JP2020062780A - 筆記具 - Google Patents

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【課題】 インク流出性と、ペン先全体に対する筆記方向を視認することができる視認部の有効面積を最大にしたペン先を有する筆記具を提供する。【解決手段】 筆記具本体10から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部25を有するペン先20を備えた筆記具であって、前記ペン先20は、保持体21と、該保持体21に取り付けられる多孔体から構成される筆記部40とを有し、上記保持体21は、少なくとも透明な部材で成形され、該保持体21内にインクを誘導する毛細管力を有するスリット部30が形成されると共に、該スリット部とは別に空気置換部を設け、該スリット部30の先端側に前記筆記部40が取り付けられていることを特徴とする筆記具X。【選択図】図1

Description

本発明は、筆記方向を視認することができるペン先を有する筆記具に関し、更に詳しくは、インク流出性と、ペン先全体に対する筆記方向を視認することができる視認部の有効面積を最大にしたペン先を有する筆記具に関する。
従来、ペイントマーカー、アンダーラインマーカー等と称される筆記具のペン先は、幅広のペン芯を備えることにより幅広の線引きを可能にしたものであって、マーキングの視認性や作業性に優れているため幅広く使用されている。
ラインマーカー等の筆記具におけるペン先は、一般に合成樹脂繊維等を棒状等に集束したものや、高分子の焼結体などの多孔質部材に毛細管作用を付与し、これにより筆記具本体となる軸体から供給されるインクをペン先に導出することにより筆記可能としたものである。
また、蛍光インクを筆記具本体となる軸体内に収容した筆記具の普及にともない、幅広の線引きを可能とした多くの構造、形状のペン先を用いた筆記具が市販されたことにより、使用者の用途に応じた筆記具の広い選択が可能となり、その作業性も快適なものとなっている。
本出願人は、筆記具本体となる軸体から供給されるインクを誘導し、かつ保留できる筆記芯を有する筆記具において、ペン先に、筆記方向を視認できる視認部(可視部)を備えた筆記具を開示している(例えば、特許文献1参照)。
このタイプの筆記具のペン先は、筆記部を視認することができるため、引き終わりの止めたい部分でピタッと止めることができ、引きすぎや、はみ出しを防ぐことができるものである。このペン先の具体的な構成は、インクを誘導するインク誘導部と筆記部とから構成される焼結芯と、該焼結芯を保持する保持体と、該焼結芯と保持体とを固定する接着剤とから構成されている。
しかしながら、このペン先は、その形状が複雑であるため、熱可塑性樹脂粒子を焼結した焼結芯が使われているが、該焼結芯はインク流路が蛇行しているため、気孔率に対してインク流出性が若干低いという課題がある。また、保持体側面のインク誘導部によって可視部が阻害され、ペン先全体に対する視認部の有効面積が低いという課題があるのが現状であった。更に、図13には、インク誘導部の直液の形態も開示されているが、空気置換作用はなく、インク誘導部内に空気が入るとインクが出なくなり、掠れてしまうなどの課題がある。
一方、上記構造以外の筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先及びこのペン先を用いた筆記具や、本発明の近接技術を開示するペン先などの先行技術としては、例えば、
1) 軸筒内のインク吸蔵体に含浸されたインクが、インク誘導管を介して筆記部となるペン先に供給されると共に、前記インク吸蔵体のインクの終了サインを上記インク誘導管を視認することにより検知するインク終了検知式の筆記具であって、前記インク誘導管は内部に厚さが0.01〜1.0mmとなるスリット状のインク流路を設けた平板状のインク誘導部を有すると共に、インク充填時のインク誘導部の可視光線透過度が50%以上となり、かつ、上記インク誘導部を介して、該インク誘導部の軸方向直下の筆記方向を視認できることを特徴とする筆記具(例えば、特許文献2参照)、
2) ペン先が、筆記部となる多孔体と、該多孔体を保持し、筆記部にインクを供給するためのインク誘導部を少なくとも1つ有する保持体とを備え、筆記具本体に含まれるインクを、上記保持体に設けたインク誘導部に供給するための中継多孔体を有し、かつ、上記保持体が、筆記方向を視認できる視認部となる筆記具であって、該視認部の面積比率が、筆記具本体先端部より突出したペン先の40%以上であることを特徴とする筆記具(例えば、特許文献3参照)、
3) 先端部に少なくとも1つ以上のスリットを設けた複数枚の薄板材を重ね合わせ、複数枚の薄板材の間を微小隙間状のインク流路として全長に渡って形成されたペン部材を軸筒に装着したペン先において、前記スリットの巾が、薄板材の板厚以上の切欠巾を形成する第一の切欠加工によって設けられた切欠部と、該切欠部を板厚未満に形成する第二の圧延加工によって設けられた圧延部とによって形成してあることを特徴とするペン先(例えば、特許文献4参照)、
