JP2022021136A - 眼底撮像装置及び眼底撮像装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置構成の簡略化と良好な被検眼の画像の取得とをより好適な態様で両立可能とする。【解決手段】眼底撮像装置は、光出力部100と、受光部200と、画像生成部53と、波長切り替え部51とを備える。光出力部100は、可視波長を含む複数の波長の光を発する。受光部200は、光出力部100から出射された撮影光が眼底Efで反射された戻り光を検出する。画像生成部53は、上記戻り光の検出結果に基づき眼底画像を生成する。波長切り替え部51は、光出力部100から出射される撮影光の波長を時分割で切り替えて、複数の波長の戻り光の検出結果に基づき眼底画像を生成する場合に、撮影光とは異なる可視波長の光が固視灯光として出射されるように制御する。【選択図】図6
Description
本開示は、眼底撮像装置及び眼底撮像装置の制御方法に関する。
眼科の分野において、被検眼の観察に用いられる器具として検眼鏡が一般的に知られている。また、近年では、レーザ走査により被検眼の撮像を可能とする走査レーザ検眼鏡(SLO:Scanning Laser Ophthalmoscope)を用いた装置(以下、「SLO装置」とも称する)が実用化されている。SLO装置は、被検眼の表面を高解像度で撮像し、当該撮像の結果を画像として出力することが可能である。
SLO装置において、被検眼の撮像中に当該被検眼の固視を安定させるために、当該被検眼に対して指標(固視灯)の表示が行われる場合がある。例えば、特許文献1及び2には、被検眼の眼底の観察に際して、当該被検眼に対して固視灯の表示を行う装置(網膜機能計測装置や眼底検査装置)の一例が開示されている。
一方で、固視灯を利用して被検眼を撮像可能とする装置(以降では、便宜上「眼底撮像装置」とも称する)においては、固視灯光を照射する光源が必要になる等、装置構成が複雑化する場合がある。
また、被検眼の撮像に際して、固視灯光として撮影光と同じ波長の光が利用されると、固視灯の視認性を上げることが困難となるため、固視を安定させるために不利に働く場合がある。そのため、例えば、被検眼の動きによる画像歪みを抑えて良好な疑似カラー画像を取得することが困難となる場合がある。
また、被検眼の撮像に際して、固視灯光として撮影光と同じ波長の光が利用されると、固視灯の視認性を上げることが困難となるため、固視を安定させるために不利に働く場合がある。そのため、例えば、被検眼の動きによる画像歪みを抑えて良好な疑似カラー画像を取得することが困難となる場合がある。
本発明は上記の問題を鑑み、装置構成の簡略化と良好な被検眼の画像の取得とをより好適な態様で両立可能とすることを目的とする。
本発明に係る眼底撮像装置は、可視波長を含む複数の波長の光を発する光源と、前記光源から出射された撮影光が眼底で反射された戻り光を検出する検出手段と、前記戻り光の検出結果に基づき眼底画像を生成する処理手段と、前記光源を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記光源から出射される前記撮影光の波長を時分割で切り替えて、複数の波長の前記戻り光の検出結果に基づき前記眼底画像を生成する場合に、前記光源から出射される複数の波長のうち、前記撮影光とは異なる可視波長の光が固視灯光として出射されるように制御することを特徴とする。
本発明によれば、装置構成の簡略化と良好な被検眼の画像の取得とをより好適な態様で両立することが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態として、図1~図7を参照して、本開示に係る技術を眼底撮像に適用した場合の一例について説明する。
本実施形態に眼底撮像装置(SLO装置)は、被検眼の眼底の撮像に係るフレーム(以下、「撮像フレーム」とも称する)ごとに、撮像対象となる光(以下、「撮影光」とも称する)の波長を切り替えて被検眼の眼底に照射し、当該光により当該眼底上を走査する。また、この際に、当該眼底撮像装置は、光源から撮影光と波長の異なる光を固視灯光として被検眼の眼底に照射することで、当該被検眼に対して固視灯を表示する。このような構成により、本実施形態に係る眼底撮像装置に依れば、より簡略化された装置構成により、被検眼の固視を安定させることが可能となり、かつ画像フレーム間における位置ずれや画像フレーム内の歪みを低減することが可能となる。
以降では、本実施形態に係る眼底撮像装置(SLO装置)についてより詳しく説明する。
第1の実施形態として、図1~図7を参照して、本開示に係る技術を眼底撮像に適用した場合の一例について説明する。
本実施形態に眼底撮像装置(SLO装置)は、被検眼の眼底の撮像に係るフレーム(以下、「撮像フレーム」とも称する)ごとに、撮像対象となる光(以下、「撮影光」とも称する)の波長を切り替えて被検眼の眼底に照射し、当該光により当該眼底上を走査する。また、この際に、当該眼底撮像装置は、光源から撮影光と波長の異なる光を固視灯光として被検眼の眼底に照射することで、当該被検眼に対して固視灯を表示する。このような構成により、本実施形態に係る眼底撮像装置に依れば、より簡略化された装置構成により、被検眼の固視を安定させることが可能となり、かつ画像フレーム間における位置ずれや画像フレーム内の歪みを低減することが可能となる。
以降では、本実施形態に係る眼底撮像装置(SLO装置)についてより詳しく説明する。
(光学構成)
本実施形態に係る眼底撮像装置の光学構成の一例について、図1を参照して説明する。
図1に示す例では、光出力部100は、撮影光の波長を3以上の波長に順次切り替えて出力可能に構成されている。具体的には、光出力部100は、レーザ光源101IR、101R、101G、及び101Bと、反射ミラー102IRと、波長分岐ミラー102R、102G、及び102Bと、コリメータレンズ103IR、103R、103G、及び103Bとを含む。
レーザ光源101IRは、赤外光を射出可能に構成されている。また、レーザ光源101R、101G、及び101Bは、それぞれ赤色波長域の光、緑色波長域の光、及び青色波長域の光を射出可能に構成されている。なお、以降の説明では、レーザ光源101IR、101R、101G、及び101Bそれぞれを特に区別しない場合には、個々のレーザ光源を「レーザ光源101」と称する場合がある。
コリメータレンズ103IR、103R、103G、及び103Bは、それぞれレーザ光源101IR、101R、101G、及び101Bから出射された光(レーザ光)を平行光に変換する。
反射ミラー102IRは、赤外光を反射するように構成されている。波長分岐ミラー102R、102G、及び102Bは、それぞれ赤色波長域の光、緑色波長域の光、及び青色波長域の光を分岐するように構成されている。
本実施形態に係る眼底撮像装置の光学構成の一例について、図1を参照して説明する。
図1に示す例では、光出力部100は、撮影光の波長を3以上の波長に順次切り替えて出力可能に構成されている。具体的には、光出力部100は、レーザ光源101IR、101R、101G、及び101Bと、反射ミラー102IRと、波長分岐ミラー102R、102G、及び102Bと、コリメータレンズ103IR、103R、103G、及び103Bとを含む。
レーザ光源101IRは、赤外光を射出可能に構成されている。また、レーザ光源101R、101G、及び101Bは、それぞれ赤色波長域の光、緑色波長域の光、及び青色波長域の光を射出可能に構成されている。なお、以降の説明では、レーザ光源101IR、101R、101G、及び101Bそれぞれを特に区別しない場合には、個々のレーザ光源を「レーザ光源101」と称する場合がある。
コリメータレンズ103IR、103R、103G、及び103Bは、それぞれレーザ光源101IR、101R、101G、及び101Bから出射された光(レーザ光)を平行光に変換する。
反射ミラー102IRは、赤外光を反射するように構成されている。波長分岐ミラー102R、102G、及び102Bは、それぞれ赤色波長域の光、緑色波長域の光、及び青色波長域の光を分岐するように構成されている。
このような構成のもとで、レーザ光源101IRから出射された赤外光は、コリメータレンズ103IRにより平行光に変換された後に、反射ミラー102IRにより反射される。反射ミラー102IRにより反射された赤外光は、波長分岐ミラー102R及び102Gを透過した後に、波長分岐ミラー102Bにより反射され、光出力部100の外部に出射される。
レーザ光源101Rから出射された赤色波長領域の光は、コリメータレンズ103Rにより平行光に変換された後に、波長分岐ミラー102Rにより反射される。波長分岐ミラー102Rにより反射された赤色波長領域の光は、波長分岐ミラー102Gを透過した後に、波長分岐ミラー102Bにより反射され、光出力部100の外部に出射される。
レーザ光源101Gから出射された緑色波長領域の光は、コリメータレンズ103Gにより平行光に変換された後に、波長分岐ミラー102Gにより反射される。波長分岐ミラー102Gにより反射された緑色波長領域の光は、波長分岐ミラー102Bにより反射され、光出力部100の外部に出射される。
レーザ光源101Bから出射された青色波長領域の光は、コリメータレンズ103Bにより平行光に変換された後に、波長分岐ミラー102Bを透過し、光出力部100の外部に出射される。
レーザ光源101Rから出射された赤色波長領域の光は、コリメータレンズ103Rにより平行光に変換された後に、波長分岐ミラー102Rにより反射される。波長分岐ミラー102Rにより反射された赤色波長領域の光は、波長分岐ミラー102Gを透過した後に、波長分岐ミラー102Bにより反射され、光出力部100の外部に出射される。
レーザ光源101Gから出射された緑色波長領域の光は、コリメータレンズ103Gにより平行光に変換された後に、波長分岐ミラー102Gにより反射される。波長分岐ミラー102Gにより反射された緑色波長領域の光は、波長分岐ミラー102Bにより反射され、光出力部100の外部に出射される。
レーザ光源101Bから出射された青色波長領域の光は、コリメータレンズ103Bにより平行光に変換された後に、波長分岐ミラー102Bを透過し、光出力部100の外部に出射される。
なお、上述した構成はあくまで一例であり、少なくとも2種類の互いに異なる波長域の光(レーザ光)を出力することが可能であれば、光出力部100の構成は必ずしも限定はされない。
光出力部100から出射された光の光路上には、反射ミラー2、穴開きミラー3、フォーカスレンズ4、光走査部5、レンズ6、反射ミラー7、波長分岐ミラー8、対物レンズ9がこの順序で配設されており、これらの光学部材が眼底観察光学系を構成している。
光出力部100から出射された光は、反射ミラー2により反射され、穴開きミラー3の光軸上に形成された貫通孔を通過し、フォーカスレンズ4を介して光走査部5に導光される。光走査部5としては、例えば、光軸方向に隣接して配置(タンデム配置)された互いに直行するX及びY方向に光をそれぞれ走査するガルバノミラー、共振ミラー、またはポリゴンミラー等が適用される。光出力部100から光走査部5に導光され、当該光走査部5から出射された光は、レンズ6を透過した後に反射ミラー7及び波長分岐ミラー8それぞれにより反射され、対物レンズ9を介して、被検眼Eの眼底Efに導光される。
また、眼底Efで反射された光は、対物レンズ9、波長分岐ミラー8、反射ミラー7、レンズ6、光走査部5、及びフォーカスレンズ4を介して、穴開きミラー3に導光され、当該穴開きミラー3の周辺部分により反射される。穴開きミラー3により反射された光の光路上には、受光部200が配設されている。
受光部200は、レンズ201と、絞り203と、波長カットフィルタ204と、波長カットフィルタ205と、受光素子202とを含む。図1に示す例では、受光部200に入射した光の光路上には、レンズ201、絞り203、波長カットフィルタ204、及び受光素子202がこの順序で配設されている。受光素子202としては、例えば、APD(Avalanche Photo Diode)、PMT(Photomultiplier Tube)、またはMPPC(Multi-Pixel Photon Counter)等が適用され得る。また、絞り203は、例えば、共焦点ピンホール等により実現され、受光部200の光路上における受光素子202の前段に配置される。
