JPH0345012B2 - - Google Patents

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JPH0345012B2
JPH0345012B2 JP30643989A JP30643989A JPH0345012B2 JP H0345012 B2 JPH0345012 B2 JP H0345012B2 JP 30643989 A JP30643989 A JP 30643989A JP 30643989 A JP30643989 A JP 30643989A JP H0345012 B2 JPH0345012 B2 JP H0345012B2
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Japan
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magnesium hydroxide
magnesium
strain
present
ray diffraction
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JP30643989A
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Shigeo Myata
Masataka Kuroda
Akira Okada
Yoshifumi Okazaki
Mitsuo Takasu
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Kagaku Kogyo KK
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な構造を有する塩基性塩化−もし
くは塩基性硝酸−マグネシウムに関する。 本発明は従来公知の水酸化マグネシウムMg
(OH)2とは異なるX線回折構造を有し、例えば、
熱可塑性合成樹脂配合用難燃剤、水性塗料用難燃
剤、ケイ素鋼用焼鈍分離剤用酸化マグネシウムの
前駆物などの用途に、従来公知の水酸化マグネシ
ウムに比して著るしく優れた作用効果を示す新規
構造を有する水酸化マグネシウム製造用の中間体
として使用することができる新規な塩基性塩化−
もしくは塩基性硝酸−マグネシウムに関する。 更に詳しくは、本発明は、下記式 Mg(OH)2 で表わされ且つX線回折法における<100>方向
の歪が3.0×10-3以下で、該<100>方向の結晶粒
子径が800Åを超え、好ましくはBET法比表面積
が20m2/g未満、である水酸化マグネシウムを製
造するための中間体として使用することができる
塩基性塩化−もしくは塩基性硝酸−マグネシウム
(以下単に塩基性塩化−もしくは硝酸−マグネシ
ウムという)に関する。 水酸化マグネシウムは古くから知られており、
広い利用分野で使用されている。例えば、熱可塑
性合成樹脂に配合して該樹脂に難燃性を賦与する
のにも利用される。そして、利用し得る難燃効果
を賦与し得る量で熱可塑性合成樹脂に配合する
と、該樹脂の物理的性質とくに耐衝撃性や伸びの
悪化を伴い、且つまたこの組成物から成形品を成
形する際の樹脂流れを低下せしめて成形適性を悪
くし且つ成形能率を低下させる。更に又、得られ
る成形品にフラツシユ模様を生じて成形品外観を
悪くするなどの不都合がある。 本発明者等は、上述の如き不利益乃至欠陥の生
ずる原因について研究を進めた。その結果、この
ような不利益乃至欠陥は、水酸化マグネシウムが
本来有するその構造的特徴に由来するものである
ことを発見した。とくに、水酸化マグネシウムの
有する構造上の歪、更には結晶粒子径が、上述の
如き不利益乃至欠陥を生ずる重要な因子であるこ
