JP2021518442A - 抗炎症効果を有する黒米発芽液及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、黒米を発芽させるときに使用された水を低温処理及び常温処理し、優れた抗炎症効果を有する黒米発芽液及びその製造方法に関するものであって、黒米を発芽させるのに使用された水を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理した後、開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理して収得されたことを特徴とする。

Description

本発明は、抗炎症効果を有する黒米発芽液の製造方法及びそれから収得される黒米発芽液に関し、特に、黒米を発芽させるときに使用された水を低温処理及び常温処理し、優れた抗炎症効果を有する黒米発芽液及びその製造方法に関する。
最近、疾病を予防或いは治療できる各物質を自生植物体も有していることが報告されており、人生を健康に生きようとする文化的な必要性により、地球上の多様な資源から多様な生理機能を有する物質を探索しようとする研究が活発に進められているが、その中でも、特に植物資源に含まれた化合物に多くの関心が集中している。
最近の高齢化及び食生活の変化に伴い、急性炎症疾患と、関節リウマチ、帯状疱疹、鼻炎などの慢性炎症疾患とが増加する趨勢である(Hyun EA.Anti−inflammatory effect of Salvia officinalis L.extract.Cheju National University.Korea 2003.)。慢性炎症は、結核菌、原生動物、カビ、そして、宿主防御に抵抗し、長期間組織に残存し得る他の寄生虫などの急性炎症を誘発する物質の除去に失敗する場合に発生する。手足の指の爪白癬としても知られている爪真菌症も炎症性爪甲疾患である。
炎症は、血管が分布する生体組織において、有害な物質によって発生する先天性(innate)免疫系による複合的な免疫反応の一種と定義されており、通常、熱と痛みが伴われる。すなわち、炎症は、生体組織が損傷を受けたときに体内で起こる防御的反応を総称し、外傷、火傷、細菌侵入などに対して体が反応し、一部に充血、浮腫、発熱、痛みを起こすようになる。炎症反応は、損傷した組織の再建過程と関連しており、組織に損傷を与えた微生物、毒素などの原因物質を除去する過程と、損傷の結果として現れる壊死した細胞、組織などを除去する過程とを全て含む。
炎症反応の直接的な各原因としては:
(1)補体系(complement system)の活性化
(2)炎症性サイトカインの分泌
(3)フィブリノリシス
(4)白血球の血管外遊出及び食菌作用
(5)凝固反応
(6)その他の各炎症誘発物質
による免疫細胞及び体系の作用によって起こる。このような免疫反応を起こす原因には、組織に如何なる形態によっても損傷を与え得る要因が含まれており、炎症を誘発し得る各外部要因としては:
(1)物理的原因:火傷、霜焼け、身体的な傷/外傷、異物、電離放射線
(2)生物学的原因:病原体、過敏反応、ストレス
(3)化学的原因:毒素、アルコール
などを例として挙げることができる。
慢性炎症と癌又は他の疾病との相関関係が報告されながら、食餌摂取の変化(dietary intervention)を用いて炎症反応を減少させることによって疾病の危険を減らそうとする努力が進められている(Aggarwal BB et al.Inflammation and cancer:How hot is the link 72:1605−1621(2006))。
炎症反応は、外部からの物理的及び化学的刺激や細菌感染に対する生体組織の防御反応の一つであって、損傷した組織を修復又は再生しようとする機転である(Zamora R,et al.Inducible nitric oxide synthase and inflammatory diseases.Mol.Med.6:347−373(2000))。体内で炎症反応が起こると、大食細胞などの各炎症細胞は、一酸化窒素(NO)、プロスタグランジンE2(PGE2)、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor−α、TNF−α)、インターロイキン−1β(IL−1β)などの炎症媒介物質を分泌する(Guha M,Mackman N.LPS induction of gene expression in human monocytes.Cell Signal.13:85−94(2001))。正常な場合、生体は、炎症反応を通じて発病要因を中和又は除去し、傷ついた組織を再生することによって正常な構造及び機能を回復するが、そうでない場合は、慢性炎症などの疾病状態に進められることもある。炎症反応の発生は、感染性物質(infectious agents)、虚血(ischemia)、抗原−抗体反応、熱又は他の身体的な傷などの数多くの刺激によって起こり、紅斑(erythema)、浮腫(edema)、圧痛(tenderness)、痛みなどの臨床症状が現れる。炎症反応は、それぞれの他の機転によって媒介される明確な三つの段階で起こるようになる。第一の段階は、局所的な血管拡張(vasodilatation)及び毛細血管の透過性増加を特徴とする急性及び一過性段階(acute transient phase)で、第二の段階は、白血球(leukocytes)及び食細胞性細胞(phagocytic cells)の浸潤を特徴とする遅延性及び亜急性段階(delayed、subacute phase)で、第三の段階は、組織変性(tissue degeneration)及び線維化(fibrosis)が起こる慢性及び増殖性段階(chronic proliferative phase)である。その他にも、多くの機転が炎症反応の過程に伴われる。
