JP2014512829A - デンプンを液化及び糖化して高密度グルコースシロップを調製するための単一pHプロセス - Google Patents

デンプンを液化及び糖化して高密度グルコースシロップを調製するための単一pHプロセス Download PDF

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Abstract

本開示の実施形態は、糖化工程前のpH調整なしに、デンプン含有基質から高密度グルコースシロップ及び高グルコース発酵原料といった下流生成物を生成するプロセスに関する。糖化は、pH 5.2〜5.6の範囲においてグルコアミラーゼによって効果的に触媒される。
【選択図】図2

Description

(優先権)
本出願は2011年4月29日出願の米国特許仮出願61/481,084号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
(配列表)
配列番号1〜3を含む配列表を添付し、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
(発明の分野)
液化と糖化との間でのpH調整なしに、(例えば穀物などの)デンプン含有材料から高密度グルコースシロップ及び発酵原料といった下流生成物を生成するためのプロセスが開示される。
典型的に、グルコースはデンプン処理の生成物である場合があり、デンプン処理は、液化と糖化とを含む2段階の酵素処理で、デンプンの分解を触媒する工程である場合がある。液化中、不溶性顆粒デンプンは一般的に水中でスラリー状になり、加熱により糊化し、熱安定性α−アミラーゼにより加水分解される。商業的なほとんどの液化プロセスに現在用いられているα−アミラーゼは、pH 4.8〜5.2の酸性レベルにおいて安定しないため、(例えば水酸化ナトリウム若しくは水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、又はアンモニアなどの)好適なアルカリを使用してスラリーのpHをpH 5.6〜6.0に調整する。したがって、液化は通常、約5.6〜6.0のpHで実施される。
糖化中、液化で生成された可溶性デキストリンは、グルコアミラーゼで更に加水分解されて糖を生成する。グルコアミラーゼはエキソ作用型カルボヒドラーゼであり、デンプンの直鎖状及び分枝状両方のグリコシド結合(例えばアミロース及びアミロペクチン)を加水分解することが可能である。市販のグルコアミラーゼは通常、酸性pH範囲(5.0未満)において最適なpHを有する。その結果、液化物のpHは、糖化を実施するために、例えば希釈酸(例えば硫酸)を用いて、典型的に約4.2〜4.5の範囲の酸性に調整される。したがって、現在、高密度グルコースシロップ及び高グルコース発酵原料などの所望の最終生成物を得るための液化及び糖化プロセスは、異なるpHレベルで実施される。例えばグルコースといった低分子糖類などの発酵性糖は、続いて他の酵素(例えばグルコースイソメラーゼ)によってフルクトースに転換することができ、結晶化することができ、又は発酵に使用されて多くの最終生成物(例えば、アルコール類、グルタミン酸モノナトリウム、コハク酸、ビタミン類、アミノ酸類、1,3−プロパンジオール、及び乳酸)を生成することができる。
pHレベルを液化後及び糖化前に調整する必要があるために、現在利用可能なデンプン含有材料の処理方法は追加の化学物質の使用を必要とし、そのため生成原価が増大する。糖化に適した条件を提供するために液化工程後に必要なpH調整は、反応媒質中に高い塩蓄積及び高い硫黄含量をももたらして、廃棄の環境的な問題を生む可能性がある。したがって、商業上、異なるpHレベルでの液化及び糖化の実施が不要な、高密度グルコースシロップ及び高グルコース発酵原料といった最終生成物を生成する方法に対するニーズが存在する。
本開示は、液化後及び糖化前にpHを調整する必要なしに、単一pHプロセスにより高密度グルコースシロップ及び高グルコース発酵原料を生成する方法を提供する。本方法は、特定のグルコアミラーゼの際立った特性を利用する。フミコーラグリセアグルコアミラーゼ(HgGA)及びその変異体などのグルコアミラーゼは、例えば、アスペルギルスニガー(AnGA)及びタラロマイセスエマーソニー(Talaromyces emersonii)(TeGA)からのグルコアミラーゼ(GA)といった既知のグルコアミラーゼよりも高い最適pHを有する。したがって、本方法で使用されるグルコアミラーゼは、5.2〜5.6の範囲のpH、及び約58〜約62℃の範囲の温度の条件下で、デンプン基質を糖化して高密度グルコースシロップ及び高グルコース発酵原料を効果的に生成することが可能である。HgGAグルコアミラーゼはこの特性のために、高密度グルコースシロップ及び高グルコース発酵原料を生成するためにデンプンの液化及び糖化のための単一pHプロセスで使用できる。今回開示する方法はまた、グルコアミラーゼをプルラナーゼと組み合わせることでプロセスの効率を向上させることも可能である。
一態様では、グルコアミラーゼは、配列番号3を含む親フミコーラグリセアグルコアミラーゼ(HgGA)、及び親グルコアミラーゼと少なくとも99%の同一性を有する変異体からなる群から選択される。別の態様では、グルコアミラーゼは親グルコアミラーゼと比較して1つのアミノ酸の修飾を有する。更なる態様では、グルコアミラーゼは、配列番号3のアミノ酸配列を有するHgGAである。任意で、グルコアミラーゼは、トリコデルマレーシ宿主細胞内で生成される。
一実施形態において、グルコアミラーゼは、少なくとも約0.15GAU/g量、又は少なくとも約0.20GAU/g量の乾燥物質デンプンで添加される。
一態様では、糖化は、pH 5.35〜5.5にて実施される。別の態様では、糖化に使用されるデンプン基質は、液化デンプンである。更なる態様では、糖化は、約70時間で少なくとも95%のDP1濃度に達する。
一実施形態において、デンプン基質は、約30〜約50%、又は約30〜約35%の乾燥固体(DS)である。
別の態様では、デンプン基質は顆粒デンプンであり、糖化は、約28時間で少なくとも95%のDP1濃度に達し、デンプン基質のデンプン溶解度は少なくとも90%である。
一実施形態において、糖化は、約50時間で少なくとも96%のDP1濃度に達し、デンプン基質のデンプン溶解度は少なくとも97%である。
加えて、高糖含有量は1%未満であり得る。更に、デンプン基質は、約28%の乾燥固体(DS)であり得る。
添付図面が本明細書に組み込まれるが、多様な実施態様の説明を限定するものではない。図面は次の通りである。
糖化プロセス中に蓄積したグルコース(DP1)濃度の経時変化。実施例1及び表1に記載の通り、単一pH糖化は、0.18グルコアミラーゼ単位(GAU)/g量の乾燥物質デンプンでHgGAを使用して実施された。 単一pH(α−活性(α-live))糖化プロセス中に蓄積したDP1濃度の経時変化。糖化は、実施例2及び表2(フラスコ1〜4)に記載される酵素濃度を使用して、実施例2及び表2(フラスコ1〜4)に記載される条件で、HgGA、又はプルラナーゼの存在下のHgGAを用いて実施された。 糖化プロセス中に蓄積したDP1濃度の経時変化。ここで糖化前に液化物のpHを4.0未満に低下させることによりα−アミラーゼを不活性化した(α−不活性(α-killed))。糖化は、実施例2及び表2(フラスコ5〜8)に記載される酵素濃縮を使用して、実施例2及び表2(フラスコ5〜8)に記載される条件で、HgGA、又はプルラナーゼの存在下でのHgGAを用いて実施された。
本開示は、液化工程後のpH調整なしに、pH約5.2〜5.6にてデンプン基質を効果的に糖化できるグルコアミラーゼに関する。
