JP2021179404A - 温度測定システム - Google Patents

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Naotaka Tanahashi
健太郎 小森
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Abstract

【課題】測定対象物の温度測定精度の向上に貢献可能な温度測定システムを提供する。【解決手段】温度測定システム10は、測定対象物110から放射された放射光を受光する受光部21と、受光部21によって受光した放射光のうち可視光線又は近赤外線の少なくとも一方に対応する波長の放射光における輝度を検出する輝度検出部22と、輝度検出部22によって検出した輝度に基づき、放射光の階調と輝度とのヒストグラムを作成するヒストグラム作成部と、ヒストグラム作成部によって作成されたヒストグラムから代表輝度を検出する代表輝度検出部と、代表輝度検出部によって検出された輝度に基づいて測定対象物110の温度を算出する温度算出部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、温度測定システムに関する。
特許文献1に記載の温度測定システムは、加熱炉内にて加熱される測定対象物の温度を、加熱炉外に配置されたサーモグラフィを用いて測定する。加熱炉には光学窓が設置されており、測定対象物から放射された赤外線は、光学窓を透過してサーモグラフィに到達する。この温度測定システムでは、サーモグラフィによって検出した赤外線の輝度に基づいて測定対象物の温度を測定する。温度測定システムは、加熱炉内の測定対象物の温度を非接触の状態で測定する。
特開2014−215084号公報
光学窓には、例えば石英ガラスなどの赤外線を吸収する素材が用いられている。そのため、測定対象物の温度を精度良く測定するためには、光学窓によって吸収される赤外線の量、すなわち光学窓の赤外線放射率の影響を考慮する必要がある。なお、例えばサファイヤ等の赤外線を吸収し難い素材で光学窓を構成することで、赤外線放射率の影響を考慮しない状態での温度の測定精度を高めることは可能であるが、この場合には加熱炉の製造コストが増大する。
本発明の目的は、測定対象物の温度測定精度の向上に貢献可能な温度測定システムを提供することにある。
上記課題を解決するための温度測定システムは、測定対象物から放射された放射光を受光する受光部と、前記受光部によって受光した放射光のうち可視光線又は近赤外線の少なくとも一方に対応する波長の放射光における輝度を検出する輝度検出部と、前記輝度検出部によって検出した輝度に基づき、放射光の階調と輝度とのヒストグラムを作成するヒストグラム作成部と、前記ヒストグラム作成部によって作成された前記ヒストグラムから代表輝度を検出する代表輝度検出部と、前記代表輝度検出部によって検出された前記代表輝度に基づいて前記測定対象物の温度を算出する温度算出部とを備える。
上記構成では、測定対象物から放射される放射光のうち、ガラスなどによって吸収され難い波長である可視光線及び近赤外線に対応する波長の放射光を用いて輝度を検出する。そのため、安価な石英ガラスなどによって構成される光学窓を備える加熱炉であっても、内部の測定対象物からの放射光の輝度に基づいて、測定対象物の温度を精度良く測定できる。したがって、上記構成によれば、測定対象物の温度測定精度の向上に貢献できる。
また、上記温度測定システムでは、可視光線又は近赤外線に対応する波長の中で特定の領域の波長を通過させるパスフィルタを備えることが望ましい。
測定対象物の温度が高いときほど放射光の輝度は大きくなる傾向がある。輝度検出部において検出可能な輝度には限界がある場合があることから、広い温度範囲の測定を可能にするためには、低温に対応する輝度と高温に対応する輝度との差が小さい方が望ましい。上記構成によれば、輝度検出部において、全ての波長ではなく特定の領域の波長に絞った上で輝度を検出することが可能になる。したがって、低温に対応する輝度と高温に対応する輝度との差を小さくして測定対象物に対して測定可能な温度範囲を広くすることが可能になる。
また、上記温度測定システムでは、前記受光部にて受光される放射光の光量を減少させる減光フィルタを備えることが望ましい。
測定対象物の温度が高いときほど放射光の輝度は大きくなる傾向がある。輝度検出部において検出可能な輝度には限界がある場合があることから、広い温度範囲の測定を可能にするためには、低温に対応する輝度と高温に対応する輝度との差が小さい方が望ましい。上記構成では、受光部にて受光される放射光の光量が減少するため、輝度検出部において検出される輝度において低温に対応する輝度と高温に対応する輝度との差を小さくできる。したがって、上記構成によれば、測定対象物に対して測定可能な温度範囲を広くすることが可能になる。
