JP2022019515A - 洗掘防止構造の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】砕石ユニットを安全且つ効率的に設置することができる洗掘防止工の施工方法を提供する。【解決手段】吊り治具29cに接続された複数の吊下げワイヤ35のそれぞれに砕石ユニット21bを吊り下げる。砕石ユニット21bは、平面視において互いに重なり合うように且つ吊り高さが互いに異なるように吊り下げられる。そして、吊り治具29cを揚重機7によって吊り下ろし、隣り合う砕石ユニット21b同士が互いに重なり合うように砕石ユニット21bを水中地盤1に設置する。このとき、GPSアンテナ13で起重機船5の位置を取得して把握した砕石ユニット21bの管理位置221bと、起重機船5の水中ソナー15で把握した水中の砕石ユニット21bや吊り治具29cの実際の位置とのずれを確認して位置合わせをする。【選択図】図14

Description

本発明は、洗掘防止工の施工方法、供用中の管理方法および洗掘防止工設置装置に関するものである。
従来、洋上風力発電設備などの基礎を水中に設置する構造物では、水の流れによって構造物周辺の水底面に発生する洗掘現象から構造物を保護するために洗掘防止工を設置している。洗掘防止工としては、海底面上にフィルター層と呼ばれる水底の砂よりやや粒径の粗い砕石等を設置し、袋体の中に砕石などの塊状物を充填した砕石ユニットをフィルター層の上に敷き詰めるものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
砕石ユニットは水底面に設置すると平面が円形に近い形となるため、隣り合う砕石ユニット同士の間に隙間ができる。隙間があるとフィルター層が部分的に露出して洗掘防止工としての役割を十分に果たさなくなるため、一般的には砕石ユニットを水底面に複数層に重ねて設置し上段と下段の砕石ユニットを噛み合わせて隙間を解消している。
砕石ユニットは揚重機で吊り下げて設置される。砕石ユニットの玉外しは、潜水士が水中で砕石ユニットの位置や重なり具合を確認し、船上の指揮者と連絡を取りつつ行っている。また、洋上風力発電設備では送電に用いる海底ケーブルの保護の観点から砕石ユニットの下方のフィルター層の表面の凹凸の均し精度が要求されるが、均し作業中は潜水士が確認をし、作業後の出来形は音波探査などを行って確認している。
特許第3871925号公報
しかしながら、潜水士による水中作業は、作業時間が制約されているうえ、波や潮流の影響による潜水士と構造物との接触なども想定される危険作業である。近年採用されている大型の洋上風力発電設備では、基礎も大型であり広範囲に洗掘防止工を敷設する必要があることから、潜水士作業を極力減らして工事の安全性を高めるとともに、工事を効率化することが課題となっている。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、砕石ユニットを安全且つ効率的に設置することができる洗掘防止工の施工方法、供用中の管理方法および洗掘防止工設置装置を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、水中構造体の周囲に、中詰め材が袋体に収容された砕石ユニットを設置する洗掘防止工の設置方法であって、吊り治具に複数の砕石ユニットを吊り下げる工程aと、前記吊り治具を揚重機によって吊り下げる工程bと、前記吊り治具を吊り下ろして、前記砕石ユニットを水中地盤に設置する工程cと、を具備し、前記工程aにおいて、複数の前記砕石ユニットは、平面視において互いに重なり合うように配置され、前記工程cにおいて、隣り合う前記砕石ユニット同士が互いに重なり合うように設置されることを特徴とする洗掘防止工の施工方法である。
第1の発明では、吊り治具に複数の砕石ユニットを吊り下げることにより、砕石ユニットを1つずつ吊り下ろす場合と比較して作業時間を短縮することができる。また、隣り合う砕石ユニット同士が互いに重なり合うように設置することにより、砕石ユニット同士の間の隙間をなくして洗掘防止機能を維持できる洗掘防止工を施工することができる。
前記工程aにおいて、複数の前記砕石ユニットが仮置きされた仮置きスペースの側方に架台を設置し、前記架台の上に前記吊り治具を設置した状態で、前記吊り治具の下方で、複数の前記砕石ユニットを前記吊り治具に接続することが望ましい。
これにより、吊り治具の落下による作業者の怪我や吊り荷の損傷を防止し、複数の吊り荷を吊り治具に安全に接続することができる。
前記砕石ユニットは、複数列に吊り下げられ、隣り合う列の前記砕石ユニットの吊り高さが異なることが望ましい。
これにより、複数列の砕石ユニットを、地盤に設置された時に適度な重なり具合が得られるように吊り下げることができる。
前記砕石ユニットは、前記吊り治具に対して、フックを介して吊り下げられ、前記工程cの後、水上からの操作で前記フックを開放して前記砕石ユニットを前記吊り治具から取り外すことが望ましい。
これにより、潜水士による水中での玉外し作業が不要になり、工事の安全性が高まる。
砕石ユニットを吊り治具に対してフックを介して吊下げる場合、例えば、前記吊り治具上に張力付与装置が配置され、前記フックを開放するための操作ワイヤが前記張力付与装置に接続され、水上からの操作で前記張力付与装置を作動させ、前記張力付与装置で前記操作ワイヤを引張ることにより、複数の前記フックを同時に開放する。
これにより、水上からの操作で吊り治具から複数の砕石ユニットを同時に取り外して設置することができる。
前記揚重機にはGPSが設置され、前記工程cにおいて、あらかじめ決められた位置に合わせて前記吊り治具を配置し、水中ソナーによって、水中における前記砕石ユニットの実際の位置を把握して、あらかじめ定められた管理位置に位置を合わせて前記砕石ユニットを設置することが望ましい。この場合、前記水中ソナーは、例えば、船体に固定されたレールに沿って上下に昇降する支柱の下端付近に取り付けられ、使用する時に水中に配置され、使用しない時には水上に配置される。また、前記水中ソナーによって得られる画像中に、あらかじめ定められた前記管理位置から直上に延びる柱状の範囲を表示し、画像中の前記吊り治具を前記柱状の範囲に合わせるようにして吊り下げて位置合わせを行うことが望ましい。あるいは、前記水中ソナーによって得られる画像中に、あらかじめ定められた前記管理位置を表示し、画像中の前記砕石ユニットを前記管理位置に合わせるようにして位置合わせを行ってもよい。
水中ソナーを用いることにより、濁水中であっても超音波で水中での砕石ユニットの位置をリアルタイムで把握できるので、砕石ユニットを短時間で精度よく設置することができる。また、潜水士による水中での確認作業が不要になり工事の安全性が高まる。水中ソナーをレールに沿って昇降可能とすれば、水中ソナーの較正や管理が簡単になる。画像を用いれば、水中における砕石ユニットの位置合わせがより容易になる。
前記工程aの前に、前記砕石ユニットの内部の前記中詰め材よりも粒径の小さな砕石を水上から管体を用いて配置してフィルター層を形成し、ブロック又はグラブバケットを吊り下げて前記フィルター層の表面を均してもよい。この場合、例えば、前記管体は伸縮可能であり、前記砕石を配置する時に所定の水深まで伸ばした状態とする。また、前記管体は船体に保持された砕石投入部に対して着脱可能であり、前記砕石を配置する時に前記砕石投入部に取り付けられてもよい。
これにより、フィルター層の表面を効率よく均すことができる。管体を伸縮可能としたり、着脱可能としたりすれば、管体を他の作業の妨げにならない状態で保管できる。
前記工程cにおいて、スラスターを用いて前記吊り治具の向きを制御してもよい。前記工程cにおいて、ウインチおよび姿勢制御ワイヤを用いて前記吊り治具の向きを制御してもよい。
