JP2022001441A - 塗布具用ペン芯 - Google Patents

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【課題】気孔率や塗布液(インクを含む)流出性と物理的強度(せん断強度、折損強度)を高度に両立した塗布具用ペン芯を提供する。【解決手段】塗布具用ペン芯であって、該塗布具用ペン芯は、粒状の熱可塑性樹脂と、繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結した焼結体からなることを特徴とする塗布具用ペン芯。【選択図】図1

Description

本発明は、塗布具用(筆記具も含む)ペン芯に関し、更に詳しくは、気孔率や塗布液(インクを含む)流出性と物理的強度(せん断強度、折損強度)を高度に両立した塗布具用ペン芯に関する。
従来より、筆記又は塗布具に用いられるペン芯としては、例えば、1)繊維束を加工又は樹脂加工した繊維芯や、熱可塑性樹脂粉体の焼結体(例えば、特許文献1参照)、2)2種類以上の積層構造からなるペン芯であって、先端部が熱可塑性樹脂の粉体の焼結体からなり、軸部がその内部に長手方向にインク誘導孔を形成したことを特徴とする塗布具用ペン芯(例えば、特許文献2参照)、3)繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させて得られる繊維束からなる筆記具用ペン先において、上記繊維束の少なくとも筆記面となる表面に熱可塑性樹脂粉体からなる焼結体を被覆してなることを特徴とする筆記具用ペン先(例えば、特許文献3参照)、4)塗布に適した先端形状を有する筒状体に形成し、空隙率約75〜85%、特に80%前後とした、超高分子量ポリエチレン粉体を焼結してなる、公報に解放された穴部を有する穂先本体と、該穂先本体の穴部に内蔵した中綿とからなることを特徴とする穂先体(例えば、特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1〜4の各ペン芯等において、熱可塑性樹脂粉体からなる焼結体は、形状を自由に設計でき優れた機能を有するものであるが、気孔率やインク流出性等を高めようとすると物理的強度(せん断強度、折損強度)が低下する等の課題が生じている。
特開2014−50967号公報(特許請求の範囲、段落0016) 特開2014−50977号公報(特許請求の範囲、図1) 特開2004−98518号公報(特許請求の範囲、図1、図2) 特開2014−83699号公報(特許請求の範囲、図1〜図4等)
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、気孔率や塗布液(インクを含む)流出性と物理的強度(せん断強度、折損強度)を高度に両立した塗布具用ペン芯を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等を解決するために鋭意検討した結果、塗布具用ペン芯であって、該塗布具用ペン芯は、特定の熱可塑性樹脂と、特定物性の熱可塑性樹脂とを焼結した焼結体から構成することにより、上記目的の塗布具用ペン芯が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の塗布具用ペン芯は、塗布具用ペン芯であって、該塗布具用ペン芯は、粒状の熱可塑性樹脂と、繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結した焼結体からなることを特徴とする。
熱可塑性樹脂がポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン,スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
粒状の熱可塑性樹脂(A)と繊維状の熱可塑性樹脂(B)の含有割合〔(A):(B)〕が、20〜80質量%:80〜20質量%であることが好ましい。
焼結体の気孔率が30〜70%であることが好ましい。
本発明によれば、気孔率や塗布液(インクを含む)流出性と物理的強度(せん断強度、折損強度)を高度に両立した塗布具用ペン芯が提供される。
