JP2021506845A - 海藻抽出物から生物活性化合物を同定し、分離する方法 - Google Patents

海藻抽出物から生物活性化合物を同定し、分離する方法 Download PDF

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Abstract

海藻から得られた抽出物中の生物活性化合物を分離し、精製する方法。該方法は、(a)抽出物を、好適な分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を通して循環させるステップと、(b)抽出物から濾液を回収して第1の濾液画分および保持液を得るステップと、(c)保持液を水洗いして1種または複数種のさらなる濾液画分を得るステップと、を含む。次いで、第1の濾液画分およびさらなる濾液画分の生物活性を評価して、それらの植物成長への有効性を決定することができる。藻類種から分離された1種または複数種の生物活性分子も記載されており、ここで1種または複数種の生物活性分子は、約0.15kDa〜約1.0kDaの範囲の分子量を有し、植物成長を向上させるか、または改善することができる。

Description

本発明は、概して、海藻抽出物から、植物成長刺激を担う生物活性化合物を精製し、分離する方法に関する。
現代の農業の課題の1つは、農業生産における持続可能性、質、および安全性についての社会的要求に対処することと、収量並びに環境変化に対する作物の耐性を改善して農業自体を世界的な人口増加に適応させることである。
バイオスティミュラントは、植物の栄養摂取を改善するために使用されうるものであり、収量および品質パラメータに影響を与える。植物バイオスティミュラントは、概して、ホルモンを含有する製品、植物抽出物をベースとした製品、微量栄養素をベースとした製品、アミノ酸を含有する製品、および腐植酸を含有する製品のカテゴリーのうちの1つに含まれるが、厳密にこれらのカテゴリーだけに限定されるわけではない。植物バイオスティミュラントは、成長速度を高め、ストレス耐性を高め、光合成速度を高め、病害耐性を高めるその能力が見込まれ、商用環境において作物を処理するために使用されている。植物バイオスティミュラントは、一般的に、重要な生物学的経路の遺伝子を上方制御または下方制御することにより作用すると考えられている。
ヨーロッパ・バイオスティミュラント産業協議会(European Biostimulant Industry Council)(EBIC)によって定義されているように、植物バイオスティミュラントは、植物または根圏に施用された場合、天然作用を刺激して、栄養吸収、栄養効率、非生物的ストレスに対する耐性、および作物の質を向上させる/それらに益する機能を有する物質および/または微生物を含有する。バイオスティミュラントは、有害生物に対する直接的な作用を有しておらず、したがって、殺有害生物剤の規制の枠組みには含まれない。
バイオスティミュラントは、様々な製剤形態で、様々な成分と共に利用可能であるが、一般に、それらの供給源および含量に基づいて分類される。これらの群には、腐植質物質(HS)およびアミノ酸含有製品(AACP)が含まれる。
バイオスティミュラントは、様々な製剤形態で、様々な成分と共に利用可能であるが、一般に、それらの供給源および含量に基づいて7つの主な群に分類される。これらの群には、腐植質物質(腐植酸およびフルボ酸)、タンパク質加水分解物およびその他の窒素含有化合物、海藻抽出物および植物性薬品、キトサンおよびその他の生体高分子、無機化合物、有益な真菌および有益な細菌が含まれる。
数多くの肥料および植物バイオスティミュラントが市販されているにもかかわらず、様々な要求に応えうる改良製品が求められ続けている。したがって、植物の成長応答および発達を改善する新規の製品および方法が必要とされる。
海藻および海藻由来製品の中には多数の植物成長刺激化合物が存在するため、これらの製品は、作物生産システムにおいて広く使用されてきた。このように、海藻中に存在する成長因子、およびそれらが植物成長に影響を与える作用の様々な様式に関する科学的データが乏しいため、これらの製品の多くは、バイオスティミュレーションの潜在力が十分に活用されていなかった。
海藻抽出物が植物防御および植物成長に及ぼす生理学的効果は調べられているものの、一方で、これらの植物刺激剤としての役割を担う、海藻抽出物中の特定の生物活性化合物に関してはほとんどわかっていない。例えば、褐藻類抽出物を含む、藻類中のこれらの生物活性成分の同定を加速させることが望ましいと考えられる。
褐藻綱(Phaeophyceae)または褐藻類は、両半球海域に生息する多種類の海藻を含む、主として海洋性多細胞藻類の大きな一群である。それらは、海洋環境において、食物としても、生息環境としても、重要な役割を果たしている。ヒバマタ目(Fucales)のメンバーなどの多くの褐藻類は、通常、岩の多い海岸に沿って生育している。世界的には、1,500種を超える褐藻類が既知である。アスコフィルム・ノドスム(Ascophyllum nodosum)などの一部の種は、環境への影響力に加え、商業用途においても重要である。
