I.概要
本発明は、グルココルチコイドを調節し、それにより有益な治療効果を提供することができる化合物を提供する。化合物には、ベンジルピリミジンジオンーシクロヘキセニルーフェニル群及びベンジルピリミジンジオンーシクロヘキセニルピリジニル群が含まれるが、これらに限定されない。本発明は、また本発明の化合物によりGR及び/又はMR受容体を調節することにより疾患又は障害を治療する方法も提供する。
II.定義
本明細書において使用される略語は、化学及び生物学的技術の範囲内における従来の意味を有する。
置換基が左から右へ書かれた従来の化学式によって明示される場合、置換基は構造を右から左へ書いて生じるだろう化学的に同一の置換基を同様に含み、例えば、−CH2O−はOCH2−と等価である。
「アルキル」とは、指示された炭素原子数(すなわち、C1-6とは、1〜6個の炭素を表す)を有する直鎖又は分岐の、飽和した、脂肪族基を指す。アルキルは、C1-2、C1-3、C1-4、C1-5、C1-6、C1-7、C1-8、C1-9、C1-10、C2-3、C2-4、C2-5、C2-6、C3-4、C3-5、C3-6、C4-5、C4-6及びC5-6等の、任意の数の炭素を含むことができる。C1−6アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等を含むが、これらに限定されない。
「アルキレン」とは、指示された炭素原子数(すなわち、C1-6とは、1〜6個の炭素を表す)を有し、少なくとも2個の他の基、すなわち、二価の炭化水素基をつなぐ、直鎖又は分岐の、飽和した、脂肪族基を指す。アルキレンにつなげられる2個の部分を、アルキレン基の同一の原子又は異なる原子につなぐことができる。例えば、直鎖アルキレンは、−(CH2)n−の二価の基であってもよく、nは、1,2,3,4,5又は6である。代表的なC1-4アルキレンは、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン及びsec−ブチレンを含むが、これらに限定されない。
「アルケニル」とは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の二重結合を有し、指示された炭素原子数(すなわち、C2-6とは、2〜6個の炭素を表す)を有する、直鎖又は分岐の炭化水素を指す。アルケニルは、C2、C2-3、C2-4、C2-5、C2-6、C2-7、C2-8、C2-9、C2-10、C3、C3-4、C3-5、C3-6、C4、C4-5、C4-5、C5、C5-6,及びC6等の、任意の数の炭素を含むことができる。アルケニル基は、1,2,3,4,5又はそれ以上を含むが、これらに限定されない、任意の適当な数の二重結合を有することができる。C2-4アルケニル基の例としては、ビニル(エテニル)、プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブテニル、又はブタジエニルがあるが、これらに限定されない。
「アルキニル」とは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の三重結合を有し、指示された炭素原子数(すなわち、C2-6とは、2〜6個の炭素を表す)を有する、直鎖又は分岐のいずれかの炭化水素を指す。アルキニルは、C2、C2-3、C2-4、C2-5、C2-6、C2-7、C2-8、C2-9、C2-10、C3、C3-4、C3-5、C3-6、C4、C4-5、C4-6、C5、C5-6、及びC6等の、任意の数の炭素を含むことができる。C2-4アルキニル基の例としては、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、イソブチニル、sec−ブチニル又はブタジイニルがあるが、これらに限定されない。
「アルコキシ」とは、アルキル基を付着点に接続する酸素原子を有するアルキル基を指し、alkyl−O−と表す。アルキル基に関しては、アルコキシ基は、C1−6.等の、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。C1-4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、ブトキシ、2−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ又はtert−ブトキシがあるが、これらに限定されない。
「ヒドロキシアルキル」又は「アルキルヒドロキシ」とは、水素原子の少なくとも1個がヒドロキシル基に置き換えられたところの、上で定義したような、アルキル基を指す。アルキル基に関しては、ヒドロキシアルキル基又はアルキルヒドロキシル基は、C1−6等の、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。例示的なC1-4ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル(ヒドロキシは1位又は2位にある)、ヒドロキシプロピル(ヒドロキシは1位、2位又は3位にある)、ヒドロキシブチル(ヒドロキシは1位、2位、3位又は4位にある)、1,2−ジヒドロキシエチル及び同様のものがあるが、これらに限定されない。
「アルコキシル−アルキル」とは、アルキル成分がアルコキシル成分を付着点に接続するところの、アルキル成分及びアルコキシル成分を有する基を指す。アルキル成分は、上で定義したように、アルキル成分が少なくとも二価である場合、アルコキシル成分を付着点に接続する、アルキレンである。アルキル成分は、C0-6、C1-2、C1-3、C1-4、C1-5、C1-6、C2-3、C2-4、C2-5、C2-6、C3-4、C3-5、C3-6、C4-5、C4-6及びC5-6等の、任意の数の炭素を含むことができる。アルコキシル成分は、上で定義したとおりである。アルコキシル−アルキル基の例としては、2−エトキシ−エチル及びメトキシメチルがあるが、これらに限定されない。
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
「ハロアルキル」とは、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子に置き換えられたところの、上で定義したような、アルキルを指す。アルキル基に関しては、ハロアルキル基は、C1−6等の、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。例えば、ハロアルキルには、トリフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル等が含まれる。いくつかの例において、用語「ペルフルオロ」を、全ての水素がフッ素で置き換えられたところの、化合物又は基を定義しるために使用することができる。例えば、ペルフルオロメチルとは、1,1,1−トリフルオロメチルを指す。
「ハロアルコキシ」とは、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子に置き換えられたところの、アルコキシ基を指す。アルキル基に関しては、ハロアルコキシ基は、C1−6.等の、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。アルコキシ基は、1個、2個、3個、又はそれ以上ハロゲンに置き換えることができる。全ての水素を例えばフッ素によって、などのハロゲンに置き換える場合、化合物はペル置換(per−substituted)、例えばペルフルオロである。ハロアルコキシとしては、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペルフルオロエトキシ等があるが、これらに限定されない。
「アミノ」とは、R基が、とりわけ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであることができるところの、N(R)2基を指す。R基は、同一でも異なることもできる。アミノ基は、第1級(各Rは水素)、第2級(1個のRは水素)、又は第3級(各Rは水素以外)であることができる。
「アルキルアミン」とは、アルキル基の内部に、1個又は複数のアミノ基を有するアルキル基として定義されるアルキル基を指す。アミノ基は、第1級、第2級又は第3級であることができる。アルキルアミンは、ヒドロキシ基でさらに置換されてアミノーヒドロキシ基を形成することができる。本発明において有用なアルキルアミンとしては、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミン及びエタノールアミンがあるが、これらに限定されない。アミノ基は、アルキルアミンを付着点に化合物の残りによりつなぐことができ、アルキル基のオメガ位であることができ、又はアルキル基の少なくとも2個の炭素原子を互いにつなぐことができる。当業者は、他のアルキルアミンが本発明において有用であることを十分に理解するだろう。
「シクロアルキル」とは、3〜12個の環原子、又は指示された原子数を含む、飽和した又は部分的に不飽和の、単環式、縮合二環式又は架橋多環式環アセンブリを指す。シクロアルキルは、C3-6、C4-6、C5-6、C3-8、C4-8、C5-8、C6-8、C3-9、C3-10、C3-11,及びC3-12等の、任意の数の炭素を含むことができる。飽和単環式シクロアルキル環には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロオクチルが含まれる。飽和二環式及び多環式シクロアルキル環には、例えば、ノルボルナン、[2.2.2]ビシクロオクタン、デカヒドロナフタレン及びアダマンタンが含まれる。シクロアルキル基は、環内に1つ又は複数の二重結合又は三重結合を有し、部分的に不飽和であることもできる。部分的に不飽和である代表的なシクロアルキル基としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン(1,3−及び1,4−異性体)、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロオクテン、シクロオクタジエン(1,3−、1,4−及び1,5−異性体)、ノルボルネン、及びノルボルナジエンがあるが、これらに限定されない。シクロアルキルが飽和単環式C3−C8シクロアルキルである場合、例示基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルがあるが、これらに限定されない。シクロアルキルが飽和単環式C3-6シクロアルキルである場合、例示基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルがあるが、これらに限定されない。シクロアルキル基は、置換されることができ、又は非置換であることもできる。
「シクロアルキル−アルキル」とは、アルキル成分がシクロアルキル成分を付着点に接続するところの、アルキル成分及びシクロアルキル成分を有する基を指す。アルキル成分は、上で定義したように、アルキル成分が少なくとも二価である場合、シクロアルキル成分を付着点に接続する、アルキレンである。アルキル成分は、C1-6、C1-2、C1-3、C1-4、C1-5、C2-3、C2-4、C2-5、C2-6、C3-4、C3-5、C3-6、C4-5、C4-6及びC5-6等の、任意の数の炭素を含むことができる。シクロアルキル成分は、内部で定義したようなものである。例示的なシクロアルキル−アルキル基としては、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、又はシクロヘキシルメチルがあるが、これらに限定されない。
「複素環」又は「ヘテロシクロアルキル」とは、3〜12個の員環及び1〜4個のN、O及びSのヘテロ原子を有する飽和環系を指す。ヘテロ原子を、−S(O)−及び−S(O)2−のように酸化することもできるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキル基は、3〜6、4〜6、5〜6、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、3〜9、3〜10、3〜11、又は3〜12の環要素等の、任意の数の環原子を含むことができる。1、2、3、若しくは4、又は1〜2、1〜3、1〜4、2〜3、2〜4、若しくは3〜4等の、任意の適当な数のヘテロ原子をヘテロシクロアルキル基に含むことができる。ヘテロシクロアルキル基は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、キヌクリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン(1,2−,1,3−及び1,4−異性体)、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、オキサン(テトラヒドロピラン)、オキセパン、チイラン、チエタン、チオラン(テトラヒドロチオフェン)、チアン(テトラヒドロチオピラン)、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ジオキソラン、ジチオラン、モルホリン、チオモルホリン、ジオキサン又はジチアン等の基を含むことができる。ヘテロシクロアルキル基は、芳香族又は非芳香族環系に縮合してインドリンを含むが、これに限定されない、員環を形成することができる。ヘテロシクロアルキル基は、非置換とすることもでき、置換されることもできる。例えば、ヘテロシクロアルキル基は、多くの中から、C1-6アルキル又はオキソ(=O)で置換されることができる。
ヘテロシクロアルキル基を、環上の任意の位置を介して接続することができる。例えば、アジリジンは、1−又は2−アジリジンとすることができ、アゼチジンは、1−又は2−アゼチジンとすることができ、ピロリジンは、1−、2−又は3−ピロリジンとすることができ、ピペリジンは、1−、2−、3−又は4−ピペリジンとすることができ、ピラゾリジンは、1−、2−、3−、又は4−ピラゾリジンとすることができ、イミダゾリジンは、1−、2−、3−又は4−イミダゾリジンとすることができ、ピペラジンは、1−、2−、3−又は4−ピペラジンとすることができ、テトラヒドロフランは、1−又は2−テトラヒドロフランとすることができ、オキサゾリジンは、2−、3−、4−又は5−オキサゾリジンとすることができ、イソオキサゾリジンは、2−、3−、4−又は5−イソオキサゾリジンとすることができ、チアゾリジンは、2−、3−、4−又は5−チアゾリジンとすることができ、イソチアゾリジンは、2−、3−、4−又は5−イソチアゾリジンとすることができ、そしてモルホリンは、2−、3−又は4−モルホリンとすることができる。
ヘテロシクロアルキルが3〜8個の員環及び1〜3個のヘテロ原子を含む場合、代表的な員環は、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、オキサン、テトラヒドロチオフェン、チアン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、ジオキサン及びジチアンを含むが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルは、代表的な員環が、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン及びモルホリンを含むが、これらに限定されない、5〜6個の員環及び1〜2個のヘテロ原子を有する環を形成することもできる。
「アリール」とは、任意の適当な数の環原子及び任意の適当な数の環を有する芳香族環系を指す。アリール基は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16個の環原子等の、任意の適当な数の環原子、及び6〜10、6〜12、又は6〜14個の員環を含むことができる。アリール基は、単環式であっても、縮合して二環式又は三環式基を形成しても、又は結合によって接続されてビアリール基を形成してもよい。代表的なC6-12アリール基は、フェニル、ナフチル及びビフェニルを含む。他のアリール基は、メチレン接続基を有する、ベンジルを含む。いくつかのアリール基は、フェニル、ナフチル又はビフェニル等の、6〜12個の員環を有する。他のアリール基は、フェニル又はナフチル等の、6〜10個の員環を有する。いくつかの他のアリール基は、フェニル等の、6個の員環を有する。
「ヘテロアリール」とは、1〜5個の環原子がN、O又はS等のヘテロ原子であるところの、5〜16個の環原子を含有する単環式若しくは縮合二環式又は三環式芳香族環アセンブリを指す。ヘテロ原子を、N−オキシド、−S(O)−及び−S(O)2−のように酸化することもできるが、これらに限定されない。窒素原子(複数含む)を、四級化することもできる。ヘテロアリール基は、5〜6、5〜8、6〜8、5〜9、5〜10、5〜11又は5〜12個の員環等の、任意の数の環原子を含むことができる。1、2、3、4、若しくは5個、又は1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、2〜3、2〜4、2〜5、3〜4、若しくは3〜5個等の任意の適当な数のヘテロ原子をヘテロアリール基に含むことができる。ヘテロアリール基は、5〜10個の環部材及び1〜4個のヘテロ原子、5〜8個の環部材及び1〜4個のヘテロ原子、又は5〜8個の環部材及び1〜3個のヘテロ原子、又は5〜6個の環部材及び1〜4個のヘテロ原子、又は5〜6個の環部材及び1〜3個のヘテロ原子を有することができる。ヘテロアリール基は、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3−,1,2,4−及び1,3,5−異性体)、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、及びイソオキサゾール等の基を含むことができる。ヘテロアリール基は、フェニル環等の、芳香族環系に縮合してインドール及びイソインドール等のベンゾピロール、キノリン及びイソキノリン等のベンゾピリジン、ベンゾピラジン(キノキサリン)、ベンゾピリミジン(キナゾリン)、フタラジン及びシンノリン等のベンゾピリダジン、ベンゾチオフェン、及びベンゾフランを含むが、これらに限定されない、部材を形成することもできる。他のヘテロアリール基は、ビピリジン等の、結合により接続された複数のヘテロアリール環を含む。
ヘテロアリール基は、環上の任意の位置を介して接続することができる。例えば、ピロールは、1−、2−及び3−ピロールを含み、ピリジンは、2−、3−及び4−ピリジンを含み、イミダゾールは、1−、2−、4−及び5−イミダゾールを含み、ピラゾールは、1−、3−、4−及び5−ピラゾールを含み、トリアゾールは、1−、4−及び5−トリアゾールを含み、テトラゾールは、1−及び5−テトラゾールを含み、ピリミジンは、2−、4−、5−及び6−ピリミジンを含み、ピリダジンは、3−及び4−ピリダジンを含み、1,2,3−トリアジンは、4−及び5−トリアジンを含み、1,2,4−トリアジンは、3−、5−及び6−トリアジンを含み、1,3,5−トリアジンは、2−トリアジンを含み、チオフェンは、2−及び3−チオフェンを含み、フランは、2−及び3−フランを含み、チアゾールは、2−、4−及び5−チアゾールを含み、イソチアゾールは、3−、4−及び5−イソチアゾールを含み、オキサゾールは、2−、4−及び5−オキサゾールを含み、イソオキサゾールは、3−、4−及び5−イソオキサゾールを含み、インドールは、1−、2−及び3−インドールを含み、イソインドールは、1−及び2−イソインドールを含み、キノリンは、2−、3−及び4−キノリンを含み、イソキノリンは、1−、3−及び4−イソキノリンを含み、キナゾリンは、2−及び4−キナゾリンを含み、シンノリンは、3−及び4−シンノリンを含み、ベンゾチオフェンは、2−及び3−ベンゾチオフェンを含み、そしてベンゾフランは、2−及び3−ベンゾフランを含む。
いくつかのヘテロアリール基は、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3−、1,2,4−及び1,3,5−異性体)、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、ベンゾチオフェン、及びベンゾフラン等の、5〜10個の環部材及びN、O又はSを含む1〜3個の環原子を有するものを含む。他のヘテロアリール基は、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3−,1,2,4−及び1,3,5−異性体)、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール及びイソオキサゾール等の5〜8個の環部材及び1〜3個のヘテロ原子を有するものを含む。いくつかの他のヘテロアリール基は、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン及びビピリジン等の9〜12個の環部材及び1〜3個のヘテロ原子を有するものを含む。さらに他のヘテロアリール基は、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、及びイソオキサゾール等の5〜6個の環部材及びN、O又はSを含む1〜2個の環原子を有するものを含む。
いくつかのヘテロアリール基は、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3−,1,2,4−及び1,3,5−異性体)、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン及びシンノリン等のように、5〜10個の環部材及びただ1個の窒素ヘテロ原子を含む。他のヘテロアリール基は、フラン及びベンゾフラン等のように、5〜10個の環部材及びただ1個の酸素ヘテロ原子を含む。いくつかの他のヘテロアリール基は、チオフェン及びベンゾチオフェン等のように、5〜10個の環部材及びただ1個の硫黄ヘテロ原子を含む。さらに他のヘテロアリール基は、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3−、1,2,4−及び1,3,5−異性体)、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、及びシンノリン等のように、5〜10個の環部材及び少なくとも2個のヘテロ原子を含む。
「塩」とは、本発明の方法において使用される化合物の酸塩または塩基塩のことを指す。薬学的に許容される塩の例証的な例は、鉱酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸など)の塩、有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸など)の塩、四級アンモニウム(ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなど)の塩である。薬学的に許容される塩は無毒性であると理解される。好適な薬学的に許容される塩に関するさらなる情報は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985に見られることができ、参照により本明細書中に援用される。
本発明の酸性化合物の薬学的に許容される塩は、塩基、すなわちナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、及びアンモニウム、トリメチルーアンモニウム、ジエチルアンモニウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)―メチルアンモニウムの塩等の、アンモニウム塩等のカチオン塩と塩を形成する。
例えば塩酸、メタンスルホン酸、マレイン酸などの、鉱酸、有機カルボン酸及び有機スルホン酸等のような、同様の酸付加塩も、もしピリジル等のような、塩基性基が構造の一部を構成するならば可能である。
本化合物の中性の形態は、その塩を塩基または酸と接触させ、従来の様式で親化合物を単離することによって再生されてもよい。本化合物の親の形態は、例えば、極性溶媒への溶解性等の、ある特定の物理的特性が様々な塩の形態と異なるが、それ以外の点では塩は、本発明の目的について化合物の親の形態と等価である。
「異性体」とは、同じ化学式を有するが構造的に識別可能な化合物のことを指す。本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有し、ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、及び個々の異性体は全て、本発明の範囲内に包含されることを意図する。
「互変異性体」とは、平衡状態で存在し、一方の異性体からもう一方の異性体に容易に変換される、2つ以上の構造異性体のうちの1つのことを指す。例えば、以下の式の化合物は、平衡状態で存在することができる。
本明細書において使用される「組成物」は、特定量の特定成分を含む生成物、及び直接又は間接に、特定量の特定成分の組み合わせに由来する、全ての生成物を包含することを意図する。「薬学的に許容される」によって、キャリア(複数含む)、希釈剤(複数含む)又は賦形剤(複数含む)は、製剤の他の成分と適合しなければならず、その受容者に対して有害であってはならないことを意味する。
「薬学的に許容される賦形剤」とは、活性な作用物質を被験体に投与すること及びその活性な作用物質が被験体によって吸収されることを助ける物質のことを指す。本発明において有用な薬学的に許容される賦形剤としては、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤、コーティング剤、甘味料、香料および着色料があるが、これらに限定されない。当業者は、他の薬学的賦形剤が本発明において有用であることを認識するだろう。
「投与すること」とは、経口投与、座薬としての投与、局所的な接触、非経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻腔内若しくは皮下投与、髄腔内投与又は例えば、小型―浸透圧ポンプなどの、緩徐な放出装置の被験体に対する埋め込みを指す。
「治療する(Treat)」、「治療する(treating)」および「治療」とは、損傷、病態または症状の治療または回復における任意の成功の徴候(任意の客観的または主観的なパラメータ(例えば、軽減;緩解;症候を減少させること、または損傷、病態もしくは症状を患者にとって容認できるものにすること;変性または減退の速度を遅くすること;変性の最終点をより消耗性にしないこと;患者の身体的または精神的幸福を改善すること)を含む)のことを指す。症候の治療または回復は、理学的検査、神経精神医学的検査および/または精神医学的評価の結果を含む客観的または主観的なパラメータに基づいてもよい。
「糖質コルチコイドレセプター」(「GR」)とは、コルチゾールおよび/またはコルチゾールアナログ(例えば、デキサメタゾン)に特異的に結合する細胞内レセプターのファミリーのことを指す。糖質コルチコイドレセプターは、コルチゾールレセプターとも称される。この用語は、GRのアイソフォーム、組換えGRおよび変異型GRを含む。
「調節する(Modulate)」「調節する(modulating)」は、明白な通常の意味にしたがって使用され、1つ又は複数の特性を変化させる又は異ならせる作用のことを指す。「調節」とは、1つ又は複数の特性を変化させる又は異ならせるプロセスのことを指す。例えば、標的タンパク質に調節因子の作用が適用される場合、調節することは、標的分子の特性若しくは機能又は標的分子の量を増加又は減少させることにより変化させることを意味する。
「調節因子」とは、標的分子のレベル若しくは標的分子の機能又はこの分子の標的物理的状態を増加又は減少させる組成物のことを指す。
「糖質コルチコイドレセプター」調節因子とは、糖質コルチコイドレセプター(GR)の機能を調節する任意の組成物又は化合物のことを指す。調節は、GRへのGRアゴニスト(例えば、コルチゾール又は合成若しくは天然のコルチゾールアナログ)の結合を部分的にまたは完全に阻害する(アンタゴナイズする)ことを含むことができる。本発明のGR調節因子は、以下の式Iの化合物を含む。
「アンタゴナイズする(Antagonize)」及び「アンタゴナイズする(antagonizing)」とは、レセプター分子におけるアゴニストの結合を阻止すること、又はレセプター−アゴニストによって生成されるシグナルを阻害することを指す。レセプターアンタゴニストは、アゴニストによって媒介される応答(例えば遺伝子発現)を阻止するか、または減衰させる。
「アンタゴニスト」とは、一定の遺伝子又はタンパク質の発現又は活性を検出できるほどに低下させることができる物質のことを指す。アンタゴニストは、アンタゴニストの非存在下のコントロールと比較して発現又は活性を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以下に阻害することができる。いくつかの実施形態において、阻害は、アンタゴニストの非存在下の発現又は活性より1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍以上である。
