JP2022012991A - 耐火ケーブル - Google Patents

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【課題】従来よりも耐火性を向上させた、3時間の耐火試験に耐えることのできる原子力発電所用の耐火ケーブルを提供する。【解決手段】耐火ケーブル10は、線芯5は、導体1と、導体1の外周に位置する耐火層2と、耐火層2の外周に位置する絶縁体3と、を備え、耐火層2は、有機材料、耐熱性を有する第1無機材料、および絶縁性の第2無機材料を有し、耐火層2における有機材料の含有量が、0.5質量%以上10質量%以下である。【選択図】 図1

Description

本発明は、高耐火特性を備えた耐火ケーブルに関する。
長時間の耐火試験に耐えることのできる高耐火特性を備えた耐火ケーブルの一例として、特許文献1には、導体、耐火層、絶縁層および難燃性シースから構成される耐火ケーブルの耐火層を、アルミナクロスと集成マイカなどの他の耐火材との複合絶縁テープにより構成することが記載されている。
特開2000-331546号公報
原子力施設では、火災時の安全対策として、一定の時間、火災時の高温に耐え、かつ、自己が延焼しない状態で必要な設備へ電力を供給することのできる耐火ケーブルが必要となっている。
従来の耐火ケーブルは、例えば、ガラスクロス、ポリエステルテープ等の裏打ち材で裏打ちされたマイカテープを導体上に巻き付け、これにより形成された耐火層の上に絶縁層と難燃性シースを順に形成した構造が広く使用されている。
しかし、この構造の耐火ケーブルは、JIS-A1304に準拠した30分耐火試験レベルの耐火性のものがほとんどであり、原子力発電所において必要とされる3時間の耐火試験をクリアすることは難しい、との課題がある。
特に、30分と3時間での耐火試験を比べると、前者の最高温度が840℃程度であるのに対し、後者の最高温度はケーブル表面で約1100℃にもなり、ポリエチレン等の絶縁層は蒸し焼き状態を経て炭化してしまい、その結果、絶縁抵抗は大幅に低下することになる。
従来技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。この特許文献1では、1時間の耐火試験に耐えることのできる耐火ケーブルとして、アルミナクロスと他の耐火材との複合絶縁テープを耐火層の構成材料として使用することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、1時間の耐火試験には耐えられるが、原子力発電所において必要とされる3時間の耐火試験では導体である銅が溶融してケーブルの強度が低下してしまう。加えて、絶縁抵抗が大きく低下するため、耐火性をより改善する必要がある。
本発明は、従来よりも耐火性を向上させた、3時間の耐火試験に耐えることのできる原子力発電所用の耐火ケーブルを提供する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、線芯を有する耐火ケーブルであって、前記線芯は、導体と、前記導体の外周に位置する耐火層と、前記耐火層の外周に位置する絶縁体と、を備え、前記耐火層は、有機材料、および無機材料を有し、前記耐火層における前記有機材料の含有量が、0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、従来よりも耐火性を向上させ、3時間の耐火試験に耐えることができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態および実施例の説明により明らかにされる。
本実施形態の耐火ケーブルを模式的に示す図である。 本発明の実施例1の耐火ケーブルでの絶縁抵抗測定の結果を示す図である。 本発明の実施例2の耐火ケーブルでの絶縁抵抗測定の結果を示す図である。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の耐火ケーブルの実施形態について図1乃至図3を用いて説明する。
最初に、耐火ケーブルの構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の耐火ケーブルを模式的に示す構造例の図である。
図1で示した耐火ケーブル10は、2本分の線芯5と、介在物6、押さえ巻きテープ4、断熱層7、シース8とから構成される。
線芯5は、例えば銅などからなる導体1と、導体1の外周に位置する耐火層2と、耐火層2の外周に位置する絶縁体3と、絶縁体3の周囲に巻き付けられた押さえ巻きテープ4から成る。この線芯5が2本、相互に擦り合わせられている。
介在物6は、相互に捻り併せられた2本の線芯5の周囲にポリエチレン等からなる押さえ巻きテープ4により被せられており、例えばガラスマイカなどの絶縁物が用いられる。
断熱層7は、押さえ巻きテープ4により囲まれた介在物6を被覆するものであり、例えばアルミナなどの耐熱性の高い材料が用いられる。
難燃性シース8は、耐火ケーブル10の最外周を形成する層であり、一般的な耐火用のケーブルの最外周層に用いられている材料であれば特に限定されない。