吊り治具の向きを制御すれば、波や潮流の影響による吊り治具の位置ずれを防止することができる。
前記水中構造体は、例えば着床式又はモノパイル式の洋上風力基礎である。
第1の発明によれば、大型の洋上風力基礎の周囲の広範囲の地盤に短時間で安全に洗掘防止工を敷設することができる。
第2の発明は、中詰め材が袋体に収容された砕石ユニットが水底に設置された洗掘防止工の供用中の管理方法であって、GPSで船体の位置を取得し、前記船体に設置された水中ソナーで水中における前記砕石ユニットの実際の位置を把握して、前記洗掘防止工の供用開始時における前記砕石ユニットの設置位置である管理位置と前記実際の位置とのずれを確認することを特徴とする洗掘防止工の供用中の管理方法である。
第2の発明によれば、GPSで船体の位置を取得したり、水中ソナーで水中における砕石ユニットの実際の位置を把握したりすることにより、潜水士による砕石ユニットの位置確認が不要となる。そのため、供用中の洗掘防止工の安全かつ効率的な品質管理が可能となる。
第3の発明は、吊り治具と、前記吊り治具に接続された複数の吊下げワイヤと、前記吊下げワイヤの端部に接続されたフックと、前記吊り治具に配置されたスラスターと、を具備し、複数の砕石ユニットを互いに高さを変えて吊り下げることが可能であることを特徴とする洗掘防止工設置装置である。
第4の発明は、吊り治具と、前記吊り治具に接続された複数の吊下げワイヤと、前記吊下げワイヤの端部に接続されたフックと、前記吊り治具に配置されたウインチおよび姿勢制御ワイヤと、を具備し、複数の砕石ユニットを互いに高さを変えて吊り下げることが可能であることを特徴とする洗掘防止工設置装置である。
第3、第4の発明の洗掘防止工設置装置を用いれば、砕石ユニットの高さを互いに変えて吊り下げることにより、複数の砕石ユニットを短時間で隙間なく設置することができる。また、吊り治具にスラスターやウインチおよび姿勢制御ワイヤを配置することにより、吊り治具の向きを制御して波や潮流の影響による吊り治具の位置ずれを防止することができる。
本発明によれば、砕石ユニットを安全且つ効率的に設置することができる洗掘防止工の施工方法、供用中の管理方法および洗掘防止工設置装置を提供することができる。
洗掘防止工のフィルター層3を形成する工程を示す図。 トレミー管9の例を示す図。 水中ソナー15の起重機船5への取り付け方法を示す図。 砕石ユニット21aを設置する工程を示す図。 砕石ユニット21aの吊り下げ方法を示す図。 砕石ユニット21bを設置する工程を示す図。 吊り治具29を用いた砕石ユニット21bの吊り下げ方法を示す図。 吊り治具29aを用いた砕石ユニット21bの吊り下げ方法を示す図。 洗掘防止工42の平面図。 吊り治具29への砕石ユニット21bの他の吊り下げ方法を示す図。 吊り治具29への砕石ユニット21bの他の吊り下げ方法を示す図。 吊り治具29cおよび架台45を示す図。 砕石ユニット21bの吊下げ方法を示す図。 砕石ユニット21bを設置する工程を示す図。 他の吊り治具29dおよび架台45aを示す図。 洗掘防止工42の管理方法を示す図。 洗掘防止工42の管理方法を示す図。 中間治具31にスラスター41を設置した例を示す図。 砕石ユニット21bを他の吊り治具29bを用いて設置する例を示す図。 ダミーの砕石ユニット22を用いた例を示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、モノパイル式の洋上風力基礎の周囲に洗掘防止工を設置する。図1は洗掘防止工のフィルター層3を形成する工程を示す図である。図1(a)は水底の地盤1上に砕石を撒き出している状態での立面図、図1(b)はフィルター層3を均している状態での立面図である。
洗掘防止工は、例えば図1に示す起重機船5を用いて施工される。起重機船5には揚重機7が搭載され、揚重機7のジブトップには衛星測位システムのGPSアンテナ13が設置される。また、起重機船5の水中部には水中ソナー15が設置される。
洗掘防止工を施工するには、まず、図1(a)に示すように、起重機船5で管体であるトレミー管9を保持し、揚重機7でグラブバケット11を吊り下げる。そして、起重機船5を少しずつ移動させつつ、グラブバケット11を用いてフィルター層3の材料である砕石をトレミー管9に投入して水底の地盤1上に撒き出す。このとき、GPSアンテナ13によってトレミー管9の位置を把握し、水中ソナー15によって地盤1上の砕石の投入状況を把握する。これにより、フィルター層3の形成範囲への砕石の撒き出し状況を船上で確認しながらトレミー管9による砕石の投入位置を調整することが可能になる。
次に、図1(b)に示すように、揚重機7でブロック17を吊り下げ、ブロック17をフィルター層3上に落としたりフィルター層3の表面で引きずったりして、フィルター層3の表面の凹凸を均す。このとき、GPSアンテナ13と水中ソナー15によってブロック17の位置を把握し、水中ソナー15によってフィルター層3の表面の状況を把握する。これにより、潜水士によるフィルター層3の状況確認が不要となり、均し作業を安全に行うことができる。均し作業後の出来形も船上で確認することができる。
なお、フィルター層3の均し作業に用いる道具はブロック17に限らない。図1に示すグラブバケット11を水底付近まで吊り下ろして水平掘りの要領で平らに均してもよいし、揚重機7で鋤のようなものを吊り下げてフィルター層3の表面で引きずってもよい。ブロック17やグラブバケット11などを用いることにより、フィルター層3の表面を効率よく均すことができる。
ここで、トレミー管9について説明する。図2はトレミー管9の例を示す図である。図2(a)に示すトレミー管9aは径が異なる複数の管で構成され、複数の管を軸方向に移動させることで伸縮可能である。複数の管は伸ばした時に下側に位置するものほど径が大きく、最も径が小さい管の上端に砕石投入部10が接続される。これにより、砕石投入部10から砕石を投入する時にトレミー管9aの詰まりを防止できる。図1(a)に示す工程では、砕石投入部10を起重機船5で保持してトレミー管9aを所定の水深まで伸ばした状態として、フィルター層3の砕石を撒き出す。砕石の撒き出しが終了したら砕石投入部10を起重機船5から取り外し、トレミー管9aを縮めた状態で所定の場所で保管する。
図2(b)に示すトレミー管9bは砕石投入部10に対して着脱可能である。図1(a)に示す工程では、起重機船5で保持した砕石投入部10にトレミー管9bを取り付けて、フィルター層3の砕石を撒き出す。砕石の撒き出しが終了したらトレミー管9bを砕石投入部10から取り外し、砕石投入部10を起重機船5から取り外して所定の場所で保管する。トレミー管9a、9b等を用いれば、不使用時にトレミー管9を他の作業の妨げにならない状態で保管できる。
次に水中ソナー15について説明する。図3は水中ソナー15の起重機船5への取り付け方法を示す図である。図3(a)はレール52に支柱51を取り付けた状態を示す図、図3(b)はレール52から支柱51を取り外した状態を示す図である。
図3(b)に示すように、起重機船5の船上にはレール架台59が固定され、レール架台59は鉛直方向のレール52の上端付近を支持する。レール52は例えばH型鋼であり、下端にストッパ54が固定され、上端に着脱可能なストッパ55(図3(a)参照)が取り付けられる。図3(a)に示すように、水中ソナー15は支柱51の下端に図示しないパンチルト装置を介して取り付けられる。また、支柱51に固定された走行部53がワイヤ57を介してウインチ56に接続される。支柱51の上端には水中ソナー15の位置を確認するためのアンテナ58が取り付けられる。
