JPWO2016063332A1 - 新規α−グルコシダーゼの用途 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
多糖類を含む原料を加工して飲食品を製造するためのα−グルコシダーゼの使用であって、ここでα−グルコシダーゼはα型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成するものである、使用。
[2]
多糖類が澱粉または澱粉加工品である、[1]に記載の使用。
[3]
飲食品が米加工品である、[1]または[2]に記載の使用。
[4]
飲食品が小麦加工品である、[1]または[2]に記載の使用。
[5]
飲食品が大麦加工品である、[1]または[2]に記載の使用。
[6]
飲食品がじゃがいも加工品である、[1]または[2]に記載の使用。
[7]
α−グルコシダーゼが、アスペルギルス(Aspergillus)属菌由来のα−グルコシダーゼであって、以下の酵素化学的性質:
(1)作用:α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する;
(2)基質特異性:マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、アミロース、可溶性澱粉、デキストランに作用する;
を有し、かつ、α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用して連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する、α−グルコシダーゼである、[1]〜[6]のいずれかに記載の使用。
[8]
α−グルコシダーゼが、以下の酵素化学的性質をさらに有するものである、[7]に記載の使用:
(3)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、65,000ダルトンおよび76,000ダルトン;
(4)等電点:pI4.9〜5.5(中心値5.2)
(5)至適温度:pH6.0、30分間反応で、55℃;
(6)至適pH:40℃、30分間反応で、pH5.5;
(7)温度安定性:pH6.0、1時間保持で、50℃では初期活性の90%以上の残存;
(8)pH安定性:4℃、24時間保持で、pH6.0〜10.0では初期活性の90%以上の残存。
[9]
多糖類を含む原料を加工して製造する飲食品の製造において、α−グルコシダーゼを使用することを含む飲食品の改良方法であって、ここでα−グルコシダーゼはα型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成するものである、方法。
[10]
多糖類を含む原料が澱粉または澱粉加工品を含有するものである、[9]に記載の方法。
[11]
飲食品が米加工品である、[9]または[10]に記載の方法。
[12]
飲食品が小麦加工品である、[9]または[10]に記載の方法。
[13]
飲食品が大麦加工品である、[9]または[10]に記載の方法。
[14]
飲食品がじゃがいも加工品である、[9]または[10]に記載の方法。
[15]
α−グルコシダーゼが、アスペルギルス(Aspergillus)属菌由来のα−グルコシダーゼであって、以下の酵素化学的性質:
(1)作用:α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する;
(2)基質特異性:マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、アミロース、可溶性澱粉、デキストランに作用する;
を有し、かつ、α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用して連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する、α−グルコシダーゼである、[9]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16]
α−グルコシダーゼが、以下の酵素化学的性質をさらに有するものである、[15]に記載の方法:
(3)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、65,000ダルトンおよび76,000ダルトン;
(4)等電点:pI4.9〜5.5(中心値5.2)
(5)至適温度:pH6.0、30分間反応で、55℃;
(6)至適pH:40℃、30分間反応で、pH5.5;
(7)温度安定性:pH6.0、1時間保持で、50℃では初期活性の90%以上の残存;
(8)pH安定性:4℃、24時間保持で、pH6.0〜10.0では初期活性の90%以上の残存。
[17]
澱粉または澱粉加工品を含有する原料をα−グルコシダーゼで処理したものを加工食品に添加する工程を含む、加工食品の品質の改良方法であって、ここでα−グルコシダーゼはα型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成するものである、方法。
[18]
加工食品が畜肉加工食品または水産加工食品である、[17]に記載の方法。
[19]
α−グルコシダーゼが、アスペルギルス(Aspergillus)属菌由来のα−グルコシダーゼであって、以下の酵素化学的性質:
(1)作用:α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する;
