JP6145858B2 - 植物生育促進剤の製造方法及び植物生育促進方法 - Google Patents

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Description

本発明は、海水由来のミネラルがバランスよく配合された紅藻類由来の植物生育促進剤及びそれを用いた植物生育促進方法に関する。
寒天は、紅藻門に属するテングサ科(Gelidiaceae)やオゴノリ科(Gracilariadeae)などの細胞壁成分で、藻体を熱水抽出することにより得られる親水性の凝固物質を乾燥したものである。江戸時代初期に日本で発明され、冬期間の農家の副業の形態で製造されてきたが、第二次世界大戦後、工業化により通年を通じての産業となり、食品原料ばかりでなく医薬品や化粧品原料としての用途が広がり、需要にあわせて世界中から寒天原料の紅藻植物の産地開拓が進んだ。その結果、現在では寒天の製造も日本ばかりでなく紅藻産地を中心に世界中で行われるようになっている。
一般的な寒天の製造は、海藻を水洗する工程、熱水抽出する工程、抽出液を濾過する工程、このゾルを水冷凝固(ゲル化)させる工程、凝固された寒天ゲルから、圧力脱水または冷凍脱水により水分を除く脱水工程、熱風乾燥により乾燥を行う工程よりなる。その中で、海藻の種類や最終製品の求める物性により、熱水抽出工程前にアルカリ処理工程及びアルカリを除く水洗工程を行う場合がある。
このような工程よりなる寒天の製造には多量の水を必要とし、海藻より寒天など凝固成分を取り出したあとは、水溶性の有機成分やアルカリ、酸などの無機成分を含んだ排水が排出される。そのため、寒天需要が多くなるにあわせて、寒天製造の過程において大量に排出される排液の処理が大きな課題である。
ところで、現在、農林業の分野では、肥料又は農薬として、化学的に合成された資材が大量に使用されており、これらが引き起こす土壌残留毒性、連作障害、自然環境の破壊、水源の汚染等が大きな問題となっている。そのため、安全性の高い天然由来の肥料又は農薬の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、ボツリオコッカス属に属する微細藻類の藻体、前記藻体の抽出物、および前記藻体の破砕物を用いた植物の生長調節用組成物が記載されている。また、特許文献2には、リグニン質炭類のアルカリ処理により抽出される腐植物質または該腐植物質含有のリグニン質炭類と、植物性油粕類の発酵処理または加水分解処理により抽出される抽出物あるいは発酵処理または加水分解処理した植物性油粕とからなる植物生育促進剤が記載されている。また、特許文献3には、海藻抽出物及び多孔質担体を含む植物成長促進剤であって、海藻としては褐藻類海藻を使用することが記載されている。
また、テングサ自体が肥料に使用されることもあるが、使用されるのは海藻本体であり、細胞はセルロース、アガロースなどの難分解性の多糖類で覆われており、有効成分が土壌に充分に浸透しないため十分な植物生育促進効果を得るのは難しい。
特開2000−264809号公報 特開平5−000874号公報 特開2006−176435号公報
以上のように、天然由来の肥料の開発が進められているが、特許文献1及び2に記載の藻類は、微細藻類であり海藻ではなく、一定の効果は認められるものの、効果が十分ではないという問題がある。また、特許文献3に記載の褐藻類には、多糖類であるアルギン酸が含まれており、アルカリ処理により生成したアルギン酸ナトリウムはカルシウム等の2価のカチオンと結合し不溶化する性質を有している。製造例3、製造例5には苛性ソーダで処理を行った海藻抽出物が記載されているが、アルカリ処理により海藻中のアルギン酸がアルギン酸ナトリウムとなり、さらに中和してもアルギン酸ナトリウムとして存在している。このため高粘性の溶液となり、均一に散布することが難しく、またカルシウムなどのカチオンと反応して複合体を形成してゲルを作製するため、たとえ海藻抽出物中にカルシウムなどのミネラルが多くてもアルギン酸カルシウム等の不溶物として存在し、さらに土壌中やカルシウムなどと反応し不溶化物を作るためにミネラルの吸収が悪くなるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、海水由来のミネラルをバランスよく含み、さらに植物に対して必要な有機物を含有した従来にない紅藻類由来の植物成長促進剤及びそれを用いた植物生育促進方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の目的を達成するために、鋭意検討した結果、アルカリ処理を行う寒天製造の過程において、排出される排出液に非常に高い植物生育促進効果があることを見出したことから、本発明に至った。すなわち本発明は、紅藻海藻をアルカリ処理した後のアルカリ処理水、及び前記アルカリ処理された紅藻海藻を水洗浄した後の洗浄水のうちいずれか1以上を含むことを特徴とする植物生育促進剤に関する。
