JP2022018341A - 金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法 - Google Patents

金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属部材と樹脂部材との接合強度を安定させることができる金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法を提供する。【解決手段】平板状の金属部材の表面に凹状部Aを形成する凹状部形成工程と、前記凹状部形成工程を経た前記平板状の金属部材を、凹状部Aの全部又は一部がアンダーカット形状になるように面外方向へ曲げ変形させて曲げ変形後の金属部材2Bにする曲げ加工工程と、前記曲げ加工工程を経た曲げ変形後の金属部材2Bの凹状部Aが形成されている表面E側をキャビティCとする金型Dを用いて、金型DのゲートGから溶融又は可塑化した樹脂材料PをキャビティC内に射出することによりキャビティCの形状に樹脂部材3を成形する射出成形工程とを含む。【選択図】図4

Description

本発明は、金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法に関し、さらに詳しくは、金属部材と樹脂部材とをアンカー効果により機械的に接合する製造方法に関する。
近年、自動車、航空機、鉄道車両、電気機器等の分野において、軽量化を図りながら所要の機械的特性を持たせるために、金属部材と樹脂部材とを直接接合する技術の開発が進んでいる。このような技術として、金属部材と樹脂部材とをアンカー効果により機械的に接合する製造方法がある(例えば、特許文献1ないし3参照)。
特許文献1では、加工用のレーザL1(特許文献1の図3)を用いている。レーザL1により金属部材1に穿孔部11を形成し、穿孔部11には、内側に突出する突出部11aが形成される。穿孔部11に樹脂部材を充填して固化させることにより、金属部材1と樹脂部材2とがアンカー効果により機械的に接合する(特許文献1の図1)。
特許文献2では、金型8(特許文献2の図3及び図4)、及び金属板9(特許文献2の図6及び図7)を用いている。金型8を用いて金属母材11を圧縮しながら、金型8を金属母材11の被成形面11bに沿う方向に超音波振動させることで、突起部12aを有する突起表面金属母材12を形成する。次に、金属板9を用いて、突起表面金属母材12を圧縮し、アンダーカット部1bを有する金属部材1を形成する。次に、金属部材1のアンダーカット部1bに樹脂材料を充填して固化させることにより、金属部材1と樹脂部材2とがアンカー効果により機械的に接合する(特許文献2の図1)。
特許文献3では、押圧部材16(特許文献3の図1及び図4)を用いている。樹脂部材12との接合面11aに溝部15が形成されている金属部材11と樹脂部材12とを重ね合わせ、押圧部材16により熱及び圧力を金属部材11側から付与する。それにより、樹脂部材12を軟化させて溝部15内に入れ、溝部15内に入った樹脂を固化させることにより、金属部材11と樹脂部材12とがアンカー効果により機械的に接合する(特許文献3の図4)。
特開2016-141052号公報 特開2017-039274号公報 特開2015-189172号公報
特許文献1~3の金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法では、製造した複数の接合構造体における金属部材のアンダーカット形状が同じにならないこと等により、金属部材と樹脂部材との接合強度が不安定になる。
例えば、特許文献1では、レーザL1による除去加工で穿孔部11を形成している。すなわち、金属部材1の表面にレーザL1を集光して溶融させ、アシストガスを噴き付けて吹き飛ばすことにより穿孔部11を形成している。そのため、形成された穿孔部11の形状が、製造した複数の金属部材1で同じにならないので、金属部材1と樹脂部材2との接合強度が不安定になる。
また、特許文献2では、金型8の押圧及び超音波振動並びに金属板9の押圧により金属部材1に形成されたアンダーカット部1bの形状が、製造した複数の金属部材1で同じにならないので、金属部材1と樹脂部材2との接合強度が不安定になる。
さらに、特許文献3では、押圧部材16により熱及び圧力を付与することにより変形した金属部材11のアンダーカット形状の溝部15が、製造した複数の金属部材11で同じにならないとともに、軟化して溝部15内に入る樹脂の量も変動するので、金属部材11と樹脂部材12との接合強度が不安定になる。例えば、金属部材11の溝部15内に入る樹脂が辛うじて溝部15内に入り込む程度である場合があり、その場合は、金属部材11と樹脂部材12との接合強度が大幅に低下する。