Michailovnaらに付与された米国特許第7,611,716号には、医薬、食品、香水、および美容産業において使用されうる酸性および中性多糖を含む抽出物ならびに低分子量の生物学的活性化合物を含む抽出物を得るために、単一プロセスによって海藻を加工する方法が記載されている。しかしながら、この参考文献は、海藻を加工する方法を記載されているだけであり、その中に含有される潜在的な植物バイオスティミュラント化合物を同定する方法は何も示されていない。
Strongに付与された米国特許第3,856,569号には、海洋性藻類(紅藻綱(Rhodophyceae)および褐藻綱)由来の水性溶液を限外濾過にかけることによって、この水性溶液からカラゲニンまたはアルギン酸などの望ましい多糖を精製し、濃縮する方法が記載されている。しかしながら、この参考文献もやはり、海藻を加工する方法を示しているだけであり、その中に含有されるバイオスティミュラント化合物を同定する方法は何も示されていない。
有機的で、環境に優しく、ヒトの健康に無害である製品の需要が増えつつあることから、天然のバイオスティミュラントの必要性が高まっている。さらに、従来の伝統的なバイオスティミュラントと同様であるかまたはそれより有効なバイオスティミュラントが必要とされている。さらに、バイオスティミュラント化合物を、海藻由来の抽出物などから分離し、精製するための改良されたプロセスが、当技術分野において依然として必要とされている。
本発明の目的は、植物バイオスティミュラントとして使用されうる物質を同定し、精製することである。
本発明の別の目的は、植物成長刺激を担う、様々な海藻抽出物中の生物活性化合物を同定し、精製することである。
その目的のために、一実施形態において、本発明は概して、藻類種から分離された、約0.15kDa〜約1.0kDaの範囲の分子量を有する1種または複数種の生物活性分子に関する。
別の実施形態において、本発明は、概して、海藻から得られた抽出物中の生物活性化合物を分離し、精製する方法であって、
a)抽出物を、好適な分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を通して循環させるステップと、
b)海藻抽出物から濾液を回収して第1の濾液画分および保持液を得るステップと、
c)保持液を水洗いして1種または複数種のさらなる濾液画分を得るステップと、
を含む方法に関する。
本発明をより完全に理解するために、添付の図面に関連する説明を以下に記す。
濾過されたRM−3496抽出物に対して行われたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)分画を示す図、および様々な画分中に存在した分子の平均分子量を見積もるためにSECへ注入された標準物質のクロマトグラムである。 レタスに対する、RM−3496のSEC画分の有効性を示す箱ひげ図である。 インビトロで栽培した、F3画分で処理したシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の新鮮な芽および根の重量の、無処理対照群、RM−3496抽出物、および再構築されたRM−3496抽出物との比較を示す箱ひげ図である。 本発明の一態様による限外濾過プロセスの図である。 様々な限外濾過画分、保持液、および抽出物で処理されたレタスの新鮮な芽の重量を示す箱ひげ図である。 様々な限外濾過画分、保持液、および抽出物で処理されたコムギの新鮮な芽の重量を示す箱ひげ図である。
好ましい実施形態の詳細な説明
植物「バイオスティミュラント」とは、植物または根圏に施用された場合、天然作用を刺激して、栄養吸収、栄養効率、非生物的ストレスに対する耐性、および作物の質を向上させる/それらに益する機能をもつ物質および/または微生物を含有する有機資材であることを意味する。
本発明またはその好ましい実施形態の構成要素を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、1種または複数種の構成要素があると意味することを意図する。「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的であり、列記された構成要素以外の追加の構成要素がありうると意味することを意図する。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、パラメータ、量、時間範囲などの測定可能な値に関するものであり、そのような変動が本明細書に記載の発明の実施において適切である限り、具体的に記載された値からの+/−15%以下の変動、好ましくは+/−10%以下の変動、より好ましくは+/−5%以下の変動、さらにより好ましくは+/−1%以下の変動、なお一層好ましくは+/−0.1%以下の変動を含むことを意味する。さらに、「約」という修飾語が指す値は、本明細書において具体的に開示されたその値自体であることもまた理解されるべきである。
本発明は、広範な種類の作物の成長速度および収量を高めることができる海藻由来の抽出物から、バイオスティミュラント化合物を精製し、分離する方法を説明する。
本明細書に記載したように、一実施形態において、本発明は、海藻抽出物のメタボロミクスプロファイリングによって、海藻抽出物中の植物成長刺激を担う生物活性化合物を精製する方法を提供する。