また、本発明は、上記植物生育促進剤を用いることを特徴とする植物生育促進方法に関する。
以上のように、本発明によれば、海水由来のミネラルをバランスよく含み、さらに植物に対して必要な有機物を含有した従来にない紅藻類由来の植物成長促進剤及びそれを用いた植物生育促進方法を提供することができる。
本発明に係る植物生育促進剤は、紅藻海藻をアルカリ処理した後のアルカリ処理水、及び前記アルカリ処理された紅藻海藻を水洗浄した後の洗浄水のうちいずれか1以上を含むことを特徴とする。中でも、前記アルカリ処理水及び前記洗浄水は、特に、アルカリ処理を行う寒天製造において排出された排出液であることが好ましい。
本発明に用いられる紅藻海藻は、寒天製造においては全藻のまま用いてもよく、また、植物生育促進剤を得るために、例えば紅藻海藻をチョッパー等で細切されたもの、あるいは細切されたものを更にマスコロイダー等で粉砕したものを用いてもよい。また、紅藻海藻は、生の海藻を用いてもよく、乾燥海藻を用いてもよい。紅藻海藻としては、例えば以下のものが挙げられる。
テングサ科(Gelidiaceae)に属する紅藻海藻としては、テングサ属(Geridium)に分類されるものが挙げられ、例えば、マクサ(G.amansii Lamouroux)、ヒラクサ(G.subcostatum Okamura)、オニクサ(G.japonicum Okamura)などが挙げられる。この他、オバクサ属(Pterocladia)のオバクサ(P.tenuis Okamera)、カタオバクサ(P.densa Okamera)など、ユイキリ属(Acanthopeltis)のユイキリ(A.japonica Okamura)など、シマテングサ属(Gelidiella)のシマテングサ(G.acerosa(Forsskl)Feldmann et Hamel)などがテングサと称されており、テングサ科に属する紅藻海藻として挙げられる。中でも寒天原料として安定的に入手できるマクサ、ヒラクサ、オバクサが好ましい。
オゴノリ科(Gracilariadeae)に属する紅藻海藻としては、オゴノリ(G.vermiculophylla)、カタオゴノリ(G.edulis)、クビレオゴノリ(G.blodgettii)、オオオゴノリ(G.gigas)、ツルシラモ(G.chorda)、シラモ(G.parvispora)、カバノリ(G.textorii)、ミゾオゴノリ(G.incurvata)、G.chilensis、G.bailiniae、セイヨウオゴノリ(G.lemaneiformis)、リュウキュウオゴノリ(G.eucheumatoides)、ユミガタオゴノリ(G.arcuata)、モサオゴノリ(G.coronopifolia)、ナンカイオゴノリ(G.firma)、ベニオゴノリ(G.rhodocaudata)、フシクレノリ(G.salicornia)が挙げられる。中でもオゴノリが好ましい。
その他の紅藻海藻として、オキツノリ科(Phyllophoraceae)に属する紅藻海藻としては、イタニグサ(A.plicata)、イギス科(Ceramiaceae)に属する紅藻海藻としては、イギス(C.kondoi)、エゴノリ(C.hypnaeoides)が挙げられる。
本発明においては、上記紅藻海藻をアルカリ処理した後のアルカリ処理水を植物生育促進剤として用いることを特徴とする。上記アルカリ処理を行うことにより、海藻中に含まれる植物成長因子、タンパク質、脂肪酸等の中性では抽出できない有効成分を海藻の細胞、細胞間から流出させ、排出したアルカリ処理水に抽出することができる。このため、アルカリ処理水中には、中性では抽出できない又は単なる海藻粉末では流出することがない多くの有効成分を含有させることができる。したがって、それを用いた植物生育促進剤は、高い植物生育促進効果を有すると考えられる。
