JP2002283353A - 金型装置 - Google Patents

金型装置

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JP2002283353A
JP2002283353A JP2001088744A JP2001088744A JP2002283353A JP 2002283353 A JP2002283353 A JP 2002283353A JP 2001088744 A JP2001088744 A JP 2001088744A JP 2001088744 A JP2001088744 A JP 2001088744A JP 2002283353 A JP2002283353 A JP 2002283353A
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cavity
mold
cooling
cooling passage
fixed
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JP2001088744A
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Yoshinobu Takeda
与志信 武田
Toshihiro Kayahara
敏裕 茅原
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却能率を低下させることなく、冷却通路に
起因するキャビティ形成面の変形を抑制し、高精度の成
形ができるようにする。 【解決手段】 光ディスクの基板成形用のキャビティ13
を形成する鏡面板26,44内に冷却通路36,61を凹溝によ
り形成する。この冷却通路36,61は、キャビティ13全体
と同心の複数の円環状部を有している。これら円環状部
の内周部または外周部に、それぞれ型開閉方向に延びる
凸条からなる複数の補強用リブ79,69を形成する。これ
により、冷却通路36,61のある鏡面板26,44の剛性が高
まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ディスク
を樹脂により成形するのに利用される金型装置に係わ
り、特に、冷却用流体を通す冷却通路の構成に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】CD(コンパクトディ
スク)やDVD(デジタルビデオディスク)などの光デ
ィスクは、その基板が一般的に樹脂により射出成形され
る。射出成形では、例えば、金型装置の型体である固定
型と可動型とを型閉してこれら固定型および可動型間に
光ディスクの基板などの製品形状をしたキャビティを形
成し、射出成形機から射出した溶融した熱可塑性樹脂を
キャビティ内に充填し、このキャビティ内に充填された
樹脂すなわち製品が冷却した後、固定型と可動型とを型
開して、成形された製品を取り出す。前述のように、製
品すなわちキャビティ内の樹脂は冷却してから取り出さ
なければならないが、キャビティ内の樹脂の冷却を速く
するために、このキャビティの近くに位置して固定型お
よび可動型内に孔状の冷却通路を形成し、この冷却通路
に水などの冷却用流体を通すようにしている。
【0003】図4は、光ディスクの基板の成形に用いら
れる金型部品の一つである鏡面板1の一例を示してい
る。この鏡面板1は、ほぼ円環状に形成されているが、
その図示上面がキャビティを形成するキャビティ形成面
2となっている。このキャビティ形成面2は、高精度に
鏡面仕上げされており、光ディスクの基板の一端面を形
成するものである。また、鏡面板1内には、そのキャビ
ティ形成面2と反対側の面に開口した凹溝により冷却通
路3が形成されている。この冷却通路3の開口は、鏡面
板1におけるキャビティ形成面2と反対側の面に固定さ
れる受け板(図示していない)により閉塞される。ま
た、この冷却通路3は、同心の複数の円環状または螺旋
状に形成されている。
【0004】ところで、キャビティ内に樹脂が充填され
たときには、このキャビティ内の樹脂により強い圧力が
かかるので、図4に鎖線で示すように、鏡面板1のキャ
ビティ形成面2は、わずかながら変形して撓みを生じ
る。なお、この撓みは、強調して図示してある。そし
て、凹溝状に形成された前記冷却通路3は、鏡面板1の