よって、一実施形態において、本発明は概して、藻類種から分離された、約0.15kDa〜約1.0kDaの範囲の分子量を有する1種または複数種の生物活性分子に関する。当該1種または複数種の生物活性分子は、植物成長を改善することができる生物活性分子である。一実施形態において、藻類種は褐藻類種である。褐藻類は、アスコフィルム・ノドスム、フクス・ウェシクロスス(Fucus vesiculosus)、ホンダワラ種(Sargassum sp.)、およびそれらのうちの1種または複数種の組合せを含む群から選択される藻類種を含んでもよい。一実施形態において、1種または複数種の生物活性分子は、硫酸化多糖またはラミナリンを含まない。
本発明はまた、概して、植物成長を改善する方法であって、分離された1種または複数種の生物活性分子を含む組成物を、土壌、植物、または種子のうちの少なくとも1つに施用するステップを含む方法に関する。植物成長を改善することには、種子の発芽を促進すること、根の発達を刺激すること、栄養期を延ばすこと、生産の期間を拡大させること、または収穫の期間を拡大させることのうちの少なくとも1つが含まれる。
本発明はまた、概して、海藻から得られた抽出物中の生物活性化合物を分離し、精製する方法であって、
a)抽出物を、好適な分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を通して循環させるステップと、
b)抽出物から濾液を回収して第1の濾液画分および保持液を得るステップと、
c)保持液を水洗いして1種または複数種のさらなる濾液画分を得るステップと、
を含む方法に関する。
当該方法は、第1の濾液画分およびさらなる濾液画分の生物活性を評価して、それらの植物成長への有効性を決定するステップをさらに含む。植物成長への有効性は、種子の発芽を促進すること、根の発達を刺激すること、栄養期を延ばすこと、生産の期間を拡大させること、または収穫の期間を拡大させることのうちの少なくとも1つを含んでもよい。実施形態によると、抽出物は、褐藻類種から生成される。抽出物は、アスコフィルム・ノドスム、フクス・ウェシクロスス、またはホンダワラ種の藻類から得てもよい。
好ましい一実施形態において、保持液は、作物において塩分過剰などの非生物的ストレスを緩和することができる活性分子である、硫酸化多糖およびラミナリンからなる群から選択される活性分子を含む。第1の濾液は、約0.15kDa〜約1.0kDaの範囲の分子量を有する生物活性分子を含む。
限外濾過膜は、分子量カットオフ値(MWCO)が3kDa未満、好ましくはMWCOが2kDa未満、そして最も好ましくはMWCOが1kDa未満であってもよい。
アスコフィルム・ノドスム(岩藻(rockweed))は、北大西洋でみられる褐藻であるヒバマタ属の一種であり、植物成長、植物生産性、および食物の質を改善するために、農作物用バイオスティミュラントの供給源として用いられてきた。
これらの海藻抽出物を、分子の極性およびサイズに基づき脱塩し、精製することについて、いくつかの精製技術を検定した。各精製手順について、様々な脱塩画分または塩と結合したままの画分において生物活性が確実に保たれているかを、画分を用いてレタスで検定した。この精製ステップを、海藻抽出物(RM−2705、Goemar社から入手可能なヒバマタ抽出物)に対して適用し、精製された非極性画分は高純度レベルを示した。精製された非極性画分のうちの1つに生物活性分子が存在することを示すために、大部分の生体分子(約69%)を塩と共溶出した。その後、全抽出物と比較して、様々な画分をレタスで試験した。しかしながら、その結果、植物成長刺激を担う生物活性分子が、塩も含有する極性画分に存在することが示された。RM−2705およびRM−3496抽出物中に含有される分子の極性による分画は、海藻抽出物の脱塩および精製に好適ではなかったと決定された。実際、用いたすべての分画技術で、生物活性分子は塩と結合したままであった。
よって、植物成長バイオスティミュラント活性を保持しつつ海藻抽出物を脱塩する別の方法を見つけるという課題が生じた。酢酸エチルを用いた液液抽出(LLE)、様々な吸着剤(順相:シアノプロピル−シリカ、および逆相:Amberlite(登録商標)XAD2)を用いた固相抽出(SPE)、ブタノールを用いた固液抽出(SLE)、およびサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を含む、様々な精製技術が検討された。
さらに、生物活性分子の安定性に関する情報を得るために、RM−2705抽出物の活性の熱安定性をレタスで検定した。その結果、生物活性分子は熱安定性を示し、処理後の抽出物の高圧蒸気滅菌または煮沸によって、レタスの刈り取り芽(free shoot)の重量が増大した。
極性による分画は、生物活性分子の精製には効果的ではないと思われたため、分子の粒径によって海藻抽出物を分画して、その脱塩を試みた。
ゲル濾過クロマトグラフィー(GF)とも呼ばれる、Superdex(登録商標)30樹脂を用いたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)以外は、これらの技術はすべて、この目的のためには効果的ではないと思われると決定された。SECは、海藻濾液を脱塩し、精製する唯一の有効な方法であることがわかった。
