JP2021196246A - 温度検出装置 - Google Patents

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昌 服部
Akira Hattori
健太郎 石井
Kentaro Ishii
裕史 川内
Hiroshi Kawauchi
侑 金田
Yu Kaneda
悠介 西浦
Yusuke NISHIURA
由莉佳 三宅
Yukari Miyake
亮輔 横尾
Ryosuke Yokoo
賢 舛屋
Ken Masuya
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【課題】ランプで加熱されるワークの温度を正確に測定できる温度検出装置を提供する。【解決手段】温度検出装置1は、ランプ2で加熱されるワークWを温度検出の対象とする放射温度計11と、当該放射温度計11の検出波長域とは異なる波長域でランプ2の光量を検出する光量検出部12と、補正処理部13と、を備える。そして、補正処理部13は、放射温度計11で検出されるワークWの温度(検出温度T)を、光量検出部12で検出されるランプ2の光量(検出光量d)を用いて補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、ランプで加熱されるワークの温度を検出する温度検出装置に関する。
従来、ランプアニール装置では、短波長域(例えば4μm以下の波長域)を検出波長域とする放射温度計を用いてワークの温度を検出することが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。その理由の1つとして、ランプアニール装置では、光透過性と耐熱性とを兼ね備えた石英チューブが熱処理室として用いられることが多く、その一方で、石英の光透過率は4μmより大きい波長域で著しく低くなるため、石英チューブ外でワークの温度を検出するためには、放射温度計として、石英を透過する光の波長域(4μm以下)を検出波長域とするものが必要であったことが挙げられる。
また、ワークの温度が400℃より低い場合、当該ワークの放射エネルギに含まれる短波長域の成分は著しく小さくなる。このため、短波長域を検出波長域とする放射温度計は、石英チューブ外でワークの温度を測定する場合に限らず、ワークの温度を直接的に測定する場合でも、400℃より低い温度を正確に測定することは難しく、従って、短波長域の成分が大きくなる400℃以上の温度域での測定に使用されることが多い。
特開平8−53766号公報
一方、ランプでワークを加熱する方法は、太陽電池用の半導体ウェハなどを製造する過程でワークを低温(400℃より低い温度)で熱処理する場合(例えば脱バインダ処理など)にも適用できる。この場合、400℃より低い温度を測定できる温度計が必要となる。そして、そのような温度計として、長波長域(例えば8μm以上の波長域)を検出波長域とする放射温度計を用いることができる。
しかし、放射温度計は、その検出波長域が短波長域であるか長波長域であるかに拘らず、少なからずランプの光の影響を受ける。例えば、ワークの表面で反射したランプの光が放射温度計に影響する。このようなランプの光の影響は、放射温度計による温度の測定精度を低下させる。
そこで本発明の目的は、ランプで加熱されるワークの温度を正確に測定できる温度検出装置を提供することである。
本発明に係る温度検出装置は、ランプで加熱されるワークを温度検出の対象とする放射温度計と、前記放射温度計の検出波長域である第1波長域λw1とは異なる検出波長域である第2波長域λw2でランプの光量を検出する光量検出部と、補正処理部と、を備える。そして、補正処理部は、放射温度計で検出されるワークの温度を、光量検出部で検出されるランプの光量を用いて補正する。
上記温度検出装置によれば、補正処理部により、放射温度計で検出されるワークの温度からランプの光の影響が取り除かれ、その結果として、ワークの正確な温度が得られる。
上記温度検出装置において、光量検出部は、放射温度計で検出可能な所定の温度域においてワークの放射エネルギの分布波長域と重ならない波長域又は当該分布波長域との重なりが小さい波長域でランプの光量を検出してもよい。これにより、放射温度計で検出可能な所定の温度域において、ワークから放射される光についての光量検出部での検出が抑えられ、その結果として、光量検出部は、ランプの光(外乱光)を精度良く検出することが可能になる。
