JP2022022528A - 油圧機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化した場合でも振動音を低減可能な油圧機構を実現する。【解決手段】油圧機構(1)は、駆動軸(12)に沿って配置される第1油圧ポンプ(P1)および第2油圧ポンプ(P2)と、長軸が駆動軸の軸芯の方向に対して角度をなす方向に沿うように配置された第1シリンダ(31a)および第2シリンダ(31b)とを備え、第1シリンダの中点(C1)と第2シリンダの中点(C2)とを結ぶ線分(L)の方向は、駆動軸の軸芯の方向に対して角度をなしている。【選択図】図2

Description

本発明は、油圧機構に関する。
特許文献1には、車両に設けられる静油圧式無段変速機が開示されている。当該静油圧式無段変速機は、斜板形可変容量油圧ポンプの斜板の傾転角を走行レバーの操作によって変更することにより出力軸の回転数および回転方向を変更する斜板操作装置を備える。当該斜板操作装置は、車両の左右の走行装置のそれぞれに対応する、一対の油圧ポンプのそれぞれが備える斜板の傾斜角を変更する、一対の機械式連動機構を備える。
特開2015-81009号公報
近年では、作業機について、コンポーネントの軽量化が推進されている。しかしながら、一般的に、筐体の厚さを薄くすることにより静油圧式無段変速機などの、油圧ポンプを備える油圧機構を軽量化した場合、当該油圧機構における油圧ポンプの入力周波数と、当該油圧機構の固有振動数とが近くなる場合がある。入力周波数とは、例えば油圧ポンプが備えるロータリーの回転数である。入力周波数は、負荷などに応じた入力周波数領域内の値をとる。このような場合、油圧ポンプを駆動させることで、共振によって振動音が増大するおそれがある。
本発明の一態様は、軽量化した場合でも振動音を低減可能な油圧機構を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る油圧機構は、原動機からの動力が伝達される駆動軸に沿って配置され、前記動力を、油圧を介して駆動機構に伝達する油圧ポンプであって、吐出する油の量を変化させることが可能な第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプを収容したポンプ本体と、長軸が前記駆動軸の軸芯の方向に対して角度をなす方向に沿うように、前記ポンプ本体に配置された第1シリンダおよび第2シリンダと、前記第1および第2シリンダの内部にそれぞれに収容され、前記第1および第2油圧ポンプのそれぞれの油の吐出量を変化させる第1サーボピストンおよび第2サーボピストンとを備え、前記第1シリンダが有する長軸の中点と前記第2シリンダが有する長軸の中点とを結ぶ線分の方向は、前記駆動軸の軸芯の方向に対して角度をなしている。
上記の構成によれば、油圧機構の駆動軸の周りでのねじり振動の固有振動数は、第1シリンダが有する長軸の中点と第2シリンダが有する長軸の中点とを結ぶ線分の方向が駆動軸の軸芯の方向に対して角度をなしていない構成と比較して小さくなる。このため、上記角度をなしていない構成では入力周波数領域と固有振動数とが重複する場合であっても、上記角度をなす構成とすることで、当該固有振動数を油圧ポンプの入力周波数領域よりも低周波側へ移動させることができる。したがって、軽量化した場合でも振動音を低減可能な油圧機構を実現できる。
また、本発明の一態様に係る油圧機構において、前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における、前記駆動軸の軸芯と、前記第1または第2シリンダが有する長軸の中点との間の最短距離Bと、前記ポンプ本体の前記駆動軸に対して垂直な方向における幅Aとの関係は、下記(1)式
A×0.2≦B ・・・(1)
で表されることが好ましい。
上記の構成によれば、油圧機構の固有振動数が顕著に小さくなり、入力周波数領域から離されることになる。したがって、油圧機構において生じる振動音をさらに低減できる。
また、本発明の一態様に係る油圧機構において、前記第1または第2シリンダが有する長軸と、前記ポンプ本体が有する、前記駆動軸に沿った方向における軸の中点との最短距離Cと、前記第1または第2シリンダが有する長軸と前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における端部との間の距離Dとの関係は、下記(2)式
C/D≧1 ・・・(2)
で表されることが好ましい。
上記の構成によれば、油圧機構の固有振動数が顕著に小さくなり、入力周波数領域から離されることになる。したがって、油圧機構において生じる振動音をさらに低減できる。
