JP2022012904A - 予測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱耐久試験後の貫通孔の位置を考慮して、粘着剤層付き偏光板の適切な位置に貫通孔が設けられた孔あき偏光板を得るための予測方法を提供する。【解決手段】粘着剤層付き偏光板に貫通孔を設けた孔あき偏光板を得るための予測方法は、パラメータ[P1]~[P3]の相関関係を定めた関係(A)に基づいて、パラメータ[P1]~[P3]からなる群より選択される2つのパラメータについて特定された値から、残り1つのパラメータの値を予測する工程を含む。[P1]:粘着剤層を介して粘着剤層付き偏光板を基板に貼合して加熱耐久試験を行ったときの粘着剤層付き偏光板の収縮量、[P2]:粘着剤層を介して孔あき偏光板を基板に貼合して加熱耐久試験を行ったときの、孔あき偏光板の平面視における貫通孔の位置の許容可能なズレ量、[P3]:孔あき偏光板の平面視における貫通孔の位置。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤層付き偏光板に貫通孔を設けた孔あき偏光板を得るための予測方法に関し、並びに孔あき偏光板及び表示装置の製造方法にも関する。
偏光板は、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等の表示装置における偏光の供給素子として、また偏光の検出素子として広く用いられている。偏光板は従来より、二色性物質が吸着配向した延伸フィルムである偏光子の片面又は両面に、保護フィルムを接着したものが使用されている。
偏光板は、自動車のメータ表示部等にも使用されており、各種メータ針を固定するために、偏光板に貫通孔を形成することが知られている(例えば、特許文献1)。
一方、偏光板を備えた表示装置は、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話等のモバイル機器にも展開されており、表示目的の多様化、表示区分の明確化、装飾化等への要求から、透過率の異なる領域を有する偏光板が要求されている。特にスマートフォンやタブレット型端末に代表される中小型の携帯端末においては、装飾性の観点から全面にわたって境目のないデザインとするため、表示領域が設けられる表面全体に偏光板を貼り合わせることがある。この場合、カメラレンズの領域や、画面下のアイコンやロゴ印刷の領域にも偏光板が重なるため、カメラの感度が悪くなったり、意匠性に劣ったりするという問題がある。そのため、偏光板に貫通孔を形成する等の加工を行って、カメラの感度や意匠性の低下を抑制することも検討されている。
特開2017-90896号公報
偏光板を備えた表示装置では、液晶セル等の表示素子に偏光板が粘着剤層によって貼合されている。表示装置が製造時及び/又は使用時に高温条件下に曝されると、偏光板が収縮し、偏光板の平面視において貫通孔の位置が移動することがあった。偏光板は表示素子に貼合された状態で収縮するため、上記のように貫通孔の位置が移動すると貫通孔から粘着剤層の一部が認識されるようになり、表示装置の外観が低下するという問題があった。
このような表示装置の外観の低下を抑制するための一例として、表示素子や表示装置を構成する部材の貫通孔の周辺に対応する位置にブラックマトリクス(黒色の印刷物)を設け、貫通孔の位置が移動した場合に認識される粘着剤層を遮蔽することが考えられる。しかしながら、近年、表示装置の意匠性等の点から、表示装置に設けられるブラックマトリクスが幅狭に設けられる傾向にある。そのため、表示装置が高温条件下に曝された場合の貫通孔の位置の移動量(ズレ量)を考慮して、適切な位置に貫通孔を設けることが求められる。このように、孔あき偏光板を得る場合には、表示装置等での使用に適したものとなるように諸条件を考慮することが求められる。
本発明は、加熱耐久試験後の貫通孔の位置を考慮して、粘着剤層付き偏光板の適切な位置に貫通孔が設けられた孔あき偏光板を得るための予測方法、並びに孔あき偏光板及び表示装置の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、以下の予測方法、並びに孔あき偏光板及び表示装置の製造方法を提供する。
〔1〕 粘着剤層付き偏光板に貫通孔を設けた孔あき偏光板を得るための予測方法であって、
前記粘着剤層付き偏光板は、二色性物質が吸着配向した延伸フィルムである偏光子の片面又は両面に保護層を有する偏光板と、前記偏光板に設けられた粘着剤層と、を有し、
前記粘着剤層付き偏光板の平面視形状は、方形、又は、方形が有する少なくとも1つの角が面取りされた角丸方形であり、
前記粘着剤層付き偏光板の吸収軸は、前記方形又は前記角丸方形が有する1辺に平行であり、
前記予測方法は、下記パラメータ[P1]~[P3]の相関関係を定めた関係(A)に基づいて、下記パラメータ[P1]、[P2]、及び[P3]からなる群より選択される2つのパラメータについて特定された値から、残り1つのパラメータの値を予測する工程を含む、予測方法。
[P1]:前記粘着剤層を介して前記粘着剤層付き偏光板を基板に貼合して加熱耐久試験を行ったときの前記粘着剤層付き偏光板の収縮量、
[P2]:前記粘着剤層を介して前記孔あき偏光板を基板に貼合して加熱耐久試験を行ったときの、前記孔あき偏光板の平面視における前記貫通孔の位置の許容可能なズレ量、
[P3]:前記孔あき偏光板の平面視における前記貫通孔の位置。
〔2〕 前記パラメータ[P1]及び[P2]を比例関係で関係付けたときの比例定数をαとするとき、
前記関係(A)は、前記比例定数αと前記パラメータ[P3]との相関関係で表される、〔1〕に記載の予測方法。
〔3〕 前記孔あき偏光板の平面視において、前記パラメータ[P3]における前記貫通孔の位置を、
前記吸収軸に平行な1対の辺と前記貫通孔との前記吸収軸に直交する直交方向における距離のうちの最短距離d1、及び、
前記直交方向に平行な1対の辺と前記貫通孔との前記吸収軸方向における距離のうちの最短距離d2とするとき、
前記関係(A)は、前記比例定数αと前記最短距離d1及びd2との相関関係で表される、〔2〕に記載の予測方法。
〔4〕 前記最短距離d1は、0.5mm以上3.5mm以下であり、
前記関係(A)を、
前記最短距離d1が0.5mm≦d1<1.5mmの関係を満たす場合、下記式(i)とし、
前記最短距離d1が1.5mm≦d1<2.5mmの関係を満たす場合、下記式(ii)とし、
前記最短距離d1が2.5mm≦d1≦3.5mmの関係を満たす場合、下記式(iii)として設定する、〔3〕に記載の予測方法。
α=-0.0195×d2+0.4476 (i)
α=-0.0163×d2+0.4290 (ii)
α=-0.0123×d2+0.4029 (iii)
〔5〕 さらに、前記関係(A)を設定する工程を含み、
前記関係(A)を設定する工程は、
前記パラメータ[P1]及び[P2]を、比例定数αを用いて関係付ける工程と、
前記比例定数αと前記パラメータ[P3]とを関係付ける工程と、を含む、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の予測方法。
〔6〕 前記孔あき偏光板の平面視において、前記パラメータ[P3]における前記貫通孔の位置を、
前記吸収軸に平行な1対の辺と前記貫通孔との前記吸収軸に直交する直交方向における距離のうちの最短距離d1、及び、
前記直交方向に平行な1対の辺と前記貫通孔との前記吸収軸方向における距離のうちの最短距離d2とするとき、
前記比例定数αと前記パラメータ[P3]とを関係付ける工程は、前記比例定数αと前記最短距離d1及びd2とを関係付ける、〔5〕に記載の予測方法。
〔7〕 前記予測する工程は、前記パラメータ[P1]及び[P2]について特定された値から、上記関係(A)に基づいて前記パラメータ[P3]の値を予測する工程である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の予測方法。
〔8〕 前記予測する工程は、前記パラメータ[P1]及び[P3]について特定された値から、上記関係(A)に基づいて前記パラメータ[P2]の値を予測する工程である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の予測方法。
〔9〕 前記予測する工程は、前記パラメータ[P2]及び[P3]について特定された値から、上記関係(A)に基づいて前記パラメータ[P1]の値を予測する工程である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の予測方法。
〔10〕 〔7〕に記載の予測方法に基づいて、前記パラメータ[P3]の値を予測する工程と、
