JP2021503449A - 眼障害の処置のための組成物及び方法 - Google Patents

眼障害の処置のための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本開示の態様は、眼障害及びそれに関連する合併症の処置における有用性を見出すことができる、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形及びプロドラッグを提供する。本開示の態様は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形若しくはプロドラッグを投与することにより、処置を必要とする被験体において眼障害及び/又はその合併症を処置する方法にも関する。式(I)中、X+は、式(II)又は式(III)を表す。【選択図】なし

Description

[優先権]
本出願は、2017年11月17日出願のインド仮特許出願第201741041231号の利益を主張するものであり、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
本開示は、概して眼障害の処置のための化合物及び組成物に関する。特に、本開示は、眼障害の管理における有用性を見出すことができる、新たな化合物、並びにその結晶、溶媒和物、鏡像異性体、立体異性体、エステル、多形、共結晶及び水和物に関する。本開示の態様は、薬学的に許容可能な用量の化合物(複数の場合もある)、その結晶、溶媒和物、鏡像異性体、立体異性体、エステル、水和物、又はそれらの混合物による被験体の処置にも関する。
背景技術の記載には、本発明の理解に有用であり得る情報が含まれる。本明細書で与えられるあらゆる情報が従来技術若しくは本件で特許請求される発明に関連するものであること、又は明示的若しくは暗示的に言及されるあらゆる刊行物が従来技術であることは認められない。
加齢性眼疾患は、突発性ではないことが多く、年齢とともにゆっくりと進行する傾向がある。多くの加齢性眼疾患の中でも、4つの主要疾患が認識されており、これらは、総合的な眼の検査を行うことで検出及び処置することができる。黄斑変性、白内障、緑内障及び糖尿病性網膜症のこれらの4つの加齢性眼疾患は、処置しないまま放置すると、劇的に悪化する(increase)と考えられ、視力喪失及び失明に至る場合がある。眼疾患を発症するリスクが最も高い集団は、罹患し易くなる因子に気付いていない。世界中で高齢集団の割合が増大するにつれ、加齢性眼疾患の有病率及び影響も増している。失明及び視力低下の主因は、主に加齢黄斑変性、白内障、糖尿病性網膜症及び緑内障等の加齢性眼疾患である。加齢性白内障は、世界の失明の原因の更に大きな割合を占めるようになっており、緑内障及び加齢黄斑変性は、公衆衛生問題になっている。
最も一般的な眼の問題としては、屈折異常、水晶体の混濁である白内障、緑内障を含む視神経障害、眼底の神経層の問題である網膜障害、鮮明な中心視野を破壊する疾患である黄斑変性、糖尿病による眼の問題、並びにはやり目(pinkeye)としても知られる感染症である結膜炎が挙げられる。老視は、ピント調節(accommodation)の進行性の喪失であり、種々の距離に位置する物体に焦点を合わせる視覚能力の喪失が起こる。ヒトにおけるピント調節は、毛様筋及び虹彩括約筋の収縮、輻輳、並びに水晶体の形状及び位置の変化により行われる。この作用は、受動的であり、水晶体の変化が毛様筋及び虹彩括約筋によるものであることを意味する。また、ピント調節の中心が能動的である場合、正常な両目の患者において毛様筋の収縮が刺激され、縮瞳及び輻輳が起こる。
国際公開第2018065831号(国際出願PCT/IB2017/052237号)は、口腔乾燥症、シェーグレン症候群及びドライマウスの処置のためのピロカルピン−(R)−リポ酸塩を開示しており、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなす。しかしながら、眼障害及びそれに関連する合併症の処置におけるそれらの有用性は示唆されていない。
急性病状の管理は、疾患の基礎病理及び症状の対処によることが多い。現在、眼障害の処置、及び/又は眼障害及びそれに関連する合併症の発生の遅延における有用性を見出すことができる、新たな化合物及び組成物が当該技術分野において必要とされている。
本開示の目的は、眼障害の処置における有用性を見出すことができる、化合物、及びその結晶、共結晶、溶媒和物、鏡像異性体、立体異性体、エステル、水和物、又はそれらの混合物を提供することである。
本開示の別の目的は、眼障害の処置のための医薬組成物を提供することである。
本開示は、概して眼障害の処置のための化合物及び組成物に関する。特に、本開示は、眼障害の処置における有用性を見出すことができる、化合物、及びその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、エステル、多形、又はプロドラッグに関する。本開示の態様は、薬学的に許容可能な用量の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、結晶、溶媒和物、鏡像異性体、立体異性体、エステル若しくは水和物による被験体の処置にも関する。
本開示の一態様は、眼障害又はそれに関連する合併症の処置のために使用される、式I:
Figure 2021503449
(式中、Xは、
Figure 2021503449
を表す)の化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形、若しくはプロドラッグを提供する。本開示の式Iの化合物により処置することができる眼障害は、黄斑変性、白内障、緑内障、糖尿病性網膜症、ドライアイ、眼神経炎、網膜色素変性症及び老視を含む。
一実施の形態では、式Iの化合物は、
Figure 2021503449
から選択されるピロカルピン−RS−リポ酸塩であり得る。
別の実施の形態では、式Iの化合物は、
Figure 2021503449
から選択されるピロカルピン−(R)−リポ酸塩であり得る。
別の実施の形態では、式Iの化合物は、
Figure 2021503449
から選択されるピロカルピン−(S)−リポ酸塩であり得る。
一実施の形態では、式Iの化合物は、少なくとも1%の鏡像体過剰率(ee)を有するピロカルピン−(R)−リポ酸塩を含む。一実施の形態では、式Iの化合物は、少なくとも1%の鏡像体過剰率(ee)を有するピロカルピン−(S)−リポ酸塩を含む。
一実施の形態では、式Iの化合物は、
Figure 2021503449
のいずれかである。
本開示の別の態様は、眼障害又はその合併症を処置するための医薬組成物であって、式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形若しくはプロドラッグと、薬学的に許容可能な添加剤とを含む、医薬組成物に関する。一実施の形態では、医薬組成物は、経口投与、鼻腔投与、局所投与、直腸投与、膣内投与、エアロゾル投与、又は非経口投与のために配合されている。或る特定の好ましい実施の形態では、医薬組成物は、局所眼科用配合物である。或る特定の好ましい実施の形態では、医薬組成物は、点眼配合物である。
本開示の別の態様は、ピロカルピン−リポ酸塩を合成する方法であって、適切な温度でピロカルピンをリポ酸で処理して、ピロカルピン−リポ酸塩を得ることを含む、方法を提供する。一実施の形態では、この方法は、ピロカルピンHClと塩基とを接触させて、ピロカルピンを得る工程を更に含む。一実施の形態では、この方法は、溶媒中のピロカルピンHClを塩基で処理して、ピロカルピンを得ることを含む。一実施の形態では、この方法は、アセトン中のピロカルピンHClを、室温で約18時間、炭酸水素ナトリウムで処理して、ピロカルピンを得ることを含む。一実施の形態では、この方法は、約100%の収率をもたらす。一実施の形態では、この方法は、ピロカルピン−リポ酸塩の再結晶化をもたらす工程を更に含む。一実施の形態では、再結晶化をもたらす工程は、50℃〜55℃で酢酸エチル(5容量)を用いてピロカルピン−リポ酸塩の再結晶化をもたらし、約80%の収率で結晶性ピロカルピン−リポ酸塩を得ることを含む。
本開示の別の態様は、処置を必要とする被験体において眼障害又はその合併症を処置する方法であって、該被験体に治療有効量の本明細書に開示の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形若しくはプロドラッグを投与することを含む、方法を提供する。一実施の形態では、本明細書に開示の方法により処置することができる眼障害は、黄斑変性、白内障、緑内障、糖尿病性網膜症、ドライアイ、眼神経炎、網膜色素変性症及び老視を含み得る。
更に別の態様では、本開示は、眼障害又はそれに関連する合併症を処置する医薬の製造のための式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形若しくはプロドラッグの使用に関する。
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様及び利点は、添付の図面とともに、下記の好ましい実施形態の詳細な説明からより明らかとなる。図面において、同様の符号は同様の構成要素を表す。
以下は、添付の図面に記載される開示の実施形態の詳細な説明である。実施形態は、開示を明確に伝えるように詳細に記載されている。しかしながら、与えられる詳細な量は、実施形態の考え得る変形形態を限定するものとは意図されないどころか、添付の特許請求の範囲に規定される本開示の趣旨及び範囲内にある全ての変更形態、等価物及び代替形態を包含することが意図とされる。
添付の特許請求の範囲はそれぞれ、別個の発明を規定するものであり、侵害について、特許請求の範囲において規定された様々な要素又は限定の等価物を含むと認識される。文脈に応じて、下記の「発明」に対する言及が全て、或る特定の実施形態のみに関するものであり得る場合もあれば、「発明」に対する言及が、特許請求の範囲の必ずしも全てという訳ではないが、1つ以上において挙げられた主題に関するものであると認識される場合もある。