ほぼ全ての臨床疾患で炎症反応を観察することができ、癌化過程(carcinogenesis)でも、炎症反応と関連する各酵素が重要な役割をすることが知られている。したがって、炎症疾患の治療は、現在の医学が抱えている課題の一つである。これらの炎症疾患のうち、抗生剤の投与で原因的治療が可能な細菌性疾患もあるが、ほとんどは、その発病が自己免疫反応による組織損傷に起因するので、特異的治療法がない難病と知られている。
ほとんどの非ステロイド性消炎鎮痛剤(non−steroidal anti−inflammatory drugs、NSAIDs)の抗炎症効果は、COX酵素活性を抑制することによって媒介される(Vane et al.,Annual Review of Pharmacology and Toxicology,38:97−120,1998)。
COX−1は、胃や腎臓などの組織で一定に存在する酵素であって、正常な恒常性を維持するのに関与する一方、COX−2は、炎症やその他の免疫反応時、細胞分裂因子(mitogen)やサイトカイン(cytokines)類によって細胞内で一時的且つ迅速に発現される。急性或いは関節リウマチなどの慢性の炎症疾患の治療に使用されるNSAIDsは、COX−2酵素を抑制するだけでなく、COX−1酵素も抑制することによって胃腸管障害などの副作用を示すものと知られている(Masferrer et al.,Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,91:3228−3232,1994;Seibert et al.,Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,91:12013−12017,1994)。
特に、大食細胞におけるサイトカイン、腫瘍壊死因子(TNF−α)、脂質多糖類(lipopolysaccharide、LPS)などの刺激によって炎症反応の転写因子である核因子−kB(nuclear factor−kB、NF−kB)を活性化させる。その結果、誘導型酸化窒素合成酵素(inducible nitric oxide synthase、iNOS)、シクロオキシゲナーゼ−2(cyclooxygenase−2、COX−2)を発現させ、過量の一酸化窒素(NO)及びプロスタグランジンE2(PGE2)を生成することによって炎症を起こす(Nishida T et al.Geranylgeranylacetone induces cyclooxygenase−2 expression in cultured rat gastric epithelial cells through NF−kappa B.Digestive Diseases and Sciences.52:1890−1896(2007))。
今まで開発された合成抗炎症剤は、ステロイド(ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン)と、非ステロイド(アスピリン、インドメタシン、イブプロフェン)とに大別することができ、これらのほとんどは、胃腸、腎臓及び心臓疾患などの副作用を示し(Dagne JM,et al.cardiovascular side−effects:from light to shadow.Currpharm Des.12:917−975(2006) and Makins R,Ballinger A.Gastrointestinal side effects of drugs.Expert Opin Drug Saf.2:421−429(2003))、現在よりも安全且つ効果的な天然物由来の抗炎症治療剤の開発が必要な実情である。
本発明は、黒米を発芽させるときに使用された水を低温処理及び常温処理し、優れた抗炎症効果を有する黒米発芽液及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る黒米発芽液は、黒米を発芽させるのに使用された水を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理した後、開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理して収得されたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る黒米発芽液の製造方法は、(1)黒米を水に浸して発芽させる黒米発芽段階;(2)発芽された黒米と、黒米の発芽時に使用された発芽液とを分離する発芽液分離段階;(3)発芽液を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理する低温処理段階;及び(4)低温処理された発芽液を開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理する常温処理段階;を含むことを特徴とする。
