JP2021530603A - 黒色ポリアミド組成物、その製造および使用 - Google Patents

黒色ポリアミド組成物、その製造および使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2021530603A
JP2021530603A JP2021502978A JP2021502978A JP2021530603A JP 2021530603 A JP2021530603 A JP 2021530603A JP 2021502978 A JP2021502978 A JP 2021502978A JP 2021502978 A JP2021502978 A JP 2021502978A JP 2021530603 A JP2021530603 A JP 2021530603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
polyamide
acid
component
ipda
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021502978A
Other languages
English (en)
Inventor
ヴァーグナー,ゼバスティアン
クレマー,イェンス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2021530603A publication Critical patent/JP2021530603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L77/02Polyamides derived from omega-amino carboxylic acids or from lactams thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/01Use of inorganic substances as compounding ingredients characterized by their specific function
    • C08K3/013Fillers, pigments or reinforcing additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/02Elements
    • C08K3/04Carbon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/16Halogen-containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/40Glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
    • C08K5/0041Optical brightening agents, organic pigments
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0091Complexes with metal-heteroatom-bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • C08K7/02Fibres or whiskers
    • C08K7/04Fibres or whiskers inorganic
    • C08K7/14Glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L77/06Polyamides derived from polyamines and polycarboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K2201/00Specific properties of additives
    • C08K2201/019Specific properties of additives the composition being defined by the absence of a certain additive

Abstract

本発明は、クロム錯体の形態のクロム含有アゾ染料およびカーボンブラック、およびまた例えば、LiClを含む黒色ポリアミド組成物、このポリアミド組成物の製造、ならびにレーザー銘刻可能な黒色ポリアミド成形物の製造のためのポリアミド組成物を使用する方法に関する。

