JP2018117900A - 放射線撮影装置、放射線撮影システム、放射線撮影方法、及びプログラム - Google Patents

放射線撮影装置、放射線撮影システム、放射線撮影方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2018117900A
JP2018117900A JP2017011606A JP2017011606A JP2018117900A JP 2018117900 A JP2018117900 A JP 2018117900A JP 2017011606 A JP2017011606 A JP 2017011606A JP 2017011606 A JP2017011606 A JP 2017011606A JP 2018117900 A JP2018117900 A JP 2018117900A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
thickness
subject
pixel value
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2017011606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018117900A5 (ja
Inventor
佳士 町田
Yoshiji Machida
佳士 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2017011606A priority Critical patent/JP2018117900A/ja
Publication of JP2018117900A publication Critical patent/JP2018117900A/ja
Publication of JP2018117900A5 publication Critical patent/JP2018117900A5/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】放射線検出器から得られる情報が少ない場合に、より多くの物質に弁別する。【解決手段】本発明の放射線撮影装置は、所定の部位を含む被写体を透過する放射線を検出し、検出された前記放射線に対応する画素値を出力する検出手段と、前記画素値及び前記画素値から導出される前記放射線の物理量の少なくとも1つの推定式であって、前記部位の厚さと前記被写体の厚さから前記部位の厚さを減算した厚さとを変数とする前記推定式から、前記変数の値を算出する算出手段と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、放射線撮影装置、放射線撮影システム、放射線撮影方法、及びプログラムに関するものである。
放射線(例えば、X線)による医療画像診断や非破壊検査に用いる放射線撮影装置として、半導体材料によって形成された平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)を用いた放射線撮影装置が知られている。このような放射線撮影装置は、例えば、医療画像診断において、静止画や動画などのデジタル撮影装置として用いられる。
FPDを用いて被写体(例えば、人体)を透過した放射線を検出し、その放射線量に応じてコントラストが生じ、被写体内部の様子を観察することが可能となる。
また、FPDを利用することで、被写体を透過した放射線の放射線量の大小のみならず、別の情報を取得する技術も知られている。
例えば、特許文献1では、異なる2つのエネルギーを持つ放射線を被写体に照射し、被写体内の骨組織と軟組織をそれぞれ弁別するエネルギーサブトラクション技術が提案されている。また、特許文献2では、異なる3つのエネルギーを持つ放射線を被写体に照射することによって、骨組織と軟組織に加えて、もう1つ別の物質をそれぞれの画像に弁別する技術が提案されている。また、特許文献3では、2つのセンサを積層して異なる2つのエネルギーの放射線を検出し、2つの物質の弁別を行う手法が提案されている。
特開平08−178873号公報 特開2008−229122号公報 特開2016−156719号公報
特許文献1及び特許文献2では、n個の被写体の情報を得るために、n個の異なるエネルギーの放射線を照射する必要がある。しかし、異なるエネルギーの放射線を照射するためには、高速にエネルギーを切り替えられる放射線発生装置が必要になり、被写体の動きによるモーションアーチファクトが発生する可能性がある。また、n回の曝射が必要となり、被曝線量が増大する可能性がある。
特許文献3では、複数のセンサを積層させる必要があり、装置の重量や寸法が大きくなるなどの課題がある。例えば、3つの物質に弁別したい場合は、3つのセンサを積層させる必要があり、重量や寸法の増大を招き、最下層のセンサに入射する放射線量が小さくなり、高精度の情報を取得できない可能性あるなどの課題がある。
本発明の放射線撮影装置は、所定の部位を含む被写体を透過する放射線を検出し、検出された前記放射線に対応する画素値を出力する検出手段と、前記画素値及び前記画素値から導出される前記放射線の物理量の少なくとも1つの推定式であって、前記部位の厚さと前記被写体の厚さから前記部位の厚さを減算した厚さとを変数とする前記推定式から、前記変数の値を算出する算出手段と、を備える。
被写体の厚さに関する情報を用いることにより、従来より多くの部位(物質)を弁別することができる。
第1の実施形態の機能構成例を示す図である。 第1の実施形態の手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態の弁別部の機能構成例を示す図である。 第1の実施形態の弁別の手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態の情報取得部の機能構成例を示す図である。 第1の実施形態の被写体情報取得の手順を示すフローチャートである。 平均画素値及び平均エネルギーとそれぞれの物質厚を対応付けたテーブルの例を示す図である。 第2の実施形態の機能構成例を示す図である。 第2の実施形態の手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態の弁別部の機能構成例を示す図である。 第2の実施形態の弁別の手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態の機能構成例を示す図である。 第3の実施形態の手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態の弁別部の機能構成例を示す図である。 第3の実施形態の弁別の手順を示すフローチャートである。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。第1の実施形態では、放射線の画素値の平均、放射線の画素値の分散、及び被写体厚情報を用いて3つの物質の弁別を行う。
まず、図1及び図2を用いて、第1の実施形態の構成と処理フローを説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の放射線撮影システムの構成例を示す図である。図2は、第1の実施形態の処理フロー例を示すフローチャートである。
放射線発生装置101は、被写体に放射線を照射する。放射線検出装置(検出部)102は、所定の部位(物質)を含む被写体を透過する放射線を検出し、検出された放射線に対応する画素値を出力する。本実施形態では、放射線発生装置101は、複数の部位を含む被写体を透過することにより減弱された放射線を検出し、検出された放射線に対応する画素値を出力する。
