JP2021197294A - 電池及び電池の製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】リードの電気抵抗が低く確保され、高出力化が実現される電池を提供すること。【解決手段】実施形態によれば、電池は、電極群、集電タブ、端子及びリードを備える。集電タブは、横方向について外側へ電極群において突出し、端子は、高さ方向について電極群からずれて配置される。リードは、端子が接続される天板部と、高さ方向について電極群が位置する側へ天板部に対して屈曲する脚部と、を備える。脚部の天板部に対する折曲げ線は、奥行き方向に沿って形成され、脚部は、折曲げ位置から天板部に対する遠位端まで真直ぐに延設される。脚部の外表面では、奥行き方向の一方側を向く脚縁面が、集電タブに接合される。【選択図】図４

Description

本発明の実施形態は、電池及び電池の製造方法に関する。

リチウムイオン二次電池等の電池として、外装容器の内部空洞に、正極及び負極を備える電極群が収納されるものがある。この電池では、外装容器の内部空洞は、高さ方向の一方側へ開口する。そして、外装容器に蓋部材が取付けられ、内部空洞の開口は、蓋部材によって塞がれる。また、電池では、蓋部材の外表面に端子が取付けられ、端子は、高さ方向の一方側へ電極群からずれて配置される。そして、外装容器の内部空洞に配置される電極群では、高さ方向に交差する横方向について外側へ、集電タブが突出する。そして、リードによって、集電タブと端子との間が電気的に接続される。このため、リードによって、電極群と端子との間の電気経路が形成される。

前述のような電池では、電極群と端子との間の電気経路となるリードの電気抵抗を低く確保し、電池の高出力化が実現されることが、求められている。

特開２０１９−６１８８０号公報

本発明が解決しようとする課題は、リードの電気抵抗が低く確保され、高出力化が実現される電池、及び、その電池の製造方法を提供することにある。

実施形態によれば、電池は、電極群、集電タブ、端子及びリードを備える。電極群は、正極及び負極を備え、集電タブは、横方向について外側へ電極群において突出する。端子は、横方向に交差する高さ方向について電極群からずれて配置され、リードは、電極群と端子との間を電気的に接続する。リードは、端子が接続される天板部と、高さ方向について電極群が位置する側へ天板部に対して屈曲する脚部と、を備える。脚部の天板部に対する折曲げ線は、横方向及び高さ方向の両方に対して交差する奥行き方向に沿って形成され、脚部は、天板部に対する折曲げ位置から天板部に対する遠位端まで高さ方向に沿って真直ぐに延設される。脚部の外表面には、奥行き方向の一方側を向く脚縁面が設けられ、脚縁面は、集電タブに接合される。

実施形態の電池の製造方法によれば、正極及び負極から電極群を形成するとともに、電極群の長さ方向について外側へ突出する状態に集電タブを電極群に形成する。製造方法では、折曲げ線が天板部の板幅方向に沿う状態に天板部の板厚方向の一方側へ脚部を天板部に対して折曲げることにより、リードを形成するとともに、天板部に対する折曲げ位置から天板部に対する遠位端まで真直ぐに脚部を形成する。製造方法では、端子にリードの天板部を接続する。また、製造方法では、電極群の長さ方向に対して交差する電極群の幅方向について電極群からずれた位置に、天板部が接続された端子を配置するとともに、天板部に対する折曲げ位置から天板部に対する遠位端まで電極群の幅方向に脚部が沿う状態に、リードを配置する。製造方法では、電極群の幅方向に沿って配置された脚部の外表面において、電極群の長さ方向及び電極群の幅方向の両方に対して交差する電極群の厚さ方向の一方側を向く脚縁面を、集電タブに接合し、電極群と端子との間を電気的に接続する。

図１は、第１の実施形態に係る電池を概略的に示す斜視図である。 図２は、第１の実施形態に係る電池を部材ごとに分解して状態で概略的に示す斜視図である。 図３は、第１の実施形態に係る電池のリードを概略的に示す斜視図である。 図４は、第１の実施形態に係る電池において、電極群と端子との間のリードを介しての電気的な接続構造を概略的に示す斜視図である。 図５は、第１の実施形態に係る電池において、電極群と端子との間のリードを介しての電気的な接続構造を、電池の横方向に垂直又は略垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図６は、第１の実施形態に係る電池の電極群及び集電タブを、電極群の長さ方向に垂直又は略垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図７は、第１の変形例に係る電池において、電極群と端子との間のリードを介しての電気的な接続構造を、電池の横方向に垂直又は略垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図８は、第２の変形例に係る電池において、電極群と端子との間のリードを介しての電気的な接続構造を、電池の横方向に垂直又は略垂直な断面で概略的に示す断面図である。 図９は、第３の変形例に係る電池において、電極群と端子との間のリードを介しての電気的な接続構造を、電池の横方向に垂直又は略垂直な断面で概略的に示す断面図である。

以下、実施形態について図面を参照して、説明する。

（第１の実施形態）
図１及び図２は、第１の実施形態に係る電池１を示す。図２では、電池１が部材ごとに分解された状態で示される。図１及び図２に示すように、電池１は、電極群２、外装容器３及び蓋部材５を備える。外装容器３及び蓋部材５のそれぞれは、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、銅又はステンレス等の金属から形成される。ここで、電池１では、横方向（矢印Ｘ１及び矢印Ｘ２で示す方向）、横方向に対して交差する（垂直又は略垂直な）高さ方向（矢印Ｙ１及び矢印Ｙ２で示す方向）、及び、横方向及び高さ方向の両方に対して交差する（垂直又は略垂直な）奥行き方向（矢印Ｚ１及び矢印Ｚ２で示す方向）が、規定される。電池１及び外装容器３のそれぞれでは、奥行き方向についての寸法が、横方向についての寸法、及び、高さ方向についての寸法のそれぞれに比べて、小さい。

外装容器３は、底壁６及び周壁７を備える。電極群２が収納される内部空洞８は、底壁６及び周壁７によって規定される。外装容器３では、内部空洞８は、高さ方向について、底壁６が位置する側とは反対側へ向かって開口する。周壁７は、二対の側壁１１，１２を備える。一対の側壁１１は、横方向について内部空洞８を挟んで対向する。一対の側壁１２は、奥行き方向について内部空洞８を挟んで対向する。側壁１１のそれぞれは、側壁１２の間に、奥行き方向に沿って連続して延設される。側壁１２のそれぞれは、側壁１１の間に、横方向に沿って連続して延設される。蓋部材５は、底壁６とは反対側の端部で、周壁７に取付けられる。このため、蓋部材５は、外装容器３の内部空洞８の開口を塞ぐ。蓋部材５及び底壁６は、高さ方向について内部空洞８を挟んで対向する。

