JP2022021702A - 射出成形用金型装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形品のばらつきが抑制された射出成形用金型装置を提供する。【解決手段】可動型40及び固定型30がステータコア100を挟持しつつ閉じた型閉じ状態で、ディスクゲート34を介してキャビティC内に充填された樹脂を硬化させる射出成形用金型装置であって、前記可動型側に設けられ、前記固定型に向けて進退自在に支持されており、前記ステータコアの内周に嵌る円柱状の支持部45と、前記可動型側に設けられ、前記支持部を前記固定型側に付勢する付勢部材47と、前記支持部及び固定型の一方に設けられ、前記支持部及び固定型の他方に向けて突出した突出部50と、を備え、前記突出部は、前記型閉じ状態において前記付勢部材の付勢力により前記他方に圧接しており、前記型閉じ状態において前記ディスクゲートから前記キャビティ内への樹脂の流通を阻害しないように前記ディスクゲート内の一部分に位置している、射出成形用金型装置。【選択図】図1
Description
本発明は、射出成形用金型装置に関する。
射出成形用金型装置を用いてステータコアを樹脂封止する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ステータコアは、製造工程において厚みのばらつきが生じる場合がある。ステータを樹脂で封止する際に、ステータコアの厚みのばらつきに起因してディスクゲートの厚みにもばらつきが生じる場合がある。この場合、これに起因してキャビティ内に流入する溶融樹脂の流速にもばらつきが生じ、成形品のばらつきの原因となる可能性がある。
そこで本発明は、成形品のばらつきが抑制された射出成形用金型装置を提供することを目的とする。
上記目的は、可動型及び固定型がステータコアを挟持しつつ閉じた型閉じ状態で、ディスクゲートを介してキャビティ内に充填された樹脂を硬化させることで、前記ステータコアを樹脂封止する射出成形用金型装置であって、前記可動型側に設けられ、前記固定型に向けて進退自在に支持されており、前記ステータコアの内周に嵌る円柱状の支持部と、前記可動型側に設けられ、前記支持部を前記固定型側に付勢する付勢部材と、前記支持部及び固定型の一方に設けられ、前記支持部及び固定型の他方に向けて突出した突出部と、を備え、前記突出部は、前記型閉じ状態において前記付勢部材の付勢力により前記他方に圧接しており、前記型閉じ状態において前記ディスクゲートから前記キャビティ内への樹脂の流通を阻害しないように前記ディスクゲート内の一部分に位置している、射出成形用金型装置によって達成できる。
本発明によれば、成形品のばらつきが抑制された射出成形用金型装置を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
図1は、本実施の形態に係る射出成形用金型装置1の断面図である。射出成形用金型装置1は、固定側ダイベース10、可動側ダイベース20、固定型30、可動型40、及び分流子50等を有している。固定型30及び可動型40は、それぞれ固定側ダイベース10及び可動側ダイベース20に固定されている。固定側ダイベース10は、不図示の基台に固定されている。可動側ダイベース20は、不図示の駆動装置により、中心軸Aに沿って固定側ダイベース10に接近及び離間するように移動可能に構成されている。これにより、可動型40は固定型30に対して中心軸Aの方向に接近及び離間する。尚、図1においては、可動型40に設けられている押出ピンやその駆動装置等の図示は省略してある。
射出成形用金型装置1は、コイル110が取り付けられたステータコア100を樹脂で封止する樹脂封止工程において用いられる。図1は、円筒状のステータコア100を固定型30及び可動型40により挟持して固定型30及び可動型40が閉じた型閉じ状態を示している。
固定型30は、挟持部31、窪み部32、注入部33、及びゲート部34を有している。挟持部31は、固定型30の外周縁側から円筒状に可動型40側に突出している。挟持部31の下端面がステータコア100の外周側の上面に接触する。窪み部32は、挟持部31よりも中央側に位置して可動型40側から退避するように窪んでいる。注入部33は、中心軸Aに沿って設けられている。ゲート部34は、窪み部32よりも中心側に位置して窪み部32よりも可動型40から退避するように窪んでいる。固定側ダイベース10には、注入部33からの樹脂の注入を許容するための開口部13が形成されている。また、ゲート部34には、一部に複数の分流子50が固定されている。分流子50は、固定型30から可動型40側に突出するように設けられている。分流子50については詳しくは後述する。
可動型40は、挟持部41、窪み部42、及び開口部43を有している。挟持部41は、可動型40の外周縁側から円筒状に固定型30側に突出している。挟持部41の上端面はステータコア100の外周側の下面を支持する。窪み部42は、挟持部41よりも中央側に位置して固定型30から退避するように窪んでいる。開口部43は、中心軸Aを中心として円形状に形成され、その内周面に、後述するセンターポスト45の外周面が中心軸Aの方向で摺接する。