また、図1に示す例では、受光部200に入射した光の光路上に波長カットフィルタ204が配置されており、当該光路外には波長カットフィルタ205が配置されている。このような構成のもとで、受光部200は、入射した光の光路上に配置される波長カットフィルタが、不図示の駆動部により、波長カットフィルタ204及び205のいずれかに選択的に切り替え可能となるように構成されていてもよい。波長カットフィルタ204及び205は、それぞれ互いに波長の異なる光を遮断する特性を有している。なお、波長カットフィルタ204及び205や、別途後述する波長カットフィルタ206は、例えば、ダイクロイックフィルタやノッチフィルタ等により実現され得る。また、波長カットフィルタ204、205、及び206が、光遮断手段の一例に相当する。
対物レンズ9の周辺には、前眼部照明光源303a及び303bが配設されている。前眼部照明光源303a及び303bにより照明された被検眼Eの前眼部の像は、対物レンズ9を介して波長分岐ミラー8に導光され、当該波長分岐ミラー8を透過する。波長分岐ミラー8を透過した光の光路上には前眼撮像部300が配設されている。
前眼撮像部300は、レンズ301と、撮像素子302とを含む。前眼撮像部300に入射した光の光路上には、レンズ301及び撮像素子302がこの順序で配設されている。すなわち、前眼撮像部300に入射した光(波長分岐ミラー8を透過した被検眼Eの前眼部の像)は、レンズ301を介して撮像素子302の撮像面(例えば、二次元の撮像面)に結像する。
(機能構成)
図1に示した眼底撮像装置の動作を制御する制御部の機能構成の一例について、図2を参照して説明する。
本実施形態に係る眼底撮像装置の動作を制御する制御部50は、波長切り替え部51と、光走査制御部52と、画像生成部53と、合成処理部54と、表示制御部55とを含む。また、制御部50は、光出力部100と、フォーカスレンズ4と、光走査部5と、受光部200と、前眼撮像部300と、前眼部照明光源303a及び303bとのそれぞれと接続される。また、制御部50に対して、表示部400、各種駆動部、及びメモリ等が接続されてもよい。
図1に示した眼底撮像装置の動作を制御する制御部の機能構成の一例について、図2を参照して説明する。
本実施形態に係る眼底撮像装置の動作を制御する制御部50は、波長切り替え部51と、光走査制御部52と、画像生成部53と、合成処理部54と、表示制御部55とを含む。また、制御部50は、光出力部100と、フォーカスレンズ4と、光走査部5と、受光部200と、前眼撮像部300と、前眼部照明光源303a及び303bとのそれぞれと接続される。また、制御部50に対して、表示部400、各種駆動部、及びメモリ等が接続されてもよい。
波長切り替え部51は、光出力部100の動作を制御することで、当該光出力部100から出射される光(撮影光)の波長を選択的に切り替える。
光走査制御部52は、光走査部5の動作を制御することで、光出力部100から出射された光による被検眼Eの眼底Ef上の走査を実現する。
画像生成部53は、受光部200の受光素子202による被検眼Eの眼底Efからの戻り光(例えば、赤色波長領域、緑色波長領域、及び青色波長領域それぞれの光)の受光結果に基づき、当該眼底Efの画像(以下、「眼底画像」とも称する)を生成する。また、画像生成部53は、前眼撮像部300の撮像素子302による被検眼Eの前眼部の像の撮像結果に基づき、当該前眼部の画像(以下、「前眼部画像」とも称する)を生成してもよい。
合成処理部54は、画像生成部53により生成された画像を合成することで合成画像を生成する。具体的な一例として、合成処理部54は、画像生成部53により赤色波長領域の光、緑色波長領域の光、及び青色波長領域の光それぞれの検出結果に基づき生成された赤色画像、緑色画像、及び青色画像を合成することで3色の疑似カラー画像を生成してもよい。
表示制御部55は、画像生成部53や合成処理部54により生成された画像を、表示部400の表示領域に表示させることで、当該画像をユーザに提示する。表示部400は、例えば、所謂ディスプレイ等のように、画像等の表示情報を画面等の表示領域に表示することで当該表示情報をユーザに提示する出力装置である。
なお、波長切り替え部51、光走査制御部52、画像生成部53、合成処理部54、及び表示制御部55それぞれの処理については、図3及び図5に示す処理の説明とあわせて詳細を別途後述する。
光走査制御部52は、光走査部5の動作を制御することで、光出力部100から出射された光による被検眼Eの眼底Ef上の走査を実現する。
画像生成部53は、受光部200の受光素子202による被検眼Eの眼底Efからの戻り光(例えば、赤色波長領域、緑色波長領域、及び青色波長領域それぞれの光)の受光結果に基づき、当該眼底Efの画像(以下、「眼底画像」とも称する)を生成する。また、画像生成部53は、前眼撮像部300の撮像素子302による被検眼Eの前眼部の像の撮像結果に基づき、当該前眼部の画像(以下、「前眼部画像」とも称する)を生成してもよい。
合成処理部54は、画像生成部53により生成された画像を合成することで合成画像を生成する。具体的な一例として、合成処理部54は、画像生成部53により赤色波長領域の光、緑色波長領域の光、及び青色波長領域の光それぞれの検出結果に基づき生成された赤色画像、緑色画像、及び青色画像を合成することで3色の疑似カラー画像を生成してもよい。
表示制御部55は、画像生成部53や合成処理部54により生成された画像を、表示部400の表示領域に表示させることで、当該画像をユーザに提示する。表示部400は、例えば、所謂ディスプレイ等のように、画像等の表示情報を画面等の表示領域に表示することで当該表示情報をユーザに提示する出力装置である。
なお、波長切り替え部51、光走査制御部52、画像生成部53、合成処理部54、及び表示制御部55それぞれの処理については、図3及び図5に示す処理の説明とあわせて詳細を別途後述する。
(処理)
次いで、図1に示す眼底撮像装置を利用した被検眼Eの眼底Efの撮像に係る処理の一例について、図3及び図4を参照して説明する。
次いで、図1に示す眼底撮像装置を利用した被検眼Eの眼底Efの撮像に係る処理の一例について、図3及び図4を参照して説明する。
まず、図3に示すフローチャートを参照して、全体的な処理の流れについて説明する。
S0において、制御部50は、不図示のモード選択ボタンがユーザから受け付けた操作に応じて、被検眼Eの眼底Efの撮像に係る動作モード(以下、「撮像モード」とも称する)を選択する。ここでは、制御部50は、疑似カラー画像の撮像に係る撮像モード(以下、「カラー撮像モード」とも称する)を選択したものとする。制御部50は、カラー撮像モードの選択に伴い、不図示の駆動部を制御することで、受光部200の光路上に波長カットフィルタ204を挿入する。波長カットフィルタ204は、光出力部100が備える一連のレーザ光源101のうちレーザ光源101Gから出射される緑色波長領域の光と同様の波長の光を遮断し、他のレーザ光源101から出射される光と同様の波長の光を透過させる特性を有するものとする。
S0において、制御部50は、不図示のモード選択ボタンがユーザから受け付けた操作に応じて、被検眼Eの眼底Efの撮像に係る動作モード(以下、「撮像モード」とも称する)を選択する。ここでは、制御部50は、疑似カラー画像の撮像に係る撮像モード(以下、「カラー撮像モード」とも称する)を選択したものとする。制御部50は、カラー撮像モードの選択に伴い、不図示の駆動部を制御することで、受光部200の光路上に波長カットフィルタ204を挿入する。波長カットフィルタ204は、光出力部100が備える一連のレーザ光源101のうちレーザ光源101Gから出射される緑色波長領域の光と同様の波長の光を遮断し、他のレーザ光源101から出射される光と同様の波長の光を透過させる特性を有するものとする。
S1において、制御部50は、前眼撮像部300による撮像結果に基づき、被検眼Eの前眼部画像を生成し、当該前眼部画像を表示部400に表示させる。
例えば、図4は、本実施形態に係る眼底撮像装置を利用した被検眼Eの撮像結果に応じた画像を表示するための画面の一例を示した図である。図4に示す画面には、表示領域401及び402と、フォーカス調整ボタン404と、撮像ボタン405とが提示される。
表示領域401は、前眼撮像部300による撮像結果に応じた前眼部画像が表示される領域である。
表示領域402は、受光部200による被検眼Eの眼底Efからの戻り光の受光結果に応じた眼底画像が表示される領域である。
フォーカス調整ボタン404は、フォーカス調整に係る指示をユーザから受け付けるボタンである。
撮像ボタン405は、眼底の撮像に係る指示をユーザから受け付けるボタンである。
また、図4に示す画面は、ユーザからの固視灯の表示位置の指定を受け付け可能に構成されていてもよい。例えば、図4に示す例では、固視灯の表示位置を示すマーカ403が表示されており、ユーザからの指示に応じて当該マーカ403の位置が調整されることで、固視灯が表示される眼底Ef上の位置が制御される。
表示領域401は、前眼撮像部300による撮像結果に応じた前眼部画像が表示される領域である。
表示領域402は、受光部200による被検眼Eの眼底Efからの戻り光の受光結果に応じた眼底画像が表示される領域である。
フォーカス調整ボタン404は、フォーカス調整に係る指示をユーザから受け付けるボタンである。
撮像ボタン405は、眼底の撮像に係る指示をユーザから受け付けるボタンである。
また、図4に示す画面は、ユーザからの固視灯の表示位置の指定を受け付け可能に構成されていてもよい。例えば、図4に示す例では、固視灯の表示位置を示すマーカ403が表示されており、ユーザからの指示に応じて当該マーカ403の位置が調整されることで、固視灯が表示される眼底Ef上の位置が制御される。
ここで改めて図3を参照する。S1において、制御部50は、例えば、前眼撮像部300による撮像結果に応じた前眼部画像を、表示部400に表示された画面中の表示領域401に表示させてもよい。
具体的には、被検眼Eが眼底撮像装置の撮像範囲に配置されることで、当該被検眼Eの前眼部は、前眼部照明光源303a及び303bから照射された光により照明される。このように証明された前眼部の像は、対物レンズ9を介して波長分岐ミラー8に導光され、当該波長分岐ミラー8を透過した後に、レンズ301を介して撮像素子302の撮像面に結像する。撮像素子302による撮像結果に応じた映像信号は、制御部50に入力される。
制御部50は、入力された映像信号をデジタルデータに変換し、当該デジタルデータに基づき前眼部画像を生成する。なお、制御部50は、入力された映像信号をデジタルデータに変換する処理をリアルタイムで行ってもよい。そして、制御部50は、生成した前眼部画像を、表示部400に表示された画面中の表示領域401に表示させる。
具体的には、被検眼Eが眼底撮像装置の撮像範囲に配置されることで、当該被検眼Eの前眼部は、前眼部照明光源303a及び303bから照射された光により照明される。このように証明された前眼部の像は、対物レンズ9を介して波長分岐ミラー8に導光され、当該波長分岐ミラー8を透過した後に、レンズ301を介して撮像素子302の撮像面に結像する。撮像素子302による撮像結果に応じた映像信号は、制御部50に入力される。
制御部50は、入力された映像信号をデジタルデータに変換し、当該デジタルデータに基づき前眼部画像を生成する。なお、制御部50は、入力された映像信号をデジタルデータに変換する処理をリアルタイムで行ってもよい。そして、制御部50は、生成した前眼部画像を、表示部400に表示された画面中の表示領域401に表示させる。
本実施形態に係る眼底撮像装置の光学系は、例えば、不図示のステージ上に配置されてもよい。この場合には、制御部50は、不図示のステージの駆動部を制御することで、当該ステージ上に配置された光学系を上下左右前後に移動させてもよい。また、光学系の光軸は、撮像素子302の撮像面の中心と略一致するように調整されているとよい。このような調整が行われることで、前眼撮像部300による撮像結果に応じた前眼部画像の瞳孔中心と、当該前眼撮像部300の撮像中心と、の間の偏心量が、被検眼Eと光学系との間の偏心量に相当することとなる。