Description

本発明は、クロム錯体の形態のクロム含有アゾ染料およびカーボンブラック、ならびにまたガラス繊維を含む黒色ポリアミド組成物、このポリアミド組成物の製造、ならびにレーザー銘刻可能な黒色ポリアミド成形物を製造するためのポリアミド組成物を使用する方法に関する。
ポリアミドは、世界中で大規模に製造されるポリマーであり、箔、繊維および成形物(加工材料)の主要な用途部門においてだけでなくまた種々様々の他の目的にも使用される。最も広く製造されるポリアミドは、ナイロン−6(ポリカプロラクタム)およびナイロン6,6(ナイロン、ポリヘキサメチレンアジポアミド)である。ほとんどの産業上重要なポリアミドは、高い耐熱性を特色とする半晶質または非晶質の熱可塑性ポリマーである。これらのポリアミドの着色、および必要な任意のさらなる加工に用いられる温度は高く、一般に240℃を超え、時には300℃を超える。したがって、使用される色素に設けられる必要条件は、顔料であろうと染料であろうと、より低温で加工されるポリマー、例えばPVC、ポリエチレン用のものよりも厳しい。
染料は、とりわけそれらが半晶質のポリアミドにおいて使用される場合、着色した成形物または繊維の表面への望ましくない移行を受けやすい。成形物、特に繊維の場合には、これが染料の浸出、摩擦堅牢度の低下、および繊維と接触する材料の変色を引き起こす。この移行のために、従来の染料は、ポリアミドのポリマーマトリクス中での使用において適合性に限界があった。対照的に、顔料は、一般に移行に関係のある困難なしで使用することができる。
熱可塑性プラスチック、とりわけポリアミドの黒色着色に使用される材料は、通常、カーボンブラック(例えば、ピグメントブラック7)、または低水準の移行を示す染料、例えばソルベントブラック7(ニグロシン)またはソルベントブラック5(ニグロシン)である。
国際公開第2015/036526号は、スチレンコポリマー、PMMAおよび他のポリメタクリル酸アルキル、ポリカルボナートおよびポリエステルカルボナートから選択されるポリマー、ならびにまたカーボンブラック顔料を含む黒色の熱可塑性成形組成物を記載している。
プラスチック成形物の識別のためのレーザー銘刻は、それが標識付けなどの代替方法より費用効果的であるので、近年重要性が絶えず増している。レーザー銘刻の採用について別の理由は、それが非常に種々様々の銘刻のタイプおよび銘刻の形態の使用を可能にし、また様々なコード、例えばQRコードの適用を可能にする非常に柔軟な方法であるということである。レーザー銘刻はなおまたコンポーネントの恒久的な銘刻を提供し、したがって、意図しない剥離のリスクがない点で糊付きラベルと異なる。レーザー銘刻の主要な用途の1つは、暗色または黒色の背景に淡色を銘刻する用途である。このタイプの銘刻について好結果と分かっている添加剤は、レーザーエネルギーの吸収によってポリマーマトリクスの局所的な発泡を引き起こす。
特にこの目的のために広く使用される添加剤は、例として欧州特許出願公開第0−053−256号または国際公開第94/12352号に記載されているようなカーボンブラックである。これによって、黒色背景での、淡色の、わずかに褐色を帯びた銘刻の費用効果的な適用が可能になる。
カーボンブラックは、同様にポリアミドの黒色着色のために、またレーザー銘刻のために、普遍的な添加剤として広く使用されている。しかしながら、カーボンブラックで着色されたポリアミドには、通常、その表面は粗く、その黒色は特に強くなく、射出成形工程における加工時の流動挙動は特に良好ではないという欠点がある。
カーボンブラックは、一般にポリアミドなどの熱可塑性プラスチックの着色において良好な特性を示す。しかし、半晶質ポリマーに使用される場合、それらは、核剤として働く。すなわち、溶融したポリマーに組み込まれる場合、それらは、核の数を増加させ、それによって結晶化挙動に影響を与える。半晶質ポリアミドにカーボンブラックを使用すると、ポリアミドから生成した部品の寸法挙動に望ましくない変化をもたらす。これは、例えば、フレーム部品、カバーエレメント用などの自動車部門において、高い寸法安定性を必要とする使用で特に問題になる。
黒色ポリアミドの多くの用途部門は、高光沢表面を有する製品を要求するが、それは、それらが例えば審美的な理由のために消費者に好まれるからである。カーボンブラックを使用すると、着色したプラスチックの表面に入射する光の散乱を引き起こし、それによって光沢が減少する。光の散乱はまた、色調をより淡色に見せ、そのため、カーボンブラックを黒色の強い成形物の製造に使用することができない。
有機染料ニグロシン(ソルベントブラック7−CAS:8005−02−5)の使用は、これが、当該の配合ポリアミド材料の良好な流動挙動に加えて、強い黒色の滑らかな表面を与えるので、カーボンブラックを用いる着色の、好結果の代替であることが分かった。ニグロシンを用いる着色には、固有の内在色の結果として非常に不十分なコントラストによってレーザー銘刻性が悪影響を受けるという欠点がある。
ニグロシンは合成黒色色素の混合物であり、鉄触媒または銅触媒の存在下でのニトロベンゼン、アニリンおよびアニリン塩酸塩の加熱によって得られる。ニグロシンは、様々な実施形態(水溶性、アルコール可溶性および油溶性)で利用可能である。典型的な水溶性のニグロシンはアシッドブラック2(C.I.50420)であり、典型的なアルコール可溶性ニグロシンはソルベントブラック5(C.I.50415)であり、典型的な油溶性ニグロシンはソルベントブラック7(C.I.50415:1)である。
しかし、ニグロシンは、健康上有害である可能性に関係する懸念が全くないわけではない。例として、製造工程からのアニリンおよびニトロベンゼンの残渣が製品内に残存することがあり、押出工程もしくは射出成形工程または紡糸工程によるその後の加工時に望ましくない分解生成物が生成するというリスクがある。カーボンブラックおよびニグロシンの組み合わせは比較的良好な表面品質および流動性を与え得るが、この特性は、ニグロシンのみを使用する改変型のものより全体として不十分である。これはレーザー銘刻性に関しても当てはまり、その理由は、カーボンブラックおよびニグロシンの組み合わせは好適なコンポーネントの銘刻を可能にするが、このようにして達成され得るコントラスト値が低いからである。
欧州特許出願公開第0−675−168号は、他の有機染料と組み合わせたカーボンブラックの使用を記載している。しかし、その文書中の記載は、様々に着色した銘刻にのみ関係し、配合された材料の表面品質および流動性の詳細は得られない。
2018年1月26日に出願された国際公開第2018/138256号は、「Schwarz eingefaerbte Polyamid−Zusammensetzung, deren Herstellung und Verwendung」[黒に染色されたポリアミド組成物、その製造および使用]という発明の名称を有し、優先権主張日のみを有しているが、先行公開ではなく、ポリアミドおよびガラス繊維と並んでソルベントブラック28およびカーボンブラックを含むポリアミド組成物を記載している。組成物は、最大0.05質量%のニグロシンを含む。組成物は、成形組成物のコントラスト、表面外観および流動性の観点で改善された性質プロフィールを示す。しかしながら、ニグロシンは、また結晶化温度を下げる抗核剤として働く。これは、良好な接合の形成のための振動接合などの組み合わせ技法において特に必要である。
独国特許出願公開第10 2014 225 488号は、結晶化挙動を遅延するポリマー組成に関係がある。ナイロン−6は、ここで好ましくはニグロシンおよび金属塩と混合される。使用される金属塩の例は塩化リチウムおよび安息香酸リチウムである。成形組成物には、機械的性質が時に劇的に損なわれるという不都合がある。ソルベントブラック28との組み合わせの記載はない。レーザー銘刻性の指摘はない。
独国特許出願公開第10 2015 211 632号は、同様に結晶化挙動を遅延するポリマー組成に関係がある。1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリドとのニグロシンの組み合わせが添加剤として使用される。挙げられた適切なポリマーの中には、ポリアミド、例えばナイロン−6、およびナイロン−6,6がある。レーザー銘刻性またはソルベントブラック28との何らかの可能な組み合わせに関して情報は得られない。成形組成物の機械的性質は時には非常に損なわれる。
国際公開第2015/036526号 欧州特許出願公開第0−053−256号 国際公開第94/12352号 欧州特許出願公開第0−675−168号 国際公開第2018/138256号 独国特許出願公開第10 2014 225 488号 独国特許出願公開第10 2015 211 632号
本発明は、高いコントラストを有する良好なレーザー銘刻性を有するだけでなく、また低い結晶化温度を有し、一方で、他の性質、例えば、機械的性質、良好な表面品質および良好な流動性は損なわれない黒色ポリアミド組成物を提供する目的に基づく。別の意図は、これまで使用された色素の上述の不都合を回避することである。
本発明に関して、カーボンブラックおよび有機染料ソルベントブラック28(CAS番号: 12237−23−9)およびまたアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属擬ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属擬ハロゲン化物の組み合わせの使用により、結晶化温度を下げるとともに、高いコントラストを有する良好なレーザー銘刻性だけでなく良好な表面品質および良好な流動性をも有する配合ポリアミド材料を製造することができることが現在見いだされている。ソルベントブラック28として公知のクロム錯体染料をポリアミド組成物の着色のために使用する場合、前記目的が達成されることが見いだされた。
本発明は、第1にポリアミド組成物であって、
a)成分Aとして少なくとも1種の合成ポリアミド34.97〜99.97質量%、および
b)成分Bとして式A1、A2)およびA3)の化合物、ならびにこれらの化合物の2つまたは3つの混合物から選択されるクロム錯体染料0.01〜1.0質量%、
Figure 2021530603
c)成分Cとしてカーボンブラック0.01〜1.0質量%
d)成分Dとしてガラス繊維0〜65質量%、
e)成分Eとして少なくとも1種のアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属擬ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属擬ハロゲン化物0.01〜10質量%、
f)成分Fとして他の追加の物質0〜50質量%を含み、
ここで、明示された量は、合計すると100質量%となり、かつ全組成物に対するものである、ポリアミド組成物を提供する。
本発明は、高い耐熱性および良好なレーザー銘刻性を有する黒色ポリアミド成形物の製造のための、上記および以下に定義されるポリアミド組成物を使用する方法をさらに提供する。
本発明は、さらに、上記および以下に定義される、本発明のポリアミド成形組成物から製造される成形物を提供する。
本発明はさらに、上記および以下に定義されるポリアミド組成物の製造のための方法を提供し、ここで、少なくとも1種の合成ポリアミドA、少なくとも1種のクロム錯体染料B、カーボンブラックC、成分E、および任意に他の添加剤Fは160〜340℃の範囲の温度に加熱しながら混合される。
本発明のポリアミド組成物は、レーザー銘刻可能な成形物の製造に特に適している。
本発明は以下の利点を有する:
− 本発明において使用されるクロム錯体染料は、本質的に核剤として働かず、そのため、それを用いて着色されたポリアミドの結晶化挙動に何らかの関係のある変化をもたらさない。このようにして、着色されたポリアミドから製造された成形物の寸法挙動における望ましくない変化を回避することが可能となる。
− 本発明において使用されるクロム錯体染料はなおまた、半晶質ポリアミドにおいて望ましくない移行を示さない。本発明のポリアミド組成物に基づく繊維の特色は、ほとんど浸出がなく、摩擦堅牢度が高いことである。
− 本発明において着色されたポリアミドならびにそれから製造された成形物および繊維の特色は、非常に良好な染色堅牢度、非常に良好な耐熱性および/または非常に良好な加工性である。特にここでは、ソルベントブラック28を用いて着色されたポリアミドに高い耐熱性を有することは、驚くべきことである。
− 高光沢表面を有する製品は、本発明において使用されるクロム錯体染料を用いて製造することができる。なおまた、強い黒色のポリアミド製品を製造することも可能である。
− 本発明において使用されるクロム錯体染料を、特許請求の範囲による量のカーボンブラックと組み合わせた場合、特に黒に着色された成形物において高いコントラストで淡色に着色された書体を得ることが可能になるので、良好なレーザー銘刻性がポリアミド成形組成物を用いて得られる。これらの効果は、有利には、特にPA6およびPA66で、特にPA66で明白である。
− クロム錯体染料のカーボンブラックとの組み合わせは、ポリアミド成形物の機械的性質の減損を全く、またはほとんど引き起こさない。
− 材料は、充填剤として高い含有率のガラス繊維を用いても、レーザー銘刻可能である。
− 本発明の組み合わせ、すなわち成分Eとのクロム錯体染料が使用される場合、ニグロシンの併用は必要ではない。
− アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属擬ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属擬ハロゲン化物の併用は、他の性質の減損をしないで結晶化温度を効果的に下げることができる。