これに基づき、海藻抽出物(RM−3496)をSEC分画プロセスによって分画し、図1Aに示したように、分子をそれらのサイズ(または分子量)によって溶出した。10kDa未満の分子量の分子を確実に良好に分離するために、ASuperdex30(登録商標)樹脂(スウェーデン国、Bjorkgatan、GE Healthcare社)を用いた。分子が小さいほど(すなわち、分子量が低いほど)、より多くの分子がゲルの多孔性ビーズ中に捕捉され、より後に溶出される。よって、分子の分子量は、最初の画分(すなわち、F1)から最後の画分(すなわち、F6)にしたがって減少する。画分F1およびF2は、塩より速くカラムを通過して流れるより大きな分子によって構成されており、分子量がきわめて低い分子は、画分F5およびF6中に溶出される。
様々な画分に含有される分子の分子量範囲を見積もるために、標準物質の混合物(0.5%w/v)をSECシステムに注入した。標準物質のクロマトグラムを図1B示す。a)ラミナリン(約3〜約5kDa)、b)ラフィノース(594Da)、c)ショ糖(343.3Da)、d)クエン酸塩(343.3Da)、e)マンニトール(182.2Da)、およびf)グリシン(75.1Da)。これらの結果によれば、画分F1は、高分子量(4kDaより高い)の分子を含有し、画分F2は、F1画分とF2画分の間で溶出されたラミナリン(約3〜約4kDa)を含有した。
1kDaのカットオフ膜を用いた限外濾過システムでRM−2705抽出物を限外濾過した後に得られた限外濾液を、SECシステムに注入した。この限外濾液のクロマトグラフィープロファイルは、RM−2705抽出物のSEC分画からの画分F3、F4、F5、およびF6のクロマトグラフィーピークと一致するピークのみ示した。よって、画分F3は、約0.18kDa〜1kDa未満の分子量の分子を含有し、画分F4は、マンニトール(182.2Da)などの約0.2kDa未満の分子量の分子を含有し、画分F5およびF6は、塩、およびグリシン(75Da)などのきわめて低い分子量の分子を含有した。様々な画分のNMRスペクトルから、第1の画分F1における硫酸化多糖(フカン高分子)の存在が確認された一方、第2の画分F2はラミナリン(約3〜約4kDa)を含有し、画分4のF4はマンニトール(182.2Da)を含有する。最後の2画分、F5およびF6は、きわめて低い分子量の分子および塩を含有していた。
SEC分画によって得られた様々な画分を、レタスに対するそれらの植物成長刺激活性について、全海藻抽出物RM−3496と比較して試験した。クロマトグラフィーへの注入前に、海藻抽出物を濾過し、この濾過された抽出物も、その有効性を確認するために、レタスで試験した。その結果、図2に示したように、生物活性分子は、F3画分にみられることが示された。有意な活性は、約0.15kDa〜約1kDaの範囲の分子を含有するF3画分に認められた。
RM−2705抽出物を脱塩するために用いた様々な技術の組合せによって、生物活性分子(複数可)の物理化学的特性に関する情報が得られた。具体的には、生物活性分子は極性であり、それらの分子量が約0.15〜約1kDaの範囲であることが決定された。よって、この情報によれば、アスコフィルム・ノドスム酸性抽出物中の主要な硫酸化多糖であるフカン高分子、ラミナリン(約3〜約4kDa)、ベータ−1,3−グルカンエリシター、および乾燥重量で抽出物の約8〜10%に及ぶこともあるポリオールであるマンニトール(182Da)は、成長促進生物活性高分子から排除される。
精製されたF3画分の生物活性を確認するために、モデル植物であるシロイヌナズナを使用したインビトロ培養系を開発し、数回複製した。図3Aに図示したこれらの試験から、F3画分の生物活性が確認された一方で、RM−3496抽出物中の塩の存在が、これらの培養条件下でのシロイヌナズナの成長を妨げた。しかしながら、SEC画分を用いた海藻抽出物の再構成物に対応する再構築−RM−3496は、成長促進活性を示した。さらに、このインビトロバイオアッセイにおいて、画分F3および再構築−RM−3496はまた、図3Bに示したように、根の成長も向上させると思われた。
画分F3が強い成長刺激活性を示した一方で、画分F1およびF2は不活性であった。しかしながら、後者のバイオアッセイを進める中で、塩(100mM NaCl)の存在下で、画分F3はもはや成長を刺激する活性がなかったのに対し、F1およびF2は同様の効果を示したこと、また、全RM−2705抽出物が耐塩性を付与することが示された。これらの結果は、RM−2705抽出物が、(1)成長刺激を担う低分子量(LMW)画分ならびに(2)ストレス耐性(生物的および塩ストレス耐性)を付与するラミナリンおよびフカンを含有する画分を含む、異なる作用様式を有する様々な活性化合物を含有することを示している。
まとめると、これらの結果は、RM−2705抽出物の分画によって異なる作用様式を有する少なくとも2種類の製品が得られ、したがって、同じ原料を用いて異なる適用が可能となることを示すものである。
SECは工業スケールに移行できないことから、植物成長刺激活性を提供しうる海藻抽出物の分画製品を、より大きなスケールで生産することができる別の方法を開発することも、また望まれる。