電極群２は、正極１３及び負極１４を備える。電極群２では、正極１３と負極１４との間にセパレータ（図示しない）が介在する。セパレータは、電気的絶縁性を有する材料から形成され、正極１３を負極１４に対して電気的に絶縁する。

正極１３は、正極集電箔等の正極集電体１３Ａと、正極集電体１３Ａの表面に担持される正極活物質含有層（図示しない）と、を備える。正極集電体１３Ａは、これらに限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔等であり、厚さが１０μｍ〜２０μｍ程度である。正極活物質含有層は、正極活物質を備え、結着剤及び導電剤を任意に含んでもよい。正極活物質としては、これらに限定されるものではないが、リチウムイオンを吸蔵放出できる酸化物、硫化物及びポリマー等が挙げられる。正極集電体１３Ａは、正極活物質含有層が未担持の部分として、正極集電タブ１３Ｂを備える。

負極１４は、負極集電箔等の負極集電体１４Ａと、負極集電体１４Ａの表面に担持される負極活物質含有層（図示しない）と、を備える。負極集電体１４Ａは、これらに限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔又は銅箔等であり、厚さが１０μｍ〜２０μｍ程度である。負極活物質含有層は、負極活物質を備え、結着剤及び導電剤を任意に含んでもよい。負極活物質としては、特に限定されるものではないが、リチウムイオンを吸蔵放出できる金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物及び炭素材料等が挙げられる。負極集電体１４Ａは、負極活物質含有層が未担持の部分として、負極集電タブ１４Ｂを備える。

電極群２では、長さ方向（矢印Ｘ３及び矢印Ｘ４で示す方向）、長さ方向に対して交差する（垂直又は略垂直な）幅方向（矢印Ｙ３及び矢印Ｙ４で示す方向）、及び、長さ方向及び幅方向の両方に対して交差する厚さ方向（矢印Ｚ３及び矢印Ｚ４で示す方向）が、規定される。そして、電極群２では、厚さ方向についての寸法が、長さ方向についての寸法及び幅方向についての寸法のそれぞれに比べて、小さい。このため、電極群２は、扁平形状に形成される。電極群２では、正極集電タブ１３Ｂは、長さ方向の一方側へ、負極１４及びセパレータに対して突出する。そして、負極集電タブ１４Ｂは、長さ方向について、正極１３及びセパレータに対して、正極集電タブ１３Ｂが突出する側とは反対側へ突出する。本実施形態の電極群２では、正極活物質含有層と負極活物質含有層との間でセパレータが挟まれた状態で、正極１３、負極１４及びセパレータが捲回軸Ｃを中心として捲回される。捲回軸Ｃは、電極群２の長さ方向に沿う。

本実施形態では、電極群２の長さ方向が電池１（外装容器３）の横方向と一致又は略一致し、かつ、電極群２の幅方向が電池１の高さ方向と一致又は略一致する状態で、電極群２が内部空洞８に配置される。また、電池１では、電極群２の厚さ方向が、電池１の奥行き方向と一致又は略一致する。そして、外装容器３の内部空洞８では、正極集電タブ１３Ｂは、電池１の横方向の一方側へ負極１４及びセパレータに対して突出する。また、負極集電タブ１４Ｂは、正極１３及びセパレータに対して、電池１の横方向について正極集電タブ１３Ｂが突出する側とは反対側に、突出する。

また、内部空洞８では、電極群２に、電解液（図示しない）が保持（含浸）される。電解液は、電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液であってもよく、水溶液等の水系電解液であってもよい。電解液の代わりに、ゲル状電解質が用いられてもよく、固体電解質が用いられてもよい。固体電解質が電解質として用いられる場合、電極群２において、固体電解質が、セパレータの代わりに、正極１３と負極１４との間に介在する。この場合、固体電解質により、正極１３が負極１４に対して電気的に絶縁される。

電池１では、蓋部材５の外表面（上面）に、一対の端子１６が取付けられる。端子１６は、金属等の導電材料から形成される。端子１６の一方が電池１の正極端子であり、端子１６の他方が電池１の負極端子である。また、蓋部材５には、一対の貫通孔１７が設けられ、貫通孔１７は、電池１の高さ方向について蓋部材５を貫通する。端子１６のそれぞれと蓋部材５との間には、絶縁部材１８が設けられる。また、貫通孔１７のそれぞれには、絶縁ガスケット１９が配置される。端子１６のそれぞれは、絶縁部材１８及び絶縁ガスケット１９によって、蓋部材５及び外装容器３に対して電気的に絶縁される。

前述のように一対の端子１６が設けられるため、端子１６のそれぞれは、電池１の高さ方向（電極群２の幅方向）の一方側に電極群２からずれて配置される。そして、端子１６のそれぞれは、電池１の高さ方向について、電極群２に対して、蓋部材５が位置する側に配置され、電池１の高さ方向の一方側から電極群２に対向する。このため、端子１６の一方である負極端子は、電極群２から、端子１６の負極端子とは別の一方である正極端子が位置する側へ、ずれて配置される。また、一対の端子１６は、電池１の横方向（電極群２の長さ方向）について、互いに対して離れて配置される。そして、負極端子は、負極集電タブ１４Ｂが突出する側へ、正極端子から離れて配置される。

外装容器３の内部空洞８には、一対のリード２０が配置される。電極群２の正極集電タブ１３Ｂは、リード２０の対応する一方である正極側リードを介して、端子１６の対応する一方である正極端子に、電気的に接続される。また、電極群２の負極集電タブ１４Ｂは、リード２０の対応する一方である負極側リードを介して、端子１６の対応する一方である負極端子に、電気的に接続される。このため、端子１６のそれぞれは、リード２０の対応する一方を介して、電極群２に電気的に接続される。リード２０のそれぞれは、金属等の導電材料から形成される。リード２０を形成する導電材料としては、アルミニウム、ステンレス、銅及び鉄等が挙げられる。

