JP7098529B2 - Gla遺伝子にg9331a変異を有する患者においてファブリー病を処置する方法 - Google Patents

Gla遺伝子にg9331a変異を有する患者においてファブリー病を処置する方法 Download PDF

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Description

本発明の原理および実施形態は、概して、特にGLA遺伝子のイントロン4にスプライス部位変異を有する患者における、ファブリー病の処置のための薬理学的シャペロンの使用に関する。
タンパク質のその安定性を低下させるアミノ酸配列の変化を引き起こし、それが適切にフォールディングするのを妨げ得る変異の結果として、多くのヒト疾患がもたらされる。タンパク質は、一般的に、小胞体(またはER)として知られる細胞の特定の領域においてフォールディングする。細胞は、タンパク質が、それらがERから細胞中の適切な目的地に移動し得る(タンパク質輸送と一般に称される過程)前にそれらの正しい3次元形状へとフォールディングされることを確実にする、品質管理機構を有する。ミスフォールディングされたタンパク質は、多くの場合、初期にERで保持された後、その品質制御機構によって排除される。特定の場合において、ミスフォールディングされたタンパク質は、排除される前にERに蓄積し得る。ERでのミスフォールディングされたタンパク質の保持は、それらの適切な輸送を妨げ、結果として生じる生物学的活性の減少が、細胞機能の低下、そして最終的には疾患に繋がり得る。加えて、ミスフォールディングされたタンパク質のERへの蓄積は、細胞に対する様々な種類のストレスに繋がり得、これもまた、細胞機能不全および疾患に寄与し得る。
より安定性の低いまたはミスフォールディングされたタンパク質の産生に繋がる遺伝子変異の大半は、ミスセンス変異と呼ばれる。これらの変異は、タンパク質における単一のアミノ酸の別のアミノ酸に代わる置換を結果としてもたらす。しかしながら、ミスセンス変異に加えて、減少した生物学的活性を有するタンパク質を結果としてもたらし得る他の種類の変異もある。疾患を引き起こし得る別の種類の変異は、スプライス部位変異である。スプライス部位変異は、イントロンのスプライシングが行われる部位において、ヌクレオチドが挿入されるか、欠失されるか、または数が変えられる変異である。この変異は、mRNA前駆体の不正確なプロセシング(エクソンスキッピングまたは潜在的スプライス点でのスプライシングを含む)に繋がり得、構造および機能の著しい変更を結果としてもたらし得る。
そのような変異は、リソソーム蓄積症(LSD)に繋がり得、これは、リソソーム酵素をコードする遺伝子における変異によるリソソーム酵素の欠損によって特徴付けられる。これは、脂質、炭水化物、および多糖類を含む、それらの酵素の基質の異常蓄積を結果としてもたらす。各LSDと関連付けられる多くの異なる変異遺伝子型があるが、変異の多くは、より安定性の低い酵素の産生に繋がり得るミスセンス変異である。こうしたより安定性の低い酵素は、ER関連分解経路により時期尚早に分解されることがある。これは、リソソーム内の酵素欠損、および基質の異常蓄積を結果としてもたらす。そのような変異酵素は、関連技術分野において、「フォールディング変異体」または「コンホメーション変異体」と称されることがある。
ファブリー病は、酵素α-ガラクトシダーゼA(α-Gal A)をコードするGLA遺伝子に対する変異によって引き起こされるLSDである。この変異は、基質グロボトリアオシルセラミド(Gb3、GL-3、またはセラミドトリヘキソシド)の種々の組織および器官への蓄積を引き起こす。疾患遺伝子はX染色体でコードされるので、ファブリー病の男性はヘミ接合体である。ファブリー病は、40,000人および60,000人に1人の男性を侵すと推定されており、女性においてはより少ない頻度で発生する。ファブリー病の処置に対するいくつかのアプローチがあった。
ファブリー病を処置するための1つの認可された治療法は、酵素補充療法(ERT)であり、典型的には、対応する野生型タンパク質の精製形態(Fabrazyme(登録商標),Genzyme Corp.)の静脈内注入が関与する。注入されたタンパク質の急速な分解のため、酵素補充療法に伴う主要な厄介事の1つは、インビボでの治療有効量のタンパク質の達成および維持である。この問題を克服するための現行のアプローチは、非常に多くの高価な高用量注入を行うことである。ERTは、いくつかのさらなる警告(例えば、適切にフォールディングされたタンパク質の大規模生成、精製、および貯蔵;グリコシル化した天然タンパク質の獲得;抗タンパク質免疫応答の発生;ならびに中枢神経系病変を軽減するためにタンパク質が血液脳関門を越えることができないこと(すなわち、低いバイオアベイラビリティ)に関する困難)を有する。加えて、補充酵素は、腎足細胞または心筋細胞への基質蓄積(ファブリー病変において顕著に現れる)を低減するのに十分な量で心臓または腎臓に進入し得ない。
機能的タンパク質をコードする核酸配列を含有する組換えベクターを用いるまたは機能的タンパク質を発現する遺伝子組換えヒト細胞を用いる遺伝子治療もまた、タンパク質欠損、およびタンパク質補充から利益を得る他の障害を処置するために開発されつつある。
一部の酵素欠損を処置するための第3のアプローチには、欠損した酵素タンパク質の天然基質の産生を低減し、それにより病変を改善するための小分子阻害剤の使用が関与する。この「基質低減」アプローチは、グリコスフィンゴリピド貯蔵障害を含むリソソーム貯蔵障害と呼ばれる約40種の関連酵素障害からなるクラスに関して具体的に記述されてきた。治療としての使用のために提案された小分子阻害剤は、糖脂質の合成に関与する酵素を阻害することに特異的であり、欠損した酵素により分解される必要のある細胞糖脂質の量を減少させる。
ファブリー病を処置するための別のアプローチは、特異的薬理学的シャペロン(SPC)と呼ばれるものでの処置であった。そのようなSPCにはα-Gal Aの小分子阻害剤が含まれており、これは、α-Gal Aに結合して、変異酵素および対応する野生型の両方の安定性を高め得る。しかしながら、SPC療法の合格する候補は、安定化されてERからの輸送を可能にするコンホメーションへとフォールディングされる可能性を有する酵素の産生を結果としてもたらす変異を有するべきである。酵素を著しく短縮する変異(例えば、ナンセンス変異)またはシャペロンの結合を妨げる触媒ドメインにおける変異は、SPC療法を用いて「救済可能」または「増強可能」である(すなわち、SPC療法に応答する)可能性のあるようなものではない。触媒部位の外でのミスセンス変異の方がSPCを用いて救済可能である可能性は高いが、全く保証はなく、応答性変異についてスクリーニングすることを必要とする。
したがって、血漿または末梢白血球(WBC)中の欠損したα-Gal A活性を検出することによってファブリー病が診断されたとしても、特定のファブリー患者がSPCでの処置に応答するか否かを予測することは、不可能でないにしても、非常に困難である。さらに、WBCは培養(インビトロ)において短時間しか生存しないため、α-Gal AのSPC増強についてのスクリーニングは困難であり、患者にとって最適ではない。
SPC療法への応答性について患者をスクリーニングすることを評価するいくつかの方法が開発されてきたが、これらは、ファブリー病を引き起こす全てのGLA変異に適用可能であるわけではない可能性がある。このことは、実際には良好な候補であり得るが、処置可能であると特定されなかったためにSPC処置を受けていないファブリー患者がいることを意味する。
したがって、SPCに応答性である新規のGLA変異を特定し、これらの変異を有するファブリー患者に対して新規の処置方法を利用可能にする必要性が残っている。
本発明の一態様は、ファブリー病と診断された患者を処置する方法に関する。当該方法は、α-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの治療有効用量を患者に投与することを含み、当該患者は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有している。1つ以上の実施形態において、当該変異は、配列番号:1に対するG9331Aである。一部の実施形態において、薬理学的シャペロンは、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩を含む。1つ以上の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩の用量は、約25mg~約250mgである。一部の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンの塩は、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩である。1つ以上の実施形態において、当該用量は、隔日約150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは塩酸塩以外のその塩である。一部の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩は、経口または注射によって投与される。これらの実施形態は、互いにまたは本発明の他の実施形態(例えば、ファブリー病と診断されたもしくはファブリー病に罹っていると疑われる患者においてα-ガラクトシダーゼAを増強する方法、ファブリー病と診断された患者を処置するための医薬の製造のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの使用、またはファブリー病と診断された患者の処置における使用のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンに関する実施形態、ならびに対応可能な変異、好適なSPC、ならびにその投薬量、処方物および投与経路に関する実施形態)と組み合わされ得る。