は、本発明の塗布具用ペン芯の実施形態の一例を示す正面図である。 本発明の塗布具用ペン芯を用いた塗布具の一例を示すものであり、(a)は縦断面図、(b)は平面図、(c)は正面図である。 (a)〜(f)は、図2の塗布具において、塗布具用ペン芯を保持する保持体の一例を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は縦断面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図、(f)は中央横断面図である。 (a)〜(f)は、図3の保持体に塗布具用ペン芯を取り付けた状態の一例を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は縦断面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図、(f)は中央横断面図である。 (a)〜(n)はそれぞれ本発明の塗布具用ペン芯の他の実施形態の各例を示す正面図または部分正面図である。 (a)〜(j)は、本発明の塗布具用ペン芯の他の実施形態を示すものであり、(a)は軸方向内部に塗布液溝(インク溝)を形成した焼結芯体からなる塗布具用ペン芯の一例を示すものであり、第2図(b)〜(j)は軸方向内部に形成した塗布液溝(インク溝)の各例を示す横断面図である。 本発明の塗布具用ペン芯を用いた塗布具の他例を示す直液式塗布具の一例を断面態様で示す説明図である。 本発明の塗布具用ペン芯を用いた塗布具の他例を示すバルブ機構を備えた塗布具の一例を断面態様で示す説明図である。 本発明の塗布具用ペン芯を用いた塗布具の他例を示す中綿等の吸蔵体に塗布液を吸蔵させたタイプの塗布具の一例を断面態様で示す説明図である。 本発明の塗布具用ペン芯を用いた塗布具の他例を示すノック式の塗布具の一例を断面態様で示す説明図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本発明の塗布具用ペン芯の実施形態の一例を示す正面図である。
本発明の塗布具用ペン芯は、粒状の熱可塑性樹脂と、繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結した焼結体から構成されるものである。
本発明に用いる粒状の熱可塑性樹脂としては、平均粒子径5〜500μmのポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリスチレン(PS),スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
特に好ましくは、平均粒子径10μm以上の熱可塑性樹脂を用いることにより、焼結体とした際にインク流出性が高まり、及び平均粒子径300μm以下の熱可塑性樹脂を用いることにより、ペン先が筆記面に接触した際の筆記感触がよくすることができる。なお、本発明において、「平均粒子径」とは、電子顕微鏡にて、測定した粒子の直径の平均値を意味し、電子顕微鏡に投影された画像内の20個の粒子について測定した粒子径の平均値である。粒子が円形でない場合は、気孔を形成する輪郭の任意の2点を結ぶ線分のうち、最も長い線分の長さと最も短い線分の長さを足して2で割った値を、その粒子の粒子径とする。
本発明に用いる繊維状の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリスチレン(PS),スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種を繊維化したものが挙げられ、繊度1〜100dtexのものが好ましく、3〜30dtexものがより好ましく、平均繊維長が0.1〜2mmであるものが好ましく、平均繊維長0.2〜1mmであるものがより好ましい。
これらの繊度の範囲(1〜100dtex)、平均繊維長(0.1〜2mm)を有する繊維状の熱可塑性樹脂を用いることにより、更に、強度と流出性を両立することができる。
本発明の塗布具用ペン芯は、上記粒状の熱可塑性樹脂と繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結することにより、具体的には、上記粒状の熱可塑性樹脂と繊維状の熱可塑性樹脂とを混練または、界面活性剤等の添加物を加えて混練し、塗布具用ペン芯の形状に沿う型枠内で加圧成型したものを乾燥後焼成する方法、あるいは上記粒状の熱可塑性樹脂と繊維状の熱可塑性樹脂とを混練または、界面活性剤等の添加物を加えて混練し、塗布具用ペン芯の形状に沿う型に流し込み、固化させた後、乾燥、焼成する等適宜の方法が可能である。
焼成温度及び焼成時間は、塗布具用ペン芯の形状、大きさ、用途、熱可塑性樹脂種などにより変動するものであるが、110〜180℃の範囲で、焼成時間は、10分〜10時間焼成することが好ましい。
本発明では、用いる粒状の熱可塑性樹脂(A)と繊維状の熱可塑性樹脂(B)の物性(平均粒子径、平均繊維長、繊度)、粒状の熱可塑性樹脂(A)と繊維状の熱可塑性樹脂(B)の含有割合及びその組み合わせ、燒結温度・時間等を好適に組み合わせることにより、所定の気孔率や塗布液(インクを含む)流出性と物理的強度(せん断強度、折損強度)を充足する塗布具用ペン芯を得ることができる。
用いる粒状の熱可塑性樹脂(A)と繊維状の熱可塑性樹脂(B)の含有割合〔(A):(B)〕は、好ましくは、30〜90質量%:10〜70質量%であることが好ましく、更に好ましくは、60〜90質量%:10〜40質量%が望ましい。