また、外装容器３の内部空洞８では、一対の絶縁ガード２１、及び、電極群押さえ２３が配置される。絶縁ガード２１のそれぞれは、電気的絶縁性を有する材料から形成される。リード２０の一方である正極側リード、及び、正極集電タブ１３Ｂのそれぞれは、絶縁ガード２１の対応する一方によって、外装容器３への接触が防止され、外装容器３に対して電気的に絶縁される。また、リード２０の一方である負極側リード、及び、負極集電タブ１４Ｂのそれぞれは、絶縁ガード２１の対応する一方によって、外装容器３への接触が防止され、外装容器３に対して電気的に絶縁される。絶縁ガード２１のそれぞれは、絶縁テープ２５によって、電極群２に固定される。絶縁テープ２５は、電気的絶縁性を有する材料から形成される。

また、電極群押さえ２３は、電池１の高さ方向について電極群２と蓋部材５との間に、配置される。電極群押さえ（内部絶縁部材）２３は、電気的絶縁性を有する材料から形成される。正極集電タブ１３Ｂ、負極集電タブ１４Ｂ及び一対のリード２０は、電極群押さえ２３によって、蓋部材５への接触が防止され、蓋部材５に対して電気的に絶縁される。

また、図１及び図２の一例では、蓋部材５に、ガス開放弁２６及び注液口２７が、形成される。そして、蓋部材５の外表面に、注液口２７を塞ぐ封止板２８が、溶接される。なお、ガス開放弁２６及び注液口２７等は、電池１に設けられなくてもよい。

図３は、リード２０の構成を示し、図４及び図５は、電極群２と端子１６のそれぞれとの間のリード２０の対応する一方を介しての電気的な接続構造を示す。図３及び図４は、斜視図を示し、図４では、外装容器３、蓋部材５及び電極群抑え２３等は省略して示す。また、図５は、電池１の横方向（電極群２の長さ方向）に対して垂直又は略垂直な断面を示し、外装容器３及び絶縁ガード２１等は省略して示す。図２乃至図５等に示すように、リード２０のそれぞれは、天板部３１及び脚部３２を備える。

天板部３１では、長さ方向（矢印Ｘ５及び矢印Ｘ６で示す方向）、長さ方向に対して交差する（垂直又は略垂直な）板幅方向（矢印Ｚ５及び矢印Ｚ６で示す方向）、及び、長さ方向及び板幅方向の両方に対して交差する（垂直又は略垂直な）板厚方向（矢印Ｙ５及び矢印Ｙ６で示す方向）が、規定される。天板部３１は、延設端Ｅ１，Ｅ２を有し、延設端Ｅ１から延設端Ｅ２まで長さ方向に沿って延設される。また、天板部３１では、長さ方向について延設端Ｅ１，Ｅ２の間に、貫通孔３３が形成され、貫通孔３３は、天板部３１を板厚方向に貫通する。

また、リード２０のそれぞれには、脚部３２は、１つのみ形成される。脚部３２は、天板部３１の延設端Ｅ２に接続される。脚部３２は、天板部３１への接続位置（天板部３１の延設端Ｅ２）を折曲げ位置として、天板部３１に対して屈曲する。脚部３２は、天板部３１の板厚方向の一方側（矢印Ｙ６側）へ、天板部３１に対して屈曲する。このため、脚部３２は、天板部３１の厚さ方向の一方側へ、天板部３１に対して突出する。そして、脚部３２の天板部３１からの突出端が、脚部３２の天板部３１に対する遠位端Ｅ３となる。遠位端Ｅ３は、脚部３２において天板部３１への接続位置とは反対側の端となる。天板部３１に対する脚部３２の折曲げ位置での折曲げ線は、天板部３１の板幅方向に沿う。本実施形態では、脚部３２の天板部３１に対する折り曲位置において、脚部３２の屈曲角度は、９０度又は略９０度となる。

脚部３２は、板状に形成される。また、脚部３２は、天板部３１に対する折曲げ位置（天板部３１への接続位置）から天板部３１に対する遠位端（天板部３１からの突出端）Ｅ３まで、天板部３１の板厚方向に沿って真直ぐ又は略真直ぐに延設される。このため、脚部３２は、天板部３１への接続位置（天板部３１の延設端Ｅ２）と天板部３１に対する遠位端Ｅ３との間において、天板部３１の長さ方向及び天板部３１の板幅方向に折曲げられることなく、延設される。また、リード２０のそれぞれでは、脚部３２の板幅方向は、天板部３１の板幅方向と一致又は略一致し、脚部３２の板厚方向は、天板部３１の板幅方向及び天板部３１の板厚方向の両方に対して交差する（垂直又は略垂直になる）。このため、脚部３２の天板部３１への接続位置から脚部３２の天板部３１に対する遠位端Ｅ３までの脚部３２の延設方向、すなわち、脚部３２の長さ方向は、天板部３１の板厚方向と一致又は略一致する。

また、リード２０のそれぞれでは、脚部３２の外表面は、一対の脚主面３５，３６、及び、一対の脚縁面３７，３８から形成される。脚主面（第１の脚主面）３５は、脚部３２の板厚方向の一方側、すなわち、天板部３１の長さ方向の一方側を向く。脚主面（第２の脚主面）３６は、脚部３２の板厚方向、すなわち、天板部３１の長さ方向について、脚主面３５とは反対側を向く。本実施形態では、脚主面３５は、天板部３１の長さ方向について、天板部３１の延設端Ｅ１が位置する側を向き、脚主面３６は、天板部３１の長さ方向について、天板部３１の延設端Ｅ１が位置する側とは反対側を向く。また、本実施形態では、脚主面３５，３６のそれぞれは、脚部３２の天板部３１への接続位置から脚部３２の天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、天板部３１の板厚方向及び天板部３１の板幅方向の両方に対して、平行又は略平行になる。したがって、脚主面３５，３６のそれぞれは、脚部３２の天板部３１への接続位置から脚部３２の天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、天板部３１の長さ方向に対して、垂直又は略垂直になる。