(2)基質特異性:マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、アミロース、可溶性澱粉、デキストランに作用する;
を有し、かつ、α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用して連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する、α−グルコシダーゼである、[17]または[18]に記載の方法。
[20]
α−グルコシダーゼが、以下の酵素化学的性質をさらに有するものである、[19]に記載の方法:
(3)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、65,000ダルトンおよび76,000ダルトン;
(4)等電点:pI4.9〜5.5(中心値5.2)
(5)至適温度:pH6.0、30分間反応で、55℃;
(6)至適pH:40℃、30分間反応で、pH5.5;
(7)温度安定性:pH6.0、1時間保持で、50℃では初期活性の90%以上の残存;
(8)pH安定性:4℃、24時間保持で、pH6.0〜10.0では初期活性の90%以上の残存。
[21]
α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成するα−グルコシダーゼを含む、多糖類を含む原料を加工して製造する飲食品の改良剤。
[22]
α−グルコシダーゼが、アスペルギルス(Aspergillus)属菌由来のα−グルコシダーゼであって、以下の酵素化学的性質:
(1)作用:α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する;
(2)基質特異性:マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、アミロース、可溶性澱粉、デキストランに作用する
を有し、かつ、α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用して連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する、α−グルコシダーゼである、[21]に記載の改良剤。
[23]
α−グルコシダーゼが、以下の酵素化学的性質をさらに有するものである、[22]に記載の改良剤:
(3)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、65,000ダルトンおよび76,000ダルトン;
(4)等電点:pI4.9〜5.5(中心値5.2)
(5)至適温度:pH6.0、30分間反応で、55℃;
(6)至適pH:40℃、30分間反応で、pH5.5;
(7)温度安定性:pH6.0、1時間保持で、50℃では初期活性の90%以上の残存;
(8)pH安定性:4℃、24時間保持で、pH6.0〜10.0では初期活性の90%以上の残存。
また、本発明のα−グルコシダーゼの使用により、水溶性食物繊維の含有量が増加した飲食品の提供が可能となる。
本発明は、多糖類を含む原料を加工して飲食品を製造するためのα−グルコシダーゼの使用に関する。
本発明において、飲食品は、多糖類を含む原料を加工し製造するものであれば特に限定されないが、たとえば米加工品、小麦加工品、大麦加工品、じゃがいも加工品、コーン加工品を挙げることができる。また、前記の公知の方法で抽出した澱粉や澱粉加工品を含有する原料を加工した飲食品も含まれる。米加工品の例としては、米飯、もち、清酒、甘酒、米粉を原料とする和菓子等を挙げることができるが、これらに限定されない。小麦加工品の例としては、パン、麺、中華饅頭や餃子の皮、ビザ生地、パイ生地、焼菓子、生菓子等を挙げることができるが、これらに限定されない。大麦加工品の例としては、ビール、ビール様飲料等が挙げられるが、これらに限定されない。じゃがいも加工品の例としては、マッシュポテト、フライドポテト、ハッシュドポテト、ニョッキ、ポテトチップス等が挙げられるが、これらに限定されない。コーン加工品の例としては、コーンミール、コーンフレーク、コーンウィスキー等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成することのできる、耐熱性および幅広い範囲のpHに対する安定性が高いα−グルコシダーゼの使用等に関する。
(1)作用:α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα1,6結合を有する糖質を生成する;
(2)基質特異性:マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、アミロース、可溶性澱粉、デキストランに作用する。
(3)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、65,000ダルトンおよび76,000ダルトン;
(4)等電点:pI4.9〜5.5(中心値5.2);
(5)至適温度:pH6.0、30分間反応で、55℃;
(6)至適pH:40℃、30分間反応で、pH5.5;
(7)温度安定性:pH6.0、1時間保持で、50℃では初期活性の90%以上の残存;
(8)pH安定性:4℃、24時間保持で、pH6.0〜10.0では初期活性の90%以上の残存。