「阻害」、「阻害する」及び「インヒビター」とは、特定の作用又は機能を妨げる化合物又は妨げる方法を指す。
「障害」または「症状」とは、本発明の糖質コルチコイドレセプター調節因子で治療することができる患者または被験体の状態または健康状態のことを指す。いくつかの実施形態において、障害または症状の例としては、肥満症、高血圧症、うつ、不安およびクッシング症候群が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、障害または症状の例には、非アルコール性肝疾患及び/又は非アルコール性脂肪性肝炎が含まれる。いくつかの実施形態において、障害または症状の例には、嗜癖障害が含まれる。いくつかの実施形態において、障害または症状の例には、がんが含まれる。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とは、過度のアルコール摂取以外の原因によって脂肪が肝臓に蓄積された(脂肪肝(steatosis))場合に起こる脂肪肝(fattyliver)のタイプの1つを指す。NAFLDは、疾患活動性のスペクトルをカバーするとみなされる。このスペクトルは、肝臓中の脂肪蓄積(脂肪肝(hepaticsteatosis))として始まる。多くのNAFLDの人々は、徴候がほとんどない又はない。患者は、疲労、倦怠感、及び鈍い右上腹部不快感を訴えてもよい。これはまれであるけれども、軽度の黄疸が認められてもよい。最も一般的なNAFLDは、通例の血液検査中の肝機能検査異常に続いて診断される。定義によると、20g/dayを超える飲酒量(約25ml/dayの正味エタノール)は、条件を除外する。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)とは、NAFLDの最も極端な形態を指す。NAFLDは、進行して、脂肪肝が炎症及び線維症と組み合わさった状態である(脂肪性肝炎)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)となることができる。NASHは、進行性疾患である。10年の期間にわたり、NASHの患者のうちの20%以下は肝臓の硬変症にかかり、10%は肝疾患に関連する死を遂げる。
「がん」とは、白血病、癌腫及び肉腫を含む、哺乳類(例えば、ヒト)において見られる全てのタイプのがん、腫瘍又は悪性腫瘍を指す。
「患者」又は「被験体」とは、本明細書中に提供されるような薬学的組成物の投与によって治療されることができる疾患又は症状に苦しんでいるまたはかかりやすい、生存している生物のことを指す。非限定的な例としては、ヒト、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、乳牛、シカ、ウマである、他の哺乳動物および他の非哺乳動物が挙げられる。いくつかの実施形態において、患者は、ヒトである。
「治療有効量」とは、特定された疾患もしくは症状を治療するかもしくは回復させるのに有用、または検出可能な治療的作用もしくは阻害性作用を示すのに有用な、化合物または薬学的組成物の量のことを指す。正確な量は、治療の目的に依存し、既知の手法を使用して当業者によって確かめられる(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照)。
「1つの(A)」、「1つの(an)」又は「1つの(a(n))」とは、本明細書中に1群の置換基又は「置換基」に関連して使用される場合、少なくとも1つを表す。例えば、化合物が「1つの」アルキル又はアリールで置換される場合、この化合物は、少なくとも1つのアルキル及び/又は少なくとも1つのアリールで任意に置換され、各アルキル及び/又はアリールは、任意に異なる。別の実施形態において、化合物が「1つの」置換基で置換される場合、この化合物は、少なくとも1つの置換基で置換され、各置換基に任意に異なる。
III.化合物
1つの態様において、本発明は、式Iの化合物
若しくはその薬学的に許容される塩、又はその異性体であって、
R
1は、H又はC
1-6アルキルであり、
L
1は、C
1-4アルキレンであり、
Ar
1は、C
6−
12アリール又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のR
a基で任意に置換され、
各R
aは、独立してH、ハロゲン、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル、C
1-4ハロアルコキシ、−SO
2R
a1、又は−NR
a1R
a2であり、
R
a1及びR
a2は、各々独立してH又はC
1-4アルキルであり、又は窒素原子に結合する場合R
a1及びR
a2は、一体となってN、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜6員複素環を形成し、1〜2個のR
a3で任意に置換され、
各R
a3は、独立してH、ハロゲン、C
1-4アルキル、又はC
1-4アルコキシであり、
Ar
2は、C
6−
12アリール又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のR
b基で任意に置換され、
各R
bは、独立してH、ハロゲン、CN、ヒドロキシ、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
1-4アルコキシ、C
1-4アルコキシ−C
1-4アルキル、C
1-4ヒドロキシアルキル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4ハロアルコキシ、−OR
b4、−NR
b1R
b2、−C(O)R
b1、−C(O)OR
b1、−OC(O)R
b1、−C(O)NR
b1R
b2、−NR
b1C(O)R
b2、−SO
2R
b1、−SO
2NR
b1R
b2、又はC
3-6シクロアルキルであり、
あるいは、隣接する環原子の2個のR
b基は、一体となってC
5-8シクロアルキル又はN、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜8員複素環を形成することができ、
R
b1及びR
b2は、各々独立してH又はC
1-4アルキルであり、又は窒素原子に結合する場合R
b1及びR
b2は、一体となってN、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜6員複素環を形成し、1〜2個のR
b3で任意に置換され、
各R
b3は、独立してH、ハロゲン、C
1-4アルキル、又はC
1-4アルコキシであり、そして
各R
b4は、独立してC
1-4ヒドロキシアルキル、C
1-4アルコキシ−C
1-4アルキル、C
3-6シクロアルキル又はC
3-6シクロアルキル−C
1-4アルキルである、
式Iの化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又はその異性体を提供する。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、式Iの化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又はその異性体であって、
R1は、H又はC1-6アルキルであり、
L1は、C1-4アルキレンであり、
Ar1は、C6−12アリール又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のRa基で任意に置換され、
各Raは、独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、−SO2Ra1、又は−NRa1Ra2であり、
Ra1及びRa2は、各々独立してH又はC1-4アルキルであり、又は窒素原子に結合する場合Ra1及びRa2は、一体となってN、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜6員複素環を形成し、1〜2個のRa3で任意に置換され、
各Ra3は、独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、又はC1-4アルコキシであり、
Ar2は、C6−12アリール又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のRb基で任意に置換され、
各Rbは、独立してH、ハロゲン、CN、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、−NRb1Rb2、−C(O)Rb1、−C(O)ORb1、−OC(O)Rb1、−C(O)NRb1Rb2、−NRb1C(O)Rb2、−SO2Rb1、又は−SO2NRb1Rb2であり、
Rb1及びRb2は、各々独立してH又はC1-4アルキルであり、又は窒素原子に結合する場合Rb1及びRb2は、一体となってN、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜6員複素環であり、1〜2個のRb3で任意に置換され、
各Rb3は、独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、又はC1-4アルコキシである、
式Iの化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又はその異性体とすることができる。
いくつかの実施形態において、L1は、C1-4アルキレンである。L1のC1-4アルキレンは、メチレン(CH2)、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、又はsec−ブチレンとすることができる。いくつかの実施形態において、L1は、CH2である。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式Iaの化合物であり、
R
1、Ar
1、及びAr
2は、本明細書において定義され記載されたとおりである。
いくつかの実施形態において、Ar1は、C6−12アリール又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、1〜3個のRa基で任意に置換されたC6−12アリールである。Ar1のC6−12アリールは、フェニル、ナフチル及びビフェニルとすることができる。いくつかの実施形態において、Ar1は、1〜3個のRa基で任意に置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態において、Ar1は、N、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、1〜3個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、N、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、1〜3個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、N、O、及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、1〜3個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、N、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、1〜3個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、N及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、1〜3個のRa基で任意に置換される。N、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールとしては、ピロリル、ピリジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チオフェニル、フラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルがあるが、これらに限定されない。N及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールとしては、ピロリル、ピリジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チオフェニル、チアゾリル及びイソチアゾリルがあるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、Ar1は、ピリジニル又はチアゾリルであり、その各々は1〜3個のRa基で任意に置換される。
いくつかの実施形態において、Ar1は、フェニル又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、フェニル又はN、O、及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、フェニル又はN、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、フェニル又はN及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、フェニル、ピリジニル又はチアゾリルであり、その各々は1〜3個のRa基で任意に置換される。
いくつかの実施形態において、Ar1は、フェニル又はN及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜2個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、フェニル、ピリジニル、又はチアゾリルであり、その各々は1〜2個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、フェニルであり、1〜2個のRa基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar1は、ピリジニルであり、1〜2個のRa基で任意に置換される。
いくつかの実施形態において、各Raは、独立してH、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、−SO2Ra1、又は−NRa1Ra2である。Ra1及びRa2は、各々独立してH又はC1-4アルキルであり、又は窒素原子に結合する場合Ra1及びRa2は、一体となってN、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜6員複素環を形成し、1〜2個のRa3で任意に置換される。各Ra3は、独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、又はC1-4アルコキシである。
いくつかの実施形態において、各Raは、独立してH、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ又は−NRa1Ra2であり、Ra1及びRa2は、各々独立してH又はC1-4アルキルである。RaのC1-4アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、又はtert-ブチルとすることができる。RaのC1-4アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、又はtert−ブトキシとすることができる。RaのC1-4ハロアルキルは、トリフルオロメチル、フルオロメチル、又は2,2,2−トリフルオロエチルとすることができる。RaのC1-4ハロアルコキシは、トリフルオロメトキシ又は2,2,2,トリフルオロエトキシとすることができる。
いくつかの実施形態において、Ra1及びRa2は、各々独立してH又はC1-4アルキルである。Ra1又はRa2のC1-4アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル又はtert−ブチルとすることができる。いくつかの実施形態において、Ra1及びRa2は、各々独立してH、Me、又はEtである。
いくつかの実施形態において、窒素原子に結合する場合Ra1及びRa2は、一体となってN、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜6員複素環を形成し、1〜2個のRa3で任意に置換される。N、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜6員複素環としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、及びモルホリンがあるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、各Ra3は、独立してH、F、Cl、Me、Et、又はOMeである。いくつかの実施形態において、各Ra3は、独立してH、F、Me、又はOMeである。いくつかの実施形態において、各Ra3は、Hである。
いくつかの実施形態において、各Raは、独立してH、F、Cl、CN、Me、Et、OMe、OEt、CF3、OCF3、NH2、NHMe、N(Me)2、N(Et)2、又はピロリジン−1−イルである。いくつかの実施形態において、各Raは、独立してH、F、Cl、CN、Me、Et、OMe、CF3、NH2、又はN(Me)2である。いくつかの実施形態において、各Raは、独立してH、F、Cl、Me、OMe、又はCF3である。
いくつかの実施形態において、各Raは、独立してH、ハロゲン、C1-4ハロアルキル、又は−NRa1Ra2であり、Ra1及びRa2は、一体となってN及びOから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜6員複素環を形成する。いくつかの実施形態において、各Raは、独立してH、F、CF3、又は1−ピロリジニルである。
いくつかの実施形態において、Ar
1は、フェニルである。いくつかの実施形態において、式I又はIaの化合物は、式Ibの化合物であり、
R
1及びAr
2は、本明細書において定義及び記載されるとおりである。
いくつかの実施形態において、Ar2は、C6−12アリール又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のRb基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar2は、1〜4個のRb基で任意に置換されたC6−12アリールである。Ar2のC6−12アリールは、フェニル、ナフチル又はビフェニルとすることができる。いくつかの実施形態において、Ar2は、1〜4個のRb基で任意に置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態において、Ar2は、N、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、1〜4個のRb基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar2は、N、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜9員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のRb基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar2は、N、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、1〜4個のRb基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar2は、N、O、及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、1〜4個のRb基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar2は、N、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、1〜4個のRb基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar2は、N及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、1〜4個のRb基で任意に置換される。N、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールとしては、ピロリル、ピリジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チオフェニル、フラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルがあるが、これらに限定されない。N及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールとしては、ピロリル、ピリジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チオフェニル、チアゾリル及びイソチアゾリルがあるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、Ar2は、ピリジニル、チアゾリル、又はピラゾリルであり、その各々は1〜4個のRb基で任意に置換される。
いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜9員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル又はN及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜9員ヘテロアリールであり、その各々は1〜2個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル又はN、O、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル又はN、O、及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル又はN、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル又はN及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜4個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、又はピラゾリルであり、その各々は1〜4個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル又はN及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜2個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラゾリル、又は[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジニルであり、その各々は1〜2個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Ar
2は、
いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、又はピラゾリルであり、その各々は1〜2個のR
b基で任意に置換される。
いくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニルであり、1〜2個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、式I、Ia、又はIbの化合物は、式Icの化合物であり、
R
1及びR
bは、本明細書において定義され記載されたとおりである。
いくつかの実施形態において、Ar2は、ピリジニルであり、1〜2個のRb基で任意に置換される。ピリジニルは、例えば、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、又はピリジン−4−イルとすることができる。
いくつかの実施形態において、Ar
2は、ピリジン−3−イルであり、1〜2個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、式I、Ia、又はIbの化合物は、式Idの化合物であり、
R
1及びR
bは、本明細書において定義され記載されたとおりである。
いくつかの実施形態において、Ar2は、チアゾリルであり、1〜2個のRb基で任意に置換される。チアゾリルは、例えば、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、又はチアゾール−5−イルとすることができる。いくつかの実施形態において、Ar2は、チアゾール−5−イルであり、1〜2個のRb基で任意に置換される。
いくつかの実施形態において、Ar2は、ピラゾリルであり、1〜2個のRb基で任意に置換される。ピラゾリルは、例えば、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、又はピラゾール−5−イルとすることができる。いくつかの実施形態において、Ar2は、ピラゾール−5−イルであり、1〜2個のRb基で任意に置換される。
いくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、−ORb4、−NRb1Rb2、−C(O)NRb1Rb2、−SO2Rb1、−SO2NRb1Rb2、又はC3-6シクロアルキルであるか、Rb1及びRb2各々独立してH又はC1-4アルキルであるか、又は窒素原子に結合する場合Rb1及びRb2は、一体となって1〜2個の窒素原子を有する4〜6員複素環を形成し、1〜2個のRb3で任意に置換され、Rb3の各々は、独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、又はC1-4アルコキシであり、そして各Rb4は、独立してC1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル又はC3-6シクロアルキル−C1-4アルキルである。いくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、ハロゲン、CN、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、−NRb1Rb2、−C(O)Rb1、−C(O)ORb1、−OC(O)Rb1、−C(O)NRb1Rb2、−NRb1C(O)Rb2、−SO2Rb1、又は−SO2NRb1Rb2である。Rb1及びRb2は、各々独立してH又はC1-4アルキルであり、又は窒素原子に結合する場合Rb1及びRb2は、一体となって1〜2個の窒素原子を有する3〜6員複素環を形成し、1〜2個のRb3で任意に置換される。Rb3の各々は、独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、又はC1-4アルコキシである。
いくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、−NRb1Rb2、−C(O)NRb1Rb2、又は−SO2Rb1であり、Rb1及びRb2は、各々独立してH又はC1-4アルキルであり、又は窒素原子に結合する場合Rb1及びRb2は、一体となって1〜2個の窒素原子を有する4〜6員複素環を形成し、1〜2個のRb3で任意に置換され、Rb3の各々は、独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、又はC1-4アルコキシである。
RbのC1-4アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル又はtert−ブチルとすることができる。RbのC1-4アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、又はtert−ブトキシとすることができる。RbのC1-4ヒドロキシアルキルは、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル(ヒドロキシは1位又は2位にある)、ヒドロキシプロピル(ヒドロキシは1位、2位又は3位にある)、又はヒドロキシブチルとすることができる。RbのC1-4ハロアルキルは、トリフルオロメチル、フルオロメチル、又は2,2,2−トリフルオロエチルとすることができる。RbのC1-4ハロアルコキシは、トリフルオロメトキシ又は2,2,2−トリフルオロエトキシとすることができる。
いくつかの実施形態において、Rb1及びRb2は、各々独立してH又はC1-4アルキルである。Rb1及びRb2のC1-4アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル又はtert−ブチルとすることができる。いくつかの実施形態において、Rb1及びRb2は、各々独立してH、Me、又はEtである。
