JP2022052987A - 温度検出装置及び温度検出方法 - Google Patents

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Akira Hattori
諒 岩城
Ryo Iwaki
孔助 安藤
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一晶 高原
Kazuaki Takahara
友弘 瀧本
Tomohiro Takimoto
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Abstract

【課題】熱処理室内で加熱されるワークの温度を正確に測定できる温度検出装置を提供する。【解決手段】温度検出装置1は、熱処理室(例えば、石英チューブ21)内で加熱されるワークWを対象とする第1放射温度計11と、熱処理室を対象とする第2放射温度計12と、演算処理部13と、を備える。第1放射温度計11は、熱処理室の壁に形成された透過窓に対向する第1位置に設けられ、第2放射温度計12は透過窓から離れ壁に対向する第2位置に設けられる。そして、演算処理部13は、第1放射温度計11検出温度T1と第2放射温度計12の検出温度T2を用いてワークの温度の検出を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、熱処理室内で加熱されるワークの温度を測定する温度検出装置及び温度検出方法に関する。
熱処理装置の1つであるランプアニール装置には、光透過性と耐熱性とを兼ね備えた石英チューブを熱処理室として用い、石英チューブ内のワークを、石英チューブ外に設置したランプの光で加熱するものが存在する。このようなランプアニール装置において、放射温度計を用いて石英チューブ外でワークの温度を測定する場合、石英チューブを透過できる光の波長域(4μmより小さい波長域)を検出波長域とする放射温度計が一般的に用いられる。但し、ワークの温度が400℃より低い場合には、当該ワークからは短波長域の光が殆ど放射されなくなる。このため、短波長域を検出波長域とする放射温度計は、短波長域の光が放射される400℃以上の温度域でワークの温度を測定する場合に使用されることが多かった。
特開平8-53766号公報
一方、上述したランプアニール装置は、太陽電池用の半導体ウェハなどを製造する過程でワークを低温(400℃より低い温度)で熱処理する場合(例えば脱バインダ処理など)にも適用できる。このようなランプアニール装置においてワークの温度を測定する場合、赤外線を透過する透過窓を石英チューブの側面に設け、ワークから放射される光を、当該透過窓を介して、長波長域(例えば5μm以上の波長域)を検出波長域とする放射温度計で検出することにより、ワークの温度を400℃より低い温度域でも測定することが可能になる。その一方で、熱処理時には、ランプの光のうちの4μmより大きい波長域の光が石英チューブで吸収されるため、当該石英チューブの温度も上昇し、それに伴って石英チューブから放射される光が放射温度計に影響しやすくなる。このような光の影響は、放射温度計の測定精度を低下させる。
そこで本発明の目的は、熱処理室内で加熱されるワークの温度を正確に測定できる温度検出装置を提供することである。
本発明に係る温度検出装置は、
内側の空間を囲む壁を備え、加熱されるワークが前記内側の空間に収納される熱処理室と、
前記ワークを加熱する加熱用光源と、
前記熱処理室の室外の第1位置に配置される第1放射温度計と、
前記熱処理室の室外の第2位置に配置される第2放射温度計と、
を備えている。
前記熱処理室は、前記壁の一部に、前記ワークからの熱放射を室外に透過させる透過窓を備え、
前記第1位置は、前記透過窓を透過した前記ワークからの熱放射を前記第1放射温度計が検出する位置であり、
前記第2位置は、前記透過窓を透過した前記ワークからの熱放射が前記第2放射温度計の検出視野に入らない位置である。
前記第1放射温度計と前記第2放射温度計は、前記加熱用光源から前記ワークに対して熱放射する放射光に対する有効な検出感度を有さず、所定の長波長域に対して有効な検出感度を有し、
