JP2021512906A - 妊娠患者におけるファブリー病の治療のためのミガラスタットの使用 - Google Patents

妊娠患者におけるファブリー病の治療のためのミガラスタットの使用 Download PDF

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Abstract

ファブリー病と診断された患者を治療する方法が提供される。ある特定の方法は、治療有効用量のミガラスタット又はその塩により妊娠患者を治療する。他の方法は、治療有効用量のミガラスタット又はその塩により出産能のある患者を治療する。また、妊娠患者がミガラスタットにより治療される際の妊娠の成功転帰が記載される。
【選択図】図4

Description

本発明の原理及び実施形態は、概して、特に妊娠患者又は出産能のある患者におけるファブリー病の治療への薬理学的シャペロンの使用に関する。
配列リストの参照
「00790785.TXT」(22Kb、2019年2月6日作成)として同定される本明細書に添えて提出された配列リストテキストファイルは、本明細書によって参照により援用される。
多くのヒト疾患は、タンパク質のアミノ酸配列の変化を引き起こしてその安定性を低減するとともにその適正なフォールディングを妨害し得る突然変異から生じる。タンパク質は、概して、小胞体又はERとして知られる細胞の特定の領域で折り畳まれる。細胞は、タンパク質の正しい三次元形状へのフォールディングを確保した後で一般にタンパク質トラフィッキングと称されるプロセスであるERから細胞内の適切な行き先への移動を可能にする品質管理機序を有する。誤って折り畳まれたタンパク質は、多くの場合、初期にERに保持された後で品質管理機序により排出される。ある特定の場合には、誤って折り畳まれたタンパク質は、排出される前にERに蓄積できる。誤って折り畳まれたタンパク質がERに保持されると、その適正なトラフィッキングが中断され、結果的に生物学的活性が低減されて細胞機能が損なわれ、最終的に疾患に至る可能性がある。そのほか、誤って折り畳まれたタンパク質がERに蓄積されると、様々なタイプのストレスが細胞にもたらされ得るとともに細胞機能不全及び疾患の一因ともなり得る。
リソソーム貯蔵疾患(LSD)は、リソソーム酵素をコードする遺伝子の突然変異に起因するリソソーム酵素の欠損により特徴付けられる。この結果、脂質、炭水化物及び多糖をはじめとするそうした酵素の基質が病理学的に蓄積される。
ファブリー病は、α−Gal A遺伝子(GLA)の突然変異の結果としてリソソーム酵素α−ガラクトシダーゼA(α−Gal A)の欠損に起因するグリコスフィンゴ脂質代謝の進行性X連鎖性先天異常である。X連鎖性障害にもかかわらず、女性は、様々な程度の臨床症状を発現できる。ファブリーは、一般母集団において40,000人に1人〜117,000人に1人の男性で発生すると推定されるまれな疾患である。更に、古典型の徴候及び症状を呈さないため、過小診断される可能性のあるファブリー病の遅発型表現型の異型が存在する。このこと及びファブリー病の新生児スクリーニングから、ファブリー病の実際の発生は、現在の推定よりも多い可能性があることが示唆される。
未治療では、血管疾患により腎臓、心臓及び/又は中枢神経系が冒されるので、ファブリー患者の平均余命は低下させるとともに、通常は30歳代又は40歳代で死亡する。酵素欠損は、体全体にわたり血管内皮及び内臓組織への基質グロボトリアオシルセラミド(GL−3)の細胞内蓄積をもたらす。グリコスフィンゴ脂質沈着に起因する腎機能の漸進的悪化及び高窒素血症の進行は、通常は人生の20歳代〜40歳代に発生するが、10歳代という早期に発生することもある。腎病変は、ヘミ接合(男性)及びヘテロ接合(女性)の両方の患者に見いだされる。
心疾患は、ファブリー病の結果としてほとんどの男性及び多くの女性で発生する。早期心所見としては、左室拡大、弁障害及び伝導異常が挙げられる。僧帽弁不全は、典型的には小児期又は青年期に存在する最も頻度の高い弁病変である。脳血管症状は、主に多巣性小血管障害から生じるとともに、血栓症、一過性脳虚血発作、脳底動脈虚血及び動脈瘤、発作、片麻痺、片側感覚消失、失語症、迷路障害又は脳出血を含み得る。脳血管症状の平均発症年齢は33.8歳である。年齢の増加に伴って人格変化及び精神病的行動が現れることがある。
ファブリー病は、通常は皮膚症状、最も概して被角血管腫(身体のいずれの領域にも存在可能な小丘疹)を呈する。被角血管腫は、直径数ミリメートルまでのサイズ範囲内の暗赤色又は紫色の皮膚病変として現れる。病変は、通常は思春期又は青年期に現れ、年齢と共に増加し得る。他の皮膚及び軟組織に関連する症状としては、先端感覚異常、発汗異常(発汗低下及び発汗過多)及びリンパ浮腫が挙げられる。皮膚血管病変の存在及び範囲は、全身性疾患の重症度と関連し得る。
皮膚症状に加えて、患者は、四肢の灼熱痛(先端感覚異常、多くの場合、手足)などのニューロパチーを頻繁に経験する。患者はまた、四肢の疼痛に始まり内向きに広がる数日間持続可能な疼痛クリーゼを経験し得る。神経因性痛は、体性感覚神経系への損傷に起因する疼痛である。皮膚、上皮組織、骨格筋、骨及び関節、内部器官、並びに心血管系をはじめとする多くのタイプの感覚受容器が罹患する。
ファブリー病に対して現在承認されている治療は、酵素補充療法(「ERT」)である。ファブリー病の治療のために、2つのα−Gal A製剤:アガルシダーゼアルファ(Replagal(登録商標)、Shire Human Genetic Therapies)及びアガルシダーゼベータ(Fabrazyme(登録商標)、Sanofi Genzyme Corporation)が現在利用可能である。これらの2つの形態のERTは、静脈内投与される組換え形態の酵素により患者の不適正α−Gal A活性を相殺することが意図される。ERTは多くの状況に有効であるが、治療には限界もある。例えば、これらの2つのα−Gal A製剤は、脳卒中の十分なリスクの減少が実証されておらず、心筋は治療に徐々に応答し、且つ腎臓の細胞型の一部からのGL−3排出は制限される。
ファブリー病を治療する別のアプローチは、いわゆる薬理学的シャペロン(PC)による治療であった。かかるPCは、α−Gal Aに結合して突然変異酵素及び対応する野生型酵素の両方の安定性を増加させることが可能なα−Gal Aの低分子阻害剤を含む。しかしながら、PC療法が成功する候補は、ERからのトラフィッキングを可能にするコンフォメーションに安定化され折り畳まれる潜在能力を有する酵素の生成をもたらす突然変異を有すべきである。酵素を厳格にトランケートする突然変異、例えば、ナンセンス突然変異又はシャペロンの結合を妨害する触媒ドメインの突然変異は、おそらくPC療法を用いて「救済可能」でも「向上可能」でもないであろう。即ち、PC療法に応答しないであろう。
1−デオキシガラクトノジリマイシンとしても知られるミガラスタットは、酵素に選択的に結合してその安定性を増強するとともに酵素の正しい三次元形状へのフォールディングを助長することにより、突然変異α−Gal Aに対して薬理学的シャペロンとして作用する。こうしてα−Gal Aを安定化すると、酵素の適正なフォールディングを認識する細胞の品質管理機序が可能になり、リソソームへの酵素のトラフィッキングが増加して、その意図された生物学的機能であるGL−3の代謝を行うことが可能になる。ERからリソソームへのα−Gal Aの適正なトラフィッキングが回復される結果として、ミガラスタット塩酸塩はまた、誤って折り畳まれたタンパク質のERへの蓄積を低減するので、細胞へのストレス及びファブリー病の寄与因子であり得る幾つかの炎症様応答を軽減できる。全世界のファブリー患者の約35〜50%は、ミガラスタットによる治療に適用可能な突然変異を有すると推定される。