S2において、制御部50は、被検眼Eの瞳孔中心と光学系の光軸とが略一致するように位置調整を行う。具体的には、制御部50は、被検眼Eの撮像結果に応じた前眼部画像のうちの特に虹彩の模様に相当する部分によって、被検眼Eと光学系との間の偏心及びフォーカスの状態を判定する。制御部50は、当該判定の結果に基づきステージの駆動部を制御して、瞳孔中心と光学系の光軸とが略一致するように被検眼Eと光学系のとの間の位置調整を行う。また、制御部50は、上記判定の結果に基づきステージの駆動部を制御して、虹彩の模様のコントラストがより高くなるように、光軸方向における被検眼Eと光学系のとの間の位置調整を行う。このような制御により、制御部50は、虹彩と同一面である被検眼Eの瞳孔と光学系の対物レンズ9との間の距離(ワーキングディスタンス)を一定に保つことが可能となる。また、表示領域401に前眼部画像が表示されることで、ユーザは、当該前眼部画像に基づき光軸偏心を確認することが可能となる。
S3において、制御部50は、被検眼Eのアライメント用の眼底画像(以下、当該眼底画像を「眼底観察画像」とも称する)の生成及び表示を行う。
具体的には、波長切り替え部51は、S2における位置調整によって瞳孔中心と撮像中心との偏心量が所定の値以下になると、レーザ光源101IRを点灯させる。この際に、レーザ光源101R、101G、及び101Bは消灯している。
レーザ光源101IRから出射される赤外レーザ光(以下、「観察光」とも称する)は、コリメータレンズ103IRにより平行光に変換され、反射ミラー2により反射された後に、穴開きミラー3の貫通孔を通過したうえで、フォーカスレンズ4を透過する。そして、観察光は、光走査部5、レンズ6、及び反射ミラー7を介して波長分岐ミラー8に導光され、当該波長分岐ミラー8により反射された後に対物レンズ9を介して被検眼Eの眼底Efに導光される。この際に、観察光は、光走査部5のXスキャンミラー及びYスキャンミラーの動作によって眼底Efにおいて二次元走査される。
具体的には、波長切り替え部51は、S2における位置調整によって瞳孔中心と撮像中心との偏心量が所定の値以下になると、レーザ光源101IRを点灯させる。この際に、レーザ光源101R、101G、及び101Bは消灯している。
レーザ光源101IRから出射される赤外レーザ光(以下、「観察光」とも称する)は、コリメータレンズ103IRにより平行光に変換され、反射ミラー2により反射された後に、穴開きミラー3の貫通孔を通過したうえで、フォーカスレンズ4を透過する。そして、観察光は、光走査部5、レンズ6、及び反射ミラー7を介して波長分岐ミラー8に導光され、当該波長分岐ミラー8により反射された後に対物レンズ9を介して被検眼Eの眼底Efに導光される。この際に、観察光は、光走査部5のXスキャンミラー及びYスキャンミラーの動作によって眼底Efにおいて二次元走査される。
観察光は、眼底Efの網膜を構成する層で反射及び散乱されて、戻り光として、対物レンズ9、波長分岐ミラー8、反射ミラー7、レンズ6、光走査部5、及びフォーカスレンズ4を介して穴開きミラー3に導光される。当該観察光は、穴開きミラー3の周辺部分で反射され、レンズ201及び絞り203を介して波長カットフィルタ204に導光され、当該波長カットフィルタ204を透過して受光素子202に導光される。
受光素子202による観察光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、不図示のA/D変換機によりデジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。なお、受光素子202から出力される光強度信号をデジタル信号に変換する処理については、例えば、リアルタイムで実行されてもよい。
画像生成部53は、制御部50に入力された上記デジタル信号に基づき、眼底観察画像を生成する。そして、表示制御部55は、生成された眼底観察画像を、表示部400に表示された画面中の表示領域402に表示させる。これにより、ユーザは、表示領域402に表示された眼底観察画像を確認し、当該眼底観察画像がより明るく表示されるように、フォーカス調整ボタン404を操作してフォーカス調整を行うことも可能となる。
受光素子202による観察光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、不図示のA/D変換機によりデジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。なお、受光素子202から出力される光強度信号をデジタル信号に変換する処理については、例えば、リアルタイムで実行されてもよい。
画像生成部53は、制御部50に入力された上記デジタル信号に基づき、眼底観察画像を生成する。そして、表示制御部55は、生成された眼底観察画像を、表示部400に表示された画面中の表示領域402に表示させる。これにより、ユーザは、表示領域402に表示された眼底観察画像を確認し、当該眼底観察画像がより明るく表示されるように、フォーカス調整ボタン404を操作してフォーカス調整を行うことも可能となる。
S4において、制御部50は、固視灯が表示される位置の調整を行う。具体的には、制御部50は、S3における眼底観察画像の生成及び表示に係る処理の実行後に、レーザ光源101Gを点灯させ、固視灯の表示を開始する。レーザ光源101Gから出射された緑色波長域の光は、コリメータレンズ103Gにより平行光に変換され、前述した観察光と同様の光路を介して被検眼Eの眼底Efに導光される。
表示制御部55は、眼底Ef上における固視灯の表示位置に応じて、表示領域402にマーカ403を表示する。これにより、ユーザは、所定の操作によりマーカ403の位置を調整することで、固視灯の表示位置を指定することが可能となる。制御部50は、ユーザによる固視灯の表示位置の指定に応じて、レーザ光源101Gの点灯タイミングを制御し、ユーザが指定した位置に固視灯を表示させる。
なお、この際に、レーザ光源101Gから出射される緑色波長域の光と同様の波長の光は、受光素子202の前段に配置された波長カットフィルタ204により遮断される。これにより、眼底観察画像に、固視灯の光(以下、「固視灯光」とも称する)がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、波長カットフィルタ204は、絞り203と受光素子202との間に介在するように配置されている。これにより、波長カットフィルタ204の配置誤差が絞り203を透過する光の光量に影響を及ぼす事態の発生が防止される。
表示制御部55は、眼底Ef上における固視灯の表示位置に応じて、表示領域402にマーカ403を表示する。これにより、ユーザは、所定の操作によりマーカ403の位置を調整することで、固視灯の表示位置を指定することが可能となる。制御部50は、ユーザによる固視灯の表示位置の指定に応じて、レーザ光源101Gの点灯タイミングを制御し、ユーザが指定した位置に固視灯を表示させる。
なお、この際に、レーザ光源101Gから出射される緑色波長域の光と同様の波長の光は、受光素子202の前段に配置された波長カットフィルタ204により遮断される。これにより、眼底観察画像に、固視灯の光(以下、「固視灯光」とも称する)がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、波長カットフィルタ204は、絞り203と受光素子202との間に介在するように配置されている。これにより、波長カットフィルタ204の配置誤差が絞り203を透過する光の光量に影響を及ぼす事態の発生が防止される。
S5において、制御部50は、表示部400の画面に表示された撮像ボタン405が押下されたことを検知すると、眼底画像の撮像に係る処理を実行する。なお、眼底画像の撮像に係る処理フローについては詳細を別途後述する。また、撮像結果に応じて生成された眼底画像は、メモリ等の記憶領域に記憶される。
S6において、制御部50は、S5の処理に基づき生成された眼底画像の表示に係る処理を実行する。具体的な一例として、制御部50は、被検眼Eの眼底Efの撮像結果に応じた眼底画像を、表示部400の画面の表示領域402に表示させてもよいし、当該表示領域402とは別に設けられた表示領域に表示させてもよい。
なお、S1~S4の処理については、2以上の処理が平行して実行されてもよい。例えば、前眼部画像の生成及び位置調整に係る処理と、眼底観察画像の生成及び固視灯の位置調整に係る処理とが平行して実行されてもよい。この場合には、観察光(赤外光)を射出するレーザ光源101IRと、固視灯の表示に利用されるレーザ光源101Gとが点灯され、レーザ光源101R及び101Bについては消灯させてもよい。また、固視灯の表示に利用される光源は、レーザ光源101Gに限定されない。例えば、レーザ光源101Rまたはレーザ光源101Bが、固視灯の表示に利用されてもよい。この場合には、レーザ光源101R、101G、及び101Bのうち、固視灯の表示に用いられるレーザ光源101を点灯させ、他のレーザ光源101については消灯させればよい。また、この際に、波長カットフィルタ204としては、固視灯の表示に用いられるレーザ光源101が射出する光と同様の波長の光が遮断する特性を有するものが適用されるとよい。
(眼底画像撮像シーケンス)
次いで、図3においてS5の処理として示した眼底画像の撮像に係る処理の詳細について、図5及び図6を参照して説明する。なお、制御部50は、例えば、図4に示す撮像ボタン405が押下されたことを検出した場合等のように、ユーザから眼底画像の撮像に係る指示を受け付けた場合に、図5に示す一連の処理を開始する。
次いで、図3においてS5の処理として示した眼底画像の撮像に係る処理の詳細について、図5及び図6を参照して説明する。なお、制御部50は、例えば、図4に示す撮像ボタン405が押下されたことを検出した場合等のように、ユーザから眼底画像の撮像に係る指示を受け付けた場合に、図5に示す一連の処理を開始する。
S501において、波長切り替え部51は、レーザ光源101IRを消灯させることで、当該レーザ光源101IRからの観察光の射出を停止させる。また、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、光出力部100から射出される光による眼底Ef上の走査における当該光が照射される位置(以下、「走査位置」とも称する)を開始位置に移動させる。
なお、観察光の射出を停止させるタイミングと、走査位置を開始位置に移動させるタイミングとのそれぞれは任意でよい。具体的な一例として、撮像ボタン405が押下されたことが検出された直後に、観察光の射出を停止させる処理と、走査位置を開始位置に移動させる処理とが実行されてもよい。また、他の一例として、撮像ボタン405が押下された後の観察光による1フレーム分の走査が行われた後に、観察光の射出を停止させる処理と、走査位置を開始位置に移動させる処理とが実行されてもよい。
なお、観察光の射出を停止させるタイミングと、走査位置を開始位置に移動させるタイミングとのそれぞれは任意でよい。具体的な一例として、撮像ボタン405が押下されたことが検出された直後に、観察光の射出を停止させる処理と、走査位置を開始位置に移動させる処理とが実行されてもよい。また、他の一例として、撮像ボタン405が押下された後の観察光による1フレーム分の走査が行われた後に、観察光の射出を停止させる処理と、走査位置を開始位置に移動させる処理とが実行されてもよい。
S502において、波長切り替え部51は、光走査部5が走査位置を開始位置に移動させたことを検出したら、レーザ光源101Rを点灯させる。また、波長切り替え部51は、レーザ光源101Bが点灯していた場合には、当該レーザ光源101Bを消灯させる。
S503において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、レーザ光源101Rから射出される赤色波長域の光(以下、「赤色レーザ光」とも称する)により1フレーム分の走査を行う。これにより、1フレーム分だけ被検眼Eの眼底Efに赤色レーザ光が照射され、当該赤色レーザ光が眼底Efで反射された戻り光が受光部200に導光される。また、この際に、レーザ光源101Gは、ユーザが指定した位置に応じて固視灯が表示されるように点灯タイミングが制御される。具体的には、赤色レーザ光が1フレーム分の期間照射が継続されるのに対して、レーザ光源101Gから射出される緑色波長域の光(以下、「緑色レーザ光」とも称する)の照射期間は、当該1フレーム分の期間よりも短くなるように制御される。換言すると、緑色レーザ光は、赤色レーザ光よりも短い周期でオンオフが制御される。