放射線検出装置102は、放射線画像を出力する。ここで、放射線画像は、放射線量子のエネルギーと放射線量子の個数との積に比例する画素値を持つデジタル画像である。ここでは、同一の管電圧で複数の放射線画像が取得される。
算出部100は、部位の厚さを独立変数とし、被写体の厚さから部位の厚さを減算した厚さを従属変数とし、独立変数及び従属変数を含む放射線の減弱式から、画素値及び画素値から導出される放射線の物理量の少なくとも1つに基づいて、変数の値を算出する。本実施形態では、算出部100は、複数の部位の厚さをそれぞれ独立変数とし、被写体の厚さから複数の部位の厚さを減算した厚さを従属変数とし、減弱式から、画素値及び物理量の少なくとも1つに基づいて、独立変数及び従属変数の値を算出する。
画素値から導出される放射線の物理量は、画素値の統計値であればよい。また、画素値から導出される放射線の物理量は、画素値の平均、画素値の分散、放射線の平均エネルギー、及び放射線のフォトン数の少なくとも1つであってもよい。
算出部100は、平均算出部103、分散算出部104、平均エネルギー算出部105、情報取得部106、及び弁別部107を含む。
平均算出部103は、複数の放射線画像から画素値の平均(平均画素値)を算出し、平均画像を生成する。分散算出部104は、複数の放射線画像から画素値の分散を算出し、分散画像を生成する。平均エネルギー算出部105は、平均画像及び分散画像から平均エネルギーを算出し、平均エネルギー画像を生成する。情報取得部106は、被写体の厚さである被写体厚情報を取得する。弁別部107は、被写体に含まれる物質の弁別を行う。
次に、図2を用いて、第1の実施形態の処理の流れを詳細に説明する。ステップS201にて、放射線発生装置101は、被写体に放射線を照射する。ステップS202にて、放射線検出装置102は、所定の部位を含む被写体を透過することにより減弱された放射線を検出し、検出された放射線に対応する画素値を出力する。放射線検出装置102は、被写体を透過した放射線を複数回検出し、検出された放射線に対応する画素値に基づいて、複数の放射線画像を生成し、平均算出部103及び分散算出部104へ入力する。
ステップS203にて、平均算出部103は、入力された複数の放射線画像の画素値I(t)から、式(1)に従い、平均画像Iaveを生成する。ここで、tは、整数であり、時系列に取得された複数の放射線画像のフレーム番号を表す。Tは、複数の放射線画像の総数である。
Figure 2018117900
ステップS204にて、分散算出部104は、式(2)に従い、分散画像Ivarを生成する。
Figure 2018117900
ステップS205にて、平均エネルギー算出部105は、式(3)に従い、平均エネルギー画像Eaveを生成する。
Figure 2018117900
なお、αは、画素値I(t)から計算される値を平均エネルギーEaveに変換する係数である。αは、既知の放射線エネルギーの放射線で放射線画像を撮影して、放射線エネルギーと画素値から事前に求められる。
ステップS206にて、情報取得部106は、被写体厚画像を取得する。被写体厚画像として、X線CT装置、トモシンセシス装置、及びMRI装置などの断層撮影装置により得られた断層画像が用いられる。また、血管造影装置により得られたコーンビームCT画像が用いられてもよい。なお、X線CT装置、トモシンセシス装置、及びMRI装置などから得られる断層画像により、あらかじめ被写体厚情報を取得することができ、放射線検出器102で撮影された画像データと組み合わせて利用することで、撮影直後やリアルタイムで物質を弁別することが可能である。
また、被写体厚画像により被写体の厚さを取得できれば十分であるため、被写体の内部構造を取得する必要はない。したがって、断層画像の代わりに、超音波を用いる方法、距離センサを用いる方法、及びメジャーを用いる方法、及び放射線画像データを用いる方法などにより、被写体厚情報を取得することが可能である。放射線画像データを用いる方法の詳細は、第1の変形例で後述する。このように、被写体の厚さは、被写体の断層画像、3次元画像、及び画素値の少なくとも1つに基づいて取得されればよい。
ステップS207にて、弁別部107は、平均画像Iave、平均エネルギー画像Eave、及び被写体厚情報を用いて、3つの部位(物質)の弁別を行う。弁別の詳細については後述する。
以上、ステップS201からステップS207の処理を行うことで、放射線検出装置102から得られる画素値I(t)の平均値Iaveと画素値I(t)の分散値Ivar、及び情報取得部106から得られる被写体厚情報を用いて、被写体に含まれる部位(物質)の弁別を行う。
次に、図3及び図4を用いて、弁別部107による弁別処理の詳細を説明する。本実施形態における物質の弁別は、被写体を構成する物質の厚さをそれぞれ算出することである。なお、本実施形態では、ヨード造影剤を用いる放射線造影検査を想定する。この場合、被写体を構成する物質は、骨組織、軟組織、及びヨード造影剤であるが、診断用途や被写体の構成物質に応じて、任意の物質が選択されてもよい。
図3は、弁別部107の機能構成例を示す図である。弁別部107は、平均画像入力部301、平均エネルギー画像入力部302、情報入力部303、平均推定部304、平均エネルギー推定部305、第1の変数算出部306、第2の変数算出部307、及び弁別情報出力部308を含む。
次に、図4を用いて、弁別部107による弁別処理の詳細について述べる。ステップS401にて、平均画像入力部301は、ステップS203にて生成された平均画像Iaveを入力する。ステップS402にて、平均エネルギー画像入力部302は、ステップS205にて生成された平均エネルギー画像Eaveを入力する。
ステップS403にて、情報入力部303は、ステップS206にて取得された被写体厚情報を入力する。ステップS404にて、平均推定部304は、平均画像Iaveの推定値iを計算する。推定値iは、式(4)を用いて計算することが可能である。なお、推定値iの計算は、画素ごとに行われる。
Figure 2018117900
ここで、μ、μ、及びμは、それぞれ骨組織、軟組織、及びヨード造影剤の放射線の減弱係数である。n(E)は、被写体を透過する前の放射線のエネルギーに対応する放射線量子数の割合(又は、エネルギースペクトル)である。d及びdは、それぞれ骨組織及び軟組織の厚さであり、独立変数である。Dは、被写体の厚さであり、従属変数である。βは、放射線検出装置102により出力される画素値に変換するための係数である。
平均推定部304は、第1の部位の厚さd及び第2の部位の厚さdを独立変数とし、被写体の厚さDから第1及び第2の部位の厚さd,dを減算した第3の部位の厚さdを従属変数とし、平均画素値の推定値iの減弱式(4)を求める。
なお、n(E)は、一般の放射線スペクトロメーターなどを用いて、エネルギースペクトルから予め測定することができる。また、簡略的にエネルギースペクトルを導出するための簡易式が公知であり、この簡略式を用いれば、放射線を照射する際の管電圧や付加フィルタなどの撮影条件に基づいて、エネルギースペクトルを算出することも可能である。
βは、蛍光体の特性やシステムゲインなどの特性に基づいて決定することができる。また、被写体が撮影領域にない状態で撮影した際の画素値の逆数を用いて、βを正規化することも可能である。この場合、放射線画像も被写体がない状態で正規化される。
ステップS405にて、平均エネルギー推定部305は、平均エネルギー画像Eaveの推定値eを計算する。推定値eは、式(5)を用いて計算することが可能である。なお、推定値eの計算は、画素ごとに行われる。
