JP2021512046A - 大環状化合物およびそれらの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、任意に薬学的に許容し得る担体において、腫瘍血管リモデリング効果および/または抗CAF(がん関連線維芽細胞)活性を有する新規化合物(例として、式(I)、(II)、(III)、(IV)で表される化合物)またはその薬学的に許容し得る塩を、ならびにこれらの医学的使用を提供する。

Description

関連出願
本出願は、米国特許法119条(e)の下、2017年11月15日に出願された米国仮特許出願第62/586,416号;および2018年8月20日に出願された米国仮特許出願第62/765,310号に対して、優先権を主張するものであり;これらのそれぞれの内容全体は、参照により本明細書に取り込まれる。
技術分野
本発明は、腫瘍血管リモデリング効果および抗CAF(がん関連線維芽細胞)活性を有する新規大環状化合物を提供する。本化合物は、例として、対象におけるがんを処置し、または腫瘍成長を阻害するのに使用することができる。
背景
ハリコンドリンB等のハリコンドリンは、海綿Halichondria okadaiから元来単離され(例えば、D. Uemura et al. "Norhalichondrin A: An Antitumor Polyether Macrolide from a Marine Sponge" J. Am. Chem. Soc., 107, 4796 (1985)を参照)、引き続いてAxinella sp.、Phakellia carteri、およびLissondendryx spにおいて見出された抗がん剤である。ハリコンドリンBの全合成は、1992年に公開された(例えば、Y. Kishi et al. "Total Synthesis of Halichondrin B and Norhalichondrin B" J. Am. Chem. Soc.,114, 3162 (1992)を参照)。ハリコンドリンBは、チューブリン重合、微小管集合、ベータ5−チューブリン架橋、チューブリンへのGTPおよびビンブラスチン結合、ならびにチューブリン依存GTP加水分解のインビトロ阻害を示し、インビトロおよびインビボにおいて抗腫瘍活性を示した(例えば、Y. Hirata et al. "Halichondrins-antitumor polyether macrolides from a marine sponge" Pure Appl. Chem., 58, 701 (1986);Fodstad et al. "Comparative antitumor activities of halichondrins and vinblastine against human tumor xenografts" J. of Experimental Therapeutics & Oncology 1996; 1: 119, 125)。
エリブリンメシル酸塩(Halaven(商標))は、ハリコンドリンBに基づいて開発されたものであり(例えば、1999年12月23日に公開された国際公開WO 1999/065894;2005年12月15日に公開された国際公開WO 2005/118565;およびW. Zheng et al. "Macrocyclic ketone analogues of halichondrin B" Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14, 5551-5554 (2004)を参照)、現在、例えば、転移性乳癌および進行性脂肪肉腫を処置するために多くの国で臨床的に使用されている。
ハリコンドリンを記述する追加の特許刊行物としては、1995年7月25日に発効されたKishiらの米国特許第5,436,238号;1994年8月16日に発効されたKishiらの米国特許第5,338,865号;およびKishiらが出願したWO 2016/003975があり、これらのすべては、ハーバード大学の学長およびフェローに譲渡されている。
例えば、米国特許第5,786,492号;米国特許第8,598,373号;米国特許第9,206,194号;米国特許第9,469,651号;WO/2009/124237A1;WO/1993/017690A1;WO/2012/147900A1;米国特許第7,982,060号;米国特許第8,618,313号;米国特許第9,303,050号;米国特許第8,093,410号;米国特許第8,350,067号;米国特許第8,975,422号;米国特許第8,987,479号;米国特許第8,203,010号;米国特許第8,445,701号;米国特許第8,884,031号;米国特許第RE45,324号;米国特許第8,927,597号;米国特許第9,382,262号;米国特許第9,303,039号;WO/2009/046308A1;WO/2006/076100A3;WO/2006/076100A2;WO/2015/085193A1;WO/2016/176560A1;米国特許第9,278,979;米国特許第9,029,573;WO/2011/094339A1;WO/2016/179607A1;WO/2009/064029A1;WO/2013/142999A1;WO/2015/066729A1;WO/2016/038624A1;およびWO/2015/000070A1も参照。
がん関連線維芽細胞(Cancer Associated Fibroblast)(CAF)は、様々な固形腫瘍内で広く見出されている、間質細胞である。CAFは、血管新生、浸潤、転移において重要な役割を果たすことがよく知られている。例えば、浸潤性乳がん(例えば、M. Yamashita et al. "Role of stromal myofibroblasts in invasive breast cancer: stromal expression of alpha-smooth muscle actin correlates with worse clinical outcome" Breast Cancer 19, 170, 2012を参照)および食道腺癌(例えば、T. J. Underwood et al. "Cancer-associated fibroblasts predict poor outcome and promote periostin-dependent invasion in esophageal adenocarcinoma" Journal of Pathol., 235, 466, 2015を参照)においてCAFの量と臨床予後との間に密接な相関が存在する。CAFは、様々な腫瘍、例えば、乳がん(例えば、P. Farmer et al. "A stroma-related gene signature predicts resistance to neoadjuvant chemotherapy in breast cancer" Nature Medicine., 15(1), 68, 2009を参照)および頭頸部がん(例えば、S. Schmitz et al. "Cetuximab promotes epithelial to mesenchymal transition and cancer associated fibroblasts in patients with head and neck cancer" Oncotarget, 6 (33), 34288, 2015;Y. Matsuoka et al. "The tumor stromal features are associated with resistance to 5-FU-based chemoradiotherapy and a poor prognosis in patients with oral squamous cell carcinoma" APMIS 123(3), 205, 2015を参照)等における抵抗性と相関することも報告された。
こうして、腫瘍血管リモデリング効果および抗CAF活性はがん微小環境の改善をもたらし、腫瘍の処置を補助することが観察された。血管は、腫瘍の成長にとって必須である。腫瘍内の再構築された血管は、低酸素の軽減することに加えて腫瘍に抗がん剤を送達することができる。エリブリンは、異常な腫瘍血管系をリモデリングすることでより機能的な微小環境に変化させ、腫瘍内部の低酸素を軽減することで腫瘍の悪性度を低減することが報告されている。異常ながん微小環境は、薬物耐性および転移を増強するので、これらの悪性化を抑えるエリブリンの明白な能力は、その臨床的利益に寄与しうる(例えば、Y. Funahashi et al. "Eribulin mesylate reduces tumor microenvironment abnormality by vascular remodeling in preclinical human breast cancer models" Cancer Sci. 105 (2014), 1334-1342を参照)。腫瘍血管リモデリング効果および抗CAF活性を有する抗がん剤は、今日現在で報告されていない。
進展がなされたにもかかわらず、さらなる化合物が、腫瘍およびがんを有する患者の研究および医療を進展させるのに必要とされている。
本発明の概要
ハリコンドリン、ならびにその類似体および誘導体は、有用な治療剤である。ハリコンドリン、その類似体および誘導体の例、ならびにそれを使用する方法、およびそれを合成する方法は、例として、2017年5月18日に公開された米国特許出願第2017/0137437号;2016年1月7日に公開された国際公開WO 2016/003975;2018年8月16日に公開された米国特許出願第2018/0230164号;2016年11月3日に公開された国際公開WO 2016/176560;2018年6月7日に公開された米国公開第2018/0155361号;および2018年4月10日に発行された米国特許第9,938,288号(その各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
本発明は、大環状化合物(例として、式(I)、(II)、(III)、および(IV)で表される化合物)、およびその薬学的に許容し得る塩、およびその同位体標識された誘導体、およびそれらの医薬組成物に関する。ある態様において、化合物は、腫瘍血管リモデリング効果および抗CAF活性を有する。
本発明はまた、例として、対象における増殖性疾患を処置するための、本明細書に提供される化合物を使用する方法を提供する。ある態様において、本発明は、がんを有する対象を処置するための、本明細書に提供される化合物を使用する方法、細胞において有糸分裂を可逆的にまたは不可逆的に阻害するための方法、およびin vitroで、in vivoで、または対象において腫瘍成長を阻害するための方法を含む。別の側面において、本発明は、本明細書に提供される化合物またはその薬学的に許容し得る塩、またはその医薬組成物を含むキットを提供する。
一側面において、本発明は、式(I):
Figure 2021512046

式中:
N1およびRN2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または窒素保護基であるか、任意にRN1およびRN2は、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルまたは任意に置換されていてもよいヘテロアリールを形成し;
P1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
は、水素または−ORXaであり;
は、水素または−ORYaであり;
XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
nは、1または2である、
で表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体を提供する。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下:
Figure 2021512046

またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体ではない。
別の側面において、本発明は、式(II):
Figure 2021512046

式中:
N1およびRN2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または窒素保護基であるか、任意に、RN1およびRN2は、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルまたは任意に置換されていてもよいヘテロアリールを形成し;
P1およびRP2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
は、水素または−ORXaであり;
は、水素または−ORYaであり;
XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
mは、0または1である、
で表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体を提供する。
別の側面において、本発明は、式(III):
Figure 2021512046

式中:
は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
P1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
は、水素または−ORXaであり;
は、水素または−ORYaであり;
XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
nは、1または2である、
で表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体を提供する。
ある態様において、式(III)で表される化合物は、以下:
Figure 2021512046


またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体ではない。
もう1つの側面において、本発明は、式(IV):
Figure 2021512046
式中:
は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
P1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
は、水素または−ORXaであり;
は、水素または−ORYaであり;
XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する、
で表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体を提供する。
一側面において、本発明は、化合物(1):
Figure 2021512046