本明細書の記載及び添付の特許請求の範囲に亘って使用される場合、数を特定しない単数形("a," "an," and "the")の意味は、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、複数の参照物を包含する。また、本明細書の記載に使用される場合、「において、では(in)」の意味は、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、「中に、内に(in)」及び「上に(on)」を包含する。
本明細書に記載の方法は全て、本明細書にてそうでないとする指示がない限り、又は文脈により明確に矛盾する記載が示されていない限り、任意の適切な順序で行うことができる。本明細書の或る特定の実施形態について与えられるあらゆる例、又は例示の語(例えば、「等」)の使用は、単に発明をより良好に説明することを意図するものであり、明細書外での特許請求される発明の範囲についての限定を課すものではない。本明細書中の語は、発明の実施に必須である任意の特許請求されてない要素を示すとは解釈されないものとする。
本明細書に使用される様々な用語を下記に示す。特許請求の範囲で使用される用語が下記に定義されていなければ、出願時点での刊行物及び発行済特許に反映されるように、当業者がこの用語に与える最も広い定義が与えられるものとする。
本開示に亘って本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、その意味の範囲内において、分子式が同じであるが、それらの原子の結合の性質若しくは配列、又はそれらの原子の空間配置が異なる化合物を包含する。
本開示に亘って本明細書で使用される場合、「立体異性体」という用語は、その意味の範囲内において、それらの原子の空間配置が異なる異性体を包含する。
本開示に亘って本明細書で使用される場合、「ジアステレオマー」という用語は、その意味の範囲内において、鏡像異性体ではない、1つ以上のキラル中心にて相反する立体配置を有する立体異性体を包含する。
本開示に亘って本明細書で使用される場合、「鏡像異性体」という用語は、その意味の範囲内において、1つ以上の不斉中心を有する立体異性体を包含し、これらの鏡像異性体は互いに重ね合わせることができない鏡像である。化合物が1つの不斉中心を含むとき、例えば炭素原子が4つの異なる基と結合するのであれば、1対の鏡像異性体が可能となる。鏡像異性体は、その不斉中心(単数又は複数)の絶対配置を特徴とすることができ、またカーン・インゴルド・プレローグ(CIP)のR及びS配列順位則により、又は分子が偏光面を回転させる様式により、右旋性又は左旋性と(すなわち、それぞれ(+)又は(−)の異性体として)表されることにより説明される。キラル化合物は、個々の鏡像異性体又はそれらの混合物としてのいずれかで存在することができる。等しい割合の鏡像異性体を含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
本明細書において使用される場合、「多形」という用語は、当該技術分野において認められており、所与の化合物の結晶構造を指す。
本明細書において使用される場合、「非経口投与」及び「非経口により投与する」という語句は、注射等の経腸投与及び局所投与以外の投与方法を指し、静脈内、筋肉内、胸膜内、血管内、心膜内、動脈内、髄腔内(intrathecal)、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内(intraspinal)、及び胸骨内注射及び注入が挙げられるが、これらに限定されない。
本方法によって処置が行われる「患者」、「被験体」、又は「宿主」は、ヒト又は非ヒト動物、例えば霊長類、哺乳動物、及び脊椎動物のいずれかを意味し得る。
「薬学的に許容可能な」という語句は、当該技術分野において認められている。或る特定の実施形態において、この用語は、組成物、ポリマー、及び他の物質及び/又は剤形を含み、これらは、正当な医学的判断の範囲において、合理的なベネフィット/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症を伴うことなく、哺乳動物、ヒト、及び動物の組織に接触させての使用に適している。
「薬学的に許容可能な添加剤」という語句は、当該技術分野において認められており、体内の一器官又は一部分から体内の別の器官又は一部分に任意の対象の組成物を運搬又は輸送することに関与する、例えば薬学的に許容可能な物質、組成物、又はビヒクル、例えば液体若しくは固体の充填剤、希釈剤、溶媒又は封入材を含む。各担体は、対象の組成物の他の成分と相溶性があり、患者に有害でないという意味で、「許容可能」でなければならない。或る特定の実施形態において、薬学的に許容可能な担体は非発熱性である。薬学的に許容可能な担体として作用し得る物質のいくつかの例として、(1)糖、例えばラクトース、グルコース、及びスクロース;(2)デンプン、例えばコーンスターチ及びジャガイモデンプン;(3)セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース;(4)トラガント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバター及び坐剤ワックス;(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、及び大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱性物質除去水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;並びに(21)医薬配合物に使用される他の非毒性相溶性物質が挙げられる。
「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下において、本開示の治療活性剤に変換される化合物を包含することを意図する。プロドラッグを作製する通常の方法は、生理学的条件下において加水分解されると、所望の分子が現れるよう選択された部分を含むものである。他の実施形態において、プロドラッグは宿主動物の酵素活性により変換される。
「予防の又は治療の」処置という用語は、当該技術分野において認められており、宿主に組成物の1つ以上を投与することを含む。望まない病態(例えば、宿主動物の疾患又は他の望まない状態)が臨床的に表れる前に投与する場合、この処置は予防であり、すなわち望まない病態の発症から宿主を保護し、一方、望まない病態が現れた後に投与する場合、この処置は治療である(すなわち、既存の望まない病態又はその副作用を減少、改善、又は安定化させることを目的とする)。
「処置する」又は「処置」という用語は、当該技術分野において認められており、疾患、障害、及び/又は病態の素因があり得るが、まだそのように診断はされていないヒト又は動物において疾患、障害、又は病態が発症するのを予防することと、疾患、障害、又は病態を阻害、例えばその進行を妨げることと、疾患、障害、及び/又は病態を緩和、例えば疾患、障害、及び/又は病態の退行を生じることとを含む。疾患又は病態の処置は、基礎病理に影響がなかったとしても、特定の疾患又は病態の少なくとも1つの症状の改善を含むものであり、例えば、眼瞼、涙器及び眼窩の障害、結膜の障害、強膜、角膜、虹彩及び毛様体の障害、水晶体の障害、脈絡膜及び網膜の障害、緑内障、硝子体及び眼球の障害、視神経及び視覚路の障害、視機能障害及び失明、老視、並びに他の関連疾患、又は任意の他の病状の処置が当該技術分野において既知であり、かかる組成物を与えない被験体に対する被験体における病状の症状の頻度を低減する又は発生を遅延する組成物の投与を含む。
「治療有効量」という語句は、当該技術分野において認められている用語である。或る特定の実施形態において、この用語は、任意の医学的処置に適用可能な合理的なベネフィット/リスク比にて或る程度の所望の効果が得られる、本明細書に開示の溶媒和物又は水和物又は組成物の量を指す。或る特定の実施形態において、この用語は、一定期間における医学的症状を排除又は低減させるのに必要な又は十分な量を指す。有効量は、処置対象の疾患又は病態、投与する特定の標的構築物、被験体の大きさ、又は疾患若しくは病態の重症度等の因子に応じて変化し得る。当業者であれば、過度の実験を必要とせずに特定の組成物の有効量を経験的に決定することができる。
本明細書で使用される場合、「眼科用組成物」という用語は、眼への、又は例えば眼瞼等のその関連の若しくは周囲の組織への、又は角膜上への適用が意図される組成物を指す。この用語は、眼自体又は眼の周りの組織の病態の治療処置を目的とする組成物も含む。眼科用組成物を、局所に、又は当業者に既知の若しくは当業者によって認められているような、眼への注射等の他の技法により適用することができる。適切な眼への局所投与の例としては、点眼剤の形態での、また噴霧配合物による投与が挙げられる。更なる適切な局所投与経路は、結膜下注射によるものである。組成物は、眼周囲又は後眼窩に与えることもできる。
或る特定の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物を、上記組成物が予防処置又は治療処置の一部として治療有効量にて患者に送達されるように配合する。患者に投与する組成物の所望の量は、薬物の吸収、不活性化、及び排泄率並びに対象の組成物からの水和物又は溶媒和物及び組成物の送達率に左右される。投与量の値も、軽減させる病態の重症度に伴い変化し得ることに留意されたい。任意の特定の被験体において、特定の投与量の投薬計画は、個人の必要量及び組成物を投与する者又は投与を監督する者の専門的な判断により経時的に調節すべきであることが更に理解される。通例、投薬は当業者に既知の技術を用いて決定される。
さらに、任意の特定の溶媒和物又は水和物又は組成物の最適な濃度及び/又は数量すなわち量を、処置のパラメータのばらつきを適合させるよう調節することができる。このような処置のパラメータには、製剤の臨床用途、例えば処置部位、患者の種類、例えばヒト又は非ヒト、成人又は小児、及び疾患又は病態の性質が挙げられる。
或る特定の実施形態において、本明細書に挙げられた式Iの化合物の投与量を、治療用組成物又は他の封入材の血漿濃度を参照して決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)及び0時間から無限時間までの血漿濃度時間曲線下面積を使用することができる。