いつくかの態様では、本開示の実施形態は、遺伝子工学及び分子生物学の分野で日常的な技術及び方法に依拠する。以下の文献は、本開示に従った有用な一般的手法の説明を含む:SambrookらのMolecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd Ed.,1989)、KreiglerのGene Transfer And Expression、A Laboratory Manual(1990)及びAusubelら編、Current Protocols In Molecular Biology(1994)。本明細書において別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本開示の属する技術分野の業者により一般に同じ意味を持つ。SingletonらのDictionary Of Microbiology And Molecular Biology,2d Ed.,John Wiley and Sons,New York(1994)、及びHale & MarkhamのThe Harper Collins Dictionary Of Biology,Harper Perennial,N.Y.(1991)は、本開示に使用される多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供する。本開示を実施又は試験する上で、本明細書に記載されるものと同様又は同等の任意の方法及び材料を使用することができるが、代表的な方法及び材料が以下に記載される。数範囲は、範囲を定義する数を含む。本開示で提供される見出しは、様々な態様又は実施形態を制限するものではなく、総じて本開示において参照として用いられ得るものである。
1.定義及び略記
この発明を実施するための形態に従い、以下の略記及び定義を適用する。本明細書で使用するとき、単数形「a」「an」及び「the」は、内容が明らかに他の事を指し示していない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ある酵素」への言及には、複数のそのような酵素が含まれる。
1.1.定義
本明細書で使用する時、「アミノ酸配列」は、用語「ポリペプチド」及び/又は用語「タンパク質」と同義である。場合によっては、用語「アミノ酸配列」は、用語「ペプチド」と同義であり、場合によっては、用語「アミノ酸配列」は、用語「酵素」と同義である。
本明細書で使用する時、用語「ヌクレオチド配列」又は「核酸配列」とは、ゲノム、合成又は組み換え起源に由来する配列を意味し、センス鎖又はアンチセンス鎖を表すかで、二本鎖又は一本鎖であることができる。本明細書で使用する時、用語「核酸」は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、及びRNAを指す。核酸の残基は、当該分野で一般的に知られかつ用いられる任意の化学的修飾を含み得る。
「単離される」とは、材料が、自然に結合している及び自然に見られる少なくとも1つの他の成分から少なくとも実質的に遊離することを指す。
「精製される」とは、材料が、例えば少なくとも約90%の純度、又は少なくとも約95%の純度、又は少なくとも約98%の純度と、比較的純粋な状態であることを指す。
「オリゴ糖」とは、3〜20の単糖類から構成される炭水化物分子を指す。
本明細書で使用する時、「形質転換細胞」とは、組み換えDNA技術を用いて形質転換された細胞を含む。典型的に形質転換は、細胞への1つ以上のヌクレオチド配列の挿入により起こる。挿入されたヌクレオチド配列は、非相同のヌクレオチド配列、すなわち融合タンパク質のような、形質転換されるべき細胞が本来有していない配列であり得る。
本明細書で使用する時、「デンプン」とは、アミロース及びアミロペクチンで構成され、化学式(C10を有し、ここで「X」が任意の数字であり得る、植物の複合多糖炭水化物からなる材料を指す。特に、この用語は、穀類、草類、塊茎類及び根類、より具体的には、小麦、大麦、トウモロコシ、ライ麦、米、サトウモロコシ、糠、キャッサバ、キビ、ジャガイモ、サツマイモ、及びタピオカを含むがそれらに限定されない植物系材料を指す。
本明細書で使用する時、「顆粒デンプン」とは、糊化を受けていない非加熱(生)のデンプンを指す。
本明細書で使用する時、「デンプン糊化」とは、デンプン分子が可溶化して粘性の懸濁液を形成することを指す。
本明細書で使用する時、「糊化温度」とは、デンプン基質の糊化が発生する最低温度を指す。正確な温度は特定のデンプン基質によって決定され、更に、デンプンが得られた植物種の特定の種類及び増殖条件によって決定され得る。
「DE」及び「デキストロース当量」とは、還元糖に転換された総固形分の割合として算出した、総還元糖の濃度を測定するための業界基準である。加水分解されていない顆粒デンプンのDEは約ゼロ(0)であり、D−グルコースのDEは約100である。
本明細書で使用する時、「デンプン基質」とは、精製デンプン、全粉砕穀類(whole ground grains)、又は破片化穀類(fractionated grains)を使用した顆粒デンプン又は液化デンプンである。
本明細書で使用する時、「液化デンプン」とは、例えば、従来型のデンプン液化処理などの可溶化処理で処理されたデンプンを指す。
「重合度(DP)」とは、所定のサッカリド中に含まれるアンヒドログルコピラノース単位の数(n)を指す。DP1の例は、グルコ−ス及びフルクトースといった単糖類である。DP2の例は、マルトース及びスクロースといった二糖類である。DP4+(>DP4)は、4を超える重合度のポリマーを指す。
本明細書で使用する時、「発酵性糖」とは、発酵条件下で代謝可能なサッカリド類を指す。これらの糖は通常、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースを指す(DP1、DP2、及びDP3)。
本明細書で使用する時、用語「総糖含量」は、デンプン組成物中に存在する総糖含量を指す。
本明細書で使用する時、「ds」とは、溶液中に溶解した固形分を指す。
本明細書で使用する時「デンプン液化酵素」とは、顆粒デンプンの加水分解又は分解を触媒する酵素を指す。代表的なデンプン液化酵素としては、α−アミラーゼ(EC 3.2.1.1)が挙げられる。
「アミラーゼ」とは、とりわけ、デンプンの分解を触媒することが可能な酵素を指す。
「α−アミラーゼ(EC 3.2.1.1)」とは、デンプン分子内のα−D−(1→4)O−グルコシド結合をランダムな方式で開裂するエンド作用型酵素を指す。一方で、β−アミラーゼ(EC 3.2.1.2、α−D−(1→4)−グルカンマルトヒドロラーゼ)及びマルトジェニックα−アミラーゼ(EC 3.2.1.133)といった、生成物特異的アミラーゼなどのエキソ作用型デンプン分解酵素は、基質の非還元末端からデンプン分子を開裂する。これらの酵素は、1,4−α−結合D−グルコース単位を含有する多糖中の1,4−α−D−グリコシド結合のエキソ作用型又はエンド作用型加水分解に作用するものとしても報告されている。これらの酵素を記載するのに使用される別の用語は、グリコゲナーゼである。代表的な酵素としては、α−1,4−グルカン4−グルカノヒドロラーゼが挙げられる。
本明細書で使用する時、「グルコアミラーゼ」とは、アミログルコシダーゼクラスの酵素(EC 3.2.1.3、グルコアミラーゼ、α−1,4−D−グルカングルコヒドロラーゼ)を指す。これらはエキソ作用型の酵素であり、アミロース及び/又はアミロペクチン分子の非還元末端からグルコシル残基を遊離する。これらの酵素はまた、α−1,6及びα−1,3結合を加水分解することも可能であるが、α−1,4結合の加水分解よりもはるかに遅い速度で加水分解する。
本明細書で使用する時、「最大活性」とは、例えば最適pHにおいてなどの最も有利な条件下で測定された酵素活性を指す。本明細書で使用する時、「最適pH」とは、他の条件が等しいときに、酵素が最も高い活性を示すpH値を指す。
タンパク質又はポリペプチドの「成熟型」という用語は、タンパク質又はポリペプチドの最終機能形態を指す。グルコアミラーゼの成熟型は、例えばシグナルペプチド及び/又は開始メチオニンが欠失されている場合がある。グルコアミラーゼの成熟型は、例えば内因性発現によって、その天然の宿主から生成することができる。あるいは、グルコアミラーゼの成熟型は、例えば外因性発現によって、その非天然の宿主から生成することができる。外因的に発現されたグルコアミラーゼは、内因的に発現された対応物と比較して多様なグリコシル化パターンを有し得る。
用語「親」又は「親配列」とは、天然の又は天然に発生した配列を指す。
本明細書で使用する時、用語「変異体」とは、親グルコアミラーゼの配列に対してある程度のアミノ酸配列の同一性を有するグルコアミラーゼに関して使用される。変異体は親配列と類似しているが、そのアミノ酸配列に少なくとも1つの置換、欠失、又は挿入を有して、親グルコアミラーゼと異なる配列を有する。場合によっては、変異体は操作及び/又は改変されて、そのアミノ酸配列に少なくとも1つの置換、欠失、又は挿入を含んで、親と異なる配列を有する。加えて、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼの機能特徴を保持、例えば、親グルコアミラーゼの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%のグルコアミラーゼ活性を維持し得る。