上記温度検出装置において、補正処理部は、第1演算処理部と、第2演算処理部と、第3演算処理部と、第4演算処理部と、を含んでいてもよい。
第1演算処理部は、光量検出部で検出されるランプの光量から当該ランプの色温度を算出する。色温度を算出することでランプの光(外乱光)の光量に比例する放射エネルギを求めることが可能である。
第2演算処理部は、前記放射温度計に対して前記第1波長域λw1で照射される前記ランプの光量と、前記光量検出部に対して前記第2波長域λw2で照射される前記ランプの光量との比率である光量比Rを、前記第1演算処理部で算出された前記色温度Tcにおける前記ランプの放射エネルギの波長分布を用いて算出する。
ここで、光量比Rは、プランクの法則を用いて算出できる。すなわち、第3演算処理部は、光量検出部で検出されるランプの光量に、第2演算処理部で算出された光量比Rを乗ずることにより、放射温度計に対して前記第1波長域λw1において照射されるランプの光量の推定値を算出し、算出した当該推定値を、放射温度計で検出される温度のズレ幅に換算する。第4演算処理部は、放射温度計で検出されるワークの温度を、第3演算処理部で算出されたズレ幅で補正する。
上記構成において、光量比Rは、前記放射温度計に対して前記第1波長域λw1で照射される前記ランプの光量と、前記光量検出部に対して前記第2波長域λw2で照射される前記ランプの光量との比率(理論値)であり、どちらか一方の光量の値が得られれば、その値からもう一方の光量を推定するのに利用できる。よって、放射温度計で検出されるワークの温度に真値からのズレが生じる場合に、放射温度計に対して前記第1波長域λw1において影響するランプの放射エネルギ(光量に比例)を、光量検出部で実測されるランプの光量を光量比Rに乗ずることで精度良く推定できる。そして、推定した光量(推定値)を温度のズレ幅に換算することで、そのズレ幅を用いて、放射温度計で検出されるワークの温度を精度良く補正できる。
上記温度検出装置において、第1波長域λw1は8μm以上14μm以下であって、第2波長域λw2は1.1μm以下であってもよい。このような第1波長域λw1(長波長域)を検出波長域とする放射温度計によれば、400℃以下の低温を含む温度域でワークの温度を測定できる。そして、上記補正処理部によれば、低温の温度域であっても、放射温度計で検出されるワークの温度が精度良く補正される。よって、上記温度検出装置によれば、低温の温度域を含む広い温度範囲でワークの温度を正確に測定できる。また、長波長域(8μm以上)を検出波長域とする放射温度計は、短波長域(例えば4μm以下)を検出波長域とする放射温度計より廉価である。
本発明によれば、ランプで加熱されるワークの温度を正確に測定できる。
実施形態に係る温度検出装置を示した概念図である。 放射温度計で検出されるワークの温度(検出温度T)の真値Trからのズレを示した図である。 黒体放射モデルに従った熱放射を行うワークについての放射エネルギLwの波長分布特性を、ワークの温度ごとに示した図である。 シリコンフォトダイオードの分光感度特性を示した図である。 補正処理の流れを示したフローチャートである。 光量検出部の検出光量dとランプの色温度Tcとの関係を示した図である。 ランプ2をオンしてオフするまでの放射温度計11で検出する温度指示値を示す図である。 予め計算により得られた光量比Rのテーブルをグラフで表したものである。
図1は、実施形態に係る温度検出装置1を示した概念図である。温度検出装置1は、放射温度計11と、光量検出部12と、補正処理部13と、を備え、ランプ2でワークWを加熱する様々な装置(ランプアニール装置や乾燥装置など)に適用できる。ランプ2は、熱放射で光を発するものであり、ハロゲンランプなど、黒体放射モデル(黒体についての放射エネルギLの波長分布特性と同等の特性を示すモデル)に従った熱放射を行うものである。そして、ワークWの加熱には、可視光線から赤外線までの波長域の光が主に用いられる。図1には、ワークWを上下何れからも加熱できるように、ワークWの上面及び下面の各面に沿ってランプ2を複数配列した構成が示されている。尚、ワークWに対するランプ2の配置構成は、これに限定されず、種々の変形が可能である。
<放射温度計>