医薬組成物又は他の物質に対して使用するとき、「徐放」という用語は、当該技術分野において認められている。例えば、経時的に物質を放出する対象の組成物は、物質の量全体を生物学的に一度に利用することができるボーラス型の投与とは対照的に、徐放特性を示すことができる。例えば、特定の実施形態において、血液、髄液、粘液分泌物、リンパ液等を含む体液と接触させると、薬学的に許容可能な添加剤の1つ以上は、その中に組み込まれる任意の物質、例えば治療の及び/又は生物学的に活性な溶媒和物又は水和物及び/又は組成物を同時に放出しながら、(ボーラスによる放出に比べ)持続して又は長時間かけて徐々に又はゆっくりと分解(例えば、加水分解により)することができる。この放出により、治療有効量の本明細書に開示の治療剤(化合物)のいずれかを長時間送達することができる。
「全身投与」、「全身に投与」、「末梢投与」、及び「末梢に投与」という語句は当該技術分野において認められており、対象の組成物、治療物質又は他の物質を処置対象の疾患から離れた部位に投与することを含む。処置対象の疾患に薬剤を投与することは、薬剤が投与後全身に広がる場合であっても、中枢神経系へ直接ではなく、例えば患者の系に入ることで、代謝等のプロセスが行われるような皮下投与による「局部」又は「局所」又は「局所的」投与と呼ぶことができる。
本開示はまた、本明細書に開示の組成物のプロドラッグ及び該プロドラッグの薬学的に許容可能な水和物又は溶媒和物を検討する。
本開示は概して、眼障害の処置のための化合物及び組成物に関する。特に、本開示は、眼障害の処置における有用性を見出すことができる、化合物、及びその薬学的に許容可能な結晶、共結晶、溶媒和物、鏡像異性体、立体異性体、プロドラッグ又は水和物に関する。本開示の態様は、処置を必要とする被験体において眼障害及び/又はその合併症を処置する方法にも関する。
本開示の一態様は、眼障害又はそれに関連する合併症の処置のために使用される、式I:
Figure 2021503449
(式中、Xは、
Figure 2021503449
を表す)の化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形、若しくはプロドラッグを提供する。本開示の式Iの化合物により処置することができる眼障害は、黄斑変性、白内障、緑内障、糖尿病性網膜症、ドライアイ、眼神経炎、網膜色素変性症及び老視を含む。
一実施形態では、式Iの化合物は、
Figure 2021503449
から選択されるピロカルピン−RS−リポ酸塩であり得る。
一実施形態では、式Iの化合物は、
Figure 2021503449
から選択されるピロカルピン−(R)−リポ酸塩であり得る。
一実施形態では、式Iの化合物は、
Figure 2021503449
から選択されるピロカルピン−(S)−リポ酸塩であり得る。
一実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも1%の鏡像体過剰率(ee)を有するピロカルピン−(R)−リポ酸塩を含む。一実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも1%の鏡像体過剰率(ee)を有するピロカルピン−(S)−リポ酸塩を含む。
一実施形態では、式Iの化合物は、
Figure 2021503449
のいずれかである。
本開示の別の態様は、眼障害又はその合併症を処置するための医薬組成物であって、開示される式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形若しくはプロドラッグと、薬学的に許容可能な添加剤とを含む、医薬組成物に関する。一実施形態では、医薬組成物は、経口投与、鼻腔投与、局所投与、直腸投与、膣内投与、エアロゾル投与、又は非経口投与のために配合されている。或る特定の好ましい実施形態では、医薬組成物は、局所眼科用配合物である。或る特定の好ましい実施形態では、医薬組成物は、点眼配合物である。
本開示の別の態様は、ピロカルピン−リポ酸塩を合成する方法であって、適切な温度でピロカルピンをリポ酸で処理して、ピロカルピン−リポ酸塩を得ることを含む、方法を提供する。一実施形態では、この方法は、ピロカルピンHClと塩基とを接触させて、ピロカルピンを得る工程を更に含む。一実施形態では、この方法は、溶媒中のピロカルピンHClを塩基で処理して、ピロカルピンを得ることを含む。一実施形態では、この方法は、アセトン中のピロカルピンHClを、室温で約18時間、炭酸水素ナトリウムで処理して、ピロカルピンを得ることを含む。一実施形態では、この方法は、約100%の収率をもたらす。一実施形態では、この方法は、ピロカルピン−リポ酸塩の再結晶化をもたらす工程を更に含む。一実施形態では、再結晶化をもたらす工程は、50℃〜55℃で酢酸エチル(5容量)を用いてピロカルピン−リポ酸塩の再結晶化をもたらし、約80%の収率で結晶性ピロカルピン−リポ酸塩を得ることを含む。
本開示の別の態様は、ピロカルピン−(R)−リポ酸塩を合成する方法であって、ピロカルピンと、(R)−リポ酸とを適切な温度で接触させて、ピロカルピン−(R)−リポ酸塩を得ることを含む、方法を提供する。一実施形態では、上記方法は、ピロカルピンHClと塩基とを接触させて、ピロカルピンを得ることを含む。一実施形態では、上記方法は、溶媒中のピロカルピンHClを塩基で処理して、ピロカルピンを得ることを含む。一実施形態では、上記方法は、アセトン中のピロカルピンHClを、室温で約18時間、炭酸水素ナトリウムで処理して、ピロカルピンを得ることを含む。一実施形態では、上記方法は、約100%の収率をもたらす。しかしながら、当業者であれば、当業者に既知の又は当業者によって認められているような任意の他のピロカルピン−(R)−リポ酸塩の合成方法を適切に用いることで、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、その意図する目的を達成することができることを理解するであろう。
一実施形態では、上記方法は、ピロカルピン−(R)−リポ酸塩の再結晶化をもたらす工程を更に含む。一実施形態では、再結晶化をもたらす工程は、50℃〜55℃で酢酸エチル(5容量)を用いてピロカルピン−(R)−リポ酸塩の再結晶化をもたらし、約80%の収率で結晶性ピロカルピン−(R)−リポ酸塩を得ることを含む。しかしながら、当業者に既知の又は当業者によって認められているような任意の他の方法を用いることで、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、ピロカルピン−(R)−リポ酸塩の再結晶化をもたらすことができることが理解される。
本開示の幾つかの実施形態は、ピロカルピン−(R)−リポ酸塩の作製及び再結晶化の方法を記載しているが、当業者には、ピロカルピン−(R,S)−リポ酸塩及び/又はピロカルピン−(S)−リポ酸塩の合成に、実質的に同じ又は同様の方法を使用することができることが理解され、簡潔にするために、同じ内容は詳細に記載していない。
本開示の更なる態様は、処置を必要とする被験体において眼障害又はその合併症を処置する方法であって、該被験体に治療有効量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形若しくはプロドラッグを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書に開示の方法により処置することができる眼障害は、黄斑変性、白内障、緑内障、糖尿病性網膜症、ドライアイ、眼神経炎、網膜色素変性症及び老視を含み得る。一実施形態では、式Iの化合物を、薬学的に許容可能な添加剤とともに上記被験体に投与することができる。一実施形態では、上記被験体に投与することができる式Iの化合物の治療有効量は、0.001mg〜1000mgの範囲であり得る。一実施形態では、式Iの化合物を眼障害又はそれに関連する合併症の処置を必要とする被験体の少なくとも片方の眼に局所投与することができる。
一実施形態では、本開示の処置方法のために使用することができる式Iの化合物は、下記の1つ以上から選択することができる:
Figure 2021503449
本開示の化合物は、酸部分であるリポ酸及びXと表される塩基構成要素の水和物又は溶媒和物の形態とすることができ、ここで、酸構成要素は、部分的なイオン形態であり、Xと表される塩基構成要素は、薬学的に許容可能な塩においてプロトン化されている。しかしながら、場合によっては、例えば、環境のpHに応じて、化合物は、Xとリポ酸との混合物の形態であってもよい。
理論に束縛されることを望むものではないが、ピロカルピンが眼内圧の低下を助け、縮瞳を誘導し、眼のピント調節を補助し、リポ酸が抗酸化剤として作用し、グルタチオンを再生し、ヒトの眼において水晶体活性を改善すると考えられる。
式Iの化合物の合成
溶媒中のピロカルピン塩を一定期間、塩基で処理して、ピロカルピンの遊離塩基を得ることができ、この遊離塩基とリポ酸とを接触させることで、式Iの化合物の形成が起こる。代替的には、ピロカルピンとリポ酸とを接触させて、式Iの化合物を直接得ることができる。当業者であれば、最適な溶媒、塩基、及び温度、時間等のようなプロセスパラメータを適切に修正/選択し、その意図する目的を達成することができるが、本開示の範囲は、任意の特定の溶媒/塩基及び/又はプロセスパラメータの利用に限らないことを理解するであろう。
一実施形態では、初めに、アセトン中のピロカルピンHClを、室温で18時間、炭酸水素ナトリウムで処理して、ピロカルピンの遊離塩基を得て、この遊離塩基と(R)−リポ酸とを室温で1時間、反応させることで、約100%の収率でピロカルピン−(R)−リポ酸塩を得る。
Figure 2021503449
一実施形態では、ピロカルピン−リポ酸塩を、適切な溶媒又は溶媒の組合せを用いて再結晶化して、結晶性ピロカルピン−リポ酸塩を得る。かかる溶媒又は溶媒の組合せは、当業者に既知であり、簡潔にするために、同じ内容は詳細に記載していない。再結晶化の技法は、"Remington-The Science and Practice of Pharmacy", 20th. Ed., Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore, Md., 2000"にて入念に取り扱われており、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなす。一実施形態では、ピロカルピン−(R)−リポ酸塩を、50℃〜55℃で酢酸エチル(5容量)から再結晶化して、約80%の収率で黄色の結晶性ピロカルピン−(R)−リポ酸塩を得る。
