JP2021525341A - 輸送システム用補償器構造 - Google Patents

Abstract

本発明は、補償器構造であって、第１固定部（１０）と、第２固定部（２０）と、第１固定部（１０）及び第２固定部（２０）の間に取り外し可能に配置され、本体（３３）、第１径方向端部フランジ（３１）及び第２径方向端部フランジ（３２）を備える、可撓中間部材（３０）とを備え、第１固定部（１０）が、第１接続体（１１ａ）及び、複数の貫通孔（１１ｃ）を有する第１固定フランジ（１１ｂ）を有する第１接続部材（１１）と、第１カウンタリング（１２）と、第１クランプリング（１３）と、第１径方向端部フランジ（３１）を解放可能にクランプする第１クランプ装置（１４）とを備え、第１クランプ装置（１４）が、ボルト（１５）と、ボルトを受け入れるための長形凹部（１３ａ）とを備え、第２固定部（２０）が、接続体（２１ａ）及び、複数の貫通孔（２１ｃ）を有する第２固定フランジ（２１ｂ）を有する第２接続部材（２１）と、第２カウンタリング（２２）と、第２クランプリング（２３）と、第２径方向端部フランジ（３２）を解放可能にクランプする第２クランプ装置（２４）とを備え、第２クランプ装置（２４）が、ボルト（１５）と、ボルトを受け入れるための長形凹部とを備え、可撓中間部材（３０）の第１端部フランジ（３１）が、第１接続部材（１１）の第１固定フランジ（１１ｂ）と第１カウンタリング（１２）との間で、液体密封状態でクランプされ、可撓中間部材（３０）の第２端部フランジ（３２）が、第２接続部材（２１）の第２固定フランジ（２１ｂ）と第２カウンタリング（２２）との間で、液体密封状態でクランプされる、補償器構造に関する。

Description

本発明は、特に輸送システム等のための補償器構造であって、２つの部材を接続して、特に管部材間の相対移動を補償するようになっている補償器構造に関する。

先行技術によって、輸送システム内で使用するための様々な設計の補償器構造が知られている。補償器構造は、２つの管部材等を柔軟に接続して、例えば、管システムにおける熱による長さの変化を補償する。また、管システム全体に亘って、振動又はふるい動作等が生じることがある。例えば、こうした振動又はふるい動作は、食品輸送システムにおいて、小麦粉や粉ミルク等といった粉末食品を計量したり梱包したりする際に生じる。補償器は、システムの寸法によっては、１メートルより大きな断面を有することもある。特許文献１では補償器構造の一例を示し、可撓管が開示され、管の一端部を半径方向内方に押し込むことで、接続管に接続することができる。特許文献１では、可撓管は２つの円周ビードを備え、組み立てられた状態において、それらの間に接続管のビードが保持される。この補償器構造は、極めて素早く容易な手法で装着することができるが、稼働中、特に振動を伴う輸送プロセスにおいて、封止の問題が生じることがある。

このため、本発明は、簡素な設計及び低費用な製造を実現しながら、素早い組み立てと同時に最大限の密封を確実なものとする、補償器構造を提供することを目的とする。

この目的は、請求項１の特徴を有する補償器構造によって解決されるであろう。本発明の好ましい更なる発展は、従属項に記載される。

国際公開第２００７／１３３０９４（Ａ１）号明細書

請求項１の特徴を有する、本発明に係る補償器構造は、２つの管部材等の柔軟な接続が実現されるという利点を有する。従って、補償器構造の領域内において、最大限の密封が達成される。また、補償器構造は、長い耐用年数を有することができる。また、可撓中間部材の素早い交換が可能である。本発明によれば、これは、第１固定部と第２固定部とを備え、第１固定部と第２固定部との間に可撓中間部材が取り外し可能に配置される補償器構造によって達成される。中間部材は、本体と、本体の対向する端部に配置される第１及び第２径方向端部フランジとを備える。第１固定部は、第１接続体及び、複数の貫通孔を有する第１固定フランジを有する第１接続部材と、第１カウンタリングと、第１クランプリングと、可撓中間部材の第１径方向端部フランジを解放可能にクランプするクランプ装置とを備える。第１クランプ装置は、ボルトと、ボルトを受け入れるための長形凹部とを備える。また、第２固定部は、第２接続体及び、複数の貫通孔を有する第２固定フランジを有する第２接続部材と、第２カウンタリングと、第２クランプリングと、第２クランプ装置とを備える。このため、第２クランプ装置は、可撓中間部材の第２径方向端部フランジを解放可能にクランプし、また、第２クランプ装置は、ボルトと、ボルトを受け入れるための長形凹部とを備える。また、可撓中間部材の第１端部フランジは、第１接続部材の第１固定フランジと第１カウンタリングとの間で、液体密封状態でクランプされる。可撓中間部材の第２端部フランジは、第２接続部材の第２固定フランジと第２カウンタリングとの間で、液体密封状態でクランプされる。可撓中間部材は、第１及び第２端部フランジを含むホース状の本体を備え、第１及び第２端部フランジは、本体から半径方向に突出する。ボルトは、それぞれ、第１及び第２固定フランジの貫通孔を通過する。これによって、液体密封性の高い補償構造が提供される。しかしながら、容易且つ素早く組み立て及び分解ができることで、損傷時等に可撓中間部材の交換ができるようになっている。