Figure 2018117900
ここで、γは、放射線画像から得られるエネルギーに相当するデータに合わせるための係数である。γは、蛍光体の特性やシステムゲインなどの特性に基づいて決定することができる。なお、被写体がない状態で撮影された放射線画像で正規化された放射線画像を用いる場合、γは1となる。
本実施形態では、平均エネルギー推定部305は、骨組織(第1の部位)の厚さd及び軟組織(第2の部位)の厚さdを独立変数とし、ヨード造影剤(第3の部位)の厚さd=D−d−dを従属変数とし、平均エネルギーの推定値eの減弱式(5)を求める。
ステップS406にて、第1の変数算出部306は、平均画像Iave及び平均エネルギー画像Eaveに基づいて、平均画素値の推定値(推定平均画像)i及び平均エネルギーの推定値(推定平均エネルギー画像)eから独立変数d,dを算出する。なお、独立変数d,dの算出は画素ごとに行われる。
画素値I(t)から導出される放射線の物理量(例えば、平均画素値Iaveや平均エネルギーEave)が物理量の推定値i,eにそれぞれ一致するように、第1の変数算出部306は独立変数d,dを算出する。すなわち、式(6)の非線形連立方程式を解くことで、独立変数d,dが算出される。このように、算出部100は、独立変数の数(2つ)と同数の式(推定式又は減弱式)から、独立変数の値を算出する。
Figure 2018117900
非線形連立方程式を代数的解法で解く代わりに、本実施形態では、ニュートン・ラプソン法などの数値的解法を用いて反復的に解く方法を示す。
まず、最初に独立変数d,dの初期値d ,d を定める。物質のおおよその厚さが分かっている場合は、その厚さを初期値にすると、独立変数d,dの解への収束は早い。ただし、物質のおおよその厚さが分からない場合は、任意の値を初期値としてもよい。ニュートン・ラプソン法にて反復n回目の各物質の厚さをd ,d とすると、式(7)を用いて、反復的にd 、d を求めていくことができる。
ここで、式(7)のiとeは、式(4)と式(5)におけるd,dを、n回目の反復におけるd ,d に置き換えて計算したものである。
Figure 2018117900
ステップS407にて、第1の変数算出部306は、d n+1,d n+1とd ,d とのそれぞれの差分値を、予め定められた閾値と比較することにより収束判定を行う。収束していない場合は、ステップS404に戻り、d n+1,d n+1に基づいて、in+1とen+1の計算を行い、各ステップを反復する。収束している場合は、d n+1,d n+1を独立変数d,dの値として出力する。なお、本実施形態では、予め定められた閾値と比較して収束判定を行うが、予め定められた回数の反復演算の結果を独立変数の値として出力してもよい。また、これらの組み合わせを用いてもよい。
このように、第1の変数算出部306は、放射線の平均画素値の減弱式(4)及び放射線の平均エネルギーの減弱式(5)から、平均画素値Iave及び平均エネルギーEaveに基づいて、第1の部位の厚さdの値及び第2の部位の厚さdの値を算出する。
ステップS408にて、第2の変数算出部307は、被写体の厚さDと骨組織の厚さ独立変数dと軟組織の厚さdからヨード造影剤の厚さdを、式(8)を用いて算出する。第2の変数算出部307は、被写体の厚さDから第1の部位の厚さdの値及び第2の部位の厚さdの値を減算することにより第3の部位の厚さdの値を算出する。
Figure 2018117900
ステップS409にて、弁別情報出力部308は、骨組織、軟組織、及びヨード造影剤の厚さd,d,dの値を出力し、処理が終了する。なお、ステップS404からステップS409のそれぞれの処理は画素ごとに行う。
このように、算出部100は、画素値から導出される放射線の物理量Iave,Eaveの推定式であって、部位の厚さd,dと被写体の厚さDから部位の厚さd,dを減算した厚さdとを変数とする推定式から、変数(独立変数及び従属変数)の値を算出する。
以上、ステップS401からステップS409の処理を行うことで、3つの物質(部位)の弁別を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、弁別する物質を骨組織、軟組織、及びヨード造影剤としたが、診断目的に応じて別の物質に適用することも可能である。例えば、軟組織、骨組織、金属、及び肺野などの中から、任意の3つの物質の組み合わせが選択されてもよい。また、乳房撮影などでは、乳腺、脂肪、及び石灰化物質などの弁別に、本実施形態を適用することが考えられる。
また、画素値から導出される放射線の物理量Iave,Eaveの推定式の代わりに、画素値の推定式が用いられてもよい。
また、本実施形態は、システム、装置、方法、プログラム、若しくは記憶媒体などとしての実施態様を採ることもできる。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しされてもよいし、1つの機器からなる装置に適用されてもよい。
また、本実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給してもよい。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又は、CPUやMPUやGPUなど)がプログラムを読み出して実行してもよい。
(第1の変形例)
第1の実施形態では、情報取得部106は、断層画像などの代わりに、放射線画像データを用いて、被写体厚情報を取得することが可能である。例えば、情報取得部106は、平均画像Iaveを解析することにより、被写体厚Dを推定する。
以下、図5及び図6を用いて、被写体厚Dを推定する処理の詳細について説明する。
図5は、情報取得部106の機能構成例を示す図である。平均画像入力部501は、平均画像Iaveを入力する。被写体厚変換部502は、平均画像Iaveの画素値を被写体厚に変換する。被写体厚補正部503は、被写体厚を補正する。被写体厚出力部504は、被写体厚画像を出力する。
次に、図6に示すフローチャートを用いて、情報取得部106の被写体厚推定の処理の流れを詳細に説明する。ステップS601にて、平均画像入力部501は、平均画像Iaveを入力する。なお、ここで入力する画像は、平均画像Iaveの代わりに、放射線画像I(t)でもよい。
ステップS602にて、被写体厚変換部502は、平均画像Iaveの画素値から被写体厚D’を計算する。被写体厚の計算は、画素ごとに行われ、被写体厚画像ID’が生成される。ここでは、被写体のすべてが軟組織であると仮定することで、被写体厚の変換を行う。被写体厚の変換には、式(9)が用いられる。
Figure 2018117900
ここで、D’は、被写体厚である。Iは、照射放射線量を画素値換算したものである。Iaveは、平均画素値である。μは、軟組織の放射線の減弱係数である。ここでは、計算を簡略化するため、照射放射線のエネルギーから計算される代表的なエネルギー(平均エネルギーや実効エネルギーなど)での減弱係数を選択すればよい。また、被写体厚D’の計算は、照射放射線のエネルギーごとに計算されてもよい。なお、Iは、被写体が撮影領域にない状態で放射線撮影した場合の画素値を利用してもよい。
ステップS603にて、被写体厚補正部503は、被写体厚画像ID’から低空間周波数成分を強調しこれを補正後の被写体厚画像Iとする。このように、低周波強調画像を用いることにより、ノイズの影響を小さくすることができる。また、骨や血管構造のような比較的小さい構造による誤差を小さくすることが可能である。