前記予測する工程で予測した前記パラメータ[P3]の値に基づいて、前記粘着剤層付き偏光板に前記貫通孔を形成する工程を含む、孔あき偏光板の製造方法。
〔11〕 〔9〕に記載の予測方法に基づいて、前記パラメータ[P1]の値を予測する工程と、
前記予測する工程で予測した前記パラメータ[P1]の値を有する粘着剤層付き偏光板を準備する工程と、
前記準備する工程で準備した前記粘着剤層付き偏光板に前記貫通孔を形成する工程と、を含む、孔あき偏光板の製造方法。
〔12〕 前面板、第1の孔あき偏光板、及び表示素子を備える表示装置の製造方法であって、
前記第1の孔あき偏光板は、〔10〕又は〔11〕に記載の製造方法によって製造された孔あき偏光板である、表示装置の製造方法。
〔13〕 前記前面板及び前記表示素子のうちの少なくとも一方は、前記第1の孔あき偏光板の前記貫通孔の輪郭に対応する位置近傍に遮蔽部を有し、
前記予測する工程において、前記パラメータ[P2]について特定された値を、前記遮蔽部の幅に基づいて決定する、〔12〕に記載の表示装置の製造方法。
〔14〕 前面板、第1の孔あき偏光板、及び表示素子を備える表示装置の製造方法であって、
前記第1の孔あき偏光板は、〔8〕に記載の予測方法によって得られた孔あき偏光板であり、
前記前面板及び前記表示素子のうちの少なくとも一方は、前記第1の孔あき偏光板が有する前記貫通孔の輪郭に対応する位置近傍に遮蔽部を有し、
〔8〕に記載の予測方法に基づいて前記パラメータ[P2]の値を予測する工程と、
前記予測する工程で予測した前記パラメータ[P2]の値に基づいて、前記遮蔽部を形成する工程と、を含む、表示装置の製造方法。
〔15〕 前記表示装置は、前記前面板、前記第1の孔あき偏光板、及び前記表示素子をこの順に有する、〔12〕~〔14〕のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
〔16〕 さらに、第2の孔あき偏光板を有し、
前記表示装置は、前記前面板、前記第2の孔あき偏光板、前記表示素子、及び前記第1の孔あき偏光板をこの順に有する、〔12〕~〔14〕のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
本発明によれば、加熱耐久試験後の貫通孔の位置を考慮して、粘着剤層付き偏光板の適切な位置に貫通孔が設けられた孔あき偏光板を得ることができる予測方法、並びに孔あき偏光板及び表示装置の製造方法を提供することができる。
粘着剤層付き偏光板の一例を模式的に示す概略平面図である。 図1におけるx-x’の概略断面図である。 孔あき偏光板の一例を模式的に示す概略平面図である。 図3におけるy-y’の概略断面図である。 平面視における粘着剤層付き偏光板の収縮量を説明するための説明図である。 平面視における孔あき偏光板の貫通孔の位置及びそのズレ量を説明するための説明図である。 粘着剤層付き偏光板の収縮量に対して貫通孔の位置のズレ量をプロットしたグラフである。 貫通孔の位置に対して比例定数αをプロットした三次元グラフである。 表示装置の一例を模式的に示す概略断面図である。 表示装置の他の一例を模式的に示す概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の予測方法及び孔あき偏光板の製造方法の好ましい実施形態について説明する。以下のすべての図面は、本発明の理解を助けるために示すものであり、図面に示される各構成要素のサイズや形状は、実際の構成要素のサイズや形状とは必ずしも一致しない。
<予測方法>
本実施形態の予測方法は、粘着剤層付き偏光板に貫通孔を設けた孔あき偏光板を得るための予測方法である。以下、粘着剤層付き偏光板及び孔あき偏光板の構造について説明した後、孔あき偏光板を得るための予測方法について説明する。
(粘着剤層付き偏光板)
図1は、粘着剤層付き偏光板の一例を模式的に示す概略平面図である。図2は、図1におけるx-x’の概略断面図である。図2に示すように、粘着剤層付き偏光板1は、偏光子の片面又は両面に保護層を有する偏光板10と、偏光板10に設けられた粘着剤層20とを有する。偏光子は、二色性物質が吸着配向した延伸フィルムである。粘着剤層20は、偏光板10の一方の表面に設けられる。偏光板10が偏光子の片面にのみ保護層を有する場合、偏光板10の偏光子側に粘着剤層20が設けられることが好ましい。
粘着剤層付き偏光板1は、粘着剤層20の偏光板10とは反対側に剥離フィルムを有していてもよい。剥離フィルムは、粘着剤層20の表面を被覆保護する。剥離フィルムは、後述するように、粘着剤層付き偏光板1の粘着剤層20を介して基板に貼合するとき、又は、粘着剤層付き偏光板1から孔あき偏光板2(図3及び図4)を形成した後、粘着剤層20を介して孔あき偏光板2を基板に貼合するとき等に剥離することができる。
粘着剤層付き偏光板1の平面視形状は、方形、又は、方形が有する少なくとも1つの角が面取りされた角丸方形である。本明細書において方形とは、4つの角がいずれも直角である四角形をいい、具体的には長方形又は正方形をいう。図1に示す粘着剤層付き偏光板1の平面視形状は、長方形が有する4つの角の全てが面取りされた角丸長方形である。粘着剤層付き偏光板1の平面視形状が角丸方形である場合、角丸部分の曲率半径は、通常0.1mm以上であり、1mm以上であってもよく、3mm以上であってもよく、5mm以上であってもよい。
粘着剤層付き偏光板1の吸収軸(偏光子の延伸軸)は、方形又は角丸方形が有する1辺に平行である。角丸方形が有する1辺に平行とは、角丸方形が有する辺のうち、角丸部分を形成する曲線以外の直線部分に平行であることをいう。図1に示す粘着剤層付き偏光板1は、図中の横方向に吸収軸を有する。
粘着剤層付き偏光板1の大きさは、平面視形状において、一辺の長さが50mm以上であることが好ましく、60mm以上であってもよく、70mm以上であってもよく、また、300mm以下であってもよく、250mm以下であってもよく、200mm以下であってもよく、160mm以下であってもよい。粘着剤層付き偏光板1の平面視形状が長方形又は角丸長方形である場合、上記1辺の長さの範囲内で、長辺の長さは例えば100mm以上であってもよく、また300mm以下であってもよく、170mm以下であってもよく、短辺の長さは、50mm以上であってもよく、また150mm以下であってもよく、100mm以下であってもよい。粘着剤層付き偏光板1の平面視形状が角丸方形である場合、角丸方形が有する4辺のうち、隣り合う2つの辺の境界は、角丸部分の輪郭長さを二等分する位置とする。
粘着剤層付き偏光板1の厚みは、特に限定されないが、80μm以下であることが好ましく、75μm以下であってもよく、70μm以下であってもよく、60μm以下であってもよく、通常30μm以上である。
(孔あき偏光板)
図3は、孔あき偏光板の一例を模式的に示す概略平面図である。図4は、図3におけるy-y’の概略断面図である。図3及び図4に示すように、孔あき偏光板2は、図1及び図2に示す粘着剤層付き偏光板1の積層方向に貫通する貫通孔11を設けたものである。したがって、孔あき偏光板2も偏光板10及び粘着剤層20が積層された構造を有し、粘着剤層付き偏光板1で説明した厚さの範囲内の厚さを有することが好ましい。孔あき偏光板2の平面視形状は方形又は角丸方形であり、その大きさも、粘着剤層付き偏光板1で説明した大きさの範囲にあることが好ましい。孔あき偏光板2の吸収軸(偏光子の延伸軸)も、粘着剤層付き偏光板1と同様に、方形又は角丸方形が有する1辺に平行である。
貫通孔11の平面視形状は特に限定されない。貫通孔の平面視形状は、例えば、円形;楕円形;小判形;三角形や四角形等の多角形;多角形の少なくとも1つの角が角丸(Rを有する形状)とされた角丸多角形等とすることができる。
貫通孔11の平面視における径は、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であってもよく、1.5mm以上であってもよく、2mm以上であってもよい。貫通孔11の平面視における径は、15mm以下であることが好ましく、10mm以下であってもよく、7mm以下であってもよく、5mm以下であってもよい。貫通孔11の平面視における径は、貫通孔11の平面視における外周の二点を結ぶ直線のうち最も長さが長い直線における長さをいう。
孔あき偏光板2は、貫通孔11を1つ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。貫通孔11を2つ以上有する場合、貫通孔11の形状や径は、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