放射温度計11は、ランプ2で加熱されるワークWを温度検出の対象とする。放射温度計11として、パイロメータなどの放射温度計を採用することができる。また、放射温度計11として、温度を検出する際の検出波長域(第1波長域λw1)が8μm以上14μm以下の長波長域であるものを採用することができる(第1波長域λw1:下限値λ1a=8μm、上限値λ1b=14μm)。
このような長波長域の放射温度計によれば、室温から1000℃程度までの温度域(即ち、400℃以下の低温を含む温度域)でワークWの温度Twを測定できる。尚、放射温度計11は、このような波長域を検出波長域とするものに限らず、検出したい温度域などに応じて別の波長域を検出波長域とするものへ適宜変更できる。
放射温度計11の検出波長域(第1波長域λw1)は、測定対象であるワークWの
温度による放射エネルギLwの分布波長域の少なくとも一部と重なりを有する。
即ち、放射温度計11の検出波長域が、ワークWの放射エネルギLwの分布波長域の
範囲内に含まれる場合、または放射温度計11の検出波長域における短波長側の一部がワークWの放射エネルギLwの分布波長域の長波長側の一部と重なりを有する場合がある。
ここで、放射温度計11には、ランプ2の発光に起因した外乱光が入射する。この外乱光は、ワークWの表面で反射したランプ2の光などである。一例として、ワークWが、表面に鏡面加工が施された半導体ウェハなどである場合、ランプ2の光は、ワークWの表面で強く反射されて放射温度計11に外乱光として入射する。このため、放射温度計11は、ワークWから放射される光(ワークWの温度による熱放射)だけでなく、ノイズとして入射するランプ2の光(外乱光)を長波長域で検出してしまう。その結果として、放射温度計11で検出されるワークWの温度Tw(検出温度T)が、ランプ2の光(外乱光)の分だけ真値Trよりも大きくなってしまう。
図2は、検出温度Tの真値Trからのズレを示した図である。このような検出温度Tのズレは、ワークWを加熱するためにランプ2の輝度が高くなっている場合や、ワークWの温度Twが400℃以下の低温である場合など、放射温度計11に対するランプ2の光(外乱光)の影響が大きい場合に顕著に現れる。
そこで、本実施形態の温度検出装置1は、光量検出部12及び補正処理部13を用いて放射温度計11の検出温度Tを補正する。以下、具体的に説明する。
<光量検出部>
光量検出部12は、放射温度計11の検出波長域である第1波長域λw1とは異なる検出波長域である第2波長域λw2でランプ2の光量を検出する。具体的には、光量検出部12は、以下の条件を満たす波長域を検出波長域(第2波長域λw2)として、ランプ2の光量を検出する。
(条件)放射温度計11で検出可能な所定の温度域においてワークWの放射エネルギLwの分布波長域と重ならない波長域又は当該分布波長域との重なりが小さい波長域。
また、光量検出部12は、上記所定の温度域において、放射温度計11がランプ2の光(外乱光)の影響を受けやすい温度域における検出能力が高いことが望ましい。すなわち、上記条件を満たす波長域を光量検出部12の検出波長域とすることで、放射温度計11がランプ2の光(外乱光)の影響を受けやすい上記所定の温度域において、ワークWから放射される光についての光量検出部12での検出が抑えられる。その結果として、光量検出部12は、ランプ2の光(外乱光)を精度よく検出する。
本実施形態では、放射温度計11は、検出可能な温度域のうちの400℃以下の温度域(所定の温度域)でランプ2の光(外乱光)の影響を受けやすくなる。ここで、ワークWの熱放射は、黒体放射モデル(黒体についての放射エネルギLの波長分布特性と同等の特性を示すモデル)に従う。図3は、黒体放射モデルに従った熱放射を行うワークWについての放射エネルギLwの波長分布特性を、ワークWの温度Twごとに示した図である。図3に示されるように、ワークWの温度Twが400℃である場合、ワークWの放射エネルギLwは、1.1μm以下の波長域において著しく小さくなる。また、ワークWの温度Twが400℃より低い温度であっても、1.1μm以下の波長域では、ワークWの放射エネルギLwは著しく小さいままである。よって、400℃以下の温度域(所定の温度域)では、ワークWの放射エネルギLwが分布する波長域の下限値は1.1μmとなる。従って、光量検出部12にてランプ2の光(外乱光)を精度良く検出するために、光量検出部12の検出波長域を、上記条件を満たす1.1μm以下の波長域とすることが良い。
これにより、光量検出部12は、400℃以下のワークからの放射エネルギーを殆ど検出することがなく、ランプ2の光を精度よく検出することが出来る。