なお、上記の計算では、肺野のような主に気体が占める部位は、実際の被写体厚よりも小さい値で算出され、肺野部分を実際よりも薄い軟組織と弁別可能である。また、X線CTのように断層画像を用いた場合も、肺野など弁別対象として選択されていない物質(部位)は、弁別対象として密度に応じた補正を行うことが望ましい。なお、被写体厚補正部503は、低空間周波数成分の協調の他、カーブフィッティングやノイズ低減フィルタ処理などの比較的簡略化された処理を行うことも可能である。
ステップS604にて、被写体厚出力部504は、補正後の被写体厚Dを出力し、処理が終了する。このように、被写体の厚さは、被写体が所定の部位により構成されていると仮定することにより、画素値、前記画素値の平均、及び部位の減弱係数に基づいて取得される。
以上、ステップS601からS604までの処理を行うことにより、平均画像Iaveから被写体厚Dを推定することが可能となる。
(第2の変形例)
第1の実施形態では、画素値から導出される放射線の物理量として、平均画像(平均画素値)Iaveと平均エネルギー画像(平均エネルギー)Eaveを用いたが、平均画像Iaveと分散画像Ivarを用いても物質の弁別が可能である。第1の実施形態での平均エネルギーEaveは、平均画像Iaveと分散画像Ivarを用いて算出されたものであり、これを用いて物質弁別が可能であるため、平均画像Iaveと分散画像Ivarは互いに独立な情報であるためである。
この場合、ステップS205の平均エネルギーEave及びステップS402の平均エネルギーの推定値eの代わりに、ステップS204の分散Ivarと式(10)の分散の推定値vが用いられる。
Figure 2018117900
また、第1の実施形態の式(7)の代わりに、式(11)の非線形連立方程式を解くことでd及びdを値が算出される。
Figure 2018117900
また、ニュートン・ラプソン法で反復演算を行う際の計算式は式(12)となる。
Figure 2018117900
(第3の変形例)
第1の実施形態では、物質弁別の計算にニュートン・ラプソン法の逐次演算を行った。ただし、平均画素値及び平均エネルギーとそれぞれの物質厚を対応付けたテーブルを予め作成しておき、取得された平均画素値Iave及び平均エネルギーEaveに応じた物質厚の値を取得する方法が用いられてもよい。これらのテーブルは実験により取得されてもよいし、式(4)及び式(5)を用いた計算により取得されてもよい。
図8(a)は、平均画素値Iave及び被写体厚Dに骨組織、軟組織、及びヨード造影剤のそれぞれの厚さd,d,dを対応付けたテーブルの一例である。図8(b)は、平均エネルギーEave及び被写体厚Dに骨組織、軟組織、及びヨード造影剤のそれぞれの厚さd,d,dを対応付けたテーブルの一例である。このようなテーブル又は表を用いて、取得された平均画素値Iave、平均エネルギーEaveave、及び被写体厚Dに応じた被写体厚d,d,dが両テーブルで一致する厚さの組み合わせを探索すればよい。
平均画素値IaveがIであり、平均エネルギーEaveがEであり、被写体厚がDであった場合、図8では、骨組織、軟組織、及びヨード造影剤のそれぞれの厚さd,d,dは、d1−2,d2−2,d3−2となる。
このように、出力部(弁別情報出力部308)は、画素値及び画素値から導出される放射線の物理量の少なくとも1つを算出し、画素値及び物理量の少なくとも1つと被写体の厚さとに部位の厚さを対応付けるテーブルを参照して、部位の厚さの値を出力する。
平均画素値、平均エネルギー、及び被写体厚に各物質(部位)が関係付けられたテーブルを用いることで、被写体に含まれる物質の混合比率を求めることが可能となる。なお、第3の変形例では、説明の簡略化のために、図8における物質厚の組み合わせを7つずつとしたが、実際には充分大きいテーブルを用意することで、被写体に含まれる物質の弁別が可能となる。また、テーブルは、照射される放射線のスペクトルに応じたものを用意することが望ましい。
このように、予め用意されたテーブルを参照することで、物質の弁別の処理時間を短縮することが可能となる。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態の一例を詳しく説明する。なお、上記の実施形態と同様の構成、機能、及び動作についての説明は省略し、主に本実施形態との差異について説明する。
本実施形態では、放射線検出装置(検出部)は、独立変数の数と同数の異なる放射線エネルギーごとに放射線を検出し、放射線エネルギーごとに検出された放射線に対応する画素値を出力する。独立変数が2つである場合は、放射線検出装置802から得られる2つの異なるエネルギーの画素値及び被写体厚情報を用いて、3つの物質の弁別を行う。
図9及び図10を用いて、第2の実施形態の構成と処理フローを説明する。図9は、本発明の第2の実施形態の機能構成例を示す図である。図10は、第2の実施形態の処理フロー例を示すフローチャートである。
放射線発生装置801は、被写体に放射線を照射する。放射線検出装置802は、所定の部位(物質)を含む被写体を透過する放射線を検出し、検出された放射線に対応する画素値を出力する。放射線検出装置802は、放射線画像を出力する。ここで、放射線画像は、放射線量子のエネルギーと放射線量子の個数との積に比例する画素値を持つデジタル画像である。ここでは、異なるエネルギーによる2枚の放射線画像を取得する。2つの異なるエネルギーのうち、高エネルギーの放射線画像を高エネルギー画像、低エネルギー放射線画像を低エネルギー画像とする。
情報取得部803は、被写体厚情報を取得する。弁別部804は、平均エネルギー画像及び被写体厚情報から3つの物質の弁別を行う。
次に、図10を用いて、第2の実施形態の処理の流れを詳細に説明する。ステップS901にて、放射線発生装置801は、被写体に放射線を照射する。ステップS902にて、放射線検出装置802は、被写体を透過した放射線を検出し、高エネルギー画像及び低エネルギー画像の2つの放射線画像を取得する。異なるエネルギーの放射線画像の取得方法は、2パターンのエネルギーで撮影する方法や、2つのセンサが積層された放射線検出装置を用いる方法が適用できる。
このように、放射線検出装置802は、独立変数の数以上のパターンのエネルギーで照射された放射線により、異なる放射線エネルギーごとの放射線を検出してもよい。また、放射線検出装置802は、独立変数の数以上のセンサ層を備え、センサ層により、異なる放射線エネルギーごとの放射線を検出してもよい。
ステップS903にて、情報取得部803は、被写体厚画像を取得する。ステップS904にて、弁別部804は平均エネルギー画像及び被写体厚情報を用いて、物質(部位)の弁別を行う。以下、図11及び図12を用いて処理の詳細を説明する。なお、本実施形態では、ヨード造影剤を用いる放射線造影検査を想定する。この場合、被写体を構成する物質は、骨組織、軟組織、及びヨード造影剤であるが、診断用途や被写体の構成物質に応じて、任意の物質が選択されてもよい。
図11は、弁別部804の機能構成を示す図である。弁別部804は、高エネルギー画像入力部1001、低エネルギー画像入力部1002、情報入力部1003、高エネルギー画像推定部1004、低エネルギー画像推定部1005、第1の変数算出部1006、第2の変数算出部1007、及び弁別情報出力部1008を備える。
次に、図12を用いて、第2の実施形態の処理の流れを詳細に説明する。ステップS1101にて、高エネルギー画像入力部1001は、ステップS902にて取得された高エネルギー画像Iを入力する。ステップS1102にて、低エネルギー画像入力部1002は、ステップS902にて取得された低エネルギー画像Iを入力する。ステップS1103にて、情報入力部1003は、ステップS903にて取得された被写体厚情報を入力する。