本明細書で使用する時、「デンプンの加水分解」は、水分子の添加によるグリコシド結合の開裂を指す。
本明細書で使用する時、「最終生成物」又は「所望の最終生成物」とは、酵素及び/又は微生物によってデンプン基質が転換した後の分子又は化合物を指す。
本明細書で使用する時、「接触」又は「混合」とは、(1つ又は複数の)酵素が基質を最終生成物に転換することができるために、それぞれの(1つ又は複数の)酵素をそれぞれの基質に十分に近接させて設置することを指す。当業者は、酵素溶液をそれぞれの基質と混ぜることが接触又は混合に影響を与え得ることを理解するであろう。
1.2.略語
別途記載のない限り、以下の略号を使用する。
Figure 2014512829
2.デンプン処理における酵素
2.1.グルコアミラーゼ
2.1.1.所望のpHプロファイルを有するグルコアミラーゼ
グルコアミラーゼは、多くの細菌類、菌類、酵母、及び植物の菌株から生成される。多くの真菌グルコアミラーゼは、例えばアスペルギルス(SvenssonらのCarlsberg Res.Commun.48:529〜544(1983)、BoelらのEMBO J.3:1097〜1102(1984)、HayashidaらのAgric.Biol.Chem.53:923〜929(1989)、米国特許第5,024,941号、米国特許第4,794,175号及びPCT公報WO 88/09795号)、タラロマイセス(米国特許第4,247,637号、米国特許第6,255,084号、及び米国特許第6,620,924号)、リゾプス(AshikariらのAgric.Biol.Chem.50:957〜964(1986)、AshikariらのApp.Microbio.Biotech.32:129〜133(1989)及び米国特許第4,863,864号)、フミコーラ(PCT公報WO 05/052148号及び米国特許第4,618,579号)、並びにムコール(Houghton−LarsenらのAppl.Microbiol.BioTechnol.62:210〜217(2003))の菌株からなど、細胞外で生成される真菌酵素である。これらの酵素をコード化する遺伝子の多くがクローン化され、酵母、真菌、及び/又は細菌の細胞内で発現される。
商業的に、グルコアミラーゼは、(例えば、デンプンからグルコース及びその他の単糖類を生成するために)非常に重要な酵素であり、デンプンの加水分解を必要とする多様な用途に使用されてきた。グルコアミラーゼは、米国の甘味料市場で50%超を占める高フルクトーストウモロコシ甘味料の生産に使用される。一般的に、グルコアミラーゼは、デンプンをデキストリンに、次いでグルコ−スに加水分解するために、デンプン加水分解プロセスにおいてα−アミラーゼとともに使用される可能性があり、通常は使用される。続いてグルコ−スを他の酵素(例えば、グルコースイソメラーゼ)によってフルクトースに転換し、結晶化し、又は発酵に使用して(例えば、エタノール、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸中間体、グルタミン酸、グリセロール、1,3−プロパンジオール、及び乳酸などの)多くの最終生成物を生成することができる。
本開示の実施形態は、例えばpH 5.2〜5.6でデンプン基質を効果的に糖化することが可能なグルコアミラーゼを使用する。所望のpHプロファイルを有するグルコアミラーゼには、フミコーラグリセアグルコアミラーゼ(HgGA)が挙げられるが、これに限定されない。
HgGAは配列番号3のアミノ酸配列を含むグルコアミラーゼであってよく、これは米国特許第4,618,579号及び同第7,262,041号に詳述されている。このHgGAは、顆粒状のデンプンを加水分解することが可能であるため、顆粒デンプン加水分解酵素(GSHE)とも記載される。フミコーラグリセア種サーモイデアからHgGAをコード化するゲノム配列は、配列番号1として表され、3つの推定イントロンを含有する(位置233〜307、752〜817、及び950〜1006)。フミコーラグリセア種サーモイデア由来の天然HgGAは配列番号2のアミノ酸配列を有し、30のアミノ酸残基(配列番号2の位置1〜30)を含有するシグナルペプチドを含む。シグナルペプチドの開裂は、配列番号3のアミノ酸配列を有する成熟HgGAをもたらす。本開示の実施形態はまた、例えばトリコデルマレーシ細胞などのトリコデルマ宿主細胞から生成したHgGAも含む。米国特許第7,262,041号を参照されたい。
2.1.2.構造及び機能
本開示の実施形態のグルコアミラーゼは、HgGAの変異体であってもよい。変異体は、親グルコアミラーゼと少なくとも99%の配列同一性を有する。任意で、変異体は、親グルコアミラーゼの成熟型と比較して、1、2、3、4、5、又は6のアミノ酸の修飾を有する。一実施形態において、グルコアミラーゼは、配列番号3を含む親HgGAの変異体であり、変異体は、親グルコアミラーゼと少なくとも99%の同一性を有する。変異体は、所望のpHプロファイル、及び5.2〜5.6の範囲のpHでデンプン基質を糖化する能力を有する。いくつかの実施形態において、変異体は、改善された熱安定性及び改良された特異性などの、その他の改善された特性を有することができる。
グルコアミラーゼは3つもの異なる構造ドメインからなる:すべてのグルコアミラーゼ内に構造的に保存されたおよそ450の残基からなる触媒ドメイン、通常は続いて30〜80の残基からなるリンカー領域、それがおよそ100の残基からなるデンプン結合ドメインと連結する。3つ領域のいずれも損なわれていないトリコデルマレーシグルコアミラーゼ(TrGA)の構造を1.8オングストローム分解能で決定した。PCT公報WO 2009/048488号及び同第WO 2009/048487号を参照されたい。決定した座標を用いて、構造体を、先に決定されたアスペルギルスアワモリ株X100由来のグルコアミラーゼの触媒ドメインの座標に合わせて配置した(Aleshin,A.E.,Hoffman,C.,Firsov,L.M.,及びHonzatko,R.B.のRefined crystal structures of glucoamylase from Aspergillus awamori var.X100.J.Mol.Biol.238:575〜591(1994))。番号を参照されたい。TrGA及びアスペルギルスアワモリグルコアミラーゼの触媒ドメインの構造は非常に一致する点が多く、この構造的重複を基にして、等価の残基を同定することが可能である。番号を参照されたい。すべてのグルコアミラーゼが、基本構造を共有すると更に考えられる。番号を参照されたい。
グルコアミラーゼの周知の構造及び機能の関連性を考慮して、変化した特性を有するグルコアミラーゼ変異体が成功裡に作り出され、特徴づけられてきた。変異体は、親グルコアミラーゼと比較して改善された特性を示す場合がある。改善された特性には、向上した熱安定性及び向上した比活性が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、変化した特性を備えるTrGA変異体を調製及び特徴づけする方法は、PCT公報WO 2009/067218号に記載されている。機能性TrGA変異体は、1つ以上の特異的な配列修飾を有することが確認されている。いくつかのTrGA変異体は、例えば、複数の配列修飾を有する。PCT公報WO 2009/067218号は、例えば、6つ以上のアミノ酸修飾を有するTrGA変異体を開示している。これらのTrGA変異体は、少なくとも親TrGAと同量の活性を示し、多くの場合は向上した特性を示す。HgGA内の対応する残基を変更することによりグルコアミラーゼ活性を備える変異体が生み出されることが期待される。本方法で有用なグルコアミラーゼ変異体は、5.2〜5.6の範囲のpHでデンプンを効率的に加水分解することができる。
2.1.3.グルコアミラーゼの生成
本開示の実施形態に適したグルコアミラーゼは、様々な宿主細胞における組み換えDNA技術を用いて生成することができる。