また、海藻は、海のミネラルを含んでおり植物生育促進効果が高い。それは、海水には多種の微量ミネラルが含有されており、海藻中にも同様に多種の海水由来のミネラルが存在するためと考えられる。さらに、本発明においては、海藻の中でも特に紅藻類を使用していることを特徴とする。褐藻類の多糖類は、アルギン酸が含まれており、アルカリ処理により生成したアルギン酸ナトリウムはカルシウム等の2価のカチオンと結合し不溶化する性質を有している。しかし、紅藻類中の多糖類は、寒天であり中性多糖類である。そのため、褐藻類の海藻のように、カルシウムなどと反応することはなく、紅藻海藻をアルカリ処理したアルカリ処理水中には海藻の可溶性成分がほとんど含まれる。したがって、アルカリ処理によってカルシウム等のミネラルが不溶化し減少するということがなく、褐藻類を使用した場合よりも紅藻類を使用した場合のほうが海藻中のミネラルが多く含まれた肥料を得ることができるため好ましい。
本発明において、アルカリ処理に用いられるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウム、または石灰水等が挙げられ、水酸化ナトリウムが特に好ましく用いられる。本発明において、アルカリ処理とは、上記アルカリの0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の水溶液中に上記紅藻海藻を浸漬する処理をいう。浸漬の際のアルカリ水溶液の温度は、5〜100℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。また、浸漬時間は、10分〜10日間が好ましく、30分〜5日間がより好ましい。
上記アルカリ処理水は、植物生育促進剤として用いるのに好ましい濃度にするために、水で希釈してもよく、また、硫酸、酢酸等で中和して使用することもできる。
また、本発明においては、上記アルカリ処理された紅藻海藻を水洗浄した後の洗浄水を植物生育促進剤として用いることを特徴とする。本発明において、水洗浄は、上記アルカリ処理により紅藻海藻に付着、浸透したアルカリを、水を用いて浸漬、洗浄する処理をいう。水洗浄の際の水の温度は、5〜60℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。また、浸漬時間は、1分〜3日間が好ましく、10分〜2日間がより好ましい。
また、上記洗浄水は、植物生育促進剤として用いるのに好ましい濃度にするために、さらに水で希釈してもよく、また、硫酸、酢酸等で中和して使用することもできる。
以下、本発明に係る植物生育促進剤として、アルカリ処理を行う寒天製造工程において排出される排出液を使用する場合について、具体的に説明する。寒天製造工程におけるアルカリ処理は、寒天の物性を調整するために、通常に行われる工程である。アルカリ処理を行う寒天製造工程において排出される排出液としては、原料である紅藻海藻を0.5〜20重量%の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液中に温度20〜100℃にて30分〜48時間浸漬した後に分離されるアルカリ処理水、又は、その後、アルカリ処理により原料である紅藻海藻に付着や浸透したアルカリを5〜60℃、好ましくは10〜40℃の水を用いて、1分〜3日間、好ましくは30分〜2日間、浸漬、洗浄処理し、紅藻海藻からアルカリを除去した後に分離される洗浄水が挙げられる。
本発明において、上記排出液には、寒天製造工程において排出される他の排出液を含んでもよい。具体的には、上記アルカリ処理や洗浄処理された紅藻海藻を熱水抽出し、抽出液から海藻表皮のセルロース分など不溶物を濾過した後、冷却凝固させ、この寒天ゲル状物から脱水された寒天以外の排出液が添加されていてもよい。抽出には、熱水などの水が用いられるが、特殊寒天の製法などの場合には、含水アルコール等の溶媒を用いても良い。
上記アルカリ処理を行う寒天製造工程において排出された排出液を含む植物生育促進剤は、そのまま液体で使用されることが好ましい。また、上記排出液は、本発明に係る植物生育促進剤として用いるために、必要に応じて、硫酸、燐酸、塩酸、酢酸等の酸やカセイソーダ、カセイカリや石灰などのアルカリによりpHをコントロールされてもよい。また、有効濃度をあわせるために水等により希釈されることもできる。本発明に係る植物生育促進剤がアルカリ処理を行う寒天製造工程において排出された排出液を含む場合、寒天製造工程において大量に排出される排出液処理の問題解決及び安全性の高い天然由来の肥料の実現が両立できるため、特に好ましい。
本発明に係る植物生育促進剤の成分としては、Ca:10〜100ppm、Mg:1〜60ppm、Zn:0.01〜1ppm、Fe:1〜100ppm、K:100〜5000ppm、Na:100〜10000ppm、B:1〜20ppm、I:1〜100ppm、P:10〜500ppm、S:100〜1500ppm、N:3〜2000ppmなどが挙げられるが、それ以外にも海藻に含まれる微量金属や活性物質が含まれるため、その総和として天然物由来、特に海水由来の植物生育促進剤として有効に働くこととして定義することができる。