本発明はまた、配列番号3で示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、上記の酵素化学的性質を有するα−グルコシダーゼの使用を提供する。また、本発明は、α−グルコシダーゼであって、配列番号3で示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用して連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する、α−グルコシダーゼの使用も提供する。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、O−メチルセリン、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニンおよびシクロヘキシルアラニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸および2−アミノスベリン酸
C群:アスパラギンおよびグルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸および2,3−ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリンおよび4−ヒドロキシプロリン
F群:セリン、スレオニンおよびホモセリン
G群:フェニルアラニンおよびチロシン
本発明は、上記α−グルコシダーゼの、多糖類を含む原料を加工する飲食品の製造における使用に関する。また、本発明は、上記α−グルコシダーゼを、多糖類を含む原料を加工する飲食品の製造に使用することを含む飲食品の改良方法にも関する。
本発明は、上記α−グルコシダーゼを含む、多糖類を含む原料を加工して製造する飲食品の改良剤にも関する。
<α―グルコシダーゼ活性の分析方法>
酵素のα―グルコシダーゼ活性は、マルトースを基質とした加水分解活性にて評価した。
<反応生成物の重合度分布の分析方法>
反応生成物の重合度(DP)は、反応液を以下の条件でゲルろ過カラムにより分析した。
HPLC測定条件 :
カラム: MCI GEL CK04S(三菱化学社製)
カラム温度 : 65℃
移動層組成 : 超純水
検出器 : RI(示差屈折検出器)
流速 : 0.35mL/分
反応生成物の2、3、4糖成分中の、α−1,2、α−1,3、α−1,4、α−1,6結合を有するオリゴ糖の組成は、反応液を以下の条件でアミノカラムにより分析した。
標準糖:
2糖類のマルトース、コージビオース、ニゲロース、イソマルトースは市販試薬を用いた。
HPLC分析条件 :
カラム: Unison UK−Amino 250×3mm (インタクト社製)
カラム温度 : 50℃
溶媒グラディエント:
流速 : 0.4mL/分
反応生成物の連続α−1,6結合含有量は、デキストラナーゼ分解による簡易評価法により分析した。
反応生成物の分画物に含まれるα−1,6結合の割合は、H-NMRの積分値によって確認した。
3)本発明で使用するα―グルコシダーゼの取得
公開されているアスペルギルス属菌のゲノム配列から、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)由来のGH31ファミリーに属するα―グルコシダーゼと推定されているagdCの配列(Accession no.XP_001825390)と同一性が90%以上となる配列を探索し、アスペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae)NBRC4239株のゲノム配列(Accession no. BACA00000000)より抽出した(配列番号:1)。
4)NBRC4239株由来推定α―グルコシダーゼの遺伝子組換え株の取得
50mL容のチューブに、滅菌したYPD培地5mLを入れ、アスペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae) NBRC4239株を植菌し、30℃24時間培養した。そして培養菌体を回収し、DNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN社製)で染色体DNAを抽出した。なお菌体は前述のキットのAP1緩衝液を添加し、マルチビーズショッカー(安井器械社製)で破砕した。
定義した遺伝子配列の、終始コドンの前に10残基のヒスチジンタグを挿入したPCR産物を得るためのプライマーセットを設計した。抽出した染色体DNAをテンプレートとして、上記プライマーセットを用いてPCRを行った。PCR産物はIn Fusion
HD Cloning Kit(クロンテック社製)を用いて、高発現プロモーターとしてアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae) RIB40由来の翻訳伸長因子TEF1のプロモーター領域、ターミネーターとして本酵素の遺伝子配列の終始コドンより下流300bpの領域とともに、制限酵素KpnI、HindIIIで消化したpPTRII(タカラバイオ社製)に導入しベクターを構築した。ベクターの設計を図1に示す。そしてアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans) ATCC38163株を宿主にプロトプラスト−PEG法(Agricultural and Biological Chemistry 第51巻 2549ページ 1987年)を行い、遺伝子組換え株を作成した。
プロモーターF
5‘−TGATTACGCCAAGCTTGATTTTCACTGTGGACCAGACA−3’
プロモーターR
5‘−TTTGAAGGTGGTGCGAACT−3’
α−グルコシダーゼF
5‘−CGCACCACCTTCAAAATGTATCTTAAGAAGCTGCTCACTTC−3’
α−グルコシダーゼR
5‘−CAGAATCGTAATCTCATTCTCGC−3’