いくつかの実施形態において、窒素原子に結合する場合Rb1及びRb2は、一体となって1〜2個の窒素原子を有する3〜6員複素環を形成し、1〜2個のRb3で任意に置換される。N、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜6員複素環としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、及びモルホリンがあるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、窒素原子に結合する場合Rb1及びRb2は、一体となって1〜2個の窒素原子を有する4〜6員複素環を形成し、1〜2個のRb3で任意に置換される。N、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜6員複素環としては、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン及びモルホリンがあるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、各Rb3は、独立してH、F、Cl、Me、Et、又はOMeである。いくつかの実施形態において、各Rb3は、独立してH、F、Me、又はOMeである。いくつかの実施形態において、各Rb3は、Hである。
いくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシである。
いくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、F、Cl、CN、Me、Et、nPr、iPr、nBu、iBu、sBu、tBu、OMe、OEt、OnPr、OiPr、CH2F、CHF2、CF3、CH2CF3、OCH2F、OCHF2、OCF3、OCH2CF3、−CH2OH、−OCH2CH2OH、−O−シクロプロピル、−O−シクロブチル、−O−シクロペンチル、−O−シクロヘキシル、−O−シクロプロピルメチル、−O−シクロブチルメチル、−O−シクロペンチルメチル、−O−シクロヘキシルメチル、−NH2、−NHMe、−NMe2、−SO2Me、−SO2Et、−S(O)2iPr、−S(O)2NHMe、−S(O)2NMe2、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、−C(O)−1−ピロリジニル、−C(O)−1−ピペリジニル、−C(O)−1−ピペラジニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルであり、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、及び1−ピペラジニルの各々は、1〜2個のRb3で任意に置換され、そして各Rb3は、独立してH、F、Me、又はOMeである。いくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、F、Cl、CN、Me、Et、OMe、OEt、CF3、CH2CF3、OCF3、OCH2CF3、−CH2OH、−SO2Me、−SO2Et、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、−C(O)−1−ピロリジニル、−C(O)−1−ピペリジニル、又は−C(O)−1−ピペラジニルであり、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、及び1−ピペラジニルの各々は、1〜2個のRb3で任意に置換され、そして各Rb3は、独立してH、F、Me、又はOMeである。
いくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、F、Cl、CN、Me、Et、iBu、OMe、OEt、OiPr、CF3、OCHF2、OCF3、OCH2CF3、−CH2OH、−OCH2CH2OH、−O−シクロプロピル、−O−シクロプロピルメチル、−NMe2、−S(O)2Me、−S(O)2Et、−S(O)2iPr、−S(O)2NHMe、−S(O)2NMe2、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、4,4−ジフルオロ−1−ピペリジニル、3,3−ジメチル−1−ピペリジニル、3−メチル−1−ピペリジニル、3−メトキシ−1−ピペリジニル、−C(O)−1−ピロリジニル、−C(O)−4−メチル−1−ピペラジニル、又はシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、F、Cl、CN、Me、OMe、CF3、OCF3、−CH2OH、−SO2Me、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、4,4−ジフルオロ−1−ピペリジニル、3,3−ジメチル−1−ピペリジニル、3−メチル−1−ピペリジニル、3−メトキシ−1−ピペリジニル、−C(O)−1−ピロリジニル、又は−C(O)−4−メチル−1−ピペラジニルである。いくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、F、Cl、CN、Me、CF3、OCF3、又は−CH2OHである。
いくつかの実施形態において、R1は、H又はC1-6アルキルである。R1のC1-6アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、又はヘキシルとすることができる。いくつかの実施形態において、R1は、H、メチル、又はエチルである。いくつかの実施形態において、R1は、Hである。
いくつかの実施形態において、R
1は、Hであり、式I、Ia、又はIbの化合物は、式Ib−1の化合物であり、
Ar
2は、本明細書において定義され記載されたとおりである。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、Ar2は、フェニル又はN及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜2個のRb基で任意に置換される
式Ib−1のいくつかの実施形態において、Ar2は、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、又はピラゾリルであり、その各々は1〜2個のRb基で任意に置換される。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、Ar
2は、フェニルであり、1〜2個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、式I、Ia、Ib、又はIb−1の化合物は、式Ic−1の化合物であり、
R
bは、本明細書において定義され記載されたとおりである。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、Ar2は、ピリジニルであり、1〜2個のRa基で任意に置換される。ピリジニルは、例えば、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、又はピリジン−4−イルとすることができる。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、Ar
2は、ピリジン−3−イルであり、1〜2個のR
b基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、式I、Ia、Ib、又はIb−1の化合物は、式Id−1の化合物であり、
R
bは、本明細書において定義され記載されたとおりである。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、Ar2は、チアゾリルであり、1〜2個のRb基で任意に置換される。チアゾリルは、例えば、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、又はチアゾール−5−イルとすることができる。式Ib−1のいくつかの実施形態において、Ar2は、チアゾール−5−イルであり、1〜2個のRb基で任意に置換される。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、Ar2は、ピラゾリルであり、1〜2個のRb基で任意に置換される。ピラゾリルは、例えば、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、又はピラゾール−5−イルである。式Ib−1のいくつかの実施形態において、Ar2は、ピラゾール−5−イルであり、1〜2個のRb基で任意に置換される。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、−NRb1Rb2、−C(O)NRb1Rb2、又は−SO2Rb1であり、Rb1及びRb2は、各々独立してH又はC1-4アルキルであり、又は窒素原子に結合する場合Rb1及びRb2は、一体となって1〜2個の窒素原子を有する4〜6員複素環を形成し、1〜2個のRb3で任意に置換され、Rb3の各々は、独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、又はC1-4アルコキシである。
いくつかの実施形態において、Rb1及びRb2は、各々独立してH又はC1-4アルキルである。Rb1及びRb2のC1-4アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、又はtert−ブチルとすることができる。いくつかの実施形態において、Rb1及びRb2は、各々独立してH、Me、又はEtである。
いくつかの実施形態において、窒素原子に結合する場合Rb1及びRb2は、一体となって1〜2個の窒素原子を有する4〜6員複素環を形成し、1〜2個のRb3で任意に置換される。N、O、及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜6員複素環としては、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、及びモルホリンがあるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、各Rb3は、独立してH、F、Cl、Me、Et、又はOMeである。いくつかの実施形態において、各Rb3は、独立してH、F、Me、又はOMeである。いくつかの実施形態において、各Rb3は、Hである。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシである。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、F、Cl、CN、Me、Et、OMe、OEt、CF3、CH2CF3、OCF3、OCH2CF3、−CH2OH、−SO2Me、−SO2Et、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、−C(O)−1−ピロリジニル、−C(O)−1−ピペリジニル、又は−C(O)−1−ピペラジニルであり、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、及び1−ピペラジニルの各々は、1〜2個のRb3で任意に置換され、各Rb3は、独立してH、F、Me、又はOMeである。
式Ib−1のいくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、F、Cl、CN、Me、OMe、CF3、OCF3、−CH2OH、−SO2Me、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、4,4−ジフルオロ−1−ピペリジニル、3,3−ジメチル−1−ピペリジニル、3−メチル−1−ピペリジニル、3−メトキシ−1−ピペリジニル、−C(O)−1−ピロリジニル、又は−C(O)−4−メチル−1−ピペラジニルである。式Ib−1のいくつかの実施形態において、各Rbは、独立してH、F、Cl、CN、Me、CF3、OCF3、又は−CH2OHである。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
から成る群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
から成る群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
から成る群から選択される。
本発明の化合物は、塩として存在してもよい。本発明は、このような塩を含む。適用可能な塩の形態の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩(例えば、(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩、またはラセミ混合物を含むそれらの混合物)、コハク酸塩、安息香酸塩、およびグルタミン酸などのアミノ酸との塩が挙げられる。これらの塩は、当業者に公知の方法によって調製されてもよい。ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、若しくはマグネシウム塩、又は類似の塩などの塩基付加塩も含められる。本発明の化合物が、比較的塩基性の官能基を含む場合、そのような化合物の中性の形態を十分量の所望の酸と、そのままで又は好適な不活性な溶媒中で接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。適用可能な酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、モノヒドロゲン炭酸(monohydrogencarbonic)、リン酸、モノヒドロゲンリン酸(monohydrogenphosphoric)、ジヒドロゲンリン酸(dihydrogenphosphoric)、硫酸、モノヒドロゲン硫酸(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸または亜リン酸などのような無機酸から得られる塩、並びに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような有機酸から得られる塩が挙げられる。アルギン酸塩などのようなアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸(galactunoric acids)などのような有機酸の塩も含まれる。本発明のある特定の化合物は、その化合物を塩基付加塩又は酸付加塩のいずれかに変換させる塩基性と酸性の両方の官能基を含む。
他の塩は、本発明の方法において使用される化合物の酸塩又は塩基塩を含む。薬学的に許容される塩の例証的な例は、鉱酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸など)の塩、有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸など)の塩、四級アンモニウム(ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなど)の塩である。薬学的に許容される塩は無毒性であると理解される。好適な薬学的に許容される塩に関するさらなる情報は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack PublishingCompany,Easton,Pa.,1985に見られることができ、参照により本明細書中に援用される。
本明細書に記載される化合物に見られる特定の置換基に依存して、薬学的に許容される塩は、比較的無毒性な酸又は塩基により調製される活性化合物の塩を含む。本発明の化合物が、比較的酸性の官能基を含む場合、そのような化合物の中性の形態を十分量の所望の塩基と、そのままでまたは好適な不活性な溶媒中で接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、若しくはマグネシウム塩、又は類似の塩などの塩基付加塩が挙げられる。本発明の化合物が、比較的塩基性の官能基を含む場合、そのような化合物の中性の形態を十分量の所望の酸と、そのままでまたは好適な不活性な溶媒中で接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、モノヒドロゲン炭酸(monohydrogencarbonic)、リン酸、モノヒドロゲンリン酸(monohydrogenphosphoric)、ジヒドロゲンリン酸(dihydrogenphosphoric)、硫酸、モノヒドロゲン硫酸(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸または亜リン酸などのような無機酸から得られる塩、並びに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的無毒性の有機酸から得られる塩が挙げられる。アルギン酸塩などのようなアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸(galactunoric acids)などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Bergeら、“Pharmaceutical Salts”,Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1−19を参照)。本発明のある特定の化合物は、その化合物を塩基付加塩又は酸付加塩のいずれかに変換させる塩基性と酸性の両方の官能基を含む。
本化合物の中性の形態は、好ましくは、その塩を塩基または酸と接触させ、従来の様式で親化合物を単離することによって再生される。本化合物の親の形態は、ある特定の物理的特性(例えば、極性溶媒への溶解性)が様々な塩の形態と異なる。
本発明のある特定の化合物は、非溶媒和の形態、及び水和の形態を含む溶媒和の形態で存在することができる。通常、溶媒和の形態は、非溶媒和の形態と等価であり、本発明の範囲内に包含される。本発明のある特定の化合物は、複数の結晶性又は非晶質の形態で存在してもよい。通常、全ての物理的形態が、本発明によって企図される用途に対して等価であり、本発明の範囲内であると意図される。
本発明のある特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有する;エナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体、立体異性体((R)−若しくは(S)−又はアミノ酸の場合(D)−若しくは(L)−として絶対立体化学に関して定義されてよい)及び個々の異性体が、本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物は、不安定すぎて合成できない及び/又は単離できないと当該分野で公知の化合物を含まない。本発明は、ラセミ形態及び光学的に純粋な形態の化合物を含むと意図される。光学活性な(R)−及び(S)−異性体又は(D)−及び(L)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製されてよく、又は従来の手法を用いて分割されてよい。
異性体は、同じ数および種類の原子を有し、したがって同じ分子量を有するが、原子の構造上の配列または配置が異なる化合物を含む。
本発明のある特定の化合物が、互変異性体で存在してもよいことは、当業者にとって明らかだろう(それらの化合物のそのような互変異性体のすべてが、本発明の範囲内である)。互変異性体とは、平衡状態で存在し、一方の異性体からもう一方の異性体に容易に変換される、2つ以上の構造異性体のうちの1つのことを指す。例えば、以下の式の化合物は、平衡状態で存在することができる。
R
1がHである式Iのいくつかの実施形態において、以下の式の化合物は、平衡状態で存在することができる。
特に明記しない限り、本明細書中に表される構造は、その構造の全ての立体化学的形態、すなわち、各不斉中心に対するR及びS配置を含むとも意味される。したがって、単一の立体化学異性体、並びに本化合物の鏡像異性およびジアステレオ異性の混合物は、本発明の範囲内である。
特に明記しない限り、本発明の化合物は、そのような化合物を構成する原子の1つ以上において非天然の比率の同位体原子を含んでもよい。例えば、本発明の化合物は、放射性同位体又は安定同位体、例えば、ジュウテリウム(2H)、トリチウム(3H)、ヨウ素−125(125I)、フッ素−18(18F)、窒素−15(15N)、酸素−17(17O)、酸素−18(18O)、炭素−13(13C)または炭素−14(14C)で放射標識されてよい。放射性であるか否かに関係なく、本発明の化合物の同位体的バリエーションの全てが、本発明の範囲内に包含される。
塩の形態に加えて、本発明は、プロドラッグの形態の化合物を提供する。本明細書において記載される化合物のプロドラッグは、生理学的条件下において容易に化学変化を起こして、本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、エキソビボ環境において化学的又は生化学的な方法によって本発明の化合物に変換されることができる。例えば、プロドラッグは、好適な酵素または化学的試薬とともに経皮パッチレザバーに配置された場合、本発明の化合物にゆっくり変換されることができる。
IV.組成物
第2の態様において、本発明は、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤及び式Iの化合物を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤及び式Ibの化合物を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤及び式Icの化合物を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤及び式Idの化合物を含む薬学的組成物を提供する。
本発明の化合物は、多種多様の経口、非経口および局所的剤形で調製され投与されることができる。経口調製物としては、患者による経口摂取に適した、錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠、カプセル剤、液体、舐剤、ゲル、シロップ剤、スラリー、懸濁液などが挙げられる。本発明の化合物はまた、注射によって、すなわち、静脈内に、筋肉内に、皮内に、皮下に、十二指腸内に、または腹腔内に、投与されることができる。また、本明細書において記載される化合物は、吸入によって、例えば、鼻腔内に投与されることができる。さらに、本発明の化合物は、経皮的に投与されることができる。本発明の式Iの化合物は、眼内経路、膣内経路および直腸内経路(坐剤を含む)、ガス注入、散剤およびエアロゾル製剤によっても投与されることができる(例えば、ステロイド吸入剤について、Rohatagi,J.Clin.Pharmacol.35:1187−1193,1995;Tjwa,Ann.Allergy Asthma Immunol.75:107−111,1995を参照)。したがって、本発明は、1つ又は複数の薬学的に許容されるキャリア及び/又は賦形剤及び式Iの化合物、又は式Iの化合物の薬学的に許容される塩のいずれかを含む薬学的組成物も提供する。
本発明の化合物から薬学的組成物を調製するために、薬学的に許容されるキャリアは、固体または液体であることができる。固体の形態の調製物としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤及び分散性顆粒剤が挙げられる。固体のキャリアは、希釈剤、香味料、サーファクト(surfacts)、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤又は封入材料として作用してよい、1つ又は複数の物質であることができる。製剤化及び投与のための手法に関する詳細は、科学文献及び特許文献に十分に記載されており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Maack Publishing Co,Easton PA(“Remington’s”)の最新版を参照する。
散剤において、キャリアは、微粉化された固体であり、それは、微粉化された活性な成分とともに混合物中に存在する。錠剤において、活性な成分は、必要な結合特性を有するキャリア及び必要とされる追加の賦形剤と好適な比率で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。
その散剤、カプセル剤、及び錠剤は、好ましくは、5%又は10%〜70%の活性化合物を含む。好適なキャリアは、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ろう、カカオバターなどである。用語「調製」は、他のexceipientsを含む又は含まない活性成分がキャリアによって囲まれ、したがってそれと関連するカプセル剤を提供するキャリアとしての封入材料と活性化合物との製剤化を含むことを意図する。同様に、カシェ剤及び舐剤が含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及び舐剤を、経口投与に適した固形剤形として使用することができる。
好適な固体の賦形剤は、糖(ラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトールを含む)、トウモロコシ、コムギ、イネ、ジャガイモ又は他の植物由来のデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース又はカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース、アラビア及びトラガントを含むゴム、並びにゼラチン及びコラーゲンを含むタンパク質を含むが、これらに限定されない。所望であれば、崩壊剤または可溶化剤(例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム))を加えてもよい。
糖衣錠コアには、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液並びに好適な有機溶媒または溶媒混合物も含んでよい好適なコーティング剤(例えば、濃縮された糖の溶液)が提供される。生成物の識別のため、又は活性化合物の量(すなわち、投与量)を特徴付けるために、染料または色素が、錠剤または糖衣錠コーティングに加えられてもよい。本発明の医薬品はまた、例えば、ゼラチンからできた押し込み型カプセル、並びにゼラチンおよびコーティング剤(例えば、グリセロールまたはソルビトール)からできた密封された軟カプセルを使用して、経口的に使用されることもできる。押し込み型カプセルは、充填剤又は結合剤(例えば、ラクトース又はデンプン)、滑沢剤(例えば、タルク又はステアリン酸マグネシウム)及び必要に応じて安定剤と混合される式Iの化合物を含んでもよい。軟カプセルでは、式Iの化合物は、安定剤を含む又は含まない好適な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィン又は液体ポリエチレングリコール)に溶解又は懸濁されてもよい。
坐剤を調製するために、脂肪酸グリセリドの混合物又はカカオバターなどの低融点ろうをまず融解し、活性化合物を、撹拌することによってその中に均一に分散させる。次いで、融解した均一な混合物を都合のよいサイズのモールドに注ぎ込み、冷却し、それにより、凝固させる。
液体の形態の調製物としては、溶液、懸濁液及びエマルジョン、例えば、水又は水/プロピレングリコール溶液が挙げられる。非経口の注射のために、液体の調製物は、ポリエチレングリコール水溶液中の溶液として製剤化されてもよい。
経口使用に適した水溶液は、活性化合物を水に溶解し、所望のとおり、好適な着色剤、香料、安定剤および増粘剤を加えることによって、調製されてもよい。経口使用に適した水性懸濁液は、微粉化された活性な成分を、粘稠性の材料(例えば、天然ゴム又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム)及び分散剤又は湿潤剤(例えば、天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノ−オレエート)またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノ−オレエート)とともに水に分散することによって、生成されることができる。その水性懸濁液は、1つ又は複数の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル)、1つ又は複数の着色剤、1つ又は複数の香味料及び1つ又は複数の甘味剤(例えば、スクロース、アスパルテーム又はサッカリン)も含むことができる。製剤は、オスモル濃度について調整されることができる。