支柱51は、ウインチ56でワイヤ57を巻き出したり巻き取ったりして走行部53をレール52に沿って走行させることにより、上下に昇降する。水中ソナー15の使用時には、ストッパ54に走行部53が当接するまで支柱51を下降させて水中ソナー15を水中に配置する。水中ソナー15の不使用時には、支柱51を上昇させて水中ソナー15を水上に引き上げてストッパ55に支柱51を固定する。このように、水中ソナー15をレール52に沿って昇降可能とすることにより、水中ソナー15の使用時の較正が簡単になり、水中ソナー15の不使用時に貝等の付着を防止できる。
水中ソナー15に異常が発生した場合には、図3(b)に示すようにストッパ55をおよび支柱51をレール52から取り外し、船上で水中ソナー15を点検する。または、レール上部52aおよびレール架台上部59aを可倒式とし、水中ソナー15を水上に引き上げてストッパ55に支柱51を固定した状態でレール上部52aおよびレール架台上部59aを図3(b)に示す点線の位置で水平方向に倒し、船上で水中ソナー15を点検してもよい。
図4は砕石ユニット21aを設置する工程を示す図である。図4(a)は砕石ユニット21aを設置している状態での立面図、図4(b)は砕石ユニット21aを設置した状態での平面図である。図5は、砕石ユニット21の吊り下げ方法を示す図である。図5(a)は砕石ユニット21を吊り下げた状態を示す図、図5(b)はフック33の詳細を示す図、図5(c)(d)はフック33を開いた状態を示す図である。
フィルター層3を均し終えたら、図4に示すように水中構造体であるモノパイル19を地盤1に打設する。そして、図4(a)に示すように砕石ユニット21aを吊り下げた吊り治具28を揚重機7に吊り下げ、砕石ユニット21aを1つずつフィルター層3上に設置する。
図5(a)に示すように、砕石ユニット21は、ラッセル網等を用いた袋体23に砕石類を充填し縫合したものである。砕石ユニット21は、袋体の23の底部であって、平面視の略中央付近に線材25が接合される。線材25は、波浪による袋体23内での砕石類の移動を抑制し、砕石類の移動による袋体23の摩耗を防止する。砕石ユニット21は、吊り下げられた状態においても径が高さに対して大きな偏平形状であり、これを海底に設置すると、さらに径が広がるように変形する。このため、隣接する他の砕石ユニット21との間に隙間が生じないように重なり部分を設けて配置することができる。
砕石ユニット21aの袋体23の容量は、杭周りの小さい設置半径にて、より砕石ユニット同士を馴染みやすくして隙間を埋めるため、後述する砕石ユニット21b、21cの袋体23の容量よりも小さい。
フィルター層3上に砕石ユニット21aを設置する際には、図5(a)に示すように吊り治具28に一端が接続された吊下げワイヤ35を線材25のループに通し、吊り治具28に取り付けられたフック33で吊下げワイヤ35の他端を保持する。そして、吊り治具28を揚重機7で吊り下げて砕石ユニット21aをフィルター層3上の所定の位置に吊り下ろす。一般的に吊下げワイヤ35は鋼製であり線材25は繊維製であるため、吊り下ろし時に線材25の摩耗を防止するための養生部材26を吊下げワイヤ35に取り付けることが望ましい。養生部材26は例えば布製であり、ナイロンスリング等と同等の強度を有する。
フック33は、図5(b)に示すように、安全ピン操作ワイヤ36aが接続された安全ピン34a、開閉部操作ワイヤ36bが接続された開閉部34bを有する。開閉部34bは、フック33に安全ピン34aが取り付けられた状態では開くことができず、フック33から安全ピン34aが取り外されると開くことができる。すなわち、フック33は、安全ピン操作ワイヤ36aを引っ張って安全ピン34aを抜き、開閉部操作ワイヤ36bを引っ張って開閉部34bを開くことによって開放される。
砕石ユニット21aを所定の位置に吊り下したら、水上で安全ピン操作ワイヤ36aおよび開閉部操作ワイヤ36bを引くことによって、図5(c)に示すようにフック33を開いて吊下げワイヤ35の保持を解除する。その後、揚重機7で吊り治具28を巻き上げることによって図5(d)に示すように吊下げワイヤ35を線材25のループから抜く。
図5に示すように吊り治具28には音響カメラ50が設置される。音響カメラ50を用いれば、水中ソナー15で確認できない安全ピン34aや開閉部34bの詳細な状況を視認することができる。なお音響カメラ50は起重機船5の船体に設置してもよい。
砕石ユニット21aは、図4(b)に示すように、モノパイル19の外周面に接するように環状に並べて設置される。砕石ユニット21aは平坦な場所に設置すると図5(a)に示す状態よりも扁平に変形し、隣り合う砕石ユニット21a同士が互いに重なり合う。砕石ユニット21aを設置し終えたら、送電に用いるケーブル27を設置する。
図6は砕石ユニット21bを設置する工程を示す図である。図6(a)は砕石ユニット21bを設置している状態での立面図、図6(b)は砕石ユニット21bを設置した状態での平面図である。
ケーブル27を設置し終えたら、図6(a)に示すように吊り治具29(29a)を用いて砕石ユニット21bをフィルター層3上に設置する。砕石ユニット21bは、図6(b)に示すように、砕石ユニット21aの外周側に平面視で略六角形状となるように並べて配置される。隣り合う砕石ユニット21b同士は互いに重なり合うように設置される。
砕石ユニット21bは、平面視においてモノパイル19を中心とする3重の略六角形状に配置される。ここでは、内側の六角形を構成するものを砕石ユニット21b-1、中間の六角形を構成するものを砕石ユニット21b-2、外側の六角形を構成するものを砕石ユニット21b-3とする。
図7は、吊り治具29を用いた砕石ユニット21bの吊り下げ方法を示す図である。図7(a)は吊り治具29を示す図である。図7(a)に示すように、吊り治具29は、治具本体30と中間治具31からなる。治具本体30は、3本の平行な棒材である前列部材30-1、中列部材30-2、後列部材30-3と、これら3本の棒材の端部同士を連結する側部部材30-4と有する鋼製の枠体である。中間治具31は治具本体30と同様の構成である。なお、必要に応じて治具本体30に図示しない補強部材を設けてもよい。
図7(b)は吊り治具29に吊り下げられた砕石ユニット21bを側部部材30-4の方向から見た図、図7(c)は前列部材30-1に吊り下げられた砕石ユニット21b-1を示す図、図7(d)は中列部材30-2に吊り下げられた砕石ユニット21b-2を示す図、図7(e)は後列部材30-3に吊り下げられた砕石ユニット21b-3を示す図である。
砕石ユニット21bは、吊り治具29に接続された吊下げワイヤ35を用いて吊り下げられる。吊下げワイヤ35は、治具本体30と中間治具31とを接続する吊下げワイヤ35aと、中間治具31と砕石ユニット21bとを接続する吊下げワイヤ35bとからなり、中間治具31は治具本体30と砕石ユニット21bとの間に配置される。砕石ユニット21bは、吊り治具29に対して、図5に示す吊り下げ方法と同様の方法によって、すなわち中間治具31に一端が接続された吊下げワイヤ35bを線材25のループに通し、中間治具31に取り付けられた図示しないフックで吊下げワイヤ35bの他端を保持する方法によって吊り下げられる。吊下げワイヤ35の長さは、砕石ユニット21bを着底させたときに治具本体30が水上に位置するように設定される。
図7(b)に示すように、砕石ユニット21bは吊り治具29に3列に吊り下げられ、隣り合う列の砕石ユニット21bは吊り高さが異なる。前列部材30-1に吊り下げられる砕石ユニット21b-1と後列部材30-3に吊り下げられる砕石ユニット21b-3との吊り高さは同じであり、両者の間の中列部材30-2に吊り下げられる砕石ユニット21b-2の吊り高さはそれより高い。