ミガラスタット及びその塩であるミガラスタット塩酸塩の複数のインビトロ及びインビボの前臨床試験更には臨床試験が行われてきた。ミガラスタットは、細胞内α−Gal Aタンパク質の量を増加させてリソソームへの突然変異酵素の輸送を増強することが示されている。また、それは一般に耐容性が良好であった。しかしながら、高用量を妊娠ウサギで試験したところ、発生毒性が観測された。こうした用量には母体毒性もあるという事実にかかわらず、ミガラスタットは、妊娠中の使用が現在のところ推奨されない。
従って、妊娠患者におけるファブリー病の治療のための療法の必要性が残っている。
本発明の一態様は、必要とする妊娠患者におけるファブリー病の治療方法に関する。この態様の様々な実施形態において、本方法は、約100mg〜約150mg遊離塩基当量(FBE)の治療有効用量のミガラスタット又はその塩を含む製剤を1日おきに1回の頻度で患者に投与することを含む。
1つ以上の実施形態において、患者は治療の開始後に妊娠する。一部の実施形態において、患者は、治療開始前に治療時に有効な受胎調節を行うように指示されなかった。一部の実施形態において、患者は、治療時に有効な受胎調節を行わない。
1つ以上の実施形態において、患者は治療開始前に妊娠している。一部の実施形態において、患者は、治療開始前に妊娠していることが分かっている。一部の実施形態において、患者は、治療開始前に妊娠していることが分かっていない。
一部の実施形態において、治療は患者の妊娠の同定時に中断される。
1つ以上の実施形態において、患者の妊娠は、少なくとも37週の胎齢を有する子の出生をもたらす。一部の実施形態において、患者の妊娠は、子の胎齢に基づいて正常体重の子の出生をもたらす。一部の実施形態において、患者の妊娠は、出生時欠損を伴うことなく子をもたらす。
1つ以上の実施形態において、治療有効用量は約123mg FBEのミガラスタット又はその塩である。一部の実施形態において、治療有効用量は約123mgのミガラスタット遊離塩基である。一部の実施形態において、治療有効用量は約150mgのミガラスタット塩酸塩である。
1つ以上の実施形態において、ミガラスタットの塩はミガラスタット塩酸塩である。
1つ以上の実施形態において、製剤は少なくとも2週間にわたり投与される。一部の実施形態において、製剤は少なくとも6週間にわたり投与される。一部の実施形態において、製剤は少なくとも12週間にわたり投与される。
1つ以上の実施形態において、製剤は患者の妊娠中に少なくとも2週間にわたり投与される。一部の実施形態において、製剤は患者の妊娠中に少なくとも6週間にわたり投与される。一部の実施形態において、製剤は患者の妊娠中に少なくとも12週間にわたり投与される。
1つ以上の実施形態において、製剤は患者の妊娠の第1三半期に投与される。一部の実施形態において、製剤は患者の妊娠の第2三半期に投与される。一部の実施形態において、製剤は患者の妊娠の最初の16週間に投与される。
1つ以上の実施形態において、製剤は固形製剤を含む。一部の実施形態において、製剤は経口剤形を含む。一部の実施形態において、経口剤形は錠剤、カプセル又は溶液を含む。
本発明の別の態様は、出産能のある女性患者におけるファブリー病の治療方法に関する。この態様の様々な実施形態において、本方法は、約100mg〜約150mg FBEの治療有効用量のミガラスタット又はその塩を含む製剤を1日おきに1回の頻度で患者に投与することを含み、患者は、治療開始前に治療時に有効な受胎調節を行うように指示されない。
1つ以上の実施形態において、患者は治療の開始後に妊娠する。一部の実施形態において、患者は、治療時に有効な受胎調節を行わない。
一部の実施形態において、治療は患者の妊娠の同定時に中断される。
1つ以上の実施形態において、患者の妊娠は、少なくとも37週の胎齢を有する子の出生をもたらす。一部の実施形態において、患者の妊娠は、子の胎齢に基づいて正常体重の子の出生をもたらす。一部の実施形態において、患者の妊娠は、出生時欠損を伴うことなく子をもたらす。
1つ以上の実施形態において、治療有効用量は約123mg FBEのミガラスタット又はその塩である。一部の実施形態において、治療有効用量は約123mgのミガラスタット遊離塩基である。一部の実施形態において、治療有効用量は約150mgのミガラスタット塩酸塩である。
1つ以上の実施形態において、ミガラスタットの塩はミガラスタット塩酸塩である。
1つ以上の実施形態において、製剤は少なくとも2週間にわたり投与される。一部の実施形態において、製剤は少なくとも6週間にわたり投与される。一部の実施形態において、製剤は少なくとも12週間にわたり投与される。
1つ以上の実施形態において、製剤は患者の妊娠中に少なくとも2週間にわたり投与される。一部の実施形態において、製剤は患者の妊娠中に少なくとも6週間にわたり投与される。一部の実施形態において、製剤は患者の妊娠中に少なくとも12週間にわたり投与される。
1つ以上の実施形態において、製剤は患者の妊娠の第1三半期に投与される。一部の実施形態において、製剤は患者の妊娠の第2三半期に投与される。一部の実施形態において、製剤は患者の妊娠の最初の16週間に投与される。
1つ以上の実施形態において、製剤は固形製剤を含む。一部の実施形態において、製剤は経口剤形を含む。一部の実施形態において、経口剤形は錠剤、カプセル又は溶液を含む。
様々な実施形態は以下に列挙される。以下に列挙される実施形態は、以下に列挙されるように組み合わせ得るだけでなく、本発明の範囲に係る他の好適な組合せでも組み合わせ得ることは、理解されよう。
ヒト野生型GLA遺伝子の全DNA配列(配列番号1)を示す。 野生型α−Gal Aタンパク質(配列番号2)を示す。 野生型α−Gal Aタンパク質をコードする核酸配列(配列番号3)を示す。 患者の妊娠中のコロナル平面の胎児磁気共鳴イメージング(MRI)画像を示す。
本発明の幾つかの例示的実施形態を説明する前に、本発明が以下の説明に示される構築又は方法ステップの詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、及び様々な方法で実施されること又は実行されることが可能である。
本発明の様々な態様は、妊娠患者におけるファブリー病の治療方法に関する。本発明の他の態様は、出産能のある女性患者におけるファブリー病の治療方法に関する。驚くべきことに、妊娠の最初の16週間にわたりミガラスタットにより治療された患者は、欠損や他の異常を伴うことなく「正常な」子を出産することが見いだされた。敷衍すれば、患者や発生中の子に悪影響を及ぼすことなく妊娠患者においてミガラスタットによるファブリー病の治療が成功し得ると考えられる。
定義
本明細書で使用される用語は、本発明の文脈の中で、及び各用語が使用される具体的な文脈において、概して当該技術分野におけるその通常の意味を有する。本発明の製剤及び方法並びにそれをどのように作成、使用及び実行すればよいかを説明するにおいて実施者に更なる手引きを与えるため、特定の用語を以下で、又は本明細書中の他の箇所で考察する。
用語「ファブリー病」は、リソソームα−ガラクトシダーゼA活性欠損に起因するスフィンゴ糖脂質異化作用のX連鎖性先天異常を指す。この欠陥により、心臓、腎臓、皮膚、及び他の組織の血管内皮リソソームにグロボトリアオシルセラミド(「GL−3」、別名Gb又はセラミドトリヘキソシド)及び関連するスフィンゴ糖脂質の蓄積が引き起こされる。
「保因者」は、一方のX染色体が欠陥α−Gal A遺伝子を含んで一方のX染色体が正常な遺伝子を含む、且つ1つ以上の細胞型に正常な対立遺伝子のX染色体不活性化が存在する女性である。保因者は多くの場合にファブリー病と診断される。
「患者」又は「被験者」とは女性ヒトを指す。
「ファブリー患者」は、ファブリー病と診断されているか、又はそれを有する疑いのある、以下に更に定義するとおりの突然変異型α−Gal Aを有する個体を指す。ファブリー病の特徴マーカーはヘミ接合男性及び女性保因者に同じ有病率で出現し得るが、典型的には女性の方が発症しても重症度が低い。