孔あき偏光板2における貫通孔11の位置は、特に限定されないが、平面視において、孔あき偏光板2の吸収軸に平行な1対の辺のうちの一方から吸収軸に直交する方向(以下、「直交方向」ということがある。)への距離のうちの最短距離d1(図6)、及び、直交方向に平行な1対の辺のうちの一方から吸収軸に平行な方向への距離のうちの最短距離d2(図6)が、それぞれ独立して、例えば0.1mm以上、0.3mm以上、又は0.5mm以上の範囲であって、30mm以下、20mm以下、又は10mm以下の範囲に設けられることが好ましい。最短距離d1は、図6に示すように平面視において、吸収軸に平行な辺又はその延長線の上の1点と貫通孔11の輪郭の上の1点との直交方向の距離のうちの最短距離である。最短距離d2は、直交方向に平行な辺又はその延長線の上の1点と貫通孔11の輪郭の上の1点との吸収軸に平行な方向の距離のうちの最短距離である。孔あき偏光板2の平面視形状が角丸四角形である場合、吸収軸に平行な辺及び直交方向に平行な辺は、角丸部分を形成する曲線以外の直線部分をいう。
(孔あき偏光板を得るための予測方法)
本実施形態の予測方法は、下記パラメータ[P1]~[P3]の相関関係を定めた関係(A)に基づいて、下記パラメータ[P1]、[P2]、及び[P3]からなる群より選択される2つのパラメータについて特定された値から、残り1つのパラメータの値を予測する工程を含む。
[P1]:粘着剤層20を介して粘着剤層付き偏光板1を基板に貼合して加熱耐久試験を行ったときの粘着剤層付き偏光板1の収縮量、
[P2]:粘着剤層20を介して孔あき偏光板2を基板に貼合して加熱耐久試験を行ったときの、孔あき偏光板2の平面視における貫通孔11の位置の許容可能なズレ量、
[P3]:孔あき偏光板2の平面視における貫通孔11の位置。
上記の予測方法において、パラメータ[P1]及び[P2]における加熱耐久試験は、同じ試験条件で行った加熱耐久試験とする。
図5は、平面視における粘着剤層付き偏光板1の収縮量を説明するための説明図であり、実線が加熱耐久試験前の粘着剤層付き偏光板1の平面視形状を示し、二点鎖線が加熱耐久試験後の粘着剤層付き偏光板(図5では、便宜上「1’」の符合を付与する。)の平面視形状を示している。パラメータ[P1]で規定される粘着剤層付き偏光板1の収縮量は、例えば、下記式(s1)に基づいて算出することができる。
収縮量=[(a1+a2)+(b1+b2)0.5 (s1)
[式(s1)中、
a1及びa2はそれぞれ、吸収軸に平行な1対の辺の直線部分の、加熱耐久試験の前後の距離であり、
b1及びb2はそれぞれ、直交方向に平行な1対の辺の直線部分の、加熱耐久試験の前後の距離である。]
距離a1、a2、b1、及びb2は、各辺の直線部分の中点の位置について、加熱耐久試験の前後で変化した距離とすることができる。
加熱耐久試験は、粘着剤層付き偏光板1又は孔あき偏光板2を、その粘着剤層20によって基板に貼合した後、所定の温度で所定の時間(加熱時間)保持することによって行う。基板の種類は特に限定されないが、例えば、無アルカリガラス等のガラス基板を用いることができる。加熱耐久試験の試験条件は、例えば温度が80℃以上105℃以下であり、当該温度での加熱時間が90時間以上520時間以下である。加熱耐久試験の温度は、85℃以上であってもよく、90℃以上であってもよく、また、100℃以下であってもよい。加熱耐久試験の加熱時間は、100時間以上であってもよく、150時間以上であってもよく、また、500時間以下であってもよく、400時間以下であってもよい。
図6は、平面視における孔あき偏光板2の貫通孔11の位置のズレ量及び貫通孔11の位置を説明するための説明図であり、実線が加熱耐久試験前の孔あき偏光板2の平面視形状を示し、二点鎖線が加熱耐久試験後の孔あき偏光板及び貫通孔(図6では、それぞれに便宜上「2’」及び「11’」の符合を付与する。)の平面視形状を示している。貫通孔11の形状は通常、加熱耐久試験の前後において変化しないと考えられる。そのため、パラメータ[P2]で規定される貫通孔11の位置のズレ量は、例えば、加熱耐久試験前の孔あき偏光板2の貫通孔11の中心と、加熱耐久試験後の孔あき偏光板2’の貫通孔11’の中心との距離L’とすることができる(図6)。貫通孔11,11’の中心は、貫通孔が円形である場合は円の中心とし、貫通孔が楕円形又は小判形である場合は長軸の中点とし、貫通孔が多角形である場合は多角形の重心とする。貫通孔が角丸多角形である場合には、角丸多角形の角丸部分を面取りする前の多角形の重心とする。
あるいは、パラメータ[P2]で規定される貫通孔11の位置のズレ量は、孔あき偏光板2の粘着剤層20の糊ズレ量Lとしてもよい。粘着剤層20の糊ズレとは、次の現象である。加熱耐久試験前の孔あき偏光板2では、平面視において貫通孔11から粘着剤層20は観察されない。一方、孔あき偏光板2の上記加熱耐久試験を行うと、基板に貼合された状態で孔あき偏光板2の偏光板10が収縮するため、平面視において貫通孔11から粘着剤層20の一部が観察される。これが粘着剤層20の糊ズレである。粘着剤層20の糊ズレ量Lは例えば、加熱耐久試験後の孔あき偏光板2の貫通孔11の平面視において観察される粘着剤層20の幅(平面視における幅)に基づいて設定することができる。貫通孔11から観察される粘着剤層20の幅は、平面視における貫通孔11の輪郭(貫通孔11から観察される粘着剤層20の輪郭)上の1点を通る接線に直交する方向において、当該1点と平面視における粘着剤層20の輪郭との距離として設定することができる。したがって、粘着剤層20の糊ズレ量Lは例えば、貫通孔11の輪郭上に沿って粘着剤層20の幅を上記と同様に測定して得られた値のうちの最大値として設定することができる。
パラメータ[P2]で規定される貫通孔11の位置の許容可能なズレ量は、孔あき偏光板2の加熱耐久試験において許容できるズレ量の範囲内で設定され、通常、許容可能なズレ量の最大値である。これにより、後述するように、例えば孔あき偏光板2を表示装置に適用し、当該表示装置が高温条件下に曝された場合においても、貫通孔11の位置のズレ量が許容範囲内である孔あき偏光板2を提供しやすくなる。
パラメータ[P3]で規定される貫通孔11の位置は、例えば図6に示すように、孔あき偏光板2の吸収軸に平行な1対の辺と貫通孔11との直交方向における距離のうちの最短距離d1、及び、直交方向に平行な1対の辺と貫通孔11との吸収軸方向における距離のうちの最短距離d2によって特定することができる。最短距離d1及びd2の説明は、上記したとおりである。孔あき偏光板2における貫通孔11の位置は、加熱耐久試験を行う前の貫通孔11の位置である。
(関係(A))
関係(A)は、パラメータ[P1]~[P3]の相関関係を定めることができれば、その設定方法は特に限定されない。関係(A)は、例えば、パラメータ[P1]及び[P2]を比例関係で関係付けたときの比例定数αと、パラメータ[P3]との相関関係で表してもよい。
以下、関係(A)の設定方法について具体例を挙げて説明する。関係(A)において、粘着剤層付き偏光板1又は孔あき偏光板2が有する粘着剤層20の基板に対する密着力は、面内において均一であると考えるものとする。
本発明者は、平面視の形状が方形又は角丸方形である粘着剤層付き偏光板1では、パラメータ[P1]と[P2]とが比例定数をαとする比例関係にあること、また、比例定数αと、パラメータ[P3]で設定した最短距離d1及びd2との間に相関関係があることを見出した。なお、本発明者は、これらの関係が、粘着剤層付き偏光板1の平面視の大きさ(サイズ)及び層構成に影響されないことを確認している。これらの関係に基づいて、関係(A)を設定する方法について説明する。
本発明者が市場で入手した異なる種類の粘着剤層付き偏光板及びこれに貫通孔を形成した孔あき偏光板について、加熱耐久試験を行った場合に、パラメータ[P1]と[P2]とが略比例関係にあることが見出された。異なる種類の粘着剤層付き偏光板とは、平面視の形状が方形又は角丸方形であって、粘着剤層付き偏光板に含まれる粘着剤層20の貯蔵弾性率及び厚み、保護層の引張弾性率及び厚み、偏光子の厚み、偏光子の延伸倍率等が異なるために収縮率が異なっているものをいう。
一例として、種類の異なる粘着剤層付き偏光板(1)~(13)について、下記に示す条件で加熱耐久試験を行った場合のパラメータ[P1]と[P2]との関係を表1及び図7に示す。図7は、表1に示す値をプロットしたグラフである。表1及び図7において、パラメータ[P1]で規定される収縮量は、上記式(s1)によって算出した値であり、パラメータ[P2]で規定される貫通孔11の位置のズレ量は、上記した加熱耐久試験後の孔あき偏光板2の貫通孔11において観察される粘着剤層20の幅の糊ズレ量(粘着剤層20の幅の最大値)Lである。
(加熱耐久試験の条件)
・加熱耐久試験前の粘着剤層付き偏光板及び孔あき偏光板;
平面視形状が長方形(長辺長さ:148.36mm、短辺長さ:70.05mm)
・加熱耐久試験前の孔あき偏光板の貫通孔;
平面視形状が円形(直径:3mm)
