JP2021523865A - 表面改質層状複水酸化物 - Google Patents
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Abstract
表面改質した層状複水酸化物(LDH)を製造する方法、ならびに表面改質LDH、および複合材料におけるそれらの使用を開示する。本発明に係る表面改質LDHは、未改質のそれらの類似体よりも疎水性であり、このため、表面改質LDHは、LDHの興味深い機能性を活用できる多種多様な材料に組み込むことができる。
Description
本発明は、表面改質した層状複水酸化物(surface modified layered double hydroxides)、ならびに表面改質した層状複水酸化物を製造する方法、および複合材料におけるそれらの使用に関する。
層状複水酸化物(LDH)は、2つの金属カチオンを含み、層状構造を有する化合物群である。LDHの概説については、Structure and Bonding; Vol 119, 2005 Layered Double Hydroxides ed. X Duan and D.G. Evansにおいて提供されている。おそらく最もよく知られているLDHの例であるハイドロタルサイトは、長年にわたって研究されてきている。LDHは、構造の層の間にアニオンを層間挿入することができる。国際公開第99/24139号には、芳香族アニオンおよび脂肪族アニオンを含むアニオンを分離するためのLDHの使用について開示されている。
この表面上のヒドロキシル基の濃度に起因して、常法で調製されたLDHは、非常に親水性である。結果として、常法で調製されたLDHは、多くの場合、それらが製造された製造プロセス由来のかなりの量の水分を保持する。
常法で調製されたLDHの親水性は、それらを有機溶媒に分散させることができる程度を制限し、その結果、LDHの興味深い特性が望まれる様々な材料へのそれらの組み入れを妨げている。LDHを熱処理して、表面における錯体化された水を除去することによってこの問題に対処する試みは、結果として、典型的には5m2/gから15m2/gの低比表面積を有する、非常に凝集化した「石状(stone-like)」の無孔性の本体の形成をもたらし得る。
少なくとも125m2/gの比表面積を有するLDHを調製する方法であって、水混和性(aqueous-miscible)有機(AMO)溶媒中における水湿潤LDHの分散液をスラリー化するステップと、それに続くいわゆるAMO−LDHの回収および乾燥ステップとを含む、方法が報告されている(国際公開第2015/144778号)。それでもなお、そのようなAMO−LDHは、常法で調製されたLDHと比較して高い吸湿能力という問題を抱え、結果として、加工して複合材料へ組み入れることは、困難であり得る。
本発明は、上述の事情に照らして考案された。
本発明の第1態様によれば、改質した層状複水酸化物を形成するための方法であって、
a)層状複水酸化物を提供するステップと、
b)層状複水酸化物を110〜200℃に加熱するステップと、
c)ステップb)の熱処理された層状複水酸化物を改質剤(modifier)と混合するステップであり、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して50重量%以下の溶媒の存在下において実施する、ステップと
を含む、方法が提供される。
a)層状複水酸化物を提供するステップと、
b)層状複水酸化物を110〜200℃に加熱するステップと、
c)ステップb)の熱処理された層状複水酸化物を改質剤(modifier)と混合するステップであり、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して50重量%以下の溶媒の存在下において実施する、ステップと
を含む、方法が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、本明細書にて定義される方法によって得ることが可能であるか、得られるか、または直接的に得られる、改質した層状複水酸化物が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、ポリマー全体に分散された本明細書にて定義される改質した層状複水酸化物を含む複合材料が提供される。
上述のように、本発明は、改質した層状複水酸化物を形成するための方法であって、
a)層状複水酸化物を提供するステップと、
b)層状複水酸化物を110〜200℃に加熱するステップと、
c)ステップb)の熱処理された層状複水酸化物を改質剤と混合するステップであって、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して50重量%以下の溶媒の存在下において実施する、ステップと
を含む、方法を提供する。
a)層状複水酸化物を提供するステップと、
b)層状複水酸化物を110〜200℃に加熱するステップと、
c)ステップb)の熱処理された層状複水酸化物を改質剤と混合するステップであって、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して50重量%以下の溶媒の存在下において実施する、ステップと
を含む、方法を提供する。
本発明者らは、常法で調製されたLDHの表面改質が、多くの要因によって妨げられることを明らかにした。主に、常法で調製されたLDHにおける大量の水の存在は、表面改質剤とLDHの表面上に位置されたヒドロキシル官能基との間の反応の効率を著しく低下させる。特に、表面改質剤は、LDH上の利用可能なヒドロキシル基と反応するよりもむしろ、錯体化された水と優先的に反応し得る。その上、水の存在は、おそらく求めていない副反応の増加をもたらし、結果として望ましくない副生成物を生じさせ、これが不純物質の発生の原因となる。常法で調製されたLDHを熱処理して、錯体化された水を除去することによってこの問題に対処する試みは、結果として、大抵の場合は5m2/gから15m2/g、さらには1m2/gと低い、低比表面積を有する、非常に凝集化した「石状」の非孔質体の形成をもたらし得る。
少なくとも125m2/gの比表面積を有するLDHを調製する方法であって、水混和性の有機(AMO)溶媒における水湿潤LDHの分散液をスラリー化するステップと、その後のいわゆるAMO−LDHの回収および乾燥ステップとを含む方法が報告されている(国際公開第2015/144778号)。それでもなお、このようなAMO−LDHは、常法で調製されたLDHと比較して高い吸湿能力という問題を抱えており、結果として、加工して複合材料へと組み入れることが困難であり得る。同様に、常法で調製されたLDHは、改質のためにその表面積を増加させるために、粉砕、微粉砕、または同様の粒径減少法を施すことができるものの、これらは、典型的に、その吸湿能力を増加させて、その後の処理を困難にする。
ここで、本発明者らは、LDHの表面特性を首尾よく柔軟に変更し、これによって興味深い機能性を広範な用途へと拡張する手段を考案した。特に、LDHに対する熱処理の実施と、続いて溶媒の不在下またはほぼ不在下における改質剤との混合プロセスは、より高い密度と、増加された疎水性および著しく減少された吸湿能力との両方を有する、改質LDHを生じることが発見された。本発明に係る方法はさらに、溶媒の回避に起因して、スケーラビリティおよび環境への影響に関する恩恵も提供する。
本発明に係る表面改質LDHは、常法で調製された親水性LDHが好適ではないような様々な用途において使用することができる。
一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、少なくとも15m2/g、例えば、少なくとも20m2/g、例えば、少なくとも32m2/g等、好ましくは少なくとも50m2/g、最も好ましくは少なくとも75m2/gの比表面積を有する。一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、125m2/gを超える比表面積を有する。
一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、10〜105m2/g、好ましくは10〜40m2/g、最も好ましくは20〜40m2/gの範囲の比表面積を有する。一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、30nm〜5μm、好ましくは50nm〜1μm、最も好ましくは100nm〜1μmの範囲の粒径(a−b面において測定した場合)を有する。一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、0.1〜0.6g/ml、好ましくは0.2〜0.4g/ml、最も好ましくは0.2〜0.3g/mlの範囲の嵩密度を有する。一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、0.2〜0.7g/ml、好ましくは0.3〜0.6g/ml、最も好ましくは0.4〜0.5g/mlの範囲のタップ密度を有する。一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、10w/w%未満、好ましくは5w/w%未満、最も好ましくは3w/w%未満の含水率を有する。一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、Fe、ZnO、およびNa2Oなどの不純物質を含まないものである。一実施形態にて、層状複水酸化物の一次粒子は、プレートレットであり、これは、凝集してロゼット形状を形成し得る。一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、0.1〜2μm、好ましくは0.3〜1.5μm、最も好ましくは0.5〜1μmの範囲のD10、1〜5μm、好ましくは1〜4μm、最も好ましくは2〜3μmの範囲のD50、および2〜10μm、好ましくは2〜7μm、最も好ましくは3〜5μmの範囲のD90の粒度分布を有する。
一実施形態にて、ステップa)で提供される層状複水酸化物は、式(IA):
[Mz+ 1−xM’y+ x(OH)2]a+(Xn−)m・bH2O
(IA)
[式中、
Mは、少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
M’は、Mとは異なる少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
zは、1または2であり、
yは、3または4であり、
0<x<0.9であり、
0<b≦10であり、
Xは、少なくとも1つのアニオンであり、
nは、アニオンX上の電荷であり、
aは、z(1−x)+xy−2に等しく、
m≧a/nである。]
の層状複水酸化物である。
[Mz+ 1−xM’y+ x(OH)2]a+(Xn−)m・bH2O
(IA)
[式中、
Mは、少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
M’は、Mとは異なる少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
zは、1または2であり、
yは、3または4であり、
0<x<0.9であり、
0<b≦10であり、
Xは、少なくとも1つのアニオンであり、
nは、アニオンX上の電荷であり、
aは、z(1−x)+xy−2に等しく、
m≧a/nである。]
の層状複水酸化物である。
一実施形態にて、ステップa)にて提供される層状複水酸化物は、式(IB):
[Mz+ 1−xM’y+ x(OH)2]a+(Xn−)m・bH2O・c(L)
(IB)
[式中、
Mは、少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
M’は、Mとは異なる少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
zは、1または2であり、
yは、3または4であり、
0<x<0.9であり、
0<b≦10であり、
0<c≦10であり、
Xは、少なくとも1つのアニオンであり、
nは、アニオンXの電荷であり、
aは、z(1−x)+xy−2に等しく、
m≧a/nであり、
Lは、水に水素結合することができる有機溶媒である。]
の層状複水酸化物である。
[Mz+ 1−xM’y+ x(OH)2]a+(Xn−)m・bH2O・c(L)
(IB)
[式中、
Mは、少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
M’は、Mとは異なる少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
zは、1または2であり、
yは、3または4であり、
0<x<0.9であり、
0<b≦10であり、
0<c≦10であり、
Xは、少なくとも1つのアニオンであり、
nは、アニオンXの電荷であり、
aは、z(1−x)+xy−2に等しく、
m≧a/nであり、
Lは、水に水素結合することができる有機溶媒である。]
の層状複水酸化物である。
一実施形態にて、ステップa)では、式中、zが2の場合には、Mは、Mg、Zn、Fe、Ca、Sn、Ni、Cu、Co、Mn、もしくはCd、またはこれらの2つ以上の混合物であり、あるいはzが1の場合には、MはLiである。好適には、zは2であり、Mは、Ca、Mg、ZnまたはFeである。より好適には、zは2であり、Mは、Ca、MgまたはZnである、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式中、yが3の場合、M’は、Al、Ga、Y、In、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、La、またはそれらの混合物であり、またはyが4の場合、M’は、Sn、Ti、もしくはZr、またはそれらの混合物である。好適には、yは3である。より好適には、yは3であり、M’はAlである、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物が提供される。好適には、M’はAlである。
一実施形態にて、ステップa)では、式中、xは、式0.18<x<0.9に従う値を有する、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物が提供される。好適には、xは、式0.18<x<0.5に従う値を有する。より好適には、xは、式0.18<x<0.4に従う値を有する。
一実施形態にて、ステップa)では、Zn/Al、Mg/Al、ZnMg/Al、Ni/Ti、Mg/Fe、Ca/Al、Ni/Al、またはCu/Al層状複水酸化物である、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物が提供される。
LDHにおけるアニオンXは、任意選択的で適切な有機または無機アニオン、例えば、ハロゲン化物(例えば、塩化物)アニオン、無機オキシアニオン(例えば、X’mOn(OH)p q−、m=1〜5、n=2〜10、p=0〜4、q=1〜5、X’=B、C、N、S、P、例えば、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、亜硝酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン)、アニオン性界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、脂肪酸塩、またはステアリン酸ナトリウム)、アニオン性発色団、および/またはアニオン性UV吸収剤、例えば、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(HMBA)、4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ケイ皮酸、p−アミノ安息香酸、および/またはウロカニン酸など、であり得る。一実施形態にて、アニオンXは、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、亜硝酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、もしくはリン酸イオン、またはそれらの2つ以上の混合物から選択される無機オキシアニオンである。より好適には、アニオンXは、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、または亜硝酸イオンから選択される無機オキシアニオンである。より好適には、アニオンXは、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、または亜硝酸イオンから選択される無機オキシアニオンである。最も好適には、アニオンXは、炭酸イオンである。