4) 2つのペン部材を向かい合わせに重合し、後部を首部筒やペン芯等に固着してなるペン先であって、2つのペン部材の一方または両方の内側面の全長に渡ってまたは一部に、ペン部材間に微小間隙を形成する薄膜状の溝と、該薄膜状の溝内に溝に沿っておよび/または溝に連通するように形成した1つまたは複数本の条溝とを設けることにより、ペン先の重合面に先端から後端までの全長に渡って連通したインク流路を設け、ペン先の先端部には、紙に接する接紙部の幅が最も広い接紙部稜線部を横断するインク流路に連通するスリットを設け、2つのペン部材の少なくとも後部以外の非固着部を、筆記時のペン先の先端部への筆圧により相互にすべり変移を起こすように弾性可能に形成したことを特徴とするペン先(例えば、特許文献5参照)、
5) 多孔質体であって〔厚さ/幅〕の値が0.5以下の薄板が、金属板又は樹脂板の間で挟まれており、前記薄板の両端が前記金属板又は樹脂板から突出していることを特徴とする筆記具用ペン先(例えば、特許文献6参照)、
6) 合成樹脂製の2個のペン先片を重合し、中心にインク流出部を一体もしくは別体に形成した合成樹脂製ペン先(例えば、特許文献7参照)、
などが知られている。
しかしながら、上記特許文献2に記載のペン先を用いた筆記具は、空気置換作用はなく、インク誘導部内に空気が入るとインクが出なくなり、掠れてしまうなどの課題がある。
また、上記特許文献3に記載のペン先を用いた筆記具は、直液部に該当するインク誘導部も透過しているという記載はなく、本発明とは技術思想が相違するものである。
他方、上記特許文献4〜7は、本発明の近接技術を開示するものであるが、上記特許文献4〜6では、二部品でペン先を構成する点で共通するところがあるが、ペン先に視認性を有するとの記載や示唆などはないものである。また、上記特許文献7では、二枚のペン先片の中心にインク流出部を形成するものであるが、インク流出部は中継芯であり直接インクが出るものではなく、本発明とは技術思想が相違するものである。
特開2000−52682号公報(特許請求の範囲、図13等) 特開2007−69427号公報(特許請求の範囲、図1等) 特開2012−20575号公報(特許請求の範囲、図1等) 特開2000−335165号公報(特許請求の範囲、図25等) 特開平9−58172号公報(特許請求の範囲、図7等) 特開2012−125979号公報(特許請求の範囲、図1等) 実開昭57−149170号公報(請求の範囲、図1等)
本発明は、上記従来技術の課題などに鑑み、これを解消しようとするものであり、筆記方向を視認することができるペン先を有する筆記具において、インク流出性と、ペン先全体に対する筆記方向を視認することができる視認部の有効面積を最大にしたペン先を有する筆記具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために鋭意検討した結果、筆記具本体から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先を備えた筆記具であって、上記ペン先は、保持体と、該保持体に取り付けられる多孔体から構成される筆記部とを有し、上記保持体内を特定構造などとすることにより、上記目的の筆記具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具は、筆記具本体から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先を備えた筆記具であって、前記ペン先は、保持体と、該保持体に取り付けられる多孔体から構成される筆記部とを有し、上記保持体は、少なくとも透明な部材で成形され、該保持体内にインクを誘導する毛細管力を有するスリット部が形成されると共に、該スリット部とは別に空気置換部を設け、該スリット部の先端側に前記筆記部が取り付けられていることを特徴とする。
保持体は、少なくとも2枚の透明な部材で構成され、筆記部が上記透明な部材に挟持されていることが好ましい。
前記保持体の一端に突起部を設け、該突起部が筆記部を押圧又は貫通してペン先が構成されることが好ましい。
ペン先は、スリット部内を通過するインクを介して視認可能であることが好ましい。
本発明によれば、インク流出性と、ペン先全体に対する筆記方向を視認することができる視認部の有効面積を最大にした筆記具が提供される。