本発明の別の態様は、ファブリー病と診断されたまたはファブリー病に罹っていると疑われる患者においてα-ガラクトシダーゼAを増強する方法に関する。当該方法は、α-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの治療有効用量を患者に投与することを含み、当該患者は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有している。1つ以上の実施形態において、当該変異は、配列番号:1に対するG9331Aである。一部の実施形態において、薬理学的シャペロンは、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩を含む。1つ以上の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩の用量は、約25mg~約250mgである。一部の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンの塩は、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩である。1つ以上の実施形態において、当該用量は、隔日約150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは塩酸塩以外のその塩である。一部の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩は、経口または注射によって投与される。これらの実施形態は、互いにまたは本発明の他の実施形態(例えば、ファブリー病の患者を処置する方法、ファブリー病と診断された患者を処置するための医薬の製造のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの使用、またはファブリー病と診断された患者の処置における使用のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンに関する実施形態、ならびに対応可能な変異、好適なSPC、ならびにその投薬量、処方物および投与経路に関する実施形態)と組み合わされ得る。
本発明の別の態様は、ファブリー病と診断された患者を処置するための医薬の製造のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの使用に関し、当該患者は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有している。1つ以上の実施形態において、当該変異は、配列番号:1に対するG9331Aである。一部の実施形態において、薬理学的シャペロンは、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩を含む。1つ以上の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩の用量は、約25mg~約250mgである。一部の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンの塩は、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩である。1つ以上の実施形態において、当該用量は、隔日約150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは塩酸塩以外のその塩である。一部の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩は、経口または注射によって投与される。これらの実施形態は、互いにまたは本発明の他の実施形態(例えば、ファブリー病の患者を処置する方法、ファブリー病と診断されたもしくはファブリー病に罹っていると疑われる患者においてα-ガラクトシダーゼAを増強する方法、またはファブリー病と診断された患者の処置における使用のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンに関する実施形態、ならびに対応可能な変異、好適なSPC、ならびにその投薬量、処方物および投与経路に関する実施形態)と組み合わされ得る。
本発明の別の態様は、ファブリー病と診断された患者の処置における使用のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンに関し、当該患者は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有している。1つ以上の実施形態において、当該変異は、配列番号:1に対するG9331Aである。一部の実施形態において、薬理学的シャペロンは、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩を含む。1つ以上の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩の用量は、約25mg~約250mgである。一部の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンの塩は、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩である。1つ以上の実施形態において、当該用量は、隔日約150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは塩酸塩以外のその塩である。一部の実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩は、経口または注射によって投与される。これらの実施形態は、互いにまたは本発明の他の実施形態(例えば、ファブリー病の患者を処置する方法、ファブリー病と診断されたもしくはファブリー病に罹っていると疑われる患者においてα-ガラクトシダーゼAを増強する方法、またはファブリー病と診断された患者を処置するための医薬の製造のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの使用に関する実施形態、ならびに対応可能な変異、好適なSPC、ならびにその投薬量、処方物および投与経路に関する実施形態)と組み合わされ得る。
本発明の別の態様は、α-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンを含むファブリー病の処置における使用のための薬学的組成物に関し、当該患者は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有している。
様々な実施形態が以下に記載される。以下に記載される実施形態は、以下に記載されるようにだけでなく、本発明の範囲に従う他の好適な組み合わせでも組み合わされ得ることが理解される。
図1A~Eは、ヒト野生型GLA遺伝子の全DNA配列(配列番号:1)を示している。 図2は、野生型GLAタンパク質(配列番号:2)を示している。 図3は、スプライス部位変異G9331Aを示すGLA遺伝子の部分配列(配列番号:3)を示している。 図4は、DGJに曝露された変異リンパ芽球におけるα-Gal A活性を示している。 図5は、DGJに曝露されたコントロールリンパ芽球におけるα-Gal A活性を示している。 図6は、DGJとのインキュベーションありおよびなしの変異リンパ芽球におけるα-Gal A活性を示すウェスタンブロットである。 図7は、SRY遺伝子の存在を示す電気泳動ゲルである。 図8は、Bfa I制限部位の有無を示す電気泳動ゲルである。 図9は、リンパ芽球ゲノムDNA由来の3つの増幅されたPCR断片の配列決定を示している。
本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は、以下の説明に示される構成または処理工程の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実施または実行されることが可能である。
本発明の様々な態様は、薬理学的シャペロンでの処置に応答するファブリー患者における新規のGLA変異の特定に関する。さらに、本発明の他の態様は、こうしたファブリー患者の処置に関する。例えば、驚くべきことに、GLA遺伝子におけるスプライス部位変異G9331Aの結果としてもたらされる低いα-Gal A活性が、薬理学的シャペロンに曝露されると高められ得ることが発見された。敷衍して述べると、スプライス部位変異は一般的に酵素のそのような重大な変化を引き起こすため、GLA遺伝子にスプライス部位変異を有する患者は処置に応答性でないであろうとこれまで考えられていたのであるが、こうした種類の変異を有する患者は、薬理学的シャペロンでの処置に応答性である。