特に好適な実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)[式中、Mは、Ca、Mg、Znおよび/またはFeであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、または亜硝酸イオンである。]の層状複水酸化物が提供される。好適には、Mは、Ca、Mgおよび/またはZnであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、または亜硝酸イオンである。より好適には、Mは、Ca、Mgおよび/またはZnであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、またはホウ酸イオンである。
特に好適な実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)[式中、Mは、Ca、Mg、Zn、またはFeであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、または亜硝酸イオンである。]の層状複水酸化物が提供される。好適には、Mは、Ca、Mg、またはZnであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、または亜硝酸イオンである。より好適には、Mは、Ca、Mg、またはZnであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオンである。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)[式中、Mは、Mgであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、またはホウ酸イオンである。]の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物[式中、Mは、ZnおよびMgであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、またはホウ酸イオンである。]が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)[式中、Mは、Mgであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオンである。]の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)[式中、Mは、ZnおよびMgであり、M’は、Alであり、Xは炭酸イオンである。]の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、式MgqAl−X[式中、Xは、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、またはホウ酸イオンであり、1.8≦q≦5、好ましくは、1.8≦q≦3.5である。]で提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、式ZnpMgqAl−X[式中、Xは、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、またはホウ酸イオンであり、0.5≦p≦2.5および0.5≦q≦2.5である。]で提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、式MgqAl−CO3[式中、1.8≦q≦5、好ましくは、1.8≦q≦3.5である。]で提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、式ZnpMgqAl−CO3[式中、0.5≦p≦2.5および0.5≦q≦2.5である。]で提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、Zn2MgAl−CO3層状複水酸化物として提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、Mg3Al−CO3層状複水酸化物として提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、Mg2Al−CO3層状複水酸化物として提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、Zn2Al−NO3層状複水酸化物として提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、Zn2Al−PO4層状複水酸化物として提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IA)または式(IB)の層状複水酸化物は、Zn2Al−BO3層状複水酸化物として提供される。
式(IB)に存在する有機溶媒Lは、任意選択的で好適な水素結合供与基および/または水素結合受容基を有し得、そのため、水に水素結合することができる。水素結合供与基としては、R−OH、R−NH2、R2NHが挙げられるが、その一方で、水素結合受容基としては、ROR、R2C=O、RNO2、R2NO、R3N、ROH、RCF3が挙げられる。用語「AMO」は、水混和性の有機溶媒、例えば、エタノール、メタノール、およびアセトンなど、を意味する。本願との関連において、「AMO」は、水に水素結合することができる溶媒を意味するために使用され、そのため、限定された水混和性を有する他の有機溶媒(例えば、酢酸エチルなど)も、例えば、用語「AMO−LDH」において使用される場合等、「AMO」の範囲内として想定される。
一実施形態にて、Lは、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、エタノール、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、tert−アミルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソアミルケトン、メチルn−アミルケトン、フルフラール、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸n−ヘキシル、メチル酢酸アミル、酢酸メトキシプロピル、酢酸2−エトキシエチル、ニトロメタン、およびそれらの2種以上の混合物から選択される。
好適には、Lは、アセトン、エタノール、酢酸エチル、およびそれらの2種以上の混合物から選択される。一実施形態にて、Lは、エタノールである。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IB)[式中、Mは、Mgであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、またはホウ酸イオンであり、Lは、エタノールまたはアセトンである。]の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IB)[式中、Mは、ZnおよびMgであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、またはホウ酸イオンであり、Lは、エタノールである。]の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IB)[式中、Mは、ZnおよびMgであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、またはホウ酸イオンであり、Lは、エタノールまたはアセトンである。]の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、Zn2MgAl−Xの層状複水酸化物である、式(IB)の層状複水酸化物が提供され、式中、Xは、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、またはホウ酸イオンであり、Lは、エタノールである。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IB)[式中、Mは、Mgであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオンであり、Lは、エタノールまたはアセトンである。]の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IB)[式中、Mは、ZnおよびMgであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオンであり、Lは、エタノールである。]の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、式(IB)[式中、Mは、ZnおよびMgであり、M’は、Alであり、Xは、炭酸イオンであり、Lは、エタノールまたはアセトンである。]の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、ステップa)では、Zn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、Lはエタノールである、式(IB)の層状複水酸化物が提供される。
一実施形態にて、bは、式0<b≦7.5に従う値を有する。好適には、bは、式0<b≦5に従う値を有する。より好適には、bは、式0<b≦3に従う値を有する。さらにより好適には、bは、式0<b≦1に従う値を有する(例えば、0.2<b≦0.95)。
一実施形態にて、cは、式0<c≦7.5に従う値を有する。好適には、cは、式0<c≦5に従う値を有する。より好適には、cは、式0<c≦1に従う値を有する。最も好適には、cは、式0<c≦0.5に従う値を有する。
一実施形態にて、式(IA)の層状複水酸化物は、以下のステップ:
I.水洗浄された式(IA)の湿潤沈殿物を提供するステップであって、前記沈殿物を、金属MおよびM’のカチオンを含有する水溶液と、アニオンXn−を含有する水溶液と、場合によりアンモニア放出剤を含有する水溶液とを接触させ、次いで反応混合物をエージングすることによって形成する、ステップと、
II.湿潤沈殿物を単離して乾燥させるステップと、場合により、
III.乾燥させた沈殿物を粉末形態へと粉砕するステップと、
を含む方法によって調製される。
I.水洗浄された式(IA)の湿潤沈殿物を提供するステップであって、前記沈殿物を、金属MおよびM’のカチオンを含有する水溶液と、アニオンXn−を含有する水溶液と、場合によりアンモニア放出剤を含有する水溶液とを接触させ、次いで反応混合物をエージングすることによって形成する、ステップと、
II.湿潤沈殿物を単離して乾燥させるステップと、場合により、
III.乾燥させた沈殿物を粉末形態へと粉砕するステップと、
を含む方法によって調製される。
湿潤沈殿物は、ろ過(例えば、真空ろ過)、遠心分離、または当業者にとって明らかであるような他の分離手段によって、ステップII)にて単離され得る。
沈殿したLDHの乾燥は、様々な手段、例えば、加熱、真空下での乾燥、または両方の組み合わせなど、例えば、真空下にて50〜150℃で実施され得る。一実施形態にて、乾燥ステップは、真空化にて100〜120℃での乾燥を含む。
ステップIII)は、粉砕によって乾燥したLDHの粒径を減じるおよび/または表面積を増加させるステップを伴う。本ステップを実施するための他の好適な方法は、例えば、ボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、遠心粉砕等、当業者にとって明らかなものであろう。
一実施形態にて、式(IB)の層状複水酸化物は、以下のステップ:
I.水洗浄された式(IA)の湿潤沈殿物を提供するステップであって、前記沈殿物が、金属MおよびM’のカチオンを含有する水溶液と、アニオンXn−を含有する水溶液と、場合によりアンモニア放出剤を含有する水溶液とを接触させ、次いで反応混合物をエージングすることによって形成されている、ステップと、
IIA.水洗浄されたステップI)の湿潤沈殿物を、式(IB)に対して定義されるような溶媒Lと接触させるステップと
を含む方法によって調製される。
I.水洗浄された式(IA)の湿潤沈殿物を提供するステップであって、前記沈殿物が、金属MおよびM’のカチオンを含有する水溶液と、アニオンXn−を含有する水溶液と、場合によりアンモニア放出剤を含有する水溶液とを接触させ、次いで反応混合物をエージングすることによって形成されている、ステップと、
IIA.水洗浄されたステップI)の湿潤沈殿物を、式(IB)に対して定義されるような溶媒Lと接触させるステップと
を含む方法によって調製される。
式(IB)の層状複水酸化物が調製されるとき、水洗浄された湿潤沈殿物は、ステップ(IIA)に従って、溶媒と接触される前に乾燥することができない。湿潤沈殿物は、湿潤沈殿物の総重量に対して15%から60%の含水率を有し得る。
ステップ(I)の水洗浄された湿潤沈殿物は、予め成形されていてもよいことは理解されるであろう。あるいは、ステップI)の水洗浄された湿潤沈殿物は、ステップ(I)の一部として調製してもよく、このような場合、ステップ(I)は、以下のステップ:
(i)金属MおよびM’のカチオンを含有する水溶液と、アニオンXn−を含有する水溶液と、場合によりアンモニア放出剤を含有する水溶液とから式(IA)を有する層状複水酸化物を沈殿させるステップと、
(ii)ステップ(i)の反応混合物において、ステップ(i)にて得られた層状複水酸化物の沈殿物をエージングするステップと、
(iii)ステップ(ii)から得られたエージングさせた沈殿物を収集して、これを水と、場合により溶媒とで洗浄するステップと、
(iv)洗浄された沈殿物を、これがまだ湿っている程度まで乾燥および/またはろ過するステップと
を含む。
(i)金属MおよびM’のカチオンを含有する水溶液と、アニオンXn−を含有する水溶液と、場合によりアンモニア放出剤を含有する水溶液とから式(IA)を有する層状複水酸化物を沈殿させるステップと、
(ii)ステップ(i)の反応混合物において、ステップ(i)にて得られた層状複水酸化物の沈殿物をエージングするステップと、
(iii)ステップ(ii)から得られたエージングさせた沈殿物を収集して、これを水と、場合により溶媒とで洗浄するステップと、
(iv)洗浄された沈殿物を、これがまだ湿っている程度まで乾燥および/またはろ過するステップと
を含む。
ステップ(i)にて使用されるアンモニア放出剤は、結果として得られるLDHプレートレットのアスペクト比を増加させ得る。好適なアンモニア放出剤としては、ヘキサメチレンテトラアミン(HMT)および尿素が挙げられる。好適には、アンモニア放出剤は、尿素である。ステップ(i)にて使用されるアンモニア放出剤の量は、金属カチオン(M+M’)に対するアンモニア放出剤のモル比が0.5:1から10:1(例えば、1:1から6:1または4:1から6:1)となるような量である。
一実施形態にて、ステップ(i)では、沈殿物は、OH−の供給源である塩基(例えば、NaOH、NH4OH、またはOH−形成のための前駆体)の存在下で、金属MおよびM’のカチオンを含有する水溶液と、アニオンXn−を含有する水溶液と、場合によりアンモニア放出剤を含有する水溶液とを接触させることによって形成する。好適には、塩基は、NaOHである。一実施形態にて、使用される塩基の量は、溶液のpHを6.5より高く制御するのに十分な量である。好適には、使用される塩基の量は、溶液のpHを6.5〜13に制御するのに十分な量である。より好適には、使用される塩基の量は、溶液のpHを7.5〜13に制御するのに十分な量である。さらにより好適には、使用される塩基の量は、溶液のpHを9〜11に制御するのに十分な量である。
一実施形態にて、ステップ(ii)では、ステップi)で得られた層状複水酸化物の沈殿物は、15〜180℃の温度で5分から72時間、ステップ(i)の反応混合物においてエージングされる。一実施形態にて、ステップ(ii)では、ステップi)で得られた層状複水酸化物の沈殿物は、100〜160℃の温度で3時間から15時間、好ましくは130〜160℃の温度で3時間から5時間、最も好ましくは150℃の温度で5時間、ステップ(i)の反応混合物においてエージングされる。
好適には、ステップ(ii)にて、ステップ(i)で得られた層状複水酸化物の沈殿物は、1時間から72時間、ステップ(i)の反応混合物においてエージングされる。より好適には、ステップ(ii)にて、ステップ(i)で得られた層状複水酸化物の沈殿物は、2時間から12時間、ステップ(i)の反応混合物においてエージングされる。最も好適には、ステップ(ii)にて、ステップ(i)で得られた層状複水酸化物の沈殿物は、2時間から6時間、ステップ(i)の反応混合物においてエージングされる。
好適には、ステップ(ii)にて、ステップ(i)で得られた層状複水酸化物の沈殿物は、15〜180℃の温度で、ステップ(i)の反応混合物においてエージングされる。より好適には、ステップ(ii)にて、ステップ(i)で得られた層状複水酸化物の沈殿物は、100〜160℃の温度で、好ましくは130〜160℃で、最も好ましくは150℃で、ステップ(i)の反応混合物においてエージングされる。
ステップ(ii)は、オートクレーブ中で実施してもよい。