脚縁面（第１の脚縁面）３７は、脚部３２の板幅方向（天板部３１の板幅方向）について脚部３２の一方側の縁において、脚主面３５，３６の間を中継し、脚主面３５から脚主面３６まで脚部３２の板厚方向（天板部３１の長さ方向）に沿って連続して延設される。そして、脚縁面３７は、脚部３２の板幅方向の一方側を向く。また、脚縁面（第２の脚縁面）３８は、脚部３２の板幅方向（天板部３１の板幅方向）について脚縁面３７とは反対側の縁において、脚主面３５，３６の間を中継し、脚主面３５から脚主面３６まで脚部３２の板厚方向（天板部３１の長さ方向）に沿って連続して延設される。そして、脚縁面３８は、脚部３２の板幅方向について、脚縁面３７とは反対側を向く。本実施形態では、脚縁面３７，３８のそれぞれは、脚部３２の天板部３１への接続位置から脚部３２の天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、天板部３１の板厚方向及び天板部３１の長さ方向の両方に対して、平行又は略平行になる。したがって、脚縁面３７，３８のそれぞれは、脚部３２の天板部３１への接続位置から脚部３２の天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、天板部３１の板幅方向に対して、垂直又は略垂直になる。

図６は、電極群２及び集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの構成を示す。図６では、電極群２の長さ方向に垂直又は略垂直な断面が、示される。図２、図４乃至図６等に示すように、電極群２では、長さ方向の一方側の端部に電極群端面４１Ａが設けられ、長さ方向について電極群端面４１Ａとは反対側の端部に電極群端面４１Ｂが設けられる。電極群端面４１Ａ，４１Ｂは、電極群２の長さ方向について、互いに対して反対側を向き、電極群端面４１Ａ，４１Ｂのそれぞれは、電極群２の長さ方向について外側を向く。電池１では、電極群端面４１Ａ，４１Ｂのそれぞれは、横方向の外側を向く。また、正極集電タブ１３Ｂは電極群端面４１Ａから電極群端面４１Ａが向く側へ突出し、負極集電タブ１４Ｂは電極群端面４１Ｂから電極群端面４１Ｂが向く側へ突出する。電池１では、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれは、電極群端面４１Ａ，４１Ｂの対応する一方を根元位置として、横方向の外側へ突出する。

集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれは、タブ延設部４２，４３及びタブ側方部４５を備える。タブ延設部（第１のタブ延設部）４２は、電極群２の幅方向に沿って延設される。タブ延設部（第２のタブ延設部）４３は、電極群２の厚さ方向についてタブ延設部４２から離れた位置に形成され、電極群２の幅方向に沿って延設される。前述のようにタブ延設部４２，４３が形成されるため、電極群２の厚さ方向についてタブ延設部４２，４３の間には、空間４６が形成される。集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、タブ側方部４５によって、電極群２の幅方向についての一方側の端（縁）が形成される。そして、タブ延設部４２，４３のそれぞれの一端は、タブ側方部４５に接続される。タブ側方部４５は、タブ延設部４２，４３の間を中継し、タブ延設部４３は、タブ側方部４５において、タブ延設部４２に対して折返される。本実施形態では、タブ延設部４２は、タブ側方部４５を間に介してのみ、タブ延設部４３と連続する。

集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいてタブ延設部４２，４３の間の空間４６は、電極群２の幅方向についてタブ側方部４５とは反対側に向かって、開口４７において開口する。開口４７は、タブ延設部４２のタブ側方部４５に対する遠位端Ｅ４とタブ延設部４３のタブ側方部４５に対する遠位端Ｅ５との間に、形成される。また、空間４６には、電極群２の幅方向について開口４７とは反対側からタブ側方部４５が隣接し、空間４６は、電極群２の幅方向について開口４７とは反対側へは開口しない。また、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれに形成される空間４６は、電極群２の長さ方向の外側へ、開口する。前述のようにタブ延設部４２，４３及びタブ側方部４５が形成されるため、本実施形態では、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれは、電極群２の長さ方向の外側から視て、Ｕ字状又は略Ｕ字状になる。

集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、タブ延設部４３のタブ側方部４５に対する遠位端Ｅ５は、タブ延設部４２のタブ側方部４５に対する遠位端Ｅ４に比べて、電極群２の幅方向について、タブ側方部４５から離れて位置する。このため、タブ延設部（第２のタブ延設部）４３は、タブ延設部（第１のタブ延設部）４２よりも、電極群２の幅方向についてタブ側方部４５から離れた位置まで、延設される。したがって、タブ延設部４３は、タブ側方部４５から離れる側へ、タブ延設部４２（遠位端Ｅ４）を超えて延設される追加延設部分４８を備える。

電池１では、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、タブ延設部４２，４３のそれぞれは、高さ方向に沿って延設され、タブ延設部（第２のタブ延設部）４３は、奥行き方向についてタブ延設部（第１のタブ延設部）４２から離れて形成される。また、電池１では、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、タブ側方部４５は、高さ方向について、タブ延設部４２，４３に対して、端子１６とは反対側、すなわち、底壁６が位置する側に配置される。このため、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、タブ延設部４２，４３の間の空間４６は、電池１の高さ方向について端子１６が位置する側に向かって、開口４７において開口する。また、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、空間４６は、電池１の横方向の外側へ向かっても、開口する。

電池１では、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、タブ延設部４３のタブ側方部４５に対する遠位端Ｅ５は、タブ延設部４２のタブ側方部４５に対する遠位端Ｅ４に比べて、高さ方向について、端子１６に近い位置に位置する。このため、タブ延設部（第２のタブ延設部）４３は、タブ延設部（第１のタブ延設部）４２よりも、電池１の高さ方向について、端子１６に近い位置まで延設される。したがって、タブ延設部４３では、追加延設部分４８は、電池１の高さ方向について端子１６が位置する側へ、タブ延設部４２（遠位端Ｅ４）を超えて延設される。

