JP2021535102A - Cd73阻害剤およびその治療的使用 - Google Patents

Cd73阻害剤およびその治療的使用 Download PDF

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Abstract

本出願は、一般式(I)で表されるCD73阻害剤およびその類似体、これらの化合物を含む医薬組成物、それらを調製する方法、ならびに、CD73活性に関連する疾患または状態、例えばさまざまな癌の治療のための治療薬としてのこれらの化合物の使用を開示する。【化1】

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2018年8月28日に出願された米国仮特許出願第62/723,623号に基づく優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。
本発明は、新規ヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体、CD73によって媒介される癌および他の疾患の治療のためのCD73阻害剤として有用なこれらの化合物を含む医薬組成物、ならびにこれらの化合物および組成物を調製する方法に関する。
CD73(エクト−5’−ヌクレオチダーゼとしても知られる)は、グリコシルホスファチジルイノシトール結合を介して細胞膜に固定される細胞表面酵素であり、さまざまな組織、特に結腸、腎臓、脳、肝臓、心臓、肺、脾臓、リンパ節、および骨髄で発現する(Antonioli, L., et al., Trends Mol. Med., 2013年, 19, 355−367頁)。CD73の酵素活性は、ヌクレオシド一リン酸の対応するヌクレオシドへの(例えば、5−AMPのアデノシンへの)細胞外脱リン酸化を触媒することである。CD73は、主にその酵素ヌクレオシド生成物、特に細胞外空間内のアデノシンを介して生理学的影響を及ぼし、該生理学的影響には、上皮イオンおよび体液輸送、組織バリア機能制御、低酸素への適応、虚血性プレコンディショニング、抗炎症、および免疫抑制シグナル伝達が含まれる(Colgan, S.P., et al., Purinergic Signaling, 2006年, 2, 351−360頁)。
アデノシンは、神経調節特性を有する遍在する細胞外シグナル伝達分子として、アデノシン受容体(受容体サブタイプ:A1、A2A、A2B、およびA3)との相互作用を介して人体に幅広い生理学的反応をもたらし、該生理学的反応には、心血管系における血管拡張特性および房室伝導抑制特性; 中枢神経系における鎮静効果、局所ニューロン興奮性抑制効果、抗けいれん効果、および神経保護効果(Dunwiddie, T.V., et al., Annu. Rev. Neurosci. 2001年, 24, 31−55頁);呼吸器系における気管支収縮効果(Pauwels, R., et al., Drug Development Research, 1993年, 28, 318−321頁);および免疫系における免疫/炎症反応の仲介(Hasko, G., et al., “A Key Link between Metabolism and Brain Activity”, 2013年, 233−251頁)が含まれる。
CD73は多くの種類の癌で広く発現しており(Antonioli, L. et al., Trends in Cancer, 2016年, 2(2), 95−109頁)、多くの種類の癌の予後不良に関連している(Allard, D., et al., Immunotherapy, 2016年, 8(2), 145−163頁)。CD73は、癌の転移(Yang, Q., et al., Pathol. Oncol. Res., 2013年, 19, 811−814頁)および化学療法抵抗性(Loi, S., et al., PNAS, 2013年, 110(27), 11091−11096頁)を促進する。免疫系において、CD73は、マクロファージ、リンパ球、制御性T細胞、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)、および樹状細胞の表面に見られる。主にCD73によって産生される細胞外アデノシンは、腫瘍微小環境に慢性的に蓄積し、アデノシン受容体を活性化し、腫瘍誘発性単核食細胞を促進し、抗腫瘍T細胞応答を調節解除し、MDSC集団を拡大し、免疫抑制を引き起こし、免疫監視からの癌細胞の脱出を促進し、したがって癌の形質転換および増殖を促進する(Antonioli, L., et al., Nature Reviews Cancer, 2013年, 13, 842−857頁)。
人体におけるアデノシンの幅広い生理学的機能のために、CD73阻害剤は、免疫応答を増強し、アデノシンおよびアデノシン受容体関連の疾患または障害を治療するために使用され得、該疾患または障害には、神経学的、神経変性およびCNS障害および疾患、うつ病およびパーキンソン病、脳および心臓の虚血性疾患、睡眠障害、線維症、免疫および炎症性疾患、ならびに癌が含まれる。
様々な小分子CD73阻害剤が、WO2015164573、WO2017098421、WO2017120508、WO2017153952、US20170044203、WO2018049145、WO2018067424およびWO2018094148などのいくつかの公開済みの特許出願で開示されているが、1つの化合物のみが第I相臨床試験中であると報告されている。したがって、腫瘍微小環境における細胞外アデノシンレベルを低下させて、癌細胞に対する免疫細胞の効果的な応答を再開することによって、腫瘍の進行および転移を制限し、抗癌療法の有効性を高め、かつ/または癌を治療するのに治療的に有用な新規なCD73阻害剤を開発する緊急の必要性が依然として存在する。
本発明は、前述の必要性を満たし、一態様では、式(I)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する:
Figure 2021535102
式中:
Yは、OまたはSであり;
Zは、OまたはNHであり;
Wは、O、S、NH、NRおよびC(Rからなる群から選択され、ここでRはアルキルであり、Rは各出現にて、水素、ハロゲン、アルキルおよびアルケニルからなる群から独立して選択され;
およびGは、それぞれ独立してNまたはCRであり、ここでRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
およびGは、C、CH、CH、N、NH、O、SおよびSOからなる群からそれぞれ独立して選択され;
Qは、−CH−O−C(R)(R)−、−CH−N(R)−C(R)(R)−、−CH−S−C(R)(R)−、−CH−S(O)−C(R)(R)−、−フェニル−O−C(R)(R)−、−CH−フェニル−O−C(R)(R)−、−CH−ヘテロシクリル−、−C(R)(R)−、−CH−C(R)(R)−C(R)(R)−、−C(R)=C(R)−、−C(R)(R)−C(R)(R)−、−C(R)(R)−C(R)=C(R)−および−C(R)=C(R)−C(R)(R)からなる群から選択され;
、R、RおよびRは、H、D、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルおよびアミノからなる群からそれぞれ独立して選択されるか;または
任意の−C(R)(R)−中のRおよびRは、一緒にオキソを形成するか;または
およびRは、一緒にオキソを形成し;
環Aは、C5−8シクロアルキル、5〜8員ヘテロシクリル、アリール縮合C5−8シクロアルキル、ヘテロアリール縮合C5−8シクロアルキル、アリール縮合5〜8員ヘテロシクリルおよびヘテロアリール縮合5〜8員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
、R、RおよびRは、ヒドロキシ、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アジド基およびOR10からなる群からそれぞれ独立して選択されるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に、シクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成し、当該ヘテロシクリルは、N、OおよびSと同じかまたは異なる1〜2個のヘテロ原子を含み、かつ、当該シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群から選択される1つ以上の基によってそれぞれ任意に置換され;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロおよびアジドからなる群から選択され;
およびRは、水素、アルキル、アリール、−C(R)−アリール、−C(R)−O−C(O)OR、−C(R)−O−C(O)R、−C(R)C(O)OR、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択され、当該アルキルは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の基によって任意に置換され;任意に、RおよびRは、一緒に5〜6員の複素環を形成し;
は、水素、アルキルおよびアルコキシからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群から選択され;
10は、−C(O)R11、−C(O)OR11、−S(O)11および−P(O)(OR)(OR)からなる群から選択され;
11は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシルおよびヒドロキシアルキルからなる群から選択され;
mは、1、2または3であり;および
sは、0、1、2、3または4である。
別の態様では、本発明は、治療有効量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを調製するための方法およびプロセス、ならびに中間化合物を提供する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象に、治療有効量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む、CD73によって媒介される疾患または状態、特にさまざまな癌を治療するための方法を提供する。
別の態様では、本発明は、CD73を含む生物学的サンプルを、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、CD73を阻害する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、CD73によって媒介される疾患または状態、特にさまざまな癌を治療するための薬剤の製造における、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用を提供する。
本発明の他の態様および利点は、以下の詳細な説明、実施例、および特許請求の範囲を通じてよりよく理解されるであろう。
発明の詳細な説明
一態様では、本発明は、式(I):
Figure 2021535102
の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供し、式中、m、s、環A、G〜G、R〜R、W、YおよびZは、上記で定義したとおりである。
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(II):
Figure 2021535102
の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグから選択され、
式中:
Z、Y、W、Q、G、G、G、G、環A、R〜R、mおよびsは、式(I)で定義したとおりである。
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(III):
Figure 2021535102
の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグから選択され、
式中:
Z、Q、G、G、G、G、環A、R、R、R〜R、mおよびsは、式(I)で定義したとおりである。
一実施形態では、本発明は、Qは、−CH−O−C(R)(R)−、−CH−NH−C(R)(R)−、−CH−S−C(R)(R)−、−CHS(O)−C(R)(R)−、−フェニル−O−C(R)(R)−、−CH−フェニル−O−C(R)(R)−および−CH−ヘテロシクリル−からなる群から選択され;RおよびRは、式(I)で定義したとおりである、式(I)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
一実施形態では、本発明は、RおよびRは水素であり;RおよびRは、ヒドロキシ、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、式(I)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(IV):
Figure 2021535102
の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグから選択され;
式中:
Mは、O、S、SO、NHおよび−フェニル−Oからなる群から選択され;および
環A、G、G、R、R、mおよびsは、式(I)で定義したとおりである。
一実施形態では、本発明は、
Figure 2021535102
は、
Figure 2021535102
からなる群から選択され;および、Rおよびsは、式(I)で定義したとおりである、式(I)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。一実施形態では、本発明は、RおよびRは、水素、アルキルおよび−C(R)−O−C(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択される、式(I)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
一実施形態では、本発明は、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される、式(I)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
一実施形態では、本発明は、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される、式(I)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
一実施形態では、時々好ましく、本発明は、式(V):
Figure 2021535102
の化合物、またはその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供し;
式中:
およびRは、水素、C−Cアルキル、C−C10アリール、−C(R)−アリール、−C(R)−O−C(O)ORおよび−C(R)−O−C(O)Rからなる群からそれぞれ独立して選択され、当該アルキルは、C−Cシクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C−C10アリールおよび5〜10員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の基によって任意に置換され;
およびRは、H、D、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルキルおよびC−Cハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され;
はC−Cアルキルであり;
は、水素、ハロゲンおよびC−Cアルキルからなる群から選択され;
Figure 2021535102
は、
Figure 2021535102
からなる群から選択され;
sは、0、1または2であり;および
は各出現にて、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルキルおよびC−Cハロアルコキシからなる群から独立して選択される。
いくつかの実施形態では、時々より好ましく、式(V)の化合物、またはその互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグにおいて:
およびRは、水素、C−Cアルキル、フェニル、−CH(R)−O−C(O)ORおよび−CH(R)−O−C(O)Rからなる群からそれぞれ独立して選択され;
は、H、DまたはC−Cアルキルであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、水素またはハロゲンであり;
Figure 2021535102
は、
Figure 2021535102
からなる群から選択され;
sは、0、1または2であり;および
は各出現にて、ハロゲン、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシからなる群から独立して選択される。
他の実施形態では、当業者が理解するように、本発明は、そのような組み合わせが化学結合の原理に違反しない安定した化合物を形成する限り、本明細書に記載の式(I)〜(V)の構造のいずれかで定義される官能基に関して、例示された実施形態のあらゆるすべての妥当な組み合わせを包含する。
本発明の例示的な化合物には、以下が含まれるが、これらに限定されない:
Figure 2021535102
Figure 2021535102
Figure 2021535102
Figure 2021535102
Figure 2021535102
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物を調製するための中間体として使用される式(IA):
Figure 2021535102

の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ提供し、
式中:
ZはOであり;
はアルキルであり;および
Y、W、Q、G、G、G、G、環A、R、R、R、R、R、mおよびsは、式(I)で定義したとおりである。
本発明の一実施形態では、式(IA)の化合物は、式(IVA):
Figure 2021535102

の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグから選択され、
