JP2021519836A - 洗浄用組成物 - Google Patents

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Abstract

本開示は、1)少なくとも1つの酸化還元剤、2)OHまたはNH2によって置換されたアルキル基を有する少なくとも1つのアルキルスルホン酸またはその塩、3)少なくとも1つのアミノアルコール、4)少なくとも1つの腐食抑制剤、5)少なくとも1つの水溶性有機溶媒、6)水、および7)所望により、少なくとも1つのpH調整剤を含む洗浄用組成物に関する。

Description

本開示は半導体基板用の新規洗浄用組成物および半導体基板の洗浄方法に関する。さらに具体的には、本開示は、半導体基板上に積層された金属層または誘電体物質層のプラズマエッチング後の半導体基板のための、およびプラズマアッシング処理によってバルクレジストを取り除いた後にそれらの基板上に残った残渣の除去のための洗浄用組成物に関する。
関連出願の相互参照
本願は、ここに参照により全体の内容を援用する2018年3月28日に出願された米国特許仮出願番号第62/649029号の優先権を主張する。
集積回路素子の製造において、一連のフォトリソグラフィー工程とプラズマエッチング工程によりレチクルのマスク原版をウエーハ基板に転写するための中間マスクとしてフォトレジストが使用されている。集積回路素子の製造工程の基本工程のうちの1つはパターン化フォトレジスト膜のウエーハ基板からの除去である。一般に、この工程は2つの方法のうちの1つによって行われる。
1つの方法はフォトレジスト被覆基板を主に有機溶媒とアミンからなるフォトレジスト剥離溶液と接触させる湿式剥離工程を含む。しかしながら、製造中に特にフォトレジスト膜が紫外線処理およびプラズマ処理に曝露された場合には、通常はそのような剥離溶液でフォトレジスト膜を完全に、かつ確実に除去することはできない。フォトレジスト膜の中にはそのような処理によって架橋度が高くなり、より剥離溶液に溶けにくくなるものもある。加えて、これらの従来の湿式剥離方法において使用される化学物質は金属層または酸化物層のハロゲン含有ガスによるプラズマエッチングの際に形成される無機残留物または有機金属残留物の除去に効果的ではないときがある。
フォトレジスト膜の除去方法のもう一つの方法は、プラズマアッシングとして知られる処理において基板からレジスト膜を焼き払うためにフォトレジスト被膜付きウエーハを酸素系のプラズマに曝露することを含む。しかしながら、プラズマアッシングも上述したプラズマエッチング副産物の除去に充分に効果的であるわけではない。その代り、これらのプラズマエッチング副産物の除去は概して、処理された金属薄膜および誘電体薄膜を引き続いてある特定の洗浄溶液に曝露することによって達成される。
金属含有基板は通常、腐食しやすい。例えば、アルミニウム、銅、アルミニウム銅合金、窒化タングステン、タングステン、コバルト、酸化チタン、他の金属および金属窒化物などの基板は容易に腐食する。さらに、集積回路素子の誘電体(例えば、層間絶縁膜や超低-k誘電体)は従来の洗浄化学作用を用いることでエッチングされ得る。加えて、集積回路素子の製造業者によって許容される腐食の量は素子の外形が小さくなるほど少なくなる。
残渣が剥がれにくくなり、且つ、かつてない低いレベルにまで腐食が制御されなければならないのと同時に洗浄溶液は使用するのに安全であり、且つ、環境に優しいものでなくてはならない。
したがって、洗浄溶液はプラズマエッチング残渣およびプラズマアッシング残渣の除去に効果的である必要があり、さらに、曝露された全ての基板材料に対して非腐食性でなくてはならない。
本開示は、主に多段階製造工程中の中間工程としての半導体基板からの残渣(例えば、プラズマエッチング残渣および/またはプラズマアッシング残渣)の除去に有用である非腐食性洗浄用組成物に関する。これらの残渣には、残留性フォトレジストなどの有機化合物;有機金属化合物;酸化アルミニウム(AlOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化タンタル(TaOx)、および酸化ハフニウム(HfOx)などの(曝露された金属から反応副産物として形成され得る)金属酸化物;アルミニウム(Al)、アルミニウム/銅合金、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、およびコバルト(Co)などの金属;窒化アルミニウム(AlN)、酸化窒化アルミニウム(AlOxNy)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、および窒化タングステン(WN)などの金属窒化物;これらの合金;および他の材料;の一連の比較的不溶性の混合物が含まれる。本明細書に記載される洗浄用組成物は遭遇する広い範囲の残渣を洗浄することができ、且つ、曝露された基板材料(例えば、曝露された金属酸化物(AlOxなど)、曝露された金属(アルミニウム、アルミニウム/銅合金、銅、チタン、タンタル、タングステン、およびコバルトなど)、曝露された金属窒化物(窒化チタン、窒化タンタル、窒化タングステンなど)、および曝露されたこれらの合金)に対して概ね非腐食性であることがその洗浄用組成物の利点である。
1つの態様では、本開示は、1)少なくとも1つの酸化還元剤、2)OHまたはNHによって置換されたアルキル基を有する少なくとも1つのアルキルスルホン酸またはその塩、3)少なくとも1つのアミノアルコール、4)少なくとも1つの腐食抑制剤、5)少なくとも1つの有機溶媒、6)水、および7)所望により、少なくとも1つのpH調整剤を含む(例えば、それらから成る、または基本的にそれらから成る)洗浄用組成物を特徴とする。
別の態様では、本開示は、1)少なくとも1つの酸化還元剤、2)少なくとも1つのアミノアルコール、3)少なくとも1つの腐食抑制剤、4)少なくとも1つの有機溶媒、5)水、および6)所望により、少なくとも1つのpH調整剤を含む(例えば、それらから成る、または基本的にそれらから成る)洗浄用組成物を特徴とする。
別の態様では、本開示は半導体基板から残渣を洗浄する方法を特徴とする。本方法はエッチング後残渣および/またはアッシング後残渣を含む半導体基板を本明細書に記載される洗浄用組成物と接触させることを含む。例えば、本方法は(A)エッチング後残渣および/またはアッシング後残渣を含む半導体基板を提供する工程、(B)該半導体基板を本明細書に記載される洗浄用組成物と接触させる工程、(C)該半導体基板を適切なリンス溶媒でリンスする工程、および(D)所望により、前記リンス溶媒を取り除き、且つ、該半導体基板の完全性を損なわない手段によって該半導体基板を乾燥する工程を含むことができる。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細について以下の説明で述べる。本発明の他の特徴、目的、および利益はこの説明とクレームから明らかになるであろう。