また、本発明の一態様に係る油圧機構において、前記最短距離Bのうち、前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における軸芯と、前記第1シリンダが有する長軸の中点との間の最短距離をB1とし、前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における軸芯と、前記第2シリンダが有する長軸の中点との間の最短距離をB2とした場合、B1=B2であることが好ましい。
上記の構成によれば、油圧機構においてねじり振動が励起されやすくなることで、油圧機構の固有振動数がさらに小さくなり、入力周波数領域から離されることになる。したがって、油圧機構において生じる振動音をさらに低減できる。
また、本発明の一態様に係る油圧機構において、前記距離Dのうち、前記第1シリンダが有する長軸と前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における端部との間の距離をD1、前記第2シリンダが有する長軸と前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における端部との間の距離をD2とした場合、D1=D2であることが好ましい。
上記の構成によれば、油圧機構においてねじり振動が励起されやすくなることで、油圧機構の固有振動数がさらに小さくなり、入力周波数領域から離されることになる。したがって、油圧機構において生じる振動音をさらに低減できる。
また、本発明の一態様に係る作業機は、上記のいずれかの油圧機構を備える。
上記の構成によれば、油圧機構において生じる振動音を低減した作業機を実現できる。
本発明の一態様に係る油圧機構によれば、軽量化した場合でも振動音を低減可能な油圧機構を実現できる。
本発明の実施形態に係る作業機の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る油圧機構の構成を示す図である。 第1油圧ポンプおよび第1油圧モータの構成を模式的に示す断面図である。 第1サーボピストンによる可変斜板の角度の変更について説明するための図である。 ポンプ本体と、第1シリンダおよび第2シリンダとの位置関係の例を説明する図である。 ポンプ本体と、第1シリンダおよび第2シリンダとの位置関係の別の例を説明する図である。 本実施形態に係る油圧機構のモデルを示す図である。 比較例に係る油圧機構のモデルを示す図である。 単位力の作用点および方向、ならびに振動応答点および方向を示す図である。 本発明の実施形態に係る油圧機構の振動の固有モードを示す図である。 比較例の油圧機構の振動の固有モードを示す図である。 本発明の実施形態に係る油圧機構および比較例の油圧機構の、単位力の周波数と振動応答との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
(作業機100の構成)
本実施形態に係る油圧機構を搭載する対象となる機械は、特に限定されず、作業用機械、車両、船舶など、油圧機構が発生させた駆動力を利用する機械であればよい。本実施形態では、油圧機構を搭載する対象となる機械として、スキッドステアローダ型の作業機100を用いる。
図1は、作業機100の構成を示す図である。図1に示すように、作業機100は、左右一対の前車輪2および左右一対の後車輪3を有する機体4に運転部10と、作業装置20と、を備えている。
運転部10は、キャビン11を有するとともに、キャビン11の内部に運転座席と、複数の操作レバー(不図示)とを備えている。
作業装置20は、キャビン11を挟む位置に配置された左右一対のブーム21の先端にバケット22を備え、ブーム21を揺動昇降させるブームシリンダ23と、バケット22の揺動姿勢を設定するバケットシリンダ24とを備えている。
図1に示すように、作業機100は、原動機5を機体4の後部に備えている。原動機5は、例えばガソリンエンジン、LPG(Liquid Propane Gas)エンジンまたは電動モータであるが、これに限られない。また、作業機100は、原動機5の前側に配置された油圧機構1を備えている。油圧機構1は、作動油を外部へ供給する一対の油圧ポンプPとしての第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2を備える。油圧機構1の詳細な構成については後述する。
作業機100は、油圧機構1から供給される作動油により駆動される油圧モータM(駆動機構)を、前車輪2と後車輪3との間に備える。左右の油圧モータMは、第1油圧モータM1と第2油圧モータM2とによって構成されている。作業機100は、第1油圧モータM1および第2油圧モータM2の出力軸から、対応する前車輪2および後車輪3にチェーン(不図示)で駆動力を伝達するようになっている。
油圧機構1は、第1油圧モータM1および第2油圧モータM2に供給される作動油の量および流れる方向を、互いに独立して制御する。このため、第1油圧モータM1および第2油圧モータM2はそれぞれ、左右の前車輪2および後車輪3を互いに独立して正回転または逆回転させるように駆動させることが可能である。なお、作業機100は、上記構成に限らず、左右の油圧モータMが前車輪2または後車輪3の一方のみを駆動するようにしてもよい。