一実施形態にて、ステップ(iii)では、ステップ(ii)から得られたエージングされた沈殿物は、収集され、次いで、ろ液が6.5〜7.5の範囲のpHを有するまで、水で洗浄される。好適には、ステップ(iii)は、ステップ(ii)から得られたエージングした沈殿物を、15〜100℃の温度(例えば、18〜40℃)にて水で洗浄するステップを含む。場合により、沈殿物は、水と溶媒との混合物で洗浄してもよい。好適には、溶媒は、酢酸エチル、エタノール、およびアセトンから選択される。より好適には、洗浄混合物における溶媒の量は、5〜95%(v/v)、好ましくは30〜70%(v/v)である。
一実施形態にて、ステップIIA)では、水洗浄された湿潤沈殿物は、溶媒Lに前記沈殿物を分散させてスラリーを生成することによって、溶媒Lと接触させる。さらなる実施形態にて、調製方法は、ステップIIA)から得られたスラリーを維持する、さらなるステップIIIA)を含む。一実施形態にて、ステップIIA)で生成され、ステップIIIA)にて維持されたスラリーは、溶媒Lの1リットルあたり1〜100gの水洗浄された湿潤沈殿物を含有する。好適には、ステップIIA)で生成され、ステップIIIA)にて維持されたスラリーは、溶媒Lの1リットルあたり1〜75gの水洗浄された湿潤沈殿物を含有する。より好適には、ステップIIA)で生成され、ステップIIIA)にて維持されたスラリーは、溶媒Lの1リットルあたり1〜50gの水洗浄された湿潤沈殿物を含有する。最も好適には、ステップIIA)で生成され、ステップIIIA)にて維持されたスラリーは、溶媒Lの1リットルあたり1〜30gの水洗浄された湿潤沈殿物を含有する。
ステップIIIA)では、ステップIIA)にて生成されたスラリーは、ある期間、維持する。好適には、スラリーは、ステップIIIA)の間、撹拌する。
一実施形態にて、ステップIIIA)では、スラリーは、0.5時間から120時間(例えば、0.5時間から96時間)維持する。好適には、ステップIIIA)にて、スラリーは、0.5時間から72時間維持する。より好適には、ステップIIIA)にて、スラリーは、0.5時間から48時間維持する。さらにより好適には、ステップIIIA)にて、スラリーは、0.5時間から24時間維持する。さらにより好適には、ステップIIIA)にて、スラリーは、0.5時間から24時間維持する。最も好適には、ステップIIIA)にて、スラリーは、1時間から2時間維持する。あるいは、ステップIIIA)にて、スラリーは、16時間から20時間維持する。
ステップIIIA)から得られたLDHは、ろ過、フィルタープレス、噴霧乾燥、サイクロニング(cycloning)、および遠心分離などの任意選択的で好適な手段によって単離され得る。単離されたAMO−LDHは、次いで、自由流動性粉末を得るために乾燥され得る。乾燥ステップは、周囲環境下にて、真空にて、または60℃未満(例えば、20℃から60℃)の温度に加熱することによって実施され得る。好適には、ステップIIIA)から得られたAMO−LDHは、単離され、次いで、一定質量に達するまで、真空にて10〜40℃の温度に加熱される。一実施形態にて、AMO−LDHは、50℃〜200℃、例えば、100℃〜200℃、例えば、150℃〜200℃で加熱することによって乾燥され得る。
改質LDHを形成するための方法のステップb)は、層状複水酸化物を110〜200℃に加熱するステップを含む。層状複水酸化物(AMO溶媒で処理済みか未処理かに関係なく)は、大気水分を吸収する傾向を有する。このような物質は、改質および処理するのが困難となり得、ならびに短い貯蔵寿命を示し得る。驚くべきことに、このような問題を克服するため、ステップc)の表面改質は、先行のLDHの熱処理が実施されることから恩恵を受けることが見出された。図1に、Zn2MgAl−CO3LDH試料のDTA(示差熱分析)走査を示す。それは、LDHにおける2つの別々に結合した水種の存在を強調しており、弱く結合した「外部層(outer layer)」水は、LDHを100℃に加熱することによって失われるものの、強く結合した「中間層(interlayer)」水は、100℃から200℃の間のより高い温度で失われる。状況によっては、高温(例えば、200℃超または250℃超)にて、層状複水酸化物は、層状複酸化物の形態または層状複水酸化物と層状複酸化物との混合物の形態であり得る。有害な外部層および中間層水を除去するために、層状複水酸化物を、改質剤と混合する前に110〜200℃に加熱することが重要である。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は130〜200℃に加熱される。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は、130〜180℃に加熱される。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は、130〜160℃に加熱される。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は、150℃に加熱される。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は、1〜24時間加熱される。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は、2〜6時間加熱される。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は、4時間加熱される。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は、110〜200℃にて1〜24時間加熱される。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は、130〜160℃にて2〜6時間加熱される。一実施形態にて、ステップb)では、層状複水酸化物は、150℃にて4時間加熱される。
熱処理された層状複水酸化物を、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して50重量%以下の溶媒の存在下で改質剤と混合することによって、その表面改質(ステップc)を実施することが有利であると分かった。疑問の回避のため、および純粋に一例として、1gの熱処理されたLDHが0.5gの改質剤と混合された場合、50重量%の溶媒とは、0.75gの溶媒となるであろう。一実施形態にて、ステップc)では、混合ステップは、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して10重量%以下の溶媒の存在下で実施される。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、実質的に溶媒が存在しないか、または全く溶媒が存在しない状態で実施される。
好ましくは、ステップc)における混合ステップは、ステップb)の熱処理の直後に実施される。一実施形態にて、ステップb)における層状複水酸化物の熱処理と、ステップc)における改質剤との混合ステップとの間に、層状複水酸化物は、周囲温度まで冷却されてはいけない。一実施形態にて、ステップb)における層状複水酸化物の熱処理と、ステップc)における改質剤との混合ステップとの間に、層状複水酸化物は、50℃未満、好ましくは80℃未満、最も好ましくは110℃未満に冷却されてはならない。
一実施形態にて、ステップb)およびステップc)は、実質的に同時に実施される。
好ましくは、ステップc)の表面改質は、高温で実施される。一実施形態にて、ステップc)にて、混合ステップは、60〜270℃で行われる。一実施形態にて、ステップc)にて、混合ステップは、70〜200℃で行われる。一実施形態にて、ステップc)にて、混合ステップは、110〜200℃で行われる。一実施形態にて、ステップc)にて、混合ステップは、130〜180℃で行われる。一実施形態にて、ステップc)にて、混合ステップは、130〜160℃で行われる。一実施形態にて、ステップc)にて、混合ステップは、150℃で行われる。
別の実施形態にて、ステップc)では、混合ステップは、60〜200℃で行われる。好適には、ステップc)にて、混合ステップは、60〜180℃で行われる。最も好適には、ステップc)にて、混合ステップは、60〜160℃で行われる。
一実施形態にて、ステップc)では、混合ステップは、改質剤の融点より高い温度で行われる。一実施形態にて、ステップc)にて、混合ステップは、改質剤の融点より高い温度で、このような場合、改質剤は、ステアリン酸の塩である。一実施形態にて、ステップc)では、混合ステップは、改質剤の融点より20〜30℃高い温度で行われ、このような場合、好ましくは、改質剤は、ステアリン酸の塩、例えば、ステアリン酸亜鉛等である。
一実施形態にて、ステップc)では、混合ステップは、15分〜2時間、好適には30分から1時間持続される。
ステップc)は、乾燥空気中(例えば、20%RH以下など)または不活性雰囲気下(例えば、N2ブランケット下)にて実施され得る。一実施形態にて、ステップc)は、不活性雰囲気下で実施される。
一実施形態にて、ステップc)で使用される改質剤の量は、層状複水酸化物の重量に対して、1〜25重量%である。一実施形態にて、ステップc)で使用される改質剤の量は、層状複水酸化物の重量に対して、1〜15重量%である。一実施形態にて、ステップc)で使用される改質剤の量は、層状複水酸化物の重量に対して、3〜15重量%である。一実施形態にて、ステップc)で使用される改質剤の量は、層状複水酸化物の重量に対して、1〜7重量%である。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、層状複水酸化物の重量に対して5重量%超の改質剤を使用して実施される。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、層状複水酸化物の重量に対して10重量%超の改質剤を使用して実施される。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、層状複水酸化物の重量に対して約15重量%の改質剤を使用して実施される。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、層状複水酸化物が70〜125m2/gの表面積を有する場合には、層状複水酸化物の重量に対して10〜20重量%の改質剤を使用して、層状複水酸化物が80〜100m2/gの表面積を有する場合には、好ましくは15重量%の改質剤を使用して実施される。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、層状複水酸化物が10〜70m2/gの表面積を有する場合には、層状複水酸化物の重量に対して1〜10重量%の改質剤を使用して、層状複水酸化物が30〜50m2/gの表面積を有する場合には、好ましくは7重量%の改質剤を使用して実施される。
好ましい実施形態にて、ステップc)における改質剤は、脂肪酸、脂肪酸塩、硫酸塩改質剤、ホスホン酸塩改質剤、フタル酸塩改質剤、およびオルガノシラン改質剤からなる群より選択される。
脂肪酸は、典型的には、長鎖カルボン酸であり、1つまたは複数のC=C二重結合を含み得る。脂肪酸の例としては、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、マレイン酸、エルカ酸、オレイン酸、アラキジン酸、およびリノール酸が挙げられる。脂肪酸塩は、上述した脂肪酸の典型的な塩である。脂肪酸の金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、および亜鉛塩であり、例えば、亜鉛塩である。
硫酸塩改質剤は、長鎖(例えば、最大で20個までの炭素原子)硫酸の金属塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム等である。その低い引火点に起因して、ドデシル硫酸ナトリウムは、不活性雰囲気下での使用を必要とし得る。
ホスホン酸塩改質剤は、長鎖(例えば、最大で20個までの炭素原子)ホスホン酸の金属塩、例えば、オクタデシルホスホン酸ナトリウム等である。
フタル酸塩改質剤は、フタル酸のジアルキルエステル、例えば、テレフタル酸ジオクチル(DOTP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、およびフタル酸ジブチル(DBP)などである。
オルガノシラン改質剤は、ヒドロキシシラン、アルコキシシラン、またはシロキサン化合物であり得る。シロキサン改質剤としては、ポリシロキサン、例えば、ポリジメチルシロキサンなど、が挙げられる。用語「アルコキシ」は、本明細書にて使用される場合、−O−アルキル基(このような場合、アルキルは、直鎖または分岐鎖であり、1個から6個の炭素原子を含む)、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、およびヘキソキシなどを意味する。
一実施形態にて、オルガノシラン改質剤は、アルコキシシラン化合物である。
一実施形態にて、オルガノシラン改質剤は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)トリエトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)−トリエトキシシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリメトキシ(オクタデシル)シラン、ビニル−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン、g−メタクリルオキシ−プロピルトリメトキシシラン、g−アミノプロピル−トリメトキシシラン、b(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、g−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、3−アミノプロピル−メチル−ジエトキシシラン、ビニルトリメトキシ−シラン、クロロトリメチルシラン、tert−ブチルジメチルシリルクロリド、トリクロロビニルシラン、メチルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメチルシラン、ジエトキシ−ジメチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、トリエトキシオクチルシラン、トリクロロ(オクタデシル)シラン、およびγ−ピペラジニルプロピルメチルジメトキシシランからなる群より選択される。
好適には、オルガノシラン改質剤は、トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシランからなる群より選択される。
一実施形態にて、改質剤は、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・ドデシル硫酸ナトリウム、
・オクタデシルホスホン酸ナトリウム、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される。
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・ドデシル硫酸ナトリウム、
・オクタデシルホスホン酸ナトリウム、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される。
一実施形態にて、改質剤は、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・オクタデシルホスホン酸ナトリウム、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される。
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・オクタデシルホスホン酸ナトリウム、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される。
一実施形態にて、改質剤は、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される。
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される。
一実施形態にて、改質剤は、
・ステアリン酸およびラウリン酸、
・ステアリン酸およびラウリン酸の金属塩、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される。
・ステアリン酸およびラウリン酸、
・ステアリン酸およびラウリン酸の金属塩、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される。
一実施形態にて、改質剤は、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸ナトリウムである。
一実施形態にて、改質剤は、ステアリン酸亜鉛である。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、層状複水酸化物の重量に対して12〜17重量%のステアリン酸亜鉛を使用して実施される。一実施形態にて、改質剤は、ステアリン酸亜鉛である。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、層状複水酸化物の重量に対して13〜16重量%のステアリン酸亜鉛を使用して実施される。一実施形態にて、改質剤は、ステアリン酸亜鉛である。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、層状複水酸化物の重量に対して15重量%のステアリン酸亜鉛を使用して実施される。
一実施形態にて、改質剤は、脂肪酸(例えば、マレイン酸等)であり、ステップc)における混合ステップは、130〜200℃、好ましくは150〜180℃、より好ましくは170℃で実施される。
一実施形態にて、改質剤は、脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸亜鉛等)であり、ステップc)における混合ステップは、110〜200℃、好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜160℃、最も好ましくは150℃で実施される。
一実施形態にて、改質剤は、ステアリン酸亜鉛であり、ならびにステップc)における混合ステップは、130〜160℃で実施される。一実施形態にて、改質剤は、ステアリン酸亜鉛であり、ステップc)における混合ステップは、150℃で実施される。好ましい実施形態にて、改質剤は、ステアリン酸亜鉛であり、ステップc)における混合ステップは、130〜160℃で15分間から2時間、例えば、30分間など、実施される。
一実施形態にて、改質剤は、硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム等)であり、ならびにステップc)における混合ステップは、190〜270℃、好ましくは210〜250℃、より好ましくは230℃で実施される。
一実施形態にて、改質剤は、ホスホン酸塩(例えば、オクタデシルホスホン酸ナトリウムなど)であり、ステップc)における混合ステップは、160〜240℃、好ましくは180〜220℃、より好ましくは200℃で実施される。
一実施形態にて、改質剤は、オルガノシラン(例えば、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシランなど)であり、ステップc)における混合ステップは、60〜140℃、好ましくは80〜130℃、より好ましくは120℃で実施される。
一実施形態にて、改質剤は、テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチルから選択される。
一実施形態にて、改質剤は、テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチルから選択され、ステップc)における混合ステップは、70〜120℃、好ましくは100℃で実施される。
ステップc)における混合ステップは、混合される材料のバッチに対して同時の加熱および機械的混合を提供できる様々な手段によって実施することができる。好適な手段は、ボルテックスミキサー、流動層ミキサー、密閉式ミキサー、ラボミキサー、または高速ミキサーを含む。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、蒸気処理、乾燥ミキサー、ボルテックスミキサーによって、または改質剤の存在下において層状複水酸化物を微粉砕することによって実施される。一実施形態にて、ステップc)における混合ステップは、高速ミキサーによって実施される。
[本発明に係る改質LDH]
別の態様にて、本発明は、本明細書で定義される方法により得ることが可能であるか、得られるか、または直接的に得られる改質した層状複水酸化物を提供する。
別の態様にて、本発明は、本明細書で定義される方法により得ることが可能であるか、得られるか、または直接的に得られる改質した層状複水酸化物を提供する。
一実施形態にて、本発明に係る方法によって得られる改質した層状複水酸化物は、少なくとも20m2/gのBET表面積(N2吸着によって決定される)を有する。好適には、改質した層状複水酸化物は、少なくとも32m2/gのBET表面積を有する。より好適には、改質した層状複水酸化物は、少なくとも40m2/gのBET表面積を有する。さらにより好適には、改質した層状複水酸化物は、少なくとも50m2/gのBET表面積を有する。一実施形態にて、本発明に係る方法によって得られる改質した層状複水酸化物は、10〜55m2/g、例えば、10〜30m2/g等のBET表面積を有する。
一実施形態にて、本発明に係る方法により得られる改質した層状複水酸化物は、0.3g/mLを超えるゆるみ嵩密度(loose bulk density)を有する。一実施形態にて、改質した層状複水酸化物は、0.4g/mLを超えるゆるみ嵩密度を有する。一実施形態にて、改質した層状複水酸化物は、0.5g/mLを超えるゆるみ嵩密度を有する。一実施形態にて、改質した層状複水酸化物は、0.6g/mLを超えるゆるみ嵩密度を有する。一実施形態にて、改質した層状複水酸化物は、0.5g/mLを超えるタップ密度を有する。一実施形態にて、改質した層状複水酸化物は、0.6g/mLを超えるタップ密度を有する。一実施形態にて、改質した層状複水酸化物は、0.7g/mLを超えるタップ密度を有する。一実施形態にて、改質した層状複水酸化物は、0.8g/mLを超えるタップ密度を有する。
一実施形態にて、本発明に係る方法によって得られる改質した層状複水酸化物は、25℃でRH60において3時間測定した場合、乾燥LDHの6重量%未満の吸湿レベルを有する。好適には、改質した層状複水酸化物は、25℃でRH60において3時間測定した場合、乾燥LDHの4重量%未満の吸湿レベルを有する。より好適には、改質した層状複水酸化物は、25℃でRH60において3時間測定した場合、乾燥LDHの2重量%未満の吸湿レベルを有する。最も好適には、改質した層状複水酸化物は、25℃でRH60において3時間測定した場合、乾燥LDHの1重量%未満の吸湿レベルを有する。
一実施形態にて、本発明に係る方法によって得られる改質した層状複水酸化物は、100°以上の接触角を有する。好適には、改質した層状複水酸化物は、110°以上の接触角を有する。より好適には、改質した層状複水酸化物は、120°以上の接触角を有する。
一実施形態にて、本発明に係る方法によって得られる改質した層状複水酸化物は、改質した層状複水酸化物が、水相および油相の混合物の間で分配された場合、水相よりも油相(例えば、1−ヘキセン等)にてより良い分散を有する。
一実施形態にて、本発明に係る方法によって得られる改質した層状複水酸化物は、100°以上の接触角と、25℃でRH60において3時間測定した場合の乾燥LDHの6重量%未満の吸湿レベルとを有する。一実施形態にて、本発明に係る方法によって得られる改質した層状複水酸化物は、110°以上の接触角と、25℃でRH60において3時間測定した場合の乾燥LDHの4重量%未満の吸湿レベルとを有する。一実施形態にて、本発明に係る方法によって得られる改質した層状複水酸化物は、120°以上の接触角と、25℃でRH60において3時間測定した場合の乾燥LDHの2重量%未満の吸湿レベルとを有する。
[LDHの用途]
上述したように、本発明はさらに、ポリマー全体に分散された、本明細書で定義されるような改質した層状複水酸化物を含む複合材料も提供する。
上述したように、本発明はさらに、ポリマー全体に分散された、本明細書で定義されるような改質した層状複水酸化物を含む複合材料も提供する。
LDHは、様々な興味深い特性を有しており、これらは、LDHを、ポリマー複合材におけるフィラーとしての使用にとって魅力的な材料にしている。しかし、常法で調製されたLDHが、水性溶媒にのみ分散性であることから、有機溶媒に可溶なポリマーを使用したポリマー−LDH複合材料の調製は、制限されてきた。
本発明に係る改質LDHは、その高められた疎水性および減じられた含水量に起因して、複合材料を製造するためのポリマーとの加工性を向上させた。このことは、改質LDHとポリマーとの均一混合物の調製を可能とし、混合物は、LDH−ポリマー複合材料へと加工することが可能であり、この場合、改質LDHは、ポリマー性マトリックス全体に一様に分散される。
一実施形態にて、ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリ酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、エラストマー、またはそれら2つ以上の混合物から選択される。一実施形態にて、ポリマーは、バイオポリマーである。
好ましい実施形態にて、ポリマーは、ポリ塩化ビニルである。一実施形態にて、ポリマーに分散された本発明に係る方法によって得られたZn2MgAl−CO3層状複水酸化物を含む複合材料が提供される。一実施形態にて、ポリ塩化ビニルに分散された本発明に係る方法によって得られたZn2MgAl−CO3層状複水酸化物を含む複合材料が提供される。Zn2MgAl−CO3層状複水酸化物を含有するポリマー複合材料は、それらを難燃材として有用にする特性を有する。このように、本発明は、本発明に係る方法によって得られるZn2MgAl−CO3層状複水酸化物を含むポリマー複合材料の、難燃材としての使用も提供する。本発明はさらに、本発明に係る方法によって得られるZn2MgAl−CO3層状複水酸化物を含むポリ塩化ビニル複合材料の、難燃材としての使用も提供する。
本発明に係る方法により得られる改質した層状複水酸化物における低含水率は、ポリマー性複合材料における改質した層状複水酸化物の加工性を向上させるだけでなく、結果として、空隙形成が少ないかまたは空隙を形成せず、向上した色安定性を有する、複合材料をもたらす。
空隙は、複合材料において非均一であるため、空隙含有複合材料の機械的特性および寿命に影響を及ぼし得る。したがって、一実施形態にて、本明細書で定義される改質した層状複水酸化物をポリマー全体に分散された状態で含む複合材料は、SEM断面撮像を行った場合、空隙を有さない。
ポリマー−LDH複合材は、望ましくない退色を受け得る。複合材料におけるより高い色安定性は、白色度(WI)の高い値および/または黄色度(YI)の低い値によって表される。したがって、一実施形態にて、本明細書で定義されるような改質した層状複水酸化物をポリマー全体に分散された状態で含む複合材料は、10を超えるWI値および/または25未満のYI値、好ましくは30を超えるWI値および/または20未満のYI値、より好ましくは40を超えるWI値および/または15未満のYI値を有する。
以下の付番されたステートメント(statement)1〜55は、請求項ではないものの、代替的に、本発明の様々な態様および実施形態を説明するものである。
1.改質した層状複水酸化物を形成する方法であって、以下のステップ:
a)層状複水酸化物を提供するステップと、
b)層状複水酸化物を110〜200℃に加熱するステップと、
c)ステップb)の熱処理された層状複水酸化物を改質剤と混合するステップであり、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して50重量%以下の溶媒の存在下において実施する、ステップと
を含む、方法。
2.上記改質剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、硫酸塩改質剤、ホスホン酸塩改質剤、フタル酸塩改質剤、およびオルガノシラン改質剤からなる群より選択される、ステートメント1に記載の方法。
3.上記改質剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、フタル酸塩改質剤、およびオルガノシラン改質剤からなる群より選択される、ステートメント1に記載の方法。
4.上記オルガノシラン改質剤が、アルコキシシランである、ステートメント2または3に記載の方法。
5.上記改質剤が、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・ドデシル硫酸ナトリウム、
・オクタデシルホスホン酸ナトリウム、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される、ステートメント4に記載の方法。
6.上記改質剤が、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・オクタデシルホスホン酸ナトリウム、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される、ステートメント4に記載の方法。
7.上記改質剤が、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される、ステートメント4に記載の方法。
8.上記改質剤が、
・ステアリン酸およびラウリン酸、
・ステアリン酸およびラウリン酸の金属塩、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される、
ステートメント4に記載の方法。
9.上記改質剤が、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸ナトリウムである、ステートメント1〜8のいずれか1つに記載の方法。
10.上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛である、ステートメント1〜9のいずれか1つに記載の方法。
11.ステップa)にて提供される上記層状複水酸化物が、式(IA):
[Mz+ 1−xM’y+ x(OH)2]a+(Xn−)m・bH2O
(IA)
[式中、
Mは、少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
M’は、Mとは異なる少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
zは、1または2であり、
yは、3または4であり、
0<x<0.9であり、
0<b≦10であり、
Xは、少なくとも1つのアニオンであり、
nは、アニオンXの電荷であり、
aは、z(1−x)+xy−2に等しく、
m≧a/nである。]
の層状複水酸化物である、ステートメント1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12.ステップa)にて提供される層状複水酸化物が、式(IB):
[Mz+ 1−xM’y+ x(OH)2]a+(Xn−)m・bH2O・c(L)
(IB)
[式中、
Mは、少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
M’は、Mとは異なる少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
zは、1または2であり、
yは、3または4であり、
0<x<0.9であり、
0<b≦10であり、
0<c≦10であり、
Xは、少なくとも1つのアニオンであり、
nは、アニオンXの電荷であり、
aは、z(1−x)+xy−2に等しく、
m≧a/nであり、
Lは、水に水素結合することができる有機溶媒である。]
の層状複水酸化物である、ステートメント1〜10のいずれか1つに記載の方法。
13.zが2の場合には、Mは、Mg、Zn、Fe、Ca、Sn、Ni、Cu、Co、Mn、もしくはCd、またはこれらの2つ以上の混合物であり、あるいはzが1の場合には、MはLiである、ステートメント11または129に記載の方法。
14.yが3の場合には、M’は、Al、Ga、Y、In、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、La、もしくはそれらの混合物であり、あるいはyが4の場合には、M’は、Sn、Ti、もしくはZr、またはそれらの混合物である、ステートメント11、12、または13に記載の方法。
15.M’がAlである、ステートメント13または14に記載の方法。
16.上記層状複水酸化物が、Zn/Al、Mg/Al、Mg,Zn/Al、Mg/Al,Sn、Ca/Al、Ni/Ti、またはCu/Al層状複水酸化物である、ステートメント1〜15のいずれか1つに記載の方法。
17.上記層状複水酸化物が、Zn/Al、Mg/Al、またはMg,Zn/Al層状複水酸化物である、ステートメント1〜16のいずれか1つに記載の方法。
18.Xが、ハロゲン化物アニオン、無機オキシアニオン、または有機アニオン(例えば、アニオン性界面活性剤、アニオン性発色団、またはアニオン性UV吸収剤)のうちの少なくとも1つから選択されるアニオンである、ステートメント11〜17のいずれか1つに記載の方法。
19.Xが、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、亜硝酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、もしくはリン酸イオン、またはそれらの2つ以上の混合物から選択される無機オキシアニオンである、ステートメント11〜17のいずれか1つに記載の方法。