本発明によると、黒米を発芽させるときに使用された水を低温処理及び常温処理し、優れた抗炎症効果を有する黒米発芽液及びその製造方法を提供するという効果がある。
低温処理及び常温処理以前の黒米発芽液中に存在する菌を分析した試験成績書の写本である。 本発明によって低温処理及び常温処理した後で収得される黒米発芽液中に存在する菌を分析した試験成績書の写本である。 本発明によって低温処理及び常温処理した後で収得される黒米発芽液中に存在する菌を分析した試験成績書の写本である。 本発明の各実施例の抗真菌活性の実験結果を撮影した写真である。 本発明の各実施例の抗真菌活性の実験結果を撮影した写真である。 本発明の各実施例の抗真菌活性の実験結果を撮影した写真である。 本発明の各実施例の抗真菌活性の実験結果を撮影した写真である。 本発明の各実施例の抗真菌活性の実験結果を撮影した写真である。 本発明の各実施例の抗真菌活性の実験結果を撮影した写真である。 本発明の各実施例の抗真菌活性の実験結果を撮影した写真である。 本発明の各実施例の抗ウイルス活性の実験結果を撮影した写真である。 本発明の各実施例の抗ウイルス活性の実験結果を撮影した写真である。
本発明は、最善の形態として、黒米を発芽させるのに使用された水を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理した後、開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理して収得されたものであることを特徴とする抗炎症効果を有する黒米発芽液を提示する。
また、本発明は、最善の形態として、(1)黒米を水に浸して発芽させる黒米発芽段階;(2)発芽された黒米と、黒米の発芽時に使用された発芽液とを分離する発芽液分離段階;(3)発芽液を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理する低温処理段階;及び(4)低温処理された発芽液を開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理する常温処理段階;を含むことを特徴とする抗炎症効果を有する黒米発芽液の製造方法を提示する。
以下、本発明を具体的な実施例を参照して詳細に説明する。
本発明に係る黒米発芽液は、黒米を発芽させるのに使用された水を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理した後、開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理して収得されたものであることを特徴とする。
米は、禾本科に属する作物として、小麦及びトウモロコシと共に世界3大穀物の一つであって、世界的に最も重要な食糧資源である。また、米は、水分及びタンパク質の含量が少なく、炭水化物の含量が多くて容易に腐敗しないので、貯蔵が容易な重要な熱量源である。
黒色の米として知られている黒米にあるアントシアニンは、上述した強い抗酸化効果と共に、癌予防及び免疫力強化に効果を有するものと知られている。有色米の一種である黒米は、特有の色及び香りによって多様な形態の食品に加工されており、その消費が徐々に増加している。黒米の香りは、エタンジオール(ethanediol)、グアイアコール(guaiacol)などのアルコール成分、ヘキサデカン酸(hexadecanoic acid)、ヘキサナール(hexanal)、酢酸(acetic acid)などのケトン、アルデヒド及び有機酸に起因し、色素成分は、シアニジン−3−グルコシド (cyanidin−3−glucoside、C3G)及びペオニジン−3−グルコシド (peonidin−3−glucoside、P3G)などの配糖体が主な成分であると報告されている。
特に、黒米の色素成分は、多様な構造及び分子量を有するポリフェノール化合物を含有しており、このようなポリフェノール化合物は、抗酸化性、抗菌性、坑癌性などの生理活性を有するものと確認されている。また、黒米は、玄米として普及されており、一般の玄米よりも食物繊維の含量が高く、独特の香味を有し、タンパク質、ビタミンB及び無機質の含量も多い。中国の医書である李時珍の本草綱目によると、黒米は、介胃益中、滋陰補腎、建碑緩肝、明目活血の効果を有し、めまい、貧血、白髪の予防及び治療、眼疾患、多尿症、便秘症、心血管疾患などの疾病に明らかな効果を有すると記載されている。