上記(A)と(B)との含有割合を60〜90質量%:80〜20質量%とすることにより、更に本発明の効果を発揮せしめる塗布具用ペン芯が得られることとなる。
特に好ましくは、粒状の熱可塑性樹脂(A)と繊維状の熱可塑性樹脂(B)は、焼結性の点から、共に同じ材質の熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、例えば、粒状の熱可塑性樹脂(A)がポリエチレン製であれば、繊維状の熱可塑性樹脂(B)として、ポリエチレン製を用いることができる。
本発明の塗布具用ペン芯は、上記粒状の熱可塑性樹脂と繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結して燒結体とすることにより得られるものであり、焼結体の気孔率は用いる塗布具の用途(筆記具であれば、アンダーラインマーカー、サインペン、筆記板用ペン、塗布具であれば、化粧液塗布具、修正液塗布具、薬液塗布具、塗料液塗布具)により変動するものであり、好ましくは、気孔率30〜70%とすること、特に好ましくは、45〜65%とすることが望ましい。なお、本発明において、「気孔率」とは、多孔体のみかけの体積に対する空隙部分の体積比をいい、下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有する塗布具用ペン芯を水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、塗布具用ペン芯に浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積を塗布具用ペン芯の気孔体積と同一として、下記式(A)から気孔率が算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(塗布具用ペン芯の見掛け体積)×100…(A)
本発明の塗布具用ペン芯の形状や内部構造等は、特に限定するものでなく、種々の塗布具の用途、すなわち、筆記具であれば、アンダーラインマーカー、サインペン、筆記板用ペンなどに用いる好適な形状からなる塗布具用ペン芯を用いることができ、塗布具用であれば、化粧液塗布具、修正液塗布具、薬液塗布具、塗料液塗布具等に用いる好適な形状からなる塗布具用ペン芯を用いることができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明の塗布具用ペン芯の各形状等、これらの塗布具用ペン芯を用いた各塗布具を詳述する。
本発明の塗布具用ペン芯としては、例えば、図1に示す形状の塗布具用ペン芯が挙げられる。
この塗布具用ペン芯10の形状は、図1に示すように、全体が略コ字型形状となるものであり、インク誘導部11、11と、該インク誘導部11、11からのインクを導出する傾斜状の筆記部12とを備えたものである。
この塗布具用ペン芯10は、上述した粒状の熱可塑性樹脂と繊維状の熱可塑性樹脂とを上述の燒結法により焼結し燒結体とすることにより得られるものである。
この塗布具用ペン芯10は、粒状の熱可塑性樹脂と繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結することにより得られたものであり、粒状の熱可塑性樹脂と繊維状の熱可塑性樹脂からなる焼結体が混練された構造となる。これにより、気孔率や塗布液流出性と物理的強度(せん断強度、折損強度)が高度に両立できる(この点については更に実施例等で詳述する)。
図2(a)は、図1の塗布具用ペン芯10を用いた塗布具の一例を示す縦断面図、(b)は平面図、(c)は正面図であり、図3(a)〜(f)は、図2の塗布具において、塗布具用ペン芯を保持する保持体の一例を示す各図面であり、図4(a)〜(f)は、図3の保持体に塗布具用ペン芯を取り付けた状態の一例を示す各図面である。
塗布具用ペン芯10を用いた塗布具Aは、図2に示すように、塗布具本体となる軸体20、塗布液吸蔵体30、保持体40、キャップ50を備えている。
軸体20は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等で形成されるものであり、図2(a)に示すように、筆記具用インク又は塗布液を含浸した塗布液吸蔵体30を収容する有底筒状の後軸21と、塗布具用ペン芯10を取り付けた保持体40を固着する先軸25とを有している。
後軸21は、例えば、ポリプロピレン(PP)等からなる樹脂を使用して有底筒状に成形され、筆記具の本体(軸体)として機能する。この後軸21は、図2(a)に示すように、後端側内部に塗布液吸蔵体30の後端部を保持する保持片22、22…からなる保持部材23が設けられており、後軸全体及び後述する先軸は不透明又は透明(及び半透明)に成形されるが、外観上や実用上の観点からいずれを採用しても良い。また、後軸21の前方側に先軸25が嵌合等により固着される構造となっている。なお、筆記具用インクを熱変色性インクとした場合は、熱可塑性エラストマーを外面又は後軸11の後端部に形成し、擦過動作により摩擦熱を発生容易な軸体とすることが好適である。
