JP2021522799A - マルトデキストリン及び特殊シロップを生成するための簡素化プロセス - Google Patents

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Abstract

現代の酵素的プロセスに必要とされるよりも少ない酵素及びより複雑でない条件を用いる、マルトデキストリン及び特殊シロップを生成するための簡素化プロセスに関する組成物及び方法が開示される。
【選択図】図1

Description

本組成物及び方法は、現在の酵素的プロセスに必要とされるよりも少ない酵素及びより複雑でない条件を用いる、マルトデキストリン及び特殊シロップを生成するための簡素化プロセスに関する。
コーンシロップ、グルコースシロップ、マルトデキストリン、及び高フルクトースシロップなどのデンプン系甘味剤は、従来、デンプンを酸又は酵素処理を使用して液化し、その後、所望のDEが達成されるまで酵素的糖化をすることによって生成される。コーンシロップの物理的性質は、それらの組成に著しく依存して変動する。コーンシロップは、デキストロース当量(DE)に基づいて、4つの型に分類される。1型コーンシロップは、20〜38のDEを有する。2型コーンシロップは、38〜58のDEを有する。3型コーンシロップは、58〜73のDEを有する。4型コーンシロップは、73超のDEを有する。図1の表は、従来のプロセスで生成される様々なシロップのDEをより詳細に示している。
酸処理プロセスよりも酵素的処理の方が好まれるようになり、34〜43の範囲のDEを有する特殊シロップは、現在、α−アミラーゼ並びにマルトジェニックアミラーゼ、β−アミラーゼ、プルラナーゼ、及びグルコアミラーゼなどのマルトジェニック酵素によって支援される液化及び部分的糖化の組み合わせにより生成されている。これらのマルトジェニック酵素は、所望の糖プロファイルに応じて、組み合わせて、又は個別のいずれかで使用される。
一連の酵素に加えて、液化後のデキストリン化デンプンの変換には、16〜18時間を必要とし、且つ厳密に従う必要のある一連の工程が求められる。これらの工程には、(i)液化α−アミラーゼを不活性化させるために、HClを使用して90℃でpHを4.50未満(好ましくはpH4.20〜4.30)まで低下させること、(ii)グルコアミラーゼ又は他のマルトジェニック酵素の最適化性能のために液化物を60℃まで冷却すること、(iii)グルコアミラーゼ又は他のマルトジェニック酵素を不活性化させるために、糖化液を85〜90℃まで加熱すること、及び(iv)生成物を所望水準のDSまで濃縮するために糖化液を60℃まで冷却することが含まれる。このプロセスは煩雑で、エネルギー、時間、及び人的資源を大量に消費する。
マルトデキストリン粉末及び特殊シロップを生成するための改善されたプロセスに対する必要性が存在する。
発明を解決するための手段
本組成物及び方法は、マルトデキストリン及び特殊シロップを生成するための簡素化プロセスに関する。本組成物及び方法の態様及び実施形態は、以下の個別にナンバリングした段落で要約する。
1. 一態様では、マルトジェニックアミラーゼ(EC3.2.1.133)、β−アミラーゼ(EC3.2.1.2)、プルラナーゼ(EC3.2.1.41)、グルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマルトジェニック酵素の実質的非存在下で、デンプン基質を、マルトジェニック酵素を含む従来の多酵素、酸前処理条件により生成されたDEプロファイルと同等のDEプロファイルを有するシロップを生成することができるα−アミラーゼ(EC3.2.1.1)と接触させることを含む、マルトデキストリン及び/又は特殊シロップを生成するための方法であって、方法が、異なる従来の液化α−アミラーゼを利用すること以外は同一のプロセスにおいて、少なくとも1つのpH調節又は温度調節工程を実質的に排除する、方法が提供される。
2. いくつかの実施形態では、段落1の方法は、マルトジェニックアミラーゼ活性を有し得るα−アミラーゼを除く、マルトジェニック酵素の非存在下で実施される。
3. いくつかの実施形態では、段落2の方法は、マルトジェニックアミラーゼ活性を有し得るα−アミラーゼを除く、任意のマルトジェニック酵素の非存在下で実施される。
4. 段落1〜3のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、プロセス工程は、異なる従来の液化α−アミラーゼを不活性化させるために液化物のpHを低下させること、マルトジェニック酵素の最適化性能を促進するために液化物を冷却すること、マルトジェニック酵素を不活性化させるために糖化液を加熱すること、及び生成物を濃縮するために前記糖化液を冷却することからなる群から選択される。