とを発見した。 従来公知の水酸化マグネシウムは、良く知られ
ているように、その構造上の歪が大きく、X線回
折法における<101>方向の歪は最小でも約3.6×
10-3であつて、約10×10-3にも達している。更
に、その結晶粒子径は小さく、最大でも800Åで
100〜800Åの範囲内にあり、また、そのBET比
表面積は大きく、最小でも20m2/gで20〜100
m2/gの範囲内にある。上記構造上の歪が大きい
ことは、水酸化マグネシウムは結晶子表面の極性
の大きいことを意味し、しかも、水を媒介として
結晶子が二次凝集しやすい構造となつていること
を示している。このため、容易に二次凝集を生じ
て10〜100μに凝集し、且つこの二次凝集のため
に、凝集体中には水酸化マグネシウムの乾燥後に
おいても無視できない量の水分子及び空気が捕捉
されて残留する。従来公知の水酸化マグネシウム
は、上述の如き歪の大きな構造的特徴を有するた
め、熱可塑性合成樹脂、とくに疎水性もしくは無
極性の大きい樹脂類、たとえばポリオレフインの
如き樹脂類との親和性が悪く、その上、結晶子の
二次凝集が強いため樹脂に対する分散性が極めて
悪いものと推測され、事実、前述したように水酸
化マグネシウム配合樹脂組成物は成形適性が悪く
成形能率が低下する。また、樹脂類との親和性の
悪さは、樹脂と水酸化マグネシウム粒子との界面
間〓を発生しやすく、物理的性質とくに衝撃強度
や伸びの低下を招来するし、樹脂への均一分散を
困難にする。さらに、結晶子の二次凝集に伴う水
分子及び空気の存在が、成形時にこれらが放出さ
れるためと推測されるが、フラツシユ模様の発生
の如き成形品外観の悪化を生ずる。又さらに、結
晶子の二次凝集は嵩高性を与える結果となり、樹
脂の押出成形に際して円滑な押出し操作が行い難
く、樹脂中への均一分散を悪化する等の副次的な
欠陥を生ずる原因となる。 本発明者等は、以上詳述した従来公知の水酸化
マグネシウムが有する構造的特徴に由来する不利
益乃至欠陥を克服すべく研究を進めた。その結
果、従来公知の水酸化マグネシウムが本来有した
前記構造的特徴と明瞭に区別される新規な構造的
特徴を有する水酸化マグネシウムを提供できるこ
と、及びこの新規構造を有する水酸化マグネシウ
ムは従来公知の水酸化マグネシウムが示す上記諸
不利益乃至欠陥を克服できる優れた性質を有する
ことを発見した。更に、この新規構造を持つ従来
未知の水酸化マグネシウムが、従来行われたこと
のない但しきわめて容易な手段で工業的に有利に
製造できることを発見した。 従つて、本発明の第一の目的は、上記新規構造
を有する水酸化マグネシウムを提供するのに有用
な中間体及びその製法を提供するにある。 本発明の他の目的は優れた改善性質を有し且つ
新規構造を有する水酸化マグネシウムを提供する
のに有用な新規な中間体を提供することにある。 本発明の上記諸目的及び更に多くの他の目的及
び利点は、以下の記載から一層明らかとなるであ
ろう。 本発明の中間体から製造される水酸化マグネシ
ウム(以下単に本発明の水酸化マグネシウムとも
いう)はMg(OH)2で表わされ且つX線回折法に
おける<101>方向の歪が3.0×10-3以下である。
従来の水酸化マグネシウムはMg(OH)2で表わさ
れるが、上記歪が3.6×10-3以上であるのに対し
て、上記歪が3.0×10-3以下であることにおいて
本発明水酸化マグネシウムは区別できる。本発明
の水酸化マグネシウムのX線回折法における<
101>方向の歪は、例えば3.0×10-3以下0.1×10-3
以上の範囲にあるのが普通である。本発明の水酸
化マグネシウムのX線回折法における<101>方
向の結晶粒子径は、800Åを超える。従来の水酸
化マグネシウムの該粒子径が100〜800Åであるの
に比して、この結晶粒子径においても本発明の水
酸化マグネシウムは特徴的構造を示す。本発明の