本開示は、全身又は局所又は経口投与のために配合され得る、薬学的に許容可能な添加剤と、式Iの化合物の1つ又は組合せとを含む医薬組成物も開示している。医薬組成物は、経口投与、経口溶液、注射、皮下投与、又は経皮投与のためにも配合され得る。
多くの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物に開示の化合物(式I)を組み込み、予防処置又は治療処置の一部として治療有効量の式Iの化合物を患者に送達させるのに十分な量にて送達する。式Iの化合物(複数の場合もある)又はその薬学的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物の所望の濃度は、薬物の吸収、不活性化、及び排泄率並びに対象の組成物からの水和物又は溶媒和物及び組成物の送達率に左右される。投与量の値も、軽減させる病態の重症度に伴い変化し得ることに留意されたい。任意の特定の被験体において、特定の投与量の投薬計画は、個人の必要量及び組成物を投与する者又は投与を監督する者の専門的な判断により経時的に調節する必要があり得ることが更に理解される。通例、投薬は当業者に既知の技術を用いて決定される。
さらに、式Iの任意の特定の化合物の最適な濃度及び/又は数量すなわち量を、処置のパラメータのばらつきを適合させるよう調節することができる。このような処置のパラメータには、製剤の臨床用途、例えば処置部位、患者の種類、例えばヒト又は非ヒト、成人又は小児、及び疾患又は病態の性質が挙げられ得るが、これらに限定されない。
式Iの任意の化合物の濃度及び/又は量を、動物、例えばラットにおける日常的なスクリーニングにより、適切なアッセイを用いて目的の物質の濃度及び/又は量の範囲をスクリーニングすることにより容易に同定することができる。既知の方法も、本明細書に開示の治療用配合物の投与前及び投与後の局部組織濃度、水和物又は溶媒和物又は組成物の拡散率、及び局部血流量をアッセイするのに利用可能である。このような方法の1つにT. E. Robinson et al., 1991, microdialysis in the neurosciences, Techniques, volume 7, Chapter 1にレビューされている微小透析がある。Robinsonによりレビューされている方法を、以下のように簡単に適用することができる。試験動物内にin situで微小透析ループを入れる。透析液は、ループを通してポンプによって送られる。本明細書に開示のような式Iの化合物をループに近接して注射すると、放出された薬物は局部組織濃度に比例して透析物に回収される。水和物又は溶媒和物又は組成物の拡散の進み具合を水和物又は溶媒和物又は組成物の既知の濃度を用いて適切な較正方法を用いることにより決定することができる。
或る特定の実施形態において、本明細書に挙げられる式Iの化合物の投与量は、組成物又は他の封入材の血漿濃度を参照して決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)及び0時間から無限時間までの血漿濃度時間曲線下面積を使用することができる。
概して、本開示に詳述された方法を実行する際の、式Iの化合物の有効な投与量は、単回用量又は分割用量において約0.01mg/kg/日〜約100mg/kg/日、例えば単回用量又は分割用量において0.01mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲である。式Iの化合物を、例えば0.2mg/kg/日、0.5mg/kg/日、1.0mg/kg/日、5mg/kg/日、10mg/kg/日、20mg/kg/日、30mg/kg/日、又は40mg/kg/日未満の用量にて投与することができる。式Iの化合物を、例えば1日当たり0.001mg〜1000mg、5mg〜80mg、又は1.0mg、9.0mg、12.0mg、20.0mg、50.0mg、75.0mg、100mg、300mg、400mg、500mg、800mg、1000mg、2000mg、5000mg未満の用量にてヒト患者に投与することもできる。或る特定の実施形態において、本明細書の組成物を、同じ治療効果に必要な式Iの化合物の95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%未満の量にて投与する。
本明細書に記載の式Iの化合物の治療有効量は、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な式Iの化合物の量を指す。有効量は、眼内圧、視神経合併症、緑内障、眼水晶体合併症、白内障、水晶体の肥厚化、及び眼の屈折率の問題により生じる合併症の防止、処置、緩和、改善、停止、抑制、その進行の遅延若しくは逆転、又はその重症度の低減に十分なものであり得る。それゆえ、これらの方法は、適宜、医学的な治療の(急性)及び/又は予防の(未然の)投与の両方を含む。投与される組成物の量及び時点は、当然ながら、処置が行われる被験体、罹患の重症度、投与方法、及び処方医の判断に左右される。したがって、患者間のばらつきがあるため、上記の投与量はガイドラインであり、医師は、医師自身が患者に適切と考える処置を実現するために薬物の用量を決めることができる。所望の処置の程度を考慮すると、医師は患者の年齢、既往症の有無、及び他の疾患の有無等の種々の因子の均衡を保つようにしなければならない。例示的な実施形態では、式Iの化合物の治療有効量は、0.001mg〜1000mgの範囲であり得る。
本明細書で開示される組成物を、経口、局所、非経口、例えば静脈内、皮下、又は髄内を含むが、これらに限定されない種々の従来の投与経路により処置を必要とする被験体に投与することができる。さらに、組成物を、鼻腔内に、直腸の坐剤として、又は「フラッシュ(flash:口中崩壊)」配合物を用いて、すなわち、医薬を水なしで口中にて溶解させて投与することができる。さらに、組成物を、制御放出の剤形、部位特異的薬物送達、経皮薬物送達、パッチ(能動的/受動的)介在性薬物送達により、定位的注入により、又はナノ粒子において、処置を必要とする被験体に投与することができる。
組成物を、単独又は薬学的に許容可能な担体、ビヒクル、若しくは希釈剤(集合的に、本明細書では添加剤と称される)と組み合わせて、単回用量又は複数回用量において投与することができる。適切な医薬担体、ビヒクル、及び希釈剤には、不活性の固形希釈剤又は充填剤、滅菌水溶液及び種々の有機溶媒が挙げられる。化合物と薬学的に許容可能な担体、ビヒクル又は希釈剤とを組み合わせることによって形成された医薬組成物は、ひいては錠剤、粉末、トローチ、シロップ、注射液等の種々の剤形においての投与が容易である。これらの医薬組成物は、所望の場合、風味料、結合剤、添加剤等の追加の成分を含有することができる。したがって、経口投与において、L−アルギニン、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、及びリン酸カルシウム等の種々の添加剤を含有する錠剤を、デンプン、アルギン酸、及び或る特定の複合ケイ酸塩等の種々の崩壊剤と、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、及びアカシアゴム等の結合剤とを合わせて使用することができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタルク等の潤沢剤は多くの場合、打錠に有用である。類似の種類の固形組成物を軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用することもできる。これに適した物質には、ラクトースすなわち乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。懸濁水溶液又はエリキシル剤が経口投与において望ましいとき、必須活性成分を、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等の希釈剤、及びそれらの組合せとともに、種々の甘味料又は風味剤、着色物質又は染料、及び所望の場合、乳化剤又は懸濁剤と組み合わせることができる。式Iの化合物はまた、製薬分野においてよく知られている、種々の添加剤を含む腸溶性コーティング配合物として配合することができる。
非経口投与において、溶液(組成物)を、(例えば)ゴマ油若しくはピーナッツ油、水性プロピレングリコール、又は滅菌水溶液を使用して調製することができる。必要な場合は、このような溶液を好適に緩衝化してもよく、十分な生理食塩水又はグルコースで最初に希釈液が等張状態となる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内の投与に特に適している。これに関連して、使用する滅菌水性媒体は全て、当業者に既知の標準的な技術により容易に利用可能である。
配合物、例えば錠剤は、例えば10mg〜100mg、50mg〜250mg、150mg〜500mg、又は350mg〜800mg、例えば10mg、50mg、100mg、300mg、500mg、700mg、800mgの本明細書に開示の式Iの化合物、例えば式Iの化合物又は式Iの化合物の薬学的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物を含有することができる。
概して、本明細書に記載の組成物を経口又は非経口(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、又は髄内)投与することができる。例えば患者が、経口投与が阻まれる胃腸障害に罹患している場合、又は担当医が決定した通りの組織若しくは器官の表面に医薬を最も良好に塗布しようとする場合に局所投与を提示することもできる。例えば、標的組織又は器官に高用量を必要とするときに局部(Localized)投与を提示することもできる。頬内投与において、活性組成物は、従来の方法において配合された錠剤又はトローチ剤の形態をとることができる。