ステップS1104にて、高エネルギー画像推定部1004は、推定高エネルギー画像iを計算する。推定高エネルギー画像iの計算は、式(1)3を用いて計算することが可能である。
Figure 2018117900
ここで、μ、μ、及びμは、それぞれ骨組織、軟組織、及びヨード造影剤の放射線の減弱係数である。n(E)は、被写体を透過する前の放射線のエネルギーに対応する放射線量子数の割合である。d及びdは、それぞれ骨組織及び軟組織の厚さであり、独立変数である。Dは、被写体の厚さであり、従属変数である。βは、放射線検出装置802により出力される画素値に変換するための係数である。
このように、高エネルギー画像推定部1004は、高エネルギーの画素値の減弱式(13)を求める。
一般の放射線スペクトロメーターなどを用いて、エネルギースペクトルから予め測定することができる。また、簡略的にエネルギースペクトルを導出するための簡易式が公知であり、この簡略式を用いれば、放射線を照射する際の管電圧や付加フィルタなどの撮影条件に基づいて、エネルギースペクトルを算出することも可能である。βは、蛍光体の特性やシステムゲインなどの特性に基づいて決定することができる。
ステップS1105にて、低エネルギー画像推定部1005は、推定低エネルギー画像iを計算する。推定低エネルギー画像iの計算は、ステップS1104と同様に、式(14)を用いて計算することが可能であり、計算に使用するエネルギースペクトルをn(E)に変更すればよい。
Figure 2018117900
ステップS1106にて、第1の変数算出部1006は、ステップS1105までに得られた高エネルギー画像I、低エネルギー画像I、推定高エネルギー画像i、推定低エネルギー画像iに基づいて、独立変数d,dを求める。
放射線エネルギーごとの画素値I,Iが画素値の推定値i,iにそれぞれ一致するように、第1の変数算出部1006は独立変数d,dを算出する。すなわち、式(15)の非線形連立方程式を解くことで、独立変数d,dが算出される。
Figure 2018117900
非線形連立方程式を代数的解法で解く代わりに、本実施形態では、ニュートン・ラプソン法などの数値的解法を用いて反復的に解く方法を示す。式(16)は、第2の実施形態における反復計算の式である。式(16)のi とi は、式(13)と式(14)におけるd,dを、n回目の反復におけるd ,d に置き換えて計算したものである。
Figure 2018117900
ステップS1107にて、第1の変数算出部1006は、d n+1,d n+1とd ,d の差分値を、予め定められた閾値と比較することにより収束判定を行う。
収束していない場合は、ステップS1104に戻り、d n+1,d n+1に基づいて、i n+1とi n+1の計算を行い、各ステップを反復する。収束している場合は、d n+1,d n+1を独立変数d,dの値として出力する。なお、本実施形態では、予め定められた閾値と比較して収束判定を行うが、予め定められた回数の反復演算の結果を独立変数の値として出力してもよい。また、これらの組み合わせを用いてもよい。ステップS1104からステップS1107の処理は、画素ごとに行われる。
このように、第1の変数算出部1006は、放射線エネルギーごとの画素値の減弱式(13)及び式(14)から、放射線エネルギーごと画素値I,Iに基づいて、独立変数d,dの値を算出する。
ステップS1108にて、第2の変数算出部1007は、被写体の厚さDと骨組織の厚さdと軟組織の厚さdからヨード造影剤の厚さdを、式(17)を用いて算出する。第2の変数算出部1007は、被写体の厚さDから第1の部位の厚さdの値及び第2の部位の厚さdの値を減算することにより第3の部位の厚さdの値を算出する。
Figure 2018117900
このように、被写体の厚さDを用いることで、2種類の放射線エネルギーにより得られた画像から、3つの物質(部位)の弁別が可能となる。
なお、本実施形態では、弁別する物質を骨組織、軟組織、及びヨード造影剤としたが、診断目的に応じて別の物質に適用することも可能である。例えば、軟組織、骨組織、金属、及び肺野などの中から、任意の3つの物質の組み合わせが選択されてもよい。また、乳房撮影などでは、乳腺、脂肪、及び石灰化物質などの弁別に、本実施形態を適用することが考えられる。
また、本実施形態は、システム、装置、方法、プログラム、若しくは記憶媒体などとしての実施態様を採ることもできる。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しされてもよいし、1つの機器からなる装置に適用されてもよい。
また、本実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給してもよい。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又は、CPUやMPUやGPUなど)がプログラムを読み出して実行してもよい。
(第5の変形例)
第2の実施形態では、2パターンの撮影法などを用いて、異なる2つのエネルギーの放射線画像を取得したが、特許文献(例えば、特開2011−24773号公報)に記載の計数型センサが用いられてもよい。この場合、センサからの出力は、放射線の光子数になるため、式(13)及び式(14)は、それぞれ式(18)及び式(19)となる。
Figure 2018117900
Figure 2018117900
(第6の変形例)
第2の実施形態及び第5の変化例では、2つの異なるエネルギーの放射線画像を取得し、3つの物質を弁別する方法を示したが、独立変数の数Mと同数のM個のエネルギー情報に被写体厚情報を加えることによって、M+1個の物質を弁別することが可能である。
放射線検出装置(検出部)802は、独立変数の数Mと同数の異なる放射線エネルギーごとに放射線を検出し、放射線エネルギーごとに検出された放射線に対応する画素値を出力する。
エネルギー画像推定部は、放射線エネルギーごとの画素値の減弱式(20)を求める。m番目(m:1〜M)の推定エネルギー画像をiとすると、推定エネルギー画像iは、式(13)及び式(14)と同様に、式(20)で求めることが可能である。
Figure 2018117900
また、このときの反復式は、式(21)となる。
Figure 2018117900
ここで、Iは、m番目(m:1〜M)の放射線エネルギーの照射により検出された放射線に対応する画素値である。また、d〜dは、M個のそれぞれの物質(部位)の厚さであり、独立変数である。このように、算出部100は、独立変数の数Mと同数の式(推定式又は減弱式)から、独立変数の値を算出する。
また、M+1番目の物質の厚さdM+1は、d〜dの厚さから式(22)に基づいて算出される。第2の変数算出部1007は、被写体の厚さDから独立変数d〜dの値を減算することにより、M+1番目の物質の厚さdM+1の値を算出する。このように、算出部100は、被写体の厚さから独立変数の値を減算した厚さを従属変数の値として算出する。
Figure 2018117900
なお、第6の変形例では、反復計算の代わりに、第4の変形例で示したテーブルを用いた方法も適用可能である。この場合、独立変数の数Mと同数のM個のテーブルを予め用意し、すべての物質の厚さが一致する値を求めればよい。画素値及び被写体厚DにM+1個の物質(部位)のそれぞれの厚さd〜dM+1を対応付けたテーブルをM個の放射線エネルギーごとに予め準備する。そして、異なる放射線エネルギーごとに取得された画素値Iに応じた被写体厚d〜dM+1がテーブルで一致する厚さの組み合わせを探索すればよい。
出力部(弁別情報出力部1008)は、画素値及び画素値から導出される放射線の物理量の少なくとも1つを算出し、画素値及び物理量の少なくとも1つと被写体の厚さとに部位の厚さを対応付けるテーブルを参照して、部位の厚さの値を出力する。