SECに対する1つの代案は、海藻抽出物を好適な分子量カットオフ値(MWCO)を有する限外濾過膜を通して濾過する限外濾過(UF)である。一実施形態において、MWCOは、約0.15kDa〜1.0kDaの所望の範囲の生物活性分子を有する画分を生成する1kDaであってもよい。よって、一実施形態において、海藻抽出物は、1kDa MWCO膜を用いて限外濾過されうる。
一実施形態において、また最も広範な意味において、本発明は、海藻抽出物由来のバイオスティミュラント組成物を精製する方法であって、目的の分子をそれらの分子量、サイズ、および形状によって混合物の残部と分離するために、半透過性限外濾過膜を用いた限外濾過のステップを含む方法を提供する。
限外濾過ステップは、限外濾過装置を使用して行ってもよく、この装置において、約1重量%〜約15重量%の乾物、より好ましくは約2重量%〜約7重量%の乾物を含む海藻抽出物溶液が、好適な分子量カットオフ値(MWCO)を有する膜を用いた限外濾過にかけられる。一実施形態において、限外濾過プロセスには接線限外濾過が含まれる。
保持液(または濃縮液)を再循環させる間、濾液をそのバイオスティミュラント特性に基づいて回収し、これはこのプロセスの最後に他の用途のために別にされる。保持液(または濃縮液)のさらなる精製は、一般的には必要でないかまたは不可欠でないものの、必要であれば、限外濾液から1kDa以下の分子量を有する分子と共に水が除去される速度と一致する速度で真水を加えることによって達成することができる。
図4にみられるように、限外濾過は、溶液リザーバ(1)を海藻抽出物のバッチで満たすプロセスによって行われうる。溶液は、管路(2)およびポンプ(3)によって限外濾過ユニット(5)の入口マニホールド(4)へ循環される。限外濾過ユニット(5)は、適切な限外濾過膜面積が得られるように平行に配置された1つまたは複数のカートリッジを含む。次いで、限外濾液は、出口管路(6)から限外濾過ユニット(5)を出て、タンク(7)に集められる。限外濾過濃縮液は、出口マニホールド(8)から限外濾過ユニット(5)を出て、管路(9)を経て溶液リザーバ(1)に戻る。
限外濾過ユニット(5)中に収容される膜は、ポリマータイプの膜でもセラミックタイプの膜でもよい。一実施形態において、膜は、複数のチャネルを含むチューブラ型セラミック膜を含む。例えば、膜は、約15〜約50個のチャネル、より好ましくは、約19〜約39個のチャネルを収容してもよく、約50〜約150cmの長さを有してもよい。他の実施形態において、スパイラル型膜およびクロスフロー膜もまた、本発明の実施において使用してもよい。膜面積は、一般的に、約0.20〜約0.6m、より好ましくは、約0.30〜0.40mである。
保持液は、膜のカットオフ値より小さい分子量の分子の大部分を除去するために、数回水洗いされる。限外濾液は、カットオフ膜の分子量より小さい分子量の分子を含有する。ある場合において、カットオフ値は、3kDa、より好ましくは2kDa、さらに最も好ましくは1kDaである。限外濾液に含有される分子は、MWCOより小さい低分子量、例えば1kDaを示し、通常、代謝産物と称される。保持液は、カットオフ膜より大きい分子量、例えば1kDaの分子を含有する。保持液に含有される分子は、高分子量を示す(例えば、約3〜約4kDaのラミナリンまたは約30kDaより高いフコイダン、および他の褐藻の高分子量の生体高分子)。
ヒバマタ目由来の藻類種はすべて、有望な活性を示すことがわかっており、本明細書に記載の方法に供されうる。これらの藻類種には、ヒバマタ科(Fucaceae)、ホンダワラ科(Sargassaceae)、およびドゥルウィレア科(Durveilleaceae)の種が含まれるが、これらだけに限定されない。ヒバマタ目およびコンブ目(Laminariales order)とは別の種としては、特に、アスコセイラ目(Ascoseirales)、アステロクラドン目(Asterocladales)、ウルシグサ目(Desmarestiales)、アミジグサ目(Dictyotales)、アミジグサ亜綱(Dictyotophycidae)、タマクシゲ目(Discosporangiales)、タマクシゲ亜綱(Discosporangiophycidae)、シオミドロ目(Ectocarpales)、ヒバマタ目、ヒバマタ亜綱(Fucophycidae)、イシゲ目(Ishigeales)、イシゲ亜綱(Ishigeales)、コンブ目(Laminariales)、ネモデルマ目(Nemodermatales)、オンスロウィア目(Onslowiales)、褐藻綱の所属不明の目、ファエオシフォニエラ目(Phaeosiphoniellales)、イワソガラ目(Ralfsiales)、スキトタムヌス目(Scytothamnales)、クロガシラ目(Sphacelariales)、ケヤリモ目(Sporochnales)、シチャポヴィア目(Stschapoviales)、ウスバオウギ目(Syringodermatales)、チロプテリス目(Tilopteridales)の種が含まれるが、これらだけに限定されない。
さらに、本発明をヒバマタ目由来の藻類種を用いて説明し、その好ましい結果を説明したが、本方法は、これらの藻類種に限定されものではなく、バイオスティミュラントとして作用する可能性のあるあらゆる藻類または他の種の濾液を分離し、分析して、そのような濾液の生物活性を測定するためにも用いられうる。