前記第1放射温度計で測定された熱放射の第1検出値と、前記第2放射温度計で測定された熱放射の第2検出値とに基づいて前記ワークの温度を検出する。
前記第1放射温度計は、前記透過窓を透過した前記ワークからの熱放射を検出する前記第1位置に配置される。しかし、前記第1放射温度計は、前記熱処理室の壁の温度に基づく熱放射も検出する。前記第1放射温度計は、前記熱処理室の壁の温度に基づく熱放射を外乱光として検出することになる。一方、前記第2放射温度計は、前記透過窓を透過した前記ワークからの熱放射を検出しない。前記第2放射温度計は、前記熱処理室の壁からの熱放射を検出する。したがって、前記第2放射温度計で検出した熱放射の第2検出値(すなわち、前記熱処理室の壁からの熱放射)は、前記外乱光に相関する。
そこで、前記第1放射温度計で測定された熱放射の第1検出値と、前記第2放射温度計で測定された熱放射の第2検出値とに基づいて前記ワークの温度を検出する。
本発明では、また、以下のように構成出来る。
前記熱処理室は、前記壁が石英からなる石英チューブを含み、その場合の前記所定の長波長域は、最も短い低波長側の波長が略5μmとなるようにすることも出来る。
前記第2放射温度計は、前記熱処理室の前記壁からの熱放射を検出するようにも出来る。
前記第1放射温度計と前記第2放射温度計は、検出する熱放射の検出波長域が同一であるようにすることも出来る。この構成によれば、第1放射温度計及び第2放射温度計に同じものを用いることによって温度検出装置の構成を簡略化することが可能になる。
本発明では、ワークの温度Twを以下の式で求めることが出来る。なお、以下において、真値Twと温度Twは同じ意味である。
前記第1検出値をT1、前記第2検出値をT2、前記ワークの温度をTwとしたときの、前記ワークの温度Twは、
Twa=T1a[1-(ε2/ε1)・(T2a/T1a)1/4
ただし、
ε1は第1放射温度計11のワークWに対する放射率
ε2は第2放射温度計12の石英チューブ21に対する放射率
Twa、T1a、T2aは、各々、セルシウス温度(℃)で表されたTw、T1、T2を、絶対温度(K)で表した温度。
また、ワークの温度Twを以下の式で求めることも出来る。
前記第1検出値をT1、前記第2検出値をT2、前記ワークの温度をTwとして、前記ワークの温度Twは、
Twa=T1a[1-1/4(ε1/ε2)・(T2a/T1a)
ただし、
ε1は第1放射温度計11のワークWに対する放射率
ε2は第2放射温度計12の石英チューブ21に対する放射率
Twa、T1a、T2aは、各々、セルシウス温度(℃)で表されたTw、T1、T2を、絶対温度(K)で表した温度。
この計算では、1/4乗の演算を行う必要がないため、演算部の能力が高くなくても良い。
また、上記のTwa=T1a[1-1/4(ε1/ε2)・(T2a/T1a)]は、
T2a≦T1a/2の条件時において、使用することが出来る。
本発明では、また、前記ワークの温度を検出する別の方法として、前記第1放射温度計で測定された熱放射の第1検出値とワークWの温度Twとの誤差(ズレ幅)ΔTを演算により求め、前記第1検出値からΔTを引くことで温度Twを求める方法がある。
すなわち、前記第1検出値をT1、前記第2検出値をT2、前記ワークの温度をTwとして、前記ワークの温度Twは、
Twa=T1a-ΔT
ΔT=k・T1a
k=1/4・(ε2/ε1)・(T2a/T1a)
ただし、
ε1は第1放射温度計11のワークWに対する放射率
ε2は第2放射温度計12の石英チューブ21に対する放射率
Twa、T1a、T2aは、各々、セルシウス温度(℃)で表されたTw、T1、T2を、絶対温度(K)で表した温度
ΔTはワークWの温度の真値Twに対する誤差。
上記温度検出装置によれば、第1放射温度計で検出されるワークの温度(第1放射温度計で検出された検出温度(第1検出値))から、熱処理室から放射される光の影響が取り除かれ、その結果として、ワークの正確な温度が得られる。
本発明によれば、熱処理室内で加熱されるワークの温度を正確に測定できる。
実施形態に係る温度検出装置及びそれが適用されたランプアニール装置を示した概念図である。 第1放射温度計で検出されるワークの温度(検出温度T1)の真値Trからの誤差(ズレ幅)ΔT、及び第2放射温度計で検出される石英チューブの温度(検出温度T2)を示した図である。 演算処理部13でワークWの温度を求める方法について説明する図である。 ワークWの温度を求めるときの流れを示したフローチャートである。