より好適には、クランプ装置のボルトは、ヘッド、特にボールヘッドを含む。

ボルトは、好適には、カウンタリングに固定され、長形凹部は、クランプリング上に配置される。但し、ボルトをクランプリング上に設けて、長形凹部をカウンタリング上に設けることも可能である。

ボルトは、好適には、ねじボルトとして構成される。ボルトは、好適には、カウンタリング内へと螺合する。

好適には、可撓中間部材はホースであり、可撓性のプラスティック材から作られる。好適には、プラスティック材は透明である。これは、補償器構造の内部で搬送される製品が、透明な可撓性のプラスティック材を通して視認可能であることから、補償器構造が、補償機能に加えて監視機能を有することを意味している。

好適には、長形凹部は、径方向平面に対して傾斜する斜面を備える。ボルトのヘッドを長形凹部内へと挿入し、その後のボルトとクランプリングとの相対移動によって、クランプ装置によるクランプが達成されて、可撓中間部材の２つの端部フランジに、軸方向のクランプ力が加わる。この軸方向のクランプ力は、可撓中間部材の両方の端部フランジに加わる。

また、長形凹部は、好適には弓状であり、カウンタリングと第１クランプリングとの相対回転及び、第２カウンタリングとの第２クランプリングとの相対回転を生じさせて、カウンタリングと接続部材との間で可撓中間部材をクランプするようになっている。或いは、長形凹部は、直線状の縦向きの凹部であり、クランプのために、カウンタリングとクランプリングとの直線的な相対移動が行われるようになっている。

長形凹部は、好適には、長形の貫通孔を形成するように形成され、２つの傾斜した斜面が、長形貫通孔の側壁領域に沿って伸びることで、補償器構造の軸方向のクランプが可能となる。

より好適には、補償器構造は、組み立てられた補償器構造の端部位置を決定するための指示手段を備える。例えば、指示手段は、クランプが正しい位置に到達した際に、カウンタリングとクランプリングとの相対移動によって位置の変化が生じた場合に、それを通してマーカが見られる、追加の指示器孔によって形成されてもよい。特に、これによって、構成要素間において所定のクランプ力が達成されて、補償器構造の十分且つ永続的な封止の達成も確実となる。

好適には、第１及び第２接続部材は、固定フランジの内側に、軸方向に突出して円周の周囲に伸びる軸方向突起を備える。可撓中間部材の第１及び第２端部フランジは、軸方向突起と、カウンタリングの内側円周縁部との間でクランプされる。これによって、可撓中間部材の材料を、この領域において、ライン圧力によって封止できることから、特に信頼性の高い封止が確実となる。

なお、補償器構造は、幾何学的に様々に異なる形状で提供されてもよい。一方、補償器装置の構成要素、特に第１及び／又は第２接続体は、それぞれ、基本的に、円筒形状又はリング形状であり、円形状の内径か、或いは多角形状の内側断面、特に四角形状の断面を有する。補償器構造に応じて、例えば、円形状の断面を多角形状の断面に、又はその逆に変更することも、更に可能となる。このように、補償器構造は、構成要素を接続する際のアダプタ機能も提供してもよい。第１接続部材の第１接続体が円筒形状であり、第２接続部材の第２接続体が四角形であることは有利である。