ヒトα−ガラクトシダーゼA(α−Gal A)は、ヒトGLA遺伝子によってコードされる酵素を指す。イントロン及びエクソンを含むα−Gal Aの完全DNA配列はGenBank受託番号X14448.1で利用可能であり、配列番号1及び図1A〜Eに示される。ヒトα−Gal A酵素は429アミノ酸からなり、GenBank受託番号X14448.1及びU78027.1で利用可能であり、配列番号2及び図2に示される。配列番号1のコード領域(即ちエクソン)のみを含む核酸配列は図3に示される(配列番号3)。
用語「突然変異タンパク質」は、タンパク質をコードする遺伝子に、ERに通常存在する条件下ではそのタンパク質が安定したコンホメーションを実現できなくなるような突然変異を有するタンパク質を含む。安定したコンホメーションを実現できないと、相当量の酵素がリソソームに輸送されず、むしろ分解されることになる。かかる突然変異は時に「コンホメーション突然変異体」と呼ばれる。かかる突然変異としては、限定はされないが、ミスセンス突然変異、及びインフレーム小欠失及び挿入が挙げられる。
本明細書で一実施形態において使用されるとき、用語「突然変異α−Gal A」は、α−Gal Aをコードする遺伝子に、ERに通常存在する条件下ではその酵素が安定したコンホメーションを実現できなくなるような突然変異を有するα−Gal Aを含む。安定したコンホメーションを実現できないと、相当量の酵素がリソソームに輸送されず、むしろ分解されることになる。
本明細書で使用されるとき、用語「薬理学的シャペロン」(「PC」)は、タンパク質に特異的に結合する、且つ以下の効果のうちの1つ以上を有する:(i)タンパク質の安定した分子コンホメーションの形成を増進する;(ii)ERから別の細胞部位、好ましくは天然の細胞部位へのタンパク質のトラフィッキングを誘導し、即ちタンパク質のER関連分解を防止する;(iii)誤って折り畳まれたタンパク質の凝集を防止する;及び/又は(iv)タンパク質に少なくとも一部の野生型機能及び/又は活性を回復させる又は増強する、小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物等を含めた任意の分子を指す。例えばα−Gal Aに特異的に結合する化合物とは、それが一般的な関連する又は無関係の酵素群でなく、その酵素に結合してシャペロン効果を及ぼすことを意味する。より具体的には、この用語は、BiPなどの内因性シャペロン、又はグリセロール、DMSO若しくは重水など、様々なタンパク質に対する非特異的シャペロン活性を実証している非特異的作用物質、即ち化学的シャペロンは指さない。本発明において、SPCは可逆的競合阻害薬であってもよい。
酵素の「競合阻害薬」は、酵素基質の化学構造及び分子構造に構造的に類似していて、基質とほぼ同じ位置でその酵素に結合する化合物を指し得る。従って、阻害薬は基質分子と同じ活性部位に関して競合し、ひいてはKmを増加させる。競合阻害は、通常、阻害薬に取って代わるのに十分な基質分子が利用可能であるならば可逆的であり、即ち競合阻害薬は可逆的に結合することができる。従って、酵素阻害の量は、阻害薬濃度、基質濃度、並びに活性部位に対する阻害薬及び基質の相対的親和性に依存する。
本明細書で使用されるとき、用語「特異的に結合する」は、薬理学的シャペロンとα−Gal Aなどのタンパク質との相互作用、具体的には、薬理学的シャペロンとの接触に直接関与するタンパク質中のアミノ酸残基との相互作用を指す。薬理学的シャペロンは標的タンパク質、例えばα−Gal Aに特異的に結合して、一般的な関連する又は無関係のタンパク質群でなく、そのタンパク質にシャペロン効果を及ぼす。所与の薬理学的シャペロンと相互作用するタンパク質中のアミノ酸残基は、タンパク質の「活性部位」の範囲内にあっても、又はなくてもよい。特異的結合は、ルーチンの結合アッセイによるか、又は構造研究、例えば共結晶化、NMRなどによって評価することができる。α−Gal Aの活性部位は基質結合部位である。
「α−Gal A活性欠損」は、ファブリー病又は任意の他の疾患(特に血液疾患)を有しない又はそれを有する疑いがない正常な個体の活性と(同じ方法を用いて)比較したとき正常範囲を下回る患者からの細胞のα−Gal A活性を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「α−Gal A活性を増強する」又は「α−Gal A活性を増加させる」は、α−Gal Aに特異的な薬理学的シャペロンと接触していない細胞(好ましくは同じ細胞型のもの、又は同じ細胞であって、例えばより早い時期のもの)における量と比べて、α−Gal Aに特異的な薬理学的シャペロンと接触した細胞において安定したコンホメーションをとるα−Gal Aの量を増加させることを指す。この用語はまた、そのタンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触していないα−Gal Aのトラフィッキングと比べて、α−Gal Aに特異的な薬理学的シャペロンと接触した細胞においてリソソームへのα−Gal Aのトラフィッキングを増加させることも指す。これらの用語は、野生型及び突然変異体の両方のα−Gal Aを指す。一実施形態において、細胞におけるα−Gal A量の増加は、SPCで処理した細胞からのライセート中の人工基質の加水分解を測定することにより測定される。加水分解の増加がα−Gal A活性の増加の指標である。
用語「α−Gal A活性」は、細胞における野生型α−Gal Aの正常な生理学的機能を指す。例えば、α−Gal A活性にはGL−3の加水分解が含まれる。
「奏効例」は、例えばファブリー病など、リソソーム蓄積障害と診断された、又はそれ有する疑いがある個体であって、その細胞がSPCとの接触に応答して、それぞれ、α−Gal A活性の十分な増加、及び/又は症状の軽減又は代用マーカーの改善を呈する個体である。ファブリーの代用マーカーの改善の非限定的な例は、lyso−Gb及び米国特許出願公開第2010/0113517号明細書に開示されるものである。
米国特許出願公開第2010/0113517号明細書に開示されるファブリー病の代用マーカーの改善の非限定的な例としては、細胞(例えば、線維芽細胞)及び組織におけるα−Gal Aレベル又は活性の増加;GL−3蓄積の減少;ホモシステイン及び血管細胞接着分子−1(VCAM−1)の血漿濃度の低下;心筋細胞及び弁線維細胞内におけるGL−3蓄積の低下;心肥大(特に左心室)の減少、弁閉鎖不全、及び不整脈の軽減;タンパク尿の軽減;CTH、ラクトシルセラミド、セラミドなどの脂質の尿中濃度の低下、並びにグルコシルセラミド及びスフィンゴミエリンの尿中濃度の増加;糸球体上皮細胞に層状封入体(ゼブラ小体)なし;腎機能の改善;発汗低下の緩和;被角血管腫なし;及び高周波感音難聴、進行性難聴、突発性難聴、又は耳鳴りなどの聴力異常の改善が挙げられる。神経症状の改善としては、一過性脳虚血発作(TIA)又は脳卒中の予防;及び先端感覚異常(肢端の灼熱痛又は刺痛)として現れる神経因性疼痛の軽減が挙げられる。ファブリー病を判定し得る別種の臨床マーカーは、有害心血管症状の有病率である。ファブリー病の通常の心臓関連の徴候及び症状としては、左室肥大、弁疾患(とりわけ、僧帽弁逸脱及び/又は逆流)、早期冠動脈疾患、アンギナ、心筋梗塞、伝導異常、不整脈、鬱血性心不全が挙げられる。
上述した応答の1つ以上を達成する用量は「治療有効用量」である。
語句「薬学的に許容可能」は、生理学的に忍容可能な、且つ典型的にはヒトへの投与時に有害な反応を生じさせない分子実体及び組成物を指す。一部の実施形態において、本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容可能」は、動物、より詳細にはヒトにおける使用が連邦政府若しくは州政府の規制機関によって承認されている、又は米国薬局方若しくは他の一般に認められている薬局方に掲載されていることを意味する。医薬担体に関して用語「担体」は、化合物がそれと共に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、又は媒体を指す。かかる医薬担体は、水及び油などの滅菌液であってもよい。担体としては好ましくは、特に注射溶液用に、水又は水溶液、生理食塩溶液並びにデキストロース及びグリセロール水溶液が利用される。好適な医薬担体については、“Remington’s Pharmaceutical Sciences” by E.W.Martin,18th Edition、又は他の版に記載されている。