本発明では、耐火層2以外の構造、材料については特段限定はなく、耐火ケーブルに適した構造、材料を適宜用いることができる。
次いで、本発明の耐火ケーブル10の最も特徴となる耐火層2の詳細について以下説明する。
耐火層2は、有機材料と、耐熱性を有する第1無機材料、および絶縁性の第2無機材料と、を有している。
このうち、有機材料は、第1無機材料および第2無機材料の粉末をシート状に成型するための接着剤として用いられるものであり、第1無機材料や第2無機材料との相性を考慮してその材質などを決定することができる。例えば、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂が好適に用いられるが、もちろんこれに限定されない。
また、耐火層2における有機材料の含有量は、0.5質量%以上10質量%以下、さらに望ましくは1質量%以上5質量%以下である。
有機材料の含有量が0.5質量%よりも少ない場合、無機材料の粉末同士の接着力が弱くなり、シート状に成型することができない。さらに、望ましくは1質量%以上含有することが望ましい。これにより、シートの強度を高めることができる。
一方、有機材料の含有量が10質量%を超える場合、耐火性能が損なわれるため、好ましくない。さらに望ましくは、5質量%以下である。
第1無機材料は、3時間の耐火試験時間後の耐火ケーブル10の外表面温度が1100℃まで到達することから、1000℃でも機械強度を維持する、さらに望ましくは1200℃以上でも機械強度を維持する耐熱性を有することが望ましい。機械強度は、引張強度で判断するものとする。引張強度については、室温時と耐火試験後とで同じ手法で評価すればよく、例えばJISなどの各種試験方法によって評価される。
引張強度が室温(25℃)時の1/2以上で維持されることで、耐火ケーブル10としての強度を維持できることから、耐火層2の引張強度が室温時の1/2に減少する温度は、少なくとも1000℃、さらに望ましくは1200℃が求められる。
このような第1無機材料としては、快削性セラミック(SiO)、MgO、Al複合体、快削性セラミック:AlN,BN複合体、ステアタイト(MgO・SiO)、安定化ジルコニア、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、サイアロン(SiにAlとSiOを合成して得られる、チッ化珪素系のエンジニアリングセラミックス)、ホトベール(登録商標)(ガラス質をマトリックスに、フッ素金雲母・ジルコニア微結晶を均一に析出させたもの)、シェイパル Hi Msoft(登録商標)(AlNとBNとの複合体)、石英、バイコール(登録商標)(ホウケイ酸ガラスを分相させ、アルカリホウ酸分を溶出させることにより96%までシリカ分を高めた)のうち少なくとも1種以上を含むものとすることができる。このような上記材料においても、上述した1000℃でも機械強度を維持する、さらに望ましくは1200℃以上でも機械強度を維持するものであることが望ましい。
第2無機材料は、500℃における体積抵抗率が1[MΩ・m]以上、さらに望ましくは1000℃における体積抵抗率が1[MΩ・m]以上であることが望ましい。
従来の耐火ケーブルの耐火層を構成する材料の体積抵抗率は、常温では1[MΩ・m]以上であっても、温度の上昇と共に耐火層の体積抵抗率が低下し、3時間の耐火試験では絶縁性を維持することが困難となっていた。
そこで、本発明者らは耐火試験中の絶縁抵抗を測定した結果、体積抵抗率が500℃で1[MΩ・m]以上の無機物を用いることにより、ケーブルの絶縁低下を効果的に抑制できることを突きとめた。さらに好ましくは、1000℃で1[MΩ・m]以上の無機物を用いることにより、有機材料と第1無機材料で複合シートを作製した場合においても、絶縁抵抗の低下が大幅に抑制できる。
このような第2無機材料としては、アルミナ、サファイア、ムライト(酸化アルミニウムと二酸化ケイ素との化合物)、コージライト(MgO、Al、SiOの三成分からなるセラミックス)、フォルステライト(MgO-Al-SiO系のセラミックスで2MgO・SiO(MgSiOとも記す)のフォルステライト結晶から成る)、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化ホウ素、マセライト(フッ素金雲母)のうち少なくとも1種以上を含むものであることが望ましい。このような上記材料においても、上述した500℃における体積抵抗率が1[MΩ・m]以上、さらに望ましくは1000℃における体積抵抗率が1[MΩ・m]以上あるものであることが望ましい。
また、耐火層2中の第1無機材料と第2無機材料の比率は、10~40質量%:60~90質量%の範囲で合計で100質量%となる、更には20~30質量%:70~80質量%の範囲で合計で100質量%となることが望ましい。
