに関する。
従来、骨粗鬆症の診断等のために骨中の骨塩定量を測定することが知られている。骨塩定量の測定の方法として、例えば、エネルギー分布の異なる2つのX線を用いて、軟組織と骨組織のX線吸収係数の違いから、骨密度を測定する手法であるDXA(Dual-energy X-ray Absorptiometry以下、「DXA法」)法が用いられている。
DXA法を用いた骨密度測定専用装置では、被検体の体格に依存した測定により、低エネルギーX線は検出値が大幅に減少する問題が生じ、高エネルギーX線は逆にX線が強すぎて黒つぶれしてしまう問題が生じ得る。この問題に対して、特許文献1では、体の厚い被検体の場合には、通常の体格の被検体の場合に比べて、低エネルギーX線に関する検出値が減少する対策として、被検体の体格に応じて一定周期で交互に照射されるファンビームにおいて、高エネルギーX線と低エネルギーX線の発生時間の比率をライン毎に制御する対策が提案されている。
特開2009-131564号公報
一方で、DXA法での骨密度測定を一般撮影用の放射線撮影システムで実現可能としようとする試みも始まっている。この場合、一般撮影用のX線システムでは、骨密度測定専用装置のように、被検体の体格に応じて一定周期で交互に照射される高エネルギーX線と低エネルギーX線の発生時間の比率を制御することは困難であり、線量不足や過剰線量による放射線撮影を抑制するため、露出制御をした放射線撮影が必要とされる。また、照射するX線ビームも、一般撮影用の放射線撮影システムではファンビームではなく、コーンビームで1度に平面を同時に撮影する方式を使用する必要がある。
本発明は、上記の従来技術を鑑み、一般撮影用の放射線撮影システムで、露出制御された放射線に基づいて取得された複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を取得することが可能な放射線撮影技術の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る放射線撮影システムは、撮影条件に応じて異なるエネルギーの放射線を発生する放射線発生手段と、
前記異なるエネルギーの放射線を検出し、前記放射線に基づいた複数の放射線画像を取得する放射線撮影手段と、を有する放射線撮影システムであって、
前記放射線の照射量と、前記撮影条件に応じて算出した前記放射線の露出目標値との比較に基づいて、前記放射線発生手段による前記放射線の発生を制御する露出制御手段と、
前記露出制御手段により制御された前記放射線発生手段からの前記放射線に基づいて取得された前記複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を演算する演算手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、一般撮影用の放射線撮影システムで、露出制御された放射線に基づいて取得された複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を取得することが可能な放射線撮影技術を提供することができる。
本発明によれば、一般撮影用の放射線撮影システムで取得された複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を取得する場合(例えば、骨密度測定を実施する場合)でも、線量不足や過剰線量による放射線撮影を抑制することが可能になる。
第1実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成を示す図。 第1実施形態に係る処理フロー1の処理を説明する図。 第1実施形態に係る処理フロー2の処理を説明する図。 第2実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成を示す図。 第2実施形態に係る処理フロー3の処理を説明する図。 第3実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成を示す図。 第3実施形態に係る放射線エネルギー発生方式を説明する図。 第1実施形態に係る自動露出算出方法の例を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第1実施形態]
放射線撮影システムの概略構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る放射線撮影システム10の概略構成を示す図である。放射線撮影システム10は、放射線発生部101と、制御装置11と、放射線検出器12とを備えている。
放射線発生部101は、放射線を発生させる放射線管を具備しており、被検体である患者に対して放射線100を照射する。放射線発生部101は、放射線検出器12に向けて、コーンビーム型の放射線100を照射する。
放射線検出器12は、平面検出器(FPD)として構成され、放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出する照射量検出部105と、放射線100に基づいた放射線分布情報(放射線画像データ)を取得する放射線撮影部102とを有する。
放射線撮影部102は、放射線発生部101から照射されたコーンビーム型の放射線100を一括で検出し、入射光に応じた信号を出力する画素が、アレイ状(二次元の領域)に配置されている。各画素の光電変換素子は蛍光体により変換された光を電気信号である画像信号に変換し、画像信号にとして出力する。このように、放射線撮影部102は被検体を透過した放射線を検出して、画像信号(放射線画像データ)を取得するように構成されている。
照射量検出部105は、放射線撮影部102の撮影領域内において、撮影用の画素とは別に特定領域内に照射量検出用の複数の検出素子を有し、特定領域内における積算照射量を検出(監視)する。照射量検出部105は、検出した照射量を制御装置11(露出制御部106)に送信する。