20.Xが、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、もしくはホウ酸イオン、またはそれらの2つ以上の混合物から選択される無機オキシアニオンである、ステートメント11〜17のいずれか1つに記載の方法。
21.式(IB)の層状複水酸化物が、
I.水洗浄された式(IA)の湿潤沈殿物を提供するステップであって、前記沈殿物を、金属MおよびM’のカチオンを含有する水溶液と、アニオンXn−を含有する水溶液と、場合によりアンモニア放出剤を含有する水溶液とを接触させ、次いで反応混合物をエージングすることによって形成する、ステップと;
IIA.水洗浄されたステップI)の湿潤沈殿物を、式(IB)に対して定義されるような溶媒Lと接触させるステップと
を含む方法によって調製される、ステートメント12〜20のいずれか1つに記載の方法。
22.ステップb)にて、上記層状複水酸化物が130〜180℃に加熱される、ステートメント1〜21のいずれか1つに記載の方法。
23.ステップb)にて、上記層状複水酸化物が130〜160℃に加熱される、ステートメント22に記載の方法。
24.ステップc)にて、上記混合ステップが、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して10重量%以下の溶媒の存在下において実施される、ステートメント1〜23のいずれか1つに記載の方法。
25.ステップc)にて使用される改質剤の量が、上記層状複水酸化物の重量に対して1〜25重量%である、ステートメント1〜24のいずれか1つに記載の方法。
26.ステップc)にて使用される改質剤の量が、上記層状複水酸化物の重量に対して1〜15重量%である、ステートメント25に記載の方法。
27.ステップc)にて使用される改質剤の量が、上記層状複水酸化物の重量に対して1〜7重量%である、ステートメント25に記載の方法。
28.ステップc)にて、上記混合ステップが、60〜270℃で行われる、ステートメント1〜27のいずれか1つに記載の方法。
29.ステップc)にて、上記混合ステップが、60〜200℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
30.ステップc)にて、上記混合ステップが、60〜180℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
31.ステップc)にて、上記混合ステップが、130〜180℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
32.ステップc)にて、上記混合ステップが、130〜160℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
33.ステップc)にて、上記混合ステップが、60〜160℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
34.ステップc)にて、上記改質剤が、脂肪酸(例えば、マレイン酸など)であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、130〜200℃、好ましくは150〜180℃、より好ましくは170℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
35.ステップc)にて、上記改質剤が、脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸亜鉛等)であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、110〜200℃、好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜160℃、最も好ましくは150℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
36.ステップc)にて、上記改質剤が、硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウムなど)であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、190〜270℃、好ましくは210〜250℃、より好ましくは230℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
37.ステップc)にて、上記改質剤が、ホスホン酸塩(例えば、オクタデシルホスホン酸ナトリウム等)であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、160〜240℃、好ましくは180〜220℃、より好ましくは200℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
38.ステップc)にて、上記改質剤が、オルガノシラン(例えば、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン等)であり、ステップc)における上記混合ステップが、60〜140℃、好ましくは80〜130℃、より好ましくは120℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
39.ステップc)にて、上記改質剤が、テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチルから選択され、ステップc)にて、上記混合ステップが、70〜120℃、好ましくは100℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
40.ステップc)における上記混合ステップが、上記層状複水酸化物が70〜125m2/gの表面積を有する場合には、層状複水酸化物の重量に対して10〜20重量%の改質剤を使用して、層状複水酸化物が80〜100m2/gの表面積を有する場合には、好ましくは15重量%の改質剤を使用して実施される、ステートメント1に記載の方法。
41.ステップc)における上記混合ステップが、上記層状複水酸化物が10〜70m2/gの表面積を有する場合には、層状複水酸化物の重量に対して1〜10重量%の改質剤を使用して、層状複水酸化物が30〜50m2/gの表面積を有する場合には、好ましくは7重量%の改質剤を使用して実施される、ステートメント1に記載の方法。
上記層状複水酸化物が、Mg/Al、またはMg,Zn/Al層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、ならびに上記改質剤が、ステアリン酸の塩である、ステートメント1に記載の方法。
42.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸の塩である、ステートメント1に記載の方法。
43.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸の塩であり、またステップc)にて、混合ステップが、改質剤の融点より高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
44.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸の塩であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、改質剤の融点より20〜30℃高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
45.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸の塩であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、110〜200℃で行われる、ステートメント1に記載の方法。
46.上記層状複水酸化物が、Mg/Al、またはMg,Zn/Al層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛である、ステートメント1に記載の方法。
47.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛である、ステートメント1に記載の方法。
48.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、改質剤の融点より高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
49.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、改質剤の融点より20〜30℃高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
50.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、150℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、改質剤の融点より高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
51.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、130〜160℃で行われる、ステートメント1に記載の方法。
52.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、150℃で行われる、ステートメント1に記載の方法。
53.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、150℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、150℃で行われる、ステートメント1に記載の方法。
54.ステートメント1〜53のいずれか1つに記載の方法によって得ることができる改質した層状複水酸化物。
55.ポリマー全体に分散されたステートメント54に記載の改質した層状複水酸化物を含む複合材料。
1.改質した層状複水酸化物を形成する方法であって、以下のステップ:
a)層状複水酸化物を提供するステップと、
b)層状複水酸化物を110〜200℃に加熱するステップと、
c)ステップb)の熱処理された層状複水酸化物を改質剤と混合するステップであり、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して50重量%以下の溶媒の存在下において実施する、ステップと
を含む、方法。
2.上記改質剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、硫酸塩改質剤、ホスホン酸塩改質剤、フタル酸塩改質剤、およびオルガノシラン改質剤からなる群より選択される、ステートメント1に記載の方法。
3.上記改質剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、フタル酸塩改質剤、およびオルガノシラン改質剤からなる群より選択される、ステートメント1に記載の方法。
4.上記オルガノシラン改質剤が、アルコキシシランである、ステートメント2または3に記載の方法。
5.上記改質剤が、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・ドデシル硫酸ナトリウム、
・オクタデシルホスホン酸ナトリウム、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される、ステートメント4に記載の方法。
6.上記改質剤が、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・オクタデシルホスホン酸ナトリウム、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される、ステートメント4に記載の方法。
7.上記改質剤が、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
・ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される、ステートメント4に記載の方法。
8.上記改質剤が、
・ステアリン酸およびラウリン酸、
・ステアリン酸およびラウリン酸の金属塩、
・テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
・トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される、
ステートメント4に記載の方法。
9.上記改質剤が、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸ナトリウムである、ステートメント1〜8のいずれか1つに記載の方法。
10.上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛である、ステートメント1〜9のいずれか1つに記載の方法。
11.ステップa)にて提供される上記層状複水酸化物が、式(IA):
[Mz+ 1−xM’y+ x(OH)2]a+(Xn−)m・bH2O
(IA)
[式中、
Mは、少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
M’は、Mとは異なる少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
zは、1または2であり、
yは、3または4であり、
0<x<0.9であり、
0<b≦10であり、
Xは、少なくとも1つのアニオンであり、
nは、アニオンXの電荷であり、
aは、z(1−x)+xy−2に等しく、
m≧a/nである。]
の層状複水酸化物である、ステートメント1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12.ステップa)にて提供される層状複水酸化物が、式(IB):
[Mz+ 1−xM’y+ x(OH)2]a+(Xn−)m・bH2O・c(L)
(IB)
[式中、
Mは、少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
M’は、Mとは異なる少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
zは、1または2であり、
yは、3または4であり、
0<x<0.9であり、
0<b≦10であり、
0<c≦10であり、
Xは、少なくとも1つのアニオンであり、
nは、アニオンXの電荷であり、
aは、z(1−x)+xy−2に等しく、
m≧a/nであり、
Lは、水に水素結合することができる有機溶媒である。]
の層状複水酸化物である、ステートメント1〜10のいずれか1つに記載の方法。
13.zが2の場合には、Mは、Mg、Zn、Fe、Ca、Sn、Ni、Cu、Co、Mn、もしくはCd、またはこれらの2つ以上の混合物であり、あるいはzが1の場合には、MはLiである、ステートメント11または129に記載の方法。
14.yが3の場合には、M’は、Al、Ga、Y、In、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、La、もしくはそれらの混合物であり、あるいはyが4の場合には、M’は、Sn、Ti、もしくはZr、またはそれらの混合物である、ステートメント11、12、または13に記載の方法。
15.M’がAlである、ステートメント13または14に記載の方法。
16.上記層状複水酸化物が、Zn/Al、Mg/Al、Mg,Zn/Al、Mg/Al,Sn、Ca/Al、Ni/Ti、またはCu/Al層状複水酸化物である、ステートメント1〜15のいずれか1つに記載の方法。
17.上記層状複水酸化物が、Zn/Al、Mg/Al、またはMg,Zn/Al層状複水酸化物である、ステートメント1〜16のいずれか1つに記載の方法。
18.Xが、ハロゲン化物アニオン、無機オキシアニオン、または有機アニオン(例えば、アニオン性界面活性剤、アニオン性発色団、またはアニオン性UV吸収剤)のうちの少なくとも1つから選択されるアニオンである、ステートメント11〜17のいずれか1つに記載の方法。
19.Xが、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、亜硝酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、もしくはリン酸イオン、またはそれらの2つ以上の混合物から選択される無機オキシアニオンである、ステートメント11〜17のいずれか1つに記載の方法。