このような光量検出部12として、1.1μm以下の短波長域を検出波長域とするセンサ、例えばシリコンフォトダイオードを含むセンサ、を採用することが出来る(検出波長域:下限値λ2a=0μm、上限値λ2b=1.1μm)。
また、光量検出部12として、図4に示す分光感度特性を有するものを採用することもできる。図4はシリコンフォトダイオードの分光感度特性を示す。
このシリコンフォトダイオードの分光感度特性は、図4に示すように、0.95μm近傍の波長域で検出感度Rsがピークとなり、1.1μm近傍でRsは著しく小さくなる。
これにより、光量検出部12は、ワークWの温度に対する放射を検出することが抑制され、ランプ2の光を精度よく検出することができる。
この光量検出部12の検出感度Rsのピーク波長は、放射温度計11の検出感度のピーク波長に対して短波長側に位置することが好ましい。さらに、ランプ2の発光色温度(1500〜2800K程度)のピーク波長より短波長側に位置することが、より好ましい。
これにより、放射温度計11がランプ2の光(外乱光)の影響を受けやすい上記所定の温度域(400℃以下)において、ワークWから放射される光についての光量検出部12での検出が抑えられ、その結果として、光量検出部12は、ランプ2の光(外乱光)を短波長域で精度良く検出することが可能になる。一方、放射温度計11は、上述したように、ワークWから放射される光だけでなく、ノイズとして入射するランプ2の光(外乱光)を長波長域で検出してしまう。そこで本実施形態では、補正処理部13が、放射温度計11で検出されるワークWの温度Tw(検出温度T)を、光量検出部12で検出されるランプ2の光量(検出光量d)を用いて補正する(補正処理)。
ここで、光量検出部12による放射エネルギの検出は、以上に説明した場合に限らない。例えば、図4に示されるように、光量検出部12は、検出波長域として1.1μm以上、1.2μm以下の範囲も含む。従って、この場合、より厳密には、光量検出部12の検出波長域は、400℃の温度のワークWの放射エネルギLwの分光波長と重なりを生じる。よって、光量検出部12は、ランプ2の光に加え、ワークWの放射も検出する。
また、ワークWの温度が400℃以上よりさらに高い温度となる場合、ワークWの温度に伴う放射として1.1μm以下の波長域の放射も含み、光量検出部12は、この放射も検出する。
従って、後に説明する放射温度計11の検出温度Tを補正する際の精度を高める観点から、光量検出部12が検出する全部の光量dに含まれるランプ2に対する検出値を、ワークWの放射に対する検出値より十分大きくし、光量検出部12がランプ2の光量を精度高く検出できることが好ましい。
<補正処理部>
補正処理部13は、補正処理を実行するための構成として、第1演算処理部131と、第2演算処理部132と、第3演算処理部133と、第4演算処理部134と、を含む。これらの処理部は、補正処理部13内に回路を構築することによってハードウェアで構成されてもよいし、補正処理部13が備えるCPU(Central Processing Unit)やマイクロコンピュータ等の処理装置にプログラムを実行させることによってソフトウェアで構成されてもよい。そして、そのようなプログラムは、読取り可能な状態で記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ等)に記憶されてもよいし、温度検出装置1が備える記憶装置(不図示)に記憶されてもよい。
図5は、補正処理部13が実行する補正処理の流れを示したフローチャートである。補正処理は、放射温度計11の検出温度Tが補正処理部13に入力された場合に開始する。このとき、補正処理部13には、放射温度計11によるワークWの温度検出と同時に光量検出部12で検出されたランプ2の光量(検出光量d)も入力される。
補正処理が開始すると、先ず第1演算処理部131が、光量検出部12の検出光量dから当該ランプ2の色温度Tcを算出する(ステップS11)。色温度Tcを算出する理由は、色温度Tcから、放射温度計11に対して影響を及ぼすランプ2の放射エネルギ(光量に比例する)を、演算により推定できるからである。具体的には、第1演算処理部131は、光量検出部12の検出光量dとランプ2の色温度Tcとの関係式に基づいて、光量検出部12で実測された検出光量dから色温度Tcを算出する。この関係式は、シミュレーションや実測によって予め得られるものであり、一例としてTc=A・ln(d)+B(A、Bは定数)である。尚、図6は、光量検出部12の検出光量dとランプ2の色温度Tcとの関係をグラフで示した図である。尚、図6では、検出光量dは、ランプ2の発光制御量を最大にしたときに光量検出部12で検出されるランプ2の光量(最大検出光量)を基準にして、それに対する割合(%)で示されている。
