JP2021509934A - 銅−亜鉛合金 - Google Patents

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Abstract

本発明は、導電性部品(例えばコンタクト)を製造するための銅−亜鉛合金に関する。該合金は、Cu:62.5〜67重量%、Sn:0.25〜1.0重量%、Si:0.015〜0.15重量%、Mn、Fe、NiおよびAlの群から少なくとも2つの珪化物形成元素であって、それぞれ0.15重量%以下であり、これらの元素の合計が0.6重量%以下である珪化物形成元素、Pb:0.1重量%以下、Znおよび不可避不純物によって形成される残部からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、銅−亜鉛合金、およびそのような合金から製造された銅−亜鉛合金製品に関する。
本発明は、高力黄銅合金に関する。高力黄銅合金は、多種多様な製品を生産するために使用されている。高力黄銅合金製品の使用の典型的な用途は、ベアリング部品、エンジンおよびトランスミッション部品、例えばシンクロナイザーリング等、およびバルブ、特に飲料水用途である。黄銅合金製品は、電気的および冷却技術の用途、例えばコネクタシュー、接触端子等を製造するためにも使用される。黄銅合金製品の良好な熱伝導率は、冷却技術用途において利用される。銅の良好な熱伝導率のために、これらの黄銅合金は高い銅含有量を有し、それに対応して低合金化されているに過ぎない。高力黄銅合金は熱伝導率が著しく悪い。
黄銅合金が特に良好な導電特性を有するためには、選択されるCu含有量をそれに対応して高くすべきである。しかしながら、このような製品の電気伝導率は、亜鉛含有量が増加することにつれて減少する。このため、高い電気伝導率が最優先される高力黄銅合金製品では、通常、使用される合金のZn含有量は5〜10重量%以下である。銅および亜鉛の元素に加えて、以下の元素:Al、Sn、Si、Ni、Feおよび/またはPbのうちの1つ以上が、高力黄銅合金の構造中に存在する。これらの元素の各々は、合金から製造される高力黄銅合金製品の特性に異なる影響を及ぼす。単一の合金元素は、その寄与に応じて、合金の加工適性に関して、およびそれから製造される高力黄銅合金製品の特性に関して、異なる特性の原因となり得ることに留意されたい。合金の加工適性についても同様である。高力黄銅合金製品の用途は多岐にわたるため、合金組成が異なる高力黄銅合金も数多く知られている。これらは、例えば、それらの強度値、それらの被削性、それらの表面加工性、それらの熱伝導率、それらの弾性率、それらの耐熱性等において異なる。ほとんどの場合、公知の高力黄銅合金は、非常に特殊な目的のためにその組成に関して開発されてきた。
電気用途向けの高力黄銅合金製品を製造するための高力黄銅合金は、十分な導電性を有するだけでなく、所望の製品を製造できるようにするためにも、加工適性および加工性が良好で、かつ十分な強度値を有していなければならない。合金の加工適性に関して、その製造は標準的な加工工程を用いて可能であるべきであり、それから製造される高力黄銅合金製品の費用は、高コストかつ場合によっては珍しいプロセス制御工程によって、さらに高価とならないようにすべきである。
電気および/または冷却技術用途のための高力黄銅合金は、独国実用新案第202017103901号明細書(U1)から公知となっている。これは、58.5〜62重量%のCuと、0.03〜0.18重量%のPbと、0.3〜1.0重量%のFeと、0.3〜1.2重量%のMnと、0.25〜0.9重量%のNiと、0.6〜1.3重量%のAlと、0.15〜0.5重量%のCrと、0.1重量%以下のSnと、0.05重量%以下のSiと、Znおよび不可避不純物によって形成される残部とを含有する。先行技術のこの高力黄銅合金は、意図された冷却技術用途に十分な熱伝導率と多くの用途に十分な電気伝導率を有しているが、コンタクト、ソケット等の電気部品の製造性を向上させるために、電気伝導率だけでなく押出性や被削性を向上させることができれば望ましい。さらに、このような合金から製造された合金製品は良好な冷間引抜性のような良好な冷間成形性特性を有し、このようにして、成形された半製品は、最終製品のためのより高い強度値が提供されることとなる。
良好な被削性を有する無鉛黄銅合金は、米国特許出願公開第2014/0234411A1号明細書から公知である。この合金は、70〜83重量%のCu、1〜5重量%のSiおよび以下の他のマトリックス活性元素:0.01〜2重量%のSn、0.01〜0.3重量%のFeおよび/またはCo、0.01〜0.3重量%のNi、0.01〜0.3重量%のMn、およびZnと不可避不純物によって形成される残部を含有する。さらに、この合金は、0.1重量%以下のPだけでなく、それぞれ0.5重量%以下の元素Ag、Al、As、Sb、Mg、TiおよびCr、を含有することができる。