なお、作業機100が前車輪2と後車輪3とを備えている構成に代えて、機体4の左右にクローラ走行装置を備え、左右のクローラ走行装置を各別に駆動するように、機体4の左右に油圧モータMを備えてもよい。
(油圧機構1の構成)
図2は、本発明の実施形態に係る油圧機構1の構成を示す図である。図2においては、油圧機構1の底面図が符号2001に示され、斜視図が符号2002に示されている。
図2に示すように、油圧機構1は、ポンプ本体30と、第1シリンダ31aと、第2シリンダ31bと、第1サーボピストン32aと、第2サーボピストン32bとを備える。ポンプ本体30は、上述した第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2を収容する。第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2は、原動機5からの動力が伝達される駆動軸12に沿って配置され、原動機5からの動力を、油圧を介して油圧モータM(図1参照)に伝達する。
第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2は、それぞれ第1サーボピストン32aまたは第2サーボピストン32bの動作により、吐出する油の量を変化させることが可能なように構成されている。第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2の詳細な構成については、後述する。
第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bは、これらの長軸が駆動軸12の軸芯Xの方向に対して角度をなす方向に沿うように、ポンプ本体30に配置されている。本実施形態では、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bは、駆動軸12の軸芯Xの方向に対して垂直な方向(90度の角度をなす方向)に沿って、ポンプ本体30に配置されている。ただし、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bは、駆動軸12の軸芯Xの方向に対して垂直な方向とは異なる方向に沿って、ポンプ本体30に配置されていてもよい。
第1サーボピストン32aおよび第2サーボピストン32bは、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bの内部にそれぞれ収容されている。第1サーボピストン32aおよび第2サーボピストン32bは、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2のそれぞれの油の吐出量を変化させる。第1サーボピストン32aおよび第2サーボピストン32bは、それぞれ駆動軸12の軸芯Xの方向と交差する方向の動作軸芯(第1シリンダ軸芯)Y1および動作軸芯(第2シリンダ軸芯)Y2に沿って動作する。本実施形態では、動作軸芯Y1および動作軸芯Y2は、軸芯Xに対して垂直であり、動作軸芯Y1および動作軸芯Y2は互いに平行である。第1シリンダ31aは、長軸が動作軸芯Y1と同軸芯になるように配置されている。第2シリンダ31bは、長軸が動作軸芯Y2と同軸芯になるように配置されている。
第1シリンダ31aは、第1油圧ポンプP1の斜板角を制御する機能を有するものであり、軸芯Xに直交する方向視(図2の符号2001に示す底面視)において第1油圧ポンプP1と一部重複する位置に配置される。これと同様に、第2シリンダ31bは、第2油圧ポンプP2の斜板角を制御する機能を有するものであり、軸芯Xに沿う方向視(図2の符号2001に示す底面視)において第2油圧ポンプP2と一部重複する位置に配置される。
図3は、第1油圧ポンプP1および第1油圧モータM1の構成を模式的に示す断面図である。第2油圧ポンプP2も第1油圧ポンプP1と同様の構成を有する。第2油圧モータM2も第1油圧モータM1と同様の構成を有する。
図3に示すように、第1油圧ポンプP1は、シリンダユニット40A、第1ピストン41、第2ピストン42、および可変斜板45を備える。シリンダユニット40Aは、第1ピストン41および第2ピストン42が挿入されるシリンダ部を有する筐体である。シリンダユニット40Aは、駆動軸12と一体に回転する。第1ピストン41および第2ピストン42は、シリンダユニット40Aのシリンダ部に挿入されて第1油室41aおよび第2油室42aを形成するピストンである。第1ピストン41および第2ピストン42の移動方向は、駆動軸12に平行である。また、第1ピストン41および第2ピストン42は、動作軸芯Y1および動作軸芯Y2を含む平面に垂直な方向から見た場合において、駆動軸12に対して互いに逆に位置する。可変斜板45は、中央に駆動軸12が貫通する開口を有する円板状の部材である。図3では、可変斜板45は、2つの部材であるように見えるが、実際には1つの円板状の部材である。可変斜板45には第1ピストン41および第2ピストン42が当接する。