円周に沿って均等に分配されるクランプ力を達成するように、クランプ装置の長形凹部及びボルトは、円周に沿って均等に分配される。

また、本発明は、本発明に係る補償器構造を備える輸送システムに関する。補償器構造は、輸送システムの第１管部材と第２管部材との間に配置され、温度に関係する長さの変化及び、管部材同士の相対移動を補償する。補償器構造の管部材への接続は、例えば、補償器構造の第１及び第２接続部材上の溶接継手部によって行われてもよい。

以下、本発明の好ましい実施例を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。

図１は、本発明の実施例に係る補償器構造の概略的な斜視図である。 図２は、図１の補償器構造の概略断面図である。 図３は、図１の補償器構造のカウンタリングの、概略的な斜視図である。 図４は、図１の補償器構造のクランプ装置のボルトの、概略側面図である。 図５は、図１の補償器構造の、拡大された概略部分断面図である。 図６は、図１の補償器構造のクランプリングの、概略的な斜視図である。 図７は、図６のクランプリングのボルト受入開口部の図である。 図８は、図６のクランプリングのボルト受入開口部の図である。 図９は、図６のクランプリングのボルト受入開口部の図である。 図１０は、クランプ状態にある補償器構造のクランプ装置の概略図である。 図１１は、図１の補償器構造の接続部材の、概略的な斜視図である。 図１２は、本発明の第２実施例に係るクランプリングの概略図である。

ここで、図１〜図１１を参照し、本発明の好ましい実施例に係る補償器構造１を以下に詳細に説明する。

補償器構造１は、輸送システムの第１管部材２と第２管部材２’とを接続するようになっている。輸送システムは、好適には、粉ミルクや穀物等といった、粉末状又は粒状の材料を搬送するのに利用される。

補償器構造１は、輸送システムの管部材２と管部材２’とに対する補償機能を有し、これは、例えば、温度変化によって構成要素の長さの変化が生じることがあり、補償器構造を用いることで補償されるためである。また、補償器構造１は、例えば、管部材が、輸送されたものが容器内へと移され、容器への充填が均一となるようにふるわれる充填計量作業工程へと延在する場合に、管部材の振動を分離させるためのものでもある。この場合、補償器構造１は、管部材にも伝達しうる振動動作を補償して、輸送システムの他の管システムへの更なる伝達を防止する。

図１及び図２に示すように、補償器構造１は、第１固定部１０と、第２固定部２０と、可撓本体３３、第１端部フランジ３１及び第２端部フランジ３２を備える可撓中間部材３０とを備える。第１及び第２固定部は、中間部材３０を管部材２及び２’に接続する。

第１端部フランジ３１及び第２端部フランジ３２は、それぞれ、本体３３の第１端部及び第２端部上で半径方向外方に突出するように形成されて、２つの端部フランジ３１及び３２が、半径方向外方に突出するリングの形態をもって、本体３３と一体に形成されるようになっている。可撓中間部材３０は、好適には、可撓性の、特に透明な、プラスティック材から作られる。

図１及び図２から分かるように、第１固定部１及び第２固定部２は同一に構成されるが、左右反転して配置される。

第１固定部１０は、第１管状接続体１１ａと、半径方向外方を向いた固定フランジ１１ｂと、固定フランジ１１ｂにおける貫通孔１１ｃとを備える第１接続部材１１を備える。第１接続部材１１は、図１１に概略的に示される。

図２に更に概略的に示すように、第１接続体１１ａは、第１溶接継手部３によって第１管部材２に接続する。

また、第１固定部１０は、第１カウンタリング１２と、第１クランプリング１３と、第１クランプ装置１４とを備える。

図３に、第１カウンタリング１２を詳細に示す。図示のように、第１カウンタリング１２は、第１カウンタリング１２上の中央円周線上に形成され、円周方向に互いに均等に離間した、多数のねじ孔１２ａを有する。第１クランプ装置１４のボルト１５が、ねじ孔１２ａ内へと螺合する。

図４に、ボルト１５を詳細に示す。ボルト１５は、ボールヘッド１５ａと、本体１５ｂと、第１カウンタリング１２内へと係合するためのねじ山１５ｃとを備える。全てのボルト１５は同一に設計される。

図６〜図１０は、第１固定部１０の第１クランプリング１３を詳細に示す。特に図６から分かるように、第１クランプリング１３は、多数の長形凹部１３ａを備える。長形凹部１３ａも、互いに均等な距離を置いて、円周方向に隣接して配置される。長形凹部１３ａは弓状である。長形凹部１３ａは、第１クランプ装置１４の一部を形成する。