図7(c)(d)(e)に示すように、同じ列に吊り下げられる複数の砕石ユニット21bは、同じ吊り高さである。また、同じ列において隣り合う砕石ユニット21b同士は、適切に重なり合うような間隔で吊り下げられる。
図8は、吊り治具29aを用いた砕石ユニット21bの吊り下げ方法を示す図である。図8(a)は吊り治具29aを示す図である。図8(a)に示すように、吊り治具29aは、治具本体30aと中間治具31aからなる。治具本体30a、中間治具31aは、それぞれ1本の鋼製の棒材である。
図8(b)は吊り治具29aに吊り下げられた砕石ユニット21bを示す図である。砕石ユニット21bは、吊り治具29aに対して、中間治具31aに一端が接続された吊下げワイヤ35bを線材25のループに通し、中間治具31aに取り付けられた図示しないフックで吊下げワイヤ35bの他端を保持することによって吊り下げられる。中間治具31aは治具本体30aと砕石ユニット21bとの間に配置され、治具本体30aと吊下げワイヤ35aで接続される。砕石ユニット21b-1と砕石ユニット21b-3との吊り高さは同じであり、両者の間の砕石ユニット21b-2の吊り高さはそれより高い。
砕石ユニット21bは、図6(b)に点線で示すように吊り治具29と吊り治具29aを組み合わせて設置される。吊り治具29を用いれば、複数の砕石ユニット21bを平面視で略台形状となるように並べて設置することができる。吊り治具29aを用いれば、複数の砕石ユニット21bを平面視で線状となるように並べて設置することができる。
図7に示す吊り治具29を用いて砕石ユニット21bを設置するには、砕石ユニット21bを図7(b)から図7(e)に示すように吊り治具29に吊り下げる。次に、図6(a)に示すように吊り治具29を揚重機7に吊り下げる。そして、砕石ユニット21bが図6(a)に点線で示す設置予定位置の直上に位置するように、揚重機7で吊り治具29を吊り下ろす。
吊下げワイヤ35の長さは上記したように設定されるので、図6(a)に示すように、砕石ユニット21bがフィルター層3付近に到達したとき、治具本体30は水上に位置する。治具本体30は、姿勢制御ワイヤ38によって起重機船5上のウインチ37に接続される。作業者は、ウインチ37を用いて姿勢制御ワイヤ38の巻取りや巻出しを実施することによって、治具本体30の向きや位置を水上で確認しながら調整できる。中間治具31は水中に配置される。中間治具31を設けることにより、施工水域の水深が深く吊下げワイヤ35が長い場合でも、水中における吊下げワイヤ35b同士の間隔を保持して砕石ユニット21bの位置のずれを小さくすることができる。
治具本体30の向きや位置の調整が終了したら、砕石ユニット21bをフィルター層3に着底させた後、図示しないフックを開いて吊り治具29から砕石ユニット21bを取り外し、フィルター層3上に設置する。ここで、砕石ユニット21b-1、21b-2、21b-3は吊り治具29に上記した吊り高さで吊り下げられているので、前列部材30-1に吊り下げられた砕石ユニット21b-1および後列部材30-3に吊り下げられた砕石ユニット21b-3が先に同時にフィルター層3上に着底し、設置される。その後、中列部材30-2に吊り下げられた砕石ユニット21b-2が設置される。
なお、中間治具31に、あらかじめガイド棒(中間治具31からの距離がわかるものであって、例えば伸縮可能な棒)を突き出すように配置してもよい。この場合、このガイド棒をモノパイルに接触させることで、モノパイルと中間治具31との距離を一定に保つようにしてもよい。
このように、吊り治具29に外側の砕石ユニット21b-1、21b-3を同じ吊り高さで深く吊り下げて中央の砕石ユニット21b-2をそれより高く吊り下げることにより、複数の砕石ユニット21bを設置途上のバランスを考慮した順序で設置できる。そのため、砕石ユニット21bを順次着底させて設置する時に、未設置の砕石ユニット21bが吊り下げられた吊り治具29全体のバランスが崩れることがなく、吊り治具29の回転や位置ずれを防止できる。
吊り治具29aを用いて砕石ユニット21bを設置する場合にも、同様に低い位置の同じ高さに吊り下げた外側の砕石ユニット21b-1および砕石ユニット21b-3の設置後に高い位置に吊り下げた中央の砕石ユニット21b-2を設置することにより、吊り治具29aの回転や位置ずれを防止できる。砕石ユニット21bは、砕石ユニット21aと同様に平坦な場所に設置すると図7に示す状態よりも扁平に変形する。これにより、隣り合う砕石ユニット21b同士に十分な重なりが得られる。
図9は、洗掘防止工42の平面図である。砕石ユニット21bを設置し終えたら、図9に示すように、砕石ユニット21aと砕石ユニット21bとの境界部に、複数の砕石ユニット21cを隣接する砕石ユニット21c同士が互いに重なり合うように配置して洗掘防止工42を完成する。砕石ユニット21cは、砕石ユニット21aと砕石ユニット21bとの間の隙間を塞ぐ。砕石ユニット21cは、例えば砕石ユニット21aと同様に1つずつ揚重機7で吊り下ろして設置される。
このように、第1の実施形態では、吊り治具29、29aに複数の砕石ユニット21bを吊り下げることにより、砕石ユニット21を1つずつ吊り下ろす場合と比較してフィルター層3上への設置に要する時間を短縮することができる。特に吊り治具29を用いて砕石ユニット21bを3列に且つ隣り合う列の砕石ユニット21bの吊り高さが異なるように吊り下げることにより、施工時間の大幅な短縮が可能になる。また、隣り合う砕石ユニット21同士が互いに重なり合うように設置することにより、砕石ユニット21同士の間の隙間をなくして洗掘防止機能を維持できる洗掘防止工42を施工することができる。
さらに、砕石ユニット21をフック33を介して吊り治具に吊り下げ、水上からの操作でフック33を開いて砕石ユニット21を吊り治具から取り外すことにより、潜水士による水中での玉外し作業が不要になり、工事の安全性が高まる。
なお、フック33は図5等に示したものに限らず、水上からの操作で開放できるものであればオートリリースフックなどでもよい。また、吊り治具29への砕石ユニット21bの吊り下げ方法は、図7に示したものに限らない。図10、図11は、吊り治具29への砕石ユニット21bの他の吊り下げ方法を示す図である。
図10(a)、図11(a)は吊り治具29に吊り下げられた砕石ユニット21bを側部部材30-4の方向から見た図、図10(b)、図11(b)は前列部材30-1に吊り下げられた砕石ユニット21b-1を示す図、図10(c)、図11(c)は中列部材30-2に吊り下げられた砕石ユニット21b-2を示す図、図10(d)、図11(d)は後列部材30-3に吊り下げられた砕石ユニット21b-3を示す図である。
図10、図11に示す例では、同一の列に吊り下げられる砕石ユニット21bの吊り高さが異なる。図10、図11に示すような方法で砕石ユニット21bを吊り下げた場合においても、水中に吊り下ろした砕石ユニット21の設置順序(砕石ユニット21bを吊り治具29から取り外す順序)を工夫することにより、吊り治具29の回転や位置のずれを防止しつつ、砕石ユニット21bをあらかじめ定められた位置に設置することができる。
なお、砕石ユニット21bの下方に、チェーンやガイド棒などの位置決め部材を配置してもよい。この場合、砕石ユニット21bが着底する前に、位置決め部材を海底に着底させることで、砕石ユニット21bを吊り治具29から取り外す前に、砕石ユニット21bの海底の着底位置をある程度位置決めすることができる。このため、吊り治具29から砕石ユニット21bを取り外した後に、設置位置が目標からずれることを抑制することができる。