5. 段落1〜4のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、α−アミラーゼは、サイトファーガ種(Cytophaga sp.)由来である。
6. 段落1〜5のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、α−アミラーゼは、配列番号1又はそのバリアントのアミノ酸配列を有するサイトファーガ種(Cytophaga sp.)由来のα−アミラーゼである。
7. 段落1〜5のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、従来の液化α−アミラーゼは、バチルス(Bacillus)由来である。
本組成物及び方法のこれらや他の態様及び実施形態は、本明細書の説明及び図面から明白になるであろう。
図1は、現在の酵素的プロセスによって生成されている様々なシロップのDEの詳細の表を示す。
1.概要
現在の酵素的プロセスに必要とされるよりも少ない酵素及びより複雑でない条件を用いる、マルトデキストリン及び特殊シロップを生成するための簡素化プロセスに関する組成物及び方法が記載されている。特定のα−アミラーゼは、マルトデキストリン並びに30〜46の範囲のDEを有する1型及び2型の特殊シロップを生成する能力を有し(図1)、これは、より在来式の酸−酵素プロセス(例えば、Shukla,P.and Pletschke,B.I.(eds.)Advances in Enzyme Biotechnology,Springer Science & Business Media,2013を参照)を使用して生成される商業用シロップのプロファイルに適合することが発見された。改善されたプロセスは、追加のマルトジェニック酵素を必要とせず、はるかに単純なプロセス条件を必要とする。本組成物及び方法の利点としては、(i)より少ない冷却及び加熱工程の結果としての省エネ、(ii)工場のスループットの向上及び円滑な運用、並びに(iii)冷却及び加熱工程の排除に起因する時間の節約が挙げられる。
本組成物及び方法の様々な態様及び実施形態について説明する前に、以下の定義及び略語について説明する。
2.定義及び略語
この詳細な説明によると、以下の略語及び定義が適用される。文脈が明白に他のことを指示していない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、複数の対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「酵素」という言及は、複数のそのような酵素を含み、「用量」という言及は、1つ以上の用量及び当業者であれば公知であるその同等物を含む。
本明細書は、読み易くするために多くのセクションで編成されている。しかしながら、読者は、1つのセクションでなされた記載を他のセクションに適用できることを理解できるであろう。このように、本開示の異なるセクションで使用された見出しを限定的であると解釈すべきではない。
他に特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって通常理解される意味と同一の意味を有する。明確にするために次の用語が以下に定義される。
2.1.略語及び頭字語
以下の略語/頭字語は、他に特に規定しない限り、以下の意味を有する。
EC 酵素委員会
DE デキストロース当量
DP 重合度
GA グルコアミラーゼ
ppm 百万分の1、例えば乾燥固体1g当たりのタンパク質(μg)
sp. 種
w/v 重量/体積
w/w 重量/重量
v/v 体積/体積
(wt%)重量パーセント
℃ 摂氏度
dHO又はDI 脱イオン水
dIHO 脱イオン水、Milli−Q濾過
g又はgm グラム
μg マイクログラム
mg ミリグラム
kg キログラム
μL及びμl マイクロリットル
mL及びml ミリリットル
mm ミリメートル
μm マイクロメートル
M モル濃度
mM ミリモル濃度
μM マイクロモル濃度
U 単位
min 分
hr 時間
N 規定
T メートルトン
2.2.定義
本明細書で使用する場合、用語「デンプン」は、式(C10[式中、Xは任意の数であり得る]を有するアミロース及びアミロペクチンから構成される植物の複合多糖炭水化物から構成される、任意の物質を指す。この用語には、植物系物質、例えば穀物、穀草類、草類、塊茎及び根、並びにより具体的には、小麦、大麦、トウモロコシ、ライ麦、米、ソルガム、フスマ、キャッサバ、キビ、ミロ、ジャガイモ、サツマイモ及びタピオカから得られた物質が含まれる。用語「デンプン」には、粒状デンプンが含まれる。用語「粒状デンプン」は、生の、すなわち未調理デンプン、例えば糊化を受けていないデンプンを指す。