水酸化マグネシウムの上記結晶粒子径は、例えば
800Åを超え、50000Å以下にあるのが普通であ
る。従来の水酸化マグネシウムのBET法比表面
積は20〜100m2/gであるのに対して、本発明の
水酸化マグネシウムはBET法比表面積が20m2
g未満であるが、1m2/gを越えるものであつ
て、この比表面積においても特徴的である。又、
前述したように、従来の水酸化マグネシウムは容
易に二次凝集を生じて10〜100μの平均二次粒子
径(二次凝集粒子を含む平均粒子径)を有する粒
子となるのに対して、本発明の水酸化マグネシウ
ムは二次凝集を生じ難く、凝集を生じた場合でも
その平均二次粒子径は5μ以下たとえば0.5〜2μ程
度である。 本発明の新規構造を有する水酸化マグネシウム
の最適改善性質を示すものは、上記特徴を兼備す
る。すなわち、X線回折法における<101>方向
の歪が3.0×10-3以下で且つ該方向の結晶粒子径
が800Åを超え、且つBET法比表面積が20m2/g
未満であるが1m2/gを越えるものである。 上述の新規構造を有する水酸化マグネシウム
は、Mg(OH)2で表わされる従来の水酸化マグネ
シウム或いはMg(OH)Clで表わされる従来のマ
グネシウムヒドロキシクロライドのいずれとも異
なる下記式 Mg(OH)2−xAx・mH2O 但し式中、AはCl又はNO3、xは0<x<0.2
の数を示す、mは0〜6の数 で表わされる本発明の塩基性塩化−もしくは硝酸
−マグネシウムを、水性媒体中において、加圧条
件下に加熱することによつて得ることができる。 更に、上記式で表わすことのできる本発明の塩
基性塩化−もしくは硝酸−マグネシウムは、塩化
マグネシウムもしくは硝酸マグネシウムとアルカ
リ性物質とを、水性媒体中において、該塩化マグ
ネシウムもしくは硝酸マグネシウムに対して、調
節された量、とくに0.5〜0.95当量の割合のアル
カリ性物質を反応させることにより生成せしめる
ことができる。 前記X線回折法における<101>方向の歪が3.0
×10-3以下で且つ該方向の結晶粒子径が800Åを
越える、通常約2000Åを超える水酸化マグネシウ
ムの製造に用いることができる本発明の上記Mg
(OH)2-xAx・mH2O[但し、AはCl又はNO3、0
<X<0.2、好ましくは0.02≦x<0.2、mは0〜
6の数]の製造に際しては、アルカリ性物質の
[OH]と塩化マグネシウムもしくは硝酸マグネ
シウムの[Mg2+]とが上記当量関係、すなわち
2[OH]/[Mg2+]=0.5〜0.95の関係を満足す
るように反応を行うほかに、クロルイオンが充分
に存在する条件下に反応を行うことが好ましい。
このために、塩化マグネシウムのほかに例えば塩
化カルシウムを存在させた混合水溶液にアルカリ
性物質たとえば水酸化マグネシウムを、上記当量
関係を満足する調節された量で加えて反応を行う
ことが好ましい結果を与える。常法に従つて、
Mg(OH)2が形成される条件を採用すると、続い
て、水性媒体中において加圧条件下に加熱して
も、本発明の前記新規構造を有する水酸化マグネ
シウムを形成することはできない。上記塩化マグ
ネシウムに代えて硝酸マグネシウムを用いるほか
は同様にして塩基性硝酸マグネシウムを製造で
き、本発明の新規Mg(OH)2の製造に同様に利用
できる。 本発明の上記塩基塩化−もしくは硝酸−マグネ
シウムMg(OH)2-xAx・mH2O[但し、AはCl又
はNO3、mは0〜6の数、0<x<0.2]を形成
する反応は、例えば温度約0〜約50℃、好ましく
は約10〜約30℃程度で行うのがよい。反応は塩化
マグネシウムもしくは硝酸マグネシウムとアルカ
リ性物質とが充分接触できる条件下に、水性媒体
中で行えばよく、例えば、撹拌条件下に、塩化マ
グネシウム、硝酸マグネシウム、或は塩化マグネ