式中:
はアルキルであり;
MはOであり;および
環A、G、G、R、R、mおよびsは、式(IA)で定義したとおりである。
本発明の例示的な化合物には、以下が含まれるが、これらに限定されない:
Figure 2021535102
Figure 2021535102
別の態様では、本発明は、以下のステップを含む、式(I)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供する:
Figure 2021535102
式(IA)の化合物からRおよびアセタールの保護基を除去するために反応させて、式(I)の化合物を得るステップ;
式中:
はアルキルであり;
ZはOであり;
およびRは、ともに水素であり;および
およびRは、ともにヒドロキシであり;
Y、W、Q、G、G、G、G、環A、R、R、R、R、R、mおよびsは、式(I)で定義したとおりである。
別の態様では、本発明は、以下のステップを含む、式(IV)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供する:
Figure 2021535102
式(IVA)の化合物からRおよびアセタールの保護基を除去するために反応させて、式(IV)の化合物を得るステップ;
式中:
はアルキルであり;
MはOであり;および
環A、G、G、R、R、mおよびsは、式(IV)で定義したとおりである。
本発明はまた、治療有効量の式(I)〜(V)のいずれか1つの化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物も提供する。
本発明はまた、CD73を含む生物学的サンプルを、式(I)〜(V)のいずれか1つの化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、またはそれらの医薬組成物と接触させることを含む、CD73を阻害する方法に関する。
本発明はまた、それを必要とする対象に、治療有効量の式(I)〜(V)のいずれか1つの化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、またはそれらの医薬組成物を投与するステップを含む、CD73によって媒介される疾患または状態を治療するための方法に関する。
本発明はまた、それを必要とする対象に、治療有効量の式(I)〜(V)のいずれか1つの化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む、疾患または状態を治療するための方法であって、前記疾患または状態は、腫瘍、癌、免疫関連疾患、炎症関連疾患、神経系疾患、神経変性疾患および中枢神経系疾患、うつ病、パーキンソン病、脳および心臓の虚血性疾患、睡眠障害ならびに線維症からなる群から選択される、方法に関する。
前記癌は、黒色腫、脳腫瘍、食道癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌、結腸直腸癌、肺癌、腎臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮癌(metrocarcinoma)、子宮内膜症、前立腺癌、皮膚癌、神経芽細胞腫、肉腫、骨軟骨腫、骨腫、骨肉腫、セミノーマ、精巣腫瘍、子宮癌(uterine cancer)、頭頸部癌、多発性骨髄腫、リンパ腫、真性赤血球増加症、白血病、甲状腺腫瘍、尿管腫瘍、膀胱癌、胆嚢癌、胆管癌、絨毛上皮癌および小児腫瘍からなる群から選択される。
別の態様では、本発明はまた、CD73によって媒介される疾患または状態を治療するための薬剤の調製における、式(I)〜(V)のいずれか1つの化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、またはそれらの医薬組成物の使用に関する。
前記CD73によって媒介される疾患または状態には、限定されないが、腫瘍、癌、免疫関連疾患、炎症関連疾患、神経系疾患、神経変性疾患および中枢神経系疾患、うつ病、パーキンソン病、脳および心臓の虚血性疾患、睡眠障害ならびに線維症が含まれる。
本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体を使用する従来の方法によって処方することができる。したがって、本発明の活性化合物は、経口、頬側、鼻腔内、非経口(例えば、静脈内、筋肉内または皮下)、直腸投与、吸入または吹送投与用の様々な剤形として処方され得る。本発明の化合物は、徐放性剤形としても処方され得る。
適切な剤形には、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤(lozenge)、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬質または軟質カプセル、またはシロップもしくはエリキシルが含まれるが、これらに限定されない。経口組成物は、医薬組成物を調製するための当技術分野の任意の既知の方法に従って調製することができる。そのような組成物は、心地よくて口当たりの良い医薬調製物を提供するために、甘味料、香味料、着色剤および防腐剤からなる群から選択される1つ以上の添加剤を含むことができる。錠剤は、有効成分と錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤を含む。これらの賦形剤は、不活性賦形剤、造粒剤、崩壊剤、および潤滑剤であり得る。錠剤は、コーティングされないか、または薬物の味をマスクするため、もしくは胃腸管における薬物の崩壊および吸収を遅らせ、それにより長期間にわたる持続放出を可能にするために、既知の技術によってコーティングされ得る。例えば、水溶性の味覚マスキング材料を使用することができる。
経口製剤はまた、有効成分が不活性な固体希釈剤と混合されるか、または有効成分が水溶性担体と混合されるソフトゼラチンカプセルとしても提供され得る。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された有効成分を含む。そのような賦形剤は、懸濁剤、分散剤または保湿剤であり、天然に存在するリン脂質であり得る。水性懸濁液は、1つ以上の防腐剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味料、および1つ以上の甘味料も含むことができる。
油懸濁液は、有効成分を植物油または鉱油に懸濁することによって処方することができる。油懸濁液は増粘剤を含むことができる。口当たりの良い調製物を提供するために、前述の甘味料および香味料を添加することができる。これらの組成物は、抗酸化剤を加えることによって保存することができる。
有効成分および分散剤または湿潤剤、懸濁剤または1つ以上の防腐剤は、水を加えることによって水性懸濁液を調製するのに適した分散性粉末または顆粒として調製され得る。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、すでに上述したものによって例示されている。甘味料、香料および着色剤などの追加の賦形剤を加えることもできる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることによって保存することができる。
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態でもあり得る。油相は、植物油、または鉱油、またはそれらの混合物であり得る。適切な乳化剤は、天然に存在するリン脂質であり得る。甘味料を使用することができる。そのような配合物は、モデレーター(moderator)、防腐剤、着色剤および抗酸化剤も含み得る。
医薬組成物は、無菌の注射可能な水溶液の形態であり得る。使用できる許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。無菌の注射可能な調製物はまた、有効成分が油相に溶解されている無菌の注射可能な水中油型マイクロエマルジョンであり得る。注射可能な溶液またはマイクロエマルジョンは、局所ボーラス注射によって個人の血流に導入することができる。あるいは、本化合物の一定の循環濃度を維持するような方法で溶液またはマイクロエマルジョンを投与することが有利であり得る。そのような一定の濃度を維持するために、連続的な静脈内送達デバイスを利用することができる。そのようなデバイスの一例は、Deltec CADD−PLUS. TM. 5400静脈内注射ポンプである。
医薬組成物は、筋肉内および皮下投与用の無菌の注射可能な水性または油性懸濁液の形態であり得る。そのような懸濁液は、既知の技術に従って、上述した適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて処方され得る。無菌の注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒で調製された無菌の注射可能な溶液または懸濁液であり得る。さらに、滅菌固定油を溶媒または懸濁媒体として容易に使用することができ、脂肪酸を注射剤の調製に使用することもできる。
本化合物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与することができる。これらの医薬組成物は、常温では固体であるが直腸内では液体であり、それにより直腸内で溶融して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって調製することができる。
頬側投与の場合、組成物は、従来の手段によって錠剤またはロゼンジ剤(lozenge)として処方することができる。
鼻腔内投与または吸入による投与の場合、本発明の活性化合物は、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適切なガス)を使用して、患者によって圧搾または圧送されるポンプスプレー容器から放出される溶液もしくは懸濁液の形態で、または加圧容器もしくはネブライザーから放出されるエアロゾルスプレーとして都合よく送達される。加圧エアロゾルの場合、投与量の単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定することができる。加圧容器またはネブライザーは、活性化合物の溶液または懸濁液を含むことができる。吸入器または吹送器で使用するためのカプセルまたはカートリッジ(例えば、ゼラチン製の)は、本発明の粉末混合物と、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末ベースとを含むように処方され得る。
薬物の投与量が、限定されないが以下の要因を含むさまざまな要因に依存することは当業者によく知られている:特定の化合物の活性、患者の年齢、体重、全身の健康、行動、食事、投与時間、投与経路、排泄率、薬物の組み合わせなど。さらに、治療モード、式(I)の化合物の1日量、またはその薬学的に許容される塩の種類などの最良の治療は、従来の治療レジメンによって検証することができる。
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される用語は、以下に記載される意味を有する。
「アルキル」は、C1−C20直鎖基および分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素基を指す。好ましくは、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を有するアルキルである。代表的な例には、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、n−オクチル、2,3−ジメチルヘキシル、2,4−ジメチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、2,2−ジメチルヘキシル、3,3−ジメチルヘキシル、4,4−ジメチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、2−メチル−2−エチルペンチル、2−メチル−3−エチルペンチル、n−ノニル、2−メチル−2−エチルヘキシル、2−メチル−3−エチルヘキシル、2,2−ジエチルペンチル、n−デシル、3,3−ジエチルヘキシル、2,2−ジエチルヘキシル、およびそれらの分岐鎖異性体が含まれる。より好ましくは、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである。代表的な例には、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチル等が含まれる。アルキル基は、置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は任意の利用可能な接続点で置換され得、好ましくは、置換基は、アルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホ、アルキルアミノ、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「アルケニル」は、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する上記で定義されるアルキル、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−、2−、または3−ブテニルなどを指し、好ましくはC2−20アルケニル、より好ましくはC2−12アルケニル、最も好ましくはC2−6アルケニルである。アルケニル基は、置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホ、アルキルアミノ、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「アルキニル」は、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する上記のように定義されるアルキル、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−、2−、または3−ブチニルなどを指し、好ましくはC2−20アルキニル、より好ましくはC2−12アルキニル、最も好ましくはC2−6アルキニルである。アルキニル基は、置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環式アルコキシル、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「アルキレン」は、親アルカンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することから誘導される2個の残基を有する、飽和直鎖または分岐脂肪族炭化水素基を指す。1〜20個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖基は、好ましくは1〜12個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。アルキレン基の非限定的な例には、限定されないが、メチレン(−CH−)、1,1−エチレン(−CH(CH)−)、1,2−エチレン(−CHCH)−、1,1−プロピレン(−CH(CHCH)−)、1,2−プロピレン(−CHCH(CH)−)、1,3−プロピレン(−CHCHCH−)、1,4−ブチリデン(−CHCHCHCH−)などが含まれる。アルキレン基は、置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環式アルコキシル、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「アルケニレン」は、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する上記で定義されるアルキレンを指し、好ましくはC2−20アルケニレン、より好ましくはC2−12アルケニレン、最も好ましくはC2−6アルケニレンである。アルケニレン基の非限定的な例には、限定されないが、−CH=CH−、−CH=CHCH−、−CH=CHCHCH−、−CHCH=CHCH−などが含まれる。アルケニレン基は、置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環式アルコキシル、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「シクロアルキル」は、3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子、より好ましくは3〜8個の炭素原子、最も好ましくは5〜8個の炭素原子または5〜6個の炭素原子を有する飽和または部分的に非飽和の単環式または多環式の炭化水素基を指す。単環式シクロアルキルの代表的な例には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクチル等が含まれる。多環式シクロアルキルには、スピロ環、縮合環、または架橋環を有するシクロアルキルが含まれる。
「スピロシクロアルキル」は、1つの共通の炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を通じて結合している環を有する5〜20員の多環式基を指し、該1つ以上の環は、1つ以上の二重結合を含むことができ、それはアリールおよびヘテロアリールであり得る。好ましくは、スピロシクロアルキルは6〜14員、より好ましくは8〜10員である。共通のスピロ原子の数により、スピロシクロアルキルは、モノ−スピロシクロアルキル、ジ−スピロシクロアルキル、またはポリ−スピロシクロアルキルに分けられ、好ましくは、モノ−スピロシクロアルキルまたはジ−スピロシクロアルキル、より好ましくは、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員のモノ−スピロシクロアルキルを指す。スピロシクロアルキルの代表的な例には、限定されないが、以下の群が含まれる:
Figure 2021535102
「縮合シクロアルキル」は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択される1つ以上の基と一緒に縮合方式で結合したシクロアルキルである多環式基を指す。ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、本発明で定義されるとおりである。環員数により、縮合シクロアルキルは、二環式、三環式、四環式または多環式縮合シクロアルキルに分けられ、好ましくは二環式または三環式縮合シクロアルキルを指し、より好ましくはアリール縮合C5−8シクロアルキル、ヘテロアリール縮合C5−8シクロアルキル、4員ヘテロシクリル縮合C5−8シクロアルキル、5員ヘテロシクリル縮合C5−8シクロアルキル、Cシクロアルキル縮合C5−8シクロアルキルまたはCシクロアルキル縮合C5−8シクロアルキルを指す。縮合シクロアルキルの代表的な例には、限定されないが、以下の群が含まれる:
Figure 2021535102
「架橋シクロアルキル」は、5〜20員の多環式炭化水素基であって、系内のどの2つの環も2つの連結していない炭素原子を共有しているものを指す。当該環は1つ以上の二重結合を有し得るが、完全に共役したπ電子系を有さない。好ましくは、架橋シクロアルキルは6〜14員、より好ましくは7〜10員である。環員数により、架橋シクロアルキルは、二環式、三環式、四環式または多環式架橋シクロアルキルに分けられ、好ましくは二環式、三環式または四環式架橋シクロアルキル、より好ましくは二環式または三環式架橋シクロアルキルを指す。架橋シクロアルキルの限定されない例の代表的な例には、限定されないが、以下の群が含まれる:
Figure 2021535102
シクロアルキルは、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式アルキルの環に縮合していてもよく、親構造に結合した環はシクロアルキルである。代表的な例には、限定されないが、インダニル酢酸、テトラヒドロナフタレン、ベンゾシクロヘプチルなどが含まれる。シクロアルキルは、任意に置換されていても、または無置換のものであってもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホ、アルキルアミノ、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「ヘテロシクリル」は、N、OおよびS(O)(式中、mは0、1、または2である)からなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を環原子として有する、3〜20員の飽和および/または部分的に非飽和の単環式または多環式炭化水素基を指す。ただし、環内に−O−O−、−O−S−、またはS−S−はなく、残りの環原子がCである。好ましくは、ヘテロシクリルは、1〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員;より好ましくは、1〜3個のヘテロ原子を有する3〜10員;最も好ましくは、1〜2個のヘテロ原子を有する5〜8員である。単環式ヘテロシクリルの代表的な例には、限定されないが、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、スルホモルホリニル、ホモピペラジニルなどが含まれる。多環式ヘテロシクリルには、スピロ環、縮合環または架橋環を有するヘテロシクリルが含まれる。
「スピロヘテロシクリル」は、1つの共通の炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を通じて結合している環を有する5〜20員の多環式ヘテロシクリルであって、前記環は、環原子としてN、O、およびS(O)(式中、mは、0、1または2である)からなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子はCであって、1つ以上の環は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択される1つ以上の基と一緒に縮合方式で結合することができる。ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、本発明で定義されるとおりである。好ましくは、スピロヘテロシクリルは6〜14員である。スピロヘテロシクリルの代表的な例には、限定されないが、以下の群が含まれる:
Figure 2021535102
「縮合ヘテロシクリル」は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択される1つ以上の基と一緒に縮合方式で結合したヘテロシクリルである多環式基を指す。ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、本発明で定義されるとおりである。環員数により、縮合ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式または多環式縮合ヘテロシクリルに分けられ、好ましくは二環式または三環式縮合ヘテロシクリルを指し、より好ましくはアリール縮合5〜8員ヘテロシクリル、ヘテロアリール縮合5〜8員ヘテロシクリル、C5−8シクロアルキル縮合4員ヘテロシクリル、C5−8シクロアルキル縮合5員ヘテロシクリル、C5−8シクロアルキル縮合6員ヘテロシクリルを指す。縮合ヘテロシクリルの代表的な例には、限定されないが、以下の群が含まれる:
Figure 2021535102
「架橋ヘテロシクリル」は、5〜14員の多環式複素環式アルキル基であって、系内のどの2つの環も2つの連結していない原子を共有しており、当該環は1つ以上の二重結合を有していてもよいが、完全に共役したπ電子系は有さず、当該環は、環原子としてN、OおよびS(O)(式中、mは、0、1または2である)からなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子はCであるものを指す。好ましくは、架橋ヘテロシクリルは6〜14員、より好ましくは7〜10員である。環員数により、架橋ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式または多環式架橋ヘテロシクリルに分けられ、好ましくは二環式、三環式または四環式架橋ヘテロシクリル、より好ましくは二環式または三環式架橋ヘテロシクリルを指す。架橋ヘテロシクリルの代表的な例には、限定されないが、以下の群が含まれる:
Figure 2021535102
前記ヘテロシクリルの環は、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルの環に縮合していてもよく、親構造に結合した環はヘテロシクリルである。代表的な例には、限定されないが、以下の群が含まれる:
Figure 2021535102
ヘテロシクリルは、任意に置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環式アルコキシル、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「アリール」は、6〜14員の全て炭素の単環式環または多環式縮合環(「縮合」環系とは、系内の各環が隣り合った炭素原子対を系内の別の環と共有することを意味する)の基を指し、完全に共役したπ電子系を有する。好ましくは、アリールは6〜10員、例えばフェニルおよびナフチルであり、最も好ましくはフェニルである。アリールは、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルの環に縮合していてもよく、親構造に結合した環がアリールである。代表的な例には、限定されないが、以下の群が含まれる:
Figure 2021535102
アリール基は、置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環式アルコキシル、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「ヘテロアリール」は、環原子としてO、SおよびNからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、かつ5〜14個の環状原子を有するアリール系を指す。好ましくは、ヘテロアリールは5〜10員、より好ましくは5員または6員であり、例えばチアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N−アルキルピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、テトラゾリルなどである。ヘテロアリールは、アリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルの環に縮合していてもよく、親構造に結合した環がヘテロアリールである。代表的な例には、限定されないが、以下の群が含まれる:
Figure 2021535102
ヘテロアリール基は、置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環式アルコキシル、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「アルコキシ」は、−O−(アルキル)および−O−(無置換シクロアルキル)基の両方を指し、ここで、アルキルは、上記で定義したとおりである。代表的な例には、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。アルコキシは、置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシル、複素環式アルコキシル、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオおよびオキソ基からなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「結合」は、「―」の記号を使用した共有結合を指す。
「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指し、ここで、アルキルは上記で定義されたとおりである。
「ヒドロキシ」は、−OH基を指す。
「ハロゲン」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を指す。
「アミノ」は、−NH基を指す。
「シアノ」は、−CN基を指す。
「ニトロ」は、−NO基を指す。
「オキソ基」は、=O基を指す。
「カルボキシル」は、−C(O)OH基を指す。
「任意の」または「任意に」は、続いて記載した出来事や状況が発生し得るが、発生する必要はないことを意味し、そのような記載は、その出来事や状況が発生し得るまたは発生し得ない状態を含んでいる。例えば、「アルキルで任意に置換された複素環基」は、アルキル基が存在し得るが、存在する必要はないことを意味し、そのような記載は、複素環基がアルキルで置換されている場合と複素環基がアルキルで置換されていない場合を含む。
「置換された」は、基内の1個以上の水素原子、好ましくは最大5個、より好ましくは1〜3個の水素原子が、対応する数の置換基で独立して置換されていることを指す。置換基は、それらの可能な化学的位置にのみ存在することは言うまでもない。当業者は、実験または理論による過剰な努力を払うことなく、置換が可能であるか不可能であるかを決定することができる。例えば、フリーの水素を有するアミノ基またはヒドロキシ基と、不飽和結合(例えば、オレフィン性)を有する炭素原子との組み合わせは不安定である可能性がある。
「医薬組成物」は、本発明に記載の1つ以上の化合物またはその生理学的/薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグと、生理学的/薬学的に許容される担体および賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物の目的は、化合物の生物への投与を容易にすることであり、このことは、有効成分の吸収、したがって生物学的活性を示すことに寄与する。
「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の塩を指し、そのような塩は、哺乳動物において使用される場合に安全かつ効果的であり、対応する生物学的活性を有する。
塩の形態に加えて、本発明は、プロドラッグの形態である化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受けて本発明の化合物をもたらす化合物である。さらに、プロドラッグは、ex vivo環境において化学的または生化学的方法によって本発明の化合物に変換され得る。例えば、プロドラッグは、適切な酵素または化学試薬とともに経皮パッチリザーバーに配置された場合、本発明の化合物にゆっくりと変換され得る。
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態、ならびに水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。本発明の特定の化合物は、複数の結晶形態またはアモルファス形態で存在し得る。一般に、すべての物理的形態は、本発明によって企図される使用について同等であり、本発明の範囲内にあることが意図されている。
本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する1つ以上の原子において非天然な割合の原子同位体を含み得る。同位体の非天然な割合は、自然界に見られる量から問題の原子の100%からなる量までの範囲として定義され得る。例えば、化合物は、例えばトリチウム(H)、ヨウ素−125(1251)もしくは炭素−14(14C)などの放射性同位体、または重水素(D)もしくは炭素−13(13C)などの非放射性同位体を取り込むことができる。このような同位体のバリエーションは、本出願内の他の場所で説明されている有用性に対する追加の有用性を与えることができる。例えば、本発明の化合物の同位体バリアントは、限定されないが、診断および/または画像化試薬としての、または細胞毒性/放射線毒性治療薬としてのものを含む、追加の有用性を見出すことができる。
「治療有効量」という句は、対象に投与されたときに、疾患、障害、または状態の任意の症状、側面、または特徴に対して任意の検出可能な正の効果を有することができる量で、単独でまたは医薬組成物の一部として、および単回投与または一連の投与の一部として、対象に薬剤を投与することを指す。治療有効量は、関連する生理学的効果を測定することによって確認することができ、投与レジメンおよび対象の状態の診断分析などに関連して調整することができる。例として、投与後の特定の時点でのCD73阻害剤(または、例えば、その代謝産物)の血清レベルの測定は、治療有効量が使用されたかどうかを示し得る。
・合成方法
本発明の目的を達成するために、本発明は、限定されないが、以下の技術的解決策を適用する:
Figure 2021535102
(TMSBrなどの)酸性条件下で式(IA)の化合物を反応させてRおよびアセタールの保護基を除去して、式(I)の化合物を得ること;
式中:
はアルキルであり:
ZはOであり;
およびRはともに水素であり;
およびRはともにヒドロキシであり;および
Y、W、Q、G、G、G、G、環A、R、R、R、R、R、mおよびsは、式(I)で定義されているとおりである。
酸性条件をもたらす試薬には、限定されないが、塩化水素、塩化水素1,4−ジオキサン溶液、トリメチルシリルブロミド(TMSBr)、塩化アンモニウム、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸一水和物およびTMSOTfが含まれる。
該反応は好ましくは溶媒中においてであり、該反応で使用される溶媒には、限定されないが、酢酸、メタノール、エタノール、トルエン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、水、N,N−ジメチルホルムアミドおよびそれらの混合物が含まれる。
本発明の目的を達成するために、本発明は、限定されないが、以下の技術的解決策を適用する:
Figure 2021535102
(TMSBrなどの)酸性条件下で式(IIA)の化合物を反応させてRおよびアセタールの保護基を除去して、式(II)の化合物を得ること;
式中:
はアルキルであり:
ZはOであり;
およびRはともに水素であり;
およびRはともにヒドロキシであり;および
Y、W、Q、G、G、G、G、環A、R、R、R、R、R、mおよびsは、式(II)で定義されているとおりである。
酸性条件をもたらす試薬には、限定されないが、塩化水素、塩化水素1,4−ジオキサン溶液、トリメチルシリルブロミド(TMSBr)、塩化アンモニウム、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸一水和物およびTMSOTfが含まれる。
該反応は好ましくは溶媒中においてであり、該反応で使用される溶媒には、限定されないが、酢酸、メタノール、エタノール、トルエン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、水、N,N−ジメチルホルムアミドおよびそれらの混合物が含まれる。
本発明の目的を達成するために、本発明は、限定されないが、以下の技術的解決策を適用する:
Figure 2021535102
(TMSBrなどの)酸性条件下で式(IIIA)の化合物を反応させてRおよびアセタールの保護基を除去して、式(III)の化合物を得ること;
式中:
はアルキルであり:
ZはOであり;
およびRはともにヒドロキシであり;および
W、Q、G、G、G、G、環A、R、R、mおよびsは、式(III)で定義されているとおりである。
酸性条件をもたらす試薬には、限定されないが、塩化水素、塩化水素1,4−ジオキサン溶液、トリメチルシリルブロミド(TMSBr)、塩化アンモニウム、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸一水和物およびTMSOTfが含まれる。
該反応は好ましくは溶媒中においてであり、該反応で使用される溶媒には、限定されないが、酢酸、メタノール、エタノール、トルエン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、水、N,N−ジメチルホルムアミドおよびそれらの混合物が含まれる。
Figure 2021535102
ステップ1、(DBUなどの)アルカリ性条件下で式(IV−1)と式(IV−2)を反応させて、式(IV−3)を得るステップ;
ステップ2、(p−トルエンスルホン酸などの)酸性条件下で式(IV−3)と2,2−ジメトキシプロパンを反応させてから反応混合物を中和して、式(IV−4)を得るステップ;
ステップ3、(マグネシウムt−ブトキシドなどの)アルカリ性条件下で式(IV−4)と式(IV−5)を反応させて、式(IVA)を得るステップ;
ステップ4、(TMSBrなどの)酸性条件下で式(IVA)の化合物を反応させてRおよびアセタールの保護基を除去して、式(IV)の化合物を得るステップ;
式中:
Xはハロゲン、好ましくは塩素であり;
はアルキルであり;
は脱離基、好ましくは