図1は、本実施形態に係る温度検出装置1の概念図を示す。温度検出装置1はランプアニール装置2と温度測定部3とを含んでいる。
<ランプアニール装置>
ランプアニール装置2は、内側の空間を囲む壁を備え、加熱されるワークWが前記内側の空間に収納される熱処理室を備える。先ず、ランプアニール装置2の構成について説明する。ランプアニール装置2は、壁を構成する石英チューブ21と、当該石英チューブ21外に設置された加熱用光源であるランプ22と、を備え、石英チューブ21内に収納されたワークWをランプ22の光で加熱する。図1には、ワークWを上下何れからも加熱できるように、石英チューブ21の上面及び下面の各面に沿ってランプ22を複数配列した構成が示されている。尚、ランプ22の配置構成は、これに限定されず、種々の変形が可能である。
ここで、石英チューブ21を構成している石英は、4μm以下の短波長域の光を透過する一方で、4μmを超える長波長域の光を吸収する。一方、ランプ22は、熱放射で光を発するものであり、ハロゲンランプなど、光の波長域が広範囲(長波長域及び短波長域の何れをも含む範囲)に亘るものである。従って、ランプ22の光のうちの石英チューブ21を透過する短波長域の光(主に、可視光線から赤外線までの波長域の光)が、ワークWの加熱に用いられる。その一方で、ランプ22の光のうちの石英チューブ21で吸収された長波長域の光は、熱エネルギーとなって石英チューブ21の温度を上昇させるため、それに伴って石英チューブ21からは光が放射されることになる。
更に本実施形態では、石英チューブ21の側面に、少なくとも4μmを超える長波長域の光(主に赤外線)を透過させる透過窓23が設けられている。即ち、この透過窓23は、石英チューブ21内のワークWから放射される光のうちの、少なくとも4μmを超える長波長域の光を、石英チューブ21外(具体的には、後述する第1放射温度計11)へ導くためのものである。
<温度測定部>
次に、温度測定部3の構成について説明する。温度測定部3は、石英チューブ21内で加熱されるワークWの温度を測定する装置であり、第1放射温度計11と、第2放射温度計12と、演算処理部13と、を備える。尚、以下に説明する温度測定部3は、ランプアニール装置2に限らず、熱処理室内でワークWを加熱する様々な熱処理装置(乾燥装置を含む)に適用できる。
(1)第1放射温度計
第1放射温度計11は、石英チューブ21内で加熱されるワークWを温度検出の対象とする。具体的には、第1放射温度計11は、長波長域を検出波長域とする放射温度計であり、ワークWから放射される光を、透過窓23を通じて検出できる位置(第1位置)に設けられている。
本実施形態において、第1放射温度計11として、最も短い低波長側の波長が略5μmである(つまり略5μm以上の波長)長波長域を有効な検出波長域とする放射温度計(例えば、パイロメータ)を採用することが出来る。ここでいう略5μmとは、5μmとその前後数%~数10%を含む概念である。以下、説明の都合上、単に5μmという場合も略5μmを意味するものとする。また、第1放射温度計11は、石英チューブ21外において透過窓23と対向するように(第1位置)設けられている。このような長波長域の放射温度計によれば、室温から1000℃程度までの温度域でワークWの温度を測定できる。第1放射温度計11として5μm以上の波長域を有効な検出波長域とする放射温度計を使用することで、400℃より低い温度域での測定を行いやすくなる。
尚、第1放射温度計11は、5μm以上の波長域を有効な検出波長域とするものに限らず、検出したい温度域などに応じて別の波長域を検出波長域とするものへ適宜変更できる。
ここで、熱処理の過程で石英チューブ21の温度が上昇した場合、第1放射温度計11には、ワークWから放射される光だけなく、石英チューブ21から放射される光が外乱光として入射する。このため、第1放射温度計11は、ワークWから放射される光だけでなく、石英チューブ21から放射される光(外乱光)をも検出してしまう。その結果として、第1放射温度計11で検出されるワークWの温度(検出温度T1)が、石英チューブ21から放射された光(外乱光)の分だけ真値Trよりも大きくなってしまう。