以下、本発明の別の例について、第2~第6の実施形態として説明する。以下の実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
[第2の実施形態]
図12は吊り治具29cおよび架台45を示す図、図13は砕石ユニット21bの吊下げ方法を示す図、図14は砕石ユニット21bを設置する工程を示す図である。第2の実施形態は、吊り治具29cが中間治具を有しない点、砕石ユニット21bを接続する際に吊り治具29cを架台45で支持する点、複数の砕石ユニット21bを吊り治具29cから同時に取り外す点で第1の実施形態と主に異なる。
図12(a)に示すように、吊り治具29cの治具本体30は、図7に示す吊り治具29の治具本体30に補強部材を追加したものである。図12(a)、図14(b)(c)に示すように、治具本体30の上面には滑車43および張力付与装置44が配置され、下面にはフック33および吊下げワイヤ35が接続される。フック33の安全ピン操作ワイヤ36aおよび開閉部操作ワイヤ36bは、滑車43を介して張力付与装置44に連結される。
図12(b)に示すように、架台45は、複数の受桁46を有し、受桁46は回転機構47に連結される。回転機構47は受桁46を支えつつ回転させる。架台45は、例えば作業者が線材48を操作することによって複数の受桁46を同時に回転させることができる。
架台45を用いて吊り治具29cに複数の砕石ユニット21bを接続するには、図13(a)に示すように複数の砕石ユニット21bが仮置きされた仮置きスペース49を挟んで2台の架台45を設置し、2台の架台45の受桁46を互いに近づく向きに張り出すように配置する。この際、対向する受桁46同士の間隔が、吊り治具29cの幅よりも狭くなる。この状態で、受桁46上に吊り治具29cを設置する。
次に、図13(b)に示すように受桁46上に設置された吊り治具29cに所定の間隔で複数の砕石ユニット21bを接続する。すなわち第1の実施形態と同様に吊下げワイヤ35を砕石ユニット21bの線材25のループに通して吊下げワイヤ35の他端をフック33で保持する。その後、揚重機7(図14(a))を用いて吊り治具29cを架台45の受桁46からわずかに浮かした状態として受桁46を回動させて砕石ユニット21bの上方から退避させ、図13(c)に示すように吊り治具29cをさらに吊り上げる。
このように、架台45は、回転機構47を有することにより工程の内容に応じて受桁46の向きを変えることができる。例えば、仮置きスペース49に砕石ユニット21bを配置する際や、吊り治具29cによって砕石ユニット21bを吊り上げる際には、受桁46を作業の妨げとならない向きに退避させることができる。一方、砕石ユニット21bを吊り治具29cに接続する際には、受桁46を砕石ユニット21b上に配置させて吊り治具29cを支えることができる。回転機構47は、受桁46を所定の向きに固定するための図示しない回転防止機構を有することが望ましい。
図13(c)に示すように吊り治具29cを吊り上げたら、図14(a)に示すように揚重機7で吊り治具29cを吊り下ろし、砕石ユニット21bを点線で示す設置予定位置の直上に位置させる。第2の実施形態では、吊下げワイヤ35の長さが、砕石ユニット21bを着底させたときに治具本体30が水中に位置するように設定される。作業者は、ウインチ37を用いて姿勢制御ワイヤ38の巻取りや巻出しを実施することによって、治具本体30の向きや位置を調整する。
治具本体30の向きや位置の調整が終了したら、図14(b)に示すように砕石ユニット21bをフィルター層3上に配置する。そして、水上からの操作で張力付与装置44を作動させて図14(c)に示すように複数のフック33を同時に開く。すなわち、水上からの操作でゴムチューブ等の張力付与装置44に図示しないホースで空気を入れて張力付与装置44を吊り治具29cから浮き上がらせることにより、張力付与装置44に連結された全ての安全ピン操作ワイヤ36aおよび開閉部操作ワイヤ36bを引っ張り、安全ピン34aを抜いて開閉部34bを開き、複数のフック33を同時に開放する。すると、複数の砕石ユニット21bが吊り治具29cから同時に取り外され、フィルター層3上に一括して設置される。
このように、第2の実施形態においても、吊り治具29cに複数の砕石ユニット21bを吊り下げることにより、砕石ユニット21を1つずつ吊り下ろす場合と比較してフィルター層3上への設置に要する時間を短縮することができる。また、第2の実施形態では複数のフック33を同時に開いて複数の砕石ユニット21bを一括して設置するので、第1の実施形態のように複数の砕石ユニット21bを吊り治具から順に取り外して設置する場合と比較して、砕石ユニット21bのバランスの変化による吊り治具29cの回転や位置ずれを確実に防止でき、複数の砕石ユニット21bの設置に要する時間を更に短縮できる。
第2の実施形態で用いられる吊り治具29cは、中間治具を介さずに砕石ユニット21bを接続するので、中間治具を有する吊り治具29と比較して扱いが容易である。また、吊り治具29cを架台45の受桁46で支持することにより、吊り治具29cの下方で作業者が砕石ユニット21bを吊り治具29cに接続する時に、吊り治具29cが落下して作業者や砕石ユニット21に接触することを防止できる。
なお、吊り治具の治具本体が図8に示すような1本の棒材である場合にも、仮置きスペースを挟んで設置した2台の架台で治具本体30aを支持すれば、複数の砕石ユニット21bを吊り治具に安全に接続できる。また、治具本体30aに配置した張力付与装置を水上から操作して複数のフックを同時開放すれば、複数の砕石ユニット21bを一括で設置できる。
第2の実施形態では張力付与装置44として空気の注入で浮き上がるタイヤチューブの浮力を用いたが、張力付与装置44は水上からの操作で安全ピン操作ワイヤ36aや開閉部操作ワイヤ36bを引っ張ることができるものであればよい。
また、吊り治具や架台は上述したものに限らない。図15は他の吊り治具29dおよび架台45aを示す図である。図15に示すように、吊り治具29dは腕部18が治具本体30の外側に張り出して固定されている。架台45aは、複数の脚部に受桁46aが架け渡されている。図15に示す例では、砕石ユニットの仮置きスペースを挟み込むように架台45aを設置し、受桁46a上に吊り治具29dの腕部18を設置することにより、吊り治具29dを架台45aで支持できる。
[第3の実施形態]
図16、図17は、洗掘防止工42の施工管理方法を示す図である。第3の実施形態は、揚重機7に設置されたGPSアンテナ13、起重機船5に設置された水中ソナー15、図16、図17に示す表示装置39などを用いて砕石ユニット21の設置位置を管理する点で第1、第2の実施形態と主に異なる。
以下に、吊り治具29または29cを用いて砕石ユニット21bを設置する場合を例として洗掘防止工42の施工時の管理方法を説明する。船上の指揮者は、GPSアンテナ13を用いて起重機船5の位置(揚重機7のジブトップの位置)を取得し、起重機船5の位置と水中ソナー15の方向等に基づいて、海底における砕石ユニット21bの管理位置211bを算出する。管理位置211bは、フィルター層3上におけるそれぞれの砕石ユニット21bに対して、あらかじめ定められた設置予定位置に応じて算出される。図16(a)に示すように、管理位置211bは表示装置39の画像中に表示される。
管理位置211bを把握したら、あらかじめ決められた管理位置211bに合わせて吊り治具29または29cを配置する。すなわち管理位置211bの直上に砕石ユニット21bが位置するように揚重機7に吊り治具29または29cを吊り下げる。その後、砕石ユニット21bを水中に吊り下げつつ、水中ソナー15によって水中における砕石ユニット21bの実際の位置を把握する。水中ソナー15は、起重機船5から、所定の方向に向けて配置される。水中ソナー15は、例えば3Dソナーであって、所定の範囲内における海底近傍の様子をリアルタイムで把握することができる。なお、水中ソナー15によってリアルタイムで把握可能な海底の領域は、少なくとも砕石ユニット21bの設置範囲が分かる程度でよい。