定義
本明細書で使用される用語は、概して、本発明の文脈の範囲において、および各用語が使用される具体的な文脈において、当該技術分野におけるそれらの通常の意味を有する。本発明の組成物および方法ならびにその作り方および使い方の説明において、専門家にさらなる案内を提供するために、特定の用語について、以下で、または本明細書の他の所で述べる。
「ファブリー病」という用語は、欠損したリソソームα-ガラクトシダーゼA活性に起因する、グリコスフィンゴリピド異化のX連鎖性先天異常をいう。この欠陥は、心臓、腎臓、皮膚、および他の組織の血管内皮リソソームへのグロボトリアオシルセラミド(セラミドトリヘキソシド)および関連するグリコスフィンゴリピドの蓄積を引き起こす。
「非定型ファブリー病」という用語は、主としてα-Gal A欠損の心臓徴候、すなわち、心臓、特に左心室の著しい肥大に繋がる心筋細胞への進行性のグロボトリアオシルセラミド(GL-3)蓄積を有する患者をいう。
「保因者」は、欠陥のあるα-Gal A遺伝子を有する1つのX染色体と正常な遺伝子を有する1つのX染色体とを有し、正常な対立遺伝子のX染色体不活性化が1つ以上の細胞種において存在する女性である。保因者は、多くの場合、ファブリー病と診断される。
「患者」は、特定の疾患と診断されたまたは特定の疾患に罹っていると疑われる被験体をいう。患者は、ヒトまたは動物であり得る。
「ファブリー病患者」は、ファブリー病と診断されているかまたはファブリー病に罹っていると疑われており、以下でさらに定義されるような変異したα-Gal Aを有する個体をいう。ファブリー病の特徴的マーカーは、同じ罹患率で男性ヘミ接合体および女性保因者において生じ得るが、女性は、典型的に、それほど重度に侵されない。
ヒトα-ガラクトシダーゼA(α-Gal A)は、ヒトGLA遺伝子によってコードされる酵素をいう。α-Gal Aの全DNA配列(イントロンおよびエクソンを含む)は、GenBank受託番号X14448.1で利用可能であり、図1A~E(配列番号:1)に示されている。ヒトα-Gal A酵素は429個のアミノ酸からなり、GenBank受託番号X14448.1およびU78027で利用可能であり、図2(配列番号:2)に示されている。
「変異タンパク質」という用語は、タンパク質がERに通常存在する条件下で安定したコンホメーションを達成することができないことを結果としてもたらす変異を、タンパク質をコードする遺伝子に有するタンパク質を含む。安定したコンホメーションを達成できないことは、かなりの量の酵素が、リソソームへ輸送されるのではなく分解されてしまうことを結果としてもたらす。そのような変異は「コンホメーション変異体」と呼ばれることがある。そのような変異としては、ミスセンス変異、ならびにインフレームの小欠失および挿入が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において本明細書で使用される場合、「変異α-Gal A」という用語は、酵素がERに通常存在する条件下で安定したコンホメーションを達成することができないことを結果としてもたらす変異を、α-Gal Aをコードする遺伝子に有するα-Gal Aを含む。安定したコンホメーションを達成できないことは、かなりの量の酵素が、リソソームへ輸送されるのではなく分解されてしまうことを結果としてもたらす。
本明細書で使用される場合、「特異的薬理学的シャペロン」(「SPC」)または「薬理学的シャペロン」という用語は、タンパク質に特異的に結合し、以下の効果、すなわち、(i)タンパク質の安定した分子コンホメーションの形成を増す;(ii)ERから別の細胞位置、好ましくは本来の細胞位置へのタンパク質の輸送を惹起する、すなわち、タンパク質のER関連分解を妨げる;(iii)ミスフォールディングされたタンパク質の凝集を妨げる;ならびに/または(iv)少なくとも部分的な野生型の機能および/もしくは活性をタンパク質に取り戻させるもしくは増強する、のうちの1つ以上を有する任意の分子(小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物などを含む)をいう。例えばα-Gal Aに特異的に結合する化合物とは、それが、関連または無関連酵素の一般的な群ではなく当該酵素に結合して、当該酵素に対してシャペロン効果を発揮することを意味している。より具体的には、この用語は、内因性シャペロン(例えば、BiP)をいうのでも、種々のタンパク質に対する非特異的シャペロン活性を示した非特異的薬剤(例えば、グリセロール、DMSOまたは重水素化水、すなわち、化学シャペロン)をいうのでもない。本発明において、SPCは、可逆的競合阻害剤であり得る。
酵素の「競合阻害剤」は、基質とほぼ同じ位置において酵素を結合させる、酵素基質の化学構造および分子形状と構造的に類似している化合物をいい得る。したがって、当該阻害剤は、基質分子と同じ活性部位について競合し、したがってKmを上昇させる。競合阻害は、阻害剤に取って代わるのに十分な基質分子が利用可能であれば通常は可逆的である(すなわち、競合阻害剤は可逆的に結合し得る)。したがって、酵素阻害量は、阻害剤濃度、基質濃度、ならびに活性部位に対する阻害剤および基質の相対的親和性によって決まる。
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」という用語は、薬理学的シャペロンとタンパク質(例えば、α-Gal A)との相互作用、具体的には、薬理学的シャペロンへの接触に直接関与するそうしたタンパク質のアミノ酸残基との相互作用をいう。薬理学的シャペロンは、標的タンパク質(例えば、α-Gal A)を特異的に結合させて、関連または無関連タンパク質の一般的な群ではなく当該タンパク質に対してシャペロン効果を発揮する。任意の所与の薬理学的シャペロンと相互作用するタンパク質のアミノ酸残基は、タンパク質の「活性部位」内にある場合もない場合もある。特異的結合は、日常的な結合アッセイを通してまたは構造研究(例えば、共結晶化、NMRなど)を通して評価され得る。α-Gal Aにとっての活性部位は、基質結合部位である。
「欠損したα-Gal A活性」は、ファブリー病または任意の他の疾患(特に血液疾患)に罹っていないまたは罹っている疑いのない正常個体における活性と(同じ方法を用いて)比較して、正常範囲より下にある、患者からの細胞におけるα-Gal A活性をいう。
本明細書で使用される場合、「α-Gal A活性を増強する」または「α-Gal A活性を増加させる」という用語は、α-Gal Aに特異的な薬理学的シャペロンと接触させた細胞における安定したコンホメーションを採用したα-Gal Aの量を、α-Gal Aに特異的な薬理学的シャペロンと接触させていない細胞(好ましくは、同じ細胞種または(例えばより早期の)同じ細胞)における量に比べて増加させることをいう。この用語はまた、α-Gal Aに特異的な薬理学的シャペロンと接触させた細胞におけるリソソームへのα-Gal Aの輸送を、当該タンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触させていないα-Gal Aの輸送に比べて増加させることをいう。これらの用語は、野生型および変異α-Gal Aの両方のことをいう。一実施形態において、細胞中のα-Gal A量の増加は、SPCで処置された細胞からの溶解産物における人工基質の加水分解を測定することにより測定される。加水分解の増加は、α-Gal A活性の増加を示している。
「α-Gal A活性」という用語は、細胞中の野生型α-Gal Aの正常な生理的機能をいう。例えば、α-Gal A活性には、GL-3の加水分解が含まれる。
「反応者」は、SPCとの接触に応答して、細胞がそれぞれ十分に増加したα-Gal A活性を示し、かつ/または症状の改善もしくは代理マーカーの改善を示す、リソソーム蓄積障害(例えば、ファブリー病など)と診断されたまたはそれに罹っていると疑われる個体である。ファブリーの代理マーカーの改善の非限定的な例は、lyso-GB3および米国特許出願公開第2010/0113517号明細書に開示されているものである。
米国特許出願公開第2010/0113517号明細書に開示されているファブリー病の代理マーカーの改善の非限定的な例としては、細胞(例えば、線維芽細胞)および組織中のα-Gal Aレベルまたは活性の増加;GL-3蓄積の減少;ホモシステインおよび血管細胞接着分子-1(VCAM-1)の血漿濃度の低下;心筋細胞および心臓弁膜線維細胞内のGL-3蓄積の減少;(特に左心室の)心肥大の軽減、心臓弁膜不全の改善、および不整脈の改善;蛋白尿の改善;脂質(例えば、CTH、ラクトシルセラミド、セラミド)の尿中濃度の低下、ならびにグルコシルセラミドおよびスフィンゴミエリンの尿中濃度の上昇;糸球体上皮細胞中の層状封入体(ゼブラ小体)の不在;腎機能の改善;発汗減少症の軽減;被角血管腫の不在;ならびに聴覚異常(例えば、高周波数感音難聴の進行性難聴、突発性難聴、または耳鳴)の改善が挙げられる。神経学的症状の改善としては、一過性脳虚血発作(TIA)または脳卒中の予防;および先端異常感覚(四肢における灼熱感または刺痛感)として現れる神経障害性疼痛の改善が挙げられる。ファブリー病について評価され得る別の種類の臨床マーカーは、有害な心血管徴候の罹患率である。ファブリー病の一般的な心臓関連所見および症状には、左心室肥大、心臓弁膜疾患(特に、僧帽弁逸脱および/または逆流)、早発性冠状動脈疾患、狭心症、心筋梗塞、伝導異常、不整脈、うっ血性心不全が含まれる。