また、上記温度測定システムでは、前記温度算出部は、黒体の熱放射における温度と輝度との関係を示す関係式を記憶した記憶部と、前記記憶部に記憶された関係式に基づき前記代表輝度から前記測定対象物の温度を算出する実行部とを有することが望ましい。
発明者は、測定対象物の温度と上記ヒストグラムから検出される代表輝度との関係は、測定対象物の放射率が1より小さい場合や黒体とは材質が異なる場合であっても、黒体の熱放射における温度と輝度との関係と極めて高い一致性を有することを見出した。上記構成では、黒体の熱放射における温度と輝度との関係を示す関係式を記憶した上で、この関係式に基づき代表輝度から温度を算出するため、測定対象物の温度を精度良く算出できる。
上記温度測定システムによれば、測定対象物の温度測定精度の向上に貢献できる。
温度測定システムの一実施形態の構成を示す模式図。 放射光の波長と分光放射輝度と測定対象物の温度との関係を示すグラフ。 測定対象物の温度と検出輝度との関係を示すグラフ。 情報処理装置の機能ブロック図。 放射光の階調と輝度とのヒストグラム。 黒体の熱放射における温度と輝度との関係を示すグラフ。
温度測定システムの一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。本実施形態では、加熱炉内にて加熱される測定対象物の温度を測定する温度測定システムを例に説明する。
図1に示すように、加熱炉100は、内部に図示しない熱源を有する箱状のケース101を備えている。なお、熱源としては、例えばバーナーなどの火炎を発するものが設けられている。ケース101には開口部101Aが設けられており、該開口部101Aには光学窓102が設置されている。光学窓102は、赤外線を吸収し易い石英ガラスによって構成されている。ケース101の内部には、測定対象物110が収容されている。加熱炉100では、熱源によって測定対象物110を加熱する。
温度測定システム10は、加熱炉100の外部に配置されている。温度測定システム10は、加熱炉100のケース101から離間して配置されたカメラ20と、情報処理装置30と、表示装置50とを有している。また、温度測定システム10は、加熱炉100とカメラ20との間に配置された減光フィルタ60及びバンドパスフィルタ70を有している。減光フィルタ60は、バンドパスフィルタ70に対して加熱炉100側に配置されている。図1に一点鎖線の矢印で示すように、加熱炉100内の測定対象物110から放射された放射光は、光学窓102を透過して加熱炉100の外部に達した後、減光フィルタ60及びバンドパスフィルタ70を順に通過してカメラ20に到達する。
カメラ20は、例えばCCDカメラやCMOSカメラであって、機能部として、受光部21及び輝度検出部22を備えている。受光部21は、測定対象物110から放射された放射光を受光する。受光部21は、受光した放射光の輝度に対応した電気信号を輝度検出部22に送信する。輝度検出部22は、送信された電気信号に基づき、放射光における輝度を検出する。以下では、輝度検出部22によって検出された輝度を単に検出輝度という。
測定対象物110から放射された放射光には、可視光線(380nm〜750nm)及び近赤外線(750nm〜2500nm)に対応する波長の光が含まれている。図2に示すように、測定対象物110の放射光におけるこれらの領域の波長と分光放射輝度との関係はプランク則に従う。また、測定対象物110の温度と分光放射輝度との関係はウィーン則に従うことから、測定対象物110の温度が高い場合の分光放射輝度は、温度が低い場合の分光放射輝度に比べて常に高い値を示す。
すなわち、図2に実線で示すように、測定対象物110の温度が低い場合、例えば800nmよりも若干長い波長W1の放射光から輝度の検出が可能となり、長い波長側ほど放射光の輝度が大きくなる傾向を示す。図2に一点鎖線で示すように、測定対象物110の温度が高くなると、測定対象物110の温度が低いときに比して放射光の輝度は大きくなる。測定対象物110の温度が高いときには、測定対象物110の温度が低いときに比して、より短い波長の放射光の輝度を検出することができる。すなわち、測定対象物110の温度が高いときには、例えば700nmよりも少し長い波長W2から輝度の検出が可能になる(W2<W1)。また、測定対象物110の温度が高いときであっても、長い波長側ほど放射光の輝度が大きくなる傾向を示すが、波長が長いときほど温度の増加に伴う輝度の増大量は減少する。そのため、測定対象物110の温度が低い場合の輝度(図2の実線)と、測定対象物110の温度が高い場合の輝度(図2の一点鎖線)との差は、放射光の波長が長いときほど小さくなる。なお、図2の一点鎖線と実線との差で示す温度の違いによる分光放射輝度の差ΔLnの範囲内で輝度を検出することで測定対象物110の温度を精度良く求めることが可能になる。輝度検出部22では、各波長における輝度を積算することで放射光の輝度を検出する。