放射線撮影部102は、放射線発生部101から照射された異なるエネルギーの放射線(低エネルギーの放射線、高エネルギーの放射線)に基づいて、低エネルギーの放射線による放射線分布情報(X)と高エネルギーの放射線による放射線分布情報(X)を取得する。ここで、低エネルギーの放射線分布情報(X)が低エネルギー放射線画像になる。また、高エネルギーの放射線分布情報(X)が高エネルギー放射線画像になる。放射線撮影部102は、取得した放射線分布情報(低エネルギー放射線画像、高エネルギー放射線画像)を制御装置11(測定量演算部103)に送信する。
制御装置11は、放射線撮影部102で取得された放射線分布情報に基づいた演算処理や、照射量検出部105で検出された照射量に基づいて放射線発生部101の動作を制御する。
制御装置11は、ハードウェア構成として、制御装置11の動作を統括的に制御するCPUと、ハードディスク装置やRAMやROM等により実現される記憶部、外部との通信を司る通信I/F(インタフェース)部を備えており、制御装置11は、通信I/F部を介して、放射線発生部101及び放射線検出器12と通信可能に接続されている。また、通信I/F(インタフェース)部は、ネットワークを介して、RIS(放射線部門内情報システム)、PACS(画像サーバ)、HIS(院内情報システム)と接続されており、放射線画像データや被検体である患者情報等を送受信することができる。
記憶部は、例えば、CPUがコンピュータプログラム等を用いた処理を行う際に必要な各種のデータや各種の情報等が記憶されている。また、記憶部には、例えば、CPUがコンピュータプログラム等を用いた処理を行うことにより得られた各種のデータや各種の情報等が記憶される。
記憶部のRAM(書込み可能メモリ)は、CPUの主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPUは、処理の実行に際して、ハードディスク装置やROMから必要なコンピュータプログラムや基本データ等をRAMにロードし、コンピュータプログラム等を実行することで、制御装置11における各種の機能動作を実現する。
制御装置11は、機能構成として、測定量演算部103、撮影条件取得部104、露出制御部106を備えている。各機能構成は、CPUがコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することで実現される。制御装置11の各機能ブロックはあくまでも一例であり、制御装置11は、さらなる機能ブロックを含む構成としてもよい。
また、制御装置11の機能構成(測定量演算部103、撮影条件取得部104、露出制御部106)を、放射線検出器12の内部に設けてもよい。
(放射線撮影システム10の処理フロー1)
図2は、制御装置11が、放射線撮影システム10の動作を制御する処理の流れを説明するフローチャートである。図2の各ステップは、制御装置11のCPUがコンピュータプログラムに基づき放射線撮影システム10を制御することにより実行される。
本実施形態に係る放射線撮影システム10は、異なる放射線エネルギーにより取得した複数の放射線画像データを用いて被検体を構成する複数の物質(例えば、軟部組織と骨部組織)に分離した物質画像(例えば、軟部組織画像および骨部組織画像)を取得し、取得した物質画像に基づいた画像処理の実行により、骨部組織における物質量として骨密度(骨塩定量の値)を取得することが可能である。
放射線発生部101は、撮影条件に応じて高エネルギー放射線と低エネルギー放射線の2種類の放射線100を発生する。放射線発生部101は、例えば、管電圧を切り替える方式とフィルタを放射線管の前に配置することでエネルギーを切り替えることにより、2種類の放射線100を発生させて被検体に放射線100を照射することが可能である。
撮影条件として、例えば、高エネルギーの放射線を発生させる管電圧(管電圧情報)としてE1(kV)が設定され、低エネルギーの放射線を発生させる管電圧(管電圧情報)として、E1よりも低いE2(kV)が設定される。尚、撮影条件は、管電圧に限られず、管電流であってもよい。また、管電圧や管電流は、被検体の体格、年齢、性別、撮影部位や、エネルギーサブトラクションで分離する物質の種類に応じて予め設定しておくことも可能である。以下の実施形態では、撮影条件の例として、管電圧に基づいて、異なるエネルギーの放射線を発生する例について説明する。放射線発生部101は、撮影条件として設定された異なる管電圧に応じて、低エネルギーの放射線と、低エネルギーの放射線に比べて高いエネルギーレベルを有する高エネルギーの放射線とを発生する。
S101において、撮影条件取得部104は、撮影条件として、高エネルギーの放射線と低エネルギーの放射線を放射線発生部101で発生させるための複数の管電圧(管電圧情報:E1、E2)を取得し、取得した複数の管電圧(管電圧情報)を露出制御部106に伝達する。
S102において、露出制御部106は、撮影条件取得部104から取得した複数の管電圧(管電圧情報:E1、E2)に基づいて、低エネルギーの放射線に基づいた放射線撮影及び高エネルギーの放射線に基づいた放射線撮影のそれぞれについて、自動露出目標値を算出する。
次に、S103で、制御装置11は低エネルギー撮影を実施する。まず、制御装置11の露出制御部106は、通信I/F(インタフェース)部を介した通信により、複数の管電圧情報を放射線発生部101に設定し、放射線発生部101を制御して低エネルギーの放射線を発生させる。放射線発生部101は、低エネルギーの放射線を発生させるための管電圧情報(E2)に基づいて、放射線100を発生させて、被検体である患者に対して放射線100を照射する。
低エネルギー撮影において、照射量検出部105は放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出し、放射線撮影部102は低エネルギーの放射線100に基づいた放射線分布情報(X)を取得し、放射線検出器12内にサンプリングホールドする。
S104では、照射量検出部105は、低エネルギー撮影において、放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出(監視)し、検出した放射線100の照射量の累積情報を、露出制御部106に送信する。