本明細書において図面で使用する場合、「濾液」という用語は、限外濾過ユニットを1回または複数回通す限外濾過の後に得られた濾液および限外濾液を指す。
本明細書において図面で使用する場合、「保持液」という用語は、フラッシング(flushing)していない保持液と、1回または複数回のフラッシングの後に得られた保持液と、を指す。
RM−3496抽出物を、1kDa MWCO膜を用いて実験室スケールで限外濾過し、保持液を水で3回水洗いした。1kDaより小さい分子量の分子を含有する限外濾液と、1kDaより大きい分子量の分子を含有する保持液とを、レタスおよびコムギに対して試験した。このように、様々な濾液および保持液をレタスおよびコムギに施用した。GF142およびGS142抽出物(Laboratoires Goemar社から入手可能)は、それぞれフクス・ウェシクロススおよびサルガッスム・ナタンス(Sargassum natans)から同じプロセスで製造されたものである。結果は図5および図6に示し、対照植物、4つの異なる海藻抽出物(RM−2705、RM−3496、GF142、およびGS142)で処理した植物、RM−3496.保持液、GF142.保持液、およびGS142.保持液と名付けた保持液に対応する高分子量の分子で処理した植物、ならびにRM−3496.濾液、GF142.濾液、およびGS142.濾液と名付けた濾液に対応する低分子量の分子で処理した植物のそれぞれについて、新鮮な芽の重量を、箱ひげ図に示す。これらの結果から、海藻抽出物の有効性が確認され、濾液の成長促進活性が示されたが、保持液は、植物成長を促進する効果はないように思われる。
アスコフィルム・ノドスムからの水性抽出物(pH2.76)10リットルを、長さ58cmのチューブ状(直径:25mm、23個のチャネル、カットオフ値1kDa)セラミック限外濾過膜(Tami Industries社が供給)を備えたパイロットスケールの限外濾過ユニットの溶液リザーバに入れた。溶液は、ポンプで限外濾過管に通し、濃縮液をリザーバに戻し、完全再循環させた。濾液6リットルを回収し、F1として同定した。保持液(4L)を5リットルの水で2回水洗いして、2つの濾液(F2=5L;F3=5L)を生成した。様々な濾液(F1、F2、F3)を、それらのバイオスティミュラント特性についてさらに評価した。
フクス・ウェシクロススからの水性抽出物(pH2.42)5リットルを、長さ58cmのチューブ状(直径:25mm、23個のチャネル、カットオフ値1kDa)セラミック限外濾過膜(Tami Industries社が供給)を備えたパイロットスケールの限外濾過ユニットの溶液リザーバに入れた。溶液は、ポンプで限外濾過管に通し、濃縮液をリザーバに戻し、完全再循環させた。濾液を回収し、F1として同定した。保持液(2.5L)を2.5Lの水で1回水洗いして、2.5リットルの濾液(F2=2.5L)を生成した。様々な濾液(F1、F2)を、それらのバイオスティミュラント特性についてさらに評価した。
サルガッスム・ナタンスからの水性抽出物(pH2.92)5リットルを、長さ58cmのチューブ状(直径:25mm、23個のチャネル、カットオフ値1kDa)セラミック限外濾過膜(Tami Industries社が供給)を備えたパイロットスケールの限外濾過ユニットの溶液リザーバに入れた。溶液は、ポンプで限外濾過管に通し、濃縮液をリザーバに戻し、完全再循環させた。濾液を回収し、F1として同定した。保持液(2.5L)を2.5Lの水で1回水洗いして、1リットルの濾液(F2=2.5L)を生成した。様々な濾液(F1、F2)を、それらのバイオスティミュラント特性についてさらに評価した。
Laboratoires Goemar社によってアスコフィルム・ノドスム抽出物から製造されたRM−3496、および他の2つの海藻抽出物(GF142およびGS142、Laboratoires Goemar社によって、それぞれフクス・ウェシクロススおよびサルガッススム・ナタンスから製造されたもの)を限外濾過にかけ、それらのバイオスティミュラント特性について評価した。
これらの3つのヒバマタ抽出物を、好適なMWCO(すなわち、1kDa)を有するセラミック膜(TAMI Industries社から入手可能)で限外濾過した。10リットルのRM−3496を限外濾過し、5リットルの限外濾液を回収し、レタスおよびコムギに対する追加実験で用いる濾液1とした。この保持液(5L)は5リットルの水で2回水洗いし、一方、GF142およびGS142保持液(2.5L)は2.5リットルの水で1回だけ水洗いした。濾液、限外濾液、および保持液の乾燥重量を測定した。RM−3496抽出物の分画プロセスによると、濾液(1kDaより小さい分子量の分子を含有する)の総乾燥重量はRM−3496抽出物の約80%であり、保持液ではRM−3496抽出物の約20%であった。
植物成長実験の詳細を、以下に説明する。
処理は、様々なGoemar社の抽出物(RM−2705、RM−3496、GF142、およびGS142)を用いて行い、すべての実験で250倍の希釈倍率(養液1リットル当たり液体抽出物4ミリリットルに相当)を用いた。SEC分画から得られた様々な画分および限外濾過分画から得られた様々な画分を、乾燥重量を用いて算出したそれらの精製収率に基づき、植物に施用した。様々な画分、および処理毎にn個の植物を用いて、いくつかの独立した生物学的反復を行った。