組成物は、好ましくは全組成物に対して最大0.05質量%、好ましくは最大0.03質量%、特に0.01質量%の非常に少量のみのニグロシンを含む。組成物は特に好ましくはニグロシンを含まない。
本発明の組成物の個々の成分は、以下により詳細に説明される。
以下に明示される量は、全組成物に対するものである。それらは合計すると100質量%となる。個々の量は本文において提示される方式に関係なく、小数点以下2桁まで正確に明示されるものと解釈されるべきである。したがって、15質量%は15.00質量%を意味する。
成分A
組成物は、成分Aとして少なくとも1種の合成ポリアミドを、34.97〜99.97質量%、好ましくは44.91〜99.91質量%、特に49.85〜99.85質量%、とりわけ49.65〜99.65質量%含む。
成分Aの合成ポリアミド
本発明のポリアミド組成物は、成分Aとして少なくとも1種の合成ポリアミドを含む。本発明の目的に関して、「合成ポリアミド」という表現は広く解釈される。それは、非常に一般的な用語において、ジカルボン酸、ジアミン、少なくとも1種のジカルボン酸および少なくとも1種のジアミンからできる塩、ラクタム、ω−アミノ酸、アミノカルボン酸のニトリルおよびそれらの混合物から選択される、ポリアミド形成のために適切な少なくとも1種の成分を組み込んだポリマーを包含する。本発明の合成ポリアミドは、ポリアミド形成に適切な成分だけでなく、それと共重合可能なモノマーも共重合した形態で含むことができる。「合成ポリアミド」という表現は、天然のポリアミド、例えばペプチドおよびタンパク質、例として毛髪、羊毛、絹および卵白を除外する。
本発明に関して、文字PA、続いて数字および文字で構成される当業界で慣用の 短縮形が、時にはポリアミドについて使用される。これらの短縮形の幾つかは、DIN EN ISO 1043−1に標準化されている。HN−(CH−COOHというタイプのアミノカルボン酸または対応するラクタムに由来し得るポリアミドは、PA Z[式中、Zはモノマー中の炭素原子の数である。]として特徴づけられる。例えば、PA6はε−カプロラクタムまたはω−アミノカプロン酸からできるポリマーに使用される。PA Z1Z2は、タイプHN−(CH−NHおよびHOOC−(CH−COOH[式中、Z1はジアミン中の炭素原子の数であり、Z2はジカルボン酸中の炭素原子の数である。]のジアミンおよびジカルボン酸に由来し得るポリアミドを特徴づけるために使用される。コポリアミドについては、成分が、それらの定量的比率の順序に列挙され斜線によって分離され: 例として、PA66/610は、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびセバシン酸からできるコポリアミドである。以下の文字短縮形が、芳香族基または脂環式基を有する本発明において使用されるモノマーに使用される:
T=テレフタル酸、I=イソフタル酸、MXDA=m−キシリレンジアミン、IPDA=イソホロンジアミン、PACM=4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、MACM=2,2’−ジメチル−4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)。
「C−C−アルキル」という以下の表現は、無置換、直鎖および分岐C−C−アルキル基を包含する。C−C−アルキル基の例は、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル(1,1−ジメチルエチル)である。
以下に挙げる脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸およびモノカルボン酸の場合には、カルボキシ基は、非誘導体の形態または誘導体の形態でそれぞれ存在することができる。ジカルボン酸の場合には、誘導体の形態で存在するカルボキシ基の数は、ゼロ、1または2であってもよい。適切な誘導体は、無水物、エステル、アシルクロリド、ニトリルおよびイソシアナートである。好ましい誘導体は無水物またはエステルである。ジカルボン酸の無水物は、モノマーまたはポリマーの形態であってもよい。好ましいエステルは、アルキルエステルおよびビニルエステル、特にC−C−アルキルエステル、特に、メチルエステルまたはエチルエステルである。ジカルボン酸は、好ましくはモノ−またはジアルキルエステル、特にモノまたはジ−C−C−アルキルエステル、特にモノメチルエステル、ジメチルエステル、モノエチルエステルまたはジエチルエステルの形態で存在する。ジカルボン酸が、モノ−またはジビニルエステルの形態で存在することはさらに好ましい。ジカルボン酸が、混合エステル、特に異なるC−C−アルキル成分を有する混合エステル、特にメチルエチルエステルの形態で存在することはさらに好ましい。
ポリアミド形成のために適切な成分は、好ましくは以下から選択される。
pA)無置換または置換芳香族ジカルボン酸、および無置換または置換芳香族ジカルボン酸の誘導体、
pB)無置換または置換芳香族ジアミン、
pC)脂肪族または脂環式のジカルボン酸、
pD)脂肪族または脂環式のジアミン、
pE)モノカルボン酸、
pF)モノアミン、
pG)少なくとも三官能性のアミン、
pH)ラクタム、
pI)ω−アミノ酸、
pK)pA)からpI)と異なるがそれらと共縮合可能な化合物。
脂肪族ポリアミドは1つの適切な実施形態である。タイプPAZ1Z2(例えばPA66)の脂肪族ポリアミドに関して、条件は、成分pC)またはpD)の少なくとも1つが存在しなければならず、pA)およびpB)の成分のどちらも、存在することは許されないということである。タイプPAZ(例えばPA6またはPA12)の脂肪族ポリアミドに関して、条件は、少なくとも成分pH)が存在しなければならないということである。半芳香族ポリアミドは別の適切な実施形態である。半芳香族ポリアミドについて、条件は、成分pA)およびpB)の少なくとも1つ、かつ成分pC)およびpD)の少なくとも1つが存在しなければならないということである。
芳香族ジカルボン酸pA)は、好ましくは、無置換または置換フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸およびジフェニルジカルボン酸、ならびに上述の芳香族ジカルボン酸の誘導体および混合物からそれぞれ選択される。
置換芳香族ジカルボン酸pA)は、好ましくは少なくとも1(例えば1、2、3または4)個のC−C−アルキル部分を有する。特に、置換芳香族ジカルボン酸pA)は、1または2個のC−C−アルキル部分を有する。これらは、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、特にメチル、エチルおよびn−ブチル、特にメチルおよびエチル、とりわけメチルから選択される。置換芳香族ジカルボン酸pA)は、またアミド化を妨害しない他の官能基を有することができ、その例は、5−スルホイソフタル酸ならびにその塩および誘導体である。ここでの好ましい例はジメチル5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩である。
芳香族ジカルボン酸pA)は、無置換テレフタル酸、無置換イソフタル酸、無置換ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸および5−スルホイソフタル酸から選択されるのが好ましい。
芳香族ジカルボン酸pA)としてテレフタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸およびイソフタル酸の混合物を使用することは特に好ましい。
半芳香族ポリアミド中のジカルボン酸のすべてにおける芳香族ジカルボン酸の比率は、好ましくは少なくとも50mol%、特に好ましくは70mol%〜100mol%である。特定の一実施形態において、テレフタル酸もしくはイソフタル酸の比率、またはテレフタル酸およびイソフタル酸の混合物の比率は、半芳香族ポリアミド中のジカルボン酸すべてに対して、少なくとも50mol%、好ましくは70mol%〜100mol%である。
芳香族ジアミンpB)は、好ましくは、ビス(4−アミノフェニル)メタン、3−メチルベンジジン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,2−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノトルエン(複数可)、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ビス(4−メチルアミノフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メチルアミノフェニル)プロパンおよびそれらの混合物から選択される。
脂肪族または脂環式のジカルボン酸pC)は、好ましくは、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン−α,ω−ジカルボン酸、ドデカン−α,ω−ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、cis−およびtrans−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、cis−およびtrans−シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、cis−およびtrans−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、cis−およびtrans−シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸、cis−およびtrans−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、ならびにそれらの混合物から選択される。
脂肪族または脂環式のジアミンpD)は、好ましくは、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、5−メチルノナンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、およびそれらの混合物から選択される。
ジアミンpD)は、特に好ましくは、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンおよびそれらの混合物から選択される。
特定の一実施形態において、半芳香族ポリアミドは、共重合形態において、ヘキサメチレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(PACM)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(MACM)、イソホロンジアミン(IPDA)およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジアミンpD)を含む。
特定の一実施形態において、半芳香族ポリアミドは、共重合形態において、ジアミンpD)として排他的にヘキサメチレンジアミンを含む。
別の特定の実施形態において、半芳香族ポリアミドは、共重合形態において、ジアミンpD)として排他的にビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンを含む。
別の特定の実施形態において、半芳香族ポリアミドは、共重合形態において、ジアミンpD)として排他的に3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(MACM)を含む。
別の特定の実施形態において、半芳香族ポリアミドは、共重合形態において、ジアミンpD)として排他的にイソホロンジアミン(IPDA)を含む。
脂肪族および半芳香族のポリアミドは、共重合形態において、少なくとも1種のモノカルボン酸pE)を含むことができる。ここでのモノカルボン酸pE)は、本発明において製造されるポリアミドの末端封鎖のために役立つ。原理的には、ポリアミド縮合の反応条件下で利用可能なアミノ基の少なくとも一部と反応できるモノカルボン酸のいずれでも適切である。適切なモノカルボン酸pE)は、脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸および芳香族モノカルボン酸である。これらの中には、酢酸、プロピオン酸、n−、イソ−またはtert−ブタン酸、吉草酸、トリメチル酢酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバル酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、メチル安息香酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、大豆、アマニ、トウゴマおよびヒマワリに由来する脂肪酸、アクリル酸、メタクリル酸、Versatic(登録商標)acid、Koch(登録商標)acid、ならびにそれらの混合物がある。
不飽和カルボン酸またはそれらの誘導体がモノカルボン酸pE)として使用される場合、市販の重合禁止剤の存在下でそれを働かせることが得策であり得る。
モノカルボン酸pE)は、特に好ましくは、酢酸、プロピオン酸、安息香酸およびそれらの混合物から選択される。
特定の一実施形態において、脂肪族および半芳香族ポリアミドは、共重合形態において、モノカルボン酸pE)として排他的にプロピオン酸を含む。
別の特定の実施形態において、脂肪族および半芳香族ポリアミドは、共重合形態において、モノカルボン酸pE)として排他的に安息香酸を含む。
別の特定の実施形態において、脂肪族および半芳香族ポリアミドは、共重合形態において、モノカルボン酸pE)として排他的に酢酸を含む。