20.Xが、炭酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、もしくはホウ酸イオン、またはそれらの2つ以上の混合物から選択される無機オキシアニオンである、ステートメント11〜17のいずれか1つに記載の方法。
21.式(IB)の層状複水酸化物が、
I.水洗浄された式(IA)の湿潤沈殿物を提供するステップであって、前記沈殿物を、金属MおよびM’のカチオンを含有する水溶液と、アニオンXn−を含有する水溶液と、場合によりアンモニア放出剤を含有する水溶液とを接触させ、次いで反応混合物をエージングすることによって形成する、ステップと;
IIA.水洗浄されたステップI)の湿潤沈殿物を、式(IB)に対して定義されるような溶媒Lと接触させるステップと
を含む方法によって調製される、ステートメント12〜20のいずれか1つに記載の方法。
22.ステップb)にて、上記層状複水酸化物が130〜180℃に加熱される、ステートメント1〜21のいずれか1つに記載の方法。
23.ステップb)にて、上記層状複水酸化物が130〜160℃に加熱される、ステートメント22に記載の方法。
24.ステップc)にて、上記混合ステップが、層状複水酸化物および改質剤の総重量に対して10重量%以下の溶媒の存在下において実施される、ステートメント1〜23のいずれか1つに記載の方法。
25.ステップc)にて使用される改質剤の量が、上記層状複水酸化物の重量に対して1〜25重量%である、ステートメント1〜24のいずれか1つに記載の方法。
26.ステップc)にて使用される改質剤の量が、上記層状複水酸化物の重量に対して1〜15重量%である、ステートメント25に記載の方法。
27.ステップc)にて使用される改質剤の量が、上記層状複水酸化物の重量に対して1〜7重量%である、ステートメント25に記載の方法。
28.ステップc)にて、上記混合ステップが、60〜270℃で行われる、ステートメント1〜27のいずれか1つに記載の方法。
29.ステップc)にて、上記混合ステップが、60〜200℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
30.ステップc)にて、上記混合ステップが、60〜180℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
31.ステップc)にて、上記混合ステップが、130〜180℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
32.ステップc)にて、上記混合ステップが、130〜160℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
33.ステップc)にて、上記混合ステップが、60〜160℃で行われる、ステートメント28に記載の方法。
34.ステップc)にて、上記改質剤が、脂肪酸(例えば、マレイン酸など)であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、130〜200℃、好ましくは150〜180℃、より好ましくは170℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
35.ステップc)にて、上記改質剤が、脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸亜鉛等)であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、110〜200℃、好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜160℃、最も好ましくは150℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
36.ステップc)にて、上記改質剤が、硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウムなど)であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、190〜270℃、好ましくは210〜250℃、より好ましくは230℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
37.ステップc)にて、上記改質剤が、ホスホン酸塩(例えば、オクタデシルホスホン酸ナトリウム等)であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、160〜240℃、好ましくは180〜220℃、より好ましくは200℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
38.ステップc)にて、上記改質剤が、オルガノシラン(例えば、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン等)であり、ステップc)における上記混合ステップが、60〜140℃、好ましくは80〜130℃、より好ましくは120℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
39.ステップc)にて、上記改質剤が、テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチルから選択され、ステップc)にて、上記混合ステップが、70〜120℃、好ましくは100℃で実施される、ステートメント28に記載の方法。
40.ステップc)における上記混合ステップが、上記層状複水酸化物が70〜125m2/gの表面積を有する場合には、層状複水酸化物の重量に対して10〜20重量%の改質剤を使用して、層状複水酸化物が80〜100m2/gの表面積を有する場合には、好ましくは15重量%の改質剤を使用して実施される、ステートメント1に記載の方法。
41.ステップc)における上記混合ステップが、上記層状複水酸化物が10〜70m2/gの表面積を有する場合には、層状複水酸化物の重量に対して1〜10重量%の改質剤を使用して、層状複水酸化物が30〜50m2/gの表面積を有する場合には、好ましくは7重量%の改質剤を使用して実施される、ステートメント1に記載の方法。
上記層状複水酸化物が、Mg/Al、またはMg,Zn/Al層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、ならびに上記改質剤が、ステアリン酸の塩である、ステートメント1に記載の方法。
42.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸の塩である、ステートメント1に記載の方法。
43.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸の塩であり、またステップc)にて、混合ステップが、改質剤の融点より高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
44.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸の塩であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、改質剤の融点より20〜30℃高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
45.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸の塩であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、110〜200℃で行われる、ステートメント1に記載の方法。
46.上記層状複水酸化物が、Mg/Al、またはMg,Zn/Al層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛である、ステートメント1に記載の方法。
47.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛である、ステートメント1に記載の方法。
48.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、改質剤の融点より高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
49.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、ステップc)にて、上記混合ステップが、改質剤の融点より20〜30℃高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
50.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、150℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、改質剤の融点より高い温度において行われる、ステートメント1に記載の方法。
51.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、130〜160℃で行われる、ステートメント1に記載の方法。
52.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、130〜160℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、150℃で行われる、ステートメント1に記載の方法。
53.上記層状複水酸化物が、Mg3Al−CO3またはZn2MgAl−CO3層状複水酸化物であり、ステップb)にて、層状複水酸化物が、150℃に加熱され、上記改質剤が、ステアリン酸亜鉛であり、またステップc)にて、上記混合ステップが、150℃で行われる、ステートメント1に記載の方法。
54.ステートメント1〜53のいずれか1つに記載の方法によって得ることができる改質した層状複水酸化物。
55.ポリマー全体に分散されたステートメント54に記載の改質した層状複水酸化物を含む複合材料。
以下において、単なる例示目的のために、添付の図を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
下記の実施例および表において使用される略語は、以下の意味を有する。
Mg3Al−CO3:[Mg0.75Al0.25(OH)2][CO3]0.125・bH2O
Zn2MgAl−CO3:[(Mg0.33Zn0.66)0.75Al0.25(OH)2][CO3]0.125・bH2O
Zn2Al−NO3:[Zn0.66Al0.33(OH)2][NO3]0.31・bH2O
Zn2Al−PO4:[Zn0.66Al0.33(OH)2][PO4]0.10・bH2O
Zn2Al−BO3:[Zn0.66Al0.33(OH)2][BO3]0.31・bH2O
Mg3Al−CO3:[Mg0.75Al0.25(OH)2][CO3]0.125・bH2O
Zn2MgAl−CO3:[(Mg0.33Zn0.66)0.75Al0.25(OH)2][CO3]0.125・bH2O
Zn2Al−NO3:[Zn0.66Al0.33(OH)2][NO3]0.31・bH2O
Zn2Al−PO4:[Zn0.66Al0.33(OH)2][PO4]0.10・bH2O
Zn2Al−BO3:[Zn0.66Al0.33(OH)2][BO3]0.31・bH2O
<パートI>
[実施例1]
[LDH(Mg3Al−CO3)の調製]
(方法1.1)
Mg(NO3)2・6H2O(11.535kg)およびAl(NO3)3・9H2O(5.624kg)を、42Lの脱イオン水に溶解させた(溶液A)。42Lの脱イオン水に溶解させたNa2CO3(3.18kg)およびNaOH(3.84kg)を含有する第2の溶液を作製した(溶液B)。溶液AおよびBを、2,900rpmの速度の混合機によって一緒に加え、40rpmの撹拌速度で撹拌しているエージングタンクに移し、100℃で4時間撹拌した。pHは10に制御した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを、フィルタープレス技術によってろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であり、110℃で18時間にわたって真空オーブンで乾燥させ、粉末へと粉砕した。
[実施例1]
[LDH(Mg3Al−CO3)の調製]
(方法1.1)
Mg(NO3)2・6H2O(11.535kg)およびAl(NO3)3・9H2O(5.624kg)を、42Lの脱イオン水に溶解させた(溶液A)。42Lの脱イオン水に溶解させたNa2CO3(3.18kg)およびNaOH(3.84kg)を含有する第2の溶液を作製した(溶液B)。溶液AおよびBを、2,900rpmの速度の混合機によって一緒に加え、40rpmの撹拌速度で撹拌しているエージングタンクに移し、100℃で4時間撹拌した。pHは10に制御した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを、フィルタープレス技術によってろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であり、110℃で18時間にわたって真空オーブンで乾燥させ、粉末へと粉砕した。
(方法1.2)
Mg(NO3)2・6H2O(4.904kg)およびAl(NO3)3・9H2O(2.391kg)を8.5Lの脱イオン水に溶解させて、金属前駆体溶液を調製した。金属前駆体溶液を、室温で、800rpmの撹拌速度において、645ml/分の滴下速度で8.5Lの1.5MのNa2CO3溶液に滴加した。系を、12MのNaOH溶液を使用することによって一定のpH10に維持した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを真空ろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であった。次いで、固体を、真空オーブンにおいて、110℃で18時間乾燥させて、粉末へと粉砕した。
Mg(NO3)2・6H2O(4.904kg)およびAl(NO3)3・9H2O(2.391kg)を8.5Lの脱イオン水に溶解させて、金属前駆体溶液を調製した。金属前駆体溶液を、室温で、800rpmの撹拌速度において、645ml/分の滴下速度で8.5Lの1.5MのNa2CO3溶液に滴加した。系を、12MのNaOH溶液を使用することによって一定のpH10に維持した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを真空ろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であった。次いで、固体を、真空オーブンにおいて、110℃で18時間乾燥させて、粉末へと粉砕した。
[実施例2]
[LDH(Zn2MgAl−CO3)の調製]
(方法2.1)
Zn(NO3)2・6H2O(8.919kg)、Mg(NO3)2・6H2O(3.845kg)、およびAl(NO3)3・9H2O(5.624kg)を、42Lの脱イオン水に溶解させた(溶液A)。42Lの脱イオン水に溶解させたNa2CO3(3.18kg)およびNaOH(3.84kg)を含有する第2の溶液を作製した(溶液B)。溶液AおよびBを、2,900rpmの速度の混合機によって一緒に加え、40rpmの撹拌速度で撹拌しているエージングタンクに移し、100℃で4時間撹拌した。pHを10に制御した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを、フィルタープレス技術によってろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であり、110℃で18時間にわたって真空オーブンで乾燥させ、粉末へと粉砕した。
[LDH(Zn2MgAl−CO3)の調製]
(方法2.1)
Zn(NO3)2・6H2O(8.919kg)、Mg(NO3)2・6H2O(3.845kg)、およびAl(NO3)3・9H2O(5.624kg)を、42Lの脱イオン水に溶解させた(溶液A)。42Lの脱イオン水に溶解させたNa2CO3(3.18kg)およびNaOH(3.84kg)を含有する第2の溶液を作製した(溶液B)。溶液AおよびBを、2,900rpmの速度の混合機によって一緒に加え、40rpmの撹拌速度で撹拌しているエージングタンクに移し、100℃で4時間撹拌した。pHを10に制御した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを、フィルタープレス技術によってろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であり、110℃で18時間にわたって真空オーブンで乾燥させ、粉末へと粉砕した。
(方法2.2)