レタス成長実験は、レタスであるラクツカ・サティバ(Lactuca sativa)の生態型であるFabiettoまたはJaneroの種子(フランス国、Colmar、Voltz社から入手可能)を用いて行った。レタスは、グロースチャンバ中で、処理のどの条件についてもできるだけ均質な植物表現型が得られるよう回転テーブル上で生育させた。植物は、光合成有効放射が150±10μmolの光量子.m−2.s−1でである高圧ヨード−ナトリウムランプ下で、20/18℃(日/夜)の温度周期、および16時間明期の長日光周期で生育させた。植物への栄養素の投入を調節するために、また根を採取しやすくするために、レタスの種子は砂のポットで生育させた。植物には、週3回、窒素、リン酸塩、およびカリウムの濃度がN/P/K比で20:20:20(1g/L)である市販の養液(フランス国、Les Clayes−sous−Bois、Puteaux社から入手可能)を用いて灌水した。
レタスを様々な海藻抽出物で2回(21日目および28日目に、1回/週)処理し、画分は養液に加え、全体的な吸収が観察されるまでポット基部を養液に浸した。
植物は最初の処理から16日後に収穫し、芽および根を別々に採取した。3回の独立した生物学的反復を、様々な海藻抽出物および画分を用いて行った。SEC分画実験には、処理毎に12個のレタス(n=12)を使用し、一方、限外濾過実験には、処理毎に18個のレタス(n=18)を使用した。
シロイヌナズナの生態型であるColumbiaの種子(Col−0、ABRC種子保存センターから入手)を、インビトロ培養にて生育させた。種子は、まず表面を殺菌し、1%(w/v)ショ糖(30mM)および0.6%(w/v)Phytagel(商標)を補充した1/2濃度のムラシゲ・スクーグ(MS)基本培地を含有する正方形ペトリ皿に播種した。ペトリ皿は、強度が225±10μmol光量子.m−2.s−1の冷蛍光灯下で、21℃±0.5℃で、16時間明期の長日光周期で生育させた。ネオンランプの下でのペトリ皿の位置は、実験を通し、毎日すべて変えて、実験を無作為化した。
発芽から6日後、均一に成長した小植物を選択し、処理培地に移した。各条件について、それぞれ6つの小植物を含有する6枚のペトリ皿を用意した。
植物は、処理培地へ移して9日後に採取した。4つの独立したバイオアッセイを行い、SEC分画実験には、処理毎に6個の同型物(n=6)を使用した。
コムギ成長実験は、冬コムギ(トリティクム・アエスティウム L.(Triticum aestivum L.))品種Altigo(フランス国、Saint−Beauzire、Limagrain社から入手可能、)の種子を用いて行った。コムギは、グロースチャンバ中で、各条件についてできるだけ均質な植物表現型が得られるよう回転テーブル上で生育させた。植物への栄養素の投入を調節するために、コムギの種子はバーミキュライトポットで生育させた。植物は、グロースチャンバ中で、光合成有効放射が150±10μmolの光量子.m−2.s−1である高圧ヨード−ナトリウムランプ下で、22/18℃の温度周期、16時間の長日光周期で生育させた。播種から10日後、均質な植物を、様々なトレー、即ち、トレー当たり6つの植物で、条件毎に2つのトレーに分配した。植物には、毎週3回、レタス実験に使用したものと同じ市販の養液を用いて灌水した。
播種から2週間後、コムギを、様々な画分および抽出物で5重に(2、3日毎に)処理し、最初の処理から13日後に収穫した。様々な画分の有効性を、新鮮な芽の重量を比較することによって評価した。3回の独立した生物学的反復を、様々な海藻抽出物および画分を用いて行った。限外濾過実験には、処理毎に12個のコムギ(n=12)を使用した。
本発明において、様々な画分および抽出物の植物成長刺激に対する有効性は、統計的アプローチによって評価した。実際、示した各バイオアッセイについて、まず、データの正規性を、Q−Qプロット、および密度のヒストグラムを用いて、シャピロ−ウィルク正規性検定(Shapiro−Wilk normality test)によって確認した。これらのデータに対するパラメトリック検定の実施に先立ち、これらのデータの等分散性も、バーレットの検定(Barlett’s test)を用いて確認した。いくつかのバイオアッセイ(時期の異なる3〜4回の独立した反復)を処理毎にN個の植物を用いて行って、様々な処理の植物成長刺激に関して評価した。次いで、データに対してパラメトリック二元配置分散分析(二元配置Anova)を行って、各バイオアッセイの様々な処理の平均間に、また、実施した様々なバイオアッセイの各処理の平均間に、有意差があるかどうかを(5%のアルファ過誤を用いて)決定した。Anovaの結果によって、データに対してパラメトリックなチューキーの事後HSD検定(post−hoc HSD Tukey’s test)または多重対比較を行って、平均が相互に有意に異なる物を並べかつ定義した。チューキーの検定の結果は、箱ひげ図において太字で示している。相互に有意に異なる処理の平均は異なる太字で表す。これらの平均は、それぞれの箱ひげ図においてドットで示している。