緑色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光は、波長カットフィルタ204で遮断される。そのため、赤色レーザ光及び緑色レーザ光のそれぞれが被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光のうち、赤色レーザ光に対応する戻り光のみが受光素子202に受光されることとなる。これにより、赤色レーザ光による撮像画像に、固視灯光がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
緑色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光は、波長カットフィルタ204で遮断される。そのため、赤色レーザ光及び緑色レーザ光のそれぞれが被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光のうち、赤色レーザ光に対応する戻り光のみが受光素子202に受光されることとなる。これにより、赤色レーザ光による撮像画像に、固視灯光がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
そして、受光素子202による赤色レーザ光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、赤色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号を取得する。
波長切り替え部51は、赤色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Rを消灯させる。
波長切り替え部51は、赤色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Rを消灯させる。
S504において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、光出力部100から射出される光による眼底Ef上の走査における走査位置を開始位置に移動させる。そして、波長切り替え部51は、光走査部5が走査位置を開始位置に移動させたことを検出したら、レーザ光源101Bを点灯させる。
S505において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、レーザ光源101Bから射出される青色波長域の光(以下、「青色レーザ光」とも称する)により1フレーム分の走査を行う。これにより、1フレーム分だけ被検眼Eの眼底Efに青色レーザ光が照射され、当該青色レーザ光が眼底Efで反射された戻り光が受光部200に導光される。また、この際に、レーザ光源101Gは、ユーザが指定した位置に応じて固視灯が表示されるように点灯タイミングが制御される。具体的には、青色レーザ光が1フレーム分の期間照射が継続されるのに対して、緑色レーザ光の照射期間は、当該1フレーム分の期間よりも短くなるように制御される。換言すると、緑色レーザ光は、青色レーザ光よりも短い周期でオンオフが制御される。
緑色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光は、波長カットフィルタ204で遮断される。そのため、青色レーザ光及び緑色レーザ光のそれぞれが被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光のうち、青色レーザ光に対応する戻り光のみが受光素子202に受光されることとなる。これにより、青色レーザ光による撮像画像に、固視灯光がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
緑色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光は、波長カットフィルタ204で遮断される。そのため、青色レーザ光及び緑色レーザ光のそれぞれが被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光のうち、青色レーザ光に対応する戻り光のみが受光素子202に受光されることとなる。これにより、青色レーザ光による撮像画像に、固視灯光がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
そして、受光素子202による青色レーザ光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、青色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号を取得する。
波長切り替え部51は、青色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Bを消灯させる。
波長切り替え部51は、青色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Bを消灯させる。
S505aにおいて、制御部50は、受光部200の光路上から波長カットフィルタ204を退避させ、赤色レーザ光と同様の波長の光を遮断する特性を有する波長カットフィルタ205を当該光路上に挿入する。この際に、波長カットフィルタ205は、絞り203と受光素子202との間の光路上に配置される。これにより、波長カットフィルタ205の配置誤差が絞り203を透過する光の光量に影響を及ぼす事態の発生が防止される。
S506において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、光出力部100から射出される光による眼底Ef上の走査における走査位置を開始位置に移動させる。そして、波長切り替え部51は、光走査部5が走査位置を開始位置に移動させたことを検出したら、レーザ光源101Gを点灯させる。
S507において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、レーザ光源101Gから射出される緑色レーザ光により1フレーム分の走査を行う。これにより、1フレーム分だけ被検眼Eの眼底Efに緑色レーザ光が照射され、当該緑色レーザ光が眼底Efで反射された戻り光が受光部200に導光される。また、この際に、レーザ光源101Rは、ユーザが指定した位置に応じて固視灯が表示されるように点灯タイミングが制御される。具体的には、緑色レーザ光が1フレーム分の期間照射が継続されるのに対して、赤色レーザ光の照射期間は、当該1フレーム分の期間よりも短くなるように制御される。換言すると、赤色レーザ光は、緑色レーザ光よりも短い周期でオンオフが制御される。
赤色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光は、波長カットフィルタ205で遮断される。そのため、緑色レーザ光及び赤色レーザ光のそれぞれが被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光のうち、緑色レーザ光に対応する戻り光のみが受光素子202に受光されることとなる。これにより、緑色レーザ光による撮像画像に、固視灯光がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
赤色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光は、波長カットフィルタ205で遮断される。そのため、緑色レーザ光及び赤色レーザ光のそれぞれが被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光のうち、緑色レーザ光に対応する戻り光のみが受光素子202に受光されることとなる。これにより、緑色レーザ光による撮像画像に、固視灯光がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
そして、受光素子202による緑色レーザ光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、緑色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号を取得する。
波長切り替え部51は、緑色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Gを消灯させる。
波長切り替え部51は、緑色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Gを消灯させる。
上述したS502~S507の処理の実行に伴い、制御部50は、共通の走査位置1フレーム分の、赤色レーザ光、青色レーザ光、及び緑色レーザ光それぞれが変換されたデジタル信号を取得することとなる。
なお、上述した例では、レーザ光源101R、101B、及び101Gがこの順序で順次点灯される場合について説明したが、各レーザ光源101が点灯される順序は必ずしも限定はされない。
なお、上述した例では、レーザ光源101R、101B、及び101Gがこの順序で順次点灯される場合について説明したが、各レーザ光源101が点灯される順序は必ずしも限定はされない。
また、上述した例では、赤色レーザ光及び青色レーザ光を撮影光として利用する際に緑色レーザ光を固視灯の表示に利用し、緑色レーザ光を撮影光として利用する際には赤色レーザを固視灯の表示に利用しているが、必ずしもこの組み合わせには限定されない。具体的には、光出力部100から撮影光として出力される光とは波長の異なる可視波長の光が固視灯の表示に利用されればよい。
また、上述した例では、赤色レーザ及び青色レーザそれぞれを順次撮影光としてそれぞれについて1フレーム分のデジタル信号を取得する際に、緑色レーザ光を利用して固視灯の表示を行っている(すなわち、緑色レーザ光を固視灯光として利用している)。さらに、緑色レーザ光を撮影光として1フレーム分のデジタル信号を取得する際には、赤色レーザ光を利用して固視灯の表示を行っている(すなわち、赤色レーザ光を固視灯光として利用している)。このように、RGBの順に1フレームずつ画像の取得が行われる間に、固視灯についてGGRの順で表示が行われている。この場合には、撮影光と固視灯光と間で色の時間積分値が異なるため、被験者が固視灯を認識しやすくなる効果が期待できる。
なお、上述した例において、緑色レーザ光に対応する波長が、3以上の波長のうちの所定の1つの波長の一例に相当する。また、赤色レーザ及び青色レーザそれぞれに対応する波長が、上記3以上の波長のうちの上記所定の1つの波長以外の一連の波長の一例に相当する。
なお、上述した例において、緑色レーザ光に対応する波長が、3以上の波長のうちの所定の1つの波長の一例に相当する。また、赤色レーザ及び青色レーザそれぞれに対応する波長が、上記3以上の波長のうちの上記所定の1つの波長以外の一連の波長の一例に相当する。
また、この際に、観察時の固視灯の表示に利用した光と異なる波長の光を撮像対象とした撮像画像が、固視灯の表示に利用した光と同様の波長の光を撮像対象とした撮像画像が取得される撮像フレームよりも先行した撮像フレームにおいて取得されることが好ましい。この場合には、観察時と、当該観察時に固視灯の表示に利用した光と異なる波長の光を撮像対象とした撮像画像の取得時と、の間の期間において、波長カットフィルタの切り替えを行わなくともよく、固視灯光の波長についても固定することが可能となる。これにより、RGBそれぞれについて1フレーム分の画像を取得する間に、波長カットフィルタ204及び205の挿脱回数が1回に抑えられることとなるため、撮像時におけるフィルタ挿脱の制御をより簡略化することが可能となる。
また、各レーザ光源101からの光を撮影光として利用する場合と、固視灯光として利用する場合と、において出力強度を変更する制御が適用されてもよい。
具体的な一例として、撮影光として利用する場合の光量よりも、固視灯光として利用する場合の光量がより小さくなるような制御が適用されてもよい。これにより、安全光量規格を満たす範囲において、より高い光量を撮影光として用いることが可能となるため、SN比の良好な画像を取得可能となる効果が期待できる。