露出制御部106は、放射線の照射量と、撮影条件に応じて算出した放射線の自動露出目標値との比較に基づいて、放射線発生部101による放射線の発生を制御する。具体的には、露出制御部106は、照射量検出部105から送信された低エネルギーの放射線100の照射量の累積情報を取得し、照射量がS102で算出した低エネルギーの放射線撮影の自動露出目標値(低エネルギー撮影の自動露出目標値)に到達したか判定する。照射量が低エネルギー撮影の自動露出目標値に到達した場合、露出制御部106は、放射線発生部101に放射線100の照射を止めるように指示する。一方、照射量が自動露出目標値に到達していない場合、露出制御部106は、照射を継続するよう放射線発生部101に指示する。
放射線100の照射が停止されると、放射線検出器12内にサンプリングホールドされた放射線分布情報(X)は読出し可能になり、放射線撮影部102は低エネルギーの放射線100に基づいて取得した放射線分布情報(X)を測定量演算部103に送信する。
なお、照射量検出部105が放射線100の照射量を検出(監視)する検出領域は、関心物(例えば、骨組織)に領域が相当するように設定され、高エネルギーの放射線の照射と低エネルギーの放射線の照射とで同じ検出領域が設定される。
次に、S105において、制御装置11は高エネルギー撮影を実施する。制御装置11は、通信I/F(インタフェース)部を介した通信により管電圧情報を放射線発生部101に設定し、放射線発生部101を制御して高エネルギーの放射線を発生させる。放射線発生部101は、高エネルギーの放射線を発生させるための管電圧情報(E1)に基づいて、放射線100を発生させて、被検体である患者に対して放射線100を照射する。
照射量検出部105は放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出し、放射線撮影部102は高エネルギーの放射線100に基づいた放射線分布情報(X)を取得し、放射線検出器12内にサンプリングホールドする。
S106では、照射量検出部105は、高エネルギー撮影において、放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出(監視)し、検出した放射線100の照射量の累積情報を、露出制御部106に送信する。露出制御部106は、照射量検出部105から送信された高エネルギーの放射線100の照射量の累積情報を取得し、照射量がS102で算出した高エネルギーの放射線撮影の自動露出目標値(高エネルギーの自動露出目標値)に到達したか判定する。照射量が高エネルギー撮影の自動露出目標値に到達した場合、露出制御部106は、放射線発生部101に放射線100の照射を止めるように指示する。一方、照射量が自動露出目標値に到達していない場合、露出制御部106は、照射を継続するよう放射線発生部101に指示する。
放射線100の照射が停止されると、放射線検出器12内にサンプリングホールドされた放射線分布情報(X)は読出し可能になり、放射線撮影部102は高エネルギーの放射線100に基づいて取得した放射線分布情報(X)を測定量演算部103に送信する。
S107において、測定量演算部103は、露出制御部106により制御された放射線発生部101からの放射線に基づいて取得された複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を演算する。具体的には、測定量演算部103は、低エネルギーの放射線に基づいて取得された放射線分布情報(X)と高エネルギーの放射線に基づいて取得された放射線分布情報(X)と、各物質の放射線吸収係数(例えば、線減弱係数、または、質量減弱係数)に基づいて、被検体内の骨に関する測定量を算出する。すなわち、測定量演算部103は、低エネルギーの放射線分布情報(X)と高エネルギーの放射線分布情報(X)と、高エネルギーと低エネルギーにおける各物質の放射線吸収係数(例えば、線減弱係数、または、質量減弱係数)を用いた連立方程式を解くことにより、被検体を構成する物質(軟部組織と骨部組織)に分離した物質画像(例えば、軟部組織画像および骨部組織画像)を取得する。
物質画像とは、被検体を特定の2以上の物質で表した場合に、その物質の厚さ又は密度で構成された2以上の画像に分離した画像をいう。各物質の放射線吸収係数として線減弱係数を用いた場合には、物質画像として、各物質の厚さの分布を示す画像を取得することができる。また、放射線吸収係数として質量減弱係数を用いた場合には、物質画像として、各物質の密度の分布を示す画像を取得することができる。測定量演算部103は、物質画像(骨部組織画像)に基づいた画像処理により、骨塩量(BMC)及び骨密度(BMD)を取得することができる。
(放射線撮影システム10の処理フロー2)
図3は、制御装置11が、放射線撮影システム10の動作を制御する処理の流れを説明するフローチャートである。図2と同様の処理については同一符号を付している。図3の各ステップは、制御装置11のCPUがコンピュータプログラムに基づき放射線撮影システム10を制御することにより実行される。
S101において、撮影条件取得部104は、撮影条件として、高エネルギーの放射線と低エネルギーの放射線を放射線発生部101で発生させるための複数の管電圧(管電圧情報:E1、E2)を取得し、取得した複数の管電圧(管電圧情報)を露出制御部106に伝達する。
S201で、露出制御部106は、撮影条件取得部104から取得した、高エネルギーの放射線を発生させるための管電圧情報(E1)、及び低エネルギーの放射線を発生させるための管電圧情報(E2)のうち、いずれか一方の管電圧情報に基づいて、先に実施する一方の放射線撮影における自動露出目標値を算出する。すなわち、露出制御部106は、複数の管電圧情報(E1、E2)のうち、いずれか一方の管電圧情報に基づいて、高エネルギー撮影及び低エネルギー撮影のうち、先に実施する一方の放射線撮影における自動露出目標値を算出する。
本処理フローでは、露出制御部106は、低エネルギーの放射線を発生させる管電圧情報(E2)に基づいて、低エネルギーの放射線に基づいた放射線撮影について、自動露出目標値を算出する。そして、後述するS202で、低エネルギーの露出結果と高エネルギーの管電圧情報(E1)とに基づいて、高エネルギーの自動露出目標値を算出する例を説明する。高エネルギーの自動露出目標値の算出処理において、低エネルギーの露出結果が反映されている点で、図2の処理(S102)と相違する。