本明細書で使用する場合、「α−アミラーゼ」(EC3.2.1.1)は、3つ以上の(1−>4)−α−結合したD−グルコース単位を含有する多糖類中の(1−>4)−α−D−グルコシド結合のエンド加水分解を触媒する酵素である。
本明細書で使用する場合、「β−アミラーゼ」(EC3.2.1.2)は、鎖の非還元末端から連続するマルトース単位を除去するために、多糖類中の(1−>4)−α−D−グルコシド結合の加水分解を触媒する酵素である。
本明細書で使用する場合、「プルラナーゼ」(EC3.2.1.41)は、プルラン、アミロペクチン、及びグリコーゲン、並びにアミロペクチン及びグリコーゲンのα−及びα−限界デキストリン中の(1−>6)−α−D−グルコシド結合の加水分解を触媒する酵素である。
本明細書で使用する場合、「グルコアミラーゼ」(EC3.2.1.3)は、鎖の非還元末端から連続してβ−D−グルコースを放出する、末端(1−>4)−結合したα−D−グルコース残基の加水分解を触媒する酵素である。
本明細書で使用する場合、「マルトジェニックアミラーゼ」(EC3.2.1.133)は、鎖の非還元末端から連続するα−マルトース残基を除去するために、多糖類中の(1−>4)−α−D−グルコシド結合の加水分解を触媒する酵素である。
本明細書で使用する場合、用語「液化」又は「液化する」は、それによってデンプンが低粘性及びより短鎖のデキストリンに変換されるプロセスを意味する。
本明細書で使用する場合、ポリペプチドに関する用語「野生型」、「親」又は「参照」は、1つ以上のアミノ酸の位置での人為的な置換、挿入又は欠失を含まない天然型ポリペプチドを指す。
本明細書で使用する場合、ポリペプチドに関する用語「バリアント」は、アミノ酸の1つ以上の天然型又は人為的置換、挿入又は欠失を含むという点で特定の野生型、親又は参照ポリペプチドと異なるポリペプチドを指す。同様に、ポリヌクレオチドに関する用語「バリアント」は、ヌクレオチド配列において特定の野生型、親又は参照ポリヌクレオチドと異なるポリヌクレオチドを指す。野生型、親又は参照ポリペプチド又はポリヌクレオチドの同一性は、文脈から明らかになるであろう。
本明細書で使用する場合、「組み合わせバリアント」は、2つ以上の突然変異、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10又はそれを超える置換、欠失及び/又は挿入を含むバリアントである。
本明細書で使用する場合、用語「組み換え」は、対象細胞、核酸、タンパク質又はベクターに関して使用した場合、対象がその自然状態から修飾されていることを示す。したがって、例えば、組み換え細胞は、細胞の天然(非組み換え)形内で見出されない遺伝子を発現するか、又は異なるレベル若しくは自然で見出される条件と異なる条件下で天然遺伝子を発現する。組み換え核酸は、天然配列と1つ以上のヌクレオチドが相違する、及び/又は、例えば発現ベクター内の異種プロモーターなどの異種配列と機能的に連結している。組み換えタンパク質は、天然配列とは1つ以上のアミノ酸が異なることがある、及び/又は異種配列と融合している。アミラーゼをコードする核酸を含むベクターは、組み換えベクターである。
本明細書で使用する場合、用語「回収(された)」、「単離(された)」及び「分離(された)」は、自然に見出されるようにそれが自然に結び付いている少なくとも1つの他の物質又は構成成分から除去されている化合物、タンパク質(ポリペプチド)、細胞、核酸、アミノ酸又は他の特定の物質又は構成成分を指す。それらの「単離(された)」ポリペプチドとしては、異種宿主細胞内で発現した分泌ポリペプチドを含有する細胞培養ブロスが挙げられるが、それに限定されない。
本明細書で使用する場合、酵素に関する用語「熱安定性の」及び「熱安定性」は、酵素が高温への曝露後に活性を保持する能力を指す。酵素、例えばアミラーゼ酵素の熱安定性は、その時間中に規定条件下で酵素活性の半分が失われる、分、時間又は日数で与えられるその半減期(t1/2)によって測定される。半減期は、高温への曝露(すなわち、高温によるチャレンジ)後の残留α−アミラーゼ活性を測定することによって計算され得る。
本明細書で使用する場合、酵素に関する「pH範囲」は、酵素が触媒活性を示すpH値の範囲を指す。
本明細書で使用する場合、酵素に関する用語「pH安定性の」及び「pH安定性」は、酵素が規定の時間(例えば、15分間、30分間、1時間)にわたって広範囲のpH範囲にわたり活性を保持する能力に関する。