である化合物およびその薬学的に許容し得る塩;およびその同位体標識された誘導体を取り上げる。ある態様において、化合物(1)は、本発明から除外される。ある態様において、化合物(1)およびそのすべての薬学的に許容し得る塩およびその同位体標識された誘導体は、本発明から除外される。
別の側面では、本発明は、本明細書において提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、1種またはそれ以上の薬学的に許容し得る賦形剤または担体を含んでもよい。医薬組成物は、処置の所望の目標を実現するために、組合せで、交互に、または他の種類の同調した療法において1種またはそれ以上の追加の治療剤をさらに含んでもよい。
本発明は、本明細書において提供される化合物またはその中間体を合成する方法も特徴として備える。合成中間体も、本発明の一部として本明細書に提供されている。
本明細書において提供される化合物は、図面および例で実証した通り、腫瘍血管リモデリングに対して有利な効果を有し、抗CAF活性を有することが発見された。それ故、本明細書において提供される化合物は、増殖性疾患の処置に使用できる可能性を有する。ある態様において、化合物は、がん(例えば、頭頸部の扁平上皮細胞癌(squamous cell carcinoma of the head and neck)(SCCHN)、乳がん、食道がん、子宮がん、卵巣がん、直腸結腸がん、子宮内膜がん、胃部がん、肺がん、小腸がん(small bowel cancer)、膀胱がん、汗腺がん、肉腫、希少がん)の処置に用いられ得る。
別の側面において、本発明は、本明細書において提供される化合物またはその薬学的に許容し得る塩またはその同位体標識された誘導体によって、対象における、がんの処置または腫瘍成長を阻害するための方法を提供する。ある態様において、本発明は、本明細書において提供される化合物もしくは薬学的に許容し得る塩、またはその同位体標識された誘導体によって、対象、典型的にはヒトにおける腫瘍血管リモデリング効果および/または抗CAF活性を有する化合物に応答する任意の腫瘍成長またはがんを阻害する方法を提供する。
本明細書において提供される化合物もしくは薬学的に許容し得る塩、またはその同位体標識された誘導体、あるいはその組成物は、患者にとって有益な結果を提供する任意の他の活性剤と組み合わせて投与してもよい。1つの態様において、本明細書において提供される化合物は、免疫療法と組み合わせて、交互に、または他の同調した療法において使用される。ある態様において、免疫療法は、以下でより詳細に記載される通り、抗EGFR(上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor))抗体、抗HER2(ヒト上皮成長因子受容体(human epidermal growth factor receptor))抗体、抗PD−1抗体、または抗PD−L1抗体である。
例えば、それを必要とする対象、典型的にはヒトにおける頭頸部扁平上皮細胞癌(SCCHN)を処置する方法であって、対象に、抗EGFR(上皮成長因子受容体)mAb療法と組み合わせて、有効量の本明細書において提供される化合物もしくは薬学的に許容し得る塩、またはその同位体標識された誘導体、あるいはその組成物を投与することを含む方法が提供されている。ある特定の実施形態では、抗EGFR(上皮成長因子受容体)mAbは、セツキシマブである。
別の例として、それを必要とする対象、典型的にはヒトにおける乳がんを処置する方法であって、前記対象に、HER2(ヒト上皮成長因子受容体)mAb療法と組み合わせて、有効量の本明細書において提供される化合物もしくは薬学的に許容し得る塩、またはその同位体標識された誘導体、あるいはその組成物を投与することを含む方法が提供されている。ある特定の実施形態では、HER2(ヒト上皮成長因子受容体)mAbは、トラスツズマブである。他の実施形態では、化合物は、伝統的な化学療法、例えば、アドリアマイシン、シクロホスファミド、タキソール等、または抗エストロゲン、例えば、選択的エストロゲン受容体機能調整剤モジュレーター(selective estrogen modulator)(SERM)、選択的エストロゲン受容体機能抑制剤(Selective Estrogen Receptor Downregulator)(SERD)、部分的もしくは完全エストロゲン阻害剤(フルベストラント等)等、またはパルボシクリブ(ファイザー)等のCDK4/6阻害剤等と組み合わせて乳がんを処置するのに使用されてもよい。
本発明の別の態様は、剤形パッケージであってもよいキット内の、水和物、溶媒和物、多形、立体異性体またはその組成物の形態であってもよい式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物もしくは薬学的に許容し得る塩、またはその同位体標識された誘導体を提供する。本明細書に記載のキットは、化合物またはその医薬組成物の単回用量または複数回用量を含みうる。本発明のキットは、提供される治療剤形を使用するための指示書(例えば、キット内に含まれる化合物または医薬組成物を使用するための指示書)を含んでもよい。
したがって本発明は、少なくとも以下の特徴を含む:
(i)水和物、溶媒和物、立体異性体または多形の形態であってもよい式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体;
(ii)増殖性疾患を処置するための、ヒト等の対象に、有効量の、水和物、溶媒和物、立体異性体または多形の形態であってもよい本明細書において提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体を投与することを含む処置のための方法。ある態様において、増殖性疾患は、がんである。ある態様において、がんは、頭頸部がん(例えば、頭頸部の扁平上皮細胞癌(SCCHN)、腺様嚢胞癌)、乳がん、食道がん(例えば、食道腺癌)、子宮がん(例えば、子宮肉腫)、卵巣がん、結腸直腸がん、または肉腫(例えば、滑膜肉腫、血管肉腫、軟部組織肉腫、線維肉腫、子宮肉腫、内膜肉腫)である。ある態様において、がんは、膀胱がん(例えば、尿路上皮癌)、胃部がん、小腸がん(例えば、小腸腺癌)、子宮内膜がん、肺がん(例として、非小細胞肺がん)または汗腺がん(例として、汗腺癌)である。ある態様において、がんは、希少がんである;
(iii)ヒト等の対象に、有効量の、血管リモデリング効果および/または抗CAF活性に応答する医学的障害を処置するのに使用するための、水和物、溶媒和物、または多形の形態であってもよい本明細書において提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体を投与することを含む処置の方法;
(iv)増殖性疾患を処置するのに使用するための、水和物、溶媒和物、立体異性体または多形の形態であってもよい式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体。ある態様において、増殖性疾患は、がんである。ある態様において、がんは、頭頸部の扁平上皮細胞癌(SCCHN)、乳がん、食道がん、子宮がん、卵巣がん、直腸結腸がん、子宮内膜がん、または肉腫である;
(v)血管リモデリング効果および/または抗CAF活性(例として、がんまたは腫瘍などの増殖性疾患)に応答する医学的障害を処置するのに使用するための、水和物、溶媒和物、立体異性体または多形の形態であってもよい式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体;
(vi)式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩の重水素化誘導体;
(vii)上述した水和物、溶媒和物、立体異性体または多形の形態であってもよい本明細書において提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体、あるいは活性化合物の一実施形態が製造において使用されることを特徴とする、血管リモデリング効果および/または抗CAF活性に応答する増殖性疾患(例として、がんまたは腫瘍)の処置または予防するための治療的使用を意図した医薬を製造する工程;
(viii)実質的に純粋な形態(例えば、少なくとも90または95%)での式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体;
(ix)薬学的に許容し得る担体または賦形剤中の、水和物、溶媒和物、立体異性体または多形の形態であってもよい本明細書において提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体の薬学的に許容し得る組成物;
(x)任意で薬学的に許容し得る担体または賦形剤中にあってもよい、水和物、溶媒和物、立体異性体または多形の形態であってもよい本明細書において提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体の薬学的に許容し得る剤形;
(xi)血管リモデリング効果および/または作用の抗CAF活性以外の機構によって作用する本明細書に記載の障害(例として、増殖性疾患)を処置するための式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体;ならびに
(xii)本明細書に記載の化合物、および合成中の中間体を製造する方法。
添付の図面は、本明細書に取り込まれており、本明細書の一部を構成し、本発明のいくつかの実施形態を例示し、本記載と一緒に、本発明の非限定的な例を提供する。
図1は、薬理試験例4に記載した単剤療法としてのFaDu皮下異種移植マウスモデル(頭頸部がん)における化合物(1)の抗腫瘍効果を示す図である。
図2は、薬理試験例5に記載した単剤療法としてのOSC−19皮下異種移植マウスモデル(頭頸部がん)に対する化合物(1)の抗腫瘍活性を示す図である。
図3は、薬理試験例6に記載した単剤療法としてのHCC−1806皮下異種移植(乳がん)マウスモデルに対する化合物(1)の抗腫瘍活性を示す図である。
図4は、薬理試験例7に記載したセツキシマブと組み合わせたFaDu皮下異種移植マウスモデルにおける化合物(1)の抗腫瘍効果を示す図である。CTX=セツキシマブ。
図5は、薬理試験例8に記載したトラスツズマブと組み合わせたKPL−4皮下異種移植マウスモデル(乳がん)における化合物(1)の抗腫瘍活性を示す図である。
図6A〜6Bは、HSC−2同所移植マウスモデルにおける化合物(1)の抗腫瘍効果を示す図である。ヌードマウスの舌に、ルシフェラーゼ遺伝子を導入したHSC−2(1×10細胞/スポット)を移植した。ルシフェラーゼ遺伝子を導入したHSC−2の量をインビボイメージングシステム(In Vivo Imaging System)(IVIS)を用いて分析した。データは、各マウスの舌における生物発光レベルを示す。 図6A〜6Bは、HSC−2同所移植マウスモデルにおける化合物(1)の抗腫瘍効果を示す図である。16匹のマウスの代表的な生物発光イメージ。CDDP、CTX、CDDP+CTXを対照として使用した。これらは、SCCHNがん患者治療の治療において現在使用されている。CDDP=シスプラチン、CTX=セツキシマブ。
図7A〜7Bは、HSC−2同所移植マウスモデルにおけるセツキシマブと組み合わせた化合物(1)の延命効果を示す図である。ヌードマウスの舌に、ルシフェラーゼ遺伝子を導入したHSC−2(1×10細胞/スポット)を移植した。データは、薬物で処置してから100日目までの生存曲線を示す(n=16)。CDDP=シスプラチン、CTX=セツキシマブ。P<0.0001対化合物(1)またはCTX単独(ログランク(マンテル−コックス)検定)。 図7A〜7Bは、HSC−2同所移植マウスモデルにおけるセツキシマブと組み合わせた化合物(1)の延命効果を示す図である。ルシフェラーゼ遺伝子を導入したHSC−2の量を、インビボイメージングシステム(IVIS)を用いて分析した。100日目の化合物(1)+CTX組合せ群の10匹の生存マウスの生物発光イメージ。RBW=体重比(relative body weight)。
図8A〜8Bは、FaDu異種移植マウスモデルにおける放射線療法と組み合わせた化合物(1)の抗腫瘍効果を示す図である。ヌードマウスの右大腿に、ルシフェラーゼ遺伝子を導入したFaDu(5×10細胞/スポット)を移植した。移植して13日後に、マウスをランダムに割り当て(n=6)、1日目と8日目に90μg/kgで化合物(1)を静脈注射し、4日目と11日目に18Gyの放射線療法(RT)(Radio Therapy)を行い、または行わなかった。ルシフェラーゼ遺伝子を導入したFaDu細胞の量を、インビボイメージングシステム(IVIS)を使用して分析した。データは、1日目までの相対的な生物発光レベルの平均およびSEMを示す(n=6)。SEM=平均の標準誤差(standard error of the mean)。P<0.05対29日目の無治療(対応のないt検定)。 図8A〜8Bは、FaDu移植マウスモデルにおける放射線療法と組み合わせた化合物(1)の抗腫瘍効果を示す図である。29日目のマウス6匹の各群の代表的な生物発光イメージ。RT=放射線療法。
図9は、抗mPD−1抗体と組み合わせた化合物(1)の抗腫瘍活性を示す図である。CT26皮下移植シンジェニックマウスモデル(結腸癌)を、2週間にわたって、それぞれQ7Dスケジュールおよび週2回スケジュールで化合物(1)および抗mPD−1抗体を用いて処置した。結果は、腫瘍体積の平均±SEM(mm)(n=8)を示す。
図10Aは、セルフリーチューブリン重合アッセイを示す図である。化合物(1)は、チューブリン重合に対する阻害活性を有する。 図10Bは、微小管動態アッセイを示す図である。化合物(1)は、微小管動態に対する阻害活性も有する。
図11は、化合物(1)が、食道がん(OE21、OE33、TE−8)および子宮肉腫(MES−SA、MES−SA/Dx5−Rx1)細胞株における強力な抗増殖剤であることを示す図である。
図12は、化合物(1)が、単剤療法として乳がんおよび卵巣がん(それぞれ、KPL−4およびCOLO−704)の皮下異種移植モデルにおいて強力な抗腫瘍活性を有することを示す図である。
図13は、がん微小環境に対する化合物(1)の効果を示す図である。示した通り、化合物(1)は、微小血管密度を増大させる。P<0.05、**P<0.01、****P<0.0001対無治療(ダネット多重比較検定)。
図14は、がん微小環境に対する化合物(1)の効果を示す図である。示した通り、化合物(1)は、α−SMA陽性CAFを低減させる。
図15は、化合物(1)が、FaDu皮下移植モデルにおいて、CAF由来の細胞外マトリックス(ECM)タンパク質を低下させることを示す図である。1日目に化合物(1)180μg/kg+セツキシマブを単回投与し、6日目にFaDu移植腫瘍を収集した。
図16は、化合物(1)が、FaDu皮下移植モデルにおいて、セツキシマブとの用量依存的な効果を呈することを示す図である。単回投与、n=6。化合物(1)およびセツキシマブ(CTX)は、FaDu移植モデルにおいて1日目に投与した。
図17は、単剤療法としての軟部肉腫移植マウスモデルにおける抗腫瘍効果を示す図である。MES−SA(ヒト子宮肉腫)、HT−1080(ヒト線維肉腫)、およびCTG−2041(ヒト血管肉腫)が示されている。
図18は、子宮内膜がん移植マウスモデルにおける単剤療法での抗腫瘍効果を示す図である。HEC−108およびAN3CA(子宮内膜がん)が示されている。
図19A〜19Hは、化合物(1)が、in vitroCAF誘導システムにおいて、TGF−β誘導性α−SMA発現を減少させたことを示す。図19A。BJ細胞(正常ヒト肺線維芽細胞)を、強力な、選択的TGF−β−RインヒビターであるA83−01の不在下(ビヒクル)または存在下で、3日間、FaDu細胞と共培養し、α−SMAの発現を免疫蛍光染色(赤色)により分析した。試料をまた、がん細胞染色のために抗パン−ヒトサイトケラチン(緑色)で、および核染色のためにDAPI(青色)で染色した。図19B〜19F。BJ細胞を化合物(1)(免疫蛍光染色データにおいて0.15nmol/Lおよびウェスタンブロット分析データにおいて指定された濃度)およびTGF−βで2日間処置した。図19B〜19E。試料を、指定された抗体(赤色)で、および核染色のためにDAPI(青色)で染色した。図19F。ウェスタンブロット画像および画像の定量化。グラフは、非処置群に対する処置群の結果の比率を示す。図19Gおよび19F。BJ細胞をデファクチニブ(1μmol/L)およびTGF−βで2日間前処置した。用いたレンズ倍率は、×4(図19A、19B、19C、19G、および19H)または×40(図19Dおよび19E)であった。
図20Aおよび20B。α−SMA(図20A)、ホスホ−S6−リボソームタンパク質(Ser235/236)(図20B)について、TGF−β(1ng/mL)および指定された濃度の化合物(1)で処置されたBJ細胞の免疫蛍光画像の定量化。図20C。フォスファチジルイノシトール3キナーゼインヒビターであるダクトリシブの不在下または存在下におけるTGF−βにより処置されたBJ細胞の免疫蛍光分析。図20D。TGF−βによる刺激の30分後、化合物(1)(72時間)で前処置されたBJ細胞におけるリン酸化されたSmad2/3の免疫蛍光分析。アセチル化−α−チューブリンを化合物(1)の活性を確認するために共染色した。図20E。TGF−βおよび指定された濃度の化合物(1)で処置されたBJ細胞におけるSmad2/3のウェスタンブロット分析。用いたレンズ倍率は、×4(図20C)または×40(図20D)であった。
図21A。FAKインヒビターであるA83−01の不在下または存在下においてFaDuと共培養したTIG3におけるα−SMA(赤色)およびパン−サイトケラチン(緑色)の免疫蛍光染色。図21Bおよび21C。α−SMA(図21B)、ホスホ−S6−リボソームタンパク質(Ser235/236)(図21C)についての、TGF−βおよび指定された濃度の化合物(1)で処置されたTIG3細胞の免疫蛍光画像の定量化。図21Dおよび21E。β−チューブリン(図21D)、ホスホ−FAK(Tyr397)(図21E)についての、化合物(1)の不在下または存在下において、TGF−βで処置されたTIG3細胞の免疫蛍光分析。図21F。α−SMAについてダクトリシブ100nmol/Lの不在下または存在下において、TGF−βで処置されたTIG3細胞の免疫蛍光分析。図21Gおよび21H。α−SMA(図21G)、ホスホ−S6−リボソームタンパク質(Ser235/236)(図21H)についてデファクチニブ3μmol/Lの不在下または存在下において、TGF−βで処置されたTIG3細胞の免疫蛍光分析。レンズ倍率は、×4(図21A、21F〜21H)または×40(図21Dおよび21E)であった。
図22。単剤治療としての、マウスにおけるHS−SY−II(ヒト滑膜肉腫)異種移植モデルにおける化合物(1)の抗腫瘍効果。
図23。単剤治療としての、マウスにおけるHuTu80(ヒト十二指腸細胞)異種移植モデルにおける化合物(1)の抗腫瘍効果。
定義
化学的定義
特定の官能基および化学用語の定義は、以下により詳細に記載される。化学元素は、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.、内表紙に従って識別され、特定の官能基は、一般にそれらに記載されるように定義される。加えて、有機化学の一般原則、ならびに特定の機能的部分および反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載される。
本明細書に記載の化合物は、1以上の不斉中心を含み得、よって様々な立体異性体形態、例として、鏡像異性体および/またはジアステレオマーにおいて存在し得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態であり得、またはラセミ混合物を含む立体異性体の混合物および1以上の立体異性体に富んだ混合物の形態であり得る。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)およびキラル塩の形成および結晶化を含む、当業者に知られている方法により混合物から単離され得;または好ましい異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);およびWilen, S.H., Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照。本発明は、加えて、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、あるいは、様々な異性体の混合物として、化合物を包含する。
そのように述べられない限り、本明細書で描かれる構造はまた、1以上の同位体が濃縮された原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置換、19Fの18Fによる置換、または12Cの13Cまたは14Cによる置換を除いて本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。かかる化合物は、例えば、生物学的アッセイにおいて分析的ツールまたはプローブとして、有用である。
広範な値が列挙される場合、それは、各値および範囲内のサブ範囲を包含することが意図される。例えば、「C1〜6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1〜6、C1〜5、C1〜4、C1〜3、C1〜2、C2〜6、C2〜5、C2〜4、C2〜3、C3〜6、C3〜5、C3〜4、C4〜6、C4〜5、およびC5〜6アルキルを包含することが意図される。
用語「脂肪族」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、および炭素環基を指す。同じく、用語「ヘテロ脂肪族」は、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、および複素環式基を指す。
用語「アルキル」は、1個から10個までの炭素原子を有する直鎖または分枝の飽和の炭化水素基のラジカルを指す(「C1〜10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜9個の炭素原子を有する(「C1〜9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する(「C1〜8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜7個の炭素原子を有する(「C1〜7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する(「C1〜6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を有する(「C1〜5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する(「C1〜4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を有する(「C1〜3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を有する(「C1〜2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキル」)。C1〜6アルキル基の例は、メチル(C)、エチル(C)、プロピル(C)(例として、n−プロピル、イソ−プロピル)、ブチル(C)(例として、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル)、ペンチル(C)(例として、n−ペンチル、3−ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3−メチル−2−ブタニル、三級のアミル)、およびヘキシル(C)(例として、n−ヘキシル)を包含する。アルキル基の追加の例は、n−へプチル(C)、n−オクチル(C)等を含む。そのように特定されない限り、アルキル基の各存在は、独立して、非置換の(「非置換アルキル」)または1以上の置換基(例として、Fなどのハロゲン)で置換されている(「置換アルキル」)。ある態様において、アルキル基は、非置換のC1〜10アルキル(非置換のC1〜6アルキルなど、例として、−CH(Me)、非置換のエチル(Et)、非置換のプロピル(Pr、例として、非置換のn−プロピル(n−Pr)、非置換のイソ−プロピル(i−Pr))、非置換のブチル(Bu、例として、非置換のn−ブチル(n−Bu)、非置換のtert−ブチル(tert−Buまたはt−Bu)、非置換のsec−ブチル(sec−Bu)、非置換のイソ−ブチル(i−Bu))である。ある態様において、アルキル基は、置換されたC1〜10アルキル(置換されたC1〜6アルキルなど、例として、−CF、Bn)である。
用語「ハロアルキル」は、1以上の水素原子が、独立して、ハロゲン、例として、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードよって置き換えられている、置換されたアルキル基である。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜8個の炭素原子を有する(「C1〜8ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜6個の炭素原子を有する(「C1〜6ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜4個の炭素原子を有する(「C1〜4ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜3個の炭素原子を有する(「C1〜3ハロアルキル」)。いくつかの態様において、ハロアルキル部分は、1〜2個の炭素原子を有する(「C1〜2ハロアルキル」)。ハロアルキル基の例は、−CHF、−CHF、−CF、−CHCF、−CFCF、−CFCFCF、−CCl、−CFCl、−CFCl等を含む。
用語「ヘテロアルキル」は、親鎖内に、(すなわち、親鎖の隣接する炭素原子間に挿入されている)酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例として、1、2、3、または4個のヘテロ原子)をさらに含む、および/または親鎖の1以上の末端位(単数または複数)において置かれている、アルキル基を指す。ある態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1〜10個の炭素原子および1以上のヘテロ原子を有する飽和基を指す(「ヘテロC1〜10アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1〜9個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜9アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1〜8個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜8アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1〜7個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜7アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1〜6個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜6アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1〜5個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜5アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1〜4個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜4アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1〜3個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜3アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1〜2個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1〜2アルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、1個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロCアルキル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキル基は、親鎖内に、2〜6個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC2〜6アルキル」)。そのように特定されない限り、ヘテロアルキル基の各存在は、独立して、非置換の(「非置換ヘテロアルキル」)または1以上の置換基で置換された(「置換ヘテロアルキル」)である。ある態様において、ヘテロアルキル基は、非置換のヘテロC1〜10アルキルである。ある態様において、ヘテロアルキル基は、置換されたヘテロC1〜10アルキルである。
用語「アルケニル」は、2〜10個の炭素原子および1以上の炭素−炭素二重結合(例として、1、2、3、または4個の二重結合)を有する直鎖または分枝の炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1以上の炭素−炭素二重結合は、内部(2−ブテニルなど)または末端(1−ブテニルなど)に存在し得る。C2〜4アルケニル基の例は、エテニル(C)、1−プロペニル(C)、2−プロペニル(C)、1−ブテニル(C)、2−ブテニル(C)、ブタジエニル(C)等を含む。C2〜6アルケニル基の例は、先述のC2〜4アルケニル基ならびにペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)等を含む。アルケニルの追加の例は、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)等を含む。そのように特定されない限り、アルケニル基の各存在は、独立して、非置換であるか(「非置換アルケニル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。ある態様において、アルケニル基は、非置換のC2〜10アルケニルである。ある態様において、アルケニル基は、置換されたC2〜10アルケニルである。アルケニル基において、その立体化学が特定されていないC=C二重結合(例として、−CH=CHCHまたは
Figure 2021512046
)は、(E)−または(Z)−二重結合であってもよい。
用語「ヘテロアルケニル」は、親鎖内に(すなわち、親鎖の隣接する炭素原子間に挿入されている)酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例として、1、2、3、または4ヘテロ原子)をさらに含む、または親鎖の1以上の末端位(単数または複数)において置かれているアルケニル基を指す。ある態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に、2〜10個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する基を指す(「ヘテロC2〜10アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に、2〜9個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜9アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に、2〜8個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜8アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に、2〜7個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜7アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に、2〜6個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜6アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に、2〜5個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜5アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に、2〜4個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜4アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に、2〜3個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜3アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に、2〜6個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜6アルケニル」)。そのように特定されない限り、ヘテロアルケニル基の各存在は、独立して、非置換であるか(非置換のヘテロアルケニル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルケニル」)。ある態様において、ヘテロアルケニル基は、非置換のヘテロC2〜10アルケニルである。ある態様において、ヘテロアルケニル基は、置換されたヘテロC2〜10アルケニルである。
用語「アルキニル」は、2〜10個の炭素原子および1個以上の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝の炭化水素基のラジカルを指す(例として、1、2、3、または4個の三重結合)(「C2〜10アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1個以上の炭素−炭素三重結合は、内部(2−ブチニルなど)または末端(1−ブチニルなど)に存在し得る。C2〜4アルキニル基の例は、限定せずに、エチニル(C)、1−プロピニル(C)、2−プロピニル(C)、1−ブチニル(C)、2−ブチニル(C)等を含む。C2〜6アルケニル基の例は、先述のC2〜4アルキニル基ならびにペンチニル(C)、ヘキシニル(C)等を含む。アルキニルの追加の例は、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)等を含む。そのように特定されない限り、アルキニル基の各存在は、独立して、非置換であるか(「非置換アルキニル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は、非置換のC2〜10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は、置換されたC2〜10アルキニルである。
用語「ヘテロアルキニル」は、親鎖内に(すなわち、親鎖の隣接する炭素原子間に挿入されている)酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例として、1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子)をさらに含む、または親鎖1以上の末端位(単数または複数)においておかれているアルキニル基を指す。ある態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に、2〜10個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する基を指す(「ヘテロC2〜10アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に、2〜9個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜9アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に、2〜8個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜8アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に、2〜7個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜7アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に、2〜6個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個以上のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜6アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に、2〜5個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜5アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に、2〜4個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜4アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に、2〜3個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜3アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に、2〜6個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2〜6アルキニル」)。そのように特定されない限り、ヘテロアルキニル基の各存在は、独立して、非置換であるか(非置換のヘテロアルキニル」)または1以上の置換基によって置換されている(「置換ヘテロアルキニル」)。ある態様において、ヘテロアルキニル基は、非置換のヘテロC2〜10アルキニルである。ある態様において、ヘテロアルキニル基は、置換されたヘテロC2〜10アルキニルである。
用語「カルボシクリル」または「炭素環式」は、非芳香環系において、3〜14個の環状炭素原子(「C3〜14カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜10個の環状炭素原子を有する(「C3〜10カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜8個の環状炭素原子(「C3〜8カルボシクリル」)を有する。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜7個の環状炭素原子(「C3〜7カルボシクリル」)を有する。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜6個の環状炭素原子(「C3〜6カルボシクリル」)を有する。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、4〜6個の環状炭素原子(「C4〜6カルボシクリル」)を有する。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5〜6個の環状炭素原子(「C5〜6カルボシクリル」)を有する。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5〜10個の環状炭素原子(「C5〜10カルボシクリル」)を有する。例示のC3〜6カルボシクリル基は、限定せずに、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)等を含む。例示のC3〜8カルボシクリル基は、限定せずに、先述のC3〜6カルボシクリル基ならびにシクロへプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロへプタジエニル(C)、シクロへプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)等を含む。例示のC3〜10カルボシクリル基は、限定せずに、先述のC3〜8カルボシクリル基ならびにシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)等を含む。上記の例が例証するように、ある態様において、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)または多環式(例として、二環系(「二環式カルボシクリル」)または三環系(「三環式カルボシクリル」)などの、縮合環系、架橋環系またはスピロ環系を含有する)のいずれかであり、飽和であるか、または1個以上の炭素−炭素二重結合または三重結合を含有し得る。「カルボシクリル」はまた、カルボシクリル環が、上に定義されるとおり、付着点がカルボシクリル環上あり、そのような場合において、炭素の数が、炭素環系中の炭素の数を指定し続ける、1以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合している環系も含む。そのように特定されない限り、カルボシクリル基の各存在は、独立して、非置換であるか(「非置換カルボシクリル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。ある態様において、カルボシクリル基は、非置換のC3〜14カルボシクリルである。ある態様において、カルボシクリル基は、置換されたC3〜14カルボシクリルである。
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は、3〜14個の環状炭素原子を有する、単環式の、飽和カルボシクリル基である(「C3〜14シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜10個の環状炭素原子を有する(「C3〜10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜8個の環状炭素原子を有する(「C3〜8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜6個の環状炭素原子を有する(「C3〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、4〜6個の環状炭素原子を有する(「C4〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5〜6個の環状炭素原子を有する(「C5〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5〜10個の環状炭素原子を有する(「C5〜10シクロアルキル」)。C5〜6シクロアルキル基の例は、シクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)を含む。C3〜6シクロアルキル基の例は、先述のC5〜6シクロアルキル基ならびにシクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)を含む。C3〜8シクロアルキル基の例は、先述のC3〜6シクロアルキル基ならびにシクロへプチル(C)およびシクロオクチル(C)を含む。そのように特定されない限り、シクロアルキル基の各存在は、独立して、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある態様において、シクロアルキル基は、非置換のC3〜14シクロアルキルである。ある態様において、シクロアルキル基は、置換されたC3〜14シクロアルキルである。
用語「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、環状炭素原子および1〜4個の環状ヘテロ原子を有し、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される、3〜14員の非芳香環系のラジカルを指す(「3〜14員のヘテロシクリル」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、付着点は、原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)または多環式(例として、二環系(「二環式カルボシクリル」)または三環系(「三環式カルボシクリル」)などの、縮合環系、架橋環系またはスピロ環系を含有する))のいずれかであり、飽和であるか、または1以上の炭素−炭素二重結合または三重結合を含有し得る。ヘテロシクリル多環式環系は、1つまたは両方の環において、1以上のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロシクリル」はまた、ここでヘテロシクリル環が、上に定義されるとおり、1以上のカルボシクリル基と縮合されており、ここで付着点は、カルボシクリルまたはヘテロシクリル環または環系のいずれか上にあり、ここでヘテロシクリル環が、上に定義されるとおり、1以上のアリール基またはヘテロアリール環と縮合されており、ここで付着点は、ヘテロシクリル環上にあり、そのような場合において、環員数が、ヘテロシクリル環系中の環員数を指定し続ける、環系を含む。そのように特定されない限り、ヘテロシクリルの各存在は、独立して、非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある態様において、ヘテロシクリル基は、非置換の3〜14員のヘテロシクリルである。ある態様において、ヘテロシクリル基は、置換された3〜14員のヘテロシクリルである。
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環状炭素原子および1〜4個の環状ヘテロ原子を有し、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される、5〜10員の非芳香環系である(「5〜10員のヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環状炭素原子および1〜4個の環状ヘテロ原子を有し、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される、5〜8員の非芳香環系である(「5〜8員のヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環状炭素原子および1〜4個の環状ヘテロ原子を有し、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される、5〜6員の非芳香環系である(「5〜6員のヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環状ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環状ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環状ヘテロ原子を有する。
例示の、1個のヘテロ原子を含有する3員のヘテロシクリル基は、限定せずに、アジリジニル、オキシラニル、およびチイラニルを含む。例示の、1個のヘテロ原子を含有する4員のヘテロシクリル基は、限定せずに、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルを含む。例示の、1個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロシクリル基は、限定せずに、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル−2,5−ジオンを含む。例示の、2個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロシクリル基は、限定せずに、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニルを含む。例示の、3個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロシクリル基は、限定せずに、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを含む。例示の、1個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロシクリル基は、限定せずに、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルを含む。例示の、2個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロシクリル基は、限定せずに、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、およびジオキサニルを含む。例示の、3個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロシクリル基は、限定せずに、トリアジニルを含む。例示の、1個のヘテロ原子を含有する7員のヘテロシクリル基は、限定せずに、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルを含む。例示の、1個のヘテロ原子を含有する8員のヘテロシクリル基は、限定せずに、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルを含む。例示の二環式ヘテロシクリル基は、限定せずに、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ−1,8−ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、インドリニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニル、1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−b]ピロリル、5,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,2−b]ピロリル、6,7−ジヒドロ−5H−フロ[3,2−b]ピラニル、5,7−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピラニル、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロフロ[3,2−c]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−b]ピリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジニル等を含む。
用語「アリール」は、芳香環系において提供される限り、6〜14個の環状炭素原子および0個のヘテロ原子を有する、単環式または多環式(例として、二環式または三環式)4n+2芳香環系(例として、環状アレイ中に6、10、または14のΠ電子共有を有する)のラジカルを指す(「C6〜14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は、6個の環状炭素原子を有する(「Cアリール」;例として、フェニル)。いくつかの態様において、アリール基は、10個の環状炭素原子を有する(「C10アリール」;例として、1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は、14環状炭素原子を有する(「C14アリール」;例として、アントラシル)。「アリール」はまた、ここでアリール環が、ここで上に定義されるとおり、1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合しており、ここでラジカルまたは不着点はアリール環上にあり、そのような場合において、炭素原子の数が、アリール環系中の炭素原子の数を指定し続ける、環系を含む。そのように特定されない限り、アリール基の各存在は、独立して、非置換であるか(「非置換アリール」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。ある態様において、アリール基は、非置換のC6〜14アリールである。ある態様において、アリール基は、置換されたC6〜14アリールである。
用語「ヘテロアリール」は、芳香環系において提供される限り、環状炭素原子および1〜4個の環状ヘテロ原子を有し、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される、5〜14員の単環式または多環式(例として、二環式、三環式)4n+2芳香環系(例として、環状アレイ中に6、10、または14のΠ電子共有を有する)のラジカルを指し、(「5〜14員のヘテロアリール」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、付着点は、原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール多環式環系は、1つまたは両方の環において、1以上のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロアリール」は、ここでヘテロアリール環が、上に定義されるとおり、1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合されており、ここで付着点は、ヘテロアリール環上であり、そのような場合において、環員数が、ヘテロアリール環系中の環員数を指定し続ける、環系を含む。「ヘテロアリール」はまた、ここでヘテロアリール環が、上に定義されるとおり、1以上のアリール基と縮合されており、ここで付着点は、アリールまたはヘテロアリール環のいずれか上であり、そのような場合において、環員数が、縮合された多環式(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員数を指定し続ける、環系を含む。多環ヘテロアリール基、ここで1つの環は、ヘテロ原子を含有せず(例として、インドリル、キノリニル、カルバゾリル等)、付着点が、いずれかの環上、すなわち、ヘテロ原子を有する環のいずれかにあり得る(例として、2−インドリル)、または環が、ヘテロ原子を含有しない(例として、5−インドリル)。
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香環系において提供される限り、環状炭素原子および1〜4個の環状ヘテロ原子を有し、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される、5〜10員の芳香環系である(「5〜10員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香環系において提供される限り、環状炭素原子および1〜4個の環状ヘテロ原子を有し、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される、5〜8員の芳香環系である(「5〜8員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香環系において提供される限り、環状炭素原子および1〜4個の環状ヘテロ原子を有し、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される、5〜6員の芳香環系である(「5〜6員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1環ヘテロ原子を有する。そのように特定されない限り、ヘテロアリール基の各存在は、独立して、非置換であるか(「非置換ヘテロアリール」)または1以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある態様において、ヘテロアリール基は、非置換の5〜14員のヘテロアリールである。ある態様において、ヘテロアリール基は、置換された5〜14員のヘテロアリールである。
例示の、1個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基は、限定せずに、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルである。例示の、2個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基は、限定せずに、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルである。例示の、3個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基は、限定せずに、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルである。例示の、4個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基は、限定せずに、テトラゾリルである。例示の、1個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリール基は、限定せずに、ピリジニルである。例示の、2個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリール基は、限定せずに、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルである。例示の、3または4個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリール基は、限定せずに、トリアジニルおよびテトラジニル夫々である。例示の、1個のヘテロ原子を含有する7員のヘテロアリール基は、限定せずに、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルである。例示の5,6−二環式ヘテロアリール基は、限定せずに、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを含む。例示の6,6−二環式ヘテロアリール基は、限定せずに、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルを含む。例示の三環式ヘテロアリール基は、限定せずに、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、およびフェナジニルを含む。
接尾辞「−エン」を基に添えることは、基が二価部分であることを指し、例として、アルキレンは、アルキルの二価部分であり、アルケニレンは、アルケニルの二価部分であり、アルキニレンは、アルキニルの二価部分であり、ヘテロアルキレンは、ヘテロアルキルの二価部分であり、ヘテロアルケニレンは、ヘテロアルケニルの二価部分であり、ヘテロアルキニレンは、ヘテロアルキニルの二価部分であり、カルボシクリレンは、カルボシクリルの二価部分であり、ヘテロシクリレンは、ヘテロシクリルの二価部分であり、アリーレンは、アリールの二価部分であり、およびヘテロアリーレンは、ヘテロアリールの二価部分である。
基は、明示的に別段の定めがない限り、任意に置換されていてもよい。用語「任意に置換されている」は、置換されているかまたは置換されていないことを指す。ある態様において、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、任意に置換されている。「任意に置換されている」は、置換されていていても、または非置換であってもよい基(例として、「置換」または「非置換」アルキル、「置換」または「非置換」アルケニル、「置換」または「非置換」アルキニル、「置換」または「非置換」ヘテロアルキル、「置換」または「非置換」ヘテロアルケニル、「置換」または「非置換」ヘテロアルキニル、「置換」または「非置換」カルボシクリル、「置換」または「非置換」ヘテロシクリル、「置換」または「非置換」アリールまたは「置換」または「非置換」ヘテロアリール基)を指す。一般に、用語「置換されている」は、基上に存在する少なくとも1つの水素が、許容される置換基、例として、置換が、安定した化合物、例として、転位、環化、脱離、またはその他の反応などによる自発的な転換を受けない化合物をもたらす、置換基で置き換えられていることを意味する。特に示されない限り、「置換」基は、基の1以上の置換可能な位置に置換基を有し、任意の所与の構造の1超の位置が置換されている場合、置換基は各位置で同じかまたは異なっている。用語「置換されている」は、有機化合物のすべての許容可能な置換基による置換を含むことが企図され、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載のいずれかの置換基を含む。本発明は、安定な化合物に到達するために、あらゆるそのような組み合わせが企図される。本発明の目的では、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の原子価を満たし、安定な部分の形成をもたらす、本明細書に記載される任意の好適な置換基を有していてもよい。本発明は、本明細書に記載されている例示的な置換基によっていかなる様式において限定されることを意図しない。
例示の炭素原子置換基は、これらに限定されないが、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORaa、−ON(Rbb、−N(Rbb、−N(Rbb 、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−COH、−CHO、−C(ORcc、−COaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−C(=O)N(Rbb、−OC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−OC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−NRbbSOaa、−SON(Rbb、−SOaa、−SOORaa、−OSOaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa、−OSi(Raa−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−P(=O)(N(Rbb、−OP(=O)(N(Rbb、−NRbbP(=O)(Raa、−NRbbP(=O)(ORcc、−NRbbP(=O)(N(Rbb、−P(Rcc、−P(ORcc、−P(Rcc 、−P(ORcc 、−P(Rcc、−P(ORcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc 、−OP(ORcc、−OP(ORcc 、−OP(Rcc、−OP(ORcc、−B(Raa、−B(ORcc、−BRaa(ORcc)、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールを含み、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5Rdd基で置換されており;ここでXは、対イオンであり;
または、炭素原子上の2つのジェミナルな水素は、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbb、または=NORccで置き換えられており;
aaの各存在は、独立して、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基は連結して、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5Rdd基で置換されており;
bbの各存在は、独立して、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)(N(Rcc、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基は連結して、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5Rdd基で置換されており;ここでXは、対イオンであり;
ccの各存在は、独立して、水素、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基は連結して、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5Rdd基で置換されており;
ddの各存在は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff 、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff、−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)(ORee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5Rgg基で置換されているか、または2つのジェミナルなRdd置換基は連結して、=Oまたは=Sを形成し得;ここでXは、対イオンであり;
eeの各存在は、独立して、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、および3〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5Rgg基で置換されており;
ffの各存在は、独立して、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6〜10アリールおよび5〜10員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基は、連結して3〜10員のヘテロシクリルまたは5〜10員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5Rgg基で置換されており;および
ggの各存在は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル) 、−NH(C1〜6アルキル) 、−NH(C1〜6アルキル)、−NH 、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−COH、−CO(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜6アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH、−NHC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜6アルキル)、−SON(C1〜6アルキル)、−SONH(C1〜6アルキル)、−SONH、−SO(C1〜6アルキル)、−SOO(C1〜6アルキル)、−OSO(C1〜6アルキル)、−SO(C1〜6アルキル)、−Si(C1〜6アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル)−C(=S)N(C1〜6アルキル)、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(OC1〜6アルキル)、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールであるか;または2つのジェミナルなRgg置換基は連結して、=Oまたは=Sを形成し得;ここでXは、対イオンである。
ある態様において、置換基は、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル) 、−NH(C1〜6アルキル) 、−NH(C1〜6アルキル)、−NH 、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−COH、−CO(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜6アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)NH、−NHC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜6アルキル)、−SON(C1〜6アルキル)、−SONH(C1〜6アルキル)、−SONH、−SO(C1〜6アルキル)、−SOO(C1〜6アルキル)、−OSO(C1〜6アルキル)、−SO(C1〜6アルキル)、−Si(C1〜6アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル)−C(=S)N(C1〜6アルキル)、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(OC1〜6アルキル)、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールを含むか;または2つのジェミナルな水素は連結して=Oまたは=Sを形成し得;ここでXは、対イオンである。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は、基−OHを指す。用語「置換ヒドロキシル」または「置換ヒドロキシル」は、拡張により、
親分子に直接付着している酸素原子が水素以外の基で置換されている、ヒドロキシル基を指し、−ORaa、−ON(Rbb、−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−OC(=O)N(Rbb、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb、−OS(=O)Raa、−OSOaa、−OSi(Raa、−OP(Rcc、−OP(Rcc 、−OP(ORcc、−OP(ORcc 、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、および−OP(=O)(N(Rbbから選択される基を含み、ここでX、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。
用語「アミノ」は、基−NHを指す。用語「置換アミノ」は、拡張により、一置換アミノ、二置換アミノ、または三置換アミノを指す。ある態様において、「置換アミノ」は、一置換アミノまたは二置換アミノ基である。
用語「一置換アミノ」は、親分子に直接付着している窒素原子が1つの水素および水素以外の1つの基で置換されているアミノ基を指し、−NH(Rbb)、−NHC(=O)Raa、−NHCOaa、−NHC(=O)N(Rbb、−NHC(=NRbb)N(Rbb、−NHSOaa、−NHP(=O)(ORcc、および−NHP(=O)(N(Rbbから選択される基を含み、ここでRaa、RbbおよびRccは、本明細書に定義されるとおりであり、基−NH(Rbb)のRbbは、水素ではない。
用語「二置換アミノ」は、親分子に直接付着している窒素原子が水素以外の2つの基で置換されているアミノ基を指し、−N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbSOaa、−NRbbP(=O)(ORcc、および−NRbbP(=O)(N(Rbbから選択される基を含み、ここで、Raa、RbbおよびRccは、親分子に直接付着している窒素原子が水素で置換されていないことを条件に、本明細書で定義されているとおりである。
用語「三置換アミノ」は、親分子に直接付着している窒素原子が3つの基で置換されているアミノ基を指し、−N(Rbbおよび−N(Rbb から選択される基を含み、ここで、RbbおよびXは、本明細書で定義されているとおりである。
用語「スルホニル」は、−SON(Rbb、−SOaa、および−SOORaaから選択される基を指し、ここで、RaaおよびRbbは、本明細書で定義されているとおりである。
用語「スルフィニル」は、基−S(=O)Raaから選択される基を指し、ここで、Raaは、本明細書で定義されているとおりである。
用語「アシル」は、一般式−C(=O)RX1、−C(=O)ORX1、−C(=O)−O−C(=O)RX1、−C(=O)SRX1、−C(=O)N(RX1、−C(=S)RX1、−C(=S)N(RX1、−C(=S)O(RX1)、−C(=S)S(RX1)、−C(=NRX1)RX1、−C(=NRX1)ORX1、−C(=NRX1)SRX1、および−C(=NRX1)N(RX1を有する基を指し、ここでRX1は、水素;ハロゲン;置換または非置換のヒドロキシル;置換または非置換のチオール;置換または非置換のアミノ;置換または非置換のアシル、環式または非環式の、置換または非置換の、分枝のまたは非分枝の脂肪族;環式または非環式の、置換または非置換の、分枝のまたは非分枝のヘテロ脂肪族;環式または非環式の、置換または非置換の、分枝のまたは非分枝のアルキル;環式または非環式の、置換または非置換の、分枝のまたは非分枝のアルケニル;置換または非置換のアルキニル;置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、脂肪族オキシ(aliphaticoxy)、ヘテロ脂肪族オキシ(heteroaliphaticoxy)、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ(aliphaticthioxy)、ヘテロ脂肪族チオキシ(heteroaliphaticthioxy)、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、モノ−またはジ−脂肪族アミノ(mono- or di- aliphaticamino)、モノ−またはジ−ヘテロ脂肪族アミノ(mono- or di- heteroaliphaticamino)、モノ−またはジ−アルキルアミノ、モノ−またはジ−ヘテロアルキルアミノ、モノ−またはジ−アリールアミノ、またはモノ−またはジ−ヘテロアリールアミノであるか;または2つのRX1基は、一緒になって、5〜6員の複素環式の環を形成する。例示のアシル基は、アルデヒド(−CHO)、カルボン酸(−COH)、ケトン、アシルハロゲン化物、エステル、アミド、イミン、カーボナート、カルバマート、および尿素を含む。アシル置換基は、これらに限定されないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載のいずれかの置換基(例として、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシ等(これらの各々は、さらに置換されていても置換されていなくてもよい))を含む。
用語「カルボニル」は、親分子に直接付着している炭素原子が、sp混成であり、かつ酸素、窒素または硫黄原子で置換されている基を指し、例として、ケトン(例として、−C(=O)Raa)、カルボン酸(例として、−COH)、アルデヒド(−CHO)、エステル(例として、−COaa、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa)、アミド(例として、−C(=O)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−C(=S)N(Rbb)、およびイミン(例として、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa)、−C(=NRbb)N(Rbb)から選択される基であり、ここでRaaおよびRbbは、本明細書に定義されるとおりである。
用語「シリル」は、基−Si(Raaを指し、ここでRaaは、本明細書に定義されるとおりである。
用語「オキソ」は、基=Oを指し、用語「チオオキソ」は、基=Sを指す。
窒素原子は、原子価が許す限り、置換または非置換であり得、一級、二級、三級、および四級窒素原子を含み得る。例示の窒素原子置換基は、これらに限定されないが、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(ORcc、−P(=O)(Raa、−P(=O)(N(Rcc、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールを含むか、またはN原子に付着している2つのRcc基は、連結して、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上に定義されるとおりである。
ある態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基(本明細書において「アミノ保護基」とも称される)である。窒素保護基は、これらに限定されないが、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル(例として、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリール基を含み、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは、本明細書に定義されるとおりである。窒素保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されるものを含む。
例えば、アミド基(例として、−C(=O)Raa)などの窒素保護基は、これらに限定されないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミドおよびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを含む。
カルバマート基(例として、−C(=O)ORaa)などの窒素保護基は、これらに限定されないが、メチルカルバマート、エチルカルバマート、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバマート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバマート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバマート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバマート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバマート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバマート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバマート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバマート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバマート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバマート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバマート、t−ブチルカルバマート(BOCまたはBoc)、1−アダマンチルカルバマート(Adoc)、ビニルカルバマート(Voc)、アリルカルバマート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバマート(Ipaoc)、シンナミルカルバマート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバマート(Noc)、8−キノリルカルバマート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバマート、アルキルジチオカルバマート、ベンジルカルバマート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバマート(Moz)、p−ニトベンジルカルバマート、p−ブロモベンジルカルバマート、p−クロロベンジルカルバマート、2,4−ジクロロベンジルカルバマート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバマート(Msz)、9−アントリルメチルカルバマート、ジフェニルメチルカルバマート、2−メチルチオエチルカルバマート、2−メチルスルホニルエチルカルバマート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバマート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバマート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバマート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバマート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバマート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバマート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバマート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバマート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバマート、5−ベンズイソオキサゾリルメチルカルバマート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバマート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバマート、3,5−ジメトキシベンジルカルバマート、o−ニトロベンジルカルバマート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバマート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバマート、t−アミルカルバマート、S−ベンジルチオカルバマート、p−シアノベンジルカルバマート、シクロブチルカルバマート、シクロヘキシルカルバマート、シクロペンチルカルバマート、シクロプロピルメチルカルバマート、p−デシルオキシベンジルカルバマート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバマート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバマート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバマート、1,1−ジメチルプロピニルカルバマート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバマート、2−フラニルメチルカルバマート、2−ヨードエチルカルバマート、イソボルニルカルバマート、イソブチルカルバマート、イソニコチニルカルバマート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバマート、1−メチルシクロブチルカルバマート、1−メチルシクロヘキシルカルバマート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバマート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバマート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバマート、フェニルカルバマート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバマート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバマート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバマート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバマートを含む。
スルホンアミド基(例として、−S(=O)aa)などの窒素保護基は、これらに限定されないが、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを含む。
他の窒素保護基は、これらに限定されないが、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロム−またはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミダート、ジベンジルスホロアミダート、ジフェニルスホロアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を含む。ある態様において、窒素保護基は、ベンジル(Bn)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、p−メトキシベンジル(PMB)、3,4−ジメトキシベンジル(DMPM)、p−メトキシフェニル(PMP)、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、トリフェニルメチル(Tr)、トシル(Ts)、ブロシル(Bs)、ノシル(Ns)、メシル(Ms)、トリフリル(Tf)、またはダンシル(Ds)である。
ある態様において、酸素原子上に存在する置換基は、酸素保護基(本明細書において「ヒドロキシル保護基」とも称される)である。酸素保護基は、これらに限定されないが、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc 、−P(ORcc、−P(ORcc 、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、および−P(=O)(N(Rbbを含み、ここで、X、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。酸素保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)において、詳細に記載されるものを含む。
例示の酸素保護基は、これらに限定されないが、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサn−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキ
シフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4"−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4"−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4"−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4"−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルマート、ベンゾイルホルマート、アセタート、クロロアセタート、ジクロロアセタート、トリクロロアセタート、トリフルオロアセタート、メトキシアセタート、トリフェニルメトキシアセタート、フェノキシアセタート、p−クロロフェノキシアセタート、3−フェニルプロピオナート、4−オキソペンタノアート(レブリナート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロアート、アダマントアート、クロトナート、4−メトキシクロトナート、ベンゾアート、p−フェニルベンゾアート、2,4,6−トリメチルベンゾアート(メシトアート)、メチルカルボナート、9−フルオレニルメチルカルボナート(Fmoc)、エチルカルボナート、2,2,2−トリクロロエチルカルボナート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカルボナート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカルボナート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボナート(Peoc)、イソブチルカルボナート、ビニルカルボナート、アリルカルボナート、t−ブチルカルボナート(BOCまたはBoc)、p−ニトロフェニルカルボナート、ベンジルカルボナート、p−メトキシベンジルカルボナート、3,4−ジメトキシベンジルカルボナート、o−ニトロベンジルカルボナート、p−ニトロベンジルカルボナート、S−ベンジルチオカルボナート、4−エトキシ−1−ナフチルカルボナート、メチルジチオカルボナート、2−ヨードベンゾアート、4−アジドブチラート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)ベンゾアート、2−ホルミルベンゼンスルホナート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチラート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾアート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセタート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセタート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセタート、クロロジフェニルアセタート、イソブチラート、モノスクシノアート、(E)−2−メチル−2−ブタノアート、o−(メトキシアシル)ベンゾアート、α−ナフトアート、ニトラート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバマート、ボラート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェナート、スルファート、メタンスルホナート(メシラート)、ベンジルスルホナート、およびトシラート(Ts)を含む。ある態様において、酸素保護基は、シリルである。ある態様において、酸素保護基は、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロイルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、トリエチルシリル(TES)、トリメチルシリル(TMS)、トリイソプロピルシロキシメチル(TOM)、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、アリルカルボナート、2,2,2−トリクロロエチルカルボナート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルボナート、メトキシメチル(MOM)、1−エトキシエチル(EE)、2−メトキシ−2−プロピル(MOP)、2,2,2−トリクロロエトキシエチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2−トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、p−メトキシフェニル(PMP)、トリフェニルメチル(Tr)、メトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)、アリル、p−メトキシベンジル(PMB)、t−ブチル、ベンジル(Bn)、アリル、またはピバロイル(Piv)である。
ある態様において、硫黄原子上に存在する置換基は、硫黄保護基(「チオール保護基」とも称される)である。硫黄保護基は、これらに限定されないが、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc 、−P(ORcc、−P(ORcc 、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、および−P(=O)(N(Rbbを含み、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。硫黄保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)において、詳細に記載されるものを含む。ある態様において、硫黄保護基は、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電気的中性を維持するために、正に帯電した基に関連する負に帯電した基である。アニオン性対イオンは、一価であってもよい(すなわち、1つの形式的な負電荷を含む)。アニオン性対イオンは、二価または三価などの多価であってもよい(すなわち、1超の形式的な負電荷を含む)。例示の対イオンは、ハロゲン化物イオン(例として、F、Cl、Br、I)、NO 、ClO 、OH、HPO 、HCO HSO 、スルホナートイオン(例として、メタンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、p−トルエンスルホナート、ベンゼンスルホナート、10−カンファースルホナート、ナフタレン−2−スルホナート、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホナート、エタン−1−スルホン酸−2−スルホナート等)、カルボキシラートイオン(例として、アセタート、プロパノアート、ベンゾアート、グリセラート、ラクタート、タルトラート、グリコラート、グルコナート等)、BF 、PF 、PF 、AsF 、SbF 、B[3,5−(CF、B(C 、BPh 、Al(OC(CF 、およびカルボランアニオン(例として、CB1112 または(HCB11MeBr)を含む。多価であってもよい例示の対イオンは、CO 2−、HPO 2−、PO 3− 2−、SO 2−、S 2−、カルボキシラートアニオン(例として、タルトラート、シトラート、フマラート、マレアート、マラート、マロナート、グルコナート、スクシナート、グルタラート、アジパート、ピメラート、スベラート、アゼラート、セバカート、サリチラート、フタラート、アスパルタート、グルタマート等)、およびカルボランを含む。
本明細書に使用されるとき、句「少なくとも1の存在」の使用は、1、2、3、4、またはそれ以上の存在を指すが、範囲、例として、1〜4、1〜3、1〜2、2〜4、2〜3、または3〜4の存在もまた包括的に包含する。
他の定義
本明細書では、用語「塩」は、任意かつすべての塩を意味し、薬学的に許容し得る塩を包含する。用語「薬学的に許容し得る塩」は、適切な医学的判断の射程内であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴うことなくヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に見合っている塩を意味する。薬学的に許容し得る塩は、当技術分野で周知である。例えば、Bergeらは、参照により本明細書に取り込まれているJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19において薬学的に許容し得る塩を詳細に説明している。本発明化合物の薬学的に許容し得る塩には、適当な無機および有機酸および塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容し得る無毒性酸付加塩の例は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸等を用いて、または有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸等を用いて、あるいはイオン交換等の当技術分野で公知の他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容し得る塩には、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、硫酸水素、ホウ酸、酪酸、カンファー酸、カンファースルホン酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グリセロリン酸、グルコン酸、ヘミ硫酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヨウ化水素酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホネート、ラクトビオン酸、乳酸、ラウリン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、ペクチン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、リン酸、ピクリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデカン酸、吉草酸の塩等が含まれる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、N(C1〜4アルキル) の塩が含まれる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が含まれる。さらなる薬学的に許容し得る塩には、適切な場合、対イオン、例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸塩等を使用して形成される無毒性アンモニウム、4級アンモニウム、およびアミンカチオンが含まれる。本明細書において提供される化合物は、遊離塩基としても提供されており、投与することができる。
同じ分子式を有するが、その原子の結合の特質もしくは配列、または空間におけるその原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれることも理解されるべきである。空間におけるその原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。
用語「組成物」および「製剤」は、互換的に使用される。
投与が企図されている「対象」は、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、子供、もしくは青年)、または成人対象(例えば、若年成人、中年成人、もしくは高齢成人))、あるいは非ヒト動物を意味する。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザルもしくはアカゲザル)、商業的に関連した哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、もしくはイヌ)、またはトリ(例えば、商業的に関連したトリ、例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、もしくはシチメンチョウ等))である。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、魚、爬虫類、または両生類である。非ヒト動物は、発達の任意の段階における雄であっても雌であってもよい。非ヒト動物は、トランスジェニック動物または遺伝子操作された動物であってもよい。用語「患者」は、疾患を治療する必要のあるヒト対象を意味する。
用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、対象中に、または対象上に本明細書に記載の化合物またはその組成物を埋め込み、吸収、経口摂取、注射、吸入、または別段に導入することを意味する。
用語「治療」、「治療する」、および「治療すること」は、本明細書に記載の疾患を回復させ、軽減し、その発症を遅延させ、またはその進行を阻害することを意味する。一部の実施形態では、治療は、疾患の1つまたはそれ以上の徴候または症状が発生し、または観察された後に投与されてもよい。他の実施形態では、治療は、疾患の徴候または症状の非存在下で投与されてもよい。例えば、治療は、症状を発症する前に感受性の対象に投与されうる。治療は、例えば、再発を遅延させ、または予防するために、症状が解決した後も継続されることがある。
本明細書に記載の化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量を意味する。本明細書に記載の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、治療されている条件、投与モード、対象の年齢および健康等の要因に依存して変動することがある。ある特定の実施形態では、有効量は、治療有効量である。代替として、別個の方法または使用では、本発明は、指摘され、有効である場合、予防的治療として使用されてもよい。ある特定の実施形態では、有効量は、単回用量での本明細書に記載の化合物の量である。ある特定の実施形態では、有効量は、複数回用量での本明細書に記載の化合物の組合せ量である。
本明細書に記載の化合物の「治療有効量」は、状態の治療において治療上の利益をもたらし、または状態と関連した1つもしくはそれ以上の症状を遅延させ、もしくは最小にするのに十分な量である。化合物の治療有効量は、状態の治療において治療上の利益をもたらす、単独の、または他の療法と組み合わせた治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、全体的な療法を改善し、状態の症状、徴候、もしくは原因を低減もしくは回避し、かつ/または別の治療剤の治療有効性を増強する量を包含することができる。ある特定の実施形態では、治療有効量は、記載した任意の疾患または状態を治療するのに十分な量である。
本明細書では、「阻害」、「阻害すること」、「阻害する」、および「阻害剤」等は、生物学的過程(例えば、腫瘍成長)の活性を低減、減速、停止、または予防する化合物の能力を意味する。ある特定の実施形態では、阻害は、約45%〜50%である。ある特定の実施形態では、阻害は、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99.9%、または100%である。
ある態様の詳細な説明
以下に、本発明の実施形態等を参照して本発明を詳細に説明する。本発明は、化合物(例えば、式(I)、(II)、(III)、および(IV)で表される化合物)、およびその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、ならびにその医薬組成物を提供する。本発明は、対象における増殖性疾患を治療する(例として、腫瘍成長を阻害し、かつ/またはがんを治療する)方法であって、対象に有効量の本明細書に提供される化合物または組成物を投与することを含む、方法も提供する。化合物または組成物は、本明細書に記載した通り、単剤療法として、または別の療法と組み合わせて投与されてもよい。さらに別の態様では、本発明は、式(I)、(II)、(III)、および(IV)で表される化合物、およびこの目的に有用な合成中間体を合成する方法を提供する。
一側面において、本発明は、式(I):
Figure 2021512046