本発明に係る植物生育促進剤の施用方法としては、土壌作土層又は育苗培土に混和することが好ましく、具体的には、播種または苗を植栽する前に圃場に植物生育促進剤液を加えよく攪拌することにより施用される。あるいは、追肥として加えるときに同時に加えることで、土壌作土層又は育苗培土に混和することもできる。
また、本発明に係る植物生育促進剤の有効濃度は、溶液中の有機物濃度(COD)により規格化することができ、COD10〜10000mg/Lの範囲であることが好ましい。したがって、植物生育促進剤を圃場に施用する場合には、圃場1m当り0.5〜20L加えることが好ましく、5〜10L加えることがさらに好ましい。
本発明に係る植物生育促進剤の対象となる植物としては、ユリ科(タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなど)、ウリ科(キュウリ、カボチャなど)、ナス科(ナス、トマト、ピーマン、シシトウなど)、マメ科(インゲン、エンドウなど)、アブラナ科(カブ、ダイコン、ブロッコリー、カラシナなど)、キク科(レタス、シュンギク、ゴボウなど)、アカザ科(ホウレンソウなど)が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。なお、以後%表示は重量%を示す。
[植物生育促進剤の製造]
(実施例1)
乾燥されたオゴノリ100gを90℃に加熱した1重量%の水酸化ナトリウム溶液2Lに30分間浸漬した。浸漬後、オゴノリから1重量%水酸化ナトリウム溶液を分離し、30倍に水で希釈したものを排出液Aとした。
(実施例2)
乾燥されたオゴノリ100gを20℃の5重量%の水酸化ナトリウム溶液2Lに24時間浸漬した。浸漬後、オゴノリから5重量%水酸化ナトリウム溶液を分離した。さらに、このオゴノリを水2Lに30分間浸漬した後、この水を分離し排出液Bとした。
(実施例3)
乾燥されたマクサ100gを50℃の1重量%の水酸化ナトリウム溶液2Lに24時間浸漬した。浸漬後、マクサから1重量%水酸化ナトリウム溶液を分離した。さらにこのマクサを水2Lに30分間浸漬した後、この水を分離し排出液Cとした。
(実施例4)
乾燥されたヒラクサ100gを70℃の1重量%の水酸化ナトリウム溶液2Lに4時間浸漬した。浸漬後、ヒラクサから1重量%水酸化ナトリウム溶液を分離し、30倍に希釈したものを排出液Dとした。
(実施例5)
乾燥されたオバクサ100gを60℃の1重量%の水酸化ナトリウム溶液2Lに1時間浸漬した。浸漬後、オバクサから1重量%水酸化ナトリウム溶液を分離した。さらにこのオバクサを水1Lに30分間浸漬した後、この水を分離し、酢酸でpH6.5に中和したものを排出液Eとした。
(実施例6)
乾燥していない生のマクサ100gを50℃の3重量%の水酸化ナトリウム溶液2Lに24時間浸漬した。浸漬後、マクサから3重量%水酸化ナトリウム溶液を分離した。さらにこのマクサを水1Lに30分間浸漬した後、この水を分離し排出液Fとした。
(実施例7)
乾燥されたオゴノリ100gを70℃の0.5重量%の水酸化カルシウム溶液2Lに4時間浸漬した。浸漬後、オゴノリから0.5重量%水酸化カルシウム溶液を分離した。さらにこのオゴノリを水1Lに30分間浸漬した後、この水を分離し排出液Gとした。
(比較例1)
比較として、乾燥された褐藻(レソニア・ニグレッセンス)100gを20℃の1重量%の水酸化ナトリウム溶液2Lに24時間浸漬した。浸漬後、褐藻が溶解している5重量%水酸化ナトリウムを中和し固形物を析出させた後、ろ過により固形物を分離した。さらにこのろ過溶液を30倍に希釈し比較排出液Aとした。
(比較例2)
比較として、乾燥された褐藻(レソニア・ニグレッセンス)を粉砕し水2Lを加え90℃にて30分間加温した。この液をろ過し、得られたろ過溶液を30倍に希釈した溶液を比較排出液Bとした。
(比較例3)
比較として、水洗したマクサを乾燥し粉砕したものを用意した。
(比較例4)
比較として、水洗したオゴノリを乾燥し粉砕したものを用意した。
作製した実施例1〜7に係る排出液A〜G、比較例1、2に係る比較排出液A、Bについて化学的酸素要求量(COD)および代表的なミネラル分析を行い表1に記載した。CODの測定は、過マンガン酸カリウムを使用した公定法で行い、ミネラル分析はICP分析装置(島津製作所社製)を使用して測定した。
Figure 0006145858
[実験例1]