Figure 2021535102
であり;
MはOであり;および
環A、G、G、R、R、mおよびsは、式(IV)で定義されているとおりである。
アルカリ性条件は、有機塩基または無機塩基によってもたらされ、当該有機塩基には、限定されないが、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、n−ブチルリチウム、tert−ブチルカリウムアルコキシド、マグネシウムt−ブトキシドが含まれ;当該無機塩基には、限定されないが、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、または炭酸セシウムが含まれる。
酸性条件をもたらす試薬には、限定されないが、塩化水素、塩化水素1,4−ジオキサン溶液、トリメチルシリルブロミド(TMSBr)、塩化アンモニウム、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸一水和物およびTMSOTfが含まれる。
該反応は好ましくは溶媒中においてであり、該反応で使用される溶媒には、限定されないが、酢酸、メタノール、エタノール、トルエン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、水、N,N−ジメチルホルムアミドおよびそれらの混合物が含まれる。
化合物の構造は、質量分析(MS)および/または核磁気共鳴(NMR)によって決定される。NMRシフト(δ)は、10−6(ppm)の単位で与えられる。
マススペクトル(MS)は、Shimadzu LCMS−2020液体クロマトグラフ−質量分析計を用いて測定した。
NMR測定は、Bruker社製AVANCE−400および500 Ultrashield核磁気共鳴分光計で行った。溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)、重水素化クロロホルム(CDCl)および重水素化メタノール(CDOD)であった。
HPLCは、Shimadzu OPTION BOX−L高圧液相クロマトグラフ(Gimini 5μm NX−C18 100×21.2mmカラム)を用いて行った。
使用した薄層クロマトグラフィー(TLC)シリカゲルプレートは、サイズ50μmのAgela Technologies社製T−CSF10050−Mシリカゲルプレートであった。
カラムクロマトグラフィーは、通常、CombiFlash Rf+ 自動フラッシュクロマトグラフィーシステム(TELEDYNE ISCO)とAgela Technologies社製フラッシュカラムシリカ−CSプレパックカラムを使用して行われた。
本発明の既知の出発物質は、当技術分野で既知の方法により合成され得るか、またはAcros Organics、Sigma−Aldrich Chemical Company、AstaTechおよび他の会社から購入され得る。実施例に別段の定めがない限り、反応は、アルゴン雰囲気または窒素雰囲気下で実施され得る。
アルゴン雰囲気または窒素雰囲気は、約1Lのアルゴンバルーンまたは窒素バルーンに接続された反応フラスコを指す。
水素雰囲気は、体積約1Lの水素バルーンに接続された反応ボトルを指す。
水素化反応は通常、真空にし、水素で満たすことを3回繰り返す。
マイクロ波反応では、CEM Discover−S 908860マイクロ波反応器を使用した。
実施例に別段の定めがない限り、反応温度は室温であり、20℃〜30℃である。
実施例における反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いてモニターされ、反応のための展開溶媒、化合物の精製のためのカラムクロマトグラフィー溶離液、および薄層クロマトグラフィーのための展開系には以下が含まれる:A:ジクロロメタン/メタノール系、B:n−ヘキサン/酢酸エチル系、C:ジクロロメタン/酢酸エチル系。溶媒の体積比は、化合物の極性に応じて調整される。少量のトリエチルアミンおよび酢酸およびその他のアルカリ性または酸性試薬が調整のために使用され得る。
TEAはトリエチルアミンであり、
THFはテトラヒドロフランであり、
DBUは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンであり、
DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピルであり;
DIPEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり、
EtOAcは酢酸エチルであり、
EtNはトリエチルアミンであり、
HATUは1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェートであり、
MgSOは硫酸マグネシウムであり、
NaHCOは重炭酸ナトリウムであり、
NHHCOは重炭酸アンモニウムであり、
TBAFはテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドであり、
p−TsOHはp−トルエンスルホン酸であり、
TMSBrはブロモトリメチルシランであり、
TMSOTfはトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルであり、
DCMはジクロロメタンであり、
DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、
DMSOはジメチルスルホキシドであり、および
MSは質量分析法であり、(+)は、一般にM+1(またはM+H)吸収を与えるポジティブモードを指し、ここでMは分子量に等しい。
・実施例1
((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 1
Figure 2021535102
・ステップ1
(2R,3R,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(4,6−ジクロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート 1c
乾燥した丸底フラスコ(500mL)に、4,6−ジクロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン 1b(12.5g、66.1mmol)、硫酸アンモニウム(0.1g、0.75mmol)およびヘキサメチルジシラザン(75mL)を入れた。3時間還流した後、混合物を室温に冷却してから、真空中で濃縮乾固した。得られた残留物をアセトニトリル(150mL)に取り、続いて(2S,3R,4R,5R)−5−(アセトキシメチル)−テトラヒドロフラン−2,3,4−トリイルトリアセテート 1a(25.3g、79.5mmol)を加えた。次に、混合物を0℃に冷却し、続いてTMSOTf(13.5mL、72.5mmol)を滴下して加えた。
室温までゆっくりと温めた温度で18時間撹拌した後、反応混合物をロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮し、残留物をEtOAc(150mL)に取り、飽和NaHCO水溶液およびブラインで順番に洗浄した。有機相を無水MgSOで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮し、TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてヘキサン中の0〜40%EtOAcを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、黄色がかった粘着性油として1cを得た(22.4g、収率:76%)。MS(ESI):m/z=447[M+1]。
・ステップ2
(2R,3R,4S,5R)−2−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール 1d
MeOH(15mL)中の(2R,3R,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(4,6−ジクロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート 1c(3g、6.72mmol)の溶液に、2−アザスピロ[3.5]ノナン(0.84g、6.72mmol)およびEtN(0.94mL、6.72mmol)を室温で順番に加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物にDBU(1.51mL、10.08mmol)を加えた。反応混合物をさらに室温で2時間撹拌し、真空で濃縮した。TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてDCM中の5%MeOHを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、得られた残留物を精製して、白色固体として1dを得た(2.1g、収率:76%)。MS(ESI):m/z=410[M+1]。
・ステップ3
((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール 1e
無水アセトン(15mL)中の(2R,3R,4S,5R)−2−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール 1d(1.12g、2.74mmol)の溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(4.04mL、32.88mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(521mg、2.74mmol)を順番に加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物に重炭酸ナトリウム(345mg、4.1mmol)および水(7mL)を加え、混合物を室温で2時間撹拌し続けた。混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、ろ過し、そして真空で濃縮した。TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてヘキサン中の0〜60%EtOAcを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、白色固体として1eを得た(0.98g、収率:80%)。MS(ESI):m/z=450[M+1]。
・ステップ3
ジエチル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 1f
DMF(2mL)中の((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール 1e(168mg、0.37mmol)およびマグネシウムt−ブトキシド(95mg、0.56mmol)の溶液を室温で5分間撹拌した後、DMF(1mL)中の(ジエトキシホスホリル)−メチル2−ニトロベンゼンスルホネート(198mg、0.56mmol)の溶液を加えた。40℃で3時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮した。次に、TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてヘキサン中の0〜50%EtOAcを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、白色固体として1fを得た(155mg、収率:70%)。MS(ESI):m/z=600[M+1]。
・ステップ5
((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 1
DCM(2mL)中のジエチル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 1f(103.8mg、0.17mmol)の溶液に、TMSBr(0.23mL、1.73mmol)を0℃で滴下した。0℃で5時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO水溶液でクエンチし、HPLCによって精製して、白色固体として1を得た(25mg、収率:29%):H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.19(s,1H)、6.02(d,J=4.3Hz,1H)、4.57(t,J=4.7Hz,1H)、4.33(t,J=4.9Hz,1H)、4.21−4.12(m,2H)、4.06(m,2H)、3.92(brs,3H)、3.80−3.70(m,3H)、3.70−3.10(m,3H)、1.73−1.71(m,2H)、1.54−1.44(m,4H)、1.42−1.35(m,2H)、1.34−1.24(m,2H)。31P NMR(203MHz,DMSO−d6)δ17.00(s)。MS(ESI):m/z=504[M+1]。
・実施例2
Figure 2021535102
((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 2
Figure 2021535102
・ステップ1
メチル2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシレート 2b
乾燥した丸底フラスコに、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボン酸 2a(10.0g、61.66mmol)およびDCM(100mL)を入れ、続いて室温でSOCl(6.7mL、92.49mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌してから、ロータリーエバポレーター(rotavapor)で半分の体積に濃縮した。上記の反応混合物にMeOH(100mL)をゆっくりと加え、反応を室温で3時間撹拌し続けた。次に、混合物をロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮し、TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてヘキサン中の0〜25%EtOAc用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の油として所望の生成物2bを得た(9.85g、収率:91%)。MS(ESI):m/z=177[M+1]。
・ステップ2
1−エチル1−メチル2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1,1−ジカルボキシレート 2c
乾燥した丸底フラスコに、メチル2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシレート 2b(3.80g、21.6mmol)およびTHF(50mL)を入れ、溶液を−78℃に冷却した。この溶液に、ヘキサン/THF中の1Mリチウムジイソプロピルアミド(24mL、24mmol)を加え、1時間撹拌した。次に、シアノギ酸エチル(2.97g、30mmol)を加え、反応混合物を一晩撹拌しながら、温度をゆっくりと室温まで温めた。反応を飽和NHCl水溶液でクエンチし、15分間撹拌した。次に、混合物をEtOAc(100mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、ろ過し、そしてロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮した。TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてヘキサン中の0〜30%EtOAcを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、無色の油として2cを得た(4.5g、収率:90%)。MS(ESI):m/z=249[M+1]。
・ステップ3
(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1,1−ジイル)ジメタノール 2d
乾燥した丸底フラスコに、1−エチル1−メチル2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1,1−ジカルボキシレート 2c(3.00g、12.00mmol)およびTHF(15mL)を入れ、続いて溶液を0℃に冷却した。この溶液に、THF中の1M水素化アルミニウムリチウム(96mL、96mmol)を滴下して加え、混合物を一晩撹拌して、温度を室温まで上昇させた。混合物を飽和NHCl水溶液および4M HClでそれぞれ0℃にてクエンチして透明な溶液を得てから、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮した。得られた残留物を、TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてヘキサン中の0〜50%EtOAcを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として2dを得た(1.6g、収率:75%)。MS(ESI):m/z=179[M+1]。
・ステップ4
(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1,1−ジイル)ビス(メチレン)ジメタンスルホネート 2e
乾燥した丸底フラスコに、(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1,1−ジイル)ジメタノール 2d(1.00g、5.61mmol)、EtN(2.72mL、19.64mmol)およびDCM(15mL)を入れ、続いて溶液を0℃に冷却した。この溶液にメタンスルホニルクロリド(1.30mL、16.83mmol)を加え、0℃で2時間撹拌した。次に、混合物をEtOAc(25mL)で希釈し、水で洗浄した。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過し、そしてロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮した。TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてヘキサン中の0〜30%EtOAcを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、白色固体として2eを得た(1.73g、収率:92%)。MS(ESI):m/z=335[M+1]。