図２、図４及び図５等に示すように、電池１の内部空洞８では、一対のリード２０のそれぞれの天板部３１は、電池１の高さ方向について電極群２と電極群押さえ２３との間に配置され、電極群２と電極群押さえ２３との間で挟まれる。リード２０のそれぞれでは、天板部３１の長さ方向が、電池１の横方向（電極群２の長さ方向）と一致又は略一致し、天板部３１の板幅方向が、電池１の奥行き方向（電極群２の厚さ方向）と一致又は略一致する。そして、リード２０のそれぞれでは、天板部３１の板厚方向が、電池１の高さ方向（電極群２の幅方向）と一致又は略一致する。また、リード２０のそれぞれでは、天板部３１において、延設端Ｅ１及び貫通孔３３が、延設端Ｅ２（脚部３２の天板部３１に対する折曲げ位置）に比べて、電池１の横方向について内側に位置する。このため、リード２０のそれぞれの天板部３１は、延設端Ｅ１から延設端Ｅ２まで、電池１の横方向について外側へ向かって延設される。電池１では、一対のリード２０のそれぞれの天板部３１に、端子１６の対応する一方、すなわち、正極端子及び負極端子の対応する一方が、接続される。リード２０のそれぞれでは、天板部３１の貫通孔３３に、端子１６の対応する一方が挿入される。そして、貫通孔３３でのカシメ固定等によって、リード２０のそれぞれに、端子１６の対応する一方が接続される。

また、電池１の内部空洞８では、一対のリード２０のそれぞれの脚部３２は、電池１の横方向について、側壁１１の対応する一方と電極群２との間に配置される。リード２０のそれぞれでは、脚部３２の板幅方向が、電池１の奥行き方向（電極群２の厚さ方向）と一致又は略一致し、脚部３２の板厚方向が、電池１の横方向（電極群２の長さ方向）と一致又は略一致する。また、リード２０のそれぞれでは、脚部３２は、電池１の横方向について、貫通孔３３、すなわち、端子１６の対応する一方の接続位置に対して、外側に配置される。

また、リード２０のそれぞれでは、脚部３２は、電池１の高さ方向について電極群２及び底壁６が位置する側へ向かって、天板部３１に対して屈曲する。そして、脚部３２の天板部３１に対する折曲げ線は、電池１の奥行き向に沿う。また、リード２０のそれぞれでは、脚部３２は、天板部３１に対する折曲げ位置（天板部３１の延設端Ｅ２）から天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、電池１の高さ方向に沿って真直ぐ又は略真直ぐに延設される。集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、タブ延設部４２，４３の間の空間４６に、リード２０の対応する一方の脚部３２が、開口４７から挿入される。したがって、リード２０のそれぞれの脚部３２は、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方において、タブ延設部４２，４３の間に、電池１の高さ方向について端子１６が位置する側から挿入される。

リード２０のそれぞれの脚部３２では、脚主面（第１の脚主面）３５は、電池１の横方向について内側を向き、電極群端面４１Ａ，４１Ｂの対応する一方と対向する。また、脚主面（第２の脚主面）３６は、電池１の横方向について外側を向く。リード２０のそれぞれでは、脚部３２の脚主面３５，３６のそれぞれは、脚部３２の天板部３１への接続位置から脚部３２の天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、電極群端面４１Ａ，４１Ｂの対応する一方に対して平行又は略平行に形成され、電池１の高さ方向及び電池１の奥行き方向の両方に対して平行又は略平行になる。また、リード２０のそれぞれの脚部３２では、脚縁面（第１の脚縁面）３７は、電池１の奥行き方向の一方側を向き、脚縁面（第２の脚縁面）３８は、電池１の奥行き方向について脚縁面３７とは反対側を向く。リード２０のそれぞれでは、脚部３２の脚縁面３７，３８のそれぞれは、脚部３２の天板部３１への接続位置から脚部３２の天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、電池１の高さ方向及び電池１の横方向の両方に対して平行又は略平行になる。

また、図２、図４及び図５等に示すように、外装容器３の内部空洞８には、二対のクリップ（バックアップリード）５１，５２が配置される。集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、タブ延設部４２，４３のそれぞれにおいて、複数の帯状部が束ねられる。集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれのタブ延設部（第１のタブ延設部）４２では、束ねられた複数の帯状部が、一対のクリップ５１の対応する一方で挟まれる。そして、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれのタブ延設部（第２のタブ延設部）４３では、束ねられた複数の帯状部が、一対のクリップ５２の対応する一方で挟まれる。タブ延設部４３では、追加延設部分４８が、クリップ５２で挟まれる。

また、リード２０のそれぞれでは、脚部３２が、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方に接合（接続）される。本実施形態では、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、リード２０の対応する一方の脚部３２の脚縁面（第１の脚縁面）３７が、タブ延設部（第１のタブ延設部）４２に接合される。脚部３２の脚縁面３７は、クリップ５１を間に介してタブ延設部４２に接合されるとともに、電池１の奥行き方向についてタブ延設部４３が位置する側からタブ延設部４２に接合される。

また、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、リード２０の対応する一方の脚部３２の脚縁面（第２の脚縁面）３８が、タブ延設部（第２のタブ延設部）４３の追加延設部分４８に接合される。脚部３２の脚縁面３８は、クリップ５２を間に介してタブ延設部４３に接合されるとともに、電池１の奥行き方向についてタブ延設部４２が位置する側からタブ延設部４３に接合される。本実施形態では、タブ延設部４３において追加延設部分４８に脚縁面３８が接合されるため、脚縁面３７のタブ延設部４２への接合位置（第１の接合位置）に比べて、脚縁面３８のタブ延設部４３への接合位置（第２の接合位置）は、電池１の高さ方向について端子１６に近い位置に形成される。

ここで、電池１の製造について説明する。電池１の製造においては、捲回軸Ｃを中心として正極１３及び負極１４等を捲回する等して、電極群２を形成する。この際、電極群２には、電極群２の長さ方向について外側へ突出する状態で、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂが形成される。また、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂは、互いに対して反対側へ突出する状態に、形成される。集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれの形成では、電極群２において長さ方向の外側への突出部分の一部が、カットされる。例えば、電極群２において長さ方向の外側への突出部分のそれぞれでは、図６の破線で示す部分５３をカットすることにより、タブ延設部４２，４３及びタブ側方部４５を備える集電タブ（１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方）が形成される。

なお、部分５３がカットされる前の集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、部分５３によって、電極群２の幅方向についてタブ側方部４５とは反対側の端が、形成される。そして、部分５３は、タブ延設部４２，４３の間の空間４６に、タブ側方部４５とは反対側から隣接する。そして、突出部分（集電タブ１３Ｂ，１４Ｂ）のそれぞれでは、部分５３がカットされる前は、タブ延設部４２は、タブ側方部４５を間に介してタブ延設部４３と連続するとともに、部分５３を間に介してもタブ延設部４３と連続する。集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、部分５３をカットすることにより、空間４６の開口４７が形成され、空間４６は、開口４７において、電極群２の幅方向についてタブ側方部４５とは反対側へ開口する。また、本実施形態では、タブ延設部４３の追加延設部分４８が形成される状態に、部分５３がカットされる。