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、細菌、真菌、植物、及び酵母の細胞から選択される。用語「宿主細胞」には、細胞及び細胞の子孫の両方、並びに本開示の変異グルコアミラーゼを生成するのに使用される細胞から作り出されたプロトプラストが含まれる。いくつかの実施形態において、宿主細胞は真菌細胞であり、典型的には糸状真菌宿主細胞である。用語「糸状真菌」は、ユーミコチナ(Eumycotina)下位部門のすべての糸状形態を指す(Alexopoulos,C.J.(1962),Introductory Mycology,Wiley,New Yorkを参照されたい)。これらの真菌は、キチン、セルロース、及びその他の複合多糖類からなる細胞壁を有する栄養菌糸により特徴づけられる。本開示の糸状真菌は、形態学的に、生理学的に、及び遺伝学的に、酵母とは区別される。糸状真菌による栄養成長は菌糸の伸長によるものであり、炭素の異化は絶対好気性である。本開示の実施形態において、糸状真菌親細胞は、トリコデルマ(例えばトリコデルマレーシ、ハイポクレアジェコリナの無性変異型であり、以前はトリコデルマロンギブラキアタム、トリコデルマビリデ、トリコデルマコニンギ、トリコデルマハルジアナムとして分類)(Sheir−Neirsら、(1984)Appl.Microbiol.Biotechnol 20:46〜53、ATCC No.56765、及びATCC No.26921)、ペニシリウム種、フミコーラ種(例えば、フミコーラインソレンス、フミコーララヌギノーサ、及びフミコーラグリセア)、クリソスポリウム種(例えば、クリソスポリウムラクノウェンス)、グリオクラジウム種、アスペルギルス種(例えば、アスペルギルスオリザエ、アスペルギルスニガー、アスペルギルスソジャエ、アスペルギルスジャポニクス、アスペルギルスニデュランス、及びアスペルギルスアワモリ)(Wardら、(1993)Appl.Microbiol.Biotechnol.39:738〜743及びGoedegebuurら、(2002)Genet 41:89〜98)、フサリウム種(例えば、フサリウムロゼウム、フサリウムグラミナム、フサリウムセレアリス、フサリウムオキシスポリウム、フサリウムベネナタム)、ニューロスポラ種(ニューロスポラクラッサ)、ハイポクレア種、ムコール種(ムコールミエヘイ)、リゾプス種、及びエメリセラ種の細胞であってよいが、それらに限定されない(Innisら、(1985)Sci.228:21〜26も参照されたい)。用語「トリコデルマ」、「トリコデルマ種(Trichoderma sp.)」又は「トリコデルマ種(Trichoderma spp.)」は、従来又は現在リコデルマとして分類されている任意の真菌属を指す。他の実施形態においては、宿主細胞は、遺伝子組み換えされた宿主細胞となり、例えば真菌細胞を欠失させるなどして、天然の遺伝子が不活性化される。1つ以上の不活性化遺伝子を有する真菌宿主細胞を得ることが望ましい場合、既知の方法を用いることができる(例えば、米国特許第5,246,853号、及び同第5,475,101号、並びにPCT公報WO 92/06209号で開示される方法)。遺伝子の不活性化は、完全な又は部分的な欠失により、挿入による不活性化により、又は(遺伝子が機能性タンパク質の発現を阻害されるように)意図される目的のために遺伝子を非機能的にする任意の他の手段により、実行できる。いくつかの実施形態において、宿主細胞がトリコデルマ細胞、特にトリコデルマレーシ宿主細胞である場合、cbh1、cbh2、egl1、及びegl2遺伝子が不活性化及び/又は典型的には欠失される。典型的には、クアッド欠失タンパク質を有するトリコデルマレーシ宿主細胞に関しては、米国特許第5,847,276号、及びPCT公報WO 05/001036号に記載の上説明されている。他の実施形態において、宿主細胞はプロテアーゼ欠乏、又はプロテアーゼ欠損株である。
組み換えDNA技術を用いて本開示の実施形態のグルコアミラーゼを生成するために、指定されたグルコアミラーゼのアミノ酸配列をコード化する核酸を含むDNA構築体を、例えば、トリコデルマレーシ宿主細胞に構築及び転換することができる。ベクターは、トリコデルマレーシ宿主細胞に導入したとき、宿主細胞ゲノムに統合されかつ複製され得る任意のベクターであってよい。ベクターの一覧は、Fungal Genetics Stock Center Catalogue of Strains(FGSC<www.fgsc.net>)で参照される。好適な発現ベクター及び/又は統合ベクターの追加例は、上述のSambrookら(1989)、上述のAusubel(1987)、及びvan den Hondelら(1991)(Bennett及びLasure編)、More Gene Manipulations In Fungi,Press pp.396〜428、並びに米国特許第5,874,276号に提供される。グルコアミラーゼをコード化する核酸は、トリコデルマレーシ宿主細胞内の転写活性を示す好適なプロモーターに操作可能に連結することができる。プロモーターは、宿主細胞に相同な又は非相同なタンパク質をコード化する遺伝子から得られるものであり得る。プロモーターの好適な非限定例には、cbh1、cbh2、egl1、egl2が挙げられる。一実施形態において、プロモーターは天然のトリコデルマレーシプロモーターであり得る。典型的には、プロモーターは、誘導性プロモーターであり、登録番号D86235でジェンバンク(GenBank)に預けられる、トリコデルマレーシcbh1であってよい。「誘導性プロモーター」は、環境的な又は発生的調節下で活性なプロモーターを指す場合がある。別の実施形態において、プロモーターはトリコデルマレーシ宿主細胞に非相同なプロモーターであってよい。有用なプロモーターの他の例には、アスペルギルスアワモリ及びアスペルギルスニガーグルコアミラーゼ遺伝子が挙げられる(例えば、Nunbergら、(1984)Mol.Cell Biol.4、2306〜2315及びBoelら、(1984)EMBO J.3、1581〜1585を参照されたい)。また、トリコデルマレーシxln1遺伝子及びセロビオヒドラーゼ1遺伝子のプロモーターも有用であり得る。
いくつかの実施形態において、グルコアミラーゼコード配列はシグナル配列と操作可能に連結することができる。シグナル配列は、グルコアミラーゼの天然のシグナルペプチドであり得る(例えば、HgGAでは配列番号2の残基1〜20)。あるいは、シグナル配列は、天然のシグナル配列に対して少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有し得る。追加の実施形態において、トリコデルマレーシ宿主細胞に導入されるDNA構築体又はベクターを含むシグナル配列及びプロモーター配列は、同じ供給源に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、シグナル配列は、cdhlプロモーターと操作可能に連結するcdhlシグナル配列であり得る。
いくつかの実施形態において、発現ベクターは、終止配列も含む場合がある。一実施形態において、終止配列及びプロモーター配列は、同じ供給源由来であり得る。別の実施形態では、終止配列は宿主細胞と相同であり得る。特に好適なターミネーター配列は、トリコデルマレーシ由来のcbh1であり得る。他の代表的な真菌ターミネーターとしては、アスペルギルスニガー、又はアスペルギルスアワモリのグルコアミラーゼ遺伝子由来のターミネーターが挙げられる。
いくつかの実施形態において、発現ベクターは、選択マーカーを含み得る。代表的な選択マーカーの例としては、抗菌性耐性を付与するものが挙げられる(例えば、ハイグロマイシン及びフレオマイシン)。当技術分野においてamdS、argB、及びpyr4として知られるマーカーを含む栄養選択マーカーは、本開示においても有用である。ベクター系においてトリコデルマの形質転換に有用なマーカーは、当該技術分野において既知である(例えば、FinkelsteinのBiotechnology Of Filamentous Fungi第6章、Finkelsteinら編のButterworth−Heinemann,Boston,Mass.(1992)第6章、及びKinghornら(1992)のAPPLIED MOLECULAR GENETICS OF FILAMENTOUS FUNGI,Blackie Academic and Professional,Chapman and Hall,Londonを参照されたい)。代表的な実施形態では、選択マーカーは、酵素アセトアミダーゼをコード化して窒素源としてアセトアミド上で形質転換細胞を増殖させるamdS遺伝子であってよい。選択マーカーとしてのアスペルギルスニデュランスamdS遺伝子の使用に関しては、例えばKelleyら、(1985)EMBO J.4、475〜479、及びPenttilaら、(1987)Gene 61、155〜164に説明されている。