黒米を毎日常食すると、人体の総合調節機能を改善し、免疫機能を強化させ、老衰防止、疾病予防、女性の美容などに効果があると知られている。特に、黒米は、妊婦に起きやすい貧血などに特効を有し、子供の骨格形成に非常に役立つ。また、黒米を離乳食として子供に摂取させると、子供が健康に育つのに大きく役立つ。また、黒米は、多量のセレニウム(Se)を含有しており、癌の予防に効果を有する。中国の文献(1992年11月)には、直腸癌の患者40人に黒米を長期服用させて観察した結果、患者の状態を好転させたという研究報告がある。特に、中国のシルクロードを行く隊商や新疆省の住民達がタクラマカン砂漠の暑さに勝つための食品として、黒米、鳩麦、ナツメなどを入れた粥を炊いて食べる滋養健康食品が古くから伝わっている。また、黒米は、色がきれいなだけでなく、香ばしい香りが漂い、糖尿、便秘、胃腸病などに効能を有し、ビタミンB、C、Eが一般米よりも豊かであるので、人体に良い黒色穀物の健康食品であると言える。
黒米は、玄米に搗精して使用するので胚芽を有し、一般米よりも各種栄養素を多く含有しており、黒色度も一般米よりも5倍ほど高い。黒米は、天然色素であるアントシアニンなどが非常に豊かであり、ビタミンEを始めとして鉄、亜鉛、セレニウムなどの無機塩類が非常に豊かであるので、活性酸素の消去機能に優れたものとして知られている。黒米を摂取すると、活性酸素をなくすアントシアニン及びオリザフランなどの抗酸化成分が黒米に非常に多く含有されており、皮膚の老化を事前に予防するという効果を期待することができる。このような生理的及び薬理的効果を有する黒米は、その利用価値で関心の対象となっている。黒米は、主要生産地が南部アジア及び中国であり、現在韓国の一部の地域でも生産されており、医学的効果に優れた米として知られている。特に、黒米が持っている紫色の色素は高温及び太陽光線に対して高い安定性を有しているので、黒米は、パン、お粥、麺などの加工で食品素材として用いられている。
以下では、このような黒米の各種食品素材としての使用例を紹介する。
大韓民国特許登録第451126号には、米又は黒米を140メッシュ〜180メッシュに粉砕した米粉55重量%〜70重量%、小麦粉20重量%〜28重量%、食用塩5重量%〜8重量%及び水5重量%〜10重量%を主成分とすることを特徴とする黒米を用いた麺及びその製造方法が開示されている。
大韓民国特許公開第2000−75359号には、黒米と玄米とを混合した混合米に水分含量が18%になるように水を添加し、これによって製造された生地を膨化させて製造する黒米を用いた米菓及びその製造方法が開示されている。
大韓民国特許公開第2002−92334号には、生水1.5L〜1.8L、黒米1.5kg〜2.5kg、麦1.5kg〜2.5kg、白米6kg〜7kg、ジャガイモ澱粉400g〜500g、精製塩0.4g〜0.5gを混合・粉砕した粉を均一に混合し、100℃〜120℃の水蒸気によって蒸熟して製造する餅スープ用黒米餅が開示されている。
大韓民国特許公開第2001−105020号には、植物性食品を液体状態或いは粉末状態で小麦粉と混合、混捏、圧延及び成形して製造する植物性抽出物が含有された麺及びその製造方法が開示されている。
大韓民国特許公開第2002−42384号には、黒米と小麦粉とを一定比率で混合し、これに適当量の水を混合し、これを混捏・発酵することによって食パンを製造する黒米粉を添加した食パン及びその製造方法が開示されている。
本発明において、黒米(black rice)は、黒い米とも言い、アントシアニン及び無機塩類が豊かであり、体内活性酸素を効果的に中和できるものと知られている。一例として、前記黒米として珍島で栽培されるHeugjinju(Oryza sativa cv.Heugjinjubyeo)を利用することができる。前記Heugjinjuは、果皮部分が濃い紫色を有し、アントシアニン化合物であるシアニジンとメルビジン;その配糖体であるシアニジングルコシド、メルビジングルコシド、デルピニジングルコシド、アルカロイド及びフェノール化合物;及び2−ヒドロキシ−4−メトキシピリジン成分を含んでいると報告されている。そして、黒米は、ミネラルが豊かであり、アルカリ性質を帯びる。アルカリ性食品は、多くの公害物質及び食物酸化物で酸化された体を中和させ、各種炎症疾患を防止するという効果を有する。特に、ミネラルのうちセレニウムの含量が最も高いが、黒米に含まれたセレニウムは、肝細胞を活性化させるだけでなく、肝細胞の破壊を抑制するという効果を有するものと知られている。
黒米の搗精度は9分搗き〜10分搗きであり得る。搗精度は、稲を刈る程度を意味するものであって、搗精度とは、玄米と白米を基準にして外糠層と米糠層(米の構造及び栄養分布を参照)とを合わせた全体を10等分し、これを完全に除去したものを10分搗きと言い、全く除去していない玄米の状態は0分搗きと言う。したがって、5分搗きとは、外糠層と米糠層が50%ほど除去された状態を示している。また、搗精度を重量で表示することもあるが、一般に、外糠層と米糠層の重さが全体の玄米重量の約8%〜9%程度を占める。品種に応じて異なるので、全ての稲に同一に適用されることはないが、搗精を容易にするために、全体重量の8%を搗精したものを10分搗きと言う。換言すると、1分搗きは、全体の玄米重量の約0.8%を搗精したものと見ればよい。市中の5分搗き米は、全体の玄米重量の約4%を搗精したもので、7分搗き米は、全体の玄米重量の約5.6%を搗精したものであると理解できる。上述したように、9分搗き〜10分搗きで搗精する場合、発芽に必要な米の胚芽が残留するので発芽が可能である。