なお、放射線撮影システムの処理フロー2は、この例に限定されず、S201で、先に実施する一方の放射線撮影を高エネルギー撮影とすることも可能である。この場合、S201で、露出制御部106は、高エネルギーの放射線を発生させる管電圧情報(E1)に基づいて自動露出目標値を算出する。そして、後述するS202で、露出制御部106は、高エネルギーの露出結果と低エネルギーの管電圧情報(E2)とに基づいて、低エネルギーの自動露出目標値を算出することも可能である。
S103で、制御装置11は低エネルギー撮影を実施する。制御装置11の露出制御部106は、通信I/F(インタフェース)部を介した通信により、管電圧情報(E2)を放射線発生部101に設定し、放射線発生部101を制御して低エネルギーの放射線を発生させる。放射線発生部101は、低エネルギーの放射線を発生させるための管電圧情報(E2)に基づいて、放射線100を発生させて、被検体である患者に対して放射線100を照射する。
低エネルギー撮影において、照射量検出部105は放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出し、放射線撮影部102は低エネルギーの放射線100に基づいた放射線分布情報(X)を取得し、放射線検出器12内にサンプリングホールドする。
S104では、照射量検出部105は、低エネルギー撮影において、放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出(監視)し、検出した放射線100の照射量の累積情報を、露出制御部106に送信する。露出制御部106は、照射量検出部105から送信された低エネルギーの放射線100の照射量の累積情報を取得し、照射量がS102で算出した低エネルギーの放射線撮影の自動露出目標値(低エネルギー撮影の自動露出目標値)に到達したか判定する。照射量が低エネルギー撮影の自動露出目標値に到達した場合、露出制御部106は、放射線発生部101に放射線100の照射を止めるように指示する。一方、照射量が自動露出目標値に到達していない場合、露出制御部106は、照射を継続するよう放射線発生部101に指示する。
放射線100の照射が停止されると、放射線検出器12内にサンプリングホールドされた放射線分布情報(X)は読出し可能になり、放射線撮影部102は低エネルギーの放射線100に基づいて取得した放射線分布情報(X)を測定量演算部103に送信する。
S202において、露出制御部106は、先に実施した放射線撮影における露出結果(低エネルギーの露出結果)と、他方の管電圧情報(高エネルギーの管電圧情報(E1)とに基づいて、後に実施する他方の放射線撮影(高エネルギー撮影)における露出目標値を算出する。すなわち、露出制御部106は、低エネルギーの放射線100に基づいて取得した放射線分布情報(X)(低エネルギーの露出結果)と、高エネルギーの管電圧情報(E1)とに基づいて、高エネルギー撮影の自動露出目標値を算出する。
高エネルギー撮影の自動露出目標値の算出方法として、露出制御部106は、例えば、低エネルギー放射線の自動露出の撮影時間と高エネルギー放射線による撮影時間とが同じになるように高エネルギー側の目標値を算出することが可能である。
また、露出制御部106は、図8(A)、(B)に示す処理により、自動露出目標値を算出することも可能である。高エネルギー撮影の自動露出目標値の算出方法として、図8(A)のように、まず、低エネルギー撮影を実施する。露出制御部106は、低エネルギーの放射線に関する検出値(放射線カウント数)が適切になるように自動露出で低エネルギー撮影を実施して低エネルギーの放射線分布情報(X:図8(A)の左に示す管電圧情報E2に基づく放射線分布情報)を取得する。そして、露出制御部106は、低エネルギーの放射線分布情報(X)に対して、差分放射線分布情報(サブトラクション画像に必要な放射線カウント数の放射線分布情報)を加算した後に適切な検出値を示す高エネルギーの放射線分布情報(X)となるように、必要な差分放射線分布情報を自動露出目標値として算出する。露出制御部106は、種々の管電圧情報ごとに、放射線カウント数と放射線エネルギーの関係における放射線分布情報を予め保持しておき、設定された管電圧情報について、露出制御部106は、エネルギーサブトラクション後に適切な検出値を示す高エネルギーの放射線分布情報(X:図8(A)の右に示す管電圧情報E1に基づく放射線分布情報)となるように、必要な差分放射線分布情報(サブトラクション画像に必要な放射線カウント数の放射線分布情報)を自動露出目標値として算出することも可能である。この場合、低エネルギー撮影の露出結果と、高エネルギーの管電圧情報(E1)に基づく放射線分布情報とに基づいて、高エネルギー撮影における自動露出目標値を算出することが可能となる。
処理フロー2(図8(A))の例では、低エネルギー撮影を先に実施する例を説明したが、処理フロー2(図8(A))の例とは逆に、先に高エネルギー撮影を実施して、高エネルギー撮影の露出結果と、低エネルギーの管電圧情報(E2)に基づく放射線分布情報とに基づいて、低エネルギー撮影における自動露出目標値を算出することも可能である。
この場合、低エネルギー撮影の自動露出目標値の算出方法として、図8(B)のように、まず、高エネルギー撮影を実施する。露出制御部106は、高エネルギーの放射線に関する検出値(放射線カウント数)が適切になるように自動露出で高エネルギー撮影を実施して高エネルギーの放射線分布情報(X:図8(B)の左に示す管電圧情報E1に基づく放射線分布情報)を取得する。そして、露出制御部106は、高エネルギーの放射線分布情報(X)に対して、差分放射線分布情報(サブトラクション画像に必要な放射線カウント数の放射線分布情報)を減算した後に適切な検出値を示す低エネルギーの放射線分布情報(X)となるように、必要な差分放射線分布情報を自動露出目標値として算出する。露出制御部106は、種々の管電圧情報ごとに、放射線カウント数と放射線エネルギーの関係における放射線分布情報を予め保持しておき、設定された管電圧情報について、露出制御部106は、エネルギーサブトラクション後に適切な検出値を示す低エネルギーの放射線分布情報(X:図8(B)の右に示す管電圧情報E2に基づく放射線分布情報)となるように、必要な差分放射線分布情報(サブトラクション画像に必要な放射線カウント数の放射線分布情報)を自動露出目標値として算出することも可能である。