本実施形態では、ランプ2は、ハロゲンランプなど、黒体放射モデル(黒体についての放射エネルギLの波長分布特性と同等の特性を示すモデル)に従った熱放射で光を発するものである。このため、ステップS11で算出された色温度Tcにおけるランプ2の放射エネルギLh(λ、Tc)の波長分布は、当該色温度Tcにおける黒体の放射エネルギL(λ、Tc)の波長分布にほぼ一致する。ここで、黒体の放射エネルギL(λ、Tc)は、プランクの法則に従って数式(1)で表される。
Figure 2021196246
下記の数式(2)は、放射温度計11において第1波長域λw1で検出するランプ2の放射エネルギと、光量検出部12において第2波長域λw2で検出するランプ2の放射エネルギとが、それぞれ、ランプ2の光量に比例することを示している。
すなわち、前者は、Lh(λ、Tc)の積分値(下限:λ1a、上限:λ1b)で得られる。また、後者は、Lh(λ、Tc)の積分値(下限:λ2a、上限:λ2b)で得られる。そして、これらの放射エネルギはランプ2の検出光量に比例する。ここでは、放射温度計11が第1波長域λw1で検出するランプ2の検出光量をdnとし、光量検出部12が第2波長域λw2で検出するランプ2の検出光量をdとしている。
本実施形態では、第1波長域λw1は、下限値λ1a=8μm、上限値λ1b=14μmであり、第2波長域λw2は、下限値λ2a=0μm、上限値λ2b=1.1μmである。
Figure 2021196246
数式(2)において、ランプ2の検出光量dnは第1波長域λw1で検出するランプ2の放射エネルギに比例し、ランプ2の検出光量dは第2波長域λw2で検出するランプ2の放射エネルギに比例することを示すから、
dn:Lh(λ、Tc)の積分値(下限:λ1a、上限:λ1b)
d:Lh(λ、Tc)の積分値(下限:λ2a、上限:λ2b)
である。
したがって、光量検出部12が検出している実際の光量Aをdn/dに乗じることで、第1波長域λw1において放射温度計11に対するランプ2の影響分を推定できる。
そこで、まず、ステップS12で、第2演算処理部132が、検出光量dn及びdの比率である光量比Rの理論値を、数式(3)を用いて算出する。
Figure 2021196246
なお、光量比Rは、あらかじめ計算した結果をテーブルで保持していても良い。図8は、このテーブルの内容を示すグラフである。
ステップS12の後、第3演算処理部133が、光量検出部12で実測された検出光量Aに、第2演算処理部132(ステップS12)で算出された光量比Rを乗ずることにより(A×R)、放射温度計11に対して第1波長域λw1で影響を及ぼすランプ2の放射エネルギ(光量(検出光量dn)に比例)の推定値dsを算出する(ステップS13。ds=A×R)。また、第3演算処理部133は、算出した推定値dsを、放射温度計11で検出される温度のズレ幅ΔT(図2参照)に換算する(ステップS13)。
上記のようにして求めたズレ幅ΔTにより、ワークWの温度の真値Trを求めることが出来る(図2参照)。
なお、実際には、ランプ2の光量のすべてが放射温度計11に入射するわけではない。そこで、以下のように放射温度計11を校正して補正係数gを求める方法で、さらに正確な温度検出を実現できる。
補正係数gにより、放射温度計11の第1波長域λw1においてランプ2が影響を及ぼす量は、g×ds(A×R)である。
図7はランプ2をオンしてオフするまでの放射温度計11で検出する温度指示値を示す。
t1においてランプ2をオンし、t2においてランプ2をオフすると、t2での温度指示値は、ランプ光量分が減少した値、つまりワークWの温度真値となる。そして、t2でランプ光量分が減少した値は、放射温度計11の第1波長域λw1においてランプ2が影響を及ぼす値に等しく、この値はΔTとして計測できる。
ΔT=g×A×Rであり、g=ΔT/A/Rとなる。
t2のときの温度指示値をS、温度真値をSrealとすると、
ΔT=S−Sreal
ΔT=g×A×Rであるから、
A×Rはdsとして求められるから、gは、g=ΔT/ds。