減光フィルタ60は、放射光が通過する際に、可視光線及び近赤外線に対応する波長の光を同じ割合で減光させる。これにより、受光部21にて受光される放射光の光量が減少する。すなわち、測定対象物110の温度が低い場合、図2に実線で示すように、減光フィルタ60を通過して受光部21に達した放射光の輝度は、図2に破線で示すように、減光フィルタ60を通過せずに受光部21に達した放射光の輝度よりも小さくなる。また、測定対象物110の温度が高い場合、図2に一点鎖線で示すように、減光フィルタ60を通過して受光部21に達した放射光の輝度は、図2に二点鎖線で示すように、減光フィルタ60を通過せずに受光部21に達した放射光の輝度よりも小さくなる。なお、減光フィルタ60は可視光線及び近赤外線に対応する波長の光を同じ割合で減光させることから、図2に白抜きの矢印で示すように、測定対象物110の温度が低い場合の減光フィルタ60による輝度の低下度合いは、図2に黒矢印で示すように、測定対象物110の温度が高い場合の減光フィルタ60による輝度の低下度合いよりも小さい。そのため、図2の一点鎖線と実線との差で示すように、減光フィルタ60を通過して受光部21に放射光が到達した場合の温度の違いによる輝度の差ΔLnは、図2の二点鎖線と破線との差で示すように、減光フィルタ60を通過せずに受光部21に放射光が到達した場合の温度の違いによる輝度の差ΔLrよりも小さくなる(ΔLn<ΔLr)。このように、減光フィルタ60によって、受光部21にて受光される放射光の輝度の差ΔLnの範囲が調整される。
また、バンドパスフィルタ70は、放射光のうち特定の領域の波長のみを通過させるフィルタである。本実施形態では、840nm〜860nmの波長を通過させるバンドパスフィルタ70を用いている。これにより、測定対象物110から放射された放射光のうち、可視光線及び近赤外線に対応する波長の中で特定の領域Rbの波長のみが受光部21に到達することとなる。また、840nm〜860nmの波長には、火炎の放射光に対応する波長が含まれないことから、加熱炉100内の熱源から発せられた火炎の放射光は、バンドパスフィルタ70を通過できず、受光部21に到達することはない。輝度検出部22では、受光部21に到達する領域Rb内の各波長における輝度を積算することで放射光の輝度を検出しているため、バンドパスフィルタ70が設けられていない場合、すなわち放射光の全ての波長における輝度を積算することで放射光の輝度を検出する場合に比して、検出輝度を小さくすることができる。そのため、図2のハッチングの領域で示すように、測定対象物110の温度が小さい場合に検出される輝度(=K1)と、測定対象物110の温度が高いときに検出される輝度(=K1+K2)との差(=K2)を小さくできる。
図3に示すように、輝度検出部22における検出輝度は、測定対象物110の温度が高くなるほど大きくなる傾向を示す。測定対象物110の温度が高いと、輝度検出部22において検出される輝度に限界が生じることから、測定したい所望の温度域(例えば700℃〜1450℃)において検出輝度が上限値を超えないことが望ましい。本実施形態では、減光フィルタ60によって放射光の受光量を減少させつつ、バンドパスフィルタ70によって放射光の受光波長を制限することで、測定したい温度域において検出輝度の上限値への到達を可能な限り抑制し、検出輝度と温度との相関を担保している。このように、減光フィルタ60における減光割合や、バンドパスフィルタ70における通過可能な波長領域は、測定したい温度域と検出輝度との関係から適宜設定すれば良い。
図1に示すように、温度測定システム10の情報処理装置30には、カメラ20の受光部21及び輝度検出部22から送信された出力信号が入力される。情報処理装置30は、CPU30A、ROM30B、及びRAM30Cを備えている。情報処理装置30では、CPU30AがROM30Bに記憶されたプログラムをRAM30Cに展開して各種処理を実行することにより、測定対象物110の温度を算出する。
図4に示すように、情報処理装置30は、機能部として、前処理部40、ヒストグラム作成部41、代表輝度検出部42、及び温度算出部43を有している。