尚、上述したランプアニール装置2では、ワークWを加熱するためのランプ22の光の一部が、ワークWの表面で反射して第1放射温度計11に入射することがある。しかし、ワークWに到達する光は、ランプ22の光のうちの石英チューブ21を透過した短波長域の光であり、ランプ22の光のうちの長波長域の光は石英チューブ21で吸収されてしまう。このため、たとえワークWの表面でランプ22の光の一部が反射されたとしても、反射光には長波長域の光が殆ど含まれておらず、従って、そのような反射光は第1放射温度計11には殆ど影響しない。
図2は、第1放射温度計11で検出されるワークWの温度(検出温度T1)の真値Trからの誤差(ズレ幅)ΔT、及び第2放射温度計12で検出される石英チューブ21の温度(検出温度T2)を示した図である。このような検出温度T1と真値Twとの誤差(ズレ幅)ΔTは、熱処理の過程で石英チューブ21の温度が上昇して石英チューブ21の放射光量が大きくなった場合に現れる。そして、第1放射温度計11の検出温度T1に基づいてワークWの温度を制御した場合、外乱光の分だけ、ワークWの実際の温度が目標温度よりも低くなってしまう。
そこで、本実施形態の温度検出装置1は、第1放射温度計11と第2放射温度計12を用いて演算処理部13により、ワークWの温度の真値Twを求める。以下、具体的に説明する。
(2)第2放射温度計
第2放射温度計12は、石英チューブ21を温度検出の対象とする。具体的には、第2放射温度計12は、長波長域を検出波長域とする放射温度計であり、石英チューブ21から放射される光を検出できる位置(第2位置)に設けられている。第2位置は、透過窓23を透過したワークWからの熱放射が前記第2放射温度計12の検出視野に入らない位置である。本実施形態では、第2放射温度計12は、5μm以上の長波長域を有効な検出波長域とする放射温度計(例えば、パイロメータ)であり、且つ、第1放射温度計11と同じ波長域を検出波長域とするものである。
ここで、ワークWから放射された光のうちの長波長域(4μmより大きい波長域)の光は、上述したように石英チューブ21で吸収される一方で、一部が透過窓23を通じて石英チューブ21外に導かれる。このため、第2放射温度計12の検出精度を高めるためには、第2放射温度計12は、ワークWから放射される光の影響(主に長波長域の光の影響)を受けにくい位置に設けられることが好ましい。
そこで本実施形態では、第2放射温度計12は、石英チューブ21外において、石英チューブ21の側面のうちの透過窓23とは異なる部分と対向するように、上記の第2位置に設けられている。好ましくは、第2放射温度計12は、石英チューブ21の側面のうちの透過窓23から離れた部分に対向するように設けられる。このような第2放射温度計12の配置によれば、第2放射温度計12で検出される光には、ワークWから放射された光が含まれにくくなる。よって、第2放射温度計12の検出温度T2が石英チューブ21の温度に一致しやすくなる。
一方、第1放射温度計11は、上述したように、ワークWから放射される光だけでなく、石英チューブ21から放射される光(外乱光)を検出してしまう。そこで本実施形態では、演算処理部13が、第1放射温度計11で検出されるワークWの温度(検出温度T1)を、第2放射温度計12で検出される石英チューブ21の温度(検出温度T2)を用いてワークWの温度を演算により求める。
尚、第1放射温度計11と第2放射温度計12は、加熱用光源のランプ22からワークWに対して熱放射する放射光(4μm以下の波長域)に対する有効な検出感度を有さず、所定の長波長域(5μm以上の波長域)に対して有効な検出感度を有するものを採用するのが望ましい。第2放射温度計12は、第1放射温度計11と同じ波長域を検出波長域とするものに限らず、石英チューブ21の温度を精度良く検出できるものであれば、第1放射温度計11とは異なる波長域を検出波長域とするものであってもよい。
(3)演算処理部