剛性を弱めるので、特に冷却通路3のある位置で鏡面板
1の剛性が低くなり、冷却通路3に対向する位置で他の
位置よりもキャビティ形成面2に撓みが生じやすい。加
えて、鏡面板1の内周部はもともと剛性が比較的高く、
また、外周部はもともと温度が高くならないこともあ
り、全体としては鏡面板1の内周部や外周部よりも半径
方向中間部すなわち冷却通路3が密となる部分で最も剛
性が低くなり、より大きな撓みが生じる。その結果、成
形された光ディスクの基板は、内周部や外周部よりも半
径方向中間部が厚くなる傾向を生じる。キャビティ形成
面2の撓みはわずかなものではあるが、光ディスクの基
板では、高精度が要求され、その板厚の誤差を例えば5
μm以内に抑えなければならないので、わずかな撓みで
も成形不良となりうる。
【0005】これに対して、鏡面板1の剛性を高めるに
は、冷却通路3を少なくしたり細くしたりすることが考
えられるが、単に冷却通路3を少なくしたり細くしたり
するのでは、冷却能率が低下する。冷却能率が低下すれ
ば、キャビティ内の樹脂を十分に冷却するのに時間がか
かるようになり、成形サイクルも長くなって、生産性が
低下する。
【0006】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、冷却能率を低下させることなく、冷却通
路に起因する型体のキャビティ形成面の変形を抑制で
き、高精度の成形ができる金型装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、互いに開閉し型閉時にキャビテ
ィを相互間に形成する複数の型体を備え、この型体内
に、前記キャビティを冷却する冷却用流体を通す孔状の
冷却通路を形成した金型装置において、前記冷却通路内
に補強用リブを形成したものである。
【0008】成形時には、複数の型体を型閉してこれら
型体間にキャビティを形成し、このキャビティに成形材
料を充填する。このキャビティ内に充填された成形材料
は、冷却通路内を冷却用流体が通ることにより積極的に
冷却される。そして、このキャビティ内の成形材料が冷
却して固化した後、複数の型体を型開して、キャビティ
内の成形材料すなわち成形された製品を取り出す。孔状
の冷却通路は、型体の剛性を弱める要因となるが、冷却
通路内に補強用リブが形成してあることにより、型体の
剛性が高められ、キャビティ内に充填された成形材料の
圧力に抗して、型体の変形、特にキャビティ形成面の変
形が抑制される。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明の金型
装置において、前記冷却通路は、同心の複数の環状また
は螺旋状であり、これら冷却通路の外周部または内周部
に一体的に前記補強用リブを形成したものである。
【0010】冷却通路が同心の複数の環状または螺旋状
であることにより、キャビティの冷却能率が向上すると
ともに、キャビティ全体を一様に冷却できるが、冷却通
路が同心の複数の環状または螺旋状であるにもかかわら
ず、冷却通路の外周部または内周部に一体的に補強用リ
ブを形成してあることにより、型体の剛性が高められ、
キャビティ形成面が変形しにくくなる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明の金型装置において、前記型体は、キャビティを形成
する鏡面板と、この鏡面板におけるキャビティと反対側
の面に固定された受け板とを備え、前記鏡面板内に、前
記受け板側の面に開口しこの開口が受け板により閉塞さ
れる凹溝によって前記冷却通路を形成し、この冷却通路
内に補強用リブを形成したものである。
【0012】このようにキャビティを形成するのが鏡面
板である場合、キャビティ形成面の変形の抑制は特に重
要である。また、冷却通路が鏡面板に形成された凹溝か
らなる場合、鏡面板の剛性が低下しやすいので、補強用
リブが特に効果的である。
【0013】請求項4の発明は、請求項1から3のいず
れかの発明の金型装置において、前記補強用リブは、前
記型体におけるキャビティを形成する面とほぼ直交する
方向に延びる凸条からなるものである。
【0014】キャビティ内に充填された成形材料の圧力
によって型体に加わる力は、キャビティを形成する面す
なわちキャビティ形成面と直交する方向に作用するの
で、補強用リブをキャビティ形成面とほぼ直交する方向