ターミネーターF(ヒスチジンタグを含む)
5‘−GAGATTACGATTCTGCACCACCACCACCACCACCACCACCACCACTGAATGATTTGGTTGGTGAGATAG−3’
ターミネーターR
5‘−GTGAATTCGAGCTCGGTACCAGGTGATGAACGGAGCTTTAA−3’
得られた酵素の遺伝子のcDNA配列を確認するために、上記遺伝子組み換え株から、前述した染色体DNA抽出時と同様の操作で菌体を取得し、RNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN社製)でRNAの抽出を行った。得られたRNAから、Rever Tra Ace(東洋紡社製)を用いて逆転写反応でcDNAを合成し、PCR反応で酵素遺伝子のcDNAを得た。得られたcDNAをTOPO TA Cloning KitでPCR2.1 TOPO(いずれもインビトロジェン社製)に導入した後にシークエンス解析を行い、cDNAの全長配列を決定した(配列番号:2、ヒスチジンタグ部分は除いた)。得られたcDNAから本酵素のアミノ酸配列を決定した(配列番号:3、ヒスチジンタグ部分は除いた)。
oryzae)由来のGH31ファミリーに属するα―グルコシダーゼと推定されているagdCの配列(Accession no.XP_001825390)と同一性が99%であり、かつGH31ファミリーが共通に持つ2つの保存領域(PROSITE:PS00129,PS00707)における配列がagdCと完全に一致するため、本酵素はGH31ファミリーに属する酵素と考えられる。
<NBRC4239株由来推定α―グルコシダーゼの生産>
2L容の三角フラスコに、ツァペック ドックス培地1Lを入れて、蒸気滅菌した後、ピリチアミンを添加し、上記の遺伝子組換え株を植菌し、37℃の温度で4日間、振とう培養を行なった。そして、ミラクロス(メルク・ミリポア社製)で集菌、蒸留水で洗浄し、水分をよく搾った。
得られた粗酵素液を、以下の2段階のクロマト分離に供した。
6)NBRC4239株由来α―グルコシダーゼの性質
酵素の性質は、5)で得られた精製酵素を用いて評価した。
得られた精製酵素をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(GEヘルスケア社製、「PhastSystem」)に供した結果を図2(右方)に示す。分子量65,000、76,000ダルトンの2本のバンドが検出された。Native−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による結果と比較すると、本酵素はヘテロダイマーの構造を持つと考えられた。
本酵素のα―グルコシダーゼ活性に対する温度、pHの影響を調べた。酵素の活性は、<α―グルコシダーゼ活性の分析方法>に準じて分析した。その結果を図3(温度の影響)、図4(pHの影響)に示す。本酵素の至適温度はpH6.0、30分間反応で55℃、至適pHは40℃、30分間反応で5.5であった。
本酵素のα―グルコシダーゼ活性について温度、pH安定性を調べた。酵素の活性は、<α―グルコシダーゼ活性の分析方法>に準じて分析した。その結果を図5(温度安定性)、図6(pH安定性)に示す。本酵素の温度安定性は、50℃で活性が90%以上残存していた。また、pH安定性は、pH4.5〜10の範囲で活性が80%以上、pH6.0〜10.0の範囲で活性が90%以上残存していた。
本酵素の基質特異性を40℃、pH6.0の条件にて評価した。結果を下記表2に示す。
本酵素の各金属イオンの影響を調べた。酵素活性は、<α―グルコシダーゼ活性の分析方法>に準じて分析した。各種イオンを反応系に添加して分析した結果を下記表3に示す。
NBRC4239株由来α−グルコシダーゼの活性と、既存のα−グルコシダーゼを主活性とする酵素の活性とを、マルトース(グルコース重合度(Degree of Polymerization、DP)2)およびマルトペンタオース(DP5)を基質とした際の反応生成物について比較した。
α−グルコシダーゼを主活性とし、同じアスペルギルス属(アスペルギルス・ニジェール(Aspergillus niger))由来の市販の酵素製剤であるトランスグルコシダーゼL「アマノ」(天野エンザイム社製)0.2mL(1.8U/mL)を、45%マルトース溶液0.4mLに加え(最終濃度30%)、40℃で反応を行った。所定時間反応後に沸騰浴槽で10分間加熱し、酵素を失活させた。
反応開始後の72時間までの反応生成物の経時変化について、重合度分布を図7A、2、3、4糖成分の異性体組成を図7Bに示す。重合度分布では、基質であるマルトース(DP2)の減少と共に3糖成分が生成し、続いてさらに重合度の高い成分が増加した。2、3、4糖成分の異性体組成では、α−1,4結合とα−1,6結合をともに有する低分子糖質(パノース、イソマルトトリオシルグルコース、以降はα−1,4・1,6結合オリゴ糖と記載)、α−1,6結合のみを有する低分子糖質(イソマルトース、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオース、以後はα−1,6結合オリゴ糖と記載)が増加した。
α−グルコシダーゼを粗酵素液中に分泌することが知られているアスペルギルス・ニジェール(Aspergillus niger) ATCC10254株から特許第4830031号に記載の方法で粗酵素液を取得し、0.2mL(1.8U/mL)を、45%マルトース溶液0.4mLに加え(最終濃度30%)、40℃で反応を行った。所定時間反応後に沸騰浴槽で10分間加熱し、酵素を失活させた。