なお、M個の放射線エネルギーの情報を取得するためには、計数型センサを用いて、M−1個の閾値を設ける方法や、M個のパターンのエネルギーの放射線を照射するなどの方法を用いることが可能である。この場合、放射線検出装置802は、計数型センサを備え、計数型センサにより、複数の閾値で区切られたエネルギー帯の放射線量子数を計測することで、異なる放射線エネルギーごとの放射線を検出する。
このような方法を用いることでM個の撮影画像からM+1個の物質を弁別することが可能である。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態の一例を詳しく説明する。なお、上記の実施形態と同様の構成、機能、及び動作についての説明は省略し、主に本実施形態との差異について説明する。
本実施形態では、放射線検出装置(検出部)から得られる画素値と情報取得部から得られる被写体厚情報を用いて、2つの物質(部位)の弁別を行う。
まず、図13及び図14を用いて、第3の実施形態の構成と処理フローを説明する。図13は、本発明の第3の実施形態の構成例を示す図である。図14は、第3の実施形態の処理フロー例を示すフローチャートである。
放射線発生装置1201は、被写体に放射線を照射する。放射線検出装置1202は、所定の部位(物質)を含む被写体を透過する放射線を検出し、検出された放射線に対応する画素値を出力する。放射線検出装置1202は、放射線画像を出力する。ここで、放射線画像は、放射線量子のエネルギーと放射線量子の個数との積に比例する画素値を持つデジタル画像である。
情報取得部1203は、被写体厚情報を取得する。弁別部1204は、放射線画像の画素値及び被写体厚情報から2つの物質の弁別を行う。
次に、図14を用いて、第3の実施形態の処理の流れを詳細に説明する。ステップS1301にて、放射線発生装置1201は、被写体に放射線を照射する。ステップS1302にて、放射線検出装置1202は、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像を取得する。ステップS1303にて、情報取得部1203は、被写体厚情報を取得する。ステップS1304にて、弁別部1204は、放射線画像の画素値及び被写体厚情報を用いて、2つの物質の弁別を行う。以下、図15及び図16を用いて処理の詳細を説明する。
ここで、2つの物質の弁別とは、被写体に含まれる2つの物質の厚さに関する情報を算出することを指す。ここでは、一例として、骨組織の厚さと軟組織の厚さに関する情報を取得する方法を説明する。
図15は、弁別部1304の機能構成例を示す図である。弁別部1304は、放射線画像入力部1401、情報入力部1402、放射線画像推定部1403、第1の変数算出部1404、第2の変数算出部1405、及び弁別情報出力部1406を備える。
次に、図16を用いて、弁別部1304による物質弁別方法の詳細について述べる。ステップS1501にて、放射線画像入力部1401は、ステップS1202にて取得された放射線画像Iを入力する。
ステップS1502にて、情報入力部1402は、ステップS1203にて取得された被写体厚情報を入力する。ステップS1503にて、放射線画像推定部1403は、推定放射線画像iを計算する。推定放射線画像iの計算は、式(23)を用いて計算することが可能である。
Figure 2018117900
ここで、μ及びμは、それぞれ骨組織及び軟組織の放射線の減弱係数である。n(E)は、被写体を透過する前の放射線のエネルギーに対応する放射線量子数の割合である。dは、骨組織の厚さであり、独立変数である。Dは、被写体の厚さであり、従属変数である。βは、放射線検出装置1202により出力される画素値に変換するための係数である。
ステップS1504にて、第1の変数算出部1404は、ステップS1503までに得られた放射線画像I、推定放射線画像i、及び被写体厚Dに基づいて、独立変数dを算出する。
画素値Iが画素値の推定値iに一致するように、第1の変数算出部1404は独立変数dを算出する。すなわち、式(24)を解くことで、独立変数dが算出される。このように、第1の変数算出部1404は、第1の部位の厚さdを独立変数とし、被写体の厚さDから第1の部位の厚さdを減算した第2の部位の厚さdを従属変数とし、画素値の減弱式(23)から、画素値Iに基づいて、第1の部位の厚さdの値を算出する。算出部100は、独立変数の数(1つ)と同数の式(推定式又は減弱式)から、独立変数の値を算出する。
Figure 2018117900
非線形連立方程式を代数的解法で解く代わりに、本実施形態では、ニュートン・ラプソン法などの数値的解法を用いて反復的に解く方法を示す。式(25)は、第3の実施形態における反復計算の式である。ここで、式(25)のiは、式(23)におけるdをn回目の反復におけるd に置き換えたものである。
Figure 2018117900
ステップS1505にて、第1の変数算出部1405は、d n+1とd の差分値を予め定められた閾値と比較することにより収束判定を行う。収束していない場合は、ステップS1103に戻り、d n+1に基づいてin+1の計算を行い、各ステップを反復する。収束している場合は、d n+1を独立変数dの値として出力する。
ステップS1506にて、第2の変数算出部1405は、被写体の厚さDと骨組織の厚さdから軟組織の厚さdを、式(26)を用いて算出する。第2の変数算出部1405は、被写体の厚さDから第1の部位の厚さdの値を減算することにより第2の部位の厚さdの値を算出する。
Figure 2018117900
以上、ステップS1501からステップS1506までの処理を行うことで、放射線画像の画素値と被写体情報から2つの物質(部位)の弁別を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、反復計算の代わりに、第4の変形例で示したテーブルを用いた方法も適用可能である。この場合、放射線画像の画素値及び被写体厚Dに骨組織及び軟組織のそれぞれの厚さd,dを対応付けたテーブルを予め用意すればよい。このように、予め用意されたテーブルを参照することで、物質の弁別の処理時間を短縮することが可能となる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。
本発明は、上記の実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、システム又は装置のコンピュータ(CPUやMPUなど)がプログラムを読み出すことにより実行されてもよい。また、本発明は、システム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能であり、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 算出部
101,801,1201 放射線発生装置
102,802,1202 放射線検出装置
103 平均算出部
104 分散算出部
105 平均エネルギー算出部
106,803,1203 情報取得部
107,804,1204,1304 弁別部
301,501 平均画像入力部
302 平均エネルギー画像入力部
303,1003,1402 情報入力部
304 平均推定部
305 平均エネルギー推定部
306,1006,1404 第1の変数算出部
307,1007,1405 第2の変数算出部
308,1008,1406 弁別情報出力部
502 被写体厚変換部
503 被写体厚補正部
504 被写体厚出力部
1001 高エネルギー画像入力部
1002 低エネルギー画像入力部