さらにまた、特許文献1及び2の金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法では、大規模な設備が必要になる。すなわち、特許文献1では、レーザ加工機が必要であり、特許文献2では、大型プレス加工機及び金型を超音波振動させる装置が必要である。
また、特許文献3の金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法では、押圧部材16により熱及び圧力を金属部材11側から付与して樹脂部材12を軟化させるための時間が掛かるので生産性が低下する。その上、金属部材11に押圧部材16の痕が残る。
本発明は、金属部材と樹脂部材との接合強度を安定させることができる金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法は、前記課題解決のために、
平板状の金属部材の表面に、
垂直な穴の複数からなる凹状部、若しくは、
垂直な溝の複数からなる凹状部、又は、
垂直な穴及び垂直な溝の複数からなる凹状部
を機械的な除去加工で形成する凹状部形成工程と、
前記凹状部形成工程を経た前記平板状の金属部材を、前記凹状部の全部又は一部がアンダーカット形状になるように面外方向へ曲げ変形させて曲げ変形後の金属部材にする曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程を経た前記曲げ変形後の金属部材の前記凹状部が形成されている表面側をキャビティとする金型を用いて、前記金型のゲートから溶融又は可塑化した樹脂材料を前記キャビティ内に射出することにより前記キャビティの形状に樹脂部材を成形する射出成形工程と、
を含むことを特徴とする。
このような製造方法によれば、凹状部形成工程で平板状の金属部材の表面に垂直な穴及び/又は溝からなる凹状部を機械的な除去加工で形成するので、平板状の金属部材に形成された前記凹状部の形状精度が高くなる。すなわち、複数の平板状の金属部材に対して前記凹状部を形成した場合に、何れの平板状の金属部材においても前記凹状部は略同一の形状になる。
また、凹状部形成工程で平板状の金属部材に形成した前記凹状部の形状は、曲げ加工工程で前記金属部材を曲げ加工しても、複数の曲げ変形後の金属部材で略同じになる。
そして、射出成形工程で金型のキャビティ内に樹脂部材を成形する際に、前記のように複数の曲げ変形後の金属部材で形状が略同じになる前記凹状部内に、溶融又は可塑化した樹脂材料が所要の充填圧力で確実に充填される。
したがって、製造した複数の金属部材と樹脂部材との接合構造体で、全部又は一部がアンダーカット形状である凹状部の形状、及び前記凹状部に充填される樹脂の量が、略同じになる。それにより、金属部材と樹脂部材とをアンカー効果により機械的に接合してなる接合構造体において、金属部材と樹脂部材との接合強度が安定する。
よって、金属部材及び樹脂部材の材質、並びに前記凹状部の形状を管理することにより、金属部材と樹脂部材との接合強度を保証できる。その上、凹状部に隙間なく溶融又は可塑化した樹脂が流れ込んで、凹状部内に隙間無く充填されるので、金属部材と樹脂部材とを樹脂破壊強度で固着させた接合構造体を提供できる。
その上さらに、凹状部形成工程において、平板状の金属部材の表面に垂直な穴や溝を形成するので、金属部材の表面に穴や溝を形成する加工装置が大掛かりにならず、加工時間も短縮できるので、製造コストを低減できる。
ここで、前記曲げ加工工程を、板金プレス加工により行うのが好ましい実施態様である。
このような製造方法によれば、平板状の金属部材の曲げ加工を板金プレス加工により行うことから、金型を用いて効率的に曲げ加工を行うので、生産性を向上できる。
以上のような金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法によれば、金属部材と樹脂部材との接合強度を安定させることができる。それにより、金属部材及び樹脂部材の材質、並びに金属部材に形成する凹状部の形状を管理することにより、前記接合強度を保証できる。