また、電池１の製造においては、前述した一対のリード２０を形成する。この際、リード２０のそれぞれでは、天板部３１及び脚部３２は、前述した構成に形成される。このため、リード２０のそれぞれでは、折曲げ線が天板部３１の板幅方向に沿う状態に、天板部３１の板厚方向の一方側へ脚部３２が天板部３１に対して折曲げられる。そして、脚部３２は、天板部３１に対する折曲げ位置から天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで真直ぐ又は略真直ぐに、形成される。

そして、電池１の製造では、蓋部材５の外表面に一対の端子１６を取付け、端子１６のそれぞれにリード２０の対応する一方の天板部３１を接続する。そして、端子１６のそれぞれにリード２０の対応する一方の天板部３１を接続された状態で、端子１６及び天板部３１を、電極群２の幅方向について電極群２からずれた位置に配置する。

そして、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、タブ延設部４２，４３の間の空間４６に、リード２０の対応する一方の脚部３２を、電極群２の幅方向について端子１６が位置する側から、すなわち、開口４７から挿入する。これにより、リード２０のそれぞれの脚部３２は、天板部３１に対する折曲げ位置から天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、電極群２の幅方向に沿う状態になる。また、リード２０のそれぞれの脚部３２では、脚主面３５が、電極群端面４１Ａ，４１Ｂの対応する一方と対向し、脚主面３６が、電極群２の長さ方向について外側を向く。そして、リード２０のそれぞれの脚部３２では、脚縁面３７が、電極群２の厚さ方向の一方側を向き、脚縁面３８が、電極群２の厚さ方向について脚縁面３７とは反対側を向く。

そして、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、タブ延設部４２に、リード２０の対応する一方の脚部３２の脚縁面３７を、超音波溶接等によって接合する。この際、タブ延設部４２がクリップ５１に挟まれた状態で、脚部３２の脚縁面３７は、電極群２の厚さ方向についてタブ延設部４３が位置する側から、タブ延設部４２に接合される。また、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、タブ延設部４３の追加延設部分４８に、リード２０の対応する一方の脚部３２の脚縁面３８を、超音波溶接等によって接合する。この際、タブ延設部４３がクリップ５２に挟まれた状態で、脚部３２の脚縁面３８は、電極群２の厚さ方向についてタブ延設部４２が位置する側から、タブ延設部４３に接合される。集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにリード２０の対応する一方の脚部３２が接合されることにより、電極群２が端子１６のそれぞれに電気的に接続される。

そして、電池１の製造では、電極群２、リード２０、蓋部材５及び端子１６等の組立て体を、外装容器３の内部空洞８に挿入し、電極群２及びリード２０を内部空洞８に収納する。そして、外装容器３の周壁７に蓋部材５を溶接等によって、取付ける。これにより、内部空洞８の開口が、蓋部材５によって塞がれる。

本実施形態のリード２０では、天板部３１に対する折曲げ位置での折曲げ線が天板部３１の板幅方向に沿う状態で、脚部３２が天板部３１に対して屈曲する。そして、脚部３２の板幅方向は、天板部３１の板幅方向と一致又は略一致する。このため、天板部３１の長さ方向（延設端Ｅ１から延設端Ｅ２までの延設方向）に折曲げ線が沿う状態に脚部が天板部３１に対して屈曲する構成等とは異なり、天板部３１において脚部３２の接続位置及びその近傍に、切欠き等を形成する必要はない。これにより、脚部３２が接続される部分及びその近傍、すなわち、延設端Ｅ２及びその近傍において、天板部３１の断面積が大きく確保される。

また、本実施形態では、リード２０の脚部３２は、天板部３１に対する折曲げ位置から天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、電池１の高さ方向（天板部３１の板厚方向）に沿って真直ぐ又は略真直ぐに延設される。すなわち、脚部３２は、天板部３１への接続位置と天板部３１に対する遠位端Ｅ３との間において、電池１の横方向（天板部３１の長さ方向）及び電池１の奥行き方向（天板部３１の板幅方向）に折曲げられない。このため、リード２０のそれぞれでは、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方への接合位置（接続位置）から端子１６の対応する一方の接続位置（貫通孔３３）までの延設長が、短く確保される。すなわち、リード２０によって、電極群２と端子１６との間の電気経路の経路長が、短く確保される。

前述のように本実施形態のリード２０では、天板部３１の断面積が大きく確保されるとともに、電極群２と端子１６との間の電気経路の経路長が短く確保される。このため、リード２０の電気抵抗は、低く確保される。電極群２と端子１６との間の電気経路となるリード２０の電気抵抗が低くなることより、電池１の高出力化が実現される。

また、本実施形態のリード２０のそれぞれでは、脚部３２の外表面において、脚縁面３７は、天板部３１の幅方向の一方側を向き、脚縁面３８は、天板部３１の幅方向について脚縁面３７とは反対側を向く。このため、リード２０のそれぞれでは、脚部３２が天板部３１に対して前述のように屈曲する構成であっても、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方のタブ延設部４２に、脚縁面３７を電極群２の厚さ方向の一方側から容易に接合可能である。同様に、リード２０のそれぞれでは、脚縁面３８についても、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方のタブ延設部４３に、電極群２の厚さ方向についてタブ延設部４２が位置する側から容易に接合可能である。したがって、本実施形態では、脚部３２が天板部３１に対して前述のように屈曲する構成であっても、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれへリード２０の対応する一方を接合する作業の作業性が、確保される。

また、本実施形態の集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、タブ延設部４２，４３の間の空間４６は、電極群２の幅方向についてタブ側方部４５とは反対側に向かって、開口４７において開口する。このため、リード２０のそれぞれでは、脚部３２が前述のように真直ぐ又は略真直ぐに延設される構成であっても、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方に形成される空間４６に、脚部３２を開口４７から容易に挿入可能である。リード２０のそれぞれの脚部３２が集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方の空間４６に容易に挿入されることにより、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方へリード２０のそれぞれを接合する作業等の作業性が、さらに向上する。