前処理部40は、受光部21からの出力信号と輝度検出部22からの出力信号とに基づいて、カメラ20の受光範囲内、すなわち撮影画像内における温度解析範囲を設定する。前処理部40には、機能部として画像読込部40A、及び解析範囲指定部40Bが設けられている。
画像読込部40Aは、受光部21からの出力信号と輝度検出部22からの出力信号に基づき測定対象物110の画像データを読み込む。
解析範囲指定部40Bは、画像読込部40Aが読み込んだ画像データに基づき、温度解析範囲を指定する。温度解析範囲としては、例えば、画像データのうちで測定対象物110に該当する部分が抽出される。
ヒストグラム作成部41は、輝度検出部22の検出輝度に基づき、放射光の階調と輝度とのヒストグラムを作成する。ヒストグラム作成部41は、機能部として、生成部41A及び補正部41Bを有している。
生成部41Aは、受光部21の出力信号、及び輝度検出部22の出力信号に基づき、前処理部40によって設定された温度解析範囲における放射光の階調と輝度とのヒストグラムを生成する。階調とは色の濃淡のことであり、一例として本実施形態では0から255までの256(=2)段階で表している。なお、階調を表す際には、256段階に限らず、65536(=216)段階のように、段階を適宜変更してもよい。
図5に示すように、本実施形態において生成されるヒストグラムでは、階調が0からG1の黒側の部分、並びに、階調がG4から255の最も白側の部分では検出輝度の分布が発生せず、階調がG1からG4までの中間部分に検出輝度の分布が発生する。検出輝度は、階調がG1からG2の間では、G2側ほど増大する傾向を示す。また、検出輝度は、階調がG2からG3の間では、階調に応じて若干異なる値を示すもののある程度近似した値となる傾向を示す。また、検出輝度は、階調がG3からG4の間では階調毎に大きく異なった値を示し、G3とG4との間では、2つの極大値を有する山型の分布となる傾向を示す。なお、2つの極大値のうちG4側(図5の右側)の極大値を示す階調からG4側の領域では、階調が大きくなるにつれて検出輝度は急激に減少し、階調がG4のときでは検出輝度は下限値に等しい値となる。
補正部41Bは、生成部41Aによって生成されたヒストグラムを補正する。本実施形態では、補正部41Bは、ヒストグラムをガウス関数で近似させる等のスムージング処理を行う。こうしたスムージング処理を行うことにより、ヒストグラム内のノイズを除去することができる。このように、ヒストグラム作成部41では、生成部41Aによって生成したヒストグラムを、補正部41Bによって補正することで、輝度検出部22の検出輝度に基づき、放射光の階調と輝度とのヒストグラムを作成する。
代表輝度検出部42は、ヒストグラム作成部41によって作成されたヒストグラムから代表輝度を検出する。代表輝度検出部42では、ヒストグラム作成部41によって作成されたヒストグラムにおいて、輝度がある程度近似した値となる階調の領域Rh(G2〜G3)を抽出し、それ以外の階調の領域(0〜G2及びG3〜255)を削除する。そして、抽出した階調の領域Rh内におけるヒストグラムから代表輝度を検出する。本実施形態では、領域Rhにおける輝度の平均値を代表輝度として検出する。なお、代表輝度検出部42では、他の例として、領域Rhにおける最小値や最大値を代表輝度として検出することも可能である。
温度算出部43は、代表輝度検出部42によって検出された代表輝度に基づいて測定対象物110の温度を算出する。図4に示すように、温度算出部43は、機能部として記憶部43A及び実行部43Bを有している。
記憶部43Aには、黒体の熱放射における温度と輝度との関係を示す関係式が記憶されている。この関係式は、例えば、黒体炉を用いた実験やシミュレーションに基づき算出することができる。黒体炉とは、黒体を内部に収容し、その温度を昇降、保持可能な温度可変炉である。黒体としては、赤外線放射率が1である完全な黒体だけを意味するのではなく、赤外線放射率が限りなく1に近い黒体近似物質も含まれており、例えば、炭素板のような平板状のものや、筒状の空洞体の内面をカーボンナノチューブ等によってコーティング処理した黒体空洞のような筒状のもの等が用いられる。黒体炉では、こうした黒体近似物質を含む黒体を加熱することにより該黒体の熱放射を発生させる。
図6に示すように、黒体の熱放射を発生させたときの該黒体の温度と放射された放射光の輝度との関係は、黒体の温度が高いときほど放射光の輝度が大きくなるような右肩上がりの直線となる。この直線は、減光フィルタ60やバンドパスフィルタ70の有無、減光フィルタ60の減光度合い、及びバンドパスフィルタ70の通過波長領域等の違いによって異なる。これらの直線を示す式が上記関係式として予め求められて、記憶部43Aに記憶されている。