脂肪族および半芳香族のポリアミドは、共重合形態において、少なくとも1種のモノアミンpF)を含むことができる。ここでの脂肪族ポリアミドは、共重合形態において、脂肪族モノアミンまたは脂環式モノアミンのみを含む。ここでのモノアミンpF)は、本発明において製造されたポリアミドの末端封鎖のために役立つ。原理的には、ポリアミド縮合の反応条件下で利用可能なカルボン酸基の少なくとも一部と反応できるモノアミンのいずれでも適切である。適切なモノアミンpF)は、脂肪族モノアミン、脂環式モノアミンおよび芳香族モノアミンである。これらの中には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンおよびそれらの混合物がある。
また、脂肪族および半芳香族ポリアミドを製造するために、少なくとも1種の少なくとも三官能性アミンpG)を使用することが可能である。これらの中には、N’−(6−アミノヘキシル)ヘキサン−1,6−ジアミン、N’−(12−アミノドデシル)ドデカン−1,12−ジアミン、N’−(6−アミノヘキシル)ドデカン−1,12−ジアミン、N’−[3−(アミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル]ヘキサン−1,6−ジアミン、N’−[3−(アミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル]ドデカン−1,12−ジアミン、N’−[(5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキシル)メチル]ヘキサン−1,6−ジアミン、N’−[(5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキシル)メチル]ドデカン−1,12−ジアミン、3−[[[3−(アミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ]メチル]−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンアミン、3−[[(5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキシル)メチルアミノ]メチル]−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンアミン、3−(アミノメチル)−N−[3−(アミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル]−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンアミンがある。少なくとも三価アミンpG)のいずれの使用も回避することが好ましい。
適切なラクタムpH)は、ε−カプロラクタム、2−ピペリドン(δ−バレロラクタム)、2−ピロリドン(γ−ブチロラクタム)、カプリロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタムおよびそれらの混合物である。
適切なω−アミノ酸pI)は、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸およびそれらの混合物である。
pA)からpI)と異なるがそれらと共縮合可能な適切な化合物pK)は、少なくとも三官能性のカルボン酸、ジアミノカルボン酸などである。
適切な化合物pK)はなおまた、4−[(Z)−N−(6−アミノヘキシル)−C−ヒドロキシカルボンイミドイル]安息香酸、3−[(Z)−N−(6−アミノヘキシル)−C−ヒドロキシカルボンイミドイル]安息香酸、(6Z)−6−(6−アミノヘキシルイミノ)−6−ヒドロキシヘキサンカルボン酸、4−[(Z)−N−[(5−アミノ−1,3,3−トリメチル−シクロヘキシル)メチル]−C−ヒドロキシカルボンイミドイル]安息香酸、3−[(Z)−N−[(5−アミノ−1,3,3−トリメチル−シクロヘキシル)メチル]−C−ヒドロキシカルボンイミドイル]安息香酸、4−[(Z)−N−[3−(アミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル]−C−ヒドロキシカルボンイミドイル]安息香酸、3−[(Z)−N−[3−(アミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル]−C−ヒドロキシカルボンイミドイル]安息香酸およびそれらの混合物である。
ポリアミドAは、好ましくはPA 4、PA 5、PA 6、PA 7、PA 8、PA 9、PA 10、PA 11、PA 12、PA 46、PA 66、PA 666、PA 69、PA 610、PA 612、PA 96、PA 99、PA 910、PA 912、PA 1212、PA 6.T、PA 9.T、PA 8.T、PA 10.T、PA 12.T、PA 6.I、PA 8.I、PA 9.I、PA 10.I、PA 12.I、PA 6.T/6、PA 6.T/10、PA 6.T/12、PA 6.T/6.I、PA 6.T/8.T、PA 6.T/9.T、PA 6.T/10T、PA 6.T/12.T、PA 12.T/6.T、PA 6.T/6.I/6、PA 6.T/6.I/12、PA 6.T/6.I/6.10、PA 6.T/6.I/6.12、PA 6.T/6.6、PA 6.T/6.10、PA 6.T/6.12、PA 10.T/6、PA 10.T/11、PA 10.T/12、PA 8.T/6.T、PA 8.T/66、PA 8.T/8.I、PA 8.T/8.6、PA 8.T/6.I、PA 10.T/6.T、PA 10.T/6.6、PA 10.T/10.I、PA 10T/10.I/6.T、PA 10.T/6.I、PA 4.T/4.I/46、PA 4.T/4.I/6.6、PA 5.T/5.I、PA 5.T/5.I/5.6、PA 5.T/5.I/6.6、PA 6.T/6.I/6.6、PA MXDA.6、PA IPDA.I、PA IPDA.T、PA MACM.I、PA MACM.T、PA PACM.I、PA PACM.T、PA MXDA.I、PA MXDA.T、PA 6.T/IPDA.T、PA 6.T/MACM.T、PA 6.T/PACM.T、PA 6.T/MXDA.T、PA 6.T/6.I/8.T/8.I、PA 6.T/6.I/10.T/10.I、PA 6.T/6.I/IPDA.T/IPDA.I、PA 6.T/6.I/MXDA.T/MXDA.I、PA 6.T/6.I/MACM.T/MACM.I、PA 6.T/6.I/PACM.T/PACM.I、PA 6.T/10.T/IPDA.T、PA 6.T/12.T/IPDA.T、PA 6.T/10.T/PACM.T、PA 6.T/12.T/PACM.T、PA 10.T/IPDA.T、PA 12.T/IPDA.Tならびにそれらのコポリマーおよび混合物から選択される。
好ましい一実施形態において、本発明のポリアミド組成物は、成分Aとして少なくとも1種の脂肪族ポリアミドを含む。
次に、ポリアミドは、好ましくはPA 4、PA 5、PA 6、PA 7、PA 8、PA 9、PA 10、PA 11、PA 12、PA 46、PA 66、PA 666、PA 69、PA 610、PA 612、PA 96、PA 99、PA 910、PA 912、PA 1212ならびにそれらのコポリマーおよび混合物から選択される。
特に、脂肪族ポリアミドAは、PA 6、PA 66、PA666およびPA 12から選択される。特定の一実施形態は、成分AがPA 66を含むか、またはPA 66からなるポリアミド組成物によって提供される。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法は半芳香族ポリアミドの製造のために役立つ。
次いで、ポリアミドAは、好ましくはPA 6.T、PA 9.T、PA 10.T、PA 12.T、PA 6.I、PA 9.I、PA 10.I、PA 12.I、PA 6.T/6.I、PA 6.T/6、PA 6.T/8.T、PA 6.T/10T、PA 10.T/6.T、PA 6.T/12.T、PA 12.T/6.T、PA IPDA.I、PA IPDA.T、PA 6.T/IPDA.T、PA 6.T/6.I/IPDA.T/IPDA.I、PA 6.T/10.T/IPDA.T、PA 6.T/12.T/IPDA.T、PA 6.T/10.T/PACM.T、PA 6.T/12.T/PACM.T、PA 10.T/IPDA.T、PA 12.T/IPDA.Tならびにそれらのコポリマーおよび混合物から選択される。
本発明に関して、数平均分子量Mおよび質量平均分子量Mに関係する以下の記述は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定に基づく。例として、PMMAは低い多分散性を有するポリマー標準として較正のために使用された。
合成ポリアミドAの数平均分子量Mは、好ましくは8000〜50000g/mol、特に好ましくは10000〜35000g/molの範囲にある。
合成ポリアミドAの質量平均分子量Mは、好ましくは15000〜200000g/mol、特に好ましくは20000〜125000g/molの範囲にある。
ポリアミドAの多分散性PD(=M/M)は、好ましくは最大で6、特に好ましくは最大で5、特に最大で3.5である。
成分B
本発明において使用されるクロム錯体染料Bは、ソルベントブラック28(CAS番号:12237−23−9、C.I.ソルベントブラック28)として得ることができる。市販されている製品はBASF SEからのOrasol BK 045である。ソルベントブラック28は、水にほとんど溶けないが、アルコール系有機溶媒またはケトン基を含む有機溶媒中で良好な溶解度を有する。20℃で、エタノール中の溶解度は約10g/Lであり、メチルエチルケトン中で約400g/Lである。
本発明のポリアミド組成物は、ポリアミド組成物の合計質量に対して0.03質量%〜0.5質量%、特に0.05質量%〜0.4質量%、とりわけ0.05〜0.2質量%の量のクロム錯体染料Bを含むことが好ましい。
成分C
本発明の組成物は、成分Cとして、0.01〜1質量%、好ましくは0.03〜0.5質量%、特に0.05〜0.4質量%、とりわけ0.2〜0.4質量%のカーボンブラックを含む。カーボンブラックは、工業用カーボンブラックとも呼ばれ、大きい表面−体積比を有する炭素の形態であり、80〜99.5質量%の炭素で構成される。工業用カーボンブラックの比表面積は、約10〜1500m/g(BET)である。カーボンブラックは、ガスブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックまたはアセチレンブラックであってもよい。粒径は、8〜500nm、通常8〜110nmの範囲にある。カーボンブラックについて使用される他の用語はピグメントブラック7およびランプブラック6である。ピグメントブラックはナノ微粒子カーボンブラックであり、微細なために元のカーボンブラックの下に有る褐色の色相を徐々に失う。
成分D
本発明の組成物は、成分Dとしてガラス繊維0〜65質量%、例えばガラス繊維10〜65質量%または15〜55質量%または20〜50質量%を含む(これらの例における成分Aの量は適切に調整される)。ガラス繊維が使用されないことがある限り、好ましい範囲は0〜55質量%、および0〜50質量%である。
とりわけ、寸断したガラス繊維が使用される。特に成分Dは、好ましくは短繊維であるガラス繊維を含む。これらの長さは、好ましくは2〜50mmの範囲にあり、それらの直径は好ましくは5〜40μmである。代替として連続フィラメント繊維(粗糸)を使用することは可能である。円形および/または非円形の断面を有する繊維が適切であり、ここで後者の事例において、断面主軸と断面副軸の寸法比は、特に>2、好ましくは2〜8の範囲、特に好ましくは3〜5の範囲である。
特定の一実施形態において、成分Dは、「板ガラス繊維」として知られるものを含む。これらはとりわけ、卵形もしくは楕円の断面、または狭窄部(複数可)を有する楕円の断面(「繭」繊維)、または長方形もしくはほぼ長方形の断面を有する。ここで、非円形の断面を有し、かつ2を超える、好ましくは2〜8、特に3〜5の断面主軸と断面副軸の寸法比を有するガラス繊維を使用することが好ましい。
また、本発明の成形組成物を補強するために、円形および非円形の断面を有するガラス繊維の混合物を使用することは可能である。特定の一実施形態において、上記に定義される板ガラス繊維の含有率が優位を占め、すなわち、これらは繊維の合計組成の50質量%を超える。
ガラス繊維粗糸が成分Dとして使用される場合、これらの直径は、好ましくは10〜20μm、優先的には12〜18μmである。ここでのガラス繊維の断面は、円、卵形、楕円、長方形またはほぼ長方形であってもよい。断面軸の比2〜5を有する板ガラス繊維として知られるものを使用することは特に好ましい。特にEガラス繊維が使用される。しかし、他のタイプのガラス繊維のいずれも、例えばA、C、D、M、SもしくはRガラス繊維、または任意の所望のそれらの混合物、またはEガラス繊維との混合物を使用することもまた可能である。
本発明のポリアミド成形組成物は、細長い長尺繊維で補強されたペレットを製造するための公知の方法によって、特に引抜き法によって製造することができ、連続フィラメント繊維ストランド(粗糸)を、ポリマー溶解物で十分に飽和させて、次いで、冷却し、寸断する。このようにして得られた細長い長尺繊維補強ペレットは、ペレット長さが好ましくは3〜25mm、特に4〜12mmであり、従来の加工方法、例えば射出成形または圧縮成形によってさらに加工されて成形物を与えることができる。
成分E