に延びる凸条とすれば、補強用リブを大きくすることな
く、キャビティ内の成形材料の圧力に効率よく抗するこ
とができる。そして、補強用リブを大きくする必要がな
いことにより、冷却通路内における冷却用流体の流れに
対する抵抗が大きくならず、冷却用流体の流量を確保で
きるので、冷却能率の低下を防止できる。さらに、冷却
通路はキャビティ形成面と直交する方向に深くすること
により、冷却通路の断面積を十分にとり、流体の流れ抵
抗を少なくすることが可能である。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明の金型装置の一実施例
について、図1および図2を参照しながら説明する。な
お、本実施例の金型装置は、DVDなどの光ディスクの
基板を射出圧縮成形するものである。図1において、11
は固定型、12は可動型で、型体であるこれら固定型11お
よび可動型12は、互いに図示上下方向(型開閉方向)に
移動して開閉し、型閉時に光ディスクの基板を形成する
キャビティ13を相互間に形成するものである。なお、こ
のキャビティ13の方向性の設定では、成形される光ディ
スクの基板の軸方向が型開閉方向と一致させてある。
【0016】前記固定型11は、固定側型板16と、この固
定側型板16における可動型12と反対側すなわちキャビテ
ィ13と反対側の面(図示上側の面)に固定された受け板
としての固定側取り付け板17とを備えている。この固定
側取り付け板17は、図示していない射出成形機の固定側
プラテンに取り付けられるものである。そして、固定側
取り付け板17の中央部には、射出成形機のノズルが接続
されるスプルーブッシュ18が固定されている。このスプ
ルーブッシュ18は、内部が材料通路であるスプルー19に
なっているが、固定側取り付け板17を貫通し、固定側型
板16側へ突出している。さらに、前記スプルーブッシュ
18における可動型12と反対側の面にはローケートリング
20が固定されている。
【0017】前記固定側型板16は、前記固定側取り付け
板17にボルト25により固定されたキャビティ形成部材と
しての鏡面板である固定側鏡面板26と、この固定側鏡面
板26の外周側に位置して固定側取り付け板17に固定され
た位置決めリング27とからなっている。前記固定側鏡面
板26におけるキャビティ13を形成する面(キャビティ形
成面28)は、前記型開閉方向と直交する平面からなる
が、研削または研磨により鏡面仕上げしてある。また、
前記固定側鏡面板26における可動型12側の部分の外周部
には段差部29が形成されているが、この段差部29には円
環状の外周スタンパー押え31が嵌合されて固定されてい
る。一方、前記固定側鏡面板26の中央部に形成された貫
通孔32内にはほぼ円筒状の内周スタンパー押え33が嵌合
されて固定されている。前記固定側鏡面板26のキャビテ
ィ形成面28には、光ディスクのグルーブ部やランド部を
形成するスタンパーが着脱可能に装着されるようになっ
ているが、前記外周スタンパー押え31はスタンパーの外
周部を押え、内周スタンパー押え33はスタンパーの内周
部を押えるものである。また、前記スプルーブッシュ18
は、筒状の内周スタンパー押え33内に嵌合している。
【0018】また、前記固定側鏡面板26内には、キャビ
ティ13を冷却する冷却用流体である冷却水を通す孔状の
冷却通路36が形成されている。この冷却通路36について
は後述する。
【0019】前記可動型12は、可動側型板41と、この可
動側型板41における固定型11と反対側の面(図示下側の
面)に固定された受け板としての可動側受け板42と、こ
の可動側受け板42における固定型11と反対側すなわちキ
ャビティ13と反対側の面に固定された可動側取り付け板
(図示していない)とを備えている。この可動側取り付
け板は、射出成形機の可動側プラテンに取り付けられる
ものである。前記可動側型板41は、前記可動側受け板42
にボルト43により固定されたキャビティ形成部材として
の鏡面板である可動側鏡面板44と、この可動側鏡面板44
の外周側に位置して可動側受け板42に固定された位置決
めリング45とからなっている。前記可動側鏡面板44にお
けるキャビティ13を形成する面(キャビティ形成面46)
は、前記型開閉方向と直交する平面からなるが、研削ま
たは研磨により鏡面仕上げしてある。なお、前記位置決
めリング45は、型閉時に前記固定型11側の位置決めリン