実行部43Bは、記憶部43Aに記憶された関係式のうち、測定対象物110の測定に用いた減光フィルタ60やバンドパスフィルタ70の条件に合致する関係式を選択し、その関係式に基づき、代表輝度検出部42で検出された代表輝度から測定対象物110の温度を算出する。本実施形態では、実行部43Bは、記憶部43Aに記憶された関係式のうち選択した関係式の輝度として代表輝度を代入することで、温度を算出する。
図1及び図4に示すように、情報処理装置30の温度算出部43によって測定対象物110の温度が算出されると、その情報は表示装置50に送信される。表示装置50は、測定者に測定対象物110の温度を報知するためのものであり、既知のディスプレイなどが用いられる。表示装置50は、機能部として表示部51を有し、表示部51は温度算出部43からの出力信号に基づき、測定対象物110の温度を表示する。このようにして、温度測定システム10は、加熱炉100内の測定対象物110の温度を非接触の状態で測定する。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態では、測定対象物110から放射される放射光のうち、ガラスなどによって吸収され難い波長である可視光線及び近赤外線に対応する波長の放射光を用いて輝度を検出している。そのため、安価な石英ガラスなどによって構成される光学窓102を備える加熱炉100であっても、内部の測定対象物110からの放射光の輝度に基づいて、測定対象物110の温度を精度良く測定できる。したがって、測定対象物110の温度測定精度の向上に貢献できる。
(2)測定対象物110の温度が高いときほど放射光の輝度は大きくなる傾向がある。輝度検出部22において検出可能な輝度には限界がある場合があることから、広い温度範囲の測定を可能にするためには、低温に対応する輝度と高温に対応する輝度との差が小さい方が望ましい。本実施形態では、可視光線又は近赤外線に対応する波長の中で特定の領域Rbの波長を通過させるバンドパスフィルタ70を備えている。そのため、輝度検出部22において、全ての波長ではなく特定の領域の波長に絞った上で輝度を検出することが可能になる。したがって、低温に対応する輝度と高温に対応する輝度との差を小さくして測定対象物110に対して測定可能な温度範囲を広くすることが可能になる。
また、加熱炉100内に火炎を放射するバーナー等の熱源を備える場合、従来のようなサーモグラフィを用いた温度測定においては、測定対象物110の温度を精度良く測定するために火炎からの放射光の影響も考慮する必要がある。
本実施形態では、バンドパスフィルタ70により、可視光線又は近赤外線に対応する波長の中で火炎の放射光に対応する波長を含まないように上記特定の領域Rbを設定している。したがって、ガラス越し且つ火炎越しの測定であっても、加熱炉100内の測定対象物110の温度を精度良く測定することが可能になる。
(3)また、本実施形態では、受光部21にて受光される放射光の光量を減少させる減光フィルタ60を備えている。そのため、輝度検出部22において検出される輝度において低温に対応する輝度と高温に対応する輝度との差を一層小さくできる。したがって、測定対象物110に対して測定可能な温度範囲を広くすることが可能になる。
(4)図2に実線及び一点鎖線で示すように、測定対象物110の温度が低い場合の輝度と、測定対象物110の温度が高い場合の輝度との差ΔLnは、放射光の波長が長いときほど小さくなる傾向を示す。本実施形態では、バンドパスフィルタ70における通過可能な波長を840nm〜860nmに設定している。そのため、上記差ΔLnが過度に小さくなることを抑制でき、広い温度範囲の測定を可能にしつつも、測定対象物110の温度測定精度を担保することが可能になる。
(5)本実施形態では、温度算出部43は、黒体の熱放射における温度と輝度との関係を示す関係式に基づき代表輝度から測定対象物110の温度を算出している。発明者は、測定対象物110の温度と上記ヒストグラムから検出される代表輝度との関係は、測定対象物の放射率が1より小さい場合や黒体とは材質が異なっている場合であっても、黒体の熱放射における温度と輝度との関係と極めて高い一致性を有することを見出した。これは、測定対象物110が例えば白色であって放射率が1よりも小さい場合の測定であっても、黒体の熱放射における関係式に基づき、測定対象物110の温度を精度良く算出できることを意味している。また、こうした一致性は、ガラス越し且つ火炎越しの測定の場合であっても維持されることも見出した。本実施形態では、黒体の熱放射における温度と輝度との関係を示す関係式を記憶した上で、この関係式に基づき代表輝度から温度を算出するため、測定対象物110の温度を精度良く算出できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、温度算出部43は、黒体の熱放射における温度と輝度との関係式を予め記憶し、この関係式に代表輝度を代入することで測定対象物110の温度を算出したが、代表輝度に基づく温度の算出方法はこうしたものに限らない。例えば、温度算出部43に、黒体の熱放射における温度と輝度との関係を示すマップを記憶し、この記憶されたマップを参照することで代表輝度から測定対象物110の温度を算出するようにしてもよい。