図3に示すように、第1油圧モータM1は、シリンダユニット40B、第3ピストン43、第4ピストン44、固定斜板46、および出力軸47を備える。シリンダユニット40Bは、第3ピストン43および第4ピストン44が挿入されるシリンダ部を有する筐体である。第3ピストン43および第4ピストン44は、シリンダユニット40Bのシリンダ部に挿入されて第3油室43aおよび第4油室44aを形成するピストンである。第3油室43aは、第2油室42aと連通している。第4油室44aは、第1油室41aと連通している。固定斜板46は、中央に出力軸47が貫通する開口を有する円板状の部材である。固定斜板46には第3ピストン43および第4ピストン44が当接する。出力軸47はシリンダユニット40Bと一体に回転する軸である。
図3に示した状態から、原動機からの動力により駆動軸12およびシリンダユニット40Aが回転すると、第2ピストン42は、可変斜板45に当接しながらシリンダユニット40Aに押し込まれる。このため、第2油室42a内の油に、第3油室43a内へ向かう流れが生じる。当該流れにより、第3ピストン43は、固定斜板46に当接しながら、第3油室43aが拡張される方向に移動する。その結果、シリンダユニット40Bおよび出力軸47が回転する。
シリンダユニット40Bおよび出力軸47が回転することで、第4ピストン44は、固定斜板46に当接しながらシリンダユニット40Bに押し込まれる。このため、第4油室44a内の油に、第1油室41aへ向かう流れが生じる。当該流れにより、第1ピストン41は、第1油室41aが拡張される方向に移動し、駆動軸12およびシリンダユニット40Aが回転しても可変斜板45に当接した状態となる。
油圧ポンプPにおいては、斜板角が軸芯Xに対して直交する中立姿勢に設定されることで、作動油の吐出が停止する。また、油圧ポンプPにおいては、中立姿勢を基準に斜板角が一方に向けて増大することで、油圧モータMに対し作業機100を前進させる方向に供給される作動油の油量が増大する。また、油圧ポンプPにおいては、中立姿勢を基準に斜板角が他方に向けて増大することで、作業機100を後進させる方向に供給される作動油の油量が増大する。
(斜板角の変更)
図4は、第1サーボピストン32aによる可変斜板45の角度の変更について説明するための図である。第2サーボピストン32bによる可変斜板45の角度の変更についても同様である。図4の符号4001は、第1シリンダ31aおよび第1サーボピストン32aを、動作軸芯Y1を含む平面で切断した断面を示す図である。図4の符号4002は、第1シリンダ31aおよび第1サーボピストン32aを、動作軸芯Y1に垂直な平面で切断した断面を示す図である。図4に示す第1サーボピストン32aの構成は、あくまで一例であり、油圧機構1が備え得る第1サーボピストン32aの構成は特に限定されない。
図4の符号4001および4002に示すように、第1サーボピストン32aの外周部に斜板操作溝36が形成されている。斜板操作溝36は、第1サーボピストン32aの全周にわたって形成され、環状溝になっている。可変斜板45の上部から被操作突部45aが上向きに突設されている。可変斜板45は、被操作突部45aの移動に応じて、所定の傾動支点Zを中心とする円弧経路に沿って移動するように構成されている。
被操作突部45aの上端部が斜板操作溝36に係入され、第1サーボピストン32aと可変斜板45とが連係されている。このため、第1サーボピストン32aを移動させることで、可変斜板45の角度を変更できる。上述したとおり、可変斜板45の角度、すなわち斜板角に応じて、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2のそれぞれの油の吐出量が変化する。すなわち、第1サーボピストン32aおよび第2サーボピストン32bは、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2のそれぞれの油の吐出量を変化させる。
(シリンダの位置関係)
図2に示すように、油圧機構1において、第1シリンダ31aが有する長軸の中点C1と第2シリンダ31bが有する長軸の中点C2とを結ぶ線分Lの方向は、軸芯Xの方向に対して角度をなしている。このため、油圧機構1の、軸芯Xの周りでのねじり振動に対する剛性は、線分Lが軸芯Xの方向に対して角度をなしていない場合と比較して低下する。すなわち、当該ねじり振動についての固有振動数が小さくなる。