図16(a)に示すように、砕石ユニット21bの実際の位置は表示装置39の画像中に砕石ユニット21bとして表示される。指揮者は、表示装置39の画像によって砕石ユニット21bの管理位置211bと実際の位置とのずれの有無を確認する。ずれがあることを確認したら、砕石ユニット21bの実際の位置を管理位置211bに寄せるようにして位置合わせを行う。ずれがないことを確認したら、砕石ユニット21bを吊り治具29または29cから取り外す。
なお、図16(a)では表示装置39には設置済みのモノパイル19や砕石ユニット21aの位置を表示したが、先行して設置済みの砕石ユニット21bがあればこれらの位置も表示される。
表示装置39の画像中には、砕石ユニット21bの実際の位置の代わりに、図16(b)に示すように吊り治具29の中間治具31や吊り治具29cの治具本体30の実際の位置を表示してもよい。砕石ユニット21bは吊り治具29では中間治具31の所定の位置に、吊り治具29cでは治具本体30の所定の位置に吊り下げられている。そのため、水中ソナー15によって水中における中間治具31や治具本体30の実際の位置を把握して砕石ユニット21bの管理位置211bに寄せるように位置合わせすれば、砕石ユニット21bの実際の位置を管理位置211bに合わせることができる。
表示装置39の画像中には、図17に示すように水中ソナー15によって把握した中間治具31や治具本体30の実際の位置と、砕石ユニット21bの管理位置211bから算出される中間治具や治具本体の管理位置291とを表示してもよい。管理位置291は、砕石ユニット21bの管理位置211bから鉛直上に延びる柱状の範囲で表示される。指揮者は、いずれの深さにおいても、表示装置39の画像によって中間治具31や治具本体30の実際の位置と管理位置291とのずれの有無を確認することができる。ずれがあることを確認したら、中間治具31や治具本体30の実際の位置を柱状の管理位置291に合わせた後に管理位置291に沿って吊り下げることで、砕石ユニット21bの実際の位置を管理位置211bに合わせることができる。
砕石ユニット21a、21cを1つずつ設置する場合にも、図16(a)の方法で管理が可能である。この場合は、GPSアンテナ13で把握した砕石ユニット21a、21cの管理位置の直上に、揚重機7によって砕石ユニット21a、21cを吊り下げる。そして、砕石ユニット21a、21cを水中に吊り下げつつ、水中ソナー15によって砕石ユニット21a、21cの実際の位置を把握し、管理位置とのずれの有無を確認する。
第3の実施形態では、GPSで起重機船5の位置を取得したり、水中ソナー15で水中における砕石ユニット21の実際の位置を把握したりすることにより、潜水士による砕石ユニット21の位置確認が不要となり、安全かつ効率的な施工管理が可能となる。この際、3Dソナーを用いることで、狭い領域であってもリアルタイムに海底近傍の状況を把握することができる。また、表示装置39の画像中に砕石ユニット21の管理位置211bと実際の位置や、中間治具31または治具本体30の管理位置291と実際の位置を表示することにより、起重機船5上において水中での砕石ユニット21の位置をリアルタイムで把握しながら砕石ユニット21を短時間で精度よく位置合わせして設置することができる。特に図17に示すように中間治具31や治具本体30の管理位置291を柱状の範囲で表示すれば、高さ方向の軌道に沿って位置合わせしながら吊り治具を吊り下ろすことができる。
[第4の実施形態]
図18は、中間治具31または治具本体30にスラスター41を設置した例を示す図である。第4の実施形態は、吊り治具29の中間治具31、吊り治具29cの治具本体30の向きや位置の制御が可能である点で第1、第2の実施形態と異なる。
第4の実施形態では、図18に示すように水中に配置される中間治具31または治具本体30にスラスター41が設置される。スラスター41は、例えば旋回式であり、中間治具31または治具本体30の四隅に設置される。各スラスター41は、矢印に示す方向に360度回転可能であり、スラスター41の向きを変えることによって任意の方向の推力が得られる。各スラスター41は個別に作動可能である。
作業域の水が濁っている場合には、四隅に配置したスラスター41を内側に向けて中間治具31または治具本体30の旋回のバランスを取った状態で、スラスター41の近傍に船上から透明度の高い清水あるいは生態系に影響の小さい凝集剤を混合した溶液を吐出させてもよい。すると、スラスター41からの噴流によって、濁水が清水と置換されたり、凝集剤と濁水の混合により濁水が沈殿したりして、中間治具31または治具本体30の枠内の下方の水の透明度が向上し、フック33の取り外し状況や砕石ユニット21の着底、重なり状況がより見やすくなる。
第4の実施形態では、砕石ユニット21bを設置するために水中に吊り下ろした中間治具31または治具本体30が波や潮流で回転して図17に示す管理位置291等に対して位置ずれが生じた場合に、スラスター41を作動させることによって、中間治具31または治具本体30を回転させて向きを制御したり、中間治具31または治具本体30の平面位置を制御したりすることができる。
[第5の実施形態]
図19は、砕石ユニット21bを他の吊り治具29bを用いて設置する例を示す図である。第5の実施形態は、砕石ユニット21bを複数列に吊り下げる吊り治具を用いない点で第1の実施形態と主に異なる。
図19(a)は5つの砕石ユニット21bを吊り下げた吊り治具29bを示す。図19(a)に示すように、吊り治具29bは、治具本体30bと中間治具31bからなる。治具本体30b、中間治具31bは、それぞれ1本の鋼製の棒材である。
図19(b)は、砕石ユニット21bを設置した状態での平面図である。第5の実施形態では、砕石ユニット21bを、図8(b)に示す吊り治具29aで3つの砕石ユニット21bを吊り下げる方法と、図19(a)に示す吊り治具29bで5つの砕石ユニット21bを吊り下げる方法と、揚重機7で1つの砕石ユニット21bを吊り下げる方法とを組み合わせて設置する。吊り治具29a、29bによる設置位置は図19(b)に点線で示される。
第5の実施形態によれば、砕石ユニット21bを1列に吊り下げる吊り治具29a、29bのみを用いるため、複数列に吊り下げる吊り治具29を用いる場合と比較して、砕石ユニット21bの吊り下げ方法(砕石ユニット21b同士の間隔や高低差)や水中に吊り下ろした砕石ユニット21の設置順序(砕石ユニット21bを吊り治具から取り外す順序)の検討が容易である。
なお、第1から第5の実施形態ではダミーの砕石ユニット22を用いてもよい。図20は、ダミーの砕石ユニット22を用いた例を示す図である。図20の例ではモノパイル19の上端からステージ20が張り出している。このような場合には、吊り治具29eのモノパイル19に近い側に砕石ユニット21を接続し、遠い側にダミーの砕石ユニット22を接続して重量のバランスをとることで、砕石ユニット21をモノパイル19に近接する位置に設置することができる。なおダミーの砕石ユニット22は、吊り治具29eを用いて複数の砕石ユニット21を設置する場合にも適用できる。
[第6の実施形態]