前述の応答のうちの1つ以上を達成する用量が、「治療有効用量」である。
「薬学的に受容可能な」という句は、ヒトに投与された場合に生理的に許容可能であり、典型的に、不都合な反応を生じない、分子エンティティおよび組成物をいう。一部の実施形態において、本明細書で使用される場合、「薬学的に受容可能な」という用語は、動物、さらに特定すれば、ヒトにおける使用について、連邦政府もしくは州政府の規制機関によって認可されているまたは米国薬局方もしくは他の一般に認知されている薬局方に記載されていることを意味している。薬学的キャリアに関して「キャリア」という用語は、化合物が一緒に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルをいう。そのような薬学的キャリアは、滅菌液体(例えば、水および油)であり得る。水または水溶液生理食塩水ならびにデキストロースおよびグリセロール水溶液が、特に注射可能溶液のための、キャリアとして好ましくは使用される。好適な薬学的キャリアは、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」の第18版または他の版に記述されている。
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、言及される材料が、それが通常存在する環境から取り出されることを意味している。したがって、単離された生物学的材料は、細胞成分、すなわち、当該材料が存在するまたは産生される細胞の成分を含まないものであり得る。核酸分子の場合、単離核酸には、PCR産物、ゲル上のmRNAバンド、cDNA、または制限断片が含まれる。別の実施形態において、単離核酸は、好ましくは、それが存在し得る染色体から切り出され、より好ましくは、染色体に存在する時に単離核酸分子によって含有される遺伝子の上流または下流に位置する非制限領域、非コード領域、または他の遺伝子にもはや連結していない。さらに別の実施形態において、単離核酸は、1つ以上のイントロンを欠く。単離核酸には、プラスミド、コスミド、人工染色体などに挿入された配列が含まれる。したがって、具体的な実施形態において、組換え核酸は、単離核酸である。単離タンパク質は、それが細胞内で会合している他のタンパク質もしくは核酸、もしくはその両方と、またはそれが膜会合タンパク質である場合は細胞膜と会合したものであり得る。単離細胞小器官、細胞、または組織は、生物中のそれが存在する解剖学的部位から取り出される。単離材料は、精製され得るが、その必要はない。
「約」および「およそ」という用語は、一般に、測定の性質または精度を考慮した、測定される量についての許容可能な誤差の程度を意味するものとする。典型的な例示的な誤差の程度は、所与の値または値の範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内である。代替的に、特に生物系において、「約」および「およそ」という用語は、所与の値の1桁以内、好ましくは10倍または5倍以内、より好ましくは2倍以内である値を意味し得る。本明細書に示される数値量は、特に断わらない限り近似であり、このことは、「約」または「およそ」という用語が明示されない場合は暗示され得ることを意味している。
「酵素補充療法」または「ERT」という用語は、そのような酵素の欠損を有する個体への、非天然の精製酵素の導入をいう。投与されるタンパク質は、天然源からまたは(より詳細に後述されるような)組換え発現によって得られ得る。この用語はまた、さもなければ精製酵素の投与を必要とするまたは精製酵素の投与から利益を得る(例えば、酵素不足を起こしている)個体における精製酵素の導入をいう。導入される酵素は、インビトロで生成される精製組換え酵素、または単離された組織もしくは流体(例えば、胎盤または動物乳汁など)からもしくは植物から精製されたタンパク質であり得る。
薬理学的シャペロン
LSDと関連付けられる酵素の小分子阻害剤の結合は、変異酵素および対応する野生型酵素の両方の安定性を高め得る(全て参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,274,597号明細書;同第6,583,158号明細書;同第6,589,964号明細書;同第6,599,919号明細書;同第6,916,829号明細書、および同第7,141,582号明細書参照)。特に、いくつかの標的リソソーム酵素に対する特異的な選択的競合阻害剤であるグルコースおよびガラクトースの小分子誘導体の投与は、インビトロで細胞中の酵素の安定性を効果的に高め、したがって、リソソームへの酵素の輸送を増加させた。したがって、リソソーム中の酵素量を増加させることにより、酵素基質の加水分解が増加すると考えられる。この方策の背後にある根源的理論は以下の通りであった:変異酵素タンパク質はER中で不安定である(Ishii et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.1996;220:812-815)ので、そうした酵素タンパク質は通常の輸送経路(ER→ゴルジ装置→エンドソーム→リソソーム)において阻止され、時期尚早に分解される。したがって、変異酵素に結合し、その安定性を高める化合物は、その酵素の「シャペロン」として機能し、ERから出てリソソームへ移動し得る量を増加させ得る。加えて、一部の野生型タンパク質のフォールディングおよび輸送は不完全である(一部の野生型タンパク質の最大70%が場合によってはそれらの最終的な細胞位置に到達する前に分解される)ため、シャペロンは、野生型酵素を安定させ、ERから出てリソソームへ輸送され得る酵素の量を増加させるためにも使用され得る。この方策は、インビトロおよびインビボでいくつかのリソソーム酵素(欠損がそれぞれゴーシェ病およびポンペ病と関連付けられるβ-グルコセレブロシダーゼおよびα-グルコシダーゼを含む)を増加させることが明らかにされている。
1つ以上の実施形態において、SPCは、以下の構造:
Figure 0007098529000001
を有する化合物をいう1-デオキシガラクトノジリマイシン(DGJ)、または1-デオキシガラクトノジリマイシンの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグである。DGJの塩酸塩は、ミガラスタット塩酸塩(Migalastat)として知られている。
α-Gal Aのさらに他のSPCは、米国特許第6,274,597号明細書、同第6,774,135号明細書、および同第6,599,919号明細書に記述されており、α-3,4-ジ-epi-ホモノジリマイシン、4-epi-ファゴミン、α-allo-ホモノジリマイシン、N-メチル-デオキシガラクトノジリマイシン、β-1-C-ブチル-デオキシガラクトノジリマイシン、α-ガラクト-ホモノジリマイシン、キャリステジンA、キャリステジンB、キャリステジンB、N-メチル-キャリステジンA、N-メチル-キャリステジンBおよびN-メチル-キャリステジンBを含む。
具体的な実施形態において、SPCは、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩を含む。さらなる実施形態において、SPCは、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩を含む。
α-Gal AのこれらのSPCのうちの任意のものが、本発明の他の実施形態(例えば、ファブリー病の患者を処置する方法、ファブリー病と診断されたもしくはファブリー病に罹っていると疑われる患者においてα-ガラクトシダーゼAを増強する方法、ファブリー病と診断された患者を処置するための医薬の製造のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの使用、またはファブリー病と診断された患者の処置における使用のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンに関する実施形態、ならびにSPCの好適な用量、対応可能な変異、およびα-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有するファブリー患者の処置に関する実施形態)のうちの任意のものと組み合わせて使用され得る。
薬理学的シャペロンに応答性のGLA変異の特定
ファブリー病は稀であり、多臓器が関与し、広範な発症年齢範囲を有し、多様であるため、適切な診断が課題である。医療専門家の間で認識が低く、誤診が頻繁である。ファブリー病の診断は、最も多くの場合、患者が症状を示したら、変異分析と合わせて、血漿または末梢白血球(WBC)におけるα-Gal A活性の低下に基づき確認される。保因者の一部の細胞における無作為のX染色体不活性化のため保因者女性の酵素的特定は信頼性が低いことから、女性においては診断がより一層困難である。例えば、一部の真正の保因者(典型的に罹患した男性の娘)は、正常な活性から極めて低い活性の範囲のα-Gal A酵素活性を有する。保因者は白血球において正常なα-Gal A酵素活性を有し得るので、遺伝子検査によるα-Gal A変異の特定のみが、正確な保因者の特定および/または診断を提供する。