演算処理部13は、第1放射温度計11で検出されるワークWの温度(検出温度T1)と、第2放射温度計12で検出される石英チューブ21の温度(検出温度T2)とを入力値として後述の演算処理を行う。演算処理部13は、ハードウェアで構成されてもよいし、CPU(Central Processing Unit)やマイクロコンピュータ等の処理装置にプログラムを実行させることによってソフトウェアで構成されてもよい。そして、そのようなプログラムは、読取り可能な状態で記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ等)に記憶されてもよいし、温度検出装置1が備える記憶装置(不図示)に記憶されてもよい。
次に、第1放射温度計11と第2放射温度計12が検出する温度に基づいて演算処理部13でワークWの温度を求める第1の方法について説明する。
今、ワークWの温度の真値をTw、第1放射温度計11が検出する温度をT1、第2放射温度計12が検出する温度をT2とすると、次式(1)により、Twを求めることが出来る。
Twa=T1a[1-(ε2/ε1)・(T2a/T1a)1/4・・・(1)
ここで、ε1は第1放射温度計11のワークWに対する放射率、ε2は第2放射温度計12の石英チューブ21に対する放射率を示す。ε1は、実際の温度測定を開始する前に、第1放射温度計11とワークWとの関係に基づき、第1放射温度計11に設定される。ε2は、実際の温度測定を開始する前に、第2放射温度計12と石英チューブ21との関係に基づき、第2放射温度計12に設定される。Twa、T1a、T2aは、各々、セルシウス温度(℃)で表されたTw、T1、T2を、絶対温度(K)で表した温度を示す。
式(1)は、第1放射温度計11が検出する熱放射の収支の関係を示す以下の式(2)から導くことが出来る。
ε1・T1a=ε1・Twa+ε2・T2a・・・(2)
式(2)の左辺は、第1放射温度計11の温度T1に相当する熱放射エネルギー、式(2)の右辺は、第1放射温度計11に入射する温度TwのワークWからの熱放射エネルギーと、第1放射温度計11に入射する温度T2の石英チューブ21からの熱放射エネルギーとの和を表す。
式(2)を、Twaを求める演算式として変形すると、式(1)を得ることが出来る。
また、式(1)から、テイラー展開を用いて、近似式である式(3)を得ることも出来る。
Twa=T1a[1-1/4(ε1/ε2)・(T2a/T1a)]・・・(3)
以上により得られた式(1)式又は式(3)によると、第1放射温度計11で検出された熱放射の第1検出値である温度T1と、第2放射温度計12で検出された熱放射の第2検出値である温度T2とに基づいて、ワークWの温度Tw(真値Tw)を精度よく求めることができる。なお、式(1)は温度にかかわらず演算精度の低下はないが、1/4乗の演算を行う必要があり、演算部の能力によっては演算が困難な場合がある。このため式(3)による演算が簡便である。式(3)は式(1)の近似式であるため、演算精度は相対的に低くなるが、特にT2a≦T1a/2が成立する場合は、式(3)であっても、ワークWの温度を簡便に精度よく求めることができる。
図3(A)は、ワークWの温度を第1放射温度計11と熱電対により実際に測定(検出)した結果を示す。T1は、第1放射温度計11でワークWの温度を測定した結果を示し、Tcは、熱電対でワークWの温度を測定した結果を示す。
図3(B)は、第1放射温度計11でワークWの温度を測定した結果(検出温度T1)と、上記の式(3)を用いて得られたTw(Twa)を示す。図3(A)(B)において、MVはランプ制御電力を示し、それらの図においてのランプ加熱条件は同一である。なお、図3(B)はシミュレータを用いた図である。
図3(A)(B)から、図3(B)に示すTwは、図3(A)に示すTcに概ね精度よく近似していることが分かる。すなわち、図3(B)に示すTwは、図3(A)に示すTcに対する誤差が、1000℃及びその近傍において、プラスマイナス1%以内であることを確認した。なお、図3(B)の測定結果において、加熱開始から100sec後において、第1放射温度計11の検出温度T1=1000℃に対し、Tw=953℃であった。
以上により、温度検出装置1の演算の第1の方法では、第1放射温度計11と第2放射温度計12のそれぞれの検出温度(検出温度T1(第1検出値)と検出温度T2(第2検出値))に基づいてワークWの温度を精度よく検出することが出来る。