第1無機材料の比率が10質量%以上、より好適には20質量%以上(すなわち、第2無機材料の比率が90質量%以下、より好適には80質量%以下)の範囲とすることで、機械強度を十分に保つことができる。また、第2無機材料の比率が60%以上、より好適には70質量%以下(すなわち、第1無機材料の比率が40質量%以下、より好適には30質量%以下)の範囲とすることで、3時間の耐火試験後の絶縁抵抗の低下を効果的に抑制できる。
これらの関係から、有機材料と第1無機材料、第2無機材料の最適な比率は、有機材料、第1無機材料、および第2無機材料の比率が0.5~10質量%:9~40質量%:54~90質量%の範囲で合計で100質量%となる、より好適には、1.0~5.0質量%:1.0~29.7質量%:66.5~79.2質量%の範囲で合計で100質量%となることが望ましい。
このような組み合わせであると、耐火層2は3時間の耐火試験においても十分な絶縁抵抗と機械強度を維持することができる。
次に、本発明の実施例および比較例について図2および図3を参照して説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
<耐火試験>
耐火試験は、消防法で定めた一般産業向け耐火ケーブルの国内耐火試験規格JCS 7503:2009「ケーブル耐火試験方法」、及び米国耐火試験規(IEEE1844、UL2196)に準拠して実施した。加熱炉はJCS 7503:2009に定めた大型加熱炉を使用した。
<判定試験>
(1)通電試験
通電試験はJIS C3005に規定の通電試験方法に準拠した。導体に18Aの直流電流を流し、ブザーを用いて断線の有無を確認した。判定基準は、加熱炉で3時間加熱した後に、ブザーが鳴り、通電を確認できればOKとした。
(2)絶縁耐力試験
絶縁耐力試験はJCS 7503に規定の試験方法に準拠した。導体と対地間に周波数50[Hz]または、60[Hz]の正弦波に近い波形をもった規定の交流電圧を加え、規定時間耐えるかどうかを調べた。判定基準は、加熱炉で3時間の加熱中に、AC600[V]に耐えることができればOKとした。
(3)絶縁抵抗測定
原子力発電工作物に係る電気設備の技術基準の解釈第13条に規定される絶縁抵抗値に準拠した。絶縁抵抗計を用いてケーブルの導体と大地間の絶縁抵抗を測定した。判定基準は、加熱炉で3時間加熱した後に、絶縁抵抗値が0.4[MΩ]以上であればOKとした。
<実施例1>
耐火ケーブル10の構造については以下の通りとした。導体1は銅線の表面にニッケルをメッキしたものを用いた。耐火層2は、第1無機材料としてバイコール、第2無機材料としてムライトを粉末の状態で1:9~4:6の比率となるように配合し、有機材料としてエポキシ樹脂を5質量%添加してシート状に成型した。これを導体1の周上に巻き付けた。
耐火層2の周上には水酸化マグネシウムを40質量%添加したシリコーンゴムからなる絶縁体3を形成させた。その周囲には、ポリエチレン製の押さえ巻きテープ4を巻き付けた。この線芯5を相互に擦り合わせたのち、この上にガラスマイカの介在物6を被せ、さらに、ポリエチレン製の押さえ巻きテープ4と押さえ巻きテープ4を被覆するアルミナ製の断熱層7と最外周に難燃性シース8を形成させた。
図2に絶縁抵抗測定の結果を示す。この図2に示すように、第1無機材料と第2無機材料の比率は、10~40質量%:60~90質量%の範囲で合計で100質量%となる、更には20~30質量%:70~80質量%の範囲で合計で100質量%とすることで、より絶縁抵抗の低下が抑えられていることが分かった。
<実施例2>
実施例2には、耐火層2に第1無機材料として炭化ケイ素(緻密質)を、第2無機材料としてアルミナ(A482R)を、質量%で1:9の比率で配合した無機材料を使用した。有機材料はポリエステル樹脂を0.5質量%以上10質量%以下の範囲で添加した。図3に絶縁抵抗測定の結果を示す。この図3に示すように、有機材料の含有量は0.5質量%以上10質量%以下、さらに望ましくは1質量%以上5質量%以下の範囲で絶縁抵抗の低下が抑えられていることが分かった。
<実施例3>
耐火層2の第1無機材料にはサイアロンを使用し、第1無機材料と第2無機材料を粉末の状態で2:8の比率となるように配合し、有機材料としてポリエステル樹脂を5質量%添加してシート状に成型した。
第2無機材料には、以下の表1に示すように、体積抵抗率が500℃で1[MΩ・m]以上である、アルミナ(A482R、A459、A471、A473、A484、A476、A479、A479S、A479M・A479G、A480S、A601D・A601L)、サファイア(SA100)、ムライト(ML652)、コージライト(CO220、CO720)、フォルステライト(F1120、F1023、FC112M)、窒化ケイ素(SN201B、SN260、SN240、SN241)、窒化アルミ(AN216A、AN2000)、窒化ホウ素(バインダーレス)、マセライト(フッ素金雲母)を使用した。
Figure 2022012991000002
性能評価の結果を表1に示す。この表1に示すように、上述の評価試験結果が全ての項目でOKとなり、3時間の耐火試験においても求められる性能を満足することがわかった。
<実施例4>