発明の詳細な説明
本明細書において定義されるように、別段の記述が無い限り、記述される全てのパーセントは本洗浄用組成物の総重量に対する重量パーセントであると理解されるべきである。別段の記述が無い限り、環境温度は摂氏約16度(℃)と約27度の間、例えば25℃、であると定義される。
本明細書で使用される場合、「層」と「膜」という用語はほとんど同じ意味で使用される。
本明細書において定義されるように、「水溶性」物質(例えば、水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、または水溶性エーテル)は25℃で水に少なくとも0.1重量%の溶解性を有する物質を指す。
一般に、本開示は、1)少なくとも1つの酸化還元剤、2)OHまたはNHによって置換されたアルキル基を有する少なくとも1つのアルキルスルホン酸またはその塩、3)少なくとも1つのアミノアルコール、4)少なくとも1つの腐食抑制剤、5)少なくとも1つの有機溶媒(例えば、水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、および水溶性エーテルからなる群より選択される少なくとも1つの水溶性有機溶媒)、6)水、および7)所望により、少なくとも1つのpH調整剤を含む洗浄用組成物(例えば、非腐食性洗浄用組成物)に関する。
幾つかの実施形態において、本開示の前記組成物はフォトレジスト残渣、金属残渣、および金属酸化物残渣などの半導体表面上の残渣の溶解を助けると考えられる少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、または4つ)の酸化還元剤を含む。本明細書において使用される場合、「酸化還元剤」という用語は半導体洗浄処理において酸化および/または還元を誘導し得る化合物を指す。適切な酸化還元剤の一例はヒドロキシルアミンである。幾つかの実施態様では、前記酸化還元剤あるいは本明細書に記載される洗浄用組成物は過酸化物(例えば、過酸化水素)を含まない。
幾つかの実施形態では、前記少なくとも1つの酸化還元剤は、本開示の洗浄用組成物の少なくとも約6重量%(例えば、少なくとも約7重量%、少なくとも約8重量%、少なくとも約9重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約11重量%、または少なくとも約12重量%)および/または多くとも約15重量%(例えば、多くとも約14重量%、多くとも約13重量%、多くとも約12重量%、多くとも約11重量%、または多くとも約10重量%)であり得る。
幾つかの実施形態において、本開示の洗浄用組成物は、OHまたはNHによって置換されたアルキル基を有する少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、または4つ)のアルキルスルホン酸またはその塩を含む。幾つかの実施形態では、前記少なくとも1つのアルキルスルホン酸は一般式(I)のアルキルスルホン酸を含む:
R−SOH (I)
式中RはOHおよびNHからなる群より選択される少なくとも1つの置換基によって置換されたC〜C10アルキルである。幾つかの実施形態では、Rは少なくとも1つのOHによって置換されたC〜Cアルキルである。例えば、前記少なくとも1つのアルキルスルホン酸あるいはその塩(例えば、アルカリ金属イオンなどの金属イオンを含まない塩)は、HO(CHSOHやHO(CHSONHを含むことができる。幾つかの実施形態では、本開示の洗浄用組成物は上述のアルキルスルホン酸あるいはその塩(例えば、アルカリ金属イオンなどの金属イオンを含む塩)を含まない。
幾つかの実施形態では、前記少なくとも1つのアルキルスルホン酸あるいはその塩は、本開示の洗浄用組成物の少なくとも約0.3重量%(例えば、少なくとも約0.4重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約0.6重量%、少なくとも約0.7重量%、少なくとも約0.8重量%、少なくとも約0.9重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約1.5重量%、または少なくとも約2重量%)および/または多くとも約5重量%(例えば、多くとも約4重量%、多くとも約3重量%、多くとも約2重量%、多くとも約1.5重量%、多くとも約1.2重量%、または多くとも約1重量%)であり得る。理論に捉われることを望むものではないが、前記アルキルスルホン酸またはその塩を上述の量で含む洗浄用組成物は、洗浄処理で除去されるよう意図されていない、ある特定の曝露された基板材料(例えば、AlOx)に対する前記組成物の腐食効果を(例えば、そのような曝露された基板材料上の洗浄用組成物のエッチ速度を低下させることによって)低減することができると考えられる。
幾つかの実施形態において、本開示の洗浄用組成物は少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、または4つ)のアミノアルコールを含む。本明細書で用いる場合、「アミノアルコール」という用語は少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、または4つ)のアミノ基と少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、または4つ)の水酸基を含む化合物を指す。幾つかの実施形態では、前記アミノアルコールは一般式(I)の化合物であり得る:HN−R−OH (I)、式中RはC〜Cの直鎖または分岐アルキレンまたはオキシアルキレンである。適切なアミノアルコールとしては、例えば、エタノールアミンおよび2-(2−アミノエトキシ)エタノールが挙げられる。
幾つかの実施形態では、前記少なくとも1つのアミノアルコールは、本開示の洗浄用組成物の少なくとも約5重量%(例えば、少なくとも約5.5重量%、少なくとも約6重量%、少なくとも約6.5重量%、少なくとも約7重量%、または少なくとも約7.5重量%)および/または多くとも約10重量%(例えば、多くとも約9.5重量%、多くとも約9重量%、多くとも約8.5重量%、または多くとも約8重量%)であり得る。理論に捉われることを望むものではないが、前記アミノアルコールは、例えば酸化剤として働く、ヒドロキシルアミンと水素結合をして洗浄用組成物中でより効果的になる、エッチング残渣を膨潤/溶解させる、または上記の機構の組む合わせによって、半導体表面上の残渣(フォトレジスト残渣、金属残渣、および金属酸化物残渣など)の溶解を助けることができると考えられる。