・上記実施形態では、減光フィルタ60やバンドパスフィルタ70をカメラ20とは離間した位置に配置したが、減光フィルタ60やバンドパスフィルタ70をカメラ20と一体に設けてもよい。この場合、カメラ20のレンズに装着して一体化することも可能であるし、カメラ20内の電子回路として減光フィルタ60やバンドパスフィルタ70と同様の機能を備えるフィルタ回路を設けることで一体化することも可能である。
・上記実施形態では、可視光線又は近赤外線に対応する波長の中で特定の領域Rbの波長を通過させるバンドパスフィルタ70を備えるようにしたが、こうした構成は変更することが可能である。例えば、第1の特定波長以下の波長のみを通過させるローパスフィルタを、可視光線又は近赤外線に対応する波長の中で特定の領域の波長を通過させるパスフィルタとして採用してもよい。また、第2の特定波長以上の波長のみを通過させるハイパスフィルタを、可視光線又は近赤外線に対応する波長の中で特定の領域の波長を通過させるパスフィルタとして採用してもよい。これらローパスフィルタ及びハイパスフィルタは、組み合わせて備えることも可能である。この場合、上記第2の特定波長よりも上記第1の特定波長が長くなる関係を満たすローパスフィルタとハイパスフィルタとの組み合わせを選択することで、放射光のうちで第2の特定波長から第1の特定波長の間の波長のみを通過させることができ、バンドパスフィルタ70と同様の機能を得ることができる。
・減光フィルタ60及び上記各パスフィルタの少なくとも一方を省略してもよい。なお、減光フィルタ60に加えてまたは代えて、カメラ20のシャッタースピードを調整することで、受光部21にて受光される放射光の光量を減少させるようにしてもよい。
・輝度検出部22における輝度の検出態様は上記実施形態のものに限らない。例えば、温度測定システム10がパスフィルタを備えない場合、受光部21には全ての波長の放射光が到達する。この場合、輝度検出部22は、受光部21から送信される電気信号のうち、可視光線及び近赤外線の少なくとも一方に対応する電気信号を選別して、選別した電気信号に基づいて輝度を検出する。こうした構成であっても、輝度検出部22は、受光部21によって受光した放射光のうち可視光線及び近赤外線に対応する波長の放射光における輝度を検出することが可能である。
・情報処理装置30において、受光部21で受光した放射光の明度を増幅させるための明度増幅部を機能部として備えるようにしてもよい。明度増幅部によって放射光の明度を増幅することによって、ヒストグラムにおける階調の段階を例えば216等に細分化し易くなる。そのため、階調と輝度とのヒストグラムから代表輝度を検出する際の精度を向上させることができ、温度測定精度の向上を一層図ることが可能になる。なお、こうした場合であっても、輝度検出部22によって検出された輝度に基づき、放射光の階調と輝度とのヒストグラムが作成されることはいうまでもない。
・ヒストグラムにおいて輝度を検出可能な階調の領域(本実施形態ではG1〜G4)は、温度測定精度向上の観点から広い方が望ましい。この領域の調整は、カメラ20における露光時間や絞りを変更することで実現できる。
・情報処理装置30は必ずしも前処理部40を備える必要はない。例えば、画像読込部40A及び解析範囲指定部40Bの機能による温度解析範囲の設定を行わない場合であっても、受光部21からの出力信号と輝度検出部22からの出力信号とに基づけば放射光の階調と輝度とのヒストグラムを作成することは可能である。
・ヒストグラム作成部41において補正部41Bを省略してもよい。また、生成部41Aが輝度を増幅する機能を有し、輝度検出部22によって検出された輝度を増幅した上で、放射光の階調と輝度とのヒストグラムを生成することも可能である。このように検出輝度の値をそのまま用いるのではなく、該値に対して種々の補正を行った上でヒストグラムを生成するような構成であっても、生成部41Aは、輝度検出部22によって検出された輝度に基づき、放射光の階調と輝度とのヒストグラムを生成しているといえる。