シウムと塩化カルシウムの水溶液に、水酸化カル
シウムを上記当量関係を満足するように添加して
行うことができる。上記アルカリ性物質の例とし
ては、水酸化カルシウムのほかに、例えば、アン
モニア、水酸化アルカリ金属、酸化マグネシウム
などを挙げることができる。 本発明のX線回折法における<101>方向の歪
が3.0×10-3以下である水酸化マグネシウムは、
上述の如き手段で形成される本発発明の塩基性塩
化マグネシウム又は塩基性硝酸マグネシウムMg
(OH)2-xAx・mH2O[但しAはCl又はNO3、mは
0〜6の数、0<x<0.2]を、水性媒体中で、
加圧条件下、好ましくは約5Kg/cm2以上、例えば
約5〜約30Kg/cm2の加圧条件下に、加熱すること
により製造することができる。この際、該塩基性
塩化マグネシウム形成反応生成物系から、該塩基
性塩化マグネシウムを単離する必要はなく、該反
応生成物系をそのまま加圧条件下に加熱して行な
うことができ、且つこのようにすることが好まし
い。 この好適態様は工業的実施にとくに適してお
り、その理由は、該Mg(OH)2-xAx・mH2Oは
比較的不安定な化合物であるが、反応母液中では
比較的安定であるためで、更に、単離操作を省略
できる利点も得られる。 通常の水酸化マグネシウムやマグネシウムヒド
ロキシクロライドを水性媒体中で、アルカリの存
在下又は不存在下に同様に加圧条件下に加熱して
も本発明の新規構造を有する水酸化マグネシウム
を形成することはできない。本発明の上記塩基性
塩化−もしくは硝酸−マグネシウムMg
(OH)2-xAx・mH2O[但し、A、x、mは前記し
たと同じ]は、他の手段で形成されたものであつ
ても差支えない。上記加圧条件下の水性媒体中で
の加熱処理は、例えば約150〜約250℃程度の温度
で行うことができる。 本発明の中間体から得られる前記新規構造を有
する水酸化マグネシウムは、既述の通り、従来の
水酸化マグネシウムと対比して、X線回折法にお
ける<101>方向の歪が顕著に小さく、該方向に
おける結晶粒子径が大きく且つBET法比表面積
が異常に小さい。これらの特徴的構造に由来し
て、結晶子の表面極性が極めて小で殆んど無くな
り、二次凝集が生起が生じ難く、非嵩高性で且つ
格子欠陥濃度が低い。このため、従来公知の水酸
化マグネシウムが熱可塑性樹脂に配合された際に
生じた既述の樹脂との親和性の悪さ、成形性の悪
さ、成形品表面の悪さ、などの諸不利益乃至欠陥
が克服され、更に得られた成形品の物理的強度の
低下という欠陥も回避される。 本発明に於て、X線回折における<101>方向
の歪、該方向における結晶粒子径及びBET法比
表面積とは、以下の測定により決定された値を指
す。 <101>方向の歪及び結晶粒子径の測定法:一
次の関係式により、横軸にSinθ/λ、縦軸にβcosθ/
λ をプロツトし、切片の逆数から結晶粒子径(ε)
と、勾配に1/2を乗じて歪(η)を求める。 βcosθ/λ=1/ε+2ηsinθ/λ ただし、 λ:使用したX線の波長、Cu−Kα線で1.542Å θ:ブラツク角 β:真の半価巾、単位:ラジアン、 上記βは以下の方法により求める。 (101)面と(202)面の回折プロフイルを、X
線源として、35KV、15mAの条件で発生させた
Cu−Kα線を用いて測定する。測定条件はゴニオ
スピード1/4°/分、チヤートスピード10mm/分、
スリツト巾をダイバージエンススリツト、レシー
ビングスリツト、スキヤタリングスリツトの順で
(101)面については1゜−0.3mm−1゜、(202)につい
ては2゜0.3mm−2゜の条件で測定する。得られたプロ
フイルにつき、バツクグランドから回折ピークま
での高さの1/2における巾(B0)を測定する。第
1図に示す2θに対するKα1、Kα2のスプリツト巾