幾つかの実施形態では、本開示の洗浄用組成物は少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、または4つ)の腐食抑制剤を含む。幾つかの実施形態では、前記腐食抑制剤は置換または非置換のベンゾトリアゾールから選択され得る。理論に捉われることを望むものではないが、そうした洗浄用組成物は、腐食抑制剤を全く含まない洗浄用組成物と比較すると、半導体基板に存在してもよく、且つ、洗浄用組成物で除去されるべきではない材料(例えば、AlOxまたはCo)と非常に向上した適合性を示すことができると考えられる。
置換ベンゾトリアゾールの適切な部類には、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、および水酸基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基によって置換されたベンゾトリアゾールが含まれるが、これらに限定されない。置換ベンゾトリアゾールは1つ以上のアリール(例えば、フェニル)基またはヘテロアリール基と融合したものも含む。
腐食抑制剤としての使用に適切なベンゾトリアゾールには、ベンゾトリアゾール(BTA)、5−アミノテトラゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、4−クロロベンゾトリアゾール、5−ブロモベンゾトリアゾール、4−ブロモベンゾトリアゾール、5−フルオロベンゾトリアゾール、4−フルオロベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、4−ニトロベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、4−メチルベンゾトリアゾール、4−エチルベンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、4−プロピルベンゾトリアゾール、5−プロピルベンゾトリアゾール、4−イソプロピルベンゾトリアゾール、5−イソプロピルベンゾトリアゾール、4−n−ブチルベンゾトリアゾール、5−n−ブチルベンゾトリアゾール、4−イソブチルベンゾトリアゾール、5−イソブチルベンゾトリアゾール、4−ペンチルベンゾトリアゾール、5−ペンチルベンゾトリアゾール、4−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−メトキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、1−〔N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル〕−ベンゾトリアゾール、5−t−ブチルベンゾトリアゾール、5−(1’,1’−ジメチルプロピル)−ベンゾトリアゾール、5−(1’,1’,3’−トリメチルブチル)ベンゾトリアゾール、5−n−オクチルベンゾトリアゾール、および5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)ベンゾトリアゾールが含まれるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、前記少なくとも1つの腐食抑制剤は、本開示の洗浄用組成物の少なくとも約0.1重量%(例えば、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、少なくとも約0.4重量%、または少なくとも約0.5重量%)および/または多くとも約2重量%(例えば、多くとも約1.8重量%、多くとも約1.6重量%、多くとも約1.4重量%、多くとも約1.2重量%、または多くとも約1重量%)であり得る。
幾つかの実施形態では、本開示の洗浄用組成物は少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、4つまたはそれ以上)の有機溶媒、例えば、水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、および水溶性エーテル(例えば、グリコールジエーテル)からなる群より選択される少なくとも1つの水溶性有機溶媒を含む。
水溶性アルコールの部類には、アルカンジオール(アルキレングリコールを含むが、これに限定されない)、グリコール、アルコキシアルコール(グリコールモノエーテルを含むが、これに限定されない)、飽和脂肪族一価アルコール、不飽和非芳香族一価アルコール、および環構造を有する低分子量アルコールが含まれるが、これらに限定されない。水溶性アルカンジオールとしては、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ピナコール、およびアルキレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。水溶性アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
水溶性アルコキシアルコールとしては、例えば、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−ブタノール、および水溶性グリコールモノエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。水溶性グリコールモノエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−エトキシ−1−プロパノール、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびエチレングリコールモノベンジルエーテル、およびジエチレングリコールモノベンジルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
水溶性飽和脂肪族一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−ペンタノール、t−ペンチルアルコール、および1−ヘキサノールが挙げられるが、これらに限定されない。
水溶性不飽和非芳香族一価アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、2−ブテニルアルコール、3−ブテニルアルコール、および4−ペンテン−2−オールが挙げられるが、これらに限定されない。
環構造を有する水溶性低分子量アルコールとしては、例えば、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、および1,3−シクロペンタンジオールが挙げられるが、これらに限定されない。
水溶性ケトンとしては、例えば、アセトン、プロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、2−ブタノン、2,5−ヘキサンジオン、1,4−シクロヘキサンジオン、3−ヒドロキシアセトフェノン、1,3−シクロヘキサンジオン、およびシクロヘキサノンが挙げられるが、これらに限定されない。