低エネルギー撮影を先に実施する場合は、被検体の体が厚い場合に、通常の体格の被検体の場合に比べて、低エネルギー放射線に関する検出値が減少する問題を解消でき、さらに高エネルギー側の線量を抑えることが可能である。一方、高エネルギー撮影を先に実施する場合は、線量過多よる被曝量増大や線量過多による黒つぶれを防止することができる。
そして、S105において、制御装置11は高エネルギー撮影を実施する。制御装置11は、通信I/F(インタフェース)部を介した通信により管電圧情報(E1)を放射線発生部101に設定し、放射線発生部101を制御して高エネルギーの放射線を発生させる。放射線発生部101は、高エネルギーの放射線を発生させるための管電圧情報(E1)に基づいて、放射線100を発生させて、被検体である患者に対して放射線100を照射する。
照射量検出部105は放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出し、放射線撮影部102は高エネルギーの放射線100に基づいた放射線分布情報(X)を取得し、放射線検出器12内にサンプリングホールドする。
S106では、照射量検出部105は、高エネルギー撮影において、放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出(監視)し、検出した放射線100の照射量の累積情報を、露出制御部106に送信する。露出制御部106は、照射量検出部105から送信された高エネルギーの放射線100の照射量の累積情報を取得し、照射量がS102で算出した高エネルギーの放射線撮影の自動露出目標値(高エネルギーの自動露出目標値)に到達したか判定する。照射量が高エネルギー撮影の自動露出目標値に到達した場合、露出制御部106は、放射線発生部101に放射線100の照射を止めるように指示する。一方、照射量が自動露出目標値に到達していない場合、露出制御部106は、照射を継続するよう放射線発生部101に指示する。
放射線100の照射が停止されると、放射線検出器12内にサンプリングホールドされた放射線分布情報(X)は読出し可能になり、放射線撮影部102は高エネルギーの放射線100に基づいて生成した放射線分布情報(X)を測定量演算部103に送信する。
S107において、測定量演算部103は、低エネルギーの放射線に基づいて取得された放射線分布情報(X)と高エネルギーの放射線に基づいて取得された放射線分布情報(X)と、各物質の放射線吸収係数(例えば、線減弱係数、または、質量減弱係数)に基づいて、被検体内の骨に関する測定量を算出する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る放射線撮影システム10の概略構成を説明する。図4は、第2実施形態に係る放射線撮影システム10の概略構成を示す図である。図4では、図1で説明した放射線撮影システム10の構成と同一の構成要素については、同一の参照番号を付している。図4では、制御装置11が照射停止情報取得部201を有する点で図1の放射線撮影システム10と相違している。照射停止情報取得部201は、他の機能構成と同様に、制御装置11のCPUがコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することで実現される。また、制御装置11の機能構成(測定量演算部103、撮影条件取得部104、露出制御部106、照射停止情報取得部201)を、放射線検出器12の内部に設けてもよい。
(放射線撮影システム10の処理フロー3)
図5は、制御装置11が、放射線撮影システム10の動作を制御する処理の流れを説明するフローチャートである。図2(処理フロー1)及び図3(処理フロー2)と同様の処理については同一符号を付している。図5の各ステップは、制御装置11のCPUがコンピュータプログラムに基づき放射線撮影システム10を制御することにより実行される。S101~S103までの処理は図3の処理フロー2と同様である。
S101において、撮影条件取得部104は、撮影条件として、高エネルギーの放射線と低エネルギーの放射線を放射線発生部101で発生させるための複数の管電圧(管電圧情報:E1、E2)を取得する。
S201で、露出制御部106は、撮影条件取得部104から取得した、複数の管電圧情報(E1、E2)のうち、いずれか一方の管電圧情報に基づいて、高エネルギー撮影及び低エネルギー撮影のうち、先に実施する一方の放射線撮影における自動露出目標値を算出する。本処理フローでは、露出制御部106は、低エネルギーの放射線を発生させる管電圧情報(E2)に基づいて、低エネルギーの放射線に基づいた放射線撮影について、自動露出目標値を算出する。
S103で、制御装置11は低エネルギー撮影を実施する。制御装置11の露出制御部106は、通信I/F(インタフェース)部を介した通信により、管電圧情報(E2)を放射線発生部101に設定し、放射線発生部101を制御して低エネルギーの放射線を発生させる。制御装置11のCPUは、低エネルギー撮影が開始されると、内部のタイマーを用いて低エネルギー放射線による撮影時間を計測する。
S301で、露出制御部106は、低エネルギー撮影により照射された放射線の照射量が低エネルギーの自動露出目標値に到達したか、自動露出目標値に到達前に、照射スイッチが解除されたかを監視し、どちらで放射線の照射が停止したかを判定する。S301の判定で、低エネルギー撮影により照射された放射線の照射量が低エネルギーの自動露出目標値に到達した場合(S301-自動露出)、処理はS202に進められる。S202の処理は、図3の処理フロー2と同様であり、露出制御部106は、低エネルギーの放射線100に基づいて取得した放射線分布情報(X)(低エネルギーの露出結果)と高エネルギーの管電圧情報(E1)とに基づいて、高エネルギーの自動露出目標値を算出する。