式中:
N1およびRN2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または窒素保護基であるか、任意に、RN1およびRN2は、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルまたは任意に置換されていてもよいヘテロアリールを形成し;
P1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
は、水素または−ORXaであり;
は、水素または−ORYaであり;
XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
nは、1または2である、
で表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体を提供する。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、化合物(1):
Figure 2021512046
またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、化合物(1)、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体ではない。ある態様において、化合物(1)およびそのすべての薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体は、本発明から除外される。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
Figure 2021512046
Figure 2021512046

の1つまたはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
Figure 2021512046
Figure 2021512046

の1つまたはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、
Figure 2021512046
Figure 2021512046


およびその同位体標識された誘導体および薬学的に許容し得る塩からなる群から選択される。
別の側面において、本発明は、式(II):
Figure 2021512046

式中:
N1およびRN2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または窒素保護基であるか、任意に、RN1およびRN2は、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルまたは任意に置換されていてもよいヘテロアリールを形成し;
P1およびRP2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
は、水素または−ORXaであり;
は、水素または−ORYaであり;
XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
mは、0または1である、
で表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体を提供する。
ある態様において、式(II)で表される化合物は、以下の式:
Figure 2021512046

の1つまたはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体である。
ある態様において、式(II)で表される化合物は、以下の式:
Figure 2021512046
Figure 2021512046

の1つまたはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体である。
ある態様において、式(II)で表される化合物は、
Figure 2021512046
Figure 2021512046
Figure 2021512046
およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体からなる群から選択される。
別の側面において、本発明は、式(III):
Figure 2021512046

式中:
は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
P1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
は、水素または−ORXaであり;
は、水素または−ORYaであり;
XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
nは、1または2である、
で表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体を提供する。
ある態様において、式(III)で表される化合物は、以下:
Figure 2021512046
またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、式(III)で表される化合物は、(D−6)、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体ではない。ある態様において(D−6)、およびそのすべての薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体は、本発明から除外される。
ある態様において、式(III)で表される化合物は、以下の式:
Figure 2021512046
Figure 2021512046
の1つまたはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体である。
ある態様において、式(III)で表される化合物は、以下の式:
Figure 2021512046
Figure 2021512046
の1つまたはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体である。
ある態様において、式(III)で表される化合物は、
Figure 2021512046
Figure 2021512046
Figure 2021512046
およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体からなる群から選択される。
さらに別の側面において、本発明は、式(IV):
Figure 2021512046

式中:
は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
P1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
は、水素または−ORXaであり;
は、水素または−ORYaであり;
XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
mは、0または1である、
で表される化合物および薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体を提供する。
ある態様において、式(IV)で表される化合物は、以下の式:
Figure 2021512046

の1つまたはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体である。
ある態様において、式(IV)で表される化合物は、
Figure 2021512046

およびその薬学的に許容し得る塩および同位体標識された誘導体からなる群から選択される。
本明細書において提供される化合物は、任意に薬学的に許容し得る担体または賦形剤において、水和物、溶媒和物または多形の形態であってもよい。本発明はまた、本明細書において提供される化合物のいずれか一つの立体異性体を提供する。本明細書において提供される化合物は、結晶多形として存在していてもよく、本発明の化合物は、いずれかの単一の結晶形であっても二以上の結晶形の混合物であってもよい。本明細書において提供される化合物は、非晶形で存在することができ、または無水物もしくは水和物等の溶媒和物でありうる。
本発明には、本明細書において提供される化合物およびその薬学的に許容し得る塩の同位体標識された誘導体が含まれる。同位体標識化合物は、原子の1つまたはそれ以上が自然界に通常見出される原子質量か質量数と異なる原子質量か質量数を有する原子によって置き換えられていること以外本明細書において提供される化合物と等価である。本発明化合物中に組み入れることができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素、臭素、および塩素の同位体、例えば、H、H、11C、13C、14C、18F、35S、123I、および125I等が含まれる。
同位体標識化合物、例えば、Hおよび/または14Cの放射性同位体が組み入れられた化合物等は、医薬および/または基質の組織分布アッセイに有用である。同位体Hおよび14Cは、これらの同位体を容易に調製および検出することができるため有用であると考えられている。同位体11Cおよび18Fは、PET(ポジトロン放出断層撮影)(positron emission tomography)で有用である。同位体125Iは、SPECT(単光子放出コンピュータ断層撮影)(single photon emission computed tomography)で有用と考えられており、脳イメージングで有用可能性がある。H等のより重い同位元素による置換は、より高い代謝的安定性による生体内半減期の増加または必要用量の減少等のある種の治療上の利点を生じさせ、それ故に、ある状況下では有用と考えられている。同位体標識化合物は、容易に利用可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いて、以下の図式および/または例に開示された手順を行うことによって一様に調製することができる。
本明細書において提供される化合物は、生物学的に活性な低分子量化合物の標的タンパク質を捕捉するためのケミカルプローブとして使用することができる。具体的には、本発明化合物は、本化合物の活性発現に必須な構造部分以外の部分に、J. Mass Spectrum. Soc. Jpn. Vol. 51, No. 5, 2003, p. 492-498またはWO 2007/139149等に記載の方法で標識基、リンカー等を導入することでアフィニティークロマトグラフィープローブ、フォトアフィニティープローブ等に変換することができる。
このようなケミカルプローブに用いる標識基、リンカー等の例として、以下の基(1)〜(5)に属する基が挙げられる。(1)光親和性標識基(例えば、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基、ニトロ基等)および化学親和性基(例えば、アルファ炭素原子がハロゲン原子で置換されたケトン基、カルバモイル基、エステル基、アルキルチオ基、α、β−不飽和ケトン、エステル等のマイケル受容体、オキシラン基等)等のタンパク質標識基、(2)−S−S−、−O−Si−O−、単糖(グルコース基、ガラクトース基等)、二糖(ラクトース等)等の開裂可能なリンカー、および酵素反応で開裂可能なオリゴペプチドリンカー、(3)ビオチン、3−(44−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基等のフィッシングタグ基、(4)125I、32P、H、14C等の放射性標識基;フルオレセイン、ローダミン、ダンシル、ウンベリフェロン、7−ニトロフラザニル、3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基等の蛍光標識基;ルシフェリン、ルミノール等の化学発光基;ランタノイド金属イオン、ラジウムイオン等の重金属イオンを検出することができるマーカー、ならびに(5)ガラスビーズ、ガラスベッド、マイクロタイタープレート、アガロースビーズ、アガロースベッド、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンベッド、ナイロンビーズ、ナイロンベッド等の固相担体と結合させる基。
上記の基(1)〜(5)より選択される標識基等を上記文献のいずれかに記載の方法等に準じて本発明化合物に導入して調製されるプローブは、新たな創薬ターゲットの探索に有用なマーカータンパクの同定のためのケミカルプローブとして用いることができる。
本明細書において使用する「塩」の例には、無機酸との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸との塩が含まれ、特に、薬学的に許容し得る塩が好ましい。また、本発明化合物の塩には、その薬学的に許容し得る塩の無水物と水和物等の薬学的に許容し得る塩の溶媒和物とが包含される。無機酸との塩の好ましい例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等との塩が挙げられ、有機酸との塩の好ましい例としては、例えば酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ステアリン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の好ましい例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
本発明に係る化合物が化合物の塩または化合物の水和物として得られる場合では、塩および水和物は、従来法で化合物の遊離体に変換することができる。
基RN1、RN2、R、RP1、RP2、R、R、n、およびm
以下に提供されるすべての定義は、本明細書に記載の式(I)、(II)、(II)、および(IV)で表されるすべての化合物に適用される。
本明細書に一般に定義されるとおり、RN1およびRN2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または窒素保護基であるか、任意に、RN1およびRN2は、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルまたは任意に置換されていてもよいヘテロアリールを形成している。ある態様において、RN1は、水素である。ある態様において、RN1は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RN1は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RN1は、窒素保護基である。ある態様において、RN1は、エステル保護基である。ある態様において、RN1は、アロック保護基である。「アロック」は、以下の式:
Figure 2021512046

で表される。ある態様において、RN2は、水素である。ある態様において、RN2は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RN2は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RN2は、窒素保護基である。ある態様において、RN2は、エステル保護基である。ある態様において、RN2は、アロック保護基である。
ある態様において、RN1およびRN2は、両者ともに水素である。ある態様において、RN1は、水素であり;およびRN2は、窒素保護基である。ある態様において、RN1は、水素であり;およびRN2は、アロックである。ある態様において、RN1およびRN2は、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成している。ある態様において、RN1およびRN2は介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロアリールを形成している。
本明細書に一般に定義されるとおり、RP1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RP1は、水素である。ある態様において、RP1は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RP1は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RP1は、酸素保護基である。ある態様において、RP1は、シリル(例として、トリアルキルシリル)である。ある態様において、RP1は、tert−ブチルジメチルシリル(TBSまたはTBDMS)である。
本明細書に一般に定義されるとおり、nは、1または2である。ある態様において、nは、1である。ある態様において、nは、2である。
本明細書に一般に定義されるとおり、mは、0または1である。ある態様において、mは、0である。ある態様において、mは、1である。
本明細書に一般に定義されるとおり、Rは、水素または−ORXaである。ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、R−ORXaである。ある態様において、Rは、−OHである。
本明細書に一般に定義されるとおり、RXaは、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RXaは、水素である。ある態様において、RXaは、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RXaは、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RXaは、酸素保護基である。
本明細書に一般に定義されるとおり、Rは、水素または−ORYaである。ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、Rは、−ORYaである。ある態様において、Rは、−OHである。
本明細書に一般に定義されるとおり、RYaは、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RYaは、水素である。ある態様において、RYaは、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RYaは、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RYaは、酸素保護基である。
ある態様において、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する(例として、任意に置換されていてもよい5員のヘテロシクリル)。
ある態様において、RおよびRは、水素である。ある態様において、Rは、−ORXaであり;およびRは、−ORYaである。ある態様において、RおよびRは、−OHである。ある態様において、Rは、水素であり;およびRは、−ORYaである。ある態様において、Rは、水素であり;およびRは、−OHである。
本明細書に一般に定義されるとおり、RP2は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、RP2は、水素である。ある態様において、RP2は、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、RP2は、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、RP2は、酸素保護基である。ある態様において、RP2は、シリル(例として、トリアルキルシリル)である。ある態様において、RP2は、tert−ブチルジメチルシリル(TBSまたはTBDMS)である。
本明細書に一般に定義されるとおり、Rは、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基である。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、非置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、非置換C1〜3アルキルである。ある態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルである。ある態様において、Rは、メチルである。ある態様において、Rは、任意に置換されていてもよいアシルである。ある態様において、Rは、酸素保護基である。
医薬組成物、キット、および投与
本発明は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体、および薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体は、医薬組成物中に有効量(例えば、治療有効量)で提供される。
本明細書に記載の医薬組成物は、薬理学の技術分野で公知の任意の方法によって調製することができる。一般に、このような準備方法は、本明細書において提供される化合物(すなわち、「活性成分」)を担体もしくは賦形剤、および/または1種もしくはそれ以上の他の副成分と一緒に、次いで必要な、かつ/または望ましい場合、生成物を成形および/または包装して所望の単回または複数回用量ユニットにすることを含む。
本発明医薬組成物は、日本薬局方、16版、米国薬局方、および欧州薬局方、9版の調製のための一般規則に記載の方法等の公知の方法で調製することができる。本発明医薬組成物は、剤形に応じて適切に患者に投与することができる。
医薬組成物は、バルクで、一つの単一単位用量として、かつ/または複数の単一単位用量として調製、包装、および/または販売することができる。「単位用量」は、所定量の活性成分を含む医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は一般に、対象に投与される活性成分の投与量に等しく、かつ/またはこのような投与量の2分の1もしくは3分の1等のこのような投与量の好都合な画分である。
本明細書に記載の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容し得る賦形剤、および/または任意の追加成分の相対量は、治療される対象の個体差、サイズ、および/または状態に応じて、かつさらに、組成物が投与される経路に応じて変動することになる。組成物は、0.1%から100%(w/w)の間の活性成分を含みうる。
提供される医薬組成物の製造において使用される薬学的に許容し得る賦形剤としては、不活性な希釈剤、分散剤および/もしくは顆粒化剤、表面活性剤および/もしくは乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、潤滑剤、ならびに/または油が挙げられる。カカオバターおよび坐剤ワックス等の賦形剤、着色剤、被覆剤、甘味料、香味料、芳香剤も、組成物中に存在しうる。
本明細書に提供される化合物は、典型的には、投与の容易さ、投与量の均一性のために単位剤形で製剤化される。しかし、本明細書に記載の組成物の総一日使用量は、適切な医学的判断の射程内で医師が決定することになることが理解されるであろう。任意の特定の対象または有機体の具体的な治療有効用量レベルは、治療されている疾患、および障害の重症度;使用される具体的な活性成分の活性;使用される具体的な組成物;対象の年齢、体重、全体的な健康、性別、食餌;投与の時間、投与経路、使用される具体的な活性成分の排泄率;治療の継続時間;使用される具体的な活性成分と組み合わせて、または同時に使用される薬物;および医術において周知の同様の要因を含めて様々な要因に依存することになる。
本発明の化合物および本明細書に提供されるその組成物は、経腸(例えば、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局部的な(散剤、軟膏、クリーム、および/もしくは点滴剤のような)、粘膜、経鼻、頬側、舌下を含めた任意の経路によって;気管内点滴注入、気管支点滴注入、および/もしくは吸入によって;かつ/または経口スプレー剤、鼻腔用スプレー剤、および/もしくはエアロゾルとして投与することができる。具体的に企図する経路は、経口投与、静脈内投与(例えば、全身静注)、血液および/もしくはリンパ供給を介した局所投与、ならびに/または患部への直接投与である。一般に、最も適切な投与経路は、作用物質の特質(例えば、胃腸管環境内でのその安定性)、および/または対象の状態(例えば、対象が経口投与を許容することができるか)を含めた様々な要因に依存することになる。
有効量を実現するのに要求される本明細書において提供される化合物の正確な量は、例えば、対象の種、年齢、および一般的な条件、副作用または障害の重症度、特定の化合物の素性、投与モード等に応じて対象によって変動することになる。有効量は、単回用量(例えば、単回経口用量)または複数回用量(例えば、複数回経口用量)で含められてもよい。ある特定の実施形態では、複数回用量が対象に投与され、または組織もしくは細胞に施用される場合、複数回用量のうちの任意の2つの用量は、異なる、または実質的に同じ量の本明細書に記載の化合物を含む。ある特定の実施形態では、複数回用量が対象に投与され、または組織もしくは細胞に施用される場合、対象に複数回用量を投与し、または組織もしくは細胞に複数回用量を施用する頻度は、非限定例では、1日3回の用量、1日2回の用量、1日1回の用量、1日おきに1回の用量、3日おきに1回の用量、毎週1回の用量、2週間に1回の用量、3週間に1回の用量、もしくは4週間に1回の用量、または薬物送達デバイスを用いて選択された時間にわたるさらに遅い用量制御送達でありうる。ある特定の実施形態では、対象に複数回用量を投与し、または組織もしくは細胞に複数回用量を施用する頻度は、1日当たり1回の用量である。ある特定の実施形態では、対象に複数回用量を投与し、または組織もしくは細胞に複数回用量を施用する頻度は、1日当たり2回の用量である。ある特定の実施形態では、対象に複数回用量を投与し、または組織もしくは細胞に複数回用量を施用する頻度は、1日当たり3回の用量である。ある特定の実施形態では、複数回用量が対象に投与され、または組織もしくは細胞に施用される場合、複数回用量の最初の用量と最後の用量との間の継続時間は、約または少なくとも1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、6カ月、9カ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、または対象、組織、もしくは細胞の寿命である。ある特定の実施形態では、複数回用量の最初の用量と最後の用量との間の継続時間は、約または少なくとも3カ月、6カ月、または1年である。ある特定の実施形態では、複数回用量の最初の用量と最後の用量との間の継続時間は、対象、組織、または細胞の寿命である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の用量(例えば、単回用量、または複数回用量の任意の用量)としては、独立に、0.001mg/kgから0.01mg/kgの間の、0.01mg/kgから0.1mg/kgの間の、0.1mg/kgから1mg/kgの間(両端を含む)の本明細書において提供される化合物が挙げられる。例は、剤形中に少なくとも約0.05、0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、10、5、20、25、または50mgの活性化合物、またはその塩を有する剤形である。
ある態様において、本明細書に記載の用量(例として、単回用量、または任意の複数回用量)は、独立して、1.0μg/m〜1.0mg/mの本明細書に提供される化合物(例として、化合物(1)またはその薬学的に許容し得る塩)を包括的に含む。ある態様において、本明細書に記載用量(例として、単回用量、または複数回用量の任意の用量)は、独立して、1.0μg/m〜100.0μg/m、1.0μg/m〜50μg/m、10μg/m〜50μg/m、または10μg/m〜30μg/mの本明細書に提供される化合物(例として、化合物(1)またはその薬学的に許容し得る塩)を包括的に含む。例は、およそ10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、および40μgの本明細書に提供される化合物(例として、化合物(1)またはその薬学的に許容し得る塩)を有する剤形である。
ある態様において、本明細書に提供される化合物(例として、化合物(1)またはその薬学的に許容し得る塩)は、およそ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30日毎に1回投薬される。ある態様において、本明細書に提供される化合物(例として、化合物(1)またはその薬学的に許容し得る塩)は、およそ月に2回投薬される。ある態様において、本明細書に提供される化合物(例として、化合物(1)またはその薬学的に許容し得る塩)は、処置の期間、およそ15日毎に1回投薬される。ある態様において、本明細書に提供される化合物(例として、化合物(1)またはその薬学的に許容し得る塩)は、28日サイクルの1日目および15日目に投薬される。ある態様において、本明細書に提供される化合物(例として、化合物(1)またはその薬学的に許容し得る塩)は、およそ28日サイクルの1日目および15日目に、およそ25μg/mにおいて投薬される。ある態様において、本明細書に提供される化合物(例として、化合物(1)またはその薬学的に許容し得る塩)は、28日サイクルの1日目および15日目に、25μg/mにおいて投薬される。サイクルの数は、医者により決定される。
本明細書に記載の用量範囲は、提供される医薬組成物を成人に投与するためのガイダンスを提供する。例えば、子供または青年に投与される量は、医師または当業者が判定することができ、成人に投与される量より低く、またはそれと同じにすることができる。
キット(例えば、医薬品パック)も本開示によって包含されている。提供されるキットは、医薬組成物または本明細書に提供される化合物ならびに容器(例えば、バイアル、アンプル、瓶、シリンジ、および/もしくは取り出し容器、または他の適切な容器)を含んでもよい。一部の実施形態では、提供されるキットは、医薬組成物または本明細書に提供される化合物を希釈または懸濁させるための薬学的賦形剤を含む第2の容器をさらに含んでもよい。一部の実施形態では、第1の容器および第2の容器中に提供される医薬組成物または化合物が組み合わされて1つの単位剤形を形成する。本明細書に記載のキットは、別個の組成物として本明細書に記載の1種またはそれ以上の追加の医薬剤を含んでもよい。
治療の方法および使用
本明細書に示した通り、式(I)、(II)、(III)、および(IV)で表される化合物は、著しい腫瘍血管リモデリング効果および抗CAF活性を有し、それ故にこれは、がんの治療および/または腫瘍成長の阻害のための利用可能性を有する。
対象における増殖性疾患を治療する方法であって、対象に有効量の化合物(1)、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体、あるいはその医薬組成物を投与することを含む、方法が本明細書に提供されている。本発明は、対象における増殖性疾患を治療するのに使用するための本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体、あるいはその医薬組成物も提供する。本発明は、増殖性疾患を治療する医薬を製造するための本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体、あるいはその医薬組成物の使用も提供する。増殖性疾患の例は、本明細書において記載される。
本明細書に提供されるのは、有効量の本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその医薬組成物を対象へ投与することを含む、対象におけるがんを処置する方法である。本発明はまた、対象におけるがんの処置において使用のための、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその医薬組成物を提供する。本発明はまた、がんを処置するための医薬の製造のためのための、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその医薬組成物を提供する。
対象における腫瘍成長を阻害する方法であって、対象に化合物(1)、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体、あるいはその医薬組成物を投与することを含む、方法も本明細書に提供されている。対象における腫瘍成長を阻害するのに使用するための本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体、あるいはその医薬組成物も本明細書に提供されている。本発明は、腫瘍成長を阻害する医薬を製造するための本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは同位体標識された誘導体、あるいはその医薬組成物の使用も提供する。
「増殖性疾患」は、細胞の増殖による異常な成長または拡大に起因して生じる疾患を指す(Walker, Cambridge Dictionary of Biology; Cambridge University Press: Cambridge, UK, 1990)。増殖性疾患は、1)通常休止している細胞の病的な増殖;2)細胞のそれらの正常な場所からの病的な遊走(例として、新生物細胞の転移);3)マトリックスメタロプロテイナーゼ(例として、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、およびエラスターゼ)などのタンパク質分解酵素の病的な発現;または4)増殖性網膜症および腫瘍転移のような病的な血管新生に関連していてもよい。例示の増殖性疾患は、がん(すなわち、「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、および自己免疫疾患を含む。
用語 「血管新生」は、既存の血管から新しい血管が形成される生理学的なプロセスを指す。血管新生は、内皮細胞の中胚葉細胞前駆体からのde novo形成である脈管形成とは異なる。発生中の胚の最初の血管は脈管形成を介して形成され、その後、血管形成は正常または異常な発生の間のほとんどの血管成長の原因となる。血管新生は、成長および発生、ならびに創傷治癒および肉芽組織の形成において欠かせないプロセスである。しかしながら、血管新生はまた、腫瘍の良性状態から悪性状態への移行における基本的なステップであり、がんの処置における血管新生インヒビターの使用につながる。血管新生は、成長因子(例として、VEGF)などの血管新生タンパク質によって化学的に刺激され得る。「病的な血管新生」は、疾患に相当するおよび/または疾患に関連する異常な(例えば、過剰または不十分な)血管新生を指す。
用語「新生物」および「腫瘍」は、本明細書で互換的に使用され、組織の異常な塊であって、塊の成長が正常組織の成長を凌駕し、それと協調しない、塊を意味する。新生物または腫瘍は、以下の特性:細胞分化(形態学および機能性を含む)の程度、成長の速度、局所的浸潤、転移に応じて、「良性」または「悪性」でありうる。「良性新生物」は一般に、高分化型であり、悪性新生物より成長が特徴的に遅く、原発部位に局在化したままである。さらに、良性新生物は、遠位部位に浸潤、侵入、または転移する能力を有さない。例示の良性新生物は、これらに限定されないが、脂肪腫、軟骨腫、腺腫、アクロコルドン、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子、および皮脂性過形成を含む。いくつかの場合において、ある「良性」腫瘍は、後に悪性新生物を発生させる可能性があり、これは、腫瘍の新生物細胞の亜集団における追加の遺伝子変化から生じる可能性があり、これらの腫瘍は「前悪性新生物」と称される。対照的に、「悪性新生物」は一般に、低分化型(退形成)であり、周囲組織の進行性の浸潤、侵襲、破壊を伴って特徴的に急速に成長する。さらに、悪性新生物は一般に、遠位部位に転移する能力を有する。用語「転移」、「転移性の」、または「転移する」は、原発性または元の腫瘍から別の臓器または組織へのがん性細胞の蔓延または遊走を意味し、原発性または元の腫瘍の組織型の、かつ続発性(転移性)腫瘍が位置している臓器または組織の組織型でない「続発性腫瘍」または「二次細胞塊」の存在によって典型的には識別可能である。
ある態様において、処置される疾患は、がんである。
用語「がん」は、制御不能に増殖し、正常な体組織に浸潤し、それを破壊する能力を有する異常細胞の発達によって特徴付けられる疾患のクラスを意味する。
ある態様において、がんは、頭頸部がん(例として、頭頸部の扁平上皮細胞癌(SCCHN)、腺様嚢胞癌)である。
ある態様において、がんは、口腔がん(例として、頬側口腔がん、唇がん、舌がん、口がん、咽頭(pharynx)がん、下咽頭(hypopharynx)がん(例として、下咽頭(hypopharyngeal)癌)、咽喉がん(例として、喉頭がん、咽頭(pharyngeal)がん、鼻咽頭がん、口咽頭がん)、唾液腺がん)である。
ある態様において、がんは、食道がん(例として、食道扁平上皮細胞癌、食道腺癌、バレット腺癌、食道平滑筋肉腫)である。
ある態様において、がんは、胃腸がん(例として、肛門がん、結腸直腸がん(例として、結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺癌)、胆嚢がん、胃部がん(例として、胃がん(例として、胃腺癌))、胃腸間質性腫瘍(GIST)、小腸がん(small bowel)(例として、虫垂がん、小腸癌、例として、小腸腺癌)、小腸がん(small intestine)、大腸(large bowel)がん、大腸(large intestine)がん)である。
ある態様において、がんは、心臓血管がん(例として、原発性心臓腫瘍、血管肉腫(例として、リンパ血管肉腫、リンパ管内皮肉腫、血管肉腫)、内皮肉腫(例として、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫)、心臓粘液腫、心臓横紋筋腫)である。
ある態様において、がんは、肺がん(例として、気管支がん(例として、気管支原性癌、気管支腺腫)、肺胞癌、中皮腫、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺腺癌、軟骨性過誤腫、乳頭状腺癌)である。
ある態様において、がんは、泌尿生殖器がん(例として、膀胱がん(例として、尿路上皮癌)、尿道がん、腎臓がん(例として、腎芽腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌)、精巣がん(例として、精上皮腫、精巣胚癌)、胚細胞がん、前立腺がん(例として、前立腺腺癌)、陰茎がん(例として、陰茎および陰嚢のパジェット病))である。
ある態様において、がんは、婦人科系がん(例として、乳(breast)がん(例として、乳房の腺癌、乳房の乳頭癌、乳(mammary)がん、乳房の髄質癌、トリプルネガティブ乳がん、HER−2陽性乳がん、HER2陰性乳がん)、子宮内膜がん(例として、子宮がん(例として、子宮肉腫、絨毛癌)、子宮内膜癌)、子宮頸部がん(例として、子宮頸部腺癌)、卵巣がん(例として、嚢胞腺癌、卵巣胚癌、卵巣腺癌)、胚細胞がん、外陰部がん(例として、外陰部のパジェット病)、膣がん、卵管がん)である。
ある態様において、がんは、造血器がん(例として、白血病(例として、急性リンパ球性白血病(ALL)(例として、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例として、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例として、B細胞CML、T細胞CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)(例として、B細胞CLL、T細胞CLL));リンパ腫(例として、ホジキンリンパ腫(HL)(例として、B細胞HL、T細胞HL))、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例として、B細胞NHL、例えばびまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例として、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例として、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、筋性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓周辺帯B細胞リンパ腫)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞リンパ腫、前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫および原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、T細胞NHL、例えば前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢のT細胞リンパ腫(PTCL)(例として、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)(例として、菌状息肉種、セザリー症候群))、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫);重鎖病(例として、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);骨髄増殖性障害(MPD)(例として、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、特発性骨髄化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、高好酸球症候群(HES));多発性骨髄腫(MM);形質細胞新形成;家族性高好酸球増加症;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫細胞性アミロイドーシス)である。ある態様において、がんは、白血病である。ある態様において、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。ある態様において、がんは、初期T細胞前駆体(ETP)−急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。
ある態様において、がんは、肝臓がん(例として、肝細胞がん(HCC)(例として、肝細胞癌、肝芽腫、肝細胞腺腫)、悪性ヘパトーマ、血管腫、胆道がん(例として、胆管癌))である。
ある態様において、がんは、筋骨格がん(例として、骨がん(例として、骨肉腫、類骨骨腫、悪性線維性組織球腫、ユーイング肉腫、脊索腫、悪性巨細胞腫瘍、軟骨肉腫(chondrosarcoma)、骨軟骨腫(osteochondroma)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxofibroma)、骨髄異形成症候群(MDS))、筋肉がん(例として、横紋筋肉腫(rhabdomyosarcoma)、横紋筋腫(rhabdomyoma))、結合組織がん、滑膜腫)である。
ある態様において、がんは、神経系がん(例として、脳がん(例として、星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫(例として、星状細胞腫、オリゴデンドロ神経膠腫)、膠芽腫、多形性膠芽腫、髄芽腫、上衣腫、胚腫(すなわち、松果体腫)、オリゴデンドロ神経膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍、頭蓋咽頭腫)、脊髄がん、神経線維腫(例として、神経線維腫症(NF)1型また2型、神経鞘腫症)、神経芽細胞腫、未分化神経外胚葉性腫瘍(PNT)、髄膜がん(例として、髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、頭蓋骨がん、聴神経腫、上衣腫、血管芽腫、眼がん(例として、眼球内黒色腫、網膜芽腫))である。ある態様において、処置される疾患は、脳腫瘍である。ある態様において、疾患は、多形黄色星細胞腫(PXA)である。ある態様において、疾患は、小児多形黄色星細胞腫(PXA)である。
ある態様において、がんは、内分泌/外分泌がん(例として、甲状腺がん(例として、乳頭状甲状腺癌、濾胞性甲状腺癌;甲状腺髄様癌、多発性内分泌新形成2A型、多発性内分泌新形成2B型、家族性髄様甲状腺がん、褐色細胞腫、パラガングリオーマ)、膵臓がん(例として、膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性新生物(IPMN)、島細胞腫瘍、管状腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ)、副腎がん、神経内分泌がん(例として、消化管・膵神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍)、脂腺癌、汗腺癌)から選択される。ある態様において、がんは、汗腺がん(例として、汗腺癌)である。
ある態様において、がんは、皮膚がん(例として、扁平上皮細胞癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC)、皮膚線維腫)である。
ある態様において、がんは、軟部組織がん(例として、上皮内新生物、上皮癌、上皮肉腫、腺癌、腺腫、線維肉腫、線維腫、脂肪肉腫、脂肪腫、粘液腫、奇形腫)である。
ある態様において、がんは、希少がんである。用語「希少がん」は、相対的に少数の患者に生じるがんを意味する。希少がんは、これらに限定されないが、肉腫(例えば、軟部肉腫、脂肪肉腫、子宮肉腫、平滑筋肉腫、粘液線維肉腫、骨肉腫、血管肉腫、ユーイング肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫)、悪性リンパ腫、胸腺がん(例えば、胸腺腫)、中皮腫、消化管間質腫瘍(GIST)、神経内分泌がん、眼がん、脳腫瘍、骨軟部腫瘍(bone soft tissue tumors)、皮膚がん、および胚細胞腫瘍を含む。
増殖性疾患、がん、および腫瘍の例は、本明細書に提供される。本明細書に提供される方法のある態様において、がんは、頭頸部がん(例として、頭頸部の扁平上皮細胞癌、腺様嚢胞癌、口腔がん、咽喉がん、唾液腺がん、舌がん)である。ある態様において、がんは、乳がん(例として、HER2陽性乳がん、HER2陰性乳がん、トリプルネガティブ乳がん)である。ある態様において、がんは、結腸直腸がん(例として、結腸癌)である。ある態様において、がんは、食道がん(例として、食道腺癌)である。ある態様において、がんは、子宮がん(例として、子宮肉腫)である。ある態様において、がんは、卵巣がんである。ある態様において、がんは、肉腫(例として、子宮肉腫、線維肉腫、血管肉腫、滑膜肉腫、軟部組織肉腫、内膜肉腫)である。ある態様において、がんは、胃部がんである。ある態様において、がんは、肺がん(例として、非小細胞肺がん)である。ある態様において、がんは、膀胱がん(例として、尿路上皮癌)である。ある態様において、がんは、子宮内膜がんである。ある態様において、がんは、小腸がん(例として、小腸癌、例として、小腸腺癌)である。ある態様において、がんは、汗腺がん(例として、汗腺癌)である。ある態様において、がんは、希少がんである。
併用治療
単剤治療としての投与の他に、本明細書に提供される化合物(例として、式(I)、(II)、(III)、および(IV)で表される化合物)は、他の治療剤または処置モダリティと組み合わせて投与され得る。ある態様において、化合物は、抗がん剤と組み合わせて投与される。「抗がん剤」は、生物学的治療的抗がん剤および化学治療剤を包含する。
例示の生物学的治療的抗がん剤は、これらに限定されないが、インターフェロン、サイトカイン(例として、腫瘍壊死因子、インターフェロンα、インターフェロンγ)、ワクチン、造血成長因子、モノクローナル血清治療、免疫刺激剤および/または免疫調節剤(例として、IL−1、2、4、6、または12)、免疫細胞成長因子(例として、GM−CSF)、および抗体(例として、ハーセプチン(トラスツズマブ)、T−DM1、アバスチン(ベバシズマブ)、アービタックス(セツキシマブ)、ベクティビックス(パニツムマブ)、リツキサン(リツキシマブ)、ベキサール(トシツモマブ)、および他の上に記載の抗体を含む。
例示の化学治療剤は、これらに限定されないが、抗エストロゲン剤(例としてタモキシフェン、ラロキシフェン、およびメゲストロール)、LHRHアゴニスト(例としてゴスクルクリン(goscrclin)およびリュープロリド)、抗アンドロゲン剤(例としてフルタミドおよびビカルタミド)、光線力学的治療(例としてベルテポルフィン(vertoporfin)(BPD−MA)、フタロシアニン、光増感剤Pc4、およびデメトキシ−ヒポクレリンA(2BA−2−DMHA))、ナイトロジェンマスタード(例としてシクロホスファミド、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、エストラムスチン、およびメルファラン)、ニトロソ尿素(例としてカルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU))、アルキルスルホナート(例としてブスルファンおよびトレオスルファン)、トリアゼン(例としてダカルバジン、テモゾロミド)、白金含有化合物(例としてシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、ビンカアルカロイド(例としてビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン)、タキソイド(例としてパクリタキセルまたはパクリタキセル同等物、例えば、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(アブラキサン)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA−パクリタキセル、タクサオプレキシン)、ポリグルタマート結合パクリタキセル(PG−パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメックス、CT−2103、ジオタックス(XYOTAX))、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)ANG1005(パクリタキセルの3つの分子に結合したAngiopep−2)、パクリタキセル−EC−1(erbB2認識ペプチドEC−1に結合したパクリタキセル)、およびグルコース抱合パクリタキセル、例として、2’−パクリタキセルメチル2−グルコピラノシルスクシナート;ドセタキセル、タキソール)、エピポドフィリン(epipodophyllins)(例としてエトポシド、エトポシドホスファート、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトイリノテカン、イリノテカン、クリスナトール、マイトマイシンC)、抗代謝体、DHFRインヒビター(例としてメトトレキサート、ジクロロメトトレキサート、トリメトレキサート、エダトレキサート)、IMPデヒドロゲナーゼインヒビター(例としてミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、およびEICAR)、リボヌクレオチドレダクターゼインヒビター(例としてヒドロキシ尿素およびデフェロキサミン)、ウラシル類似体(例として5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、カペシタビン)、シトシン類似体(例としてシタラビン(ara C)、シトシンアラビノシド、およびフルダラビン)、プリン類似体(例としてメルカプトプリンおよびチオグアニン)、ビタミンD3類似体(例としてEB 1089、CB 1093、およびKH 1060)、イソプレニル化インヒビター(例としてロバスタチン)、ドーパミンニューロトキシン(例として1−メチル−4−フェニルピリジニウムイオン)、細胞周期インヒビター(例としてスタウロスポリン)、アクチノマイシン(例としてアクチノマイシンD、ダクチノマイシン)、ブレオマイシン(例としてブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン)、アントラサイクリン(例としてダウノルビシン、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン)、MDRインヒビター(例としてベラパミル)、Ca2+ ATPアーゼインヒビター(例としてタプシガルギン、イマチニブ、サリドマイド、レナリドミド、チロシンキナーゼインヒビター(例として、アキシチニブ(AG013736)、ボスチニブ(SKI−606)、セジラニブ(レセンチン(商標)、AZD2171)、ダサチニブ(スプリセル(登録商標)、BMS−354825)、エルロチニブ(タルセバ(登録商標))、ゲフィチニブ(イレッサ(登録商標))、イマチニブ(グリベック(登録商標)、CGP57148B、STI−571)、ラパチニブ(タイケルブ(登録商標)、タイバーブ(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP−701)、ネラチニブ(HKI−272)、ニロチニブ(タシグナ(登録商標))、セマキサニブ(セマキシニブ、SU5416)、スニチニブ(スーテント(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(パラディア(登録商標))、バンデタニブ(ザクティマ(登録商標)、ZD6474)、ヴァタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、セツキシマブ(アービタックス(登録商標))、パニツムマブ(ベクティビックス(登録商標))、ラニビズマブ(ルセンティス(登録商標))、ニロチニブ(タシグナ(登録商標))、ソラフェニブ(ネクサバール(登録商標))、エベロリムス(アフィニトール(登録商標))、アレムツズマブ(キャンパス(登録商標))、ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ(登録商標))、テムシロリムス(トリセル(登録商標))、ENMD−2076、PCI−32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(TKI258、CHIR−258)、BIBW 2992(トヴォク(TOVOK)(商標))、SGX523、PF−04217903、PF−02341066、PF−299804、BMS−777607、ABT−869、MP470、BIBF 1120(バルガテフ(VARGATEF)(登録商標))、AP24534、JNJ−26483327、MGCD265、DCC−2036、BMS−690154、CEP−11981、チボザニブ(AV−951)、OSI−930、MM−121、XL−184、XL−647、および/またはXL228)、プロテアソームインヒビター(例として、ボルテゾミブ(ベルケイド))、mTORインヒビター(例として、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD−001)、リダホロリムス、AP23573(Ariad)、AZD8055(AstraZeneca)、BEZ235(Novartis)、BGT226(Novartis)、XL765(Sanofi Aventis)、PF−4691502(Pfizer)、GDC0980(Genentech)、SF1126(Semafore)およびOSI−027(OSI))、オブリメルセン、ゲムシタビン、カルミノマイシン、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルバジン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンプトテシン、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ルイロシジン(leurosidine)、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクテジン、プロカルバジン、ディスコデルモライド、カルミノマイシン、アミノプテリン、およびヘキサメチルメラミンを含む。
ある態様において、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその医薬組成物は、放射線治療(RT)と組み合わせて用いられる。ある態様において、化合物は、外科手術と組み合わせて投与される。ある態様において、化合物は、免疫治療と組み合わせて投与される。
例えば、本発明の化合物は、抗EGFR治療、抗HER2治療、抗PD−1治療、抗PD−L1治療、または照射治療などの別の治療剤と組み合わせて投与され得る。
ある態様において、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその医薬組成物は、抗EGFR治療(例として、セツキシマブなどの抗EGFRモノクローナル抗体(mAb))と組み合わせて投与される。例えば、本明細書に提供されるのは、抗EGFR(上皮成長因子受容体)mAb治療との組み合わせにおいて、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその医薬組成物を対象に投与することを含む、対象における頭頸部の扁平上皮細胞癌(SCCHN)を処置する方法である。ある態様において、抗EGFRmAbは、セツキシマブ(CTX)である。
ある態様において、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその医薬組成物は、抗HER2治療(例として、トラスツズマブなどの抗HER2モノクローナル抗体(mAb))と組み合わせて投与される。例えば、本明細書に提供されるのは、HER2(ヒト上皮成長因子受容体)mAb治療との組み合わせにおいて、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその医薬組成物を対象に投与することを含む、これを必要とする対象において乳がんを処置する方法である。ある態様において、抗HER2mAbは、トラスツズマブである。
ある態様において、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその医薬組成物は、抗PD−1または抗PD−L1治療(例として、抗PD−1または抗PD−L1モノクローナル抗体)と組み合わせて投与される。例えば、本明細書に提供されるのは、抗PD−1または抗PD−L1治療(例として、mAb治療)との組み合わせにおいて、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩または同位体標識された誘導体、またはその組成物を対象に投与することを含む、これを必要とする対象において結腸直腸がんを処置する方法である。