水溶性エステルとしては、例えば、エチルアセテート;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテートなどのグリコールモノエステル;およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、およびエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールモノエーテルモノエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、前記少なくとも1つの有機溶媒は、本開示の洗浄用組成物の少なくとも約30重量%(例えば、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、または少なくとも約45重量%)および/または多くとも約50重量%(例えば、多くとも約45重量%、多くとも約40重量%、または多くとも約30重量%)であり得る。
本開示の洗浄用組成物はさらに水を含む。好ましくは、前記水は脱イオン化された超純水であり、有機性汚染物質を含まず、且つ、約4〜約17メガオームの極小抵抗率を有する。さらに好ましくは、前記水の抵抗率は少なくとも17メガオームである。
幾つかの実施形態では、水は本開示の洗浄用組成物の少なくとも約20重量%(例えば、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、または少なくとも約40重量%)および/または多くとも約50重量%(例えば、多くとも約45重量%、多くとも約40重量%、多くとも約35重量%、または多くとも約30重量%)であり得る。
幾つかの実施形態では、本開示の洗浄用組成物は、pHを約8〜約11の間に制御するための少なくとも1つのpH調整剤(例えば、酸または塩基)を所望により含むことができる。幾つかの実施形態では、本開示の前記組成物は少なくとも約8(例えば、少なくとも約8.5、少なくとも約9、少なくとも約9.5、または少なくとも約10)から多くとも約11(例えば、多くとも約10.5、多くとも約10、多くとも約9.5、または多くとも約9)のpHを有することができる。理論に捉われることを望むものではないが、8より低いあるいは11より高いpHを有する洗浄用組成物はある特定の金属あるいは誘電体材料のエッチ速度を望ましくないレベルまで高めるであろうと考えられる。効果的なpHは本明細書に記載される洗浄用組成物に使用される成分の種類と量に応じて変化し得る。
pH調整剤を含む場合、必要なpH調整剤の量は様々な処方中の他の成分(例えば、前記ヒドロキシルアミン、前記アルキルスルホン酸、前記アミノアルコール、および前記腐食抑制剤)の濃度の変化に応じて、および使用する特定のpH調整剤の分子量の関数として変化し得る。概して、前記pH調整剤の濃度は洗浄用組成物の約1重量%〜約10重量%の範囲である。幾つかの実施形態では、本開示の洗浄用組成物は前記pH調整剤を少なくとも約1重量%(例えば、少なくとも約1.5重量%、少なくとも約2重量%、または少なくとも約2.5重量%)および/または多くとも約10重量%(例えば、多くとも約9重量%、多くとも約8重量%、多くとも約7重量%、多くとも約6重量%、または多くとも約5重量%)含む。
幾つかの実施形態において、前記pH調整剤は(微量の金属イオン不純物を除いて)金属イオンを全く含まない。金属イオンを含まない適切なpH調整剤としては酸および塩基が挙げられる。pH調整剤として使用され得る適切な酸としてはカルボン酸およびスルホン酸が含まれる。典型的なカルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、モノカルボン酸のα−ヒドロキシ酸およびβ−ヒドロキシ酸、ジカルボン酸のα−ヒドロキシ酸またはβ−ヒドロキシ酸、またはトリカルボン酸のα−ヒドロキシ酸およびβ−ヒドロキシ酸を含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、前記少なくとも1つのカルボン酸は、クエン酸、マレイン酸、フマール酸、乳酸、グリコール酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、あるいは安息香酸を含む。スルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロエチルスルホン酸、パーフルオロ(エトキシエタン)スルホン酸、パーフルオロ(メトキシエタン)スルホン酸、ドデシルスルホン酸、パーフルオロドデシルスルホン酸、ブタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、オクチルスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸、シクロヘキシルスルホン酸、カンファースルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、エタンジスルホン酸、ベンジルスルホン酸、ヒドロキシフェニルメタンスルホン酸、ナフチルメタンスルホン酸、およびノルボルナンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、ブロモベンゼンスルホン酸、フルオロベンゼンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−5−スルホ安息香酸、ベンゼンジスルホン酸、トルエンスルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)、メチルクロロベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルベンゼンスルホン酸、ピクリルスルホン酸、ジクロロベンゼンスルホン酸、ジブロモベンゼンスルホン酸、および2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
pH調整剤として使われ得る適切な塩基としては、水酸化アンモニウム、第四級アンモニウム水酸化物、モノアミン(アルカノールアミンを含む)、イミン(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DBU)および1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネンなど)およびグアニジン塩(炭酸グアニジンなど)が挙げられる。適切な第四級アンモニウム水酸化物としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、コリン、水酸化テトラエタノールアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、および水酸化ベンジルトリブチルアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。適切なモノアミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、およびベンジルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