本発明の筆記具の実施形態の一例を示す図面であり、(a)は平面図、(b)正面図、(c)は(a)のA−A線断面図、(d)は(a)のB−B線断面図である。 本発明の筆記具に用いるペン先の一例を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は(a)の部分拡大図、(c)は左側面図、(d)は正面図、(e)は右側面図、(f)は前方側から見た斜視図、(g)の後方側から見た斜視図、(h)は底面図、(i)は(h)のE−E線断面図、(j)は(h)のF−F線断面図である。 図2の保持体の各図面であり、(a)は平面図、(b)は(a)の部分拡大図、(c)は左側面図、(d)は正面図、(e)は右側面図、(f)は前方側から見た斜視図、(g)の後方側から見た斜視図、(h)は底面図、(i)は(h)のH−H線断面図、(j)は(h)のJ−J線断面図である。 図3のペン先において、筆記部を取り付ける前の2部品から構成される保持体の一方を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は前方側から見た斜視図、(f)は(a)を180°回転した平面図、(g)の後方側から見た斜視図、(h)は(e)を180°回転したものを前方側からみた斜視図、(i)は(h)の正面図である。 図3のペン先において、筆記部を取り付ける前の2部品から構成される保持体の他方を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は前方側から見た斜視図、(f)は(a)を180°回転した平面図、(g)の後方側から見た斜視図、(h)は背面図である。 ペン先の組み立て構造の一例を示す斜視図である。 本発明の筆記具に用いるペン先の他例を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は(a)のD−D線断面図、(e)は(c)のE−E線拡大断面図、(f)は(c)のB−B線拡大断面図である。 (a)は図7のペン先の背面図、(b)は図7のペン先の組み立て構造の一例を示す斜視図、(c)は(a)のF−F線断面図である。 図7のペン先において、筆記部を取り付ける前の2部品から構成される保持体の一方を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は前方側から見た斜視図、(f)は(a)を180°回転した平面図、(g)の後方側から見た斜視図、(h)は(e)を180°回転したものを前方側からみた斜視図、(i)は(h)の正面図である。 図7のペン先において、筆記部を取り付ける前の2部品から構成される保持体の他方を示す各図面であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は前方側から見た斜視図、(f)は(a)を180°回転した平面図、(g)の後方側から見た斜視図、(h)は背面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は本発明の筆記具の実施形態の一例を示す図面であり、図2は本発明の筆記具に用いるペン先の一例を示す各図面であり、図3は図2のペン先の各図面であり、図4及び図5は図3のペン先において、筆記部を取り付ける前の2部品から構成される保持体の各部品を示す図面であり、図6はペン先の組み立て構造の一例を示す斜視図である。
本実施形態の筆記具Xは、図1(a)〜(d)に示すように、有底筒状体の筆記具本体10を有し、該筆記具本体10内に収容されるインク吸蔵体15から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部25を有するペン先20を備えたものである。
このペン先20は、保持体21と、該保持体21に取り付けられる多孔体から構成される筆記部40とを有し、上記保持体21は、少なくとも透明な部材で成形され、該保持体21内に上記筆記具本体10内のインクを誘導する毛細管力を有するスリット部30が形成されると共に、該スリット部30とは別に空気置換部35が設けられ、該スリット部30の先端側に前記筆記部40が取り付けられる構成となっている。
筆記具本体10は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等で形成されるものであり、前方側にペン先20の後方側を嵌合により固着する先軸16が取り付けられている。
筆記具本体10は、例えば、ポリプロピレン等からなる樹脂などを使用して有底筒状に成形され、筆記具本体(軸体)として機能する。筆記具本体10は不透明又は透明(及び半透明)に成形されるが、外観上や実用上の観点からいずれを採用しても良い。
インク吸蔵体15は、水性インク、油性インクなどの筆記具用インクを含浸したものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体を含むものである。このインク吸蔵体15は、筆記具本体10内に収容され、後方側の保持片17により筆記具本体10内に収容保持されている。なお、先軸16の外周には、図示しないがペン先20を保護するキャップが着脱自在に取り付けられる構成となっている。
用いる筆記具用インクの組成は、特に限定されず、筆記具の用途等に応じて、水性インク、油性インク、熱変色性インクなどの好適な配合処方とすることができ、例えば、アンダーラインペン等ではインクに蛍光色素、例えば、ベーシックバイオレット11、ベーシックイエロー40、熱変色性マイクロカプセル顔料などを含有させることできる。
これらのインクは、インク配合成分種、各配合量を調整することなどにより、インク粘度(25℃:コンプレート型粘度計)1〜5mPa・s、表面張力30〜60mN/m、ペン先20からのインク流出量を30〜60mg/mに設定することが好ましい。