黒米の発芽は、水温16℃〜23℃では24時間〜48時間にわたって水に浸すことによって実行され得る。これは、主に、大韓民国の冬期に該当する常温の温度条件であると理解できる。
黒米の発芽は、水温23℃〜30℃では15時間〜24時間にわたって水に浸すことによって実行され得る。これは、主に、大韓民国の夏期に該当する常温の温度条件であると理解できる。
上述した発芽温度及び発芽時間は、黒米から0.5mm〜1.5mm程度発芽するのに適切な条件であると理解できる。
黒米の発芽時に水が撹拌されるが、下部の水を上部に引き上げた後、再び水を上部から下部に落下させることが好ましい。水の撹拌は、水が停滞して腐敗することを防止する機能をする。これは、水が、停滞せずに流れる間に自然に発生する自力及び酸素などとの接触によって浄化され、腐敗することを防止するものと理解される。また、自然に流れる水が、停滞して溜まっている水よりも高い自浄能力を有するのと同一及び/又は類似するものと理解でき、水の撹拌は浄水処理でも応用される方式であると理解できる。
発芽時に使用された水は、飲用水又は食水であることが好ましく、水道水であることも可能である。
発芽液自体は、低温処理及び常温処理以前には、図1に示したように、一般細菌としては(CFU/g)92000000が存在し、大腸菌としては(CFU/g)1100000が存在するが、本発明によって低温処理及び常温処理を行った後は、図2の試験成績書に示したように、特に3種の一般細菌及び3種の真菌を含んでおり、図3に示したように、一般細菌としては、Citrobacter murliniae、Pseudacidovorax intermedius及びPaenirhodobacter enshiensisが存在し、真菌としては、Candida intermedia、Candida tropicalis及びMeyerzyma sp.が存在することが確認された。
また、本発明に係る黒米発芽液の製造方法は、(1)黒米を水に浸して発芽させる黒米発芽段階;(2)発芽された黒米と、黒米の発芽時に使用された発芽液とを分離する発芽液分離段階;(3)発芽液を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理する低温処理段階;及び(4)低温処理された発芽液を開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理する常温処理段階;を含むことを特徴とする。
前記(1)の黒米発芽段階は、黒米を水に浸して発芽させることからなる。黒米及び黒米の発芽に関しては、前記説明したのと同一及び/又は類似するものと理解できる。種子の発芽には、植物の種子のそれぞれに定められた適温、十分な酸素及び適当な水分が必要であり、また、種に応じては、特に光を必要とするものと、その反対に暗黒を必要とするものとがあるが、ほとんどの植物は光の有無と関係がない。発芽が開始されると、様々な酵素が活動し始め、呼吸作用が活発になり、貯蔵養分を分解し、これを利用しやすい形態に変える。そして、幼芽、幼根などの分裂組織の急速な活動に利用される。貯蔵養分は、種子では緑末、脂肪、タンパク質などの形態で胚乳(禾本科など)、外胚乳(蓮の花など)、子葉(豆科など)に含まれている。発芽が進められるにつれて、貯蔵養分は減少していく一方、子葉や初生葉などに葉緑素が形成されることによって徐々に光合成をし、根でも養分及び水分を吸収するようになり、発芽は、貯蔵養分による従属栄養生長から逸脱し、自力による独立栄養生長をするようになる。よって、発芽前にはなかった新しい成分が生成されることもある。
前記(2)の発芽液分離段階は、前記段階(1)の黒米発芽段階で生成された発芽された黒米と、黒米の発芽に使用された発芽液とを分離することからなる。収得された発芽された黒米は、単独で使用されてもよく、他の米と共に炊飯などに使用されてもよい。発芽された黒米を炊飯する場合、収得される黒米ご飯の消化吸収率が高くなる。本発明は、黒米を発芽させ、発芽された黒米を本来の目的に合わせて使用すると共に、副産物として得ることができる発芽液を活用することを特徴とする。すなわち、黒米の発芽のために供給された水を、黒米の発芽後、副産物として発芽液に回収し、これを活用することを特徴とする。収得された発芽液は黒色を帯びる。これにより、黒米中に特に多量のアントシアニンなどを含んでおり、明らかになったり、又は明らかになっていない多くの有効生理活性物質が溶出したと見なされる。
前記(3)の低温処理段階は、前記(2)の発芽液分離段階で収得される発芽液を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理することからなる。このような低温処理前後の発芽液のpHは4.5〜5.5の範囲以内である。
前記(4)の常温処理段階は、前記(3)の低温処理段階を経た発芽液を開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理することからなる。常温処理後の発芽液のpHは7.5〜8に上昇する。
黒米の搗精度は9分搗き〜10分搗きであり得る。搗精度と関連しては、前記説明したのと同一及び/又は類似するものと理解できる。