本発明の実施の形態に係る金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法により製造した接合構造体の例を示す斜視図である。 前記接合構造体の例を示す縦断面図である。 凹状部形成工程で平板状の金属部材に凹状部を形成した後の前記金属部材の例を示す斜視図である。 前記金属部材の例を示す縦断面図である。 曲げ加工工程で平板状の金属部材を面外方向へ曲げ変形させた曲げ変形後の金属部材の例を示す斜視図である。 前記金属部材の例を示す縦断面図である。 射出成形工程の例を示す概略縦断面である。 凹状部形成工程で形成する凹状部の変形例を示す斜視図である。 曲げ加工工程で図5Aの金属部材を面外方向へ曲げ変形させた曲げ変形後の金属部材を示す図5Aの矢視X1-X1に相当する断面図である。 曲げ加工工程で図5Aの金属部材を面外方向へ曲げ変形させた曲げ変形後の金属部材を示す図5Aの矢視X2-X2に相当する断面図である。 凹状部形成工程で形成する凹状部の別の変形例を示す斜視図である。 曲げ加工工程における曲げ加工の変形例を示す図6Aの矢視X3-X3に相当する断面図である。 曲げ加工工程で平板状の金属部材を面外方向へ曲げ変形させる方向を変えた場合における本発明の実施の形態に係る金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法により製造した接合構造体の例を示す斜視図である。 前記接合構造体の例を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
<金属部材と樹脂部材との接合構造体>
図1Aの斜視図、及び図1Bの縦断面図に示すように、本発明の実施の形態に係る金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法により製造した接合構造体1は、金属部材2及び樹脂部材3からなる。
金属部材2は、例えば、鉄合金若しくは銅合金等、又は、アルミニウム、マグネシウム、チタニウム若しくはベリリウム等の軽合金である。
樹脂部材3は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)若しくはポリカーボネート(PC)等のエンジニアリングプラスチック、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン(PE)若しくはABS樹脂(ABS)等の汎用プラスチック、又は、フェノール樹脂(PF)若しくはエポキシ樹脂(EP)等の熱硬化性樹脂である。また、樹脂部材3には、ガラス繊維又は炭素繊維等の繊維状強化材を添加してもよい。
金属部材2は、例えば図1Bのような円弧状断面を有する板であり、その外周面である表面Eには、表面Eに垂直な穴4A~4Eが形成されており、これらの複数の穴からなる穴群Hが、詳細は後述する凹状部Aである。
凹状部Aを構成する穴4A~4Eの中心軸F1~F5は、円弧状断面を有する板である金属部材2の外周面Eに垂直であることから、穴4A~4E(穴群Hである凹状部A)は全体としてアンダーカット形状を成す。ここで、「アンダーカット形状」とは、図1Bのように凹状部Aに樹脂部材3が入り込んだ状態で、金属部材2と樹脂部材3とを離反できない形状のことを言う。
凹状部Aがアンダーカット形状を成すことにより、金属部材2と樹脂部材3とはアンカー効果により機械的に強固に接合されている。
<金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法>
(凹状部形成工程)
図2Aの斜視図、及び図2Bの縦断面図に示すように、矩形平板状の金属部材2Aの表面Eに凹状部Aを機械的な除去加工で形成する凹状部形成工程を行う。すなわち、5つの列R1~R5上に3個ずつある、平面状の表面Eに垂直な15個の穴4A~4Eを、例えば、ボール盤やマシニングセンタ等を用いてドリルに回転と送りを与えて切削する。
矩形平板状の金属部材2Aの表面Eに形成する複数の穴の配置は、図2Aのような縦横に並べた配置に限定されるものではなく、千鳥状等の他の配置であってもよい。凹状部Aである穴群Hの穴の個数及び配置、並びに各穴の径及び深さは、要求仕様等に基づいて適宜選択する。
(曲げ加工工程)
次に、図2A及び図2Bに示す前記凹状部形成工程を経た矩形平板状の金属部材2Aを、凹状部Aの全部又は一部がアンダーカット形状になるように面外方向Bへ曲げ変形させて曲げ変形後の金属部材2Bにする曲げ加工工程を行う。すなわち、例えば、板金プレス加工により曲げ加工を行い、図3Aの斜視図、及び図3Bの縦断面図に示すような、円弧状となった曲げ変形後の金属部材2Bを得る。
矩形平板状の金属部材2Aの曲げ加工を板金プレス加工により行うことにより、金型を用いて効率的に曲げ加工を行うことができるので、生産性を向上できる。
(射出成形工程)