加えて、幾つかの実施形態では、本開示の洗浄用組成物は追加のpH調整剤、追加の腐食抑制剤、追加の有機溶媒、界面活性剤、殺生物剤、および消泡剤などの添加剤を任意の成分として含んでもよい。適切な消泡剤としては、例えば、ポリシロキサン消泡剤(例えば、ポリジメチルシロキサン)、ポリエチレングリコールメチルエーテル重合体、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、およびグリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレート(参照により本明細書に援用される米国特許第6717019号明細書に記載されているものなど)が挙げられる。
幾つかの実施形態では、本発明の洗浄用組成物は前記添加成分のうちの1つ以上を、1つより多くある場合は組み合わせて、特別に除外してもよい。そのような成分は、重合体、脱酸素剤、第四級アンモニウム水酸化物を含む第四級アンモニウム塩、アミン、アルカリ性塩基(NaOH、KOH、LiOH、Mg(OH)、および Ca(OH) など)、消泡剤以外の界面活性剤、消泡剤、フッ化物含有化合物、酸化剤(例えば、過酸化物、過酸化水素、硝酸第二鉄、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、硝酸、亜塩素酸アンモニウム、塩素酸アンモニウム、ヨウ素酸アンモニウム、過ホウ酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過硫酸アンモニウム、亜塩素酸テトラメチルアンモニウム、塩素酸テトラメチルアンモニウム、ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム、過ホウ酸テトラメチルアンモニウム、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、過ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム、過硫酸テトラメチルアンモニウム、過酸化水素尿素、および過酢酸)研磨材、ケイ酸塩、ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸およびポリカルボン酸(例えば、アミノ基を含まないもの)、シラン(例えば、アルコキシシラン)環状化合物(例えば、置換あるいは無置換のナフタレン、あるいは置換あるいは無置換のビフェニルエーテルなどの、少なくとも2つの環を有する環状化合物)、キレート剤、非アゾール系腐食抑制剤、緩衝剤、グアニジン、グアニジン塩、有機酸あるいは無機酸などの酸(例えば、スルホン酸、硫酸、亜硫酸、亜硝酸、硝酸、亜リン酸、およびリン酸)、ピロリドン、ポリビニルピロリドン、金属塩(例えば、一般式WMXの金属ハロゲン化物などの金属ハロゲン化物、式中WはH、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属、および金属イオンを含まない水酸化物塩基部位から選択され;MはSi、Ge、Sn、Pt、P、B、Au、Ir、Os、Cr、Ti、Zr、Rh、Ru、およびSbからなる群より選択される金属であり;yは4〜6であり;そしてzは1、2、または3である)、および本開示に記載されるもの以外の腐食抑制剤からなる群より選択される。
本明細書に記載する洗浄用組成物は前記成分を単に混合することにより調製することができる、あるいは、2つの組成物をキットの中で配合することにより調製することができる。
幾つかの実施形態では、本開示の洗浄用組成物は半導体基板からバルクフォトレジスト膜を除去するように特別に設計されていない。むしろ、本開示の洗浄用組成物は乾式または湿式剥離方法によるバルクレジスト除去の後に全ての残渣を除去するように設計することができる。したがって、幾つかの実施形態では、本開示の洗浄方法は乾式または湿式フォトレジスト剥離処理の後に用いることが好ましい。このフォトレジスト剥離処理の前に概してエッチング処理やインプラント処理などのパターン転写処理を行うか、またはパターン転写の前にマスクエラーを修正するためにこのフォトレジスト剥離処理が行われる。その残渣の化学構成は洗浄工程に先行する処理または複数の処理に左右される。
半導体基板からバルクレジストを除去するために適切な乾式剥離処理を用いることができる。適切な乾式剥離処理としては、例えば、フッ素/酸素プラズマやN/Hプラズマなどの酸素系プラズマアッシング、オゾンガス相処理、フッ素プラズマ処理、熱Hガス処理(参照により全体が本明細書に援用される米国特許第5691117号明細書に記載されるものなど)等が挙げられる。加えて、半導体基板からバルクレジストを除去するために、当業者に知られている従来の有機湿式剥離溶液を使用することができる。
本開示の洗浄方法と併用される好ましい剥離処理は乾式剥離処理である。好ましくは、この乾式剥離処理は前記酸素系プラズマアッシング処理である。この処理は真空条件(すなわち1トール)において高温(典型的には250℃)で活性酸素雰囲気を適用することによって半導体基板からフォトレジストの大半を除去する。有機材料はこの処理によって酸化され、処理ガスとともに除去される。しかしながら、概して、この処理によって全ての無機性汚染物質または有機金属性汚染物質が半導体基板から除去されるわけではない。それらの残渣を除去するためには本開示の洗浄用組成物を使用する半導体基板の後洗浄が典型的には必要である。
幾つかの実施形態では、本開示は半導体基板から残渣を洗浄する方法を特徴とする。そうした方法は、例えば、エッチング後残渣および/またはアッシング後残渣を有する半導体基板を本明細書に記載される洗浄用組成物と接触させることにより、行うことができる。本方法はさらに、前記接触工程の後に前記半導体基板をリンス溶媒でリンスすること、および/または前記リンス工程の後に前記半導体基板を乾燥することを含むことができる。幾つかの実施形態では、前記半導体基板はさらに、Cu、Co、W、AlOx、AlN、AlOxNy、Ti、TiN、Ta、TaN、TiOx、ZrOx、HfOx、およびTaOxからなる群より選択される材料を少なくとも1つ(例えば、曝露された材料)、または前記少なくとも1つの材料の層を含むことができる。