黒米の発芽は、16℃〜23℃では24時間〜48時間にわたって流れる水に浸して実行され得る。これは、主に大韓民国の冬期に該当する常温の温度条件であると理解できる。
黒米の発芽は、23℃〜30℃では15時間〜24時間にわたって流れる水に浸して実行され得る。これは、主に大韓民国の夏期に該当する常温の温度条件であると理解できる。
前記発芽温度及び発芽時間は、黒米から0.5mm〜1.5mm程度発芽するのに適切な条件であると理解できる。
黒米の発芽時、水は撹拌されることが好ましい。水の撹拌は、水が停滞して腐敗することを防止する機能をする。
発芽時に使用された水は、飲用水又は食水であることが好ましく、水道水であることも可能である。
以下では、本発明の好適な実施例及び比較例を記述する。
以下の各実施例は、本発明を例証するためのものであって、本発明の範囲を限定するものと理解してはならない。
実施例1及び実施例2
約9分搗きの搗精度で搗精された黒米(Oriza sativa L.,品種:Cheongpung Heugchalbyeo)500gに一般水道水5Lを注ぎ込み、ゆっくり撹拌しながら20℃±3℃の温度で15時間〜48時間程度発芽させ、発芽された黒米及び発芽液を収得し、発芽された黒米から黒色の発芽液を分離し、分離された発芽液を開放された容器に注ぎ込み、pHを測定(このとき、pH=約5.5である;これを「実施例1」と称する)した後、2℃±0.1℃の温度に維持される冷蔵庫内で48時間にわたって低温処理した。低温処理後、発芽液を開放された容器に収容した状態で常温(約20℃±3℃の温度)で50日間常温処理した。常温処理後、発芽液のpHを測定した結果、発芽液のpHは約7.8(これを「実施例2」と称する)であった。
収得された本発明に係る黒米発芽液中に存在する菌を測定した結果、図2及び図3に示したように、3種の一般細菌及び3種の真菌を含んでおり、図3に示したように、一般細菌としては、Citrobacter murliniae、Pseudacidovorax intermedius及びPaenirhodobacter enshiensisが存在し、真菌としては、Candida intermedia、Candida tropicalis及びMeyerzyma sp.が存在することが確認された。
保管及び使用上の便宜のために、前記実施例1及び実施例2の黒米発芽液は、ペーパーフィルタリングを経た後、凍結乾燥及び粉末化して保管し、使用直前に蒸留水に希釈させて使用した。
比較例1
約9分搗きの搗精度で搗精された黒米の代わりに、約9分搗きの搗精度で搗精された玄米(Oriza sativa L.,品種:Akibare)を使用したことを除いては、前記実施例と同一に行うことによって玄米発芽液を製造したが、低温処理及び常温処理の間に腐敗してしまい、悪臭が発生することが頻繁に確認された。
比較例2
約9分搗きの搗精度で搗精された黒米(実施例1と同一)を使用し、低温処理を行っていないことを除いては、前記実施例と同一に行うことによって黒米発芽液を製造したが、低温処理を行っていないので、常温処理の間に腐敗してしまい、悪臭が発生することが確認された。
比較例3
約9分搗きの搗精度で搗精された黒米(実施例1と同一)を使用し、実施例のように発芽を行ったが、発芽後、低温処理及び常温処理を行っていない状態で発芽液を収得した。収得された黒米発芽液の初期pHは約4.5程度であって、一般細菌としては(CFU/g)92000000が存在し、大腸菌としては(CFU/g)1100000が存在することが確認された。
実験例1:抗真菌活性実験(1)
1.実験菌株
白癬の原因菌として知られている真菌の一種として、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)(KCTC 6375)は、大邱韓医大で分譲を受け、抗真菌活性実験に使用する前に3回以上継代培養し、活性化した後で実験に使用した。
2.使用培地
成長様相、継代培養及び抗真菌活性を確認するためにはSDA(Sabouraud dextrose agar)を使用した。
3.抗真菌活性検証(ペーパーディスク寒天拡散法(Paper disc agar diffusion method))
抗真菌活性検証には、ペーパーディスク寒天拡散法を使用及び応用した。試験菌株は、コルクボーラー(Cork borer)(5mm)で採取してから培地の中央に置床し、ここに、ペーパーディスクを培地上に離脱しないように付着させた後、実施例1及び実施例2の黒米発芽液(固形分)の濃度がそれぞれ5mg/ml及び10mg/mlである試料を50μl注入してから培養装置に入れ、25℃で7日以上培養した後、生育阻止環の生成有無を確認した。黒米発芽液粉末(固形分)に対する影響を調べるために、対照群としては滅菌水を使用した。