図７、図８及び図９から詳細に分かるように、長形凹部１３ａは、凹部１３ａの縁に２つの斜面１３ｂが形成されるように構成される。斜面１３ｂは、軸方向Ｘ−Ｘに対して垂直な、クランプリングの径方向平面Ｒ（図８参照）に向かって鋭角に傾斜し、クランプ装置１４のボルト１５のヘッド１５ａを誘導する働きをもつ。従って、ボルト１５のヘッド１５ａは、無斜面領域内の貫通孔１３ｃ内へと挿入されて、斜面１３ｂとの接触がなされるまで、長形凹部の方向へと誘導される。本明細書では、ボルトのヘッド１５ａは、ボルトが取り付けられる第１カウンタリング１２と、第１クランプリング１３との相対回転によって、斜面１３ｂへと押し付けられる。

図８は、まだクランプされていない状態の、長形凹部１３ａ内へと挿入された、ボルト１５のヘッド１５ａを概略的に示す。第１カウンタリング１２と第１クランプリング１３との相対回転によって、第１カウンタリング１２が、第１クランプリング１３に向かって軸方向に移動し、第１カウンタリング１２と第１クランプリング１３との間に配置された第１端部フランジ３１と第１固定フランジ１１ｂとがクランプされる。

長形凹部１３ａ内でクランプされたボルト１５の詳細を図１０に示す。図８に示すように、このクランプ状態は、ボルトヘッド１５ａが、長形凹部１３ａに沿って矢印Ａの方向に移動した時か、クランプリング１３がボルト１５に対して移動した時に実現される。このために、クランプリング１３には、径方向外方に突出した１つ以上の突起、又はツールの取り付け用の１つ以上の凹部が設けられてもよい。

図５から更に分かるように、第１ストップ部材１１は、補償器構造の軸方向Ｘ−Ｘに突出する円周軸方向突起５を備える。軸方向突起５は、第１固定フランジ１１ｂの内側に形成される。補償器構造が組み立てられた状態を示す図５から分かるように、軸方向突起５によって、軸方向突起５と第１カウンタリング１２の内縁部１２ｂとの間での、可撓中間部材３０のクランプを強化することが可能となる。本明細書では、可撓中間部材３０の厚さが、軸方向突起５の軸長Ｌの分だけ減少して、より強力なクランプ力が可撓中間部材３０に作用し、補償器構造１の封止の更なる向上が確実なものとなるようになっている。こうした軸方向突起は、第２固定部２０にも設けられる。

図２から特に分かるように、第２固定部２０は、第１固定部１０と同一となるように構成される。第２固定部２０は、第２ストップ部材２１と、第２カウンタリング２２と、第２クランプリング２３と、第２クランプ装置２４とを備える。第２接続部材２１は、第２接続体２１ａと、第２固定フランジ２１ｂと、第２クランプ装置２４のボルト１５が通過する貫通孔２１ｃとを備える。ボルト１５は、第２カウンタリング２２内へと螺合する。第２クランプ装置２４は、第１クランプ装置に対応しており、第２固定フランジ２１ｂ及び可撓中間部材３０の第２端部フランジ３２が、第２カウンタリング２２と第２クランプリング２３との間でクランプされるようになっている。図２から分かるように、シート状の第２端部フランジ３２は、第２固定フランジ２１ｂと第２カウンタリング２２との間でクランプされる。なお、第２クランプ装置２４のクランプ工程は、第１クランプ装置１４と同様に行われる。

第２接続体２１ａは、第２溶接継手部３’によって第２管部材２’に接続する。

なお、第２カウンタリング２２と、第２クランプリング２３と、第２接続部材２１とは、第１接続部材１１と、第１カウンタリング１２と、第１クランプリング１３と同一となるように形成されるため、詳細に示されていない。第１及び第２固定部材１０及び２０のクランプ装置も同一である。

このように、本発明によれば、クランプ工程によって安全な封止を可能とする補償器構造１を提供できる。本明細書では、クランプ装置のボルト１５は、貫通孔１１ｃ及び２１ｃから長形凹部１３ａ内へと挿入されて、カウンタリングとクランプリングとが捩じられることで、可撓中間部材３０が、端部フランジ３１及び３２の領域でクランプされる。