本明細書で使用する場合、用語「アミノ酸配列」は、用語「ポリペプチド」、「タンパク質」及び「ペプチド」と同義語であり、互換的に使用される。そのようなアミノ酸配列が活性を示す場合、それらは「酵素」と呼ぶことができる。アミノ酸残基に対しては従来型の1文字コード又は3文字コードが使用され、アミノ酸配列は、標準のアミノからカルボキシ末端方向(すなわち、N→C)で表示される。
本明細書で使用する場合、用語「核酸」は、ポリペプチドをコードできるDNA、RNA、ヘテロ二本鎖及び合成分子を含む。
本明細書で使用する場合、「ハイブリダイゼーション」は、ブロットハイブリダイゼーション技術及びPCR技術で起こるような、核酸の一本鎖が、相補鎖と二本鎖、すなわち塩基対を形成するプロセスを指す。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下の条件下のハイブリダイゼーションによって例示される:65℃及び0.1×SSC(ここで、1×SSC=0.15MのNaCl、0.015Mのクエン酸ナトリウム、pH7.0)。ハイブリダイズした二本鎖核酸は、ハイブリダイズした核酸の2分の1が相補鎖と対にならない融解温度(Tm)を特徴とする。二本鎖内のミスマッチヌクレオチドは、Tmを低下させる。バリアントα−アミラーゼをコードする核酸は、配列番号2のヌクレオチドとその同一相補体との間で形成された二本鎖と比較して1℃〜3℃以上低いTmを有する可能性がある。
本明細書で使用する場合、「生物活性」は、例えば酵素活性などの特定の生物活性を有する配列を指す。
本明細書で使用する場合、用語「比活性」は、特定条件下で単位時間当たりの酵素又は酵素調製物によって生成物に変化させることのできる基質のモル数を指す。比活性は、一般に単位(U)/mg(タンパク質)として表示される。
本明細書で使用する場合、「水の硬度」は、水中に存在する無機質(例えば、カルシウム及びマグネシウム)の尺度である。
本明細書で使用する場合、「配列同一性パーセント」は、特定の配列を、CLUSTAL Wアルゴリズムをデフォルトパラメーターで使用して整列させた場合、特定の参照配列内のものと同一のアミノ酸残基を少なくとも一定のパーセンテージで有することを意味する。Thompson et al.(1994)Nucleic Acids Res.22:4673−4680を参照されたい。CLUSTAL Wアルゴリズムのためのデフォルトパラメーターは、次のとおりである:
ギャップ開始ペナルティ:10.0
ギャップ伸長ペナルティ:0.05
タンパク質重量マトリックス:BLOSUMシリーズ
DNA重量マトリックス:IUB
ディレイ発散配列(%):40
ギャップ分離距離:8
DNA遷移重量:0.50
親水性残基のリスト:GPSNDQEKR
負のマトリックスの使用:オフ
トグル残基特異的ペナルティ:オン
トグル親水性ペナルティ:オン
トグル末端ギャップ分離ペナルティ:オフ。
欠失は、参照配列と比較して非同一の残基として計数される。
本明細書で使用する場合、用語「乾燥固体含量」(ds又はDS)は、乾燥重量%ベースでのスラリーの総固体に関する。
本明細書で使用する場合、用語「スラリー」は、不溶性固体を含有する水性混合物を指す。
本明細書で使用する場合、用語「約」は、参照値の±15%を指す。
3.好適なα−アミラーゼ
本組成物及び方法の1つの態様は、マルトジェニックアミラーゼ活性を有する追加の酵素の実質的又は完全な非存在下で使用することができるα−アミラーゼ酵素である。例示的なα−アミラーゼは、Jeang,C−L et al.((2002)Applied and Environmental Microbiology,68:3651−54)によって前述されたサイトファーガ種(Cytophaga sp.)由来の野生型α−アミラーゼ(本明細書では「CspAmy2アミラーゼ」と呼ばれる)である。CspAmy2α−アミラーゼポリペプチドの成熟形態のアミノ酸配列は、下記に配列番号1として示した。
Figure 2021522799
CspAmy2α−アミラーゼは、低pH活性及び熱安定性を必要とする穀物処理用途、並びに中〜高pH活性及び界面活性剤安定性を必要とする洗浄用途の両方に好適な非常に多機能な分子によって証明された。どちらかの用途で改善された性質を有するCspAmy2α−アミラーゼのバリアントが作製される;ただし、このような酵素は、所与の用途に合わせて調整されているにもかかわらず、多機能のままである。
上記配列番号1では、R178、G179、T180、及びG181に下線を付した。いくつかの実施形態では、バリアントα−アミラーゼは、カルシウム結合ループに隣接するこのXG/Sモチーフ内に、欠失を更に含む。いくつかの実施形態では、バリアントα−アミラーゼは、R178及びG179又はT180及びG181に対応するアミノ酸残基の隣接するペアワイズ欠失を含む。R178及びG179の両方の欠失を有するサイトファーガ種(Cytophaga sp.)α−アミラーゼのバリアント(本明細書では「CspAmy2−v1」)についても記載されている(Shiau,R−J.et al.(2003)Applied and Environmental Microbiology,69:2383−85)。成熟CspAmy2−v1 α−アミラーゼポリペプチドのアミノ酸配列は、下記に配列番号2として示した。