5)に記載の方法で得られた精製酵素0.2mL(1.8U/mL)を、45%マルトース溶液0.4mLに加え(最終濃度30%)、40℃で反応を行った。所定時間反応後に沸騰浴槽で10分間加熱し、酵素を失活させた。
5)に記載の方法で得られた精製酵素、0.2mL(7.2U/mL)を、45%マルトペンタオース溶液0.4mLに加え(最終濃度30%)、40℃で反応を行った。所定時間反応後に沸騰浴槽で10分間加熱し、酵素を失活させた。
上記アスペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae) NBRC4239株由来の酵素の他に、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans) ATCC38163株由来のagdB(accession number EAA63748)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae) RIB601株由来のagdCに関して、4)と同様の手法で、遺伝子組換え株を作成し、粗酵素液を得た。また、QuikChange Site−Directed Mutagenesis Kit(ストラタジーン社製)を用い、アスペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae) NBRC4239株由来酵素のアミノ酸配列の450番目のアルギニンをヒスチジンに変換した遺伝子、および、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae) RIB601株由来のagdCの450番目のヒスチジンをアルギニンに変換した遺伝子の遺伝子組換え株を作成し、粗酵素液を得た。
oryzae) RIB601株由来のagdCの点変異導入酵素は10%となり、アスペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae) NBRC4239株由来の酵素(11%)と同程度の連続α1,6結合を生成した。一方、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae) RIB601株由来のagdC、アスペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae) NBRC4239株の点変異導入酵素は、α−グルコシダーゼ活性はあるものの連続α−1,6結合が全く生成しなかった。後者2種の酵素をマルトースに作用させ、<反応生成物の異性体組成の分析方法>に記載した方法で2、3、4糖成分の異性体の組成を分析したところ、α1,6結合を有するオリゴ糖の含有量は少なく、α−1,3またはα−1,4結合を有するオリゴ糖が多く生成した。
GH31ファミリーに属する酵素は活性中心に保存性の高い配列を持つことが知られている(Plant Molecular Biology 第37巻1ページ 1998年、PROSITE:PS00129)。アスペルギルス属由来のさまざまなα−グルコシダーゼ配列における活性中心付近の保存配列から3残基下流までの配列、および各α−グルコシダーゼの連続α−1,6転移活性の有無を図17に示す。連続α−1,6転移活性を有する酵素の遺伝子配列は保存配列の全てのアミノ酸が一致していた。また、保存配列は共通するものの、活性中心の10残基下流がアルギニンではなくヒスチジンであるアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae) RIB601株由来のagdCは連続α−1,6転移活性を持っていなかった。また、アスペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae) NBRC4239株由来の酵素に点変異導入をして、活性中心の10残基下流がアルギニンではなくヒスチジンとした酵素も、連続α−1,6転移活性を持っていなかった。さらに、同じα―グルコシダーゼであるが連続α−1,6転移酵素ではないことが知られている他の既知の酵素は、保存配列のアミノ酸が一致していなかった。したがって活性中心付近に「DALWIDMNEPANF」の配列を持っており、かつ活性中心の10残基下流がヒスチジンではないことが連続α−1,6転移活性を持つために重要であることが分かった。
試験は、「応用糖質科学 第4巻 p.93−102 2014年」を参照して行った。市販の米一粒(約20mg)に、原料生米1g当り25Uとなるよう酵素を添加した緩衝液(12mM MES緩衝液pH6.0)を70μL加え、常温で2時間浸漬した。その後、GeneAmp PCR System9700(Applied Biosystems社製)を使用して、表6に示す条件で炊飯した。酵素はNBRC4239株由来のα−グルコシダーゼ(以下、本酵素と記載する。:試験例1)及びトランスグルコシダーゼL「アマノ」(天野エンザイム社製、以下TGLともいう。比較例1)を用いた。また、コントロールとして酵素を添加せずに同様の条件で炊飯した米飯(参考例1)を作製した。
もち米250gに、原料生米1g当り0.02Uとなるよう酵素を添加した緩衝液(12mM MES緩衝液pH6.0)を180mL加え、常温で30分間浸漬した。その後、ホームベーカリー SD―BMS102(Panasonic社製)のもちコースにて、もちを作製した。本酵素を用いたもちを試験例2とし、TGLを用いたもちを比較例2とした。また、コントロールとして酵素を添加せずに同様の条件で作製したもちを参考例2とした。