図1において、演算処理部13は、上記式(1)または式(3)を演算する。
また、温度検出装置1の演算の第2の方法(別の方法)としてT1aに対するワークWの温度の真値Twaの誤差ΔTを求め、真値Twaを、Twa=T1a-ΔTで近似することも可能である。
ΔT=k・T1a・・・(4)
式(4)において係数kは、以下により求めることが出来る。
k=1/4・(ε2/ε1)・(T2a/T1a)
さらに、別の方法として、測定時にΔTを実測し、k=ΔT/(T2a/T1a)によりkを求めても良い。
以上の演算の第2の方法は、第1放射温度計11に対する石英チューブ21からの熱放射による影響を無視することができない場合、例えば石英チューブ21の検出温度T2によらず有効である。
図4は、第1放射温度計11と第2放射温度計12でそれぞれ検出された検出温度(第1検出値と第2検出値)に基づいてワークWの温度を検出する流れを示す。この動作は演算処理部13が実行する。測定に入り、所定の時間が経過した段階で、演算処理部13には、第1放射温度計11の検出温度T1(第1検出値)と、第2放射温度計12の検出温度T2(第2検出値)が入力される(S11)。
続いて、上記式(1)又は(3)の演算により、ワークWの温度Twa(Tw)を求める(第1の方法)。このとき、式(4)により誤差(ズレ幅)ΔTを求め、検出温度T1-ΔTによりワークWの温度Twa(Tw)を求めても良い(第2の方法)。
上述したランプアニール装置2などの熱処理装置では、冷却機構によって装置自体が冷却(水冷、空冷など)される場合がある。このような装置の場合、装置自体が冷却されるのに伴って、石英チューブ21も冷却され、その結果として、石英チューブ21の温度は、ランプ22の光を吸収して上昇したとしても400℃以下程度等の低温に抑えられる。よって、このようなランプアニール装置2に上記温度検出装置を適用すると、上述の演算処理により、ワークWの温度Twaをより精度よく算出することが出来る。
以上の構成の温度検出装置1によれば、第1放射温度計11で検出されるワークWの温度(検出温度T1)から、石英チューブ21から放射される光の影響が取り除かれる。具体的には、上記の式(1)又は式(3)により、ワークWの温度Tw(真値Tw)を直接求めることが出来、又は、石英チューブ21から放射される光の影響(即ち、誤差(ズレ幅)ΔT)を式(4)で求めてから、ワークWの温度Tw(真値Tw)を求めることが出来る。いずれの場合も、第1放射温度計11の検出温度T1と第2放射温度計12の検出温度T2を用いるだけで、ワークWの温度Tw(真値Tw)を線形近似で簡易に且つ精度良く求められる。
第1放射温度計11は、石英チューブ21から放射される光の影響を受けやすくなるが、上記演算処理部13により、第1放射温度計11で検出されるワークWの温度が精度良く求められる。よって、上記温度検出装置1によれば、400℃より低い温度域を含む広い温度範囲でワークWの温度を正確に測定できる。また、長波長域(5μm以上)を検出波長域とする放射温度計は、短波長域(例えば4μm以下)を検出波長域とする放射温度計より廉価である。
更に、上記温度検出装置1では、第2放射温度計12を、第1放射温度計11と同じ波長域を検出波長域とすることにより、これら2つの放射温度計に同じものを用いることによって温度検出装置1の構成を簡略化することが可能である。
尚、上述した温度検出装置1は、第1放射温度計11及び第2放射温度計12のそれぞれの検出波長域を適宜選択することにより、上述した温度域とは異なる様々な温度域でワークWの温度を精度良く測定することが可能になる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 温度検出装置
2 ランプアニール装置
W ワーク
11 第1放射温度計
12 第2放射温度計
13 演算処理部
21 石英チューブ
22 ランプ
23 透過窓
k 補正係数
T1、T2 検出温度
Tr 真値
ΔT 誤差(ズレ幅)
Ts 補正後の温度

Claims (9)

  1. 内側の空間を囲む壁を備え、加熱されるワークが前記内側の空間に収納される熱処理室と、