一方、先に実施した放射線撮影(低エネルギー撮影)により照射された放射線の照射量が自動露出目標値に到達する前に、使用者の操作に基づいた照射スイッチの解除により放射線の照射が停止した場合(S301-照射スイッチ)、処理はS302に進められる。使用者が照射スイッチを解除すると、制御装置11のCPUは、内部のタイマーを用いた撮影時間の計測を終了する。
S302において、露出制御部106は、照射スイッチ解除により停止した低エネルギー撮影の結果を用いて、高エネルギー撮影の自動露出目標値を算出する。
本ステップでは、照射停止情報取得部201は、CPUの内部のタイマーで計測された撮影時間を照射停止情報として取得し、取得した照射停止情報を露出制御部106に伝達する。ここで、照射停止情報は、先に実施した放射線撮影(低エネルギー撮影)の開始から照射スイッチの解除により放射線の照射が停止されるまでの撮影時間(低エネルギー放射線による撮影時間T1)を示す情報である。
そして、露出制御部106は、後に実施する他方の放射線撮影(高エネルギー撮影)の露出目標値を、照射停止情報(低エネルギー放射線による撮影時間T1)と、他方の管電圧情報(高エネルギーの管電圧情報(E1))とに基づいて、高エネルギー撮影における自動露出目標値(撮影時間)を算出する。
露出制御部106は、高エネルギー撮影における自動露出目標値の算出方法として、例えば、先に実施した放射線撮影(低エネルギー撮影)における撮影時間(T1)と同じ撮影時間となるように、後に実施する他方の放射線撮影(高エネルギー撮影)における自動露出目標値(撮影時間)を算出することが可能である。露出制御部106は、例えば、撮影条件として設定されている自動露出時の撮影時間Trefを、低エネルギー撮影における撮影時間(T1)に基づいて短縮した撮影時間を設定することが可能である。
また、露出制御部106は、撮影時間が短縮(Tref-T1)された分の放射線のエネルギーを低減するように管電圧情報(E1)を補正することも可能である。また、露出制御部106は、撮影時間の補正と管電圧情報の補正とを組み合わせた補正を行うことも可能である。
そして、S105において、制御装置11は高エネルギー撮影を実施する。制御装置11は、通信I/F(インタフェース)部を介した通信により管電圧情報(E1)を放射線発生部101に設定し、放射線発生部101を制御して高エネルギーの放射線を発生させる。放射線発生部101は、高エネルギーの放射線を発生させるための管電圧情報(E1)に基づいて、放射線100を発生させて、被検体である患者に対して放射線100を照射する。
S106では、照射量検出部105は、高エネルギー撮影において、放射線発生部101から照射された放射線100の照射量を検出(監視)し、検出した放射線100の照射量の累積情報を、露出制御部106に送信する。露出制御部106は、照射量検出部105から送信された高エネルギーの放射線100の照射量の情報を取得し、照射量がS102で算出した高エネルギーの放射線撮影の自動露出目標値(高エネルギーの自動露出目標値)に到達したか判定する。照射量が高エネルギー撮影の自動露出目標値に到達した場合、露出制御部106は、放射線発生部101に放射線100の照射を止めるように指示する。一方、照射量が自動露出目標値に到達していない場合、露出制御部106は、照射を継続するよう放射線発生部101に指示する。
放射線100の照射が停止されると、放射線検出器12内にサンプリングホールドされた放射線分布情報(X)は読出し可能になり、放射線撮影部102は高エネルギーの放射線100に基づいて生成した放射線分布情報(X)を測定量演算部103に送信する。
S107において、測定量演算部103は、低エネルギーの放射線に基づいて取得された放射線分布情報(X)と高エネルギーの放射線に基づいて取得された放射線分布情報(X)と、各物質の放射線吸収係数(例えば、線減弱係数、または、質量減弱係数)に基づいて、被検体内の骨に関する測定量を算出する。
なお、図5の処理フローでは、露出制御部106は、低エネルギーの放射線を発生させる管電圧情報(E2)に基づいて、低エネルギーの放射線に基づいた放射線撮影について、自動露出目標値を算出し、低エネルギー撮影を最初に実施する例を説明したが、放射線撮影システムの処理フローは、この例に限定されない。例えば、S201で、高エネルギーの放射線を発生させる管電圧情報(E1)に基づいて、高エネルギーの放射線に基づいた放射線撮影について自動露出目標値を算出し、高エネルギー撮影を最初に実施することも可能である。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る放射線撮影システム10の概略構成を説明する。図6は、第3実施形態に係る放射線撮影システム10の概略構成を示す図である。図6では、図1及び図4で説明した放射線撮影システム10の構成と同一の構成要素については、同一の参照番号を付している。図6では、制御装置11が特性情報取得部301を有する点で図4の放射線撮影システム10と相違している。特性情報取得部301は、他の機能構成と同様に、制御装置11のCPUがコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することで実現される。また、制御装置11の機能構成(測定量演算部103、撮影条件取得部104、露出制御部106、照射停止情報取得部201、特性情報取得部301)を、放射線検出器12の内部に設けてもよい。
特性情報取得部301は、放射線発生部101との通信または外部装置との通信により、放射線発生部101の複数のエネルギー発生方式により発生可能な放射線エネルギーの分布特性を示す特性情報を取得し、取得した特性情報を露出制御部106に情報を伝達する。露出制御部106は、管電圧などの撮影条件と特性情報とに基づいて、放射線の露出目標値を算出する。また、露出制御部106は、放射線発生部101を制御して、特性情報に基づいて選択したエネルギー発生方式で異なるエネルギーの放射線を発生させることが可能である。