正確なクランプ力が確実に加わるように、クランプリング１３及び２３には、図６に示すように、貫通孔の形態をもつ指示手段４が設けられる。図６に示すように、３つの位置が示される。クランプリング１３とカウンタリング１２とが互いに回転すると、指示手段４も回転して、所定のマーカが第１接続部材１１の固定フランジ１１ｂに到達した際に、可撓中間部材３０の厚さの作用として所定のクランプ力が得られるようになっている。この場合、例えば、指示手段を介して視認可能となる色付きのマーカが、固定フランジ１１ｂに付けられてもよい。

このように、本発明によれば、素早く、費用効率の良い手法で装着できる補償器構造１を提供できる。また、補償器構造は、例えば、可撓中間部材３０が損傷した場合に、素早く容易な手法で分解することもできる。そして、新しい可撓中間部材３０と容易に交換することができる。このためには、２つの固定部１０及び２０のみを緩めて、可撓中間部材を交換する必要がある。

図１２は、本発明の第２実施例に係るクランプリング１３を示す。第２実施例のクランプリング１３は、弓状の長形凹部の代わりに、直線状の長形凹部１３ａを備える。従って、クランプは、第１実施例のようなカウンタリングとクランプリングとの相対回転の影響は受けず、カウンタリングとクランプリングとの直線移動の影響を受ける。また、第２実施例の補償器構造は、図１２から分かるように、四角形状の内断面を備える。

第１の例と同様に、長形凹部１３ａは、明瞭さの観点から図１２に示されない、傾斜した斜面を備える。或いは、本実施例は、第１実施例に対応しており、その説明を参照するようになっている。

１ 補償器構造
２ 第１管部材
２’ 第２管部材
３ 第１溶接継手部
３’ 第２溶接継手部
４ 指示手段
５ 軸方向突起
１０ 第１固定部
１１ 第１接続部材
１１ａ 第１接続体
１１ｂ 第１固定フランジ
１１ｃ 貫通孔
１２ 第１カウンタリング
１２ａ ねじ孔
１２ｂ 第１カウンタリングの内縁部
１３ 第１クランプリング
１３ａ 長形凹部
１３ｂ 斜面
１３ｃ 貫通孔
１４ 第１クランプ装置
１５ ボルト
１５ａ ヘッド
１５ｂ 本体
１５ｃ ねじ山
２０ 第２固定部
２１ 第２接続部材
２１ａ 第２接続体
２１ｂ 第２固定フランジ
２１ｃ 貫通孔
２２ 第２カウンタリング
２３ 第２クランプリング
２３ａ 長形凹部
２４ 第２クランプ装置
３０ 可撓中間部材
３１ 第１端部フランジ
３２ 第２端部フランジ
３３ 可撓本体
Ａ クランプ時のボルトの移動方向
Ｌ 軸方向突起の長さ
Ｒ 径方向平面
Ｘ−Ｘ 軸方向
α 斜面の傾斜

また、長形凹部は、好適には弓状であり、第１カウンタリングと第１クランプリングとの相対回転及び、第２カウンタリングとの第２クランプリングとの相対回転を生じさせて、カウンタリングと接続部材との間で可撓中間部材をクランプするようになっている。或いは、長形凹部は、直線状の縦向きの凹部であり、クランプのために、カウンタリングとクランプリングとの直線的な相対移動が行われるようになっている。

図１及び図２から分かるように、第１固定部１０及び第２固定部２０は同一に構成されるが、左右反転して配置される。

図５から更に分かるように、第１接続部材１１は、補償器構造の軸方向Ｘ−Ｘに突出する円周軸方向突起５を備える。軸方向突起５は、第１固定フランジ１１ｂの内側に形成される。補償器構造が組み立てられた状態を示す図５から分かるように、軸方向突起５によって、軸方向突起５と第１カウンタリング１２の内縁部１２ｂとの間での、可撓中間部材３０のクランプを強化することが可能となる。本明細書では、可撓中間部材３０の厚さが、軸方向突起５の軸長Ｌの分だけ減少して、より強力なクランプ力が可撓中間部材３０に作用し、補償器構造１の封止の更なる向上が確実なものとなるようになっている。こうした軸方向突起は、第２固定部２０にも設けられる。