先軸25は、塗布具用ペン芯10を固定する保持体40の本体部41を固着する凸状の嵌合部16が設けられている。この構造の先軸25は、例えば、ポリプロピレン(PP)等からなる樹脂などで成形されるものである。
塗布液吸蔵体30は、水性インク、油性インク、熱変色性インクなどの筆記具用インク、化粧液、修正液、薬液などを含浸したものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体を含むものである。この塗布液吸蔵体30は、軸体20の本体部となる後軸21内に収容保持されている。また、用いるインク組成は特に限定されず、筆記具の用途等に応じて、水性インク、油性インク、熱変色性インクなどの好適な配合処方とすることができ、例えば、アンダーラインペン等ではインクに蛍光色素、例えば、ベーシックバイオレット11、ベーシックイエロー40、熱変色性マイクロカプセル顔料などを含有させることできる。
保持体40は、図2(a)、図3(a)〜(f)に示すように、膨出状の本体部41と、該本体部41の前方側に、フランジ部42と、筆記方向を視認することができる可視部43とを有すると共に、該本体部41の後方側に、上記本体部41に連設される保持片44を有する後方保持部45とを備えたものである。また、これらの部材から構成される保持体40の長手方向外周面全体には、上記変形前のコ字型状の筆記芯30を嵌入保持する保持溝46が形成されている。
また、本体部41の幅方向外周面には、凹状の嵌合部41aが形成され、長手方向外周面には、空気流通溝41b、41bが形成されている。
この形態では、塗布具用ペン芯10の筆記部12と接触する箇所となる、保持溝46の前方表面部47に、筆記部32の筆記時等の際のズレを防止して保持を確実にするための凹凸段差が微小の凹凸形状からなる非平滑面部48が形成されている。
このように構成される保持体40全体を、視認性、可撓性を有する材料、例えば、PP、PE、PET、PEN、ナイロン(6ナイロン、12ナイロン等の一般的なナイロン以外に非晶質ナイロン等を含む)、アクリル、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ABS等の材料から成形により構成することにより、可視部43で筆記方向に書いてある文字を有効に視認できることとなる。なお、可視部43だけを視認性を有する材料で構成してもよい。
また、保持体40は、上記各材料の一種類、または、耐久性、視認性の更なる向上の点などから、2種類以上の材料を用いて構成してもよく、射出成形、ブロー成形などの各種成形法により成形することができる。
この形態の塗布具Aでは、塗布具用ペン芯10の塗布部12は傾斜状(ナイフカット状)となっており、塗布具用ペン芯10は保持体40の保持溝46に嵌入することにより確実に固定される構造となっている。また、軸体20内の圧力等が増大にした際に、インク垂れ等がペン芯から生じることがあるが、この形態では、空気流通溝41b、41bを介して塗布具用ペン芯10内と外気とを調整している。キャップ50は、先軸25の先端側外周面に嵌合等により着脱自在に取り付けられるものである。なお、筆記具用インクを熱変色性インクとした場合は、熱可塑性エラストマーをキャップ50の外面又はキャップ50の頂部に形成し、擦過動作により摩擦熱を発生容易なキャップとすることが好適である。
本発明の塗布具用ペン芯10を用いた塗布具Aでは、塗布具の軸体20を構成する後軸21内に筆記具用インク等を吸蔵した吸蔵体30を挿入して保持せしめ、先軸25、上述の焼結体から講師江される塗布具用ペン芯10を上記構成の保持体40に取り付けることにより、簡単に塗布具Aを作製することができ、塗布液吸蔵体20に吸蔵された塗布液は毛管力により塗布具用ペン芯10の塗布部12に効率的に供給され、塗布に供されるものとなる。
このように構成される塗布具Aでは、塗布具用ペン芯10は、粒状の熱可塑性樹脂と、繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結した焼結体から構成されたものであるため、気孔率や塗布液(インクを含む)流出性と物理的強度(せん断強度、折損強度)を高度に両立したものとなり、耐久性、使用性等に優れた塗布具が得られることとなる。
また、この塗布具Aは、上述の如く、塗布具用ペン芯10を保持する保持体40が、視認性を有する材料で構成されているので、当該保持体40の可視部43が、塗布方向、筆記方向を視認できる視認部となるものであり、その方向に書いてある文字や塗布部を確実に視認することができる十分な視認性が付与することができると共に、塗布終わりまで使用可能な塗布具が提供されるものとなる。