化合物の合成
一般的な手順および方法
本発明に係る化合物は、以下の例に記載の方法で製造することができる。しかし、これらの例は、例示的な目的のためだけであり、本発明に係る化合物は、以下に述べる具体的な例に決して限定されない。
例では、別段に具体的に述べられていない限り、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに使用している精製用シリカゲルは、Hi-Flash(商標)カラム(シリカゲル、30μm 60Åまたは40μm 60Å、株式会社山善)であり、NHシリカゲルカラムクロマトグラフィーに使用している精製用シリカゲルは、Chromatorex NHシリカゲル(富士シリシア化学株式会社)であった。分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)(thin layer chromatography)は、TLCシリカゲル60 F254、層厚0.25mm(メルク社)またはChromatorex TLC NHシリカゲルF254、層厚0.25mm(富士シリシア化学株式会社)を用いて実施した。TLCプレートは、p−アニスアルデヒド染色液、リンモリブデン酸染色液、またはハネシアン染色液で染色して可視化した。
すべての湿気に敏感な反応は、不活性雰囲気下で行った。試薬および溶媒は、市販グレードであり、別段の注記のない限り、供給されたまま用いた。
NMRスペクトルは、JEOL ECZ500R(500MHz)、JEOL ECZ400S(400MHz)、Varian Inova 500(500MHz)、Varian Mercury 400(400MHz)、またはBruker Avance(600MHz)分光計で記録した。化学シフトは、パーツ・パー・ミリオン(ppm)で報告する。H NMRスペクトル(CDCl、C、および/またはCDOD)について、残留溶媒ピークを内部基準(CDCl中7.27ppm;C中7.16ppm;CDOD中3.31ppm)として用いた。
分析用質量スペクトル(mass spectra)(MS)結果は、単一四重極検出器(SQ Detector2)またはLTQ Orbitrap XL(商標)(サーモサイエンティフィック)を備えたWaters Acquity UPLCを用いて得た。
高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography)(HPLC)は、UV分光光度検出器(200nm、Shimadzu SPD-10A)のShimadzu LC-10ADを用いて実行した。
本明細書で使用する略語は、以下の通りである:AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル);Alloc:アリルオキシカルボニル;9−BBN:9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン;BuSnH:水素化トリ−ノルマル−ブチルスズ;(+)−CSA:(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;DCM:ジクロロメタン;DDQ:2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン;DIBAL:水素化ジイソブチルアルミニウム;DMF:N、N−ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EtN:トリエチルアミン;EtOAc:酢酸エチル;HF−Py:フッ化水素ピリジン;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;IPA:イソプロピルアルコール;MeCN:アセトニトリル;MeOH:メタノール;MPM:パラ−メトキシベンジル;PPh:トリフェニルホスフィン;t−BuOH:tert−ブチルアルコール;tBuLi:tert−ブチルリチウム;TBME:メチル−tert−ブチルエーテル;TBAF:フッ化テトラブチルアンモニウム;TBS:tert−ブチルジメチルシリル;THF:テトラヒドロフラン;TMS:トリメチルシリル;Ts:パラ−トルエンスルホニル。
本明細書に開示の合成中間体は、本発明の一部と見なされる。
スキームA−1;化合物A−7の調製
Figure 2021512046

例1
(4aR,5aS,6R,8aS,9aR)−2,2−ジ−tert−ブチル−6−メチルオクタヒドロフロ[2’,3’:5,6]ピラノ[3,2−d][1,3,2]ジオキサシリン−7−オール
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、Organic Letters (2009), 11(2), 409-412に書かれた方法で得た化合物A−1:(4aR,5aS,6R,8aS,9aR)−2,2−ジ−tert−ブチル−6−メチルヘキサヒドロフロ[2’,3’:5,6]ピラノ[3,2−d][1,3,2]ジオキサシリン−7(8aH)−オン(A−1 18.5g、54.0mmol)(CAS番号;1095280-04-8)の−78℃のトルエン(275mL)溶液に、DIBAL(70.2mL、70.2mmol、1.0Mトルエン溶液)を30分かけて添加した。次いで反応混合物を−78℃で撹拌した。90分後、反応を−78℃にて慎重にMeOH(4.37mL)でクエンチし、次いで冷却浴を取り除いた。飽和酒石酸ナトリウムカリウム四水和物水溶液(300mL)を反応混合物に添加し、室温にて2時間撹拌を継続した。反応混合物を分液漏斗に注ぎ、次いで層を分離した。水層をEtOAc(300mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水(300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗ラクトールを精製することなく次の反応に使用した。
例2
(4aR,6S,7S,8aR)−6−((S)−ブタ−3−エン−2−イル)−2,2−ジ−tert−ブチルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3,2]ジオキサシリン−7−オール(化合物A−2)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(73.30g、205.2mmol)のTHF(200mL)懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(17.27g、153.9mmol)を−5℃にて10分かけて添加し、次いで−5℃で60分間撹拌した。例1に記載の粗ラクトールのTHF(40mL)溶液を−5℃にて10分かけて反応混合物に移送し、次いで−5℃で1時間、室温で1時間撹拌した。反応混合物を氷水(400mL)でクエンチし、次いでTBME(400mL)で希釈し、次いで層を分離した。水層をTBME(400mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水(400mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をヘプタン/EtOAc=1/1(100mL)で懸濁させた。結果として生じる懸濁液を濾過し、ヘプタン/EtOAc=1/1(100mL)で洗いトリフェニルホスフィン由来物質を除去した。次いで濾液を減圧下で濃縮した。残渣を0%〜20% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲル(400g、Silica Gel 60、球状、40〜50μm、関東化学)フラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物A−2、16.7g、90%の収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.03 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.05 (s, 9 H) 1.07 (s, 9 H) 1.75 (dt, J=14.5, 3.0 Hz, 1 H) 2.37 (dt, J=14.5, 2.9 Hz, 1 H) 2.65 - 2.76 (m, 1 H) 3.03 (dd, J=9.8, 1.0 Hz, 1 H) 3.31 (m, 1 H) 3.69 (d, J=15.0 Hz, 1 H) 3.75 - 3.79 (m, 1 H) 4.16 - 4.31 (m, 2 H) 4.41 (t, J=2.9 Hz, 1 H) 4.95 - 5.09 (m, 2 H) 6.02 (ddd, J=17.3, 10.5, 6.3 Hz, 1 H).
例3
(4aR,6S,7S,8aR)−6−((S)−ブタ−3−エン−2−イル)−2,2−ジ−tert−ブチル−7−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3,2]ジオキサシリン(化合物A−3)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例2に記載の化合物A−2:(4aR,6S,7S,8aR)−6−((S)−ブタ−3−エン−2−イル)−2,2−ジ−tert−ブチルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3,2]ジオキサシリン−7−オール(9.85g、28.8mmol)の0℃のDCM(150mL)溶液に、2,6−ルチジン(6.68mL、57.5mmol)およびtert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(9.25mL、40.3mmol)を添加した。反応混合物を0℃で30分間、次いで室温で2時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈した。有機層を0.5N 塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、(少量のSiOを用いて)濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0%〜15% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物A−3、12.0g、91%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.10 (s, 3 H) 0.19 (s, 3 H) 0.91 (s, 9 H) 0.96 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 1.02 (s, 9 H) 1.06 (s, 9 H) 1.73 (dt, J=15.0, 4.0 Hz, 1 H) 2.26 (dt, J=15.0, 2.5 Hz, 1 H) 2.66 - 2.74 (m, 1 H) 2.95 (dd, J=9.5, 2.2 Hz, 1 H) 3.17 (m, 1 H) 3.81 - 3.84 (m, 1 H) 4.12 - 4.22 (m, 2 H) 4.24 (t, J=2.7 Hz, 1 H) 4.93 - 5.06 (m, 2 H) 6.08 (ddd, J=17.3, 10.5, 6.3 Hz, 1 H).
例4
(2R,3R,5S,6S)−6−((S)−ブタ−3−エン−2−イル)−5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−オール(化合物A−4)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例3に記載の化合物A−3:(4aR,6S,7S,8aR)−6−((S)−ブタ−3−エン−2−イル)−2,2−ジ−tert−ブチル−7−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3,2]ジオキサシリン(12g、26.3mmol)の−10℃のMeCN(120mL)とDCM(40mL)との溶液に、HF−ピリジン(4.0mL)およびピリジン(20mL)を予めMeCN 20mL中に混合した溶液を添加した。反応混合物を−10℃で15分間、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を0℃にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、DCMで希釈し、次いで層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を15%〜60% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物A−4、8.4g、定量的収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.13 (s, 3 H) 0.19 (s, 3 H) 0.94 (s, 9 H) 0.96 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.72 (dt, J=14.6, 2.9 Hz, 1 H) 2.15 (dd, J=9.8, 2.4 Hz, 1 H) 2.23 (dt, J=14.6, 2.9 Hz, 1 H) 2.55 - 2.65 (m, 1 H) 3.03 (d, J=9.8 Hz, 1 H) 3.41 - 3.46 (m, 1 H) 3.49 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 3.62 - 3.72 (m, 2 H) 3.92 (ddd, J=11.7, 8.3, 2.4 Hz, 1 H) 4.02 (t, J=2.7 Hz, 1 H) 5.01 - 5.12 (m, 2 H) 5.93 (ddd, J=17.4, 10.4, 7.3 Hz, 1 H).
例5
(((2S,3S,5R,6R)−2−((S)−ブタ−3−エン−2−イル)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,5−ジイル)ビス(オキシ))ビス(tert−ブチルジメチルシラン)(化合物A−5)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例4に記載の化合物A−4:(2R,3R,5S,6S)−6−((S)−ブタ−3−エン−2−イル)−5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−オール(997mg、3.15mmol)の5℃のDCM(10mL)溶液に、2,6−ルチジン(1.83mL、15.8mmol)およびtert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(2.17mL、9.45mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、次いで層を分離した。合わせた有機抽出液を0.5N 塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で連続的に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0%〜5% EtOAc/ヘプタン(1% EtNを含有する)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物A−5、1.69g、98%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.02 - 0.08 (m, 15 H) 0.11 (s, 3 H) 0.89 (s, 9 H) 0.90 - 0.92 (m, 18 H) 0.94 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.82 (dt, J=14.9, 4.8 Hz, 1 H) 2.00 (dt, J=14.9, 2.9 Hz, 1 H) 2.62 - 2.72 (m, 1 H) 2.93 (dd, J=9.3, 2.0 Hz, 1 H) 3.27 - 3.34 (m, 1 H) 3.66 - 3.79 (m, 3 H) 3.83 - 3.87 (m, 1 H) 4.91 - 5.07 (m, 2 H) 6.11 (ddd, J=17.3, 10.7, 6.1Hz, 1 H).
例6
(S)−3−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ブタン−1−オール(化合物A−6)
Figure 2021512046
例5に記載の化合物A−5:(((2S,3S,5R,6R)−2−((S)−ブタ−3−エン−2−イル)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,5−ジイル)ビス(オキシ))ビス(tert−ブチルジメチルシラン)(1.32g、2.42mmol)の0℃のTHF(10mL)溶液に、9−BBN(9.69mL、0.5M THF溶液、4.84mmol)を添加した。反応混合物を0℃で1時間、その後室温で1.5時間撹拌した。3.0M 水酸化ナトリウム水溶液(3mL、9.00mmol)および過酸化水素(35%水溶液、3mL)を0℃にて反応混合物に添加した。反応混合物を0℃で30分間、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、次いで層を分離した。水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0%〜20% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物A−6、1.36g、100%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.03 (s, 3 H) 0.05 - 0.08 (m, 12 H) 0.10 (s, 3 H) 0.88 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 0.89 - 0.93 (m, 27 H) 1.55 - 1.65 (m, 1H) 1.82 (dt, J=15.4, 4.4 Hz, 1 H) 1.87 - 1.96 (m, 1 H) 1.97 - 2.03 (m, 1 H) 2.17- 2.26 (m, 1H) 2.67 (dd, J=7.8, 3.9 Hz, 1 H) 2.98 - 3.10 (m, 1 H) 3.34 - 3.40 (m, 1 H) 3.59 - 3.86 (m, 6 H)
ESI-MS (m/z): 563.64 [M+H]+, 585.62 [M+Na]+
例7
(S)−3−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ブタナール(化合物A−7)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例6に記載の化合物A−6:(S)−3−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ブタン−1−オール(1100mg、1.954mmol)の5℃のDCM(30mL)溶液に、炭酸水素ナトリウム(41.0mg、0.49mmol)およびデス−マーチンペルヨージナン(1077mg、2.54mmol)を添加した。反応混合物を室温で撹拌した。3時間後、反応混合物をDCMで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、次いで層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0%〜25% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物A−7、950mg、87%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.00 (s, 3 H) 0.03 - 0.08 (m, 12 H) 0.11 (s, 3 H) 0.88 (s, 9 H) 0.91 - 0.92 (m, 21H) 1.82 (dt, J=15.0, 4.5 Hz, 1 H) 2.01 (dt, J=15.0, 2.5 Hz, 1 H) 2.28 (ddd, J=16.0, 7.3, 2.4 Hz, 1 H) 2.53 -2.58 (m, 1 H) 2.74 (ddd, J=16.0, 5.5, 2.0 Hz, 1 H) 2.94 (dd, J=9.0, 1.7 Hz, 1 H) 3.29 (td, J=5.9, 2.0 Hz, 1 H) 3.68 (d, J=5.9 Hz, 2 H) 3.75 - 3.82 (m, 1 H) 3.82 - 3.90 (m, 1 H) 9.73 (t, J=2.4 Hz, 1 H).
スキームB;化合物B−3の調製
Figure 2021512046

例8
(2S,3S)−3−((4−メトキシベンジル)オキシ)−2−メチル−5−(トリメチルシリル)ペンタ−4−イン−1−イル4−メチルベンゼンスルホネート(化合物B−2)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、WO 9317690 A1/US 5436238 Aに書かれた方法で得た化合物B−1:(2S,3S)−3−((4−メトキシベンジル)オキシ)−2−メチル−5−(トリメチルシリル)ペンタ−4−イン−1−オール(11.08g、36.15mmol)(CAS番号;157323−41−6)のDCM(330mL)溶液に、EtN(12.6mL、90.4mmol)および塩化パラ−トルエンスルホニル(8.27g、43.4mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を0%〜10% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲル(Silica Gel 60、球状、40〜50μm、関東化学)フラッシュカラムクロマトグラフィーにかけ、標記化合物(化合物B−2、17.7g、93%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.17 (s, 9 H) 1.02 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 2.10 - 2.18 (m, 1 H) 2.44 (s, 3 H) 3.82 (s, 3 H) 3.99 (d, J=6.8 Hz, 1 H) 4.04 - 4.07(m, 2 H) 4.33 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.66 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 6.87 (d, J=8.3 Hz, 2 H) 7.21 (d, J=8.3 Hz, 2 H) 7.33 (d, J=8.8 Hz, 2 H) 7.77 (d, J=8.8 Hz, 2 H).
例9
((3S,4R)−5−ヨード−3−((4−メトキシベンジル)オキシ)−4−メチルペント−1−イン−1−イル)トリメチルシラン(化合物B−3)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例8に記載の化合物B−2:(2S,3S)−3−((4−メトキシベンジル)オキシ)−2−メチル−5−(トリメチルシリル)ペンタ−4−イン−1−イル4−メチルベンゼンスルホネート(17.7g、38.4mmol)のDMF(360mL)溶液に、ヨウ化ナトリウム(7.49g、50.0mmol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で2時間撹拌した。ヨウ化ナトリウム2.0gをさらに反応混合物に添加した。反応物を80℃で1.5時間撹拌し、次いで室温に冷却した。混合物をジエチルエーテルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。10%〜20% EtOAc/ヘプタンを用いてシリカゲル(Silica Gel 60、球状、40〜50μm、関東化学)上で残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物B−3、14.3g、89%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.21 (s, 9 H) 1.10 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.74 - 1.84 (m, 1 H) 3.30 - 3.37 (m, 2 H) 3.82 (s, 3 H) 3.96 (d, J=7.3 Hz, 1 H) 4.44 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.73 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 6.89 (d, J=8.8 Hz, 2 H) 7.30 (d, J=8.8 Hz, 2 H).
スキームC−1;化合物C−8の調製
Figure 2021512046