使用する直前に、経口投与用の液体の形態の調製物に変換されることが意図された固体の形態の調製物も含められる。そのような液体の形態としては、溶液、懸濁液及びエマルジョンが挙げられる。これらの調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香料、安定剤、緩衝剤、人工及び天然の甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでもよい。
式Iの化合物を植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はやし油)並びに鉱油(例えば、流動パラフィン);又はこれらの混合物に懸濁することによって、油性懸濁液を製剤化することができる。その油性懸濁液は、増粘剤(例えば、蜜ろう、固形パラフィン又はセチルアルコール)を含むことができる。甘味剤(例えば、グリセロール、ソルビトール又はスクロース)を、美味な経口調製物を提供するために加えることができる。これらの製剤は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を加えることによって、保存することができる。注射可能な油性ビヒクルの例として、Minto,J.Pharmacol.Exp.Ther.281:93−102,1997を参照のこと。本発明の薬学的製剤は、水中油型エマルジョンの形態とすることができる。油相は、上に記載された、植物油若しくは鉱油又はこれらの混合物とすることができる。好適な乳化剤としては、天然に存在するゴム(例えば、アラビアゴム及びトラガカントゴム)、天然に存在するホスファチド(例えば、ダイズレシチン)、脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来するエステル又は部分エステル(例えば、ソルビタンモノ−オレエート)及びこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノ−オレエート)が挙げられる。エマルジョンは、シロップ剤及びエリキシル剤の製剤におけるように、甘味剤および香味料も含むことができる。そのような製剤は、粘滑剤、保存剤又は着色剤も含むことができる。
本発明の式Iの化合物は、経皮的に、局所的経路により、アプリケータースティック、溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、ペイント、パウダー及びエアロゾルとして製剤化されることができる。
式Iの化合物及び本発明の組成物はまた、身体内での緩徐な放出のためにミクロスフェアとしても送達されることができる。例えば、ミクロスフェアは、皮下にゆっくり放出する薬物含有ミクロスフェアの皮内注射を介して投与されることができる(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623−645,1995を参照;生分解性で注射可能なゲル製剤として(例えば、Gao Pharm.Res.12:857−863,1995を参照);又は経口投与用のミクロスフェアとして(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol.49:669−674,1997を参照)。経皮的経路と皮内経路の両方が、数週間または数ヶ月間にわたって一定の送達をもたらす。
本発明の式Iの化合物の薬学的製剤は、塩として提供されることができ、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含むがこれらに限定されない、多くの酸と形成されることができる。塩は、水性又は対応する遊離塩基の形態である他のプロトン性溶媒中により可溶性である傾向にある。他の場合においては、調製物は、使用前に緩衝剤と組み合わせた、pH範囲が4.5〜5.5の、1mM〜50mMヒスチジン、0.1%〜2%スクロース、2%〜7%マンニトール中の凍結乾燥した散剤であってもよい。
本発明の式Iの化合物の薬学的製剤は、塩として提供されることができ、塩基、すなわちナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、及びアンモニウム、トリメチルーアンモニウム、ジエチルアンモニウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)―メチルアンモニウムの塩等の、アンモニウム塩等のカチオン塩と形成されることができる。
いくつかの実施形態において、本発明の式Iの化合物の製剤は、リポソームを使用することによって送達され得、そのリポソームは、細胞膜と融合するか、又はエンドサイトーシスされ、すなわち、そのリポソームに付着されたリガンド、又は細胞の表面膜タンパク質レセプターに結合するオリゴヌクレオチドに直接付着されたリガンドを使用することによって送達されて、エンドサイトーシスがもたらされる。特に、リポソーム表面が、標的細胞に特異的なリガンドを有するか、又は別途、特定の器官に優先的に方向づけられている場合に、リポソームを使用することによって、インビボにおいてGR調節因子を標的細胞に送達することに焦点を合わせることができる(例えば、Al−Muhammed,J.Microencapsul.13:293−306,1996;Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698−708,1995;Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576−1587,1989を参照)
医薬品は、好ましくは、単位剤形で存在する。このような形態において、調製物は、適切な量の活性化合物を含む単位用量に細分される。単位剤形は、包装された調製物でありことができ、その包装は、別々の量の調製物を含む(例えば、パック詰めされた錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル内の散剤)。また、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤もしくは舐剤自体であることができ、又は包装された形態の適切な数のこれらのいずれかであり得る。
単位用量調製物中の活性成分の量は、活性成分の特定の用途及び抗力にしたがって、0.1mg〜10000mg、より典型的には1.0mg〜1000mg、最も典型的には10mg〜500mgで変動してもよく、又は調整されてもよい。組成物はまた、所望であれば、他の適合性の治療剤を含んでもよい。
投与計画はまた、当業者に周知の薬物動態パラメータ、すなわち、吸収速度、生物学的利用率、代謝率、クリアランス等を考慮に入れる(例えば、Hidalgo−Aragones(1996)J.Steroid Biochem.Mol.Biol.58:611−617;Groning(1996)Pharmazie 51:337−341;Fotherby(1996)Contraception 54:59−69;Johnson(1995)J.Pharm.Sci.84:1144−1146;Rohatagi(1995)Pharmazie 50:610−613;Brophy(1983)Eur.J.Clin.Pharmacol.24:103−108;thelatestRemington’s,supraを参照)。最先端を使用すると、臨床医は各個別の患者、GR及び/又はMR調節因子並びに治療される疾患又は症状について投与計画を決定することができる。
式Iの化合物の調製物の単回投与又は複数回投与は、患者によって必要とされ、許容される用量及び頻度に依存して、投与されることができる。製剤は、病状を効果的に治療するのに十分な量の作用物質を提供すべきである。したがって、1つの実施形態において、式Iの化合物の経口投与用の薬学的製剤は、1日あたり体重キログラムあたり約0.5〜約30mgの一日量である。他の実施形態においては、投与量は、1日あたり患者あたり体重キログラムあたり約1mg〜約20mgである。血流に、体腔に、又は器官の管腔に、経口的に投与されるのと対照的に、脳脊髄液(CSF)空間等の、解剖学的に隔離された部位に薬剤を投与する場合特に、低用量を使用することができる。局所投与においてはかなりの高用量を使用することができる。非経口的に投与可能な式Iの化合物の製剤の実際的方法は、当業者にとって既知で明らかであり、Remington’s,supraなどのような出版物により詳細に記載される。Nieman,“Receptor Mediated Antisteroid Action,”Agarwal,etal.,eds.,DeGruyter,NewYork(1987)も参照。
本明細書において記載される化合物は、互いに、糖質コルチコイドレセプターを調節する際に有用であると公知の他の活性な作用物質と、又は単独では有効ではなくてもよいが活性な作用物質の有効性に寄与することができる補助剤と、組み合わせて使用されることができる。
いくつかの実施形態において、共投与には、第2の作用物質の0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20又は24時間以内の1つの作用物質の投与が含まれる。共投与には、同時、ほぼ同時(例えば、互いに約1、5、10、15、20又は30分以内)又は任意の順序での順次の投与が含まれる。いくつかの実施形態において、共投与は、共製剤化、すなわち、両活性な作用物質を含む単一の薬学的組成物を調製することによって、達成されることができる。いくつかの実施形態において、活性な作用物質は、別々に製剤化されることができる。いくつかの実施形態において、活性な作用物質及び/又は補助剤は、互いに連結又は結合体化してもよい。
本発明の式Iの化合物を含む薬学的組成物が1つ又は複数の許容されるキャリアに製剤化された後、それを適切な容器に配置し、示された条件の処置についてラベルすることができる。式Iの化合物の投与のために、このようなラベリングとしては、例えば、投与の量、頻度及び方法に関する説明書等があげられるであろう。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、非経口投与(例えば、静脈内(IV)投与又は体腔若しくは器官の管腔への投与等)のために有用である。投与用の製剤は、通常、1つ又は複数の薬学的に許容されるキャリアに溶解された本発明の組成物の溶液を含む。使用することができる許容されるビヒクル及び溶媒は、水及びリンガー溶液、等張性塩化ナトリウムである。さらに、滅菌された固定油が、慣習的に溶媒または懸濁媒として使用されることができる。この目的のために、合成モノ−又はジグリセリドを含む任意の無刺激の固定油が使用されることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射可能物の調製において同様に使用されることができる。これらの溶液は、滅菌されており、通常、望ましくない物質を含まない。これらの製剤は、従来の周知の滅菌手法によって滅菌されてもよい。それらの製剤は、生理学的条件に近づけるために必要とされるような薬学的に許容される補助物質(例えば、pH調整剤および緩衝剤、浸透圧調整剤、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなど)を含んでもよい。これらの製剤における本発明の組成物の濃度は、大きく変動することができ、選択される特定の投与様式および患者のニーズに従って、主に、液量、粘度、体重などに基づいて選択される。IV投与の場合、その製剤は、滅菌された注射可能な調製物(例えば、滅菌された注射可能な水性または油性の懸濁液)であることができる。この懸濁液は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用する公知の技術に従って製剤化されることができる。滅菌された注射可能な製剤は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌された注射可能な溶液または懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオールの溶液)であることもできる。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物の製剤は、リポソームを使用することによって送達されることができ、そのリポソームは、細胞膜と融合するか、又はエンドサイトーシスされ、すなわち、そのリポソームに付着されたリガンド、又は細胞の表面膜タンパク質レセプターに結合するオリゴヌクレオチドに直接付着されたリガンドを使用することによって送達されることができ、エンドサイトーシスがもたらされる。特に、リポソーム表面が、標的細胞に特異的なリガンドを有するか、又は別途、特定の器官に優先的に方向づけられている場合に、リポソームを使用することによって、インビボにおいて本発明の組成物を標的細胞に送達することに焦点を合わせることができる(例えば、Al−Muhammed,J.Microencapsul.13:293−306,1996;Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698−708,1995;Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576−1587,1989を参照)。
V.方法
第3の態様において、本発明は、糖質コルチコイドレセプターを調節することを介して障害又は症状を治療する方法を提供し、その方法は、このような治療を必要とする被験体に、治療有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物の薬学的組成物を投与し、それによって障害又は症状を治療することを含む。
第4の態様において、本発明は、糖質コルチコイドレセプターをアンタゴナイズすることを介して障害又は症状を治療する方法を提供し、その方法は、このような治療を必要とする被験体に、有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物の薬学的組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される手法を使用して糖質コルチコイドレセプターの活性を調節する方法を提供する。例示的な実施形態において、方法は、GRを、有効量の、式1の化合物等の、本発明の化合物と接触させること、及びGR活性の変化を検出することを含む。
例示的な実施形態において、GR調節因子は、GR活性のアンタゴニスト(本明細書中、「糖質コルチコイドレセプターアンタゴニスト」とも称される)である。糖質コルチコイドレセプターは、本明細書中で使用される場合、糖質コルチコイドレセプター(GR)へのGRアゴニスト(例えば、コルチゾール及び合成又は天然のコルチゾールアナログ)の結合を部分的に又は完全に阻害する(アンタゴナイズする)ことによって、そのアゴニストへのGRの結合に関連する任意の生物学的応答を阻害する任意の組成物または化合物のことを指す。
いくつかの実施形態において、GR調節因子は、特異的な糖質コルチコイドレセプターアンタゴニストである。本明細書中で使用される場合、特異的な糖質コルチコイドレセプターアンタゴニストとは、別の核レセプター(NR)ではなくGRに優先的に結合することによって、アゴニストへのGRの結合に関連する任意の生物学的応答を阻害する組成物又は化合物のことを指す。いくつかの実施形態において、特異的な糖質コルチコイドレセプターアンタゴニストは、鉱質コルチコイドレセプター(MR)、アルドステロンレセプター(AR)又はプロゲステロンレセプター(PR)ではなくGRに優先的に結合する。例示的な実施形態において、特異的な糖質コルチコイドレセプターアンタゴニストは、鉱質コルチコイドレセプター(MR)ではなくGRに優先的に結合する。別の例示的な実施形態において、特異的な糖質コルチコイドレセプターアンタゴニストは、プロゲステロンレセプター(PR)ではなくGRに優先的に結合する。別の例示的な実施形態において、特異的な糖質コルチコイドレセプターアンタゴニストは、アルドステロンレセプター(AR)ではなくGRに優先的に結合する。
いくつかの実施形態において、特異的な糖質コルチコイドレセプターアンタゴニストは、任意の他のNRに対するKdよりも少なくとも10倍低い結合定数(Kd)でGRに結合する。いくつかの実施形態において、特異的な糖質コルチコイドレセプターアンタゴニストは、任意の他のNRに対するKdよりも少なくとも100倍低い結合定数(Kd)でGRに結合する。いくつかの実施形態において、特異的な糖質コルチコイドレセプターアンタゴニストは、任意の他のNRに対するKdよりも少なくとも1000倍低い結合定数(Kd)でGRに結合する。
本発明とともに使用するのに適した障害又は症状の例としては、肥満症、糖尿病、心血管疾患、高血圧症、シンドロームX、うつ、不安、緑内障、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)又は後天性免疫不全症候群(AIDS)、神経変性、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知強化、クッシング症候群、アジソン病、骨粗鬆症、虚弱、筋肉虚弱、炎症性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、喘息及び鼻炎、副腎機能に関連する病気、ウイルス感染、免疫不全、免疫調節、自己免疫疾患、アレルギー、欠損創傷治癒、強迫行動、多剤耐性、嗜癖、精神病、食欲不振、悪液質、心的外傷後ストレス症、手術後の骨折、医学的異化(medical catabolism)、精神病性大うつ病、軽度認知障害、精神病、認知症、高血糖症、ストレス障害、抗精神病薬誘導性体重増加、せん妄、うつ病患者における認知障害、ダウン症候群を有する個体における認知低下、インターフェロン−アルファ治療に関連する精神病、慢性疼痛、胃食道逆流性疾患に関連する疼痛、産後精神病、産後うつ病、未熟児における神経障害並びに片頭痛が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、障害または症状は、精神病性大うつ病、ストレス障害又は抗精神病薬誘導性体重増加である
いくつかの実施形態において、障害又は症状は、非アルコール性脂肪性肝疾患及び/又は非アルコール性脂肪性肝炎である。いくつかの実施形態において、障害又は症状は、非アルコール性脂肪性肝疾患である。いくつかの実施形態において、障害又は症状は、非アルコール性脂肪性肝炎である。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、過度のアルコール摂取以外の原因によって脂肪が肝臓に蓄積された(脂肪肝(steatosis))場合に起こる脂肪肝(fatty liver)のタイプの1つである。NAFLDは、疾患活動性のスペクトルをカバーするとみなされる。このスペクトルは、肝臓中の脂肪蓄積(脂肪肝(hepatic steatosis))として始まる。多くのNAFLDの人々は、徴候がほとんどない又はない。患者は、疲労、倦怠感、及び鈍い右上腹部不快感を訴えてもよい。これはまれであるけれども、軽度の黄疸が認められてもよい。最も一般的なNAFLDは、通例の血液検査中の肝機能検査異常に続いて診断される。定義によると、20g/日を超える飲酒量(約25ml/日の正味エタノール)は、条件を除外する。
NAFLDは、進行して、脂肪肝が炎症及び線維症と組み合わさった状態である(脂肪性肝炎)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)となることができる。NASHは、進行性疾患である。10年の期間にわたり、NASHの患者のうちの20%以下は肝臓の硬変症にかかり、10%は肝疾患に関連する死を遂げる。
いくつかの実施形態において、障害又は症状は、嗜癖障害である。嗜癖障害(物質乱用及び物質依存症等)は、アルコール又は薬物の過剰使用を引き起こす一般的な障害である。障害としての、物質乱用とは、不法物質の乱用又は合法物質(例えばアルコール)の乱用的使用のことを指す。物質依存症は、物質の使用に関連する重要な問題が発生した場合でさえ、薬物又はアルコールを継続して使用することと記述される嗜癖障害である。徴候には、上昇した許容度、すなわち、所望の効果を達成するための増加した量の物質の必要性;使用の減少に伴う禁断症状;使用を減少するための失敗に終わった努力;物質を取得するための活動に費やされる増加した時間;社会的及び娯楽的活動からの撤回;及び物質使用の程度により遭遇した身体的又は心理学的問題を認識してもなお、物質の使用を継続すること、が含まれる。化学物質依存症も、化学物質(通常薬物又はアルコール)の脅迫使用及びその使用により引き起こされる全ての問題にもかかわらずその使用を中止できないことと記述される嗜癖障害である。特に嗜癖障害の青年によって、乱用されることが多い物質としては、アルコール、マリファナ、幻覚剤、コカイン、アンフェタミン、オピエート、タンパク質同化ステロイド薬、吸入薬、メタンフェタミン、又はタバコが挙げられるが、これらに限定されない。
癌(Carcinoma)とは、上皮細胞で構成され、周辺組織に浸潤し、転移を生じる傾向がある悪性新生物のことを指す。本明細書中に提供される化合物又は方法で治療されることができる例示的な癌には、例えば、甲状腺髄様癌、家族性甲状腺髄様癌、細葉細胞癌、腺房細胞癌、腺嚢癌、腺様嚢胞癌、腺ガン腫(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質の癌、肺胞癌、肺胞細胞癌、基底細胞癌(basal cell carcinoma)、基底細胞癌(carcinoma basocellulare)、類基底細胞癌、基底扁平上皮癌、気管支肺胞上皮癌、細気管支癌、気管支原性肺癌、大脳様癌、胆管細胞癌、絨毛膜癌、膠様癌、面皰癌、体癌、篩状癌、よろい状癌、皮膚癌、円柱状癌、円柱細胞癌、管癌、緻密ガン腫(carcinoma durum)、胎児性癌、脳様癌、類表皮癌、上皮アデノイド癌、外向発育癌、潰瘍癌、線維性癌(carcinoma fibrosum)、ゼラチン状癌(gelatiniforni carcinoma)、コロイド腺癌、巨細胞癌、巨細胞癌、腺上皮にできる悪性腫瘍、顆粒膜細胞癌、毛母基癌、血液様癌、肝細胞癌、ハースル細胞癌、硝子質癌、腎明細胞癌(hypernephroid carcinoma)、小児型胎児性癌、上皮内癌、表皮内癌、上皮内癌(intraepithelial carcinoma)、Krompecherガン腫、Kulchitzky細胞ガン腫、大細胞癌、レンズ状癌(lenticular carcinoma)、レンズ状癌(carcinomalenticulare)、脂肪腫様腫瘍(lipomatouscarcinoma)、リンパ上皮癌、髄様癌(carcinoma medullare)、髄様癌(medullary carcinoma)、黒色癌、軟ガン腫(carcinoma molle)、粘液性癌、粘液性ガン腫(carcinoma muciparum)、粘液細胞ガン腫、粘表皮癌、粘液癌、粘液性癌、粘液腫様癌、上咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性ガン腫、類骨癌、乳頭癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、粥状ガン腫(pultaceous carcinoma)、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様ガン腫、総排泄腔癌、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、ソラノイドガン腫(solanoid carcinoma)、回転楕円面細胞癌腫、紡錘細胞癌、海綿様癌、扁平上皮癌、扁平上皮癌、ストリングガン腫(string carcinoma)、毛細血管拡張性ガン腫(carcinoma telangiectaticum)、毛細血管拡張性癌、移行上皮癌、結節ガン腫(carcinoma tuberosum)、結節性癌、いぼ状癌、絨毛ガン腫(carcinoma villosum)、髄膜腫、神経鞘腫、及び上衣細胞腫が含まれる。
いくつかの実施形態において、方法は、1つ又は複数の第2の作用物質(例えば、治療剤)を投与することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、1つ又は複数の第2の作用物質(例えば、治療剤)を治療有効量で投与することを含む。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、糖質コルチコイドレセプターを調節するのに有用であることが既知の作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、肥満症、糖尿病、心血管疾患、高血圧症、シンドロームX、うつ、不安、緑内障、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)若しくは後天性免疫不全症候群(AIDS)、神経変性、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知強化、クッシング症候群、アジソン病、骨粗鬆症、虚弱、筋肉虚弱、炎症性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、喘息及び鼻炎、副腎機能に関連する病気、骨粗鬆症、虚弱、筋肉虚弱、炎症性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、喘息及び鼻炎、副腎機能に関連する病気、ウイルス感染、免疫不全、免疫調節、自己免疫疾患、アレルギー、欠損創傷治癒、強迫行動、多剤耐性、嗜癖、精神病、食欲不振、悪液質、心的外傷後ストレス症、手術後の骨折、医学的異化(medical catabolism)、精神病性大うつ病、軽度認知障害、精神病、認知症、高血糖症、ストレス障害、抗精神病薬誘導性体重増加、せん妄、うつ病患者における認知障害、ダウン症候群を有する個体における認知低下、インターフェロン−アルファ治療に関連する精神病、慢性疼痛、胃食道逆流性疾患に関連する疼痛、産後精神病、産後うつ病、未熟児における神経障害、又は片頭痛を治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、精神病性大うつ病、ストレス障害又は抗精神病薬誘導性体重増加を治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、非アルコール性脂肪性肝疾患及び/又は非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、嗜癖障害を治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、がんを治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、抗がん剤である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、化学療法薬である。
肉腫は、一般的に胚性結合組織のような物質から構成され、一般的に線維性又は均質な物質に埋め込まれた密接に詰まっている細胞から構成される。本明細書中に提供される化合物又は方法で治療されることができる肉腫には、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アベメシー肉腫(Abemethy’ssarcoma)、脂肪肉腫(adiposesarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、胞状軟部肉腫、エナメル芽細胞肉腫、ブドウ状肉腫、緑色腫、絨毛膜がん、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質性肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞の免疫芽球肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー星細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、傍骨性骨肉腫、網赤血球肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫、又は血管拡張型肉腫(telangiectaltic sarcoma)が含まれる。
黒色腫とは、皮膚及び他の器官のメラニン細胞系から生じる腫瘍のことを指す。本明細書中に提供される化合物又は方法で治療されることができる黒色腫には、例えば、末端黒子型黒色腫、無色素性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング−パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子黒色腫、悪性黒色腫、結節性メラノーマ、爪下黒色腫(subungal melanoma)、又は表在拡大型黒色腫が含まれる。