開口部43により露出した可動側ダイベース20の上面には、円柱状のセンターポスト45が中心軸Aの方向に移動自在に支持されている。換言すれば、センターポスト45は可動型40側で、固定型30に対して進退自在に支持されている。センターポスト45と可動側ダイベース20との間には、コイル状のバネ47が複数設けられている。バネ47の一端はセンターポスト45に固定され、他端は可動側ダイベース20に固定されている。即ち、センターポスト45はバネ47により固定型30側に付勢されている。バネ47は付勢部材の一例である。センターポスト45は、ステータコア100の内周に嵌合して支持しており、中心軸Aに直交する平面方向でのステータコア100の位置を規定している。センターポスト45は、支持部の一例である。
図1に示した型閉じ状態では、固定型30の挟持部31及び可動型40の挟持部41によりステータコア100の外周部近傍が挟持され、これによりステータコア100の中心軸Aの方向での位置が規定される。また、型閉じ状態では、キャビティCが、固定型30の窪み部32、可動型40の窪み部42、ステータコア100及びコイル110の上面、ステータコア100及びコイル110の下面、ステータコア100の内周面、及びセンターポスト45の外周面により画定される。
型閉じ状態で注入部33から溶融樹脂が注入されると、中心軸Aを中心としてセンターポスト45の頂面上で、分流子50の両側面を通過するように放射状に流れてキャビティC内に流入する。キャビティC内に充填された溶融樹脂が硬化することにより、ステータコア100はコイル110と共に樹脂封止される。この際、ゲート部34とゲート部34に対向するセンターポスト45の頂面と複数の分流子50との間でディスクゲートが形成される。
図2A及び図2Bは、ディスクゲートの説明図である。図2A及び図2Bには、複数の分流子50を示している。また、図2A及び図2Bにおいて、樹脂Mはハッチングを付して示している。図2Aはディスクゲートを中心軸Aに沿って上方から見た場合を示しており、図2Bはディスクゲートを斜め上方から見た場合を示している。尚、図2A及び図2Bでは一部分を簡略化して示している。
図2A及び図2Bに示すように、分流子50はディスクゲート内に4つ配置されており、4つの分流子50は中心軸Aを中心として等角度間隔で配置されている。また、分流子50は径方向を長手方向とするように中心軸Aを中心として放射状に配置されている。分流子50は、図2Aに示すように、中心軸A側の基端から径方向外側の先端にかけて、中心軸Aに垂直な幅が拡大し、途中で幅が徐々に狭くなるようにテーパー状に形成されているがこれに限定されない。このように複数の分流子50が所定の間隔をあけて配置されているため、樹脂Mの流通を妨げることはない。
図1に示した型閉じ状態では、ゲート部34に固定された分流子50とセンターポスト45とがバネ47の付勢力により圧接した状態にある。このような構成について、比較例を参照して説明する。
図3A及び図3Bは比較例の説明図である。比較例の射出成形用金型装置1xでは、上述した本実施の形態である射出成形用金型装置1とは異なり、センターポスト45xは進退不能に可動側ダイベース20上に固定されている。また、図3Aは、中心軸Aの方向での厚みがL+ΔLであるステータコア100を示しており、図3Bでは、中心軸Aの方向での厚みがLであるステータコア100aを示している。ステータコア100及び100aはそれぞれ、複数枚の圧延鋼板を積層して形成されているため、このように厚みにばらつきが生じる場合がある。例えば図3Aに示したステータコア100の厚みL+ΔLは最大許容寸法であり、図3Bに示したステータコア100aの厚みLはノミナル寸法である。
図3Aの場合での中心軸Aの方向でのディスクゲートの先端に相当する厚みをt+ΔLとすると、図3Bのステータコア100aではステータコア100よりもΔLだけ厚みが薄いため、図3Bの場合でのディスクゲートの先端の厚みはtとなる。このように比較例ではステータコア100及び100aの厚みの相違に起因してディスクゲートの厚みにばらつきが生じる。このため、ディスクゲートを流れる樹脂の流速にもばらつきが生じ、キャビティC内に流入する樹脂の流速にもばらつきが生じる。この結果、一部の成形品にボイドや湯じわ等が生じて、成形品の品質にばらつきが生じる可能性がある。
図4A及び図4Bは、本実施の形態の説明図である。図4A及び図4Bは、それぞれ図3A及び図3Bに示した場合と同様に、厚みL+ΔLのステータコア100と厚みLのステータコア100aとを示している。ここで、分流子50は、ディスクゲートの先端に相当する部分の厚みがt+ΔLとなるように設定されている。この場合、図4Bに示すようにステータコア100aの厚みがLの場合であっても、分流子50によりディスクゲートの先端の厚みはt+ΔLに保つことができる。即ち、図4Bでは図4AよりもΔLの分だけバネ47が縮んでセンターポスト45が固定型30側から離れるように後退したことを示す。このように分流子50により、ステータコア100及び100aの厚みによらずに、ディスクゲートの先端の厚みを一定に維持することができる。このため、キャビティC内に流入する樹脂の流速のばらつきを抑制し、成形品のばらつきも抑制できる。
分流子50は例えば金属製であるが、上述したように型閉じ状態でのバネ47からの付勢力への耐久性があり、高熱の溶融樹脂に対して耐熱性があり、成形後の樹脂の剥離が容易であれば特に限定されない。