Zn(NO3)2・6H2O(3.793kg)、Mg(NO3)2・6H2O(1.635kg)、およびAl(NO3)3・9H2O(2.391kg)を8.5Lの脱イオン水に溶解させて、金属前駆体溶液を調製した。金属前駆体溶液を、室温で、800rpmの撹拌速度において、645ml/分の滴下速度で8.5Lの1.5MのNa2CO3溶液に滴加した。系を、12MのNaOH溶液を使用することによって一定のpH10に維持した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを真空ろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、洗浄液のpHは7であった。次いで、固体を、真空オーブンにおいて、110℃で18時間乾燥させて、粉末へと粉砕した。
Zn(NO3)2・6H2O(3.793kg)、Mg(NO3)2・6H2O(1.635kg)、およびAl(NO3)3・9H2O(2.391kg)を8.5Lの脱イオン水に溶解させて、金属前駆体溶液を調製した。金属前駆体溶液を、室温で、800rpmの撹拌速度において、645ml/分の滴下速度で8.5Lの1.5MのNa2CO3溶液に滴加した。系を、12MのNaOH溶液を使用することによって一定のpH10に維持した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを真空ろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、洗浄液のpHは7であった。次いで、固体を、真空オーブンにおいて、110℃で18時間乾燥させて、粉末へと粉砕した。
[実施例3]
[AMO−LDHの調製]
ろ過ケークの水洗浄の後かつ真空オーブン乾燥の前に、水湿潤LDHを、40rpmの撹拌速度で1時間エタノールに再分散させ、次いで、真空ろ過技術によってろ過したことを除いて、実施例1または実施例2に記載の方法に従ってLDHを調製した。
[AMO−LDHの調製]
ろ過ケークの水洗浄の後かつ真空オーブン乾燥の前に、水湿潤LDHを、40rpmの撹拌速度で1時間エタノールに再分散させ、次いで、真空ろ過技術によってろ過したことを除いて、実施例1または実施例2に記載の方法に従ってLDHを調製した。
[実施例4]
[ステアリン酸亜鉛/ステアリン酸によるLDH/AMO−LDHの改質]
[実施例4.1−ステアリン酸亜鉛]
実施例1〜3に記載の方法に従って調製したLDHまたはAMO−LDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、600rpmの混合速度において150℃の温度で30分間、ステアリン酸亜鉛(量については、表1を参照されたい)と混合することにより、改質LDHを得た。
[ステアリン酸亜鉛/ステアリン酸によるLDH/AMO−LDHの改質]
[実施例4.1−ステアリン酸亜鉛]
実施例1〜3に記載の方法に従って調製したLDHまたはAMO−LDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、600rpmの混合速度において150℃の温度で30分間、ステアリン酸亜鉛(量については、表1を参照されたい)と混合することにより、改質LDHを得た。
[実施例4.2−ステアリン酸]
実施例1〜3に記載の方法に従って調製したLDHまたはAMO−LDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、600rpmの混合速度において100℃の温度で30分間、ステアリン酸(量については、表1を参照されたい)と混合することにより、改質LDHを得た。
実施例1〜3に記載の方法に従って調製したLDHまたはAMO−LDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、600rpmの混合速度において100℃の温度で30分間、ステアリン酸(量については、表1を参照されたい)と混合することにより、改質LDHを得た。
[実施例5]
[フタル酸塩改質剤によるLDH/AMO−LDHの改質]
実施例1〜3に記載の方法に従って調製したLDHまたはAMO−LDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、テレフタル酸ジオクチルDOTP、フタル酸ジイソデシルDIDP、フタル酸ジイソノニルDINP、フタル酸ジオクチルDOP、またはフタル酸ジブチルDBP(7w/w%の配合量:LDH粉末100gあたり7gの改質剤に対する当量)のいずれかと、600rpmの混合速度および100℃の温度において30分間混合することにより、改質LDHを得た。
[フタル酸塩改質剤によるLDH/AMO−LDHの改質]
実施例1〜3に記載の方法に従って調製したLDHまたはAMO−LDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、テレフタル酸ジオクチルDOTP、フタル酸ジイソデシルDIDP、フタル酸ジイソノニルDINP、フタル酸ジオクチルDOP、またはフタル酸ジブチルDBP(7w/w%の配合量:LDH粉末100gあたり7gの改質剤に対する当量)のいずれかと、600rpmの混合速度および100℃の温度において30分間混合することにより、改質LDHを得た。
[LDH/AMO−LDH改質のスケールアップ]
丸底フラスコにおいて、5〜15gのスケールで実施例4および5に従って改質を実施した。Zn2MgAl−CO3のステアリン酸亜鉛改質を、(i)1kgスケールにおいて、800rpmの速度で、150℃で30分間、密閉式ミキサーを使用して、ならびに(ii)5〜10kgスケールにおいて、1200rpmの速度で、150℃で30分間、ラボ粉体ミキサーにおいて、繰り返した。
丸底フラスコにおいて、5〜15gのスケールで実施例4および5に従って改質を実施した。Zn2MgAl−CO3のステアリン酸亜鉛改質を、(i)1kgスケールにおいて、800rpmの速度で、150℃で30分間、密閉式ミキサーを使用して、ならびに(ii)5〜10kgスケールにおいて、1200rpmの速度で、150℃で30分間、ラボ粉体ミキサーにおいて、繰り返した。
[改質LDHの特性決定]
[密度測定]
全ての過剰な水分を除去するために試料を110℃で少なくとも3時間加熱し、密度測定まで、デシケーターにおいて貯蔵した。試料を、予め秤量した100mlのメスシリンダに100mlの体積まで加え、次いで、シリンダー+試料の質量を秤量した。シリンダーの質量を差し引くことによって、試料の質量を決定した。嵩密度(g/ml)を以下のように計算した:
嵩密度=試料の質量(g)/100(ml)
[密度測定]
全ての過剰な水分を除去するために試料を110℃で少なくとも3時間加熱し、密度測定まで、デシケーターにおいて貯蔵した。試料を、予め秤量した100mlのメスシリンダに100mlの体積まで加え、次いで、シリンダー+試料の質量を秤量した。シリンダーの質量を差し引くことによって、試料の質量を決定した。嵩密度(g/ml)を以下のように計算した:
嵩密度=試料の質量(g)/100(ml)
試料の入ったメスシリンダを、AutoTap機(Quantachrome、モデルAT−6−220−50)にセットし、タッピングを行って体積を減らした。タップ密度(g/ml)を以下のように計算した:
タップ密度=試料の質量(g)/タッピング後の試料の体積(ml)
タップ密度=試料の質量(g)/タッピング後の試料の体積(ml)
[吸湿能力]
予め秤量した試料を、20℃で60%(+/−5%)の相対湿度に曝露した。曝露時間T後の試料の重量変化の百分率を以下のように計算した:
重量変化%=(曝露(T分)後の重量−曝露前の重量)×100
予め秤量した試料を、20℃で60%(+/−5%)の相対湿度に曝露した。曝露時間T後の試料の重量変化の百分率を以下のように計算した:
重量変化%=(曝露(T分)後の重量−曝露前の重量)×100
[疎水性]
(方法A:水/油相容性)
試料を、200mlの水/20mlの1−ヘキセンによる混合物に加えた。図6は、例示的な水/油相容性試験を示している。1−ヘキセンにおけるLDH試料の相容性を目視によって評価したところ、油相での良好な相容性は、その相中に支配的に存在する試料に関連し、不良な相容性は、水相中に支配的に存在する試料に関連した。
(方法A:水/油相容性)
試料を、200mlの水/20mlの1−ヘキセンによる混合物に加えた。図6は、例示的な水/油相容性試験を示している。1−ヘキセンにおけるLDH試料の相容性を目視によって評価したところ、油相での良好な相容性は、その相中に支配的に存在する試料に関連し、不良な相容性は、水相中に支配的に存在する試料に関連した。
(方法B:接触角測定)
2cm直径の平坦なペレットにLDH試料を調製した。テフロンタイプの注射器によって水滴(10μl)を射出し、LDHペレットの表面上に滴下した。ペレット表面における水滴の接触角をContact Angle Meter DM−701(FAMAS)によって測定した。3回測定を行い、3回の測定の平均を取った。
2cm直径の平坦なペレットにLDH試料を調製した。テフロンタイプの注射器によって水滴(10μl)を射出し、LDHペレットの表面上に滴下した。ペレット表面における水滴の接触角をContact Angle Meter DM−701(FAMAS)によって測定した。3回測定を行い、3回の測定の平均を取った。
所定のLDHに対して、表2のデータは、表面改質が、嵩密度およびタップ密度を増加させ、表面積を減少させ、ならびに油相の相容性(oil phase compatibility)の向上および平均接触角の増加によって分かるように疎水性を増加させることが、概して分かったことを示している。
図2に、180分間測定した場合の、実施例14(Zn2MgAl−CO3、0%のステアリン酸Zn)、17(Zn2MgAl−CO3、7%のステアリン酸Zn)、18(Zn2MgAl−CO3、10%のステアリン酸Zn)、および19(Zn2MgAl−CO3、15%のステアリン酸Zn)の、60%RH、25℃における吸湿能力を示す。ステアリン酸亜鉛の配合量を増加させると、吸湿能力は、未改質LDHの8%から、15%の配合量のステアリン酸亜鉛によって改質したLDHの0.5%まで減少される。
図3に、周囲温度から800℃まで加熱した場合の、実施例14(Zn2MgAl−CO3、0%のステアリン酸Zn)、16(Zn2MgAl−CO3、5%のステアリン酸Zn)、17(Zn2MgAl−CO3、7%のステアリン酸Zn)、18(Zn2MgAl−CO3、10%のステアリン酸Zn)、および19(Zn2MgAl−CO3、15%のステアリン酸Zn)における、重ね合わせたDTA走査を示す。DTA分析の前に、試料を、25℃で3時間、60%RHに曝露した。ステアリン酸亜鉛の配合量を増加させるに従って、試料中の水分量(外層および内層の水)は減少する。試料中のステアリン酸亜鉛の配合量の増加に伴って、400〜500℃の範囲におけるステアリン酸分解の増加が認められ、これは、改質剤が、LDH中に首尾よく組み入れられていることを示している。
図4に、180分間測定した場合の、実施例6(Zn2MgAl−CO3、0%のステアリン酸Zn)および7(Zn2MgAl−CO3、7%のステアリン酸Zn)における、60%RH、25℃での吸湿能力を示す。ステアリン酸亜鉛改質は、吸湿を6%から約2%へと減少させる。
図5に、様々なステアリン酸亜鉛改質Zn2MgAl−CO3試料を180分間測定した場合の、60%RH、25℃での吸湿能力を示す。150℃で改質剤コーティングステップを実施することによって調製された試料(実施例17および18)は、110℃で改質剤コーティングステップを実施することにより調製された類似試料と比較して、吸水能力が減少した。
図6に、未改質AMO−Zn2MgAl−CO3(実施例14)と、ステアリン酸で改質した試料(実施例20〜22)およびステアリン酸亜鉛で改質した試料(実施例15〜18)の、水と1−ヘキセンとの間の分配を示す。未改質LDHは、水相に支配的に分散され、その一方で、改質後では、試料は、1−ヘキセン相中へ分配される、はるかに高い傾向を示した。同じ配合量の場合、ステアリン酸亜鉛は、ステアリン酸よりも良好に機能した(例えば、実施例20−3%のステアリン酸と比較した場合の、実施例15−3%のステアリン酸亜鉛)。
図7に、未改質Zn2MgAl−CO3(実施例6)と、7%のステアリン酸亜鉛で改質したZn2MgAl−CO3(実施例7)との、重ね合わせたXRDプロットを示す。XRDパターンは、実質的に同じであり、このことは、改質剤が、LDH表面上に見出されるが、LDH構造内には挿入されていないことを示している。
[PVC複合材の調製]
100重量部のPVC樹脂、4重量部の三塩基性硫酸鉛塩、20重量部の1,2−ベンゼンジカルボン酸ジイソデシルエステル、10重量部のトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、5重量部の塩素化パラフィンオイル、5重量部のエポキシ化大豆油、50重量部のCaCO3、0.2重量部のエポキシ化PEワックス、3重量部の三酸化アンチモン、2重量部の二酸化ケイ素、1重量部のアクリル性加工助剤、および調製されたLDH実施例(LDH量については、樹脂100部に対する部数(phr)で表現された表3を参照されたく、例えば、7phr=PVC樹脂100重量部に対して7重量部のLDHである)を、ホットメルトミキサーのHAAKE(商標) PolyLab(商標)OSシステムHAAKEモデルにおいて、60rpmの混合速度下にて、180℃で3分間混合することによって、PVC複合材料を調製した。
100重量部のPVC樹脂、4重量部の三塩基性硫酸鉛塩、20重量部の1,2−ベンゼンジカルボン酸ジイソデシルエステル、10重量部のトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、5重量部の塩素化パラフィンオイル、5重量部のエポキシ化大豆油、50重量部のCaCO3、0.2重量部のエポキシ化PEワックス、3重量部の三酸化アンチモン、2重量部の二酸化ケイ素、1重量部のアクリル性加工助剤、および調製されたLDH実施例(LDH量については、樹脂100部に対する部数(phr)で表現された表3を参照されたく、例えば、7phr=PVC樹脂100重量部に対して7重量部のLDHである)を、ホットメルトミキサーのHAAKE(商標) PolyLab(商標)OSシステムHAAKEモデルにおいて、60rpmの混合速度下にて、180℃で3分間混合することによって、PVC複合材料を調製した。
[PVC複合材の特性決定]
[色安定性]
調製したPVC複合材の色安定性を、押出し加工後に分光測定器CM−3600A(コニカミノルタ株式会社)によって評価した。分光測定器による白色度(WI)および黄色度(YI)の測定のために、PVC複合材を均一な厚さ(およそ3mm)の11×11cm2の正方形プラークへと圧縮成形した。
[色安定性]
調製したPVC複合材の色安定性を、押出し加工後に分光測定器CM−3600A(コニカミノルタ株式会社)によって評価した。分光測定器による白色度(WI)および黄色度(YI)の測定のために、PVC複合材を均一な厚さ(およそ3mm)の11×11cm2の正方形プラークへと圧縮成形した。
[空隙]
調製したPVC複合材の空隙は、押出し加工されたストランドとして形成された3mm断面のPVC複合材試料における空隙の数を、走査電子顕微鏡(SEM)撮像を使用して評価することによって査定した。10mmの作動距離および、500μmの解像度を提供する10kVでの×30の倍率において、1〜20keVの加速電圧容量により、試料を走査した。
調製したPVC複合材の空隙は、押出し加工されたストランドとして形成された3mm断面のPVC複合材試料における空隙の数を、走査電子顕微鏡(SEM)撮像を使用して評価することによって査定した。10mmの作動距離および、500μmの解像度を提供する10kVでの×30の倍率において、1〜20keVの加速電圧容量により、試料を走査した。
以下の評価基準に従って、空隙の数を得点付けした。
0=空隙なし
1=5未満の空隙および平滑な表面
2=5〜10の空隙および平滑な表面
3=10〜20の空隙および平滑な表面
4=10〜20の空隙および粗い表面
5=20を超える空隙および粗い表面
0=空隙なし
1=5未満の空隙および平滑な表面
2=5〜10の空隙および平滑な表面
3=10〜20の空隙および平滑な表面
4=10〜20の空隙および粗い表面
5=20を超える空隙および粗い表面
[機械的特性]
IEC60811−1−1規格に従って、PVC複合材の引張強度および破断点伸びを試験した。
IEC60811−1−1規格に従って、PVC複合材の引張強度および破断点伸びを試験した。
調製したPVC複合材料の特性を表3にまとめる。本発明に従って調製した改質LDHを含む複合材は、未改質LDHを含む匹敵する複合材と比較して、より高い色安定性(WIの高い値およびYIの低い値)およびより低い空隙を提供する。
<パートII>
[実施例69]
[LDH(Zn2Al−NO3)の調製]