また、他の一例として、撮影光として利用する場合の光量よりも、固視灯光として利用する場合の光量がより大きくなるような制御が適用されてもよい。これにより、撮像中に被験者が固視灯をより認識しやすくなる効果が期待できる。
具体的な一例として、撮影光として利用する場合の光量よりも、固視灯光として利用する場合の光量がより小さくなるような制御が適用されてもよい。これにより、安全光量規格を満たす範囲において、より高い光量を撮影光として用いることが可能となるため、SN比の良好な画像を取得可能となる効果が期待できる。
また、他の一例として、撮影光として利用する場合の光量よりも、固視灯光として利用する場合の光量がより大きくなるような制御が適用されてもよい。これにより、撮像中に被験者が固視灯をより認識しやすくなる効果が期待できる。
S508において、制御部50は、所定のフレーム数分の撮像画像が取得できたか否かを判定する。
制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できていないと判定した場合には、処理をS502に進める。この場合には、S502以降の処理が改めて実行されることとなる。
そして、制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できたと判定した場合には、図5に示す一連の処理を終了する。
なお、撮像画像が取得されるフレーム数については、撮像が行われる前にあらかじめ所定の入力手段を介したユーザ(例えば、検者)からの指示に応じて設定されてもよい。また、他の一例として、撮像された画像に対して所定の画像処理を施した結果に基づく、コントラスト等の画質評価指標に基づき、撮像画像が取得されるフレーム数の設定が行われてもよい。
制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できていないと判定した場合には、処理をS502に進める。この場合には、S502以降の処理が改めて実行されることとなる。
そして、制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できたと判定した場合には、図5に示す一連の処理を終了する。
なお、撮像画像が取得されるフレーム数については、撮像が行われる前にあらかじめ所定の入力手段を介したユーザ(例えば、検者)からの指示に応じて設定されてもよい。また、他の一例として、撮像された画像に対して所定の画像処理を施した結果に基づく、コントラスト等の画質評価指標に基づき、撮像画像が取得されるフレーム数の設定が行われてもよい。
撮像終了後、波長切り替え部51は、レーザ光源101IRを点灯させることで、当該レーザ光源101IRに観察光を射出させてもよい。
また、撮像終了後に、画像生成部53は、赤色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき赤色眼底画像を生成する。同様に、画像生成部53は、緑色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき緑色眼底画像を生成し、青色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき青色眼底画像を生成する。そして、合成処理部54は、赤色眼底画像、緑色眼底画像、及び青色眼底画像を合成し、3色の疑似カラー眼底画像を生成する。また、合成処理部54は、各色の眼底画像を合成する際に、位置ずれ補正等の各種補正を適用してもよい。なお、位置ずれ補正の方法については一例を別途後述する。
また、撮像終了後に、画像生成部53は、赤色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき赤色眼底画像を生成する。同様に、画像生成部53は、緑色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき緑色眼底画像を生成し、青色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき青色眼底画像を生成する。そして、合成処理部54は、赤色眼底画像、緑色眼底画像、及び青色眼底画像を合成し、3色の疑似カラー眼底画像を生成する。また、合成処理部54は、各色の眼底画像を合成する際に、位置ずれ補正等の各種補正を適用してもよい。なお、位置ずれ補正の方法については一例を別途後述する。
以上のような制御が適用されることで、固視灯を表示して固視状態を保ちながら、赤色レーザ光、緑色レーザ光、及び青色レーザ光それぞれを撮影光とした眼底の撮像結果に応じたデジタル信号を取得することが可能となる。これにより、撮像中における被検眼の動きを抑制し、各色の眼底画像内における位置ずれや、各色の眼底画像間における位置ずれ等の発生に伴う影響をより低減することが可能となる。
(位置ずれ補正)
次いで、眼底画像の位置ずれ補正の方法の一例について、図7を参照して説明する。なお、図7に示す例では、視神経乳頭を特徴点として利用している。
次いで、眼底画像の位置ずれ補正の方法の一例について、図7を参照して説明する。なお、図7に示す例では、視神経乳頭を特徴点として利用している。
制御部50は、図3におけるS3の処理を実行することで、眼底観察画像を取得する。この際における視神経乳頭の位置を、Dir=(Xir,Yir)とする。また、制御部50は、図5におけるS502~S507の処理を実行することで、赤色眼底画像、緑色眼底画像、及び青色眼底画像を取得する。
眼底観察画像と、1フレームごとに取得された赤色眼底画像、緑色眼底画像、及び青色眼底画像それぞれとの間には位置ずれが残存する場合がある。
赤色眼底画像における視神経乳頭の位置をDr(Xr,Yr)とすると、眼底観察画像と赤色眼底画像との間の位置ずれ量は、ΔXr=Xr-Xir、ΔYr=Yr-Yirとなる。この位置ずれ量ΔXr、ΔYrを、位置ずれ補正量(ΔXr,ΔYr)とする。
同様に、緑色眼底画像の視神経乳頭の位置をDg=(Xg,Yg)とすると、眼底観察画像と緑色眼底画像との間の位置ずれ量は、ΔXg=Xg-Xir、ΔYg=Yg-Yirとなり、位置ずれ補正量は(ΔXg,ΔYg)となる。
また、青色眼底画像の視神経乳頭の位置をDb=(Xb,Yb)とすると、眼底観察画像と青色眼底画像との間の位置ずれ量は、ΔXb=Xb-Xir、ΔYb=Yb-Yirとなり、位置ずれ補正量は(ΔXb,ΔYb)となる。
赤色眼底画像における視神経乳頭の位置をDr(Xr,Yr)とすると、眼底観察画像と赤色眼底画像との間の位置ずれ量は、ΔXr=Xr-Xir、ΔYr=Yr-Yirとなる。この位置ずれ量ΔXr、ΔYrを、位置ずれ補正量(ΔXr,ΔYr)とする。
同様に、緑色眼底画像の視神経乳頭の位置をDg=(Xg,Yg)とすると、眼底観察画像と緑色眼底画像との間の位置ずれ量は、ΔXg=Xg-Xir、ΔYg=Yg-Yirとなり、位置ずれ補正量は(ΔXg,ΔYg)となる。
また、青色眼底画像の視神経乳頭の位置をDb=(Xb,Yb)とすると、眼底観察画像と青色眼底画像との間の位置ずれ量は、ΔXb=Xb-Xir、ΔYb=Yb-Yirとなり、位置ずれ補正量は(ΔXb,ΔYb)となる。
合成処理部54は、各位置ずれ補正量(ΔXr,ΔYr)、(ΔXg,ΔYg)、及び(ΔXb,ΔYb)を、それぞれ赤色眼底画像、緑色眼底画像、及び青色眼底画像に適用することで位置ずれ補正を行ったうえで、これらの眼底画像を合成してもよい。この場合においても、固視灯の表示により位置ずれ補正量をより小さく抑えることが可能となるため、より広い範囲を撮像対象とした疑似カラー画像を生成することが可能となる。
なお、上述した例では視神経乳頭を特徴点として利用することで位置ずれ補正量を導き出したが、位置ずれ補正量を導き出すことが可能であれば、特徴点として利用する被写体は視神経乳頭には限定されない。具体的な一例として、眼底血管等が特徴点として利用されてもよい。
なお、上述した例では視神経乳頭を特徴点として利用することで位置ずれ補正量を導き出したが、位置ずれ補正量を導き出すことが可能であれば、特徴点として利用する被写体は視神経乳頭には限定されない。具体的な一例として、眼底血管等が特徴点として利用されてもよい。
<第2の実施形態>
第2の実施形態として、図8~図10を参照して、本開示に係る技術を眼底撮像に適用した場合の他の一例について説明する。
第2の実施形態として、図8~図10を参照して、本開示に係る技術を眼底撮像に適用した場合の他の一例について説明する。
(光学構成)
本実施形態に係る眼底撮像装置の光学構成の一例について、図8を参照して説明する。図8に示す光学構成は、図1を参照して説明した光学構成と比較して、波長カットフィルタ204及び205と、当該波長カットフィルタ204及び205を光路上へ挿脱させる不図示の駆動部とを含まない点で異なる。
一方で、その他の構成については、図1に示す光学構成と実質的に同様のため、詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る眼底撮像装置の光学構成の一例について、図8を参照して説明する。図8に示す光学構成は、図1を参照して説明した光学構成と比較して、波長カットフィルタ204及び205と、当該波長カットフィルタ204及び205を光路上へ挿脱させる不図示の駆動部とを含まない点で異なる。
一方で、その他の構成については、図1に示す光学構成と実質的に同様のため、詳細な説明は省略する。
(処理)
次いで、図8に示す眼底撮像装置を利用した被検眼Eの眼底Efの撮像に係る処理の一例について、図3を参照して説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる部分に着目して説明し、第1の実施形態と実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。
次いで、図8に示す眼底撮像装置を利用した被検眼Eの眼底Efの撮像に係る処理の一例について、図3を参照して説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる部分に着目して説明し、第1の実施形態と実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。
S0において、制御部50は、不図示のモード選択ボタンがユーザから受け付けた操作に応じて、被検眼Eの眼底Efの撮像モードを選択する。ここでは、制御部50は、カラー撮像モードを選択したものとする。
S1~S2の処理については、前述した第1の実施形態と実質的に同様である。
S3において、観察光は、被検眼Eの眼底Efの網膜を構成する層で反射及び散乱され、戻り光として穴開きミラー3に導光され、当該穴開きミラー3の周辺で反射された後に、レンズ201及び絞り203を介して受光素子202に導光される。制御部50は、受光部200による被検眼Eからの戻り光の検知結果に基づき、当該被検眼Eのアライメント用の眼底観察画像を生成し、表示部400に表示された画面の表示領域402に表示させる。
S4~S6については、前述した第1の実施形態と実質的に同様である。
S1~S2の処理については、前述した第1の実施形態と実質的に同様である。
S3において、観察光は、被検眼Eの眼底Efの網膜を構成する層で反射及び散乱され、戻り光として穴開きミラー3に導光され、当該穴開きミラー3の周辺で反射された後に、レンズ201及び絞り203を介して受光素子202に導光される。制御部50は、受光部200による被検眼Eからの戻り光の検知結果に基づき、当該被検眼Eのアライメント用の眼底観察画像を生成し、表示部400に表示された画面の表示領域402に表示させる。
S4~S6については、前述した第1の実施形態と実質的に同様である。
(眼底画像撮像シーケンス)
次いで、図3においてS5の処理として示した眼底画像の撮像に係る処理の詳細について、図9及び図10を参照して説明する。なお、制御部50は、例えば、図4に示す撮像ボタン405が押下されたことを検出した場合等のように、ユーザから眼底画像の撮像に係る指示を受け付けた場合に、図9に示す一連の処理を開始する。
次いで、図3においてS5の処理として示した眼底画像の撮像に係る処理の詳細について、図9及び図10を参照して説明する。なお、制御部50は、例えば、図4に示す撮像ボタン405が押下されたことを検出した場合等のように、ユーザから眼底画像の撮像に係る指示を受け付けた場合に、図9に示す一連の処理を開始する。