なお、筆記具用インクを熱変色性インクとした場合は、熱可塑性エラストマーを図示しないがキャップの頂部に形成し、擦過動作により摩擦熱を発生容易とする摩擦体とすることができる。
ペン先20は、図2(a)〜(j)に示すように、保持体21、多孔体から構成される筆記部40とを有し、上記保持体21は少なくとも透明な部材で構成されるものであり、図4及び図5に示す、保持体21を構成する2部品22A、22Bを嵌合、溶着、接着などの一体化手段で一体化することで、保持体21と、保持体21の前方側に多孔体から構成される筆記部40が取り付けられる構成となるものである。本実施形態では、後述するように、筆記部40は接着剤による接着以外の嵌合等の固着手段によりペン先20の前方側に保持体21で挟持されるように取り付けられる構成となっている。
このペン先20において、保持体21は、図3〜図5に示す2部品22A、22Bの一体化により、膨出状の本体部23と、該本体部23の前方側に、フランジ部24と、主に筆記方向を視認するための方形形状の視認部(窓部)25とが構成され、また、該ペン先20内の中央部に筆記具本体10からのインクを誘導する毛細管力を有するスリット部30が構成されると共に、該スリット部30とは別に空気置換部35が構成され、該スリット部30の先端側に上記多孔体から構成される筆記部40を取り付けられると共に、後方側にインク吸蔵体15のインクを毛管力により取り入れるインク導入スリット部31が構成されている。
また、保持体22の本体部23の後方側には、後方体部26と、筆記具本体10に収容されるインク吸蔵体15の先端側に挿入される略三角形状の挿入部27とが構成されている。
更に、上記本体部23の幅方向外周面には、凹状の嵌合部23aが形成され、長手方向外周面となる両面には、それぞれ空気流通溝となる、屈曲状の空気流通溝23b、直線状の空気流通溝23cが形成されている。
ペン先20の上記保持体21内の中央部に形成されるスリット部30は、筆記具本体10からのインクを誘導する毛細力を有するものであり、後端側にペン先20の挿入部27に形成されるインク導入口となるインク導入スリット部31と、該インク導入スリット部31に導入されたインクをペン先20の先端側に取り付けた多孔体から構成される筆記部40まで毛管力によりインクを供給するスリット本体部32とにより構成されている。
このスリット30は、筆記具本体10内に収容されるインク吸蔵体15のインクを毛管力により筆記部40に供給するインク誘導路となるものであり、図4及び図5に示すように、保持体21を構成する2部品22A、22Bを嵌合、溶着、接着等により一体化することで、ペン先20を構成する保持体21内の中央部に当該スリット30が形成されることとなる。
また、ペン先20内には、筆記部40の後方側のスリット本体部32とは別にスリット本体部32の上下側に、空気逃がし溝からなる空気置換部35が形成されて、ペン先20内のスリット本体部32に空気が入るとインクが筆記部40から出なくなり、掠れてしまうなどの課題を解消するものであり、インク切れを起こした場合に空気をスリット本体部32とは別に設けた空気置換部35によりペン先20の本体部23方向へ逃がす構成となっている。
保持体21を構成する2部品22A、22Bは、共に透明部材で構成されるものであり、一方の部品22Aには、図4に示すように、スリット30形成用と共に、先端側に筆記部40を嵌合などにより取り付けるため固着孔22a1、22a1と、片側の視認部25形成用等の板部材21a2と、片側の本体部23形成用等の本体部材22a3とを有するものであり、他方の部品22Bには、図5に示すように、スリット30形成用と共に、先端側に筆記部40を嵌合などにより取り付けるため棒状の突起部22b1、22b1と、片側の視認部25形成用等の板部材22b2と、片側の本体部23形成用等の本体部材22b3とを有するものであり、これらのインク導入スリット部31、筆記部40へ供給するスリット本体部32以外の外縁を接着又は溶着することで一体化して、図2に示す、前方側に筆記部40を挟持するように取り付けた保持体21を備えたペン先20が作製されると共に、ペン先20の保持体21内の中央部にインク導入スリット部31、スリット本体部32を有するスリット30が形成されることとなる。
また、筆記部40は、図6に示すように、上記突起部22b1、22b1を挿通する挿通孔41、41が形成されている。2部品22A、22Bを一体化する際に、突起部22b1、22b1を筆記部40の挿通孔41、41に挿通してその先端側を他方の固着孔22a1、22a1に固着すれば、ペン先20の前方側に多孔体から構成される筆記部40が接着剤等を使用することなく保持体21の前方側に挟持されるように取り付けられることとなる。