また、本実施形態では、電極群２の形成において、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂ（電極群２の長さ方向の外側への突出部分）のそれぞれから部分５３をカットすることにより、空間４６の開口４７が形成される。このため、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれに空間４６の開口４７が形成される構成であっても、手間等が増大することなく又はほとんど増大することなく、電極群２が形成される。

また、本実施形態の集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、タブ延設部４３の追加延設部分４８は、電池１の高さ方向について端子１６が位置する側（タブ側方部４５から離れる側）へ、タブ延設部４２（遠位端Ｅ４）を超えて延設される。そして、リード２０の脚部３２の脚縁面３８は、タブ延設部４３の追加延設部分４８に接合される。このため、脚縁面３７のタブ延設部４２への接合位置に比べて、脚縁面３８のタブ延設部４３への接合位置は、電池１の高さ方向について端子１６に近い位置に形成される。これにより、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにリード２０の対応する一方の脚部３２を２つの接合位置で接合する場合でも、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれへリード２０の対応する一方を接合する作業の作業性が、確保される。

（変形例）
なお、図７に示す第１の変形例では、タブ延設部４３のタブ側方部４５に対する遠位端Ｅ５は、タブ延設部４２のタブ側方部４５に対する遠位端Ｅ４に対して、電池１の高さ方向（電極群２の幅方向）について、ずれていない又はほとんどずれていない。このため、タブ延設部４３に、追加延設部分４８は形成されない。そして、脚縁面（第１の脚縁面）３７のタブ延設部（第１のタブ延設部）４２への接合位置（第１の接合位置）に対して、脚縁面（第２の脚縁面）３８のタブ延設部（第２のタブ延設部）４３への接合位置（第２の接合位置）は、電池１の高さ方向について、ずれていない又はほとんどずれていない。本変形例でも、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、空間４６は、電極群２の幅方向についてタブ側方部４５とは反対側へ、開口４７で開口する。そして、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれの形成では、電極群２の長さ方向の外側への突出部分の一部（図７の破線で示す部分５３）が、カットされ、開口４７が形成される。

また、ある変形例では、第１の変形例と同様に、タブ延設部４３の遠位端Ｅ５は、タブ延設部４２の遠位端Ｅ４に対して、電池１の高さ方向（電極群２の幅方向）について、ずれていない又はほとんどずれていない。ただし、本変形例では、脚縁面３７のみがタブ延設部４２へ接合され、脚縁面３８はタブ延設部４３へ接合されない。

また、図８の第２の変形例では、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、タブ延設部４３が設けられない。このため、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、空間４６及び開口４７は形成されない。本変形例でも、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれには、タブ延設部４２及びタブ側方部４５が形成される。そして、リード２０のそれぞれの脚部３２の脚縁面３７は、電池１の奥行き方向（電極群２の厚さ方向）の一方側から、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方のタブ延設部４２に接合される。本変形例でも、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれの形成において、電極群２の長さ方向の外側への突出部分の一部（図８の破線で示す部分５３）が、カットされる。部分５３がカットされる前の集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれでは、タブ延設部４２のタブ側方部４５とは反対側の端が、部分５３に接続される。

また、第１の実施形態の変形例として、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂのそれぞれにおいて、タブ延設部４２，４３の少なくとも一方に２つのクリップ（バックアップリード）が取付けられてもよい。例えば、図９の第３の変形例では、タブ延設部４２に第１のクリップ（第１のバックアップリード）５１Ａ及び第２のクリップ（第２のバックアップリード）５１Ｂの２つのクリップが取付けられる。クリップ５１Ａ，５１Ｂは、電極群２の幅方向について互いに対して離れた位置で、タブ延設部４２に取付けられる。本変形例では、タブ延設部４２は、第１のクリップ５１Ａを間に介して、リード２０の脚部３２の脚縁面３７に接合されるとともに、第２のクリップ５１Ｂを間に介して、電池１の高さ方向について第１のクリップ５１Ａから離れた位置で、リード２０の脚部３２の脚縁面３７に接合される。すなわち、タブ延設部４２は、互いに対して異なる２箇所で、リード２０の脚部３２の脚縁面３７に接合される。

また、ある変形例では、電極群２は、捲回構造ではなく、複数の正極１３及び複数の負極１４が交互に積層されるスタック構造であってもよい。この場合も、電極群２において正極１３と負極１４との間は、セパレータ等で電気的に絶縁される。また、電極群２がスタック構造である場合、電極群２の長さ方向の外側への突出部分のそれぞれにおいて、一部をカットすることなく、前述の空間４６の開口４７等を形成可能になる。すなわち、電極群２の長さ方向の外側への突出部分（集電タブ１３Ｂ，１４Ｂ）のそれぞれにおいて、一部をカットすることなく、真直ぐ又は略真直ぐに延設される脚部３２の脚縁面３７を、タブ延設部４２に接合可能になる。

前述したいずれの変形例においても、第１の実施形態等と同様に、リード２０は、天板部３１と、天板部３１の板厚方向の一方側へ天板部３１に対して屈曲する脚部３２と、を備える。そして、脚部３２の板幅方向は、天板部３１の板幅方向と一致又は略一致する。このため、第１の実施形態等と同様に、脚部３２が接続される部分及びその近傍、すなわち、延設端Ｅ２及びその近傍において、天板部３１の断面積が大きく確保される。また、前述したいずれの変形例においても、第１の実施形態等と同様に、リード２０の脚部３２は、天板部３１に対する折曲げ位置から天板部３１に対する遠位端Ｅ３まで、電池１の高さ方向（天板部３１の板厚方向）に沿って真直ぐ又は略真直ぐに延設される。このため、リード２０のそれぞれでは、集電タブ１３Ｂ，１４Ｂの対応する一方への接合位置から端子１６の対応する一方の接続位置（貫通孔３３）までの延設長が、短く確保される。したがって、前述したいずれの変形例でも、リード２０の電気抵抗が低く確保され、電池１の高出力化が実現される。

なお、正極集電タブ１３Ｂ及び正極側リードを間に介する電極群２から正極端子までの正極側の電気的な接続構造、及び、負極集電タブ１４Ｂ及び負極側リードを間に介する電極群２から負極の電気的な接続構造の両方を、前述した実施形態及び変形例等のいずれかと同様の構成にする必要はない。すなわち、正極側の接続構造及び負極側の接続構造の少なくとも一方が、前述した実施形態及び変形例等のいずれかと同様の構成であればよい。