Zn(NO3)2・6H2O(11.141kg)およびAl(NO3)3・9H2O(7.035kg)を42Lの脱イオン水に溶解させた(溶液A)。42Lの脱イオン水に溶解させたNa2NO3(11.921kg)およびNaOH(3.38kg)を含有する第2の溶液を作製した(溶液B)。溶液AおよびBを、2,900rpmの速度の混合機によって一緒に加え、40rpmの撹拌速度で撹拌しているエージングタンクに移し、100℃で4時間撹拌した。pHを10に制御した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを、フィルタープレス技術によってろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であり、110℃で18時間にわたって真空オーブンで乾燥させ、粉末へと粉砕した。
[実施例69]
[LDH(Zn2Al−NO3)の調製]
Zn(NO3)2・6H2O(11.141kg)およびAl(NO3)3・9H2O(7.035kg)を42Lの脱イオン水に溶解させた(溶液A)。42Lの脱イオン水に溶解させたNa2NO3(11.921kg)およびNaOH(3.38kg)を含有する第2の溶液を作製した(溶液B)。溶液AおよびBを、2,900rpmの速度の混合機によって一緒に加え、40rpmの撹拌速度で撹拌しているエージングタンクに移し、100℃で4時間撹拌した。pHを10に制御した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを、フィルタープレス技術によってろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であり、110℃で18時間にわたって真空オーブンで乾燥させ、粉末へと粉砕した。
[実施例70]
[LDH(Zn2Al−PO4)の調製]
商業的供給元からZn2Al−PO4を入手した。
[LDH(Zn2Al−PO4)の調製]
商業的供給元からZn2Al−PO4を入手した。
[実施例71]
[LDH(Zn2Al−BO3)の調製]
Zn(NO3)2・6H2O(5.942kg)およびAl(NO3)3・9H2O(3.752kg)を40Lの脱イオン水に溶解させた(溶液A)。57Lの脱イオン水に溶解させたホウ酸(4.55kg)およびNaOH(3.29kg)を含有する第2の溶液を作製した(溶液B)。溶液AおよびBを、2,900rpmの速度の混合機によって一緒に加え、40rpmの撹拌速度で撹拌しているエージングタンクに移し、100℃で4時間撹拌した。pHを9に制御した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを、フィルタープレス技術によってろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であり、110℃で18時間にわたって真空オーブンで乾燥させ、粉末へと粉砕した。
[LDH(Zn2Al−BO3)の調製]
Zn(NO3)2・6H2O(5.942kg)およびAl(NO3)3・9H2O(3.752kg)を40Lの脱イオン水に溶解させた(溶液A)。57Lの脱イオン水に溶解させたホウ酸(4.55kg)およびNaOH(3.29kg)を含有する第2の溶液を作製した(溶液B)。溶液AおよびBを、2,900rpmの速度の混合機によって一緒に加え、40rpmの撹拌速度で撹拌しているエージングタンクに移し、100℃で4時間撹拌した。pHを9に制御した。4時間のエージング後、結果として得られるスラリーを、フィルタープレス技術によってろ過し、ろ過ケークを脱イオン水で洗浄し、この時、洗浄液のpHは7であり、110℃で18時間にわたって真空オーブンで乾燥させ、粉末へと粉砕した。
[実施例72]
[ステアリン酸/ラウリン酸によるLDHの改質]
(ステアリン酸)
実施例2(方法2.1)または実施例71に記載の方法に従って調製したLDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、物理的混合技術により機械的力によって、ステアリン酸と混合した(量については、表4を参照されたい)。次いで、混合粉末を丸底フラスコに移し、700rpmの速度および100℃の温度において30分間混合して、改質LDHを得た。
[ステアリン酸/ラウリン酸によるLDHの改質]
(ステアリン酸)
実施例2(方法2.1)または実施例71に記載の方法に従って調製したLDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、物理的混合技術により機械的力によって、ステアリン酸と混合した(量については、表4を参照されたい)。次いで、混合粉末を丸底フラスコに移し、700rpmの速度および100℃の温度において30分間混合して、改質LDHを得た。
(ラウリン酸)
実施例2(方法2.1)または実施例71に記載の方法に従って調製したLDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、物理的混合技術により機械的力によって、ラウリン酸と混合した(量については、表4を参照されたい)。次いで、混合粉末を丸底フラスコに移し、700rpmの速度および70℃の温度において30分間混合して、改質LDHを得た。
実施例2(方法2.1)または実施例71に記載の方法に従って調製したLDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、物理的混合技術により機械的力によって、ラウリン酸と混合した(量については、表4を参照されたい)。次いで、混合粉末を丸底フラスコに移し、700rpmの速度および70℃の温度において30分間混合して、改質LDHを得た。
[実施例73]
[シランによるLDHの改質]
(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)
実施例2(方法2.1)に記載の方法に従って調製したLDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、物理的混合技術により機械的力によって、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランと混合した(量については、表4を参照されたい)。次いで、混合粉末を丸底フラスコに移し、700rpmの速度および60℃の温度において30分間混合して、改質LDHを得た。
[シランによるLDHの改質]
(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)
実施例2(方法2.1)に記載の方法に従って調製したLDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、物理的混合技術により機械的力によって、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランと混合した(量については、表4を参照されたい)。次いで、混合粉末を丸底フラスコに移し、700rpmの速度および60℃の温度において30分間混合して、改質LDHを得た。
(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)
実施例2(方法2.1)に記載の方法に従って調製したLDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、物理的混合技術により機械的力によって、3−アミノプロピルトリメトキシシランと混合した(量については、表4を参照されたい)。次いで、混合粉末を丸底フラスコに移し、700rpmの速度および60℃の温度において30分間混合して、改質LDHを得た。
実施例2(方法2.1)に記載の方法に従って調製したLDHを、150℃で4時間加熱し、次いで、物理的混合技術により機械的力によって、3−アミノプロピルトリメトキシシランと混合した(量については、表4を参照されたい)。次いで、混合粉末を丸底フラスコに移し、700rpmの速度および60℃の温度において30分間混合して、改質LDHを得た。
[改質LDHの特性決定]
[密度測定]
全ての過剰な水分を除去するために試料を110℃で少なくとも3時間加熱し、密度測定まで、デシケーターにおいて貯蔵した。試料を、予め秤量した100mlのメスシリンダに100mlの体積まで加え、次いで、シリンダー+試料の質量を秤量した。シリンダーの質量を差し引くことによって、試料の質量を決定した。嵩密度(g/ml)を以下のように計算した。
嵩密度=試料の質量(g)/100(ml)
[密度測定]
全ての過剰な水分を除去するために試料を110℃で少なくとも3時間加熱し、密度測定まで、デシケーターにおいて貯蔵した。試料を、予め秤量した100mlのメスシリンダに100mlの体積まで加え、次いで、シリンダー+試料の質量を秤量した。シリンダーの質量を差し引くことによって、試料の質量を決定した。嵩密度(g/ml)を以下のように計算した。
嵩密度=試料の質量(g)/100(ml)
試料の入ったメスシリンダを、AutoTap機(Quantachrome、モデルAT−6−220−50)にセットし、タッピングを行って体積を減らした。タップ密度(g/ml)を以下のように計算した。
タップ密度=試料の質量(g)/タッピング後の試料の体積(ml)
タップ密度=試料の質量(g)/タッピング後の試料の体積(ml)
[吸湿能力]
予め秤量した試料を、20℃で60%(+/−5%)の相対湿度に曝露した。曝露時間T後の試料の重量変化の百分率を以下のように計算した、
重量変化%=(曝露(T分)後の重量−曝露前の重量)×100
予め秤量した試料を、20℃で60%(+/−5%)の相対湿度に曝露した。曝露時間T後の試料の重量変化の百分率を以下のように計算した、
重量変化%=(曝露(T分)後の重量−曝露前の重量)×100
[疎水性]
(方法A:水/油相容性)
試料を、200mlの水/20mlの1−ヘキセンによる混合物に加えた。図6に、例示的な水/油相容性試験を示す。1−ヘキセンにおけるLDH試料の相容性を目視によって評価したところ、油相での良好な相容性は、その相中に支配的に存在する試料に関連し、不良な相容性は、水相中に支配的に存在する試料に関連した。
(方法B:接触角測定)
2cm直径の平坦なペレットにLDH試料を調製した。テフロンタイプの注射器によって水滴(10μl)を射出し、LDHペレットの表面上に滴下した。ペレット表面における水滴の接触角をContact Angle Meter DM−701(FAMAS)によって測定した。3回測定を行い、3回の測定の平均を取った。
(方法A:水/油相容性)
試料を、200mlの水/20mlの1−ヘキセンによる混合物に加えた。図6に、例示的な水/油相容性試験を示す。1−ヘキセンにおけるLDH試料の相容性を目視によって評価したところ、油相での良好な相容性は、その相中に支配的に存在する試料に関連し、不良な相容性は、水相中に支配的に存在する試料に関連した。
(方法B:接触角測定)
2cm直径の平坦なペレットにLDH試料を調製した。テフロンタイプの注射器によって水滴(10μl)を射出し、LDHペレットの表面上に滴下した。ペレット表面における水滴の接触角をContact Angle Meter DM−701(FAMAS)によって測定した。3回測定を行い、3回の測定の平均を取った。
表5は、LDH改質プロセスが、疎水性、嵩密度、および/またはタップ密度を増加させることを示している。
[粒径]
下記表6に示すように、本発明に係る改質LDH(実施例82、86、および87)の粒度分布D10、D50、D90は、押出加工技術によって加工されるポリマー配合における添加剤としての使用にとって(すなわち、良好な分散および平滑な表面を実現するために)、許容可能な範囲であり(D10=0.5〜1マイクロメートル/D50=1〜3マイクロメートル/D90=2.5〜6マイクロメートル)、ならびに、未改質LDH(実施例81および85)の同様である。したがって、LDH改質プロセスは、凝集体の形成を引き起こさない。
下記表6に示すように、本発明に係る改質LDH(実施例82、86、および87)の粒度分布D10、D50、D90は、押出加工技術によって加工されるポリマー配合における添加剤としての使用にとって(すなわち、良好な分散および平滑な表面を実現するために)、許容可能な範囲であり(D10=0.5〜1マイクロメートル/D50=1〜3マイクロメートル/D90=2.5〜6マイクロメートル)、ならびに、未改質LDH(実施例81および85)の同様である。したがって、LDH改質プロセスは、凝集体の形成を引き起こさない。
Claims (15)
- 改質した層状複水酸化物を形成する方法であって、以下のステップ:
a)層状複水酸化物を提供するステップと、
b)前記層状複水酸化物を110〜200℃に加熱するステップと、
c)ステップb)で熱処理された層状複水酸化物を改質剤と混合するステップであって、前記層状複水酸化物および前記改質剤の総重量に対して50重量%以下の溶媒の存在下にて実施する、ステップと
を含む、方法。 - 前記改質剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、硫酸塩改質剤、ホスホン酸塩改質剤、フタル酸塩改質剤、およびオルガノシラン改質剤からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記改質剤が、
ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸、
ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、マレイン酸、およびオレイン酸の金属塩、
ドデシル硫酸ナトリウム、
オクタデシルホスホン酸ナトリウム、
テレフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ジブチル、ならびに
トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシオクチルシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、および(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。 - 前記改質剤が、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸ナトリウムである、請求項3に記載の方法。
- 前記改質剤が、ステアリン酸亜鉛である、請求項4に記載の方法。
- ステップa)にて提供される前記層状複水酸化物が、式(IB):
[Mz+ 1−xM’y+ x(OH)2]a+(Xn−)m・bH2O・c(L)
(IB)
[式中、
Mは、少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
M’は、Mとは異なる少なくとも1つの荷電金属カチオンであり、
zは、1または2であり、
yは、3または4であり、
0<x<0.9であり、
0<b≦10であり、
0<c≦10であり、
Xは、少なくとも1つのアニオンであり、
nは、アニオンXの電荷であり、
aは、z(1−x)+xy−2に等しく、
m≧a/nであり、
Lは、水に水素結合することができる有機溶媒である。]
の層状複水酸化物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 - 前記層状複水酸化物が、Zn/Al、Mg/Al、Mg,Zn/Al、Mg/A,Sn、Ca/Al、Ni/Ti、またはCu/Al層状複水酸化物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- Xが、ハロゲン化物アニオン、無機オキシアニオン、または有機アニオン(例えば、アニオン性界面活性剤、アニオン性発色団、またはアニオン性UV吸収剤)のうちの少なくとも1つから選択されるアニオンである、請求項6または7に記載の方法。
- 前記無機オキシアニオンが、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、亜硝酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、もしくはリン酸イオン、またはそれらの2つ以上の混合物から選択される、請求項8に記載の方法。
- ステップb)にて、前記層状複水酸化物が130〜180℃に加熱される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- ステップc)にて、前記混合ステップが、前記層状複水酸化物および前記改質剤の総重量に対して10重量%以下の溶媒の存在下にて実施される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- ステップc)にて使用される前記改質剤の量が、前記層状複水酸化物の重量に対して1〜25重量%である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- ステップc)にて、前記混合ステップが60〜270℃で行われる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる改質した層状複水酸化物。
- ポリマー全体に分散された請求項14に記載の改質した層状複水酸化物を含む複合材料。
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