図7は、放射線エネルギー発生方式を説明する図である。放射線スペクトル701、703は、低エネルギーの放射線を発生させる管電圧(管電圧情報:E2)に基づいた放射線スペクトルの分布を例示し、放射線スペクトル702、704は、高エネルギーの放射線を発生させる管電圧(管電圧情報:E1)に基づいた放射線スペクトルの分布を例示している。
放射線エネルギー発生方式として、例えば、放射線発生部101の管電圧を切り替える方式(第1の発生方式)と、フィルタを放射線発生部101の放射線管の前に配置して、高エネルギー放射線と低エネルギー放射線とを切り替える方式(第2の発生方式)がある。
管電圧を切り替える方式(第1の発生方式)はビームハードニングを利用して放射線スペクトルを二色化する方法で、放射線管の管電圧を切り替えることによって、二種類のエネルギーの放射線スペクトルを得るものである。
管電圧を切り替える方式(第1の発生方式)では、各エネルギーの減弱情報は時間的に分離されるため、例えば、図7(A)のように、低エネルギーの放射線スペクトル701と高エネルギーの放射線スペクトル702が重複するエネルギークロストークを発生させることはない。
一方、フィルタを放射線管の前に配置して、放射線エネルギーを切り替える方式(第2の発生方式)は、例えば、K殻吸収端をもった吸収物質を用いて、白色放射線をろ過し、疑似的に放射線スペクトルを二色化する方法である。第2の発生方式は、例えば、図7(B)のような低エネルギーの放射線スペクトル703と高エネルギー放射線スペクトル704とが重複して、完全な二色化はできないためビームハードニングやエネルギークロストーク等による影響を考慮することが必要となる。
一般的に、低エネルギーの放射線を発生させる管電圧(E2)と、高エネルギーの放射線を発生させる管電圧(E1)との管電圧差を大きくするほど、信号処理で得られる画像のSN比が向上する。一方で、低エネルギーの放射線の管電圧を下げすぎると、同じSN比を達成するために必要な被曝量が増加する傾向にある。
そのため、測定対象の物質として注目する物質のコントラストを強調するため、露出制御部106は、下限となる低エネルギーの管電圧(E2)を、放射線のスペクトルの平均エネルギー705、706に合わせて設定したり、管電圧(E2)に対して所定の管電圧差を有する高エネルギーの管電圧(E1)を設定することが可能である。
すなわち、露出制御部106は、特性情報に基づいて選択した放射線エネルギー発生方式における放射線スペクトルの分布に合わせて、高エネルギーの放射線を発生させる管電圧(E1)及び低エネルギーの放射線を発生させる管電圧(E2)のうち、少なくともいずれか一方の管電圧を設定することが可能である。
これにより、エネルギーサブトラクションにより取得した物質分離画像において、測定対象の物質として注目する物質(例えば骨組織)のコントラストを強調することができる。
本発明の各実施形態によれば、一般撮影用の放射線撮影システムで、露出制御された放射線に基づいて取得された複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を取得することが可能な放射線撮影技術を提供することができる。また、一般撮影用の放射線撮影システムで取得された複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を取得する場合(例えば、骨密度測定を実施する場合)でも、線量不足や過剰線量による放射線撮影を抑制することが可能になる。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
10:放射線撮影システム,11:制御装置,12:放射線検出器,
101:放射線発生部,102:放射線撮影部、103:測定量演算部、
104:撮影条件取得部、105:照射量検出部、106:露出制御部、
201:照射停止情報取得部、301:特性情報取得部

Claims (19)

  1. 撮影条件に応じて異なるエネルギーの放射線を発生する放射線発生手段と、
    前記異なるエネルギーの放射線を検出し、前記放射線に基づいた複数の放射線画像を取得する放射線撮影手段と、
    を有する放射線撮影システムであって、
    前記放射線の照射量と、前記撮影条件に応じて算出した前記放射線の露出目標値との比較に基づいて、前記放射線発生手段による前記放射線の発生を制御する露出制御手段と、
    前記露出制御手段により制御された前記放射線発生手段からの前記放射線に基づいて取得された前記複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を演算する演算手段と、
    を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
  2. 前記放射線発生手段は、前記撮影条件として設定された異なる管電圧に応じて、低エネルギーの放射線と、前記低エネルギーの放射線に比べて高いエネルギーレベルを有する高エネルギーの放射線とを発生し、
    前記放射線撮影手段は、前記低エネルギーの放射線と前記高エネルギーの放射線とに基づいた前記複数の放射線画像を取得することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システム。
  3. 前記撮影条件として、前記高エネルギーの放射線と前記低エネルギーの放射線とを前記放射線発生手段で発生させるための複数の管電圧情報を取得する取得手段を更に備え、
    前記露出制御手段は、前記取得手段で取得された前記複数の管電圧情報を前記放射線発生手段に設定することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影システム。
  4. 前記放射線の照射量を検出する照射量検出手段を更に備え、
    前記照射量検出手段は、前記高エネルギーの放射線の照射と前記低エネルギーの放射線の照射とで同じ検出領域で、前記照射量を検出することを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影システム。