・代表輝度検出部42は、ヒストグラム作成部41によって作成されたヒストグラムのうち、領域Rh以外の部分も考慮して代表輝度を検出することも可能である。例えば、ヒストグラムにおける階調がG1〜G4の領域の輝度の平均値を代表輝度として検出することも可能である。
・上記実施形態では、代表輝度検出部42は、ヒストグラムにおける検出輝度の平均値を代表輝度として検出したが、温度測定精度向上の観点では、代表輝度には、領域Rhにおける最小値を選定することが望ましい。
・上記実施形態では、情報処理装置30は、ROM30Bに記憶されたプログラムをCPU30Aが実行することにより、測定対象物110の温度を算出した。すなわち、情報処理装置30は、測定対象物110の温度を算出するための全てのプログラムを記憶するROM30B等のプログラム格納装置と、該プログラムに従って処理を実行するCPU30A等の処理装置とを備える。そして、情報処理装置30が、ソフトウェア処理を実行することにより、測定対象物110の温度を算出する処理を実行するようにした。情報処理装置30は、このようにソフトウェア処理のみによって上記算出処理を行うものに限らない。例えば、上記実施形態において実行されるソフトウェア処理の少なくとも一部を実行する専用のハードウェア回路を備えるようにしてもよい。この構成は、例えば、上記実施形態において実行される処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置及びプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えることで実現できる。また、例えば、上記実施形態において実行される処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備えることによっても実現することは可能である。このように、1または複数のソフトウェア処理回路、及び1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって上記算出処理を実行すればよい。
・カメラ20、情報処理装置30、及び表示装置50の2つ以上を一体に設けることも可能である。例えば、カメラ20の内部に情報処理装置30を格納して一体化してもよいし、情報処理装置30を表示装置50の内部に格納して一体化してもよい。
・上記実施形態では、加熱炉100内に配置された測定対象物110の温度を測定する温度測定システム10を例に説明したが、温度測定システムの測定対象物はこうしたものに限らない。例えば、鋳造用の取鍋内の金属溶湯等を測定対象物とする温度測定システムであっても、上記実施形態と同様の構成を適用することはできる。
10…温度測定システム
20…カメラ
21…受光部
22…輝度検出部
30…情報処理装置
30A…CPU
30B…ROM
30C…RAM
40…前処理部
40A…画像読込部
40B…解析範囲指定部
41…ヒストグラム作成部
41A…生成部
41B…補正部
42…代表輝度検出部
43…温度算出部
43A…記憶部
43B…実行部
50…表示装置
51…表示部
60…減光フィルタ
70…バンドパスフィルタ
100…加熱炉
101…ケース
101A…開口部
102…光学窓
110…測定対象物

Claims (4)

  1. 測定対象物から放射された放射光を受光する受光部と、
    前記受光部によって受光した放射光のうち可視光線又は近赤外線の少なくとも一方に対応する波長の放射光における輝度を検出する輝度検出部と、
    前記輝度検出部によって検出した輝度に基づき、放射光の階調と輝度とのヒストグラムを作成するヒストグラム作成部と、
    前記ヒストグラム作成部によって作成された前記ヒストグラムから代表輝度を検出する代表輝度検出部と、
    前記代表輝度検出部によって検出された前記代表輝度に基づいて前記測定対象物の温度を算出する温度算出部とを備える温度測定システム。
  2. 可視光線又は近赤外線に対応する波長の中で特定の領域の波長を通過させるパスフィルタを備える
    請求項1に記載の温度測定システム。
  3. 前記受光部にて受光される放射光の光量を減少させる減光フィルタを備える
    請求項1または2に記載の温度測定システム。
  4. 前記温度算出部は、黒体の熱放射における温度と輝度との関係を示す関係式を記憶した記憶部と、前記記憶部に記憶された関係式に基づき前記代表輝度から前記測定対象物の温度を算出する実行部とを有する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度測定システム。
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