電子部品の材料としての銅−亜鉛合金は、独国特許発明第4120499号明細書(C1)から公知である。先行技術のこの合金は、74〜82.9重量%のCuと、1〜2重量%のSiと、0.1〜0.4重量%のFeと、0.02〜0.1重量%のPと、0.1〜1.0重量%のAlと、Znと不可避不純物によって形成される残部を含有する。
良好な電気伝導率を有するといわれる黄銅合金は、高いCn含有量で製造される。独国特許発明第4120499(C1)の合金はそのような一例である。先行技術のこの黄銅合金は、むしろ高い機械的強度、高いバネ曲げ降伏強度、結果として対応する弾性率を有しているので、弾性コネクタ部品をこの合金から製造することができる。しかしながら、高いCu含有量にもかかわらず、電気伝導率は6.0〜7.0mS/mの間にすぎない。
従って、上述の先行技術に基づき、本発明の主たる目的は、改善された機械的性質及び改善された電気伝導率によって特徴付けられる、例えばコネクタの部品としてのコンタクトのような、導電性部品を製造するのに特に適した高力黄銅合金を提案することである。さらに、それは、良好な被削性および良好な冷間成形性を有する。
本発明によれば、この目的は、以下からなる、導電性部品、例えばコンタクトを製造するための銅−亜鉛合金によって達成される:
‐ Cu:62.5〜67重量%、
‐ Sn:0.25〜1.0重量%、
‐ Si:0.015〜0.15重量%、
‐ Mn、Fe、Ni及びAlの群から少なくとも2種の珪化物形成元素、それぞれ0.15重量%以下であり、これら元素の合計が0.6重量%以下、
‐ Pb:0.1重量%以下、
‐ Znと不可避不純物によって形成される残部。
本発明による合金の機械的強度特性を試験片の伸びの増加を伴う試料Aに基づいて確立する図である。 本発明による合金の機械的強度特性を試験片の伸びの増加を伴う試料Aに基づいて確立する図である。 本発明による合金の機械的強度特性を試験片の伸びの増加を伴う試料Aに基づいて確立する図である。 本発明による合金の機械的強度特性を試験片の伸びの増加を伴う試料Aに基づいて確立する図である。 本発明による合金の機械的強度特性を試験片の伸びの増加を伴う試料Aに基づいて確立する図である。
この銅−亜鉛合金は、その特定の合金組成によって特徴付けられる。一方、決定的な要因は、31〜37重量%のZn含有量と、0.5〜1.0重量%の元素Snの合金の組成への顕著な寄与である。この合金の主要な合金元素は元素Cu、ZnおよびSnである。比較的高いZn含有量およびそれに対応する低いCu含有量のために、電気伝導率がこの合金から製造された製品に課せられた要件を満たすにもかかわらず、導電性用途に使用されてきた先行技術からの高力黄銅合金の伝導率を超えることさえあることを見出したことは驚くべきことであった。Siは0.015〜0.15重量%で合金中に存在する。合金中のSiは微細構造中に微細な析出物として珪化物を形成する役割を果たす。珪化物の平均サイズは、典型的には1μm未満である。珪化物が特定のサイズを超える場合、合金から製造される合金製品の表面の研磨性、被覆性および/またはんだ付け性に悪影響を及ぼす。より高い割合のSiは、本発明による合金の特定の特性を改善することができない。むしろ、これは、所望の良好な電気伝導率に悪影響を及ぼす可能性がある。珪化物形成元素としての元素Mn、Fe、NiおよびAlの群から、合金の組織中には少なくとも2種の元素が存在する。Siと共に、これらの元素は微細に分布した混合珪化物を形成し、合金から製造された製品の耐摩耗性に良い影響を与える。これらの珪化物は微細構造マトリックス中に微細に分布した粒子である。合金組織中のこれらの元素の割合は元素あたり最大で0.15重量%に制限され、ここで、これらの元素の合計は0.6重量%を超えない。好ましくは元素Fe、NiおよびAlは合金の構造中に存在する。Mnは珪化物形成剤として合金の一部となることができる。好ましくは元素Fe、NiおよびAlは典型的には混合珪化物を形成する珪化物形成剤として提供される。一実施形態では、NiおよびAl部分はそれぞれ大きさがほぼ等しいが、Fe部分はNiおよびAl部分のわずか40〜60%である。好ましい実施形態では、Fe部分がNiまたはAl部分の約50%である。0.015〜0.15重量%のSi含有量と共にFe、NiおよびAlの珪化物形成剤のこの特定の組合せは、合金から製造される製品の所望の特に良好な電気伝導率に対して顕著な不利な効果を及ぼさない。それにもかかわらず、これらは合金製品に所望の強度値を与える。