本願発明者らは、(i)ポンプ本体30の体積Pと第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bの個々の体積QとがP×0.02≦Qを満たし、かつ、(ii)ポンプ本体30の材質密度Sと第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bの材質密度TとがS×0.7≦T≦S×1.3を満たす場合における、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bとポンプ本体30との好ましい位置関係を見出した。
図5は、ポンプ本体30と、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bとの位置関係の例を説明する図である。図5に示すように、ポンプ本体30の駆動軸12に沿った方向における、
(i)駆動軸12の軸芯Xと、第1シリンダ31aまたは第2シリンダ31bが有する長軸の中点C1またはC2との間の最短距離Bと、
(ii)ポンプ本体30の駆動軸12に対して垂直な方向における幅Aと、
の関係は、下記(1)式
A×0.2≦B ・・・(1)
で表されることが好ましい。上記(1)式を満たす油圧機構1によれば、上記(1)式を満たさない油圧機構と比べて、固有振動数を少ないほうにシフトすることができる。したがって、油圧機構1において生じる振動音をさらに低減できる。
なお、第1シリンダ31aについての最短距離BをB1、第2シリンダ31bについての最短距離BをB2とした場合、B1とB2とは互いに異なっていてもよい。ただし、B1=B2であることが好ましい。この場合、油圧機構1において、上述したねじり振動が励起されやすくなるため、油圧機構1の固有振動数がさらに小さくなる。したがって、油圧機構1において生じる振動音をさらに低減できる。
図6は、ポンプ本体30と、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bとの位置関係の別の例を説明する図である。(i)第1シリンダ31aまたは第2シリンダ31bが有する長軸と、ポンプ本体30が有する、駆動軸12に沿った方向における軸の中点C3との最短距離Cと、(ii)第1シリンダ31aまたは第2シリンダ31bが有する長軸とポンプ本体30の駆動軸に沿った方向における端部との間の距離Dとの関係は、下記(2)式
C/D≧1 ・・・(2)
で表されることが好ましい。上記(2)式を満たす油圧機構1によれば、上記(2)式を満たさない油圧機構と比べて、固有振動数を少ないほうにシフトさせることができる。したがって、油圧機構1において生じる振動音をさらに低減できる。
なお、第1シリンダ31aについての距離DをD1、第2シリンダ31bについての距離DをD2とした場合、D1とD2とは互いに異なっていてもよい。ただし、D1=D2であることが好ましい。この場合、油圧機構1において、上述したねじり振動が励起されやすくなるため、油圧機構の固有振動数がさらに小さくなる。したがって、油圧機構において生じる振動音をさらに低減できる。
図5および図6に示すように、本実施形態では動作軸芯Y1およびY2は互いに平行となるように構成されている。ただし動作軸芯Y1およびY2は必ずしも平行である必要はない。動作軸芯Y1およびY2のなす角が45°以下であれば、上述したとおり第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bを配置することで、上記の効果を奏する。
(モデルによる検証)
図7は、本実施形態に係る油圧機構1のモデルを示す図である。図7において、符号7001は斜視図、符号7002は側面図、符号7003は底面図である。図8は、比較例に係る油圧機構9のモデルを示す図である。図8において、符号8001は斜視図、符号8002は側面図、符号8003は底面図である。
図7および図8に示すように、油圧機構1および油圧機構9のモデルは、駆動軸12の軸芯Xの方向を長手方向とする直方体形状のポンプ本体30に、円筒形状の第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bが取り付けられた形状を有する。第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bは、ポンプ本体30の、長手方向に平行な1つの側面の、長手方向における両端に取り付けられている。ポンプ本体30は、当該ポンプ本体30を長手方向に2分割する仕切り板30aを備える。軸芯Xは、仕切り板30aの中心を通る。