  5. 前記放射線発生手段はコーンビーム型の放射線を発生し、
    前記放射線撮影手段は前記コーンビーム型の放射線を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮影システム。
  6. 前記露出制御手段は、前記取得手段から取得した、高エネルギーの放射線を発生させるための管電圧情報、及び低エネルギーの放射線を発生させるための管電圧情報のうち、いずれか一方の管電圧情報に基づいて、先に実施する一方の放射線撮影における露出目標値を算出することを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影システム。
  7. 前記露出制御手段は、先に実施した前記放射線撮影における露出結果と、他方の管電圧情報とに基づいて、後に実施する他方の放射線撮影における露出目標値を算出することを特徴とする請求項6に記載の放射線撮影システム。
  8. 先に実施した放射線撮影の開始から照射スイッチの解除により放射線の照射が停止されるまでの撮影時間を照射停止情報として取得する照射停止情報取得手段を更に備えることを特徴とする請求項6または7に記載の放射線撮影システム。
  9. 先に実施した放射線撮影により照射された放射線の照射量が露出目標値に到達する前に、前記照射スイッチの解除により放射線の照射が停止した場合、
    前記露出制御手段は、後に実施する他方の放射線撮影の露出目標値を、前記照射停止情報と、他方の管電圧情報とに基づいて設定することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮影システム。
  10. 先に実施した放射線撮影により照射された放射線の照射量が露出目標値に到達する前に、前記照射スイッチの解除により放射線の照射が停止した場合、
    前記露出制御手段は、先に実施した放射線撮影における撮影時間と同じ撮影時間となるように、後に実施する他方の放射線撮影の露出目標値を算出することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮影システム。
  11. 前記放射線発生手段の複数のエネルギー発生方式により発生可能な放射線エネルギーの分布特性を示す特性情報を取得する特性情報取得手段を更に備え、
    前記露出制御手段は、前記撮影条件と前記特性情報とに基づいて、前記放射線の露出目標値を算出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮影システム。
  12. 前記露出制御手段は、前記放射線発生手段を制御して、前記特性情報に基づいて選択したエネルギー発生方式で前記異なるエネルギーの放射線を発生させることを特徴とする請求項11に記載の放射線撮影システム。
  13. 前記複数のエネルギー発生方式には、
    前記放射線発生手段の管電圧を切り替える第1の発生方式と、
    フィルタを前記放射線発生手段の放射線管の前に配置して、高エネルギー放射線と低エネルギー放射線とを切り替える第2の発生方式とが含まれることを特徴とする請求項11または12に記載の放射線撮影システム。
  14. 前記露出制御手段は、前記特性情報に基づいて選択した放射線エネルギー発生方式における放射線スペクトルの分布に合わせて、高エネルギーの放射線を発生させる管電圧及び低エネルギーの放射線を発生させる管電圧のうち、少なくともいずれか一方の管電圧を設定することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の放射線撮影システム。
  15. 前記演算手段は、前記被検体を構成する複数の物質について、それぞれ異なる放射線吸収係数と、前記複数の放射線画像とを用いた画像処理により、前記物質の物質量を取得することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の放射線撮影システム。
  16. 前記演算手段は、前記被検体を構成する、軟部組織の放射線吸収係数と骨部組織の放射線吸収係数と前記複数の放射線画像とを用いた前記画像処理により、前記骨部組織の物質量として骨密度を取得することを特徴とする請求項15に記載の放射線撮影システム。
  17. 撮影条件に応じて異なるエネルギーの放射線を発生する放射線発生手段と、
    前記異なるエネルギーの放射線を検出し、前記放射線に基づいた複数の放射線画像を取得する放射線撮影手段と、を有する放射線撮影システムを制御する制御装置であって、
    前記放射線の照射量と、前記撮影条件に応じて算出した前記放射線の露出目標値との比較に基づいて、前記放射線発生手段による前記放射線の発生を制御する露出制御手段と、
    前記露出制御手段により制御された前記放射線発生手段からの前記放射線に基づいて取得された前記複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を演算する演算手段と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  18. 撮影条件に応じて異なるエネルギーの放射線を発生する放射線発生手段と、
    前記異なるエネルギーの放射線を検出し、前記放射線に基づいた複数の放射線画像を取得する放射線撮影手段と、
    を有する放射線撮影システムの制御方法であって、
    前記放射線の照射量と、前記撮影条件に応じて算出した前記放射線の露出目標値との比較に基づいて、前記放射線発生手段による前記放射線の発生を制御する露出制御工程と、
    前記露出制御工程で制御された前記放射線発生手段からの前記放射線に基づいて取得された前記複数の放射線画像を用いて、被検体を構成する物質の物質量を演算する演算工程と、
    を有することを特徴とする放射線撮影システムの制御方法。
  19. コンピュータに、請求項18に記載の放射線撮影システムの制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
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