意外にも驚くべきことに、この合金またはこの合金から製造された合金製品について、特に微細な結晶粒(典型的には10〜100μm)を有するだけでなく、非常に良好な押出性または熱間成形特性を有し、冷間成形による良好な加工硬化特性を有し、良好な被削性を有し、それにもかかわらず、議論中の型の高力黄銅について12mS/m(20%IACS)を超える非常に良好な電気伝導率を有することが示された。これは、割合が同時に限定されている珪化物形成元素に比べて比較的高い割合のSnにも起因する。
一般に、優勢な理論は、良好な被削性を有する黄銅合金は、70重量%未満の銅含有量を有してはならないというものであった(例えば、米国特許出願公開第2014/0234411号明細書を参照されたい)。この点において、低い銅含有量にもかかわらず、本発明による合金またはそれから製造された製品が非常に良好な被削性を有することを見出したことは驚くべきことであった。
この合金から製造される高力黄銅合金製品の電気的用途について興味深いことは、その特に良好なガルバニック被覆性である。いくつかの用途では、このような製品が電気的に高い伝導率の金属層、すなわち、黄銅合金から製造された製品の電気伝導率を明確に上回る電気伝導率を有するコーティングで覆われる。このような金属層は、典型的には電気的に適用される。これは、高力黄銅合金製品の一定の電気伝導率を必要とするだけでなく、それに適用されるガルバニック塗布が表面上に永久的かつ均等に接着することを何よりも必要とする。これは、特に、この高力黄銅合金で生じる均一で微細な結晶粒状の微細構造に起因する。この合金から製造された製品の場合である。黄銅合金製品のコーティングは、摩耗から保護する役割も果たすことができる。さらに、コーティングは黄銅合金製品の表面上のある種の特性、例えば、コンタクトを取り付けるためのより良いはんだ付け性、高力黄銅合金製品の熱的保護のための断熱性を改善するために、または、さらなるコーティングのための接着層として使用することができる。
また、この合金から製造された製品の弾性率は十分高い。したがって、この黄銅合金は、弾性特性を有する製品、例えばコンタクトとしてのコネクタシューを製造するためにも使用することができる。100〜120GPa以上の弾性率で、これは、低合金化銅−亜鉛二物質合金で知られる弾性率のサイズ範囲であり、ばね力の応用にも関係する電気的用途に典型的に使用される。
この黄銅合金は、12mS/m(20%IACS)以上の電気伝導率を有する合金製品の製造に使用することができる。その結果、電気伝導率の値は一般に、30重量%以上の割合のZnを有し、多くの用途に十分な他の高力黄銅合金よりも高くなる。この合金から製造された合金製品では、この目的のために特別に設計され、この合金またはそれから製造された製品の他の有益な特性を有していない高力黄銅合金でのみ知られている強度値と組み合わされる。
この高力黄銅合金から製造された高力黄銅合金製品の良好なはんだ付け性は、特に電気的用途においては重要でないわけではない。
この銅‐亜鉛合金の単純な化学構造は、合金の構造中に存在する元素の数が少ないために強調される。このことは、合金がCrフリーであることも意味する。また、この合金は通常Pbフリーであり、0.1重量%以下の割合のPbが許容される。キャリーオーバーまたはリサイクル材料の使用のために、少量のPbが合金に導入されることは必ずしも避けられない。許容範囲内では、Pbが上述のようにこの銅−亜鉛合金の有益な特性にマイナスの影響を及ぼさない。0.1重量%の最大許容割合のPbでは、この合金は依然としてPbフリーであると考えられる。さらに、P、S、Be、Teなどの元素(特定の強度または加工特性を達成するために、他の高力黄銅合金においてCrに加えてよく使用される元素)は使用されない。このことも、合金はわずかな元素だけで構成されているにもかかわらず、元素が特定の割合で合金中に存在していれば、合金から製造された製品の上述した有益な特性が生じるという驚くべき結果の理由である。合金の構造中に使用する元素が少数であることにより、製造プロセスが単純化する。合金の組織中に存在する元素は全ての高力黄銅合金の標準元素であるので、他の合金に対する元素キャリーオーバーのリスクは商業生産において回避される。
この合金から製造された合金製品の特に良好な被削性は、60〜70の指数、および特別な型では80を超える指数で特定することができる。
本発明による銅−亜鉛合金は、好ましくは以下の組成を有する:
‐ Cu:64〜66重量%、
‐ Sn:0.3〜0.7重量%、
‐ Si:0.03〜0.1重量%であり、この合金組成により合金の有益な特性がさらに向上する。