・ステップ5
1−ベンジル−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン] 2f
バイアルに、(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1,1−ジイル)ビス(メチレン)ジメタンスルホネート 2e(1.50g、4.49mmol)およびベンジルアミン(10mL)を入れ、110℃で15時間撹拌した。冷却して、ロータリーエバポレーター(rotavapor)で揮発性物質を除去した後、残留物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液でクエンチした。有機相を分離し、水相をEtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過し、そしてロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮した。TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてヘキサン中0〜60%のEtOAcを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、白色固体として2fを得た(0.26g、収率:23%)。MS(ESI):m/z=250[M+1]。
・ステップ6
2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]アセテート 2g
丸底フラスコに、1−ベンジル−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン] 2f(0.26g、1.04mmol)、20%Pd/C(100mg)、AcOH(0.1mL)およびメタノール(15mL)を入れた。フラスコにセプタムをかぶせ、真空および窒素ガスの補充により空気を窒素ガスと交換した。次に、混合物を1気圧のH雰囲気下、室温で15時間撹拌した。固体をろ過により除去し、メタノールで洗浄した。ろ液をロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮し、残留物を真空乾燥して粗製の2gを得、これをさらに精製することなく次の反応に直接使用した。MS(ESI):m/z=160[M+1]。
・ステップ7
(2R,3R,4S,5R)−2−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1Hピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール 2h
丸底フラスコに、粗製の2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]アセテート 2g(0.26g、1.20mmol)、EtN(0.5mL、3.6mmol)およびメタノール(10mL)を入れてから、0℃に冷却した。この溶液に、メタノール(2mL)中の(2R,3R,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(4,6−ジクロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート 1c(0.54g、1.2mmol)を加え、反応混合物を0℃で1時間および室温で1時間それぞれ撹拌した。次に、反応混合物を0℃に再冷却し、続いてDBU(0.51mL、3.6mmol)を加えた。温度を室温まで温めながら、反応を2時間行った。混合物をロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮し、TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてジクロロメタン中の0〜10%メタノールを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、白色固体として2hを得た(0.33g、収率:62%)。MS(ESI):m/z=444[M+1]。
・ステップ8
((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール 2i
バイアルに、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1Hピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール 2h(0.33g、0.74mmol)、2,2−ジメトキシプロパン(1.12mL、8.88mmol)およびアセトン(5mL)を入れた。この溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.13g、0.68mmol)を加え、反応物を室温で4時間撹拌した。反応混合物をロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮し、残留物をEtOAc(25mL)に取り、続いて飽和NaHCO水溶液でクエンチし、EtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、ろ過し、そしてロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮した。TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてDCM中の0〜40%EtOAcを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、白色固体として2iを得た(0.18g、収率:50%)。MS(ESI):m/z=484[M+1]。
・ステップ9
ジエチル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 2j
乾燥したバイアルに、((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール 2i(0.10g、0.21mmol)、Mg(OtBu)(0.11g、0.32mmol)およびDMF(1.5mL)を入れ、続いて室温で5分間撹拌した。この混合物に、DMF(0.5mL)中の(ジエトキシホスホリル)メチルノシレート(72mg、0.42mmol)の溶液を加え、40℃で3時間撹拌した。次に、反応混合物をHO(5mL)で希釈し、飽和NHCl水溶液(2mL)でクエンチし、そしてEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、ろ過し、そしてロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮した。TELEDYNE ISCOシステム上で溶離液としてDCM中の0〜70%EtOAcを用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、無色の粘着性油として2jを得た(0.13g、収率:98%)。MS(ESI):m/z=634[M+1]。
・ステップ10
((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 2
乾燥したバイアルに、ジエチル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 2j(130mg、0.21mmol)およびDCM(3mL)を入れ、続いて氷浴で溶液を0℃に冷却した。それにトリメチルシリルブロミド(0.23mL、1.68mmol)を滴下し、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。次に、溶液をロータリーエバポレーター(rotavapor)により0℃で濃縮し、残留物を真空中で乾燥させた。残留物に、氷冷したTFA水溶液(5%HOを含む0.64mL)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を撹拌しながらHO中(10mL)の炭酸ナトリウム(0.89g)の溶液に滴下して加えた。30分後、懸濁した混合物をアセトニトリルおよび水と混合して透明な溶液を得、これをHO中の10〜70%メタノール+0.5%NHHCOを用いたHPLCによる精製に使用して、白色固体として2を得た(56mg、収率:49%)。MS(ESI):m/z=538[M+1]。H NMR(500MHz,メタノール−d)δ8.10(s,1H)、7.53(t,J=7.0Hz,1H),7.35−7.19(m,3H)、6.25(d,J=4.0Hz,1H)、4.76(t,J=4.6Hz,1H)、4.74−4.58(m,2H)、4.52(t,J=5.2Hz,1H)、4.50−4.38(m,2H)、4.22(q,J=5.2Hz,1H)、3.79(dd,J=10.5,4.6Hz,1H)、3.71(dd,J=10.5,6.0Hz,1H)、3.62(dd,J=9.0,1.7Hz,2H)、3.01(t,J=7.1Hz,2H)、2.54(q,J=7.5Hz,2H)。31P NMR(203MHz,メタノール−d)δ14.89(s)。
・実施例3および4
Figure 2021535102
((((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチルイソプロピルカーボネート 3、および
((((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホリル)ビス(オキシ))ビス(メチレン)ジイソプロピルデカーボネート 4
Figure 2021535102
・ステップ1
((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 2k
乾燥した丸底フラスコに、2j(478mg、0.75mmol)およびDCM(10mL)を入れた。得られた溶液を0℃に冷却した後、TMSBr(1.0mL、7.54mmol)を滴下した。0℃で3時間撹拌した後、反応混合物をロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮し、さらに真空中で乾燥させた。得られた残留物を氷冷DCMに取り、その後、HO(3mL)中のNHHCO(119mg、1.51mmol)の溶液に0℃で滴下して加えた。0℃で30分間撹拌した後、溶離液としてHO中の40〜90%MeOHを用いたHPLCによって混合物を精製して、白色固体として2kを得た(210mg、49%)。MS(ESI):m/z=578[M+1]。
・ステップ2
((((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチルイソプロピルカーボネート 3、および
((((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホリル)ビス(オキシ))ビス(メチレン)ジイソプロピルデカーボネート 4
乾燥した丸底フラスコに、2k(180mg、0.31mmol)、クロロメチルイソプロピルカーボネート(285mg、1.87mmol)、n−BuNBr(400mg、1.24mmol)およびN−メチルピロリドン(1.5mL)を入れ、続いて室温でEtN(0.13mL、0.93mmol)を加えた。55℃で4時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、HO(10mL)で希釈し、そしてEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーター(rotavapor)で濃縮し、さらに真空で乾燥させた。得られた残留物を氷冷したTFA(5%HOを含む0.47mL)に取った。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を0℃でHO(15mL)中のNaHCO(822mg)の溶液にゆっくりと滴下し、室温で15分間撹拌した。得られた混合物を、HO中の30〜80%MeCNを用いたHPLCによって精製して、白色固体としての3(32mg、収率:16%)、MS(ESI):m/z=654[M+1]および白色固体としての4(16mg、収率:7%)、MS(ESI):m/z=770[M+1]をそれぞれ得た。
・実施例5
Figure 2021535102
((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 5
Figure 2021535102
・ステップ1
tert−ブチル3−(4−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート 5c
無水THF(20mL)中の(2−ブロモ−5−クロロフェニル)メタノール 5a(2.00g、9.03mmol)の溶液に、−78°Cでn−ブチルリチウム(8.50mL、ヘキサン中1.6M、13.60mmol)を滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、反応混合物に、無水THF(5mL)中のN−Boc−3−アゼチジノン 5b(1.60g、9.35mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌した。反応混合物を氷冷のNHCl水溶液(10mL、10%)でクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=3:7)によって精製して、5cを得た(0.50g、収率:17.6%)。MS(ESI):m/z=314[M+1]。
・ステップ2
tert−ブチル3−(4−クロロ−2−(クロロメチル)フェニル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート 5d
DCM(10mL)中のtert−ブチル3−(4−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート 5c(0.5g、1.59mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド溶液(0.537mL、6.94mmol)およびトリエチルアミン(1.095mL、8.01mmol)を室温で加えた。室温で3時間撹拌した後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、次いで真空下で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=3:7)によって残留物を精製して、5dを得た(0.1g、収率:18.9%)。MS(ESI):m/z=333[M+1]。
・ステップ3
tert−ブチル5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−カルボキシレート 5e
THF(5mL)中のtert−ブチル3−(4−クロロ−2−(クロロメチル)フェニル)−3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート(0.1g、0.30mmol)5dの溶液に、水素化ナトリウム(27mg、0.70mmol、鉱油中60%)を0℃で少しずつ加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌してから、氷水でクエンチし、続いてEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空下で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=3:7)によって残留物を精製して、5eを得た(80mg、収率:90%)。MS(ESI):m/z=296[M+1]。
・ステップ4
5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン] 5f
DCM(2mL)中のtert−ブチル5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−カルボキシレート 5e(80mg、0.27mmol)およびトリフルオロ酢酸(1mL)の溶液を室温で2時間撹拌した。溶液を真空で濃縮して5fを得た(50mg、収率:95%)。MS(ESI):m/z=196.0[M+1]。
・ステップ5
(2R,3R,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート 5g
エタノール(10mL)中の5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン] 5f(50mg、0.26mmol)の溶液に、(2R,3R,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(4,6−ジクロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート 1c(125mg、0.28mmol)およびDIPEA(50mg、0.39mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で15分間、次に室温で3.0時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:1)によって残留物を精製して、5gを得た(146mg、収率:93%)。MS(ESI):m/z=606[M+1]。
・ステップ6
(2R,3R,4S,5R)−2−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール 5h
エタノール(15ml)中の(2R,3R,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート 5g(230mg、0.38mmol)の溶液に、DBU(116mg、0.76mmol)を室温で加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=4:1)によって残留物を精製して、5hを得た(135mg、収率:74%)。MS(ESI):m/z=480.0[M+1]。
・ステップ7
((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール 5i