第6の実施形態では、図9に示す洗掘防止工42の供用中の管理方法について説明する。第6の実施形態では、供用開始時における砕石ユニット21の設置位置を管理位置としてあらかじめ記録しておく。例えば、第1、第2の実施形態によって洗掘防止工42を施工する場合、砕石ユニット21が設置された位置をGPSアンテナ13と水中ソナー15とを用いて把握して管理位置として記録する。また、第3の実施形態によって洗掘防止工42を施工する場合、あらかじめ定められた設置予定位置に応じて算出した砕石ユニット21の管理位置を実際の設置位置と見なして記録してもよい。
第6の実施形態では、洗掘防止工42の供用開始から所定の期間が経過した後に、定期管理用の船体に取り付けたGPSアンテナと水中ソナーとを用いて砕石ユニット21の現状の位置を把握する。そして、上述した方法等であらかじめ記録した管理位置と現状の位置とを表示装置に表示させ、管理位置と現状の位置との差から砕石ユニット21の位置ずれの有無を確認する。これにより、潜水士による砕石ユニット21の位置確認が不要となるので、供用中の洗掘防止工42の安全かつ効率的な定期管理が可能となり、品質の維持につながる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、フィルター層3の設置は必須ではない。砕石ユニット21の上層に粒径の大きい中詰め材を、下層に粒径の小さい中詰め材を収容すれば、砕石ユニット21の下層をフィルター層3の代替とすることができる。また、水中構造体はモノパイル19に限らず、着床式の洋上風力基礎などでもよい。
1………地盤
3………フィルター層
5………起重機船
7………揚重機
9、9a、9b………トレミー管
11………グラブバケット
13………GPSアンテナ
15………水中ソナー
17………ブロック
18………腕部
19………モノパイル
20………ステージ
21、21a、21b、21b-1、21b-2、21b-3、21c………砕石ユニット
23………袋体
25………線材
26………養生部材
27………ケーブル
28、29、29a、29b、29c、29d、29e………吊り治具
30、30a、30b………治具本体
30-1………前列部材
30-2………中列部材
30-3………後列部材
30-4………側部部材
31、31a、31b………中間治具
33………フック
34a………安全ピン
34b………開閉部
35、35a、35b………吊下げワイヤ
36a………安全ピン操作ワイヤ
36b………開閉部操作ワイヤ
37、56………ウインチ
38………姿勢制御ワイヤ
39………表示装置
41………スラスター
42………洗掘防止工
43………滑車
44………張力付与装置
45、45a………架台
46、46a………受桁
47………回転機構
49………仮置きスペース
50………音響カメラ
51………支柱
52………レール
52a………レール上部
53………走行部
54、55………ストッパ
57………ワイヤ
58………アンテナ
59………レール架台
59a………架台上部
211b、291………管理位置
本発明は、洗掘防止工の施工方法に関するものである。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、砕石ユニットを安全且つ効率的に設置することができる洗掘防止工の施工方法を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、水中構造体の周囲に、中詰め材が袋体に収容された砕石ユニットを設置する洗掘防止工の設置方法であって、吊り治具に複数の砕石ユニットを吊り下げる工程aと、前記吊り治具を揚重機によって吊り下げる工程bと、前記吊り治具を吊り下ろして、前記砕石ユニットを水中地盤に設置する工程cと、を具備し、前記工程aにおいて、複数の前記砕石ユニットは、平面視において互いに重なり合うように配置され、前記工程cにおいて、隣り合う前記砕石ユニット同士が互いに重なり合うように設置され、前記砕石ユニットは、前記吊り治具に対して、フックを介して吊り下げられ、前記工程cの後、水上からの操作で前記フックを開放して前記砕石ユニットを前記吊り治具から取り外すことを特徴とする洗掘防止工の施工方法である。
第2の発明は、水中構造体の周囲に、中詰め材が袋体に収容された砕石ユニットを設置する洗掘防止工の設置方法であって、吊り治具に複数の砕石ユニットを吊り下げる工程aと、前記吊り治具を揚重機によって吊り下げる工程bと、前記吊り治具を吊り下ろして、前記砕石ユニットを水中地盤に設置する工程cと、を具備し、前記工程aにおいて、複数の前記砕石ユニットは、平面視において互いに重なり合うように配置され、前記工程cにおいて、隣り合う前記砕石ユニット同士が互いに重なり合うように設置され、前記揚重機にはGPSが設置され、前記工程cにおいて、あらかじめ決められた位置に合わせて前記吊り治具を配置し、水中ソナーによって、水中における前記砕石ユニットの実際の位置を把握して、あらかじめ定められた管理位置に位置を合わせて前記砕石ユニットを設置し、前記水中ソナーは、船体に固定されたレールに沿って上下に昇降する支柱の下端付近に取り付けられ、使用する時に水中に配置され、使用しない時には水上に配置されることを特徴とする洗掘防止工の施工方法である。
第3の発明は、水中構造体の周囲に、中詰め材が袋体に収容された砕石ユニットを設置する洗掘防止工の設置方法であって、吊り治具に複数の砕石ユニットを吊り下げる工程aと、前記吊り治具を揚重機によって吊り下げる工程bと、前記吊り治具を吊り下ろして、前記砕石ユニットを水中地盤に設置する工程cと、を具備し、前記工程aにおいて、複数の前記砕石ユニットは、平面視において互いに重なり合うように配置され、前記工程cにおいて、隣り合う前記砕石ユニット同士が互いに重なり合うように設置され、前記工程aの前に、前記砕石ユニットの内部の前記中詰め材よりも粒径の小さな砕石を水上から管体を用いて配置してフィルター層を形成し、ブロック又はグラブバケットを吊り下げて前記フィルター層の表面を均すことを特徴とする洗掘防止工の施工方法である。
第4の発明は、水中構造体の周囲に、中詰め材が袋体に収容された砕石ユニットを設置する洗掘防止工の設置方法であって、吊り治具に複数の砕石ユニットを吊り下げる工程aと、前記吊り治具を揚重機によって吊り下げる工程bと、前記吊り治具を吊り下ろして、前記砕石ユニットを水中地盤に設置する工程cと、を具備し、前記工程aにおいて、複数の前記砕石ユニットは、平面視において互いに重なり合うように配置され、前記工程cにおいて、前記水中地盤上で隣り合う前記砕石ユニット同士が互いに重なり合うように隙間なく設置されることを特徴とする洗掘防止工の施工方法である。
第1の発明では、前記砕石ユニットは、前記吊り治具に対して、フックを介して吊り下げられ、前記工程cの後、水上からの操作で前記フックを開放して前記砕石ユニットを前記吊り治具から取り外す。
これにより、潜水士による水中での玉外し作業が不要になり、工事の安全性が高まる。
第1の発明では、例えば、前記吊り治具上に張力付与装置が配置され、前記フックを開放するための操作ワイヤが前記張力付与装置に接続され、水上からの操作で前記張力付与装置を作動させ、前記張力付与装置で前記操作ワイヤを引張ることにより、複数の前記フックを同時に開放する。
これにより、水上からの操作で吊り治具から複数の砕石ユニットを同時に取り外して設置することができる。
第2の発明では、前記揚重機にはGPSが設置され、前記工程cにおいて、あらかじめ決められた位置に合わせて前記吊り治具を配置し、水中ソナーによって、水中における前記砕石ユニットの実際の位置を把握して、あらかじめ定められた管理位置に位置を合わせて前記砕石ユニットを設置し、前記水中ソナーは、船体に固定されたレールに沿って上下に昇降する支柱の下端付近に取り付けられ、使用する時に水中に配置され、使用しない時には水上に配置される。