癌(Carcinoma)とは、上皮細胞で構成され、周辺組織に浸潤し、転移を生じる傾向がある悪性新生物のことを指す。本明細書中に提供される化合物又は方法で治療されることができる例示的な癌には、例えば、甲状腺髄様癌、家族性甲状腺髄様癌、細葉細胞癌、腺房細胞癌、腺嚢癌、腺様嚢胞癌、腺ガン腫(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質の癌、肺胞癌、肺胞細胞癌、基底細胞癌(basalcellcarcinoma)、基底細胞癌(carcinoma basocellulare)、類基底細胞癌、基底扁平上皮癌、気管支肺胞上皮癌、細気管支癌、気管支原性肺癌、大脳様癌、胆管細胞癌、絨毛膜癌、膠様癌、面皰癌、体癌、篩状癌、よろい状癌、皮膚癌、円柱状癌、円柱細胞癌、管癌、緻密ガン腫(carcinoma durum)、胎児性癌、脳様癌、類表皮癌、上皮アデノイド癌、外向発育癌、潰瘍癌、線維ガン腫(carcinoma fibrosum)、膠様癌(gelatinifornicarcinoma)、コロイド腺癌、巨細胞癌(giantcell carcinoma)、巨細胞癌(carcinoma gigantocellulare)、腺上皮にできる悪性腫瘍、顆粒膜細胞癌、毛母基癌、血液様癌、肝細胞癌、ハースル細胞癌、硝子質癌、腎明細胞癌、小児型胎児性癌、上皮内癌、表皮内癌、上皮内癌(intraepithelial carcinoma)、クロンペッカー癌(Krompecher’scarcinoma)、クルチツキー細胞癌(Kulchitzky−cell carcinoma)、大細胞癌、レンズ状癌(lenticular carcinoma)、レンズ状癌(carcinoma lenticulare)、脂肪腫様腫瘍(lipomatouscarcinoma)、リンパ上皮癌、髄様癌(carcinoma medullare)、髄様癌(medullarycarcinoma)、黒色癌、軟ガン腫(carcinoma molle)、粘液性癌、粘液性ガン腫(carcinoma muciparum)、粘液細胞ガン腫(carcinoma mucocellulare)、粘表皮癌、粘液癌、粘液性癌、粘液腫様癌、上咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性ガン腫(carcinoma ossificans)、類骨癌、乳頭癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、粥状癌腫(pultaceous carcinoma)、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様ガン腫(carcinomasarcomatodes)、総排泄腔癌、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、ソラノイドガン腫(solanoidcarcinoma)、回転楕円面細胞癌腫、紡錘細胞癌、海綿様癌、扁平上皮癌、扁平上皮癌、ストリング癌、血管拡張性癌、毛細血管拡張性癌、移行上皮癌、結節癌(carcinoma tuberosum)、結節性癌、いぼ状癌、絨毛癌(carcinoma villosum)、髄膜腫、神経鞘腫、及び上衣細胞腫が含まれる。
いくつかの実施形態において、方法は、1つまたは複数の第2の作用物質(例えば治療剤)を投与することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、1つ又は複数の第2の作用物質を治療有効量で投与することを含む。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、糖質コルチコイドレセプター及び/又は鉱質コルチコイドレセプターを調節するのに有用であることが既知の作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、肥満症、糖尿病、心血管疾患、高血圧症、シンドロームX、うつ、不安、緑内障、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)若しくは後天性免疫不全症候群(AIDS)、神経変性、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知強化、クッシング症候群、アジソン病、骨粗鬆症、虚弱、筋肉虚弱、炎症性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、喘息及び鼻炎、副腎機能に関連する病気、骨粗鬆症、虚弱、筋肉虚弱、炎症性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、喘息及び鼻炎、副腎機能に関連する病気、ウイルス感染、免疫不全、免疫調節、自己免疫疾患、アレルギー、欠損創傷治癒、強迫行動、多剤耐性、嗜癖、精神病、食欲不振、悪液質、心的外傷後ストレス症、手術後の骨折、医学的異化(medical catabolism)、精神病性大うつ病、軽度認知障害、精神病、認知症、高血糖症、ストレス障害、抗精神病薬誘導性体重増加、せん妄、うつ病患者における認知障害、ダウン症候群を有する個体における認知低下、インターフェロン−アルファ治療に関連する精神病、慢性疼痛、胃食道逆流性疾患に関連する疼痛、産後精神病、産後うつ病、未熟児における神経障害、又は片頭痛を治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、精神病性大うつ病、ストレス障害又は抗精神病薬誘導性体重増加を治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、非アルコール性脂肪性肝疾患及び/又は非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、嗜癖障害を治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、がんを治療するための作用物質である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、抗がん剤である。いくつかの実施形態において、第2の作用物質は、化学療法薬である。
VI.併用療法
本発明の方法によれば、式Iの化合物又はその薬学的組成物は、他の抗がん剤(抗がん剤)と併用して共投与されることができる。いくつかの実施形態において、抗がん剤は、化学療法薬である。
本発明の化合物と併用して使用するのに適した化学療法薬は、米国特許出願公開第20150218274号、及びhttp://chemocare.com/chemotherapy/what−is−chemotherapy/types−of−chemotherapy.aspxにも開示されるような、がん細胞を死滅させる又はがん細胞の増殖を抑制する特性を有する薬剤を含む。これらの薬剤としては、微小管阻害薬(例えば、タキサン及びビンカアルカロイド)、トポイソメラーゼ阻害薬及び代謝拮抗薬(例えば、そのように作用するヌクレオシドアナログ(例えば、ゲムシタビン))、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、有糸分裂阻害剤、アントラサイクリン、挿入剤、シグナル伝達経路と干渉できる薬剤、アポトーシスを促進する薬剤、プロテオソーム阻害剤、などが挙げられるが、これらに限定されない。
アルキル化剤は、細胞の静止期において最も活性である。これらのタイプの薬剤は、細胞周期に非特異的である。式Iの化合物又はその薬学的組成物と併用して使用されることができる例示的なアルキル化剤としては、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキル、ニトロソウレア及びトリアゼン):ウラシルマスタード(Aminouracil Mustard(登録商標)、Chlorethaminacil(登録商標)、Demethyldopan(登録商標)、Desmethyldopan(登録商標)、Haemanthamine(登録商標)、Nordopan(登録商標)、UracilnitrogenMustard(登録商標)、Uracillost(登録商標)、Uracilmostaza(登録商標)、Uramustin(登録商標)、Uramustine(登録商標))、chlormethine(Mustargen(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標)、Clafen(登録商標)、Endoxan(登録商標)、Procytox(登録商標)、Revimmune(商標)、イホスファミド(Mitoxana(登録商標)、メルファラン(Alkeran(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標)、)、ピポブロマン(Amedel(登録商標)、Vercyte(登録商標))、トリエチレンメラミン(Hemel(登録商標)、Hexalen(登録商標)、Hexastat(登録商標))、トリエチレントリエチレンチオホスフォルアミン(triethylenethiophosphoramine)、チオテパ(Thioplex(登録商標))、ブスルファンbusulfan(Busilvex(登録商標)、Myleran(登録商標))、カルムスチン(BiCNU(登録商標))、ロムスチン(CeeNU(登録商標))、ストレプトゾシン(Zanosar(登録商標))、及びダカルバジン(DTIC−Dome(登録商標))が挙げられるが、限定されない。さらなる例示的なアルキル化剤としては、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標))、テモゾロミド(Temodar(登録商標)及びTemodal(登録商標))、ダクチノマイシン(アクチノマイシンDとしても知られる、Cosmegen(登録商標))、メルファラン(L−PAM、L−sarcolysin、及びフェニルアラニンマスタードとしても知られる、Alkeran(登録商標))、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)としても知られる、Hexalen(登録商標))、カルムスチン(BiCNU(登録商標)、ベンダムスチン(Treanda(登録商標))、ブスルファン(Busulfex(登録商標)、及びMyleran(登録商標))、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、ロムスチン(CCNUとしても知られる、CeeNU(登録商標))、シスプラチン(CDDPとしても知られる、Platinol(登録商標)及びPlatinol(登録商標)−AQ)、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)、及びNeosar(登録商標))、ダカルバジン(DTIC、DIC及びイミダゾールカルボキサミドとしても知られる、DTIC−Dome(登録商標))、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)としても知られる、Hexalen(登録商標))、イホスファミド(Ifex(登録商標))、Prednumustine、プロカルバジン(Matulane(登録商標))、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード、mustine及びメクロルエタミン塩酸塩としても知られる、Mustargen(登録商標))、ストレプトゾシン(Zanosar(登録商標))、チオテパ(thiophosphoamide、TESPA及びTSPAとしても知られる、Thioplex(登録商標))、シクロホスファミド(Endoxan(登録商標)、Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標)、Procytox(登録商標)、Revimmune(登録商標))、並びにベンダムスチンHCl(Treanda(登録商標))が挙げられるが、限定されない。
抗腫瘍抗生物質は、土壌菌類Streptomyces属の菌種により産生される天然物から得られる化学薬剤である。これらの薬剤は、細胞周期の複数の時期に作用し、細胞周期特異的とみなされる。アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、及びイダルビシン)、クロモマイシン(例えば、ダクチノマイシン及びプリカマイシン)、マイトマイシン及びブレオマイシンを含むが、限定されない、いくつかの種類の抗腫瘍抗生物質がある。
代謝拮抗薬は、細胞周期特異的である化学療法治療の種類である。細胞がこれらの代謝拮抗物質を細胞代謝に組み込むと、細胞は分裂できなくなる。これらの種類の化学療法薬剤には、メトトレキサートなどの葉酸アンタゴニスト;5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、カペシタビン、及びゲムシタビンなどのピリミジンアンタゴニスト;6−メルカプトプリン及び6−チオグアニンなどのプリンアンタゴニスト;クラドリビン、フルダラビン、ネララビン及びペントスタチンなどのアデノシンデアミナーゼ阻害剤が含まれる。
本発明の化合物と併用して使用されることができる例示的なアントラサイクリンには、例えば、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)及びRubex(登録商標));ブレオマイシン(Lenoxane(登録商標));ダウノルビシン(ダウノルビシン塩酸塩、ダウノマイシン、及びルビドマイシン塩酸塩、Cerubidine(登録商標));ダウノルビシンリポソーム(ダウノルビシンクエン酸塩リポソーム、DaunoXome(登録商標));ミトキサントロン(DHAD,Novantrone(登録商標));エピルビシン(Ellence);イダルビシン(Idamycin(登録商標)、IdamycinPFS(登録商標));マイトマイシンC(Mutamycin(登録商標));ゲルダナマイシン;ハービマイシン;ラビドマイシン、及びデアセチルラビドマイシンが含まれる。
微小管阻害薬は、ビンカアルカロイド及びタキサンを含む。本発明のSGRMと併用して使用されることができる例示的なビンカアルカロイドとしては、ビノレルビン酒石酸塩(Navelbine(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、及びビンデシン(Eldisine(登録商標)));ビンブラスチン(ビンブラスチン硫酸塩としても知られる、ビンカロイコブラスチン及びVLB、Alkaban−AQ(登録商標)及びVelban(登録商標));及びビノレルビン(Navelbine(登録商標))が挙げられるが、限定されない。本発明のSGRMと併用して使用されることができる例示的なタキサンとしては、パクリタキセル及びドセタキセルが挙げられるが、限定されない。パクリタキセル剤の非限定的な例としては、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE,Abraxis Bioscienceにより発売)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA−パクリタキセル,Taxoprexin,Protargaにより発売)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(PG−パクリタキセル、パクリタキセルpoliglumex、CT−2103、XYOTAX、CellTherapeuticにより発売)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)、ANG105(3分子のパクリタキセルに結合したAngiopep−2,ImmunoGenにより発売)、パクリタキセル−EC−1(erbB2認識ペプチドEC−1に結合したパクリタキセル;Liら.,Biopolymers(2007)87:225−230)を参照,及びグルコース抱合型パクリタキセル(例えば、2′−パクリタキセルメチル2−グルコピラノシルコハク酸塩,Liuら.,Bioorganic&Medicinal ChemistryLetters(2007)17:617−620)を参照が挙げられる。
本発明の化合物と併用して使用されることができる例示的なプロテオソーム阻害剤には、例えば、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標));カルフィルゾミブ(PX−171−007、(S)−4−メチル−N−((S)−1−(((S)−4−メチル−1−((R)−2−メチルオキシラン−2−イル)−1−オキソペンタン−2−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−2−((S)−2−(2−モルホリノアセトアミド)−4−フェニルブタンアミド)−ペンタンアミド);マリゾミブ(NPI−0052);イキサゾミブクエン酸塩(MLN−9708);デランゾミブ(CEP−18770);及びO−メチル−N−[(2−メチル−5−チアゾリル)カルボニル]−L−セリル−O−メチル−N−[(1S)−2−[(−2R)−2−メチル−2−オキシラニル]−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチル]−L−セリナミド(ONX−0912)が挙げられるが、限定されない。
いくつかの実施形態において、化学療法薬は、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ストレプトゾシン、カルムスチン、ロムスチン、ベンダムスチン、ウラムスチン(uramustine)、エストラムスチン、カルムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、マンノスルファン、ブスルファン、ダカルバジン、テモゾロミド、チオテパ、アルトレタミン、5−フルオロウラシル(5−FU)、6−メルカプトプリン(6−MP)、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メトトレキサート、ペメトレキセド、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、SN−38、ARC、NPC、カンプトテシン(campothecin)、トポテカン、9−ニトロカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ルビフェン(rubifen)、ジャイマテカン(gimatecan)、ディフロモテカン(diflomotecan)、BN80927、DX−895If、MAG−CPT、アムサクリン、エトポシド、エトポシドリン酸塩、テニポシド、ドキソルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、accatinIII、10−デアセチルタキソール、7−キシロシル−10−デアセチルタキソール、セファロマンニン、10−デアセチル−7−エピタキソール、7−エピタキソール、10−デアセチルバッカチンIII、10−デアセチルセファロマンニン、ゲムシタビン、イリノテカン、アルブミン結合パクリタキセル、オキサリプラチン、カペシタビン、シスプラチン、ドセタキセル、イリノテカンリポソーム及びエトポシド並びにその組み合わせから成る群から選択される。
特定の実施形態において、化学療法薬は、米国食品医薬品局(FDA)又は他の規制機関によって認可された、経験的最適化に依存する、用量及びスケジュールによって案内されることができる用量及びスケジュールで投与される。いくつかの場合において、化学療法薬は、約100〜1000mg、例えば、約200mg〜800mg、約300mg〜700mg、又は約400mg〜600mg、例えば、約200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、又は700mgの用量で投与される。投与スケジュールは、例えば、毎週、5日毎、4日毎、毎日以外の他の日毎、1日あたり2回又は3回で変動することができる。1つの実施形態において、化学療法薬は、ずっと又は治療期間の一部の間、毎日、他の日毎又は4日毎に、毎日100mg〜600mg、例えば、約100mg、200mg、260mg、300mg、400mg、又は600mgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、化学療法薬は、タキサンであり、例えば、本発明の方法によれば、FDAによって認可されたタキサンの用量である、任意の標準的な用量で使用されることができる。様々な実施形態において、タキサンは、nab−パクリタキセルでああり、28日サイクル毎に1、8及び15日目に30分にわたり静脈内注入として体表面積の平方メートル当たり80mg〜125mgに及ぶ用量で投与される。
さらなる実施形態において、1つ以上の化学療法薬を、同時に又は任意の順序で順次、治療期間の全体又は一部で投与してもよい。2つの薬剤を、同一又は異なる投与計画に従って投与してもよい。
本発明の化合物と化学療法薬の各種組み合わせ(又はこのような薬剤と化合物の組み合わせ)を、患者の腫瘍量を減少させるために使用してもよい。「併用療法」又は「併用して」によっては、これらの投与方法は本明細書中に記載された範囲内ではあるけれども、治療薬を同時に投与しなければならない及び/又は共に送達するために製剤化しなければならないことを意味することを意図しない。本発明の化合物及び化学療法薬は、同一又は異なる投与計画に従って投与されることができる。いくつかの実施形態において、式Iの化合物又はその薬学的組成物及び化学療法薬は、任意の順序で順次、治療期間の全体又は一部で投与される。いくつかの実施形態において、本発明の化合物及び抗がん剤は、同時に又はほぼ同時に(例えば、互いに約1、5、10、15、20、又は30分以内)投与される。併用療法の非限定的な例は、例えば、本発明の化合物を「A」として、化学療法計画の一部として与えられる、抗がん剤又は化合物を「B」として、本発明の化合物及び化学薬剤を投与すると、以下の通りである。
A/B/AB/A/BB/B/AA/A/BA/B/BB/A/AA/B/B/BB/A/B/B
B/B/B/AB/B/A/BA/A/B/BA/B/A/BA/B/B/AB/B/A/A
B/A/B/AB/A/A/BA/A/A/BB/A/A/AA/B/A/AA/A/B/A
治療的化合物又は治療的薬剤の患者に対する投与は、もしあれば、毒性を考慮して、治療の、このような化合物の投与のための一般的なプロトコルに従う。外科的処置を、記載された治療と併用して適用してもよい。
本発明の方法は、手術、放射線照射、標的化された治療、免疫療法、成長因子阻害剤又は血管新生抑制因子の使用などの他の治療手段と併用することができる。
VII.実施例
一般的方法
全ての出発物質及び溶媒を商業的供給源から又は文献引用にしたがって調製して取得した。特に明記しない限り全ての反応を攪拌した。有機溶液は、無水硫酸マグネシウム上で常に乾燥させた。水素化は、記載される条件又はガスオートクレーブ(ボンベ)の圧力下でターレスH−Cube流通反応装置で実施した。
カラムクロマトグラフィーを、指示された量を使用するプレパックシリカ(230〜400mesh、40〜63μm)カートリッジで実施した。強酸性カチオン交換(SCX)をスペルコから購入し、使用前に1M塩酸で処理した。特に明記しない限り、精製予定の反応混合物を最初にメタノール(MeOH)で希釈し、数滴の酢酸(AcOH)で酸性にした。この溶液をSCX上に直接ロードし、MeOHで洗浄した。次に望みの物質をMeOH中の1%アンモニア(NH3)で洗浄することにより溶出した。
分取RP−HPLCを、方法A又は方法Bのいずれでも215nm及び254nmでのUV検出を使用して実施した。方法A:10分間で0.1%v/vギ酸を含有する水―アセトニトリル(H2O−MeCN)勾配で溶出するWatersX−SelectPrep−C18、5μm、19×50mmカラム。方法B:10分間で0.1%重炭酸アンモニウムを含有するH2O−MeCN勾配で溶出するWatersX−BridgePrep−C18、5μm、19×50mmカラム。
分析法
逆相高速液体クロマトグラフィー
方法1:40℃でのWaters XSelect CSHC182.5μm(4.6×30mm)、254nm及び215nmでのUV検出を使用する4分間で0.1%v/vギ酸を含有するH2O−MeCN勾配で溶出した流速2.5〜4.5mLmin-1。勾配情報:95%H2O−5%MeCNから5%H2O−95%MeCNまで傾斜した、0〜3.00分、5%H2O−95%MeCNで維持し、流速を4.5mLmin-1まで上昇させた、3.00〜3.01分、5%H2O−95%MeCNで維持した、3.01〜3.50分、95%H2O−5%MeCNに戻し、流速を3.50mLmin-1に減少させた、3.50〜3.60分、95%H2O−5%MeCNで維持した、3.60〜3.90分、95%H2O−5%MeCNで維持し、流速を2.5mLmin-1に減少させた、3.90〜4.00分。
方法2:40℃でのWaters XBridge BEHC18、2.5μm(4.6×30mm)、254nmでのUV検出を使用する4分間で10mM重炭酸アンモニウムを含有するH2O−MeCN勾配で溶出した流速2.5〜4.5mLmin-1。勾配情報:95%H2O−5%MeCNから5%H2O−95%MeCNまで傾斜した、0〜3.00分、5%H2O−95%MeCNで維持し、流速を4.5mLmin-1まで上昇させた、3.00〜3.01分、5%H2O−95%MeCNで維持した、3.01〜3.50分、95%H2O−5%MeCNに戻し、流速を3.50mLmin-1に減少させた、3.50〜3.60分、95%H2O−5%MeCNで維持した、3.60〜3.90分、95%H2O−5%MeCNで維持し、流速を2.5mLmin-1に減少させた、3.90〜4.00分。
方法3:40℃でのWaters XSelect UPLCC181.7μm(2.1×30mm)、210nmと400nmとの間のPDA検出を使用する3分間で0.1%v/vギ酸を含有するH2O−MeCN勾配で溶出した流速0.7mL.min-1。勾配情報:95%H2O−5%MeCNの、0〜0.11分、95%H2O−5%MeCNから5%H2O−95%MeCNまで傾斜した、0.11〜2.15分、5%H2O−95%MeCNで維持した、2.15〜2.49分、5%H2O−95%MeCNから95%H2O−5%MeCNへ下がって傾斜した、2.49〜2.56分、95%H2O−5%MeCNの、2.56〜3.00分。
方法4:40℃でのWaters XSelectUPLCC181.7μm(2.1×30mm)、210nmと400nmとの間のPDA検出を使用する3分間で0.1%v/vギ酸を含有するH2O−MeCN勾配で溶出した流速0.7mL.min-1。勾配情報:95%H2O−5%MeCNの、0〜0.08分、95%H2O−5%MeCNから5%H2O−95%MeCNまで傾斜した、0.08〜0.70分、5%H2O−95%MeCNで維持した、0.7〜0.8分、5%H2O−95%MeCNから95%H2O−5%MeCNへ下がって傾斜した、0.8〜0.9分、95%H2O−5%MeCNの、0.9〜1.00分。
LCMS法
方法A:陽イオン及び陰イオンエレクトロスプレー及びPhenomenex Luna3ミクロンC18(2)30×4.6mmカラム及び2mL/分の流速を使用するELS/ダイオードアレイ検出を備えるWaters Platform LC四重極質量分析計を使用して実験を実施した。溶媒系は、最初の50秒間は0.1%ギ酸を含有する95%水(溶媒A)及び0.1%ギ酸を含有する5%アセトニトリル(溶媒B)であり、続いて次の4分間で5%の溶媒A及び95%の溶媒Bまでの勾配だった。最終的な溶媒系は、さらに1分間一定のままだった。
方法B:陽イオン及び陰イオンエレクトロスプレー及びHiggins Clipeus 5ミクロンC18 100×3.0mmカラム及び1mL/分の流速を使用するELS/ダイオードアレイ検出を備えるWatersMicromassZQ2000四重極質量分析計を使用して実験を実施した。最初の溶媒系は、最初の1分間は0.1%ギ酸を含有する95%水(溶媒A)及び0.1%ギ酸を含有する5%アセトニトリル(溶媒B)であり、続いて次の8分間で5%の溶媒A及び95%の溶媒Bまでの勾配だった。最終的な溶媒系は、さらに5分間一定のままだった。
方法C:陽イオン及び陰イオンエレクトロスプレー及びPhenomenex Luna3ミクロンC18(2)30×4.6mmカラム及び2mL/分の流速を使用するELS/ダイオードアレイ検出を備えるZMD四重極質量分析計を使用して実験を実施した。溶媒系は、最初の50秒間は0.1%ギ酸を含有する95%水(溶媒A)及び0.1%ギ酸を含有する5%アセトニトリル(溶媒B)であり、続いて次の4分間で5%の溶媒A及び95%の溶媒Bまでの勾配だった。最終的な溶媒系は、さらに1分間一定のままだった。
方法D:40℃に維持された、Acquity UPLCBEH C18 1.7ミクロン100×2.1mmを使用するPDAUV検出器を備えたWaters AcquityUPLCシステムと接続されたWatersMicromassZQ2000四重極質量分析計を使用して実験を実施した。分析計は、陽イオン及び陰イオンモードで操作するエレクトロスプレー供給源を有する。初期の溶媒系は、0.4分間は0.1%ギ酸を含有する95%水(溶媒A)及び0.1%ギ酸を含有する5%アセトニトリル(溶媒B)であり、続いて次の6.4分間で5%の溶媒A及び95%の溶媒Bまでの勾配だった。