1004 高エネルギー画像推定部
1005 低エネルギー画像推定部
1401 放射線画像入力部
1403 放射線画像推定部

Claims (18)

  1. 所定の部位を含む被写体を透過する放射線を検出し、検出された前記放射線に対応する画素値を出力する検出手段と、
    前記画素値及び前記画素値から導出される前記放射線の物理量の少なくとも1つの推定式であって、前記部位の厚さと前記被写体の厚さから前記部位の厚さを減算した厚さとを変数とする前記推定式から、前記変数の値を算出する算出手段と、
    を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 所定の部位を含む被写体を透過することにより減弱された放射線を検出し、検出された前記放射線に対応する画素値を出力する検出手段と、
    前記部位の厚さを独立変数とし、前記被写体の厚さから前記部位の厚さを減算した厚さを従属変数とし、前記独立変数及び前記従属変数を含む放射線の減弱式から、前記画素値及び前記画素値から導出される前記放射線の物理量の少なくとも1つに基づいて、前記独立変数及び前記従属変数の値を算出する算出手段と、
    を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  3. 前記検出手段は、複数の前記部位を含む前記被写体を透過することにより減弱された前記放射線を検出し、検出された前記放射線に対応する前記画素値を出力し、
    前記算出手段は、前記複数の部位の厚さをそれぞれ前記独立変数とし、前記被写体の厚さから前記複数の部位の厚さを減算した厚さを前記従属変数とし、前記減弱式から、前記画素値及び前記物理量の少なくとも1つに基づいて、前記独立変数及び前記従属変数の値を算出することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影装置。
  4. 前記算出手段は、
    前記独立変数の数と同数の前記式から、前記独立変数の値を算出し、
    前記被写体の厚さから前記独立変数の値を減算した厚さを前記従属変数の値として算出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
  5. 前記物理量は、前記画素値の統計値であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
  6. 前記物理量は、前記画素値の平均、前記画素値の分散、前記放射線の平均エネルギー、及び前記放射線のフォトン数の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
  7. 前記算出手段は、
    第1の部位の厚さ及び第2の部位の厚さを前記独立変数とし、
    前記被写体の厚さから前記第1の部位の厚さ及び前記第2の部位の厚さを減算した第3の部位の厚さを前記従属変数とし、
    前記放射線の平均画素値の前記減弱式及び前記放射線の平均エネルギーの前記減弱式から、前記平均画素値及び前記平均エネルギーに基づいて、前記第1の部位の厚さの値及び前記第2の部位の厚さの値を算出し、
    前記被写体の厚さから前記第1の部位の厚さの値及び前記第2の部位の厚さの値を減算することにより前記第3の部位の厚さの値を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の放射線撮影装置。
  8. 前記検出手段は、前記独立変数の数と同数の異なる放射線エネルギーごとに前記放射線を検出し、前記放射線エネルギーごとに検出された前記放射線に対応する前記画素値を出力し、
    前記算出手段は、前記放射線エネルギーごとの前記画素値の前記減弱式から、前記放射線エネルギーごとの前記画素値に基づいて、前記独立変数の値を算出し、
    前記被写体の厚さから前記独立変数の値を減算することにより前記従属変数の値を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の放射線撮影装置。
  9. 前記検出手段は、前記独立変数の数以上のパターンのエネルギーで照射された放射線により、異なる前記放射線エネルギーごとの前記放射線を検出することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮影装置。
  10. 前記検出手段は、前記独立変数の数以上のセンサ層を備え、前記センサ層により、異なる前記放射線エネルギーごとの前記放射線を検出することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮影装置。
  11. 前記検出手段は、計数型センサを備え、前記計数型センサにより、複数の閾値で区切られたエネルギー帯の放射線量子数を計測することで、異なる前記放射線エネルギーごとの前記放射線を検出することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮影装置。
  12. 前記算出手段は、
    第1の部位の厚さを前記独立変数とし、
    前記被写体の厚さから前記第1の部位の厚さを減算した第2の部位の厚さを前記従属変数とし、
    前記画素値の前記減弱式から、前記画素値に基づいて、前記第1の部位の厚さの値を算出し、
    前記被写体の厚さから前記第1の部位の厚さの値を減算することにより前記第2の部位の厚さの値を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の放射線撮影装置。
  13. 前記被写体の厚さは、前記被写体の断層画像、3次元画像、及び前記画素値の少なくとも1つに基づいて取得されることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
  14. 前記被写体の厚さは、前記被写体が所定の部位により構成されていると仮定することにより、前記画素値、前記画素値の平均、及び前記部位の減弱係数に基づいて取得されることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
  15. 所定の部位を含む被写体を透過する放射線を検出し、検出された前記放射線に対応する画素値を出力する検出手段と、
    前記画素値及び前記画素値から導出される前記放射線の物理量の少なくとも1つを算出し、前記画素値及び前記物理量の少なくとも1つと前記被写体の厚さとに前記部位の厚さを対応付けるテーブルを参照して、前記部位の厚さの値を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  16. 放射線を発生させる放射線発生手段と、
    所定の部位を含む被写体を透過する前記放射線を検出し、検出された前記放射線に対応する画素値を出力する検出手段と、
    前記画素値及び前記画素値から導出される前記放射線の物理量の少なくとも1つの推定式であって、前記部位の厚さと前記被写体の厚さから前記部位の厚さを減算した厚さとを変数とする前記推定式から、前記変数の値を算出する算出手段と、
    を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
  17. 所定の部位を含む被写体を透過する放射線を検出し、検出された前記放射線に対応する画素値を出力する工程と、
    前記画素値及び前記画素値から導出される前記放射線の物理量の少なくとも1つの推定式であって、前記部位の厚さと前記被写体の厚さから前記部位の厚さを減算した厚さとを変数とする前記推定式から、前記変数の値を算出する工程と、
    を備えることを特徴とする放射線撮影方法。