アセトン(5mL)中の(2R,3R,4S,5R)−2−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール 5h(135mg、0.28mmol)の溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(43.9mg、0.42mmol)およびp−TsOH一水和物(71.7mg、0.42mmol)を室温で加えた。室温で2時間撹拌した後、反応物をEtN(200μL)で中和し、真空下で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc75%〜100%)によって粗生成物を精製して、5iを得た(88mg、収率:60.2%)。MS(ESI):m/z=520[M+1]。
・ステップ8
ジ−tert−ブチル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 5j
無水DMF(2.5mL)中の((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール 5i(88mg、0.17mmol)の溶液に、(ジ−tert−ブトキシホスホリル)メチル4−ニトロベンゼンスルホネート(104mg、0.25mmol)およびマグネシウム2−メチルプロパン−2−オレート(72.1mg、0.42mmol)を室温で加えた。反応混合物を50℃で18時間撹拌してから室温に冷却し、続いて水(10mL)および酢酸エチル(20mL)を加えた。反応混合物をセライトの短いパッドに通した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空で濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM:メタノール=10:1)によって残留物を精製して、5jを得た(80mg、収率:65%)。MS(ESI):m/z=726[M+1]。
・ステップ9
((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 5
DCM(2mL)に溶解したジ−tert−ブチル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(5’−クロロ−3’H−スピロ[アゼチジン−3,1’−イソベンゾフラン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 5j(80mg、0.11mmol)の溶液に、TFA(0.5mL)および水(0.5mL)を加えた。反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮した。得られた残留物をMeOH(2mL)で希釈し、MeOH中の7.0MのNH(2mL)でpH約7.0に中和した。混合物を真空で濃縮し、逆相HPLC(C−18カラム、0.1%HCOOHを含むアセトニトリルおよび水の0〜30%グラジエント)によって残留物を精製して、黄色の固体として5を得た(20mg、収率:32%):H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.09(s,1H)、7.58(s,1H)、7.41(d,J=8.3Hz,1H)、7.36(s,1H)、6.24(s,1H)、5.17(s,2H)、4.82(brs,2H)、4.74(t,J=4.8Hz,1H)、4.62(brs,2H)、4.50(t,J=5Hz,1H)、4.22−4.18(m,1H)、3.79−3.75(m,1H)、3.71−3.67(m,1H)、3.00(s,1H)、2.86(s,1H)。MS(ESI):m/z=574[M+1]。
・実施例6
Figure 2021535102
((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 6
Figure 2021535102
・ステップ1
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル 6b
THF−エタノール(100mL、1:1)中の6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン 6a(20.0g、133.2mmol)の溶液に、THF(35mL)中のカリウムtert−ブトキシド(30.0g、267.4mmol)を0℃で加えた。反応混合物を20℃に温め、続いてp−トリルスルホニルメチルイソシアニド(40.0g、204.88mmol)を1時間で少しずつ加えた。反応混合物を同じ温度で16時間撹拌し続け、次に0℃に冷却した後、激しく撹拌しながらブライン(100mL)を加えた。混合物をブライン(500mL)に注ぎ、EtOAc(4×250mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空中で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、6bを得た(13.0g、収率:60.6%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.27−7.21(m,1H)、7.15−7.12(m,1H)、7.00−6.99(m,1H)、4.10(t,J=8.3Hz,1H)、3.06−3.00(m,1H)、2.95−2.85(m,1H)、2.65−2.60(m,1H)、2.47−2.40(m,1H)。
・ステップ2
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボン酸 6c
水(50mL)中の6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル 6b(5.0g、31.0mmol)および水酸化ナトリウム(2.50g、62.5mmol)の混合物を5.0時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶液をEtOAc(2×25mL)で抽出した。水相を水(50mL)で希釈し、濃塩酸を注意深く加えることにより、0℃でpH値を2〜3に調整した。得られた濁った混合物をDCM(50mL)で抽出し、DCM層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空で濃縮した。ヘキサン/EtOAc溶離液を用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、6cを得た(5.0g、収率:89.5%)。MS(ESI):m/z=179[M−1]。
・ステップ3
メチル6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシレート 6d
DCM(25mL)中の6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボン酸 6c(5.0g、27.8mmol)の溶液およびピリジン(220mg、2.78mmol)に、塩化チオニル(2.01mL、2.78mmol)を0℃で加えた。メタノール(25mL)を加える前に、溶液を室温で2.0時間撹拌した。室温でさらに2時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:2)によって精製して、6dを得た(5.20g、収率:96.5%)。
・ステップ4
6−フルオロ−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボン酸 6e
DMSO(20ml)中のメチル6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシレート 6d(2.0g、10.30mmol)、ホルムアルデヒド(1.75g、20.75mmol、水中38%)および炭酸カリウム(4.3g、31.1mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。次に、混合物を氷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:2)によって精製して、6eを得た(2.1g、収率:97.1%)。MS(ESI):m/z=209[M−1]。
・ステップ5
N−ベンジル−6−フルオロ−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキサミド 6f
DMF(25mL)中の6−フルオロ−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボン酸 6e(2.1g、10.0mmol)の溶液に、フェニルメタンアミン(1.2g、11.2mmol)、DIPEA(1.95g、15.1mmol)、およびHATU(3.6g、15.3mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、DCMと水との間で分配した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(DCM中の10%MeOH)によって残留物を精製して、6fを得た(2.70g、収率:90.3%)。MS(ESI):m/z=300[M+1]。
・ステップ6
(1−(ベンジルカルバモイル)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチルメタンスルホネート 6g
DCM(40mL)中のN−ベンジル−6−フルオロ−1−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキサミド 6f(2.70g、9.02mmol)の溶液に、トリエチルアミン(1.89mL、13.54mmol)およびメタンスルホニルクロリド(0.89mL、11.35mmol)を0〜5℃で順番に加えた。室温で12時間撹拌した後、反応混合物を氷水(50mL)に注ぎ、DCM(3×25mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=6:1)によって残留物を精製して、6gを得た(3.0g、収率:88.2%)。MS(ESI):m/z=378[M+1]。
・ステップ7
1−ベンジル−6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−2−オン 6h
アセトニトリル(25ml)中の(1−(ベンジルカルバモイル)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチルメタンスルホネート 6g(3.0g、7.95mmol)の溶液に、炭酸カリウム(2.2g、15.92mmol)を加えた。室温で16時間撹拌した後、混合物を氷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:2)によって残留物を精製して、6hを得た(2.0g、収率:89.5%)。MS(ESI):m/z=282[M+1]。
・ステップ8
1−ベンジル−6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン] 6i
THF(10mL)中の塩化アルミニウム(0.95g、7.15mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(4.36mL、10.91mmol、THF中の2.5M溶液)を0℃で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。混合物に、THF(5mL)中の1−ベンジル−6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−2−オン 6h(1.0g、3.55mmol)の溶液を0℃で滴下して加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した後、水(25mL)、水酸化ナトリウム水溶液(15%、25mL)、水(75mL)を0℃で滴下して加えた。0℃で10分間撹拌した後、混合物にEtOAc(50mL)を加え、セライトを通してろ過した。ろ液の有機層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:1)によって残留物を精製して、6iを得た(0.66g、収率:69.6%)。MS(ESI):m/z=268[M+1]。
・ステップ9
6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン] 6j
メタノール(20ml)中の1−ベンジル−6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン] 6i(0.53g、1.98mmol)の溶液に、ジヒドロキシパラジウム(278mg、395.9umol、炭素上20%、約50%の水で湿らせたもの(20% on carbon, wetted with ca. 50% Water))、およびギ酸アンモニウム(150mg、2.38mmol)を加えた。反応混合物を水素ガスのバルーン下で60℃にて16時間撹拌した。反応混合物をろ過し、メタノール(30mL)で洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:1)によって精製して、6jを得た(0.2g、収率:57%)。MS(ESI):m/z=178[M+1]。
・ステップ10
(2R,3R,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート 6k
エタノール(10mL)中の6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン] 6j(0.26g、1.47mmol)の溶液に、(2R,3R,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(4,6−ジクロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート 1c(660mg、1.48mmol)およびDIPEA(285mg、2.21mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で15分間、次に室温で3.0時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:1)によって残留物を精製して、6kを得た(0.73g、収率:84.5%)。MS(ESI):m/z=588[M+1]。
・ステップ11
(2R,3R,4S,5R)−2−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール 6lの合成
エタノール(25mL)中の(2R,3R,4R,5R)−2−(アセトキシメチル)−5−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート 6k(730mg、1.24mmol)の溶液に、DBU(0.47g、0.87mmol)を室温で加えた。室温で1.0時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=4:1)によって残留物を精製して、6lを得た(400mg、70%)。MS(ESI):m/z=462[M+1]。
・ステップ12
((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール 6mの合成
アセトン(15mL)中の(2R,3R,4S,5R)−2−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール 6l(400mg、0.87mmol)、2,2−ジメトキシプロパン(95.0mg、0.91mmol)およびp−TsOH(165.0mg、0.96mmol)の溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtN(200μL)で中和し、真空で濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の75%〜100%EtOAc)によって残留物を精製して、6mを得た(360mg、収率:82.4%)。MS(ESI):m/z=502[M+1]。
・ステップ13
ジ−tert−ブチル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 6n
DMF(2.0mL)中の((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール 6m(50mg、0.099mmol)、(ジ−tert−ブトキシホスホリル)メチル4−ニトロベンゼンスルホネート(50mg、0.12mmol)およびマグネシウム2−メチルプロパン−2−オレート(45mg、0.26mmol)の混合物を50℃で18時間撹拌した。周囲温度に冷却した後、反応混合物に水(10mL)およびETOAc(20mL)を加えた。反応混合物をセライトの短いパッドに通した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして真空で濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM:メタノール=10:1)によって残留物を精製して、6nを得た(20mg、収率:28.5%)。MS(ESI):m/z=708[M+1]。
・ステップ14
((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 6
DCM(2mL)中のジ−tert−ブチル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(6’−フルオロ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 6n(20mg、0.03mmol)の溶液に、TFA(0.5mL)および水(0.5mL)を室温で加えた。室温で0.5時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮した。残留物をメタノール(2mL)に溶解し、MeOH中の7.0MのNH(2mL)でpH約7.0に中和した。反応混合物を真空で濃縮した。逆相HPLC(C−18カラム、0.1%HCOOHを含むアセトニトリルおよび水の0〜30%グラジエント)によって残留物を精製して、黄色の固体として生成物6を得た(12mg、収率:76.4%):H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.11(s,1H)、7.96−7.94(m,1H)、7.25(brs,1H)、6.23(d,J=4Hz,1H)、4.50−4.43(m,2H)、4.23−4.15(m,2H)、3.79−3.73(m,2H)、3.64(d,J=8.8Hz,2H)、3.01(s,2H)、2.96−2.93(m,2H)、2.87(s,2H)、2.56(s,2H)。MS(ESI):m/z=556[M+1]。