    前記ワークを加熱する加熱用光源と、
    前記熱処理室の室外の第1位置に配置される第1放射温度計と、
    前記熱処理室の室外の第2位置に配置される第2放射温度計と、
    を備え、
    前記熱処理室は、前記壁の一部に、前記ワークからの熱放射を室外に透過させる透過窓を備え、
    前記第1位置は、前記透過窓を透過した前記ワークからの熱放射を前記第1放射温度計が検出する位置であり、
    前記第2位置は、前記透過窓を透過した前記ワークからの熱放射が前記第2放射温度計の検出視野に入らない位置であり、
    前記第1放射温度計と前記第2放射温度計は、前記加熱用光源から前記ワークに対して熱放射する放射光に対する有効な検出感度を有さず、所定の長波長域に対して有効な検出感度を有し、
    前記第1放射温度計で検出された熱放射の第1検出値と、前記第2放射温度計で検出された熱放射の第2検出値とに基づいて前記ワークの温度を検出する、温度検出装置。
  2. 前記熱処理室は、前記壁が石英からなる石英チューブを含み、
    前記所定の長波長域は、最も短い低波長側の波長が略5μmである請求項1記載の温度検出装置。
  3. 前記第2放射温度計は、前記熱処理室の前記壁からの熱放射を検出する、請求項1または2記載の温度検出装置。
  4. 前記第1放射温度計と前記第2放射温度計は、検出する熱放射の検出波長域が同一である、請求項1~3のいずれかに記載の温度検出装置。
  5. 前記第1検出値をT1、前記第2検出値をT2、前記ワークの温度をTwとして、前記ワークの温度Twを下記式により求める、請求項1~4のいずれかに記載の温度検出装置。
    Twa=T1a[1-(ε2/ε1)・(T2a/T1a)1/4
    ただし、
    ε1は第1放射温度計11のワークWに対する放射率
    ε2は第2放射温度計12の石英チューブ21に対する放射率
    Twa、T1a、T2aは、各々、セルシウス温度(℃)で表されたTw、T1、T2を、絶対温度(K)で表した温度
  6. 前記第1検出値をT1、前記第2検出値をT2、前記ワークの温度をTwとして、前記ワークの温度Twを下記式により求める、請求項1~4のいずれかに記載の温度検出装置。
    Twa=T1a[1-1/4(ε1/ε2)・(T2a/T1a)
    ただし、
    ε1は第1放射温度計11のワークWに対する放射率
    ε2は第2放射温度計12の石英チューブ21に対する放射率
    Twa、T1a、T2aは、各々、セルシウス温度(℃)で表されたTw、T1、T2を、絶対温度(K)で表した温度
  7. 前記第1検出値をT1、前記第2検出値をT2、前記ワークの温度をTwとして、前記ワークの温度Twを下記式により求める、請求項1~4のいずれかに記載の温度検出装置。
    Twa=T1a-ΔT
    ΔT=k・T1a
    k=1/4・(ε2/ε1)・(T2a/T1a)
    ただし、
    ε1は第1放射温度計11のワークWに対する放射率
    ε2は第2放射温度計12の石英チューブ21に対する放射率
    Twa、T1a、T2aは、各々、セルシウス温度(℃)で表されたTw、T1、T2を、絶対温度(K)で表した温度
    ΔTはワークWの温度の真値Twに対する誤差
  8. T2a≦T1a/2の条件時において、前記ワークの温度Twを求める、請求項6に記載の温度検出装置。
  9. 内側の空間を囲む壁を備える熱処理室にワークを収納し、
    加熱用光源によって前記ワークを加熱し、
    前記熱処理室の前記壁の一部に設けられた透過窓を介して、前記ワークからの熱放射を
    第1放射温度計により検出し、
    前記透過窓を透過した前記ワークからの熱放射が検出視野に入らない位置で、前記熱処理室の前記壁からの熱放射を第2放射温度計により検出し、
    前記第1放射温度計で検出された熱放射の第1検出値と、前記第2放射温度計で検さ
    れた熱放射の第2検出値とに基づいて前記ワークの温度を検出する、温度検出方法。
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