(δ)の関係から(101)、(202)面の2θに対する
δを読みとる。次いで、上記B0及びδの値に基
いて、第2図に示すδ/B0とB/B0の関係から
Bを求める。高純度シリコン(純度99.999%)に
ついて、スリツト巾1/2゜−0.3mm−1/2゜で各回折プ
ロフイルを測定し、半価巾(b)を求める。これを2θ
に対してプロツトし、bと2θの関係を示すグラフ
を作る。(101)、(202)面の2θに相当するbから
b/Bを求め第3図に示す。b/Bとβ/Bの関
係からβを求める。 BET法比表面積:− 窒素吸着法により、3点プロツト法で求める。
ただし、N2の分子吸着断面積は、16.2Åとして
計算する。また、各測定試料は予め100℃で30分
真空で排気処理理した後、窒素の吸着テストを行
う。 その存在が確認され、ASTMに登録されてい
る公知の塩基性塩化マグネシウムは、以下に示す
化合物である。
【表】
【表】 上記した通り、公知の塩基性塩化マグネシウム
中、本発明の塩基性塩化マグネシウムに最も類似
した化合物は、xが最小の1/5(=0.2)である
ASTM No.12−123及びNo.7−409の公知化合物
である。 上記公知化合物のX線回折データ(ASTMの
記載による)及び同一方法で測定された本発明の
新規塩基性塩化マグネシウムのX線回折データ
を、以下に示す。 ASTMNo.12−123:−
【表】
【表】 ASTMNo.7−409:−
【表】
【表】 本発明塩基性塩化マグネシウム:−
【表】 上記X線回折データーから、本発明のMg
(OH)2-xClx・mH2O(但しx及びmは前記した
と同じ)は公知化合物と異なる構造を有する化合
物であることが明瞭である。 更に、本発明中間体である新規化合物塩基性硝
酸マグネシウムMg(OH)2-x(NO3)x・MH2O
(但しx及びmは前記したと同じ)についての第
1表と同様なデーターを下表に示す。塩基性硝酸
マグネシウムの存在は、ASTMに記述がない。
【表】 実施例 1 1.5mol/の塩化マグネシウム水酸化(液温
15℃)5を約10の反応容器に入れ、ケミスタ
ーラーで充分に撹拌しておく。これに、10mol/
のアンモニア水(液温15℃)を塩化マグネシウ
ムに対し、0.9当量に相当する1.35を約10分間
で全量加える。得られたサスペンジヨンの1部を
直ちに減圧ろ過後、水、続いてアセトンで十分洗
浄した。室温で約2時間乾燥して、X線回折と化
学分析を行つた。X線回折の結果、本物質は、本
発明の塩基性塩化マグネシウムと同定された。化
学分析の結果、本物質の組成はMg(OH)1.903
Cl0.097・mH2Oであることが示された。なお、結
晶水は、第1図に示すDTA(示差熱分析)、TGA
(熱重量分析)法より確認された。反応後、直ち
に残り大部のサスペンジヨンを容量20のオート
クレーブに入れ、180℃で8時間水熱処理した。
オートクレーブで処理するまでの反応終了時から
の時間を約2時間で行つた。これは上記不安定な
物質が分解されない間に水熱処理をするためであ
る。水熱処理後、減圧ろ過、水洗し、乾燥する。
この様にして得られた物質は、X線回折により水
酸化マグネシウムであることが確認された。本物
質の<101>方向の歪は、0.970×10-3、<101>方
向の結晶粒子径は4200Å、BETは6.7m2/gであ
つた。 実施例 2 実施例1において、アンモニア水を塩化マグネ
シウムに対して、0.7当量に相当する1.05/を
約7分間で全量加える以外は、実施例1と同様の
操作を行つた。得られたサスペンジヨンの1部を
直ちに減圧ろ過後、水、続いてアセトンで十分洗
浄して、X線回折を行うとともに、化学分析を行
つた。その結果、本物質は第1表に示す新規物質
であることが確認された。化学分析の結果、本物
質の組成はMg(OH)1.892Cl0.108・mH2Oであるこ