例10
(2S,6S,7S)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−9−(トリメチルシリル)ノナ−8−イン−4−オール(化合物C−1)
Figure 2021512046
アルゴン雰囲気下、例9に記載の化合物B−3:((3S,4R)−5−ヨード−3−((4−メトキシベンジル)オキシ)−4−メチルペント−1−イン−1−イル)トリメチルシラン(1408mg、3.382mmol)の−78℃のジエチルエーテル(25mL)溶液に、tert−ブチルリチウム(1.61Mペンタン溶液、4.11mL、6.62mmol)を添加した。反応混合物を−78℃で45分間撹拌した。ジエチルエーテル5.0mL中の例7に記載の化合物A−7:(S)−3−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ブタナール(825mg、1.47mmol)を−78℃で反応混合物に添加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を0%〜25% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物C−1、1167mg、93%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.00 - 0.12 (m, 21 H) 0.15 - 0.24 (m, 6 H) 0.82 - 0.96 (m, 30 H) 1.03 (d, J=6.3 Hz, 3H) 1.38 - 1.55 (m, 1H) 1.68 - 1.99 (m, 4 H) 2.10 - 2.30 (m, 2 H) 2.76 - 2.87 (m, 1 H) 3.15 (d, J=9.75 Hz, 1 H) 3.33 - 3.38 (m, 1 H) 3.56 - 4.02 (m, 9 H) 4.37 - 4.50 (m, 1 H) 4.64 - 4.78 (m, 1 H) 6.83 - 6.88 (m, 2H) 7.23 - 7.35 (m, 2H).
例11
(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−9−(トリブチルスタンニル)ノナ−8−エン−4−オール(化合物C−3)
Figure 2021512046
例10に記載の化合物C−1:(2S,6S,7S)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−9−(トリメチルシリル)ノナ−8−イン−4−オール(1165mg、1.37mmol)の20℃のMeOH(20mL)溶液に、炭酸カリウム(189mg、1.37mmol)を添加した。反応混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、次いで層を分離した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0%〜15% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、化合物C−2:(2S,6S,7S)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−イン−4−オール(1050mg、98%の収率)を得た。ESI-MS (m/z): 801.50 [M+Na]+
窒素雰囲気下、上記で得た化合物C−2:(2S,6S,7S)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−イン−4−オール(780mg、1.00mmol)の20℃のトルエン(15mL)溶液に、水素化トリ−ノルマル−ブチルスズ(2.5mL、9.36mmol)および2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(82mg、0.50mmol)を添加した。反応混合物を90℃で15分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を0%〜15% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物C−3、970mg、91%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.02 - 0.13 (m, 18 H) 0.84 - 0.96 (m, 48 H) 1.22 - 1.37 (m, 6 H) 1.47 - 1.56 (m, 7 H) 1.72 - 1.90 (m, 3 H) 1.95-2.03 (m, 1 H) 2.11 - 2.28 (m, 2 H) 2.82 - 2.86 (m, 1 H) 3.08 - 3.15 (m, 1 H) 3.33 - 3.40 (m, 1 H) 3.43 - 3.53 (m, 1 H) 3.58 - 3.87 (m, 8 H) 4.25 - 4.31 (m, 1 H) 4.49 - 4.54 (m, 1 H) 5.83 (dd, J=19.3, 7.6Hz, 1 H) 6.05 - 6.13 (m, 1 H) 6.83 - 6.90 (m, 2 H) 7.24 (d, J=8.8 Hz, 2 H).
例12
(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−エン−4−オン(化合物C−4)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例11に記載の化合物C−3:(2S,6S,7S)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−9−(トリブチルスタンニル)ノナ−8−エン−4−オール(970mg、0.91mmol)の5℃のDCM 30mLの溶液に、DCM(6mL)中のヨウ素(242mg、0.95mmol)を反応混合物がヨウ素色を維持するまで添加した。反応混合物を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0%〜25% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−エン−4−オール(768mg、93%の収率)を得た。
窒素雰囲気下、上記で得た(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−エン−4−オール(768mg、0.85mmol)の室温のDCM(25mL)溶液に、炭酸水素ナトリウム(17.8mg、0.21mmol)およびデス−マーチンペルヨージナン(485mg、1.14mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、次いで層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0%〜20% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物C−4、776mg、定量的収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.00 (s, 3 H) 0.03 - 0.07 (m, 12 H) 0.10 (s, 3 H) 0.81 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 0.84 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 0.89 (s, 9 H) 0.91 (s, 9 H) 0.92 (s, 9 H) 1.80 (dt, J=15.0, 4.5 Hz, 1 H) 1.99 (dt, J=15.0, 2.5 Hz, 1 H) 2.17 (dd, J=16.6, 10.2 Hz, 1 H) 2.20 - 2.29 (m, 2 H) 2.43 - 2.48 (m, 1 H) 2.54 (d, J=12.7 Hz, 1 H) 2.87 (dd, J=9.0, 1.7 Hz, 1 H) 2.99 (dd, J=16.6, 2.9 Hz, 1 H) 3.27 (td, J=5.8, 2.4 Hz, 1 H) 3.50 - 3.56 (m, 1 H) 3.66 - 3.74 (m, 2H) 3.75 - 3.78 (m, 1 H) 3.80 (s, 3 H) 3.81 - 3.85 (m, 1 H) 4.26 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 4.50 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 6.26 (d, J=14.6 Hz, 1 H) 6.42 (dd, J=14.6, 7.8 Hz, 1 H) 6.87 (d, J=8.3 Hz, 2 H) 7.21 (d, J=8.3 Hz, 2 H). ESI-MS (m/z): 927.39 [M+Na]+
例13
(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−エン−4−オン(化合物C−5)
Figure 2021512046
例12に記載の化合物C−4:(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−エン−4−オン(600mg、0.66mmol)の4℃のTHF(5.0mL)、IPA(5.0mL)、t−BuOH(5.0mL)の溶液に、(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸(154mg、0.66mmol)を添加した。反応混合物を4℃で20時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、次いで層を分離した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0%〜35% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物C−5、500mg、95%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.01 (s, 3 H) 0.04 (s, 3 H) 0.07 (s, 3 H) 0.11 (s, 3 H) 0.86 - 0.91 (m, 15 H) 0.93 (s, 9 H) 1.83 (dt, J=14.9, 4.8 Hz, 1 H) 1.93 - 2.00 (dt, J=14.9, 4.8 Hz, 1 H) 2.19 - 2.26 (m, 1 H) 2.29 (dd, J=14.9, 5.6 Hz, 1 H) 2.39 (dd, J=16.6, 8.3 Hz, 1 H) 2.44 - 2.66 (m, 4 H) 2.91 (dd, J=9.5, 1.7 Hz, 1 H) 3.36 - 3.41 (m, 1 H) 3.48 (td, J=11.3, 2.7 Hz, 1 H) 3.59 (t, J=7.1 Hz, 1 H) 3.74 - 3.78 (m, 2 H) 3.80 (s, 3 H) 3.85 (m, 1 H) 4.25 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.46 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 6.28 (d, J=14.6 Hz, 1 H) 6.43 (dd, J=14.6, 7.8 Hz, 1 H) 6.87 (d, J=8.8 Hz, 2 H) 7.21 (d, J=8.8 Hz, 2 H). ESI-MS (m/z): 813.30 [M+Na]+
例14
((2R,3R,5S,6S)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−((2S,6S,7S,E)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−4−オキソノナ−8−エン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネート(化合物C−6)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例13に記載の化合物C−5:(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−エン−4−オン(500mg、0.63mmol)の5℃のDCM(10mL)溶液に、ピリジン(2.54mL、31.6mmol)、塩化パラ−トルエンスルホニル(723mg、3.79mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(77mg、0.63mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。塩化パラ−トルエンスルホニル(150mg、0.79mmol)を室温で反応混合物に添加した。次いで反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、次いで層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を0%〜25% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物C−6、560mg、94%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.01 (s, 3 H) 0.04 (s, 3 H) 0.04 (s, 3 H) 0.08 (s, 3 H) 0.81 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 0.83 (s, 9 H) 0.86 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 0.89 (s, 9 H) 1.81 (dt, J=14.9, 4.5 Hz, 1 H) 1.91 - 1.96 (m, 1 H) 2.15 - 2.32 (m, 3 H) 2.36 - 2.42 (m, 1 H) 2.43 (s, 3 H) 2.57 (d, J=12.7 Hz, 1 H) 2.77 (dd, J=16.6, 3.4 Hz, 1 H) 2.87 (dd, J=9.0, 1.7 Hz, 1 H) 3.53 - 3.58 (m, 2 H) 3.70 - 3.75 (m, 1 H) 3.80 - 3.85 (m, 1H) 3.81 (s, 3 H) 4.06 (dd, J=10.0, 5.0 Hz, 1 H) 4.08 - 4.16 (m, 1 H) 4.28 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.51 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 6.30 (d, J=14.6 Hz, 1 H) 6.45 (dd, J=14.6, 7.8 Hz, 1 H) 6.88 (d, J=8.8 Hz, 2 H) 7.24 (d, J=8.8 Hz, 2 H) 7.31 (d, J=8.3 Hz, 2 H) 7.76 (d, J=8.3 Hz, 2 H).
例15
(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−6−(アジドメチル)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−エン−4−オン(化合物C−7)
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例14に記載の化合物C−6:((2R,3R,5S,6S)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−((2S,6S,7S,E)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−4−オキソノナ−8−エン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネート(560mg、0.59mmol)の20℃のDMSO(5.6mL)溶液に、アジ化ナトリウム(385mg、5.92mmol)を添加した。反応混合物を85℃で撹拌した。2時間後、アジ化ナトリウム(100mg、1.54mmol)を反応混合物に添加し、次いで反応混合物を85℃で14時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水でクエンチし、次いで層を分離した。有機抽出液を水および飽和食塩水で連続的に洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残渣を得た。残渣を0%〜15% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物C−7、298mg、62%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.03 (s, 3 H) 0.06 (s, 3 H) 0.07 (s, 3 H) 0.10 (s, 3 H) 0.84 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 0.85 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 0.91 (s, 9 H) 0.92 (s, 9 H) 1.86 (dt, J=15.0, 4.7 Hz, 1 H) 1.98 (dt, J=15.0, 2.9 Hz, 1 H) 2.19 - 2.32 (m, 3 H) 2.41 - 2.49 (m, 1 H) 2.58 (d, J=12.7 Hz, 1 H) 2.94 (dd, J=16.6, 2.9 Hz, 1 H) 2.98 (dd, J=8.8, 2.0 Hz, 1 H) 3.02 (dd, J=12.7, 2.9 Hz, 1 H) 3.47 (dt, J=8.8, 2.7 Hz, 1 H) 3.49 - 3.54 (m, 1 H) 3.63 (dd, J=12.7, 8.8 Hz, 1 H) 3.69 - 3.73 (m, 1 H) 3.81 (s, 3H) 3.83 - 3.88 (m, 1 H) 4.26 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 4.50 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 6.26 (d, J=14.6 Hz, 1 H) 6.42 (dd, J=14.6, 7.8 Hz, 1 H) 6.87 (d, J=8.8 Hz, 2 H) 7.22 (d, J=8.8 Hz, 2 H).
例16
(((2R,3R,5S,6S)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−((2S,6S,7S,E)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−4−オキソノナ−8−エン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル)カルバメート(化合物C−8)
Figure 2021512046
例15に記載の化合物C−7:(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−6−(アジドメチル)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノナ−8−エン−4−オン(298mg、0.37mmol)の20℃のTHF(10mL)と水(1.0mL)の溶液に、トリフェニルホスフィン(1437mg、5.478mmol)を添加した。反応混合物を70℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗アミンを得た。上記で得た粗アミンの5℃のTHF(10mL)溶液に、EtN(0.51mL、3.66mmol)および二炭酸ジアリル(341mg、1.83mmol)を添加した。反応混合物を室温で60分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を0%〜25% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物C−8、300mg、94%の収率)を得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.05 - 0.07 (m, 9 H) 0.11 (s, 3 H) 0.85 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 0.87 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 0.90 (s, 9 H) 0.93 (s, 9 H) 1.80 (dt, J=15.0, 4.4 Hz, 1 H) 1.96 (dt, J=15.0, 2.8 Hz, 1 H) 2.16 - 2.29 (m, 2 H) 2.32 - 2.39 (m, 1 H) 2.53 - 2.60 (m, 3 H) 2.86 (d, J=7.3 Hz, 1 H) 3.04 - 3.11 (m, 1 H) 3.30 - 3.34 (m, 1 H) 3.38 - 3.48 (m, 1 H) 3.58 (t, J=7.1 Hz, 1 H) 3.70 - 3.76 (m, 1 H) 3.80 (s, 3 H) 3.81 - 3.84 (m, 1 H) 4.25 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.46 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.53 - 4.63 (m, 2 H) 5.19 (dd, J=10.7, 1.5 Hz, 1 H) 5.32 (d, J=17.1 Hz, 1 H) 5.47 (d, J=6.8 Hz, 1 H) 5.88 - 5.99 (m, 1 H) 6.28 (d, J=14.6 Hz, 1 H) 6.43 (dd, J=14.6, 7.8 Hz, 1 H) 6.87 (d, J=8.8 Hz, 2 H) 7.21 (d, J=8.8 Hz, 2 H). ESI-MS (m/z): 896.34 [M+Na]+
スキームD−1;化合物D−7−1の調製
Figure 2021512046

Figure 2021512046


例17
化合物D−4−1
Figure 2021512046
窒素雰囲気下(グローブボックス中)、Organic Letters (2002), 4 (25), 4431-4434に書かれた方法で得た化合物D−2:(S)−N−(2−(4−イソプロピル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)−6−メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(155mg、0.497mmol)(CAS番号;546141−34−8)、および1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(107mg、0.497mmol)のMeCN(0.75mL)溶液に、塩化クロム(II)(55.5mg、0.452mmol)を添加し、次いで得られた混合物をグローブボックス中で室温にて1時間撹拌した。得られた緑色溶液を、例16に記載の化合物C−8:アリル(((2R,3R,5S,6S)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−((2S,6S,7S,E)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−4−オキソノナ−8−エン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル)カルバメート(99.0mg、0.113mmol)、Journal of the American Chemical Society (1992), 114 (8), 3162-3164に書かれた方法で得た化合物D−1(80.0mg、0.09mmol)(CAS番号;157322−23−1)、Journal of the American Chemical Society (2009), 131(42), 15387 - 15393に書かれた方法で得た化合物D−3:ジクロロ(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)ニッケル(0.46mg、1.36μmol)(CAS番号;21361-04-6)と、塩化リチウム(3.83mg、0.09mmol)の混合物に添加した。次いで反応混合物をグローブボックス中で室温にて60分間撹拌した。次いで反応混合物をグローブボックスから取り出し、ジエチルエーテル−EtOAc(5.0mL−5.0mL)で希釈し、次いでフロリジル(登録商標)(1600mg、15.94mmol)(CAS番号;1343-88-0)を混合物に添加した。次いで混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を濾過し(セライト(登録商標))、EtOAc/ヘプタン=2/1で洗浄し、次いで濾液を減圧下で濃縮した。残渣を3%〜55% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物D−4−1、140mg、95%の収率)を得た。
例18
化合物D−5−1
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例17に記載の化合物D−4(140mg、0.09mmol)の5℃のDCM(5.0mL)溶液に、炭酸水素ナトリウム(28.8mg、0.34mmol)およびデス−マーチンペルヨージナン(72.7mg、0.17mmol)を添加した。反応混合物を室温で60分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、次いで層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を2%〜60% EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物(化合物D−5−1、120mg、86%)を得た。
1H NMR (500 MHz, ベンゼン-d6) δ ppm 0.01 - 0.05 (m, 9 H) 0.10 - 0.12 (m, 6 H) 0.15 (s, 3 H) 0.76 (d, J=6.1 Hz, 3 H) 0.96 (s, 9 H) 1.02 (s, 9 H) 1.04 (s, 9 H) 0.95 - 1.10 (m, 7H) 1.20 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.31 - 1.37 (m, 3 H) 1.41 (dd, J=12.8, 4.9 Hz, 1 H) 1.40 - 1.58 (m, 4 H) 1.59 - 1.64 (m, 1 H) 1.69 - 1.89 (m, 3H) 1.90 - 1.99 (m, 2 H) 2.02 - 2.25 (m, 8 H) 2.26 - 2.48 (m, 6 H) 2.49 - 2.70 (m, 6 H) 2.71 - 2.84 (m, 2 H) 3.00 - 3.07 (m, 1 H) 3.12 - 3.30 (m, 4 H) 3.36 (s, 3 H) 3.40 (br.s, 1 H) 3.44 - 3.53 (m, 2 H) 3.65 (dd, J=6.4, 4.0 Hz, 1 H) 3.69 - 3.84 (m, 4H) 3.86 - 4.03 (m, 4H) 4.07 - 4.17 (m, 3 H) 4.27 - 4.29 (m, 1H) 4.27 (d, J=11.0 Hz, 1H) 4.48 - 4.58 (m, 1 H) 4.49 (d, J=11.0 Hz, 1H) 4.65 - 4.70 (m, 2 H) 4.68 (d, J=5.5 Hz, 1H) 4.74 - 4.86 (m, 2H) 4.78 (s, 1H) 4.93 (s, 1 H) 5.05 (d, J=10.4 Hz, 1 H) 5.09 (br. s., 1 H) 5.19 (br. s., 1 H) 5.30 (dd, J=17.1, 1.2 Hz, 1 H) 5.82 (d, J=8.0 Hz, 1 H) 5.86 - 5.96 (m, 1 H) 6.46 (d, J=15.9 Hz, 1 H) 6.84 - 6.92 (m, 3 H) 7.31 (d, J=8.6 Hz, 2 H).
例19
化合物D−6−1
Figure 2021512046
イミダゾール塩酸塩(155mg、1.48mmol)をDMF(2.9mL)に溶解してDMFの0.5Mイミダゾール塩酸塩溶液を得た。この溶液1.0mLをTBAF(1.0M、THF溶液)1.0mLと混合して、THF−DMF(1:1)中の0.5M TBAFと0.25Mイミダゾール塩酸塩の予め混合した溶液を得た。窒素雰囲気下、例18に記載の化合物D−5−1(80.0mg、0.05mmol)の20℃のDMF(7.0mL)溶液に、上記で調製したTHF−DMF(1:1)中のTBAF(0.5M)とイミダゾール塩酸塩(0.25M)の予め混合した溶液0.588mLを添加した。反応混合物を室温で14時間撹拌した。炭酸カルシウム1.6gとDowex(登録商標)50WX8(水素型、200〜400メッシュ、SIGMA−ALDRICH)4.0gを反応混合物に添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで混合物をEtOAcで希釈し、次いで濾過し(Celite(登録商標))、EtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して粗残渣を得た。1000mgの炭酸カルシウムと2.25gのDowex(登録商標)50WX8を粗残渣のEtOAc(6.0mL)溶液に添加した。混合物を室温で2.5時間撹拌した。次いで混合物をEtOAcで希釈し、濾過し(Celite(登録商標))、EtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して粗残渣(63.0mg)を得た。上記で得た粗残渣(63.0mg)の室温のDCM(6.0mL)、t−BuOH(0.6mL)、とpH7 リン酸塩バッファー(0.6mL、1/15M)との溶液に、DDQ(111mg、0.49mmol)を添加した。反応混合物を室温で45分間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、次いでDCMで希釈し、層を分離した。水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を10%〜100% EtOAc/ヘプタン、次いで10% MeOH/EtOAcを用いたNHシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、粗精製された標記化合物(化合物D−6−1、15.0mg、27%)を得た。
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.97 (d, J=7.0 Hz, 3 H) 0.97 (d, J=7.0 Hz, 3 H) 1.00 - 1.02 (m, 1 H) 1.05 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.09 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 1.31 - 1.45 (m, 6H) 1.46 - 1.63 (m, 5H) 1.64 - 1.75 (m, 3 H) 1.80 - 1.86 (m, 2 H) 1.87 - 1.93 (m, 2 H) 1.94 - 2.11 (m, 9H) 2.13 - 2.27 (m, 8H) 2.33 (d, J=2.4 Hz, 2 H) 2.39 (dd, J=13.4, 6.1 Hz, 1 H) 2.44 (dd, J=17.6, 2.0 Hz, 1 H) 2.55 (dd, J=17.6, 9.3 Hz, 1 H) 2.75 - 2.84 (m, 1 H) 2.97 (dd, J=9.3, 2.0 Hz, 1 H) 3.21 (dd, J=6.6, 4.6 Hz, 1 H) 3.32 (m, 1 H) 3.41 - 3.46 (m, 1 H) 3.57 (br. s., 1 H) 3.60 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 3.67 - 3.74 (m, 2 H) 3.78 (br. s., 1 H) 3.86 - 3.90 (m, 2 H) 3.97 (d, J=2.4 Hz, 1 H) 4.02 - 4.11 (m, 4 H) 4.17 (dd, J=6.6, 4.6 Hz, 1 H) 4.23 (dd, J=11.5, 2.2 Hz, 1 H) 4.29 (br.s, 1 H) 4.31 (td, J=9.3, 3.9 Hz, 1 H) 4.44 (d, J=10.2 Hz, 1 H) 4.51 (d, J=5.4 Hz, 2 H) 4.59 (t, J=4.9 Hz, 1 H) 4.61 (dd, J=7.3, 4.9 Hz, 1 H) 4.69 (t, J=4.6 Hz, 1 H) 4.80 (s, 1 H) 4.85 - 4.87 (m, 1 H) 5.01 (s, 1 H) 5.05 (s, 1 H) 5.16 (dd, J=10.7, 1.0 Hz, 1 H) 5.28 (dd, J=17.1, 2.0 Hz, 1 H) 5.92 (m, 1 H). ESI-MS (m/z): 1172.57 [M+Na]+
例20
化合物D−7−1
Figure 2021512046
窒素雰囲気下、例19に記載の化合物D−6(15.0mg、0.013mmol)、ピロリジン(10.8μL、0.13mmol)の室温のDCM(2.0mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(7.53mg、6.52μmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を50% EtOAc/ヘプタン、次いで0%〜20% MeOH/EtOAcを用いたNHシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、粗精製された生成物を得た。得られた粗精製された生成物をHPLCで精製して標記化合物(D−7−1、7.0mg、47%、保持時間=13.8分)を得た。
HPLC条件:
カラム:YMC Pack Pro C18(20mm×250mm)
検出波長:200nm
カラム温度:室温
移動相:MeCN−水(0.05% AcOH)
流量:8mL/分
溶出液:
MeCN/水 25%(アイソクラティック、2分)、次いで
MeCN/水 25%〜60%(勾配、20分)
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.99 (d, J=6.7 Hz, 3 H) 1.00 - 1.03 (m, 1 H) 1.04 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.06 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.10 (d, J=6.1 Hz, 3 H) 1.29 - 1.63 (m, 10 H) 1.65 - 1.78 (m, 3 H) 1.79 - 1.89 (m, 2 H) 1.92 - 2.12 (m, 10 H) 1.93 (s, 3 H) 2.13 - 2.36 (m, 9 H) 2.41 (dd, J=13.5, 6.1 Hz, 1 H) 2.45 (dd, J=17.6, 2.2 Hz, 1 H) 2.56 (dd, J=17.6, 9.8 Hz, 1 H) 2.75 - 2.84 (m, 1 H) 2.98 (dd, J=9.8, 1.8 Hz, 1 H) 3.12 (dd, J=12.8, 3.7 Hz, 1 H) 3.22 (dd, J=6.4, 4.6 Hz, 1 H) 3.26 (dd, J=13.2, 7.8 Hz, 1 H) 3.39 (d, J=1.8 Hz, 1 H) 3.61 (d, J=12.8 Hz, 1 H) 3.63 - 3.68 (m, 2 H) 3.68 - 3.76 (m, 2 H) 3.81 - 3.94 (m, 3 H) 4.00 (d, J=2.5 Hz, 1 H) 4.03 - 4.15 (m, 4 H) 4.18 (dd, J=6.4, 4.6 Hz, 1 H) 4.25 (ddd, J=11.0, 4.3, 1.8 Hz, 1 H) 4.27 - 4.36 (m, 2 H) 4.46 (d, J=11.0 Hz, 1 H) 4.57 - 4.65 (m, 2 H) 4.70 (t, J=4.6 Hz, 1 H) 4.81 (d, J=1.2 Hz, 1 H) 5.02 (br. s, 1 H) 5.06 (d, J=1.8 Hz, 1 H). ESI-MS (m/z): 1066.96 [M+H]+, 1090.19 [M+Na]+
化合物(1)(化合物D−7−1の塩遊離体):1H NMR (600 MHz,メタノール-d4)δppm 0.98 (d, J=7.2 Hz, 3 H) 1.00 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.02 (m, 1 H) 1.05 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.09 (d, J=6.4 Hz, 3 H) 1.28 - 1.45 (m, 5 H) 1.46 - 1.59 (m, 4 H) 1.57 - 1.63 (m, 1 H) 1.65 - 1.71 (m, 1 H) 1.70 - 1.75 (m, 2 H) 1.79 - 1.86 (m, 2 H) 1.91 (dt, J=14.9, 3.1 Hz, 1 H) 1.94 - 2.11 (m, 8 H) 2.14 - 2.34 (m, 9 H) 2.39 (dd, J=13.2, 6.0 Hz, 1 H) 2.44 (dd, J=17.4, 1.9 Hz, 1 H) 2.56 (dd, J=17.6, 9.6 Hz, 1 H) 2.69 (dd, J=13.2, 4.2 Hz, 1 H) 2.79 (ddq, J=15.9, 7.6, 2.0 Hz, 1 H) 2.92 (dd, J=13.2, 8.3 Hz, 1 H) 2.97 (dd, J=9.6, 1.7 Hz, 1 H) 3.21 (dd, J=6.4, 4.9 Hz, 1 H) 3.29 (m, 1 H) 3.34 (dd, J=8.3, 4.15 Hz, 1 H) 3.58 (br. s., 1 H) 3.60 (br.d, J=11.3 Hz, 1 H) 3.68 - 3.73 (m, 2 H) 3.80 (br. s., 1 H) 3.84 - 3.90 (m, 2 H) 3.98 (d, J=2.3 Hz, 1 H) 4.03 - 4.13 (m, 4 H) 4.17 (dd, J=6.4, 4.9 Hz, 1 H) 4.24 (ddd, J=11.3, 4.5, 1.5 Hz, 1 H) 4.29 (dd, J=4.0, 1.9 Hz, 1 H) 4.32 (td, J=10.2, 4.2 Hz, 1 H) 4.44 (br. d, J=11.0 Hz, 1 H) 4.59 (t, J=4.5 Hz, 1 H) 4.62 (dd, J=7.4, 4.7 Hz, 1 H) 4.69 (t, J=4.7 Hz, 1 H) 4.80 (br. s., 1 H) 4.87 (s, 1 H) 5.00 (br. s., 1 H) 5.05 (br.d, J=1.1 Hz, 1 H)
ESI-MS (m/z): 1066.57 [M+H]+, 1088.55 [M+Na]+
化合物(D−6)の合成
スキームA;化合物A−7の調製
Figure 2021512046


例21
(S)−3−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ブタナール(化合物A−7)
Figure 2021512046


標題化合物A−7は、スキームAに示されるとおり、Organic Letters (2009), 11(2), 409-412(CAS No;1095280-04-8)に記載の方法により、調製された化合物A−1:(4aR,5aS,6R,8aS,9aR)−2,2−ジ−tert−ブチル−6−メチルヘキサヒドロフロ[2’,3’:5,6]ピラノ[3,2−d][1,3,2]ジオキサシリン−7(8aH)−オンから得られた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) ppm 0.00 (s, 3 H) 0.03 - 0.08 (m, 12 H) 0.11 (s, 3 H) 0.88 (s, 9 H) 0.91 - 0.92 (m, 21H) 1.82 (dt, J=15.0, 4.5 Hz, 1 H) 2.01 (dt, J=15.0, 2.5 Hz, 1 H) 2.28 (ddd, J=16.0, 7.3, 2.4 Hz, 1 H) 2.53 -2.58 (m, 1 H) 2.74 (ddd, J=16.0, 5.5, 2.0 Hz, 1 H) 2.94 (dd, J=9.0, 1.7 Hz, 1 H) 3.29 (td, J=5.9, 2.0 Hz, 1 H) 3.68 (d, J=5.9 Hz, 2 H) 3.75 - 3.82 (m, 1 H) 3.82 - 3.90 (m, 1 H) 9.73 (t, J=2.4 Hz, 1 H)

スキームB;化合物B−3の調製
Figure 2021512046

例22
((3S,4R)−5−ヨード−3−((4−メトキシベンジル)オキシ)−4−メチルペンタ−1−イン−1−イル)トリメチルシラン(化合物B−3)
Figure 2021512046
標題化合物B−3は、スキームBに示されるとおり、WO 93/17690 A1/US 5436238 A(CAS No;157323-41-6)に記載の方法により調製された化合物B−1:(2S,3S)−3−((4−メトキシベンジル)オキシ)−2−メチル−5−(トリメチルシリル)ペンタ−4−イン−1−オールから得られた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.21 (s, 9 H) 1.10 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.74 - 1.84 (m, 1 H) 3.30 - 3.37 (m, 2 H) 3.82 (s, 3 H) 3.96 (d, J=7.3 Hz, 1 H) 4.44 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.73 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 6.89 (d, J=8.8 Hz, 2 H) 7.30 (d, J=8.8 Hz, 2 H).