ペン先20は、図2(f)等に示すように、ペン先20の保持体21内の中央部の長手方向全体にスリット部30が形成され、スリット部30内を毛管力により通過するインクを介して視認可能とするものである。そのため、毛管力を付与して十分なインク流量が確保しながら視認性(透過性)を備えるために、スリット本体部32のスリットの幅(隙間、以下同様)は、毛管力を付与できるスリット幅とする点、インクを介しての筆記箇所の視認性を確保(光透過性を50%以上と)する点から、好ましくは、10〜200μm、更に好ましくは30〜70μmとすることが望ましい。また、スリット部30の幅方向長さ、長手方向長さは筆記具種、ペン先の形状、大きさ等により変動するものであり、インク流出性と視認部の面積を高度に両立できる長さ(面積)であればよく、好ましくは、スリット部30の面積当たりでは、0.2〜2.0cm、視認部の面積で0.1〜1.0cmとすることが望ましい。
このスリット本体部32の先端側(出口)32aは、多孔体から構成される筆記部40の後端部に密着しており、スリット本体部32のインクは筆記部40の毛管力により筆記部40に好適な量が供給されることとなる。
更に、インク導入スリット部31のスリット幅(隙間)は、インク吸蔵体15に吸蔵されるインクをペン先20のスリット本体部32に効率よく導入できる幅であれば良く、好ましくは、5〜500μm、更に好ましくは10〜40μmとすることが望ましい。このインク導入スリット部31は、部品22A、22Bを一体化した際に、図2(g)及び(h)に示すように、略三角形状の挿入部27の中央部に形成されるものであり、この挿入部の形状を変えることによりスリットの長さ(インク導入長さ)も変動するものとなる。
ペン先20において、保持体21は、例えば、透明な部材で少なくとも成形されるものであり、例えば、ガラス、透明な樹脂材料、好ましくはゴム弾性を有しない透明な樹脂材料などから構成されるものである。例えば、PP、PE、PET、PEN、ナイロン(6ナイロン、12ナイロン等の一般的なナイロン以外に非晶質ナイロン等を含む)、アクリル、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ABS等の可視光線透過率が50%以上の材料を用いて、図4及び図5に示すように、少なくとも部品22A、22Bを用いて、スリット30が形成されるように、上述の如く、溶着、接着、嵌合等により一体化することで構成することができ、本実施形態では、溶着や接着で一体化されており、図2(a)〜(j)に示す、ペン先20内に筆記具本体10からのインクを誘導する毛細管力を有するスリット部30が形成されると共に、該スリット部30とは別に空気置換部35が設けられ、しかも、上述の如く、該スリット部30の先端側に多孔体から構成される筆記部40が密着して取り付けられ、後方側にインク導入スリット部31を有するペン先が作製されることとなる。なお、可視光線透過率は多光源分光測色計〔スガ試験機社製、(MSC−5N)〕にて反射率を測定することで求めることができる。
筆記部40は、図1、図2に示すように、先端側が鋭角状となっており、上述の如く、保持体21の前方側に挟持されるように取り付けられる構成となっている。
この筆記部40は、多孔体から構成されるものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる並行繊維束、フェルト等の繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、または、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱可塑性樹脂などのプラスチック粉末などを焼結したポーラス体(焼結芯)などからなるものである。
好ましい筆記部40としては、繊維束芯、繊維芯、焼結芯、フェルト芯、スポンジ芯、無機多孔体芯であり、特に好ましくは、変形成形性の点、生産性の点から、焼結芯が望ましい。また、用いる多孔体から構成される筆記部40の気孔率、大きさ、硬度などは、インク種、筆記具の種類等により、変動するものであり、例えば、気孔率では30〜60%とすることが好ましい。また、気孔率は下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有する筆記芯を水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、筆記芯に浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積を筆記芯の気孔体積と同一として、下記式から、気孔率が算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(ペン先50の見掛け体積)×100
また、筆記部40は、少なくとも紙面などの筆記面との接触部が着色され、L(CIE LAB)表色系での明度(L値)が40以下となっている。
筆記部40を着色する部分は、紙面などの筆記面との明度差(コントラスト)を高めることができ、本発明の効果を発揮するできる箇所を着色する必要があり、具体的には、少なくとも紙面などの筆記面と接触する部分(以下、「ペン芯の一部」という)が着色されている必要がある。