幾つかの実施形態では本洗浄方法は、(A)エッチング後残渣および/またはアッシング後残渣を含む半導体基板を提供する工程;(B)該半導体基板を本明細書に記載される洗浄用組成物と接触させる工程;(C)該半導体基板を適切なリンス溶媒でリンスする工程:および(D)所望により、前記リンス溶媒を取り除き、且つ、該半導体基板の完全性を損なわない適切な手段によって該半導体基板を乾燥する工程を含む。幾つかの実施形態では、本洗浄方法はさらに、前述した方法で得られた半導体基板から半導体素子(例えば、半導体チップなどの集積回路素子)を形成することを含む。
幾つかの実施形態では、本洗浄方法は、半導体基板中のCo、酸化アルミニウム(AlOxまたはAl)、酸化シリコン(SiOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、TiN、SiN、ポリ−Si、あるいはCuを実質的に除去しない。例えば、幾つかの実施形態において、本方法は半導体基板中の前記の材料の約5重量%以下(例えば、約3重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、あるいは約0.1重量%以下)を除去する。
この方法で洗浄される半導体基板は有機性残渣および有機金属性残渣、さらに除去が必要な一連の金属酸化物を含むことができる。半導体基板は典型的に
はシリコン、シリコンゲルマニウム、GaAsのようなIII〜V族化合物、またはそれらの組み合わせから構成される。それらの半導体基板はさらに相互接続体(例えば、金属線と誘電体)などの曝露された集積回路構造体を含むことができる。相互接続体に使用される金属および金属合金には、アルミニウム、銅とアルミニウムの合金、銅、チタン、タンタル、コバルト、およびシリコン、窒化チタン、窒化タンタル、タングステン、およびその他の合金が含まれるが、これらに限定されない。前記半導体基板は層間絶縁膜、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化チタン、および炭素ドープシリコン酸化物の層も含むことができる。
半導体基板は適切な方法で、例えば、洗浄用組成物をタンクに入れて半導体基板をその洗浄用組成物の中に浸すおよび/または沈めることで、洗浄用組成物を半導体基板上にスプレーすることで、洗浄用組成物を半導体基板の上に流すことで、またはそれらの組み合わせで、洗浄用組成物と接触させることができる。好ましくは、半導体基板を洗浄用組成物の中に浸す。
本開示の洗浄用組成物は約90℃の温度まで効果的に使用され得る(例えば、約25℃〜約80℃、約30℃〜約60℃、あるいは約40℃〜約60℃)。
同様に、洗浄時間は用いる特定の洗浄方法と温度に応じて広い範囲で変化し得る。浸漬バッチタイプ処理で洗浄するとき、適切な時間範囲は、例えば、最大で約60分まで(例えば、約1分から約60分、約3分〜約20分、あるいは約4分〜約15分)である。
単一ウエーハ処理の洗浄時間は約10秒〜約5分の範囲(例えば、約15秒〜約4分、約15秒〜約3分、あるいは約20秒〜約2分)であってもよい。
本開示の洗浄用組成物の洗浄能をさらに促進するために機械的撹拌手段を用いることができる。適切な撹拌手段の例としては、基板上での本洗浄用組成物の循環、基板上での本洗浄用組成物の流動またはスプレー、および洗浄処理中の超音波または磁力による撹拌が挙げられる。地面に対する半導体基板の方向はいかなる方角であってもよい。水平方向または垂直方向が好ましい。
本開示の洗浄用組成物は、当業者に知られている従来の洗浄用ツールに使用することができる。本開示の前記組成物は全体としても部分としても比較的に非毒性、非腐食性、且つ、非反応性の成分を含み、それによって前記組成物が広い範囲の温度および処理時間で安定であることが本開示の前記組成物の著しい利点である。本開示の前記組成物は、バッチウエーハ洗浄および単一ウエーハ洗浄のための既存の半導体ウエーハ洗浄処理ツールおよび提案されている半導体ウエーハ洗浄処理ツールを構築するために使用される実質的に全ての材料と化学的に適合する。
洗浄に引き続いて、撹拌手段を使用してまたは使用せずに、適切なリンス溶媒を用いて約5秒間から最大で5分間、半導体基板をリンスすることができる。適切なリンス溶媒としては、例えば、脱イオン(DI)水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリジノン、ガンマ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、pH>8の水性リンス液(希釈水酸化アンモニウム水溶液など)を用いてもよい。リンス溶媒の好ましい例としては、希釈水酸化アンモニウム水溶液、DI水、メタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。前記溶媒は本明細書に記載される洗浄用組成物を塗布するのに用いられる手段と同様の手段を用いて塗布してよい。リンス工程の開始前に洗浄用組成物を半導体基板から除去してもよく、あるいは、リンス工程の開始時にまだ洗浄用組成物が半導体基板と接触していてもよい。好ましくは、リンス工程において用いられる温度は16℃と27℃の間である。
所望により、リンス工程の後で半導体基板を乾燥させる。当技術分野において知られている適切な乾燥手段を用いてよい。適切な乾燥手段としては、例えば、スピン乾燥、半導体基板に乾燥ガスを流すこと、またはホットプレートや赤外ランプなどの加熱手段を用いる半導体基板の加熱、マランゴニ乾燥、ロタゴニ乾燥、IPA乾燥あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。乾燥時間は採用される特定の方法に依存するであろうが、典型的には約30秒から最大で数分の程度である。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される洗浄用組成物を使用する集積素子の製造方法は以下の工程を含むことができる。まず、フォトレジスト層を半導体基板に塗布する。次に、そうして得られた半導体基板に対して、集積回路を形成するために、エッチング処理やインプラント処理などのパターン転写処理を行うことができる。次に、乾式または湿式剥離方法(例えば、酸素系プラズマアッシング処理)によりそのフォトレジストの大部分を除去することができる。次に本明細書に記載される洗浄用組成物を前述した方法で使用して、その半導体基板上に残っている残渣を除去することができる。その後、その半導体基板を加工してその基板上に1つ以上の追加の回路を形成することができ、または、加工して、例えば組み立て(例えば切断と接着)と包装(例えば、チップ封入)により、半導体チップに形成することができる。
本明細書に記載された全ての文献(例えば、特許、特許出願公開、および記事)の内容は本書に参照によりその全体が取り込まれる。