本発明の組成物は、成分Eとして0.01〜10質量%、好ましくは0.03〜0.5質量%、特に0.05〜0.4質量%、とりわけ0.1〜0.3質量%の、少なくとも1種のアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属擬ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属擬ハロゲン化物を含み、好ましくは0.10〜0.24質量%の量のKIを除外し、特に好ましくはKIを除外し、またはNaI、KI、NaBr、KBrを除外する。使用に好ましいものは、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、またはそれらの混合物、好ましくはアルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属臭化物、またはそれらの混合物である。特に、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、またはそれらの混合物が使用に好ましい。特に、塩化リチウムが使用のために好ましい。
成分F
本発明の組成物は、成分Fとして、0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%、特に0〜10質量%の他の追加の物質を含む。これらの追加の物質が付随して使用される場合、最小の量は、0.1質量%、好ましくは1質量%、特に3質量%である。
成分Fが付随して使用され場合、成分Aの上限は対応して減少する。したがって、成分Fの最小量0.1質量%の場合には、例として成分Aの量の上限は99.87質量%である。
他の追加の物質として使用することができる材料は、ガラス繊維以外の充填剤および補強材、成分A以外の熱可塑性ポリマー、または他の添加剤である。
本発明に関して、表現「充填剤および補強材」(=可能な成分F)は、広く解釈され、粒状充填剤、繊維材および任意の所望の過渡的な形態を含む。粒状充填剤は、塵埃の形態の粒子から粗粒子状粒子に及ぶ広範囲の粒径であってもよい。使用される充填剤材料は、有機または無機の充填剤および補強材を含むことができる。使用することができる材料の例は、無機充填剤、例えばカオリン、胡粉、ウォラストナイト、タルク粉末、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、二酸化チタン、酸化亜鉛、黒鉛、ガラス粒子、例えばガラスビーズ、ナノスケールの充填剤、例えばカーボンナノチューブ、ナノスケールのフィロシリケート、ナノスケールの酸化アルミニウム(Al)、ナノスケールの二酸化チタン(TiO)、グラフェン、永久磁性または磁化可能な金属化合物および/または合金、フィロシリケートおよびナノスケールの二酸化ケイ素(SiO)である。充填剤はまた表面処理された充填剤であってもよい。
本発明の成形組成物において使用することができるフィロシリケートは、例えば、カオリン、蛇紋石、タルク粉末、雲母、蛭石、イライト、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、複水酸化物またはそれらの混合物である。フィロシリケートは、表面処理されたまたは表面処理されていないフィロシリケートであってもよい。
なおまた、1種または複数種の繊維材を使用することは可能である。これらは、好ましくは、公知の無機強化繊維、例えばホウ素繊維、炭素繊維、シリカ繊維、セラミック繊維およびバサルト繊維;有機強化繊維、例えばアラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維ならびに天然繊維、例えば木材繊維、亜麻繊維、麻繊維およびサイザル麻から選択される。
特に、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、金属繊維またはチタン酸カリウム繊維を使用することが好ましい。
成分A以外の熱可塑性ポリマーは、好ましくは以下から選択される。
− C−C10モノオレフィン、例えばエチレンまたはプロピレン、1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、ビニルアルコールおよびそのC−C10−アルキルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、分岐および非分岐C−C10アルコールのアルコール成分を有するアクリラートおよびメタクリラート、ビニル芳香族、例えばスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α,β−エチレン性不飽和モノ−およびジカルボン酸、ならびに無水マレイン酸から選択される少なくとも1種のモノマーを共重合形態で含むホモポリマーまたはコポリマー;
− ビニルアセタールのホモポリマーおよびコポリマー;
− ポリビニルエステル;
− ポリカルボナート(PC);
− ポリエステル、例えばポリアルキレンテレフタラート、ポリヒドロキシアルカノアート(PHA)、ポリブチレンスクシナート(PBS)、ポリブチレンスクシナートアジパート(PBSA);
− ポリエーテル;
− ポリエーテルケトン;
− 熱可塑性ポリウレタン(TPU);
− ポリスルフィド;
− ポリスルホン;
− ポリエーテルスルホン;
− セルロースアルキルエステル;
およびそれらの混合物。
例えばC−C−アルコール、特にブタノール、ヘキサノール、オクタノールおよび2−エチルヘキサノールの群からの、同一かまたは異なるアルコール部分を有するポリアクリラート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、メタクリル酸メチルアクリル酸ブチルコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー(EPDM)、ポリスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)、アクリロニトリル−スチレン−アクリラート(ASA)、スチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチルコポリマー(SBMMA)、スチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸コポリマー(SMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリビニルアルコール(PVAL)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシブタン酸(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸(PHV)、ポリ乳酸(PLA)、エチルセルロース(EC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)および酢酸/酪酸セルロース(CAB)を挙げることができる。
本発明の成形組成物中に含まれる少なくとも1種の熱可塑性ポリマーは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PVB)、酢酸ビニルのホモポリマーもしくはコポリマー、スチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、ポリアクリラート、熱可塑性ポリウレタン(TPU)またはポリスルフィドであることが好ましい。
ソルベントブラック28を少なくとも1種のさらなる色素(=成分F)と組み合わせることは有利であり得る。次いで、成分Fは、好ましくはBおよびC以外の核を形成しない色素から選択される。これらの中には、核を形成しない染料、核を形成しない顔料およびそれらの混合物がある。核を形成しない染料の例は、ソルベントイエロー21(Oracet(登録商標)イエロー160FAとしてBASF SEから市販されている)およびソルベントブルー104(ClariantからSolvaperm(登録商標)ブルー2Bとして市販されている)である。核を形成しない顔料の例は、ピグメントブラウン24(BASF SEからSicotan(登録商標)イエローK 2011 FGとして市販されている)である。少量の少なくとも1種の白色顔料も成分Fとして使用することができる。適切な白色顔料は、二酸化チタン(ピグメントホワイト6)、硫酸バリウム(ピグメントホワイト22)、硫化亜鉛(ピグメントホワイト7)などである。特定の一実施形態において、本発明の成形組成物は、成分Fとして、0.001〜0.5質量%の少なくとも1種の白色顔料を含む。例として、成形組成物は、Kronosからの商標Kronos 2220の二酸化チタン0.05質量%を含むことができる。
添加の性質および量は色相に、すなわち所望の正確な黒色の色相に依存する。例えば、ソルベントイエロー21は、例としてCIELAB色空間内でb*=−1.0から+b*の方向に、すなわち黄色の方向に黒色色相をシフトするために使用することができる。この方法に関して当業者が使用する表現はシェーディングである。使用した測定法は、DIN 6174「Colorimetric evaluation of color coordinates and color differences according to the approximately uniform CIELAB color space」または後継の標準による。
本発明の組成物は、好ましくは成分BおよびCと一緒に、他の黒色着色染料または顔料を含まない。他の染料または着色顔料を全く含まないことが特に好ましい(ただし成分Eを除く)。
適切な好ましい添加剤Fは、潤滑剤および熱安定剤、ならびに難燃剤、光安定剤(UV安定剤、UV吸収剤またはUV遮断剤)、染料、核剤、メタリック顔料、金属薄片、金属被覆粒子、帯電防止剤、伝導度添加剤、離型剤、蛍光増白剤、発泡防止剤などである。
本発明の成形組成物は、好ましくは、成分Fとして少なくとも1種の熱安定剤を組成物の合計質量に対して0.01〜3質量%、特に0.02〜2質量%、特に0.05〜1.0質量%含むことができる。
熱安定剤は、好ましくは、銅化合物、第二級芳香族アミン、立体障害フェノール、ホスファイト、ホスホナイトおよびそれらの混合物から選択される。
銅化合物が使用される範囲では、銅の量は、好ましくは組成物の合計質量に対して0.003〜0.5質量%、特に0.005〜0.3質量%、特に好ましくは0.01〜0.2質量%である。
第二級芳香族アミン系安定剤が使用される範囲では、これらの安定剤の量は、好ましくは、組成物の合計質量に対して0.2〜2質量%、特に好ましくは0.2〜1.5質量%である。
立体障害フェノール系安定剤が使用される範囲では、これらの安定剤の量は、組成物の合計質量に対して好ましくは0.1〜1.5質量%、特に好ましくは0.2〜1質量%である。
ホスファイトおよび/またはホスホナイト系の安定剤が使用される範囲では、これらの安定剤の量は、組成物の合計質量に対して好ましくは0.1〜1.5質量%、特に好ましくは0.2〜1質量%である。
一価または二価の銅の適切な化合物Fの例は、一価もしくは二価の銅の、無機もしくは有機酸または一官能性もしくは二官能性フェノールとの塩、一価もしくは二価の銅の酸化物、およびアンモニアとの、アミンとの、アミドとの、ラクタムとの、シアン化物との、またはホスフィンとの銅塩の錯体、好ましくは、ハロゲン化水素酸またはシアン化水素酸のCu(I)もしくはCu(II)塩、あるいは脂肪族カルボン酸の銅塩である。一価銅化合物は、特に好ましくはCuCl、CuBr、CuI、CuCNおよびCuOであり、二価銅化合物は、特に好ましくはCuCl、CuSO、CuO、酢酸銅(II)またはステアリン酸銅(II)である。
銅化合物は市販されているか、または、その製造は当業者に公知である。銅化合物は、それ自体または濃縮物の形態で使用することができる。ここでの濃縮物という用語は、好ましくは成分A)と同じ化学的種類の、高濃度の銅塩を含むポリマーを意味する。濃縮物の使用は従来の方法であり、非常に少量の投入材料の計量が必要とされる場合、特に頻繁に使用される。銅化合物は、有利には、他の金属ハロゲン化物、特にアルカリ金属ハロゲン化物、例えばNal、KI、NaBr、KBrと組み合わせて使用され、ここで、金属ハロゲン化物と銅ハロゲン化物のモル比は、0.5〜20、好ましくは1〜10、特に好ましくは3〜7である。
本発明において使用することができる、第二級芳香族アミン系の安定剤の特に好ましい例は、フェニレンジアミンに由来する、アセトンとの付加物(Naugard(登録商標)A)、フェニレンジアミンに由来する、リノレン酸との付加物、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(Naugard(登録商標)445)、N,N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−シクロヘキシル−p−フェニレンジアミンおよびそれらの2種以上の混合物である。
本発明において使用することができる、立体障害フェノール系安定剤の好ましい例は、N,N’−ヘキサメチレンビス−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、グリコールビス(3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブタノアート、2,1’−チオエチルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオナートおよび2種以上のこれらの安定剤の混合物である。