・実施例7
Figure 2021535102
((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(5’−メトキシ−2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 7
表題化合物は、実施例6と同様の方法で合成された:H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.10(s,1H)、7.41(d,J=8.0Hz,1H)、6.92−6.81(m,2H)、6.21(s,1H)、4.71−4.58(m,2H)、4.49−4.40(m,3H)、4.24(s,1H)、3.79(s,3H)、3.75−3.61(m,2H)、3.01−2.86(m,3H)、2.56−2.43(m,2H)、1.30−1.26(m,2H)。MS(ESI):m/z=566[M−1]。
・実施例8および9
Figure 2021535102
((((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホリル)ビス(オキシ))ビス(エタン−1,1−ジイル)ビス(2,2−ジメチルプロパノエート) 8、および
1−((((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)エチルピバレート 9
表題化合物は、実施例3および4と同じ方法で合成された:それぞれ、化合物8の場合はMS(ESI)m/z=794[M+1]、化合物9の場合はMS(ESI)m/z=666[M+1]。
・実施例10および11
Figure 2021535102
ジフェニル((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 10、および
フェニル水素((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 11
Figure 2021535102
・ステップ1
((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 2k
DCM(5mL)中のジエチル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 2j(330mg、0.52mmol)の溶液に、TMSBr(0.64mL、4.89mmol)およびピリジン(0.48mL、5.88mmol)を0℃で加えた。0℃で3.5時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮した。溶離液としてHO中の40〜90%MeOHを用いたHPLCによって残留物を精製して、白色固体として2kを得た(240mg、80%)。MS(ESI):m/z=578[M+1]。
・ステップ2
((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリド 10a
DCM(2.5mL)中の((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホン酸 2k(100mg、0.17mmol)の溶液に、DCM中の塩化オキサリル(2M、0.16mL、0.32mmol)およびDMF(2滴)を室温で加えた。室温で30分間撹拌した後、揮発性物質を真空で除去した。残留物に無水トルエンを加え、真空で2回蒸発させた。したがって、処理された残留物は、さらに精製することなく、次のステップに直接使用された。
・ステップ3
ジフェニル((((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 10b
10aを含む残留物をDCM(1mL)に溶解した後、DCM(1mL)中のフェノール(64mg、0.68mmol)の溶液およびEtN(0.22mL、1.54mmol)溶液を0℃で順番に添加した。0℃で20分間撹拌し、室温で15分間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(DCM中の0〜2%メタノール)によって残留物を精製して、10bを得た(23mg、収率:2ステップで18.5%)。MS(ESI):m/z=730[M+1]。
・ステップ4
ジフェニル((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 10、および
フェニル水素((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2’,3’−ジヒドロスピロ[アゼチジン−3,1’−インデン]−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)メチル)ホスホネート 11
DCM(1mL)中の10b(23mg、0.031mmol)の溶液に、ギ酸(80%、0.5mL)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温め、室温で16時間撹拌し続けた。得られた混合物を、水中の30〜80%アセトニトリルを用いたHPLCによって精製して、白色固体として10(1.2mg、収率:5.6%)を、白色固体として11(3.8mg、収率:20%)をそれぞれ得た。10:H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.91(s,1H)、7.47−7.10(m,14H)、6.21(s,1H)、4.71−4.40(m,6H)、4.20−4.12(m,3H)、3.90−3.75(m,2H)、3.01−2.89(m,2H)、2.52−2.45(m,2H)。31P NMR(160MHz,メタノール−d)δ15.68(s)。MS(ESI):m/z=690[M+1]。11:H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.01(s,1H)、7.30−7.02(m,9H)、6.24(s,1H)、4.75−4.30(m,6H)、4.26−4.15(m,1H)、3.80−3.55(m,4H)、3.01−2.88(m,2H)、2.54−2.48(m,2H)。31P NMR(160MHz,メタノール−d)δ15.53(s)。MS(ESI):m/z=614[M+1]。
・実施例12
Figure 2021535102
(3−(((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)ベンジル)ホスホン酸 12
Figure 2021535102
・ステップ1
1−((3aR,4R,6R,6aR)−6−((3−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェノキシ)メチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)−6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン 12a
THF(6mL)中のトリフェニルホスフィン(378mg、1.44mmol)の溶液に、((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール 1e(400mg、0.89mmol)およびDIAD(0.33mL、1.68mmol)を室温で順番に加えた。室温で30分間撹拌した後、反応混合物に、THF(1mL)中の3−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェノール(217mg、0.91mmol)の溶液を加えた。16時間還流した後、反応混合物を室温に冷却して、真空で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%EtOAc)によって残留物を精製して、白色固体として12aを得た(114.5mg、収率:19%)。MS(ESI):m/z=670[M+1]。
・ステップ2
(3−(((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)フェニル)メタノール 12b
THF(1.5mL)中の1−((3aR,4R,6R,6aR)−6−((3−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェノキシ)メチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)−6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン 12a(170.5mg、0.25mmol)の溶液に、TBAF(THF中の1M、0.31mL、0.31mmol)を室温で加えた。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(最初にヘキサン中の0〜30%EtOAc、次にDCM中の0〜5%メタノール)によって残留物を精製して、オフホワイトの固体として12bを得た(102mg、収率:72%)。MS(ESI):m/z=556[M+1]。
・ステップ3
6−クロロ−1−((3aR,4R,6R,6aR)−6−((3−(ヨードメチル)フェノキシ)メチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン 12c
DMF(1mL)中の(3−(((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)フェニル)メタノール 12b(50mg、0.09mmol)の溶液に、メチルトリフェノキシホスホニウムヨージド(81.4mg、0.18mmol)を室温で加えた。室温で30分間撹拌した後、メタノールを反応混合物に加え、溶液をさらに15分間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させた;残留物をDCMに再溶解し、5%Na水溶液で1回、次に水で1回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして蒸発乾固させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜30%EtOAc)によって粗残留物を精製して、白色固体として12cを得た(46.3mg、収率:77%)。MS(ESI):m/z=666[M+1]。
・ステップ4
ジエチル(3−(((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)ベンジル)ホスホネート 12d
6−クロロ−1−((3aR,4R,6R,6aR)−6−((3−(ヨードメチル)フェノキシ)メチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン 12c(36mg、0.054mmol)を亜リン酸トリエチル(1mL)に溶解し、溶液をマイクロ波で150℃に5分間照射した。溶液を蒸発乾固し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%EtOAc)によって残留物を精製して、12dを得た(23mg、収率:63%)。MS(ESI):m/z=676[M+1]。
・ステップ5
(3−(((2R,3S,4R,5R)−5−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)ベンジル)ホスホン酸 12
DCM(1mL)中のジエチル(3−(((3aR,4R,6R,6aR)−6−(6−クロロ−4−(2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)ベンジル)ホスホネート 12d(19.6mg、0.029mmol)の溶液に、TMSBr(0.02mL、0.18mmol)およびピリジン(0.02mL、0.25mmol)を0℃で加えた。0℃で5時間撹拌した後、反応混合物を蒸発乾固させた。残留物に氷冷したTFA水溶液(5%HOを含む0.5mL)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を撹拌しながら飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和した。混合物をアセトニトリルおよび水と混合して透明な溶液を得、これを、HO中の10〜70%メタノール+0.5%NHHCOを用いたHPLCによる精製に使用して、白色固体として12を得た(6.6mg、収率:39%):H NMR(500MHz,メタノール−d)δ8.00(s,1H)、7.08(t,J=7.8Hz,1H)、6.98(s,1H)、6.92(d,J=7.4Hz,1H)、6.66(d,J=8.2Hz,1H)、6.24(d,J=3.3Hz,1H)、4.66−4.58(m,2H)、4.37(td,J=6.0,3.5Hz,1H)、4.27(dd,J=10.8,3.6Hz,1H)、4.18−4.08(m,3H)、3.94(t,J=6.6Hz,2H)、2.88(d,J=19.8Hz,2H)、1.77(dt,J=13.0,5.8Hz,4H)、1.53(q,J=5.8Hz,4H)、1.45(q,J=6.3Hz,2H)。31P NMR(203MHz,メタノール−d)δ18.46(s)。MS(ESI):m/z=580[M+1]。
・生物学的アッセイ
本発明は、以下の試験例を参照してさらに説明されるが、これらの例は、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
・試験例1
In vitroでのCD73酵素活性に対する阻害についての本発明の化合物の試験。
エクト−5’−ヌクレオチダーゼであるCD73酵素は、細胞外ヌクレオシド−5’−一リン酸をヌクレオシドに変換し、AMPまたはCMPが好ましい基質である。このアッセイでは、チャイニーズハムスター卵巣細胞株(R&D Systems)から発現した組換えヒトCD73を使用して、シチジン一リン酸(CMP)をシチジンとリン酸に変換した。基質を加える前に、CD73酵素を化合物と2時間プレインキュベートした。次に、リン酸の量をマラカイトグリーンリン酸検出キット(Malachite Green Phosphate Detection Kit)で測定した。実験方法は以下のように要約される:
I.実験材料および装置
1.マラカイトグリーンリン酸検出キット(Malachite green phosphate detection kit)(R&D Systems、カタログ番号、DY996)
2.組換えヒト5’−ヌクレオチダーゼ(CD73)(R&D Systems、カタログ番号、5795−EN)
3.HEPESバッファー(Gibco、カタログ番号、15630−080)
4.CMP(Sigma、カタログ番号、C1006)
5.DMSO(Fisher Chemical、カタログ番号、D128−1)
6.NaCl 5M(Boston Bioproducts、カタログ番号、BM−244)
7.384ウェルプレート(Fisher、カタログ番号、5795−EN)
8.TECANプレートリーダー(TECAN)
II.実験手順
化合物を最初にDMSOに溶解してストック溶液として10mMにする。化合物のIC50を決定するときは、125μMの最高濃度で合計12の濃度ポイントの3倍段階希釈を調製し、各希釈物に等量のDMSOが含まれていることを確認する。384ウェルプレートの各ウェルにおいて、0.34nMの組換えヒト5’−ヌクレオチダーゼ(CD73)を、20mM HEPESバッファー(pH7.4)、137mM NaCl、0.001%Tween20を含むアッセイバッファー中で、試験化合物とともに37℃で2時間プレインキュベートした。各ウェルにおける反応の最終反応容量は12μLであった。化合物の最高濃度は125μMであり、DMSO濃度は1.25%であった。プレインキュベーション後、アッセイバッファーに溶解した3μLのCMPを各反応物に添加した。最終的なCMP濃度は45μMであった。反応物を37℃で15分間インキュベートした。次に、3μLのマラカイトグリーン試薬Aを各反応物に加えた。プレートを遠心分離機で30秒間短時間遠心した。室温でさらに10分間インキュベートした後、3μLのマラカイトグリーン試薬Bを各反応物に添加した。プレートを遠心分離機で30秒間短時間遠心した。室温で20分間インキュベートした後、シグナルをOD620でTECANリーダーで読み取った。CD73酵素、基質CMPおよびDMSOを含む反応物(化合物なし)がアッセイのポジティブコントロールとして使用され、基質CMPおよびDMSOを含むがCD73酵素を含まない反応物がアッセイのネガティブコントロールとして使用される。IC50値は、GraphPad Prismの適切なプログラムを使用して、化合物濃度の対数と阻害率をプロットすることによって計算された。
本発明の化合物によるCD73酵素活性の生化学的阻害は、上記のアッセイによって決定され、得られたIC50値は表1に示されている。
Figure 2021535102
結論:本発明の化合物は、in vitroでのCD73酵素活性に対して有意な阻害効果を有する。
・試験例2
本発明の化合物がIFNγサイトカイン産生によって細胞性免疫機能を調節することの決定
I.実験材料および装置
1.細胞:凍結保存されたヒト末梢血単核細胞(PBMC)(Stemcell、カタログ番号70025)。ボトルあたり100万、1500万から2500万個の細胞
2.リンパ球培地(Zenbio、カタログ番号LYMPH−1)
3.TexMACS培地(Miltenyi、カタログ番号130−097−196)
4.CD3およびCD28抗体ビーズ(Fisher Scientific、カタログ番号1 161D)
5.HTRFヒトIFNγサイトカインキット(Cisbio、ヒトIFNγ カタログ番号62HIFNGPEH)
6.PHERAstar FSXマルチラベルリーダー(BMG Labtech)
II.実験手順