上記L(CIE LAB)表色系は、色相評価を行うための色調を表す方法の一つであり、国際照明委員会(CIE)が策定した、目で見える色を色空間として表現するものである。この明度(L値)は、黒色度の傾向を示す一指標である。上記明度(L値)が40超過であると紙面との明度差(コントラスト)を高めることができず、本発明の効果を発揮することができないこととなる。
本発明において、上記材質、特性の筆記部40は少なくとも筆記面との先端部が着色され、L(CIE LAB)表色系での明度(L値)が40以下となっている。
好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、より好ましくは、明度(L値)が30以下(0〜30)の範囲であることが望ましい。更に好ましくは、明度(L値)と同様に黒色度の指標となる無彩色度Cが30以下(0〜30)であることが好ましい。
なお、無彩色度Cは、下記式(B)より算出される。
無彩色度C=(a*2+b*21/2 ・・・(B)
本発明において、筆記部40をL(CIE LAB)表色系での明度(L値)を40以下とする方法等としては、特に限定されず、例えば、ペン芯成形後のペン芯の一部又は全体を着色する方法、また、ペン芯を保持体に装着後にペン芯の一部又は全体を着色する方法、ペン芯の材料となる樹脂(樹脂製粉体等)、繊維(束)の段階で着色した樹脂、繊維束を用いて成形してペン芯の一部又は全体を着色したものでも良いものである。
具体的に、明度(L値)を40以下とする方法としては、カーボンブラックのような炭素系黒色顔料、鉄酸化物(例えば、マグネタイト型四酸化三鉄)や、銅とクロムからなる複合酸化物、銅、クロム、亜鉛からなる複合体、チタン系酸化物などの酸化物系黒色顔料、黒色染料など用いて行うことができ、例えば、成型後の筆記部40を保持体10に装着して、ペン先を作製後、定着用樹脂、着色用着色材を含むインクにより筆記部40の全体を着色する方法などを挙げることができる。
更に好ましくは、少なくとも筆記部40は、筆記具用インクによる筆跡の色より低い明度(L値)の色で着色されていることが望ましく、特に好ましくは、ペン芯と筆跡との明度(L値)の差が30以上で着色されていることが好ましい。例えば、筆跡の色が黄色、桃色、緑色などの場合に、これらの筆跡の色より低い明度(L値)の色、例えば、黒色で筆記部40の一部又は全体を着色することが望ましい。
特に好ましい筆記部40は、焼結芯で構成され、スチレンアクリル樹脂、明度(L値)を40以下とする着色用着色材を含有するインクによりペン芯の一部又は全体を着色して、着色した箇所の明度(L値)が40以下となるものが望ましい。そのように筆記部40を形成することで、ひき始めの位置を合わせやすくなる。
このように構成される筆記具Xでは、筆記具の筆記具本体10内に筆記具用インクを吸蔵したインク吸蔵体15を挿入して保持せしめ、先端側を先軸16を介して上記構成のペン先20を順次嵌合等により固着せしめることにより、簡単に筆記具Xを作製することができ、インク吸蔵体15に吸蔵されたインクはスリット部30の毛管力によりペン先20の筆記部40に効率的に供給され、筆記に供されるものとなる。
この筆記具Xにおけるペン先20の機能等を以下に説明する。
この筆記具Xのペン先20は、図1、図2等に示すように、筆記方向を視認することができる視認部(窓部)25を有するものであり、インク吸蔵体15のインクは毛細管力を有するスリット部30のインク導入スリット部31からペン先20の保持体21内に流入し、スリット本体部32を通り、保持体21の先端側に挟持するように取り付けられた筆記部40に到達し、筆記に供されるものとなる。筆記の際に、視認部(窓部)25で視認側を見れば、ひき始めの位置を合わせやすくなり、また、引き終わりの止めたい部分でピタッと止めることができ、引きすぎや、はみ出しを防ぐことができるものとなる。
本発明では、ペン先20は、図2(f)等に示すように、ペン先20の保持体21内全体にインク誘導路となる上記好適なスリット幅(隙間)となるスリット部30が形成され、スリット部30内を毛管力により通過するインクを介して視認部(窓部)25全体で視認可能とするものであるため、毛管力を付与して十分なインク流量が確保しながら視認性(透過性)を備えるものとなる。この構成となるペン先20を有する筆記具Aは、インク流出性と、ペン先20全体に対する筆記方向を視認することができる視認部25の有効面積を最大にした筆記具が得られることとなる。
また、本発明では、インク誘導路となるスリット部30は、毛管力を汎用のペン芯なみに付与しているため、視認部(窓部)を通過するスリット部30でインク供給が可能であり、視認性を向上させることができる。また、図6に示すように、接着剤等を用いないで筆記部40を保持体21で挟持することで取り付けられるので、組立性の簡素化ができ、品質の安定性も高められるものとなる。