グルコアミラーゼをコード化するポリヌクレオチドを有するDNA構築体を含む発現ベクターは、所定の真菌宿主生物内で自己複製可能な、又は宿主のDNAに統合可能な、任意のベクターであってよい。いくつかの実施形態では、発現ベクターはプラスミドであり得る。典型的な実施形態では、遺伝子を発現させるための2種類の発現ベクターが考えられる。
第1の発現ベクターは、プロモーター、グルコアミラーゼコード化領域、及びターミネーターのすべてが発現する遺伝子に由来するDNA配列を含み得る。いくつかの実施形態において、遺伝子トランケーションは、望ましくないDNA配列(例えば、不要なドメインをコード化するDNA)を欠失させて、それ自体の転写及び翻訳制御配列の制御下でドメインの発現を維持することで得ることができる。
第2のタイプの発現ベクターは、予め組み立てられ、かつ高レベルの転写に必要とされる配列及び選択マーカーを含有することができる。いくつかの実施形態において、グルコアミラーゼ遺伝子又はその一部に関するコード領域は、発現構築プロモーター配列及びターミネーター配列の転写制御下にあるよう、この汎用発現ベクターに挿入することができる。いくつかの実施形態において、遺伝子又はその一部は、強力なcbh1プロモーターといった強力なプロモーターの下流に挿入することができる。
グルコアミラーゼ、プロモーター、ターミネーター、及び他の配列をコード化するポリヌクレオチドを含有するDNA構築体を連結させ、かつそれらを好適なベクターに挿入するのに使用される方法は、当該技術分野において周知である。連結は、概して一般的な制限部位でライゲーションさせることで実行できる。このような部位が存在しない場合、従来法に従って、合成オリゴヌクレオチドリンカーを使用する。(上述のSambrook(1989)、及びBennett及びLasureのMore Gene Manipulations In Fungi,Academic Press,San Diego(1991)pp 70〜76を参照されたい。)加えて、ベクターは、既知の組み換え法(例えば、Invitrogen Life Technologies,Gateway Technology)により構築することができる。
宿主細胞へのDNA構築体又はベクターの導入には、形質転換、電気穿孔法、核微量注入法、形質導入、トランスフェクション、(例えば、リポフェクションを介した、及びDEAE−デキストリンを介したトランスフェクション)、リン酸カルシウムDNA沈殿を用いたインキュベーション、DNAコーティングされた微粒子銃による高速導入、及びプロトプラスト融合といった技術が含まれる。一般的な形質転換技術は当該技術分野において既知である(例えば、上述のAusubelら、(1987)、第9章、及び上述のSambrook(1989)、及びCampbellら(1989)のCurr.Genet.16:53〜56を参照されたい)。トリコデルマ内での非相同タンパク質の発現に関しては、米国特許第6,022,725号、同第6,268,328号、Harkkiら(1991)のEnzyme Microb.Technol.13:227〜233、Harkkiら(1989)のBio Technol.7:596〜603、欧州特許第244,234号、欧州特許第215,594号、及びNevalainenらの「The Molecular Biology of Trichoderma and its Application to the Expression of Both Homologous and Heterologous Genes」、Molecular Industrial Mycology、Leong及びBerka編、Marcel Dekker Inc.,NY(1992)pp.129〜148)に記載されている。
いくつかの実施形態において、遺伝子的に安定な形質転換体はベクター系により構築されることができ、それによってグルコアミラーゼをコード化している核酸を宿主株の染色体に安定的に統合する。続いて形質転換体を既知の技術で精製する。
1つの非限定的な例では、amdSマーカーを含む安定的な形質転換体は、アセトアミドを含有する固体培地上で、そのより迅速な増殖速度、及び輪郭がでこぼこしておらず滑らかな円形コロニーの形成により、不安定な形質転換体から区別される。更に、場合によっては、非選択型の固体培地(すなわち、アセトアミドを欠く培地)で形質転換体を増殖させ、この培地から胞子を回収し、続いて出芽させかつアセトアミドを含有する選択培地で増殖するこれらの胞子の割合を判定することで、安定性を更に試験することができる。あるいは、当該技術分野において既知の他の方法を使用して形質転換体を選択することもできる。
宿主トリコデルマ種株へのDNA取り込みは、カルシウムイオン濃度に依存する。一般的に、約10〜50mMのCaClが取り込み用溶液に使用され得る。取り込み溶液中にカルシウムイオンが必要とされるのに加えて、一般的に含まれる他の化合物は、TE緩衝液(トリス10mM(pH 7.4)、EDTA 1mM)又は10mMのMOPS(モルホリノプロパンスルホン酸)緩衝液(pH 6.0)、及びポリエチレングリコール(PEG)などの緩衝系である。ポリエチレングリコールが細胞膜を融合させるよう作用し、そうして培地の内容物をトリコデルマ種株の細胞質へ送達することで、プラスミドDNAが核に移行されるものと考えられる。この融合は、宿主の染色体に組み込まれたプラスミドDNAの複数のコピーを高頻度に残す。
通常、密度10〜10/mL、典型的には2×10/mLで透過処理を施したトリコデルマ種のプロトプラスト又は細胞を含有する懸濁液が、形質転換に使用される。適切な溶液(例えば、ソルビトール1.2M、CaCl 50mM)中の100μLの体積のこれらのプロトプラスト又は細胞を、所望のDNAと共に混合する。一般的に、高濃度のPEGを取り込み用溶液に添加することができる。0.1〜1体積の25%のPEG 4000をプロトプラスト懸濁液に添加することができる。プロトプラスト懸濁液に約0.25体積を加えることも、典型的である。ジメチルスルホキシド、ヘパリン、スペルミジン、及び塩化カリウムなどの添加剤も形質転換時に取り込み用溶液に加えることができ、形質転換の助けとなり得る。同様の手順が他の真菌宿主細胞についても利用可能である。例えば、米国特許第6,022,725号及び同第6,268,328号を参照されたい。
一般的に、続いて10〜30分間にわたり混合物をおよそ0℃でインキュベートすることができる。続いて追加のPEGを混合物に添加して、所望の遺伝子又はDNA配列の取り込みを更に高めることができる。形質転換混合物の5〜15倍の体積の、25%のPEG 4000を一般に添加することができるが、これよりも多量及び少量で添加することが好適な場合もある。25%のPEG 4000は、通常、形質転換混合物の約10倍の体積であり得る。PEGが添加された後、形質転換混合物を続いて室温で又は氷上のいずれかでインキュベートし、その後、ソルビトール及びCaCl溶液を添加することができる。続いて、プロトプラスト懸濁液を、増殖培地の溶融アリコートに更に添加することができる。この増殖培地は、形質転換体のみを増殖させるものである。
一般的に、細胞は、生理的食塩及び栄養物を含む標準培地内で培養される(例えば、Pourquie,J.らのBiochemistry And Genetics Of Cellulose Degradation、Aubert,J.P.ら編、Academic Press,pp.71 86,1988、及びIImen,M.ら(1997)のAppl.Environ.MicroBiol.63:1298〜1306を参照されたい)。一般的に商業的に調製される培地(例えば、Yeast Malt Extract(YM)ブロス、Luria Bertani(LB)ブロス、及びSabouraud Dextrose(SD)ブロス)も、本実施形態で有用である。