本発明において、塗布具用ペン芯10のその他の具体的な形状としては、例えば、図5(a)〜(n)に示されるものなどが挙げられる。また、軸方向の内部に塗布溝を形成した塗布具用ペン芯〔図6(a)〕も用いることができ、塗布溝の態様としては、例えば、図6(b)〜(j)に示される構成のものなどが挙げられる。
これらの塗布具用ペン芯10を用いた塗布具としては、各機構の塗布具、例えば、直液式塗布具、中綿式塗布具、バルブ機構を備えた塗布具、ノック式塗布具などに用いることができ、用途では、筆記具用ではマーキングペン、サインペン、筆ペン、筆記板用ペン、熱変色性ペンなど、塗布具用では、化粧液塗布具、修正液塗布具、薬液塗布具、塗料液塗布具などが挙げられる。
図7は、直液式塗布具の一例であり、該直液式塗布具Bは、インクなどの塗布液を中綿等に吸蔵させないで直接貯溜する軸体となる塗布液タンク部60を有し、また、塗布液タンク部60の前部には、塗布液タンク部60内の空気が温度上昇等によって膨張した場合に塗布液タンクから押し出される塗布液をペン先や空気孔からボタ落ちさせないために一時的に保溜する塗布液保溜体(コレクター部材)61が内蔵され、コレクター部材61の先端部には上述の本発明の塗布具用ペン芯10が設けられた構成となっている。塗布液タンク部60から塗布具用ペン芯10への塗布液の導出は、コレクター部材61の中心孔61aに付設された塗布液流路を設けた中継芯62を介して塗布液タンク部60から塗布液を塗布具用ペン芯10に導出することにより行われる。なお、図7中の63はホルダー部材であり、64は塗布液タンク部60の後部に固着される後部軸体であり、65はキャップである。また、中継芯62を介在させることなく、塗布具用ペン芯10の後部を塗布液タンク部60内に直接配置して塗布液の導出を行ってもよい。
図8の塗布具Cは、撹拌ボールとなる硬球70を内蔵したバルブ弁式筆記具であり、塗布液を中綿等に吸蔵させないで直接貯溜する軸体となる塗布液タンク部71を有し、バルブ弁機構72を介在して上述の本発明の塗布具用ペン芯10へ塗布液が供給される構成となっている。なお、図8中の73はホルダー部材であり、74は弁機構72とホルダー部材73間に介在し、塗布具用ペン芯10の後部を保持する保持部材であり、75はキャップである。
図9は、インク等の塗布液を中綿等の塗布液吸蔵体に吸蔵させたタイプの塗布具である。このタイプの塗布具Dは、軸体となる軸本体80内に塗布液を中綿等の繊維体に吸蔵した塗布液吸蔵体81を有し、塗布液吸蔵体81の前部には上述の本発明の塗布具用ペン芯10の後端部10aが当接されることにより、塗布液吸蔵体81の塗布液が塗布具用ペン芯10へ供給される構成となっている。82は、軸本体80の後端部に固着された尾栓であり、83は、キャップである。
図10は、塗布液を中綿等の塗布液吸蔵体に吸蔵させたペンタイプのキャップ不要となるノック式の塗布具である。該塗布具Eは、軸体90内に塗布液を中綿等の繊維体に吸蔵した塗布液吸蔵体91を備え、塗布液吸蔵体91の前部には上述の本発明の塗布具用ペン芯10の後端部10aが当接されることにより、塗布液吸蔵体91の塗布液が塗布具用ペン芯10へ供給される構成となっている。92は、軸体90の後端部に取り付けられたノック部であり、該ノック部92を前方へ押し出すことにより塗布具用ペン芯10が軸体90外に出て塗布状態となり、解除釦93を操作することにより塗布具用ペン芯10が軸体90内に収容される構造となっている。
本発明の塗布具用ペン芯は、上記実施形態などに限定されることなく、本発明の技術思想を変更しない範囲内で種々変更することができる。
本発明の技術思想は、塗布具用ペン芯であって、該塗布具用ペン芯は、粒状の熱可塑性樹脂と、繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結した焼結体からなることを特徴とするものであるため、筆記芯の形状は上記実施形態の、図2(a)に示す、インク誘導部31、31と、該インク誘導部31、31からのインクを導出する筆記部32とを備えたものに限定されず、例えば、図5、図6に沿う形状となる塗布具用ペン芯などであれば良く、その形状、内部構造、大きさなどは特に限定されるものでない。
また、図2〜図10において、本発明の塗布具用ペン芯を用いた塗布具において、塗布具用ペン芯10が一つのシングルタイプの筆記具を挙げたが、塗布具用ペン芯10が塗布具本体の両側に備えたツインタイプの塗布具であってもよいものである。
次に、実施例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
下記構成及び図1〜図4に準拠する塗布具、インクを使用した。塗布具用ペン芯10、保持体40等の寸法等は下記に示す大きさのものを使用した。