S501~S502の処理については、図5におけるS501~S502の処理と実質的に同様である。
S503において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、レーザ光源101Rから射出される赤色レーザ光により1フレーム分の走査を行う。これにより、1フレーム分だけ被検眼Eの眼底Efに赤色レーザ光が照射され、当該赤色レーザ光が眼底Efで反射された戻り光が受光部200に導光される。
そして、受光素子202による赤色レーザ光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、赤色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号を取得する。
波長切り替え部51は、赤色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Rを消灯させる。
S503において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、レーザ光源101Rから射出される赤色レーザ光により1フレーム分の走査を行う。これにより、1フレーム分だけ被検眼Eの眼底Efに赤色レーザ光が照射され、当該赤色レーザ光が眼底Efで反射された戻り光が受光部200に導光される。
そして、受光素子202による赤色レーザ光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、赤色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号を取得する。
波長切り替え部51は、赤色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Rを消灯させる。
S503aにおいて、制御部50は、赤色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号の取得後から次の撮像フレームにおける撮影光の光源が点灯するまでの間に、レーザ光源101Gを点灯させることで固視灯を表示させる。この際に、制御部50は、ユーザによる固視灯の表示位置の指定に応じて、レーザ光源101Gの点灯タイミングを制御し、ユーザが指定した位置に固視灯を表示させる。すなわち、撮像フレーム間において固視灯の表示が行われることとなる。これにより、被検眼Eの眼底Efで反射された固視灯光が、前後の撮像フレームにおける撮像結果に応じた画像(眼底画像)にノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、直前のフレームにおいて撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、被験者が直前のフレームで照射された撮影光の残像とは異なる色の固視灯光を認識することが可能となり、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
S504において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、光出力部100から射出される光による眼底Ef上の走査における走査位置を開始位置に移動させる。そして、波長切り替え部51は、光走査部5が走査位置を開始位置に移動させたことを検出したら、レーザ光源101Bを点灯させる。
S505において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、レーザ光源101Bから射出される青色レーザ光により1フレーム分の走査を行う。これにより、1フレーム分だけ被検眼Eの眼底Efに青色レーザ光が照射され、当該青色レーザ光が眼底Efで反射された戻り光が受光部200に導光される。
そして、受光素子202による青色レーザ光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、青色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号を取得する。
波長切り替え部51は、青色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Bを消灯させる。
そして、受光素子202による青色レーザ光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、青色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号を取得する。
波長切り替え部51は、青色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Bを消灯させる。
S505bにおいて、制御部50は、青色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号の取得後から次の撮像フレームにおける撮影光の光源が点灯するまでの間に、レーザ光源101Rを点灯させることで固視灯を表示させる。この際に、制御部50は、ユーザによる固視灯の表示位置の指定に応じて、レーザ光源101Rの点灯タイミングを制御し、ユーザが指定した位置に固視灯を表示させる。すなわち、撮像フレーム間において固視灯の表示が行われることとなる。これにより、被検眼Eの眼底Efで反射された固視灯光が、前後の撮像フレームにおける撮像結果に応じた画像(眼底画像)にノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、直前のフレームにおいて撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、被験者が直前のフレームで照射された撮影光の残像とは異なる色の固視灯光を認識することが可能となり、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
S506において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、光出力部100から射出される光による眼底Ef上の走査における走査位置を開始位置に移動させる。そして、波長切り替え部51は、光走査部5が走査位置を開始位置に移動させたことを検出したら、レーザ光源101Gを点灯させる。
S507において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、レーザ光源101Gから射出される緑色レーザ光により1フレーム分の走査を行う。これにより、1フレーム分だけ被検眼Eの眼底Efに緑色レーザ光が照射され、当該緑色レーザ光が眼底Efで反射された戻り光が受光部200に導光される。
そして、受光素子202による緑色レーザ光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、緑色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号を取得する。
波長切り替え部51は、緑色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Gを消灯させる。
そして、受光素子202による緑色レーザ光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、緑色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号を取得する。
波長切り替え部51は、緑色レーザ光による1フレーム分の走査が完了したら、レーザ光源101Gを消灯させる。
S502~S507の処理として上述したように、制御部50は、撮影光を赤色レーザ光、青色レーザ光、及び緑色レーザ光をそれぞれに時分割で切り替える。換言すると、制御部50は、撮影光の波長を、赤色波長域に含まれる波長、緑色波長域に含まれる波長、及び青色波長域に含まれる波長のそれぞれに時分割で切り替える。そして、上述したS502~S507の処理の実行に伴い、制御部50は、共通の走査位置1フレーム分の、赤色レーザ光、青色レーザ光、及び緑色レーザ光それぞれが変換されたデジタル信号を取得することとなる。
なお、上述した例では、レーザ光源101R、101B、及び101Gがこの順序で順次点灯される場合について説明したが、各レーザ光源101が点灯される順序は必ずしも限定はされない。
なお、上述した例では、レーザ光源101R、101B、及び101Gがこの順序で順次点灯される場合について説明したが、各レーザ光源101が点灯される順序は必ずしも限定はされない。
S508において、制御部50は、所定のフレーム数分の撮像画像が取得できたか否かを判定する。
制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できていないと判定した場合には、処理をS508aに進める。
S508aにおいて、制御部50は、緑色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号の取得後から次の撮像フレームにおける撮影光の光源が点灯するまでの間に、レーザ光源101Bを点灯させることで固視灯を表示させる。この際に、制御部50は、ユーザによる固視灯の表示位置の指定に応じて、レーザ光源101Bの点灯タイミングを制御し、ユーザが指定した位置に固視灯を表示させる。すなわち、撮像フレーム間において固視灯の表示が行われることとなる。これにより、被検眼Eの眼底Efで反射された固視灯光が、前後の撮像フレームにおける撮像結果に応じた画像(眼底画像)にノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、直前のフレームにおいて撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、被験者が直前のフレームで照射された撮影光の残像とは異なる色の固視灯光を認識することが可能となり、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
なお、この場合には、S502以降の処理が改めて実行されることとなる。
制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できていないと判定した場合には、処理をS508aに進める。
S508aにおいて、制御部50は、緑色レーザ光を利用した走査の結果に応じた1フレーム分のデジタル信号の取得後から次の撮像フレームにおける撮影光の光源が点灯するまでの間に、レーザ光源101Bを点灯させることで固視灯を表示させる。この際に、制御部50は、ユーザによる固視灯の表示位置の指定に応じて、レーザ光源101Bの点灯タイミングを制御し、ユーザが指定した位置に固視灯を表示させる。すなわち、撮像フレーム間において固視灯の表示が行われることとなる。これにより、被検眼Eの眼底Efで反射された固視灯光が、前後の撮像フレームにおける撮像結果に応じた画像(眼底画像)にノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、直前のフレームにおいて撮像対象となる光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、被験者が直前のフレームで照射された撮影光の残像とは異なる色の固視灯光を認識することが可能となり、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
なお、この場合には、S502以降の処理が改めて実行されることとなる。
そして、制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できたと判定した場合には、図9に示す一連の処理を終了する。
なお、撮像画像が取得されるフレーム数については、撮像が行われる前にあらかじめ所定の入力手段を介したユーザ(例えば、検者)からの指示に応じて設定されてもよい。また、他の一例として、撮像された画像に対して所定の画像処理を施した結果に基づく、コントラスト等の画質評価指標に基づき、撮像画像が取得されるフレーム数の設定が行われてもよい。