培養条件もまた標準であり、例えば、培養物は振とう培養液又は発酵装置内の適した培地にて、所望のレベルのグルコアミラーゼ発現が達成されるまで、およそ28℃でインキュベートされる。真菌の増殖を確立した後、細胞を、グルコアミラーゼの発現を引き起こす、又は可能にするのに有効な条件に曝露する。グルコアミラーゼをコード化する配列が、誘導性プロモーターの制御下にある場合、グルコアミラーゼの発現を誘導するのに有効な濃度で誘導剤(例えば、糖、金属塩又は抗菌剤)を培地に添加することができる。
一般的に、細胞培養物内で生成されたグルコアミラーゼは培地に分泌され、また例えば、細胞培地から不要な成分を除去することで精製又は単離することができる。場合によっては、グルコアミラーゼは、細胞形態で生成され得、その場合は細胞溶解物から回収する必要がある。このような場合、酵素は、当業者により慣習的に使用される技術を用い、それを生成した細胞から精製することができる。これらの技術の例には、親和性クロマトグラフィー(Tilbeurghら(1984)のFEBS Lett.16:215)、イオン交換クロマトグラフィー(Goyalら(1991)のBiores.Technol.36:37、Fliessら(1983)のEur.J.Appl.MicroBiol.BioTechnol.17:314、Bhikhabhaiら(1984)のJ.Appl.Biochem.6:336、及びEllouzら(1987)のChromatography 396:307)、例えば高い分解能を有する材料を使用したイオン交換法(Medveら、(1998)J.Chromatography A 808:153)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(Tomaz及びQueiroz(1999)のJ.Chromatography A 865:123を参照されたい)、二相分離法(Brumbauerら(1999)のBioseparation 7:287を参照されたい)、エタノール沈殿法、逆相HPLC、シリカ又はDEAEといったカチオン交換樹脂上でのクロマトグラフィー、クロマト分画法、SDS−PAGE法、硫酸アンモニウム沈殿法、及びゲル濾過法(例えばSephadex G−75)が挙げられるが、これらに限定されない。
2.2.α−アミラーゼ
α−アミラーゼは、微生物及び動植物の組織内に存在する酵素の群を構成する。α−アミラーゼは、グリコーゲン、デンプン、関連する多糖類、及び一部のオリゴ糖のα−1,4−グリコシド結合を加水分解できる。すべてのα−アミラーゼは同じ触媒作用を有するが、それらのアミノ酸配列は大きく異なる。異なるアミラーゼ間の配列同一性は、例えば25%未満であり、実質的には存在しない。アミノ酸配列にかなりの差があるにもかかわらず、α−アミラーゼは共通した全体の幾何学的構造を共有し、それは、異なる種からのα−アミラーゼの三次元構造が決定した後に識別されている。共通する三次元構造では、(1)ドメインAとして知られる「TIM」バレル、(2)ドメインA内に挿入される、ドメインBとして知られる長いループ領域、及び(3)ギリシャキーモチーフを有する固有のβ−構造を備え、ドメインCとして知られるC−末端に近い領域、の3つのドメインが明らかにされる。
「ターマミル様」α−アミラーゼとは、デンプン処理産業において広く使用されるα−アミラーゼの群を意味する。米国特許第6,440,716号に記載される、配列番号2のアミノ酸配列を有するバチルスリケニフォルミスα−アミラーゼは、Termamyl(登録商標)として市販されている。ターマミル様α−アミラーゼとは一般に、バチルス種により生成された極めて相同性のα−アミラーゼの群を指す。群の他のメンバーは、ゲオバチルスステアロサーモフィルスのα−アミラーゼ(従来はバチルスステアロサーモフィルスとして知られており、どちらの名称も本開示内で互換的に使用される)、及びバチルスアミロリケファシエンス、並びにバチルス種由来のNCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、及びDSM 9375が含まれ、これらのすべてが米国特許第6,440,716号及び公報PCT WO 95/26397号に詳細に説明される。
α−アミラーゼは例外なく上記の3つのドメインを含有しているが、バチルスズブチルスのAmyEなどの一部のα−アミラーゼの三次元構造は、ターマミル様α−アミラーゼとは異なる。これらの酵素は、非ターマミル様α−アミラーゼと総称される。本開示の目的のための「AmyE」とは、自然に発生するバチルスズブチルス由来のα−アミラーゼ(EC 3.2.1.1、1,4−α−D−グルカングルカノヒドロラーゼ)を意味する。代表的なAmyE酵素及びその変異体は、ともに2009年6月4日出願の米国特許出願第12/478,266号及び同第12/478,368号、並びに2009年6月5日出願の同第12/479,427号に開示される。
2.3.その他の酵素
本開示の実施形態では、(1つ又はそれ以上の)その他の酵素も、糖化及び/又は発酵中にデンプン処理に加えることができる。補助的な酵素には、プロテアーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、シクロデキストリングリコトランスフェラーゼ、リパーゼ、フィターゼ、ラッカーゼ、オキシダーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、キシラナーゼ、プルラナーゼ、及び/又はα−グルコシダーゼが含まれ得る。例えばPCT公報WO 2009/099783号を参照されたい。当業者は、上記の酵素を使用する方法をよく理解している。
3.デンプンの処理
3.1.デンプン基質及び原材料
当業者は、本開示のプロセスで使用するデンプン基質の調製に使用し得る、利用可能な方法をよく理解している。例えば、有用なデンプン基質は、特に塊茎類、根類、茎類、豆類、穀類又は未精製の穀物から得ることができる。より具体的には、顆粒デンプンは、多量のデンプンを産出する植物から得られる。例えば、顆粒デンプンは、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、ミロ、サゴ、キャッサバ、タピオカ、ソルガム、米、エンドウ豆、豆、バナナ、又はジャガイモから得ることができる。トウモロコシは約60〜68%のデンプンを含有し、大麦は約55〜65%のデンプンを含有し、キビは約75〜80%のデンプンを含有し、小麦は約60〜65%のデンプンを含有し、精白米は約70〜72%のデンプンを含有する。具体的に考慮されるデンプン基質は、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、及び大麦デンプンである。穀物由来のデンプンは粉末状でも未精製でもよく、穀粒、糠、及び/又は穂軸といったトウモロコシ固形分を含む。デンプンは、高精製した生デンプン、又はデンプン精製プロセスで得られる原材料であってよい。様々なデンプンもまた市販されている。例えば、トウモロコシデンプンは、Cerestar,Sigma,and Katayama Chemical Industry Co.(Japan)から、小麦デンプンはSigmaから、サツマイモデンプンはWako Pure Chemical Industry Co.(Japan)から、そしてジャガイモデンプンはNakaari Chemical Pharmaceutical Co.(Japan)から入手可能であり得る。
3.2.粉砕
デンプン基質は、粉砕した未精製の穀物から得た粗デンプンであってよく、非デンプン分画、例えば胚芽残渣及び繊維を含む。粉砕は、湿式粉砕法又は乾式粉砕法のどちらを含んでもよい。湿式粉砕法では、未精製の穀物を水又は希酸に浸して、穀物をその構成部分(例えば、デンプン、タンパク質、胚芽、油、穀粒繊維)に分離することができる。湿式粉砕法は胚芽と穀粉(meal)(すなわち、デンプン顆粒とタンパク質)を効率的に分離し、シロップの調製に特に好適となり得る。乾式粉砕法では、未精製の穀粒を挽いて細かい粉末にし、穀物をその構成部分に分画せずに処理する。そのため、乾式粉砕された穀物は、デンプンに加えて、大量の非デンプン炭水化物化合物を含む。エタノールの大半は乾式粉砕によりもたらされる。あるいは、加工処理されるデンプンは、高度に精製された、例えば少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は少なくとも約99.5%の純度のデンプン品質であり得る。
3.3.糊化及び液化