方法E:陽イオン及び陰イオンエレクトロスプレー及びHiggins Clipeus5ミクロン C18 100×3.0mmカラム及び1mL/分の流速を使用するELS/ダイオードアレイ検出を備えるHewlettPackardHP1100LCシステムと接続されたWaters QuattroMicro三重四重極質量分析計を使用して実験を実施した。初期の溶媒系は、最初の1分間は0.1%ギ酸を含有する85%水(溶媒A)及び0.1%ギ酸を含有する15%アセトニトリル(溶媒B)であり、続いて次の13分間で5%の溶媒A及び95%の溶媒Bまでの勾配だった。溶媒系は、初期の溶媒条件に戻す前にさらに7分間一定のままだった。
1H NMRスペクトルを、BBFO5mmプローブを装着したBruker400MHzAvanceIII分光計、又はBruker5mm SmartProbeTMを備えたBruker500MHzAvanceIIIHD分光計を使用して記録した。スペクトルは、別段の指示がない限り298Kで測定し、溶媒共鳴と比較して参照した。化学シフトをppm単位で報告する。データをBrukerTopSpinソフトウェアを使用して取得した。
一般的合成法
本発明の化合物を、当該技術分野において周知な各種方法によって調製することができる。
式Ia−1の化合物への1つの合成経路は、重要な中間体ケトンHを含む。式Hのケトンを得るための1つの経路をスキーム1に描く。スキーム1には特定の試薬が含まれるけれども、合成を実現するために代わりの試薬又は溶媒を使用できることは当業者にとって明らかだろう。出発物質、4−ヒドロキシシクロヘキサノン中のヒドロキシル基を保護するためにはベンジル以外の保護基は適切であろうことも、当業者にとって明らかだろう。ピリミジン中の2個のヒドロキシル基を保護するためにはメチル以外の保護基も使用することができる。
スキーム1.ケトンHの合成
適当に保護された4−ヒドロキシシクロヘキサノンを、トリフラート(D)などの適切なカップリングパートナーへと変換することができる。この変換を、適当な塩基(LDA等)、及び適切な試薬(フェニルビストリフリミド等)を使用することにより実現することができる。反応は、任意の適当な溶媒(テトラヒドロフラン等)中で適切な温度(−78℃等)で行うことができる。シクロヘキセン誘導体と望みのピリミジン基との結合を、ビニルトリフラート(D)をボロン酸ビニル(E)に変換し、その後ボロン酸ビニル(E)を適切なブロモピリミジン(C)とパラジウム触媒のもとで反応させることにより実現することができる。ビニルトリフラート(D)からボロン酸ビニル(E)への変換は、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等のパラジウム触媒存在下、ビス(ピナコラト)ジボロン等の、適当なホウ素試薬を使用することにより実現することができる。反応は、適当な溶媒(ジオキサン等)中で適切な温度(80℃等)で行う。変換のために代わりのホウ素試薬、パラジウム触媒、溶媒及び温度を使用することもできることは、当業者にとって明白だろう。ボロン酸ビニル(E)のブロモピリミジン(C)との反応は、適切な温度(80℃等)で適当な溶媒(含水ジオキサン等)中の塩基(炭酸ナトリウム)存在下、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等の、適切なパラジウム触媒を使用することにより、任意の適当な条件下で実現できる。結合した生成物(F)のケトン(H)への変換は、シクロヘキセンの対応するシクロヘキサンへの還元、そしてベンジル保護基の除去及びその後のアルコールのケトンへの酸化により実現される。都合が良いことには、ベンジル保護基の除去及び炭素―炭素二重結合の還元を、水素化条件でのたった1つの反応で実現することができる。水素化は、適切な温度(室温等)で適当な溶媒(メタノール等)中例えばパールマン触媒等の、適当な触媒の存在下実行される。得られたアルコール(G)の酸化を、ある温度(室温等)である溶媒(ジクロロメタン等)中の塩基(炭酸水素ナトリウム等)の存在下、例えばデス・マーチンペルヨージナン等の、当業者にとって既知の任意の適当な酸化剤を使用して実現することができる。
式Cのブロモピリミジンを、当業者にとって明白な任意の実行可能な方法により調製することができる。1つの適当な方法は、ブロモージメトキシピリミジンの臭素化及びその後のある温度(−78℃等)で適当な溶媒(テトラヒドロフラン等)中塩基(n−ブチルリチウム等)の存在下適切なアリールメチルハライドとの反応を含む。この方法をスキーム2に要約する。
スキーム2.ブロモピリミジンCの合成
ケトンHをいくつかの方法で式Ia−1の化合物に変換することができる。1つの適切な方法は、スキーム3に記載するように、ケトンHをビニルトリフラート(J)に変換し、ビニルトリフラート(J)を適切なアリールボロン酸と結合することである。アリールボロン酸を、スキーム3に示すように、適切な臭化アリール(V)からその場で調製してもよい。
スキーム3.ケトンHの式Ia−1の化合物への変換
ケトンHのビニルトリフラート(J)への変換を、低温で(−78℃等)適当な溶媒(テトラヒドロフラン等)中適当な塩基(リチウムジイソプロピルアミン等)及び適当なトリフレート化試薬(例えばフェニルビストリフルイミド等)との反応による等、当業者にとって既知の任意の適当な条件を使用して実行することができる。ビニルトリフラートのアリールボロン酸との結合を、適切な温度(80℃等)である溶媒(含水ジオキサン等)中ある塩基(炭酸ナトリウム等)の存在下、例えば[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等の、適当なパラジウム触媒の存在下で行うことができる。式Ia−1の化合物の調製における最終段階は、ピリミジンジオン構造を遊離させるための保護基の除去を含む。脱保護を、例えば高温(100℃等)で適当な溶媒中(ジメチルスルホキシド等)ピリジン塩酸塩の使用による、等の当業者にとって既知の任意の適当な方法を使用して実行することができる。アリールボロン酸は、市販であるか、又は当業者にとって既知の標準的な手順を使用して容易に調製できるかのいずれかである。
ケトンHを式Ia−1の化合物に変換するための代わりの方法は、アリールリチウム試薬等の、適当なアリール−金属試薬との反応及びその後の得られたアルコールを除去して望みのシクロヘキセンを提供することを含む。アリール−金属試薬の付加を、例えばアリールハライドを低温(−78℃等)で適切な溶媒中(テトラヒドロフラン等)適当な塩基(ブチルリチウム等)で処理することによる等の、当業者にとって既知の任意の方法を使用して実現することができる。メチル保護基を除去すると、前述のように式Ia−1の化合物を提供する。この方法をスキーム4に描く。
スキーム4.ケトンHからの代わりの方法
式Ia−1の化合物の代わりの合成法をスキーム5に要約する。
スキーム5.式Ia−1の化合物の代わりの合成法
この経路においては、式Qの適当な置換アリールシクロヘキセンを、ある温度(室温等)適切な溶媒(エタノール等)中、例えばEDC等の適当なカップリング剤、及び適当な塩基(ジメチルアミノピリジン等)の存在下メルドラム酸と反応させる。得られたケトエステル(R)を、次にある温度(0℃等)で適切な溶媒(テトラヒドロフラン等)中塩基(水素化ナトリウム等)の存在下適切なアリールメチルハライドでアルキル化することができる。得られた置換ケトエステル(S)の環化を、チオグアニジンと反応させてチオピリミジンを提供する等の、当業者にとって既知の任意の標準的な条件によって実現することができる(T)。環化を、適当な温度(室温等)で塩基(ナトリウム・エトキシド等)存在下適切な溶媒中(エタノール等)で実現することができる。チオカルボニルの望みのカルボニルへの変換を、例えばジオキサン中のクロロ酢酸を使用することにより、容易に実現することができる。あるいは、置換ケトエステル(S)をグアニジンで環化して対応するグアニジンーピリミジン(U)を形成することもでき、望みのピリミジンジオンをグアニジンーピリミジンの高温(70℃等)で適当な溶媒(含水酢酸等)中亜硝酸ナトリウムで反応することにより取得することもできる。
式Qのアリールシクロヘキセンを、当業者にとって既知の任意の適当な方法によって取得することができる。
スキーム6.アリールシクロヘキセン4の合成
スキーム6に示される、1つの適当な方法は、適当な4−シクロヘキサノンカルボン酸のエステルから出発し、このケトンをビニルトリフラート(O)等の適当なカップリングパートナーに変換することを含む。この変換を、例えば低温(−78℃等)で適切な溶媒(テトラヒドロフラン等)中適当な塩基(リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等)の存在下トリフレート化試薬(フェニルビストリフルイミド等)を使用による、等の当業者にとって既知の任意の適当な方法を使用して実行することができる。得られたビニルトリフラート(O)を、高温(90℃等)で適当な溶媒(含水ジオキサン)中塩基(炭酸ナトリウム)の存在下、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等の、パラジウム触媒の使用によりアリールボロン酸と結合することができる。エステルの加水分解を、例えば含水ジオキサン中の水酸化ナトリウムの使用等である、任意の標準的な条件下で実現することができる。
例えば、式Ib−1の化合物を、図1に詳述されるように、上述した一般的方法によって調製することができる。
実施例1:4’−(5−ベンジル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル
中間体A:4−ブロモ−2,6−ジメトキシピリミジン
−78℃でテトラヒドロフラン(THF)(50mL)中のLDAの攪拌溶液(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中2.0M)(25.8mL,51.5mmol)にTHF(50mL)中の5−ブロモ−2,4−ジメトキシピリミジン(10.3g,46.8mmol)の溶液を滴下した。混合物を−78℃で15分間攪拌した。MeOH(10mL)を加え、冷却槽を除去し、混合物を30分間攪拌した。反応を飽和塩化アンモニウム(NH4Cl)溶液(100mL)を加えることによりクエンチし、混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(3×40mL)。有機抽出物を合わせてそれから硫酸マグネシウム(MgSO4)上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮して標記化合物4−ブロモ−2,6−ジメトキシピリミジンをオレンジ色の固体として得た。粗生成物を直接次のステップに使用した。
中間体B:4,5−ジブロモ−2,6−ジメトキシピリミジン
室温でMeOH/H2O(1:1,120mL)中の4−ブロモ−2,6−ジメトキシピリミジン(中間体A)(10.3g,46.8mmol)及び炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)(5.51g,65.6mmol)の懸濁液に、臭素(4.34mL,84.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。混合物をジクロロメタン(DCM)(100mL)で希釈し、この層を分離した。水相をDCMで抽出した(2×30mL)。有機抽出物を合わせて相分離器カートリッジによりろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(220g,イソヘキサン中の0〜10%EtOAc、勾配溶離)により精製して標記化合物4,5−ジブロモ−2,6−ジメトキシピリミジン(8.48g,60%)を薄いオレンジ色の固体として得た。分析データ:Rt2.24分(方法1);m/z297/299/301(M+H)+(ES+)。
中間体C−1:5−ベンジル−4−ジブロモ−2,6−ジメトキシピリミジン
−78℃で乾燥THF(100mL)中の4,5−ジブロモ−2,6−ジメトキシピリミジン(中間体B)(8.48g,28.5mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)(12.5mL,31.3mmol)を滴下した。反応混合物を−78℃で10分間攪拌し、それから臭化ベンジル(10.2mL,85.0mmol)を加えた。反応混合物を1時間にわたり室温まで暖め、それから飽和NH4Cl溶液(50mL)を加えることによりクエンチした。混合物をEtOAcで抽出した(3×30mL)。有機抽出物を合わせてそれからMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(220gカラム、イソヘキサン中の0〜5%THF、勾配溶離)により精製し、標記化合物5−ベンジル−4−ジブロモ−2,6−ジメトキシピリミジン(7.70g,78%)を薄い黄色の油として得た。分析データ:Rt2.63分(方法1);m/z309/311(M+H)+(ES+)。
中間体D:4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸
−78℃でTHF(60mL)中のLDA(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中2.0M)(36.6mL,73.2mmol)の攪拌溶液に4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサノン(13.6g,66.6mmol)を15分にわたり滴下した。THF(60mL)中の1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(25.0g,69.9mmol)の溶液を30分にわたり滴下する前に得られた溶液を−78℃で1時間攪拌した。反応を−78℃で1時間攪拌し、それから一晩室温までゆっくり暖めた。混合物をEtOAc(100mL)と水/飽和ブライン(1:1,100mL)との間で分配した。この層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(3×50mL)。有機抽出物を合わせてそれからMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(330g,イソヘキサン中の0〜10%EtOAc、勾配溶離)により精製して標記化合物4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸(14.8g,59%)を薄い黄色の油として得た。分析データ:1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ:7.38‐7.22(5H,m),5.79(1H,t),4.54(1H,d),4.51(1H,d),3.72(1H,m),2.54‐2.38(2H,m),2.38‐2.18(2H,m),1.96‐1.81(2H,m)。
中間体E:2−(4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
ジオキサン(100mL)中の4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸(中間体D)(14.8g,43.9mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(12.3g,48.2mmol)及び酢酸カリウム(12.9g,132mmol)の懸濁液を、混合物にN2を通して5分間通気することにより脱気した。1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロリドジクロロメタン錯体(3.58g,4.39mmol)を加え、混合物を80℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、セライトを通して混合物をろ過し、EtOAc(150mL)で洗浄し、ろ液を真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(330g,イソヘキサン中の0〜10%EtOAc,勾配溶離)により精製して標記化合物2−(4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.88g,47%)を薄い黄色の固体として得た。分析データ:1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ:7.39‐7.17(5H,m),6.34(1H,m),4.52(1H,d),4.49(1H,d),3.60(1H,m),2.44(1H,m),2.17(1H,m),2.10‐1.95(2H,m),1.85(1H,m),1.51(1H,m),1.18(12H,s)。
中間体F−1:5−ベンジル−4−(4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン
ジオキサン(100mL)中の5−ベンジル−4−ジブロモ−2,6−ジメトキシピリミジン(中間体C−1)(6.52g,21.1mmol)及び2−(4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(中間体E)(6.63g,21.1mmol)の懸濁液に、水(20mL)中のNa2CO3(4.92g,46.4mmol)溶液を加えた。混合物にN2を通して5分間通気することにより混合物を脱気した。1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロリドジクロロメタン錯体(0.862g,1.06mmol)を加え、混合物を80℃で6時間加熱した。反応を室温まで冷却し、飽和NH4Cl溶液(100mL)とEtOAc(100mL)との間で分配した。この層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(2×50mL)。有機抽出物を合わせてそれからMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(120g,イソヘキサン中の0〜30%EtOAc,勾配溶離)により精製して標記化合物5−ベンジル−4−(4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(6.79g,64%)を無色の油として得た。分析データ:Rt2.99分(方法1);m/z417(M+H)+(ES+)。
中間体G−1:4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサノール
MeOH(60mL)中の5−ベンジル−4−(4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(中間体F−1)(6.79g,16.3mmol)の懸濁液に、炭素担持水酸化パラジウム(Pd(OH)2/C)(1.15g,1.63mmol)を加え、混合物を4barのH2ガスで20時間水素化した。セライトを通して混合物をろ過し、MeOH(60mL)で洗浄し、ろ液を真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(80g,イソヘキサン中の0〜50%EtOAc、勾配溶離)により精製して標記化合物4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサノール(〜3:1のジアステレオ異性体混合物)(5.01g,82%)を白色固体として得た。分析データ:Rt2.20分及び2.28分(方法1);m/z329(M+H)+(ES+)。
中間体H:4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサノン
室温でジクロロメタン(DCM)(100mL)中の4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサノール(中間体G−1)(5.00g,15.2mmol)の懸濁液にNaHCO3(1.41g,16.8mmol)を加え、それからデス・マーチンペルヨージナン(7.10g,16.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で25分間攪拌し、それから水(100mL)を加えた。この層を分離し、水相をDCMで抽出した(2×30mL)。有機抽出物を合わせてそれからMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(80g,イソヘキサン中の0〜30%EtOAc、勾配溶離)により精製して標記化合物4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサノン(3.95g,79%)を厚い無色の油として得たが、静置時に凝固した。分析データ:Rt2.34分(方法1);m/z327(M+H)+(ES+)。
中間体J−1:4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸
−78℃でTHF(20mL)中のジイソプロピルアミン(1.30mL,9.10mmol)の攪拌溶液にn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)(3.64mL,9.10mmol)の溶液を滴下した。THF(20mL)中の4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサノン(中間体H−1)(2.70g,8.27mmol)の溶液を滴下する前に反応を15分間攪拌した。得られた溶液をTHF(20mL)中の1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(3.10g,8.69mmol)の溶液を滴下する前に−78℃で1時間攪拌した。反応を−78℃で1時間攪拌し、それから一晩室温までゆっくり暖めた。混合物をEtOAc(60mL)と水(60mL).との間で分配した。この層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(3×30mL)。有機抽出物を合わせて、ブラインで洗浄し(50mL)、それからMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(80g,イソヘキサン中の0〜20%EtOAc、勾配溶離)により精製して標記化合物4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸(3.93g,quant.)を厚い無色のゴムとして得た。分析データ:Rt3.10分(方法1);m/z459(M+H)+(ES+)。
中間体K−1a:4’−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル
ジオキサン(3mL)中の4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸(中間体J−1)(0.111g,0.242mmol)及び(2−クロロ−4−シアノフェニル)ボロン酸(44mg,0.24mmol)の懸濁液に、水(0.5mL)中のNa2CO3(56mg,0.53mmol)溶液を加えた。混合物にN2を通して5分間通気することにより混合物を脱気した。1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロリドジクロロメタン錯体(20mg,0.024mmol)を加え、混合物を80℃で45分間加熱した。反応を室温まで冷却し、飽和NH4Cl溶液(10mL)とEtOAc(10mL)との間で分配した。この層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(2×10mL)。有機抽出物を合わせてそれからMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(4g,イソヘキサン中の0〜10%EtOAc,勾配溶離)により精製して標記化合物4’−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル(88mg,73%)を厚い無色のゴムとして得た。分析データ:Rt3.17分(方法1);m/z446(M+H)+(ES+)。
4’−(5−ベンジル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル
ジメチルスルホキシド(DMSO)(0.5mL)中の4’−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル(中間体K−1a)(0.080g,0.18mmol)及びピリジン塩酸塩(0.207g,1.79mmol)の溶液を100℃で30分間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をDCM(5mL)と水(5mL)との間で分配した。この層を分離し、水相をDCMで抽出した(3×5mL)。有機抽出物を合わせて、相分離器カートリッジによりろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(4g,イソヘキサン中の0〜100%EtOAc,勾配溶離)により精製して標記化合物4’−(5−ベンジル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル(0.044g,58%)を白色固体として得た。分析データ:Rt2.33分(方法1);m/z418(M+H)+(ES+);1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ:11.12(1H,s),10.53(1H,s),8.03(1H,d),7.79(1H,dd),7.41(1H,d),7.31‐7.20(2H,m),7.20‐7.08(3H,m),5.70(1H,m),3.79(1H,d),3.69(1H,d),3.02(1H,m),2.48(1H,m),2.30(1H,m),2.18(1H,m),2.11‐1.87(2H,m),1.49(1H,m)。
実施例2〜実施例38:4―置換―5−ベンジル−6−(シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
表1に示す以下の化合物群を、実施例1に記載されたのと同様の方法によって調製した。
実施例39:(R)−4’−(5−ベンジル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−yl)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル
実施例40:(S)−4’−(5−ベンジル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−yl)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル
実施例1の化合物(22mg,0.053mmol)を、DCM中に5mg/mLの濃度に溶解し、それから超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)のキラル分離(LuxC3(4.6mm×250mm,5um),40℃,4mL/min,25:75MeOH:CO
2)により精製した。合わせた画分を次に真空濃縮して(R)−4’−(5−ベンジル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−yl)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル(6mg,0.014mmol)を白色固体として、そして(S)−4’−(5−ベンジル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−yl)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル(6mg,0.014mmol)を白色固体として得た。分析データ:R
t2.31分(方法1);m/z418(M+H)
+(ES
+);andR
t2.32分(方法1);m/z418(M+H)
+(ES
+)。立体化学を任意に割り当てた。
実施例41:5−ベンジル−6−(2’−クロロ−4’−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−yl)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
中間体K−1b:4’−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸
ジオキサン(3mL)中の4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸(中間体J−1)(0.165g,0.360mmol)及び4−ボロノ−3−クロロ安息香酸(0.079g,0.396mmol)の懸濁液に、水(0.5mL)中の炭酸ナトリウム(0.084g,0.792mmol)溶液を加えた。5分間N2を通気することにより混合物を脱気した。1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロリドジクロロメタン錯体(Pd(dppf)Cl2)(29mg,0.036mmol)を加え、混合物を80℃で1時間15分間加熱した。反応を室温まで冷却し、NH4Cl水溶液(10ml)とEtOAc(10ml)との間で分配した。この層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×10mL)。有機抽出物を合わせてそれからMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(4gカラム,0〜50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して標記化合物4’−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(0.117g,0.239mmol,収率66.4%)を白色固体として得た。分析データ:Rt3.17分(方法1);m/z465(M+H)+(ES+)。
中間体K−1c:(4’−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)(4−メチルピペラジン−1−イル)メタノン
ジメチルホルムアミド(DMF)(1mL)中の4’−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(中間体K−1b)(0.113g,0.243mmol)及びヘキサフルオロリン酸アザベンゾトリアゾールテトラメチルウロニウム(HATU)(0.102g,0.267mmol)の溶液に1−メチルピペラジン(0.030ml,0.267mmol)を加え、続けてジイソプロピルエチルアミン(0.127ml,0.729mmol)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を真空濃縮し、残留物をEtOAc(10mL)と水/飽和NaHCO3溶液(1:1,10mL)との間で分配した。この層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(3×5mL)。有機抽出物を合わせてそれからMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(4gカラム,0〜10%(0.7Mアンモニア/MeOH)/DCM)により精製して標記化合物(4’−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)(4−メチルピペラジン−1−イル)メタノン(0.130g,0.235mmol,収率97%)を厚い黄色のゴムとして得た。分析データ:Rt1.94分(方法1);m/z547(M+H)+(ES+)。
5−ベンジル−6−(2’−クロロ−4’−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
DMSO(0.5mL)中の(4’−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)−2−クロロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)(4−メチルピペラジン−1−イル)メタノン(中間体K−1c)(0.121g,0.221mmol)及びピリジン塩酸塩(0.256g,2.212mmol)の溶液を100℃で30分間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を1M塩酸(HCl)(10mL)で希釈し、MeOH(20mL)で洗浄しながら、SCXカラムを通してろ過した。カラムをMeOH(30mL)中の0.7MNH3で洗浄する前にろ液を廃棄した。ろ液を真空濃縮し、残留物をt−ブチルメチルエーテル(TBME)で粉砕して標記化合物5−ベンジル−6−(2’−クロロ−4’−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.031g,0.058mmol,収率26.2%)を灰色がかった白色の固体として得た。分析データ:Rt1.36分(方法1);m/z519(M+H)+(ES+);1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ:9.30(1H,br.s),7.41(1H,dd),7.27(2H,d),7.24−7.12(4H,m),7.08(1H,m),5.67(1H,m),3.72(1H,d),3.66−3.50(2H,m),2.79(1H,m),2.41−2.20(6H,m),2.19(3H,s),2.13(1H,m),1.93−1.72(2H,m),1.39(1H,m)(NHは目に見えず、3個の脂肪族プロトンは、DMSOシグナルの下に見える)。
実施例42:5−ベンジル−6−(2’−クロロ−4’−(ピロリジン−1−カルボニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
上記化合物を、実施例41に記載されたような手順にしたがってピロリジンを有する中間体K−2から調製した。分析データ:R
t2.13分(方法1);m/z490(M+H)
+(ES
+)。
実施例43:5−ベンジル−6−(4−(2−(ピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
中間体K−1d:5−ベンジル−4−(4−(2−クロロピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン
ジオキサン(3mL)中の4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸(中間体J−1)(0.15g,0.325mmol)及び(2−クロロピリジン−3−イル)ボロン酸(0.051g,0.325mmol)の懸濁液に、水(0.5mL)中の炭酸ナトリウム(0.076g,0.715mmol)を加えた。5分間N2を通気することにより混合物を脱気した。Pd(dppf)Cl2(27mg,0.033mmol)を加え、混合物を80℃で1時間加熱した。反応を室温まで冷却し、NH4Cl水溶液(10ml)とEtOAc(10ml)との間で分配した。この層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(2×10mL)。有機抽出物を合わせて、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、そして真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(4gカラム,0〜30%EtOAc/イソヘキサン)により精製して標記化合物5−ベンジル−4−(4−(2−クロロピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(95mg,0.218mmol,収率67.2%)を厚い無色のゴムとして得た。分析データ:Rt3.02分(方法1);m/z422(M+H)+(ES+)。
中間体K−1e:5−ベンジル−2,4−ジメトキシ−6−(4−(2−(ピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン
DMF(2.5ml)中に5−ベンジル−4−(4−(2−クロロピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(中間体K−1d)(60mg,0.142mmol)、ピペリジン(12.11mg,0.142mmol)、RuphosG3(11.89mg,0.014mmol)の溶液を、5分間N2を通気することにより脱気した。リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiHMDS)(THF中1M)(427μl,0.427mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。水(5ml)及びEtOAc(25ml)を加えた。この層を分離し、有機相をブラインで洗浄し(4×5ml)、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、そして真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカラム,イソヘキサン中0〜100%EtOAc)により精製して標記化合物5−ベンジル−2,4−ジメトキシ−6−(4−(2−(ピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン(47mg,0.099mmol,収率69.5%)を白色固体として得た。分析データ:Rt1.47分(方法3);m/z472(M+H)+(ES+)。
5−ベンジル−6−(4−(2−(ピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
DMSO(0.5ml)中の5−ベンジル−2,4−ジメトキシ−6−(4−(2−(ピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン(中間体K−1e)(35mg,0.074mmol)及びピリジン塩酸塩(86mg,0.744mmol)の溶液を100℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をDCM(10ml)と水(5ml)との間で分配した。この層を分離し、水相をDCMで抽出した(3×10ml)。有機抽出物を合わせて、相分離器によりろ過し、そして真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカラム,0〜100%EtOAc/イソヘキサン)により精製して生成物を得た。生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカラム,0〜100%EtOAc/イソヘキサン)により再精製して5−ベンジル−6−(4−(2−(ピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(14mg,0.030mmol,収率40.8%)を白色固体として得た。分析データ:Rt0.89分(方法3);m/z444(M+H)+(ES+);1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ:11.11(s,1H),10.59(s,1H),8.06(dd,1H),7.31−7.23(m,3H),7.18−7.11(m,3H),6.81(dd,1H),5.75(d,1H),3.78(d,1H),3.69(d,1H),3.21−3.08(m,4H),3.01−2.89(m,2H),2.22−2.10(m,1H),2.07−1.92(m,2H),1.60−1.43(m,8H).
実施例44〜実施例50及び実施例113:2−置換5−ベンジル−6−(4−(ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
表2に示す以下の化合物を、実施例43に記載されたのと同様の方法によって調製した。
実施例51:5−((6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)メチル)−6−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン,ギ酸
中間体O:4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキサ−3−エンカルボン酸エチル
−78℃でTHF(30mL)中のLiHMDS(THF中1.0M)(12.93ml,12.93mmol)の溶液に、エチル4−オキソシクロヘキサンカルボン酸(1.873ml,11.75mmol)を滴下した。反応混合物を30分間攪拌し、それから1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(4.62g,12.93mmol)を加え、反応混合物を室温に暖め、一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAc(50mL)及びNaHCO3溶液(50mL)との間で分配し、相を分離した。水相をEtOAcで抽出し(20mL×2)、合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をCompanion上のクロマトグラフィー(80gカラム,0〜20%EtOAc/イソヘキサン)(ELSD検出を使用したGrace companion)により精製し、4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキサ−3−エンカルボン酸エチル(1.74g,5.58mmol,収率47.5%)を無色の油として得た。分析データ:1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ:5.69−5.71(m,1H),4.09(q,2H),2.49−2.56(m,1H),2.31−2.41(m,4H),2.04−2.10(m,1H),1.81−1.90(m,1H),1.20(t,3H)。
中間体P−1:4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボン酸エチル
ジオキサン(20mL)中の4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)シクロヘキサ−3−エンカルボン酸エチル(中間体O)(800mg,2.65mmol)及び(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ボロン酸(505mg,2.65mmol)の懸濁液に、水(3mL)中の炭酸ナトリウム(617mg,5.82mmol)溶液を加えた。N2を5分間通気することにより混合物を脱気した。1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロリドジクロロメタン錯体(216mg,0.265mmol)を加え、混合物を80℃で1時間加熱した。反応を室温まで冷却し、真空で初期体積の半分まで減らした。残留物をNH4Cl水溶液(20ml)とEtOAc(20ml)との間で分配した。セライトを通して二相混合物をろ過し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し(2×10mL)、有機抽出物を合わせ、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカラム,0〜50%EtOAc/イソヘキサン)により精製してエチル4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボン酸(536mg,1.737mmol,収率65.6%)を黄色の油として得た。分析データ:Rt2.43分(方法1);m/z300(M+H)+(ES+);1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ:8.65(d,1H),7.82(d,1H),7.68(dd,1H),5.60(s,1H),4.11(qd,2H),2.61−2.68(m,1H),2.20−2.42(m,4H),2.00−2.07(m,1H),1.72−1.71(m,1H),1.21(t,3H)。
中間体Q−1:4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボン酸
THF(8ml)中の4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボン酸エチル(中間体P−1)(536mg,1.791mmol)の攪拌溶液に、水酸化リチウム(LiOH)(5M水溶液)(2ml,10.00mmol)を加えた。MeOH(2ml)及び水(2ml)を加え、3時間攪拌を継続した。反応を真空濃縮し、40℃で一晩デシケーター内で完全に乾燥させた。残留物を1MHClで酸性化し、どんよりと曇った、油状懸濁液を形成した。水相をEtOAcで抽出し(2×20ml)、合わせた有機物を疎水性フリットにより乾燥させ、真空濃縮して4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボン酸(456mg,1.664mmol,収率93%)を白色固体として得た。分析データ:Rt1.88分(方法1);m/z272(M+H)+(ES+)。
中間体R−1:3−オキソ−3−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)プロピオン酸エチル
室温でDCM(4mL)中の4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボン酸(中間体Q−1)(456mg,1.681mmol)、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(メルドラム酸)(267mg,1.849mmol)及びジメチルアミノピリジン(DMAP)(226mg,1.849mmol)の溶液に1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)(387mg,2.017mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。1MHCl(6mL)を加え、相を分離した。水相をDCMで抽出し(2×4mL)、合わせた有機相を水(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、相分離器によりろ過し、そして真空濃縮した。残留物をエタノール(EtOH)(5mL)に溶解し、80℃に加熱し、そして1.5時間攪拌した。溶媒を真空で除去した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカラム,0〜50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して3−オキソ−3−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)プロピオン酸エチル(492mg,1.297mmol,収率77%)を無色の油として得た。分析データ:Rt2.27分(方法1);m/z342(M+H)+(ES+).1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ:8.66(d,1H),7.82(d,1H),7.69(dd,1H),5.60−5.64(m,1H),4.12(q,2H),3.76(dd,2H),2.78−2.87(m,1H),2.30−2.41(m,2H),2.18−2.28(m,2H),2.05−2.12(m,1H),1.55−1.65(m,1H),1.20(t,3H)。
中間体S−1:3−オキソ−2−((6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)メチル)−3−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)プロピオン酸エチル
0℃でTHF(10mL)中の水素化ナトリウム(60.5mg,1.514mmol)の懸濁液に、THF(3mL)中の3−オキソ−3−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)プロピオン酸エチル(中間体R−1)(492mg,1.441mmol)を滴下した。混合物を室温に暖め、30分間攪拌した。2−(ブロモメチル)−6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン(365mg,1.514mmol)の溶液を加え、混合物を60℃で2.5時間加熱した。室温に冷却した後、飽和NH4Cl溶液(3mL)を加えることにより反応をクエンチし、酢酸エチル(EtOAc)で抽出した(3×3mL)。有機抽出物を合わせてそれから硫酸マグネシウム(MgSO4)上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をCompanion上のクロマトグラフィー(24gカラム,0−30%EtOAc/イソヘキサン)により精製し、3−オキソ−2−((6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)メチル)−3−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)プロピオン酸エチル(649mg,1.152mmol,収率80%)を透明な薄い黄色の油として得た。分析データ:Rt1.79分(方法1);m/z502(M+H)+(ES+)。
中間体T−1:5−((6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)メチル)−2−チオキソ−6−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)−2,3−ジヒドロピリミジン−4(1H)−オン
EtOH(7ml)中のチオ尿素(576mg,7.57mmol)の懸濁溶液に、ナトリウム(161mg,6.99mmol)を加え、混合物を1時間加熱還流した。反応を0℃まで冷却し、EtOH(3ml)中の3−オキソ−2−((6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)メチル)−3−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)プロピオン酸エチル(中間体S−1)(649mg,1.165mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を1.5時間加熱還流した。反応を室温まで冷却し、溶媒を真空で除去した。残留物をEtOAc(2×25mL)とNH4Cl(20mL)溶液との間で分配した。有機相を疎水性フリットにより乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物をCompanion上のクロマトグラフィー(40gカラム,0〜100%EtOAc/イソヘキサン)により精製して5−((6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)メチル)−2−チオキソ−6−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)−2,3−ジヒドロピリミジン−4(1H)−オン(230mg,0.439mmol,収率37.7%)を白色固体として得た。分析データ:Rt1.45分(方法1);m/z514(M+H)+(ES+)。
5−((6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)メチル)−6−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン,ギ酸塩
ジオキサン(10ml)中の5−((6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)メチル)−2−チオキソ−6−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)−2,3−ジヒドロピリミジン−4(1H)−オン(230mg,0.448mmol)の撹拌溶液に、水(2.5ml)中の2−クロロ酢酸(423mg,4.48mmol)の溶液を加え、混合物を週末にわたり100℃で加熱した。反応を室温まで冷却し、NaHCO3(20mL)溶液とDCM(2×15mL)との間で分配した。有機相を疎水性フリットにより乾燥させ、真空濃縮して赤い泡状物質を得た。粗生成物を分取HPLC(Waters,酸性(0.1%ギ酸),酸性,Waters X−Select Prep−C18,5μm,19×50mmカラム,水中10〜40%MeCN)により精製して5−((6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)メチル)−6−(4−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン,ギ酸塩(100mg,0.180mmol,収率40.3%)を薄い黄色の固体として得た。分析データ:Rt1.33分(方法1);m/z498(M+H)+(ES+)。DMSO−d6中の1HNMR1648−66−1は、98%の純度で生成物の構造と一致した。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ:11.06(s,1H),10.52(s,1H),8.66(d,1H),8.18(s,1H),7.78(d,1H),7.69(dd,1H),7.35(t,1H),6.38(d,1H),6.21(d,1H),5.59(d,1H),3.66(s,2H),3.26−3.38(m,5H),2.43−2.46(m,1H),2.29−2.35(m,1H),2.04−2.20(m,3H),1.85−1.90(m,4H),1.61−1.64(m,1H)。実施例51は部分的なギ酸塩に見える。
実施例52〜実施例84:4−置換5−ベンジル−6−(シクロヘキサ−3−エン−1−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
表3に示す以下の化合物を、実施例1に記載されたのと同様の方法によって調製した。
実施例85:5−ベンジル−6−(2’−クロロ−4’−(シクロプロピルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
中間体V−1:1−ブロモ−4−(シクロプロピルメトキシ)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン
DMF(2mL)中の4−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)フェノール(500mg,2.075mmol)の溶液に、K2CO3(860mg,6.22mmol)及び(ブロモメチル)シクロプロパン(402μl,4.15mmol)を加え、混合物を50℃まで一晩暖めた。反応を室温まで冷却し、それからEtOAc(2×25mL)と水(25mL)との間で分配し、有機物をNaOH(2M,2×10mL)、ブライン(2*10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、それから真空濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(40gカートリッジ,0〜50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して1−ブロモ−4−(シクロプロピルメトキシ)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.357g,1.198mmol,収率57.7%)を透明な油として得た。分析データ:Rt2.86分(方法1);質量観測できず。
中間体V−2:1−ブロモ−2−クロロ−4−シクロプロポキシベンゼン
NMP(5mL)中の4−ブロモ−3−クロロフェノール(250mg,1.205mmol)の溶液に、炭酸セシウム(1178mg,3.62mmol)及びブロモシクロプロパン(729mg,6.03mmol)を加え、反応を一晩150℃に加熱した。反応を冷却し、NaHCO3(2×25mL)とEtOAc(2×25mL)との間で分配し、有機物をブライン(2×10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ,0〜50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して1−ブロモ−2−クロロ−4−シクロプロポキシベンゼン(208mg,0.815mmol,収率67.6%)を透明な油として得た。分析データ:Rt1.82分(方法3);質量観測できず。
中間体V−3:2−ブロモ−N,N−ジメチル−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