一実施形態によれば、珪化物形成元素の割合と同様に、SnおよびSiの割合はさらに制限される。このような合金は、以下のように構成される:
‐ Cu:64.5〜66重量%、
‐ Sn:0.4〜0.6重量%、
‐ Si:0.03〜0.08重量%、
‐ Mn、Fe、NiおよびAlの群から少なくとも2種の珪化物形成元素、それぞれ0.1重量%以下であり、これら元素の合計が0.4重量%以下、
‐ Pb:0.1重量%以下、
‐ Znおよび不可避不純物によって形成される残部。
好ましいZn含有量は32〜36重量%である。
本発明を、3つの比較合金と比較した実施形態を参照して以下に説明する。本発明による合金は、3つの比較合金に加えて、2つの試料(試料AおよびB)に基づいて製造され、押出成形された。調査した合金の組成を以下の表に示す:
Figure 2021509934
上表において、比較合金は、合金1、合金2および合金3である。押出状態において、試料AおよびBによる本発明の合金は、以下の強度値を有する:
‐ 0.2%引張降伏強度:100N/mm
‐ 引張強度:約300N/mm
‐ 破断点伸び:約55%、
‐ 硬度:70HB2.5/62.5
合金製品において強度値の増加をもたらす良好な冷間引抜性およびそれに伴う加工硬化は、断面を20%減少させる第一段階および断面を35%減少させる第二段階において、押出棒の冷間引抜状態で実証することができる(図1から図5も参照のこと):
断面を20%減少させた冷間引抜き棒の強度値:
‐ 0.2%引張降伏強度:約310N/mm
‐ 引張強度:約390N/mm
‐ 破断点伸び:約25%、
‐ 硬度:約120HB2.5/62.5。
断面を35%減少させた冷間引抜き棒の強度値:
‐ 0.2%引張降伏強度:約400N/mm
‐ 引張強度:約450N/mm
‐ 破断点伸び:12%、
‐ 硬度:143HB2.5/62.5。
本発明による合金の微細構造は、主に室温でマトリックス中のα相を示す。熱間成形温度では、十分な割合のβ相が存在する。結晶粒微細構造は室温で小さく、平均結晶粒径は10〜100μmである。珪化物は、押出温度で形成される微細な析出物として微細に分布している。
3つの比較合金と比較した、室温での本発明による合金試料AおよびBの特性を、コネクタの製造に慣用されているように、それぞれの部分的に凝固した状態について、以下の表に示す:
Figure 2021509934
この比較は、本発明による合金が電気的用途に関連するパラメータにおいて特に良好な特性を有することを示している。これはまた、特に高い弾性率および非常に良好な強度値に関連する。このため、この合金は材料‐弾性特性を有しければならない電気コンタクト素子の製造に特に適している。
本発明による合金試料AおよびBの鋳造試料に関する調査は、β混晶部分が12〜15%と極めて低く、残りがα混晶部分であることを示している。金属間相の割合は1%未満である。鋳造における高い割合のα相は、その後の冷間成形工程に良い影響を与える。熱間成形が所望される場合、β相の割合をいくらか高く保つための努力がなされる。
押出成形の結果、β部分は2%未満に減少する。濃度は8.58g/cmである。これらの試料の押出状態における電気伝導率は13.8mS/m(23.8%IACS)である。これらの試料は、約80HB2.5/62.5の硬度を有する。
DIN59016第1部に従って応力腐食割れ試験を実施したところ、応力割れは発生しなかった。これは、押出状態では微細構造に残留応力、少なくとも顕著な残留応力がないことを意味する。この結果は、顕微鏡写真で確認されている微細構造と小さな結晶粒の高い均一性と一致した。優勢なα相を有するこのような合金製品の特定の微細構造は、上述の良好な電気伝導率の原因である。さらに、均一な微細構造のため、異なる方向の機械的性質が同じであるだけでなく、電気伝導率も同じである。
電気伝導率は、好ましくは380℃〜500℃で約3時間行われる後続のアニーリング工程を実施することによって改善することができる。アニールは、好ましくは440℃〜470℃の温度で3時間行われる。アニーリングにより、微細な析出物は電気伝導率を妨げるので除去される。アニール後、試料AおよびBについて約14.2mS/mの電気伝導率を測定した。
本発明による合金の別の特定の利点は、その特に良好な冷間成形性である。それから製造された半製品は中間アニーリングを行わずに例えば、伸長や折り曲げなどの冷間成形を数回行うこともでき、その発生した加工硬化の結果として特に高い強度値を構成要素に与える。
添付の図1〜図5は、本発明による合金の機械的強度特性を試験片の伸びの増加を伴う試料Aに基づいて確立する図を示す。試験片の開始時の表面または開始時の長さに対する伸びがx軸にプロットされている。