本明細書で用いる用語「液化」又は「液化する」は、デンプンが、より低い粘性及び可溶性の短鎖デキストリンに転換するプロセスを意味する。このプロセスは、α−アミラーゼの添加を同時に又は続けて行う、デンプンの糊化を伴う。追加の液化誘導酵素、例えばフィターゼを、任意に添加してもよい。
いくつかの実施形態において、上記の通りに調製したデンプン基質を、水でスラリー状にしてもよい。デンプンスラリーは、約10〜55重量%、約20〜45重量%、約30〜45重量%、約30〜40重量%、又は約30〜35重量%の乾燥固体のデンプンを含有し得る。α−アミラーゼの安定性及び活性を最適化するために、スラリーのpHをα−アミラーゼの最適pHに調節してもよい。液化後にスラリー中に残ったα−アミラーゼを、続く反応工程でpHを低下することによって、又はスラリーからカルシウムを除去することによって、不活性化することができる。
α−アミラーゼを加えたデンプンスラリーは、約85〜最高約105℃に蒸気加熱できるジェットクッカーから連続して圧送することができる。これらの条件下では、糊化は非常に急速に発生し、また酵素活性が有意なせん断力と組み合わされて、デンプン基質の加水分解を開始する。ジェットクッカー内に滞留する時間は非常に短くてよい。部分的に糊化したデンプンを、約85〜105℃に維持された一連の保持管に注入した後、約5分間保持して、糊化プロセスを完了することができる。逆混合を防ぐために、これらの槽はバッフルを備えてもよい。本明細書で使用するとき、用語「第2液化」とは、第1液化に続く液化工程を意味し、このときスラリーは室温に冷やされる。この冷却工程は、約30〜約180分であってよく、例えば約90分〜120分である。粉砕及び液化された穀物は、マッシュとしても知られる。
3.4.糖化
液化に続き、マッシュを糖化することで更に加水分解し、下流用途において容易に使用できる高密度グルコースシロップにすることができる。本実施形態の糖化は、上述のグルコアミラーゼを使用することにより、5.2〜5.6の範囲のpHにおいて実施することができる。グルコアミラーゼは、約0.15〜2.0GAU/g dss、約0.20〜1.5GAU/g dss、又は1.0〜1.5GAU/g dssの範囲で投与してよい。糖化は約58〜約62℃で実施し得る。
糖化の全工程は、典型的に24〜96時間、24〜72時間、又は24〜48時間にわたる。
3.5.発酵
本開示のいくつか実施形態において、発酵性糖をバッチ又は連続発酵条件に晒すことができる。標準的なバッチ発酵は閉鎖システムであり、培地組成は発酵処理の開始時に設定され、発酵処理中に人工的な改変は加えられない。したがって、発酵処理の開始時に、培地に所望の(1つ又は複数の)生物を植菌することができる。この方法では、システムにいかなる成分も追加することなく発酵を起こすことができる。典型的には、バッチ発酵は、炭素源の添加に関して「バッチ」としての要件を満たしており、pH及び酸素濃度などの要素を制御する試みがしばしば行われている。バッチシステムの代謝物及びバイオマス組成物は、発酵処理が停止する時間まで絶え間なく変化する。バッチ培養内で、細胞は、静的遅滞期を経て高対数増殖期へと進行していき、最終的に静止期に至って、そこで成長速度が減衰又は停止する。処理されなければ、静止期にある細胞は最終的に死滅する。一般的に、対数期にある細胞が最終生成物の生成の容量を左右する。
標準的なバッチシステムの変種に「フェドバッチ発酵」システムがあり、これは本開示のいくつかの実施形態で使用され得る。典型的なバッチシステムのこの変種において、発酵の進行とともに基質を徐々に添加することができる。フェドバッチシステムは、異化代謝産物抑制が細胞の代謝を阻害する傾向にあって、培地中の基質の量を制限することが望ましい場合に、特に有用である。フェドバッチシステムにおける基質の実濃度の測定は困難であり得るため、pH、溶存酸素、及びCOなどの廃棄ガスの分圧などの測定可能な因子の変化を基に推量される。バッチ及びフェドバッチ発酵の両方が、当該技術分野において一般的であり、かつ周知である。
一方、連続発酵は開放システムであり、処理のために、確定した発酵培地をバイオリアクターに連続的に添加することができ、また、同量の調整培地を同時に除去することができる。連続発酵は一般的に、培養物を一定の高密度に維持し、ここで細胞は主として対数増殖期にある。連続発酵は、細胞増殖及び/又は最終生成物の濃度に影響を与える1つの因子又は任意の数の因子を調節することができる。例えば、一実施形態においては、他のすべてのパラメーターを調整可能としながらも、炭素源又は窒素源といった制限栄養因子を一定率に維持することができる。他のシステムでは、培地濁度により測定される細胞濃度を一定に維持しながらも、増殖に影響を与える多数の因子を連続的に変更することができる。連続システムは、定常状態増殖条件を維持するように努める。したがって、培地の除去による細胞損失は、発酵における細胞増殖率と均衡が取れていなければならない。連続発酵プロセスの栄養物及び増殖因子を調節する方法、並びに生成物形成率を最大化する技術は、工業微生物学の技術分野で周知である。
当該技術分野において既知の適切な発酵性微生物を使用する更なる実施形態では、発酵最終生成物には、非限定的にアルコール、1,3−プロパンジオール、コハク酸、乳酸、アミノ酸、タンパク質、機能性オリゴ糖、及びそれらの誘導体を挙げることができる。例えば、PCT公報WO 2008/086811号(メタノール、エタノール、プロパノール、及びブタノールの発酵)、PCT公報WO 2003/066816号、米国特許第5,254,467及び6,303,352号(1,3−プロパンジオールの発酵)、米国再発行特許第37,393号、同第6,265,190号、及び同第6,596,521号(コハク酸の発酵)、米国特許第5,464,760号、PCT公報WO 2003/095659号、MercierらのJ.Chem.Tech.Biotechnol.55:111〜121、Zhang及びCheryanのBiotechnol.Lett.13:733〜738(1991)、Linko及びJavanainenのEnzyme Microb.Technol.19:118〜123(1996)、並びにTsai及びMoonのAppl.Biochem.Biotechnol.70〜72:417〜428(1998)(乳酸の発酵)、米国特許第7,320,882号、同第7,332,309号、及び同第7,666,634号、並びにZhangらのAppl.Microbiol.Biotechnol.77:355〜366(2007)(様々なアミノ酸の発酵)を参照されたい。
上記に列挙した一覧は例に過ぎず、当業者は、所望の最終生成物を得るために適切に使用できる多くの発酵性微生物を理解するであろう。
実施例1:フミコーラグリセアグルコアミラーゼを使用した単一のpH液化及び糖化
pH調整なしにpH 5.6でフミコーラグリセアグルコアミラーゼ(HgGA)がデンプン基質(液化物)を加水分解する能力を評価した。従来型のベンチクッキングプロセスに従い、CLEARFLOW(登録商標)AA(Danisco US Inc.,Genencor Division)を使用して、トウモロコシデンプンを液化してDE 10の液化物を得た。液化物(35% DS)をpH調整なしに「そのままの状態で」50mLのガラス製フラスコ内に設置して、液化物(すなわちα−活性液化物)内に存在するα−アミラーゼを不活性化した。OPTIMAX(登録商標)L−1000プルラナーゼ(1129ASPU/g)の存在下でHgGAを用いて、ガラス製フラスコを60℃の水浴内で69.5時間インキュベートすることにより、液化物の糖化を実施した。HgGAを下記の投与量で使用した:0.18GAU/g ds、0.16GAU/g ds、及び0.14GAU/g ds。糖化反応混合物の0.5mL試料を異なる時間間隔で取り出し、4.5mLのRO水と合わせ、0.2μmのWhatmanフィルタで濾過した。続いて試料をバイアル瓶の中に入れ、HPLC分析にかけた。HPLC分析は、Rezex RCM−単糖カラムをBio−Rad(登録商標)脱灰ガードカラムとともに使用して実施した。糖化反応混合物内の様々な糖の組成を表1に示す。
表1.糖化中の糖の組成
Figure 2014512829
液化物の糖化のために、pH調整なしに、プルラナーゼの存在下で、0.18GAU/g dsの投与量でHgGAを使用すると、DP1含有量は28時間のインキュベーション後に88%に達し、その一方で高糖の含有量は5.6%に低下した。44.5時間後、DP1含有量は93.6%に上昇し、高糖含有量は約2%に低下した。69.5時間後にDP1濃度は95.2%に達し、一方で高糖はわずか1.15%であった。表1のデータは、HgGAが単一pHプロセスで可溶化デンプンをグルコ−スに加水分解するのに効果的であり得ることを示している。