表1には、実施例3に示した耐火層2の第2無機材料に代えて、体積抵抗率が500℃で1[MΩ・m]未満である、アルミナ(A445)を使用したこと以外は実施例3と同様にして作製されたケーブルの評価試験結果も示した。
この表1に示すように、実施例4のケーブルでは3時間の耐火試験において求められる性能を満足できることはできるが、実施例3のような材料に比べて性能が低いことが明らかとなった。
<実施例5>
耐火層2の第2無機材料にマセライト(フッ素金雲母)を使用し、第1無機材料と第2無機材料を粉末の状態で2:8の比率となるように配合し、有機材料としてポリエステル樹脂を5質量%添加してシート状に成型した。
第1無機材料としては、以下の表2に示すように、快削性セラミック:SiO=46%/MgO=17%/Al=16%、快削性セラミック:AlN,BN複合体、ステアタイト:MgO・SiO、安定化ジルコニア(緻密質)、炭化ケイ素(緻密質)、酸化マグネシウム(緻密質)、サイアロン、ホトベールII、ホトベールII-S、M-soft、石英、バイコールを20質量%配合した第1無機材料を使用した。
Figure 2022012991000003
性能評価の結果を表2に示す。この表2に示すように、上述の評価試験結果が全ての項目でOKとなり、3時間の耐火試験においても求められる性能を満足することがわかった。
<実施例6>
表2には、更に実施例5に示した耐火層2の第1無機材料に代えて、1000℃の引張強度が室温時の1/2に低下するガラスマイカを使用したこと以外は実施例5と同様にして作製されたケーブルの評価試験結果も示した。
この表2に示すように、実施例6のケーブルでは3時間の耐火試験において求められる性能を満足できることはできるが、実施例5のような材料に比べて性能が低いことが明らかとなった。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本実施例の線芯5を有する耐火ケーブル10は、線芯5は、導体1と、導体1の外周に位置する耐火層2と、耐火層2の外周に位置する絶縁体3と、を備え、耐火層2は、有機材料、および無機材料を有し、耐火層2における有機材料の含有量が、0.5質量%以上10質量%以下である。
このような構成によって、3時間の耐火試験に耐えられる高い耐火性を備えたケーブルが得られ、原子力発電所における火災時の安全性を高めるうえにおいて非常に有用なものとなる。
また、耐火層2は、有機材料の含有量が、1質量%以上5質量%以下であることによって、第1無機材料および第2無機材料をより効果的に成型することができる。
更に、第1無機材料は、1000℃、更に好適には1200℃以上における引張強度が室温時の1/2以上で維持される耐熱性を有することで、3時間の耐火試験後においてもケーブルとしての強度を十分に担保されたものとすることができる。
また、第2無機材料は、500℃、更に好適には1000℃における体積抵抗率が1[MΩ・m]以上であることにより、3時間の耐火試験後においても絶縁性を十分に担保されたケーブルとなり、万が一火災事故環境下に晒された際にもその性能を十分に担保されたケーブルとすることができる。
更に、第1無機材料と第2無機材料との比率が、10~40質量%:60~90質量%の範囲、更に好適には、20~30質量%:70~80質量%の範囲で、合計で100質量%となることで、ケーブルとしての機械的強度と絶縁性をより確実に担保することができる。
また、第2無機材料として、アルミナ、サファイア、ムライト、コージライト、フォルステライト、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化ホウ素、マセライト(フッ素金雲母)のうち少なくとも1種以上を含むことで、3時間の耐火試験後の機械強度の低下を飛躍的に抑制することができる。
また、第1無機材料として、快削性セラミック:SiO、MgO、Al複合体、快削性セラミック:AlN,BN複合体、ステアタイト:MgO・SiO、安定化ジルコニア、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、サイアロン、ホトベール、M-soft、石英、バイコールのうち少なくとも1種以上を含むことによっても、3時間の耐火試験後の機械強度の低下を飛躍的に抑制できる。
<その他>
なお、本発明は上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
1…導体
2…耐火層
3…絶縁体
4…押さえ巻きテープ
5…線芯
6…介在物
7…断熱層
8…シース
10…耐火ケーブル

Claims (13)

  1. 線芯を有する耐火ケーブルであって、
    前記線芯は、
    導体と、
    前記導体の外周に位置する耐火層と、
    前記耐火層の外周に位置する絶縁体と、を備え、
    前記耐火層は、有機材料、および無機材料を有し、
    前記耐火層における前記有機材料の含有量が、0.5質量%以上10質量%以下である