スキームC;化合物C−4の調製
Figure 2021512046


例23
(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノン−8−エン−4−オン(化合物C−4)
Figure 2021512046
標題化合物C−4は、スキームCに示されるとおり、化合物C−8の調製のための手順に従って、化合物A−7:(S)−3−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ブタナールおよび化合物B−3:((3S,4R)−5−ヨード−3−((4−メトキシベンジル)オキシ)−4−メチルペンタ−1−イン−1−イル)トリメチルシランから得られた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.00 (s, 3 H) 0.03 - 0.07 (m, 12 H) 0.10 (s, 3 H) 0.81 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 0.84 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 0.89 (s, 9 H) 0.91 (s, 9 H) 0.92 (s, 9 H) 1.80 (dt, J=15.0, 4.5 Hz, 1 H) 1.99 (dt, J=15.0, 2.5 Hz, 1 H) 2.17 (dd, J=16.6, 10.2 Hz, 1 H) 2.20 - 2.29 (m, 2 H) 2.43 - 2.48 (m, 1 H) 2.54 (d, J=12.7 Hz, 1 H) 2.87 (dd, J=9.0, 1.7 Hz, 1 H) 2.99 (dd, J=16.6, 2.9 Hz, 1 H) 3.27 (td, J=5.8, 2.4 Hz, 1 H) 3.50 - 3.56 (m, 1 H) 3.66 - 3.74 (m, 2H) 3.75 - 3.78 (m, 1 H) 3.80 (s, 3 H) 3.81 - 3.85 (m, 1 H) 4.26 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 4.50 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 6.26 (d, J=14.6 Hz, 1 H) 6.42 (dd, J=14.6, 7.8 Hz, 1 H) 6.87 (d, J=8.3 Hz, 2 H) 7.21 (d, J=8.3 Hz, 2 H). ESI-MS (m/z): 927.4 [M+Na]+

スキームD;化合物D−6の調製
Figure 2021512046

例24
化合物D−4
Figure 2021512046

窒素雰囲気下(グローブボックス中)で、MeCN(0.3mL)中Organic Letters (2002)、4 (25)、4431-4434(CAS No;546141-34-8)に記載の方法により得られた化合物D−2:(S)−N−(2−(4−イソプロピル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)−6−メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(29.1mg、0.093mmol)および1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(20.0mg、0.093mmol)の溶液に、塩化クロム(II)(10.4mg、0.085mmol)を添加し、次いで、その結果得られる混合物を室温にて1時間、グローブボックス中で撹拌した。その結果得られる溶液を、例23に記載の化合物C−4:(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノン−8−エン−4−オン(18.4mg、0.02mmol)、Journal of the American Chemical Society (1992), 114 (8), 3162-3164に記載の方法により得られた化合物D−1(15.0mg、0.017mmol)(CAS No;157322-23-1)、Journal of the American Chemical Society (2009) 131(42) 1 5387-15393に記載の方法により得られた化合物D−3:ジクロロ(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)ニッケル(0.09mg、0.254μmol)(CAS No;21361-04-6)および塩化リチウム(1.0mg、0.024mmol)の予混合物に添加した。反応混合物を室温にて60分間、グローブボックス中で撹拌した。反応混合物を、次いでグローブボックスから取り出し、ジエチルエーテル(0.45ml)で希釈し、次いでフロリジル(登録商標)(300mg、2.99mmol)(CAS No;1343-88-0)を混合物に添加した。次いで混合物を室温にて30分間撹拌した。混合物を、濾過し(セライト(登録商標))、EtOAc/ヘプタン=1/1で洗浄し、次いで、濾過物を減圧下で濃縮した。3%〜45%EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲル上での残渣のフラッシュクロマトグラフィーは、標題化合物(化合物D−4、25.5mg、90%収率)を与えた。

例25
化合物D−5
Figure 2021512046

窒素雰囲気下で、DCM(1.5mL)中例24に記載の化合物D−4の溶液に、0℃において、NaHCO(0.38mg、4.51μmol)およびデス・マーチン・ペルヨージナン(12.7mg、0.03mmol)を添加した。反応混合物を室温にて5時間撹拌した。デス・マーチン・ペルヨージナン(4.0mg、9.43μmol)を、反応混合物に添加し、次いで、反応混合物を室温にて、3時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液および飽和NaSO水溶液でクエンチし、次いで、層を分離させた。水性層をDCMで抽出した。合わされた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。3%〜40%EtOAc/ヘプタンを用いたシリカゲル上での残渣のフラッシュクロマトグラフィーは、標題化合物(化合物D−5、20mg、80%)を与えた。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm -0.01 - 0.01 (m, 6 H) 0.03 - 0.08 (m, 15 H) 0.10 (s, 3 H) 0.80 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 0.84 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 0.87 (s, 9 H) 0.88 (s, 9 H) 0.91 (s, 9 H) 0.91 (s, 9 H) 0.94 - 0.98 (m, 1H) 1.04 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.07 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 1.29 - 1.51 (m, 5 H) 1.60 - 1.68 (m, 3 H) 1.68 - 1.77 (m, 2 H) 1.80 (dt, J=14.8, 4.6 Hz, 1 H) 1.86 - 2.03 (m, 7 H) 2.06 - 2.27 (m, 9 H) 2.29 (d, J=2.4 Hz, 2 H) 2.37 (dd, J=16.3, 4.6 Hz, 1 H) 2.41 - 2.50 (m, 1 H) 2.54 (d, J=13.7 Hz, 1 H) 2.64 (dd, J=16.6, 7.3 Hz, 1 H) 2.76 - 2.90 (m, 3 H) 2.91 - 3.04 (m, 3 H) 3.24 - 3.30 (m, 1 H) 3.41 (dd, J=5.6, 4.1 Hz, 1 H) 3.54 - 3.59 (m, 1 H) 3.66 - 3.75 (m, 3 H) 3.75 - 3.78 (m, 1 H) 3.80 (s, 3 H) 3.81 - 3.84 (m, 1 H) 3.86 -3.96 (m, 3 H) 4.03 - 4.09 (m, 2 H) 4.20 (dd, J=6.8, 4.9 Hz, 1 H) 4.24 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.33 (br. s., 2 H) 4.39 -4.45 (m, 2 H) 4.47 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 4.57 (d, J=7.3 Hz, 1 H) 4.60 (t, J=4.4 Hz, 1 H) 4.69 (t, J=4.6 Hz, 1 H) 4.75 (s, 1 H) 4.83 (s, 1 H) 5.00 (d, J=13.2 Hz, 2 H) 6.23 (d, J=16.1 Hz, 1 H) 6.66 (dd, J=16.1, 6.8 Hz, 1 H) 6.87 (d, J=8.8 Hz, 2 H) 7.21 (d, J=8.8 Hz, 2 H).

例26
化合物D−6
Figure 2021512046
1ミリリットルのTBAF(1.0mmol、1.0M THF溶液)をトルエン(3x1mL)と共蒸発させた。残渣にイミダゾール塩酸塩(52mg、0.5mmol)およびDMF(2.0mL)を添加し、DMF中0.5M TBAFおよび0.25Mイミダゾール塩酸塩の予混合溶液を得た。窒素雰囲気下で、DMF(0.9mL)およびMeOAc(0.1mL)中例25に記載の化合物D−5(20.7mg、0.012mmol)の溶液に、室温にて、上記で調製されたDMF中TBAF(0.5M)およびイミダゾール塩酸塩(0.25M)の0.241mLの予混合溶液を添加した。反応混合物を室温にて18時間撹拌した。反応混合物を210mgのCaCOおよび520mgのDowex(登録商標)50WX8(水素形態、200〜400メッシュ、SIGMA-ALDRICH)に添加した。混合物を、EtOAc(0.3mL)で希釈し、室温にて1時間撹拌した。混合物をEtOAc(3mL)で希釈し、次いでセライト(登録商標)で濾過し、EtOAcで洗浄した。濾過物を減圧下で濃縮し、粗製の残渣を得た。残渣をEtOAc(3mL)に添加した。溶液を210mgのCaCOおよび520mgのDowex(登録商標)50WX8に添加した。混合物を、室温にて1時間撹拌した。混合物を、EtOAcで希釈し、セライト(登録商標)で濾過し、EtOAcで洗浄した。濾過物を減圧下で濃縮し、粗製の残渣(16.7mg)を得た。DCM(2.1mL)、t−BuOH(0.21mL)、およびpH7リン酸バッファー(0.21mL、1/15M)中上記で得られた粗製の残渣(16.7mg)の溶液に、室温にてDDQ(28.3mg、0.125mmol)を添加した。反応混合物を室温にて50分間、激しく撹拌した。反応混合物を室温にて激しく撹拌しながら飽和NaHCO水溶液(8mL)に注ぎ、次いで、DCM(10mL)で希釈し、層を分離させた。水性層をDCM(2x5mL)で抽出した。合わされた有機抽出物を、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。0%〜100%EtOAc/ヘプタン、次いで5%MeOH/EtOAcを用いたNHシリカゲル(FUJI SILYSIA CHEMICAL LTD、Chromatorex(登録商標)NHシリカゲル)上での残渣のフラッシュクロマトグラフィーは、大まかに精製された標題化合物(4.9mg)を与えた。得られた生成物を、HPLCにより精製し、標題化合物(化合物D−6、2.2mg、16.5%)を得た。保持時間=8.7分。
HPLC条件
カラム:YMC Pak Pro C18(10mmI.D.x250mm)
検出波長:205nm
カラム温度:室温
移動相:MeCN−水
流速:4.7mL/分
溶出液:
MeCN/水60%(イソ、2分)、次いで
MeCN/水60%〜99%(勾配、10分)、次いで
MeCN/水99%(イソ、11分)
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.97 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 0.99 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.00 - 1.05 (m, 1 H) 1.05 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.09 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.30 - 1.57 (m, 8 H) 1.57 - 1.62 (m, 1 H) 1.64 - 1.70 (m, 1 H) 1.70 - 1.75 (m, 2 H) 1.78 - 1.86 (m, 2 H) 1.90 (ddd, J=14.8, 3.2, 3.2 Hz, 1 H) 1.94 - 2.12 (m, 9H) 2.13 - 2.25 (m, 4 H) 2.25 - 2.34 (m, 5 H) 2.39 (dd, J=13.2, 5.8 Hz, 1 H) 2.44 (dd, J=17.4, 2.3 Hz, 1 H) 2.55 (dd, J=17.6, 9.7 Hz, 1 H) 2.76 - 2.83 (m, 1 H) 2.97 (dd, J=9.7, 1.9 Hz, 1 H) 3.21 (dd, J=6.6, 4.6 Hz, 1 H) 3.30 (m, 1 H) 3.41 (dd, J=6.1, 6.1 Hz, 1 H) 3.60 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 3.65 (d, J=2.9 Hz, 1 H) 3.65 - 3.68 (m, 2 H) 3.68 - 3.74 (m, 2 H) 3.80 (br. s., 1 H) 3.84 - 3.91 (m, 2 H) 3.98 (dd, J=4.7, 2.2 Hz, 1 H) 4.03 - 4.13 (m, 4 H) 4.17 (dd, J=6.6, 4.6 Hz, 1 H) 4.23 (ddd, J=11.6, 4.6, 2.0 Hz, 1 H) 4.28 - 4.30 (m, 1 H) 4.32 (dd, J=10.2, 4.2 Hz, 1 H) 4.44 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.59 (dd, J=4.4, 4.4 Hz, 1 H) 4.61 (dd, J=7.6, 4.8 Hz, 1 H) 4.69 (dd, J=4.6, 4.6 Hz, 1 H) 4.80 (d, J=1.2 Hz, 1 H) 4.86 - 4.87 (m, 1 H) 5.01 (br. s., 1 H) 5.06 (d, J=1.5 Hz, 1 H). ESI-MS (m/z): 1089.5 [M+Na]+

化合物(E−2)の合成
例27
化合物E−2
Figure 2021512046

標題化合物E−2は、化合物D−4、D−5およびD−6(例24、25および26)の調製について記載されたのと同じ手順を用いて、WO 93/17690 A1に記載の方法により調製された化合物E−1:(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノン−8−エン−4−オール(CAS No;157323-29-0)、ならびに、Journal of the American Chenical Society 1992, 114, 3162-3164に記載の方法により調製された化合物D−1(CAS No;157322-23-1)から得られた。保持時間=14.7分。
HPLC条件
カラム:YMC Pak Pro C18(4.6mmI.D.x250mm)
検出波長:200nm
カラム温度:室温
移動相:MeCN−水
流速:1ml/分
溶出液:
MeCN/水40%〜98%(勾配、20分)、次いで
MeCN/水98%(イソ、10分)
1H NMR (600 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.96 - 0.98 (m, 6 H) 1.01 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 1.05 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.09 (d, J=6.4 Hz, 3 H) 1.30 - 1.56 (m, 7H) 1.63 - 1.71 (m, 3H) 1.72 (d, J=10.6 Hz, 1 H) 1.79-1.86 (m, 2H) 1.89 - 2.12 (m, 11H) 2.13 - 2.21 (m, 3 H) 2.22 - 2.32 (m, 6H) 2.39 (dd, J=13.2, 6.0 Hz, 1 H) 2.44 (dd, J=17.8, 2.3 Hz, 1 H) 2.55 (dd, J=17.4, 9.4 Hz, 1 H) 2.79 (dd, J=15.7, 5.5 Hz, 1 H) 2.97 (dd, J=9.4, 1.5 Hz, 1 H) 3.21 (dd, J=6.4, 4.9 Hz, 1 H) 3.28 (br. s., 2 H) 3.47 (br. s., 1 H) 3.51 (dd, J=9.1, 3.8 Hz, 1 H) 3.60 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 3.66 - 3.70 (m, 1 H) 3.67 - 3.71 (m, 1 H) 3.68 - 3.73 (m, 2 H) 3.78 (br. s., 1 H) 3.86 (br. s., 1 H) 3.86 - 3.90 (m, 1 H) 3.98 (q, J=2.3 Hz, 1 H) 4.03 - 4.08 (m, 1 H) 4.07 - 4.10 (m, 1 H) 4.09 - 4.12 (m, 1 H) 4.10 - 4.12 (m, 2 H) 4.17 (dd, J=6.4, 4.9 Hz, 1 H) 4.23 (ddq, J=11.0, 4.2, 1.9 Hz, 1 H) 4.29 (t, J=1.9 Hz, 1 H) 4.32 (td, J=10.6, 4.5 Hz, 1 H) 4.44 (d, J=11.0 Hz, 1 H) 4.59 (t, J=4.3 Hz, 1 H) 4.62 (dd, J=7.4, 4.7 Hz, 1 H) 4.69 (t, J=4.7 Hz, 1 H) 4.84 (br. s., 1 H) 4.87 (br. s., 1 H) 5.00 (br. s., 1 H) 5.05 (br. s., 1 H). ESI-MS (m/z): 1103.6 [M+Na]+

化合物(G−4)の合成
スキームF;化合物F−1の調製
Figure 2021512046
スキームG;化合物G−4の調製
Figure 2021512046

Figure 2021512046
例28
化合物G−4
Figure 2021512046
標題化合物G−4は、スキームGに記載の手順に基づいて、(スキームFに記載の手順により調製された)化合物F−1:アリル−(2−((2R,3R,5S,6S)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−((2S,6S,7S,E)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−4−オキソノン−8−エン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル)カルバマート、およびJournal of the American Chemical Society 1992, 114, 3162-3164(その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法により調製された化合物D−1(CAS No;157322-23-1)から、酢酸塩として得られた。保持時間=10.7分。
HPLC条件
カラム:YMC Pak Pro C18(10mmI.D.x250mm)
検出波長:200nm
カラム温度:室温
移動相:MeCN−水(0.05%AcOH)
流速:4.0mL/分
溶出液:
MeCN/水25%(イソ、2分)、次いで
MeCN/水25%〜60%(勾配、20分)、次いで
MeCN/水60%(イソ、1分)
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.99 (d, J=6.7 Hz, 6 H) 1.00 - 1.03 (m, 1 H) 1.06 (d, J=6.7 Hz, 3 H) 1.10 (d, J=6.1 Hz, 3 H) 1.26 - 1.64 (m, 11 H) 1.65 - 2.37 (m, 25 H) 2.40 (dd, J=13.4, 6.1 Hz 1 H) 2.45 (dd, J=17.1, 1.8 Hz, 1 H) 2.56 (dd, J=17.7, 9.2 Hz, 1 H) 2.76 - 2.84 (m, 1 H) 2.98 (dd, J=9.8, 1.8 Hz, 1 H) 3.01 - 3.17 (m, 2 H) 3.22 (dd, J=6.7, 4.9 Hz, 1 H) 3.34 (dd, J=6.1, 4.3 Hz, 1 H) 3.48 - 3.53 (m, 2 H) 3.61 (d, J=11.6 Hz 1 H) 3.69 - 3.75 (m, 2 H) 3.82 (br. s., 1 H) 3.85 - 3.92 (m, 2 H) 3.99 (br. s., 1 H) 4.04 - 4.14 (m, 4 H) 4.18 (dd, J=6.7, 4.2 Hz, 1 H) 4.25 (ddd, J=11.6, 4.9, 1.8 Hz, 1 H) 4.29 - 4.35 (m, 2 H) 4.46 (d, J=11.0 Hz, 1 H) 4.58 - 4.63 (m, 2 H) 4.70 (t, J=7.2, 4.6 Hz, 1 H) 4.81 (br. s., 1 H) 5.02 (br. s., 1 H) 5.06 (br. s., 1 H). ESI-MS (m/z): 1080.6 [M+H] + , 1102.6[M+Na]+.

(H−2)の合成
例29
化合物H−2
Figure 2021512046
標題化合物H−2は、スキームGに記載の手順に基づいて、スキームFに記載の手順により調製された化合物F−1:アリル−2−((2R,3R,5S,6S)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−((2S,6S,7S,E)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−4−オキソノン−8−エン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル)カルバマート、およびJournal of the American Chemical Society 2012, 134, 893-896(その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法により調製された化合物H−1(CAS No;1353268-98-0)から、酢酸塩として得られた。保持時間=10.2分。
HPLC条件
カラム:YMC Pak Pro C18(10mmI.D.x250mm)
検出波長:200nm
カラム温度:室温
移動相:MeCN−水(0.05%AcOH)
流速:4.0ml/分
溶出液:
MeCN/水20%(イソ、2分)、次いで
MeCN/水20%〜80%(勾配、20分)
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.99 (d, J=7.0 Hz, 6 H) 1.02 - 1.04 (m, 1 H) 1.06 (d, J=7.0 Hz, 3 H) 1.11 (d, J=6.6 Hz, 3 H) 1.24 - 1.45 (m, 7H) 1.46 - 1.54 (m, 2 H) 1.54 - 1.61 (m, 2 H) 1.62 - 1.77 (m, 5 H) 1.78 - 1.89 (m, 4 H) 1.90 - 2.16 (m, 7 H) 2.16 - 2.36 (m, 9 H) 2.39 (dd, J=13.3, 5.9 Hz 2 H) 2.55 (dd, J=19.9, 3.5 Hz, 1 H) 2.75 - 2.85 (m, 1 H) 2.95 (dd, J=9.8, 2.0 Hz, 1 H) 3.01 - 3.17 (m, 2 H) 3.22 (dd, J=6.4, 4.5 Hz, 2 H) 3.46 - 3.53 (m, 2 H) 3.61 (d, J=10.5 Hz 1 H) 3.67 - 3.76 (m, 2 H) 3.80 - 3.84 (m, 1 H) 3.84 - 3.92 (m, 2 H) 3.97 - 4.01 (m, 1 H) 4.03 - 4.14 (m, 3 H) 4.17 (dd, J=4.1, 1.4 Hz, 1 H) 4.21 - 4.27 (m, 1 H) 4.27 - 4.34 (m, 2 H) 4.39 - 4.43 (m, 1 H) 4.44 (d, J=10.6 Hz, 1 H) 4.62 (dd, J=7.2, 4.5 Hz, 1 H) 4.82 (br. s., 1 H) 4.88 (br. s., 1 H) 5.02 (br. s., 1 H) 5.06 (br. s., 1 H). ESI-MS (m/z): 1096.6 [M+H] + , 1118.6 [M+Na] +.

化合物(I−2)の合成
スキームI;化合物I−1の調製
Figure 2021512046
例30
化合物I−2
Figure 2021512046
標題化合物I−2は、化合物D−4、D−5、およびD−6(例24、25、および26)の調製について記載された手順を用いて、スキームIに記載の方法により得られた化合物I−1:(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(2−メトキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノン−8−エン−4−オンおよび化合物D−1(CAS No;157322-23-1)から得られた。
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.98 (d, J=6.8 Hz, 6 H) 1.00 - 1.03 (m, 1 H) 1.06 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.10 (d, J=5.8 Hz, 3 H) 1.29 - 1.63 (m, 11 H) 1.65 - 1.78 (m, 3 H) 1.78 2.13 (m, 12 H) 2.13 - 2.36 (m, 9 H) 2.39 (dd, J=14.1, 5.4 Hz, 1 H) 2.45 (d, J=17.1 Hz, 1 H) 2.57 (dd, J=17.5, 9.7 Hz, 1 H) 2.76 - 2.84 (m, 1 H) 2.98 (d, J=10.2 Hz, 1 H) 3.19-3.24 (m, 1 H) 3.31-3.32 (m, 1 H) 3.32 (s, 3H) 3.49-3.57 (m, 4 H) 3.61 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 3.68-3.76 (m, 2 H) 3.79 (br. s., 1 H) 3.84 - 3.92 (m, 2 H) 3.98 (br. s., 1 H) 4.03 - 4.15 (m, 4 H) 4.18 (t, J=5.8 Hz, 1 H) 4.25 (d, J=10.2 Hz, 1 H) 4.28 - 4.36 (m, 2 H) 4.45 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.58-4.65 (m, 2 H) 4.70 (br. t, J=5.4 Hz, 1 H) 4.81 (br. s., 1 H) 4.87 (br. s., 1 H) 5.02 (br. s., 1 H) 5.06 (br. s., J=1.5 Hz, 1 H). ESI-MS (m/z): 1117.6 [M+Na] +.

化合物(J−1)の合成
例31
化合物J−1
Figure 2021512046
標題化合物J−1は、スキームGに記載の手順に基づいて、化合物E−1:(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5R,6R)−3,5−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノン−8−エン−4−オール(CAS No;157323-29-0)および化合物H−1(CAS No;1353268-98-0)から得られた。保持時間=12.8分。
HPLC条件
カラム:YMC Pak Pro C18(10mmI.D.x250mm)
検出波長:200nm
カラム温度:室温
移動相:MeCN−水
流速:4.5ml/分
溶出液:
MeCN/水35%(イソ、2分)、次いで
MeCN/水35%〜99%(勾配、20分)
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.97 (d, J=2.9 Hz, 3H) 0.99 (d, J=2.9 Hz, 3 H) 1.00 - 1.03 (m, 1 H) 1.05 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.11 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.30 - 1.44 (m, 6 H) 1.48 - 1.57 (m, 4 H) 1.61 - 1.76 (m, 4 H) 1.79 - 1.87 (m, 3 H) 1.91 - 1.98 (m, 3 H) 2.00 - 2.14 (m, 8 H) 2.24 - 2.35 (m, 5 H) 2.37 - 2.44 (m, 6 H) 2.55 (dd, J=17.6, 9.8 Hz, 1 H) 2.68 - 2.87 (m, 1 H) 2.94 (dd, J=9.8, 2.0 Hz, 1 H) 3.22 (dd, J=6.6, 4.7 Hz, 1 H) 3.22 (dd, J=6.6, 4.7 Hz, 1 H) 3.26 - 3.36 (m, 2 H) 3.42 - 3.56 (m, 2H) 3.60 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 3.65 - 3.75 (m, 3 H) 3.79 (br. s., 1 H) 3.83 - 3.93 (m, 2 H) 3.98 (d, J=2.4 Hz, 1 H) 4.02 - 4.36 (m, 3 H) 4.37 - 4.51 (m, 2 H) 4.62 (dd, J=7.6, 4.6, Hz, 1 H) 4.82 (br. s., 1 H) 4.89 (br. s., 1 H) 5.01 (br. s., 1 H) 5.06 (br. s., 1 H). ESI-MS (m/z): 1119.6 [M+Na] +.

化合物(K−2)の合成
スキームK;化合物K−1の調製
Figure 2021512046
例32
化合物K−2
Figure 2021512046
標題化合物K−2は、スキームGに記載の手順に基づいて、スキームKに記載の方法により調製された化合物K−1:アリル((2R,4S)−2,4−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−4−((2S,4S,5S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−((2S,6S,7S,E)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−4−オキソノン−8−エン−2−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)ブチル)カルバマートおよび化合物D−1(CAS No;157322-23-1)から得られた。保持時間=9.5分。
HPLC条件
カラム:YMC Pak Pro C18(10mmI.D.x250mm)
検出波長:200nm
カラム温度:室温
移動相:MeCN−水(0.05%AcOH)
流速:4ml/分
溶出液:
MeCN/水25%(イソ、2分)、次いで
MeCN/水25%〜80%(勾配、20分)
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.96 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.01 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.00 - 1.03 (m, 1 H) 1.05 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.09 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 1.19 - 1.63 (m, 9 H) 1.64 - 1.76 (m, 4 H) 1.77 - 1.89 (m, 3 H) 1.91 - 2.21 (m, 11 H) 2.12-2.21 (m, 3 H) 2.22 - 2.44 (m, 7 H) 2.44 (dd, J=17.5, 1.9 Hz, 1 H) 2.55 (dd, J=17.6, 9.3 Hz, 1 H) 2.75-2.87 (m, 2H) 2.97 (dd, J=9.8, 2.0 Hz, 1 H) 3.05 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 3.21 (dd, J=6.3, 4.4 Hz, 1 H) 3.58 (br. s., 1 H) 3.60 (d, J=12.2 Hz, 1 H) 3.69 (br. s., 1 H) 3.73 (d, J=10.2 Hz, 1 H) 3.77 (br. s., 1 H) 3.84 - 3.90 (m, 2 H) 3.98 - 4.13 (m, 7 H) 4.17 (dd, J=6.1, 4.6 Hz,1 H) 4.24 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 4.29 (d, J=3.9 Hz, 1 H) 4.32 (dd, J=9.8, 3.9 Hz, 1 H) 4.45 (d, J=10.2 Hz, 1 H) 4.58 - 4.62 (m, 2 H) 4.69 (t, J=4.6 Hz, 1 H) 4.80 (s, 1 H) 4.84 (s, 1 H) 5.02 (br. s., 1 H) 5.06 (br. s., 1 H). ESI-MS (m/z): 1110.6。[M+H]+ , 1132.6 [M+Na] +.

化合物(L−6)の合成
スキームL;化合物L−6の調製
Figure 2021512046


例33
化合物L−6
Figure 2021512046

標題化合物L−6は、スキームLに記載の方法により、Journal of the American Chemical Society 2012, 134, 893-896(その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法により調製された化合物L−1(CAS No;1353269-09-6)より、酢酸塩として得られた。保持時間=5.6分。
HPLC条件
カラム:YMC Pak Pro C18(10mmI.D.x250mm)
検出波長:205nm
カラム温度:室温
移動相:MeCN−水(0.05%AcOH)
流速:4.7mL/分
溶出液:
MeCN/水25%(イソ、2分)、次いで
MeCN/水25%〜80%(勾配、20分)、次いで
MeCN/水80%(イソ、2分)
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.94 - 1.03 (m, 7 H) 1.05 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.10 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.21 -2.41 (m, 36H) 2.44 (dd, J=17.6, 2.2 Hz, 1 H) 2.54 (dd, J=17.6, 9.2 Hz, 1 H) 2.75 - 2.83 (m, 1H) 2.94 (dd, J=9.5, 1.7 Hz, 1 H) 3.19 - 3.23 (m, 1 H) 3.31 - 3.33 (m, 1 H) 3.53 - 3.73 (m, 7 H) 3.78 (br. s., 1 H) 3.84 - 3.90 (m, 2 H) 3.97 - 4.12 (m, 4 H) 4.16 (dd, J=3.9, 1.0 Hz, 1 H) 4.21 (dd, J=5.6, 3.2 Hz, 1 H) 4.21 - 4.26 (m, 1 H) 4.26 - 4.33 (m, 2 H) 4.38 - 4.46 (m, 2 H) 4.58 - 4.63 (m, 2 H) 4.81 (br. s., 1 H) 4.86 - 4.87 (m, 1 H) 5.01 (br. s., 1 H) 5.06 (br. s., 1 H). ESI-MS (m/z):1126.6 [M+H]+ , 1148.6 [M+Na]+.