実施例2:フミコーラグリセアグルコアミラーゼを使用した単一pH液化及び糖化、並びに比較対象
pH調整なしにpH 5.35でHgGAがデンプン液化物を加水分解する能力を評価した。単一pHプロセス中のHgGAの性能(α−活性)を、糖化工程前に液化物のpHを調整した時のHgGaがデンプン液化物を加水分解する能力(α−不活性)と比較した。SPEZYME(登録商標)FRED(Danisco US Inc.,Genencor Division)を使用した従来型のベンチクッキングプロセスにより、トウモロコシデンプン液化物(12.15 DE、32% ds)を調製した。
単一pH糖化(α−活性)のために、液化物をいっさいのpH調整なしに「そのままの状態で」50mLのガラス製フラスコ内に設置し、酵素を投与した。使用した酵素は、表2に記載の投与量のHgGA、又はプルラナーゼ(OPTIMA(登録商標)L−1000)プルラナーゼ、1129ASPU/g)の存在下で同じ投与量のHgGAのいずれかであった。非単一pH糖化(α−不活性)のためには、液化物を50mLのフラスコ内に設置し、そのpHを約3.5〜4.0に調整してα−アミラーゼの活性を不活性化した。続いて対照としての糖化のために、液化物のpHを5.35に上昇させた。表2に示す通り、液化物の入った各フラスコに酵素を添加した。60℃の水浴内で75.3時間フラスコをインキュベートすることにより糖化反応を実施した。0.5mLの反応混合物の試料を異なる時間間隔で取り出し、4.5mLのRO水と合わせて希釈し、0.2μmのWhatmanフィルタで濾過した。続いて、HPLC分析のために試料をバイアル瓶内に設置した。HPLC分析は、Rezex RCM−単糖カラムをBio−Rad(登録商標)脱灰ガードカラムとともに使用して実施した。糖化反応混合物中の様々な糖の組成を表2に示す。
表2.糖化中の糖の組成(HgGA)
Figure 2014512829
(表2の続き)
Figure 2014512829
(表2の続き)
Figure 2014512829
プルラナーゼの存在下で、HgGAを0.20GAU/g dsの投与量で、pH調整なしに糖化を実施した時、27.3時間後のDP1含有量は93%に達し、一方で高糖含有量は2.13%に低下した。75.3時間の糖化の後、DP1含有量は95.6%に上昇し、高糖含有量は0.65%に低下した。表2のデータは、単一pHプロセスでHgGAを使用したとき、その性能(例えばDP1及びDP2の達成濃度)は、α−不活性プロセスにおけるHgGAの性能と同等であったことを示している(図2及び図3を参照されたい)。
実施例3:フミコーラグリセアグルコアミラーゼを使用した単一pH顆粒デンプン
pH調整なしにpH 5.5にてHgGAが顆粒デンプンを加水分解する能力を評価した。SPEZYME(商標)XTRA及びHgGAの存在下で、トウモロコシデンプンの液化及び糖化を同時に行った。28% DSの顆粒トウモロコシデンプンスラリーをガラス製フラスコ内で調製し、pH 5.5に調整して、60℃の水浴内に設置した。HgGA(0.2 GAU/g ds、0.25 GAU/g ds、0.3 GAU/g ds)及び2AAU/g dsのSPEZYME(商標)XTRAを使用して、ガラス製フラスコを60℃の水浴内で55時間インキュベートすることにより、顆粒デンプンの同時液化及び糖化を実施した。0.5mLの液化/糖化反応物の試料を異なる時間間隔で取り出し、4.5mLのRO水と合わせ、10分間沸騰させた。試料を冷却し、続いて0.2μmのディスクフィルタ(Titan Syringe Filter PTFE)を使用してHPLC分析前に濾過した。Phenomenex RHMカラムを使用してHPLC分析を実施した。様々な糖の組成及び液化/糖化混合物におけるデンプンの可溶化を表3に示す。
表3.糖の組成及びHgGAを使用した28% DSの顆粒デンプンの同時液化/
糖化中のデンプンの可溶化。
Figure 2014512829
表3に示される通り、単一pHでの顆粒トウモロコシデンプンの同時液化/糖化は、試験されたHgGA投与量すべてに関して28時間インキュベーションした後、95+%のグルコースシロップ(DP1)及び、90+%のデンプン溶解度という結果となった。50時間後、すべてのHgGA投与量で、グルコースシロップ(DP1)含有量は96+%に上昇し、デンプン溶解度は97%となり、高糖(HS)含有量は1%未満となった。表3のデータは、同時液化/糖化が、単一のpH及び温度プロセスで、α−アミラーゼと組み合わせたHgGAを用いて効果的に達成できることを示している。

Claims (19)

  1. pH調整なしにグルコアミラーゼの存在下でデンプン基質をグルコ−スに糖化することを含むデンプンの処理方法であって、糖化が、pH 5.2〜5.6、及び約58〜約62℃の温度範囲で実施され、該グルコアミラーゼが、配列番号3を含む親フミコーラグリセアグルコアミラーゼ(HgGA)及びその変異体からなる群から選択され、該変異体は、該親グルコアミラーゼと少なくとも99%の同一性を有する、処理方法。
  2. 糖化が、プルラナーゼの存在下で実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記変異体グルコアミラーゼが、前記親グルコアミラーゼと比較して少なくとも1つのアミノ酸の修飾を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記グルコアミラーゼが、配列番号3のアミノ酸配列を有するHgGAである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記グルコアミラーゼが、トリコデルマレーシ宿主細胞内で生成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記グルコアミラーゼが、少なくとも約0.15GAU/g量の乾燥物質デンプンで添加される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記グルコアミラーゼが、少なくとも約0.20GAU/g量の乾燥物質デンプンで添加される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 糖化が、pH 5.35〜5.5にて実施される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記デンプン基質が液化デンプンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 糖化が、約70時間で少なくとも95%のDP1濃度に達する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記デンプン基質が、約30〜約50%の乾燥固体(DS)である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記デンプン基質が、約30〜約35%の乾燥固体(DS)である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記デンプン基質が顆粒デンプンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  14. 糖化が、約28時間で少なくとも95%のDP1濃度に達する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記デンプン基質のデンプン溶解度が少なくとも90%である、請求項14に記載の方法。
  16. 糖化が、約50時間で少なくとも96%のDP1濃度に達する、請求項13に記載の方法。
  17. 前記デンプン基質のデンプン溶解度が少なくとも97%である、請求項16に記載の方法。
  18. 高糖含有量が1%未満である、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記デンプン基質が、約28%の乾燥固体(DS)である、請求項13〜18のいずれか一項に記載の方法。
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