DCM(6mL)中の2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリドの溶液(400mg,1.236mmol)に、トリエチルアミン(862μl,6.18mmol)及びジメチルアミン(THF中2M)(1236μl,2.473mmol)を加えた。得られた黄色の溶液を室温で18時間攪拌した。反応混合物をNaHCO3の飽和溶液(10mL)でクエンチし、疎水性フリットを通過させ、DCM(2×10mL)で抽出した。有機層を合わせて、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(40gカートリッジ,0〜50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して2−ブロモ−N,N−ジメチル−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド(400mg,1.183mmol,収率96%)を黄色の固体として得た。分析データ:Rt1.50分(方法3);質量観測できず。
中間体V−4:4−ブロモ−3−クロロ−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド
4−ブロモ−3−クロロベンゼン−1−スルホニルクロリド(200mg,0.690mmol)をジメチルアミン(THF中2M)(2mL,4.00mmol)に溶解し、室温で3時間攪拌した。混合物をDCM(20mL)で希釈し、水(3×10mL)及びブライン(10mL)で抽出した。疎水性フリットを通過させることにより有機相を乾燥させ、それから真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ,0〜50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して4−ブロモ−3−クロロ−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(182mg,0.610mmol,収率88%)を無色の結晶性固体として得た。分析データ:Rt1.44分(方法3);質量観測できず。
中間体V−5:4−ブロモ−3,5−ジフルオロ−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド
DCM(6mL)中の4−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン−1−スルホニルクロリド(500mg,1.715mmol)の溶液に、トリエチルアミン(1195μl,8.58mmol)及びジメチルアミン(THF中2M(1715μl,3.43mmol)を加えた。得られた黄色の溶液を室温で16時間攪拌した。反応混合物をNaHCO3の飽和溶液(10mL)でクエンチし、疎水性フリットを通過させ、DCM(2×10mL)で抽出した。有機層を合わせて、溶媒を減圧下で濃縮して黄色の残留物を得た。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(80gカートリッジ,0〜50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して4−ブロモ−3,5−ジフルオロ−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(420mg,1.374mmol,収率80%)を綿状の白色固体として得た。分析データ:Rt1.42分(方法3);質量観測できず。
中間体V−6:2−ブロモ−5−(エチルスルホニル)−1,3−ジフルオロベンゼン
0℃のTHF(5mL)中の4−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン−1−スルホニルクロリド(250mg,0.858mmol)に、水中35重量%のヒドラジン(389μl,4.29mmol)の溶液を加えた。得られたどんよりと曇った溶液を室温で16時間攪拌した。混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(3×5mL)で洗浄した。疎水性フリットを通過させることにより合わせた有機物を乾燥させ、真空濃縮して粗4−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼンスルホノヒドラジドを白色固体として得た。固体の半分をEtOH(10mL)に溶解し、酢酸カリウム(673mg,6.86mmol)及びヨードエタン(345μl,4.29mmol)を加えた。無色の反応混合物を16時間加熱還流した。混合物を室温まで冷却し、シリカゲルに吸着させた。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカートリッジ,0〜50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して2−ブロモ−5−(エチルスルホニル)−1,3−ジフルオロベンゼン(100mg,0.345mmol,収率40.2%)を白色固体として得た。分析データ:Rt1.30分(方法3);質量観測できず。
中間体K−1f:5−ベンジル−4−(2’−クロロ−4’−(シクロプロピルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン
1−ブロモ−2−クロロ−4−(シクロプロピルメトキシ)ベンゼン(0.03g,0.108mmol),ビス(ピナコラト)ジボロン(0.03g,0.118mmol),酢酸カリウム(0.03g,0.306mmol)、及びPd(dppf)Cl2.DCM(0.005g,6.12μmol)を1,4−ジオキサン(3mL)に溶解した。混合物を排気し、窒素で(3x)バックフィルし(3x)、それから一晩90℃に加熱した。混合物を室温まで冷却した。ジオキサン(1mL)中の4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸(中間体J−1)(0.035g,0.076mmol)の溶液及び水(0.5mL)中のK2CO3(0.045g,0.326mmol)の溶液を次に加え、その後Pd(dppf)Cl2.DCMの第2の部分(0.005g,6.12μmol)を加えた。混合物を排気し、窒素で(3x)バックフィルし(3x)、それから1時間90℃(浴温)に加熱した。室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルに直接吸着させ、シリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ,0−30%EtOAc/イソヘキサン中)により精製して5−ベンジル−4−(2’−クロロ−4’−(シクロプロピルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(11mg,0.022mmol,収率29.3%)を無色の油として得た。分析データ:Rt2.34分(方法3);m/z492(M+H)+(ES+)。
5−ベンジル−6−(2’−クロロ−4’−(シクロプロピルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
DMSO(1mL)中の5−ベンジル−4−(2’−クロロ−4’−(シクロプロピルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(中間体K−1f)(10mg,0.020mmol)の撹拌溶液に、ピリジン塩酸塩(30mg,0.260mmol)を加え、反応を2時間100℃に加熱した。水(10mL)を加え、混合物を15分間攪拌した。得られた沈殿物をろ過により分離し、一晩真空で乾燥させ、5−ベンジル−6−(2’−クロロ−4’−(シクロプロピルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(5.8mg,0.012mmol,収率59.1%)を灰色がかった白色の固体として得た。分析データ:Rt1.77分(方法3);m/z463(M+H)+(ES+).1HNMR(500MHz,DMSO−d6)δ:11.12(s,1H),10.49(s,1H),7.32−7.23(m,2H),7.20−7.14(m,3H),7.10(d,J=8.5Hz,1H),6.97(d,J=2.6Hz,1H),6.86(dd,J=8.5,2.6Hz,1H),5.58−5.54(m,1H),3.82(d,J=7.1Hz,2H),3.77(d,J=15.7Hz,1H),3.69(d,J=15.7Hz,1H),3.06−2.89(m,1H),2.48−2.40(m,1H),2.29−2.13(m,2H),2.10−1.90(m,2H),1.51−1.43(m,1H),1.29−1.15(m,1H),0.60−0.54(m,2H),0.35−0.29(m,2H)。
表4に示す以下の化合物を、実施例85に記載されたのと同様の方法によって調製した。
実施例109:(R)−5−ベンジル−6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
実施例110:(S)−5−ベンジル−6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
実施例10のサンプル(300mg,0.65mmol)をDCM中に5mg/mLの濃度に溶解し、それから超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)のキラル分離(Lux3um(Cellulose−44.6*100mm,3um),35℃,4mL/min,50:50MeOH(0.1%DEA):CO
2)により精製した。合わせた画分を次に真空濃縮して(R)−5−ベンジル−6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(120mg,Xmmol)及び(S)−5−ベンジル−6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(90mg,0.20mmol)を白色固体として得た。分析データ:R
t2.67分(方法1);m/z461(M+H)
+(ES
+);andR
t2.67min(方法1);m/z461(M+H)
+(ES
+)。立体化学を任意に割り当てた。
実施例111:5−ベンジル−6−(4’−シクロプロピル−2’−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
中間体K−1g:5−ベンジル−4−(4’−ブロモ−2’−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン
水(1.2mL)中の炭酸ナトリウム(76mg,0.720mmol)の溶液をジオキサン(4.8ml)中の4−(5−ベンジル−2,6−ジメトキシピリミジン−4−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イルトリフルオロメタンスルホン酸(中間体J−1)(150mg,0.327mmol)及び(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)ボロン酸(75mg,0.344mmol)の懸濁液に加え、5分間N2を通気することにより混合物を脱気した。ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロリドジクロロメタン錯体(26.7mg,0.033mmol)を加え、混合物を80℃で45分間加熱した。反応を室温まで冷却し、NH4Cl水溶液(5ml)とEtOAc(10ml)との間で分配し、水相をEtOAcで抽出した(2×10mL)。有機抽出物を合わせて、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮して褐色固体を得た。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ,0〜20%EtOAc/イソヘキサン)により精製して5−ベンジル−4−(4’−ブロモ−2’−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(95mg,0.183mmol,収率55.9%)を無色の油として得た。分析データ:Rt2.33分(方法3);m/z484(M+H)+(ES+)。
中間体K−1h:5−ベンジル−4−(4’−シクロプロピル−2’−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン
水(1.2mL)中のリン酸カリウム(30.7mg,0.145mmol)の溶液を、ジオキサン(4.8ml)中の5−ベンジル−4−(4’−ブロモ−2’−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(中間体K1−g)(35mg,0.072mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(2.031mg,7.24μmol)及びシクロプロピルボロン酸(9.33mg,0.109mmol)の懸濁液に加え、5分間N2を通気することにより混合物を脱気した。酢酸パラジウム(II)(0.813mg,3.62μmol)を加え、混合物を80℃で45分間加熱した。反応を室温まで冷却し、NH4Cl水溶液(5ml)とEtOAc(10ml)との間で分配し、水相をEtOAcで抽出した(2×10mL)。有機抽出物を合わせて、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮して褐色固体を得た。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ,0〜20%EtOAc/イソヘキサン)により精製して5−ベンジル−4−(4’−シクロプロピル−2’−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(33mg,0.065mmol,収率90%)を無色の油として得た。分析データ:Rt2.33分(方法3);m/z445(M+H)+(ES+)、
5−ベンジル−6−(4’−シクロプロピル−2’−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
DMSO(0.2mL)中の5−ベンジル−4−(4’−シクロプロピル−2’−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,6−ジメトキシピリミジン(中間体K−1h)(32mg,0.072mmol)の溶液に、ピリジン塩酸塩(83mg,0.720mmol)を加え、反応を1時間100℃に加熱した。混合物を室温まで冷却させ、それから水(5mL)を加えた。懸濁液を氷浴で冷却し、ろ過し、固体を氷浴イソ−ヘキサン(5mL)で洗浄し、デシケーター内で乾燥させた。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ,0〜100%EtOAc/イソヘキサン)により精製して5−ベンジル−6−(4’−シクロプロピル−2’−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(15mg,0.034mmol,収率47.0%)を白色固体として得た。分析データ:Rt1.72分(方法3);m/z417(M+H)+(ES+);1HNMR(500MHz,DMSO−d6)δ:11.13(s,1H),10.46(s,1H),7.26(dd,J8.4,6.9,2H),7.15(m,4H),6.88(dd,J8.0,1.8,1H),6.85(dd,J12.9,1.8,1H),5.87(s,1H),3.79(d,J15.8,1H),3.69(d,J15.7,1H),2.97(m,1H),2.45(obsm,1H),2.40−2.30(m,1H),2.26(m,1H),2.06−1.96(m,2H),1.91(td,J8.5,4.3,1H),1.50(m,1H),0.99−0.93(m,2H),0.71−0.65(m,2H)。
実施例112:5−ベンジル−6−(4’−シクロプロピル−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
上記化合物を実施例111に記載されたような手順にしたがって(4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸と共に中間体J−1から調製した。分析データ:R
t1.82分(方法3);m/z467(M+H)
+(ES
+)。
実施例114:6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
中間体U−1:2−アミノ−6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリミジン−4(3H)−オン
DMF(3mL)中の3−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−オキソ−2−(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)プロピオン酸エチル(中間体S−2、中間体S−1と同様の方法で調製した)(284mg,0.533mmol)の溶液に、グアニジンHCl(255mg,2.66mmol)及びカリウムtert−ブトキシド(269mg,2.398mmol)を加えた。混合物を一晩80℃に加熱し、それから〜50℃に冷却し、次に酢酸(122μl,2.132mmol)を15分間にわたり少量ずつ加え、その後水(5mL)を15分間にわたり加えた。混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、有機相を分離し、ブライン(5mL)で洗浄し、それから疎水性フリットを通過させることにより有機相を乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカラム,0〜100%EtOAc/イソヘキサン)により精製して2−アミノ−6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリミジン−4(3H)−オン(60mg,0.111mmol,収率20.90%)を無色の結晶性固体として得た。分析データ:Rt0.73分(方法4);m/z528(M+H)+(ES+)。
6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
90%含水AcOH(2mL)中の2−アミノ−6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリミジン−4(1H)−オン(中間体U−1)(60mg,0.114mmol)の溶液を室温で5分間攪拌した。水(0.3mL)中の亜硝酸ナトリウム(78mg,1.137mmol)の溶液を次に加え、混合物を18時間90℃に加熱した。混合物を室温まで冷却し、水(0.3mL)中の亜硝酸ナトリウム(78mg,1.137mmol)の追加部分を加え、混合物をさらに18時間90℃に加熱した。混合物を室温まで冷却し、メタノール(3mL)で希釈し、週末にわたり静置させた。形成された固体をろ過により分離し、エタノール(2mL)で洗浄して6−(4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(18mg,0.034mmol,収率29.9%)を無色の固体として得た。分析データ:Rt1.87分(方法3);m/z529(M+H)+(ES+).DMSO−d6中の1HNMR2400−34−1は、99%の純度で生成物の構造と一致した。1HNMR(500MHz,DMSO−d6)δ:11.18(s,1H),10.63(s,1H),7.76(d,J=2.2Hz,1H),7.72(dd,J=8.3,2.3Hz,1H),7.59−7.46(m,4H),7.34(d,J=8.3Hz,1H),5.51(d,J=5.2Hz,1H),3.88(d,J=15.7Hz,1H),3.81(d,J=15.7Hz,1H),3.04−2.94(m,1H),2.48−2.41(m,1H),2.31−2.18(m,1H),2.18−2.02(m,2H),1.96−1.82(m,1H),1.51−1.38(m,1H)。
実施例115:5−(2,3−ジフルオロベンジル)−6−(2’−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
中間体W:2−(2,3−ジフルオロベンジル)マロン酸ジエチル
水素化ナトリウム(0.549g,13.74mmol)をTHF(20mL)中のマロン酸ジエチル(1.896ml,12.49mmol)の溶液に0℃で加え、30分間攪拌した。THF(20mL)中の1−(ブロモメチル)−2,3−ジフルオロベンゼン(1.667ml,13.11mmol)の溶液を滴下し、反応混合物を室温まで暖め、一晩攪拌した。H2O(100mL)を加えることにより反応をクエンチし、EtOAcで抽出した(3×50mL)。有機物を合わせて、硫酸マグネシウム(MgSO4)上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮し、粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(80gカートリッジ,0〜10%EtOAc/イソヘキサン)により精製して2−(2,3−ジフルオロベンジル)マロン酸ジエチル(2.4g,8.05mmol,収率64.5%)を無色の油として得た。分析データ:Rt0.71分(方法4);m/z287(M+H)+(ES+)。
中間体X:2−(2,3−ジフルオロベンジル)−3−エトキシ−3−オキソプロパン酸
エタノール(5mL)中の2−(2,3−ジフルオロベンジル)マロン酸ジエチル(中間体W)(1.655g,5.78mmol)の溶液に、エタノール(5mL)中のKOH(0.38g,6.10mmol)の溶液を加えた。混合物を室温で24時間攪拌した。溶媒を真空で除去し、無色固体残留物を飽和NaHCO3水溶液(100mL)に溶解した。混合物をEtOAcで抽出し(1×20mL)、これを廃棄した。水相を濃HClでpH1に酸性化し、EtOAcで抽出した(3×60mL)。合わせた有機物をブライン(30mL)で洗浄し、それから疎水性フリットを通過させることにより乾燥させ、真空濃縮して2−(2,3−ジフルオロベンジル)−3−エトキシ−3−オキソプロパン酸(1.405g,5.33mmol,収率92%)を無色の油として得た。分析データ:Rt1.26分(方法3);m/z質量観測できず。
中間体S−3:2−(2,3−ジフルオロベンジル)−3−(2’−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−オキソプロパン酸エチル
CDI(285mg,1.760mmol)をMeCN(7mL)中の2’−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(中間体Q−2)(500mg,1.676mmol)の懸濁液に加え、室温で3時間攪拌した。イソプロピルマグネシウムクロリド(1257μl,2.51mmol)を−10℃でTHF(5mL)中の2−(2,3−ジフルオロベンジル)−3−エトキシ−3−オキソプロパン酸(中間体X)(649mg,2.51mmol)の溶液に滴下し、5分間攪拌した。溶液を室温まで暖め、シリンジを介して以前に形成されたCDI付加物に滴下した。反応混合物を75℃に加熱し、一晩攪拌した。混合物を室温まで冷却させ、1MHCl(水)(20mL)、MTBE(15mL)及びイソヘキサン(15mL)を加えた。この層を分離し、有機層を10重量%K2CO3水溶液で洗浄し(2×20mL)、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、そして真空濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(40gカートリッジ,0〜40%EtOAc/イソヘキサン)により精製して2−(2,3−ジフルオロベンジル)−3−(2’−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−オキソプロパン酸エチル(440mg,0.854mmol,収率51.0%)を無色のガラスとして得た。分析データ:Rt1.75分(方法3);m/z495(M+H)+(ES+)。
標記化合物を、実施例108に概説される手順にしたがって中間体S−3から調製した。分析データ:Rt1.31分(方法3);m/z491(M+H)+(ES+)。
実施例116&実施例117:5−置換6−(2’−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−yl)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
表5に示す以下の化合物を、実施例115に記載されたのと同様の方法によって調製した。
実施例119:Hep G2 TAT Ki
TATの糖質コルチコイド媒介性活性化は、糖質コルチコイドレセプター−アゴニスト複合体によるTATプロモーター内の糖質コルチコイド応答エレメントのトランス活性化によって生じる。以下のプロトコルは、HepG2細胞(ヒト肝細胞癌腫細胞株;ECACC,UK)におけるデキサメタゾンによるTATの誘導を計測するためのアッセイを説明する。
A.Aliら、J.Med.Chem.,2004,47,2441−2452の文献に概説されているように、TAT活性を計測した。デキサメタゾンは、20nMという平均EC50値(最大半量効果)でTATの産生を誘導した。
10%(v/v)ウシ胎仔血清;2mML−グルタミン及び1%(v/v)NEAAが補充されたMEME培地を使用して、37℃、5%/95%(v/v)CO2/大気においてHepG2細胞を培養した。そのHepG2細胞を計数し、フェノールレッド非含有RPMI1640、10%(v/v)チャコール処理済み(charcoalstripped)FBS、2mML−グルタミン中に0.125×106細胞/mlの密度が得られるように調整し、200μl中の25,000細胞/ウェルで96ウェル滅菌組織培養マイクロタイタープレートに播種し、37℃、5%CO2で24時間インキュベートした。
成長培地を除去し、アッセイ培地{フェノールレッド非含有RPMI1640、2mML−グルタミン+10μMフォルスコリン}で置き換えた。100nMデキサメタゾンの負荷に対して被験化合物をスクリーニングした。化合物を10mMストックから100%(v/v)ジメチルスルホキシドに半対数段階希釈した。次いで、8点の半対数希釈曲線を作成した後、アッセイ培地に1:100希釈することにより、10×最終アッセイ[化合物]を得た:これにより、0.1%(v/v)ジメチルスルホキシド中、10〜0.003μMの範囲の最終アッセイ[化合物]が得られた。
被験化合物を、マイクロタイタープレートにおいて、37℃、5/95(v/v)CO2/大気で30分間、細胞とプレインキュベートした後、100nMデキサメタゾンを加え、続いて20時間経過することにより、最適なTAT誘導をもたらした。
次いで、HepG2細胞を、4℃で15分間、プロテアーゼインヒビターカクテルを含む30μlの細胞溶解緩衝液で溶解した。次いで、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中に、5.4mMチロシンナトリウム塩、10.8mMアルファケトグルタレート及び0.06mMピリドキサール5’リン酸を含む155μlの基質混合物を加えた。37℃で2時間インキュベーションした後、15μlの10M水酸化カリウム水溶液を加えることによって、その反応を終結させ、プレートを37℃でさらに30分間インキュベートした。TAT活性の生成物を、λ340nmにおける吸光度によって計測した。
[化合物]に対して%阻害(100nMデキサメタゾンTAT刺激に対して正規化されたもの)をプロットし、そのデータを4パラメータロジスティック方程式に当てはめることによって、IC
50値を計算した。アンタゴニストがデキサメタゾンに関する競合的インヒビターであると仮定し、ChengおよびPrusoff方程式を使用して、IC
50値をKi(平衡解離定数)に変換した。
実施例120:ラット薬物動態(PK)試験
ラットPK試験を、1群あたり3匹で雄のスプラーグドーリーラット(又は相当するもの)で実施した。化合物を、各カセットが3個の被験化合物及びPKパラメータが既知の1個の対照化合物を含む、カセットあたり4個の化合物のカセットで評価した。ラットを、頚静脈で挿管した。化合物を、10%DMSO及び90%メチルセルロース等の、好適なビヒクルを使用して経口強制飼養により投与した。実施例1、実施例10、実施例14、及び実施例20の化合物を、1.25mg/kgの名目用量で評価し実施例32の化合物を、3mg/kgの名目用量で評価した。血液サンプルを投与後24時間までの各種時点で収集し、処理して血漿を提供した。血漿サンプル中の化合物濃度をLC/MS分析により測定した。WinNonlinを使用してC
max及びAUCを計算した。試験された各化合物のC
max濃度を表7に列挙した。
前述の本発明は、理解を明確にする目的で例証および実施例によっていくらか詳細に説明されてきたが、当業者は、ある特定の変更および改変が添付の請求項の範囲内で実施されてもよいことを認識するだろう。さらに、本明細書中に提供される各参考文献は、その各参考文献が個別に参照により援用されたかのように同程度にその全体が参照により援用される。本願と本明細書中に提供される参考文献との間で矛盾がある場合、本願が支配するものとする。