乾燥米麹200gに、原料米麹1g当り0.3U又は1.5Uとなるよう酵素を添加した緩衝液(12mM MES緩衝液pH6.0)を800mL加え、50℃で6時間浸漬し、甘酒を得た。本酵素を用いた甘酒を試験例3及び4とし、TGLを用いた甘酒を比較例3及び4とした。また、コントロールとして酵素を添加せずに同様の条件で得た甘酒を参考例3とした。
表9に示す配合の製パン原料を用いて、ホームベーカリー SD―BH105(Panasonic社製)の食パン・早焼きコースにて、食パンを作製した。本酵素を添加して作製した食パンを試験例6とし、TGLを添加して作製した食パンを比較例6とした。また、コントロールとして酵素を添加せずに同様の条件で作製した食パンを参考例5とした。添加量は本酵素、TGLともに強力粉1g当り0.2Uとした。
麦芽200gに対して、麦芽1g当り1U又は5Uの酵素を添加した酵素溶液800mLを加え、50℃で1時間、更に60℃で1時間、その後80℃で10分間の加熱処理を行った。本酵素を添加したものを試験例7及び8とし、TGLを添加した物を比較例7及び8とした。また、コントロールとして酵素を添加せずに同様の条件で加熱処理を行ったものを参考例6とした。
表12に示す配合の製麺原料を用いて、市販の製麺機(PHILIPS社製 Noodle MakerHR2365/01)にて2mm丸麺用製麺キャップを使用し、製麺した。本酵素を添加したものを試験例11とし、TGLを添加したものを比較例11とした。また、コントロールとして酵素を添加せずに同様の条件で製麺したものを参考例8とした。添加量は本酵素、TGLともに中力粉1g当り2Uとした。
Sepharose HP(GEヘルスケア社製)を用いた。初発の緩衝液として20mM Tris緩衝液(pH7.4)を用いて、0→0.5M 塩化ナトリウムの直線的濃度勾配(20CV)で溶出し、デキストラン分解活性の高い画分を回収した。
じゃがいも1個を、皮をむいて1.5cmの厚さに切り、じゃがいも1g当り2Uとなるよう酵素を添加した緩衝液(12mM リン酸緩衝液pH6.0)を180mL加え、常温で2時間浸漬した。その後、じゃがいもを茹で、水を切ってマッシャ―でつぶしマッシュポテトを作製した。本酵素を用いたものを試験例12とし、TGLを用いたものを比較例12とした。また、コントロールとして酵素を添加せずに同様の条件で作製したマッシュポテトを参考例9とした。
小麦澱粉10gに、原料小麦澱粉1g当り0.2Uとなるよう酵素を添加した緩衝液(12mM リン酸緩衝液pH6.0)を20mL加え、25℃で24時間撹拌し、酵素反応を行った。反応終了後、反応液をろ過し、ろ物を100mLの水で洗浄後、乾燥させ、酵素処理澱粉を得た。本酵素を用いたものを試験例13とし、TGLを用いたものを比較例13とした。また、コントロールとして酵素を添加せずに同様の条件で得た酵素処理澱粉を参考例10とした。
Claims (23)
- 多糖類を含む原料を加工して飲食品を製造するためのα−グルコシダーゼの使用であって、ここでα−グルコシダーゼはα型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成するものである、使用。
- 多糖類が澱粉または澱粉加工品である、請求項1に記載の使用。
- 飲食品が米加工品である、請求項1または2に記載の使用。
- 飲食品が小麦加工品である、請求項1または2に記載の使用。
- 飲食品が大麦加工品である、請求項1または2に記載の使用。
- 飲食品がじゃがいも加工品である、請求項1または2に記載の使用。
- α−グルコシダーゼが、アスペルギルス(Aspergillus)属菌由来のα−グルコシダーゼであって、以下の酵素化学的性質:
(1)作用:α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する;
(2)基質特異性:マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、アミロース、可溶性澱粉、デキストランに作用する;
を有し、かつ、α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用して連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する、α−グルコシダーゼである、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。 - α−グルコシダーゼが、以下の酵素化学的性質をさらに有するものである、請求項7に記載の使用:
(3)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、65,000ダルトンおよび76,000ダルトン;
(4)等電点:pI4.9〜5.5(中心値5.2)
(5)至適温度:pH6.0、30分間反応で、55℃;
(6)至適pH:40℃、30分間反応で、pH5.5;
(7)温度安定性:pH6.0、1時間保持で、50℃では初期活性の90%以上の残存;
(8)pH安定性:4℃、24時間保持で、pH6.0〜10.0では初期活性の90%以上の残存。 - 多糖類を含む原料を加工して製造する飲食品の製造において、α−グルコシダーゼを使用することを含む飲食品の改良方法であって、ここでα−グルコシダーゼはα型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成するものである、方法。
- 多糖類を含む原料が澱粉または澱粉加工品を含有するものである、請求項9に記載の方法。
- 飲食品が米加工品である、請求項9または10に記載の方法。