これらの少なくとも一つの実施形態又は実施例によれば、リードにおいて、脚部は、電池の高さ方向について電極群が位置する側へ天板部に対して屈曲し、脚部の天板部に対する折曲げ線は、電池の奥行き方向に沿う。リードの脚部は、天板部に対する折曲げ位置から天板部に対する遠位端まで、電池の高さ方向に沿って真直ぐに延設される。脚部の外表面の脚縁面は、電池の奥行き方向の一方側を向き、集電タブに接合される。これにより、リードの電気抵抗が低く確保され、高出力化が実現される電池を提供することができる。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

１…電池、２…電極群、１３…正極、１３Ｂ…集電タブ（正極集電タブ）、１４…負極、１４Ｂ…集電タブ（負極集電タブ）、１６…端子、２０…リード、３１…天板部、３２…脚部、３５…脚主面（第１の脚主面）、３６…脚主面（第２の脚主面）、３７…脚縁面（第１の脚縁面）、３８…脚縁面（第２の脚縁面）、４１Ａ，４１Ｂ…電極群端面、４２…タブ延設部（第１のタブ延設部）、４３…タブ延設部（第２のタブ延設部）。

Claims (7)

1. 正極及び負極を備える電極群と、
   横方向について外側へ前記電極群において突出する集電タブと、
   前記横方向に交差する高さ方向について前記電極群からずれて配置される端子と、
   前記電極群と前記端子との間を電気的に接続するリードと、
   を具備し、
   前記リードは、
   前記端子が接続される天板部と、
   前記高さ方向について前記電極群が位置する側へ前記天板部に対して屈曲し、前記横方向及び前記高さ方向の両方に対して交差する奥行き方向に沿って前記天板部に対する折曲げ線が形成される脚部であって、前記天板部に対する折曲げ位置から前記天板部に対する遠位端まで前記高さ方向に沿って真直ぐに延設される脚部と、
   前記脚部の外表面において前記奥行き方向の一方側を向き、前記集電タブに接合される第１の脚縁面と、
   を備える、電池。
2. 前記集電タブは、
   前記高さ方向に沿って延設される第１のタブ延設部と、
   前記奥行き方向について前記第１のタブ延設部から離れて形成され、前記高さ方向に沿って延設される第２のタブ延設部と、
   を備え、
   前記リードの前記脚部は、前記高さ方向について前記端子が位置する側から、前記第１のタブ延設部と前記第２のタブ延設部との間に挿入され、
   前記脚部の前記第１の脚縁面は、前記奥行き方向について前記第２のタブ延設部が位置する側から、前記第１のタブ延設部に接合される、
   請求項１の電池。
3. 前記リードの前記脚部は、前記外表面において前記第１の脚縁面とは反対側を向く第２の脚縁面を備え、
   前記第２の脚縁面は、前記奥行き方向について前記第１のタブ延設部が位置する側から、前記第２のタブ延設部に接合される、
   請求項２の電池。
4. 前記第２のタブ延設部は、前記第１のタブ延設部よりも、前記高さ方向について前記端子に近い位置まで延設され、
   前記第２の脚縁面の前記第２のタブ延設部への接合位置は、前記第１の脚縁面の前記第１のタブ延設部への接合位置に比べて、前記高さ方向について前記端子に近い位置に形成される、
   請求項３の電池。
5. 前記電極群は、前記横方向について外側を向く電極群端面を備え、
   前記集電タブは、前記横方向について前記外側へ前記電極群端面から突出し、
   前記リードの前記脚部は、
   前記外表面において前記電極群端面と対向し、前記天板部に対する前記脚部の前記折曲げ位置から前記天板部に対する前記脚部の前記遠位端まで前記電極群端面に対して平行に形成される第１の脚主面と、
   前記外表面において前記第１の脚主面とは反対側を向き、前記天板部に対する前記脚部の前記折曲げ位置から前記天板部に対する前記脚部の前記遠位端まで前記電極群端面に対して平行に形成される第２の脚主面と、
   を備え、
   前記第１の脚縁面は、前記脚部の一方側の縁において前記第１の脚主面と前記第２の脚主面との間を中継する、
   請求項１乃至４のいずれか１項の電池。
6. 前記集電タブは、前記横方向の一方側へ前記電極群において突出する正極集電タブ、及び、前記電極群において前記正極集電タブが突出する側とは反対側に突出する負極集電タブの少なくとも一方であり、
   前記端子は、前記高さ方向の一方側に前記電極群からずれて配置される正極端子、及び、前記高さ方向について前記電極群から前記正極端子が位置する側にずれ、かつ、前記横方向について前記負極集電タブが突出する側へ前記正極端子から離れて配置される負極端子の少なくとも一方であり、
   前記リードは、前記正極集電タブと前記正極端子との間を電気的に接続する正極側リード、及び、前記負極集電タブと前記負極端子との間を電気的に接続する負極側リードの少なくとも一方である、
   請求項１乃至５のいずれか１項の電池。
7. 正極及び負極から電極群を形成するとともに、前記電極群の長さ方向について外側へ突出する状態に集電タブを前記電極群に形成することと、
   折曲げ線が天板部の板幅方向に沿う状態に前記天板部の板厚方向の一方側へ脚部を前記天板部に対して折曲げることにより、リードを形成するとともに、前記天板部に対する折曲げ位置から前記天板部に対する遠位端まで真直ぐに前記脚部を形成することと、
   端子に前記リードの前記天板部を接続することと、
   前記電極群の前記長さ方向に対して交差する前記電極群の幅方向について前記電極群からずれた位置に、前記天板部が接続された前記端子を配置するとともに、前記天板部に対する前記折曲げ位置から前記天板部に対する前記遠位端まで前記電極群の前記幅方向に前記脚部が沿う状態に、前記リードを配置することと、
   前記電極群の前記幅方向に沿って配置された前記脚部の外表面において、前記電極群の前記長さ方向及び前記電極群の前記幅方向の両方に対して交差する前記電極群の厚さ方向の一方側を向く脚縁面を、前記集電タブに接合し、前記電極群と前記端子との間を電気的に接続することと、
   を具備する、電池の製造方法。

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