好ましいホスファイトおよびホスホナイトは、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス−(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチロキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイトである。トリス[2−tert−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチル)−フェニル−5−メチル]フェニルホスファイトおよびトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(Hostanox(登録商標)PAR24:BASF SEからの市販製品)が特に優先される。
好ましいポリアミド組成物は、0.13質量%、または0.3質量%、または0.12〜0.31質量%の量のモル比1:4のCuI/KIを含まない。熱安定剤の好ましい一実施形態は、有機熱安定剤の組み合わせ(特にHostanox PAR 24およびIrganox 1010)、ビスフェノールA系エポキシド(特にエピコート1001)ならびにCuIおよびKI系の銅安定剤システムにある。有機安定剤およびエポキシドで構成される市販の安定剤混合物の例は、BASF SEからのIrgatec(登録商標)NC66である。特に、排他的にCuIおよびKIに基づく熱安定剤システムが優先される。他の遷移金属化合物、特に元素周期表のVB、VIB、VIIBまたはVIIIB族の金属塩または金属酸化物の、銅または銅化合物の添加と一緒の使用は、除外される。なおまた、元素周期表のVB、VIB、VIIBまたはVIIIB族の遷移金属、例えば鉄粉末または鋼鉄粉末は、本発明の成形組成物に添加されないことが好ましい。
本発明の成形組成物は、添加剤Fとして少なくとも1種の難燃剤を、組成物の合計質量に対して好ましくは0〜30質量%、特に0〜20質量%含む。本発明の成形組成物が少なくとも1種の難燃剤を含む場合、その量は、組成物の合計質量に対して好ましくは0.01〜30質量%、特に好ましくは0.1〜20質量%である。使用することができる難燃剤は、ハロゲン含有およびハロゲンを含まない難燃剤、ならびにそれらの相乗剤である(またGaechter/Mueller、第3版、1989、Hanser Verlag、11章を参照。)。好ましいハロゲンを含まない難燃剤は、赤リン、ホスフィン酸もしくはジホスフィン酸の塩、ならびに/または窒素含有難燃剤、例えばメラミン、メラミンシアヌラート、メラミンスルファート、メラミンボラート、メラミンオキザラート、メラミンホスファート(第一級、第二級)もしくは第二級メラミンピロホスファート、メラミンネオペンチルグリコールボラート、グアニジン、および当業者に公知のそれらの誘導体、ならびにポリマーのメラミンホスファート(CAS番号:56386−64−2および218768−84−4ならびに欧州特許出願公開第1 095 030号)、ポリリン酸アンモニウム、トリスヒドロキシエチルイソシアヌラート(任意にまたトリスヒドロキシエチルイソシアヌラートとの混合物中のポリリン酸アンモニウム)(欧州特許出願公開第058 456 7号)である。難燃剤として適切な他のN含有もしくはP含有難燃剤またはPN縮合物は、独国特許出願公開第10 2004 049342号において見いだすことができ、これらのための従来の相乗剤、例えば酸化物またはボラートも同様である。適切なハロゲン含有難燃剤の例は、オリゴマーの臭素化ポリカルボナート(BC 52 Great Lakes)およびポリペンタブロモベンジルアクリラート(ここで、Nは4を超える(FR 1025 Dead Sea Bromine)。)、テトラブロモビスフェノールAのエポキシドとの反応生成物、臭素化オリゴマーもしくはポリマースチレンおよびDechloranであり、これらの大半が相乗剤として酸化アンチモンと共に使用されている(詳細および他の難燃剤に関して:独国特許出願公開第10 2004 050 025号を参照。)。
ポリアミド成形組成物の製造は、それ自体公知の方法によって達成される。これは、好適な質量比率での成分の混合を含む。成分は、それらを組み合わせ、混合し、混練し、押出しまたはローリングすることによって高温で混合されることが好ましい。混合温度は、好ましくは220℃〜340℃、特に240〜320℃、とりわけ250〜300℃の範囲である。適切な方法は当業者に公知である。
成形物
本発明は、なおまた、本発明のコポリアミドおよびポリアミド成形組成物をそれぞれ使用して製造される成形物を提供する。
黒色ポリアミドは、任意の所望の適切な加工方法によって成形物の製造のために使用することができる。適切な加工方法は、特に射出成形、押出、共押出、熱成形およびプラスチックの造形のための他の公知の方法である。これらおよび他の例は、例として「Einfaerben von Kunststoffen」[プラスチックの着色]、VDI−Verlag、ISBN 3−18−404014−3に見いだすことができる。
本発明の方法によって得ることができるポリアミドはなおまた、有利には、とりわけ高温部門の製品を含む、自動車用途のための、および電気電子機器コンポーネント用の成形物の製造のための使用に適切である。
特定の一実施形態は、特にシリンダーヘッドカバー、エンジンカバー、チャージエアクーラーハウジング、チャージエアクーラーフラップ、インテークパイプ、インテイクマニホールド、コネクター、歯車、ラジエーターファン、冷却水リザーバ、熱交換器ハウジングまたは熱交換器ハウジング部品、冷却液クーラー、チャージエアクーラー、サーモスタット、ウォータポンプ、ヒーターおよび締結部から選択される自動車部門用のコンポーネントの形態のまたは部品としての成形物によって提供される。
自動車内装の可能な使用は、ダッシュボード、ステアリングコラムスイッチ、座席コンポーネント、ヘッドレスト、センターコンソール、トランスミッションコンポーネントおよびドアモジュール用であり、自動車外装の可能な使用は、A、B、CまたはDコラムカバー、スポイラー、ドアハンドル、エクステリアミラーコンポーネント、ウィンドシールドウォッシャコンポーネント、ウィンドシールドウォッシャ保護ハウジング、装飾グリル、カバー細片、ルーフレール、ウインドフレーム、スライディングルーフフレーム、アンテナクラッド、フロントおよびテールランプ、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、インテークパイプ、ウィンドシールドワイパーおよび外装車体製作部品用である。
別の特定の実施形態は、回路基板の、回路基板の部品の、ハウジング構成要素の、箔の、接続の、受動的もしくは能動的な電気電子機器コンポーネントの、特にスイッチの、プラグの、ソケットの、分配器の、リレーの、抵抗器の、コンデンサーの、コイルもしくはコイル体の、ランプの、ダイオードの、LEDの、トランジスターの、コネクターの、レギュレーターの、集積回路(IC)の、プロセッサーの、コントローラーの、メモリのおよび/またはセンサーの形態のまたは部品としての、成形物それ自体によってまたは部品として提供される。
本発明のポリアミドは、なおまた、無鉛(無鉛はんだ)の条件下ではんだ付け法に使用するのに適切であり、プラグコネクター、マイクロスイッチ、マイクロチップスイッチおよび半導体コンポーネント、特に発光ダイオード(LED)の反射板ハウジングの製造にとりわけ適切である。
特定の実施形態は、電気電子機器コンポーネントの締め具エレメント、例えばスペーサー、びょう、細片、挿入ガイド、ボルトおよびナットの形態の成形物によって提供される。
特に、ベースエレメントの、プラグコネクターの、プラグのまたはソケットの形態のまたは部品として成形物が優先される。成形物は、好ましくは機械的強靭性を要求する機能要素を含む。これらの機能要素の例は、フィルム蝶番、スナップホック(スナップイン)および舌ばねである。
本発明のポリアミドは、台所および家庭部門向けに台所用品用のコンポーネント、例えばフライパン、アイロンおよび取っ手を製造するために、ならびに庭およびレジャーの部門の用途向け、例えば潅漑システム、庭用品およびドアハンドル用のコンポーネントに使用することができる。
成形物の製造のためのポリアミド組成物の製造は、それ自体公知の方法によって達成される。ポリアミド組成物の製造に関する上述の方法が、ここで言及される。これは、好適な質量比率での成分の混合を含む。成分は、それらを組み合わせ、混合し、混練し、押出しまたはローリングすることによって高温で混合されることが好ましい。混合温度は、好ましくは220℃から直ちに340℃、特に240〜320℃、とりわけ250〜300℃の範囲である。個々の成分を予備混合することが有利になり得る。なおまた、ポリアミドの予備混合された成分および/または個々の成分の有意に融点未満で製造された物理的な混合物(ドライブレンド)から直接成形物を製造することも可能である。次いで混合温度は、好ましくは0〜100℃、特に好ましくは10〜50℃、とりわけ周囲温度(25℃)である。成形組成物は、従来の方法によって、例えば射出成形または押出によって加工して成形物を与えることができる。それらは、例として自動車用途、電気用途、電子用途、テレコミュニケーション用途、情報技術用途、コンピューター用途、家庭用途、スポーツ用途、医療用途または娯楽用途の、例としてカバー、ハウジング、アドオン部品およびセンサー用の材料向けに特に適切である。
以下の実施例は、本発明を説明する役目をするが、決してこれを限定するものではない。
DIN標準およびISO標準は2018年において有効な版に関係する。
以下の原料を使用した:
ナイロン−6:BASF SEからのUltramid(登録商標)B27、融点:222℃、粘度数(96%HSO中の0.5%):150cm/g
ガラス繊維:NEG−T249H、生産者:NIPPON ELECTRIC GLASS(MALAYSIA)SDN.BHD.、平均直径:10.5μm、長さ:3mm
ソルベントブラック28:Orasol Bk 045、生産者:BASF SE
カーボンブラック(スペシャルブラック4):生産者:Orion Engineered Carbons GmbH
熱安定剤:モル比1:4のCuI/KI
潤滑剤:エチレンビスステアリン酸アミド(EBS)、生産者:Lonza Cologne GmbH
染料:ニグロシン/ソルベントブラック7;生産者:Colloids LTD.
LiCl:Sigma Aldrich;CAS番号: 7447−41−8
下記表1に明示した原料を、回転容器型混合機で10分間予備混合し、次いで、直径25mmおよびL/D比44を有する二軸押出機によって、300℃のバレル温度で押出しペレット化した。これに関しては、無着色ポリアミドペレットを乾燥炉中100℃で4時間予備乾燥して0.1%未満の湿分となった。結果として得られたペレットを300℃の溶融温度で射出成形して、大きさ60x60mm、厚さ2mmの小板を得て、この製品を目視また技術的な試験によって評価した。機械的性質は、2016年有効な版のDIN ISO 527、それぞれ、179−2/1 eUおよび179−2/1 eAfに従って求めた。
ISO 11357に従って熱的物性をDSCによって求めた。PerkinElmer DSC 4000をこの目的に使用し、加熱、冷却どちらも20℃/分で行った。
DIN 66236に従ってレーザーコントラスト値を求めた。レーザー銘刻は、例として1064nmまたは532nm波長を用いるダイオード励起Nd:YAGレーザーであるFOBA DP50レーザーを用いて達成することができる。典型的なレーザー電力定格は50Wである。輝度値は、例としてMinolta LS−110輝度計を用いて求めることができる。これは、光源および表面のスポット輝度を試験するためのSLRスポット輝度試験機である。測定角度は1/3°であり、観測角は9°である。使用する光学系は、SLR観測器システムを有する85mmのf/2.8対物レンズである。散乱光係数は1.5%未満である。
コントラスト値は、KTEグリッドおよび基材の最も明るい場所と最も暗い場所との強度差を記載する。コントラスト値は、銘刻および基材について求めた最大および最小の輝度値を使用することによって計算する。
下記の表1は試験結果をまとめる。
その結果から、本発明の組み合わせ:ソルベントブラック28、カーボンブラックおよびLiClについてのみ、良好な輝度および光沢値と共に良好な衝撃耐性が、高いレーザーコントラスト値および低下した結晶化温度と同時に求められたことは明白である。
表1
実施例
比較例1
発明実施例1
比較例2
カラム2、3および4:小数コンマをすべて小数点に変更する。
ナイロン−6
ガラス繊維
染料
Cul/KI
潤滑剤
LiCl
カーボンブラック
ソルベントブラック28
Tmp1(℃)
Tmp2(℃)
Tco(℃)
Tcp(℃)
Hvw(℃)
引張弾性率(MPa)
破断時引張応力(MPa)
破断時引張歪(%)
レーザーコントラスト DIN 66236
評価にとってここで重要な可変項は、℃での半値幅(Hvw)、結晶化の開始(Tco)、およびまた結晶化点ピーク(Tcp)である。比較例2は、冷却中(189℃)の非常に早期の段階での結晶化の始まりを示し、180℃で結晶化はその最大値に達する。抗核形成の例である、比較例1および発明実施例1は、両方の事例において低温を示し、これは、溶融物の遅い凍結と等価である。発明実施例1は、182℃に開始を遅らせ、170℃で最大値に達した。このことは、両方の例、比較例1および発明実施例1についてより大きな半値幅として反映されている。2つのPA6の融点(Tmp1およびTmp2)は、比較例1および発明実施例1では、同様に低下する。しかし、比較例1は、発明実施例1より低いレーザーコントラスト値を示し、比較例2と同一水準にある。したがって、発明実施例1は、1)結晶化挙動または2)レーザーコントラストのいずれにも対応する欠点が無く、比較例1および比較例2の良好な性質を組み合わせている。