用語「約」及び「近似的に」は、概して、計測の性質又は精度を所与として、計測した量の許容可能な誤差程度を意味するものとする。典型的な例示的誤差程度は、所与の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは10%以内、及びより好ましくは5%以内である。或いは、特に生体系において、用語「約」及び「近似的に」は、所与の値のオーダー内、好ましくは10倍又は5倍以内、及びより好ましくは2倍以内の値を意味し得る。本明細書に提供される数量は、特に明記しない限り近似であり、つまり、明示的に記載されないときも用語「約」又は「近似的に」が暗示され得る。
用語「酵素補充療法」又は「ERT」は、かかる酵素に欠損を有する個体への精製された非天然酵素の導入を指す。投与されるタンパク質は、天然源から又は組換え発現により得ることができる(より詳細に以下に記載される通り)。この用語はまた、精製された酵素の投与を他の形で必要とする又はそれが奏効する個体(例えば、酵素不全を患う個体)への精製された酵素の導入を指す。導入される酵素は、インビトロで生成される精製された組換え酵素又は単離された組織若しくは流体、例えば、胎盤若しくは動物乳若しくは植物由来のものから精製されたタンパク質であり得る。
用語「妊娠」は、自身の体内で発生する子又は他の幼体を有する女性患者を指す。患者が妊娠している期間は、患者の妊娠と称され得る。以下に述べるように、患者の妊娠の開始は子の胎齢に一致しないであろう。従って、患者の妊娠の期間及びそれから得られる子の胎齢は異なるであろう。
用語「妊娠する」は、子又は他の幼体の受胎を指す。ヒトにおいて、これは卵母細胞(卵細胞)及び精子が組み合わされて胚を形成する時点である。本明細書に記載されるように、患者は、妊娠したことに気づいていても気づいていなくてもよい。
用語「出産能のある患者」は、妊娠している又は妊娠できる女性患者を指す。有効な受胎調節を利用しているがそうでなければ妊娠可能な患者は、依然として出産能のある患者と称される。
用語「妊娠していることが分かっている」は、検査で妊娠陽性を示した患者を指す。好適な妊娠検査としては、限定されるものではないが、尿検査、血液検査又は超音波検査が挙げられる。
用語「有効な受胎調節」は、患者の妊娠の防止(「受胎調節」)のために物理的又は生理学的な障壁に依拠するとともに指示通りに使用したときにその期間の約90%以上で有効である避妊法を指す。好適な有効な受胎調節法としては、限定されるものではないが、ホルモン避妊剤(ピル、ショット、パッチなど)、外科的方法(精管切除又は卵管結紮)、子宮内器具(IUD)及び物理的障壁(コンドーム、ダイヤフラム、子宮頸キャップなど)が挙げられる。
用語「胎齢」は、出生前の妊娠中の子又は幼体の年齢の共通尺度を指す。胎齢は、典型的には、患者の最後の月経周期の終了時から測定される。従って、妊娠開始時の子は、すでに約2週間の胎齢を有するとみなし得る。
用語「三半期」は、妊娠の期間を指す。妊娠は、典型的には、ほぼ等しい継続期間の3つの三半期に分割される。ヒトにおいて、平均胎齢は280日又は40週である。用語「第1三半期」は、妊娠の開始から約13週の胎齢までの期間を指す。用語「第2三半期」は、約14週の胎齢から約27週の胎齢までの期間を指す。「第3三半期」とは、約28週の胎齢から子の出生までの期間を指す。
用語「正常体重」は、子の性別及び出生時の胎齢に基づいて出生体重の10パーセンタイル〜90パーセンタイルの出生体重を指す。出生体重パーセンタイルのチャートは、通常、フェントン成長チャートとして当技術分野で知られる。例として、33週の胎齢で2000gの出生体重を有して生まれた男の子は、WHO標準では低出生体重を有する子とみなされるという事実にかかわらず、正常体重(50パーセンタイル)を有するとみなされるであろう。
用語「出生時欠損」は、ミガラスタットの使用により生じる物理的又は生化学的な異常を指す。別の言い方をすれば、「出生時欠損」は、ミガラスタットの摂取の結果としての催奇形性出生時欠損を指すものと理解すべきである。「出生時欠損」は、妊娠中の他の環境の影響により生じる異常又は遺伝し得る何らかの遺伝子異常(例えば、α−gal A突然変異)を指すものと理解すべきでない。
本明細書で使用されるとき、用語「遊離塩基当量」又は「FBE」は、ミガラスタット又はその塩で存在するミガラスタットの量を指す。言い換えると、用語「FBE」は、ミガラスタット遊離塩基の量又はミガラスタットの塩により提供されるミガラスタット遊離塩基の等価量のどちらかを指す。例えば、塩酸塩の重量に基づいて、150mgのミガラスタット塩酸塩は、単に123mgの遊離塩基形のミガラスタットと同量のミガラスタットを提供するにすぎない。他の塩は、塩の分子量に依存して異なる変換係数を有すると予想される。
用語「ミガラスタット」は、特に明示的な指定がない限り、ミガラスタット遊離塩基又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、ミガラスタットHCl)を包含する。
薬理学的シャペロン
LSDに関連する酵素の小分子阻害薬の結合は、突然変異酵素及び対応する野生型酵素の両方の安定性を増加させることができる(米国特許第6,274,597号明細書;同第6,583,158号明細書;同第6,589,964号明細書;同第6,599,919号明細書;同第6,916,829号明細書、及び同第7,141,582号明細書を参照のこと、全て参照により本明細書に援用される)。詳細には、幾つかの標的リソソーム酵素の特異的で選択的な競合阻害薬であるグルコース及びガラクトースの小分子誘導体を投与すると、インビトロで細胞内の酵素の安定性が有効に増加し、ひいてはリソソームへの酵素のトラフィッキングが増加した。従って、リソソーム内の酵素量が増加することにより、酵素基質の加水分解が増加するものと予想される。この戦略の背後にあった当初の理論は以下のとおりであった:突然変異酵素タンパク質はERにおいて不安定であるため(Ishii et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.1996;220:812−815)、酵素タンパク質は正常な輸送経路(ER→ゴルジ体→エンドソーム→リソソーム)において遅れ、早まって分解される。従って、突然変異酵素に結合してその安定性を増加させる化合物が酵素の「シャペロン」として働き、ERを出てリソソームに移ることのできる量を増加させ得る。加えて、一部の野生型タンパク質のフォールディング及びトラフィッキングは不完全で、場合によっては一部の野生型タンパク質の最大70%がその最終的な細胞部位に到達する前に分解されるため、シャペロンを野生型酵素の安定化に使用して、ERを出てリソソームに輸送されることのできる酵素の量を増加させることができる。このストラテジーは、β−グルコセレブロシダーゼ及びα−グルコシダーゼ(それぞれ、その欠損がゴーシェ病及びポンペ病に関連する)をはじめとする幾つかのリソソーム酵素をインビトロ及びインビボで増加させることが示されている。
1つ以上の実施形態において、薬理学的シャペロンはミガラスタット又はその塩を含む。1−デオキシガラクトノジリマイシン(1−DGJ)又は(2R,3S,4R,5S)−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−3,4,5−トリオールとしても知られる化合物ミガラスタットは、以下の化学式を有する化合物である。