グ27とテーパー嵌合するものである。また、前記可動側
鏡面板44における固定型11側の部分の外周部には段差部
47が形成されているが、この段差部47には、円環状の突
き当てリング48が嵌合されている。この突き当てリング
48は、型閉時に前記固定型11側の外周スタンパー押え31
に突き当たるとともにスタンパーに対向し、光ディスク
の基板の外周面を形成するものである。
【0020】また、前記可動側鏡面板44の中央部に形成
された貫通孔51内には、ほぼ円筒状の突き出しスリーブ
52が前記型開閉方向へ所定範囲摺動自在に嵌合されてい
る。また、この突き出しスリーブ52内には、ほぼ円筒状
のゲートカットスリーブ53が前記型開閉方向へ所定範囲
摺動自在に嵌合されている。さらに、このゲートカット
スリーブ53内には、突き出しピン54が前記型開閉方向へ
所定範囲摺動自在に嵌合されている。そして、前記固定
型11側のスプルーブッシュ18の先端面外周部と可動型12
側のゲートカットスリーブ53の先端面外周部との間に、
固定型11側のスプルー19をキャビティ13に連通させるゲ
ート56が形成されるようになっている。
【0021】さらに、前記可動側鏡面板44内には、キャ
ビティ13を冷却する冷却用流体である冷却水を通す孔状
の冷却通路61が形成されている。つぎに、この冷却通路
61について、図2を加えて説明する。前記冷却通路61
は、可動側鏡面板44にあって可動側受け板42側の面へ開
口した凹溝により形成されており、この凹溝の開口は可
動側受け板42により閉塞されている。また、冷却通路61
は、キャビティ13全体と同心の3つの円環状部61a,61
b,61cを有している。これら各円環状部61a,61b,61c
は、それぞれ全周に渡って繋がった完全な円環にはなっ
ておらず、一箇所で切れた円環状になっている。そし
て、内周側の円環状部61aの一端部が接続部62になって
おり、内周側の円環状部61aの他端部が中間の円環状部6
1bの一端部に屈曲部63により繋がっているとともに、中
間の円環状部61bの他端部が外周側の円環状部61cの一端
部に屈曲部64により繋がっていて、外周側の円環状部61
cの他端部がもう一つの接続部65になっている。したが
って、冷却通路61は、一方の接続部62から他方の接続部
65まで一本に繋がっている。そして、これら接続部62,
65が可動側受け板42内に形成された孔状の冷却通路66,
67にそれぞれ接続されている。したがって、冷却用流体
である冷却水は、例えば可動側受け板42の一方の冷却通
路66から一方の接続部62を通って可動側鏡面板44内の冷
却通路61に流入し、他方の接続部65から可動側受け板42
の他方の冷却通路67へ流出するようになっている。これ
とは逆向きに冷却水を流すことも可能である。なお、冷
却通路61よりも内周側および外周側にそれぞれ位置して
可動側鏡面板44と可動側受け板42との間にはシール用の
弾性体からなるOリング68が設けられている。
【0022】そして、前記冷却通路61の各円環状部61
a,61b,61c内の外周部に、それぞれ複数の柱状の補強
用リブ69が冷却通路61の側壁部と一体に形成されてい
る。複数の補強用リブ69は、各円環状部61a,61b,61c
にほぼ一定間隔で、例えばほぼ90°間隔で設けられてい
るが、加工の容易性から屈曲部63,64は外した位置に形
成されている。また、補強用リブ69は、前記型開閉方向
と平行な方向すなわち可動側鏡面板44のキャビティ形成
面46と直交する方向に延びる凸条からなっているが、補
強用リブ69の一端は、可動側鏡面板44における可動側受
け板42側の面と同一平面上に位置していてこの可動側受
け板42に当接し、補強用リブ69の他端は、冷却通路61に
おけるキャビティ13側の端まで達している。また、例え
ば冷却通路61の幅aが約8mm程度であるのに対して、補
強用リブ69の幅bは約3mm程度、補強用リブ69の突出量
cは約2mm程度である。さらに、補強用リブ69の型開閉
方向と直交する断面形状はほぼ半円形状になっている。
【0023】なお、図2において、71は可動側鏡面板44
の外周部に形成された複数の通孔である。これら通孔71
は、前記ボルト43による可動側鏡面板44の固定や位置決
めなどのためのものである。
【0024】また、前記固定側鏡面板26の冷却通路36
も、前記可動側鏡面板44の冷却通路61と同様の構成を有