1圃場(1m)当たりきゅうり苗およびトマト苗の各1本ずつを植栽し、計13圃場を用意し試験圃場とした。1圃場で1種類の排出液及びその他の検体を評価した。評価方法は事前に排出液A〜G、比較排出液A、Bをそれぞれの1圃場当たりに8L加え、よく攪拌した後に苗を植えた。排出液A〜G、比較排出液A、Bの替わりに水を用いたもの、表2に示した排出液と同等の塩類(海水由来でない)溶液を使用したものも同様に試験を行った。また、別に比較例3及び4で作製したテングサ及びオゴノリの粉砕品を植栽する前に1m当たり100g土壌中に混ぜ込んだものもの試験を行った。
これらにつき結実した総量を測定して評価した。
Figure 0006145858
総結実量(g)を測定し結果を表3に示した。
Figure 0006145858
以上のように、排出液A〜Gを使用したものは総結実量が多かった。
[実験例2]
1圃場(1m)当たりきゅうり苗2本、同様に1圃場(1m)当たりトマト苗2本を植え通常の方法で栽培し計各4圃場ずつを用意した。これらにつき栽培2週間後に排出液Cを1m当たり1L及び10L散布したもの、比較として1m当たり水10L散布したもの、表2の塩類溶液を1m当たり10L散布したものについて試験を行った。
結実後、特定の1日の収穫量を表4に総収量(g)を表5に記載した。
Figure 0006145858
Figure 0006145858
以上より、実施例に係る排出液Cを使用したものは結実量が多いことが分かる。
[実験例3]
1圃場(1m)当たりネギ苗10本を植え通常の方法で栽培し計3圃場を用意した。これらにつき栽培2週間後に排出液Aを1m当たり1L散布したもの、比較として1m当たり水6L散布したもの、表2の塩類溶液を1m当たり1L散布したものの3種類について試験を行った。
3ヵ月後、ネギの太さと長さを調べた(10本の平均値)。
Figure 0006145858
以上より、実施例に係る排出液Aを使用したものは太さ、長さとも良好なネギが得られた。
[実験例4]
1圃場(1m)当たりインゲン苗2本を植え通常の方法で栽培し計2圃場を用意した。これらにつき栽培2週間後に排出液Bを1m当たり5L散布したもの、比較として1m当たり水5L散布したもの2種類について試験を行った。
結実後、収穫量を調べたところ排出液Bを使用したほうが収穫量は400g多かった。
[実験例5]
1圃場(1m)当たり大根苗5本を植え通常の方法で栽培し計2圃場を用意した。これらにつき栽培2週間後に排出液Eを1m当たり5L散布したもの、比較として1m当たり水5L散布したもの2種類について試験を行った。
4ヶ月後、収穫量を調べたところ排出液Eを使用したほうが収穫量は1200g多かった。
[実験例6]
1圃場(1m)当たりレタス苗8本を植え通常の方法で栽培し計2圃場を用意した。これらにつき栽培2週間後に排出液Fを1m当たり6L散布したもの、比較として1m当たり水6L散布したもの2種類について試験を行った。
2ヶ月後、収穫量を調べたところ排出液Fを使用したほうが収穫量は300g多かった。
[実験例7]
1圃場(1m)当たりほうれん草種を均一にまき通常の方法で栽培し計2圃場を用意した。これらにつき栽培2週間後に排出液Gを1m当たり1L散布したもの、比較として1m当たり水1L散布したもの2種類について試験を行った。
2ヶ月後、収穫量を調べたところ排出液Gを使用したほうが収穫量は200g多かった。
[実験例8]
実験例2で育種したきゅうり及びトマトについて糖度を測定した。糖度はアタゴ社製の糖度計を使用した。
Figure 0006145858
Figure 0006145858
以上より、実施例に係る排出液Cを使用したものは、水や塩類溶液を使用したものに比べ糖度が高かった。

Claims (4)

  1. 0.01〜20重量%のアルカリによって5〜100℃、10分〜10日間で紅藻海藻をアルカリ処理した後のアルカリ処理水、及び前記アルカリ処理された紅藻海藻を水洗浄した後の洗浄水のうちいずれか1以上を含む植物生育促進剤を得ることを特徴とする植物生育促進剤の製造方法。
  2. 前記アルカリ処理水及び前記洗浄水は、アルカリ処理を行う寒天製造において排出された排出液であることを特徴とする請求項1記載の植物生育促進剤の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の植物生育促進剤の製造方法によって得られた植物生育促進剤を用いることを特徴とする植物生育促進方法。
  4. 前記植物生育促進剤を土壌作土層又は育苗培土に混和することを特徴とする請求項3記載の植物生育促進方法。
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