図2と同様、図7に示した油圧機構1において、中点C1および第1シリンダ31aが有する長軸の中点C1と第2シリンダ31bが有する長軸の中点C2とを結ぶ線分Lの方向は、軸芯Xの方向に対して角度をなしている。図7に示したモデルにおいては、軸芯Xに垂直な方向におけるポンプ本体30の幅は150mmである。また、軸芯Xと、第1シリンダ31aまたは第2シリンダ31bが有する長軸の中点C1またはC2との間の最短距離は、50mmである。したがって、図7に示したモデルは上記(1)式を満たす。また、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bはそれぞれ、ポンプ本体30の端部に位置する。すなわち、第1シリンダ31aまたは第2シリンダ31bが有する長軸とポンプ本体30の駆動軸に沿った方向における端部との間の距離Dは0であり、上記(2)式を満たす。ポンプ本体30の体積Pは1.86×10mm、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bの個々の体積Qは4.12×10mmであり、P×0.02≦Qを満たす。また、ポンプ本体30の材質密度Sと第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bの材質密度Tとは同じであり、S×0.7≦T≦S×1.3を満たす。
油圧機構9においては、油圧機構1とは異なり、第1シリンダ31aが有する長軸の中点C1と第2シリンダ31bが有する長軸の中点C2とを結ぶ線分Lの方向は、軸芯Xの方向と一致しており、角度をなさない。ポンプ本体30、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bの体積および材質密度については、油圧機構1と同様である。
図7および図8に示したモデルにおいて、所定の作用点に単位力を作用させ、所定の振動応答点に現れる応答を検証するシミュレーションを行った。
図9は、油圧機構1および油圧機構9のそれぞれにおける単位力の作用点FPおよび方向、ならびに振動応答点RPおよび方向を示す図である。図9においては、油圧機構1における単位力の作用点FPおよび方向、ならびに振動応答点RPおよび方向が、符号9001で示されている。また、油圧機構9における単位力の作用点FPおよび方向、ならびに振動応答点RPおよび方向が、符号9002で示されている。
単位力の作用点FPは、仕切り板30aの中心、すなわち軸芯Xと仕切り板30aとの交点である。単位力の方向は、矢印FDで示す、仕切り板30aに垂直、かつ第1シリンダ31aから第2シリンダ31bへ向かう方向である。振動応答点RPは、第1シリンダ31aの一端に位置する点である。油圧機構1においては、当該一端は、ポンプ本体30から離隔した側の一端である。振動の方向は、矢印RDで示す、単位力の方向に垂直、かつポンプ本体30から離隔する方向である。
油圧機構1および油圧機構9のそれぞれについて、作用点FPに対して矢印FDの方向に単位力を所定の周波数で作用させた場合における、振動応答点RPにおいて矢印RDの方向に表れる振動応答について、シミュレーションを行った。
図10は、油圧機構1の振動の固有モードを示す図である。図10においては、油圧機構1の振動による当該油圧機構1の形状の変化が符号10001~10003に示されている。図11は、油圧機構9の振動の固有モードを示す図である。振動の固有モードは、油圧機構1および9の、剛性および質量、ならびに振動の減衰のされやすさなどのバランスによって決定される。図11においては、油圧機構9の振動による当該油圧機構9の形状の変化が符号11001~11003に示されている。図10および図11に示すように、油圧機構1および油圧機構9のそれぞれにおける振動の固有モードは、いずれも軸芯Xの周りでのねじり振動のモードであった。
図12は、油圧機構1および油圧機構9の、単位力の周波数と振動応答との関係を示すグラフである。図12において横軸は単位力の周波数、縦軸は伝達関数を示す。図12における伝達関数は、振動応答点RPに生じた加速度の大きさを、作用点FPに加えた単位力の大きさで割った値である。すなわち、伝達関数は、単位力の作用点から応答点(評価点)まで、力をどれだけ伝えるかの倍率を示すものである。図12においては、油圧機構1の振動応答が実線で、油圧機構9の振動応答が破線で、それぞれ示されている。また、図12においては、油圧機構1および油圧機構9の入力周波数領域(共通)が網掛けで示されている。
シミュレーションにおいて、油圧機構9の伝達関数がピークを示す振動数は1360Hzであった。一方、油圧機構1の伝達関数がピークを示す振動数は1187Hzであった。すなわち、油圧機構1においては、油圧機構9と比較して伝達関数のピークが低周波側へシフトしていた。
なお、上記のシミュレーション結果は一例に過ぎない。第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2の入力周波数領域は機種により異なる。また、油圧機構1の固有振動数は、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bの位置関係だけでなく、油圧機構1を構成する部材の材質などによっても異なる。このため、油圧機構1の設計時には、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2の入力周波数領域、および、油圧機構1を構成する部材の材質なども考慮した上で、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bの位置関係を決定すればよい。