化合物(M−3)の合成
スキームM;化合物M−1およびM−2の調製
Figure 2021512046

例34
化合物M−3
Figure 2021512046
標題化合物M−3は、化合物D−4、D−5、およびD−6(例24、25、および26)の調製について記載の手順を用いて、スキームMに記載の方法により調製された化合物M−1:(2S,6S,7S,E)−2−((2S,3S,5S)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−((S)−2,2,3,3,9,9,10,10−オクタメチル−4,8−ジオキサ−3,9−ジシラウンデカン−5−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチルノン−8−エン−4−オンおよび化合物D−1(CAS No;157322-23-1)から得られた。
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.96 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.00 - 1.03 (m, 1 H) 1.02 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.06 (d, J=7.3 Hz, 3 H) 1.10 (d, J=6.8 Hz, 3 H) 1.29 - 1.63 (m, 10 H) 1.65 - 1.78 (m, 5 H) 1.79 - 1.89 (m, 3 H) 1.92 - 2.12 (m, 7 H) 2.13 - 2.36 (m, 10 H) 2.40 (dd, J=13.4, 6.1 Hz, 1 H) 2.45 (dd, J=17.5, 2.4 Hz, 1 H) 2.56 (dd, J=18.0, 9.7 Hz, 1 H) 2.76 - 2.84 (m, 1 H) 2.98 (dd, J=9.7, 1.9 Hz, 1 H) 3.22 (dd, J=6.3, 4.9 Hz, 1 H) 3.31-3.32 (m, 1 H) 3.55 (m, 1H) 3.61 (d, J=11.7 Hz, 1 H) 3.67-3.76 (m, 5 H) 3.84 - 3.91 (m, 2 H) 3.95 (sept, J=4.9Hz, 1H) 4.03 - 4.11 (m, 4 H) 4.12 (dd, J=6.6, 4.1 Hz, 1 H) 4.18 (dd, J=6.3, 4.4Hz, 1 H) 4.24 (ddd, J=11.2, 9.0, 2.3 Hz, 1 H) 4.28 - 4.31 (m, 1 H) 4.32 (dd, J=10.2, 4.4 Hz, 1 H) 4.46 (d, J=10.7 Hz, 1 H) 4.60 (t, J=3.9 Hz, 1 H) 4.62 (dd, J=7.3, 3.9 Hz, 1H) 4.70 (t, J=4.4 Hz, 1 H) 4.81 (d, J=1.5 Hz, 1 H) 4.87 (s, 1 H) 5.02 (br. s., 1 H) 5.06 (d, J=1.5 Hz, 1 H). ESI-MS (m/z): 1103.6 [M+Na]+

化合物(N−1)の合成
例35
化合物N−1
Figure 2021512046
標題化合物N−1は、スキームGに記載の手順により、スキームMに記載の方法により調製された化合物M−2:アリル−((S)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−((2S,4S,5S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−((2S,6S,7S,E)−9−ヨード−7−((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−メチル−4−オキソノン−8−エン−2−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)プロピル)カルバマートおよび化合物D−1(CAS No;157322-23-1)から酢酸塩として得られた。保持時間=8.4分。
HPLC条件
カラム:YMC Pak Pro C18(10mmI.D.x250mm)
検出波長:200nm
カラム温度:室温
移動相:MeCN−水(0.05%AcOH)
流速:4.5ml/分
溶出液:
MeCN/水25%(イソ、2分)、次いで
MeCN/水25%〜80%(勾配、20分)
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ ppm 0.97 (d, J=6.8 Hz 3 H) 1.01 (m, 1H) 1.02 (d, J=7.8 Hz 3 H) 1.07 (d, J=7.3 Hz 3 H) 1.10 (d, J=6.3 Hz, 3 H) 1.26 - 1.41 (m, 6 H) 1.42 - 1.56 (m, 4 H) 1.56 - 1.64 (m, 2 H) 1.64 - 1.78 (m, 4 H) 1.81 - 1.88 (m, 3 H) 1.97 - 2.11 (m, 7 H) 2.12 - 2.22 (m, 2 H) 2.23 - 2.37 (m, 9 H) 2.40 (dd, J=13.2, 3.9 Hz, 1 H) 2.45 (dd, J=17.1, 2.4 Hz, 1 H) 2.56 (dd, J=17.8, 10.0 Hz 1 H) 2.75 - 2.87 (m, 1 H) 2.98 (dd, J=9.3, 1.9 Hz, 1 H) 3.06 - 3.14 (m, 2H) 3.22 (dd, J=5.8, 4.4 Hz, 1 H) 3.59 (br. s., 1 H) 3.61 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 3.68 - 3.76 (m, 3 H) 3.85 - 3.92 (m, 2 H) 3.98 - 4.03 (m, 1 H) 4.04 - 4.14 (m, 4 H) 4.16 - 4.20 (m, 1 H) 4.22 - 4.28 (m, 1 H) 4.28 - 4.35 (m, 2H) 4.46 (d, J=11.21 Hz, 1 H) 4.58 - 4.64 (m, 2 H) 4.70 (t, J = 4.9 Hz 1 H) 4.81 (br. s., 1 H) 4.87 (br. s., 1 H) 5.03 (br. s., 1 H) 5.07 (br. s., 1 H). ESI-MS (m/z): 1080.6 [M+H]+ , 1102.6 [M+Na]+.
薬理試験例
一般的な情報
天然ハリコンドリン化合物およびこれらの修飾化合物は、文献において公知である(例えば、D. Uemura et al. "Norhalichondrin A: An Antitumor Polyether Macrolide from a Marine Sponge" J. Am. Chem. Soc., 107, 4796 (1985);Marc Litaudon et al. "Antitumor Polyether Macrolides: New and Hemisynthetic Halichondrins from the New Zealand Deep-Water Sponge Lissodendoryx sp." J. Org. Chem., 1997, 62, 1868-1871を参照)。しかし、これらのほとんどは、容易に入手可能でない。例えば、上村博士らは、600kgものHalichondria okadai KadotaからハリコンドリンB 12.5mg、ノルハリコンドリンA 35.0mgおよびホモハリコンドリンA 17.2mgを単離した(例えば、D. Uemura et al. "Norhalichondrin A: An Antitumor Polyether Macrolide from a Marine Sponge" J. Am. Chem. Soc., 107, 4796 (1985)を参照)。天然ハリコンドリン化合物の中で、ハリコンドリンBは、インビトロでB−16黒色腫細胞に対して最も強い抗腫瘍活性を示し、インビボでL−1210白血病に対して非常に活性である(例えば、D. Uemura et al. "Norhalichondrin A: An Antitumor Polyether Macrolide from a Marine Sponge" J. Am. Chem. Soc., 107, 4796 (1985)を参照)。ハリコンドリンCも、様々なインビボモデルで活性ではあるが、ハリコンドリンBと比較すると水溶液中で不安定である。ノルハリコンドリンBは、インビトロだけでなくインビボでもハリコンドリンBよりはるかに弱い(例えば、D. Uemura et al. "Norhalichondrin A: An Antitumor Polyether Macrolide from a Marine Sponge" J. Am. Chem. Soc., 107, 4796 (1985)を参照)。以下の薬理試験では、必要に応じ、対照化合物としてハリコンドリンB(Hali−B)を使用する。
薬理試験例1. FaDu成長阻害アッセイ
本アッセイでは、ヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株FaDuにおける被験化合物の成長阻害活性を測定した。FaDu細胞は、5%COインキュベーター中(37℃)で10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum)(FBS:ニチレイ、12D168)、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640(和光純薬工業株式会社、187-02021)培地中で培養した。96ウェルプレート(ベクトンディッキンソン社、353219)の各ウェルに、培地にて4×10細胞/mLの濃度に調整したFaDu細胞懸濁液75μLを添加し、細胞を5%COインキュベーター中(37℃)で一晩培養した。翌日、培地に懸濁させた3倍希釈系列中の化合物(1)またはハリコンドリンB 25μLを各ウェルに添加し、5%COインキュベーター中(37℃)で3日間培養した。次いで細胞生存能を、EnVision 2103マルチラベルリーダー(パーキンエルマー、Wellesley、MA)を用いてCellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(プロメガ)で判定した。被験化合物を添加しなかった細胞のウェルの値を100%と定義し、細胞のいないウェルの値を0%と定義した。細胞成長を50%阻害するのに必要な被験化合物の濃度(IC50値)を算出し、表1に示した。
Figure 2021512046
薬理試験例2. MDA−MB231成長阻害アッセイ
本アッセイでは、ヒト乳がん細胞株MDA−MB231における被験化合物の成長阻害活性を測定した。MDA−MB231細胞は、5%COインキュベーター中(37℃)で10%ウシ胎児血清(FBS:ニチレイ、12D168)、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、和光純薬工業株式会社、044-29765)培地中で培養した。96ウェルプレート(ベクトンディッキンソン社、353219)の各ウェルに、培地にて4×10細胞/mLの濃度に調整したMDA−MB231細胞懸濁液75μLを添加し、細胞を5%COインキュベーター中(37℃)で一晩培養した。翌日、培地に懸濁させた3倍希釈系列中の化合物(1)またはハリコンドリンB 25μLを各ウェルに添加し、5%COインキュベーター中(37℃)で3日間培養した。次いで細胞生存能を、EnVision 2103マルチラベルリーダー(パーキンエルマー、Wellesley、MA)を用いてCellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(プロメガ)で判定した。被験化合物を添加しなかった細胞のウェルの値を100%と定義し、細胞のいないウェルの値を0%と定義した。細胞成長を50%阻害するのに必要な被験化合物の濃度(IC50値)を算出し、表2に示した。
Figure 2021512046
薬理試験例3. HCC1954成長阻害アッセイ
本アッセイでは、ヒト乳がん細胞株HCC1954における被験化合物の成長阻害活性を測定した。HCC1954細胞は、5%COインキュベーター中(37℃)で10%ウシ胎児血清(FBS:ニチレイ、12D168)、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有する、2mM L−グルタミン、10mM HEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、4500mg/Lグルコース、および1500mg/L炭酸水素ナトリウムを含有するようにしたRPMI−1640培地(ATCC30-2001)中で培養した。96ウェルプレート(ベクトンディッキンソン社、353219)の各ウェルに、培地にて4×10細胞/mLの濃度に調整したHCC1954細胞懸濁液75μLを添加し、細胞を5%COインキュベーター中(37℃)で一晩培養した。翌日、培地に懸濁させた3倍希釈系列中の化合物(1)またはハリコンドリンB 25μLを各ウェルに添加し、結果として生じるものを5%COインキュベーター中(37℃)で3日間培養した。次いで細胞生存能を、EnVision 2103マルチラベルリーダー(パーキンエルマー、Wellesley、MA)を用いてCellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(プロメガ)で判定した。被験化合物を添加しなかった細胞のウェルの値を100%と定義し、細胞のいないウェルの値を0%と定義した。細胞成長を50%阻害するのに必要な被験化合物の濃度(IC50値)を算出し、表3に示した。
Figure 2021512046
薬理試験例4. 単剤療法としてのFaDu皮下移植マウスモデルにおける抗腫瘍効果
10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株FaDuを、ハンクス平衡塩溶液にて4.8×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、7週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から9日後に、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
腫瘍退縮(%)=(1−最小RTV)×100
投与初日に得た腫瘍体積をもとに腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。各被験化合物をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を、100μMのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む食塩水で希釈した。各評価試料を最大耐量(maximum tolerable dose)(MTD)で静脈内投与した。なお、実験は、1群4匹のマウスで行った。各被験化合物の腫瘍退縮(%)を表4に示した。
Figure 2021512046
薬理試験例5. 単剤療法としてのマウス皮下移植モデルにおけるOSC−19に対する抗腫瘍活性
10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)/Ham’s F−12(1:1)培地で培養したヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株OSC−19を、PBSにて1×10細胞/mlの濃度に調整して細胞懸濁液を調製し、懸濁液をMatrigel(商標)(BDバイオサイエンス、#366237)と1:1の比で混合して5×10細胞/mLの濃度の細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、5週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から6日後に、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
腫瘍退縮(%)=(1−最小RTV)×100
投与初日に得た腫瘍体積をもとに腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群6匹のマウスで行った。被験化合物を生理食塩水に溶解し、2週間にわたって週1回(Q7D×2スケジュール)0.06mg/kg〜0.18mg/kgの用量で静脈内投与した。各試験用量の腫瘍退縮(%)を表5に示す。
Figure 2021512046
薬理試験例6. 単剤療法としてのマウス皮下移植モデルにおけるHCC1806に対する抗腫瘍活性
10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒト乳がん細胞株HCC1806を、PBSにて1×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製し、懸濁液をMatrigel(商標)(BDバイオサイエンス、#366237)と1:1の比で混合して5×10細胞/mLの濃度の細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、5週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から12日後に、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
腫瘍退縮(%)=(1−最小RTV)×100
投与初日に得た腫瘍体積をもとに腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群6匹のマウスで行った。被験化合物を生理食塩水に溶解し、2週間にわたって週1回(Q7D×2スケジュール)0.18mg/kgで静脈内投与した。化合物(1)の腫瘍退縮(%)を表6に示す。
Figure 2021512046
薬理試験例7. セツキシマブと組み合わせたFaDu皮下移植マウスモデルにおける抗腫瘍効果
10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株FaDuを、ハンクス平衡塩溶液にて5×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、7週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から10日後に、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
35日目の腫瘍退縮(%)=(1−35日目のRTV)×100
投与初日に得た腫瘍体積をもとに腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。各被験化合物はDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を、100μMのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む生理食塩水で希釈した。各被験化合物をセツキシマブ(アービタックス、メルクセローノ社)と組み合わせて1/4MTD〜1/2MTDの用量で静脈内投与した。なお、実験は、1群4匹のマウスで行った。各被験化合物の35日目の腫瘍退縮(%)を表7に示す。
Figure 2021512046
薬理試験例8. トラスツズマブと組み合わせたKPL−4皮下移植マウスモデルにおける抗腫瘍活性
10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒトHER−2陽性乳がん細胞株KPL−4を、ハンクス平衡塩溶液にて1×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、7週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から16日後に、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
腫瘍退縮(%)=(1−最小RTV)×100
投与初日に得た腫瘍体積をもとに腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群6匹のマウスで行った。各被験化合物はDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を生理食塩水で希釈した。被験化合物をトラスツズマブ(ハーセプチン、ジェネンテック社)と組み合わせて0.09mg/kgまたは0.18mg/kgで静脈内投与した。化合物(1)についての腫瘍退縮を表8に示す。
Figure 2021512046
薬理試験例9. FaDu皮下マウスモデルにおけるCD31陽性血管に対する効果
10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株FaDuを、PBSにて5×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、7週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から10日後に、100μMのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む食塩水中の被験化合物を、1/2MTD〜MTDの用量で静脈内投与した。実験は、1群3匹のマウスで行った。投与から5日後に、腫瘍試料を収集し、IHC亜鉛固定液(BDファーミンジェン(BD Pharmingen))で4℃にて24時間固定した。パラフィン包埋組織を切断し(3μm)、正に荷電したスライドガラスに載せ、風乾した。CD31の免疫組織化学的染色を、製造者のプロトコールに従ってVentanaオートステイナーモデルDiscover XT(ロッシュダイアグノスティックス)を用いて行った。切片を脱パラフィンし、再水和し、CC1(ベンタナメディカルシステムズ)にて抗原賦活化を行った。スライドをブロッカーAおよびブロッカーB(内因性ビオチンブロッキングキット、ロッシュダイアグノスティックス)にてブロックした。切片をラット抗マウスIgG CD31抗体(ディアノバ(Dianova))2μg/mLとともに6時間インキュベートし、その後2.2μg/mLのビオチン化抗ラットIgG抗体(ジャクソンイムノリサーチラボラトリーズ)とともに32分インキュベートした。検出は、ストレプトアビジン−HRP Dで16分間実施し、その後DAB DおよびDAB H2O2D(DABMapキット、ベンタナメディカルシステムズ社)とともに8分間インキュベートした。スライドをヘマトキシリンII(ロッシュダイアグノスティックス)で16分間対比染色し、その後ブルーイング試薬とともに4分間インキュベートした。切片を段階的エタノールで脱水し、キシレン交換で脱脂し、DPX(メルク社)で覆った。
免疫染色したスライドを、Vectra(商標)2 Automated Slide Imaging System(パーキンエルマー社)を用いてスキャンした。腫瘍全体中の血管数を、inForm2ソフトウェア(パーキンエルマー社)を用いてCD31陽性物体をカウントして定量化した。また、inForm2ソフトウェア(パーキンエルマー社)を用いてヘマトキシリン染色面積を計測し、腫瘍領域面積とした。血管数を腫瘍領域面積で正規化した。被験化合物投薬群の血管数の増加率を、以下の式で算出したので表9に示す。
血管数の増加率(%)=((被験化合物投薬群の血管数−コントロール群の血管数)/コントロール群の血管数)×100
Figure 2021512046
薬理試験例10. FaDu皮下モデルにおけるα−SMA陽性CAFに対する効果
10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株FaDuを、PBSにて5×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、5〜6週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から10日後に、100μMのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む生理食塩水中の被験化合物を、1/2MTDおよびMTDで静脈内投与した。実験は、1群3匹のマウスで行った。投与から2日後に、腫瘍試料を収集し、IHC亜鉛固定液(BDファーミンジェン(BD Pharmingen))で4℃にて24時間固定した。パラフィン包埋組織を切断し(3μm)、正に荷電したスライドガラスに載せ、6時間風乾した。α−SMAの免疫組織化学的染色を、VentanaオートステイナーモデルDiscover XT(ロッシュダイアグノスティックス)を用いて行った。切片を脱パラフィン化、再水和し、独自のバッファー、EZPrep、およびCC1(ベンタナメディカルシステムズ)にて抗原賦活化を行った。切片をアルカリホスファターゼとコンジュゲートしたマウス抗α−SMAモノクローナル抗体(クローン1A4、シグマ)5μg/mLとともに6時間インキュベートした。検出は、RedMapキット(ベンタナメディカルシステムズ社)にて実施した。切片を段階的エタノールで脱水し、キシレン交換で脱脂し、DPX(メルク社)で覆った。連続した腫瘍スライスを脱パラフィン化し、マイヤーヘマトキシリン(武藤化学)で1分間染色した。切片を段階的エタノールで脱水し、キシレン交換で脱脂し、DPX(メルク社)で覆った。
免疫染色したスライドを、Vectra(商標)2 Automated Slide Imaging System(パーキンエルマー社)を用いてスキャンした。inForm2ソフトウェア(パーキンエルマー社)を用いてα−SMA陽性物体をカウントすることで、腫瘍全体中のα−SMA陽性領域面積を定量化した。また、inForm2ソフトウェア(パーキンエルマー社)を用いてヘマトキシリン染色面積を計測し、腫瘍領域面積とした。α−SMA陽性領域面積を腫瘍領域面積で正規化した。被験化合物投薬群のα−SMA陽性面積の抑制率を、以下の式で算出したので表10に示す。
Figure 2021512046
薬理試験例11. HSC−2同所性移植マウスモデル
レトロウイルスを用いた遺伝子導入により、ルシフェラーゼ遺伝子を導入したHSC−2−Luc細胞を樹立した。最初に、ホタルルシフェラーゼをコードするDNA断片をpGL3−エンハンサープラスミド(GenBank#:U47297)から得、レトロウイルスベクターpCX4pur(GenBank#:AB086386)にサブクローニングした。次いで、上記レトロウイルス発現ベクターを、pGPおよびpE−Amphoプラスミド(タカラバイオ;滋賀、日本)と一緒に293T細胞(ATCC;Manassas、USA)にトランスフェクトして、ヘルパーフリー組換えレトロウイルスを生成した。次に、HSC−2細胞に組換えレトロウイルスを感染させた。ピューロマイシン(2μg/mL)の存在下で2週間培養することで、ポリクローナル増殖性集団から感染細胞を選別した。
麻酔下で、ヒトSCCHN細胞株、HSC−2−Lucを、雌ヌードマウス、6週齢(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrljマウス;チャールスリバー社;静岡、日本)の舌に移植した(PBS 50μL中1×10細胞)。移植から7日後に、腫瘍体積をHSC−2−Luc細胞からの生物発光シグナルを用いて分析した。生物発光イメージングに関して、15mg/mL D−ルシフェリン(プロメガ、Madison、WI)0.1mLを1%〜2%吸入イソフルラン麻酔下でヌードマウスの腹腔内に注射した。生物発光シグナルは、高感度冷却電荷結合素子カメラからなるIVIS SPECTRUMシリーズ(パーキンエルマー、Waltham、MA)を用いてモニターした。Living Imageソフトウェア(パーキンエルマー、Waltham、MA)を用いてイメージングデータをグリッド配置し、各関心領域(ROI)中の全生物発光シグナルを積分した。すべての生物発光画像は、1秒間の露光で取得した。データは、ROI中の全放出フォトン数(光子/秒)を用いて分析した。
投与初日に得た全放出フォトン数をもとに全放出フォトン数の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。化合物(1)またはシスプラチンを、3週間にわたって週1回(Q7D×3スケジュール)、セツキシマブ(アービタックス、メルクセローノ社)とともに、またはそれを伴わないで静脈内投与した。2つの実験を、同一手順を用いて行い、すべてのデータを実験から収集した。各群は、16匹のマウスからなっていた。
イメージングデータは、セツキシマブを伴った化合物(1)の治療のみが、14日目の後すべてのマウスにおいて生物発光シグナルを明確に低減することを示した(図6A〜6B)。中央値生存時間(MST)を、死亡日の中央値として治療の各群について算出した。延命率(Increase Life Span)(ILS)は、以下の式:ILS(%)=(被験化合物で治療された動物のMST−コントロール動物のMST)/コントロール動物のMST×100で算出した。各被験化合物のILS(%)を表11に示す。
Figure 2021512046
薬理試験例12. 放射線と組み合わせたFaDu皮下移植モデル
レトロウイルスを用いた遺伝子導入により、ルシフェラーゼ遺伝子を導入したFaDu−Luc細胞を樹立した。最初に、ホタルルシフェラーゼをコードするDNA断片をpGL3−エンハンサープラスミド(GenBank#:U47297)から得、レトロウイルスベクターpCX4pur(GenBank#:AB086386)にサブクローニングした。次いで、上記レトロウイルス発現ベクターを、pGPおよびpE−Amphoプラスミド(タカラバイオ;滋賀、日本)と一緒に293T細胞(ATCC;Manassas、USA)にトランスフェクトして、ヘルパーフリー組換えレトロウイルスを生成した。次に、FaDu細胞に組換えレトロウイルスを感染させた。ピューロマイシン(2μg/mL)の存在下で2週間培養することで、ポリクローナル増殖性集団から感染細胞を選別した。
10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したルシフェラーゼ遺伝子を導入したヒトSCCHN細胞株FaDu−Lucを、ハンクス平衡塩溶液にて5×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、6週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右大腿皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から13日後に、腫瘍体積をFaDu−Luc細胞からの生物発光シグナルを用いて分析した。生物発光イメージングに関して、15mg/mL D−ルシフェリン(プロメガ、Madison、WI)0.1mLを1%〜2%吸入イソフルラン麻酔下でヌードマウスの腹腔内に注射した。生物発光シグナルは、高感度冷却電荷結合素子カメラからなるIVIS SPECTRUMシリーズ(パーキンエルマー、Waltham、MA)を用いてモニターした。Living Imageソフトウェア(パーキンエルマー、Waltham、MA)を用いてイメージングデータをグリッド配置し、各関心領域(ROI)中の全生物発光シグナルを積分した。すべての生物発光画像は、1秒間の露光で取得した。データは、ROI中の全放出フォトン数(光子/秒)を用いて分析した。全放出フォトン数は、以下の計算式で算出した:
相対的な生物発光レベル=全放出フォトン数(X日目)/全放出フォトン数(初日)
腫瘍退縮(%)=(1−最小の相対的な生物発光レベル)×100
投与初日に得た全放出フォトン数をもとに全放出フォトン数の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群6匹のマウスで行った。化合物(1)は、1日目と8日目に尾静脈注射にて投与した。照射は、4日目と11日目に18Gyで実施した。化合物(1)についての腫瘍退縮を表12に示す。
Figure 2021512046
薬理試験例13. 抗mPD−1抗体と組み合わせたCT26皮下移植マウスモデルにおける抗腫瘍活性
10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したマウス未分化大腸癌細胞株CT26を、ハンクス平衡塩溶液にて2×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。1日目に、細胞懸濁液を、6週齢のBALB/cマウス(BALB/cAnNCrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から2日後に、マウスを4つの群にランダムに分割した。各群は、8匹のマウスからなる。電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
T/C=(治療群の平均腫瘍体積)/(コントロール群の平均腫瘍体積)
腫瘍成長の阻害(%)=(1−T/C)×100
被験化合物を3日目と11日目に0.09mg/kgで静脈内投与した。抗mPD−1抗体(BE0146、Bio X Cell)を、3、7、11、15日目に10mg/kgで静脈内投与した。各被験化合物の15日目の腫瘍成長阻害(%)を、表13に示す。
Figure 2021512046
薬理試験例14. インビトロでのチューブリン重合に対する効果(図10A)
チューブリン重合アッセイキットをサイトスケルトン(Cytoskeleton)社から購入した(カタログ番号BK011P)。キットは、1瓶のブタの脳から精製した凍結乾燥したチューブリンタンパク質、3チューブの凍結乾燥したGTP、2瓶の凍結乾燥したアッセイバッファー、および1瓶のチューブリングリセロールバッファーを含有していた。アッセイバッファーは、滅菌脱イオン水10mLに内容物を溶解して調製した。この溶液は、80mmol/Lピペラジン−N,N’−ビス[2−エタンスルホン酸]セスキナトリウム塩、2.0mmol/L塩化マグネシウム、0.5mmol/Lエチレングリコール−ビス(2−アミノ−エチルエーテル)N,N,N’,N’−テトラ−酢酸、pH6.9、10μmol/L蛍光レポーターを含有していた。バッファーは、使用するまで−70℃で保存した。チューブリングリセロールバッファーは、80mmol/Lピペラジン−N,N’−ビス[2−エタンスルホン酸]セスキナトリウム塩、2.0mmol/L塩化マグネシウム、0.5mmol/Lエチレングリコール−ビス(2−アミノ−エチルエーテル)N,N,N’,N’−テトラ−酢酸、60%v/vグリセロール、pH6.9からなっていた。これを、使用するまで4℃で保存した。GTP保存溶液は、滅菌脱イオン水100μLに各チューブの内容物を溶解して100mmol/L GTPの濃度に調製した。この溶液は分注し、使用するまで−70℃で保存した。チューブリン保存溶液(10mg/mL)は、アッセイバッファーとGTP保存溶液(100:1、v/v)の混合物1.1mLを添加してチューブリン粉末を溶解することにより調製した。この溶液は分注し、液体窒素で凍結させたのち、使用するまで−70℃で保存した。
チューブリン重合アッセイでは、アッセイバッファー820μL、GTP保存溶液17.6μL、チューブリングリセロールバッファー600μLを混合して反応混合物を調製した。この反応混合物(1015μL)を、チューブリン保存溶液240μLと混合した。この溶液をチューブリン反応混合物と呼び、試験およびコントロールウェルの測定に用いた。チューブリンを含まない反応混合物を、反応混合物89.85μLとアッセイバッファー21.25μLを混合して調製し、ブランクウェルを測定した。化合物(1)溶液(6.25〜100μmol/L;最終濃度0.625〜10μmol/L)または媒体を、96ウェルハーフエリアマイクロタイタープレートの個々のウェルに5μLで添加した。チューブリン反応混合物またはチューブリンを含まない反応混合物を、プレートの各ウェルに45μLで添加した。460nmの蛍光発光(360nmの励起波長)を、SpectraMax(登録商標)M5eマイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス)を用いて90分にわたって2分毎に計測した。チューブリン重合により蛍光レポーターが微小管内に取り込まれるため、チューブリン重合の後に蛍光増強が起こる。アッセイは2点測定で実施した。アッセイにより、化合物(1)が濃度依存的にチューブリン重合を阻害することが実証された。各時点における蛍光強度を以下の式で算出した:
蛍光強度=試験ウェルまたはコントロールウェルの平均蛍光測定値−ブランクウェルの平均蛍光測定値;ブランクウェル:チューブリンを含まない媒体を含む;コントロールウェル:媒体とチューブリンを含む;試験ウェル:化合物とチューブリンを含む。
薬理試験例15. 細胞に基づく微小管動態アッセイ(図10B)
細胞における微小管動態アッセイを、EB3(微小管プラス端結合タンパク質)とAzami−Greenとの融合タンパク質(EB3−AG)を安定に発現するU2OS−EB3−AG骨肉腫細胞株を用いて行った。U2OS−EB3−AG細胞は、加湿した5%CO、37℃にて、10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養した。生細胞内の微小管動態は、EB3−AGのコメット様構造の運動として可視化することができる。ガラスベース培養プレート(EZVIEWプレート、AGCテクノグラス、日本)上のU2OS−EB3−AG細胞を、図に示された濃度の化合物(1)にて処置し、60倍油浸対物レンズ(BZ-X710、キーエンス、日本)を設置した蛍光顕微鏡を用いて、タイムラプスイメージングにより微小管動態をモニターした。各時点における静止画を図10Bに提示した。四角で囲んだ部分の高倍率画像は差し込み図に示した。化合物(1)を0.5nM(U2OS−EB3−AG細胞における50%増殖阻害濃度)で処置したとき、コメット様構造は、化合物を添加して約60分後に観察することが困難になった。これらの結果は、化合物(1)が微小管動態を抑制する能力を有することを明確に実証した。
薬理試験例16. インビトロ増殖阻害活性(図11)
化合物(1)のインビトロ増殖阻害アッセイを、ヒト食道扁平上皮癌(OE21、TE−8)、ヒト食道肉腫(OE33)、ヒト子宮肉腫(MES−SA、MES−SA−Dx5−Rx1)を含めたがん細胞株の小パネルを用いて行った。すべての細胞株は、5%COインキュベーター中(37℃)で、10%FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養した。96ウェルプレート(ベクトンディッキンソン社、353219)の各ウェルに、培地にて4×10細胞/mLの濃度に調整した細胞懸濁液75μLを添加し、細胞を5%COインキュベーター中(37℃)で一晩インキュベートした。翌日、培地に懸濁させた3倍希釈系列中の化合物(1)25μLを各ウェルに添加し、5%COインキュベーター中(37℃)で72時間インキュベートした。次いで細胞生存能を、2013 EnVision(商標)マルチラベルリーダー(パーキンエルマー、Wellesley、MA)を用いてCellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(プロメガ)で判定した。被験化合物を添加しなかった細胞のウェルの値を100%と定義し、細胞のいないウェルの値を0%と定義した。細胞成長を50%阻害するのに必要な化合物(1)の濃度(IC50値)を算出したので図11に示す。P−gp感受性を、P−gpを過剰発現するMES−SA−Dx5−Rx1細胞におけるIC50値とMES−SA細胞におけるIC50値との比として算出した。
薬理試験例17. 単剤療法としてのKPL−4移植マウスモデルにおける抗腫瘍効果;単剤療法としてのマウスCOLO−704移植モデルにおける抗腫瘍効果(図12)
10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で培養したヒトHER−2陽性乳がん細胞株KPL−4を、ハンクス平衡塩溶液にて1×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、8週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から11日後(1日目)、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
体重比(RBW)=体重(X日目)/体重(初日)
1日目に得た腫瘍体積をもとに腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群6匹のマウスで行った。被験化合物をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を生理食塩水で希釈した。生理食塩水中の被験化合物を、2週間にわたって(1日目と8日目に)20μg/kg、60μg/kg、または180μg/kgで週1回静脈内投与した。腫瘍退縮が60μg/kgと180μg/kgの治療群で観察され、180μg/kgでの投与は、15日目にすべてのマウスにおいて移植腫瘍を完全に根絶した。
10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640で培養したヒト卵巣がん細胞株COLO−704を、ハンクス平衡塩溶液にて1×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、5週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から9日後(1日目)、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
体重比(RBW)=体重(X日目)/体重(初日)
1日目に得た腫瘍体積をもとに腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群6匹のマウスで行った。被験化合物をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を生理食塩水で希釈した。生理食塩水中の被験化合物を、2週間にわたって(1日目と8日目に)20μg/kg、60μg/kg、または180μg/kgで週1回静脈内投与した。化合物での処置は、180μg/kgで腫瘍退縮、60μg/kgで腫瘍成長遅延を誘導した。180μg/kgでの投与は、22日目にすべてのマウスにおいて移植腫瘍を完全に根絶した。
薬理試験例18. FaDu皮下移植マウスモデルにおけるCD31陽性血管に対する効果(図13)
10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株FaDuを、培地にて5×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、6週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から10日後に、腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群6匹のマウスで行った。各被験化合物をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を生理食塩水で希釈した。生理食塩水中の被験化合物を、20μg/kg、60μg/kg、または180μg/kgで静脈内投与した。単回投与から5日後に、腫瘍試料を収集し、IHC亜鉛固定液(BDファーミンジェン(BD Pharmingen))で4℃にて24時間固定した。パラフィン包埋組織を切断し(3μm)、正に荷電したスライドガラスに載せ、風乾した。CD31の免疫組織化学的染色を、製造者のプロトコールに従ってVentanaオートステイナーモデルDiscover XT(ロッシュダイアグノスティックス)を用いて行った。切片を脱パラフィン化、再水和し、CC1(ベンタナメディカルシステムズ)にて抗原賦活化を行った。スライドをブロッカーAおよびブロッカーB(内因性ビオチンブロッキングキット、ロッシュダイアグノスティックス)にてブロックした。切片をラット抗マウスIgG CD31抗体(ディアノバ(dianova))2μg/mLとともに6時間インキュベートし、その後2.2μg/mLのビオチン化抗ラットIgG抗体(ジャクソンイムノリサーチラボラトリーズ)とともに32分インキュベートした。検出は、ストレプトアビジン−HRPDで16分間実施し、その後DAB DおよびDAB H2O2D(DABMapキット、ベンタナメディカルシステムズ社)とともに8分間インキュベートした。スライドをヘマトキシリンII(ロッシュダイアグノスティックス)で16分間対比染色し、その後ブルーイング試薬とともに4分間インキュベートした。切片を段階的エタノールで脱水し、キシレン交換で脱脂し、DPX(登録商標)(メルク社)で覆った。免疫染色したスライドを、Vectra(登録商標)2 Automated Slide Imaging System(パーキンエルマー社)を用いてスキャンした。腫瘍全体中の血管数を、inForm2ソフトウェア(パーキンエルマー社)を用いてCD31陽性物体をカウントして定量化した。また、inForm2ソフトウェア(パーキンエルマー社)を用いてヘマトキシリン染色面積を計測し、腫瘍領域面積とした。血管数を腫瘍領域面積で正規化した。20、60、180μg/kgの用量で被験化合物を単回投与すると、腫瘍血管数が増加した。無処置群と比較した被験化合物投薬群における血管数の比を以下に式で算出した:
腫瘍血管比=被験化合物投薬群の血管数/無処置群の血管数
薬理試験例19. FaDu皮下移植マウスモデルにおけるα−SMA陽性CAFに対する効果(図14)
10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株FaDuを、培地にて5×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、6週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から10日後に、腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群5匹のマウスで行った。各被験化合物をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を生理食塩水で希釈した。生理食塩水中の被験化合物を20μg/kg、60μg/kg、または180μg/kgで静脈内投与した。単回投与から2日後または5日後に、腫瘍試料を収集し、IHC亜鉛固定液(BDファーミンジェン(BD Pharmingen))で4℃にて24時間固定した。パラフィン包埋組織を切断し(3μm)、正に荷電したスライドガラスに載せ、風乾した。切片を脱パラフィン化、再水和し、pH6.0の1mM EDTAとともにマイクロ波を用いて抗原賦活化を行った。切片を、TBS中の1%のBSAでブロックした。切片をアルカリホスファターゼとコンジュゲートしたマウス抗α−SMAモノクローナル抗体(クローン1A4、シグマ)5μg/mLとともに2.5時間インキュベートした。検出は、ファーストレッドII基質キット(ニチレイバイオサイエンス社)で実施した。切片をマイヤーヘマトキシリン(武藤化学)で50秒間対比染色した。切片を段階的エタノールで脱水し、キシレン交換で脱脂し、DPX(メルク社)で覆った。免疫染色したスライドを、Vectra(登録商標)2 Automated Slide Imaging System(パーキンエルマー社)を用いてスキャンした。inForm2ソフトウェア(パーキンエルマー社)を用いてα−SMA陽性物体をカウントすることで腫瘍全体中のα−SMA陽性領域面積を定量化した。また、inForm2ソフトウェア(パーキンエルマー社)を用いてヘマトキシリン染色面積を計測し、腫瘍領域面積とした。α−SMA陽性領域面積を腫瘍領域面積で正規化した。被験化合物を単回投与すると、3日目に60と180μg/kgの用量で、6日目に180μg/kgの用量でα−SMA陽性面積が有意に低減された。被験化合物投薬群のα−SMA陽性面積の抑制率を以下の式で算出した:
α−SMA比=被験化合物投薬群のα−SMA面積/無処置群のα−SMA面積
薬理試験例20. FaDu皮下移植マウスモデルにおけるテネイシン−C(Tenascin-C)およびEDA−フィブロネクチン(EDA-fibronectin)に対する効果(図15)
10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株FaDuを、培地にて5×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、6週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から10日後に、腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群5匹のマウスで行った。化合物(1)をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。化合物(1)(180μg/kg)およびセツキシマブ(CTX、Erbitux(登録商標)、メルクセローノ社)(10mg/kg)を1日目に生理食塩水で希釈し、静脈注射した。単回投与から5日後に、腫瘍試料を収集し、IHC亜鉛固定液(BDファーミンジェン(BD Pharmingen))で4℃にて24時間固定した。パラフィン包埋組織を切断し(3μm)、正に荷電したスライドガラスに載せ、風乾した。切片を脱パラフィン化、再水和し、テネイシン−Cについては、pH6.0の1mM EDTAとともにマイクロ波を用いて抗原賦活化を行った抗原を回収した。EDA−フィブロネクチンについては、抗原賦活化抗原回収手順は必要でなかった。切片を、内因性ペルオキシダーゼをブロックするためにBLOXALLブロッキング溶液(ベクターラボラトリーズ)とともに10分間、マウスオンマウスIgブロッキング試薬(ベクターラボラトリーズ)とともに1時間、次いで2.5%正常ウマ血清とともに30分間インキュベートした。テネイシン−Cの免疫組織化学的染色については、切片をマウス抗テネイシン−Cモノクローナル抗体(クローン4C8MS、IBL)5μg/mLとともに4℃で一晩インキュベートした。EDA−フィブロネクチンの免疫組織化学的染色については、切片をマウス抗EDA−フィブロネクチンモノクローナル抗体(クローンIST−9、Abcam)1.5μg/mLとともに室温で1時間インキュベートした。検出は、マウスオンマウスImmPRESS(商標)ペルオキシダーゼポリマーキット(ベクターラボラトリーズ)で実施した。切片をマイヤーヘマトキシリン(武藤化学)で50秒間対比染色した。切片を段階的エタノールで脱水し、キシレン交換で脱脂し、DPX(メルク社)で覆った。免疫染色したスライドを、Vectra(商標)2 Automated Slide Imaging System(パーキンエルマー社)を用いてスキャンした。テネイシン−CとEDA−フィブロネクチンの両方の発現レベルは、コントロール腫瘍と比較して化合物(1)とCTXで処置された腫瘍において低減された。
薬理試験例21. セツキシマブと組み合わせたFaDu皮下移植マウスモデルにおける抗腫瘍効果(図16)
10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地で培養したヒト頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)細胞株FaDuを、ハンクス平衡塩溶液にて5×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、胸腺欠損マウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、7週齢、日本チャールスリバー社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から10日後(1日目)、電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の長さと幅を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
TVをもとにマウスをランダムに群分けした(1日目)。各群は、6匹のマウスからなっていた。化合物(1)をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。化合物(1)(20、60、または180μg/kg)とセツキシマブ(CTX、Erbitux(登録商標)、メルクセローノ社)(10mg/kg)を、1日目に生理食塩水で希釈し、静脈注射した。各群のRTVの変化を図16に示した。180μg/kgと60μg/kgの用量で、CTXと併用した化合物(1)の抗腫瘍効力は、CTX単剤療法の抗腫瘍効力より強く、腫瘍退縮があった。CTXと併用した20μg/kgの用量での化合物(1)の抗腫瘍効力は、CTX単剤療法の抗腫瘍効力より強くなる傾向があった。
薬理試験例22. 単剤療法としての軟部肉腫移植マウスモデルにおける抗腫瘍効果(図17)
MES−SA
10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するRPMI−1640で培養したヒト子宮肉腫細胞株MES−SAを、ハンクス平衡塩溶液にて2×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製し、懸濁液をGeltrex(商標)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社、#A1413202)と1:1の比で混合して1×10細胞/mLの濃度の細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、6週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から6日後(1日目)、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
1日目に得た腫瘍体積をもとに腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群6匹のマウスで行った。被験化合物をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで凍結保存した。投与直前に、保存溶液を生理食塩水で希釈した。生理食塩水中の被験化合物を、2週間にわたって(1日目と8日目に)180μg/kgで週1回静脈内投与した。抗腫瘍活性が、治療群において腫瘍成長遅延を伴って観察された。
HT−1080
10% FBS、NEAA、抗生物質を含有するE−MEMで培養したヒト線維肉腫細胞株HT−1080を、培地にて3×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、胸腺欠損マウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、6週齢、日本チャールスリバー社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から6日後(1日目)、電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の長さ、幅を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
TVをもとにマウスをランダムに群分けした(1日目)。各群は、6匹のマウスからなっていた。化合物(1)をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで凍結保存した。化合物(1)(180μg/kg)を生理食塩水で希釈し、1日目と8日目に静脈注射した。各群のRTVの変化を図17に示した。抗腫瘍活性が、治療群において腫瘍退縮を伴って観察された。
CTG−2041
ヒト血管肉腫CTG−2041の腫瘍断片を雌マウスの左側腹部に皮下移植した。腫瘍成長を、デジタルノギスを用いて週2回モニターし、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
腫瘍体積がおよそ200mmに到達したとき、腫瘍体積を基に動物を治療群またはコントロール群に群分けし、1日目に投薬を開始した。各群を5匹のマウスで構成した。化合物(1)をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで凍結保存した。化合物(1)(100μg/kg)を生理食塩水で希釈し、1日目と8日目に静脈注射した。各群のRTVの変化を図17に示した。抗腫瘍活性が、治療群において腫瘍退縮を伴って観察された。
薬理試験例23. 単剤療法としての子宮内膜がん移植マウスモデルにおける抗腫瘍効果(図18)
HEC−108
15% FBS、抗生物質を含有するE−MEMで培養したヒト子宮内膜がん細胞株HEC−108を、培地にて7.14×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、胸腺欠損マウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、6週齢、日本チャールスリバー社)の右側腹皮下部に150μLの容量で移植した。細胞移植から13日後(1日目)、電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の長さ、幅を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
TVをもとにマウスをランダムに群分けした(1日目)。各群は、6匹のマウスからなっていた。化合物(1)をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで凍結保存した。化合物(1)(180μg/kg)を生理食塩水で希釈し、1日目と8日目に静脈注射した。各群のRTVの変化を図18に示した。抗腫瘍活性が、治療群において腫瘍成長遅延を伴って観察された。
AN3CA
10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシンを含有するE−MEMで培養したヒト子宮内膜がん細胞株AN3CAを、ハンクス平衡塩溶液にて1.4×10細胞/mLの濃度に調整して細胞懸濁液を調製し、懸濁液をGeltrex(商標)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社、#A1413202)と1:1の比で混合して7×10細胞/mLの濃度の細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、6週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から12日後(1日目)、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いて各マウスの腫瘍の短径、長径を計測し、以下の計算式で腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
1日目に得た腫瘍体積をもとに腫瘍体積の平均値が群間で等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、1群5匹のマウスで行った。被験化合物をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を生理食塩水で希釈した。生理食塩水中の被験化合物を、2週間にわたって(1日目と8日目に)180μg/kgで週1回静脈内投与した。抗腫瘍活性が、治療群において腫瘍退縮を伴って観察された。
薬理試験例24. NCI−H23、HCC1954およびMES−SA細胞株における成長阻害アッセイ
NCI−H23成長阻害アッセイ
このアッセイでは、ヒト肺がん細胞株NCI−H23における化合物D−6(例26)、E−2、G−4、H−2、I−2、J−1、K−2、L−6、M−3およびN−1の成長阻害活性を測定した。NCI−H23細胞を、5%COインキュベーター(37℃)中、10%ウシ血清アルブミン(FBS;Sigma, 172012)、およびペニシリンおよびストレプトマイシン(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 168-23191)を含有するRPM−1640(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 187-02021)培地中で維持した。96ウェルプレート(Becton, Dickinson and Company、353219)の各ウェルへ、培養培地で4×10細胞/mLの濃度に調整された75μLのNCI−H23細胞懸濁液を加え、その細胞を5%COインキュベーター(37℃)中、終夜インキュベートした。翌日、25μLの、培養培地中に懸濁された3倍希釈系列の各化合物を各ウェルへ加え、その結果物を、5%COインキュベーター(37℃)中、3日間インキュベートした。次いで、細胞生存能を、EnVision 2103 Multilabel Reader(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)によって決定した。被験基質を加えなかった細胞含有ウェルの値を100%として定義し、細胞を含有しないウェルの値を0%として定義した。細胞成長を50%まで阻害するのに必要な被験基質の濃度(すなわち、IC50値)を算出して表14に要約する。
HCC1954成長阻害アッセイ
このアッセイでは、ヒト乳がん細胞株HCC1954における化合物D−6(例26)、E−2、G−4、H−2、I−2、J−1、K−2、L−6、M−3およびN−1の成長阻害活性を測定した。HCC1954細胞を、5%COインキュベーター(37℃)中、10%ウシ血清アルブミン(FBS;Sigma, 172012)、およびペニシリンおよびストレプトマイシン(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 168-23191)を含有し、2mM L−グルタミン、10mM HEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、4500mg/L グルコース、および1500mg/L重炭酸ナトリウム(ATCC 30-2001)を含有するように改変されたRPM−1640培地中で維持した。96ウェルプレート(Becton, Dickinson and Company、353219)の各ウェルへ、培養培地で4×10細胞/mLの濃度に調整された75μLのHCC1954細胞懸濁液を加え、その細胞を5%COインキュベーター(37℃)中、終夜インキュベートした。翌日、25μLの、培養培地中に懸濁された3倍希釈系列の各化合物を各ウェルへ加え、その結果物を、5%COインキュベーター(37℃)中、3日間インキュベートした。次いで、細胞生存能を、EnVision 2103 Multilabel Reader(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)によって決定した。被験基質を加えなかった細胞含有ウェルの値を100%として定義し、細胞を含有しないウェルの値を0%として定義した。細胞成長を50%まで阻害するのに必要な被験基質の濃度(すなわち、IC50値)を算出して表14に要約する。
MES−SA成長阻害アッセイ
このアッセイでは、ヒト肺がん細胞株MES−SAにおける化合物D−6(例26)、E−2、G−4、H−2、I−2、J−1、K−2、L−6、M−3およびN−1の成長阻害活性を測定した。MES−SA細胞を、5%COインキュベーター(37℃)中、10%ウシ血清アルブミン(FBS;Sigma, 172012)、およびペニシリンおよびストレプトマイシン(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 168-23191)を含有するRPM−1640(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 187-02021)培地中で維持した。96ウェルプレート(Becton, Dickinson and Company、353219)の各ウェルへ、培養培地で4×10細胞/mLの濃度に調整された75μLのMES−SA細胞懸濁液を加え、その細胞を5%COインキュベーター(37℃)中、終夜インキュベートした。翌日、25μLの、培養培地中に懸濁された3倍希釈系列の各化合物を各ウェルへ加え、その結果物を、5%COインキュベーター(37℃)中、3日間インキュベートした。次いで、細胞生存能を、EnVision 2103 Multilabel Reader(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)によって決定した。被験基質を加えなかった細胞含有ウェルの値を100%として定義し、細胞を含有しないウェルの値を0%として定義した。細胞成長を50%まで阻害するのに必要な被験基質の濃度(すなわち、IC50値)を算出して表14に要約する。
Figure 2021512046
薬理試験例25. in vitro培養系を用いたα−SMA陽性CAF減少の分子機構
α−SMAの発現は、FaDu細胞との共培養に際し、BJ正常ヒト線維芽細胞において誘導され、その発現は、TGF−β−受容体の強力な選択的インヒビターであるA83−01による処置により減衰した(図19A)。これら結果は、この系において、TGF−βが、α−SMA誘導のメディエーターとして、重要な役割を果たすことを示唆した。加えて、免疫蛍光分析は、化合物(1)による処置が、成長阻害活性なしに、BJ細胞において、TGF−βによるα−SMA誘導を妨害することを明らかにした(図19A、図20A)。
化合物(1)は、TGF−β誘導性リン酸化およびSmad2/3の核局在化を有意に変化させなかったが(図20D−20E)、それは、TGF−β誘導性α−SMA発現において不可欠な役割を果たすPI3K/AKT/mTOR経路の活性化を減少させた(図19Cおよび19F、図20B−20C)。その上、TGF−β処置は、BJ細胞において化合物(1)による共処置により消失したβ−チューブリン発現および微小管ネットワーク形成を増強した(図19D)。同じ実験条件下で、チロシン−397においてリン酸化されたFAKに対する抗体との点状構造として検出される、接着斑の増強された形成は、TGF−βによる刺激後、BJ細胞において化合物(1)による処置により減少した(図19E)。多くのシグナル伝達複合体は、接着斑部位において組み立てられ、これらの複合体は、PI3K/AKT/mTOR経路に関与するものを含む数個の下流のシグナルを発送する。例として、Sulzmaier et. al. "FAK in cancer: mechanistic findings and clinical applications", Nature Reviews Cancer 2014, 14, 598-610を参照。事実、FAKインヒビターであるデファクチニブによる処置は、BJ細胞において、TGF−βにより誘導されるα−SMA発現およびS6リボソームタンパク質リン酸化のレベルを明確に減少させた(図19G〜19H)。上述のすべての現象は、他の正常なヒト線維芽細胞においても観察された(TIG3細胞)(図21A〜21H)。
薬理試験例26. 膀胱癌細胞株成長阻害アッセイ
このアッセイでは、ヒト膀胱細胞株RT4、RT112/84、およびUM−UC−3における化合物(1)の成長阻害活性を測定した。RT4およびRT112/84細胞を、5%COインキュベーター(37℃)中、10%ウシ血清アルブミン(FBS;SIGMA Life Science、172012-500ML)、およびペニシリンおよびストレプトマイシン(FUJIFILM Wako Pure Chemical Corporation, 168-23191)を含有するRPM−1640(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 189-02025)培地中で維持した。UM−UC−3細胞を、5%COインキュベーター(37℃)中、10%FBS、1mMピルビン酸ナトリウム(FUJIFILM Wako Pure Chemical Corporation, 190-14881)、およびペニシリンおよびストレプトマイシンを含有するE−MEM(FUJIFILM Wako Pure Chemical Corporation, 051-07615)培地中で維持した。96ウェルプレート(Corning、3904)の各ウェルへ、培養培地で5.55×10細胞/mL(RT4またはUM−UC−3)または3.33×10細胞/mL(RT112/84)の濃度に調整された90μLの各細胞懸濁液を加え、その細胞を5%COインキュベーター(37℃)中で終夜インキュベートした。翌日、10μLの、培養培地中に懸濁された3倍希釈系列の化合物(1)を各ウェルへ加え、その結果物を、5%COインキュベーター(37℃)中で3日間インキュベートした。次いで、細胞生存能を、ARVO-X4 Multimode Plate Reader(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で、CellTiter-Glo(登録商標)2.0 Assay(Promega Corporation, G9243)によって決定した。被験化合物を加えなかった細胞含有ウェルの値を100%として定義し、細胞を含有しないウェルの値を0%として定義した。細胞成長を50%まで阻害するのに必要な被験化合物の濃度(すなわち、IC50値)を算出して表15に示す。
Figure 2021512046
薬理試験例27. 単剤治療としてのマウスにおけるHS−SY−II異種移植モデルにおける抗腫瘍効果(図22)
10%FBS、およびペニシリン−ストレプトマイシンを含有するDMEMで培養したヒト滑膜肉腫細胞株HS−SY−IIを、ハンクス平衡塩溶液中にて、50%Geltrex(Thermo Fisher Scientific)を含む、1×10細胞/mLの濃度に調整して、細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、5週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から13日後(1日目)、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いることにより、各マウスの腫瘍の短径および長径を測定し、以下の計算式に従って腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
相対体重(RBW)=体重(X日目)/体重(初日)
1日目に得られた腫瘍体積に基づいて、腫瘍体積の平均値が群間で実質的に等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、6匹のマウスからなる各群で実施した。化合物(1)をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を、生理食塩水で希釈した。生理食塩水中被験化合物を、2週間に90μg/kgまたは180μg/kg(1日目および8日目)で週に1回静脈内投与した。腫瘍成長遅延が、90μg/kg処置群において観察され、腫瘍退縮が、180μg/kg処置群において観察された。
薬理試験例28. 単剤治療としてのマウスにおけるHuTu 80異種移植モデルにおける抗腫瘍効果(図23)
10% FBS、およびペニシリン−ストレプトマイシンを含有するEMEMで培養したヒト十二指腸細胞株HuTu 80を、PBSにて、3×10細胞/mLの濃度に調整して、細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液を、7週齢のヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj、雌、日本チャールスリバー株式会社)の右側腹皮下部に100μLの容量で移植した。細胞移植から7日後(1日目)、電子デジタルノギス(Digimatic(商標)キャリパ、株式会社ミツトヨ)を用いることにより各マウスの腫瘍の短径および長径を測定し、以下の計算式に従って腫瘍体積を算出した:
腫瘍体積(mm)=長径(mm)×短径(mm)×短径(mm)/2
相対腫瘍体積(RTV)=腫瘍体積(X日目)/腫瘍体積(初日)
相対体重(RBW)=体重(X日目)/体重(初日)
1日目に得られた腫瘍体積に基づいて、腫瘍体積の平均値が群間で実質的に等しくなるようにマウスを群分けした。実験は、6匹のマウスからなる各群で実施した。化合物(1)をDMSOに溶解し、溶液を使用前まで冷凍保存した。投与直前に、保存溶液を、生理食塩水で希釈した。生理食塩水中試験化合物を、2週間に45、90、または180μg/kg(1日目および8日目)で週に1回静脈内投与した。腫瘍成長遅延が、45および90μg/kg処置群において観察され、腫瘍退縮が、180μg/kg処置群において観察された。化合物(1)についての腫瘍退縮(%)を、表16に示す。
Figure 2021512046
均等物および射程
特許請求の範囲において、「a」、「an」、「the」等の冠詞は、それとは反対に示されていない限り、または脈絡から別段に明白でない限り、1つまたは1つを超える、を意味しうる。群の1つまたはそれ以上の要素間に「または」を含む請求項または明細書は、それとは反対に示されていない限り、または脈絡から別段に明白でない限り、1つ、1つを超える、またはすべての群の要素が一定の生成物または工程に存在し、使用され、または別段に関連している場合、満たされていると見なされる。本発明は、群のうちの正確に1つの要素が一定の生成物または工程に存在し、使用され、または別段に関連している実施形態を含む。本発明は、1つを超える、またはすべての群要素が一定の生成物または工程に存在し、使用され、または別段に関連している実施形態を含む。
さらに、本発明は、列挙された請求項の1つまたはそれ以上からの1つまたはそれ以上の制限事項、要素、条項、記述用語が別の請求項に導入されるすべての変形、組合せ、順列を包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項を、同じ基本請求項に従属する任意の他の請求項に見出される1つまたはそれ以上の制限事項を含むように改変することができる。要素が、例えば、マーカッシュ群形式でリストとして提示されている場合、その要素の各亜群も開示されており、任意の要素を群から除去することができる。一般に、本発明または本発明の態様が、特定の要素および/または特徴を含むと言及されている場合、本発明のある特定の実施形態または本発明の態様は、このような要素および/または特徴からなり、または本質的になることが理解されるべきである。簡単のために、このような実施形態は、本明細書にこの通りの言葉で具体的に示されていない。用語「〜を含む」および「〜を含有する」は、オープンであるように意図されており、追加の要素またはステップを含めることを許容することも留意される。範囲が与えられている場合、終点は含まれる。さらに、別段に示されていない限り、または脈絡および当業者の理解から別段に明白でない限り、範囲として表現されている値は、脈絡による別段の明らかな要求のない限り、範囲の下限の単位の10分の1まで、本発明の異なる実施形態における述べられた範囲内の任意の具体的な値またはサブ範囲を仮定することができる。
当業者は、本明細書に記載の具体的な実施形態の多くの均等物を認識することになり、これらをせいぜい日常の実験を用いて確認することができる。本明細書に記載の本実施形態の射程は、上記記載に限定されるように意図されておらず、むしろ添付の特許請求の範囲に示された通りである。当業者は、本記載の様々な変更および改変が、以下の特許請求の範囲で規定される本発明の趣旨または射程から逸脱することなく行われうることを察知するであろう。