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本明細書で考察されるように、ミガラスタットの薬学的に許容可能な塩もまた、本発明で使用し得る。ミガラスタットの塩を使用する場合、塩の投与量は、患者により摂取されるミガラスタットの用量が、ミガラスタット遊離塩基を使用したならば摂取されたであろう量と等価になるように調整されるであろう。ミガラスタットの薬学的に許容可能な塩の一例は、ミガラスタットHClである。
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ミガラスタットは低分子量イミノ糖であり、GL−3の末端ガラクトースの類似体である。インビトロ及びインビボでの薬理学的研究から、ミガラスタットが薬理学的シャペロンとして働き、野生型α−Gal A及び特異的突然変異形態のα−Gal A(その遺伝子型はHEKアッセイ適用可能突然変異と称される)の活性部位に高親和性で選択的且つ可逆的に結合することが実証されている。ミガラスタットが結合すると、これらの突然変異形態のα−Gal Aが小胞体において安定し、リソソームへのその適切なトラフィッキングが促進され、リソソームでミガラスタットが解離することにより、α−Gal AがGL−3及び他の基質レベルを低下させることが可能になる。ファブリー病患者の約30〜50%がHEKアッセイ適用可能突然変異を有する;その大多数がこの疾患の古典型表現型に関連する。
HEKアッセイ適用可能突然変異は、少なくとも薬理学的参照表に列挙される突然変異(例えば、GALAFOLD(登録商標)などのミガラスタット製品に対して米国又は国際製品ラベルに列挙されるもの)を含む。本明細書で使用されるとき、「薬理学的参照表」とは、ミガラスタット製品(例えば、GALAFOLD(登録商標))のパッケージング内の製品ラベル又はヘルスケア提供者によりアクセス可能なウェブサイトのどちらかに含まれるいずれかの公的にアクセス可能な文書記録又は電子記録を意味し、これらの記録は、特定の突然変異又は変異がミガラスタット(例えば、GALAFOLD(登録商標))PC療法に応答するかを伝えるものであり、必ずしも表形式で提示される文書記録に限定されるとは限らない。そのため、本発明の一実施形態において、「薬理学的参照表」とは、1つ以上の適用可能突然変異又は変異を含む情報のいずれかのデポジトリーを指す。HEKアッセイ適用可能突然変異に対する模範的薬理学的参照表は、GALAFOLD(登録商標)の使用が承認された様々な国々のGALAFOLD(登録商標)の製品特性の概要及び/又は処方情報或いはwww.galafoldamenabilitytable.comやwww.fabrygenevariantsearch.comなどのウェブサイト(その各々はその全体が本明細書によって参照により援用される)に見いだし得る。
HEKアッセイ適用可能突然変異に対する模範的薬理学的参照文献表は以下の表1に提供される。1つ以上の実施形態において、同じ染色体上に二重突然変異が存在する場合(男性及び女性)、当該の患者は、表1の1つのエントリにその二重突然変異が存在する場合に(例えば、D55V/Q57L)、HEKアッセイ適用可能と見なされる。一部の実施形態において、二重突然変異が異なる染色体上に存在する場合(女性のみ)、当該の患者は、表1に個々の突然変異のいずれか一方が存在する場合にHEKアッセイに適用可能と見なされる。
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α−Gal Aに対するいずれのPCも、本発明の他の実施形態、例えば、ファブリー病患者の治療方法、ファブリー病と診断された若しくはそれを有する疑いのある患者においてα−ガラクトシダーゼAを増強する方法、ファブリー病と診断された患者を治療するための医薬の製造のためのα−ガラクトシダーゼAに対する薬理学的シャペロンの使用又はファブリー病と診断された患者の治療に使用されるα−ガラクトシダーゼAに対する薬理学的シャペロンに関する実施形態、更には好適用量のPC及び出産能のある妊娠しているファブリー患者の治療に関する実施形態のいずれかとの組合せで使用し得る。
製剤及び投与
従って、1つ以上の実施形態において、ファブリー患者にミガラスタット又はその塩が1日おきに1回(「QOD」とも称される)の頻度で投与される。様々な実施形態において、本明細書に記載される用量は、ミガラスタット塩酸塩又は等価な用量のミガラスタット若しくは塩酸塩以外のその塩に関する。一部の実施形態において、これらの用量はミガラスタットの遊離塩基に関する。代替的実施形態において、これらの用量はミガラスタットの塩に関する。更なる実施形態において、ミガラスタットの塩はミガラスタット塩酸塩である。
ミガラスタット又はミガラスタットの塩の投与は、本明細書では「ミガラスタット療法」と称される。
ミガラスタット又はその塩の有効量は約100mg FBE〜約150mg FBEの範囲であり得る。例示的用量としては、約100mg FBE、約105mg FBE、約110mg FBE、約115mg FBE、約120mg FBE、約123mg FBE、約125mg FBE、約130mg FBE、約135mg FBE、約140mg FBE、約145mg FBE又は約150mg FBEが挙げられる。
ここでもまた、150mgのミガラスタット塩酸塩は123mgの遊離塩基形態のミガラスタットと等価であることが注記される。従って、1つ以上の実施形態において、用量は、1日おきに1回の頻度で投与される150mgのミガラスタット塩酸塩又は等価な用量のミガラスタット若しくは塩酸塩以外のその塩である。上記に示されるとおり、この用量は123mg FBEのミガラスタットと称される。更なる実施形態において、用量は、1日おきの頻度で投与される150mgのミガラスタット塩酸塩である。他の実施形態において、用量は、1日おきに1回の頻度で投与される123mgのミガラスタット遊離塩基である。
様々な実施形態において、有効量は、約122mg、約128mg、約134mg、約140mg、約146mg、約150mg、約152mg、約159mg、約165mg、約171mg、約177mg又は約183mgのミガラスタット塩酸塩である。
従って、様々な実施形態において、ミガラスタット療法は、150mgのミガラスタット塩酸塩を1日おきなど、123mg FBEを1日おきに1回の頻度で投与することを含む。
ミガラスタット又はその塩の投与は、ある特定の期間にわたり得る。1つ以上の実施形態において、ミガラスタット又はその塩は、少なくとも2週間、例えば、少なくとも6、12、若しくは16週間又は少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、若しくは16週間にわたり投与される。1つ以上の実施形態において、ミガラスタットは、少なくとも28日間、例えば、少なくとも30、60、若しくは90日間又は少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、16、20、24、30、若しくは36ヵ月間又は少なくとも1、2、3、4、若しくは5年間にわたり投与される。様々な実施形態において、ミガラスタット療法は、少なくとも6ヵ月間、例えば、少なくとも6、7、8、9、10、11、12、16、20、24、30、若しくは36ヵ月間又は少なくとも1、2、3、4、若しくは5年間の長期ミガラスタット療法である。
本発明に係るミガラスタット又はその塩の投与は、任意の投与経路に好適な製剤であってよく、しかし好ましくは、錠剤、カプセル又は溶液などの経口剤形で投与される。一例として、患者には、各々150mgのミガラスタット塩酸塩又は等価な用量のミガラスタット若しくは塩酸塩以外のその塩を含有するカプセルが経口投与される。