本明細書で使用される場合の「対応可能な変異」とは、その変異を有する細胞のα-Gal A活性が、α-Gal Aの薬理学的シャペロンと共にインキュベートされた場合に増加することを意味している。一部の実施形態において、以下の基準、すなわち、10μM薬理学的シャペロンインキュベーション後のα-Gal A活性の約1.2倍以上の相対的増加および/または野生型(WT)の約3.0%以上の絶対的増加、が満たされる。一部の実施形態において、薬理学的シャペロンは、ミガラスタットである。対応可能な変異に関する実施形態のうちの任意のものが、本発明の他の実施形態(例えば、ファブリー病の患者を処置する方法、ファブリー病と診断されたもしくはファブリー病に罹っていると疑われる患者においてα-ガラクトシダーゼAを増強する方法、ファブリー病と診断された患者を処置するための医薬の製造のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの使用、またはファブリー病と診断された患者の処置における使用のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンに関する実施形態、ならびにSPC、その好適な投薬量、およびαガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有するファブリー患者の処置に関する実施形態)のうちの任意のものと組み合わされ得る。
処置の開始に先立って酵素増強を評価する事前スクリーニング方法が提供されている。例えば、所与の変異が薬理学的シャペロン(例えば、ミガラスタット)処置に応答性であるか否かを予測するために、HEK-293細胞を用いるアッセイが臨床試験において利用されてきた。このアッセイでは、cDNA構築物が作られる。対応するα-Gal A変異形態が、HEK-293細胞において一時的に発現される。次いで、4~5日の間、細胞が、±ミガラスタット(17nM~1mM)でインキュベートされる。その後、合成蛍光基質(4-MU-α-Gal)を用いて、またはウェスタンブロットにより、細胞溶解産物においてα-Gal Aレベルが測定される。これは、疾患を引き起こす既知のミスセンス変異または小インフレーム挿入/欠失変異について行われてきた。これらの方法を用いてSPC(例えば、DGJ)に応答性であると以前に特定された変異が、米国特許第8,592,362号明細書に記載されている。しかしながら、このHEK-293アッセイは、組換えGLA cDNAを用いており、したがって、変異α-Gal Aは、プレmRNAスプライシングとは無関係に発現され、HEK-293アッセイは、スプライス部位変異の応答を予測するためには使用され得ない。
とはいえ、本明細書に記述されるように、リンパ芽球アッセイが、上述の対応可能性基準を満たす変異を特定するために、代わりに使用され得る。本明細書に記述されるスプライス部位変異の場合、リンパ芽球培養は、当該変異を有する男性患者に由来し得、その後にアッセイが続く。リンパ芽球は、(例えば、37℃、5%CO2のウシ胎仔血清およびペニシリン-ストレプトマイシンを補充した)培地の懸濁液中での培養によって得られ得る。次いで、ファブリー患者リンパ芽球株が、血液試料を用いた末梢血単核細胞の植物性赤血球凝集素刺激エプスタイン・バーウイルス形質転換によって不死化され、確立され得る。次いで、リンパ芽球は播種され、様々な濃度のシャペロンと共にインキュベートされて、当該技術分野において知られている方法を用いて評価され得る(例えば、Benjamin E.R.,et al.Inherited Metab.Dis.2009;32:424-440参照)。
したがって、本発明の別の態様は、ファブリー病患者がα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンでの処置に応答するか否かを決定する方法に関し、当該患者は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列(配列番号:1)のエクソンにミスセンス変異を有しておらず、当該方法は、患者からのリンパ芽球の試料からα-ガラクトシダーゼAをコードするゲノムDNAを単離することと、任意選択で当該DNAまたはイントロン4を含むその断片を増幅することと、イントロン4におけるスプライス部位変異の有無を決定することとを含むものであり、イントロン4にスプライス部位変異を有する患者が、α-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンでの処置に応答性である。
イントロン4におけるスプライス部位変異およびファブリー病の処置
したがって、1つ以上の実施形態は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有するファブリー患者の処置に関する。当該イントロンにおいてスプライス部位変異が起こるため、変異は図1A~E(配列番号:1)に示される全GLA DNA配列に対して記述される。イントロン4は、配列番号:1に対する核酸位8413~10130に及ぶ。1つのそのような変異は、G9331A変異(IVS4+919G→Aとしても知られる)である。この変異を示すGLA DNA配列からの抜粋を図3および配列番号:3に示す。この変異は、ファブリー病の心臓異型形態と関連付けられる。具体的には、この形態の疾患の患者は、左心室肥大を経験し得、心筋症に罹り得る。この変異はまた、台湾住民(Taiwan Chinese population)において、新生児(1600人に約1人の男性)および突発性肥大性心筋症の患者の間で高い罹患率を示した(Lin,H.,et al.Cardiovascular Genetics.2009;2:450-456)。実際、この変異は、台湾住民においてファブリー病陽性とスクリーニングされた新生児の82%に存在した(同上)。GLA遺伝子において、G9331Aは、イントロン4の中央に起こる(Ishii,et al.Am.J.Hum.Genet.70:994-1002,2002)。この変異は、元々弱いスプライス部位の認識の増加を結果としてもたらし、α-Gal A転写物へのさらなる57ヌクレオチド配列の挿入を結果としてもたらす。挿入される配列は、エクソン4の下流に未成熟終止コドンを導入する(222アミノ酸残基の短縮されたタンパク質産物が予想される)。異常α-Gal A mRNAは、この変異を有する男性ファブリー患者に由来するリンパ芽球中の全α-Gal A mRNAの70%より多くを構成した。しかしながら、一部の野生型α-Gal A mRNAは発現され、結果として生じた残留α-Gal A活性は正常の10%未満であった(Ishii,Nakao et al.2002)。
以下の実施例において示されるように、G9331A変異を、男性ファブリー患者由来リンパ芽球アッセイにおいてDGJへの応答について評価した。男性ファブリー患者リンパ芽球アッセイは、HEKアッセイと相関し(Wu et al.Human Mutation 2011,図5)、この変異は、リンパ芽球アッセイに基づく対応可能性基準を満たす。この変異はリンパ芽球アッセイにおいて前述の対応可能性基準を満たすので、この変異はインビボにおいてDGJへの応答を示すと考えられる。さらに、ファブリー病の発症年齢、進行、および重症度は、少なくとも部分的に、基質蓄積速度によって決まり、これは、リソソーム中の酵素活性と相関する。よって、残留活性の完全な欠如は、急速な基質蓄積、したがって、(早期の発症および急速な進行を有する)より重度の形態の疾患に相当し得る。しかしながら、少量の残留活性であっても多量の基質を分解するのに十分であり得る。このことは、延いては速度が落ちるため、より晩期の発症およびより緩慢な進行の、より軽度の疾患に繋がるであろう。これらの要素を考慮すると、酵素活性の増加が大きくなくても、重度の臨床表現型の影響を低減し得ると考えられる。データは、ほとんどのLSDについて、通常の活性のほんの1%~6%が疾患発症を遅らせるもしくは妨げる、またはより軽度の形態の疾患をもたらすのに十分であると推定されていることを示唆する。すなわち、活性のほんの僅かの増加が、基質レベル、したがって、疾患重症度および疾患進行速度に対して著しい影響を有し得るであろう。逆に、インビトロにおいて全く応答を示さない変異リソソーム酵素はインビボにおいても応答しないであろうと考えられる。
したがって、本発明の一態様は、α-ガラクトシダーゼAをコードする遺伝子に変異を有する患者におけるファブリー病の処置のためのSPCの使用に関し、当該患者は、配列番号:1で示される核酸配列によってコードされるヒトα-ガラクトシダーゼAに対してイントロン4にスプライス部位変異を有すると特定される。本発明の別の態様は、ファブリー病と診断された患者を処置する方法に関する。1つ以上の実施形態において、当該方法は、α-Gal Aの薬理学的シャペロン(SPC)の治療有効用量を患者に投与することを含む。さらなる実施形態において、患者は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有している。本発明の別の態様は、ファブリー病と診断されたまたはファブリー病に罹っていると疑われる患者においてα-ガラクトシダーゼAを増強する方法に関する。1つ以上の実施形態において、当該方法は、α-Gal Aの薬理学的シャペロン(SPC)の治療有効用量を患者に投与することを含み、当該患者は、配列番号:1に対するスプライス部位変異を有する核酸配列によってコードされる変異α-ガラクトシダーゼAを有している。これらの使用および方法の詳細およびさらなる実施形態が以下に続く。ファブリー病の患者を処置する方法、ファブリー病と診断されたもしくはファブリー病に罹っていると疑われる患者においてα-ガラクトシダーゼAを増強する方法、ファブリー病と診断された患者を処置するための医薬の製造のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの使用、またはファブリー病と診断された患者の処置における使用のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンであって、当該患者は、配列番号:1に示される核酸配列によってコードされるヒトα-ガラクトシダーゼAに対してイントロン4にスプライス部位変異を有すると特定されるものに関する実施形態のうちの任意のものが、本発明の他の実施形態(例えば、SPCおよびその好適な投薬量に関する実施形態)のうちの任意のものと組み合わされ得る。