Claims (87)

  1. 式(I):
    Figure 2021512046
    式中:
    N1およびRN2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または窒素保護基であるか、任意に、ここでRN1およびRN2は、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルまたは任意に置換されていてもよいヘテロアリールを形成し;
    P1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
    は、水素または−ORXaであり;
    は、水素または−ORYaであり;
    XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、ここでRXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
    nは、1または2である、
    で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  2. 化合物が、以下の式:
    Figure 2021512046

    の1つまたはその薬学的に許容し得る塩である、請求項1に記載の化合物。
  3. 化合物が、以下:
    Figure 2021512046
    またはその薬学的に許容し得る塩でないことを条件とする、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 式(II):
    Figure 2021512046

    式中:
    N1およびRN2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または窒素保護基であるか、任意にここでRN1およびRN2は、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルまたは任意に置換されていてもよいヘテロアリールを形成し;
    P1およびRP2は、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
    は、水素または−ORXaであり;
    は、水素または−ORYaであり;
    XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、ここでRXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
    mは、0または1である、
    で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  5. 化合物が、以下の式:
    Figure 2021512046


    の1つまたはその薬学的に許容し得る塩である、請求項4に記載の化合物。
  6. 式(III):
    Figure 2021512046
    式中:
    は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
    P1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
    は、水素または−ORXaであり;
    は、水素または−ORYaであり;
    XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意にここでRXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;および
    nは、1または2である、
    で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  7. 化合物が、以下の式:
    Figure 2021512046

    の1つまたはその薬学的に許容し得る塩である、請求項6に記載の化合物。
  8. 化合物が、以下:
    Figure 2021512046
    またはその薬学的に許容し得る塩でないことを条件とする、請求項6または7に記載の化合物。
  9. 式(IV):
    Figure 2021512046
    式中:
    は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
    P1は、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であり;
    は、水素または−ORXaであり;
    は、水素または−ORYaであり;および
    XaおよびRYaは、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアシル、または酸素保護基であるか、任意に、RXaおよびRYaは、介在原子と一緒に連結して、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する、
    で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  10. 化合物が、式:
    Figure 2021512046

    またはその薬学的に許容し得る塩である、請求項9に記載の化合物。
  11. nが1である、請求項1または6に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  12. nが2である、請求項1または6に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  13. mが1である、請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  14. mが0である、請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  15. N1およびRN2の少なくとも1つが水素である、請求項1、2、4または5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  16. N1およびRN2の両方が水素である、請求項1、2、4または5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  17. が水素である、請求項6、7、9または10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  18. が任意に置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項6、7、9または10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  19. が、任意に置換されていてもよいC1〜3アルキルである、請求項18に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  20. が、非置換のC1〜3アルキルである、請求項19に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  21. が、メチルである、請求項20に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  22. P2が、水素である、請求項4または5に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  23. P1が、水素である、請求項1、2、4〜7、9、または10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  24. が、水素である、請求項1、4、6、または9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  25. が、−ORXaである、請求項1、4、6、または9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  26. が、−OHである、請求項1、4、6、または9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  27. が、水素である、請求項1、4、6、または9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  28. が、−ORXaである、請求項1、4、6、または9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  29. が−OHである、請求項1、4、6、および9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  30. およびRが、水素である、請求項1、4、6、または9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  31. およびRが、−OHである、請求項1、4、6、または9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  32. が、水素であり;かつRが、−OHである、請求項1、4、6、または9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  33. 化合物が、
    Figure 2021512046
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物およびその薬学的に許容し得る塩。
  34. 化合物が、
    Figure 2021512046

    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物およびその薬学的に許容し得る塩。
  35. 化合物が、
    Figure 2021512046
    からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物およびその薬学的に許容し得る塩。
  36. 化合物が、
    Figure 2021512046
    からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物およびその薬学的に許容し得る塩。
  37. 化合物が、
    Figure 2021512046
    からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物およびその薬学的に許容し得る塩。
  38. 化合物が、
    Figure 2021512046
    Figure 2021512046
    Figure 2021512046
    からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物およびその薬学的に許容し得る塩。
  39. 化合物が、
    Figure 2021512046
    Figure 2021512046
    からなる群から選択される、請求項9に記載の化合物およびその薬学的に許容し得る塩。
  40. 請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物。
  41. 増殖性疾患の処置における使用のための、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  42. 腫瘍またはがんの処置における使用のための、請求項41に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  43. 腫瘍またはがんが、血管新生、浸潤、または転移により特徴づけられる、請求項42に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  44. 腫瘍またはがんの成長の阻害における使用のための、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  45. 請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、または請求項40に記載の医薬組成物を対象へ投与することを含む、対象における増殖性疾患を処置するための方法。
  46. 増殖性疾患が、がんまたは腫瘍である、請求項45に記載の方法。
  47. がんまたは腫瘍が、血管新生、浸潤、または転移により特徴づけられる、請求項46に記載の方法。
  48. 請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、または請求項40に記載の医薬組成物を対象へ投与することを含む、対象における腫瘍またはがんの成長を阻害するための方法。
  49. 増殖性疾患を処置するための医薬の製造のための、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩の使用。
  50. 増殖性疾患が、がんまたは腫瘍である、請求項49に記載の使用。
  51. がんまたは腫瘍が、血管新生、浸潤、または転移により特徴づけられる、請求項50に記載の使用。
  52. 腫瘍またはがんの成長を阻害するための医薬の製造のための、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩の使用。
  53. がんまたは腫瘍が、頭頸部がん、乳がん、結腸直腸がん、食道がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜がん、肉腫、胃部がん、肺がん、膀胱がん、小腸がん、または汗腺がんである、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
  54. がんまたは腫瘍が、頭頸部がんである、請求項53に記載の方法。
  55. 頭頸部がんが、頭頸部の扁平上皮細胞癌(SCCHN)である、請求項54に記載の方法。
  56. 頭頸部がんが、腺様嚢胞癌である、請求項54に記載の方法。
  57. がんまたは腫瘍が、乳がんである、請求項53に記載の方法。
  58. 乳がんが、HER2陽性乳がんである、請求項57に記載の方法。
  59. 乳がんが、HER2陰性乳がんである、請求項57に記載の方法。
  60. 乳がんが、トリプルネガティブ乳がんである、請求項57に記載の方法。
  61. がんまたは腫瘍が、結腸直腸がんである、請求項53に記載の方法。
  62. がんまたは腫瘍が、食道がんである、請求項53に記載の方法。
  63. 食道がんが、食道腺癌である、請求項62に記載の方法。
  64. がんまたは腫瘍が、子宮がんである、請求項53に記載の方法。
  65. がんまたは腫瘍が、卵巣がんである、請求項53に記載の方法。
  66. がんまたは腫瘍が、肉腫である、請求項53に記載の方法。
  67. がんが、子宮肉腫、線維肉腫、血管肉腫、滑膜肉腫、軟部組織肉腫、または内膜肉腫である、請求項66に記載の方法。
  68. がんが、胃部がんである、請求項53に記載の方法。
  69. がんが、小腸がんである、請求項53に記載の方法。
  70. 小腸がんが、小腸腺癌である、請求項69に記載の方法。
  71. がんが、膀胱がんである、請求項53に記載の方法。
  72. 膀胱がんが、尿路上皮癌である、請求項71に記載の方法。
  73. がんが、肺がんである、請求項53に記載の方法。
  74. がんが、非小細胞肺がんである、請求項73に記載の方法。
  75. がんが、汗腺がんである、請求項53に記載の方法。
  76. がんが、汗腺癌である、請求項75に記載の方法。
  77. がんが、子宮内膜がんである、請求項53に記載の方法。
  78. がんが、希少がんである、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
  79. 抗EGFR(上皮成長因子受容体)mAb治療により対象を処置することをさらに含む、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
  80. がんが、頭頸部の扁平上皮細胞癌(SCCHN)である、請求項79に記載の方法。
  81. 抗EGFR(上皮成長因子受容体)mAbが、セツキシマブである、請求項79または80に記載の方法。
  82. HER2(ヒト上皮成長因子受容体)mAb治療により対象を処置することをさらに含む、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
  83. がんが、乳がんである、請求項82に記載の方法。
  84. HER2(ヒト上皮成長因子受容体)mAbが、トラスツズマブである、請求項82または83に記載の方法。
  85. プログラム死1タンパク質(PD−1)抗体により対象を処置することをさらに含む、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
  86. 放射線治療により対象を処置することをさらに含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  87. 請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、または請求項40に記載の医薬組成物を含む、キット。
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