Claims (11)

  1. ポリアミド組成物であって、
    a)成分Aとして少なくとも1種の合成ポリアミド34.97〜99.97質量%、および
    b)成分Bとして式A1、A2)およびA3)の化合物、ならびにこれらの化合物のうちの2つまたは3つの混合物から選択されるクロム錯体染料0.01〜1.0質量%、
    Figure 2021530603
    c)成分Cとしてカーボンブラック0.01〜1.0質量%
    d)成分Dとしてガラス繊維0〜65質量%、
    e)成分Eとしてアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属擬ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属擬ハロゲン化物のうちの少なくとも1種0.01〜10質量%、
    f)成分Fとして他の追加の物質0〜50質量%を含み、
    ここで、明示された量は、合計すると100質量%であり、かつ全組成物に対するものであり、前記ポリアミド組成物は、モル比が1:4であるCuI/KIを0.13質量%または0.3質量%の量で含まない、ポリアミド組成物。
  2. 最大0.03質量%、好ましくは最大0.01質量%のニグロシンを含み、特に好ましくはニグロシンを含まない、請求項1に記載のポリアミド組成物。
  3. 成分BおよびCと一緒に、他の黒色着色染料または顔料を含まず、好ましくは他の染料または着色顔料を含まない、請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
  4. 成分B、CおよびEの量が、それぞれ相互に独立して、0.03〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.4質量%である、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  5. 滑沢剤および熱安定剤が、成分Fとして、全組成物に対して、それぞれ0.05〜1.0質量%の量で使用される、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  6. 前記ポリアミドが、PA 4、PA 5、PA 6、PA 7、PA 8、PA 9、PA 10、PA 11、PA 12、PA 46、PA 66、PA 666、PA 69、PA 610、PA 612、PA 96、PA 99、PA 910、PA 912、PA 1212、PA 6.T、PA 9.T、PA 8.T、PA 10.T、PA 12.T、PA 6.I、PA 8.I、PA 9.I、PA 10.I、PA 12.I、PA 6.T/6、PA 6.T/10、PA 6.T/12、PA 6.T/6.I、PA 6.T/8.T、PA 6.T/9.T、PA 6.T/10T、PA 6.T/12.T、PA 12.T/6.T、PA 6.T/6.I/6、PA 6.T/6.I/12、PA 6.T/6.I/6.10、PA 6.T/6.I/6.12、PA 6.T/6.6、PA 6.T/6.10、PA 6.T/6.12、PA 10.T/6、PA 10.T/11、PA 10.T/12、PA 8.T/6.T、PA 8.T/66、PA 8.T/8.I、PA 8.T/8.6、PA 8.T/6.I、PA 10.T/6.T、PA 10.T/6.6、PA 10.T/10.I、PA 10T/10.I/6.T、PA 10.T/6.I、PA 4.T/4.I/46、PA 4.T/4.I/6.6、PA 5.T/5.I、PA 5.T/5.I/5.6、PA 5.T/5.I/6.6、PA 6.T/6.I/6.6、PA MXDA.6、PA IPDA.I、PA IPDA.T、PA MACM.I、PA MACM.T、PA PACM.I、PA PACM.T、PA MXDA.I、PA MXDA.T、PA 6.T/IPDA.T、PA 6.T/MACM.T、PA 6.T/PACM.T、PA 6.T/MXDA.T、PA 6.T/6.I/8.T/8.I、PA 6.T/6.I/10.T/10.I、PA 6.T/6.I/IPDA.T/IPDA.I、PA 6.T/6.I/MXDA.T/MXDA.I、PA 6.T/6.I/MACM.T/MACM.I、PA 6.T/6.I/PACM.T/PACM.I、PA 6.T/10.T/IPDA.T、PA 6.T/12.T/IPDA.T、PA 6.T/10.T/PACM.T、PA 6.T/12.T/PACM.T、PA 10.T/IPDA.T、PA 12.T/IPDA.Tおよびそれらのコポリマーおよび混合物から選択され、
    好ましくは、前記ポリアミドが、PA 6、PA 66、PA 666およびPA 12から選択され、特に、前記ポリアミドがPA 66である、請求項1から5のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  7. 成分Eが、
    − C−C10モノオレフィン、例えばエチレンまたはプロピレン、1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、ビニルアルコールおよびそのC−C10−アルキルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、分岐および非分岐C−C10アルコールのアルコール成分を有するアクリラートおよびメタクリラート、ビニル芳香族、例えばスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α,β−エチレン性不飽和モノ−およびジカルボン酸、ならびに無水マレイン酸から選択される少なくとも1種のモノマーを共重合形態で含むホモポリマーまたはコポリマー;
    − ビニルアセタールのホモポリマーおよびコポリマー;
    − ポリビニルエステル;
    − ポリカルボナート(PC);
    − ポリエステル、例えばポリアルキレンテレフタラート、ポリヒドロキシアルカノアート(PHA)、ポリブチレンスクシナート(PBS)、ポリブチレンスクシナートアジパート(PBSA);
    − ポリエーテル;
    − ポリエーテルケトン;
    − 熱可塑性ポリウレタン(TPU);
    − ポリスルフィド;
    − ポリスルホン;
    − ポリエーテルスルホン;
    − セルロースアルキルエステル;およびそれらの混合物から選択され、
    好ましくはスチレンコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリラート、ポリカルボナートおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのポリマーを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  8. 成分Eが、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムおよびそれらの混合物から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  9. 自動車、家庭用品、電気器具、装飾細片および外装クラッドに使用するための成形物を製造するための、高い耐熱性を有するレーザー銘刻可能な黒色ポリアミド成形物を製造するための、請求項1から8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を使用する方法。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載のポリアミド成形組成物から製造された成形物。
  11. 少なくとも1種の合成ポリアミドA、少なくとも1種のクロム錯体染料B、カーボンブラックC、成分Eおよび任意に他の添加剤が、160〜340℃の範囲の温度に加熱しながら互いと混合される、請求項1から8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を製造する方法。
JP2021502978A 2018-07-19 2019-07-18 黒色ポリアミド組成物、その製造および使用 Pending JP2021530603A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP18184544 2018-07-19
EP18184544.7 2018-07-19
PCT/EP2019/069398 WO2020016371A1 (en) 2018-07-19 2019-07-18 Black-colored polyamide composition, production thereof and use