このようにして得られたgを用いて、ΔT=g×A×Rの式により、真値Trをより正確に求める。
ここで、上述したように光量検出部12の検出波長域(第2波長域λw2)がワークWの放射エネルギLwの分布波長域と重なる場合には、光量検出部12は、ランプ2の光(外乱光)だけでなく、ワークWから放射される光をも検出してしまう。このため、波長域が重なっている分だけ、光量検出部12で実測される検出光量AにワークWの放射光量が含まれてしまい、ステップS13で算出される推定値ds(又はズレ幅ΔT)の精度に影響する。従って、この精度を高めるためには、光量検出部12で実測される検出光量Aに含まれるランプ2の光量を、当該検出光量Aに含まれるワークWの放射光量よりも十分に大きくすることが条件として必要とされる。以下、具体的に説明する。
先ず、光量検出部12での検出精度Pが、次のように規定される。即ち、光量検出部12で実測される検出光量Aに含まれるランプ2の光量(検出光量d1)及びワークWの放射光量(検出光量d2)の理論値は、加熱時におけるランプ2の温度Th(=色温度Tc)及びワークWの温度Twと、黒体放射モデルに従うランプ2の放射エネルギLh(λ、T)及びワークWの放射エネルギLw(λ、T)と、光量検出部12の検出感度Rs(λ)と、を用いて、数式(4)で表される。そして、光量検出部12での検出精度Pは、検出光量d1及びd2の比率(d1/d2)で規定される(P=d1/d2)。
Figure 2021196246
上記検出精度Pによれば、その値が大きいほど、検出光量dに含まれるランプ2の光量がワークWの放射光量より大きくなり、ステップS13で算出される推定値ds(又はズレ幅ΔT)の精度が向上する。即ち、P=10の場合には、検出光量d1に対する検出光量d2の割合(誤差)が約10%になり、P=20の場合には約5%になり、P=100の場合には約1%になる。このように光量検出部12での検出精度Pを管理することにより、ステップS13で算出される推定値ds(又はズレ幅ΔT)の精度を制御することが可能になる。
ステップS13の後、第4演算処理部134が、放射温度計11で検出されるワークWの温度Tw(検出温度T)を、第3演算処理部133(ステップS13)で算出されたズレ幅ΔTで補正する(ステップS14)。具体的には、第4演算処理部134は、検出温度Tからズレ幅ΔTを差し引いて検出温度Tを補正することにより、補正後の温度Tsを得る。
このような補正処理を行う上記温度検出装置1によれば、放射温度計11で検出されるワークWの温度Tw(検出温度T)に真値Trからのズレが生じる場合に、放射温度計11で検出されてしまうランプ2の光量(検出光量dn)を、光量比Rを用いて、光量検出部12で実測される検出光量dから推定できる。上述したように、上記条件を満たす波長域が光量検出部12の検出波長域とされているため、放射温度計11で検出可能な所定の温度域(例えば、放射温度計11がランプ2の光(外乱光)の影響を受けやすい温度域)において、ワークWから放射される光についての光量検出部12での検出が抑えられ、その結果として、光量検出部12は、ランプ2の光(外乱光)を精度良く検出することが可能になっている。よって、光量検出部12で実測された検出光量dに基づいて推定される検出光量dn(推定値ds)は、ワークWからの光量を殆ど含まず、放射温度計11で検出されてしまうランプ2の光量の推定値として精度の高いものとなる。
また、光量検出部12の検出波長域がワークWの放射エネルギLwの分布波長域と重なる場合でも、光量検出部12での検出精度Pを管理することにより、推定値dsの精度を向上させることができる。
そして、放射温度計11で検出されてしまうランプ2の光量(検出光量dn)が、検出温度Tの真値Trからのズレとして現れるため、精度良く推定された検出光量dn(推定値ds)を温度のズレ幅ΔTに換算することで、そのズレ幅ΔTを用いて放射温度計11の検出温度Tを精度良く補正できる。よって、放射温度計11の検出温度Tからランプ2の光(外乱光)の影響が取り除かれ、その結果として、ワークWの正確な温度Twが得られる。
更に本実施形態では、放射温度計11は、長波長域を検出波長域とするものであり、400℃以下の低温を含む温度域でワークWの温度Twを測定できる。そして、上記補正処理によれば、低温の温度域であっても、放射温度計11で検出されるワークWの温度Twが精度良く補正される。よって、上記温度検出装置1によれば、低温の温度域を含む広い温度範囲でワークWの温度Twを正確に測定できる。また、長波長域(8μm以上)を検出波長域とする放射温度計11は、短波長域(例えば4μm以下)を検出波長域とする放射温度計より廉価である。