投与量は、疾患の特性;年齢、健康状態、及び体重を含む宿主に関する特徴(type);併用して処置中のものがあればその種類;処置頻度及び治療可能比に左右されるが、これらに限定されない。例として、投与される活性成分の投与量のレベルは、宿主体重の、眼内では0.0001mg/kg〜約100mg/kg、静脈内では0.1mg/kg〜約200mg/kg、筋肉内では1mg/kg〜約500mg/kg、経口では5mg/kg〜約1000mg/kg、鼻腔内滴下では5mg/kg〜約1000mg/kg、及びエアロゾルでは5mg/kg〜約1000mg/kgである。
濃度で表す場合、活性成分は本発明の組成物に、真皮、鼻腔内、経咽頭、経気管支、膣内、経直腸、又は眼内に対する局部使用において、組成物の約0.01% w/w〜約50% w/wの濃度、好ましくは組成物の約1% w/w〜約20% w/w、及び非経口使用において、組成物の約0.05% w/v〜約50% w/vの濃度、好ましくは約5% w/v〜約20% w/vの濃度で存在することができる。
本発明の組成物を、ヒト及び動物への投与用として、適切な量の活性成分を含有する、単位剤形、例えば錠剤、カプセル、丸剤、粉末、顆粒、坐剤、滅菌非経口溶液又は懸濁液、滅菌非腸管外溶液、懸濁液、及び経口溶液又は懸濁液等で与えることが好ましい。経口投与において、固形又は流体単位剤形のいずれかを調製することができる。
上述したように、素錠(tablet core)は、1つ以上の親水性ポリマーを含有することができる。適切な親水性ポリマーには、水膨潤性セルロース誘導体、ポリアルキレングリコール、熱可塑性ポリアルキレンオキシド、アクリルポリマー、親水コロイド、クレイ、ゲル化デンプン、膨潤性架橋ポリマー、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な水膨潤性セルロース誘導体の例として、カルボキシメチルナトリウムセルロース、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシイソプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシフェニルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシペンチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、及びヒドロキシプロピルエチルセルロース、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切なポリアルキレングリコールの例として、ポリエチレングリコールが挙げられるが、これに限定されない。適切な熱可塑性ポリアルキレンオキシドの例として、ポリ(エチレンオキシド)が挙げられるが、これに限定されない。適切なアクリルポリマーの例として、メタクリレートジビニルベンゼンカリウムコポリマー、ポリメチルメタクリレート、高分子量架橋アクリル酸ホモポリマー及びコポリマー、例えばNoveon Chemicalsの商品名CARBOPOL(商標)で市販されているものが挙げられるが、これらに限定されない。適切な親水コロイドの例として、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、タラガム、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、キサンタンガム、ゲランガム、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスツラン、ラミナリン、スクレログルカン、アラビアガム、イヌリン、ペクチン、ゼラチン、ウェラン、ラムザン、ズーグラン、メチラン、キチン、シクロデキストリン、キトサン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切なクレイの例として、ベントナイト、カオリン、及びラポナイト等のスメクタイト;三ケイ酸マグネシウム;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切なゲル化デンプンの例として、酸加水分解性デンプン、膨潤性デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム、及びそれらの誘導体、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な膨潤性架橋ポリマーの例として、架橋ポリビニルピロリドン、架橋寒天、及び架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
担体は、錠剤の配合物に適切な1つ以上の添加剤を含有することができる。適切な添加剤の例として、充填剤、吸着剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤、放出調節添加剤、スーパー崩壊剤、抗酸化剤、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
適切な結合剤には、乾燥結合剤、例えばポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルメチルセルロース;湿潤結合剤、例えばアカシアガム、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、タラガム、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、キサンタンガム、ゲランガム、ゼラチン、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスツラン、ラミナリン、スクレログルカン、イヌリン、ウェラン、ラムザン、ズーグラン、メチラン、キチン、シクロデキストリン、キトサン、ポリビニルピロリドン、セルロース系、スクロース、及びデンプン等の親水コロイドを含む水溶性ポリマー;並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な崩壊剤には、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、デンプン、微結晶セルロース、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な滑沢剤には、長鎖脂肪酸及びそれらの水和物又は溶媒和物、例えばステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸、タルク、グリセリド、蝋、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な滑剤には、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、これに限定されない。適切な放出調節添加剤には、不溶性食用物質、pH依存性ポリマー、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
放出調節添加剤として使用される適切な不溶性食用物質には、水不溶性ポリマー及び低温融解疎水性物質、それらのコポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な水不溶性ポリマーの例として、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクトン、酢酸セルロース、及びそれらの誘導体、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、アクリル酸コポリマー、それらのコポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な低温融解疎水性物質には、脂肪、脂肪酸エステル、リン脂質、蝋、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な脂肪の例として、水添植物油、例えばココアバター、水添パーム核油、水添綿実油、水添ヒマワリ油、及び水添大豆油、遊離脂肪酸、及びそれらの水和物又は溶媒和物、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な脂肪酸エステルの例として、スクロース、脂肪酸エステル、モノ、ジ、及びトリグリセリド、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、GlycoWax−932、ラウロイルマクロゴール−32グリセリド、ステアロイルマクロゴール−32グリセリド、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切なリン脂質の例として、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセレン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。適切な蝋の例として、カルナバ蝋、鯨蝋、蜜蝋、カンデリラ蝋、シェラック蝋、微結晶蝋、及びパラフィン蝋;脂肪含有混合物、例えばチョコレート及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。スーパー崩壊剤の例として、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、及び架橋ポビドン(クロスポビドン)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、素錠は、最大約5重量%のこのようなスーパー崩壊剤を含有する。
抗酸化剤の例として、トコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、エデト酸、及びエデト酸の水和物又は溶媒和物、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。防腐剤の例として、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、及びソルビン酸、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、即時放出コーティングは、少なくとも50ミクロン、例えば約50ミクロン〜約2500ミクロン;例えば、約250ミクロン〜約1000ミクロンの平均厚を有する。実施形態において、即時放出コーティングは通例、特定の層の重量及び容量で測定するとして約0.9g/cc超の密度で圧縮される。