一部の実施形態において、PC(例えば、ミガラスタット又はその塩)は経口投与される。1つ以上の実施形態において、PC(例えば、ミガラスタット又はその塩)は注射によって投与される。PCは薬学的に許容可能な担体を伴うこともあり、これは投与方法に依存し得る。
本発明の一実施形態において、PC(例えば、ミガラスタット又はその塩)は単剤療法として投与され、例えば、錠剤又はカプセル又は液体の形態で経口的に、注射用に滅菌水溶液でなど、任意の投与経路に好適な形態であってもよく、又は投与前にインビトロで酵素凝集を防ぐため再構成中又は再構成直後に補充酵素の製剤に加えられる凍結乾燥粉末で提供される。
シャペロン化合物が経口投与用に製剤化される場合、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース又はリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はデンプングリコール酸ナトリウム);又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容可能な賦形剤と共に従来手段によって錠剤又はカプセルが調製されてもよい。錠剤は当該技術分野において周知の方法によってコーティングされてもよい。経口投与用の液体調合物は、例えば、溶液、シロップ又は懸濁液の形態をとってもよく、又は使用前に水又は別の好適な媒体で構成するための乾燥製剤として調製されてもよい。かかる液体調合物は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体又は硬化食用脂);乳化剤(例えば、レシチン又はアカシア);非水性媒体(例えば、扁桃油、油性エステル類、エチルアルコール又は分画植物油);及び保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはプロピル又はソルビン酸)などの薬学的に許容可能な添加剤と共に従来手段によって調製されてもよい。調合物はまた、緩衝塩、香味剤、着色剤及び甘味剤も適宜含有し得る。経口投与用の調合物は、活性シャペロン化合物の制御放出をもたらすように好適に製剤化されてもよい。
非経口/注射使用に好適なPC(例えば、ミガラスタット又はその塩)の医薬製剤としては、概して、滅菌水溶液(水溶性の場合)、又は滅菌注射用溶液若しくは分散液の即時調製用の分散液及び滅菌粉末が挙げられる。いずれの場合にも、形態は無菌でなければならず、及び易注射針通過性が存在する程度の流動性がなければならない。これは製造及び保管条件下で安定していなければならず、且つ細菌及び真菌などの微生物の汚染作用から保護されていなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコールなど)、これらの好適な混合物、及び植物油を含有する溶媒又は分散媒であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合に必要な粒径の維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物作用の防止は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、ソルビン酸などによってもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば糖類又は塩化ナトリウムを含めることが妥当となり得る。吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に使用することにより、注射用組成物の持続的吸収をもたらすことができる。
滅菌注射用溶液は、適切な溶媒中に必要な量の精製酵素(存在する場合)及びPC(例えば、ミガラスタット又はその塩)を、必要に応じて上記に列挙される種々の他の成分と共に配合し、続いてろ過又は最終滅菌することにより調製される。概して、分散液は、基礎分散媒及び上記に列挙されるものからの他の必要な成分を含有する滅菌媒体中に様々な滅菌活性成分を配合することにより調製される。滅菌注射用溶液の調製用の滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分+任意の追加的な所望の成分の粉末を予め滅菌ろ過されたその溶液から生じさせる真空乾燥法及び凍結乾燥法である。
製剤は賦形剤を含有し得る。製剤に含まれ得る薬学的に許容可能な賦形剤は、緩衝液、例えば、クエン酸塩緩衝液、リン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液、及び重炭酸塩緩衝液、アミノ酸、尿素、アルコール類、アスコルビン酸、リン脂質;血清アルブミン、コラーゲン、及びゼラチンなどのタンパク質;EDTA又はEGTAなどの塩、及び塩化ナトリウム;リポソーム;ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrollidone);デキストラン、マンニトール、ソルビトール、及びグリセロールなどの糖類;プロピレングリコール及びポリエチレングリコール(例えば、PEG−4000、PEG−6000);グリセロール;グリシン又は他のアミノ酸;及び脂質である。製剤と使用する緩衝液系としては、クエン酸塩;酢酸塩;重炭酸塩;及びリン酸塩緩衝液が挙げられる。リン酸塩緩衝液が好ましい実施形態である。
シャペロン化合物の投与経路は、静脈内、皮下、動脈内、腹腔内、眼内、筋肉内、頬側、直腸、腟内、眼窩内、脳内、皮内、頭蓋内、脊髄内、脳室内、髄腔内、大槽内、嚢内、肺内、鼻腔内、経粘膜、経皮、又は吸入によることを含め、経口又は非経口であってよい。
上述の非経口製剤のシャペロン化合物の投与は、調合物のボーラスの定期的注射によってもよく、又は外部(例えば、点滴静注バッグ)若しくは内部(例えば、生体内分解性インプラント)のリザーバからの静脈内若しくは腹腔内投与によって投与されてもよい。
医薬製剤及び投与に関する実施形態は、本発明の他の実施形態、例えば、ファブリー病患者の治療方法、ファブリー病と診断された若しくはそれを有する疑いのある患者においてα−Gal Aを増強する方法、ファブリー病と診断された患者を治療するための医薬の製造のためのα−Gal Aに対する薬理学的シャペロンの使用又はファブリー病と診断された患者の治療に使用されるα−Gal Aに対する薬理学的シャペロンに関する実施形態、更には適用可能突然変異、PC及びその好適な投与量に関する実施形態のいずれかと組み合わせ得る。
1つ以上の実施形態において、PC(例えば、ミガラスタット又はその塩)はERTと併用して投与される。ERTは、野生型酵素又は生物学的に機能性の酵素を注入によって外因的に導入することによりタンパク質の量を増加させる。この療法は、上述のとおり、ファブリー病などのリソソーム蓄積障害を含めた多くの遺伝的障害向けに開発された。注入後、外因性酵素は非特異的又は受容体特異的機構を介して組織により取り込まれるものと想定される。一般に、取込み効率は高くなく、外因性タンパク質の循環時間は短い。加えて、外因性タンパク質は不安定で、急速な細胞内分解を受けるとともに、続く治療との有害な免疫反応の可能性もある。1つ以上の実施形態において、シャペロンは補充酵素(例えば、補充α−Gal A)と同時に投与される。一部の実施形態において、シャペロンは補充酵素(例えば、補充α−Gal A)と共に製剤化される。
1つ以上の実施形態において、患者はERTからミガラスタット療法に切り換えられる。一部の実施形態において、ERTを受けている患者が同定され、患者のERTが中断され、患者はミガラスタット療法を受け始める。ミガラスタット療法は、本明細書に記載される方法のいずれかに従うものであり得る。