- 飲食品が小麦加工品である、請求項9または10に記載の方法。
- 飲食品が大麦加工品である、請求項9または10に記載の方法。
- 飲食品がじゃがいも加工品である、請求項9または10に記載の方法。
- α−グルコシダーゼが、アスペルギルス(Aspergillus)属菌由来のα−グルコシダーゼであって、以下の酵素化学的性質:
(1)作用:α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する;
(2)基質特異性:マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、アミロース、可溶性澱粉、デキストランに作用する;
を有し、かつ、α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用して連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する、α−グルコシダーゼである、請求項9〜14のいずれかに記載の方法。 - α−グルコシダーゼが、以下の酵素化学的性質をさらに有するものである、請求項15に記載の方法:
(3)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、65,000ダルトンおよび76,000ダルトン;
(4)等電点:pI4.9〜5.5(中心値5.2)
(5)至適温度:pH6.0、30分間反応で、55℃;
(6)至適pH:40℃、30分間反応で、pH5.5;
(7)温度安定性:pH6.0、1時間保持で、50℃では初期活性の90%以上の残存;
(8)pH安定性:4℃、24時間保持で、pH6.0〜10.0では初期活性の90%以上の残存。 - 澱粉または澱粉加工品を含有する原料をα−グルコシダーゼで処理したものを加工食品に添加する工程を含む、加工食品の品質の改良方法であって、ここでα−グルコシダーゼはα型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成するものである、方法。
- 加工食品が畜肉加工食品または水産加工食品である、請求項17に記載の方法。
- α−グルコシダーゼが、アスペルギルス(Aspergillus)属菌由来のα−グルコシダーゼであって、以下の酵素化学的性質:
(1)作用:α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する;
(2)基質特異性:マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、アミロース、可溶性澱粉、デキストランに作用する;
を有し、かつ、α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用して連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する、α−グルコシダーゼである、請求項17または18に記載の方法。 - α−グルコシダーゼが、以下の酵素化学的性質をさらに有するものである、請求項19に記載の方法:
(3)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、65,000ダルトンおよび76,000ダルトン;
(4)等電点:pI4.9〜5.5(中心値5.2)
(5)至適温度:pH6.0、30分間反応で、55℃;
(6)至適pH:40℃、30分間反応で、pH5.5;
(7)温度安定性:pH6.0、1時間保持で、50℃では初期活性の90%以上の残存;
(8)pH安定性:4℃、24時間保持で、pH6.0〜10.0では初期活性の90%以上の残存。 - α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成するα−グルコシダーゼを含む、多糖類を含む原料を加工して製造する飲食品の改良剤。
- α−グルコシダーゼが、アスペルギルス(Aspergillus)属菌由来のα−グルコシダーゼであって、以下の酵素化学的性質:
(1)作用:α型のオリゴ糖類およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用し、連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する;
(2)基質特異性:マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、アミロース、可溶性澱粉、デキストランに作用する;
を有し、かつ、α型のオリゴ糖類、およびα型の多糖類からなる群より選択される糖質に作用して連続するα−1,6結合を有する糖質を生成する、α−グルコシダーゼである、請求項21に記載の改良剤。 - α−グルコシダーゼが、以下の酵素化学的性質をさらに有するものである、請求項22に記載の改良剤:
(3)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、65,000ダルトンおよび76,000ダルトン;
(4)等電点:pI4.9〜5.5(中心値5.2)
(5)至適温度:pH6.0、30分間反応で、55℃;
(6)至適pH:40℃、30分間反応で、pH5.5;
(7)温度安定性:pH6.0、1時間保持で、50℃では初期活性の90%以上の残存;
(8)pH安定性:4℃、24時間保持で、pH6.0〜10.0では初期活性の90%以上の残存。
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