Figure 2021522799
出発点としての配列番号2を使用して、多数の組み合わせCspAmy2バリアントが以前に作成され、試験された(国際公開第2014/164777号パンフレットに記載されるとおり)。最高に機能するバリアントは、望ましい特性を改良した追加の突然変異と一緒に、一般に、E187又はS241のいずれかに対応するアミノ酸位置で安定化突然変異を含んでいた。
いくつかの実施形態では、本組成物及び方法には、任意選択的にR377、S362、及び/又はY303に対応するアミノ酸残基での突然変異と組み合わせた、E187、S241、N126、F153、T180、E187、及びI203に対応する位置のうちの1つ以上での突然変異を有するバリアントCspAmy2α−アミラーゼが含まれる。
いくつかの実施形態では、バリアントに含まれる特定の突然変異は、E187P、S241Q、N126Y、F153W、T180H、T180D、E187P、I203Y、Y303A、R377Y、及びS362A、R377Y、S362A 及び/又はY303Aである。いくつかの実施形態では、バリアントα−アミラーゼは、G476、G477、E132、Q167、A277、R458、T459、及び/又はD460に対応するアミノ酸残基での1つ以上の以前に記載された突然変異を更に含む。特定の組み合わせバリアントとしては、残基R178及びG179の欠失並びにN126Y、F153W、T180H、E187P、及びI203Yの置換を有するCspAmy2−C16E、更にS362A及びR377Yの置換を有するC16E−AY、並びに更にY303Aの置換を有するC16E−AY−Y303Aが挙げられるがこれらに限定されない。これらの組み合わせバリアントは、国際公開第2017/100720号パンフレットに記載されている。
読者は、α−アミラーゼが、上記に列挙した突然変異を自然に有する場合(すなわち、野生型α−アミラーゼが、既に突然変異であると同定された残基を含む場合)、特定の突然変異がそのα−アミラーゼに当てはまらないことを理解するであろう。しかし、他の記載された突然変異は、その位置での天然型残基と組み合わせて機能することができる。
いくつかの実施形態では、本α−アミラーゼバリアントは、突然変異の指示された組み合わせ及び配列番号1又は配列番号2との規定の程度のアミノ酸配列相同性/同一性、例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%のアミノ酸配列相同性/同一性を有する。
いくつかの実施形態では、本α−アミラーゼバリアントは、突然変異の指示された組み合わせを有し、配列番号1又は配列番号2との規定の程度のアミノ酸配列相同性/同一性、例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%のアミノ酸配列相同性/同一性を有する親アミラーゼに由来する。
更に、本α−アミラーゼは、任意の数の保存的アミノ酸置換を含み得る。例示的な保存的アミノ酸置換は、数え切れないほどの刊行物に記載されている。
本α−アミラーゼはまた、アミノ酸配列内の1個若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失若しくは付加、例えば10個未満、9個未満、8個未満、7個未満、6個未満、5個未満、4個未満、3個未満又は更には2個未満の置換、欠失若しくは付加による上記に記載したアミラーゼバリアントのいずれかに由来してもよい。そのようなバリアントは、それからそれらが由来したα−アミラーゼと同一の活性を有しなければならない。
本アミラーゼは、その場合にはシグナル配列を含む「前駆体」、「未成熟」若しくは「全長」、又はその場合にはシグナル配列を欠如している「成熟」であり得る。ポリペプチドの成熟形態が、一般に、最も有用である。他に特に規定されていない限り、本明細書で使用するアミノ酸残基のナンバリングは、それぞれのアミラーゼポリペプチドの成熟形態を指す。本アミラーゼポリペプチドは、得られたポリペプチドがアミラーゼ活性を保持する限り、N末端又はC末端を除去するために先端が切断されてもよい。
本アミラーゼは、それが第1α−アミラーゼポリペプチドの少なくとも一部分及び第2α−アミラーゼポリペプチドの少なくとも一部分を含むという点で、「キメラ」、「ハイブリッド」、又は「ドメイン−スワップ」ポリペプチドであり得る。本アミラーゼは、異種シグナル配列、トラッキング又は精製を可能にするエピトープなどを更に含んでもよい。