また、上述した例では、赤色レーザ光及び青色レーザ光それぞれを撮影光とする2つのフレーム間においては、緑色レーザ光を利用して固視灯の表示を行っている。また、青色レーザ光及び緑色レーザ光それぞれを撮影光とする2つのフレーム間においては、赤色レーザ光を利用して固視灯の表示を行っている。また、緑色レーザ光及び赤色レーザ光それぞれを撮影光とする2つのフレーム間においては、青色レーザ光を利用して固視灯の表示を行っている。しかしながら、同制御はあくまで一例であり、光出力部100が出射可能であり、直前のフレームにおける撮影光と波長の異なる可視波長の光であれば、固視灯の表示に利用される光は特に限定はされない。また、光出力部100が出射可能であり、直前のフレームにおける撮影光と波長の異なる可視波長の光であるとの条件を満たせば、例えば、複数の光源を略同時に点灯させる等により、互いに波長の異なる複数の光が固視灯の表示に利用されてもよい。
撮像終了後、波長切り替え部51は、レーザ光源101IRを点灯させることで、当該レーザ光源101IRに観察光を射出させてもよい。
また、撮像終了後に、画像生成部53は、赤色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき赤色眼底画像を生成する。同様に、画像生成部53は、緑色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき緑色眼底画像を生成し、青色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき青色眼底画像を生成する。そして、合成処理部54は、赤色眼底画像、緑色眼底画像、及び青色眼底画像を合成し、3色の疑似カラー眼底画像を生成する。また、合成処理部54は、各色の眼底画像を合成する際に、位置ずれ補正等の各種補正を適用してもよい。
また、撮像終了後に、画像生成部53は、赤色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき赤色眼底画像を生成する。同様に、画像生成部53は、緑色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき緑色眼底画像を生成し、青色レーザ光を撮影光とした所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき青色眼底画像を生成する。そして、合成処理部54は、赤色眼底画像、緑色眼底画像、及び青色眼底画像を合成し、3色の疑似カラー眼底画像を生成する。また、合成処理部54は、各色の眼底画像を合成する際に、位置ずれ補正等の各種補正を適用してもよい。
以上のような制御が適用されることで、固視灯が撮像フレーム間に表示されるため、固視灯光が撮像画像(眼底画像)に映り込むことによるノイズを低減させる効果を期待することが可能となる。特に、本実施形態に係る眼底撮像装置は、波長カットフィルタ等を適用しない構成とすることが可能であるため、装置構成をより簡略化することも可能となる。また、直前のフレームにおける撮影光と波長の異なる光を固視灯の表示に利用しているため、被験者が直前のフレームで照射された撮影光の残像とは異なる色の固視灯光を認識することが可能となり、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。これにより、撮像中における被検眼の動きを抑制し、各色の眼底画像内における位置ずれや、各色の眼底画像間における位置ずれ等の発生に伴う影響をより低減することが可能となる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態として、図11~図13を参照して、本開示に係る技術を眼底撮像に適用した場合の他の一例について、特に所謂蛍光観察を行う場合に着目して説明する。
第3の実施形態として、図11~図13を参照して、本開示に係る技術を眼底撮像に適用した場合の他の一例について、特に所謂蛍光観察を行う場合に着目して説明する。
(光学構成)
本実施形態に係る眼底撮像装置の光学構成の一例について、図11を参照して説明する。図11に示す光学構成は、図1を参照して説明した光学構成と比較して、波長カットフィルタ204及び205と、当該波長カットフィルタ204及び205を光路上へ挿脱させる不図示の駆動部とを含まず、波長カットフィルタ206を含む点で異なる。
波長カットフィルタ206は、レーザ光源101Gから出射される緑色レーザ光と同様の波長の光と、レーザ光源101Bから出射される青色レーザ光と同様の波長の光と、を遮断し、その他の波長の光を透過させる特性を有する。
なお、その他の構成については、図1に示す光学構成と実質的に同様のため、詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る眼底撮像装置の光学構成の一例について、図11を参照して説明する。図11に示す光学構成は、図1を参照して説明した光学構成と比較して、波長カットフィルタ204及び205と、当該波長カットフィルタ204及び205を光路上へ挿脱させる不図示の駆動部とを含まず、波長カットフィルタ206を含む点で異なる。
波長カットフィルタ206は、レーザ光源101Gから出射される緑色レーザ光と同様の波長の光と、レーザ光源101Bから出射される青色レーザ光と同様の波長の光と、を遮断し、その他の波長の光を透過させる特性を有する。
なお、その他の構成については、図1に示す光学構成と実質的に同様のため、詳細な説明は省略する。
(処理)
次いで、図11に示す眼底撮像装置を利用した被検眼Eの眼底Efの撮像に係る処理の一例について、図3を参照して説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる部分に着目して説明し、第1の実施形態と実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。
次いで、図11に示す眼底撮像装置を利用した被検眼Eの眼底Efの撮像に係る処理の一例について、図3を参照して説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる部分に着目して説明し、第1の実施形態と実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。
S0において、制御部50は、不図示のモード選択ボタンがユーザから受け付けた操作に応じて、被検眼Eの眼底Efの撮像モードを選択する。ここでは、制御部50は、緑色励起眼底自発蛍光撮像モードを選択したものとする。この場合には、受光部200の光路上には波長カットフィルタ206が配置される。
S1~S2の処理については、前述した第1の実施形態と実質的に同様である。
S3において、観察光は、被検眼Eの眼底Efの網膜を構成する層で反射及び散乱され、戻り光として穴開きミラー3に導光される。そして、当該観察光は、穴開きミラー3の周辺で反射された後に、レンズ201、絞り203、及び波長カットフィルタ206を介して受光素子202に導光される。
S4~S6の処理については、前述した第1の実施形態と実質的に同様である。
S1~S2の処理については、前述した第1の実施形態と実質的に同様である。
S3において、観察光は、被検眼Eの眼底Efの網膜を構成する層で反射及び散乱され、戻り光として穴開きミラー3に導光される。そして、当該観察光は、穴開きミラー3の周辺で反射された後に、レンズ201、絞り203、及び波長カットフィルタ206を介して受光素子202に導光される。
S4~S6の処理については、前述した第1の実施形態と実質的に同様である。
(眼底画像撮像シーケンス)
次いで、図3においてS5の処理として示した眼底画像の撮像に係る処理の詳細について、図12及び図13を参照して説明する。なお、制御部50は、例えば、図4に示す撮像ボタン405が押下されたことを検出した場合等のように、ユーザから眼底画像の撮像に係る指示を受け付けた場合に、図12に示す一連の処理を開始する。
次いで、図3においてS5の処理として示した眼底画像の撮像に係る処理の詳細について、図12及び図13を参照して説明する。なお、制御部50は、例えば、図4に示す撮像ボタン405が押下されたことを検出した場合等のように、ユーザから眼底画像の撮像に係る指示を受け付けた場合に、図12に示す一連の処理を開始する。
S501の処理については、図5におけるS501の処理と実質的に同様である。
S502において、波長切り替え部51は、光走査部5が走査位置を開始位置に移動させたことを検出したら、レーザ光源101Gを点灯させる。また、波長切り替え部51は、レーザ光源101Rが点灯していた場合には、当該レーザ光源101Rを消灯させる。
S503において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、レーザ光源101Gから射出される緑色レーザ光を眼底自発蛍光の励起光として1フレーム分の走査を行う。これにより、1フレーム分だけ被検眼Eの眼底Efに緑色レーザ光が照射され、当該緑色レーザ光が眼底Efで反射された戻り光と、当該緑色レーザ光により励起された眼底自発蛍光が受光部200に導光される。
緑色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光は、波長カットフィルタ206で遮断される。また、この際に、レーザ光源101Bは、ユーザが指定した位置に応じて固視灯が表示されるように点灯タイミングが制御される。ただし、青色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光についても、波長カットフィルタ206で遮断される。このように、励起光である緑色レーザ光と固視灯光である青色レーザ光とのそれぞれに対応する戻り光が波長カットフィルタ206で遮断されるため、眼底自発蛍光のみが受光素子202に受光されることとなる。これにより、眼底自発蛍光を撮像対象とした画像に、励起光や固視灯光がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、励起光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
S502において、波長切り替え部51は、光走査部5が走査位置を開始位置に移動させたことを検出したら、レーザ光源101Gを点灯させる。また、波長切り替え部51は、レーザ光源101Rが点灯していた場合には、当該レーザ光源101Rを消灯させる。
S503において、光走査制御部52は、光走査部5を制御し、レーザ光源101Gから射出される緑色レーザ光を眼底自発蛍光の励起光として1フレーム分の走査を行う。これにより、1フレーム分だけ被検眼Eの眼底Efに緑色レーザ光が照射され、当該緑色レーザ光が眼底Efで反射された戻り光と、当該緑色レーザ光により励起された眼底自発蛍光が受光部200に導光される。
緑色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光は、波長カットフィルタ206で遮断される。また、この際に、レーザ光源101Bは、ユーザが指定した位置に応じて固視灯が表示されるように点灯タイミングが制御される。ただし、青色レーザ光が被検眼Eの眼底Efで反射された戻り光についても、波長カットフィルタ206で遮断される。このように、励起光である緑色レーザ光と固視灯光である青色レーザ光とのそれぞれに対応する戻り光が波長カットフィルタ206で遮断されるため、眼底自発蛍光のみが受光素子202に受光されることとなる。これにより、眼底自発蛍光を撮像対象とした画像に、励起光や固視灯光がノイズとして映り込む事態の発生が防止される。また、励起光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
そして、受光素子202による眼底自発蛍光の受光結果に応じて当該受光素子202から出力される光強度信号は、デジタル信号に変換された後に、制御部50に入力される。これにより、制御部50は、眼底自発蛍光による1フレーム分のデジタル信号を取得する。