とが示された。一方、反応生成液を反応終了後直
ちに容量10のオートクレーブに入れ、170℃で
8時間水熱処理した。処理後、減圧ろ過、水洗、
乾燥した。この様にして得られた水酸化マグネシ
ウムの<101>方向の歪は1.20×10-3、<101>方
向の結晶粒子径は5260Å、BETは4.2m2/gであ
つた。 実施例 3 実施例1において、アンモニア水を塩化マグネ
シウムに対し、0.95当量に相当する1.425を約
10分で全量加える以外は、実施例1と同様の操作
を行つた。反応液の1部を除いて、全量を容量10
のオートクレーブにて、直ちに移して、200℃
で4時間水熱処理した。 反応液の1部は、反応後直ちに減圧ろ過、水洗
した後、アセトンで洗浄後、X線回折と化学分析
を行つた。X線回折の結果、本物質は、第1表に
示す新規物質であることが確認された。化学分析
の結果、本物質の組成はMg(OH)1.931Cl0.069
mH2Oであることが示された。また、水熱処理物
は、減圧、ろ過、水洗後乾燥した。この様にして
得られた水酸化マグネシウムの<101>方向の歪
は2.05×10-3、<101>方向の結晶粒子径は、2840
Å、BETは8.9m2/gであつた。 実施例 4 塩化マグネシウムと塩化カルシウムの混合水溶
液(海水からイオン交換膜法により、塩化ナトリ
ウムを製造するプロセスで製られる副生物)
(Mg2+=1.58mol/、Ca2+=0.765mol/)10
と、塩化マグネシウムの0.8当量に相当する
1.54mol/の水酸化カルシウム水酸化8.2をそ
れぞれ30℃に保つ。容量2のオーバーフロー付
き反応槽に予め1の水を入れ、ケミスターラー
で撹拌し、液温を30℃に制御する。この反応槽
に、定量ポンプで、塩化マグネシウムと塩化カル
シウムの混合水溶液をそれぞれ100ml/min、82
ml/minの供給速度で定量ポンプにより供給し、
反応を行なわしめる。反応終了後、得られたサス
ペンジヨン16で容量30のオートクレーブに直
ちに移し、145℃で8時間水熱処理を行つた。ま
た、反応生成液の残部は、減圧、ろ過、水とアセ
トンで洗浄後室温で4時間乾燥してX線回折と化
学分析を行つた。本物質は、X線回析の結果、第
1表に示す新規物質であることが確認された。化
学分析の結果本物質の組成はMg(OH)1.909
Cl0.091・mH2Oであることが示された。水熱処理
物は減圧ろ過、水洗後、乾燥した。この様にして
得られた水酸化マグネシウムの<101>方向の歪
は、1.80×10-3、<101>方向の結晶粒子径は、
2250Å、BETは12.7m2/gであつた。 実施例 5 2mol/の硝酸マグネシウム(液温15℃)2
を約5の反応容器に入れ、ケミスターラーで
充分に撹拌しておく。これに4mol/のアンモ
ニア水(液温15℃)を硝酸マグネシウムに対し、
0.9当量に相当する1.8を約2分間で全量加え
る。得られたサスペンジヨン2を直ちに、容量
5のオートクレーブで170℃で4時間水熱処理
した。残り1.8を反応終了後直ちに減圧ろ過後
アセトンで十分洗浄し、X線回析と化学分析を行
つた。本物質は、X線回析の結果第2表に示す新
規物質であることが確認された。化学分析の結
果、本物質の組成はMg(OH)1.827(NO30.173
mH2Oであることが示された。水熱処理物は減
圧、ろ過、水洗後乾燥した。この様にして得られ
た水酸化マグネシウムの<101>方向の歪は2.40
×10-3、結晶粒子径は、4200Å、BETは9.6m2
gであつた。 比較例 1 1.5mol/の塩化マグネシウム2を40℃に
保つて、十分撹拌しているところへ、1.5mol/
の水酸化カルシウム水溶液を塩化マグネシウム
に対し当量に相当する2を約60分で全量加え
る。得られた反応液を減圧ろ過、水洗した。脱水