次に、図4の概略縦断面に示すように、図3A及び図3Bに示す前記曲げ加工工程を経た曲げ変形後の金属部材2Bを図示しない金型にセットした状態で、金属部材2Bの凹状部Aが形成されている表面E側をキャビティCとする金型Dを用いて、金型を型締めした後に、金型DのゲートGから溶融又は可塑化した樹脂材料PをキャビティC内に射出することによりキャビティCの形状に樹脂部材3を成形する射出成形工程を行う。金型DのキャビティCの形状を変えることにより、任意の3次元形状を有する樹脂部材3を成形できる。
(冷却・固化工程)
前記射出成形工程を行った後、圧力を加えながら溶融又は可塑化した樹脂材料Pを冷却させる冷却・固化工程を行う。
(成形品取出し工程)
前記冷却・固化工程を行った後、射出成形金型を開いて金型Dから成形品である接合構造体1(図1A及び図1B)を取り出す成形品取出し工程を行う。なお、必要に応じてゲートカットを行う。
<凹状部の変形例>
図5Aの斜視図に示す矩形平板状の金属部材2Aの表面Eには、穴4F~4H、及び溝5A~5Eを形成しており、これらが凹状部Aである。すなわち、凹状部Aは、穴4F~4Hである穴群Hと、溝5A~5Eである溝群Sからなる。
図5Aの矩形平板状の金属部材2Aに凹状部Aである穴群H及び溝群Sを機械的な除去加工で形成する凹状部形成工程において、穴群Hは、例えばボール盤やマシニングセンタ等を用いてドリルに回転と送りを与えて切削し、溝群Sは、例えば汎用フライス盤又はマシニングセンタ等を用いてエンドミルを回転及び移動させながら切削する。
矩形平板状の金属部材2Aの表面Eに形成する複数の穴及び溝の配置は、図5Aのような配置に限定されない。凹状部Aである穴群Hの穴の個数及び配置、並びに各穴の径及び深さ、並びに、溝群Sの溝の個数及び配置、並びに各溝の幅、長さ及び深さは、要求仕様等に基づいて適宜選択する。
図5Aの矢視X1-X1に相当する断面図である図5B、及び図5Aの矢視X2-X2に相当する断面図である図5Cのように、図5Aの矩形平板状の金属部材2Aに対して曲げ加工工程を行って曲げ変形後の金属部材2Bにすると、凹状部A(穴群H及び溝群S)の全部又は一部がアンダーカット形状になる。
平板状の金属部材2Aは、矩形に限定されない。平板状の金属部材2Aは、円形、楕円形、長円形、角丸四角形状等の任意の形状であってもよく、曲げ加工工程で面外方向Bへ曲げ変形させて凹状部Aの全部又は一部をアンダーカット形状にすることができればよい。
また、凹状部Aは、溝群Sのみにより構成してもよい。すなわち、凹状部形成工程で平板状の金属部材2Aの表面に形成する凹状部Aは、垂直な溝の複数からなる場合もある。
したがって、凹状部形成工程で平板状の金属部材2Aの表面に形成する凹状部Aは、
(1)例えば図2Aのように垂直な穴の複数からなる場合、
(2)垂直な溝の複数からなる場合、
(3)例えば図5Aのように垂直な穴及び垂直な溝の複数からなる場合、
がある。
<凹状部の別の変形例、及び曲げ加工工程の変形例>
図6Aの斜視図に示す矩形平板状の金属部材2Aの表面Eには、凹状部形成工程で矩形平板状の金属部材2Aの表面に形成する凹状部Aとして、穴群Hである垂直な穴4I~4Nを形成している。すなわち、矩形平板状の金属部材2Aの一対の短辺側に片寄らせて、一方の短辺に近い列R1~R3上の9個の穴4I~4Kを形成し、他方の短辺に近い列R4~R6上の9個の穴4L~4Nを形成している。
図6Aの矢視X3-X3に相当する断面図である図6Bのように、曲げ加工工程を行った曲げ変形後の金属部材2Bは、図3A及び図3B、並びに図5B及び図5Cのような円弧状断面ではなく、皿状断面を有する。すなわち、曲げ変形後の金属部材2Bは、図6Aにおける列R1~R3を含む部分と列R4~R6を含む部分を、表面Eに対する面外方向Bの同方向へ、面対称になるように曲げた形状を有する。
曲げ変形後の金属部材2Bにおける凹状部A(穴群H)である穴4I~4Nは、全体としてアンダーカット形状を成す。よって、射出成形工程等を経て図6Bの金属部材2を樹脂部材3と接合してなる接合構造体1において、金属部材2と樹脂部材3とはアンカー効果により機械的に強固に接合される。
図7Aの斜視図、及び図7Bの縦断面図に示す接合構造体1の金属部材2(曲げ変形後の金属部材2B)は、図1Aの斜視図、及び図1Bの縦断面図に示す接合構造体1の金属部材2(曲げ変形後の金属部材2B)と、図2Aの斜視図、及び図2Bの縦断面図に示す矩形平板状の金属部材2Aを曲げ加工工程で面外方向Bへ曲げ変形させる方向が異なる。すなわち、図1A及び図1Bでは、金属部材2の外周面Eに凹状部Aが形成されており、図7A及び図7Bでは、金属部材2の内周面Eに凹状部Aが形成されている。
図7A及び図7Bの接合構造体1においても、凹状部Aを構成する穴4A~4Eの中心軸F1~F5は、円弧状断面を有する板である金属部材2の内周面Eに垂直であることから、穴4A~4E(穴群Hである凹状部A)は全体としてアンダーカット形状を成す。したがって、金属部材2と樹脂部材3とはアンカー効果により機械的に強固に接合されている。