一実施形態において、即時放出コーティングは、第1の部分及び第2の部分を含有し、それらの部分の少なくとも一方は、第2の薬学的に活性な薬剤を含有する。一実施形態において、それらの部分は錠剤の中心軸で互いに接触する。一実施形態において、第1の部分は第1の薬学的に活性な薬剤を含み、第2の部分は第2の薬学的に活性な薬剤を含む。
一実施形態において、第1の部分は第1の薬学的に活性な薬剤を含有し、第2の部分は第2の薬学的に活性な薬剤を含有する。一実施形態において、それらの部分の一方は、第3の薬学的に活性な薬剤を含有する。一実施形態において、それらの部分の一方は素錠に含有するものと同じ薬学的に活性な薬剤の第2の即時放出部分を含有する。
一実施形態において、外側のコーティング部分を物質の乾燥混和物として調製した後にコーティング済の素錠に添加する。別の実施形態において、外側のコーティング部分は、薬学的に活性な薬剤を含む乾燥顆粒物から構成される。
上記の様々な薬物放出機序を有する配合物を、単一の単位又は複数の単位を含有する最終剤形に組み合わせることができる。複数の単位の例として、多層錠剤、錠剤含有カプセル、ビーズ、又は固形若しくは液体の形態の顆粒が挙げられる。通例の即時放出配合物として、圧縮錠剤、ゲル、薄膜、コーティング剤、液体、及び例えばゼラチンカプセルで封入することができる粒子が挙げられる。コーティング剤を調製する、薬物を被覆処理する、又は組み込む多くの方法が当該技術分野において知られている。
即時放出の投与の剤形の単位、すなわち錠剤、複数の薬物含有ビーズ、顆粒、若しくは粒子、又はコーティングされたコア剤形の外層は、治療有効量の活性剤を従来の医薬添加剤とともに含有する。即時放出投与の単位はコーティングしてもしなくてもよく、また遅延放出投与の単位(単数又は複数)と混合してもしなくてもよい(即時放出薬物含有顆粒、粒子、又はビーズ及び遅延放出薬物含有顆粒又はビーズの封入混合物の場合)。
持続放出配合物は一般に、例えば「Remington-The Science and Practice of Pharmacy」(20th. Ed., Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore, Md., 2000)に記載のように拡散系又は浸透圧系として調製される。拡散系は通例、当該技術分野において既知であり、報告されている2種類のデバイス、リザーバー及びマトリックスの1つからなる。マトリックスデバイスは一般に、ポリマー担体をゆっくり溶解させながら薬物を錠剤形態に圧縮することにより調製される。
持続放出コアの表層にコーティング若しくは圧縮方法を用いて即時放出層を塗布するか、又は持続放出ビーズ及び即時放出ビーズを含有するカプセル等の複数の単位系において、即時放出部分を持続放出系に加えることができる。
遅延放出投与用の配合物を、胃部の酸環境においては不溶性であるが、小腸部の中性又は弱塩基性の環境においては可溶性であるポリマーの薄膜で固形剤形をコーティングすることによって作製する。遅延放出投与の単位を、例えば選択したコーティング物質で薬物又は薬物含有組成物をコーティングすることにより調製することができる。薬物含有組成物は、カプセルに組み込む錠剤、「コーティングされたコア」剤形の内部コアとして使用される錠剤、又は錠剤若しくはカプセルのいずれかに組み込むための複数の薬物含有ビーズ、粒子、若しくは顆粒であってよい。
パルス放出型剤形は、反復投与することなく複数回投与プロファイルを模倣し、また通例、従来の剤形として(例えば溶液又は即時型の薬物を放出する従来の固形剤形として)与えられる薬物に比べ少なくとも投与頻度を1/2に減少させることが可能な剤形である。パルス放出プロファイルは、放出なし(時間差)又は低量を放出した後に迅速に薬物を放出する時間周期を特徴とする。
それぞれの剤形は治療有効量の活性剤(式Iの化合物)を含有する。1日2回の投与プロファイルを模倣する剤形の一実施形態において、剤形中の活性剤の総量のおよそ30wt.%〜70wt.%、好ましくは40wt.%〜60wt.%を第1のパルスで放出し、それに対応して、剤形中の活性剤の総量のおよそ70wt.%〜30wt.%、好ましくは60wt.%〜40wt.%を第2のパルスで放出する。1日2回の投与プロファイルを模倣する剤形において、第2のパルスは投与のおよそ3時間〜14時間未満、より好ましくはおよそ5時間〜12時間後に放出されることが好ましい。
別の剤形は、薬物を含有する即時放出投与の単位、遅延放出投与の単位、及び任意の第2の遅延放出投与の単位を有する圧縮錠剤又はカプセルを含有する。この剤形では、即時放出投与の単位は、第1の用量をもたらす、実質的に経口投与直後に薬物を放出する複数のビーズ、顆粒、粒子を含有する。遅延放出投与の単位は複数のコーティングしたビーズ又は顆粒を含有し、第2の用量をもたらす、経口投与のおよそ3時間〜14時間後に薬物を放出する。
経皮(例えば局所)投与において、希釈された滅菌の水溶液又は部分水溶液(通常約0.1%〜5%の濃度)、又は上記非経口溶液に類似のものを調製することができる。
或る特定の量の、1つ以上の式Iの化合物及び/又は他の活性剤を含む種々の医薬組成物を調製する方法が当業者に知られており、又は本開示に照らして明らかとなる。医薬組成物を調製する方法の例として、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 19th Edition (1995)を参照されたい。
さらに、或る特定の実施形態において、本出願の対象の組成物を凍結乾燥させ、又は該組成物に噴霧乾燥等の別の適当な乾燥法を行うことができる。対象の組成物を1回投与することができ、又は複数のより少量の用量に分け、組成物の放出の割合及び所望の投与量に一部応じて種々の時間間隔にて投与することができる。
本明細書に挙げる方法に有用な配合物には、経口、経鼻、局所(点眼(ophthalmic)、頬内及び舌下を含む)、経直腸、膣内、エアロゾル、及び/又は非経口の投与に適したものが挙げられる。配合物は、便宜上単位剤形で与えられ、製薬分野において既知の任意の方法により調製することができる。担体物質/添加剤と組み合わせて単回用量とすることができる化合物の量は、処置を行う被験体及び特定の投与方法に応じて変化させることができる。
これらの配合物又は組成物を調製する方法は、化合物と担体及び場合により、1つ以上の補助成分とを会合させる工程を含む。一般に、配合物は、化合物と液状担体とを均一及び密接に会合させ、又は固体担体を微粉化し、又はその両方によって調製し、必要な場合は生成物を成形する。
本明細書に記載の式Iの化合物は、吸入剤又はエアロゾル配合物で投与することができる。吸入剤又はエアロゾル配合物は、1つ以上の薬剤、例えば吸入療法に有用なアジュバント、診断薬、造影剤、又は治療剤を含むことができる。最終のエアロゾル配合物は、例えば配合物の総重量に対して0.005% w/w〜90% w/w、例えば0.005% w/w〜50% w/w、0.005% w/w〜5% w/w、又は0.01% w/w〜1.0% w/wの医薬を含有することができる。
経口投与のための固形剤形(カプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末、顆粒等)において、対象の組成物を、1つ以上の薬学的に許容可能な担体及び/又は以下のいずれかと混合する:(1)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸;(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/又はアカシアガム等;(3)保湿剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えば粉寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン、又はタピオカデンプン、アルギン酸、或る特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン;(6)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えばアセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール等;(8)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイトクレイ;(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール固体、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物;並びに(10)着色剤。カプセル、錠剤、及び丸剤の場合において、医薬組成物は、緩衝剤も含むことができる。同様の種類の固形組成物を、ラクトースすなわち乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコール等を用いた軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルの充填剤としても使用することができる。
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容可能な乳濁液、微乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシル剤がある。対象の組成物に加えて、液体剤形は、当該技術分野において通常用いられる不活性希釈剤、例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、コーン油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ソルビタンのポリエチレングリコール及び脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物等を含有することができる。