なお、上述した例では、緑色レーザ光を眼底自発蛍光の励起光とし、青色レーザ光を固視灯光として利用しているが、逆に、青色レーザ光を眼底自発蛍光の励起光とし、緑色レーザ光を固視灯光としてもよい。この場合においても、被検眼Eの眼底Efで反射された励起光と固視灯光とのいずれもが波長カットフィルタ206で遮断される。そのため、眼底自発蛍光を撮像対象とした画像に、励起光や固視灯光がノイズとして映り込む事態の発生を防止することが可能となる。また、緑色レーザ光を励起光とした眼底自発蛍光画像と、青色レーザ光を励起光とした眼底自発蛍光画像とのいずれを撮像する場合においても、撮像時に共通の光源及び波長カットフィルタを利用することが可能である。また、この場合においても、励起光とは波長の異なる光が固視灯の表示に利用されるため、固視灯の視認性を向上させる効果が期待できる。
なお、上述の例では、緑色レーザ光及び青色レーザ光のうち、一方のレーザ光が「第1の励起光」に相当し、他方のレーザ光が「第2の励起光」の一例に相当する。
なお、上述の例では、緑色レーザ光及び青色レーザ光のうち、一方のレーザ光が「第1の励起光」に相当し、他方のレーザ光が「第2の励起光」の一例に相当する。
S508において、制御部50は、所定のフレーム数分の撮像画像が取得できたか否かを判定する。
制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できていないと判定した場合には、処理をS503に進める。この場合には、S503以降の処理が改めて実行されることとなる。
そして、制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できたと判定した場合には、図12に示す一連の処理を終了する。
制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できていないと判定した場合には、処理をS503に進める。この場合には、S503以降の処理が改めて実行されることとなる。
そして、制御部50は、S508において所定のフレーム数分の撮像画像が取得できたと判定した場合には、図12に示す一連の処理を終了する。
なお、撮像画像が取得されるフレーム数については、撮像が行われる前にあらかじめ所定の入力手段を介したユーザ(例えば、検者)からの指示に応じて設定されてもよい。また、他の一例として、撮像された画像に対して所定の画像処理を施した結果に基づく、コントラスト等の画質評価指標に基づき、撮像画像が取得されるフレーム数の設定が行われてもよい。
撮像終了後、波長切り替え部51は、レーザ光源101IRを点灯させることで、当該レーザ光源101IRに観察光を射出させてもよい。
また、撮像終了後に、画像生成部53は、緑色レーザ光を励起光とする眼底自発蛍光の受光結果に応じた所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき眼底自発蛍光画像を生成する。そして、合成処理部54は、所定のフレーム数分の眼底自発蛍光画像を加算処理し、重ね合わせ加算眼底自発蛍光画像を生成する。また、合成処理部54は、各フレームの眼底自発蛍光画像を加算処理する際に、位置ずれ補正等の各種補正を適用してもよい。
また、撮像終了後に、画像生成部53は、緑色レーザ光を励起光とする眼底自発蛍光の受光結果に応じた所定のフレーム数分のデジタル信号に基づき眼底自発蛍光画像を生成する。そして、合成処理部54は、所定のフレーム数分の眼底自発蛍光画像を加算処理し、重ね合わせ加算眼底自発蛍光画像を生成する。また、合成処理部54は、各フレームの眼底自発蛍光画像を加算処理する際に、位置ずれ補正等の各種補正を適用してもよい。
以上のような制御が適用されることで、固視灯を表示して固視状態を保ちながら眼底自発蛍光の受光結果に応じたデジタル信号を取得することが可能となる。これにより、撮像中における被検眼の動きを抑制し、各色の眼底画像内における位置ずれや、各色の眼底画像間における位置ずれ等の発生に伴う影響をより低減することが可能となる。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
50 制御部
51 波長切り替え部
53 画像生成部
100 光出力部
200 受光部
51 波長切り替え部
53 画像生成部
100 光出力部
200 受光部
Claims (17)
- 可視波長を含む複数の波長の光を発する光源と、
前記光源から出射された撮影光が眼底で反射された戻り光を検出する検出手段と、
前記戻り光の検出結果に基づき眼底画像を生成する処理手段と、
前記光源を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記光源から出射される前記撮影光の波長を時分割で切り替えて、複数の波長の前記戻り光の検出結果に基づき前記眼底画像を生成する場合に、
前記光源から出射される複数の波長のうち、前記撮影光とは異なる可視波長の光が固視灯光として出射されるように制御する
ことを特徴とする眼底撮像装置。 - 前記光源から出射された前記撮影光を眼底上で走査する走査手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記走査手段を制御する
ことを特徴する請求項1に記載の眼底撮像装置。 - 前記光源が複数の波長の光は、RGBそれぞれに対応する波長の光を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の眼底撮像装置。 - 前記制御手段は、
前記光源から出射される前記撮影光の波長を、3つの異なる波長のそれぞれに時分割で順次切り替え、
前記3つの異なる波長それぞれの前記戻り光に基づき前記眼底画像を生成する場合に、前記固視灯光として2つの異なる波長の光が出射されるように制御する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の眼底撮像装置。 - 前記制御手段は、
前記光源から出射される前記撮影光の波長を、前記3つの異なる波長のそれぞれに時分割で順次切り替え、
前記3つの異なる波長それぞれの前記戻り光に基づき前記眼底画像を生成する場合に、前記固視灯光として前記撮影光とは異なる2つの波長の光が略同時に出射されるように制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の眼底撮像装置。 - 前記検出手段は、前記光源が発する複数の波長のうち2以上の波長の前記戻り光を検出する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の眼底撮像装置。 - 前記眼底と前記検出手段との間の光路上に配置され、前記固視灯光の波長の光を遮断する光遮断手段をさらに備える
ことを特徴する請求項6に記載の眼底撮像装置。 - 前記光遮断手段は、ダイクロイックフィルタまたはノッチフィルタである
ことを特徴する請求項7に記載の眼底撮像装置。 - 前記眼底と前記検出手段との間の光路上における当該検出手段の前段に配置された共焦点ピンホールをさらに備え、
前記光遮断手段は、前記共焦点ピンホールと前記検出手段との間に介在するように配置される
ことを特徴する請求項7または8に記載の眼底撮像装置。 - 前記眼底と前記検出手段との間の光路上に配置される前記光遮断手段が、前記固視灯光の波長に応じて選択的に切り替えられる
ことを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の眼底撮像装置。 - 前記制御手段は、
前記撮影光の波長を3以上の波長それぞれに順次切り替えて、前記処理手段に前記眼底画像を生成させる場合に、
前記3以上の波長のうち所定の1つの波長の光が前記固視灯光として出射された状態で、当該所定の1つの波長以外の一連の波長それぞれの前記撮影光が前記光源から出射されるように制御することで、前記処理手段に当該一連の波長それぞれの前記戻り光に基づき前記眼底画像を生成させた後に、
前記所定の1つの波長の前記撮影光が前記光源から発生せられるように制御することで、前記処理手段に当該所定の1つの波長の前記戻り光に基づき前記眼底画像を生成させる
ことを特徴する請求項10に記載の眼底撮像装置。 - 第1の励起光を発する光源と、
前記光源から出射された前記第1の励起光により眼底において励起された第1の蛍光を検出する検出手段と、
前記眼底と前記検出手段との間の光路上に配置された光遮断手段と、
前記第1の蛍光の検出結果に基づき眼底画像を生成する処理手段と、
前記光源を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1の励起光とは異なる可視波長の光が固視灯光として出射されるように制御し、
前記光遮断手段は、前記固視灯光の波長の光と、前記第1の励起光の波長の光と、を遮断する
ことを特徴とする眼底撮像装置。 - 前記光源から出射された前記第1の励起光を眼底上で走査する走査手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記走査手段を制御する
ことを特徴とする請求項12に記載の眼底撮像装置。 - 前記固視灯光の波長は、前記第1の励起光の波長よりも短い
ことを特徴とする請求項12または13に記載の眼底撮像装置。 - 前記光遮断手段は、さらに、
前記第1の励起光とは波長の異なる第2の励起光を遮断し、
前記第2の励起光により励起される第2の蛍光の波長の光を透過させ、
前記制御手段は、
前記第1の励起光及び前記第2の励起光のうちいずれか一方の励起光が前記光源から出射されるように制御することで、前記処理手段に当該一方の励起光により励起される蛍光に基づき前記眼底画像を生成させる場合に、
他方の励起光の波長の光が前記固視灯光として出射されるように制御する
ことを特徴する請求項12または13に記載の眼底撮像装置。 - 可視波長を含む複数の波長の光を発する光源と、
前記光源から出射された撮影光が眼底で反射された戻り光を検出する検出手段と、
前記戻り光の検出結果に基づき眼底画像を生成する処理手段と、
を備える眼底撮像装置の制御方法であって、
前記光源から出射される前記撮影光の波長を時分割で切り替えて、複数の波長の前記戻り光の検出結果に基づき前記眼底画像を生成する場合に、
前記光源から出射される複数の波長のうち、前記撮影光とは異なる可視波長の光が固視灯光として出射されるように制御する制御ステップを含む
ことを特徴する眼底撮像装置の制御方法。 - 第1の励起光を発する光源と、
前記光源から出射された前記第1の励起光により眼底において励起された第1の蛍光を検出する検出手段と、
前記眼底と前記検出手段との間の光路上に配置された光遮断手段と、
前記第1の蛍光の検出結果に基づき眼底画像を生成する処理手段と、
を備える眼底撮像装置の制御方法であって、
前記第1の励起光とは異なる可視波長の光が固視灯光として出射されるように制御する制御ステップを含み、
前記光遮断手段により、前記固視灯光の波長の光と、前記第1の励起光の波長の光と、が遮断される
ことを特徴とする眼底撮像装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020124556A JP2022021136A (ja) | 2020-07-21 | 2020-07-21 | 眼底撮像装置及び眼底撮像装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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---|---|
JP2022021136A true JP2022021136A (ja) | 2022-02-02 |
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ID=80220339
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JP2020124556A Pending JP2022021136A (ja) | 2020-07-21 | 2020-07-21 | 眼底撮像装置及び眼底撮像装置の制御方法 |
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-
2020
- 2020-07-21 JP JP2020124556A patent/JP2022021136A/ja active Pending
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