尚、上述した温度検出装置1は、放射温度計11及び光量検出部12のそれぞれの検出波長域を適宜選択することにより、上述した温度域とは異なる様々な温度域でワークWの温度Twを測定することが可能になる。具体的には、上述した条件が満たされるように放射温度計11及び光量検出部12のそれぞれの検出波長域を選択することにより、そのときに使用する放射温度計11で測定可能な温度域においてワークWの温度Twを正確に測定できる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 温度検出装置
2 ランプ
W ワーク
11 放射温度計
12 光量検出部
13 補正処理部
131 第1演算処理部
132 第2演算処理部
133 第3演算処理部
134 第4演算処理部
d、dn、d1、d2 検出光量
ds 推定値
g 補正係数
L、Lh、Lw 放射エネルギ
P 検出精度
R 光量比
Rs 検出感度
T 検出温度
Tc 色温度
Th、Tw 温度
Tr 真値
ΔT ズレ幅
Ts 補正後の温度

Claims (5)

  1. ランプで加熱されるワークを温度検出の対象とする放射温度計と、
    前記放射温度計の検出波長域である第1波長域λw1とは異なる検出波長域である第2波長域λw2で前記ランプの光量を検出する光量検出部と、
    前記放射温度計で検出される前記ワークの温度を、前記光量検出部で検出される前記ランプの光量を用いて補正する補正処理部と、
    を備える、温度検出装置。
  2. 前記放射温度計の検出波長域である第1波長域λw1は、前記放射温度計で検出可能な所定の温度域において前記ワークの放射エネルギの分布波長域の少なくとも一部と重なりを有し、
    前記光量検出部で検出する前記第2波長域λw2は、前記第1波長域λw1と重ならない波長域又は前記第1波長域λw1との重なりが小さい波長域である、請求項1に記載の温度検出装置。
  3. 前記補正処理部は、
    前記光量検出部で検出される前記ランプの光量から当該ランプの色温度Tcを算出する第1演算処理部と、
    前記第1波長域λw1と波長分布に重なりを有する第1光量部分と、前記第2波長域λw2と波長分布に重なりを有する第2光量部分を含む前記ランプの光量に対して、
    放射温度計が検出する光量と光量検出部が検出する光量の比率である光量比Rを、
    前記第1演算処理部で算出された前記色温度Tcにおける前記ランプの放射エネルギの波長分布と、前記放射温度計の検出対象である第1波長域λw1に分布する放射エネルギと、前記光量検出部の検出対象である第2波長域λw2に分布する放射エネルギとに基づいて算出する第2演算処理部と、
    前記光量検出部で検出される前記ランプの光量に、前記第2演算処理部で算出された前記光量比Rを乗ずることにより、前記放射温度計に対して前記第1波長域λw1において影響する前記ランプの光量の推定値を算出し、算出した当該推定値を、前記放射温度計で検出される温度のズレ幅ΔTに換算する第3演算処理部と、
    前記放射温度計で検出される前記ワークの温度を、前記第3演算処理部で算出された前記ズレ幅ΔTで補正する第4演算処理部と、
    を含む、請求項1又は2に記載の温度検出装置。
  4. 前記第2演算処理部は、数式(5)(6)および(7)に基づいて前記光量比Rを算出する、請求項3に記載の温度検出装置。
    Figure 2021196246
    Figure 2021196246
    Figure 2021196246
    ここで、R:光量比、Lh(λ、Tc):ランプの放射エネルギ、Tc:ランプの色温度、λ:波長、λ1a及びλ1b:放射温度計の検出波長域である前記第1波長域λw1の下限値及び上限値、λ2a及びλ2b:光量検出部の検出波長域である前記第2波長域λw2の下限値及び上限値
  5. 前記放射温度計の検出波長域である前記第1波長域λw1は8μm以上14μm以下であり、
    前記光量検出部の検出波長域である前記第2波長域λw2は1.1μm以下である、請求項1〜4の何れかに記載の温度検出装置。
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