実施例1及び実施例2の濃度がそれぞれ5mg/ml及び10mg/mlである試料に対してペーパーディスク寒天拡散法で抗真菌活性を試験した結果を図4及び表1に示した。実験の結果、5日経過後から、黒米発芽液の抗真菌活性により、実施例の場合は、5mg/ml及び10mg/mlでそれぞれ80mm及び150mmに、実施例2の場合は、5mg/ml及び10mg/mlでそれぞれ70mm及び140mmになり、白癬菌(Trichophyton rubrum;KCTC 6375)の生育を阻止した(図4a)。また、7日経過後、実施例1の場合は、5mg/ml及び10mg/mlでそれぞれ70mm及び130mmに、実施例2の場合は、5mg/ml及び10mg/mlでそれぞれ50mm及び110mmになり、実施例1及び実施例2において類似する抗真菌活性を示した(図4b)。
Figure 2021518442
図4において、Pは、菌株(Trichophyton rubrum KCTC 6375);Cは、対照群として蒸留水;1は、5mg/ml(実施例1);2は、10mg/ml(実施例1);3は、5mg/ml(実施例2);4は、10mg/ml(実施例2)である。
実験例2:抗真菌活性実験(2)
実験例1の培養を10日以上長期処理した。実験の結果、培養してから10日以上経過した後、実施例2で白色の未知(un−known)のカビの生育が起こることを確認し、この未知のカビの抗真菌活性により、下記の表2及び図4cに示したように、白癬菌(Trichophyton rubrum)の生育を相当阻害する形態を示したことを確認した。
Figure 2021518442
実施例2で観察された白色の未知のカビの確認と、実施例1及び実施例2に対する5mg/ml及び10mg/mlの濃度別実験を行った結果を表3及び図5に示した。実施例1では、白色の未知のカビは依然として観察されなかったが、実施例2では、白色の未知のカビの生育が起こることを確認することができ、5mg/mlと10mg/mlの濃度差に対して未知のカビの濃度も有意に高くなったことを確認することができた。
Figure 2021518442
図5において、Pは、菌株(Trichophyton rubrum);Cは、対照群として蒸留水;1は、5mg/ml(実施例1);2は、10mg/ml(実施例1);3は、5mg/ml(実施例2);4は、10mg/ml(実施例2)である。
また、実施例2で発見された白色の未知のカビと濃度との間の有意な相関関係を調べるための実施例2に対する1mg/ml、5mg/ml、10mg/mlの濃度別実験結果を表4及び図6に示した。
その結果、実施例2の濃度が増加するにつれて、白色の未知のカビの濃度及び白癬菌(Trichophyton rubrum)に対する抗真菌活性も相対的に増加する傾向を確認することができた。
Figure 2021518442
図6において、Pは、菌株(Trichophyton rubrum);Cは、対照群として蒸留水;1は、1mg/ml(実施例2);2は、5mg/ml(実施例1);3は、10mg/ml(実施例2)である。
実験の結果、5日経過後から、実施例1及び実施例2の抗真菌活性によって白癬菌(Trichophyton rubrum)の生育を阻止し、7日経過後、実施例1及び実施例2において類似する活性を示すことを確認することができた。
実験例3:抗真菌活性実験(3)
白癬菌であるトリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)(KCTC6375)に対する黒米発芽液の抗菌効果をChandrasekaran及びVenkatesaluの方法(Journal of Ethnopharmacology,91,105−108(2004))によって測定した。サブローデキストロースブロス(Sabouraud dextrose broth)に菌株を28℃で3日間培養した後、450nmで吸光度が0.6になるように培地に希釈した。菌希釈液を50μlずつ抽出物が含有された培地1mlに接種した。このとき、培地に抽出物を10%、20%、40%の濃度になるように2倍希釈系列に製造した。28℃で3日間培養した後、菌の成長有無を観察し、その結果を図7及び図8に示した。図8は、図7を拡大して撮影した写真である。
図7及び図8に示したように、比較例4(約7分搗きの搗精度で搗精された黒米500gに一般水道水5Lを注ぎ込み、ゆっくり撹拌しながら20℃±3℃の温度で24時間程度浸漬させて収得される未発芽液)及び培地液では白癬菌浮遊物が確認され、実施例1では白癬菌浮遊物が確認されなかった。その結果、40%が最小阻止濃度(MIC:Minimum inhibitory concentration)として確認された。
実験例4:抗ウイルス活性実験
黒米発芽液の抗ウイルス活性実験のために実施例1を使用した。
単純ヘルペスウイルス(HSV:Herpes simplex virus)に対する比較例4及び実施例1の抗ウイルス性を、Vero細胞を用いて次のように実験した。
24−ウェルTCプレートにVero細胞(1×10細胞/ウェル)を接種(Cell seeding)してから18時間〜20時間後、比較例4及び実施例1の濃度をそれぞれ100μg/ml及び200μg/mlにすると共に、HSV−1(MOI:2)を37℃で1時間にわたってインキュベーションした後、Vero細胞に接種した。比較例4及び実施例1と共に、HSV−1を接種してから2時間後、Vero細胞から接種液を除去し、PBSで3回洗浄した後、10%FBSが添加されたDMEMに取り替えた。陰性対照群は、10%FBSが添加されたDMEMのみを処理した。48時間後、ウイルス感染程度を顕微鏡で測定した。また、細胞生存率を測定するために20μlのMTT試薬を処理し、1時間にわたって培養した後、450nmで吸光度を測定した。