本明細書全体を通じて、「一実施形態」、「ある特定の実施形態」、「様々な実施形態」、「1つ以上の実施形態」又は「ある実施形態」という表現は、その実施形態との関連で記載される特定の特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、「1つ以上の実施形態において」、「ある特定の実施形態において」、「様々な実施形態において」、「一実施形態において」、「ある実施形態において」などのという語句が本明細書全体を通じて様々な場所に出現しても、必ずしも本発明の同一実施形態を参照するとは限らない。更に、特定の特徴、構造、材料又は特性は、1つ以上の実施形態でいずれかの好適な形で組み合わせ得る。
特定の実施形態を参照して本明細書の発明を記載してきたが、これらの実施形態は、単に本発明の原理及び適用を例示するにすぎないことを理解すべきである。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の方法及び装置に様々な修正及び変更を加え得ることは、当業者には明らかであろう。そのため、本発明は、添付の特許請求及びその等価物の範囲内にある修正及び変更を含むことが意図される。
実施例1:妊娠中にミガラスタットにより治療された患者
2005年10月、腎生検及び突然変異解析に基づいてコーカサス人の女性をファブリー病と診断した(GLA p.R112H)。2009年、アガルシダーゼα(ERT)を用いて患者のファブリー病の治療を始めた。治療の開始後、患者は、腎症状も心症状も神経症状も進行を見せなかった。
2012年4月、患者は187mg/24hのタンパク尿レベルを有していた。2012年5月、患者は83mg/24hのタンパク尿レベルを有していた。2012年5月後半、患者(この時点で35歳)は、ミガラスタットの第3相臨床試験の一部として参加を始めた。患者はまた、ホルモン避妊剤を摂取していた。
試験は、ERT経験ファブリー患者におけるミガラスタット療法の第3相試験であった。適格患者は16〜74歳であり、遺伝的に確認されたファブリー病を有し、≧12ヵ月間にわたりERTを受け、登録時に使用したヒト胎児腎臓293(HEK)アッセイに基づいてミガラスタットに応答すると思われる突然変異タンパク質をもたらすGLA突然変異を有し、推算糸球体濾過率(eGFR)≧30ml/分/1.73mを有し、且つ少なくとも3ヵ月間にわたり安定したERT用量レベル及びレジメンを有していた。
適格性−ベースラインアセスメントに続いて、患者は試験群にランダム化された。試験群は、18ヵ月間のミガラスタット療法(対照群はERTを継続した)を受け、続いて、追加の12ヵ月間のミガラスタット療法を受けた。ミガラスタット投与レジメンは、1日おきに150mgのミガラスタット塩酸塩であった。一次目的は、18ヵ月間の治療後にイオヘキソールクリアランス(mGFRイオヘキソール)を用いて測定されたGFRにより評価された腎機能に及ぼすミガラスタット対ERTの効果を比較することであった。二次目的は、腎機能(eGFR及び24時間尿タンパク質により評価した)、複合臨床転帰(腎臓、心臓、脳血管のイベント又は死の発生までの期間により評価した)、心機能(エコーカルジオグラフィーにより評価した)及び患者報告転帰(疼痛及び生活の質)に及ぼすミガラスタット対ERTの効果を比較することであった。
2014年2月(試験に入って21ヵ月)、患者は78mg/24hのタンパク尿レベルを有していた。2014年5月、高血圧症状を呈することなく(131/68mmHg)2166mg/24hのタンパク尿レベルを有していた。その時点で、尿検査により妊娠陰性を示した。
2014年6月、連続したタンパク尿(>1000mg/24h)により腎生検及び血液試験が促された。超音波検査により妊娠が確認され、約18週の胎齢と推定された。言い換えると、患者は妊娠約16週と推定された。ホルモン避妊剤を摂取していたが妊娠した。その時点で、血清解析により妊娠陽性を示した。ミガラスタット及びホルモン避妊の治療は、両方ともその時点で停止した。
2014年9月、胎児MRIを実施した。図4に提供される結果は、胎齢に基づいて正常な胎児発生を示す。
2014年10月、帝王切開により子を出産した。子は、女の子、身長45cm及び何ら報告された出生時欠損はなく2.29kgであった。子は野生型GLA遺伝子を有していた。妊娠は順調であった。2015年9月、患者は、在宅注入によりアガルシダーゼαを用いてERTを再開した。
概要及び結論
以上の実施例に示されるように、少なくとも妊娠の最初の16週間にわたりミガラスタットを摂取した患者は、順調な妊娠を有し、胎齢に基づいて正常体重の子を出産した。このことから、ミガラスタットにより治療された患者は、妊娠し得るとともに治療時に正常な子を出産できることが示される。
本明細書において言及される特許及び科学論文は、当業者に利用可能な知識を確立する。本明細書に引用される全ての米国特許及び公開されている又は未公開の米国特許出願は、参照によって援用される。本明細書に引用される全ての公開されている外国特許及び特許出願は、本明細書によって参照により援用される。本明細書に引用される他の全ての公開されている参考文献、文書、論稿及び科学論文は、本明細書によって参照により援用される。
本発明は特にその好ましい実施形態を参照して図示及び説明されているが、当業者は、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなくそれらにおいて形態及び詳細の様々な変更を行い得ることを理解するであろう。

Claims (59)

  1. 必要とされる妊娠患者においてファブリー病を治療する方法であって、約100mg〜約150mg遊離塩基当量(FBE)の治療有効用量のミガラスタット又はその塩を含む製剤を1日おきに1回の頻度で前記患者に投与することを含む、方法。
  2. 前記患者が前記治療の開始後に妊娠する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者が、前記治療時に有効な受胎調節を行うように前記治療の開始前に指示されなかった、請求項2に記載の方法。
  4. 前記患者が治療時に有効な受胎調節を利用していなかった、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記患者が前記治療の開始前に妊娠している、請求項1に記載の方法。
  6. 前記患者が前記治療の開始前に妊娠していることが分かっていない、請求項5に記載の方法。
  7. 前記治療が前記患者の妊娠の同定時に中断される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記患者が前記治療の開始前に妊娠していることが分かっている、請求項5に記載の方法。
  9. 前記患者の妊娠が少なくとも37週の胎齢を有する子の出生ををもたらす、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記患者の妊娠が前記子の胎齢に基づいて正常体重の子の出生をもたらす、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記患者の妊娠が出生時欠損を伴うことなく子をもたらす、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記治療有効用量が約123mg遊離塩基当量(FBE)のミガラスタット又はその塩である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記治療有効用量が約123mgのミガラスタット遊離塩基である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ミガラスタットの塩がミガラスタット塩酸塩である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記治療有効用量が約150mgのミガラスタット塩酸塩である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記製剤が前記患者の妊娠中に少なくとも2週間にわたり投与される