している。すなわち、冷却通路36は、固定側鏡面板26に
あって固定側取り付け板17側の面へ開口した凹溝により
形成されており、この凹溝の開口は固定側取り付け板17
により閉塞されている。また、冷却通路36は、キャビテ
ィ13全体と同心の4つの円環状部を有している。詳しく
は図示していないが、これら円環状部は、可動側鏡面板
44の冷却通路61の円環状部61a,61b,61cと同様にし
て、全体がほぼ螺旋状をなすように一本に繋がってお
り、その両端部の接続部76が固定側取り付け板17内に形
成された孔状の冷却通路77にそれぞれ接続されている。
したがって、冷却用流体である冷却水は、例えば固定側
取り付け板17の冷却通路77から一方の接続部76を通って
固定側鏡面板26内の冷却通路36に流入し、他方の接続部
から固定側取り付け板17の別の冷却通路へ流出するよう
になっている。これとは逆向きに冷却水を流すことも可
能である。なお、冷却通路36よりも内周側および外周側
にそれぞれ位置して固定側鏡面板26と固定側取り付け板
17との間にはシール用の弾性体からなるOリング78が設
けられている。
【0025】そして、前記冷却通路36の各円環状部内の
外周部に、それぞれ複数の柱状の補強用リブ79が冷却通
路36の側壁部と一体に形成されている。また、補強用リ
ブ79は、前記型開閉方向と平行な方向すなわち固定側鏡
面板26のキャビティ形成面28と直交する方向に延びる凸
条からなっているが、補強用リブ79の一端は、固定側鏡
面板26における固定側取り付け板17側の面と同一平面上
に位置していてこの固定側取り付け板17に当接し、補強
用リブ79の他端は、冷却通路36におけるキャビティ13側
の端まで達している。さらに、補強用リブ79の型開閉方
向と直交する断面形状はほぼ半円形状になっている。
【0026】つぎに、前記の構成について、その作用を
説明する。成形時には、まず固定型11と可動型12とを型
閉して、これら固定型11および可動型12間にキャビティ
13を形成する。なお、このように型閉した状態で、可動
型12の突き当てリング48が固定型11の外周スタンパー押
え31に突き当たり、また、固定型11および可動型12の位
置決めリング27,45が相互にテーパー嵌合する。そし
て、射出成形機のノズルからスプルー19へ成形材料であ
る溶融した熱可塑性樹脂を射出する。この樹脂は、スプ
ルー19からゲート56を通ってキャビティ13内に流入す
る。なお、当初は固定型11および可動型12の型締力は比
較的弱くなっており、キャビティ13の樹脂の圧力により
固定型11および可動型12が若干開く。そして、キャビテ
ィ13内に樹脂が充填された後、ゲートカットスリーブ53
が固定型11側へ移動することにより、ゲート56において
スプルー19内の樹脂とキャビティ13内の樹脂すなわち光
ディスクの基板とが切断されるとともに、この基板の中
心孔が形成される。また、固定型11および可動型12の型
締力が強められることにより、可動側鏡面板44を含めて
可動型12のほぼ全体が固定型11の方へ移動する。これに
より、キャビティ13内の樹脂が圧縮される。また、キャ
ビティ13内の樹脂は、冷却通路36,61内を温調用流体で
ある冷却水が通ることにより冷却される。そして、キャ
ビティ13内の樹脂が冷却して固化した後、固定型11と可
動型12とを型開する。この型開に伴い、成形された光デ
ィスクの基板およびスプルー19内で固化した樹脂はまず
固定型11から離れる。ついで、突き出しピン54が固定型
11側へ移動し、スプルー19内で固化した樹脂を突き出し
て可動型12から離型させる。さらに、突き出しスリーブ
53が固定型11側へ移動し、光ディスクの基板の内周部を
突き出して可動型12から離型させる。そして、離型した
光ディスクの基板は、取り出しロボットなどにより取り
出される。その後、再び型閉して、以上の成形サイクル
を繰り返す。
【0027】前述のように冷却通路36,61内に冷却水を
通すことによるキャビティ13内の樹脂の冷却に際して、
冷却通路36,61がキャビティ13全体と同心の複数の円環
状部61a,61b,61cからなっていることにより、キャビ
ティ13内の樹脂の冷却能率が向上するとともに、キャビ
ティ13全体を一様に冷却できる。
【0028】また、凹溝からなる冷却通路36,61が鏡面
板26,44の剛性を弱める要因となるのに対して、冷却通