活性成分に加えて、懸濁液は、懸濁剤、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、粉寒天、及びトラガカントガム、又はそれらの混合物等を含有することができる。
経皮投与用の剤形には、粉末、噴霧剤、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、及び吸入剤がある。対象の組成物を滅菌条件下において、薬学的に許容可能な担体と、また必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝液、又は噴射剤と混合することができる。経皮投与において、複合体は、所望の水溶性及び輸送特性を得るための親油性基及び親水性基を含むことができる。
軟膏、ペースト、クリーム、及びゲルは、対象の組成物に加え、他の担体、例えば動物性脂肪及び植物性脂肪、油、蝋、パラフィン、デンプン、トラガカントガム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び亜鉛酸化物、又はそれらの混合物を含有することができる。粉末及び噴霧剤は、対象の組成物に加え、添加剤、例えばラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、又はこのような物質の混合物を含有することができる。噴霧剤は、常用の噴射剤、例えばクロロフルオロ炭化水素(chlorofluorohydrocarbons:フロン)及び揮発性非置換炭化水素、例えばブタン及びプロパンを更に含有することができる。
経皮パッチを介して組成物(単数又は複数)を送達する方法は当該技術分野において知られている。パッチ及びパッチによる送達方法の例が、米国特許第6,974,588号、同第6,564,093号、同第6,312,716号、同第6,440,454号、同第6,267,983号、同第6,239,180号、及び同第6,103,275号に記載されている。
別の実施形態において、経皮パッチは、樹脂組成物から形成される複合薄膜を含む基材シートを含むことができ、該樹脂組成物は100重量部のポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体及び2重量部〜10重量部のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコポリマーを含み、該複合薄膜の片側における第1の接着層及び該第1の接着層により該複合薄膜の片側に接着するポリアルキレンテレフタレート薄膜、飽和ポリエステル樹脂を含み、該ポリアルキレンテレフタレート薄膜の表面に形成されるプライマー層、及び該プライマー層に積層する、医薬剤を含有するスチレン−ジエン−スチレンブロックコポリマーを含む第2の接着層を含む。上記の基材シートの製造方法は、上記樹脂組成物を調製することと、該樹脂組成物をカレンダー法により複合薄膜に成形することと、次に、接着層により該複合薄膜の片側にポリアルキレンテレフタレート薄膜を接着させることにより該基材シートを形成することと、該ポリアルキレンテレフタレート薄膜の外面に飽和ポリエステル樹脂を含むプライマー層を形成することとを含む。
別の種類のパッチは、薬学的に許容可能な接着剤にそのまま薬物を組み込むことと、適切な内張り部材、例えばポリエステル内張り膜に薬物含有接着剤を積層することとを含む。薬物は、接着特性に影響を与えず、同時に必要とする臨床用量を送達する濃度で含まれるものとする。
経皮パッチは受動性又は能動性であってよい。例えばニコチンパッチ、エストロゲンパッチ、及びニトログリセリンパッチ等で現在利用可能な受動性経皮薬物送達系は、小分子薬物を送達する。他の薬物の多くは、大きいために受動性経皮パッチを介して送達できず、大分子薬物用の電子アシスト(イオン導入)等の技術(technology)を用いて送達することができる。
イオン導入は、電流を使用して、膜を通るイオン化物質の流束を強化するために使用する技術である。イオン導入膜の一例として、Theeuwesの米国特許第5,080,646号が挙げられる。イオン導入が皮膚を通して分子輸送を高める主な機序は、(a)荷電したイオンは同じ電荷の電極に反発すること、(b)電場が印加されると、対イオンが優先的に流れることで荷電した孔を通して生じる溶媒の対流の動きである電気浸透、又は(c)電流を印加することによる皮膚透過性の増大である。
眼科用配合物としては、局所投与のための液体配合物(例えば、溶液、懸濁液)、及び注射又は眼挿入投与のための配合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、眼科用配合物は、点眼剤、スワブ、軟膏、ジェル、又はミスト(例えば、エアロゾル又は噴霧剤)等のように局所投与のために配合されている。一実施形態では、配合物は、点眼剤である。眼科用配合物については、薬学的に許容可能な添加剤は、眼への使用に適合し、眼への使用に適するように選択される。かかる添加剤は、当該技術分野において既知である。一実施形態では、添加剤は、作用物質の溶解度を改善するように選択され得る。例示の添加剤としては、緩衝剤、等張化剤、粘稠剤(viscosity agents)、防腐剤、乳化剤、塩、滑沢剤、ポリマー、溶媒、及び眼科用医薬配合物にて知られる他の添加剤が挙げられるが、これらに限定されない。適切な量は、当業者によって決定することができるが、非限定的な例示の量(重量%単位)も下記に与える。
一実施形態では、医薬組成物は、配合物のpHを調整又は維持するための1つ以上の緩衝剤を含む。一実施形態では、pHは、生理学的pH付近である(涙液のpHは約7である)。そのため、配合物のpHは、約6〜約8、約6.5〜約7.5、約6.8〜約7.2、約7.1〜約7.5、又は約7とすることができる。別の実施形態では、pHは約5.5である。このため、配合物のpHは、約4〜約7、約4.5〜約6、約4.5〜約5.5、約5.5〜約6.5、約5〜約6、約5.25〜約5.75、又は約5.5とすることができる。例示の緩衝剤としては、リン酸緩衝液(例えば、リン酸第一ナトリウム一水和物、無水リン酸第二ナトリウム)、ホウ酸緩衝液、及びHBSS(ハンクス緩衝塩溶液)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、緩衝剤はリン酸緩衝液である。別の実施形態では、緩衝剤は、リン酸第一ナトリウム一水和物及び/又は無水リン酸第二ナトリウムである。緩衝剤の量(緩衝剤の全量又は単一緩衝添加剤の量のいずれか)は、0.1%〜約1.0%、約0.2%〜約0.6%、約0.05%〜約0.5%、約0.25%〜約0.45%、又は約0.25%、約0.43%、又は約0.7%とすることができる。一実施形態では、緩衝剤は、約0.05%〜約0.5%(例えば、約0.27%)のリン酸第一ナトリウム一水和物及び約0.2%〜約0.6%(例えば、約0.43%)の無水リン酸第二ナトリウムである。
一実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の等張化剤を含む。配合物は、高張又は低張であってもよいが、等張配合物が好ましい(260mOsm〜320mOsm)。例示の等張化剤としては、塩化ナトリウムが挙げられるが、これに限定されない。等張化剤の量は、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約2%、約0.1%〜約1%、約0.25%〜約0.75%、約0.2%〜約0.6%、又は約0.5%とすることができる。一実施形態では、等張化剤は、約0.2%〜約0.6%(例えば、約0.5%)の塩化ナトリウムである。
一実施形態では、医薬組成物は、配合物の粘性を高めるための1つ以上の粘稠剤を含む。例示の粘稠剤としては、セルロース剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリカルボフィル、ポリビニルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、粘稠剤は、セルロース剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースである。粘稠剤の量は、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約2%、約0.1%〜約1%、約0.1%〜約0.4%、又は約0.2%とすることができる。一実施形態では、粘稠剤は、約0.1%〜約0.4%(例えば、約0.2%)のヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
一実施形態では、医薬組成物は、微生物汚染を最小限に抑える、又は貯蔵寿命を延ばすための1つ以上の防腐剤を含む。例示の防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム(BAK)、セトリモニウム、クロロブタノール、エデト酸二ナトリウム(EDTA)、ポリクオタニウム−1(Polyquad(商標))、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、安定化オキシクロロ錯体(PURITE(商標))、過ホウ酸ナトリウム、及びSofZia(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。防腐剤の量は、例えば、約0.02%未満、約0.004%以下、又は約0.005%〜約0.01%とすることができる。
一実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の安定剤を含む。例示の安定剤としては、アラニン等のアミノ酸が挙げられるが、これに限定されない。安定剤の量は、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約2%、約0.1%〜約1%、約0.25%〜約0.75%、約0.2%〜約0.6%、又は約0.5%とすることができる。一実施形態では、安定剤は、約0.2%〜約0.6%(例えば、約0.5%)のアラニンである。
一実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の乳化剤を含む。例示の乳化剤としては、ポリソルベート80が挙げられるが、これに限定されない。