第2の発明では、前記水中ソナーによって得られる画像中に、あらかじめ定められた前記管理位置から直上に延びる柱状の範囲を表示し、画像中の前記吊り治具を前記柱状の範囲に合わせるようにして吊り下げて位置合わせを行うことが望ましい。あるいは、前記水中ソナーによって得られる画像中に、あらかじめ定められた前記管理位置を表示し、画像中の前記砕石ユニットを前記管理位置に合わせるようにして位置合わせを行ってもよい。
第2の発明では、水中ソナーを用いることにより、濁水中であっても超音波で水中での砕石ユニットの位置をリアルタイムで把握できるので、砕石ユニットを短時間で精度よく設置することができる。また、潜水士による水中での確認作業が不要になり工事の安全性が高まる。水中ソナーをレールに沿って昇降可能とすれば、水中ソナーの較正や管理が簡単になる。画像を用いれば、水中における砕石ユニットの位置合わせがより容易になる。
第3の発明では、前記工程aの前に、前記砕石ユニットの内部の前記中詰め材よりも粒径の小さな砕石を水上から管体を用いて配置してフィルター層を形成し、ブロック又はグラブバケットを吊り下げて前記フィルター層の表面を均
第3の発明では、例えば、前記管体は伸縮可能であり、前記砕石を配置する時に所定の水深まで伸ばした状態とする。また、前記管体は船体に保持された砕石投入部に対して着脱可能であり、前記砕石を配置する時に前記砕石投入部に取り付けられてもよい。
第3の発明では、フィルター層の表面を効率よく均すことができる。管体を伸縮可能としたり、着脱可能としたりすれば、管体を他の作業の妨げにならない状態で保管できる。
本発明によれば、砕石ユニットを安全且つ効率的に設置することができる洗掘防止工の施工方法を提供することができる。

Claims (18)

  1. 水中構造体の周囲に、中詰め材が袋体に収容された砕石ユニットを設置する洗掘防止工の設置方法であって、
    吊り治具に複数の砕石ユニットを吊り下げる工程aと、
    前記吊り治具を揚重機によって吊り下げる工程bと、
    前記吊り治具を吊り下ろして、前記砕石ユニットを水中地盤に設置する工程cと、
    を具備し、
    前記工程aにおいて、複数の前記砕石ユニットは、平面視において互いに重なり合うように配置され、前記工程cにおいて、隣り合う前記砕石ユニット同士が互いに重なり合うように設置されることを特徴とする洗掘防止工の施工方法。
  2. 前記工程aにおいて、複数の前記砕石ユニットが仮置きされた仮置きスペースの側方に架台を設置し、前記架台の上に前記吊り治具を設置した状態で、前記吊り治具の下方で、複数の前記砕石ユニットを前記吊り治具に接続することを特徴とする請求項1記載の洗掘防止工の施工方法。
  3. 前記砕石ユニットは、複数列に吊り下げられ、隣り合う列の前記砕石ユニットの吊り高さが異なることを特徴とする請求項1または請求項2記載の洗掘防止工の施工方法。
  4. 前記砕石ユニットは、前記吊り治具に対して、フックを介して吊り下げられ、
    前記工程cの後、水上からの操作で前記フックを開放して前記砕石ユニットを前記吊り治具から取り外すことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の洗掘防止工の施工方法。
  5. 前記吊り治具上に張力付与装置が配置され、
    前記フックを開放するための操作ワイヤが前記張力付与装置に接続され、
    水上からの操作で前記張力付与装置を作動させ、前記張力付与装置で前記操作ワイヤを引張ることにより、複数の前記フックを同時に開放することを特徴とする請求項4記載の洗掘防止工の施工方法。
  6. 前記揚重機にはGPSが設置され、前記工程cにおいて、あらかじめ決められた位置に合わせて前記吊り治具を配置し、
    水中ソナーによって、水中における前記砕石ユニットの実際の位置を把握して、あらかじめ定められた管理位置に位置を合わせて前記砕石ユニットを設置することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の洗掘防止工の施工方法。
  7. 前記水中ソナーは、船体に固定されたレールに沿って上下に昇降する支柱の下端付近に取り付けられ、使用する時に水中に配置され、使用しない時には水上に配置されることを特徴とする請求項6記載の洗掘防止工の施工方法。
  8. 前記水中ソナーによって得られる画像中に、あらかじめ定められた前記管理位置から直上に延びる柱状の範囲を表示し、画像中の前記吊り治具を前記柱状の範囲に合わせるようにして吊り下げて位置合わせを行うことを特徴とする請求項6または請求項7記載の洗掘防止工の施工方法。
  9. 前記水中ソナーによって得られる画像中に、あらかじめ定められた前記管理位置を表示し、画像中の前記砕石ユニットを前記管理位置に合わせるようにして位置合わせを行うことを特徴とする請求項6または請求項7記載の洗掘防止工の施工方法。
  10. 前記工程aの前に、前記砕石ユニットの内部の前記中詰め材よりも粒径の小さな砕石を水上から管体を用いて配置してフィルター層を形成し、ブロック又はグラブバケットを吊り下げて前記フィルター層の表面を均すことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の洗掘防止工の施工方法。
  11. 前記管体は伸縮可能であり、前記砕石を配置する時に所定の水深まで伸ばした状態とすることを特徴とする請求項10記載の洗掘防止工の施工方法。
  12. 前記管体は船体に保持された砕石投入部に対して着脱可能であり、前記砕石を配置する時に前記砕石投入部に取り付けられることを特徴とする請求項10または請求項11記載の洗掘防止工の施工方法。
  13. 前記工程cにおいて、スラスターを用いて前記吊り治具の向きを制御することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の洗掘防止工の施工方法。
  14. 前記工程cにおいて、ウインチおよび姿勢制御ワイヤを用いて前記吊り治具の向きを制御することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の洗掘防止工の施工方法。
  15. 前記水中構造体が、着床式又はモノパイル式の洋上風力基礎であることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の洗掘防止工の施工方法。
  16. 中詰め材が袋体に収容された砕石ユニットが水底に設置された洗掘防止工の供用中の管理方法であって、
    GPSで船体の位置を取得し、前記船体に設置された水中ソナーで水中における前記砕石ユニットの実際の位置を把握して、前記洗掘防止工の供用開始時における前記砕石ユニットの設置位置である管理位置と前記実際の位置とのずれを確認することを特徴とする洗掘防止工の供用中の管理方法。
  17. 吊り治具と、
    前記吊り治具に接続された複数の吊下げワイヤと、
    前記吊下げワイヤの端部に接続されたフックと、
    前記吊り治具に配置されたスラスターと、
    を具備し、
    複数の砕石ユニットを互いに高さを変えて吊り下げることが可能であることを特徴とする洗掘防止工設置装置。
  18. 吊り治具と、
    前記吊り治具に接続された複数の吊下げワイヤと、
    前記吊下げワイヤの端部に接続されたフックと、
    前記吊り治具に配置されたウインチおよび姿勢制御ワイヤと、
    を具備し、
    複数の砕石ユニットを互いに高さを変えて吊り下げることが可能であることを特徴とする洗掘防止工設置装置。
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