1つ以上の実施形態において、患者は、彼らのGLA遺伝子に他の変異を有し得る。例えば、結果として生じるα-Gal A酵素に影響を及ぼすまたは及ぼさないものであり得る他の変異がイントロン領域に存在し得る。したがって、1つ以上の実施形態において、患者は、配列番号:1に対して95%、96%、97%、98%、99%または99.5%の同一性を有する核酸配列によってコードされる変異α-ガラクトシダーゼAを有している。一部の実施形態において、患者は、配列番号:1に対するG9331Aから実質的になる変異を有している。この場合もまた、これらの実施形態のうちの任意のものが、本発明の他の実施形態(例えば、対応可能な変異、SPCおよびその好適な投薬量に関する実施形態)のうちの任意のものと組み合わされ得る。
そのようなスプライス部位変異のため、薬理学的シャペロンがファブリー病を処置するのに有効であることは意外である。上で述べたように、薬理学的シャペロンとのインキュベーションへの応答性を決定するために標準的なHEK-293アッセイによってそのような変異を試験することすら不可能である。さらに、G9331Aに関して、これまで、G9331A変異はDGJでの処置に応答性でないと考えられていた(Benjamin E.R.,et al.Inherited Metab.Dis.2009;32:424-440参照)。さらに、スプライス部位変異はmRNA前駆体の不正確なプロセシング(エクソンスキッピングまたは潜在的スプライス点でのスプライシングを含む)に繋がり得、構造および機能の著しい変更を結果としてもたらし得るため、G9331Aの対応可能性は、応答性であると知られている変異からは予測され得なかった。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、薬理学的シャペロンは、産生される少量の野生型酵素の活性を高めることによって有効であると考えられる。野生型酵素の合成、フォールディングおよび輸送は、十分に能率的でない場合がある。薬理学的シャペロンは、野生型を安定させ得る。
イントロン4にG9331変異または別のスプライス部位変異を有する患者の処置は、上述した症状のうちの1つ以上の改善を結果としてもたらすと考えられる。処置経過は、特定のパラメータを追跡することにより評価およびモニタリングされ得る。例えば、上で述べたように、ファブリー病について評価され得る1つの臨床マーカーは、有害な心血管徴候の罹患率である。心臓合併症はファブリー病において一般的であり、主要な死因である。最も頻度の高い心臓徴候はLVHであり、これは、心臓事象の重要な危険因子である。LV質量の減少は、こうした患者における転帰を改善することが明らかにされている。24ヵ月までの間のミガラスタット処置はLVMiを著しく引き下げた(ベースラインLVHを有する患者においてより大きな低下がみられた)。LV質量に対するERTの効果は一貫していないようである。最近の研究で、LVMiは、ERTで処置された30歳より上の男性において上昇し続けた。別のERT研究は、LVMiの初期の改善が経時的に小さくなることを見出した。安定した左心室後壁厚、および心室中隔壁厚の減少により示されるように、我々の研究におけるミガラスタット処置患者のLVMiの低下は、線維症によるものではなかった。このLVMiの低下は、ファブリー病において一般的である心臓合併症の低減に寄与すると考えられる。
腎機能の進行性の低下もまた、ファブリー病の主要な合併症である。例えば、透析または腎臓移植に繋がり得る進行性の腎機能障害と関連付けられる、古典的ファブリー表現型と関連付けられる患者。Chronic-Kidney-Disease-Prognosis-ConsortiumのeGFRCKD-EPI低下は、その後の末期腎疾患および死亡の危険性の信頼性の高い代用物であることが明らかにされている。
処置をモニタリングする別の方法は、バイオマーカーとしてlyso-GB(グロボトリアオシルスフィンゴシン)を追跡することである。lyso-GBは、通常、疾患に罹っている患者において増加し、尿中に検出され得る。したがって、患者の成功裏の処置は、lyso-GB量の減少によって示される。
処方物および投与
薬理学的シャペロン(例えば、DGJ)投与の用量および投薬レジメンは、患者に応じて(変異の間には非常に大きな不均一性があるため)、また患者の残留α-GAL活性に応じて変化し得る。非限定的な例として、以下の用量およびレジメン、すなわち、25mg 1日2回(b.i.d);50mg 1日1回;50mg b.i.d.;50mg 隔日1回、75mg 1日1回;75mg b.i.d.;100mg 1日1回;100mg b.i.d.;150mg 1日1回;150mg b.i.d.、150mg 隔日1回;250mg 1日1回;250mg b.i.d.および250mg 隔日1回が、大多数の「救済可能な」個体においてα-GALを増加させるのに十分であると考えられる。具体的な実施形態において、用量は、50mg 1日1回;50mg 隔日1回;150mg 1日1回;150mg 隔日1回である。1つ以上の実施形態において、これらの用量は、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは塩酸塩以外のその塩に関する。一部の実施形態において、これらの用量は、遊離塩基に関する。代替的な実施形態において、これらの用量は、1-デオキシガラクトノジリマイシンの塩に関する。さらなる実施形態において、1-デオキシガラクトノジリマイシンの塩は、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩である。150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩は、123mgの1-デオキシガラクトノジリマイシンの遊離塩基形態に等しいことが特筆される。したがって、1つ以上の実施形態において、用量は、隔日1回の150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは塩酸塩以外のその塩である。さらなる実施形態において、用量は、隔日1回の150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩である。他の実施形態において、用量は、隔日1回の123mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン遊離塩基である。
本発明に従うDGJの投与は、任意の投与経路に好適な処方物中で行われ得るが、好ましくは、経口投薬形態(例えば、錠剤、カプセル剤または溶液)で投与される。一例として、患者は、各々25mg、50mg、75mg、100mgまたは150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは塩酸塩以外のその塩を含有するカプセル剤を経口投与される。
特定の実施形態において、SPC(例えば、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩)の用量は、約25mg~約250mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは塩酸塩以外のその塩である。さらなる実施形態において、SPC(例えば、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩)の用量は、隔日約150mgである。一部の実施形態において、SPC(例えば、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩)は、経口投与される。1つ以上の実施形態において、SPC(例えば、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩)は、注射によって投与される。SPCは、薬学的に受容可能なキャリアを伴い得るが、これは、投与方法によって決まり得る。
本発明の一実施形態において、シャペロン化合物は、単独療法として投与され、任意の投与経路に好適な形態(例えば、経口用に錠剤もしくはカプセル剤もしくは液体の形態、注射用の滅菌水溶液の状態、または投与前のインビトロでの酵素凝集を防ぐための再構成の間もしくは直後に補充酵素の処方物に添加される乾燥した凍結乾燥粉末の状態を含む)であり得る。