平面視における位置はd1が4.03mm、d2が2.54mm。
・加熱耐久試験の試験条件;
温度が85℃、加熱時間が500時間。
Figure 2022012904000001
図7に示すグラフから、粘着剤層付き偏光板はその種類に応じて収縮量が異なり、上記式(s1)で表される収縮量と貫通孔11の位置のズレ量(糊ズレ量L)とは比例関係にあることが予想できる。そこで、図7のプロットについて最小二乗法等の回帰分析により直線近似式(図7中の破線で示す直線)を求め、上記式(s1)で表される収縮量と貫通孔の位置のズレ量との関係を下式(s2)によって定めて、比例定数αを決定した。比例定数αは0.3285であった(決定係数R=0.933)。
ズレ量(糊ズレ量L)=α×収縮量 (s2)
次に、上記で決定した比例定数αとパラメータ[P3]との関係を調べた。具体的には、上記した粘着剤層付き偏光板のうちの1種類について、パラメータ[P3]を変化させて加熱耐久試験による貫通孔11の位置のズレ量を調べたところ、パラメータ[P3]に応じてズレ量が変化することが見出された。一例として、加熱耐久試験の加熱時間を100時間とし、貫通孔11の位置(最短距離d1及びd2)を表2に示すようにしたこと以外は、上記した加熱耐久試験と同じ条件で行った場合の、パラメータ[P3]に対する比例定数αの値を表2及び図8に示す。図8は、表2に示す値をプロットして各プロットを直線で結んだ三次元グラフである。表2及び図8において、パラメータ[P3]で規定される位置は、上記した最短距離d1及びd2である。
Figure 2022012904000002
図8に示す三次元グラフから、貫通孔11の位置が孔あき偏光板2の角部分又は角丸部分に近いほど、加熱耐久試験による貫通孔11の位置のズレ量が大きいことが予想できる。
比例定数αとパラメータ[P3]とは、図8に示すグラフのように関係付けてもよいが、これに限定されない。比例定数αとパラメータ[P3]とを簡易的に関係付けるために、図8に示す三次元グラフから、所定の関係式、例えば下記に示す式(i)~(iii)を設定してもよい。具体的には、パラメータ[P3]で規定される貫通孔11の位置を特定するための最短距離d1が0.5mm以上3.5mm以下である場合において、
最短距離d1が0.5mm≦d1<1.5mmの関係を満たす場合、下記式(i)とし、
最短距離d1が1.5mm≦d1<2.5mmの関係を満たす場合、下記式(ii)とし、
最短距離d1が2.5mm≦d1≦3.5mmの関係を満たす場合、下記式(iii)とする関係式を設定してもよい。
α=-0.0195×d2+0.4476 (i)
α=-0.0163×d2+0.4290 (ii)
α=-0.0123×d2+0.4029 (iii)
上記式(i)~(iii)は、それぞれ最短距離d1を1mm、2mm、又は3mmとした場合の、最短距離d2と比例定数αとの関係から、最小二乗法等の回帰分析により得られた直線近似式である。
このように、パラメータ[P1]と[P2]との比例関係で関係付けたときの比例定数αを決定し、この比例定数αとパラメータ[P3]との相関関係を表す三次元グラフ(図8)又は関係式(式(i)~(iii))により、上記した関係(A)を設定することができる。本実施形態の予測方法では、例えば上記のように予め関係(A)を設定しておき、この関係(A)に基づいて予測を行うことができる。
(関係(A)を設定する工程)
本実施形態の予測方法は、上記のように予め設定された関係(A)を用いてもよいが、この関係(A)を設定する工程を含むものであってもよい。関係(A)を設定する工程は、パラメータ[P1]~[P3]の相関関係を定める工程であれば特に限定されない。関係(A)を設定する工程は、例えば、パラメータ[P1]及び[P2]を、比例定数αを用いて関係付ける工程と、比例定数αとパラメータ[P3]とを関係付ける工程と、を含んでいてもよい。上記の各工程は、例えば、上記関係(A)の設定方法で説明した手順によって行うことができる。
(予測する工程)
上記のようにパラメータ[P1]~[P3]の相関関係を定めた関係(A)により、パラメータ[P1]、[P2]、及び[P3]からなる群より選択される2つのパラメータについて特定された値から、残り1つのパラメータの値を予測することができる。予測する工程で用いる関係(A)は、パラメータ[P1]~[P3]の相関関係が示されたものであれば特に限定されず、例えば、上記した図8に示すグラフから読み取ってもよく、上記式(i)~(iii)を用いてもよい。予測する工程において、粘着剤層付き偏光板1又は孔あき偏光板2が有する粘着剤層20の基板に対する密着力は、面内において均一であると考えるものとする。
予測する工程では、例えば、
〔X〕パラメータ[P1]及び[P2]について特定された値から、上記関係(A)に基づいてパラメータ[P3]の値を予測する、
〔Y〕パラメータ[P1]及び[P3]について特定された値から、上記関係(A)に基づいてパラメータ[P2]の値を予測する、又は、
〔Z〕パラメータ[P2]及び[P3]について特定された値から、上記関係(A)に基づいてパラメータ[P1]の値を予測する。
これにより、例えば、
〔a〕高温条件下に曝された後の貫通孔の位置のズレ量が所定の範囲内となる孔あき偏光板(高温条件下に曝される前の孔あき偏光板)2の貫通孔11の位置を予測する、
〔b〕孔あき偏光板2が高温条件下に曝された場合の貫通孔11の位置のズレ量を予測する、又は、
〔c〕高温条件下に曝された場合に貫通孔11の位置のズレ量が所定の範囲内となる孔あき偏光板2を得ることができる粘着剤層付き偏光板1の収縮量を予測する、
ことができる。
予測する工程が上記〔X〕である場合、例えば上記〔a〕の予測を行うことができる。具体的には、孔あき偏光板2を製造するために用いる粘着剤層付き偏光板1の収縮量(パラメータ[P1])、及び、加熱耐久試験による孔あき偏光板2の貫通孔11の位置の許容可能なズレ量(パラメータ[P2])を特定すれば、上記関係(A)に基づいて、加熱耐久試験前の孔あき偏光板2における貫通孔11の位置(パラメータ[P3])を予測することができる。より詳細には、まずパラメータ[P1]の値と[P2]の値との比α([P2]/[P1])を算出する。次に、例えば図8に示す三次元グラフにおいてα=αとなる範囲のd1及びd2を、パラメータ[P3]として予測する。パラメータ[P3]を予測する際には、図8に示す三次元グラフを用いることに代えて、式(i)~(iii)を用いてもよい。なお、パラメータ[P1]及び[P2]は、同じ試験条件で行った加熱耐久試験における値である。
これにより、例えば上記収縮量を有する粘着剤層付き偏光板1に、この予測結果に基づいて、α≦αとなる範囲のd1及びd2の位置に貫通孔11を設けることにより、高温条件下に孔あき偏光板2が曝された場合にも、貫通穴1の位置のズレ量を上記で特定した許容可能なズレ量の範囲内とすることが期待できる。したがって、例えば孔あき偏光板2を表示装置に適用する際に、表示装置が高温条件下に曝された場合にも貫通孔11のズレ量が上記で特定した許容可能なズレ量となる孔あき偏光板2を選定しやすくなる。また、上記したように粘着剤層付き偏光板1の収縮量は、粘着剤層付き偏光板1の種類に応じて異なる。そのため、粘着剤層付き偏光板1の種類毎に、上記で特定した許容可能なズレ量の範囲内となる孔あき偏光板2の貫通孔11の位置を示すことができる。
予測する工程が上記〔Y〕である場合、例えば上記〔b〕の予測を行うことができる。具体的には、孔あき偏光板2を製造するために用いる粘着剤層付き偏光板1の収縮量(パラメータ[P1])、及び、加熱耐久試験前の孔あき偏光板2における貫通孔11の位置(パラメータ[P3])を特定することにより、上記関係(A)に基づいて、孔あき偏光板2が高温条件下に曝された場合の貫通孔11の位置の許容可能なズレ量(パラメータ[P2])を予測することができる。より詳細には、まずパラメータ[P3]の値から、図8に示す三次元グラフを用いて比例定数αを決定する。次に、決定されたαの値とパラメータ[P1]の値を用いて、上記した式(s2)の関係からパラメータ[P2]を予測する。比例定数αを決定する際には、図8に示す三次元グラフを用いることに代えて、式(i)~(iii)を用いてもよい。なお、パラメータ[P1]及び[P2]は、同じ試験条件で行った加熱耐久試験における値である。
これにより、例えば、上記孔あき偏光板2が適用された表示装置が高温条件下に曝された場合の貫通孔11の位置の許容可能なズレ量を見積もることができる。したがって、例えば、ある収縮量を有する粘着剤層付き偏光板1において、貫通孔11を設ける位置毎に、加熱耐久試験後の貫通孔11の位置のズレ量を示すことができる。また、上記予測方法で予測したズレ量を考慮して表示装置を設計することにより、貫通孔11から粘着剤層20の一部が認識される等の外観不良が抑制された表示装置が得られやすくなる。