別の態様では、α−アミラーゼは、α−アミラーゼをコードするポリヌクレオチドと規定の程度の配列同一性を有する核酸によってコードされる。例示的な核酸は、以下に示される配列番号3として提供される(下線が付された配列は、LATシグナルペプチドをコードする)。
Figure 2021522799
いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号3との少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%の核酸配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、核酸は、配列番号3との少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%の核酸配列同一性を有するα−アミラーゼをコードする(又はコードする核酸に相補的である)核酸にとってストリンジェント又は極めてストリンジェントな条件下でハイブリダイズする。
いくつかの実施形態では、組成物及び方法にて使用するためのα−アミラーゼは、CspAmy2及びそのバリアントと同様の性質を有し、その性質は、本明細書で記載される条件下でスクリーニングできる。特殊シロップの生成におけるCspAmy2の特有の性質はこれまで知られていなかったため、そのような性質についてα−アミラーゼをスクリーニングする動機は認識されていなかった。
4 他の酵素に対する必要性の排除
マルトデキストリン粉末及び特殊シロップを生成するために使用される現代の酵素的プロセス条件で使用される酵素は、本明細書に概して記載されている。酵素としては、マルトジェニックアミラーゼ(EC3.2.1.133)、β−アミラーゼ(EC3.2.1.2)、プルラナーゼ(EC3.2.1.41)、及びグルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)が挙げられる。本組成物及び方法は、これらの酵素のうちの1つ以上の必要性を低減又は排除する。
いくつかの実施形態では、本組成物及び方法は、任意の又は全てのマルトジェニック酵素に対する必要性を、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%低減する。いくつかの実施形態では、本組成物及び方法は、マルトデキストリン粉末及び特殊シロップの生成における任意の又は全てのマルトジェニック酵素に対する必要性を完全に排除する。
いくつかの実施形態では、本組成物及び方法に関して有意な利益をもたらさないわずかな量又は取るに足らない量のマルトジェニック酵素を含むことは、本発明を無効にしない。
5 簡素化プロセス条件
マルトデキストリン粉末及び特殊シロップを生成するために使用される現代のプロセス条件で使用される酵素は、本明細書に概して記載されている。本組成物及び方法は、特殊シロップの酵素的調製に現在必要とされている1つ以上のプロセス工程の必要性を排除する。例えば、様々な実施形態では、本組成物及び方法は、特殊シロップの生成プロセス中、従来の液化α−アミラーゼ(これは、存在するα−アミラーゼとは異なるα−アミラーゼである)を不活性化するために、液化物のpHを90℃で4.50未満、4.40未満、4.30未満、又は更には4.20未満まで下げる必要性を排除する。他の実施形態では、本組成物及び方法は、液化を実行するために従来のα−アミラーゼを使用した後、グルコアミラーゼ又は他のマルトジェニック酵素の最適化性能のために液化物を55〜65℃まで冷却する必要性を排除する。他の実施形態では、本組成物及び方法は、グルコアミラーゼ又は他のマルトジェニック酵素を不活性化させるために、糖化液を85〜90℃、例えば、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、又は90℃まで加熱する必要性を排除する。他の実施形態では、本組成物及び方法は、生成物を所望水準のDSまで濃縮するために糖化液を55〜60℃まで冷却する必要性を排除する。
排除される工程の各々は、別々に又は組み合わせて排除することができ、既存の特殊シロップの生成に小さな又は大きな改善をもたらす。
本明細書中で引用した全ての参考文献は、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本組成物及び方法並びにそれらの利点について詳細に説明するために、下記の特定の実施例は、それらが限定的ではなくむしろ例示的であるとの理解の下で提供される。