路36,61内にその側壁と一体に補強用リブ79,69を形成
したので、冷却能率を低下させることなく、鏡面板26,
44の剛性を高めることができる。したがって、キャビテ
ィ13内に充填された樹脂の圧力に抗して、鏡面板26,44
の変形、特にキャビティ形成面28,46の変形を抑制でき
る。しかも、キャビティ13内に充填された樹脂の圧力に
よって鏡面板26,44に加わる力は、キャビティ形成面2
8,46と直交する方向に作用するが、補強用リブ79,69
をキャビティ形成面28,46とほぼ直交する方向に延びる
凸条としたので、補強用リブ79,69を大きくすることな
く、キャビティ13内の樹脂の圧力に効率よく抗すること
ができる。さらに、補強用リブ79,69は、一端が固定側
取り付け板17ないし可動側受け板42に当接し、他端が冷
却通路36,61におけるキャビティ13側の端まで達してい
るので、鏡面板26,44に加わる力を確実に固定側取り付
け板17ないし可動側受け板42へ伝えて受けることができ
る。すなわち、キャビティ13内の樹脂の圧力に起因する
力を受ける領域の面積が増大する。また、冷却通路36,
61が同心の複数の円環状部61a,61b,61cからなってい
るのに対して、この円環状部61a,61b,61cの外周部
に、それぞれ複数の補強用リブ79,69を等間隔で形成し
たので、冷却通路36,61が分布している部分の全体で一
様に鏡面板26,44の剛性を高めることができる。
【0029】このようにして、鏡面板26,44の強度を高
めてキャビティ形成面28,46の変形を抑制できることに
より、光ディスクの基板を高精度で成形できる。例え
ば、成形される光ディスクの基板の材厚の誤差を5μm
未満に抑えることができる。
【0030】また、前述のように冷却通路36,61内に補
強用リブ79,69を形成することにより鏡面板26,44の剛
性を高めるようにしたので、冷却通路36,61自体を少な
くしたり細くしたりした場合とは異なり、冷却能率の低
下を防止できる。補強用リブ79,69は、冷却通路36,61
内における冷却水の流れに対して抵抗になるとはいえ、
キャビティ形成面28と直交する方向に深い形状となって
おり冷却通路36,61としての断面積は十分に確保されて
いる。さらに、冷却通路36,61内の他の部分は幅が広い
ので、冷却水の流量を確保でき、補強用リブ79,69によ
る冷却能率の低下はほとんどない。しかも、前述のよう
に型開閉方向に延びる凸条からなる補強用リブ79,69は
大きくなくても補強効果を発揮でき、さらに、補強用リ
ブ79,69が断面ほぼ半円形状になっていて滑らかな形状
になっているので、補強用リブ79,69が冷却水の流れに
対して与える抵抗自体も小さい。そして、冷却能率の低
下を防止できることにより、キャビティ13内の樹脂を速
やかに冷却でき、成形サイクルを短くできて、生産性の
低下を防止できる。
【0031】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、冷却通路61,36の各円環状部61a,61
b,61cの外周部に補強用リブ69,79を形成したが、図3
に示すように、冷却通路61の各円環状部61a,61b,61c
の内周部に補強用リブ69を形成してもよい。
【0032】また、前記実施例では、鏡面板44において
複数の円環状部61a,61b,61cを屈曲部63,64により繋
げてほぼ螺旋状の一本の冷却通路61を形成したが、冷却
通路の形状はそれに限るものではなく、本発明は、任意
の形状の冷却通路に適用できる。また、円形状のキャビ
ティに対して同心多重的に冷却通路を設けるにしても、
前記実施例のように複数の円環状ではなく、滑らかな螺
旋状に冷却通路を形成してもよい。
【0033】さらに、前記実施例では、光ディスクの成
形用の金型装置について説明したが、本発明は、光ディ
スクに限らず、任意の製品の成形用の金型装置に適用で
きる。また、前記実施例の金型装置は、射出圧縮成形用
のものであったが、本発明は、圧縮を行わない射出成形
など、他の成形方法用の金型装置にも適用できる。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、型体内に、キ
ャビティを冷却する冷却用流体を通す孔状の冷却通路を
形成した金型装置において、冷却通路内に補強用リブを
形成したので、冷却通路があるのに対して型体の剛性を