シャペロン化合物が経口投与用に処方される場合、錠剤またはカプセル剤は、薬学的に受容可能な賦形剤(例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム))を用いて従来手段によって調製され得る。錠剤は、当該技術分野においてよく知られた方法によってコーティングされ得る。経口投与用の液体調製物は、例えば、溶液、シロップもしくは懸濁液の形態を取り得るか、またはそれらは、使用前に水もしくは別の好適なビヒクルでの構成のための乾燥製品として提供され得る。そのような液体調製物は、薬学的に受容可能な添加剤(例えば、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコールまたは分画植物油);および保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸))を用いて従来手段によって調製され得る。こうした調製物は、緩衝塩、矯味矯臭剤、着色剤および甘味剤も適宜含有し得る。経口投与用の調製物は、活性シャペロン化合物の制御放出をもたらすように好適に処方され得る。
非経口/注射可能用途に好適なシャペロン化合物の薬学的処方物は、一般的に、滅菌水溶液(水溶性の場合)、または滅菌注射可能溶液もしくは分散液の即座の調製のための分散体および滅菌粉末を含む。全ての場合において、形態は滅菌したものでなければならず、易注射性(easy syringability)が存在する程度に流動性でなければならない。それは、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、かつ微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用から保護されなければならない。キャリアは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、および植物油を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動度は、例えばコーティング(例えば、レシチン)の使用により、分散液の場合は必要とされる粒径の維持により、および界面活性剤の使用により、維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、ソルビン酸など)によってもたらされ得る。多くの場合において、等張剤(例えば、糖または塩化ナトリウム)を含むことが賢明である。注射可能組成物の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の組成物中での使用によってもたらされ得る。
滅菌注射可能溶液は、精製酵素およびシャペロン化合物を、必要に応じて上に列挙したいくつかの他の成分と共に、必要とされる量で適切な溶媒に組み込み、続いて濾過滅菌または最終滅菌を行うことにより調製される。一般的に、分散液は、種々の滅菌有効成分を、塩基性分散媒および上に列挙したものからの必要とされる他の成分を含有する滅菌ビヒクルに組み込むことにより調製される。滅菌注射可能溶液の調製のための滅菌粉末の場合は、好ましい調製方法は、有効成分と任意の追加の所望の成分との粉末を、予め滅菌濾過されたそれらの溶液から生じる真空乾燥および凍結乾燥技術である。
処方物は、賦形剤を含有し得る。処方物中に含まれ得る薬学的に受容可能な賦形剤は、緩衝液(例えば、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、および重炭酸緩衝液)、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質;タンパク質(例えば、血清アルブミン、コラーゲン、およびゼラチン);塩(例えば、EDTAまたはEGTA、および塩化ナトリウム);リポソーム;ポリビニルピロリドン;糖(例えば、デキストラン、マンニトール、ソルビトール、およびグリセロール);プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール(例えば、PEG-4000、PEG-6000);グリセロール;グリシンまたは他のアミノ酸;ならびに脂質である。処方物用の緩衝液系には、クエン酸緩衝液;酢酸緩衝液;重炭酸緩衝液;およびリン酸緩衝液が含まれる。リン酸緩衝液が好ましい実施形態である。
シャペロン化合物の投与経路は、経口(好ましくは)または非経口(静脈内、皮下、動脈内、腹腔内、眼、筋内、口腔粘膜、直腸、膣、眼窩内、大脳内、皮内、頭蓋内、脊髄内、脳室内、髄腔内、槽内、嚢内、肺内、鼻腔内、経粘膜、経皮、または経吸入を含む)であり得る。
シャペロン化合物の上述の非経口処方物の投与は、調製物の定期的なボーラス注射によって行われ得るか、または外部(例えば、i.v.バッグ)もしくは内部(例えば、生体侵食性移植片)にあるレザバーからの静脈内または腹腔内投与によって投与され得る。
薬学的処方物および投与に関する実施形態は、本発明の他の実施形態(例えば、ファブリー病の患者を処置する方法、ファブリー病と診断されたもしくはファブリー病に罹っていると疑われる患者においてα-ガラクトシダーゼAを増強する方法、ファブリー病と診断された患者を処置するための医薬の製造のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンの使用、またはファブリー病と診断された患者の処置における使用のためのα-ガラクトシダーゼAの薬理学的シャペロンに関する実施形態、ならびに対応可能な変異、SPCおよびその好適な投薬量に関する実施形態)のうちの任意のものと組み合わされ得る。
1つ以上の実施形態において、シャペロンは、酵素補充療法と組み合わせて投与される。酵素補充療法は、注入を手段として野生型酵素または生物学的に機能的な酵素を外因的に導入することにより、タンパク質の量を増加させる。この治療法は、上で言及したように、リソソーム蓄積障害のファブリー病を含む多くの遺伝子障害のために開発された。注入後、外因性酵素は、非特異的または受容体特異的な機構を通じて組織により取り込まれると考えられる。一般的に、取り込み効率は高くなく、外因性タンパク質の循環時間は短い。加えて、外因性タンパク質は不安定であり、急速な細胞内分解を受け、かつその後の処置との有害な免疫学的反応の可能性を有している。1つ以上の実施形態において、シャペロンは、補充酵素と同時に投与される。一部の実施形態において、シャペロンは、補充酵素と共処方される。
本明細書全体にわたる「一実施形態」、「特定の実施形態」、「様々な実施形態」、「1つ以上の実施形態」、または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記述される特定の特徴、構造、材料、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。したがって、本明細書全体にわたる様々な場所での「1つ以上の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「様々な実施形態において」、「一実施形態において」または「実施形態において」などの句の出現は、必ずしも本発明の同じ実施形態に言及しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わされ得る。
本明細書において本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、これらの実施形態は本発明の原理および用途を例示するだけのものであることが理解されるべきである。種々の改変および変化が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく本発明の方法および装置に加えられ得ることが当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある改変および変化を含むことが意図される。
実施例1:G9331A変異に対するDGJの効果
G9331A GLA変異の存在が確認された男性ファブリーリンパ芽球株におけるDGJの効果を、その大きさおよびEC50値を決定するために調査した。G9331Aまたは正常ヒト(陽性コントロール)リンパ芽球を、1ウェル(96ウェルプレート中)当たり25,000細胞で播種した。次いで、このリンパ芽球を、±DGJ(10点濃度-応答曲線)で5日間インキュベートした。両細胞株に対する濃度範囲は5nM~100μMであった。細胞溶解産物中のα-Gal A活性を、4-MUG合成蛍光基質を用いて測定した。DGJの存在下における最大レベルを、S字状濃度-応答曲線の頂点と定義する。次いで、α-Gal AレベルがDGJに応答して上昇したか否かを決定した。酵素アッセイ結果を、ウェスタンブロットにより確認した。
図4および図5は、それぞれ、変異リンパ芽球および正常リンパ芽球における代表的なα-Gal A活性データを示している。これらの図に見られるように、G9331Aリンパ芽球および正常陽性コントロールリンパ芽球の両方が、DGJに応答して濃度依存的なレベルの上昇を示す。データ点は、四重反復試験測定の平均±SEMである。データは、4つの独立した実験の結果である。
α-Gal A活性の概要を以下の表1に示す。
Figure 0007098529000002