  18. コンピュータを請求項1乃至15の何れか1項に記載の放射線撮影装置の各手段として機能させるためのプログラム。

JP2017011606A 2017-01-25 2017-01-25 放射線撮影装置、放射線撮影システム、放射線撮影方法、及びプログラム Abandoned JP2018117900A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017011606A JP2018117900A (ja) 2017-01-25 2017-01-25 放射線撮影装置、放射線撮影システム、放射線撮影方法、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017011606A JP2018117900A (ja) 2017-01-25 2017-01-25 放射線撮影装置、放射線撮影システム、放射線撮影方法、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018117900A true JP2018117900A (ja) 2018-08-02
JP2018117900A5 JP2018117900A5 (ja) 2020-03-05

Family

ID=63042989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017011606A Abandoned JP2018117900A (ja) 2017-01-25 2017-01-25 放射線撮影装置、放射線撮影システム、放射線撮影方法、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018117900A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021058508A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 富士フイルム株式会社 画像処理装置、方法およびプログラム
US11969281B2 (en) 2019-10-09 2024-04-30 Fujifilm Corporation Image processing apparatus, method, and program

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021058508A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 富士フイルム株式会社 画像処理装置、方法およびプログラム
JP7289769B2 (ja) 2019-10-09 2023-06-12 富士フイルム株式会社 画像処理装置、方法およびプログラム
US11969281B2 (en) 2019-10-09 2024-04-30 Fujifilm Corporation Image processing apparatus, method, and program

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102372165B1 (ko) 엑스선 영상 장치, 영상 처리 장치 및 영상 처리 방법
US8055039B2 (en) System and method to obtain noise mitigated monochromatic representation for varying energy level
CN105962959B (zh) 对于虚拟x射线量子能量分布产生图像的方法和拍摄装置
US7822169B2 (en) Noise reduction in dual-energy X-ray imaging
US10314556B2 (en) Optimal energy weighting of dark field signal in differential phase contrast X-ray imaging
EP3612095B1 (en) Beam hardening correction in x-ray dark-field imaging
WO2019235087A1 (ja) 放射線撮影装置、放射線撮影方法およびプログラム
KR101905745B1 (ko) k 에지 기반의 내부 토모그라피 영상 처리를 위한 장치 및 방법
Meng et al. Energy window optimization for X-ray K-edge tomographic imaging
JP2017080343A (ja) 放射線撮像システム、放射線画像の情報処理装置、放射線画像の情報処理方法、及び、そのプログラム
EP3316785A1 (en) Apparatus for multi material decomposition
KR20150018665A (ko) 엑스선 영상 장치 및 그 제어 방법
JP2017080342A (ja) 放射線撮像システム、放射線画像の情報処理装置、放射線画像の情報処理方法、及び、そのプログラム
JP2018117900A (ja) 放射線撮影装置、放射線撮影システム、放射線撮影方法、及びプログラム
JP2020192268A (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP7246281B2 (ja) 画像処理装置およびその制御方法、放射線撮影装置、プログラム
WO2020095578A1 (ja) 情報処理装置および方法、放射線撮影システム
KR101860145B1 (ko) 광자계수기반 디지털 단층영상합성 장치, 시스템에서의 이중에너지 영상화방법 및 이를 이용한 시스템
Kim et al. Effects of the technique parameters on the imaging performance of the dual-energy chest radiography
KR20140055948A (ko) 방사선 촬영 장치 및 영상 복원 방법
Kim et al. Characterizing X-ray detectors for prototype digital breast tomosynthesis systems
Wong et al. Effect of area x-ray beam equalization on image quality and dose in digital mammography
Konstantinidis et al. RAD_IQ: A free software for characterization of digital X-ray imaging devices based on the novel IEC 62220-1-1: 2015 International Standard
US20100061654A1 (en) Scatter estimation and reduction method and apparatus
JP2022022846A (ja) 放射線撮影システム、制御装置、放射線撮影システムの制御方法、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200124

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200124

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20200804