予測する工程が上記〔Z〕である場合、例えば上記〔c〕の予測を行うことができる。具体的には、加熱耐久試験による孔あき偏光板2の貫通孔11の位置の許容可能なズレ量(パラメータ[P2])、及び、加熱耐久試験前の孔あき偏光板2における貫通孔11の位置(パラメータ[P3])を特定することにより、上記関係(A)に基づいて、粘着剤層付き偏光板1が有する収縮量(パラメータ[P1])を予測することができる。より詳細には、まずパラメータ[P3]の値から、図8に示す三次元グラフを用いて比例定数αを決定する。次に、決定されたαの値とパラメータ[P2]の値を用いて、上記した式(s2)の関係からパラメータ[P1]を予測する。比例定数αを決定する際には、図8に示す三次元グラフを用いることに代えて、式(i)~(iii)を用いてもよい。なお、パラメータ[P1]及び[P2]は、同じ試験条件で行った加熱耐久試験における値である。
上記したように粘着剤層付き偏光板1の収縮量は、粘着剤層付き偏光板1の種類に応じて異なる。そのため、上記〔c〕の予測方法によれば、上記許容可能なズレ量及び上記位置の貫通孔11を有する孔あき偏光板2を得るために好適に用いることができる粘着剤層付き偏光板1の種類を予測することができる。したがって、例えば予測結果に基づいて決定された収縮量を有する粘着剤層付き偏光板1を選定し、これに上記位置となるように貫通孔11を設けることにより、上記許容可能なズレ量の孔あき偏光板2を得ることが期待できる。また、表示装置における貫通孔11の位置が予め設定されている場合等において、表示装置が高温条件下に曝された場合にも、当該位置に貫通孔11が存在するような孔あき偏光板2を得るために用いる粘着剤層付き偏光板1を選定しやすくなる。
<孔あき偏光板の製造方法>
本実施形態の孔あき偏光板の製造方法では、上記した予測方法に基づいて予測したパラメータを考慮して粘着剤層付き偏光板に貫通孔を形成することにより、孔あき偏光板を製造する。
例えば、孔あき偏光板の製造方法は、
上記〔X〕の予測する工程により、パラメータ[P3]の値を予測する工程と、
予測する工程で予測したパラメータ〔P3〕の値に基づいて、粘着剤層付き偏光板1に貫通孔11を形成する工程と、を含むことができる。
上記〔X〕の予測する工程によれば、粘着剤層付き偏光板1の収縮量(パラメータ[P1])及び孔あき偏光板2の貫通孔11の位置の許容可能なズレ量(パラメータ[P2])について特定された値から、上記関係(A)に基づいて、孔あき偏光板2の貫通孔11の位置(パラメータ[P3])を予測することができる。この予測結果に基づいて、上記収縮量を有する粘着剤層付き偏光板1に設ける貫通孔11の位置を決定して孔あき偏光板2を製造することにより、上記許容可能なズレ量の孔あき偏光板2を得ることが期待できる。
孔あき偏光板の製造方法の他の例では、
上記〔Z〕の予測する工程により、パラメータ[P1]の値を予測する工程と、
予測する工程で予測したパラメータ[P1]の値を有する粘着剤層付き偏光板1を準備する工程と、
準備する工程で準備した粘着剤層付き偏光板1に貫通孔11を形成する工程と、を含むことができる。
上記〔Z〕の予測する工程によれば、孔あき偏光板2の貫通孔11の位置の許容可能なズレ量(パラメータ[P2])及び孔あき偏光板2の貫通孔11の位置(パラメータ[P3])について特定された値から、上記関係(A)に基づいて、粘着剤層付き偏光板1の収縮量(パラメータ[P1])を予測することができる。上記したように、粘着剤層付き偏光板1の収縮量は、粘着剤層付き偏光板1の種類に応じて異なる。したがって、この予測結果に基づいて、上記許容可能なズレ量の孔あき偏光板2を得るために好適な種類の粘着剤層付き偏光板1を選定する。この選定された粘着剤層付き偏光板1に対し、上記位置に貫通孔11を設けることにより、上記許容可能なズレ量の孔あき偏光板2を得ることが期待できる。
上記したように、貫通孔11の位置の許容可能なズレ量の値は、通常、許容可能なズレ量の最大値に設定される。これによれば、上記〔X〕及び〔Z〕の予測する工程で予測した結果を用いて製造した孔あき偏光板2が高温条件下に曝された場合にも、貫通孔11の位置のズレ量が許容範囲を超えにくくなると考えられる。したがって、孔あき偏光板2を表示装置に適用するにあたり、表示装置が高温条件下に曝された場合等においてもズレ量が許容範囲内となるように貫通孔11が形成された孔あき偏光板2を容易に製造することができる。これにより、外観不良が抑制された表示装置も設計しやすくなる。
粘着剤層付き偏光板1に貫通孔11を形成する方法は特に限定されない。例えば、粘着剤層付き偏光板1の積層方向に、トムソン刃や腐食刃(ピナクル(登録商標)刃)等の打抜き刃を押込むことによって形成してもよい。あるいは、回転軸を有する工具本体の先端に、外周面に切削刃を設けたエンドミルを用いて切削することにより、粘着剤層付き偏光板1を積層方向に貫通する貫通孔11を形成してもよい。
<表示装置の製造方法>
表示装置の製造方法の一例では、上記した孔あき偏光板の製造方法で製造された孔あき偏光板を用いて表示装置を製造することができる(以下、「第1の表示装置の製造方法」ということがある。)。表示装置の製造方法の他の例では、上記した予測方法に基づいて予測したパラメータを考慮して、表示装置を製造することができる(以下、「第2の表示装置の製造方法」ということがある。)。以下、表示装置の構造について説明した後、表示装置の製造方法について説明する。
(表示装置)
図9及び図10は、表示装置の一例を模式的に示す概略断面図である。表示装置3a,3bは、図9及び図10に示すように、視認側から、前面板15、第1の孔あき偏光板2a、及び液晶セル(表示素子)17をこの順に有する。表示装置3a,3bは、前面板15と第1の孔あき偏光板2aとの間に、両者を貼合するための貼合層21を有していてもよい。表示装置3a,3bは、さらに、液晶セル17の第1の孔あき偏光板2a側とは反対側に、第2の孔あき偏光板2bを有していてもよい。
前面板15は、表示装置3a,3bの最前面に配置される透光性部材であり、ガラス板や樹脂層で形成することができる。第1及び第2の孔あき偏光板2a,2bは、上記で説明した孔あき偏光板2を用いることができる。第1及び第2の孔あき偏光板2a,2bは粘着剤層20(図4)によって液晶セル17に貼合される。液晶セル17は、公知の液晶パネルに使用されるものであればよい。液晶セル17は、ガラス基板上に、透明電極、配向膜、液晶、配向膜、透明電極、カラーフィルタ及びガラス基板が順に設けられたものであってもよい。貼合層21は、前面板15と第1の孔あき偏光板2aとを貼合するための層であり、粘着剤層又は接着剤層とすることができる。粘着剤層及び接着剤層としては後述するものを用いることができる。液晶セル17が、後述するように積層方向に貫通する穴を有していない場合は(図9)、貼合層21の一部によって、第1の孔あき偏光板2asの貫通孔11a内が充填されていてもよい。この場合、貼合層21は粘着剤層であることが好ましい。
表示装置3a,3bでは、平面視において、第1の孔あき偏光板2aの貫通孔11の位置と、第2の孔あき偏光板2bの貫通孔11の位置とが概ね一致している。液晶セル17は、第1及び第2の孔あき偏光板2a,2bの貫通孔11a,11bの位置に対応する位置が積層方向に貫通する穴を有していてもよく(図10)、当該穴を有していなくてもよい(図9)。表示装置3a,3bにおいて、貫通孔11a,11bに対応する位置には、例えばカメラレンズ、アイコン、又はロゴ印刷等を設けることができる。
液晶セル17のバックライト側(前面板15側とは反対側)に設けられる第2の孔あき偏光板2bの貫通孔11bに、カメラレンズを配置する場合、貫通孔11bの側壁、及び、第2の孔あき偏光板2bの液晶セル17側とは反対側の表面における貫通穴11bの周辺に、遮光テープを設けてもよい。
表示装置3a,3bは、前面板15及び液晶セル17のうちの少なくとも一方は、第1の孔あき偏光板2aの貫通孔11aの輪郭に対応する位置近傍に遮蔽部19を有することができる。遮蔽部19は、前面板15及び液晶セル17のうちの一方に設けられていればよいが、両方に設けられていてもよい。前面板15に遮蔽部19が設けられる場合、遮蔽部19は前面板15の第1の孔あき偏光板2a側の表面に設けられることが好ましい。液晶セル17に遮蔽部19が設けられる場合、遮蔽部19は液晶セル17のいずれの表面に設けてもよいが、第1の孔あき偏光板2a側(前面板15側)に設けられることが好ましい。
遮蔽部19が設けられる輪郭に対応する位置近傍とは、輪郭に対応する位置に加えて輪郭に対応する位置の周辺を含む。輪郭に対応する位置近傍は、表示装置が高温条件下に曝される(加熱耐久試験の)前後において、平面視において貫通孔11aの輪郭の少なくとも一部を遮蔽できる領域であり、貫通孔11aの輪郭の全てを遮蔽できる領域であることが好ましい。遮蔽部19は、さらに第2の孔あき偏光板2bの貫通孔11bの輪郭の少なくとも一部又は全部を遮蔽できる領域に設けられていてもよい。