物を80℃で10時間乾燥した物は、X線回折の結果
水酸化マグネシウムであつた。また、水洗物を6
の水に懸濁させて、10容のオートクレーブを
使つて250℃で8時間水熱処理した。水熱処理物
を減圧ろ過、水洗し、乾燥した。この物質の<
101>方向の歪は3.70×10-3、<101>方向の結晶
粒子径は568Å、BETは32m2/gであつた。ま
た、水熱処理前の物質は、<101>方向の歪は4.76
×10-3、<101>方向の結晶粒子径は594Å、BET
は21m2/gであつた。 比較例 2 1.5mol/の塩化マグネシウム4と
2.0mol/の水酸化カルシウム4をそれぞれ
20℃に保つ。容量オーバーフロー付き1.5の反
応槽に水を500ml入れ、十分に撹拌しておく。そ
こに、定量ポンプで、それぞれ40ml/minの速度
で供給する。塩化マグネシウムに対するアルカリ
の供給は当量にする。約100分後、反応終了し、
得られた懸濁液の1部を減圧ろ過、水洗しアセト
ンで洗浄した。この物質は、X線回折の結果、水
酸化マグネシウムであつた。また、残り大部の懸
濁液を反応後直ちに10容のオートクレーブに
て、170℃で8時間水熱処理した。水熱処理物を
減圧ろ過、水洗し、乾燥した。この物質は、<101
>方向の歪が3.70×10-3、<101>方向の結晶粒子
径が647Å、BETは26m2/gであつた。また、水
熱処理前の物質は、<101>方向の歪が4.83×
10-3、<101>方向の結晶粒子径が476Å、BET31
m2/gであつた。 参考例 1 実施例2で得られた<101>方向の歪が1.20×
10-3、<101>方向の結晶粒子径が5260Å、BET
が4.2m2/gの水酸化マグネシウム2.2Kgを150℃
で3時間再乾燥し、1.8Kgのポリプロピレン
(MI6.0、密度0.91)とヘンシエルミキサーで混合
した後、樹脂温度約230℃で押出機を通し溶融混
練した。得られた樹脂組成物を射出成型し、板状
体とした。ASTM規格、UL規格に従つて、物性
と難燃性を測定し評価した。得られた結果は、第
3表の通りである。 参考例 2 実施例2で得られた水酸化マグネシウム2・2
Kgを10×10-3mol/のステアリン酸ソーダ水溶
液10中に入れ、80℃で2時間撹拌下に維持し、
水酸化マグネシウムの表面をステアリン酸でコー
テイングする。これを、減圧ろ過、水洗後、乾燥
し、参考例1と同様の処理を行つた。その結果を
第3表に示す。 参考例 3 比較例1で得られた<101>方向の歪が4.76×
10-3、<101>方向の結晶粒子径が549Å、BET21
m2/gの水酸化マグネシウム2.2Kgを参考例1で
用いた水酸化マグネシウムのかわりに用いた結果
を第3表に示す。 参考例 4 比較例2で得られた<101>方向の歪が3.70×
10-3、<101>方向の結晶粒子径が647Å、BET26
m2/gの水酸化マグネシウムを参考例1で用いた
水酸化マグネシウムのかわりに用いた結果を第3
表に示す。 参考例 5 参考例1で用いたポリプロピレン単独を成型し
た場合の結果を第3表に示す。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、本発明において、X線回折
における<101>方向の歪及び結晶粒子径を測定
決定する方法を説明するためのグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記式 Mg(OH)2-xAx・mH2O 但し式中、AはClもしくはNO3、 xは0<x<0.2の数を示す、mは0〜6の数、 で表わされる塩基性塩化−もしくは塩基性硝酸−
    マグネシウム。
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