更に、ペン先20内に空気置換部35が形成されているので、ペン先20内のスリット本体部32に空気が入るとインクが筆記部40から出なくなり、掠れてしまうなどの課題に対して、インク切れを起こした場合に空気を空気置換部35によりペン先20の本体部23方向へ逃がす構成となっているので、上記掠れなどの課題を解消する構成となっている。
本発明の筆記具は、上記構成のペン先20を備えたことを特徴とするものであるので、ペン先20以外の構成は、特に限定されるものではない。
図7〜図10は、本発明の筆記具の実施形態の他例を示す各図面である。なお、上記実施形態の筆記具Xと同様の構成、機能を有する場合は、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の筆記具は、上記構成のペン先20を構成する保持体21の一体化手段等が相違する点、空気置換部の位置等が相違する点、筆記部40の固着手段が相違する点で、上記実施形態の筆記具Xと相違するものである。
上記実施形態の筆記具では、ペン先20は、保持体21を構成する部品22A、22Bは、一方の部品22Aには、図7〜図10に示すように、スリット30形成用と共に、先端側に筆記部40の側面部の一方と嵌合により固着するための凹部22a4と、片側の視認部25形成用等の板部材21a2と、片側の本体部23形成用等の本体部材22a3と、該本体部材22a3の上下側に形成された棒状の突起部22a5、22a5…を有するものであり、他方の部品22Bには、図7〜図10に示すように、スリット30形成用と共に、先端側に筆記部40の側面に形成した凸部42の一方と嵌合により固着するための凹部22b4と、片側の視認部25形成用等の板部材21b2と、片側の本体部23形成用等の本体部材22b3と、該本体部材22b3の上下側に形成された固着孔22b5、22b5…を有するものであり、上記筆記部40の側面の凸部42を含む側面部を2部品22A、22Bの凹部22a4を含む嵌合部に嵌合せしめると共に、部品22Aの棒状の突起部22a5、22a5…を部品22Bの固着孔22b5、22b5…に嵌合せしめて固着すれば、2部品22A、22Bは一体化され、前方側に筆記部40を挟持するように抜け止めされた保持体21を備えたペン先20が作製されると共に、ペン先20の保持体21内の中央部にインク導入スリット部31、スリット本体部32を有するスリット30が形成されることとなる。
この筆記具では、突起部22a5,22a5…の高さ、筆記部40の側面に形成した凸部42、凹部22b4、凸部42の高さなどを調整することにより、各スリット31、32、筆記部40のスリット幅(隙間)を調整することができ、本実施形態ではスリット幅(隙間)40μmに調整されている。
この筆記具のペン先20においても、図7〜図10に示すように、筆記方向を視認することができる視認部(窓部)25を有するものであり、上記突起部22B4,22B4…の高さなどによりスリット幅(隙間)が調整されており、インク吸蔵体15のインクは毛細管力を有するスリット部30のインク導入スリット部31からペン先20内に流入し、スリット本体部32を通り、ペン先20の先端側のスリットが形成された筆記部40に到達し、筆記に供されるものとなる。筆記の際に、視認部(窓部)25で視認側を見れば、ひき始めの位置を合わせやすくなり、また、引き終わりの止めたい部分でピタッと止めることができ、引きすぎや、はみ出しを防ぐことができるものとなる。
ペン先20は、上述の筆記具Aと同様に、視認部(窓部)25全体で視認可能とするものであるため、毛管力を付与して十分なインク流量が確保しながら視認性(透過性)を備えたものとなるので、インク流出性と、ペン先20全体に対する筆記方向を視認することができる視認部25の有効面積を最大にした筆記具が得られることとなる。
また、この筆記具においても、また、図7〜図10に示すように、接着剤等を用いないで筆記部40を保持体21で挟持することで取り付けられるので、組立性の簡素化ができ、品質の安定性も高められるものとなる。
更に、ペン先20内に空気置換部35が形成されているので、ペン先20内のスリット本体部32に空気が入るとインクが筆記部40から出なくなり、掠れてしまうなどの課題に対して、インク切れを起こした場合に空気を空気置換部35によりペン先20の上下側方向へ逃がす構成となっているので、上記掠れなどの課題を解消する構成となっている。
本発明の筆記具は、上記実施形態などに限定されることなく、本発明の技術思想を変更しない範囲内で種々変更することができる。
上記実施形態では、シングルタイプの筆記具を示したが、ペン先20の反対側となる箇所に汎用の棒状の多孔体から構成されるペン先を適宜保持具を介して取り付け、ペン先20と、棒状のペン先を備えたツインルタイプの筆記具としてもよいものである。また、上記実施形態の筆記具をノック式によりペン先20が出没する筆記具としてもよいものである。
上記実施形態の図1〜図6の筆記具Aなどでは、筆記具本体の軸体などの断面を円形軸等に形成したが、三角形状、四角形以上の方形状などの異形形状、楕円形状にしてもよいものである。また、ペン先20全体を透明な部材で構成する場合を示したが、少なくとも視認部25が透明な部材で構成され、筆記具本体内の取り付けられる本体部23側を透明な部材以外の樹脂部材で二色成形品となったものを用いてペン先20を構成してもよいものである。