図1は、全伸び60%までの伸びの増加に伴う試験片の0.2%引張降伏強度の推移を示している。0.2%引張降伏強度は試験片の伸びの増加と共に増加する。引張強度に関しても同様の反応が見られる。冷間成形として行った伸びは、試験片が50%以上伸びた場合、引張強度の100%以上の増加につながる。降伏強度比の増加も、試験片の伸びの増加と共に観察することができる。
破断点伸びは、特許請求される合金について特に興味深い。50%を超える領域における伸び、したがって強い変形にもかかわらず、破断点伸びは10%未満には低下しない。
試験片の伸びの増加に伴い、関連する冷間変形により、硬度はすなわち約180HB2.5/62.5まで増加する。
これらの図は、本発明による合金から製造された製品の特に良好な冷間成形性特性を示す。

Claims (13)

  1. 導電性部品、例えばコンタクトを製造するための銅−亜鉛合金であって:
    ‐ Cu:62.5〜67重量%、
    ‐ Sn:0.25〜1.0重量%、
    ‐ Si:0.015〜0.15重量%、
    ‐ Mn、Fe、NiおよびAlの群からの少なくとも2種の珪化物形成元素、それぞれ0.15重量%以下であり、これら元素の合計が0.6重量%以下、
    ‐ Pb:0.1重量%以下、
    ‐ Znおよび不可避不純物によって形成される残部、
    からなる銅−亜鉛合金。
  2. ‐ Cu:64〜66.5重量%、
    ‐ Sn:0.3〜0.7重量%、
    ‐ Si:0.03〜0.1重量%、
    を有する、請求項1に記載の銅−亜鉛合金。
  3. ‐ Cu:64.5〜66重量%、
    ‐ Sn:0.4〜0.6重量%、
    ‐ Si:0.03〜0.08重量%、
    ‐ Mn、Fe、NiおよびAlの群から少なくとも2種の珪化物形成元素、それぞれ0.1重量%以下であり、これらの元素の合計が0.4重量%以下、
    ‐ Znおよび不可避不純物によって形成される残部、
    を有する、請求項2に記載の銅−亜鉛合金。
  4. 32〜36重量%のZnを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の銅−亜鉛合金。
  5. 合金中の珪化物形成元素はFe、Ni、Alを含み、NiとAlの割合はそれぞれほぼ等しく、Feの割合はNiの割合またはAlの割合の40%〜60%であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の銅−亜鉛合金。
  6. NiおよびAl含有量がそれぞれ0.04〜0.1重量%、かつFe含有量が0.02〜0.05重量%であることを特徴とする請求項5に記載の銅−亜鉛合金。
  7. NiおよびAl含有量がそれぞれ0.06〜0.08重量%であり、かつFe含有量が0.03〜0.04重量%であることを特徴とする請求項6に記載の銅−亜鉛合金。
  8. 合金がCrフリーであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の銅−亜鉛合金。
  9. 室温において微細構造マトリックスが大きく優勢なα相を有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の銅−亜鉛合金から製造された銅−亜鉛合金製品。
  10. 微細構造の平均結晶粒径が10〜100μmであることを特徴とする請求項9に記載の銅−亜鉛合金製品。
  11. 電気伝導率が少なくとも12mS/m(20%IACS)であることを特徴とする請求項9または10に記載の銅−亜鉛合金製品。
  12. 請求項9から11のいずれか一項に記載の銅−亜鉛合金製品であって、引抜加工により半製品から冷間成形され、断面縮小率が約20%であり、
    ‐ 0.2%引張降伏強度:約310N/mm
    ‐ 引張強度:約390N/mm
    ‐ 破断点伸び:約25%、
    ‐ 硬度:約120HB2.5/62.5
    の強度値を示すことを特徴とする、銅−亜鉛合金製品。
  13. 請求項9から11のいずれか一項に記載の銅−亜鉛合金製品であって、引抜加工により半製品から冷間成形され、断面縮小率が約35%であり、
    ‐ 0.2%引張降伏強度:約400N/mm
    ‐ 引張強度:約450N/mm
    ‐ 破断点伸び:12%、
    ‐ 硬度:143HB2.5/62.5
    の強度値を示すことを特徴とする、銅−亜鉛合金製品。
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