本明細書で開示される方法を以下の実施例で例証する。上の議論及びこれらの実施例から、当業者であれば本開示の様々な実施形態を突き止めることができ、またその趣旨及び範囲から逸脱することなしに本明細書で開示された方法及び組成物の様々な変更及び変形を行って様々な用途及び条件に適応させることができる。
実施例1
単一の酵素的プロセスを使用した特殊シロップ
デンプンスラリーは、60gのコーンスターチ(Sigma Aldrichカタログ番号S4126)を計量し、続いて500mLの三角フラスコに132gの水を添加することによって調製した。スラリーのpHは、1NのHClを使用して、5.60±0.10に調節し、続いて、SPEZYME(登録商標)HT TG(N126Y、F153W、T180H、E187P、I203Y、Y303A、S362A、R377Yの置換、並びにR178及びG179の欠失を有するサイトファーガ種(Cytophaga sp.)からのα−アミラーゼのバリアント)を、デンプンの0.45、0.75、1.00、1.50、2.00、及び2.50kg/Tの量で添加した。最終スラリー容量は、水で200mLまで調節した。液化は、水浴中で、350rpmにて4時間混合を続けて、92℃で実施した。フラスコを4時間でサンプリングし、HPLCを用いてDPプロファイル決定し、還元力(reducing power)に関するLane−Eynon法を用いてDEを決定した(この方法では、混合フェーリング溶液をメチレンブルーを指示薬として使用して、サンプルで滴定する)。フェーリング溶液は、1w/v%のグルコース溶液を用いて標準化した。結果を表1に示す。

Figure 2021522799
デンプン液化物にSPEZYME(登録商標)HT TGを添加することにより、32〜40%の範囲のDE値を有する特殊シロップが得られた。SPEZYME(登録商標)HT TGを用いた単一酵素的プロセスにより得られた特殊シロップのDPプロファイルは、マルトジェニック酵素の有無にかかわらず、酸加水分解法を使用して生成されたシロップに類似している。
実施例2
様々なDPプロファイルを有する特殊シロップの生成にかかる時間及び用量の影響
デンプンスラリーは、60gのコーンスターチ(Sigma Aldrichカタログ番号S4126)を計量し、続いて500mLの三角フラスコに132gの水を添加することによって調製した。スラリーのpHは、1NのHClを使用して、5.60±0.10に調節し、続いて、SPEZYME(登録商標)HT TGを、デンプンの2.40及び2.90kg/Tの量で添加した。最終スラリー容量は、水で200mLまで調節した。液化は、水浴中で、350rpmにて24時間混合を続けながら、92℃で実施した。フラスコを6、8、10、及び24時間でサンプリングし、HPLCを用いてDPプロファイル決定し、Lane−Eynon法を用いてDEを決定した。結果を表2に示す。

Figure 2021522799
SPEZYME(登録商標)HT TGによるデンプンの液化の延長により、DP1及びDP2の含有量の増加によってもたらされたDEが高いシロップが生成される。酵素の用量の増大により、特殊シロップのDP1及びDP2含有量が更に高められる。所望のDPプロファイルを有する特殊シロップは、SPEZYME HT TGの用量及び液化時間を調節することにより得ることができる。
実施例3
特殊シロップ生成におけるDPプロファイルの進行に対する高固形分の影響
デンプンスラリーは、80gのコーンスターチ(Sigma Aldrichカタログ番号S4126)を計量し、続いて500mLの三角フラスコに132gの水を添加することによって調製した。スラリーのpHは、1NのHClを使用して、5.60±0.10に調節し、続いて、SPEZYME(登録商標)HT TGを、デンプンの1.00、1.50、2.00、2.50、及び2.90kg/Tの量で添加した。最終スラリー容量は、水で200mLまで調節した。液化は、水浴中で、350rpmにて24時間混合を続けながら、92℃で実施した。フラスコを6、8、10、及び24時間でサンプリングし、HPLCを用いてDPプロファイル決定した。結果を表4に示す。
Figure 2021522799
30w/v%のデンプンを使用して実施例2で得られた結果は、40w/v%デンプンを使用して、概して、複製された。
実施例4
特殊シロップ生成における異なるα−アミラーゼの影響
デンプンスラリーは、80gのコーンスターチ(Sigma Aldrichカタログ番号S4126)を計量し、続いて500mLの三角フラスコに132gの水を添加することによって調製した。スラリーのpHは、1NのHClを使用して、5.60±0.10に調節し、続いて、SPEZYME(登録商標)HT TG、SPEZYME(登録商標)ΑLPHA、SPEZYME(登録商標)RSL、SPEZYME(登録商標)FREDを、デンプンの1.00kg/Tの量で添加した。最終スラリー容量は、水で200mLまで調節した。液化は、水浴中で、350rpmにて24時間混合を続けながら、92℃で実施した。フラスコを6及び24時間でサンプリングし、HPLCを用いてDPプロファイル決定した。結果を表5に示す。