表1に示されるように、この「漏出スプライス部位」変異のため、G9331Aリンパ芽球は、正常ベースラインよりも低いα-Gal A活性を有している。しかしながら、最大相対的増加およびEC50値は、正常リンパ芽球のものと実質的に等しい。加えて、正常リンパ芽球のものと同様のα-Gal Aタンパク質レベルの著しい上昇が、このファブリー細胞株のDGJインキュベーションに応答して見られた(G9331A、2.1±0.5倍、n=3;野生型、1.8±0.1倍、n=6)。IVS4+919G→Aリンパ芽球からの結果は、「好適な変異」についてのHEK-293細胞基準、すなわち、10μMのDGJとのインキュベーション後にベースラインより1.2倍以上高い相対的増加および野生型の3%以上である絶対的増加を有するα-Gal A変異形態、を満たす。
ウェスタンブロットデータを用いて先の結果を確認した。40μgの溶解産物をレーンごとに添加した。G9331Aリンパ芽球の代表的なウェスタンブロットデータを図6に示す。この図に見られるように、ウェスタンブロットは、1mMのDGJとのインキュベーション後の約1.68倍のα-Gal Aタンパク質の増加を証明した。このデータは、4つの独立した実験の結果である。
実施例2:G9331変異の確認
細胞株において、G9331Aの存在を、配列決定により確認した。IVS4+919G→A変異の部位を取り巻く1000bpの断片を、変異リンパ芽球(2つの異なる培養物を試験した)または正常ヒトリンパ芽球(野生型)から単離したゲノムDNAからPCR増幅した。各断片を配列決定し(Genewiz)、IVS4+919G→A変異の存在をG9331A細胞の両ロットにおいて確認し、野生型配列を正常細胞において確認した。
実施例3:G9331リンパ芽球中の野生型GLAの不在の確認
次に、野生型GLA遺伝子が、試験された変異リンパ芽球中に存在しないことを確認した。3つの別個の方策を用いて、野生型GLA遺伝子がG9331Aリンパ芽球中に存在しないことを証明した。3つ全ての方策において、G9331Aリンパ芽球試料を、野生型リンパ芽球およびG9331A:野生型の1:1混合物のものと比較した。野生型リンパ芽球からの試料は、その方法が純粋な野生型遺伝子の検出に感受性であることを明らかにするためのコントロールとして使用した。変異リンパ芽球および野生型リンパ芽球の混合物からの試料は、その方法がヘテロ接合女性から予想されるレベルでの野生型遺伝子の検出に感受性であることを明らかにするためのコントロールとして使用した(女性G9331Aリンパ芽球が入手不可能であるため)。
方策1:Y染色体特異的遺伝子のPCR増幅
この方策下において、細胞株が男性由来のものであれば、野生型GLAの不在が確認される。細胞株が男性由来のものであれば、その時は変異対立遺伝子のみが存在し得る。SRY(性決定領域Y、614bp;ACC#L08063)をY染色体特異的遺伝子として選択してPCR増幅した。SRYはIVS4+919G→Aリンパ芽球(FB-11細胞株)から容易に増幅されたのであるが、このことは、これらの細胞からのゲノムDNAがY染色体を含有することを示している。SRYはまた、野生型リンパ芽球(野生型細胞株)からおよび2つの細胞株からのゲノムDNAの1:1混合物からも容易に増幅されたのであるが、このことは、野生型ゲノムDNAもY染色体を含有することを示している。この実験の結果は図7に示されており、そこには、3つ全ての試料におけるSRYの存在が明確に示されている。要するに、これらの結果は、IVS4+919G→Aリンパ芽球細胞株が男性であることを示している。
方策2:G9331AにおけるBfa I制限部位の不在を証明する
この方策において、ゲノムDNAのPCR増幅断片中のG9331AにおけるBfa I制限部位の不在は、野生型GLA遺伝子の不在を示す。G9331A変異は、野生型GLA遺伝子中に存在するBfa I切断部位を存続不可能にする(Ishii et al,Am J Hum Genet 70:994-1002,2002参照)。
IVS4+919を取り巻く334bpのPCR断片をリンパ芽球ゲノムDNAから増幅し、Bfa Iで消化し、アガロースゲル電気泳動により分析した。IVS4+919におけるG→Aトランジション変異は、Bfa I認識部位を除去する。野生型GLAが存在すれば、その時は3つのバンドが予想される(334bp、122bpおよび212bp)。IVS4+919G→Aが存在すれば、その時は1つのバンドのみが予想される(334bp)。
結果を図8に示す。この図に示されるように、コントロール野生型リンパ芽球からの試料および2つの細胞株からのゲノムDNAの1:1混合物からの試料において、Bfa I消化を検出した。IVS4+919G→Aリンパ芽球においてはBfa I消化は全く検出されなかったのであるが、このことは、野生型GLA遺伝子がこれらの細胞のゲノムDNA中に全く存在しなかったことを示している。
方策3:G9331Aの純粋な存在を示す最適な配列決定結果を示す
この方策を用いて、ほんの少しの野生型「G」も含まない変異「A」ヌクレオチドの純粋な存在を明確に示す最適な配列決定結果をもたらした。まず、1962bpのPCR断片を、遺伝子特異的プライマーおよび高忠実度ポリメラーゼを用いてリンパ芽球ゲノムDNAから増幅した。次に、721bpのPCR断片を、1962bpの断片内の内部プライマーを用いて増幅した。3つのPCR試料を、DNA配列決定のためにGeneWizに送付した。図9に示される結果は、「A」のみが試料中に存在し、「G」のみが野生型試料中に存在し、そして「A」および「G」の両方が混合試料中に存在することを示唆している。このことは、野生型GLA遺伝子が、IVS4+919G→Aリンパ芽球のゲノムDNA中に全く存在しないことを示唆している。
要約および結論
上の実施例に示されるように、アッセイにおいておよびウェスタンブロットによって評価されたα-Gal A活性は、α-Gal AレベルがG9331Aリンパ芽球においてDGJに応答して上昇することを示している。さらに、DGJへの応答の大きさは、「好適な変異」についてのファブリー薬理遺伝学的参照表基準を満たす。さらに、細胞は男性であることが明らかにされ、野生型GLA対立遺伝子の証拠がこれらの細胞中のゲノムDNAから全く検出されなかったことから、応答は、IVS4+919G→A GLAから産生されたα-Gal Aからのもののみであると確認された。このことは、G9331Aスプライス部位変異を有する細胞がシャペロンでの処置に応答すること、したがって、この遺伝子型を有するファブリー患者がDGJでの処置のために選択され得ることを示している。

Claims (12)

  1. ファブリー病と診断された患者を処置するための医薬の製造のための1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩の使用であって、前記患者は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有している、使用。
  2. 前記変異が、配列番号:1に対するG9331Aである、請求項1に記載の使用。
  3. 前記医薬が、1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩の約25mg~約250mgの用量で投与される、請求項1または2に記載の使用。
  4. 1-デオキシガラクトノジリマイシンの前記塩が、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩であ前記医薬が、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩の約25mg~約250mgの用量で投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記用量が、隔日約150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは前記塩酸塩以外のその塩である、請求項3または4に記載の使用。
  6. 前記医薬が、経口または注射によって投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩を含むファブリー病の処置における使用のための薬学的組成物であって、患者は、α-ガラクトシダーゼAをコードする核酸配列のイントロン4にスプライス部位変異を有している、薬学的組成物。
  8. 前記変異が、配列番号:1に対するG9331Aである、請求項7に記載の薬学的組成物。
  9. 1-デオキシガラクトノジリマイシンまたはその塩の約25mg~約250mgの用量で投与される、請求項7または8に記載の薬学的組成物。
  10. 1-デオキシガラクトノジリマイシンの前記塩が、1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩であ1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩の約25mg~約250mgの用量で投与される、請求項7~9のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  11. 前記用量が、隔日約150mgの1-デオキシガラクトノジリマイシン塩酸塩または等用量の1-デオキシガラクトノジリマイシンもしくは前記塩酸塩以外のその塩である、請求項9または10に記載の薬学的組成物。
  12. 経口または注射によって投与される、請求項7~11のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
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