上記領域に設けられるように所定の幅wを有することが好ましい。遮蔽部19の幅wは、上記領域を遮蔽できれば特に限定されないが、例えば5mm以下であり、3mm以下であることが好ましく、2mm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、通常0.1mm以上であり、0.5mm以上であってもよい。遮蔽部19の幅wは、平面視において貫通孔11aの輪郭に直交する方向の長さである。遮蔽部19は、例えば、前面板15又は液晶セル17の表面に黒色等のインクを印刷等することによって形成することができる。
図9及び図10では、表示装置3a,3bが液晶表示装置である場合の構造を示しているが、これに限定されない。表示装置は、例えば有機EL表示装置であってもよい。有機EL表示装置は、液晶セル17に代えて有機EL素子を有することができる。表示装置3a,3bが有機EL表示装置である場合には、第1の孔あき偏光板2aのみを備え、第2の孔あき偏光板2bを備えていなくてもよい。
(第1の表示装置の製造方法)
第1の表示装置の製造方法は、前面板15、第1の孔あき偏光板2a、及び液晶セル(表示素子)17を備える表示装置の製造方法であって、第1の孔あき偏光板2aは、上記した孔あき偏光板の製造方法によって製造された孔あき偏光板2である。第1の孔あき偏光板2aは、前面板15と液晶セル17との間に設けられてもよく(図9及び図10)、液晶セル17の前面板15側とは反対側に設けられてもよい。前面板15及び液晶セル17のうちの少なくとも一方は、第1の孔あき偏光板2aの貫通孔11aの輪郭に対応する位置近傍に遮蔽部19を有していてもよい。この場合、上記した孔あき偏光板の製造方法の予測する工程において用いる上記パラメータ[P2]について特定された値は、第1の表示装置の遮蔽部19の幅wに基づいて決定してもよい。
第1の表示装置の製造方法によれば、第1の表示装置が高温条件下に曝された場合の第1の孔あき偏光板2aの貫通孔11aの位置の許容可能なズレ量を考慮して、第1の表示装置を製造することができる。これにより、高温条件下において貫通孔11aの位置がずれた場合にも、貫通孔11aから粘着剤層20の一部が認識されることを抑制することが期待できるため、第1の表示装置の外観の低下を抑制することができる。特に、第1の表示装置が遮蔽部19を有し、この遮蔽部19の幅wを考慮して、粘着剤層付き偏光板1に貫通孔11aを形成している場合には、貫通孔11aの位置のずれに伴って認識される可能性のある粘着剤層20を遮蔽部19によって遮蔽することが期待できる。これにより、優れた外観を有する表示装置を提供することができる。
第1の表示装置は、第2の孔あき偏光板2bを備えていてもよい。第2の孔あき偏光板2bは、液晶セル17の第1の孔あき偏光板2a側とは反対側に設けることができる。第2の孔あき偏光板2bは、上記した孔あき偏光板の製造方法によって製造された孔あき偏光板であってもよい。この場合、遮蔽部19は、第1の孔あき偏光板2aの貫通孔11aの輪郭に対応する位置近傍であって、かつ、第2の孔あき偏光板2bの貫通孔11bの輪郭に対応する位置近傍に設けられていてもよい。
(第2の表示装置の製造方法)
第2の表示装置の製造方法は、前面板15、第1の孔あき偏光板2a、及び液晶セル(表示素子)17を備える表示装置の製造方法であって、第1の孔あき偏光板2aは、上記〔Y〕に記載の予測方法によって得られた孔あき偏光板である。第1の孔あき偏光板2aは、前面板15と液晶セル17との間に設けられてもよく(図9及び図10)、液晶セル17の前面板15側とは反対側に設けられてもよい。前面板15及び液晶セル17のうちの少なくとも一方は、第1の孔あき偏光板2aの貫通孔11aの輪郭に対応する位置近傍に遮蔽部19を有する。第2の表示装置の製造方法は、上記〔Y〕の予測する工程を行う予測方法に基づいてパラメータ[P2]の値を予測する工程と、予測する工程で予測したパラメータ[P2]の値に基づいて、遮蔽部19を形成する工程とを含む。
第2の表示装置の製造方法によれば、第2の表示装置が高温条件下に曝された場合の第1の孔あき偏光板2aの貫通孔11aの位置の許容可能なズレ量に基づいて、遮蔽部19を形成している。そのため、第2の表示装置が高温条件下に曝されて第1の孔あき偏光板2aの貫通孔11aの位置がずれた場合にも、この位置のずれに伴って認識される可能性のある粘着剤層20を遮蔽部19によって遮蔽することが期待できる。これにより、優れた外観を有する表示装置を提供することができる。
第2の表示装置は、第2の孔あき偏光板2bを備えていてもよい。第2の孔あき偏光板2bは、液晶セル17の第1の孔あき偏光板2a側とは反対側に設けることができる。第2の孔あき偏光板2bは、上記した孔あき偏光板の製造方法によって製造された孔あき偏光板であってもよい。この場合、遮蔽部19は、第2の表示装置が高温条件下に曝された場合の第1の孔あき偏光板2aの貫通孔11aの位置の許容可能なズレ量に加えて、第2の孔あき偏光板2bの貫通孔11bの位置の許容可能なズレ量も考慮して形成してもよい。
以下、本実施形態の予測方法、並びに孔あき偏光板及び表示装置の製造方法で用いた各部材の詳細について説明する。
(偏光子)
偏光子は、無偏光の光を入射させたとき、吸収軸に直交する振動面をもつ直線偏光を透過させる性質を有する。偏光子は、二色性物質が吸着配向した延伸フィルムである。
二色性色素は、例えばヨウ素又は二色性染料であり、ヨウ素であることが好ましい。二色性染料としては、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラック等が挙げられる。
延伸フィルムは、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略すこともある。)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムを、一軸延伸又は二軸延伸したものであることが好ましい。延伸フィルムは、PVA系フィルムであることが好ましい。
PVA系フィルムを構成するPVA系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより製造できる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体との共重合体であることもできる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
PVA系樹脂のケン化度は、通常85~100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。PVA系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も使用可能である。PVA系樹脂の平均重合度は、通常1,000~10,000程度であり、好ましくは1,500~5,000程度である。PVA系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が1000未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超ではフィルム加工性に劣ることがある。
偏光子の製造方法としては、親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理、及び、延伸処理を施す方法が挙げられる。
親水性高分子フィルムがPVA系樹脂フィルムである場合の上記以外の偏光子の製造方法としては、まず基材フィルムを用意し、基材フィルム上にPVA系樹脂等の樹脂の溶液を塗布し、溶媒を除去する乾燥等を行って基材フィルム上に樹脂層を形成する工程を含む方法を挙げることができる。なお、基材フィルムの樹脂層が形成される面には、予めプライマー層を形成することができる。基材フィルムとしては、PET等の樹脂フィルムや、後述する保護層に用いることができる熱可塑性樹脂を用いたフィルムを使用できる。プライマー層の材料としては、偏光子に用いられる親水性樹脂を架橋した樹脂等を挙げることができる。
次いで、必要に応じて樹脂層の水分等の溶媒量を調整し、その後、基材フィルム及び樹脂層を一軸延伸し、続いて、樹脂層をヨウ素等の二色性色素で染色して二色性色素を樹脂層に吸着配向させる。次に、必要に応じて二色性色素が吸着配向した樹脂層をホウ酸水溶液で処理し、ホウ酸水溶液を洗い落とす洗浄工程を行う。これにより、二色性色素が吸着配向された樹脂層、すなわち、偏光子のフィルムが製造される。各工程には公知の方法を採用できる。