(油圧機構1の効果)
一般に、油圧機構においては、ポンプで作用力が発生し、当該作用力に起因する振動が本体からハウジングへ伝搬される。振動がハウジングの壁面から放射されて空気中を伝搬し、周囲の人間の耳に届くことで、当該周囲の人間が振動音を騒音として感じる。
油圧機構の振動音を低減する方法の1つとして、油圧機構の剛性を向上させることが挙げられる。この場合、油圧機構の固有振動数を高周波側へシフトさせることで、油圧機構の入力周波数領域を外れさせることができる。しかしながら、油圧機構の剛性を向上させる場合には、当該油圧機構の重量が増大するという問題が生じる。したがって、この方法では、近年の作業機の開発におけるトレンドとなっている、コンポーネントの軽量化に逆行することとなる。
油圧機構1においては、第1シリンダ31aおよび第2シリンダ31bを上記のとおり配置することで、軸芯Xの周りでねじれやすくし、伝達関数のピークを低周波側へシフトさせている。これにより、油圧機構1においては、油圧ポンプで発生した振動がハウジングへ伝搬されにくくなる。したがって、油圧機構1によれば、軽量化した場合でも振動音を低減可能な油圧機構を実現できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 油圧機構
12 駆動軸
30 ポンプ本体
31a 第1シリンダ
31b 第2シリンダ
32a 第1サーボピストン
32b 第2サーボピストン
100 作業機
M1 第1油圧モータ(駆動機構)
M2 第2油圧モータ(駆動機構)
P1 第1油圧ポンプ
P2 第2油圧ポンプ

Claims (6)

  1. 原動機からの動力が伝達される駆動軸に沿って配置され、前記動力を、油圧を介して駆動機構に伝達する油圧ポンプであって、吐出する油の量を変化させることが可能な第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプを収容したポンプ本体と、
    長軸が前記駆動軸の軸芯の方向に対して角度をなす方向に沿うように、前記ポンプ本体に配置された第1シリンダおよび第2シリンダと、
    前記第1および第2シリンダの内部にそれぞれ収容され、前記第1および第2油圧ポンプのそれぞれの油の吐出量を変化させる第1サーボピストンおよび第2サーボピストンとを備え、
    前記第1シリンダが有する長軸の中点と前記第2シリンダが有する長軸の中点とを結ぶ線分の方向は、前記駆動軸の軸芯の方向に対して角度をなしている油圧機構。
  2. 前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における、前記駆動軸の軸芯と、前記第1または第2シリンダが有する長軸の中点との間の最短距離Bと、前記ポンプ本体の前記駆動軸に対して垂直な方向における幅Aとの関係は、下記(1)式
    A×0.2≦B ・・・(1)
    で表される請求項1に記載の油圧機構。
  3. 前記第1または第2シリンダが有する長軸と、前記ポンプ本体が有する、前記駆動軸に沿った方向における軸の中点との最短距離Cと、前記第1または第2シリンダが有する長軸と前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における端部との間の距離Dとの関係は、下記(2)式
    C/D≧1 ・・・(2)
    で表される請求項1または2に記載の油圧機構。
  4. 前記最短距離Bのうち、前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における、前記駆動軸の軸芯と、前記第1シリンダが有する長軸の中点との間の最短距離をB1とし、前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における、前記駆動軸の軸芯と、前記第2シリンダが有する長軸の中点との間の最短距離をB2とした場合、B1=B2である請求項2に記載の油圧機構。
  5. 前記距離Dのうち、前記第1シリンダが有する長軸と前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における端部との間の距離をD1、前記第2シリンダが有する長軸と前記ポンプ本体の前記駆動軸に沿った方向における端部との間の距離をD2とした場合、D1=D2である請求項3に記載の油圧機構。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の油圧機構を備える作業機。
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