感染してから48時間後のイメージを用いた単純ヘルペスウイルスに対する抗ウイルス活性分析の結果は、次の通りである。図9及び図10から分かるように、単純ヘルペスウイルスを感染させた後で黒米発芽液を処理した細胞では、ウイルスの感染率が著しく低下し(図9)、細胞生存率も、比較例4及びウイルス感染群に比べて5倍以上上昇したことを確認することができた(図10)。
図9及び図10において、細胞−1(C−1)はVero細胞(未感染群)、細胞−2(C−2)はVero細胞(HSV感染群)、C−100は比較例4(100μg/mlの濃度)、C−200は比較例4(200μg/mlの濃度)、E−100は実施例1(100μg/mlの濃度)、E−200は実施例1(200μg/mlの濃度)を意味する。
比較例1及び比較例2の場合は、腐敗によって使用可能な発芽液を獲得できなかったので、実験に適用することができなかった。また、比較例3の場合は、前記のように収得された黒米発芽液を用いて初期の細菌状態及びpHの変化状態を確認することができた。
以上、本発明は、記載した具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想範囲内で多様な変形及び修正が可能であることは当業者にとって明白であり、このような変形及び修正が添付の特許請求の範囲に属することは当然であろう。

Claims (12)

  1. 黒米を発芽させるのに使用された水を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理した後、開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理して収得されたことを特徴とする抗炎症効果を有する黒米発芽液。
  2. 低温処理以前、低温処理の間又は低温処理以後において4.5〜5.5の範囲以内であるpHが、常温処理後に7.5〜8の範囲以内のpHに上昇したことを特徴とする、請求項1に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液。
  3. 黒米の搗精度が9分搗き〜10分搗きであることを特徴とする、請求項1に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液。
  4. 黒米の発芽が、23℃〜30℃では15時間〜24時間にわたって水に浸すことによって実行されることを特徴とする、請求項1に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液。
  5. 黒米の発芽が、16℃〜23℃では24時間〜48時間にわたって水に浸すことによって実行されることを特徴とする、請求項1に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液。
  6. 黒米の発芽時に水が撹拌されることを特徴とする、請求項1に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液。
  7. (1)黒米を水に浸して発芽させる黒米発芽段階;
    (2)発芽された黒米と、黒米の発芽時に使用された発芽液とを分離する発芽液分離段階;
    (3)発芽液を開放された容器中で1℃〜5℃の温度範囲以内で1日〜10日間低温処理する低温処理段階;及び
    (4)低温処理された発芽液を開放された容器中で10℃〜30℃の温度範囲以内で30日〜210日間常温処理する常温処理段階;を含むことを特徴とする抗炎症効果を有する黒米発芽液の製造方法。
  8. 低温処理以前、低温処理の間又は低温処理以後において4.5〜5.5の範囲以内であるpHが、常温処理後に7.5〜8の範囲以内のpHに上昇したことを特徴とする、請求項7に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液。
  9. 黒米の搗精度が9分搗き〜10分搗きであることを特徴とする、請求項7に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液の製造方法。
  10. 黒米の発芽が、水温23℃〜30℃では15時間〜24時間にわたって水に浸すことによって実行されることを特徴とする、請求項7に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液の製造方法。
  11. 黒米の発芽が、水温16℃〜23℃では24時間〜48時間にわたって水に浸すことによって実行されることを特徴とする、請求項7に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液の製造方法。
  12. 黒米の発芽時に水が撹拌されることを特徴とする、請求項7に記載の抗炎症効果を有する黒米発芽液の製造方法。
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