以下の実施例を参照して本開示をさらに詳細に例示するが、これらの実施例は例示のみを目的とし、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。記載されるパーセントはすべて、別段の指定がない限り重量によるもの(重量%)である。別段の記載がない限り、1インチの撹拌子を300rpmで用いて試験中の制御撹拌を行った。
基本手順1
処方配合
計算した量の有機溶媒に、撹拌しながら、処方の残りの成分を添加して、洗浄用組成物の試料を調製した。任意の添加剤を用いる場合は、溶液が均一になった後に添加した。
基本手順2
ビーカー試験による洗浄評価
リソグラフィーによってパターン化され、金属用プラズマエッチング装置内でエッチングされ、続いて酸素プラズマアッシングされて、フォトレジストの最上層を完全に除去したフォトレジスト/TiOx/SiN/Co/ILD(ILD=層間絶縁体)またはフォトレジスト/TiOx/SiN/W/ILDからなる多層半導体基板を使用して、基板からのPER(エッチング後残渣)の洗浄を本記載の洗浄用組成物を用いて実施した。
おおよそ200ミリリットルの本開示の洗浄用組成物を入れた容積500mlのビーカー中に試験片を浮遊させることができるように、4インチ長のプラスチック製ロッキングピンセットを使用して試験片を保持した。その試験片をその洗浄用組成物中に浸漬する前に、制御撹拌しながらその組成物を所望の試験条件温度(上述したように典型的には40℃または70℃)まで予備加熱した。その後、その試験片のPER層を含む面が撹拌子に対面するようにプラスチック製ピンセッットによって保持された試験片を、その加熱した組成物の中に入れることで洗浄試験を実施した。その洗浄用組成物を制御撹拌下、試験温度に保ちながら、その試験片を一定の時間(典型的には2分〜5分)にわたってその組成物中に静置した。所望の洗浄時間が完了したところで、その試験片をその洗浄用組成物からすばやく取り出し、周囲の温度(約17℃)で穏やかに撹拌されている約400mlのDI水で満たされた500mlのプラスチック製ビーカーの中に置いた。その試験片をそのビーカーのDI水の中におおよそ15秒間放置した後、すばやく取り出し、続いて約30秒間イソプロパノール中でリンスした。その試験片を直ぐに携帯型窒素吹き付け器からの窒素ガス流に曝露し、それによってその試験片表面上の液滴をその試験片から吹き飛ばし、そしてさらに、その試験片素子表面を完全に乾燥させた。この最後の窒素乾燥工程の後に、プラスチック製ピンセットの保持部分からその試験片を取り外し、短期間の保管のために素子面を上にして蓋付きプラスチック製保管箱に入れた。その後、洗浄した試験片素子表面上の重要な特徴について走査型電子顕微鏡(SEM)写真を収集した。
基本手順3
ビーカー試験による材料適合性評価
材料適合性試験のために、シリコン基板上のブランケットW、シリコン基板上のSiO上のTiOx、シリコン基板上のSiN、シリコン基板上のAl、シリコン基板上のTiN、シリコン基板上のILDをおおよそ1インチ×1インチ四方の試験片に切断した。最初に、それらの試験片について、4点プローブ、金属膜(Co、W)用CDE Resmap273によって、あるいはWoollam M−2000Xを使用した絶縁膜(TiOx、SiN及びILD)用エリプソメトリーによって、厚みまたはシート抵抗を測定した。その後、それらの試験片を4インチ長のプラスチック製ロッキングピンセットに取り付け、その試験片のCo層、W層、TiOx層、SiN層、またはILD層を含む面が撹拌子に対面するようにして基本手順3の洗浄手順に記載されているように10分間にわたって処理した。
最後の窒素乾燥工程の後に、プラスチック製ピンセットの保持部分からその試験片を取り外し、蓋付きプラスチック製保管箱に入れた。その後、処理後試験片表面について、4点プローブ、金属膜(CoおよびW)用CDE Resmap273によって、あるいはWoollam M−2000Xを使用した絶縁膜(TiOx、SiN及びILD)用エリプソメトリーによって、処理後厚みまたはシート抵抗を収集した。
実施例1
処方実施例1〜11(FE-1〜FE−11)及び比較処方実施例1〜16(CFE−1〜CFE−16)を基本手順1に従って調製し、基本手順2及び3に従って評価した。処方を表1にまとめ、さらに洗浄結果およびCo、W、AlOx、TiOx、およびBドープWのエッチ速度(ER)(オングストローム/分)を表2にまとめた。表2の結果は洗浄温度65℃で、洗浄時間3分〜6分の範囲内で得られた。
Figure 2021519836


Figure 2021519836

HA=ヒドロキシルアミン;PG=プロピレングリコール;MEA=モノエタノールアミン;MSA=メタンスルホン酸;IA=イセチオン酸;IAAS=イセチオン酸NH塩;5MBTA=5−メチルベンゾチアゾール;DBU=1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン
Figure 2021519836
表1および表2に示すように、処方FE−1〜FE−11(これらは適切な量のモノエタノールアミンと適切な量のイセチオン酸またはその塩を含んでいた)は優れたエッチング後残渣洗浄能と洗浄処理に曝露されるであろう半導体材料(特にAlOx)との優れた適合性(すなわち、比較的低いエッチ速度)を示した。これに対し、処方CFE−1〜CFE−11(これらはモノエタノールアミンを含まない)はエッチング後残渣を十分に洗浄しなかった。処方CFE−12はモノエタノールアミンを比較的多く含んでいた。処方CFE−12はエッチング後残渣を洗浄したが、比較的高いAlOxエッチ速度(すなわち、AlOxと比較的低い適合性)を示した。処方CFE−13とCFE−15はモノエタノールアミンを比較的少なく含んでいた。これら2つの処方は比較的低いAlOxエッチ速度を示したが、エッチング後残渣を十分に洗浄しなかったという結果となった。CFE−14はDI水を比較的少なく含んでいた。この処方は比較的低いAlOxエッチ速度を示したが、エッチング後残渣を十分に洗浄しなかったという結果となった。
他の実施形態は以下のクレームの範囲内である。

Claims (24)

  1. 1)少なくとも1つの酸化還元剤、
    2)OHまたはNHによって置換されたアルキル基を有する少なくとも1つのアルキルスルホン酸またはその塩、
    3)少なくとも1つのアミノアルコール、
    4)少なくとも1つの腐食抑制剤、
    5)少なくとも1つの有機溶媒、
    6)水、および
    7)所望により、少なくとも1つのpH調整剤、
    を含む洗浄用の組成物。
  2. 前記組成物のpHが約8〜約11である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記少なくとも1つのアルキルスルホン酸が一般式(I)のアルキルスルホン酸を含む:
    R−SOH (I)
    式中、RはOHおよびNHからなる群より選択される少なくとも1つの置換基によって置換されたC〜C10アルキルである、
    請求項1に記載の組成物。
  4. Rが少なくとも1つのOHによって置換されたC〜Cアルキルである、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記少なくとも1つのアルキルスルホン酸またはその塩が、HO(CHSOHまたはHO(CHSONHを含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記少なくとも1つのアルキルスルホン酸またはその塩が、前記組成物の約0.3重量%〜約5重量%である、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記少なくとも1つの酸化還元剤が、ヒドロキシルアミンを含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記少なくとも1つの酸化還元剤が、前記組成物の約6重量%〜約15重量%である、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記少なくとも1つのアミノアルコールがエタノールアミンまたは2−(2−アミノエトキシ)エタノールを含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記少なくとも1つのアミノアルコールが、前記組成物の約5重量%〜約10重量%である、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記少なくとも1つの腐食抑制剤が、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、および水酸基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基によって置換されていてもよいベンゾトリアゾールを含む、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記少なくとも1つの腐食抑制剤が、ベンゾトリアゾール、5−アミノテトラゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、4−クロロベンゾトリアゾール、5−ブロモベンゾトリアゾール、4−ブロモベンゾトリアゾール、5−フルオロベンゾトリアゾール、4−フルオロベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、4−ニトロベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、4−メチルベンゾトリアゾール、4−エチルベンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、4−プロピルベンゾトリアゾール、5−プロピルベンゾトリアゾール、4−イソプロピルベンゾトリアゾール、5−イソプロピルベンゾトリアゾール、4−n−ブチルベンゾトリアゾール、5−n−ブチルベンゾトリアゾール、4−イソブチルベンゾトリアゾール、5−イソブチルベンゾトリアゾール、4−ペンチルベンゾトリアゾール、5−ペンチルベンゾトリアゾール、4−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−メトキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、1−〔N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル〕−ベンゾトリアゾール、5−t−ブチルベンゾトリアゾール、5−(1’,1’−ジメチルプロピル)−ベンゾトリアゾール、5−(1’,1’,3’−トリメチルブチル)ベンゾトリアゾール、5−n−オクチルベンゾトリアゾール、および5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)ベンゾトリアゾールからなる群より選択される化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記少なくとも1つの腐食抑制剤が、前記組成物の約0.1重量%〜約2重量%である、請求項1に記載の組成物。
  14. 前記組成物が前記少なくとも1つのpH調整剤を含み、そして前記少なくとも1つのpH調整剤が酸を含む、請求項1に記載の組成物。
  15. 前記組成物が前記少なくとも1つのpH調整剤を含み、そして前記少なくとも1つのpH調整剤が前記組成物の約1重量%〜約10重量%である、請求項1に記載の組成物。
  16. 前記少なくとも1つの有機溶媒が、水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、および水溶性エーテルからなる群より選択される溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
  17. 前記少なくとも1つの有機溶媒が、アルキレングリコールおよびアルキレングリコールエーテルからなる群より選択される溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
  18. 前記少なくとも1つの有機溶媒が、前記組成物の約30重量%〜約50重量%である、請求項1に記載の組成物。
  19. 水が前記組成物の約20重量%〜約50重量%である、請求項1に記載の組成物。
  20. エッチング後残渣またはアッシング後残渣を含む半導体基板を請求項1〜19のいずれか1項に記載の洗浄用の組成物と接触させること、
    を含む方法。
  21. 前記半導体基板がさらに、Cu、Co、W、AlOx、AlN、AlOxNy、Ti、TiN、Ta、TaN、TiOx、ZrOx、HfOx、およびTaOxからなる群より選択される材料を、少なくとも1つ含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記接触工程の後に前記半導体基板をリンス溶媒でリンスすることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  23. 前記リンス工程の後に前記半導体基板を乾燥することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記半導体基板から半導体素子を形成することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
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