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021530603A true JP2021530603A (ja) 2021-11-11

Family

ID=63142935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021502978A Pending JP2021530603A (ja) 2018-07-19 2019-07-18 黒色ポリアミド組成物、その製造および使用

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20210261776A1 (ja)
EP (1) EP3824024A1 (ja)
JP (1) JP2021530603A (ja)
KR (1) KR20210034056A (ja)
CN (1) CN112513163B (ja)
BR (1) BR112020026425A2 (ja)
WO (1) WO2020016371A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR112022025067A2 (pt) * 2020-06-10 2022-12-27 Roehm Gmbh Composição de moldagem termoplástica, processo para a fabricação da mesma, processos para a fabricação de uma parte moldada e de uma parte extrudada, parte moldada ou parte extrudada
CN116144170A (zh) * 2022-09-09 2023-05-23 上海锦湖日丽塑料有限公司 一种低水蒸气透过、可激光焊接的黑色玻纤增强聚酰胺组合物及其制备方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3044722C2 (de) 1980-11-27 1982-11-25 Siemens AG, 1000 Berlin und 8000 München Verfahren zum Herstellen von mit verschiedenen Zeichen versehenen gleichartigen Kuststoffteilen, insbesondere Kunststoff-Gerätetasten durch Spritzgießen
JPS61238859A (ja) * 1985-04-17 1986-10-24 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 樹脂用着色剤
TW252135B (ja) 1992-08-01 1995-07-21 Hoechst Ag
NL9202096A (nl) 1992-12-02 1993-04-01 Dsm Nv Polymeersamenstelling, bevattende een polymeer en tenminste een stralingsgevoelig bestanddeel.
DE4411067A1 (de) 1994-03-30 1995-10-05 Bayer Ag Polymerformmassen zur partiellen farblichen Veränderung durch Laserenergie, insbesondere zur Erzeugung bunter Zeichen
NL1009588C2 (nl) 1998-07-08 2000-01-11 Dsm Nv Polyfosfaatzout van een 1,3,5-triazineverbinding met hoge condensatiegraad, een werkwijze voor de bereiding ervan en de toepassing als vlamdover in polymeersamenstellingen.
KR100664496B1 (ko) * 1998-07-14 2007-01-03 브루어 사이언스 인코퍼레이티드 감광성 블랙 매트릭스 조성물 및 그것의 제조방법
CA2423779A1 (en) * 2000-11-13 2002-07-25 E.I. Du Pont De Nemours And Company Fabricated resin products for laser welding and including transmitting and absorbing black colorants, and colored resin compositions therefor
DE102004049342A1 (de) 2004-10-08 2006-04-13 Basf Ag Fließfähige Thermoplaste mit halogenfreiem Flammschutz
DE102004050025A1 (de) 2004-10-13 2006-04-20 Basf Ag Fließfähige Thermoplaste mit Halogenflammschutz
EP2057223B1 (de) * 2006-08-23 2011-01-19 Basf Se Polyamidformmassen mit verbesserter wärmealterungs- und hydrolysebeständigkeit
US8142558B2 (en) * 2008-03-31 2012-03-27 Videojet Technologies Inc. Thermal ink jet ink composition
JP2011201961A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Nagase & Co Ltd 樹脂着色剤および樹脂組成物
EP3046959B1 (de) 2013-09-16 2017-07-19 INEOS Styrolution Group GmbH Tiefschwarze thermoplastische formmassen mit hohem glanz und deren herstellung
DE102014225488A1 (de) 2014-12-10 2016-06-16 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Polymerzusammensetzung mit verzögertem Kristallisationsverhalten, das Kristallisationsverhalten beeinflussende Additivzusammensetzung, Verfahren zur Herabsetzung des Kristallisationspunktes sowie Verwendung einer Additivzusammensetzung
DE102015211632A1 (de) 2015-06-23 2016-12-29 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Polymerzusammensetzung mit verzögertem Kristallisationsverhalten, das Kristallisationsverhalten beeinflussende Additivzusammensetzung, Verfahren zur Herabsetzung des Kristallisationspunktes sowie Verwendung einer Additivzusammensetzung
WO2017144276A1 (de) * 2016-02-22 2017-08-31 Basf Se Schwarz eingefaerbte polyamid-zusammensetzung, deren herstellung und verwendung
WO2018138256A1 (de) 2017-01-30 2018-08-02 Basf Se Schwarz eingefärbte polyamid-zusammensetzung, deren herstellung und verwendung

Also Published As

Publication number Publication date
BR112020026425A2 (pt) 2021-03-23
CN112513163B (zh) 2023-02-28
EP3824024A1 (en) 2021-05-26
CN112513163A (zh) 2021-03-16
WO2020016371A1 (en) 2020-01-23
KR20210034056A (ko) 2021-03-29
US20210261776A1 (en) 2021-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7085294B2 (ja) 黒に染色されたポリアミド組成物、その製造および使用
US20190031857A1 (en) Black-colored polyamide composition and production and use thereof
JP2021530603A (ja) 黒色ポリアミド組成物、その製造および使用
KR20210134691A (ko) 증가된 내가수분해성을 갖는 폴리아미드 성형 콤파운드
JP7446996B2 (ja) 溶接可能な成形体を製造するためのポリアミド組成物
CN111684017B (zh) 多羟基醇在聚酰胺中提高热老化后的焊缝强度的用途
EP4069759B1 (en) Polyamide composition which is dyed in black, production and use thereof
JP7317829B2 (ja) 光学特性が改善されたポリアミド成形用組成物及びその中に着色剤を使用する方法
KR102663079B1 (ko) 용접가능한 성형체 제조용 폴리아미드 조성물
JP7483613B2 (ja) ポリアミドの熱エージング後の溶接シーム強度を高めるための多価アルコールの使用
US20240132699A1 (en) Use of polyhydric alcohols to increase weld seam strength after thermal aging in polyamides

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230620

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20231011

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240130