高めることができ、型体の変形、特にキャビティ形成面
の変形を抑制でき、したがって、高精度の成形ができ
る。
【0035】さらに、請求項2の発明の金型装置によれ
ば、冷却通路を同心の複数の環状または螺旋状としたの
で、キャビティの冷却能率が向上するとともに、キャビ
ティ全体を一様に冷却でき、また、冷却通路が同心の複
数の環状または螺旋状であるにもかかわらず、冷却通路
の外周部または内周部に一体的に補強用リブを形成した
ことにより、型体の剛性を高めることができ、キャビテ
ィ形成面が変形しにくくできる。
【0036】そして、請求項3の発明の金型装置のよう
に、キャビティを形成するのが鏡面板である場合、補強
用リブによるキャビティ形成面の変形抑制が特に意義を
有し、また、冷却通路が鏡面板に形成された凹溝からな
る場合、鏡面板の剛性が低下しやすいので、補強用リブ
が特に効果的である。
【0037】また、請求項4の発明の金型装置によれ
ば、補強用リブは、型体におけるキャビティを形成する
面すなわちキャビティ形成面とほぼ直交する方向に延び
る凸条からなるので、補強用リブを大きくすることな
く、キャビティ内の成形材料の圧力に効率よく抗するこ
とができる。また、補強用リブを大きくする必要がない
ことにより、冷却能率の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金型装置の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】同上可動側鏡面板の底面図である。
【図3】本発明の金型装置の他の実施例を示す可動側鏡
面板の断面図である。
【図4】従来の金型装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 固定型(型体) 12 可動型(型体) 13 キャビティ 17 固定側取り付け板(受け板) 26 固定側鏡面板(鏡面板) 28 キャビティ形成面(キャビティを形成する面) 36 冷却通路 42 可動側受け板(受け板) 44 可動側鏡面板(鏡面板) 46 キャビティ形成面(キャビティを形成する面) 61 冷却通路 69 補強用リブ 79 補強用リブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉し型閉時にキャビティを相互
    間に形成する複数の型体を備え、この型体内に、前記キ
    ャビティを冷却する冷却用流体を通す孔状の冷却通路を
    形成した金型装置において、前記冷却通路内に補強用リ
    ブを形成したことを特徴とする金型装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却通路は、同心の複数の環状また
    は螺旋状であり、これら冷却通路の外周部または内周部
    に一体的に前記補強用リブを形成したことを特徴とする
    請求項1記載の金型装置。
  3. 【請求項3】 前記型体は、キャビティを形成する鏡面
    板と、この鏡面板におけるキャビティと反対側の面に固
    定された受け板とを備え、前記鏡面板内に、前記受け板
    側の面に開口しこの開口が受け板により閉塞される凹溝
    によって前記冷却通路を形成し、この冷却通路内に補強
    用リブを形成したことを特徴とする請求項1または2記
    載の金型装置。
  4. 【請求項4】 前記補強用リブは、前記型体におけるキ
    ャビティを形成する面とほぼ直交する方向に延びる凸条
    からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1
    項に記載の金型装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103302773A (zh) * 2013-06-27 2013-09-18 开平市盈光机电科技有限公司 一种光盘模具结构
CN109382982A (zh) * 2018-12-11 2019-02-26 宁波众拓模具科技有限公司 一种ins薄膜模具
CN114986946A (zh) * 2022-04-22 2022-09-02 哈尔滨玻璃钢研究院有限公司 一种十字双凹裂解槽模腔及其装配方法

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