曲げ加工工程で平板状の金属部材2Aを曲げ変形させてなる曲げ変形後の金属部材2Bの形状は、図1B、図3B、図5B及び図5C、並びに図7Bのような円弧状断面、又は図6Bのような皿状断面に限定されるものではなく、曲げ変形後の金属部材2Bにおける凹状部Aが全体としてアンダーカット形状を成すように平板状の金属部材2Aを曲げ変形させる形状であればよい。
<作用効果>
本発明の実施の形態に係る金属部材2と樹脂部材3との接合構造体1の製造方法によれば、凹状部形成工程で平板状の金属部材2Aの表面Eに垂直な穴及び/又は溝からなる凹状部Aを機械的な除去加工で形成するので、平板状の金属部材2Aに形成された凹状部Aの形状精度が高くなる。すなわち、複数の平板状の金属部材2Aに対して凹状部Aを形成した場合に、何れの平板状の金属部材2Aにおいても凹状部Aは略同一の形状になる。
また、凹状部形成工程で平板状の金属部材2Aに形成した凹状部Aの形状は、曲げ加工工程で金属部材2Aを曲げ加工しても、複数の曲げ変形後の金属部材2Bで略同じになる。
そして、射出成形工程で金型DのキャビティC内に樹脂部材3を成形する際に、前記のように複数の曲げ変形後の金属部材2Bで形状が略同じになる凹状部A内に、溶融又は可塑化した樹脂材料Pが所要の充填圧力で確実に充填される。
したがって、製造した複数の金属部材2と樹脂部材3との接合構造体1で、全部又は一部がアンダーカット形状である凹状部Aの形状、及び凹状部Aに充填される樹脂の量が、略同じになる。それにより、金属部材2と樹脂部材3とをアンカー効果により機械的に接合してなる接合構造体1において、金属部材2と樹脂部材3との接合強度が安定する。
よって、金属部材2及び樹脂部材3の材質、並びに凹状部Aの形状を管理することにより、金属部材2と樹脂部材3との接合強度を保証できる。その上、凹状部Aに隙間なく溶融又は可塑化した樹脂Pが流れ込んで、凹状部A内に隙間無く充填されるので、金属部材2と樹脂部材3とを樹脂破壊強度で固着させた接合構造体1を提供できる。
その上さらに、凹状部形成工程において、平板状の金属部材2Aの表面Eに垂直な穴や溝を形成するので、金属部材2Aの表面Eに穴や溝を形成する加工装置が大掛かりにならず、加工時間も短縮できるので、製造コストを低減できる。
以上の実施の形態の説明における穴4A~4Nは丸穴であるが、凹状部形成工程で平板状の金属部材2Aの表面Eに形成する垂直な穴は丸穴に限定されない。前記穴は、長穴であってもよく、ねじ穴であってもよい。前記穴をねじ穴にする場合は、例えば、凹状部形成工程で、ボール盤やマシニングセンタ等を用いてドリルに回転と送りを与えて丸穴を下穴として形成した後に、ボール盤やマシニングセンタ等を用いてタップによりタップ加工を行う。前記穴をねじ穴にすることにより、金属部材2と樹脂部材3との接合強度を向上できる。
以上の実施の形態の記載はすべて例示であり、これに制限されるものではない。本発明の範囲から逸脱することなく種々の改良及び変更を施すことができる。
1 接合構造体
2 金属部材
2A 平板状の金属部材
2B 曲げ変形後の金属部材
3 樹脂部材
4A~4N 穴
5A~5E 溝
A 凹状部
B 面外方向
C キャビティ
D 金型
E 表面
F1~F5 穴の中心軸
G ゲート
H 穴群
P 溶融又は可塑化した樹脂材料
R1~R6 列
S 溝群

Claims (2)

  1. 平板状の金属部材の表面に、
    垂直な穴の複数からなる凹状部、若しくは、
    垂直な溝の複数からなる凹状部、又は、
    垂直な穴及び垂直な溝の複数からなる凹状部
    を機械的な除去加工で形成する凹状部形成工程と、
    前記凹状部形成工程を経た前記平板状の金属部材を、前記凹状部の全部又は一部がアンダーカット形状になるように面外方向へ曲げ変形させて曲げ変形後の金属部材にする曲げ加工工程と、
    前記曲げ加工工程を経た前記曲げ変形後の金属部材の前記凹状部が形成されている表面側をキャビティとする金型を用いて、前記金型のゲートから溶融又は可塑化した樹脂材料を前記キャビティ内に射出することにより前記キャビティの形状に樹脂部材を成形する射出成形工程と、
    を含むことを特徴とする金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法。
  2. 前記曲げ加工工程を、板金プレス加工により行う、
    請求項1に記載の金属部材と樹脂部材との接合構造体の製造方法。
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