リンパ球培地とTexMACS培地を37℃のウォーターバスでインキュベートした。インキュベートしたリンパ球培地10mLを50mLコニカルチューブに加えた。細胞を37℃のウォーターバスですばやく解凍し、50mlチューブに移し、チューブを静かに旋回させた。細胞懸濁液を1100rpmで10分間室温にて遠心分離した。上清を除去し、細胞ペレットを10mLのTexMACS培地に穏やかに再懸濁した。細胞をカウントして、5×10細胞/mlにした。100μLの5×10細胞/mlのPBMCシードを96ウェルプレートに挿入し(50,000細胞/ウェルの細胞密度)、96ウェルプレートの最も外側のエッジウェルは水で満たし、試験のために使用しなかった。正常なドナー由来のヒトPBMCにおける腫瘍微小環境を模倣し、CD73酵素に対する化合物の阻害活性を測定するために、CD73の基質であるAMPをヒトPBMC細胞培養物に添加して、CD73酵素を介してより多くのアデノシンを生成した。他の各ウェルに50μLの200μM AMP(Sigma A2252)を添加した。最終的なAMP濃度は50μMであった。化合物をTexMACS培地で40μMに希釈した。「AMPのみ」のウェルに加えて、50μLの化合物を各ウェルに添加した。最終化合物濃度は0.1%DMSO中10μMであった。0.4%DMSOをTexMACS培地で調製し、50μLをAMPコントロールウェルに添加した。ボードを軽くタッピングして均一に混ぜた。37℃で5%COと2時間インキュベートした後、CD3およびCD28抗体ビーズをTexMACS培地とマグネットラックで2回洗浄した。各ウェルに2μLのCD3およびCD28抗体ビーズを添加した。最終的な抗体ビーズと細胞の比率は1:1であった。細胞と抗体ビーズを数回ピペッティングして均質化した。5%CO加湿インキュベーター内にて37℃で72時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を遠心し(1000rpmで5分間)、90μLの細胞培養上清を注意深く収集し、該培養上清をHTRF IFNγサイトカイン試薬とともに保存し、直ちにアッセイするか、−80℃で凍結した。TexMACS培地で希釈したサンプル(25倍および100倍)では、12.8μLのサンプルを384ウェルプレート(Proxiplate−384plus)の各ウェルに添加した。IFNクリプテート(IFN Cryptate)をXLと混合(1:1)し、3.2μLの混合溶液をプレートの各ウェルに添加した。すばやく旋回し、スピンダウンした。室温にて光から保護した。PHERAstar FSXマルチラベルリーダーで665nmと620nmの値を読み取った。
III.データ解析:
計算された比=(665nmのシグナル/620nmのシグナル)×10。これは「生のシグナル(raw signal)」を反映していた。デルタ比は特定の信号を反映していた。デルタ比=スタンダードまたはサンプル比−スタンダード0比。ここで、スタンダード0はネガティブコントロールであり、内部アッセイコントロールとして使用された。ベンダーの指示に従って、2次カーブフィット法と共に比を使用して標準曲線を作成した。標準曲線に対応する各サンプルのIFNγサイトカインの濃度を計算した。化合物によるIFNγサイトカインの応答比(倍)=(サンプル−AMPのみ)/(DMSO−AMPのみ)。式中、サンプル=0.1%DMSO中の化合物10μMおよび50μM AMPによって産生されたIFNγ;DMSO=0.1%DMSO(ビヒクルコントロール)および50μM AMPによって産生されたIFNγ;AMPのみ=50μM AMPによって産生されたIFNγ(バックグラウンドとして)。
本発明の化合物によるIFNγサイトカインの産生は、上記の試験によって測定された。10μMの化合物は、ビヒクルコントロール(DMSO)と比較して、1について4.1倍および2について4.3倍、IFNγサイトカインをそれぞれ産生することができた。
IV.結論
本発明の化合物は、IFNγサイトカインの産生を刺激することができ、したがって、細胞性免疫機能に対して有意な調節効果を有し得る。
前述の実施形態および例は、例示のみを目的として提供されており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。開示された実施形態に対する様々な変更および修正は、本開示に基づいて当業者には明らかであり、そのような変更および修正は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。引用されたすべての文献および参考文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。

Claims (24)

  1. 式(I):
    Figure 2021535102
    の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ;
    式中:
    Yは、OまたはSであり;
    Zは、OまたはNHであり;
    Wは、O、S、NH、NRおよびC(Rからなる群から選択され、ここでRはアルキルであり、Rは各出現にて、水素、ハロゲン、アルキルおよびアルケニルからなる群から独立して選択され;
    およびGは、それぞれ独立してNまたはCRであり、ここでRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
    およびGは、C、CH、CH、N、NH、O、SおよびSOからなる群からそれぞれ独立して選択され;
    Qは、−CH−O−C(R)(R)−、−CH−N(R)−C(R)(R)−、−CH−S−C(R)(R)−、−CH−S(O)−C(R)(R)−、−フェニル−O−C(R)(R)−、−CH−フェニル−O−C(R)(R)−、−CH−ヘテロシクリル−、−C(R)(R)−、−CH−C(R)(R)−C(R)(R)−、−C(R)=C(R)−、−C(R)(R)−C(R)(R)−、−C(R)(R)−C(R)=C(R)−および−C(R)=C(R)−C(R)(R)からなる群から選択され;
    、R、RおよびRは、H、D、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルおよびアミノからなる群からそれぞれ独立して選択されるか;または
    任意の−C(R)(R)−中のRおよびRは、一緒にオキソを形成するか;または
    およびRは、一緒にオキソを形成し;
    環Aは、C5−8シクロアルキル、5〜8員ヘテロシクリル、アリール縮合C5−8シクロアルキル、ヘテロアリール縮合C5−8シクロアルキル、アリール縮合5〜8員ヘテロシクリルおよびヘテロアリール縮合5〜8員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
    、R、RおよびRは、ヒドロキシ、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アジド基およびOR10からなる群からそれぞれ独立して選択されるか;または
    およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に、シクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成し、当該ヘテロシクリルは、N、OおよびSからなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を含み;かつ、当該シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基によってそれぞれ任意に置換され;
    は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロおよびアジドからなる群から選択され;
    およびRは、水素、アルキル、アリール、−C(R)−アリール、−C(R)−O−C(O)OR、−C(R)−O−C(O)R、−C(R)C(O)OR、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択され、当該アルキルは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換され;任意に、RおよびRは、一緒に5〜6員の複素環を形成し;
    は、水素、アルキルおよびアルコキシからなる群から選択され;
    は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群から選択され;
    は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群から選択され;
    10は、−C(O)R11、−C(O)OR11、−S(O)11および−P(O)(OR)(OR)からなる群から選択され;
    11は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシルおよびヒドロキシアルキルからなる群から選択され;
    mは、1、2または3であり;および
    sは、0、1、2、3または4である。
  2. 式(II):
    Figure 2021535102
    の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物;
    式中:
    Z、Y、W、Q、G、G、G、G、環A、R〜R、mおよびsは、請求項1に記載のとおりである。
  3. 式(III):
    Figure 2021535102
    の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグである、請求項1または2に記載の化合物;
    式中:
    Z、Q、G、G、G、G、環A、R、R、R〜R、mおよびsは、請求項1に記載のとおりである。
  4. Qは、−CH−O−C(R)(R)−、−CH−NH−C(R)(R)−、−CH−S−C(R)(R)−、−CHS(O)−C(R)(R)−、−フェニル−O−C(R)(R)−、−CH−フェニル−O−C(R)(R)−および−CH−ヘテロシクリル−からなる群から選択され;および、ここでRおよびRは、請求項1に記載のとおりである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  5. およびRは、それぞれ水素であり;および、RおよびRは、ヒドロキシ、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項1、2および4のいずれか一項に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  6. 式(IV):
    Figure 2021535102
    の化合物、またはその互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ;
    式中:
    Mは、O、S、SO、NHおよび−フェニレン−Oからなる群から選択され;および
    環A、G、G、R、R、mおよびsは、請求項1に記載のとおりである。
  7. Figure 2021535102
    は、
    Figure 2021535102
    からなる群から選択され;および、Rおよびsは、請求項1に記載のとおりである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  8. およびRは、水素、アルキルおよび−C(R)−O−C(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  9. は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  10. は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  11. 式(V):
    Figure 2021535102
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ;
    式中:
    およびRは、水素、C−Cアルキル、C−C10アリール、−C(R)−アリール、−C(R)−O−C(O)ORおよび−C(R)−O−C(O)Rからなる群からそれぞれ独立して選択され、当該アルキルは、C−Cシクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C−C10アリールおよび5〜10員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の基によって任意に置換され;
    およびRは、H、D、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルキルおよびC−Cハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され;
    はC−Cアルキルであり;
    は、水素、ハロゲンおよびC−Cアルキルからなる群から選択され;
    Figure 2021535102
    は、
    Figure 2021535102
    からなる群から選択され;
    sは、0、1または2であり;および
    は各出現にて、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルキルおよびC−Cハロアルコキシからなる群から独立して選択される。
  12. およびRは、水素、C−Cアルキル、フェニル、−CH(R)−O−C(O)ORおよび−CH(R)−O−C(O)Rからなる群からそれぞれ独立して選択され;
    は、H、DまたはC−Cアルキルであり;
    は、C−Cアルキルであり;
    は、水素またはハロゲンであり;
    Figure 2021535102
    は、
    Figure 2021535102
    からなる群から選択され;
    sは、0、1または2であり;および
    は各出現にて、ハロゲン、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシからなる群から独立して選択される、請求項11に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  13. 前記化合物は、以下:
    Figure 2021535102
    Figure 2021535102
    からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  14. 式(IA):
    Figure 2021535102
    の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ;
    式中:
    ZはOであり;
    はアルキルであり;および
    Y、W、Q、G、G、G、G、環A、R、R、R、R、R、mおよびsは、請求項1に記載のとおりである。
  15. 式(IVA):
    Figure 2021535102
    の化合物、または互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグである、請求項14に記載の化合物;
    式中:
    はアルキルであり;
    MはOであり;および
    環A、G、G、R、R、mおよびsは、請求項12に記載のとおりである。
  16. 以下:
    Figure 2021535102
    からなる群から選択される、請求項14または15に記載の化合物。
  17. 以下のステップを含む、請求項1に記載の式(I)の化合物を調製するためのプロセス:
    Figure 2021535102
    式(IA)の化合物を反応させて保護基Rおよびアセタールを除去して、式(I)の化合物を得るステップ;
    式中:
    はアルキルであり;
    ZはOであり;
    およびRは、それぞれ水素であり;
    およびRは、それぞれヒドロキシであり;および
    Y、W、Q、G、G、G、G、環A、R、R、R、R、R、mおよびsは、請求項1に記載のとおりである。
  18. 以下のステップを含む、請求項6に記載の式(IV)の化合物を調製するためのプロセス:
    Figure 2021535102
    式(IVA)の化合物を反応させて保護基Rおよびアセタールを除去して、前記式(IV)の化合物を得るステップ;
    式中:
    はアルキルであり;
    MはOであり;および
    環A、G、G、R、R、mおよびsは、請求項6に記載のとおりである。
  19. 治療有効量の請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  20. CD73を含む生物学的サンプルを、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、または請求項19に記載の医薬組成物と接触させることを含む、CD73を阻害する方法。
  21. それを必要とする対象に、治療有効量の請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、または請求項19に記載の医薬組成物を投与することを含む、アデノシンまたはアデノシン受容体関連の疾患または障害を治療するための方法。
  22. それを必要とする対象に、治療有効量の請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、または請求項19に記載の医薬組成物を投与することを含む、CD73によって媒介される疾患または状態を治療するための方法であって、前記疾患または状態は、腫瘍、癌、免疫関連疾患、炎症関連疾患、神経系疾患、神経変性疾患および中枢神経系疾患、うつ病、パーキンソン病、脳および心臓の虚血性疾患、睡眠障害ならびに線維症からなる群から選択される、方法。
  23. 癌は、黒色腫、脳腫瘍、食道癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌、結腸直腸癌、肺癌、腎臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮癌(metrocarcinoma)、子宮内膜症、前立腺癌、皮膚癌、神経芽細胞腫、肉腫、骨軟骨腫、骨腫、骨肉腫、セミノーマ、精巣腫瘍、子宮癌(uterine cancer)、頭頸部癌、多発性骨髄腫、リンパ腫、真性赤血球増加症、白血病、甲状腺腫瘍、尿管腫瘍、膀胱癌、胆嚢癌、胆管癌、絨毛上皮癌および小児腫瘍からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. アデノシンおよびアデノシン受容体関連の疾患または障害を治療するための薬剤の製造における、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、または請求項19に記載の医薬組成物の使用。
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