(塗布具用ペン芯10の構成)
〈粒状の熱可塑性樹脂〉
平均粒子径5μmのポリエチレン(PE)製粉末(融点130℃)を用いた。
〈繊維状の熱可塑性樹脂の構成〉
繊度3dtex、平均繊維長1mmのポリエチレン(PE)製繊維(融点130℃)を用いた。
〈燒結体の製造〉
上記粒状の熱可塑性樹脂80質量%と繊維状の熱可塑性樹脂20質量%を混練し、図1の塗布具用ペン芯の形状に沿う型枠内で加圧成型したものを乾燥後、焼成温度130℃、焼成時間60分間焼成して、燒結体からなる塗布具用ペン芯10(気孔率60%)を得た。
(保持体40の構成)
アクリル樹脂製、可視光線透過率85%〔スガ試験機社製、多光源分光測色計(MSC−5N)にて反射率を測定し、可視光線透過率とした。〕
筆記芯取り付け後の可視部43(四角形)の大きさ:5mm×6mm×3mm×4mm
非平滑面部48:凹凸形状:長さ2.0mm、凹凸段差:0.1mm
(塗布具用ペン芯10、保持体40以外の筆記具部材、塗布液の構成)
インク吸蔵体:PET繊維束、気孔率85%、φ6×77mm
筆記具本体、キャップ:ポリプロピレン(PP)製
(塗布液組成)
塗布液として、下記組成の筆記具用インク(合計100質量%)を使用した。
保湿剤:トリメチルグリシン(グリシンベタイン) 7.5質量%
ペンタエリスリトール 4.5質量%
着色剤:NKW-4805黄(日本蛍光社製) 40.0質量%
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.3質量%
pH調整剤:トリエタノールアミン 1.0質量%
フッ素系界面活性剤:サーフロン8111N(AGCセイミケミカル社製) 0.2質量%
水溶性有機溶剤:エチレングリコール 3.0質量%
水(溶媒):イオン交換水 43.5質量%
(比較用の塗布具用ペン芯の構成)
比較用の塗布具用ペン芯として、上記平均粒子径5μmのポリエチレン(PE)製粉末(融点130℃)を用いた燒結体からなる塗布具用ペン芯(気孔率60%)を製造した。
この実施例1の塗布具用ペン芯10を用いた塗布具Aを用いて、筆記したところ、塗布液流出性に優れることが確認された。また、本発明の比較用の塗布具用ペン芯と比較用の塗布具用ペン芯(同じ形状、大きさ、気孔率)とを物理的強度であるせん断強度、折損強度を測定するせん断力測定装置、折損強度測定装置を用いて同じ条件下で比較したところ、せん断強度で約3倍、折損強度で約3倍の強度であることが確認された。
また、文字の上に筆記したところ、筆記時に可視部を介して向こう側の見え方を目視にて確認したところ、視認性が十分であり、見やすく、筆記方向に書いてある文字を読みながら筆記することができた。
更に、自動筆記装置にこの実施例1の塗布具をセットして、JIS S6037に従い、上質紙面上で筆記角度65°、筆記荷重1N、速度7cm/s、距離100mで直線筆記後、筆記した描線状態を目視にて確認したところ、塗布具用ペン芯10の筆記性は良好で描線かすれはなく、インク流量も良好であることがわかった。
〔実施例2〕
上記実施例1において、粒状の熱可塑性樹脂として、平均粒子径5μmのポリプロピレン製粉末(融点160℃)、繊度3dtex、平均繊維長1mmのポリプロピレン製繊維(融点160℃)を用いた。
上記粒状の熱可塑性樹脂80質量%と繊維状の熱可塑性樹脂20質量%を混練し、上記実施例1と同様に、ただし、焼成温度155℃、焼成時間60分焼成して、燒結体からなる塗布具用ペン芯10(気孔率60%)を得た。
得られた塗布具用ペン芯10を用いた実施例1に沿う塗布具において、塗布具用ペン芯の材質を変更したものであっても、上記実施例1と同様の作用効果を発揮できることを確認した。
本発明の塗布具用ペン芯では、筆記具であれば、アンダーラインマーカー、サインペン、筆記板用ペンなどに用いることができ、塗布具用であれば、化粧液塗布具、修正液塗布具、薬液塗布具、塗料液塗布具等に好適に用いることができる。
10 塗布具ペン芯
20 軸体
21 後軸
25 先軸
30 塗布液吸蔵体
40 保持体
50 キャップ

Claims (3)

  1. 塗布具用ペン芯であって、該塗布具用ペン芯は、粒状の熱可塑性樹脂と、繊維状の熱可塑性樹脂とを焼結した焼結体からなることを特徴とする塗布具用ペン芯。
  2. 粒状の熱可塑性樹脂(A)と繊維状の熱可塑性樹脂(B)の含有割合〔(A):(B)〕が、20〜80質量%:80〜20質量%であることを特徴とする請求項1記載の塗布具用ペン芯。
  3. 焼結体の気孔率が30〜70%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具用ペン芯。
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