基材フィルム及び樹脂層の一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色中に行ってもよいし、染色後のホウ酸処理中に行ってもよく、これら複数の段階においてそれぞれ一軸延伸を行ってもよい。基材フィルム及び樹脂層は、MD方向(フィルム搬送方向)に一軸延伸してもよく、この場合、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、基材フィルム及び樹脂層は、TD方向(フィルム搬送方向に垂直な方向)に一軸延伸してもよく、この場合、いわゆるテンター法を使用することができる。また、基材フィルム及び樹脂層の延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤にて樹脂層を膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。偏光子の性能を発現するためには延伸倍率は4倍以上であり、5倍以上であることが好ましく、特に5.5倍以上が好ましい。延伸倍率の上限は特にないが、破断等を抑制する観点から8倍以下が好ましい。
上記方法で作製した偏光子は、後述する保護層を積層した後に基材フィルムを剥離することで得ることができる。この方法によれば、偏光子の更なる薄膜化が可能となる。
PVA系樹脂フィルムを含む偏光子の厚みは、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、また、30μm以下であることが好ましく、15μm以下であってもよく、10μm以下であってもよい。
(偏光板)
偏光子はその片面又は両面に保護層を積層して偏光板とすることができる。この偏光板はいわゆる直線偏光板である。偏光子の片面又は両面に積層することができる保護層としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から形成されたフィルムが用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;シクロ系及びノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂ともいう);(メタ)アクリル樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、並びにこれらの混合物を挙げることができる。偏光子の両面に保護層が積層されている場合、二つの保護層の樹脂組成は同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルのいずれでもよいことを意味する。(メタ)アクリレート等の「(メタ)」も同様の意味である。
保護層は、位相差特性を有するものであってもよく、ハードコート層や反射防止層等の機能層を有するものであってもよい。保護層の厚みは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。また、保護層の厚みは、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。なお、上述した上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
偏光子と保護層とは粘着剤層又は接着剤層を介して貼合することができる。粘着剤層を形成する粘着剤としては、後述するものを用いることができる。接着剤層を形成するための接着剤組成物としては、感圧型接着剤(粘着剤)以外の接着剤であって、例えば、水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤が挙げられる。
水系接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を水に溶解、又は分散させた接着剤が挙げられる。水系接着剤を用いた場合の乾燥方法については特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥機や赤外線乾燥機を用いて乾燥する方法が採用できる。
活性エネルギー線硬化性接着剤としては、例えば、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含む無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤が挙げられる。無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤を用いることにより、層間の密着性を向上させることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤としては、良好な接着性を示すことから、カチオン重合性の硬化性化合物、ラジカル重合性の硬化性化合物のいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。活性エネルギー線硬化性接着剤は、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤、又はラジカル重合開始剤をさらに含むことができる。カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えばエポキシ系化合物(分子内に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物)や、オキセタン系化合物(分子内に1個又は2個以上のオキセタン環を有する化合物)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて増感剤を含有することができる。増感剤を使用することにより、反応性が向上し、接着剤層の機械強度や接着強度をさらに向上させることができる。増感剤としては、公知のものを適宜適用することができる。増感剤を配合する場合、その配合量は、活性エネルギー線硬化性接着剤の総量100質量部に対し、0.1~20質量部の範囲とすることが好ましい。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶媒等の添加剤を含有することができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いた場合は、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線を照射し、接着剤組成物層を硬化させて接着剤層を形成することができる。活性エネルギー線としては、紫外線が好ましく、この場合の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
偏光板の厚みは、例えば30μm以上であり、50μm以上であってもよく、60μm以上であってもよく、70μm以上であってもよく、また、通常150μm以下であり、130μm以下であってもよく、120μm以下であってもよい。
(粘着剤層)
粘着剤層は、粘着剤を用いて形成された層をいう。本明細書において「粘着剤」とは、それ自体を表示素子等の被着体に張り付けることで接着性を発現するものであり、いわゆる感圧型接着剤と称されるものである。また、後述する活性エネルギー線硬化型粘着剤は、エネルギー線を照射することにより、架橋度や接着力を調整することができる。
粘着剤としては、従来公知の光学的な透明性に優れる粘着剤を特に制限なく用いることができ、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等のベースポリマーを有する粘着剤を用いることができる。また、活性エネルギー線硬化型粘着剤、熱硬化型粘着剤等であってもよい。これらの中でも、透明性、粘着力、再剥離性(以下、リワーク性ともいう。)、耐候性、耐熱性等に優れるアクリル系樹脂をベースポリマーとした粘着剤が好適である。粘着剤層は、(メタ)アクリル系樹脂、架橋剤、シラン化合物を含む粘着剤組成物の反応生成物から構成されることが好ましく、その他の成分を含んでいてもよい。
粘着剤層は、活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いて形成してもよい。活性エネルギー線硬化型粘着剤は、粘着剤組成物に、多官能性アクリレート等の紫外線硬化性化合物を配合し、粘着剤層を形成した後に紫外線を照射して硬化させることにより、より硬い粘着剤層を形成することができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤は、紫外線や電子線等のエネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有している。活性化エネルギー線硬化型粘着剤は、エネルギー線照射前においても粘着性を有しているため、画像表示素子等の被着体に密着し、エネルギー線の照射により硬化して密着力を調整することができる性質を有する粘着剤である。