センターポスト45の中心軸Aの方向での進退可能な距離は、ステータの厚みの最大許容寸法と最小許容寸法の差分以上であることが好ましい。ステータコアの厚みが最大許容寸法又は最小許容寸法のいずれであっても、ディスクゲートの先端の厚みを一定に維持することができるからである。
上記実施の形態では、分流子50が固定型30のゲート部34に固定されている例を説明したが、これに限定されず、分流子50が固定型30に同一材料により一体成形されていてもよい。また、例えば分流子50がセンターポスト45の頂面に固定されていてもよいし、分流子50がセンターポスト45に同一材料により一体成形されていてもよい。この場合、分流子50は可動型40側から固定型30側に突出するように設けられていることになる。
上記実施の形態は、分流子50は4つ設けられていたがこれに限定されず、一つであってもよい。但し、型閉じ状態でセンターポスト45に作用する力がアンバランスとならないように、分流子50は中心軸Aを中心として対称となる位置に複数設けられていることが好ましい。また上記の実施の形態では、複数の分流子50は中心軸Aを中心として等角度間隔に配置されており、これに限定されないが、上述したように型閉じ状態でセンターポスト45に作用する力を考慮して等角度間隔で配置されていることが好ましい。
分流子50の形状は図2A及び図2Bに示したものに限定されない。例えば中心軸A側の基端から径方向外側の先端にかけて、中心軸Aに直交する幅が一定であってもよいし、徐々に又は段階的に拡大又は縮小するような形状であってもよい。尚、樹脂の流動性を考慮して圧損が生じにくい形状であることが好ましい。
センターポスト45は、単一の部材だが、複数の部材から構成されていてもよい。例えば、円柱状の部材をその中心軸から放射状に分割した複数の部材により構成されていてもよい。
また、バネ47の数も限定されないが、センターポスト45が傾かないように中心軸Aの周りに複数配置されていることが好ましい。また、付勢部材の一例としてコイル状のバネ47を例示したが、これに限定されず例えば板バネを用いてもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 射出成形用金型装置
10 固定側ダイベース
20 可動側ダイベース
30 固定型
31、41 挟持部
32、42 窪み部
33 注入部
34 ゲート部
40 可動型
45 センターポスト(支持部)
47 バネ(付勢部材)
50 分流子(突出部)
100 ステータコア
110 コイル
C キャビティ
10 固定側ダイベース
20 可動側ダイベース
30 固定型
31、41 挟持部
32、42 窪み部
33 注入部
34 ゲート部
40 可動型
45 センターポスト(支持部)
47 バネ(付勢部材)
50 分流子(突出部)
100 ステータコア
110 コイル
C キャビティ
Claims (1)
- 可動型及び固定型がステータコアを挟持しつつ閉じた型閉じ状態で、ディスクゲートを介してキャビティ内に充填された樹脂を硬化させることで、前記ステータコアを樹脂封止する射出成形用金型装置であって、
前記可動型側に設けられ、前記固定型に向けて進退自在に支持されており、前記ステータコアの内周に嵌る円柱状の支持部と、
前記可動型側に設けられ、前記支持部を前記固定型側に付勢する付勢部材と、
前記支持部及び固定型の一方に設けられ、前記支持部及び固定型の他方に向けて突出した突出部と、を備え、
前記突出部は、前記型閉じ状態において前記付勢部材の付勢力により前記他方に圧接しており、前記型閉じ状態において前記ディスクゲートから前記キャビティ内への樹脂の流通を阻害しないように前記ディスクゲート内の一部分に位置している、射出成形用金型装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020125463A JP2022021702A (ja) | 2020-07-22 | 2020-07-22 | 射出成形用金型装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020125463A JP2022021702A (ja) | 2020-07-22 | 2020-07-22 | 射出成形用金型装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022021702A true JP2022021702A (ja) | 2022-02-03 |
Family
ID=80220595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020125463A Pending JP2022021702A (ja) | 2020-07-22 | 2020-07-22 | 射出成形用金型装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2022021702A (ja) |
-
2020
- 2020-07-22 JP JP2020125463A patent/JP2022021702A/ja active Pending
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