本明細書に記載した化合物は、特に、例えば、ダイズ、トウモロコシ、穀類(すなわち、コムギ、オオムギ、ライムギ、およびオートムギ)、ナタネ、キャノーラ、ヒマワリ、テンサイ、ジャガイモ、乾燥豆類(すなわち、レンズマメ、乾燥インゲンマメなど)、サトウキビ、トマト、ナス、トウガラシ、ウリなどを含む果菜類、タマネギおよびリーキを含む鱗茎菜類、レタス、ホウレンソウ、およびセロリを含む結球葉菜類、アブラナ類、石果類、ナシ状果類、柑橘類、コーヒー、カカオ、堅果類、ベリー類、ブドウ類(食用および茎)を含む様々な作物に対して使用されうる。
最後に、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された本発明の包括的かつ具体的特徴のすべてと、言語上の問題としてその間に含まれうる本発明の範囲の記述すべてと、を網羅することを意図することもまた、理解されたい。

Claims (17)

  1. 約0.15kDa〜約1.0kDaの範囲の分子量を有する、藻類種から分離された1種または複数種の生物活性分子。
  2. 植物成長を改善することができる、請求項1に記載の1種または複数種の生物活性分子。
  3. 藻類種が褐藻類種である、請求項1または2に記載の1種または複数種の生物活性分子。
  4. 褐藻類が、アスコフィルム・ノドスム(Ascophyllum nodosum)、フクス・ウェシクロスス(Fucus vesiculosus)、ホンダワラ種(Sargassum sp.)、およびそれらのうち1種または複数種の組合せを含む群から選択される藻類種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の1種または複数種の生物活性分子。
  5. 硫酸化多糖またはラミナリンを含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1種または複数種の生物活性分子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の1種または複数種の分離された生物活性分子を含む組成物を、土壌、植物、または種子のうちの少なくとも1種に施用するステップを含む、植物成長を改善する方法。
  7. 植物成長を改善することが、種子の発芽を促進すること、根の発達を刺激すること、栄養期を延ばすこと、生産の期間を拡大させること、または収穫の期間を拡大させることのうちの少なくとも1種を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 海藻から得られた抽出物中の生物活性化合物を分離し、精製する方法であって、
    a)前記抽出物を、好適な分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を通して循環させるステップと、
    b)前記抽出物の濾液を回収して第1の濾液画分および保持液を得るステップと、
    c)前記保持液を水洗いして、1種または複数種のさらなる濾液画分を得るステップと、
    を含む方法。
  9. 前記第1の濾液画分および前記さらなる濾液画分の生物活性を評価して、それらの植物成長への有効性を決定するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記植物成長への有効性が、種子の発芽を促進すること、根の発達を刺激すること、栄養期を延ばすこと、生産の期間を拡大させること、または収穫の期間を拡大させることのうちの少なくとも1種を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記抽出物が褐藻類種から生成される、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記抽出物が、アスコフィルム・ノドスム、フクス・ウェシクロスス、またはホンダワラ種の藻類から得られる、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記保持液が硫酸化多糖およびラミナリンからなる群から選択される活性分子を含み、
    前記活性分子が作物における非生物的ストレスを緩和することができる、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第1の濾液画分が、約0.15kDa〜約1.0kDaの範囲の分子量を有する生物活性分子を含む、請求項8〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記限外濾過膜の分子量カットオフ値が3kDa未満である、請求項8〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記限外濾過膜の分子量カットオフ値が2kDa未満である、請求項8〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記限外濾過膜の分子量カットオフ値が1kDa未満である、請求項8〜16のいずれか一項に記載の方法。
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