更に、上記各実施形態では、筆記具用のインク(水性インク、油性インク、熱変色性インク)で説明したが、液状化粧料、液状薬剤、塗布液、修正液などの液状体としてもよいものである。
次に、実施例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
下記構成及び図1〜図6に準拠するペン先を有する筆記具、下記組成の筆記具用インクを使用した。ペン先の寸法等は下記に示す大きさ等を使用した。
(ペン先20の構成)
アクリル樹脂製、可視光線透過率85%〔スガ試験機社製、多光源分光測色計(MSC−5N)にて反射率を測定し、可視光線透過率とした。〕
視認部(窓部)25(四角形)の大きさ:6mm×6mm×7mm×6mm、面積0.4cm
インク導入スリット部31のスリット幅:30μm、長さ合計:20mm
スリット本体部32のスリット幅:30μm、幅方向長さ:6mm、長手方向長さ:
6−7mm
スリット部30の面積0.8cm
筆記部40:ポリエチレン製焼結芯、気孔率:50%、4mm×3mm×6mm
インク吸蔵体:PET繊維束、気孔率85%、φ6×77mm
筆記具本体10:ポリプロピレン(PP)製
(筆記具用インク組成:インク色:蛍光黄色)
筆記具用インクとして、下記組成のインク(合計100質量%)を使用した。
保湿剤:トリメチルグリシン(グリシンベタイン) 7.5質量%
ペンタエリスリトール 4.5質量%
着色剤:NKW-4805黄(日本蛍光社製) 40.0質量%
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.3質量%
pH調整剤:トリエタノールアミン 1.0質量%
フッ素系界面活性剤:サーフロン8111N(AGCセイミケミカル社製) 0.2質量%
水溶性有機溶剤:エチレングリコール 3.0質量%
水(溶媒):イオン交換水 43.5質量%
粘度(25℃):3.0mPa・s(コンプレート型粘度計、TOKIMEC社製、TV-20)
表面張力(25℃):33mN/m(自動表面張力計、協和界面科学社製、DY-300)
この図1〜図6準拠の実施例1のペン先20を用いた筆記具Xでは、ペン先20内のスリット部30の先端側が多孔体から構成される筆記部40が接着剤等を用いないで保持体21で挟持することで取り付けられる構成としたので、スリット部30内を毛管力により通過するインクを介して視認部(窓部)25全体で視認することができるので、十分なインク流量が確保しながら視認性(透過性)を備え、インク流出性と、ペン先20全体に対する筆記方向を視認することができる視認部25の有効面積を最大にした筆記具が得られることが確認できた。また、1mmの高さから落下させた後でも、掠れることなく筆記できることが確認できた。
更に、自動筆記装置にこの筆記具をセットして、JIS S6037に準拠した試験方法に従い、上質紙面上で筆記角度65°、筆記荷重1N、速度7cm/s、距離100mで直線筆記後、筆記した描線状態を目視にて確認したところ、上記好ましいインク組成のものを使用しているため、ペン先20のインク流量(15mg/m)も良好で、ペン先の乾燥を抑えながらも、描線の乾燥性、インクの低温安定性に優れ、描線に滲みや裏抜けのない機能を発現することが判った。
本発明のペン先では、アンダーラインペン、ペイントマーカー、油性マーカー、水性マーカーと呼ばれるタイプの筆記具に用いるペン先として好適に適用することができる。
10 筆記具本体
20 ペン先
30 スリット部
35 空気置換部
40 筆記部

Claims (4)

  1. 筆記具本体から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先を備えた筆記具であって、前記ペン先は、保持体と、該保持体に取り付けられる多孔体から構成される筆記部とを有し、上記保持体は、少なくとも透明な部材で成形され、該保持体内にインクを誘導する毛細管力を有するスリット部が形成されると共に、該スリット部とは別に空気置換部を設け、該スリット部の先端側に前記筆記部が取り付けられていることを特徴とする筆記具。
  2. 保持体は、少なくとも2枚の透明な部材で構成され、筆記部が上記透明部材に挟持されていることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 前記保持体の一端に突起部を設け、該突起部が筆記部を押圧又は貫通してペン先が構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。
  4. ペン先は、スリット部内を通過するインクを介して視認可能であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具。
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