Figure 2021522799
注目すべきことに、SPEZYME(登録商標)HT TGは、マルトジェニック酵素の有無にかかわらず、酸加水分解法を使用して生成されたシロップに類似しているDPプロファイルを有する特殊シロップを生成できる唯一の酵素であった。
実施例6
特殊シロップ生成におけるDPプロファイルの進行に対するpH4.50の影響
デンプンスラリーは、80gのコーンスターチ(Sigma Aldrichカタログ番号S4126)を計量し、続いて500mLの三角フラスコに132gの水を添加することによって調製した。スラリーのpHは、1NのHClを使用して、4.50±0.10に調節し、続いて、SPEZYME(登録商標)HT TGを、デンプンの2.00kg/Tで添加した。最終スラリー容量は、水で200mLまで調節した。液化は、水浴中で、350rpmにて24時間混合を続けながら、92℃で実施した。フラスコを6及び24時間でサンプリングし、HPLCを用いてDPプロファイル決定した。結果を表6に示す。

Figure 2021522799
デンプンの液化時間が長くなり、液化pHが低くなると、液化pHが高くなるのに比べて、DP1、DP2、及びDP3の含有量が少なくなる。低pH(すなわち、4.50)でのSPEZYME(登録商標)HT TGによるDPプロファイルは、高pH(即ち、5.50)でのSPEZYME(登録商標)A、SPEZYME(登録商標)RSL、及びSPEZYME(登録商標)FREDにより得られたDPプロファイルよりも良好であった。
本明細書で言及した全ての刊行物、特許及び特許出願は、あらゆる目的のために、及び個別の各刊行物、特許又は特許出願が参照により組み込まれると特に且つ個別に指示されている場合と同程度までこれにより参照して全体として本明細書に組み込まれる。

Claims (7)

  1. マルトジェニックアミラーゼ(EC3.2.1.133)、β−アミラーゼ(EC3.2.1.2)、プルラナーゼ(EC3.2.1.41)、グルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマルトジェニック酵素の実質的非存在下で、デンプン基質を、マルトジェニック酵素を含む従来の多酵素、酸前処理条件により生成されたDEプロファイルと同等のDEプロファイルを有するシロップを生成することができるα−アミラーゼ(EC3.2.1.1)と接触させることを含む、マルトデキストリン及び/又は特殊シロップを生成するための方法であって、前記方法が、異なる従来の液化α−アミラーゼを利用すること以外は同一のプロセスにおいて、少なくとも1つのpH調節又は温度調節工程を実質的に排除する、方法。
  2. マルトジェニックアミラーゼ活性を有し得る前記α−アミラーゼを除く、マルトジェニック酵素の非存在下で実施される、請求項1に記載の方法。
  3. マルトジェニックアミラーゼ活性を有し得る前記α−アミラーゼを除く、任意のマルトジェニック酵素の非存在下で実施される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記プロセス工程が、異なる従来の液化α−アミラーゼを不活性化させるために液化物のpHを低下させること、マルトジェニック酵素の最適化性能を促進するために前記液化物を冷却すること、前記マルトジェニック酵素を不活性化させるために糖化液を加熱すること、及び前記生成物を濃縮するために前記糖化液を冷却することからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記α−アミラーゼが、サイトファーガ種(Cytophaga sp.)由来である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記α−アミラーゼが、配列番号1又はそのバリアントのアミノ酸配列を有するサイトファーガ種(Cytophaga sp.)由来のα−アミラーゼである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記従来の液化α−アミラーゼが、バチルス(Bacillus)由来である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
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