本明細書に記載の化合物を、眼疾患に有用であることが知られている他の活性剤と、又は単独では有効とはなり得ないが、活性剤の有効性に寄与し得る補助剤とともに互いに組み合わせて使用することができる。例えば、補助剤は、活性剤の有効性を高めるための1つ以上のアミノ酸又はコリン(リポ酸化合物とは別個の)を含み得る。この組合せは、例えば、代謝による分解を抑えるのに有利であり得る。
「同時投与」という用語は、或る活性剤の生理学的効果の期間が、第2の活性剤の生理学的効果の期間と重複するように、2種以上の活性剤を投与することを意味する。幾つかの実施形態では、同時投与は、第2の活性剤の投与の0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、又は24時間以内に或る活性剤を投与することを含む。同時投与は、2つの活性剤を同時に、ほぼ同時に(例えば、互いに約1分、5分、10分、15分、20分、又は30分以内に)、又は任意の順序で連続して投与することを含む。幾つかの実施形態では、同時投与は、同時配合、すなわち両方の活性剤を含む単一の医薬組成物の作製により達成することができる。他の実施形態では、活性剤は別個に配合することができる。別の実施形態では、活性剤及び/又は補助剤は、互いに連結又は結合していてもよい。一実施形態では、1つ以上の医薬品添加剤は、緩衝剤、等張化剤、及び粘稠剤からなる群より選択される。
医薬配合物は、限定するものではないが、単回投与ユニット又は複数回投与ユニット、例えば滴下ボトルを含む当該技術分野において既知の任意の手段による投与のためにパッケージングすることができる。複数回投与ユニットは、例えば、約1mL〜約100mL、約1mL〜約50mL、約1mL〜約10mL、約2mL〜約7mL、又は約5mLを含むことができる。単回投与は、例えば、1滴〜10滴、1滴〜5滴、又は2滴〜3滴とすることができ、各液滴は、約5μl〜約50μl、約10μl〜約30μl又は約20μlである。活性剤の濃度及び患者の病態に応じて、投与を行うことができる。
等価物
本開示は、特に神経疾患及びその合併症を処置するための組成物及び方法を提供する。本開示の特定の実施形態について詳述したが、上記の明細書は例示的なものであり、制限するものではない。本明細書の系及び方法の多くの変形例について、本明細書を検討すれば当業者には明らかとなるであろう。特許請求した系及び方法の全範囲は、特許請求の範囲とその等価物の全範囲、及び明細書とそのような変形例を参照して決定するものとする。
参照による引用
上記に挙げたものを含む本明細書で言及した全ての刊行物及び特許は、各々の刊行物又は特許が詳細にかつ個々に参照により引用されると示されているかのように、その内容全体を引用することにより本明細書の一部をなす。矛盾する場合、本明細書における任意の定義を含む本出願に従うものとする。
式Iの化合物の合成
段階1:アセトン中のピロカルピンHClを、室温で18時間、炭酸水素ナトリウムで処理し、ピロカルピンの遊離塩基を得て、この遊離塩基と(R)−リポ酸とを室温で1時間、反応させることで、約100%の収率でピロカルピン−(R)−リポ酸塩[5−(((3R,4S)−4−エチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)メチル)−1−メチル−1H−イミダゾール−1−イウム(R)−5−(1,2−ジチオラン−3−イル)ペンタノエート]を得た。
Figure 2021503449
段階2:段階1の生成物を、50℃〜55℃で酢酸エチル(5容量)から再結晶化して、約80%の収率で黄色の結晶性ピロカルピン−(R)−リポ酸塩を得た。
NMRによるピロカルピン−(R)−リポ酸塩の特性評価
DMSO−d6溶媒中のピロカルピン−(R)−リポ酸塩の1H−NMRを得て、対応するプロトンのケミカルシフト値を下記の表1に与える。
Figure 2021503449
眼の薬物動態研究
薬物動態研究を雄性のニュージーランド白ウサギにて行い、CLX−156(ピロカルピン−(R)−リポ酸塩)配合物の眼の薬物動態を評価した。動物の各眼に50μLのCLX−156を局所投与し、房水及び血液試料を採取した後、動物を屠殺して所与の時点で水晶体、角膜及び虹彩領域を採取した。
Figure 2021503449
房水及び組織におけるピロカルピン及び(R)−リポ酸の濃度を、1群当たり1つの時点で3匹の動物において0.5時間、1時間、2時間、4時間、及び8時間で測定した(下記の表2及び表3に与えられるように)。さらに、(R)−リポ酸の濃度を水晶体領域で測定し、ピロカルピンの濃度を各々の処理動物の虹彩領域で測定した(下記の表2及び表3に与えられるように)。試料は全て、目的とする方法に適合させて、LCMS−MSを用いて分析した。
Figure 2021503449
Figure 2021503449
上述の研究及びそれにより得られる結果から、下記の観察結果が得られた:(a)房水及び水晶体領域に存在する(R)−リポ酸の最大濃度は、それぞれ21.067μg/mL及び0.122μg/gであった;(b)CLX−156配合物で処理された動物において、房水中では(R)−リポ酸が最大2時間〜4時間で検出可能であったが、水晶体領域では2時間〜8時間にかけて持続レベルの(R)−リポ酸が観察された;(c)房水及び虹彩領域に存在するピロカルピンの最大濃度は、それぞれ6.48μg/mL及び1.962μg/gと見出された;(d)CLX−156配合物で処理された動物において、房水及び虹彩領域ではピロカルピンが最大4時間及び2時間で検出可能であった。
本開示は、眼障害を患う患者及び個体により良好な治療利点を与える化合物を提供する。本開示の式Iの化合物(複数の場合もある)は、開放隅角緑内障又は高眼圧症の患者における眼内圧(IOP)の上昇の低減、急性閉塞隅角緑内障の管理、レーザー手術に伴う術後のIOP上昇の予防、及び縮瞳の誘導を助け、水晶体の弾性を改善し、老視における眼のレンズ調節機能を高める。式Iの化合物(複数の場合もある)は有益には、リポ酸の安定化をもたらし、眼組織におけるそのバイオアベイラビリティを改善する。したがって、1つ以上の式Iの化合物を含む本開示の組成物は、優れた安全性及び忍容性を含む治療活性及び有効性の向上を呈する。
上記で本発明の様々な実施形態を記載しているが、その基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態及び更なる実施形態を想到することができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。本発明は、記載の実施形態、形式、又は例に限定されず、これらは、当業者に利用可能な情報及び知識と組み合わせることで当業者が本発明を実施及び使用することができるように包含される。

Claims (18)

  1. 眼障害又はそれに関連する合併症の処置のために使用される、式I:
    Figure 2021503449
    (式中、Xは、
    Figure 2021503449
    を表す)の化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形、若しくはプロドラッグ。
  2. Figure 2021503449
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記眼障害が、黄斑変性、白内障、緑内障、糖尿病性網膜症、ドライアイ、眼神経炎、網膜色素変性症、及び老視からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  4. 眼障害又はその合併症を処置するための医薬組成物であって、少なくとも1つの請求項1又は2に記載の化合物と、薬学的に許容可能な添加剤とを含む、医薬組成物。
  5. 経口投与、鼻腔投与、局所投与、直腸投与、膣内投与、エアロゾル投与、又は非経口投与のために配合されている、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 局所眼科用配合物である、請求項4に記載の医薬組成物。
  7. 点眼配合物である、請求項4に記載の医薬組成物。
  8. 請求項1に記載の化合物を合成する方法であって、ピロカルピンをリポ酸で処理することを含む、方法。
  9. 処置を必要とする被験体において眼障害又はその合併症を処置する方法であって、該被験体に、治療有効量の式I:
    Figure 2021503449
    (式中、Xは、
    Figure 2021503449
    を表す)の化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、結晶、共結晶、鏡像異性体、立体異性体、多形、若しくはプロドラッグを投与することを含む、方法。
  10. 前記式Iの化合物が、
    Figure 2021503449
    から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記投与が、前記式Iの化合物の経口投与、鼻腔投与、局所投与、直腸投与、膣内投与、エアロゾル投与又は非経口投与を含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記式Iの化合物を薬学的に許容可能な添加剤とともに前記被験体に投与する、請求項9に記載の方法。
  13. 前記式Iの化合物を点眼剤、スワブ、軟膏、ジェル、又はミストの形態で局所投与する、請求項9に記載の方法。
  14. 前記式Iの化合物を前記被験体の少なくとも一方の眼に局所投与する、請求項9に記載の方法。
  15. 前記治療有効量が0.001mg〜1000mgの範囲である、請求項9に記載の方法。
  16. 前記被験体がヒトである、請求項9に記載の方法。
  17. 前記眼障害が、黄斑変性、白内障、緑内障、糖尿病性網膜症、ドライアイ、眼神経炎、網膜色素変性症、及び老視からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  18. 眼障害又はそれに関連する合併症を処置する医薬の製造のための請求項1又は2に記載の化合物の使用。
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