活性エネルギー線硬化型粘着剤は、一般にはアクリル系粘着剤と、エネルギー線重合性化合物とを主成分として含む。通常はさらに架橋剤が配合されており、また必要に応じて、光重合開始剤や光増感剤等を配合することもできる。
粘着剤層の厚みは、例えば10μm以上であり、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、また、通常70μm以下であり、50μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。
(剥離フィルム)
剥離フィルムは、粘着剤層を被覆保護する、又は、粘着剤層を支持するものであって、粘着剤層に対して剥離可能なセパレータとしての機能を有する。剥離フィルムとしては、基材フィルムの粘着剤層側の表面にシリコーン処理等の離型処理が施されたフィルムを挙げることができる。基材フィルムをなす樹脂材料としては、上記した保護層をなす樹脂材料と同様のものを挙げることができる。樹脂フィルムは1層構造であってもよく、2層以上の多層構造の多層樹脂フィルムであってもよい。
1 粘着剤層付き偏光板、1’ 加熱耐久試験後の粘着剤層付き偏光板、2 孔あき偏光板、2’ 加熱耐久試験後の孔あき偏光板、2a 第1の孔あき偏光板(孔あき偏光板)、2b 第2の孔あき偏光板(孔あき偏光板)、3a,3b 表示装置、10 偏光板、11 貫通孔、11’ 加熱耐久試験後の貫通孔、11a,11b 貫通孔、15 前面板、17 液晶セル(表示素子)、20 粘着剤層、21 貼合層。

Claims (16)

  1. 粘着剤層付き偏光板に貫通孔を設けた孔あき偏光板を得るための予測方法であって、
    前記粘着剤層付き偏光板は、二色性物質が吸着配向した延伸フィルムである偏光子の片面又は両面に保護層を有する偏光板と、前記偏光板に設けられた粘着剤層と、を有し、
    前記粘着剤層付き偏光板の平面視形状は、方形、又は、方形が有する少なくとも1つの角が面取りされた角丸方形であり、
    前記粘着剤層付き偏光板の吸収軸は、前記方形又は前記角丸方形が有する1辺に平行であり、
    前記予測方法は、下記パラメータ[P1]~[P3]の相関関係を定めた関係(A)に基づいて、下記パラメータ[P1]、[P2]、及び[P3]からなる群より選択される2つのパラメータについて特定された値から、残り1つのパラメータの値を予測する工程を含む、予測方法。
    [P1]:前記粘着剤層を介して前記粘着剤層付き偏光板を基板に貼合して加熱耐久試験を行ったときの前記粘着剤層付き偏光板の収縮量、
    [P2]:前記粘着剤層を介して前記孔あき偏光板を基板に貼合して加熱耐久試験を行ったときの、前記孔あき偏光板の平面視における前記貫通孔の位置の許容可能なズレ量、
    [P3]:前記孔あき偏光板の平面視における前記貫通孔の位置。
  2. 前記パラメータ[P1]及び[P2]を比例関係で関係付けたときの比例定数をαとするとき、
    前記関係(A)は、前記比例定数αと前記パラメータ[P3]との相関関係で表される、請求項1に記載の予測方法。
  3. 前記孔あき偏光板の平面視において、前記パラメータ[P3]における前記貫通孔の位置を、
    前記吸収軸に平行な1対の辺と前記貫通孔との前記吸収軸に直交する直交方向における距離のうちの最短距離d1、及び、
    前記直交方向に平行な1対の辺と前記貫通孔との前記吸収軸方向における距離のうちの最短距離d2とするとき、
    前記関係(A)は、前記比例定数αと前記最短距離d1及びd2との相関関係で表される、請求項2に記載の予測方法。
  4. 前記最短距離d1は、0.5mm以上3.5mm以下であり、
    前記関係(A)を、
    前記最短距離d1が0.5mm≦d1<1.5mmの関係を満たす場合、下記式(i)とし、
    前記最短距離d1が1.5mm≦d1<2.5mmの関係を満たす場合、下記式(ii)とし、
    前記最短距離d1が2.5mm≦d1≦3.5mmの関係を満たす場合、下記式(iii)として設定する、請求項3に記載の予測方法。
    α=-0.0195×d2+0.4476 (i)
    α=-0.0163×d2+0.4290 (ii)
    α=-0.0123×d2+0.4029 (iii)
  5. さらに、前記関係(A)を設定する工程を含み、
    前記関係(A)を設定する工程は、
    前記パラメータ[P1]及び[P2]を、比例定数αを用いて関係付ける工程と、
    前記比例定数αと前記パラメータ[P3]とを関係付ける工程と、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の予測方法。
  6. 前記孔あき偏光板の平面視において、前記パラメータ[P3]における前記貫通孔の位置を、
    前記吸収軸に平行な1対の辺と前記貫通孔との前記吸収軸に直交する直交方向における距離のうちの最短距離d1、及び、
    前記直交方向に平行な1対の辺と前記貫通孔との前記吸収軸方向における距離のうちの最短距離d2とするとき、
    前記比例定数αと前記パラメータ[P3]とを関係付ける工程は、前記比例定数αと前記最短距離d1及びd2とを関係付ける、請求項5に記載の予測方法。
  7. 前記予測する工程は、前記パラメータ[P1]及び[P2]について特定された値から、前記関係(A)に基づいて前記パラメータ[P3]の値を予測する工程である、請求項1~6のいずれか1項に記載の予測方法。
  8. 前記予測する工程は、前記パラメータ[P1]及び[P3]について特定された値から、前記関係(A)に基づいて前記パラメータ[P2]の値を予測する工程である、請求項1~6のいずれか1項に記載の予測方法。
  9. 前記予測する工程は、前記パラメータ[P2]及び[P3]について特定された値から、前記関係(A)に基づいて前記パラメータ[P1]の値を予測する工程である、請求項1~6のいずれか1項に記載の予測方法。
  10. 請求項7に記載の予測方法に基づいて、前記パラメータ[P3]の値を予測する工程と、
    前記予測する工程で予測した前記パラメータ[P3]の値に基づいて、前記粘着剤層付き偏光板に前記貫通孔を形成する工程を含む、孔あき偏光板の製造方法。
  11. 請求項9に記載の予測方法に基づいて、前記パラメータ[P1]の値を予測する工程と、
    前記予測する工程で予測した前記パラメータ[P1]の値を有する粘着剤層付き偏光板を準備する工程と、
    前記準備する工程で準備した前記粘着剤層付き偏光板に前記貫通孔を形成する工程と、を含む、孔あき偏光板の製造方法。
  12. 前面板、第1の孔あき偏光板、及び表示素子を備える表示装置の製造方法であって、
    前記第1の孔あき偏光板は、請求項10又は11に記載の製造方法によって製造された孔あき偏光板である、表示装置の製造方法。
  13. 前記前面板及び前記表示素子のうちの少なくとも一方は、前記第1の孔あき偏光板の前記貫通孔の輪郭に対応する位置近傍に遮蔽部を有し、
    前記予測する工程において、前記パラメータ[P2]について特定された値を、前記遮蔽部の幅に基づいて決定する、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
  14. 前面板、第1の孔あき偏光板、及び表示素子を備える表示装置の製造方法であって、
    前記第1の孔あき偏光板は、請求項8に記載の予測方法によって得られた孔あき偏光板であり、
    前記前面板及び前記表示素子のうちの少なくとも一方は、前記第1の孔あき偏光板が有する前記貫通孔の輪郭に対応する位置近傍に遮蔽部を有し、
    請求項8に記載の予測方法に基づいて前記パラメータ[P2]の値を予測する工程と、
    前記予測する工程で予測した前記パラメータ[P2]の値に基づいて、前記遮蔽部を形成する工程と、を含む、表示装置の製造方法。
  15. 前記表示装置は、前記前面板、前記第1の孔あき偏光板、及び前記表示素子をこの順に有する、請求項12~14のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
  16. さらに、第2の孔あき偏光板を有し、
    前記表示装置は、前記前面板、前記第2の孔あき偏光板、前記表示素子、及び前記第1の孔あき偏光板をこの順に有する、請求項12~14のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
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