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記製剤が前記妊娠中に少なくとも6週間にわたり投与される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記製剤が前記患者の妊娠中に少なくとも12週間にわたり投与される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記製剤が前記患者の妊娠の第1三半期に投与される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記製剤が前記患者の妊娠の第2三半期に投与される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記製剤が前記患者の妊娠の最初の16週間で投与される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記製剤が固形製剤を含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記製剤が経口剤形を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記経口剤形が錠剤、カプセル又は溶液を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記患者がα−ガラクトシダーゼAのHEKアッセイ適用可能突然変異を有する、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記突然変異が薬理学的参照表に開示される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記薬理学的参照表が、ファブリー病の治療が承認されたミガラスタット製品の製品ラベルに提供される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記薬理学的参照表がGALAFOLD(登録商標)の製品ラベルに提供される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記薬理学的参照表がウェブサイトに提供される、請求項27に記載の方法。
  30. 前記ウェブサイトがwww.galafoldamenabilitytable.com又はwww.fabrygenevariantsearch.comの1つ以上である、請求項29に記載の方法。
  31. 出産能のある女性患者におけるファブリー病の治療方法であって、約100mg〜約150mg遊離塩基当量(FBE)の治療有効用量のミガラスタット又はその塩を含む製剤を1日おきに1回の頻度で前記患者に投与することを含み、前記治療時に有効な受胎調節を行うように前記治療の開始前に前記患者に指示されない、方法。
  32. 前記患者が前記治療の開始後に妊娠する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記患者が前記治療時に有効な受胎調節を利用しない、請求項31又は32に記載の方法。
  34. 前記治療が前記患者の妊娠の同定時に中断される、請求項32又は33に記載の方法。
  35. 前記患者の妊娠が少なくとも37週の胎齢を有する子の出生をもたらす、請求項32〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記患者の妊娠が子の胎齢に基づいて正常体重の子の出生をもたらす、請求項32〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記患者の妊娠が出生時欠損を伴うことなく子をもたらす、請求項32〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記治療有効用量が約123mg遊離塩基当量(FBE)のミガラスタット又はその塩である、請求項31〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記治療有効用量が約123mgのミガラスタット遊離塩基である、請求項31〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記ミガラスタットの塩がミガラスタット塩酸塩である、請求項31〜38のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記治療有効用量が約150mgのミガラスタット塩酸塩である、請求項40に記載の方法。
  42. 前記製剤が少なくとも2週間にわたり投与される、請求項31〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記製剤が少なくとも6週間にわたり投与される、請求項31〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記製剤が少なくとも12週間にわたり投与される、請求項31〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記製剤が前記患者の妊娠中に少なくとも2週間にわたり投与される、請求項32〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記製剤が前記患者の妊娠中に少なくとも6週間にわたり投与される、請求項32〜45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記製剤が前記患者の妊娠中に少なくとも12週間にわたり投与される、請求項32〜46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記製剤が前記患者の妊娠の第1三半期に投与される、請求項32〜47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記製剤が前記患者の妊娠の第2三半期に投与される、請求項32〜48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記製剤が前記患者の妊娠の最初の16週間で投与される、請求項32〜49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記製剤が固形製剤を含む、請求項31〜50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記製剤が経口剤形を含む、請求項31〜51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記経口剤形が錠剤、カプセル又は溶液を含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記患者がα−ガラクトシダーゼAのHEKアッセイ適用可能突然変異を有する、請求項31〜53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記突然変異が薬理学的参照表に開示される、請求項54に記載の方法。
  56. 前記薬理学的参照表が、ファブリー病の治療が承認されたミガラスタット製品の製品ラベルに提供される、請求項55に記載の方法。
  57. 前記薬理学的参照表がGALAFOLD(登録商標)の製品ラベルに提供される、請求項56に記載の方法。
  58. 前記薬理学的参照表がウェブサイトに提供される、請求項56に記載の方法。
  59. 前記ウェブサイトがwww.galafoldamenabilitytable.com又はwww.fabrygenevariantsearch.comの1つ以上である、請求項58に記載の方法。
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