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  2. 請求項1に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記耐火層は、前記有機材料の含有量が、1質量%以上5質量%以下である
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  3. 請求項1に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記無機材料は、耐熱性を有する第1無機材料、および絶縁性の第2無機材料からなる
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  4. 請求項3に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記第1無機材料は、1000℃における引張強度が室温時の1/2以上で維持される耐熱性を有する
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  5. 請求項4に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記第1無機材料は、1200℃以上で引張強度が室温時の1/2以上で維持される耐熱性を有する
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  6. 請求項3に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記第2無機材料は、500℃における体積抵抗率が1[MΩ・m]以上である
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  7. 請求項6に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記第2無機材料は、1000℃における体積抵抗率が1[MΩ・m]以上である
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  8. 請求項3に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記第1無機材料と前記第2無機材料との比率が、10~40質量%:60~90質量%の範囲で、合計で100質量%となる
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  9. 請求項8に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記第1無機材料と前記第2無機材料との比率が、20~30質量%:70~80質量%の範囲で、合計で100質量%となる
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  10. 請求項3に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記有機材料、前記第1無機材料、および前記第2無機材料の比率が、0.5~10質量%:9~40質量%:54~90質量%の範囲で、合計で100質量%となる
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  11. 請求項10に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記有機材料、前記第1無機材料、および前記第2無機材料の比率が、1.0~5.0質量%:19.0~29.7質量%:66.5~79.2質量%の範囲で、合計で100質量%となる
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  12. 請求項3に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記第2無機材料として、アルミナ、サファイア、ムライト、コージライト、フォルステライト、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化ホウ素、マセライト(フッ素金雲母)のうち少なくとも1種以上を含む
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
  13. 請求項3に記載の耐火ケーブルにおいて、
    前記第1無機材料として、快削性セラミック:SiO、MgO、Al複合体、快削性セラミック:AlN,BN複合体、ステアタイト:MgO・SiO、安定化ジルコニア、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、サイアロン、ホトベール、M-soft、石英、バイコールのうち少なくとも1種以上を含む
    ことを特徴とする耐火ケーブル。
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