図２から特に分かるように、第２固定部２０は、第１固定部１０と同一となるように構成される。第２固定部２０は、第２接続部材２１と、第２カウンタリング２２と、第２クランプリング２３と、第２クランプ装置２４とを備える。第２接続部材２１は、第２接続体２１ａと、第２固定フランジ２１ｂと、第２クランプ装置２４のボルト１５が通過する貫通孔２１ｃとを備える。ボルト１５は、第２カウンタリング２２内へと螺合する。第２クランプ装置２４は、第１クランプ装置に対応しており、第２固定フランジ２１ｂ及び可撓中間部材３０の第２端部フランジ３２が、第２カウンタリング２２と第２クランプリング２３との間でクランプされるようになっている。図２から分かるように、シート状の第２端部フランジ３２は、第２固定フランジ２１ｂと第２カウンタリング２２との間でクランプされる。なお、第２クランプ装置２４のクランプ工程は、第１クランプ装置１４と同様に行われる。

Claims (11)

1. 補償器構造であって、
   第１固定部（１０）と、
   第２固定部（２０）と、
   前記第１固定部（１０）及び前記第２固定部（２０）の間に取り外し可能に配置され、本体（３３）、第１径方向端部フランジ（３１）及び第２径方向端部フランジ（３２）を含む、可撓中間部材（３０）とを備え、
   前記第１固定部（１０）が、第１接続体（１１ａ）及び、複数の貫通孔（１１ｃ）を有する第１固定フランジ（１１ｂ）を有する第１接続部材（１１）と、第１カウンタリング（１２）と、第１クランプリング（１３）と、前記第１径方向端部フランジ（３１）を解放可能にクランプする第１クランプ装置（１４）とを備え、前記第１クランプ装置（１４）が、ボルト（１５）と、ボルトを受け入れるための長形凹部（１３ａ）とを備え、
   前記第２固定部（２０）が、接続体（２１ａ）及び、複数の貫通孔（２１ｃ）を有する第２固定フランジ（２１ｂ）を有する第２接続部材（２１）と、第２カウンタリング（２２）と、第２クランプリング（２３）と、前記第２径方向端部フランジ（３２）を解放可能にクランプする第２クランプ装置（２４）とを備え、前記第２クランプ装置（２４）が、前記ボルト（１５）と、ボルトを受け入れるための長形凹部とを備え、
   前記可撓中間部材（３０）の前記第１端部フランジ（３１）が、前記第１接続部材（１１）の前記第１固定フランジ（１１ｂ）と前記第１カウンタリング（１２）との間で、液体密封状態でクランプされ、
   ‐前記可撓中間部材（３０）の前記第２端部フランジ（３２）が、前記第２接続部材（２１）の前記第２固定フランジ（２１ｂ）と前記第２カウンタリング（２２）との間で、液体密封状態でクランプされる、補償器構造。
2. 前記ボルト（１５）がヘッド（１５ａ）を備える、請求項１に記載の補償器構造。
3. 前記可撓中間部材（３０）が、可撓性のプラスティック材から作られる、請求項１又は２に記載の補償器構造。
4. 前記ボルト（１５）が、前記第１カウンタリング（１２）上及び前記第２カウンタリング（２２）上に配置される、請求項１〜３のいずれか一項に記載の補償器構造。
5. 前記ボルト（１５）が、ねじ山付きのボルト（１５ｃ）である、請求項１〜４のいずれか一項に記載の補償器構造。
6. 前記長形凹部（１３ａ）が、径方向平面に向かって傾斜する斜面（１３ｂ）を備える、請求項１〜５のいずれか一項に記載の補償器構造。
7. 前記斜面（１３ｂ）が、前記長形凹部（１３ａ）において側面に沿って配置される、請求項６に記載の補償器構造。
8. 前記長形凹部（１３ａ）が、弓状又は直線状である、請求項１〜７のいずれか一項に記載の補償器構造。
9. 組み立てられた状態において前記第１及び第２固定部（１０，２０）の所定の端部位置を決定するための指示手段（４）を更に備える、請求項１〜８のいずれか一項に記載の補償器構造。
10. 前記第１接続部材（１１）が、前記固定フランジ（１１ｂ）の内側において、軸方向（Ｘ−Ｘ）に突出する円周軸方向突起（５）を備え、装着された状態において、前記可撓中間部材（３０）が、前記軸方向突起（５）と前記第１カウンタリング（１２）の前記内縁部（１２ｂ）との間にクランプされる、請求項１〜９のいずれか一項に記載の補償器構造。
11. 前記第１及び／又は第２接続体（１１ａ，２１ａ）が、円筒形状の断面又は、多角形状、特に四角形状の断面を備える、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の補償器構造。

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